厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
平成十四年七月十六日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
七月十一日
辞任 補欠選任
櫻井 充君 今泉 昭君
七月十五日
辞任 補欠選任
今井 澄君 谷 博之君
七月十六日
辞任 補欠選任
草川 昭三君 山本 香苗君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 阿部 正俊君
理 事
田浦 直君
中島 眞人君
朝日 俊弘君
柳田 稔君
沢 たまき君
委 員
狩野 安君
久野 恒一君
佐藤 泰三君
斎藤 十朗君
鶴保 庸介君
中原 爽君
藤井 基之君
宮崎 秀樹君
今泉 昭君
谷 博之君
辻 泰弘君
山本 孝史君
草川 昭三君
山本 香苗君
井上 美代君
小池 晃君
西川きよし君
森 ゆうこ君
大脇 雅子君
事務局側
常任委員会専門
員 川邊 新君
参考人
財団法人日本食
生活協会会長 松谷 満子君
高知医科大学医
学部看護学科地
域看護学講座教
授 甲田 茂樹君
中央社会保障推
進協議会事務局
次長 相野谷安孝君
日本医師会常任
理事 櫻井 秀也君
健康保険組合連
合会常務理事 対馬 忠明君
全国町村会会長
添田町長 山本 文男君
日本労働組合総
連合会事務局長 草野 忠義君
全国労働組合総
連合事務局長 坂内 三夫君
日本高齢・退職
者団体連合会長 西田 八郎君
─────────────
本日の会議に付した案件
○健康増進法案(内閣提出、衆議院送付)
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
七月十一日
辞任 補欠選任
櫻井 充君 今泉 昭君
七月十五日
辞任 補欠選任
今井 澄君 谷 博之君
七月十六日
辞任 補欠選任
草川 昭三君 山本 香苗君
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出席者は左のとおり。
委員長 阿部 正俊君
理 事
田浦 直君
中島 眞人君
朝日 俊弘君
柳田 稔君
沢 たまき君
委 員
狩野 安君
久野 恒一君
佐藤 泰三君
斎藤 十朗君
鶴保 庸介君
中原 爽君
藤井 基之君
宮崎 秀樹君
今泉 昭君
谷 博之君
辻 泰弘君
山本 孝史君
草川 昭三君
山本 香苗君
井上 美代君
小池 晃君
西川きよし君
森 ゆうこ君
大脇 雅子君
事務局側
常任委員会専門
員 川邊 新君
参考人
財団法人日本食
生活協会会長 松谷 満子君
高知医科大学医
学部看護学科地
域看護学講座教
授 甲田 茂樹君
中央社会保障推
進協議会事務局
次長 相野谷安孝君
日本医師会常任
理事 櫻井 秀也君
健康保険組合連
合会常務理事 対馬 忠明君
全国町村会会長
添田町長 山本 文男君
日本労働組合総
連合会事務局長 草野 忠義君
全国労働組合総
連合事務局長 坂内 三夫君
日本高齢・退職
者団体連合会長 西田 八郎君
─────────────
本日の会議に付した案件
○健康増進法案(内閣提出、衆議院送付)
○健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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阿
阿部正俊#1
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十一日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
また、昨十五日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十一日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
また、昨十五日、今井澄君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。
─────────────
阿
阿部正俊#2
○委員長(阿部正俊君) 健康増進法案を議題といたします。
本日は、本案について三名の参考人の方々から意見を聴取することといたしております。
参考人の方々を御紹介申し上げます。
財団法人日本食生活協会会長松谷満子さん、高知医科大学医学部看護学科地域看護学講座教授甲田茂樹さん、中央社会保障推進協議会事務局次長相野谷安孝さん、以上の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多用のところ、また台風襲来の中、いろんな御不便をなさって当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、最初に参考人の皆様からお一人二十分ずつ順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの御質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁とも、発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず松谷参考人から御意見をお述べいただきます。松谷参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案について三名の参考人の方々から意見を聴取することといたしております。
参考人の方々を御紹介申し上げます。
財団法人日本食生活協会会長松谷満子さん、高知医科大学医学部看護学科地域看護学講座教授甲田茂樹さん、中央社会保障推進協議会事務局次長相野谷安孝さん、以上の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多用のところ、また台風襲来の中、いろんな御不便をなさって当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、最初に参考人の皆様からお一人二十分ずつ順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの御質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁とも、発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず松谷参考人から御意見をお述べいただきます。松谷参考人。
松
松谷満子#3
○参考人(松谷満子君) 松谷でございます。
こうした意見陳述の機会を与えていただいたことに対して、心から感謝申し上げます。
私ども財団法人日本食生活協会は、昭和三十一年から食生活の改善を始めとする健康づくり活動を進めている団体でございます。活動を一緒に担っているのは食生活改善推進員、愛称、最近はヘルスメートと呼んでおりますけれども、ボランティアの方々であり、全国で二千七百八十八市町村で約二十二万人の推進員が食生活を中心とした健康づくり活動を日々取り組んでいるものでございます。ちなみに、食生活改善推進員とは、昭和四十五年に全国組織を作りました際に、私どもは、食生活改善や生活習慣の改善を進める人という形で私どもの活動の目標をその名称にしたわけでございます。
食生活改善推進員は実践者であって旗振り役ではございません。生活習慣が生み出す無自覚な沈黙の病気を減らすこと、健康の向上を通じてより心豊かな生活の実現を目指して、三十余年にわたって地区組織活動を進めております。
この活動の特徴は、上から下へ何かを教えるということではなくて、「私たちの健康は私たちの手で」をスローガンに、推進員として食生活や健康づくりについて学んだことを自分の家庭で実践をして、さらにはその知恵をお向かいさん、お隣さん、そして友人、知人、そして地域の人々へ、小さな単位の活動を原点に、同じ目線の高さで実践につなげる学習活動、あるいは調理の実習、コンクールの開催、そして郷土料理の掘り起こし・展示、親子料理教室、また男性・高齢者の自立に向けた料理教室、そして在宅介護食に関する講習会や独り暮らしの高齢者に対する給食サービスなど、地域で活動を進めております。
その活動の実績は、一年間、一人一人の推進員が活動記録を付けているわけですけれども、大体四百八十万回、二千六百万人を対象に私どもの活動は地域ごとに展開しているわけでございます。
最近では、平成十二年から健康日本21がスタートしたのを受けて、私たちはヘルスサポーター21事業を推進しているところでございます。ヘルスサポーターの育成は、健康日本21の趣旨に賛同して、自分の生活習慣を一つでも改善するという意欲を持つ者に対して、ヘルスメートが中心になって十時間程度の学習を行い、自分の健康のレベルや生活のスタイルに応じて自ら指標を設定して、その指標を達成するための方法を身に付けてもらいます。ヘルスメートは女性を中心に結成されたものですけれども、ヘルスサポーターは男女の区別なく、しかも生活習慣がある程度固まる中学生以上を対象にだれでも参加できるようにして、毎日の健康づくりを実践するヘルスサポーターの輪を広げていく事業でございます。
健康日本21で取り上げている九分野全体、健康づくり全般にわたる事業として推進しております。食生活改善推進員一人が三人から五人のヘルスサポーターを育てて、全国で三年間に百万人の仲間づくりを目標にしています。私たちはこのヘルスサポーターを健康日本21の起爆剤にしたいと考えております。
そして、健康増進法案に対する私たちの考え方なんですけれども、改めて申し上げるまでもなく、高齢化が進む中で、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病対策が急務となっております。したがって、これからは疾病の早期発見、早期治療に加えて、一人一人が食生活や運動、休養、喫煙、飲酒、歯科保健など、日々の生活習慣を見直し、病気にならないように健康づくりを進めることが重要になっております。
従来は、健康づくりといえば保健や医療分野の専門家の方たちによる活動でございましたが、これからは健康づくりは自分自身の健康観に基づいて日々それぞれ実践していくものであること、そして健康づくりを通じて、より豊かな生活が実現できることを男性女性を問わず、あらゆる年齢層に草の根的に広げていかなければならないと考えております。
ところが、これまで健康づくりは大切だと言われながら、健康日本21の根拠は、旧厚生省の通知だけしかございませんでした。私たちボランティアが少しでも広い層に健康づくりの大切さを訴えようとしても、そのよりどころになるものがはっきりしていないのが現状でございます。
今回の健康増進法案は、健康づくりに初めて正面から法的な基盤、根拠を与える法律でございます。国権の最高機関である国会において、健康づくりは国を挙げてその支援に取り組むべき重要課題であるということを法律という形で明確にしていただければ、より多くの方々に健康づくりの大切さが分かってもらえるものと思います。是非とも早期の成立をお願いいたしたく存じます。
また、健康増進法は、健康づくりの関係者相互の連携や協力の重要性も位置付けになるなど、行政だけでなく私たちのような民間のボランティア団体についても健康づくり運動の担い手として位置付け、社会全体で個人の健康づくりを支援していくという理念に基づいております。こうした法律のできることによって、私たちも住民としての役割というものを自覚し、もっとやらなくてはならないなという気持ちが起こってくるし、また市町村と役割分担して、仲良く協力し合いながら一層自信を持って活動できるものと期待しております。
健康づくりにおいては身近な市町村の果たす役割は大きいのですが、全国で活動する推進員の声を聞いてみますと、各市町村の力の入れ方は地域によって大きな差がございます。その原因としては、これまでの経緯とか住民の考え方とか、地域固有の事情もいろいろあって、健康日本21に法的な根拠がない、だから首長さんを始め市町村の中でも健康づくりに対する理解が得にくい、そのために進まないというところがあるのではないかと思います。
今回、健康増進法が成立し、市町村の健康増進計画などにもきちんとした法的根拠ができれば、こうした状況も大きく変わると期待しております。
また、市町村の計画策定が単なるお役所の机上の計画では、地域の健康づくり運動は盛り上がりません。計画策定に当たっては、住民の参加を得て進めるよう、各自治体に国の方からも呼び掛けてほしい。私たちも計画策定作業には積極的にかかわっていきたいと考えております。
健康づくりは生活の様々な場面にかかわる大変大きな課題であり、省庁の枠にとらわれていては実効ある活動を推進することは難しい。私どもの団体も、平成十三年から始まった健康日本21推進全国連絡協議会に参加して、様々な分野の団体と情報を交換している中でいろいろとヒントをいただき、例えばウオーキング協会と共同でセミナーを開くなど新しい活動に取り組むきっかけとなっております。
したがって、健康づくりを進めていく上で、省庁ごとの所管事務の壁をどのように乗り越えていくかという点は一つのかぎになるのではないでしょうか。一例を挙げると、子供の肥満が増えているとか、家族で食卓を囲むことが少なく、子供だけで食事をするいわゆる孤食の問題が顕在化しているなど、子供の食をめぐっての様々な指摘がございます。
これに関連して、一昨年公表された新しい食生活指針は、当時の厚生、文部、農林の三省が、厚生省は健康の視点から、農水省は食料需給や食品の廃棄物の点から、そして文部省は食生活を通じた教育や文化という点からそれぞれがかかわって策定され、閣議決定されました。この結果、地域の活動は非常にやりやすくなりました。
今回の健康増進法には、厚生労働大臣が関係行政機関の長と協議して健康づくりに関する基本方針を策定するとの規定が盛り込まれており、こうした省庁間の連携をより大きな枠組みで総合的に行おうとするものと理解いたしております。基本方針という形で省庁間の連携の枠組みができれば、私たちの活動においても、横の連絡、連携を一層強化していくための良い契機になると期待しているところでございます。
率直に申し上げれば、今回の健康増進法の制定に伴って栄養改善法が廃止され、栄養という名前が法律から消えることへの寂しさが、当初、わずかながらあったことは事実でございます。しかし、栄養改善法は、食料事情が悪く、栄養の欠乏が最大の課題であった昭和二十年代に制定された法律である。制定以来半世紀を経た今日、豊かな時代の中で独り栄養改善の分野だけの法律を護持することはなく、運動、休養・睡眠あるいは飲酒、喫煙、歯の健康などの生活習慣全般に関して健康づくりを支援する法律へと脱皮しなければならないのは時代の要請であり、当然のことかもしれません。
以上、いろいろと意見を述べさせていただきましたが、もちろん法律ができただけで国民の健康増進が実現するものではございません。国民一人一人の自覚と取組、そしてそれを支援する国、地方公共団体、保険者、医療機関、また私ども民間の団体などの連携協力という実際の活動が伴わなければ、絵にかいたもちに終わります。
先生方には、是非とも、まずは健康増進法という法的な土台の早期成立に御尽力をお願い申し上げますとともに、その土台の上に国民の健康という花を咲かせていくことができるよう、健康づくりの分野への更なる理解、御支援をお願い申し上げ、陳述を終わらせていただきます。
これ、一応終わりましたけれども、先生方、皆様方のところに私はお配りしております、適正体重を測るこの物差しをお配りいたしました。
ヘルスサポーターは、学習して、自分の生活の実感の中から私は何をするかという目標を立てて行動するわけですけれども、御承知のように、今は肥満というものが糖尿病を始めとするすべての生活習慣病の根源のところにございます。ヘルスサポーターは、自分の問題として、自分の実践するものを何から始めていくかということをちゃんと認識して、決意して実践をするわけですけれども、自分の実践の間を通して、地域の方々の会話、あるいは職場においてもこういう問題を話し掛けていくということも、私は広がりを持たせるためには非常に大事じゃないか。
