日米防衛協力のための指針に関する特別委員会

1999-04-23 衆議院 全365発言

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会議録情報#0
平成十一年四月二十三日(金曜日)
    午前九時一分開議
  出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 赤城 徳彦君 理事 大野 功統君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 中谷  元君
   理事 中山 利生君 理事 畑 英次郎君
   理事 前原 誠司君 理事 遠藤 乙彦君
   理事 西村 眞悟君
      安倍 晋三君    浅野 勝人君
      石川 要三君    岩永 峯一君
      大石 秀政君    大島 理森君
      大野 松茂君    小島 敏男君
      桜田 義孝君    砂田 圭佑君
      田中 和徳君    田村 憲久君
      西川 公也君    平林 鴻三君
      福田 康夫君    細田 博之君
      松本  純君    御法川英文君
      宮腰 光寛君    八代 英太君
      吉川 貴盛君    米田 建三君
      渡辺 具能君    伊藤 英成君
      上原 康助君    岡田 克也君
      桑原  豊君    玄葉光一郎君
      土肥 隆一君    横路 孝弘君
      赤松 正雄君    佐藤 茂樹君
      白保 台一君    山中あき子君
      東  祥三君    井上 喜一君
      達増 拓也君    木島日出夫君
      佐々木陸海君    東中 光雄君
      伊藤  茂君   知久馬二三子君
      辻元 清美君
 出席国務大臣
        外務大臣    高村 正彦君
        運輸大臣    川崎 二郎君
        自治大臣    野田  毅君
        国務大臣
        (内閣官房長官
        )       野中 広務君
        国務大臣
        (総務庁長官) 太田 誠一君
        国務大臣
        (防衛庁長官) 野呂田芳成君
 出席政府委員
        内閣官房内閣安
        全保障・危機管
        理室長
        兼内閣総理大臣
        官房安全保障・
        危機管理室長  伊藤 康成君
        内閣法制局長官 大森 政輔君
        内閣法制局第一
        部長      秋山  收君
        内閣法制局第二
        部長      宮崎 礼壹君
        防衛庁長官官房
        長       守屋 武昌君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 柳澤 協二君
        防衛施設庁長官 大森 敬治君
        防衛施設庁施設
        部長      宝槻 吉昭君
        外務省総合外交
        政策局長    加藤 良三君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 竹内 行夫君
        外務省条約局長 東郷 和彦君
        運輸省港湾局長 川嶋 康宏君
        運輸省航空局長 岩村  敬君
        海上保安庁長官 楠木 行雄君
        自治大臣官房総
        務審議官    香山 充弘君
        自治省財政局長 二橋 正弘君
 委員外の出席者
        外務大臣官房領
        事移住部長   内藤 昌平君
        衆議院調査局日
        米防衛協力のた
        めの指針に関す
        る特別調査室長 田中 達郎君
委員の異動
四月二十三日          
 辞任         補欠選任
  相沢 英之君     松本  純君
  河井 克行君     大野 松茂君
  阪上 善秀君     渡辺 具能君
  萩山 教嚴君     御法川英文君
  宮島 大典君     岩永 峯一君
  若松 謙維君     白保 台一君
  辻元 清美君    知久馬二三子君
同日               
 辞任         補欠選任
  岩永 峯一君     宮島 大典君
  大野 松茂君     吉川 貴盛君
  松本  純君     相沢 英之君
  御法川英文君     萩山 教嚴君
  渡辺 具能君     阪上 善秀君
  白保 台一君     若松 謙維君
 知久馬二三子君     辻元 清美君
同日               
 辞任         補欠選任
  吉川 貴盛君     砂田 圭佑君
同日               
 辞任         補欠選任
  砂田 圭佑君     田中 和徳君
同日               
 辞任         補欠選任
  田中 和徳君     河井 克行君
四月二十三日
 新ガイドラインに基づく周辺事態法などの制定反対に関する請願(児玉健次君紹介)(第二七八四号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第二七八五号)
 同(志位和夫君紹介)(第二七八六号)
 同(辻第一君紹介)(第二七八七号)
 同(中林よし子君紹介)(第二七八八号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二七八九号)
 同(松本善明君紹介)(第二七九〇号)
 同(金子満広君紹介)(第二九一五号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二九一六号)
 同(児玉健次君紹介)(第二九一七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二九一八号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第二九一九号)
 同(志位和夫君紹介)(第二九二〇号)
