農林水産委員会

2001-09-20 参議院 全166発言

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会議録情報#0
平成十三年九月二十日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 九月十八日
    辞任         補欠選任
     井上 吉夫君     福島啓史郎君
 九月十九日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     郡司  彰君
     和田ひろ子君     佐藤 雄平君
 九月二十日
    辞任         補欠選任
     市田 忠義君     富樫 練三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 豊秋君
    理 事
                岸  宏一君
                森下 博之君
                谷林 正昭君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                大野つや子君
                金田 勝年君
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                福島啓史郎君
                郡司  彰君
                佐藤 雄平君
                榛葉賀津也君
                羽田雄一郎君
                山下 栄一君
                渡辺 孝男君
                富樫 練三君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       農林水産副大臣  遠藤 武彦君
       農林水産副大臣  田中 直紀君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       国井 正幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       厚生労働省健康
       局長       下田 智久君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  尾嵜 新平君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       小林 芳雄君
       農林水産技術会
       議事務局長    岩元 睦夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (牛海綿状脳症問題に関する件)

    ─────────────
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太田豊秋#1
○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、井上吉夫君が委員を辞任され、その補欠として福島啓史郎君が選任されました。
 また、昨十九日、小川勝也君及び和田ひろ子さんが委員を辞任され、その補欠として郡司彰君及び佐藤雄平君が選任されました。
 また、本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として富樫練三君が選任されました。
    ─────────────
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太田豊秋#2
○委員長(太田豊秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に厚生労働省健康局長下田智久君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長小林芳雄君及び農林水産技術会議事務局長岩元睦夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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太田豊秋#3
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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太田豊秋#4
○委員長(太田豊秋君) 農林水産に関する調査のうち、牛海綿状脳症問題に関する件を議題といたします。
 まず、政府から報告を聴取いたします。武部農林水産大臣。
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武部勤#5
○国務大臣(武部勤君) 最初に、さきの参議院選挙におきまして委員長を初め新たに当選されました委員各位に祝意を申し上げ、当委員会におきますいよいよの御活躍をお祈り申し上げますとともに、私どもに対しましても適切な御指導、御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げたいと存じます。