そこで、ヘルスサポーターの教育のときにはこれを全員にお配りいたしております。そして、機会あるごとに適正体重、あなたの適正体重は幾らかというような形を話ししながら健康づくりの問題を話題にしていただきたい。私たちは、BMIという、今、これは身長掛ける、メーターなんですけれども、掛ける身長掛けるの二十二というのが一番生活習慣病にかかりにくいと言われている適正体重なんですけれども、それを、BMIを社会常識に持っていきたいという思いでこれを全部に配っているところでございます。
今日はこれも添えまして、私の陳述に代えさせていただきました。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →こうした意見陳述の機会を与えていただいたことに対して、心から感謝申し上げます。
私ども財団法人日本食生活協会は、昭和三十一年から食生活の改善を始めとする健康づくり活動を進めている団体でございます。活動を一緒に担っているのは食生活改善推進員、愛称、最近はヘルスメートと呼んでおりますけれども、ボランティアの方々であり、全国で二千七百八十八市町村で約二十二万人の推進員が食生活を中心とした健康づくり活動を日々取り組んでいるものでございます。ちなみに、食生活改善推進員とは、昭和四十五年に全国組織を作りました際に、私どもは、食生活改善や生活習慣の改善を進める人という形で私どもの活動の目標をその名称にしたわけでございます。
食生活改善推進員は実践者であって旗振り役ではございません。生活習慣が生み出す無自覚な沈黙の病気を減らすこと、健康の向上を通じてより心豊かな生活の実現を目指して、三十余年にわたって地区組織活動を進めております。
この活動の特徴は、上から下へ何かを教えるということではなくて、「私たちの健康は私たちの手で」をスローガンに、推進員として食生活や健康づくりについて学んだことを自分の家庭で実践をして、さらにはその知恵をお向かいさん、お隣さん、そして友人、知人、そして地域の人々へ、小さな単位の活動を原点に、同じ目線の高さで実践につなげる学習活動、あるいは調理の実習、コンクールの開催、そして郷土料理の掘り起こし・展示、親子料理教室、また男性・高齢者の自立に向けた料理教室、そして在宅介護食に関する講習会や独り暮らしの高齢者に対する給食サービスなど、地域で活動を進めております。
その活動の実績は、一年間、一人一人の推進員が活動記録を付けているわけですけれども、大体四百八十万回、二千六百万人を対象に私どもの活動は地域ごとに展開しているわけでございます。
最近では、平成十二年から健康日本21がスタートしたのを受けて、私たちはヘルスサポーター21事業を推進しているところでございます。ヘルスサポーターの育成は、健康日本21の趣旨に賛同して、自分の生活習慣を一つでも改善するという意欲を持つ者に対して、ヘルスメートが中心になって十時間程度の学習を行い、自分の健康のレベルや生活のスタイルに応じて自ら指標を設定して、その指標を達成するための方法を身に付けてもらいます。ヘルスメートは女性を中心に結成されたものですけれども、ヘルスサポーターは男女の区別なく、しかも生活習慣がある程度固まる中学生以上を対象にだれでも参加できるようにして、毎日の健康づくりを実践するヘルスサポーターの輪を広げていく事業でございます。
健康日本21で取り上げている九分野全体、健康づくり全般にわたる事業として推進しております。食生活改善推進員一人が三人から五人のヘルスサポーターを育てて、全国で三年間に百万人の仲間づくりを目標にしています。私たちはこのヘルスサポーターを健康日本21の起爆剤にしたいと考えております。
そして、健康増進法案に対する私たちの考え方なんですけれども、改めて申し上げるまでもなく、高齢化が進む中で、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病対策が急務となっております。したがって、これからは疾病の早期発見、早期治療に加えて、一人一人が食生活や運動、休養、喫煙、飲酒、歯科保健など、日々の生活習慣を見直し、病気にならないように健康づくりを進めることが重要になっております。
従来は、健康づくりといえば保健や医療分野の専門家の方たちによる活動でございましたが、これからは健康づくりは自分自身の健康観に基づいて日々それぞれ実践していくものであること、そして健康づくりを通じて、より豊かな生活が実現できることを男性女性を問わず、あらゆる年齢層に草の根的に広げていかなければならないと考えております。
ところが、これまで健康づくりは大切だと言われながら、健康日本21の根拠は、旧厚生省の通知だけしかございませんでした。私たちボランティアが少しでも広い層に健康づくりの大切さを訴えようとしても、そのよりどころになるものがはっきりしていないのが現状でございます。
今回の健康増進法案は、健康づくりに初めて正面から法的な基盤、根拠を与える法律でございます。国権の最高機関である国会において、健康づくりは国を挙げてその支援に取り組むべき重要課題であるということを法律という形で明確にしていただければ、より多くの方々に健康づくりの大切さが分かってもらえるものと思います。是非とも早期の成立をお願いいたしたく存じます。
また、健康増進法は、健康づくりの関係者相互の連携や協力の重要性も位置付けになるなど、行政だけでなく私たちのような民間のボランティア団体についても健康づくり運動の担い手として位置付け、社会全体で個人の健康づくりを支援していくという理念に基づいております。こうした法律のできることによって、私たちも住民としての役割というものを自覚し、もっとやらなくてはならないなという気持ちが起こってくるし、また市町村と役割分担して、仲良く協力し合いながら一層自信を持って活動できるものと期待しております。
健康づくりにおいては身近な市町村の果たす役割は大きいのですが、全国で活動する推進員の声を聞いてみますと、各市町村の力の入れ方は地域によって大きな差がございます。その原因としては、これまでの経緯とか住民の考え方とか、地域固有の事情もいろいろあって、健康日本21に法的な根拠がない、だから首長さんを始め市町村の中でも健康づくりに対する理解が得にくい、そのために進まないというところがあるのではないかと思います。
今回、健康増進法が成立し、市町村の健康増進計画などにもきちんとした法的根拠ができれば、こうした状況も大きく変わると期待しております。
また、市町村の計画策定が単なるお役所の机上の計画では、地域の健康づくり運動は盛り上がりません。計画策定に当たっては、住民の参加を得て進めるよう、各自治体に国の方からも呼び掛けてほしい。私たちも計画策定作業には積極的にかかわっていきたいと考えております。
健康づくりは生活の様々な場面にかかわる大変大きな課題であり、省庁の枠にとらわれていては実効ある活動を推進することは難しい。私どもの団体も、平成十三年から始まった健康日本21推進全国連絡協議会に参加して、様々な分野の団体と情報を交換している中でいろいろとヒントをいただき、例えばウオーキング協会と共同でセミナーを開くなど新しい活動に取り組むきっかけとなっております。
したがって、健康づくりを進めていく上で、省庁ごとの所管事務の壁をどのように乗り越えていくかという点は一つのかぎになるのではないでしょうか。一例を挙げると、子供の肥満が増えているとか、家族で食卓を囲むことが少なく、子供だけで食事をするいわゆる孤食の問題が顕在化しているなど、子供の食をめぐっての様々な指摘がございます。
これに関連して、一昨年公表された新しい食生活指針は、当時の厚生、文部、農林の三省が、厚生省は健康の視点から、農水省は食料需給や食品の廃棄物の点から、そして文部省は食生活を通じた教育や文化という点からそれぞれがかかわって策定され、閣議決定されました。この結果、地域の活動は非常にやりやすくなりました。
今回の健康増進法には、厚生労働大臣が関係行政機関の長と協議して健康づくりに関する基本方針を策定するとの規定が盛り込まれており、こうした省庁間の連携をより大きな枠組みで総合的に行おうとするものと理解いたしております。基本方針という形で省庁間の連携の枠組みができれば、私たちの活動においても、横の連絡、連携を一層強化していくための良い契機になると期待しているところでございます。
率直に申し上げれば、今回の健康増進法の制定に伴って栄養改善法が廃止され、栄養という名前が法律から消えることへの寂しさが、当初、わずかながらあったことは事実でございます。しかし、栄養改善法は、食料事情が悪く、栄養の欠乏が最大の課題であった昭和二十年代に制定された法律である。制定以来半世紀を経た今日、豊かな時代の中で独り栄養改善の分野だけの法律を護持することはなく、運動、休養・睡眠あるいは飲酒、喫煙、歯の健康などの生活習慣全般に関して健康づくりを支援する法律へと脱皮しなければならないのは時代の要請であり、当然のことかもしれません。
以上、いろいろと意見を述べさせていただきましたが、もちろん法律ができただけで国民の健康増進が実現するものではございません。国民一人一人の自覚と取組、そしてそれを支援する国、地方公共団体、保険者、医療機関、また私ども民間の団体などの連携協力という実際の活動が伴わなければ、絵にかいたもちに終わります。
先生方には、是非とも、まずは健康増進法という法的な土台の早期成立に御尽力をお願い申し上げますとともに、その土台の上に国民の健康という花を咲かせていくことができるよう、健康づくりの分野への更なる理解、御支援をお願い申し上げ、陳述を終わらせていただきます。
これ、一応終わりましたけれども、先生方、皆様方のところに私はお配りしております、適正体重を測るこの物差しをお配りいたしました。
ヘルスサポーターは、学習して、自分の生活の実感の中から私は何をするかという目標を立てて行動するわけですけれども、御承知のように、今は肥満というものが糖尿病を始めとするすべての生活習慣病の根源のところにございます。ヘルスサポーターは、自分の問題として、自分の実践するものを何から始めていくかということをちゃんと認識して、決意して実践をするわけですけれども、自分の実践の間を通して、地域の方々の会話、あるいは職場においてもこういう問題を話し掛けていくということも、私は広がりを持たせるためには非常に大事じゃないか。
そこで、ヘルスサポーターの教育のときにはこれを全員にお配りいたしております。そして、機会あるごとに適正体重、あなたの適正体重は幾らかというような形を話ししながら健康づくりの問題を話題にしていただきたい。私たちは、BMIという、今、これは身長掛ける、メーターなんですけれども、掛ける身長掛けるの二十二というのが一番生活習慣病にかかりにくいと言われている適正体重なんですけれども、それを、BMIを社会常識に持っていきたいという思いでこれを全部に配っているところでございます。
今日はこれも添えまして、私の陳述に代えさせていただきました。
ありがとうございます。
阿
甲
甲田茂樹#5
○参考人(甲田茂樹君) 高知医大の甲田と申します。
私の専門は衛生学、公衆衛生学でございます。その中でも特に産業保健という分野を中心に大学で今まで仕事をしてまいりました。私の同僚、先輩には、もちろん大学で教鞭を執っている者もいれば、産業保健という分野で産業医又は産業看護職という形で勤労者の健康問題というものを考えてきた者が数多くおります。今回は、その産業保健、すなわち勤労者の健康という観点から健康増進法案に関して若干の意見を述べさせていただきたいと思います。
なお、私の意見の補足の資料といたしまして二枚つづりのものをお配りしております。それを見ていただきたいと思います。
我が国の国民は保健サービスという観点から便宜的に年少人口、生産年齢人口、老年人口というふうに分けられております。この中でも最も多いのは生産年齢人口でございます。この生産年齢人口は老年人口の手前にあることから、将来の老年人口の予備軍ともなっています。さらに、生産年齢人口の多くが勤労者であることを考えれば、勤労者、特に中高年齢の勤労者の健康状態の良しあしというものは十年後、二十年後の日本の高齢者の健康状態の良しあしにつながります。極端に言えば、日本人の平均寿命、健康寿命をも左右しかねないと言えます。
しかし、現在の勤労者の健康状態が良いかといいますと、ノーと言わざるを得ないと思います。ここ数年長引く不況は、勤労者の労働条件、労働環境を悪化させていると報告されております。リストラが進行している会社で社員に対して健康には十分気を配ってくださいよと言われても、これはかなり難しい注文ではないでしょうか。事実、中高年齢の男性の自殺はここ数年増加傾向にあります。企業におけるメンタルヘルスの問題というのは深刻な事態になっております。また、大企業では不採算部門の合理化の名の下に、先ほど紹介しました産業看護職は本来の仕事をさせてもらえない、又は最悪のケースではリストラの対象となり、健康問題を抱えている社員は相談の窓口さえ失っている状況だと思います。
ここで、勤労者の健康状態を示す資料を、統計を二つごらんください。先ほどの資料でございます。一つは業務上の疾病の発生状況の推移というもの、そしてもう一つは定期健康診断の有所見率というこの二つでございます。
業務上の疾病というのはここ十年ぐらいのスパンで見ても一貫して減少してきております。ただ、その業務上の疾病の中でも最も多い、赤の線ですけれども、負傷に起因する疾病の減少によるところが大きく、例えばじん肺、中毒など古典的職業病は横ばいの状態にあります。また、定期健康診断の有所見率では、一九九〇年に健康診断の項目が増えたため有所見率が一気に上昇しておりますが、この上昇は、そのほとんどが血液中の脂質、俗に言う総コレステロール、中性脂肪、ここの項目の異常率が影響しているというふうに言われています。
ですから、この二つの統計から、職域においては、例えば労働災害、業務上疾病などの問題というのは既にもう解決し、生活習慣病こそが緊急の課題であると評される方もおると思いますが、事実はそうなんでしょうか。その辺を検証してみたいと思います。
次の資料をごらんください。
これは、アメリカCDCが二十一世紀に掛けて重要となる十の作業関連疾患というものを一九八八年の段階で提案しております。ここに書いてある疾患群は、古典的職業病以外にも、仕事によって悪化してくるような病気、これをいわゆる作業関連疾患というふうに言いますけれども、そういうものも挙げられております。
例えば、その中で高血圧、それから冠動脈疾患などに代表されるような心臓血管障害というものに注目したいと思います。高血圧、それから冠動脈疾患、俗に言う例えば狭心症だとか、その最たるケースが心筋梗塞ということになりますが、そういったような病気というのが、例えば勤労者の仕事の仕方という点から見ていきますと、労働時間、非常に長くなってくるような労働時間、それから休憩の例えば取り方、休暇が取れないというようなこと、そして仕事の性質によって様々起こってくる対人ストレスなんかの問題、こういう仕事の特性というものがかなり影響しているというふうに考えられております。
ですから、そういう仕事の特性というものを考慮してこれらの作業関連疾患に対応するということが勤労者の健康問題を考える場合には重要だというふうに言われております。基本的に、勤労者は一日八時間最低働いております。その意味では、仕事から受ける健康に対する影響要因というものは当然配慮されるべきだと私は考えております。