 同(中林よし子君紹介)(第二九二一号)
 同(東中光雄君紹介)(第二九二二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二九二三号)
 同(松本善明君紹介)(第二九二四号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二九二五号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二九二六号)
 新ガイドラインと有事法制化反対に関する請願(伊藤茂君紹介)(第二八〇〇号)
 新ガイドライン関連法案の立法化反対に関する請願(伊藤茂君紹介)(第二八〇一号)
は本委員会に付託された。
本日の会議に付した案件
 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件(第百四十二回国会条約第二〇号)
 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一〇九号)
 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百四十二回国会閣法第一一〇号)
    午前九時一分開議
     ————◇—————
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山崎拓#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 第百四十二回国会、内閣提出、日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の各案件を一括して議題とします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉沢徳一郎君。
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玉沢徳一郎#2
○玉沢委員 自由民主党の玉沢徳一郎であります。
 私は、本日まで一カ月以上、八十時間を超えるこの委員会の審議の中で、最後の一般質疑の日を迎えたわけでありますが、私にとりましては最初で最後の質問を行うこととなりました。本日まで、各党の各委員の大変高邁なる御高説を拝聴させていただきまして、いろいろと得るところがあったと思います。本日は、私は、こうした御高説を承った上で、自分なりに感じた点について所感を交えて議論をさせていただき、両大臣の御所見を賜れば幸いであると思います。
 まず、テーマを二つに絞りたいと存じます。一つは、新ガイドラインの導入、特に周辺事態が含まれておるわけでありますけれども、この導入によりまして、日米安保体制は果たして変質したのかどうか、あるいは劇的な大きな政策転換があったのかどうかという点を論じたいと存じます。二つ目は、不審船に対してとった我が国初めての海上警備行動の評価について論じてみたいと存じます。
 まず第一の点から述べてみたいと思いますが、日米安保条約が一九六〇年に改定されてから今日まで、三十九年経過をいたしたわけでありますが、この間、我が国が平和と安全を保つことができましたのは、ひとえに日米安保体制と自衛隊の諸君の努力によって確保されたことは、今や日本国民大多数の認めるところであると考えるのであります。
 物言わぬ農民という言葉がありますが、東西対決の冷戦時代、物言わぬ自衛官が、陸海空において、大変な緊張感に耐えながら、黙々と任務を果たしてきたことを我々は高く評価をしなければならぬと思います。その努力に対し、私は、ここに謹んで感謝の意を表したいと存じます。
 一九六〇年の改定当時の情勢を顧みてみますと、米ソ対決のはざまの中で、大陸を取り囲むように位置しておる日本列島の地理的な位置は、極めて重要な戦略拠点であったと考えます。海洋国アメリカの側につけば、大陸国を封鎖する立場になりますし、大陸国の側につきますと、海洋国に立ち向かう太平洋への海上力の最前線基地となったと思われるわけであります。
 こうした戦略的地理から考えてみますと、米ソの対決に巻き込まれないようにする、こういう観点から、非武装中立という選択の道もあったということは当時も主張されたわけでありますけれども、もし、そういうような選択をしたということになった場合におきましても、日本が米ソの間の中で極めて重要な戦略的な拠点をなしておるという観点から、私は、早晩、日本は米ソの争奪の的になる、こういうことから、いずれは日本は戦火をみずから招く、こういうことになったということを今考えておるのであります。
 幸いにしまして、賢明な日本国民は、自由と民主主義とを奉じます、同じ価値観を持っております自由主義国の米国と同盟を組むことを選択いたしまして、自由主義諸国の一員といたしまして、ソ連の共産主義の武力による世界統一に対峙するという道を選びました。
 こうして日本は、第一義的には、ソ連の脅威を受けることになりまして、ソ連の脅威に日米がいかに対処していくかということが最大のテーマとなり、日米安保条約の目的は、日本と極東の平和と安全に寄与する、こういうことが目的であったわけであります。
 したがいまして、日本と極東の平和に寄与する、こういう条約の目的でありますけれども、ソ連が世界戦略を展開するという上におきまして、あくまでも我が国に対する着上陸その他を考えておったことは当然であると思うわけであります。そのソ連に対していかに日米が対処するか、こういうことが旧ガイドラインの中心をなしておった、私はそう考えるわけでございまして、この点に関しまして、外務大臣、防衛庁長官、御見解がありましたならば御所見を承りたいと思います。
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高村正彦#3
○高村国務大臣 いつもながら高邁な御高説をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
 戦後、我が国は一貫して、日本国憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本理念に従い、日米安保条約に基づく日米安保体制を堅持し、節度ある防衛力の整備に努めるとともに、我が国を取り巻く国際環境の安定を確保するための外交努力を行うことを安全保障政策の基本としてまいりました。その中でも、日米安保条約に基づく米国の抑止力は、玉沢議員御指摘のとおり、引き続き日本の安全保障のよりどころでごさいます。