 さらに、このたびの牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病と言われておりますが、これを疑う牛の発生以来、国民の皆さん方が大きな不安の中で、所管する農林水産省の責任者として委員各位にも一言おわびを申し上げなければならないと、かように存じております。
 この対応に当たりましては、後ほどいろいろ御議論があろうと思います。その際に、現状に至るまでの経緯その他、率直にお答えさせていただきたいと、かように存じておりますが、いろいろ不手際がございました。そのことによって国民の間に一層の不安を助長するという、そういう状況にありますことを深く反省している次第でございます。
 私ども、遠藤本部長を中心に万全を期してまいりたいと存じますが、私自身も先頭に立って、全力を尽くして本問題の解決に当たってまいりたいと、かように存じております。委員各位の御鞭撻と御指導を心からお願い申し上げたいと存じます。
 次に、本議題であります牛海綿状脳症を疑う牛の確認と緊急対策について御説明申し上げたいと存じます。
 まず、確認の経緯についてであります。
 去る八月六日、千葉県白井市の酪農家で飼育されていた乳用牛一頭が起立不能を呈していたため、独立行政法人動物衛生研究所がプリオニクステストを実施し、陰性が確認されましたが、その後行われた病理組織学的検査及び免疫組織化学的検査により、九月十日、BSE感染を示唆する結果が得られました。
 このため、直ちに農林水産省に遠藤副大臣を本部長とする対策本部を設置するとともに、既設の牛海綿状脳症に関する技術検討会に加え、防疫措置の徹底を図るための助言をいただく牛海綿状脳症防疫委員会を設置しました。翌十一日の技術検討会の助言により、確定診断を行うため、当該牛の材料と国内の検査結果を英国獣医研究所に送付いたしました。
 次に、BSEに係る緊急対策の実施であります。
 今回の事態を踏まえ、厚生労働省と農林水産省が連携してBSE検査の拡充・迅速化等以下の対策を講ずることにより、今後は疑わしい牛が食用としても飼料原料としても屠畜場から出ていくことがなくなるよう措置することとしております。
 一に、家畜保健衛生所による農場段階における出荷予定牛のサーベイランスの強化であります。
 二に、BSEの新たな検査体制が整うまでの間、計画的な出荷の取り組みを支援するものであります。
 三に、今回の事態により経営維持が困難となる卸売業者等の関連事業者に対し緊急融資を行うものであります。
 四に、屠畜場の円滑な運営を確保するため、引き取りが困難となっている肉骨粉を隔離し焼却する場合に支援を行うものであります。
 五に、疑似患畜と関連のある牛について自主的にBSE検査を行い、焼却する場合に支援を行うものであります。
 六に、BSEの正しい知識の普及と国産牛肉等の安全性PRの実施であります。
 これらの対策を機動的に講ずることにより、今回の事態の影響をできるだけ回避しつつ、一刻も早い原因の究明に努めてまいる所存であります。
 次に、今回の原因の究明と防疫体制の一層の強化についてであります。
 今回、千葉県下で確認された当該牛の導入経路や飼料の給与状況等についての疫学調査を実施することといたしました。また、全国のすべての牛約四百五十万頭の飼養農家約十四万戸に対して、約五千八百名の家畜防疫員による立入調査を九月十二日から三十日までの間に緊急に実施するとともに、飼料安全法に基づき、牛の飼料を製造するすべての飼料工場百四十二工場を対象に、肉骨粉等の混入防止対策の実施状況等についての立入検査を九月十二日から二十五日までの間に緊急に行うこととしました。これらの調査や検査につきましては、現在も引き続き進めているところです。
 さらに、肉骨粉等を牛用の飼料に使用してはならないことを法的に義務化するため、九月十八日、飼料の成分規格等に関する省令の一部を改正を行いました。
 次に、当該牛に係る肉骨粉についてであります。
 九月十四日、当該牛に係る肉骨粉が茨城県下及び徳島県下に所在することが判明したことから、十五日及び十六日に、関係県と連携して当該牛が屠畜された千葉県下の屠畜場の関係者からの聞き取り調査等を行うとともに、茨城県下及び徳島県下の事業場に対し立入調査を実施しました。
 さらに、九月十七日及び十八日に、徳島県下の事業場及びここから当該肉骨粉を購入していた飼料メーカーに対して立入調査を実施し、在庫数量や出荷先等について追跡調査をいたしました。
 この結果、当該牛に係る肉骨粉及びその混入のおそれが否定できない肉骨粉と飼料が、茨城県下及び徳島県下の事業場と徳島県下の飼料メーカーにそれぞれ所在することが判明しました。この飼料の用途は、豚、鶏、養魚用でありました。これらの肉骨粉と飼料については、当該牛に係る肉骨粉が混入しているおそれは極めて少ないものの、完全には否定し得ないことから、念のため、家畜防疫員の指示により焼却される予定であります。
 今後とも、消費者を初め食品製造・流通業者等に対しても正確な情報を迅速に提供することによって国民の皆様の不安が解消されるよう最大限の努力を尽くし、万全の措置を講じていく所存であります。
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太田豊秋#6
○委員長(太田豊秋君) 桝屋厚生労働副大臣。