本国会に提案されております健康増進法案ですが、これは私の読み方が足りないのかもしれませんけれども、勤労者の健康状態というものを国民栄養の問題、それから食生活の改善という点だけに力点を置いてしまうと職場ではなかなか受け入れられないかもしれないと私は思っております。とはいえ、現在の、現段階での勤労者の健康状態に問題があるのは事実であります。保健サイドが健康づくりを支援する活動をやはり強力にしていかなきゃいけないということも事実であると思います。
次の資料にもお示ししたように、これは安全衛生法からの抜粋でございますが、安全衛生法によりますと、第三条ですけれども、労働者の健康を確保するのは事業者の責務であるというふうに定めております。また、健康増進についても、事業者は必要な措置を継続的にかつ計画的に講ずるように努めなければならないとも定めております。
このように、勤労者の健康づくりを支援していくためには、労働安全衛生法の中では、御存じのとおり、産業医、衛生管理者等のスタッフの整備、選任ですね、安全衛生委員会等の体制の整備を呼び掛けてきております。
しかしながら、これらの制約というのは、常時労働者を五十人以上雇用する事業所に限られたもので、今現在、日本の大多数を占める中小企業又は零細企業ではその対象義務となっていないということになります。さらには、高知県のように、自営業だとかそれから農業というように、いわゆる労働基準法にも該当しない勤労者という者がかなりいる部分では労働安全衛生法がどのくらい効力を発揮するのかというと疑問になってくるというふうには思います。
そこで、私ども高知県では、うちの大学と県の方が相談いたしまして、勤労者の健康づくりを支援していく環境を整えていこうではないかということで、その次のページになりますけれども、産業保健と地域保健が連携できないかということを今まで模索をしてまいりました。先ほど述べたように、そこにもありますが、高知県では、その産業構造が、卸・小売、そういうサービス業が非常に多い、中小・零細企業も多い、それから農業、自営業というようなところも多いということで、いわゆる労基法に該当しない勤労者もかなりおります。こういう状況を反映して、そういう人たちに専門的に産業保健サービスを提供するような機関、人材というのも育成されてこなかったことも事実であります。
ですから、こういう事情をかんがみますと、その次のグラフにありますけれども、高知県の勤労者、これは勤労者だけではございません、全体の全年齢の死亡状況を一九八七年から九六年までにちょっと合算してみたものなんですけれども、これで見ていただければ、ゼロの基準のところが全国平均値、プラス、上にいけば過剰死亡ですからたくさん人が死んでいる、下にいけばマイナスですので死んでいる人が少ないという状況です。
このグラフを見ていただいて特徴として分かるのは、七十歳代、八十歳代というのはグラフが下にいっておりますから、高知県の場合、高齢者のこれは死亡状況ということですけれども、全国に比べると非常にいい状態にある。それに反して、三十から上がっていますけれども、特に四十歳代、五十歳代、黄色のところというのは上に飛び出しておりますので、中高年齢男性の勤労者の死亡は全国平均に比べて過剰であるというような結果になっております。
この原因については調査されておりまして、今問題になっているような生活習慣病ということであれば非常に分かりやすいのですけれども、この当時、この十年間で見ると、何がこういうふうに死亡を増加させているのかということになると、第一位は自殺でございます。ですから、こういう状況を何とかしたいということで、県と大学の方で、先ほど言いましたように、産業保健のスタッフというのが非常に少ないですから、地域保健のスタッフが何とかそういう勤労者の健康を支援していけないかということで今まで取り組んでまいりました。
それがそこの資料にあります保健所というところを中心に、健康づくり支援、保健サービスを提供できないかということで考えている内容です。この事業自身は五年ぐらい前から保健所のスタッフに勤労者の健康づくりが支援できる能力というものをトレーニングした上で、昨年から保健所自身が事業化して現在に至っている。そういう意味では、かなりのトレーニングを積んで職域の保健または勤労者の健康づくりに対応できるような下地を作ってきたということでございます。
そのサービス内容は、そこにありますように、例えば働く環境を診断しよう、または健康づくりの支援をサービスしていこう、今これに取り組んでいる最中でございますが、そのほかの保健サービスとのリンクなどというものを考えております。
将来的には保健所がこういう健康づくりのメニューというものを各勤労者に提供できていけば、高知県のように資源の非常に限られているといいますか、専門スタッフが非常に少ないところでも勤労者の支援、健康づくりを支えていけるんじゃないかと期待しております。
その保健所のスタッフの職域支援サービス、職域保健サービスを身に付けていただくさなか、やっぱり遭遇してきた課題として一つ上がってきたのが、やはり保健所の職員の意識改革、そういうものをどういうふうに確保しなきゃいけないのかということです。彼らが言いますものは、そもそも勤労者の健康管理というのは事業者責任のはずであると。先ほど安全衛生法で取り上げた部分です。ですから、保健所の職員がなぜ勤労者の職員の健康管理に手出しをするのかというのがやはり根強くありました。
それが、先ほどもありましたように、今回の健康増進法によって払拭できれば非常に一気に地域保健のスタッフが勤労者の健康管理に支援に回れるというふうに思うんですけれども、よく話を聞いてみると、やはり根底にあるのは、先ほど言った第三条、事業主の責任というところで、根本のところがなかなか変わらないと、本格的に地域保健のサービス、地域保健サービスとして勤労者の健康を支援していくというのは、実際立ち上げていくのはかなり難しいのかなというような感じを持っております。
そしてもう一つは、今まで地域保健の中で働いてきた、動いてきたわけですから具体的なノウハウというものが分からないということですね。それが先ほど私どもが言いましたような、実際の研修、実地の研修、これは三年間掛けてかなり綿密にやってきたつもりですけれども、そういうものをやっていただく。そして実際、勤労者の間に入って健康づくりの支援等をやっていただく自信を付けてもらうというようなことですね。こういうことをしないと、多分全国的にもこれは無理じゃないかというふうに思います。
ですから、そういう意味では、かなり人材の育成には時間が掛かるということを念頭に入れておいていただければというふうに思います。
そして、そのようなさなか、昨年度から厚生労働省のモデル事業として生涯を通じた健康づくり支援事業というのが高知県の方に下りてまいりました。ここでは、保健所だけではなく、市町村を巻き込んで勤労者の健康づくりを念頭に入れた、先ほどちょっと出ました健康日本21を念頭に入れた事業を検討できないかということを依頼されました。
その中で上がってきた問題二つが、健康情報標準化、そして具体的、地域、職域で共同でできる健康づくり事業を開発してくれというこの二つでございました。
先ほど、第一点目に述べた健康情報標準化というのは、具体的に申しますと、各種法律で実施されております健康診断データというものを合わせて一つのデータベースにして、それを今後の地域住民、勤労者を巻き込んだ地域住民の健康づくりに活用できないかというような御注文でございました。時間的な制約もありましたので、高知県では、一つの健診機関をチョイスして老人保健法、そして労働安全衛生法で得られた健康診断を両方を合わせて活用するという試みをいたしましたが、実際、これが全国的に運用されるとなると、これに政管健保だとかいうようなほかの健康保険法で規定される健康診断のデータ、ないしは今度は健康診断を取る方も非常に複数の健康診断機関、ないしは開業医がやられている場合もありますので、またがってまいります。そうすると、これらの健康診断の情報を合わせること自体にはかなり困難が予想されます。もしデータベースとして一つに合わさったとしても、そのデータベースを一体だれが管理していくのかという問題です。健康診断の情報というのは、やはり私は個人情報、非常に重要な個人情報だと思います。ですから、そういう健康診断の情報が集まったデータベースをだれが管理してだれがアクセスする権利を持っているのかということがやはり大きな問題ではないかというふうに思っております。
そして、その次の地域と職域の健康づくり支援事業、これをやるときには、やはり問題として出てくるのは、先ほど言った、先ほどは県の職員の教育をしたんですけれども、今度は市町村のそういうスタッフの教育というものをしていかなきゃいけない。ここでもやはり人の教育というものがかなり大きな問題として出てまいるのではないかと思っております。
この事業をやるときには、先ほど合体されたデータベースを活用したい、それが効率的だというふうに考えております。そうすると、やはり合体するデータには個人の名前等が、少なくとも年齢ぐらいがないと引き出せないわけですから、その条項を残してデータベースを作るときにはやはり問題があるのではないかなというふうに思います。
この健康増進法案に関連していいますと、基本方針の第八条と九条の中で、先ほど出ました都道府県、それから市町村の健康増進計画等の策定という問題ですね、ここがかなり練られていない。ないしは、実際の都道府県、市町村に経験だとか自信といいますか、そういうものがないとやはりうまくいかないんじゃないかなというのが一つ。
それからもう一つ、健康管理手帳という形で個人のデータを手帳にして持たせるということなんですけれども、私は衛生学、公衆衛生学の専門なんで、すぐ老人保健法の健康手帳だとか労働安全衛生法の健康管理手帳を思い出します。この二つは、健康管理手帳であれば基本的には特殊健康診断が受けられる、健康手帳であれば老人医療が受けられるという大きなサービスが受けられるというのが担保されております。今回提案されている健康手帳にそれに見合うような担保があるのかどうなのかということで成功するかしないかが決まってくるような感じがあります。事実、今まで事業所、健保組合、いろんな形で健康手帳を作ってきましたが、聞くところによると、うまくいかなかったケースというのがかなりあるというふうに聞いております。
ですから、私の意見といたしましては、基本的にこの健康増進法を市町村なり都道府県なりに下ろしてうまく運用するときに、どこまで運用できるのかというところをしっかり御議論していただいて、先ほど言ったような解決すべき問題又は幾つかのハードルを越えていただいて、実効性のある法律にしていただければというふうに考えます。
つたない意見でございましたけれども、以上、運用上の課題について若干意見を述べさせていただきました。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →私の専門は衛生学、公衆衛生学でございます。その中でも特に産業保健という分野を中心に大学で今まで仕事をしてまいりました。私の同僚、先輩には、もちろん大学で教鞭を執っている者もいれば、産業保健という分野で産業医又は産業看護職という形で勤労者の健康問題というものを考えてきた者が数多くおります。今回は、その産業保健、すなわち勤労者の健康という観点から健康増進法案に関して若干の意見を述べさせていただきたいと思います。
なお、私の意見の補足の資料といたしまして二枚つづりのものをお配りしております。それを見ていただきたいと思います。
我が国の国民は保健サービスという観点から便宜的に年少人口、生産年齢人口、老年人口というふうに分けられております。この中でも最も多いのは生産年齢人口でございます。この生産年齢人口は老年人口の手前にあることから、将来の老年人口の予備軍ともなっています。さらに、生産年齢人口の多くが勤労者であることを考えれば、勤労者、特に中高年齢の勤労者の健康状態の良しあしというものは十年後、二十年後の日本の高齢者の健康状態の良しあしにつながります。極端に言えば、日本人の平均寿命、健康寿命をも左右しかねないと言えます。
しかし、現在の勤労者の健康状態が良いかといいますと、ノーと言わざるを得ないと思います。ここ数年長引く不況は、勤労者の労働条件、労働環境を悪化させていると報告されております。リストラが進行している会社で社員に対して健康には十分気を配ってくださいよと言われても、これはかなり難しい注文ではないでしょうか。事実、中高年齢の男性の自殺はここ数年増加傾向にあります。企業におけるメンタルヘルスの問題というのは深刻な事態になっております。また、大企業では不採算部門の合理化の名の下に、先ほど紹介しました産業看護職は本来の仕事をさせてもらえない、又は最悪のケースではリストラの対象となり、健康問題を抱えている社員は相談の窓口さえ失っている状況だと思います。
ここで、勤労者の健康状態を示す資料を、統計を二つごらんください。先ほどの資料でございます。一つは業務上の疾病の発生状況の推移というもの、そしてもう一つは定期健康診断の有所見率というこの二つでございます。
業務上の疾病というのはここ十年ぐらいのスパンで見ても一貫して減少してきております。ただ、その業務上の疾病の中でも最も多い、赤の線ですけれども、負傷に起因する疾病の減少によるところが大きく、例えばじん肺、中毒など古典的職業病は横ばいの状態にあります。また、定期健康診断の有所見率では、一九九〇年に健康診断の項目が増えたため有所見率が一気に上昇しておりますが、この上昇は、そのほとんどが血液中の脂質、俗に言う総コレステロール、中性脂肪、ここの項目の異常率が影響しているというふうに言われています。
ですから、この二つの統計から、職域においては、例えば労働災害、業務上疾病などの問題というのは既にもう解決し、生活習慣病こそが緊急の課題であると評される方もおると思いますが、事実はそうなんでしょうか。その辺を検証してみたいと思います。
次の資料をごらんください。
これは、アメリカCDCが二十一世紀に掛けて重要となる十の作業関連疾患というものを一九八八年の段階で提案しております。ここに書いてある疾患群は、古典的職業病以外にも、仕事によって悪化してくるような病気、これをいわゆる作業関連疾患というふうに言いますけれども、そういうものも挙げられております。
例えば、その中で高血圧、それから冠動脈疾患などに代表されるような心臓血管障害というものに注目したいと思います。高血圧、それから冠動脈疾患、俗に言う例えば狭心症だとか、その最たるケースが心筋梗塞ということになりますが、そういったような病気というのが、例えば勤労者の仕事の仕方という点から見ていきますと、労働時間、非常に長くなってくるような労働時間、それから休憩の例えば取り方、休暇が取れないというようなこと、そして仕事の性質によって様々起こってくる対人ストレスなんかの問題、こういう仕事の特性というものがかなり影響しているというふうに考えられております。
ですから、そういう仕事の特性というものを考慮してこれらの作業関連疾患に対応するということが勤労者の健康問題を考える場合には重要だというふうに言われております。基本的に、勤労者は一日八時間最低働いております。その意味では、仕事から受ける健康に対する影響要因というものは当然配慮されるべきだと私は考えております。
本国会に提案されております健康増進法案ですが、これは私の読み方が足りないのかもしれませんけれども、勤労者の健康状態というものを国民栄養の問題、それから食生活の改善という点だけに力点を置いてしまうと職場ではなかなか受け入れられないかもしれないと私は思っております。とはいえ、現在の、現段階での勤労者の健康状態に問題があるのは事実であります。保健サイドが健康づくりを支援する活動をやはり強力にしていかなきゃいけないということも事実であると思います。
次の資料にもお示ししたように、これは安全衛生法からの抜粋でございますが、安全衛生法によりますと、第三条ですけれども、労働者の健康を確保するのは事業者の責務であるというふうに定めております。また、健康増進についても、事業者は必要な措置を継続的にかつ計画的に講ずるように努めなければならないとも定めております。