 日米安保体制は、過去四十年近くの間、我が国及び極東に平和をもたらしただけでなく、アジア太平洋地域における安定と発展のための基本的な枠組みとしても有効に機能してきており、冷戦終結後の現在においても、その意義と重要性を有していると考えます。
 我が国としては、このような日米安保体制のより効果的な運用を確保することが極めて重要と考えており、新たな日米防衛協力のための指針を策定するとともに、その実効性確保のため、周辺事態安全確保法案を現在国会にお諮りしているところでございます。
 我が国としては、今後とも、日米安保条約を堅持し、その効果的な運用と信頼性の一層の向上のため、引き続き努力していく考えであります。
 冷戦構造下における日米安保体制と、それから、冷戦構造が崩壊して、そしてなおかつ不透明、不確実、いろいろ問題がある現在において、基本は日米安保体制、同じでございますが、そこにおのずからいろいろな差異は出てくるということはそのとおりだ、こういうふうに思っております。
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野呂田芳成#4
○野呂田国務大臣 御質問の冒頭で、自衛隊に対するいたわりと御激励を賜りまして、本当に心から感銘している次第でございます。
 その他のことにつきましては、外務大臣がおっしゃったとおりで、つけ加えることはございません。
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玉沢徳一郎#5
○玉沢委員 日米安保条約は、とかく、片務条約である、こういうことが指摘をされております。確かに軍事的には、日本が攻撃されましたときは、米国は日本を守るために行動いたします。米国が攻撃されたときは、日本は米国を守る義務は記されておりません。しかし私は、軍事的には片務条約であるけれども、我が国のそれを補う義務というものが明確に示されておると思うのであります。
 それは、第六条によって、日本及び極東の平和と安全に寄与するためには、米軍に対して施設と区域を提供する、またホスト・ネーション・サポートのように、後方支援も行うことができる、こうした形ででき上がっていると思うんです。
 ですから、軍事的には、昔から、専守防衛の日本は盾の役割をする、有事があった場合においては、日本は独自で、まず侵攻してきた侵略軍に対して戦う、と同時に盾の役割を行う、そして相手を攻撃するというのは、これは米軍がその攻撃してくる点を攻撃する、つまり盾とやりの役割を果たしている、そういうように言われてまいったわけでありますけれども、この二つが非常によくかみ合って抑止力を構成してまいりまして、この冷戦時代を耐え抜いて、そして、あえて言えば勝ち抜いてきた、こういうように評価をするものであります。私は、今回のガイドラインにおきましても、これは明確にきちっとあらわれておる、こういうふうに思うわけでございます。
 今、日本は、テポドン等の発射によりまして、弾道ミサイルの脅威にどう対処するかということで、いろいろな研究等も行われようといたしておるわけでありますけれども、ガイドラインの本文には、弾道ミサイルの日本に対する攻撃に対して、これも明確に書かれております。「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」と書いてあります。テポドンの発射の場合におきましても、事前に情報を提供していただいた。約束どおりやっておる、私はそう考えるわけであります。
 しかして、やはり弾道ミサイルが日本を襲うような場合におきましては、それに対処する、こういう観点から、日米で十分調整し協議をしてこなければならぬ、こう考えるわけでありますが、防衛庁長官におかれましては、これは具体的でなくてもよろしいのでありますが、余り具体的に話をするといろいろ問題があるかもしれませんけれども、決意だけ申し述べていただければ、このように思います。
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野呂田芳成#6
○野呂田国務大臣 ガイドラインでは、今委員から申されたとおり、特定の国や地域を念頭に置いたものではありませんが、冷戦後の国際環境の変化等を踏まえまして、ミサイル攻撃に対して自衛隊及び米軍は密接に協力し調整する、あるいは「米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。」とされているわけでございます。
 防衛庁としましては、状況緊迫時の情報収集活動の強化、それから弾道ミサイル発射時の関連情報の公表、それから落下、被害状況の確認や、状況に応じ防衛出動等により適切に対処することとしておりますが、御指摘の米国との協議も大変重要なことと考えており、日米間の各種政策協議や指針のもとでの計画検討作業の着実な進捗を通じ、日米安保体制の信頼性の向上を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
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玉沢徳一郎#7
○玉沢委員 我が国が弾道ミサイルで攻撃をされた場合には直ちに対応する、こういう方向で今後御検討を賜りたい、このように思います。
 そこで、旧ガイドラインにおきましては、冷戦時代に対処するという形でその運用方針が決定されておったわけでありますが、冷戦時代が終結をいたしたわけでありますから、新しい時代に対処する、こういうガイドラインが必要とされてきておったわけであります。
 私も防衛庁長官をしたわけでありますけれども、私が防衛庁長官をやったころから見直しの機運が生まれまして、日本でもその協議会において協議がなされて、ポスト冷戦に対してどう対処するか、アメリカも同じようにそういう努力がなされてまいりまして、それで一九九六年の四月十七日、日米安全保障共同宣言が発せられたわけであります。ここでポスト冷戦に対しまして両国の共同の認識が示されまして、そこで今日のガイドラインに向けての作業が開始された、こう考えるわけであります。
 そのときの宣言を、抜粋でありますが、読み上げてみたいと思うわけであります。