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桝屋敬悟#7
○副大臣(桝屋敬悟君) それでは、牛海綿状脳症を疑う牛の確認と厚生労働省における対応について、お手元にお配りをいたしております資料に沿って御報告をいたします。厚生労働省の資料でございます。なお、お断りさせていただきますけれども、牛海綿状脳症、これが正式な名称ではございますが、俗に狂牛病とも言われているわけであります。ここでは一般的な名称ということで狂牛病という言葉も使用させていただきたいと、このように思います。
 最初のページをおあけいただきまして、経緯でございますが、先ほど農水大臣から御説明がありましたので簡単に記載をさせていただいております。
 去る九月十日に、千葉県白井市の酪農家で飼育されていた乳用牛一頭について、独立行政法人動物衛生研究所での検査の結果、狂牛病の疑いがある旨が農林水産省より公表されているところでございます。
 翌十一日に、同省が設置している牛海綿状脳症に関する技術検討会の助言によりまして、確定診断のため、英国獣医研究所に検査を依頼されております。
 そこで、厚生労働省のこれまでの対応でございます。
 EU諸国において狂牛病発生が継続的に増加しているということ、またイギリスにおいて新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者発生と内臓肉を食したこととの関連が報告をされておりまして、厚生労働省においても狂牛病に関して従来から対策を講じてきているところでございます。
 具体的には、参考一にありますように、輸入対策としては、本年二月よりEU諸国からの牛肉等の輸入を食品衛生法に基づき禁止するとともに、国内対策といたしましては、平成八年にと畜場法施行規則を改正いたしまして検査対象疾病に狂牛病を追加し、さらにことし五月からはサーベイランス体制を整備をいたしまして、生後二十四カ月以上の神経症状を呈する牛の異常プリオンの検査を開始したところでございます。
 こうした対策にもかかわらず、国内で狂牛病の疑いのある牛が確認をされましたことはまことに残念であります。厚生労働省といたしましても、国民の健康を守るという観点から、農林水産省と協力をいたしまして、万全の対策を講じていかなければならないという責任と、国民の皆様が現在抱えておられる食肉に対するさまざまな不安を解消できるよう、情報提供を徹底していくことの重要性を強く認識しているところでございます。
 九月十日の第一報以後、厚生労働省が取りまとめました措置は次のとおりでございます。
 まず、報を受けました十日に、確定診断までの間、当該牛の千葉の農場の食肉等、販売を中止するよう自治体に指示をいたしました。
 十一日には、厚生科学特別研究「牛海綿状脳症に関する研究」、この研究班会議を開催いたしまして、専門家からサーベイランス強化等についての御意見を聴取いたしました。同じく十一日に、近藤事務次官を本部長とする牛海綿状脳症に係る食肉安全対策本部を設置、開催いたしまして、研究班会議での検討を受けまして、今後、検査実施体制の充実を図ることを決定をしております。十二日には、伝染性海綿状脳症サーベイランスについての通知を発出をいたしまして、自治体に対して現在実施しているサーベイランスの徹底を要請いたしました。
 また、狂牛病の疑いのある牛の早期発見、流通防止を図る観点から、食肉衛生検査所及び家畜保健衛生所の業務の緊密化について農林水産省と協議をしております。狂牛病対策を効果的に進めていくためには農林水産省との緊密な連携が不可欠でございます。総理からも両省が十分連携をして対策に万全を期するよう御指示をいただいておるところであります。
 これまで担当部局同士が常に情報を共有しながら対策を講じておりますが、引き続き、情報交換を積極的に図ることはもちろんのこと、自治体レベルでも畜産部局と衛生部局が連携をしていけるよう指導してまいりたいと考えております。
 次のページをおあけいただきたいと思います。
 今後の対応でございますが、昨日、十九日、第二回の研究班会議及び第二回の対策本部を開催いたしました。緊急対策といたしまして、狂牛病に係る監視体制を次のとおり強化する方針を打ち出したところでございます。
 まず第一に、全国百十七カ所の食肉衛生検査所にスクリーニング、これはふるいにかけるということでございますが、このための検査を導入するとともに、この検査で狂牛病の疑いがあると思われるケースについては研究班で確定診断を行うということにいたしました。
 検査対象となりますのは、生後二十四カ月以上の牛のうち、運動障害、知覚障害、反射または意識障害等の神経症状が疑われるもの及び全身症状を示すもの全頭と、それから神経症状が疑われないものであっても生後三十カ月以上の牛については全頭の検査を行うこととしました。このうち、生後二十四カ月以上で神経症状が疑われるものについては現在実施しているものでございます。
 第二といたしまして、スクリーニング検査の導入等監視体制強化のため、都道府県等の職員の研修を早期に実施することといたしました。まず、都道府県等の担当課長会議を今月末、九月末にも開催をいたしまして、技術研修を十月上旬に実施する予定でございます。
 第三に、国民への適切な情報提供を進める観点から、今後定期的に検査の結果を公表するとともに、厚生労働省ホームページ等も活用しながら、狂牛病についての正確な情報の迅速な提供に努めてまいりたいと考えております。