このように、勤労者の健康づくりを支援していくためには、労働安全衛生法の中では、御存じのとおり、産業医、衛生管理者等のスタッフの整備、選任ですね、安全衛生委員会等の体制の整備を呼び掛けてきております。
しかしながら、これらの制約というのは、常時労働者を五十人以上雇用する事業所に限られたもので、今現在、日本の大多数を占める中小企業又は零細企業ではその対象義務となっていないということになります。さらには、高知県のように、自営業だとかそれから農業というように、いわゆる労働基準法にも該当しない勤労者という者がかなりいる部分では労働安全衛生法がどのくらい効力を発揮するのかというと疑問になってくるというふうには思います。
そこで、私ども高知県では、うちの大学と県の方が相談いたしまして、勤労者の健康づくりを支援していく環境を整えていこうではないかということで、その次のページになりますけれども、産業保健と地域保健が連携できないかということを今まで模索をしてまいりました。先ほど述べたように、そこにもありますが、高知県では、その産業構造が、卸・小売、そういうサービス業が非常に多い、中小・零細企業も多い、それから農業、自営業というようなところも多いということで、いわゆる労基法に該当しない勤労者もかなりおります。こういう状況を反映して、そういう人たちに専門的に産業保健サービスを提供するような機関、人材というのも育成されてこなかったことも事実であります。
ですから、こういう事情をかんがみますと、その次のグラフにありますけれども、高知県の勤労者、これは勤労者だけではございません、全体の全年齢の死亡状況を一九八七年から九六年までにちょっと合算してみたものなんですけれども、これで見ていただければ、ゼロの基準のところが全国平均値、プラス、上にいけば過剰死亡ですからたくさん人が死んでいる、下にいけばマイナスですので死んでいる人が少ないという状況です。
このグラフを見ていただいて特徴として分かるのは、七十歳代、八十歳代というのはグラフが下にいっておりますから、高知県の場合、高齢者のこれは死亡状況ということですけれども、全国に比べると非常にいい状態にある。それに反して、三十から上がっていますけれども、特に四十歳代、五十歳代、黄色のところというのは上に飛び出しておりますので、中高年齢男性の勤労者の死亡は全国平均に比べて過剰であるというような結果になっております。
この原因については調査されておりまして、今問題になっているような生活習慣病ということであれば非常に分かりやすいのですけれども、この当時、この十年間で見ると、何がこういうふうに死亡を増加させているのかということになると、第一位は自殺でございます。ですから、こういう状況を何とかしたいということで、県と大学の方で、先ほど言いましたように、産業保健のスタッフというのが非常に少ないですから、地域保健のスタッフが何とかそういう勤労者の健康を支援していけないかということで今まで取り組んでまいりました。
それがそこの資料にあります保健所というところを中心に、健康づくり支援、保健サービスを提供できないかということで考えている内容です。この事業自身は五年ぐらい前から保健所のスタッフに勤労者の健康づくりが支援できる能力というものをトレーニングした上で、昨年から保健所自身が事業化して現在に至っている。そういう意味では、かなりのトレーニングを積んで職域の保健または勤労者の健康づくりに対応できるような下地を作ってきたということでございます。
そのサービス内容は、そこにありますように、例えば働く環境を診断しよう、または健康づくりの支援をサービスしていこう、今これに取り組んでいる最中でございますが、そのほかの保健サービスとのリンクなどというものを考えております。
将来的には保健所がこういう健康づくりのメニューというものを各勤労者に提供できていけば、高知県のように資源の非常に限られているといいますか、専門スタッフが非常に少ないところでも勤労者の支援、健康づくりを支えていけるんじゃないかと期待しております。
その保健所のスタッフの職域支援サービス、職域保健サービスを身に付けていただくさなか、やっぱり遭遇してきた課題として一つ上がってきたのが、やはり保健所の職員の意識改革、そういうものをどういうふうに確保しなきゃいけないのかということです。彼らが言いますものは、そもそも勤労者の健康管理というのは事業者責任のはずであると。先ほど安全衛生法で取り上げた部分です。ですから、保健所の職員がなぜ勤労者の職員の健康管理に手出しをするのかというのがやはり根強くありました。
それが、先ほどもありましたように、今回の健康増進法によって払拭できれば非常に一気に地域保健のスタッフが勤労者の健康管理に支援に回れるというふうに思うんですけれども、よく話を聞いてみると、やはり根底にあるのは、先ほど言った第三条、事業主の責任というところで、根本のところがなかなか変わらないと、本格的に地域保健のサービス、地域保健サービスとして勤労者の健康を支援していくというのは、実際立ち上げていくのはかなり難しいのかなというような感じを持っております。
そしてもう一つは、今まで地域保健の中で働いてきた、動いてきたわけですから具体的なノウハウというものが分からないということですね。それが先ほど私どもが言いましたような、実際の研修、実地の研修、これは三年間掛けてかなり綿密にやってきたつもりですけれども、そういうものをやっていただく。そして実際、勤労者の間に入って健康づくりの支援等をやっていただく自信を付けてもらうというようなことですね。こういうことをしないと、多分全国的にもこれは無理じゃないかというふうに思います。
ですから、そういう意味では、かなり人材の育成には時間が掛かるということを念頭に入れておいていただければというふうに思います。
そして、そのようなさなか、昨年度から厚生労働省のモデル事業として生涯を通じた健康づくり支援事業というのが高知県の方に下りてまいりました。ここでは、保健所だけではなく、市町村を巻き込んで勤労者の健康づくりを念頭に入れた、先ほどちょっと出ました健康日本21を念頭に入れた事業を検討できないかということを依頼されました。
その中で上がってきた問題二つが、健康情報標準化、そして具体的、地域、職域で共同でできる健康づくり事業を開発してくれというこの二つでございました。
先ほど、第一点目に述べた健康情報標準化というのは、具体的に申しますと、各種法律で実施されております健康診断データというものを合わせて一つのデータベースにして、それを今後の地域住民、勤労者を巻き込んだ地域住民の健康づくりに活用できないかというような御注文でございました。時間的な制約もありましたので、高知県では、一つの健診機関をチョイスして老人保健法、そして労働安全衛生法で得られた健康診断を両方を合わせて活用するという試みをいたしましたが、実際、これが全国的に運用されるとなると、これに政管健保だとかいうようなほかの健康保険法で規定される健康診断のデータ、ないしは今度は健康診断を取る方も非常に複数の健康診断機関、ないしは開業医がやられている場合もありますので、またがってまいります。そうすると、これらの健康診断の情報を合わせること自体にはかなり困難が予想されます。もしデータベースとして一つに合わさったとしても、そのデータベースを一体だれが管理していくのかという問題です。健康診断の情報というのは、やはり私は個人情報、非常に重要な個人情報だと思います。ですから、そういう健康診断の情報が集まったデータベースをだれが管理してだれがアクセスする権利を持っているのかということがやはり大きな問題ではないかというふうに思っております。
そして、その次の地域と職域の健康づくり支援事業、これをやるときには、やはり問題として出てくるのは、先ほど言った、先ほどは県の職員の教育をしたんですけれども、今度は市町村のそういうスタッフの教育というものをしていかなきゃいけない。ここでもやはり人の教育というものがかなり大きな問題として出てまいるのではないかと思っております。
この事業をやるときには、先ほど合体されたデータベースを活用したい、それが効率的だというふうに考えております。そうすると、やはり合体するデータには個人の名前等が、少なくとも年齢ぐらいがないと引き出せないわけですから、その条項を残してデータベースを作るときにはやはり問題があるのではないかなというふうに思います。
この健康増進法案に関連していいますと、基本方針の第八条と九条の中で、先ほど出ました都道府県、それから市町村の健康増進計画等の策定という問題ですね、ここがかなり練られていない。ないしは、実際の都道府県、市町村に経験だとか自信といいますか、そういうものがないとやはりうまくいかないんじゃないかなというのが一つ。
それからもう一つ、健康管理手帳という形で個人のデータを手帳にして持たせるということなんですけれども、私は衛生学、公衆衛生学の専門なんで、すぐ老人保健法の健康手帳だとか労働安全衛生法の健康管理手帳を思い出します。この二つは、健康管理手帳であれば基本的には特殊健康診断が受けられる、健康手帳であれば老人医療が受けられるという大きなサービスが受けられるというのが担保されております。今回提案されている健康手帳にそれに見合うような担保があるのかどうなのかということで成功するかしないかが決まってくるような感じがあります。事実、今まで事業所、健保組合、いろんな形で健康手帳を作ってきましたが、聞くところによると、うまくいかなかったケースというのがかなりあるというふうに聞いております。
ですから、私の意見といたしましては、基本的にこの健康増進法を市町村なり都道府県なりに下ろしてうまく運用するときに、どこまで運用できるのかというところをしっかり御議論していただいて、先ほど言ったような解決すべき問題又は幾つかのハードルを越えていただいて、実効性のある法律にしていただければというふうに考えます。
つたない意見でございましたけれども、以上、運用上の課題について若干意見を述べさせていただきました。
ありがとうございます。
阿
相
相野谷安孝#7
○参考人(相野谷安孝君) 中央社保協で事務局次長をしております相野谷と申します。
本日は、貴重な国会の審議時間に意見の陳述をさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
私ども、社会保障推進協議会、略称社保協というふうに申しますが、社会保障の充実拡大を願って運動を進めている協議会でございます。
全国段階では、全労連、全建総連などの労働組合、また全国商工団体連合会や全国保険医団体連合会など四十の団体が加盟しておりまして、一九五七年にかつての総評の肝いりで結成をされまして、以来四十五年間運動を続けてまいりました。現在では、四十七都道府県すべてに県の組織ができておりまして、各市町村単位の地域社保協も広がっているところでございます。
私たちが運動として願う社会保障の充実は、健康で安心して暮らし続けることができる制度の拡充だというふうに思っておりますが、残念ながらこの間、社会保障費用の抑制を目的とする諸制度の後退が続いておりまして、こうした状況にはそのたびに危惧を表明し、反対の声を上げてきたところであります。
こうした立場から、今回の健康増進法案にも重大な関心を持っております。健康増進法案が高齢者の完全定率一割あるいは二割負担、あるいは健康保険本人の三割負担など同時に審議されております健康保険法等の一部改正案とセットで提出されているというところに問題があるのかなと思っております。
先日も、この本委員会で田浦先生が、負担増によって受診の機会を抑えることになり、医学的には必ずしもいいことではないという意見を述べていらっしゃいました。私もこの先生の御意見に賛成でありまして、健保の改定案によって負担増が生まれますと、国民の受診が抑制され、正に健康を破壊するということにつながりかねないんではないかというふうに考えております。そういう法案と同時に健康増進というふうに名付けられた法案が審議されているというところに若干の危惧を感じるわけであります。
そもそも、健康で長生きしたいというのは、これは人類の共通の願いだというふうに思いますし、政府統計でも、健康は最大の関心事となっております。国民各個人は、その自助努力を強調するまでもなく、自ら健康であるための努力を最大限に行っていると言ってもいいんではないかというふうに思うんですが、この間の相次ぐ社会保障制度の後退の中で、民間生命保険会社であるとか損保会社が提供しているがん保険あるいは入院・通院保険といった商品がこの数年間契約件数を大幅に伸ばしています。また、今回の法案とも関係しますが、サプリメント商品などもかなり普及が広がっているという実態があるというふうに思いますが、こういう点を見ても、国民はかなり防衛的な自助努力をしっかり行っているというのが現在の実態ではないかというふうに思っています。
そもそも、国民の健康増進を阻害する因子としましては、職場や労働の実態、今、甲田先生もおっしゃられたような背景があるというふうに思いますし、生活全般の背景の問題、それから社会的なストレス、環境、そしていざというときの備えなども考慮されなければならないのではないかなというふうに思っています。社会的なストレスを生まないためにも、やっぱり安心ということをどれだけ国民が享受できるかということが大きな要因になるのではないかというふうに考えておりますが、この点で、もうごらんになったかと思いますけれども、最近興味ある調査がありまして、六月二十五日の日本経済新聞の世論調査ですが、今現在と将来への不安というのを表明する方が、不安だという方で半数を超える五二%ありました。少しは不安だという方を加えますと何と九〇%という高率が日経新聞の世論調査で出ておりました。国民の多数が不安社会の中にいるという数字ではないかと私は推察いたしました。
こうした国民の不安の解消に政策的努力をいただくということが一番大事な課題ではないかというふうに思いますし、そうした安心を回復するための環境を作る国の政策努力を是非求めたいということですし、健康増進法というものを創設するのであれば、この安心回復の環境整備を目的とする、そういう是非法案の中身にしていただけたらというふうに思っております。
こうした視点から今回の法案を見てみますと、まず、どうも個人の自助努力ということのみが強調されている法案のように見受けられます。今述べたような安心を得る環境整備への国の責務が後退をさせられているという点を危惧せざるを得ません。
本法案は、第一章の総則、第一条から六条で法制定の趣旨や目的などが書かれていますが、第二条で「生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」と「国民の責務」というものを強調しています。そしてその次に、第三条で「国及び地方公共団体の責務」というふうになっていて、私はこれは順番が逆ではないかなというふうに思います。また、後ろに置かれております「国及び地方公共団体の責務」の内容なんですが、知識の普及、情報の収集、人材の養成など、極めて限定的なものにされておりまして、国や自治体の社会保障に対する公的な責任が欠如しているという内容ではないかというふうに思います。
述べるまでもないんですが、憲法二十五条は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」としています。ここに言う公衆衛生とは、日本公衆衛生協会の「衛生行政大要」によりますと、疾病の早期診断と治療のための医療と看護サービスの組織化、及び地域社会のすべての人に健康保持のための適切な健康水準を保障する社会制度であると規定されておりまして、こうした公衆衛生の向上のためには、国、地方公共団体などの公の責任において必要な条件、つまり、人、予算、組織、制度などを整える必要があるというふうにされております。この健康増進法の三条を見る限りでは、こうした公の責任を十分に果たし得ないのではないかという点を危惧をいたしております。