 「日米安全保障共同宣言 二十一世紀に向けての同盟」というこの中におきまして、地域情勢の認識についてはこう言っております。冷戦の終結以来、世界的な規模の武力紛争が生起する可能性は遠のいておる、アジア太平洋地域には依然として不安定性及び不確実性が存在しておる、朝鮮半島における緊張は続いておる、核兵器を含む軍事力が依然大量に集中している、未解決の領土問題、潜在的な地域紛争、大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散はすべて地域の不安定化をもたらす要因である、こう書いてあります。
 つまり、世界大の規模の武力紛争というものは遠のいたけれども、地域を中心とする武力紛争というものは依然として残っておる、アジア太平洋地域において。したがって、それを未然に防止するなり、あるいは抑止する、こういう観点から日米が共同して対処していく、こういうのが今回のガイドラインのもとになった、こう私は考えるわけでありまして、この委員会においても相当議論をされてまいりました周辺事態、これもそういう認識のもとに生まれておると私は思います。
 したがって、日米両首脳はこう言っております。「日本周辺地域において発生しうる事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える場合における日米間の協力に関する研究をはじめ、日米間の政策調整を促進する必要性につき意見が一致した。」こういうことであります。
 つまり、旧ガイドラインにおきましては、冷戦構造において世界的な規模の武力紛争というものを想定しまして、日本及び極東の平和と安全をどう守るか。新しいガイドラインは、アジア太平洋地域における地域の武力紛争、こういうものに対していかに対処していくか。そういうことからこの周辺事態の考え方が生まれ、そして後方地域支援、船舶検査、後方救難捜索活動の三つの事案が必要とされてきた、こういう観点から受けとめることができると思うわけでございます。
 したがいまして、当委員会におきましていろいろと議論がありました後方地域支援でありますけれども、後方地域支援において安全な地域が確保できるかどうかということについて、戦争といいますのは要するに前線も後方もない、みんな一体としたものだという議論がなされました。しかし私は、これは余りにも実態に即さない議論であると思うんです。
 私は、世界的な武力紛争という場合におきましては、例えば、今でこそ言えるわけでありますけれども、ソ連ですね。ソ連の軍事能力というものを考えてみれば……ヤジいや、当時はソ連なんだよ。ソ連は軍事能力が非常にありましたから、もし世界的な武力紛争が展開をされたということになってまいりますと、私は、太平洋も日本海も東シナ海も、全域が戦争状態になったと。ここはいずれも後方も前線もない。相手がそれだけの軍事能力を持っているわけですから、船足の長い原子力潜水艦が世界じゅう何周でもできる能力を持っておってやっておる、戦略爆撃機も持っておる、衛星も持っておる、情報が全部手に入る、こういうことであれば後方も前線もない。
 しかしながら、同じ紛争であっても、地域紛争の場合は相手の能力が限られておる。ソ連と同じような軍事能力は持っていないんです、その他の国々は、あえて言いませんけれども。そうした場合においては、戦域が限定される。たとえミサイルを持っておったとしましても、情報がない限り攻撃拠点を指定することはできないわけですから、私は、そういうことを考えた場合は、ソ連以外の国々において地域の武力紛争が起きた場合におきましては、例えば日本海全域が戦域になる、東シナ海全域が戦域になる、太平洋全域が戦域になるということはない、こういうふうに考えるわけでありまして、したがって、安全なところは明確にすることができますし、後方地域支援の概念は成り立つ、こういうように考えておるわけであります。
 そういう観点からいいますならば、日米安保条約の体制といいますのは、武力紛争が世界的な規模の紛争の時代から地域の武力紛争に変わった、したがって新しいガイドラインは新しい事態に対処するために生まれたものである、しかし日米安保条約の基本は何にも変わっていない、条約の基本は何も変わっていない。両国が軍事行動を起こす場合におきましては、いずれの国の憲法のもとに従って行うということを明確にいたしておるわけであります。したがって、私は、この新ガイドラインの導入によりましても、政策の大転換とか変質したとかということはない、こういうように断言をし、評価するものであります。
 この点について、両大臣の御見解を賜れれば、こう思います。御所見でいいです。
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高村正彦#8
○高村国務大臣 先ほども申し上げたように、委員がおっしゃるように、安保条約の基本というのは変わっていない。そういう中で、種々の国際情勢の変化の中、特に冷戦構造が崩壊した、それにもかかわらず依然として不透明、不安定、いろいろ地域紛争はあり得る、現実にある。そういう状況の中でどう対応していくかということでありますが、特に、旧ガイドラインは日本有事ということに焦点を絞って書かれていたわけで、今度の場合、特に日本の平和と安全ということを大きな一つの焦点として、そしてそういう中から今の法案の審議をお願いしているところでございますので、よろしく御理解のほどをお願いしたい。
 委員の御指摘、おおむね賛成でございます。
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野呂田芳成#9
○野呂田国務大臣 委員の御指摘はそのとおりであると私も考えます。
 特に、防衛庁の関係としまして、先ほどお話がありましたが、周辺事態というのは我が国周辺の地域において武力紛争が発生している場合における事態ということで、これからは全面戦争ではなくて局地的なものになるから、日本海や東シナ海等の公海において我が国が支援活動を行う後方地域は確保できるものと思われるがどうかという意味の御質問があったと思いますが、私たちも、自衛隊が収集した情報、外務省から得た情報、米軍から得た情報等を詳細に分析することによりまして、長官が合理的に判断することは可能であると考えております。
 また、具体的な事態が生起していない状況において具体的な地域について論ずることは適当ではないと考えますけれども、一般論として申し上げますと、周辺事態に際しては、防衛庁長官によりこのような合理的判断が行われるので、後方地域の要件を満たす地域が全くないということは、御指摘のとおり、現実の問題としては想定されないものと考えております。