 今後とも、農林水産省と連携を図りながら、食肉の安全確保と国民の不安解消に万全を期してまいりたいと考えております。
 厚生労働省の説明は以上でございます。ありがとうございます。
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太田豊秋#8
○委員長(太田豊秋君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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岸宏一#9
○岸宏一君 自民党の岸でございます。
 大臣、ちょっと風邪を引いていまして、声が余り、聞きづらいと思いますので、どうぞひとつお許しください。
 我が国にもとうとう狂牛病が発生したと言って過言ではないんじゃないかという、そんな感じがいたしますが、この病気は英国でたしか一番最初に、一九八〇年代に発生した。その後、ヨーロッパに広がっていって、我が国にも多少、かなり危険があるんじゃないか、こういうこともございました。我々も狂牛病のことは聞いてもおりましたし、多少皆さんも心配もしておったんじゃないかと思うんですが、まず、この狂牛病の世界における発生状況、それから被害状況などをひとつ御説明をいただきたいと思います。
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小林芳雄#10
○政府参考人(小林芳雄君) 世界におきます牛海綿状脳症、BSEでございますが、この発生状況でございます。
 現在までイギリス、アイルランド、フランス、ポルトガルといいますEU諸国を中心に、世界十五カ国で発生が報告されております。また、このほかに、カナダ、オマーン及びフォークランド諸島ですが、こちらはイギリス産の輸入牛での発生が報告されている、こういった国もあるわけでございます。
 BSEの発生の中心はイギリスであるわけですけれども、同国におきましては、これまでに世界全体の発生の約九八・八%に相当いたします約十八万頭の発生が報告されておるところでございます。近年、発生頭数は減少してきておりますけれども、二〇〇〇年の発生はイギリスで約千五百頭と、こういった状況になっているところでございます。
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岸宏一#11
○岸宏一君 イギリスでは十八万頭、こういう大きな被害というか発生があったことで、日本政府としてもこれらが日本に入ってこないようにさまざまな対応、防止策をとってきたと思うんですけれども、これを、御説明も多少あったかと思うんですが、念のために、これまでにとってきた侵入の防止措置あるいは発生防止措置、こういったものについてひとつ御説明をお願いします。
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小林芳雄#12
○政府参考人(小林芳雄君) 先ほどの世界のBSEの発生状況を受けまして、我が国としての対応の今までの経緯を御説明申し上げます。
 BSEの侵入防止に万全を期すという意味で、従来から、高発生国であるイギリス、これにつきましては、生きた牛なりそれから牛肉、それから牛肉の加工品、肉骨粉も含むわけでございますが、こういったものの輸入は停止をしてきておりました。
 その後、イギリスに加えまして、フランスとかオランダとかデンマーク、こういった国でBSEの発生が確認されてくるわけでございますが、そういった各国におきます確認がされた段階で、そういった国につきましても、生体牛の輸入停止でありますとか、それから牛肉等につきましては特定危険部位の除去の義務づけ、それから肉骨粉等につきましても、反すう動物からの肉骨粉につきましては、これは国際獣疫事務局、OIEが定めております国際基準、これによります加熱処理、こういったもの、所要の処理をしたもの以外は輸入を認めないというようなことで対応しております。
 また、特に最近EUにおきまして、EU加盟国、それからスイス、リヒテンシュタインといったところでBSEの発生が拡大している状況がございます。その中で、二〇〇一年、ことしの一月一日からは、EUの中の未発生国も含めまして、EU諸国等からの牛肉等の輸入停止、こういった措置を講じておるわけでございます。
 また、今、侵入防止措置の見直し、我が国から見て、世界各国のそういったBSEの対応状況を見ながら、我が国から見たいわば危険度評価というものも進めておるところでございます。
 こういった累次の措置を講じるに当たりましては、我が国の獣医の権威から成ります牛海綿状脳症に関する技術検討会、座長が小野寺東京大学教授でございますが、こういった検討会を開催しながら専門家の御意見もお聞きし、その御意見を踏まえながら実施してきたということでございます。
 こういった形で進めてきたわけでございますけれども、今般、BSEの感染のおそれのある牛が確認されたということでございまして、私ども、非常に残念なことでありまして、BSEの防止のために今後とも一層適切な措置を講じるよう努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
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岸宏一#13