第二に、こうして公の責任は後退させながら、国民には自助努力で健康に努めよというふうに責任を押し付けているんではないかと思います。
これはWHO憲章前文の、到達し得る最高水準の健康を享受することは、経済的又は社会的条件によらず、万民の有する基本的権利の一つであるというふうに前文では規定しておりますが、こうした健康観、あるいは健康権と言ってもいいと思いますけれども、こうした視点からも脱落するものではないかというふうに思います。
第三に、健康増進法の内容が生活習慣病の予防に重点を置かれているという点にも問題を感じ得ません。
法案は、法令としては多分初めてだと思いますが、生活習慣病という呼称をある意味では何の定義もなしに用いています。病気は自己の責任、原因において起きるという一面的な疾病観に基づいて、疾病の自己責任を押し付けているという感がぬぐえません。
元々、生活習慣病は成人病あるいは慢性疾患というふうに呼ばれていましたが、この生活習慣病という呼称が登場するようになったのは九〇年代になってからです。九六年十二月の公衆衛生審議会の意見具申を受けて九七年版の厚生白書に初めて登場したというのがこの生活習慣病の名前だったというふうに思います。また、今年四月に行われました診療報酬改定では、診療報酬の項目として初めて生活習慣病の名前が登場するに至っております。こちらも何の定義のないまま採用されています。
今から十五年前の一九八七年に、当時の厚生省国民医療総合対策本部が中間報告を発表していますが、この中で、自らの健康は自分で守る、自分の病気は最終的には自分で治すというセルフケアの観点を重視する方向で今後改革を行っていく必要があるというふうにされておりまして、この文脈からいきますと、生活習慣病の呼称を使うことは、自らの生活態度が悪いからなった病気、だから自己責任で自分で治しなさいというような意図に結び付くのではないかというふうに思います。私の解釈違いであったらお許しいただきたいというふうに思います。
また、先ほどの公衆衛生審議会の意見具申の中でも、こうした生活習慣病という概念を導入するに当たっては、ただし書がありまして、「但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与している」と、そうしたことから「「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。」と指摘しております。本法案にはこうした配慮がないというふうに考えられます。
また、国民の健康問題で、単に個人を対象に生活習慣の自己管理を迫る方法では、圧倒的多数の国民の健康問題が放置されるおそれがあり、全体として国民の健康水準が低下するおそれがあるのではないかというふうに思います。
四番目に、第九条で「健康診査の実施等に関する指針」という項目が定められておりますが、この中では「厚生労働大臣は、」「健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針を定めるもの」とされておって、この指針が諸法律、健康保険法や学校保健法、母子保健法、労働安全衛生法、老人保健法等々の諸法律に基づいて行われる保健事業全般がこの厚生労働大臣の定める指針と調和の取れたものでなければならないとしております。
このままで考えますと、保健予防事業の国による一元的な管理や、あるいは前段で危惧をいたしました公的責任の後退、自己責任の押し付け、自己負担の拡大といったような、すべての保健事業にこういう事態が及ぶおそれを禁じ得ません。
次に、現在、国民生活がもう既に健康を破壊されているという実態を少しですが御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
長崎県にある診療所ですが、昨年秋に治療を中断されている方に、二千人にアンケートを取りました。三百人の方から回答がありまして、内容は、具合は良くないが病院、診療所に行かず我慢しているという方が二五%、四人に一人でした。売薬で済ませているという方が一〇%ありました。三人に一人が状態が良くないのに通院を我慢しているという実態が浮かび上がっております。
また、全国の医療現場からは、とてもやるせないという患者さんの実態が多く寄せられています。吐血や下血があって今すぐ入院が必要なのに、医療費が心配だから入院できませんという患者さんがいたとか、自分の手術のことより手術代が心配で夜も眠れないという入院患者さんの話、あるいは外来でも、会社に病気を知られたくない、だから自費で診療をしていくというサラリーマンがいたなど、長引く不況とリストラ、合理化の下でこうした事例が多発しております。
もう一点、これに関連をして、私ども中央社保協は、去る六月二十六日から二十八日に掛けて福岡市と北九州市の国民健康保険の実態について調査を行いました。この調査は、現在、御承知のとおり、一昨年の国民健康保険法の改正によりまして全国的に資格証明書及び短期保険証の発行が増えています。私ども社保協の調査では、百万世帯を超える方々が資格証明書あるいは短期保険証を渡されているという実態でありまして、国保加入世帯のおよそ五%が正規の保険証を持っていないという実態があります。また、広範に保険証の未交付だとか未加入といったような実態も報告されておりまして、既に守るべき日本の皆保険制度が空洞化しているのではないかと危惧をいたしております。
そうした点から、この資格証明書がかなり出ております福岡市、北九州市の調査を行ったわけなんですが、この調査の中で、経営していた設備会社が倒産、前年の収入に応じて決まる国保料が四十数万円にもなり、失業中でこの保険料を払えず無保険になってしまった、国保に入っているが保険証がもらえない、パートの仕事も辞めてくれと言われ、もう本当に仕事がなくなった、具合が悪いが病院にも行けない、もう死ぬしかないなどの具体的な方々の声を聞くことができました。生命保険を解約したり、あるいはサラ金やカードローンで国保の保険料を払っているというような方もいらっしゃいました。等々、既に国民の生活というか、国民の健康状態はかなり今の社会状況の中で悪化しているのではないかというふうに思います。
先ほど甲田先生も中高年の健康状態はノーだというふうにおっしゃいましたが、ここに対する施策が求められるところですし、この点で、健康増進法の第十条が、これまで栄養改善法にあった栄養摂取と経済負担の関係を明らかにするという国民栄養調査の目的から経済負担の部分を削除しているという点も重大な問題だろうというふうに思っています。
以上のような諸点から、私はこの健康増進法案には反対をさせていただきたいというふうに思います。増進法を創設するのであれば、更に審議を深めていただき、真に国民の健康増進にとって実りある法律内容となるよう大幅な修正を求めるものであります。
最後に、本法案と併せて審議されている重要法案である健康保険法等の一部改正案について、予定される大幅な国民負担増は国民の受診を妨げることになると、これはもう明らかだと思います。これこそ国民の健康増進に寄与しないばかりか、国民の健康破壊につながる改定と言わなければならないんではないかというふうに思います。
私たち社保協にも、このような法案が通ったら生きていかれなくなる、年寄りは死ねと言っているようなものだなどの悲鳴が寄せられております。改悪に反対をする、この法案をやめてくれという署名は医師会の五百万、歯科医師会の四百万と合わせて二千六百万筆に達しております。寄せられた声の一部は既に冊子として皆さんのところにお届けしておりますが、是非こうした声に耳を傾けていただいて、この法案を廃案としていただくよう切に併せてお願いをしたいというふうに思います。
また、宮路厚生労働副大臣の問題がこの間大きくマスコミで取り上げられております。こうした状態で誕生した医師などによって医療費の押し上げにも影響を与える要因ではないかというふうに思いますし、マスコミの報道以来、こうして生まれた先生には掛かりたくないねというような声も出ております。医療の信頼性や当該大学の威信にもかかわるような問題でありますので、この点については国民の一人として、一人の要望として、この問題の是非徹底解明を図り、こうした要因のなくなる対策を立てられることを希望するものであります。
以上をもちまして私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、貴重な国会の審議時間に意見の陳述をさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
私ども、社会保障推進協議会、略称社保協というふうに申しますが、社会保障の充実拡大を願って運動を進めている協議会でございます。
全国段階では、全労連、全建総連などの労働組合、また全国商工団体連合会や全国保険医団体連合会など四十の団体が加盟しておりまして、一九五七年にかつての総評の肝いりで結成をされまして、以来四十五年間運動を続けてまいりました。現在では、四十七都道府県すべてに県の組織ができておりまして、各市町村単位の地域社保協も広がっているところでございます。
私たちが運動として願う社会保障の充実は、健康で安心して暮らし続けることができる制度の拡充だというふうに思っておりますが、残念ながらこの間、社会保障費用の抑制を目的とする諸制度の後退が続いておりまして、こうした状況にはそのたびに危惧を表明し、反対の声を上げてきたところであります。
こうした立場から、今回の健康増進法案にも重大な関心を持っております。健康増進法案が高齢者の完全定率一割あるいは二割負担、あるいは健康保険本人の三割負担など同時に審議されております健康保険法等の一部改正案とセットで提出されているというところに問題があるのかなと思っております。
先日も、この本委員会で田浦先生が、負担増によって受診の機会を抑えることになり、医学的には必ずしもいいことではないという意見を述べていらっしゃいました。私もこの先生の御意見に賛成でありまして、健保の改定案によって負担増が生まれますと、国民の受診が抑制され、正に健康を破壊するということにつながりかねないんではないかというふうに考えております。そういう法案と同時に健康増進というふうに名付けられた法案が審議されているというところに若干の危惧を感じるわけであります。
そもそも、健康で長生きしたいというのは、これは人類の共通の願いだというふうに思いますし、政府統計でも、健康は最大の関心事となっております。国民各個人は、その自助努力を強調するまでもなく、自ら健康であるための努力を最大限に行っていると言ってもいいんではないかというふうに思うんですが、この間の相次ぐ社会保障制度の後退の中で、民間生命保険会社であるとか損保会社が提供しているがん保険あるいは入院・通院保険といった商品がこの数年間契約件数を大幅に伸ばしています。また、今回の法案とも関係しますが、サプリメント商品などもかなり普及が広がっているという実態があるというふうに思いますが、こういう点を見ても、国民はかなり防衛的な自助努力をしっかり行っているというのが現在の実態ではないかというふうに思っています。
そもそも、国民の健康増進を阻害する因子としましては、職場や労働の実態、今、甲田先生もおっしゃられたような背景があるというふうに思いますし、生活全般の背景の問題、それから社会的なストレス、環境、そしていざというときの備えなども考慮されなければならないのではないかなというふうに思っています。社会的なストレスを生まないためにも、やっぱり安心ということをどれだけ国民が享受できるかということが大きな要因になるのではないかというふうに考えておりますが、この点で、もうごらんになったかと思いますけれども、最近興味ある調査がありまして、六月二十五日の日本経済新聞の世論調査ですが、今現在と将来への不安というのを表明する方が、不安だという方で半数を超える五二%ありました。少しは不安だという方を加えますと何と九〇%という高率が日経新聞の世論調査で出ておりました。国民の多数が不安社会の中にいるという数字ではないかと私は推察いたしました。
こうした国民の不安の解消に政策的努力をいただくということが一番大事な課題ではないかというふうに思いますし、そうした安心を回復するための環境を作る国の政策努力を是非求めたいということですし、健康増進法というものを創設するのであれば、この安心回復の環境整備を目的とする、そういう是非法案の中身にしていただけたらというふうに思っております。
こうした視点から今回の法案を見てみますと、まず、どうも個人の自助努力ということのみが強調されている法案のように見受けられます。今述べたような安心を得る環境整備への国の責務が後退をさせられているという点を危惧せざるを得ません。
本法案は、第一章の総則、第一条から六条で法制定の趣旨や目的などが書かれていますが、第二条で「生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」と「国民の責務」というものを強調しています。そしてその次に、第三条で「国及び地方公共団体の責務」というふうになっていて、私はこれは順番が逆ではないかなというふうに思います。また、後ろに置かれております「国及び地方公共団体の責務」の内容なんですが、知識の普及、情報の収集、人材の養成など、極めて限定的なものにされておりまして、国や自治体の社会保障に対する公的な責任が欠如しているという内容ではないかというふうに思います。
述べるまでもないんですが、憲法二十五条は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」としています。ここに言う公衆衛生とは、日本公衆衛生協会の「衛生行政大要」によりますと、疾病の早期診断と治療のための医療と看護サービスの組織化、及び地域社会のすべての人に健康保持のための適切な健康水準を保障する社会制度であると規定されておりまして、こうした公衆衛生の向上のためには、国、地方公共団体などの公の責任において必要な条件、つまり、人、予算、組織、制度などを整える必要があるというふうにされております。この健康増進法の三条を見る限りでは、こうした公の責任を十分に果たし得ないのではないかという点を危惧をいたしております。
第二に、こうして公の責任は後退させながら、国民には自助努力で健康に努めよというふうに責任を押し付けているんではないかと思います。
これはWHO憲章前文の、到達し得る最高水準の健康を享受することは、経済的又は社会的条件によらず、万民の有する基本的権利の一つであるというふうに前文では規定しておりますが、こうした健康観、あるいは健康権と言ってもいいと思いますけれども、こうした視点からも脱落するものではないかというふうに思います。
第三に、健康増進法の内容が生活習慣病の予防に重点を置かれているという点にも問題を感じ得ません。
法案は、法令としては多分初めてだと思いますが、生活習慣病という呼称をある意味では何の定義もなしに用いています。病気は自己の責任、原因において起きるという一面的な疾病観に基づいて、疾病の自己責任を押し付けているという感がぬぐえません。
元々、生活習慣病は成人病あるいは慢性疾患というふうに呼ばれていましたが、この生活習慣病という呼称が登場するようになったのは九〇年代になってからです。九六年十二月の公衆衛生審議会の意見具申を受けて九七年版の厚生白書に初めて登場したというのがこの生活習慣病の名前だったというふうに思います。また、今年四月に行われました診療報酬改定では、診療報酬の項目として初めて生活習慣病の名前が登場するに至っております。こちらも何の定義のないまま採用されています。
今から十五年前の一九八七年に、当時の厚生省国民医療総合対策本部が中間報告を発表していますが、この中で、自らの健康は自分で守る、自分の病気は最終的には自分で治すというセルフケアの観点を重視する方向で今後改革を行っていく必要があるというふうにされておりまして、この文脈からいきますと、生活習慣病の呼称を使うことは、自らの生活態度が悪いからなった病気、だから自己責任で自分で治しなさいというような意図に結び付くのではないかというふうに思います。私の解釈違いであったらお許しいただきたいというふうに思います。