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玉沢徳一郎#10
○玉沢委員 当委員会における審議も、本日一般質疑を終わりまして、次は締め総、採決、こういう段階になったと私は考えております。
 かつての、一九六〇年の安保の当時におきましては、国論が二分するような状況でございました、賛成、反対ですね。ところが、それと違いまして、今日は、与党は自由民主党でありますけれども、第一野党、第二野党、第三はないわけでありますけれども、五五年体制のような状況ではない。みんな日米安保体制に賛成しておる。
 私は、そういうことから考えますならば、今修正協議がなされておるわけでありますけれども、ここで私が申し上げたいと思いますのは、それぞれの党の主張もあるかと思いますけれども、ここは、党の利益を優先するよりは国家の利益を優先する、こういう大きな観点から、やはり修正協議を相まとめまして速やかなる成立を図るべきである、このように考えるわけでございまして、委員長の御指導のもとに、今後我々は成立に向けて頑張る、こういう決意を表明いたしたい、このように思います。
 委員長の御見解も賜りたいと思います。
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山崎拓#11
○山崎委員長 立派な御所見でございます。ヤジ
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玉沢徳一郎#12
○玉沢委員 今調整していますから。
 次に、不審船に対する日本が初めて行いました海上警備行動でありますけれども、当委員会におきましては、海上警備行動が発令されたことは評価するけれども、不審船を取り逃がしたということは極めて遺憾である、あるいは不名誉なことであって誇りが極めて傷つけられたとか、あるいはこれは銃撃をして撃沈すべきであったというような意見もあったやに聞いております。これに対して、防衛庁長官は、これは国内法の制約があって、相手に危害を加えてまで拿捕とかあるいは撃沈はできない、こういうふうに言われました。
 私は、不審船が明確なる犯罪行為とか不法行為とか、こういうことを行ったという証拠がない限りは、やはりこれは、国内法ばかりじゃなく国際法からいっても、撃沈とかそういうことはできない、そういうふうに考えるのであります。ヤジ韓国は、要するにそういう事案があったと聞いておるわけでありますが、これは拿捕を目的としてやったんですね。しかしながら、相手が応戦をしてきた、日本の領海の方に逃げ込もうとした、こういうことをもって撃沈の決意を固めた、こういうふうに私は考えております。ですから、全く日本と同じであるということをここで申し上げておきたいと思うんですね。
 多くの委員が遺憾であるとか誇りが傷つけられたとかという、余り高い評価をしてないんでありますけれども、私は、まずもって、海上警備行動が発令されたことによりまして、不法な行為をしたかもしれない不審船に対し、我が国が断固とした国家意思を示すことができた、こういうことは高く評価していきたいと思うんであります。
 これも、物言わぬ自衛官の名誉のために私は実際に行ってこれを検証したい、こう思いまして、先般、当委員会で地方公聴会が福井でありました際、その近くにあります、そこから出動いたしました舞鶴の地方総監部に行ってまいりました。そこでは、追跡した船のうち、イージス艦の「みょうこう」しかおりませんでしたが、関係者の皆さんから意見を聞いて、非常に立派によくやった、こういう評価をしました。
 それはどういうことかと申しますと、まず、三月二十三日の十三時六分から海上自衛艦が追跡をしまして、翌日の三月二十四日の午前三時二十分あるいは六時まで追跡しているんですね。防空識別圏まで追跡しておる。実に十四時間から十七時間もやっているんですね。そして、海上警備行動が発令をされた後に、二十四日の午前一時十九分から三十四分の間に第二大和丸と称するものに「みょうこう」が十三回、「はるな」は第一大西丸に十二回の警告射撃をしておる。
 これは、委員長も防衛庁長官をしましたからおわかりと思いますけれども、我々は、普通考えて、射撃といいますのは目に見えるところで射撃することしか考えてないんです。ところが、このときの状況というのは何であるか。午前一時といいますのは、暗夜で全く物が見えない。しかも荒天である。荒天であるということは、相当の暴風雨のようなしけである。そういうときに、三十五ノットの高速で走っておる船、これが百トンの小型の船である、これに射撃をするというのがどんなに大変か。しかも、的に当てるのは簡単ですよ、簡単らしいんです。的を外して警告射撃をやるというのが、これは大変なことなんです。
 聞きますと、やはり遠方から、五百ヤード、三百ヤード、百ヤード、前後左右に撃っておるようでありますけれども、委員長もゴルフをやると思いますけれども、五百ヤードというのはロングホールですよ。三百ヤードというのはミドルホール、百ヤードというのはショートホールですね。五十ヤードといったら、これはちょっと打てばすぐやるような。これは、転覆をさせないで警告射撃をやるということは相手に対してどういう威圧感を与えるか。もし不法行為した場合は直ちに撃沈しますよと、しかも瞬時にですよ。相手にそういう意思を伝えたということは大変なことだ。しかも、防衛庁長官の命令に従いまして立派に沈着冷静に任務を全うしておる。これは、ふだんからの大変な精強たる自衛隊としての訓練をしておる、この成果があらわれたと思うんです。
 ですから、日本は撃沈をしない国だから悠々と鼻うたを歌って逃げたような話をここでやっていましたが、私はこの実態を見ますと、何かが上がるという言葉があるんでありますけれども、総毛立つという言葉もありますが、命からがら行ったと思うんです。そういうことをやったということを認めて、私は長官の前に舞鶴に行ってまいりましたが、こうしたところを私は高く評価するんですよ。やはり今後もしっかりやっていただきたい、こういうことを申し上げたいと思います。