○岸宏一君 いわば万全の策をとってきたと、こういうことだと思うんですが、この前のNHKの日曜の夜でしたか、あのテレビによりますと、イギリスから肉骨粉が百三十トンでしたか、それからヨーロッパからは八万トンぐらい既に来ておると、こういうことが非常に狂牛病の発生に関係があるかのような放送だったように記憶をしておりますが、何か日本側の輸入の統計によるとそういうことはないというふうに言われておりますが、その辺はいかがでございますか。
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小林芳雄#14
○政府参考人(小林芳雄君) 今お話しございましたように、EUの統計と私どもの統計についてのイギリスからの肉骨粉の数字に関しましてちょっと食い違いが生じております。EUの方からの話としましては、EUの統計におきまして、一九九〇年から一九九六年までの間に三百三十三トンの肉骨粉がイギリスから輸出されたと、そういった記録が示されたわけでございますが、一方で、私どもの日本の方の統計で、貿易統計なりそれから動物検疫所の統計がございますが、その統計におきましては、一九八〇年以降、イギリスからの肉骨粉の輸入実績はございません。
 こういった食い違い、私どもとしては、したがいまして、貿易統計からも動物検疫統計からも輸入はないということでございますが、この統計の違いにつきましては、一つは、EUの方の統計は、当時、輸出検査証明書、検査証明の方の発行ベース、輸出許可量という形の統計のようでございます。それに対しまして、私どもの動物検疫所の統計は、これは輸入の検査申請、実輸入量ということでございまして、そういったところの違いが一つ、統計の性格の違いとしてございます。
 また、これは可能性でございますけれども、EUから輸出されておりましても、ほかの国への転送とか返送がある場合もあるわけでございまして、こういったことの原因、なかなかこれは難しゅうございまして、必ずしもはっきりとつかめないという状況でございます。
 私どもといたしまして、この両国の統計の違いにつきましては、一つは、イギリスの家畜衛生当局に対しましてデータの照会を行ってきております。ただ、これにつきましての詳細な情報はまだ得られておりません。
 引き続き、特にイギリスに対してのこういった情報提供を依頼いたしますとともに、我が国の方でも税関等の国内の関係機関、あるいは輸入業者、そういった皆さんに対しましてもこの点についての調査の協力依頼を行っているところでございまして、いずれにしましても、今後とも事実の確認はさらに努めていきたいというふうに考えております。
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岸宏一#15
○岸宏一君 どうですか、今のこの問題については、いわば農林省としても重大な関心を寄せているという、そういう意味でしょうか。それとも、何かのこれは間違いだと、こういうふうな意味ですか。どちらにとったらいいのか。
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小林芳雄#16
○政府参考人(小林芳雄君) 貿易統計、それから私どもの動物検疫統計のところでゼロでございますので、そういう意味では私どもの輸入統計はしっかりしていると考えておりますから、何でそういったEUの方の統計に出ているかと、これが非常に不思議な点でございまして、そうはいいながらも、事実関係はきちんと明らかにして、証明できればこれははっきりするわけですから、そういった日本の統計の方がきちんとしているということを明らかにするためにもさらに調査を続けたいということでございます。
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岸宏一#17
○岸宏一君 このことは、やっぱり国民もなぜこういう違いがあるのかと非常に疑問に思っておりますし、極端なことを言えば、ひょっとしたらそのことが原因だったのではないかとさえ思う、そういう方々もこれは非常に多いのではないか、こういうふうな気がいたしますので、ぜひしっかりと突きとめて、国民の前にこれを明らかにする必要がある、こういうふうに思っておりますが、再度ひとつ、その辺のところの御覚悟をひとつお聞きしたい。
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小林芳雄#18
○政府参考人(小林芳雄君) しっかり調査を進めてまいりたいと思っております。
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岸宏一#19
○岸宏一君 そこで、今までの話の経過によりますと、危険な肉骨粉が外国から入って牛が食べたかどうかは、原因はまだわかっていないわけです、ここではですね。しかし、現実に千葉県で感染を疑う牛が出るに至った、これはまことに残念でございます。
 また、特に、この一頭の牛の処理に関して、どうも国民から見た場合、一体、農林省、それから労働厚生省ですか、何をやっているんだと、とんでもない話じゃないかというふうな国民の意見が強い。何かといいますと、農林省側が焼却したものと誤解しておったとか、ところが焼却をしていないで、これを肉骨粉の業者に売ってしまった。そして肉骨粉になっておった。それをまた、千葉県側では農林省に連絡したんだけれども、一日か一日半ですか、農林省では忘れていたのかどうかわかりませんが、発表がおくれた。この経緯ですね、これがやっぱり国民から見ると一番、何というんでしょうかね、この狂牛病に関する政府の対応に対しての大きな不信感をつくってしまった原因だというふうに思うわけです。