また、先ほどの公衆衛生審議会の意見具申の中でも、こうした生活習慣病という概念を導入するに当たっては、ただし書がありまして、「但し、疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与している」と、そうしたことから「「病気になったのは個人の責任」といった疾患や患者に対する差別や偏見が生まれるおそれがあるという点に配慮する必要がある。」と指摘しております。本法案にはこうした配慮がないというふうに考えられます。
また、国民の健康問題で、単に個人を対象に生活習慣の自己管理を迫る方法では、圧倒的多数の国民の健康問題が放置されるおそれがあり、全体として国民の健康水準が低下するおそれがあるのではないかというふうに思います。
四番目に、第九条で「健康診査の実施等に関する指針」という項目が定められておりますが、この中では「厚生労働大臣は、」「健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針を定めるもの」とされておって、この指針が諸法律、健康保険法や学校保健法、母子保健法、労働安全衛生法、老人保健法等々の諸法律に基づいて行われる保健事業全般がこの厚生労働大臣の定める指針と調和の取れたものでなければならないとしております。
このままで考えますと、保健予防事業の国による一元的な管理や、あるいは前段で危惧をいたしました公的責任の後退、自己責任の押し付け、自己負担の拡大といったような、すべての保健事業にこういう事態が及ぶおそれを禁じ得ません。
次に、現在、国民生活がもう既に健康を破壊されているという実態を少しですが御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
長崎県にある診療所ですが、昨年秋に治療を中断されている方に、二千人にアンケートを取りました。三百人の方から回答がありまして、内容は、具合は良くないが病院、診療所に行かず我慢しているという方が二五%、四人に一人でした。売薬で済ませているという方が一〇%ありました。三人に一人が状態が良くないのに通院を我慢しているという実態が浮かび上がっております。
また、全国の医療現場からは、とてもやるせないという患者さんの実態が多く寄せられています。吐血や下血があって今すぐ入院が必要なのに、医療費が心配だから入院できませんという患者さんがいたとか、自分の手術のことより手術代が心配で夜も眠れないという入院患者さんの話、あるいは外来でも、会社に病気を知られたくない、だから自費で診療をしていくというサラリーマンがいたなど、長引く不況とリストラ、合理化の下でこうした事例が多発しております。
もう一点、これに関連をして、私ども中央社保協は、去る六月二十六日から二十八日に掛けて福岡市と北九州市の国民健康保険の実態について調査を行いました。この調査は、現在、御承知のとおり、一昨年の国民健康保険法の改正によりまして全国的に資格証明書及び短期保険証の発行が増えています。私ども社保協の調査では、百万世帯を超える方々が資格証明書あるいは短期保険証を渡されているという実態でありまして、国保加入世帯のおよそ五%が正規の保険証を持っていないという実態があります。また、広範に保険証の未交付だとか未加入といったような実態も報告されておりまして、既に守るべき日本の皆保険制度が空洞化しているのではないかと危惧をいたしております。
そうした点から、この資格証明書がかなり出ております福岡市、北九州市の調査を行ったわけなんですが、この調査の中で、経営していた設備会社が倒産、前年の収入に応じて決まる国保料が四十数万円にもなり、失業中でこの保険料を払えず無保険になってしまった、国保に入っているが保険証がもらえない、パートの仕事も辞めてくれと言われ、もう本当に仕事がなくなった、具合が悪いが病院にも行けない、もう死ぬしかないなどの具体的な方々の声を聞くことができました。生命保険を解約したり、あるいはサラ金やカードローンで国保の保険料を払っているというような方もいらっしゃいました。等々、既に国民の生活というか、国民の健康状態はかなり今の社会状況の中で悪化しているのではないかというふうに思います。
先ほど甲田先生も中高年の健康状態はノーだというふうにおっしゃいましたが、ここに対する施策が求められるところですし、この点で、健康増進法の第十条が、これまで栄養改善法にあった栄養摂取と経済負担の関係を明らかにするという国民栄養調査の目的から経済負担の部分を削除しているという点も重大な問題だろうというふうに思っています。
以上のような諸点から、私はこの健康増進法案には反対をさせていただきたいというふうに思います。増進法を創設するのであれば、更に審議を深めていただき、真に国民の健康増進にとって実りある法律内容となるよう大幅な修正を求めるものであります。
最後に、本法案と併せて審議されている重要法案である健康保険法等の一部改正案について、予定される大幅な国民負担増は国民の受診を妨げることになると、これはもう明らかだと思います。これこそ国民の健康増進に寄与しないばかりか、国民の健康破壊につながる改定と言わなければならないんではないかというふうに思います。
私たち社保協にも、このような法案が通ったら生きていかれなくなる、年寄りは死ねと言っているようなものだなどの悲鳴が寄せられております。改悪に反対をする、この法案をやめてくれという署名は医師会の五百万、歯科医師会の四百万と合わせて二千六百万筆に達しております。寄せられた声の一部は既に冊子として皆さんのところにお届けしておりますが、是非こうした声に耳を傾けていただいて、この法案を廃案としていただくよう切に併せてお願いをしたいというふうに思います。
また、宮路厚生労働副大臣の問題がこの間大きくマスコミで取り上げられております。こうした状態で誕生した医師などによって医療費の押し上げにも影響を与える要因ではないかというふうに思いますし、マスコミの報道以来、こうして生まれた先生には掛かりたくないねというような声も出ております。医療の信頼性や当該大学の威信にもかかわるような問題でありますので、この点については国民の一人として、一人の要望として、この問題の是非徹底解明を図り、こうした要因のなくなる対策を立てられることを希望するものであります。
以上をもちまして私の意見とさせていただきます。ありがとうございました。
阿
阿部正俊#8
○委員長(阿部正俊君) どうもありがとうございました。
以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
藤
藤井基之#9
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。
三人の参考人の先生方、本当に貴重な意見提示をありがとうございました。これからの審議の際に是非活用させていただきたいと存じます。
質問時間が限られておりますので、早速質問をさせていただきたいんですが、御案内のように、この法案の第五条におきましては、国、都道府県、市町村、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、相互に連携しながら協力するよう努めなければならないという協力規定というものが条文化されているわけでございます。
先ほど参考人からボランティアの方々の果たす役割は非常に大きいのだという御指摘ございました。私もそのとおりだと思っております。行政が率先して事業を行う、これも非常に大切ですけれども、民間の有効な機関であるとか組織、人材を活用して、あるいは民間を実施主体とした事業を支援していくようなこと、このことも健康日本21を国民運動として高めていくために極めて重要なことであると考えます。
沖縄県の宜野湾市が、健康日本21事業の一環としまして、昨年の六月から生活習慣改善まちかど相談所というユニークな民間への委託事業を開始したということを伺いました。疾病に関連しているそういう生活習慣の問題でありますとかお薬の服薬の管理など、これらの問題でアドバイスが必要な患者さんたちに対しまして、薬局の薬剤師さんが患者さんの居宅を訪問したりあるいは薬局に来ていただいていろいろと指導をすると、そういったような活動だそうでございます。健康を損なっている理由が生活習慣の問題に起因していると想定される場合には、必要に応じてその関連職種の方々の御指導が受けれるように橋渡し役もやると。生活習慣全般の相談役としての機能が求められているんだというようなことでございます。
御案内のように、薬局というのは、言うまでもありませんけれども、一般の市民の方々の健康と日常的に非常にかかわりが深いわけです。地域の市民の日常生活に密着しているわけでして、市民の側から見ると、逆に、いわゆる敷居の低い、相談のしやすい医療関連施設とも言えるのではないかと思います。
また、これは糖尿病の患者さんと医療とか栄養の関係者で構成する日本糖尿病協会、福岡と佐賀の支部の方々が五年以上前に独自に地域の糖尿病の療養指導士という仕組みを作られたそうでございまして、お医者さんだけではなくて、薬剤師さんとか看護師さんとか管理栄養士さんなど、もう五年間で二百名以上の方々がそういった資格認定を受けられて患者さんの生活指導をされているそうでございまして、このシステムはもう既に現在では全国レベルのものまでになっているというふうに伺っています。
そこで、松谷参考人にお伺いしたいんでございますけれども、先生の豊富な御経験の中で、ボランティアの方々と市町村との協力といいますか、あるいは共同の事業というもので大変うまくいっている例、あるいは特に印象に残っている例があったら御紹介いただきたいと思います。
また、そうしたいわゆる先生の考える良いモデルと、こう思えるような活動の形態あるいは実態というものを全国規模で広げるためにはどのようなことが重要だとお考えでしょうか、御意見を伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →三人の参考人の先生方、本当に貴重な意見提示をありがとうございました。これからの審議の際に是非活用させていただきたいと存じます。
質問時間が限られておりますので、早速質問をさせていただきたいんですが、御案内のように、この法案の第五条におきましては、国、都道府県、市町村、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、相互に連携しながら協力するよう努めなければならないという協力規定というものが条文化されているわけでございます。
先ほど参考人からボランティアの方々の果たす役割は非常に大きいのだという御指摘ございました。私もそのとおりだと思っております。行政が率先して事業を行う、これも非常に大切ですけれども、民間の有効な機関であるとか組織、人材を活用して、あるいは民間を実施主体とした事業を支援していくようなこと、このことも健康日本21を国民運動として高めていくために極めて重要なことであると考えます。
沖縄県の宜野湾市が、健康日本21事業の一環としまして、昨年の六月から生活習慣改善まちかど相談所というユニークな民間への委託事業を開始したということを伺いました。疾病に関連しているそういう生活習慣の問題でありますとかお薬の服薬の管理など、これらの問題でアドバイスが必要な患者さんたちに対しまして、薬局の薬剤師さんが患者さんの居宅を訪問したりあるいは薬局に来ていただいていろいろと指導をすると、そういったような活動だそうでございます。健康を損なっている理由が生活習慣の問題に起因していると想定される場合には、必要に応じてその関連職種の方々の御指導が受けれるように橋渡し役もやると。生活習慣全般の相談役としての機能が求められているんだというようなことでございます。
御案内のように、薬局というのは、言うまでもありませんけれども、一般の市民の方々の健康と日常的に非常にかかわりが深いわけです。地域の市民の日常生活に密着しているわけでして、市民の側から見ると、逆に、いわゆる敷居の低い、相談のしやすい医療関連施設とも言えるのではないかと思います。
また、これは糖尿病の患者さんと医療とか栄養の関係者で構成する日本糖尿病協会、福岡と佐賀の支部の方々が五年以上前に独自に地域の糖尿病の療養指導士という仕組みを作られたそうでございまして、お医者さんだけではなくて、薬剤師さんとか看護師さんとか管理栄養士さんなど、もう五年間で二百名以上の方々がそういった資格認定を受けられて患者さんの生活指導をされているそうでございまして、このシステムはもう既に現在では全国レベルのものまでになっているというふうに伺っています。
そこで、松谷参考人にお伺いしたいんでございますけれども、先生の豊富な御経験の中で、ボランティアの方々と市町村との協力といいますか、あるいは共同の事業というもので大変うまくいっている例、あるいは特に印象に残っている例があったら御紹介いただきたいと思います。
また、そうしたいわゆる先生の考える良いモデルと、こう思えるような活動の形態あるいは実態というものを全国規模で広げるためにはどのようなことが重要だとお考えでしょうか、御意見を伺いたいと存じます。
松
松谷満子#10
○参考人(松谷満子君) 地区組織活動というものには優劣というのは非常に付けにくいものなんです。地域の文化というのか、地域の状態に合わせて最高のみんなの求めるところに視点を当てて活動しておりますから。ですけれども、例えば長野県辺りでは、今、医療費というか、平均寿命も非常に長いし、そして医療費も非常に少ない県としていつも言われておりますけれども、その中で食生活改善推進員は非常に大きな役割を持ってきております。
例えば、中野市辺りに参りますと、総合学習で学外講師としてもう中学校のころにみんな入っていってやっておりますし、それから郷土の食文化の伝承だとか地産地消のような感覚でもって地域の中できめ細かい活動をしております。
それから、今度は同じ長野県の中でも駒ケ根市辺りになりますと、もうはっきりと市も、食生活改善推進員等のボランティアの皆さん方の減塩活動というものを通して、そして非常に薄味の食事習慣ができることによって高血圧、脳卒中、そういうものが減り、医療費も少なくなってきているということを市が認めてくれているような活動もございます。
それで、長崎県辺りになりますと、そこの佐々町というのがございますけれども、そこでは、保健と福祉のドッキングの問題で、食生活改善推進員がその中にボランティアとして参加する部分と、それからその中で今度は高齢者対策の中とかいろんなところでもって一つの活動の場、要するにボランティアとして働く部分とそれから一つの職業としてそこの中にずっと定着する部分、だけれども一人が仕事を独占するんじゃなくて、常に交代をしながら、週に例えば二日行ったならば、あと三日は今度はボランティア活動をやるというような流れの中でローテーションを組んで非常にうまくやっているところもございます。
今日は富山市辺りでは、今日はお天気がこんな中どうなりましたか、ヘルスサポーターさんももう百人近くできております。食生活改善推進員と一緒にヘルスサポーターが一緒になって栄養運動会を開催して、地域の中でいろいろな健康づくりの輪を広げていく活動なんかも実際にもう既に進んできております。あの県都と言われるような富山市のような市の中でもそういうような活動というのが草の根の活動として進んでおります。
それで、佐賀県のお話がございましたけれども、西有田なんかの問題だとか、あるいは東与賀町だとか、そういうところも非常にうまくいっている例が幾つもございます。
今日は限りなくあるものの中から一部を申し上げましたけれども、実際にたくさんございますので、また何かのときにお話しできるかと思います。