 そこで、不審船に対しましては、私は、撃沈とか危害を加える——危害を加えるといったってそう簡単にはいきませんから、やはりこれは拿捕すべきだ、絶対に拿捕すべきだ、こう思うんですね。ということは、拿捕することによって不法行為を行った人間の国籍を明確にし、目的を明らかにする、それによって明確なる証拠を握るわけですから、その証拠を相手の国に突きつけて外交交渉をやる、これぐらいの迫力でなきゃ私はいかぬと思いますよ。
 したがって、この点について外務大臣、御見解がありましたらお願いします。つまり、拿捕して証拠をちゃんと握った上で外交交渉する、こういうことが私は大事だと思うのですね。どうですか。
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高村正彦#13
○高村国務大臣 海上自衛隊の皆さんに本当によくやっていただいた、こういうふうに思っております。
 委員が御指摘になるように、拿捕しなかったより拿捕した方がよかった、それは明らかでありますし、そういう中で外交交渉も、拿捕しなくとも、私たちはこれが北朝鮮の工作船であるという判断をしているわけでありますから、日本としてはきっちり抗議をしているところでございます。
 拿捕できなかったためかどうか知りませんが、北朝鮮側は、全く関係ないものである、ガイドライン法案を通すためのでっち上げだなどというところまで言っているというのは——ただ、国際社会みんなが日本の言うことを信じ、北朝鮮の言うことを信じていないということは、日本にとって大変幸いなことである、こういうふうに思っております。
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玉沢徳一郎#14
○玉沢委員 幾ら外務省が北朝鮮に抗議をしたって、そんな事実はないと言えば、それで終わりなんですね。ですから、私は、やはり十分なる準備をしまして、北朝鮮と指定しなくても、証拠を握った上でやるべきだ、そうでない限りは、いつまでも相手側に否定されれば、それで終わりなんですから。そういうことを私は強調したいと思います。
 したがって、海上保安庁さんも大変よく頑張ったと思います。残念ながら燃料が不足しておった、こういうことで海上自衛隊にかわったわけでありますけれども、私は、海上保安庁の皆さんも大変よくやっていると思うのです。
 昨年、外国の漁船が日本の領海に入って不法行為をした場合、これを確認しているだけで千五百二十隻であるというふうに聞いております。その千五百二十隻のうち、非常に悪質なものだと思いますけれども、八十四隻が立入検査を受けていまして、二十三隻が検挙されている、こういう状況ですね。
 立入検査もやっておるわけでありますから、今回の事案におきまして、現場には三十ノットの船もあったというのでありますが、初期の段階において、要するに、相手が逃げる場合、強行接舷をしまして、それで拿捕する、こういうことも現場では検討されたということでございますけれども、なぜそれがなされなかったか。あるいは、今後なされないとすれば、どういうような形で対処しようとしているのか。こういう点についてお聞きしたい、こういうふうに思います。
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楠木行雄#15
○楠木政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、私どもも立入検査をすべく考えておったわけでございますが、逃走する船舶を停船させる手法といたしましては、御指摘のような、巡視船艇による強行接舷というのも確かにございます。私ども、対馬の違法漁船などを取り締まる場合にもそのようなことをしております。そのほかにも、海水による放水とかあるいは警告弾の発射、挟み打ちの捕捉等があるわけでございます。
 今回のことに至る前に、そういった停船手法のどれをとるかということであったわけでございますが、相手船の速力とかあるいは武器の装備の状況、気象、海象の状況、こういった点でございますか、何よりも巡視船艇の数などを考える必要があったということでございます。
 それで、今回の場合は、そういったことをやっておりますうちに、相手がにわかに速力を増したということであったわけでございますが、また相手船からの武器によります反撃も想定されるということもございましたので、巡視船艇の勢力がそろうのを待って強行接舷による停船手法をとらずに、威嚇射撃による停船手法をとったところでございます。
 今回、こういった点の反省点を踏まえて、内閣の方で、七つの項目、そして海上保安庁の能力の整備といったことも検討しておりますので、その中でいろいろ検討してまいりたいと考えております。
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玉沢徳一郎#16
○玉沢委員 最後でございますけれども、昨年の十二月十七日の深夜に、韓国の南海岸、釜山の近くの麗水市沖約二キロメートルのところにおきまして、韓国領内に上陸しようと試みておる北朝鮮の半没潜水艇が発見をされた、先ほどの話でありますけれども。これが発見をされて逃走をした。そして武装抵抗をして応戦してきた。同時に、最終的に韓国海軍がこれを撃沈するというふうに決意したと思われますのは、我が国の対馬の南西八十キロのところに来まして、どうやら日本の領海の中に逃げ込んで逃走をはかろうとした形跡があったから撃沈したのではないか、こういうふうに言われているわけです。
 それで、抗戦をしながら日本の領海に入ってくる、こういう事例が今後も出てくる可能性があるんですね。この場合に、海上保安庁の船も近くにおったようですね、調査しながら。それからまた、海上自衛隊も監視行動をとっておったようでありますけれども、やはり武装して抗戦しながら我が国の領海に入ってくるということになった場合は、我が国は当然これは退去を命じなければなりませんが、それに応じない場合は、断固としてこれは、無害化するために海上自衛隊が出てこれを撃退しなければいかぬ、こう思います。
 したがいまして、今後こういう事案があると思いますから、まず危機管理に対しては、防衛庁長官、しっかりとこれに対処する、同時に、海上自衛隊と海上保安庁が相連携して、そして日本の領域の警備をしっかりとやっていく、こういうことが一番今大事だと考えられますので、関係当局におきましてしっかりとした対応をされますように要望をいたしたいと思います。
 御意見がありましたら、防衛庁長官、お願いします。
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野呂田芳成#17