 大臣におかれましても、危機管理の対応が甘いと、まさかということで、かなり怒っておられたと。まして、本部長である遠藤副大臣は筋道を通す人ですから非常に怒ったんじゃないかと思うんですが、お二方がこのときどういうふうに考えられて、どう対応したかをひとつお聞きしたい。
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武部勤#20
○国務大臣(武部勤君) 遠藤副大臣を本部長に充てたのが、この問題の重大性、重要性、国民の間に不安が走り、いわゆる風評被害等が蔓延して大変なことになってはいけない。したがって、政治家の判断が求められる。しかも、この問題は、農林水産省だけではなくて厚生労働省、それから各都道府県との関係も重要でありますので、そこで私は、遠藤副大臣を本部長にいたしまして、十日の日、BSEの疑いがある牛が発生したということが判明したその日の夜、早速、対策本部を立てたわけです。そして、そのときの遠藤副大臣、後からお話があると思いますけれども、本部の設置に対しての厳しい訓示もいたしました。
 また、私は、米国の多発テロ事件が発生したその日の朝八時半に農林水産省の幹部職員を集めまして、そのとき申し上げたのは、いわゆる狂牛病、BSEの疑いのある牛が出てきたことも今度のテロ事件も、起こり得ないと思っていることが起こり得るということのあかしだと、だから、これまでのようにこんなことはあろうはずがないだろうという前提で仕事をしてはいけない、起こり得ないことが起こり得るという前提で仕事をしてくれと。しかも、その際に、報告、連絡、相談、点検と確認、私どもの事務所で秘書がこれを怠ったら鉄拳が下るんだ、そういう発言までいたしました。その上で、こういう事態が事実として起こったわけですね。
 焼却処分と畜産部長が自信を持って記者会見していながら、実際にはそうではなかったという事実がなぜ起こったのか。私は一人一人呼んで調査しまして、一つわかったことは、現場にいわゆる牛海綿状脳症サーベイランス要領というのがありますが、その中で、一つは、疑いを否定できないもの、もう一つは、その他中枢神経症状というのがあるんです。通常このサーベイランス要領がなければ、現場ではと畜検査員もまた家畜防疫員も、単なる中枢神経症状であるならばこれは今までは加工に回っていたということだそうですが、この牛海綿状脳症のサーベイランス要領というのを別につくっているんです。
 その中に、一つは、疑いを否定できないもの、一つは、その他中枢神経症状という項目があるんです。これはシロではないんですね、常識で考えても。だから、クロに近いものとシロに近いもの、しかし真っ白でもないというものについては当然と畜場法、これは厚生省所管ですが、と畜場法によれば、食肉に供さないものは廃棄処分という用語を使っています。廃棄処分は、焼却、埋却または化製工場で衛生上問題のないように処理するとなっているんです。しかし、もう当然、牛海綿状脳症のサーベイランス要領にこの二つが書いてあるわけですから、これに対してきちっとマニュアルで、この二項目については焼却すべしというマニュアルがあれば現場では混乱しなかったと思うんです。
 しかし、このマニュアル、このサーベイランス要領をつくった、出した当の農林水産省畜産部長は、こういう要領でやっているはずだから焼却していたはずだと。しかし、これはもう言いわけにはなりません、これはもう点検と確認を怠っていたわけですから。どう処理した、こうしたであろうと思うけれども実際どうしたんだということを千葉県やあるいは厚生労働省を通じて確かめなかったというところが問題です。
 その後もファクスが来ていたり、いろいろ、加工業者が自分のところで持っているけれども、どうしたらいいだろうという、そういう相談を徳島県にしたりしている。私ども、本部長も私も聞いたのが十四日の夕刻であるということで、私はもう本当に言葉を失うほどの状況でありまして、今、岸先生が御指摘のように、責任者として危機管理意識に欠けていたんじゃないかと言われれば、全くそのとおりです。
 ですから、私どもは、とにかく本部長に直ちに何でも報告するようにということにあわせまして、私自身も省の責任者として先頭に立ってこの問題に対応すべく全力を挙げていきたい、このように考えておりまして、御理解をお願いしたい、かように存じます。
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遠藤武彦#21
○副大臣(遠藤武彦君) 基本的には、ただいま大臣がお答えしたとおりであろうと思います。
 ただ、私からも、繰り返すようでございますが、サーベイランスについてもマニュアルがございます。そのマニュアルを作成し周知徹底させる役目を負うておる本省と現場、それから屠畜場の中は厚生省、外は農水省、こうした現場との連携が当初うまくいかなくて大変心配な事態をさせて混乱したかのごとく印象を与えたことは大変申しわけなく思っておるところであります。
 と同時に、役所には、特に中央省庁には膨大な量の情報が集中するわけであります。また、同時に、発信するわけでありますが、その最初に受けた報告なり連絡というもの、これは大変なことだと、危機だと、大きな危機問題になるなと、こう認識するかどうか、最初の報告をですね。そこが決め手であり、やはり危機管理に対する、たとえ経験の浅い若い職員であっても危機管理に対する日ごろの訓練というか研修といいますか自己啓発というものが必要だなということを痛切に感じております。