この発言だけを見る →例えば、中野市辺りに参りますと、総合学習で学外講師としてもう中学校のころにみんな入っていってやっておりますし、それから郷土の食文化の伝承だとか地産地消のような感覚でもって地域の中できめ細かい活動をしております。
それから、今度は同じ長野県の中でも駒ケ根市辺りになりますと、もうはっきりと市も、食生活改善推進員等のボランティアの皆さん方の減塩活動というものを通して、そして非常に薄味の食事習慣ができることによって高血圧、脳卒中、そういうものが減り、医療費も少なくなってきているということを市が認めてくれているような活動もございます。
それで、長崎県辺りになりますと、そこの佐々町というのがございますけれども、そこでは、保健と福祉のドッキングの問題で、食生活改善推進員がその中にボランティアとして参加する部分と、それからその中で今度は高齢者対策の中とかいろんなところでもって一つの活動の場、要するにボランティアとして働く部分とそれから一つの職業としてそこの中にずっと定着する部分、だけれども一人が仕事を独占するんじゃなくて、常に交代をしながら、週に例えば二日行ったならば、あと三日は今度はボランティア活動をやるというような流れの中でローテーションを組んで非常にうまくやっているところもございます。
今日は富山市辺りでは、今日はお天気がこんな中どうなりましたか、ヘルスサポーターさんももう百人近くできております。食生活改善推進員と一緒にヘルスサポーターが一緒になって栄養運動会を開催して、地域の中でいろいろな健康づくりの輪を広げていく活動なんかも実際にもう既に進んできております。あの県都と言われるような富山市のような市の中でもそういうような活動というのが草の根の活動として進んでおります。
それで、佐賀県のお話がございましたけれども、西有田なんかの問題だとか、あるいは東与賀町だとか、そういうところも非常にうまくいっている例が幾つもございます。
今日は限りなくあるものの中から一部を申し上げましたけれども、実際にたくさんございますので、また何かのときにお話しできるかと思います。
藤
藤井基之#11
○藤井基之君 ありがとうございました。
今日、実はこの話がお三方の先生方からあるかと思ったら、なかったんであえてお聞きしたいんですが、実はこの法案の中に、二十五条にいわゆるたばこ対策の問題が条文化されているわけですね。職場や人の多く集まる場所について、いわゆる受動喫煙防止の規定というのが設けられている。具体的には、その二十五条に「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」、こういう規定なんですね。
言うまでもありませんけれども、長年にわたりまして、WHO、世界保健機構から指摘もあったわけでして、喫煙のその健康影響を考えますと、たばこ対策というのはこの健康づくりに極めて重要な課題だと私は考えているんです。
ただ、この問題というのは、御案内のように、禁煙派の方もいれば喫煙派の方もいらして、なかなかその立場立場があって議論が深まりづらいといいましょうか、合意形成が難しいテーマでもあるかもしれません。このことに関しまして、まず松谷先生は、この健康づくりの第一線でたばこ対策についてもかなりの活動をされているというふうに伺っておりますので、そのお立場から今回のこの規定をどのように見ておられるかということをお話を伺いたいと思います。
そして、加えまして、時間限られておりますので、甲田先生にも、労働衛生というふうに限る問題じゃないと思いますけれども、このたばこの問題についてどのようなお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。
以上、お願いいたします。
この発言だけを見る →今日、実はこの話がお三方の先生方からあるかと思ったら、なかったんであえてお聞きしたいんですが、実はこの法案の中に、二十五条にいわゆるたばこ対策の問題が条文化されているわけですね。職場や人の多く集まる場所について、いわゆる受動喫煙防止の規定というのが設けられている。具体的には、その二十五条に「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」、こういう規定なんですね。
言うまでもありませんけれども、長年にわたりまして、WHO、世界保健機構から指摘もあったわけでして、喫煙のその健康影響を考えますと、たばこ対策というのはこの健康づくりに極めて重要な課題だと私は考えているんです。
ただ、この問題というのは、御案内のように、禁煙派の方もいれば喫煙派の方もいらして、なかなかその立場立場があって議論が深まりづらいといいましょうか、合意形成が難しいテーマでもあるかもしれません。このことに関しまして、まず松谷先生は、この健康づくりの第一線でたばこ対策についてもかなりの活動をされているというふうに伺っておりますので、そのお立場から今回のこの規定をどのように見ておられるかということをお話を伺いたいと思います。
そして、加えまして、時間限られておりますので、甲田先生にも、労働衛生というふうに限る問題じゃないと思いますけれども、このたばこの問題についてどのようなお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。
以上、お願いいたします。
阿
松
松谷満子#13
○参考人(松谷満子君) 私たちは、十数年来、未成年、次の世代を産みはぐくむ若い女性の禁煙ということをずっと取り上げた地域活動をやっております。ですけれども、このたばこの問題については総論賛成、各論反対というような問題の中で、非常に地域の住民、一人の住民としての活動というのはしにくいと思うところがございます。
私個人といたしましては、実は長年にわたりまして、子供に無煙環境を推進する協議会がございます、これNPOの団体なんですけれども、そこの役員を務めております。ですから、次代を担う子供たちがたばこの煙にさらされないように、また未成年者がたばこに染まらないように啓発事業を中心に活動している、そのような立場から言えば、今回の法案で受動喫煙防止の条文がいわゆる努力義務という形になっていることについて、率直に申し上げて物足りなさを感じているというのが現実でございます。
この発言だけを見る →私個人といたしましては、実は長年にわたりまして、子供に無煙環境を推進する協議会がございます、これNPOの団体なんですけれども、そこの役員を務めております。ですから、次代を担う子供たちがたばこの煙にさらされないように、また未成年者がたばこに染まらないように啓発事業を中心に活動している、そのような立場から言えば、今回の法案で受動喫煙防止の条文がいわゆる努力義務という形になっていることについて、率直に申し上げて物足りなさを感じているというのが現実でございます。
阿
甲
甲田茂樹#15
○参考人(甲田茂樹君) 私は、非常勤で高知市役所の産業医をやっておりまして、そこの市役所を禁煙にするか、また分煙にするかで議論しました。やはり禁煙にするというのは非常に、禁煙を持ち込むというのは非常にやはりコンセンサスがないとできないことだろうと思います。
ただ、この法案を見て、非常に重要な問題であればこそ、健康増進法の中の第二十五条のただ小さな項目として取り上げるんではなくて、正面切っていただいて法律作って国民的議論を巻き起こしていただかないと、これだと見落としてしまう人が多いんではないかなという感じがして、是非この問題を大きく取り上げられてやった方がよろしいんじゃないんでしょうかと思います。
この発言だけを見る →ただ、この法案を見て、非常に重要な問題であればこそ、健康増進法の中の第二十五条のただ小さな項目として取り上げるんではなくて、正面切っていただいて法律作って国民的議論を巻き起こしていただかないと、これだと見落としてしまう人が多いんではないかなという感じがして、是非この問題を大きく取り上げられてやった方がよろしいんじゃないんでしょうかと思います。
藤
朝
朝日俊弘#17
○朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日でございます。
まず冒頭に、大変悪天候の中を御出席いただきました三人の参考人の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。とりわけ、高知から台風を東京に連れてきておいでいただいた甲田先生には心から感謝を申し上げたいと思います。
そこで、そんなこともございまして甲田先生に絞って質問をさせていただきます。
今回の健康増進法を、私は当初、地域保健、学校保健、産業保健、そしてまた地域保健、こういう様々なこれまであった保健活動に関する個別法というか各論法、これを横に束ねてといいますか、通則法的に、言い換えれば健康基本法的な中身で作り出されるのかなと期待をしていましたら、残念ながら健康増進法ということで、その焦点は健康日本21、概念的には生活習慣病にスポットを当てた法律の構成になってしまってきていまして、いささか期待外れだなと思っているんですね。だから、例えば、じゃメンタルヘルスケアのことはちゃんと書いてあるのかというと、実はこの中にはほとんど出てこないと。こんな問題を感じていまして、いささか不十分さを感じつつ、しかし、せっかくこの法律ができるという中で私一番関心があるのは、産業保健と地域保健との連携がどう進むのかと、そのことについてこの法律がどう役に立つのかという点が一番関心があります。
ただ、その点について言うと、どうも健診、健康診査のデータのところに着目し過ぎていて、健康情報をどう標準化するかとか、あるいは健康手帳を交付して一貫した健康情報を持って歩けるようにしようとか、どうもそこのところにとらわれ過ぎているような感じがする。本当に必要なのは、この法律に基づいて、地域保健の実施主体であり、あるいは産業保健の実施主体であり、それぞれの事業者がきちんと連携できる基盤をどう作るかが一番大事だというふうに思っていたんですが、どうもそこのところが余りよく見えてこない。
先生のところでは厚生労働省のモデル事業にも取り組んできておられたということでいろいろやっておられるようですが、どうもちょっとその健診、そして健診データというところに問題意識が行き過ぎているのではないかという気がしてならない。そこはどんなふうにお考えでしょうかというのが一つ。
そのことと関連して、先生も先ほど御指摘がありましたけれども、個人の健康情報、診療情報を取り扱うとすれば、相当にセンシティブな個人情報ですから、その扱いについては、私は、何らかのルールというか、場合によってはそれぞれの自治体における条例とか、あるいは個別健康情報あるいは個人診療情報に関する法制度も含めてきちんとルールを作る必要があるのではないかと思っているんですが、この点について先生のお考え、この二点お尋ねします。
この発言だけを見る →まず冒頭に、大変悪天候の中を御出席いただきました三人の参考人の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。とりわけ、高知から台風を東京に連れてきておいでいただいた甲田先生には心から感謝を申し上げたいと思います。
そこで、そんなこともございまして甲田先生に絞って質問をさせていただきます。
今回の健康増進法を、私は当初、地域保健、学校保健、産業保健、そしてまた地域保健、こういう様々なこれまであった保健活動に関する個別法というか各論法、これを横に束ねてといいますか、通則法的に、言い換えれば健康基本法的な中身で作り出されるのかなと期待をしていましたら、残念ながら健康増進法ということで、その焦点は健康日本21、概念的には生活習慣病にスポットを当てた法律の構成になってしまってきていまして、いささか期待外れだなと思っているんですね。だから、例えば、じゃメンタルヘルスケアのことはちゃんと書いてあるのかというと、実はこの中にはほとんど出てこないと。こんな問題を感じていまして、いささか不十分さを感じつつ、しかし、せっかくこの法律ができるという中で私一番関心があるのは、産業保健と地域保健との連携がどう進むのかと、そのことについてこの法律がどう役に立つのかという点が一番関心があります。
ただ、その点について言うと、どうも健診、健康診査のデータのところに着目し過ぎていて、健康情報をどう標準化するかとか、あるいは健康手帳を交付して一貫した健康情報を持って歩けるようにしようとか、どうもそこのところにとらわれ過ぎているような感じがする。本当に必要なのは、この法律に基づいて、地域保健の実施主体であり、あるいは産業保健の実施主体であり、それぞれの事業者がきちんと連携できる基盤をどう作るかが一番大事だというふうに思っていたんですが、どうもそこのところが余りよく見えてこない。
先生のところでは厚生労働省のモデル事業にも取り組んできておられたということでいろいろやっておられるようですが、どうもちょっとその健診、そして健診データというところに問題意識が行き過ぎているのではないかという気がしてならない。そこはどんなふうにお考えでしょうかというのが一つ。
そのことと関連して、先生も先ほど御指摘がありましたけれども、個人の健康情報、診療情報を取り扱うとすれば、相当にセンシティブな個人情報ですから、その扱いについては、私は、何らかのルールというか、場合によってはそれぞれの自治体における条例とか、あるいは個別健康情報あるいは個人診療情報に関する法制度も含めてきちんとルールを作る必要があるのではないかと思っているんですが、この点について先生のお考え、この二点お尋ねします。
甲
甲田茂樹#18
○参考人(甲田茂樹君) 先ほど御質問にもありましたように、保健の統合が図られるんではないかというのは、私も非常にそれを実は期待しておりました。今日お話ししたのは、産業保健、職場の健康問題ですけれども、地域保健、それから学校保健、それぞれの保健が特有の実は問題を抱えていて、構成員がそれぞれ特有の健康問題を抱えているわけですね。もちろん、生活習慣病という一つの課題というのは共通するのはありますが、それ以外の課題というものは置き去られているような感じが非常にいたします。
連携が非常に進むのかということなんですけれども、実際問題からいいますと、地域で見ていきますと、地域保健、産業保健を比べますと圧倒的に地域保健の方の人の数の方が多いわけですから、地域保健の方が産業保健を形としてはのみ込んでしまうという形、先ほど言いましたように、地域保健が勤労者の健康問題に手を出すというようなのがやっぱり実際なんではないんでしょうかと思います。これは高知県、人材少ないですけれども、例えば東京、大阪、産業保健のスタッフかなりおりますけれども、それでも地域保健に比べれば、かなりそちらの方が多いわけですから、地域保健が職域に出張っていって健康管理をするというのが現実だろうというふうに思います。
健康診査のデータというものをいわゆるリンクさせるということを実際やっておりますが、実際健康診査の中で上がってくる問題というものは、例えば年齢、血圧だとか、そういう血液のデータ、例えば心電図の所見だとか、そういうようなものがメーンとなっておりますが、実際、それだけでは語られない、要するに勤労者の健康問題を表す情報というものはかなりあります。それは、今までの産業保健では個別、かなり産業医が面接をして話を聞いて健康相談とか、また職場を見たりだとか、そういうところで蓄積されてくるデータというのが欠落してしまうと、健診データだけで歩いてしまうと勤労者の健康の全体像というところからは少し離れるのかもしれないというふうに危惧をしております。