○野呂田国務大臣 大変大事な御指摘をいただきましたが、私どもは、一般論としてまず申し上げますと、自衛隊は、平素から警戒監視や訓練等を実施し、不審船を発見した場合の連絡など、海上保安庁との連絡をさらに緊密にしてまいりたい、こう思っているところであります。
 また、場合によっては、自衛隊法に規定された防衛出動や海上警備行動が下令された場合には、事態に応じ、法令により付与された立入検査や武力の行使の権限などを適切に使って対処したい。
 いずれにしましても、防衛庁内に重要事態対応会議というのをつくりまして、今委員から御指摘ありましたようなことにつきまして鋭意検討をし、対処を考えているということを申し上げたいと思います。
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玉沢徳一郎#18
○玉沢委員 終わります。ありがとうございました。
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山崎拓#19
○山崎委員長 これにて玉沢君の質疑は終了いたしました。
 次に、米田建三君。
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米田建三#20
○米田委員 前回、三月三十一日に質問をさせていただきましたが、その際に議論をさせていただきました周辺事態安全確保法案のうちの三活動のうち、後方地域支援のみに武器使用の規定がない件につきまして、長官を初め皆さんから御答弁をいただいた点、何点かちょっと得心できない部分がございますので、まずはその改めての確認からさせていただきたいと思うわけであります。
 前回の防衛庁長官の御答弁は、要するに、後方地域捜索救助活動または船舶検査活動については、不測の事態が発生することは否定できないので武器使用規定を設けたが、後方地域支援については、そのような事態が想定できないので武器使用規定は設けなかった、こうお答えになっているわけであります。つまり、前二者の活動については、不測の事態が発生することが否定できないとはっきりお認めになっている。そして後方地域支援については、それは想定できないとおっしゃっているわけであります。
 そして、その理由として長官は、後方地域支援は、後方地域、これはもう言うまでもありませんが、すなわち、我が国領域、並びに現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海及びその上空の範囲、これでありますが、そこで活動が行われるからであるというふうに述べられました。
 しかし、ちょっとこの辺がおかしいわけでありまして、つまり、後方地域捜索救助活動も同じ後方地域で行われる活動ではありませんか。これについては武器使用が認められ、後方地域支援については、後方地域で行われることを理由に認められていない、これは全く論理矛盾であります。
 それからまた、船舶検査活動につきましては、法文上、後方地域に限定されておりませんが、実施区域は実際上は後方地域でありますね。だとすれば、この三活動とも同じ後方地域で活動が行われる。しかるに、後方地域支援のみに、まさに後方地域であるということを理由にされて、長官は、武器使用規定は認められないんだとおっしゃった。ちょっとその辺が理解できないわけでありますが、御説明をお願いしたいと思います。
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野呂田芳成#21
○野呂田国務大臣 後方地域において行われるということのほかに、例えば後方地域捜索救助につきましては、救助の職務を行うに際し、救助される対象者から反撃を加えられる、危害を加えられるおそれがある、これは当然出てくるところだと思います。
 それから、船舶検査活動については、検査対象船舶に乗船してその職務を行う際に、船長の統制に服しない船員等から、この活動の実施を命ぜられた部隊等の自衛官に反撃をするおそれがある、こういうことがあるから、後方地域でこれらの活動をやる場合であっても、十一条によって自己保身の必要最小限度の武器使用を認めた、こう申し上げているところであります。
 それに対して、後方支援は、後方地域においてやるということのほかに、この後方支援は後方地域で米軍に届けるわけでありまして、米軍から危害を加えられるということは予想されない、だからこれを書き分けたというふうに申し上げているところであります。
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米田建三#22
○米田委員 長官、私はむしろ、船舶検査活動や後方地域捜索救助活動の方が、後方地域支援よりかひょっとして、より安全ではないかなというふうに考えているわけなんです、これは私の私見でありますが。
 つまり、一貫して御説明の後方地域の性格上、これは基本的には日米による制海権並びに制空権が成立している地域ですね。基本的にそういうことだと思うんですよ。だといたしますと、むしろそれ以上に、我が国国内での輸送業務等も含めた後方地域支援の方が、前回も指摘させていただきましたとおり、反日、反米のゲリラ的な武装勢力による危険性も含めた危険がやはりある。船舶検査活動や捜索救助活動よりも安全であると断言はできないと私は考えるわけでございます。
 先般の質問の際に、国内において対米支援の物資を輸送している自衛隊が、今申し上げたようなゲリラ的な武装勢力に襲撃されるケースにつきまして、長官は、国内においては警察により治安が維持されていると考えるので、それで対処するという御答弁をなさいました。しかし現実に、プロの訓練された戦闘集団による奇襲に、そういう建前論で果たして対応できるのかな。あの素人集団のはずのオウムですら、あれだけの大事件を引き起こせるわけであります。そういう危惧がやはりあるわけであります。常に警察が警護して後方地域支援が行われるわけでもないと思うわけでございます。
 さらに長官は、さきの質問での御答弁で、仮にプロの戦闘集団が襲撃するような場合においては、自衛隊法九十五条の要件を満たす場合に武器の使用を認められるとお答えになりました。つまりは、そのような状態では、九十五条の恐らく車両防護で対応、そういうことであろうかと思います。