 と同時に、職員に対しまして、本部というものはなぜ立ち上げるかと、通常の行政執行体制では対処し得ない問題が起きてくる、だから対策本部というのをつくるんですよと。今まで課長の決裁、局長の決裁でよかった、そうではないものも起きるから政治的な判断もしなくちゃならぬ、あるいは国益というものを考えてやらなきゃならぬ判断もある、そういうものだからこそ本部というのは立ち上げるんだということを申し上げておるんですが、いわゆる形式的な本部というものもなかったわけではない、そうしたことにまた習熟していなかったという一面もあったかなと反省をいたしておるところでありまして、大宗につきましては大臣が詳細に申し上げたとおりであるということでございます。
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武部勤#22
○国務大臣(武部勤君) ちょっと追加を。
 なお、このようなことがあってはいけませんので、本日付で中枢神経症状の牛も全部焼却すべしということで現場に通達いたしましたことをつけ加えさせていただきます。
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岸宏一#23
○岸宏一君 ただいまは大臣並びに副大臣から本当に誠意あふれる御答弁をいただいたわけでございまして、私としてもそのお気持ちよくわかりました。
 局長さん、この問題は、今、大臣並びに副大臣からお話しございましたように、当然焼却するものだと思っていたということであったことは間違いないですね。
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小林芳雄#24
○政府参考人(小林芳雄君) 私どもが最初プレスリリースしたときにも、そのリリースの紙に記載しましたように、全部廃棄というようなことでございました。その廃棄ということは、いわば焼却といった手段で、その後活用されないような形で処理されているというふうに理解しておりました。
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岸宏一#25
○岸宏一君 つまり、焼却ということですね。
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小林芳雄#26
○政府参考人(小林芳雄君) 焼却とか埋設とかいろいろな手法ございますが、いずれにしましても、焼却が典型だと思いますけれども、肉骨粉とかそういった利用される形じゃない、いわばそういう市場流通からも除外されていると、そういった処理が行われているというふうに理解しておったわけでございます。
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岸宏一#27
○岸宏一君 そこも非常に重要な点だと思うんですね。全く、そういうサーベイランスのマニュアルがあるわけだから、当然埋設あるいは焼却だと思っていた、決して隠すつもりで言ったわけじゃないということをやっぱりこれは国民の前に明らかにしておくことが、これらの行政に対しての信頼を少しでも回復する重要な点だと思いますので、その辺はしっかりとしておいていただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。
 何かありますか。
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小林芳雄#28
○政府参考人(小林芳雄君) その点がまさに今、大臣、副大臣からお話しあったところでございまして、こういった、そういう認識を、千葉県の報告を受けて整理して、そのときの点検、確認、これをやっていればまた違った状態だったと思います。
 したがいまして、全部廃棄ということで報告を受けたので、当然そうであろうということについてまず確認をする、こういったマニュアルといいますか、そういうものを今後私どもはきちんとしていくということが大事だというふうに思っております。
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岸宏一#29
○岸宏一君 よくわかりました。ひとつ、これからはしっかりひとつお願いしたいと思います。
 さて、これで、何とか会議ですか、何会議でしたか、イギリスに検体を送るということになったわけでございますが、検体を送るに際して、たまたまテロ事件と重なったという不幸もございましたけれども、どうも私から見ますと、この検体をただ単にイギリスの研究所か何かに送って確認をするという、どうだったんでしょうね、これ、結果論だと言われるかもしれませんが、だれか人が持っていったらば、もっと早くその研究所に届けることができたんじゃないか。
 聞くところによりますと、日本の国を離れたのが十八日だと聞いております。十八日までの間、何日かここにとどめ置かれたわけですよね。そういうことを考えれば、結果論といえば結果論ですが、どうだったんでしょう、局長さん、だれかに運ばせた方が早く結果がわかるようになったような気がしますが、どうですか。
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