 では、そういう事態があった場合に九十五条で対応できるとお答えになったわけでありますから、後方地域支援の際に武器の携行を認めるわけですね。自衛隊は、通常、武器の携行は大変限定されておりますが、もし仮にそのような事態が起きた場合には九十五条で対応できる、そういうふうにお答えになりました、武器の使用を認められると。ならば、武器の携行は、後方地域支援についてはお認めになるわけですか。
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柳澤協二#23
○柳澤政府委員 今先生の言われております自衛隊法九十五条の武器等防護でありますが、これは法律上は、武器等防護のために一定の武器の使用が認められております。そして、実際にどういう形で行うかということにつきましては、これは武器等の警護の任務を付与された自衛官に与えられた権限でありますから、その必要な場合に武器等の警護の任務をつける判断は、それはいたします。その場合には、九十五条で警護の任務を持つわけでありますから、それに必要な武器の携行をするということでございます。
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米田建三#24
○米田委員 つまり、船舶検査活動やあるいは後方地域捜索救助活動において、十一条による武器使用の規定は後方地域支援にはないけれども、九十五条の適用があり得るので、そのケース・バイ・ケースの判断によって武器の携行をさせる、こういうことですね。再確認です。
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野呂田芳成#25
○野呂田国務大臣 現実に武器を持たせるか否かは、個々具体的な状況に応じて判断されるべきものであると申し上げたところでありますが、状況によっては持たせることができるということであります。
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米田建三#26
○米田委員 そこで、この九十五条についてもう一つお尋ねをしておきたいわけでありますが、実は、自衛隊法九十五条というものは、御承知のとおり、防護の対象が限定されております。自衛隊の「武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料」と明快に法文で限定されているわけであります。しかし、後方地域支援の業務は、補給、輸送、修理、整備、医療、通信、空港、港湾業務及び基地業務と極めて多岐にわたっているわけでありまして、九十五条ですべて対処できるとは思えないわけであります。
 しかも、「自衛隊の」という、自衛隊のものに限定もされているわけでございまして、私は、今の後方地域支援においてもケース・バイ・ケースで武器の携行はさせるというお答えは、大変前向きのお答えであるというふうに評価をいたしますが、九十五条の限界というものがある。これは今、後方地域支援について議論をさせていただいておりますが、やはり恒常的な課題であります。
 前回の御答弁で、九十五条の改正について勉強していくというふうに述べられましたが、その点、再度長官のお考えを確認させていただきたいと思います。
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野呂田芳成#27
○野呂田国務大臣 九十五条の規定の趣旨は、今委員が挙げられたようなものの警護に当たる自衛官の武器の使用を認めたものでございますが、御指摘のとおり、部隊や施設自体については同条の防護対象とはされておらないところであります。このような自衛隊法九十五条の趣旨にかんがみまして、現段階において、同条を改正することによって部隊及び施設の警護を行い得るようにすることを考えているわけではございませんが、今後の検討すべき課題だと思っております。
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米田建三#28
○米田委員 その点に加えまして、前回指摘をさせていただきましたように、後方地域支援活動中の、自衛隊のみならず周辺の民間人も巻き込まれる形で襲撃の対象となるケースが否定できないわけであります。これはもう、もとより九十五条では対応はできません。警察が常にその場にいるわけでもありません。
 前回の御答弁で、後方地域支援でもし武力行使に巻き込まれるようなことになれば、行為を中断したり休止をしたり実施区域の変更をやると答弁を長官はされましたが、国内でテロ行為に遭った場合にどこへ引っ越すんですか。長官、我が国からよそのところへ行くわけにいかないと思うんですね。
 治安出動、防衛出動に至らない奇襲テロ等、このグレーゾーンにおける自衛隊並びに民間人防護のための武器使用の枠組みでありますけれども、これをやはり、今回の周辺事態安全確保法における十一条、すなわち自己及び自己とともに職務に従事する者を防護するため、あるいは隊法九十五条、武器等防護のため、これらのいわゆる制約、限界を超えた枠組みを今後勉強していかないと、検討していかないと、やはり対処できない事態というのはいろいろ出てくるのではないか、こんなふうに考えますが、御見解を伺いたいと思います。
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野呂田芳成#29
○野呂田国務大臣 政府として、民間業者に協力を依頼する場合には、その安全性について慎重に判断し、およそ不測の事態が起こり得ない、そのような危険性がないと考えられる状況において国から協力を依頼することとなります。協力を依頼する際には、安全確保のための配慮事項を提供するとともに、事態の変化等について新しい情報提供を継続して行うなど、安全について万全を期していきたい、こう考えております。
 一般論として申し上げますと、自衛隊の武器等について自衛隊法九十五条の警護の任務が付与されておる場合において不測の事態が発生したときは、これが同条の要件を満たす限りにおいては、同条の規定に基づき武器を使用することが可能であります。
 また、今委員から御指摘があったように、自衛隊が受けた襲撃に巻き込まれた近隣の民間車両については、一般には、自衛隊が武器等防護のための武器使用をすることにより、その結果として防御されることになると考えられます。委員の御指摘については、引き続き勉強してみたいと思います。
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