そして、二番目の個人の健診情報を取り扱うということのルールづくり、これは非常に大きな問題だろうというふうに私自身思っております。実際、今回、高知県の東部でやったときに、安芸市というところですけれども、そこは市が独自に個人情報の管理に関して一定のルールづくりを持っていました。それが今回の内容と合うのかといったら、若干合わないところが出てきたり、要するに個人の住民の今まで市町村との信頼関係の中で健康診断をやってきたりというような、それぞれ特異性、特性がありますので、一挙に全国的に健康診断の情報を合わせてそれをいざ使おうかとなると、まだまだ地域で話をしておいていただかなきゃいけない課題だとか、それから、先ほどちょっと言いましたけれども、データベースの管理にはかなり人と物と技術を投入しないと、今こういうIT社会とはいえデータがかなり簡単に盗まれるような時代ですから、それこそ慎重にしていただかないと、個人情報がほかに漏れてくる可能性というのは非常に危惧しておりますので、この辺は現実的に、高知県で起こっている事例は後で厚生労働省に報告いたしますが、全国でも十分に審議していただければと思っております。
この発言だけを見る →連携が非常に進むのかということなんですけれども、実際問題からいいますと、地域で見ていきますと、地域保健、産業保健を比べますと圧倒的に地域保健の方の人の数の方が多いわけですから、地域保健の方が産業保健を形としてはのみ込んでしまうという形、先ほど言いましたように、地域保健が勤労者の健康問題に手を出すというようなのがやっぱり実際なんではないんでしょうかと思います。これは高知県、人材少ないですけれども、例えば東京、大阪、産業保健のスタッフかなりおりますけれども、それでも地域保健に比べれば、かなりそちらの方が多いわけですから、地域保健が職域に出張っていって健康管理をするというのが現実だろうというふうに思います。
健康診査のデータというものをいわゆるリンクさせるということを実際やっておりますが、実際健康診査の中で上がってくる問題というものは、例えば年齢、血圧だとか、そういう血液のデータ、例えば心電図の所見だとか、そういうようなものがメーンとなっておりますが、実際、それだけでは語られない、要するに勤労者の健康問題を表す情報というものはかなりあります。それは、今までの産業保健では個別、かなり産業医が面接をして話を聞いて健康相談とか、また職場を見たりだとか、そういうところで蓄積されてくるデータというのが欠落してしまうと、健診データだけで歩いてしまうと勤労者の健康の全体像というところからは少し離れるのかもしれないというふうに危惧をしております。
そして、二番目の個人の健診情報を取り扱うということのルールづくり、これは非常に大きな問題だろうというふうに私自身思っております。実際、今回、高知県の東部でやったときに、安芸市というところですけれども、そこは市が独自に個人情報の管理に関して一定のルールづくりを持っていました。それが今回の内容と合うのかといったら、若干合わないところが出てきたり、要するに個人の住民の今まで市町村との信頼関係の中で健康診断をやってきたりというような、それぞれ特異性、特性がありますので、一挙に全国的に健康診断の情報を合わせてそれをいざ使おうかとなると、まだまだ地域で話をしておいていただかなきゃいけない課題だとか、それから、先ほどちょっと言いましたけれども、データベースの管理にはかなり人と物と技術を投入しないと、今こういうIT社会とはいえデータがかなり簡単に盗まれるような時代ですから、それこそ慎重にしていただかないと、個人情報がほかに漏れてくる可能性というのは非常に危惧しておりますので、この辺は現実的に、高知県で起こっている事例は後で厚生労働省に報告いたしますが、全国でも十分に審議していただければと思っております。
朝
朝日俊弘#19
○朝日俊弘君 是非、具体的なモデル事業の結果を正確に御報告いただければと思うんですが、あと一点だけ、ちょっと気になったのでお尋ねします。
実際的には、地域保健の側がというか、メンバーがかなり産業保健の方に入ってくるというか、力をおかりするというか、そういうことに、形になりがちだということなんですが、ただ、かなりそれぞれのノウハウというか発想法というか、あるいは問題の所在の見付け方というか、それが違うんじゃないかと思うんですね。だから、地域保健の側の論理なり発想で職場に入ってきていただいても、なかなかうまく問題解決につながらないのじゃないかとやや危惧するんですが、その辺は実際どうなのか、そしてそこを克服するためには何が必要か、その点をちょっとお尋ねします。
この発言だけを見る →実際的には、地域保健の側がというか、メンバーがかなり産業保健の方に入ってくるというか、力をおかりするというか、そういうことに、形になりがちだということなんですが、ただ、かなりそれぞれのノウハウというか発想法というか、あるいは問題の所在の見付け方というか、それが違うんじゃないかと思うんですね。だから、地域保健の側の論理なり発想で職場に入ってきていただいても、なかなかうまく問題解決につながらないのじゃないかとやや危惧するんですが、その辺は実際どうなのか、そしてそこを克服するためには何が必要か、その点をちょっとお尋ねします。
阿
甲
甲田茂樹#21
○参考人(甲田茂樹君) はい。
最初の保健所のときの研修で地域保健サイドが事業所に行って、例えば生活習慣病の教育をしたいとかいう話になっていきますと、例えば二十分、三十分教育させてください、これは事業所ではほとんど不可能な話になってくるわけです、労働者が勤労時間を割くというのは。
ですから、そういうことから始まって、かなり実際のノウハウをトレーニングしていかないと、保健所なり市町村のスタッフがそういう事業所に入っていって健康支援をするというのは私は難しいと思っております。
この発言だけを見る →最初の保健所のときの研修で地域保健サイドが事業所に行って、例えば生活習慣病の教育をしたいとかいう話になっていきますと、例えば二十分、三十分教育させてください、これは事業所ではほとんど不可能な話になってくるわけです、労働者が勤労時間を割くというのは。
ですから、そういうことから始まって、かなり実際のノウハウをトレーニングしていかないと、保健所なり市町村のスタッフがそういう事業所に入っていって健康支援をするというのは私は難しいと思っております。
沢
沢たまき#22
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。
お三方の先生には本当にありがとうございました。御苦労さまでございます。
私は、松谷参考人に集中して伺わせていただこうと思っております。
私も、この健康増進法を読んで、栄養法がなくなった、転換しているようなものだなと思ったんでございますが、しかし、食は命をつなぐものでございますので、大変に大事なものであろうかと思います。殊に私は、このごろ子供さんあるいは大人にも大変アレルギーが多いということで、食べ物ということはもう大変に重要であろうと思っておりますが。
そこでお伺いいたしますが、健康づくり運動のポイントは、各個人が知識として身に付けたものをどうやって実際の行動の変容につなげていくかということではないかと思っておりますが、例えばもっと野菜を取りたいなと、野菜を一杯取ると生活習慣病の予防に良いと、もう知識では知っていますけれども、そうではなくて、実際主婦があるいはメニューを作る際に野菜料理をもう一皿増やそうという実際の行動に結び付く、そして実践につながる働き掛けが大変重要だろうと思うのですが、参考人の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
また、そのためには、現在行政が行っている健康づくり関連の様々な事業とか施策についてどのような工夫が加えられれば、より有効なものになるとお考えでしょうか、併せてお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →お三方の先生には本当にありがとうございました。御苦労さまでございます。
私は、松谷参考人に集中して伺わせていただこうと思っております。
私も、この健康増進法を読んで、栄養法がなくなった、転換しているようなものだなと思ったんでございますが、しかし、食は命をつなぐものでございますので、大変に大事なものであろうかと思います。殊に私は、このごろ子供さんあるいは大人にも大変アレルギーが多いということで、食べ物ということはもう大変に重要であろうと思っておりますが。
そこでお伺いいたしますが、健康づくり運動のポイントは、各個人が知識として身に付けたものをどうやって実際の行動の変容につなげていくかということではないかと思っておりますが、例えばもっと野菜を取りたいなと、野菜を一杯取ると生活習慣病の予防に良いと、もう知識では知っていますけれども、そうではなくて、実際主婦があるいはメニューを作る際に野菜料理をもう一皿増やそうという実際の行動に結び付く、そして実践につながる働き掛けが大変重要だろうと思うのですが、参考人の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
また、そのためには、現在行政が行っている健康づくり関連の様々な事業とか施策についてどのような工夫が加えられれば、より有効なものになるとお考えでしょうか、併せてお聞きしたいと思います。
松
松谷満子#23
○参考人(松谷満子君) 私たちは、野菜の問題のお話がございましたけれども、先日、三百グラムから三百五十グラムと五十グラムの野菜の摂取を深めたいということで量が多くなってまいりました。三百五十グラムと言われても、緑黄色の野菜を百二十グラム、何がこうと言われても、普通の人はなかなか分かりません。ですから、アメリカでもってファイブ・ア・デー運動というのがございますけれども、一日に五種類というか五皿ぐらいの野菜を食べようじゃないのという形の具体的な、例えば五皿の中で三皿は野菜で、あとの果物が一個ずつあればそれを二皿と考えてもいいというような、非常にそういう易しい方法でもって皆さんが野菜等を取っていくような形をこれから教育の方法として考えていかなくちゃいけないんじゃないだろうか。
それから、食べ物についての何を食べたかということを絵でもってかいてもらって、それで主食、主菜、副菜をそろえているところで、このお皿のところが全くなくなっているわよねと、これは何なんだという形でもって考えていただくやり方で野菜の摂取を入れるとか、それから、一日三十食品ということが随分と前のときから食生活で言われました。あれは、私たち、食生活改善推進を地域でやってきて、そしてごろ合わせのように三十とやりましたけれども、それは知識があれば十五でも二十でもできるんですけれども、がん予防のために見たら同じ食品を繰り返し食べないということと、食事は楽しむものだと、そういうような形の中から私たちは三十食品ということを指導していましたけれども、そういうものを頭の中に入れながら、三十食品でも、あるいはさっき言ったように野菜、果物、それ五皿分ぐらいを毎日取ろうとかという具体的な指導をこれからしていけるといいんじゃないかと思います。
そして、地域で生産される新鮮で安全でそれからおいしい野菜、彩りのいいそういうものをやっぱり食べる努力をしていくと、これはスローフード運動にもつながるわけですけれども、そういうような運動もこれから展開していくと、私は野菜等の摂取はうまくもう少しは伸びていくんじゃないかと思っております。それから、それは今度の新しい食生活指針を実行するということにもつながるわけなんですね。
それから、後の問題につきましては、縦割りをというか、各行政それぞれ縦割りでやっております。食生活指針のときは厚生省と文部省と農林省の三省がいろいろと、健康の立場、あるいは食料の需給の立場、それから文化の立場でやってまいりましたけれども、そのことの結果として非常に地域でもってやりやすくなりました。
それで、農林水産省は、食生活指針だけではなくて、健康日本21の目標値を指標として、食料の生産、流通、輸入にまでその計画を取り入れるようになってまいりました。文部省は、子供たちの教育を食生活の面から見直そうという運動で、家庭と地域と学校とでこの問題解決というようになりました。ですから、そういうような、縦割りでやるんじゃなくて、これを一体になってやっていくという形でやると非常に成果が出るんじゃないかと思っています。
この発言だけを見る →それから、食べ物についての何を食べたかということを絵でもってかいてもらって、それで主食、主菜、副菜をそろえているところで、このお皿のところが全くなくなっているわよねと、これは何なんだという形でもって考えていただくやり方で野菜の摂取を入れるとか、それから、一日三十食品ということが随分と前のときから食生活で言われました。あれは、私たち、食生活改善推進を地域でやってきて、そしてごろ合わせのように三十とやりましたけれども、それは知識があれば十五でも二十でもできるんですけれども、がん予防のために見たら同じ食品を繰り返し食べないということと、食事は楽しむものだと、そういうような形の中から私たちは三十食品ということを指導していましたけれども、そういうものを頭の中に入れながら、三十食品でも、あるいはさっき言ったように野菜、果物、それ五皿分ぐらいを毎日取ろうとかという具体的な指導をこれからしていけるといいんじゃないかと思います。
そして、地域で生産される新鮮で安全でそれからおいしい野菜、彩りのいいそういうものをやっぱり食べる努力をしていくと、これはスローフード運動にもつながるわけですけれども、そういうような運動もこれから展開していくと、私は野菜等の摂取はうまくもう少しは伸びていくんじゃないかと思っております。それから、それは今度の新しい食生活指針を実行するということにもつながるわけなんですね。
それから、後の問題につきましては、縦割りをというか、各行政それぞれ縦割りでやっております。食生活指針のときは厚生省と文部省と農林省の三省がいろいろと、健康の立場、あるいは食料の需給の立場、それから文化の立場でやってまいりましたけれども、そのことの結果として非常に地域でもってやりやすくなりました。
それで、農林水産省は、食生活指針だけではなくて、健康日本21の目標値を指標として、食料の生産、流通、輸入にまでその計画を取り入れるようになってまいりました。文部省は、子供たちの教育を食生活の面から見直そうという運動で、家庭と地域と学校とでこの問題解決というようになりました。ですから、そういうような、縦割りでやるんじゃなくて、これを一体になってやっていくという形でやると非常に成果が出るんじゃないかと思っています。
沢
沢たまき#24
○沢たまき君 今子供の話が出たので、私もいつでしたか、先生とそれからもう一方、小児科の先生だと思いますが、NHKのラジオの対談を聞かせていただいて、そのとおりだと思ったことがございます。
昔はとにかくしゅんのものを、そして一里四方で取れるものを食べていれば健康にいいんだというふうに私たちは育ったわけでございますが、私も、子供たちが食生活の乱れで、孤食というのもございますけれども、とにかくお勉強の合間、あるいはまた勉強から塾に行く間、とにかくファストフードでおなかだけ一杯にしてしまえばいいという、これはもう大変危険だろうと思っております。硬いものをかまないとか、そういうのも本当に困りますので、せめて給食のときには、さっきおっしゃったように、地産といいましょうか、その地場のもので、そしてお百姓さんのところにも見に行ってという、畑も自分たちで作ってとか、そういう思いがあるのでございますが、こういう現状を改めるためには、例えば学校などで、身近な場所で野菜などの食材を育てて、それを子供自身が調理して食べる機会を持つとか、地域の特産物を献立にのせることによってその地方の文化を学ぶ機会、さっき先生もちょっとおっしゃいましたけれども、食を通して子供が心身ともに成長できるきめ細かい配慮が、行政の縦割りがなくなれば工夫ができるんだろうと思いますが、参考人御自身の御体験からいい例として御紹介いただけるものがございましたら是非お話をしていただいて、併せて子供の食をめぐる現状をどのようにお考えになっているか伺わせていただいて、質問を終わらせていただきます。
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松
松谷満子#25
○参考人(松谷満子君) 今ちょうど夏に、これからなんですけれども、私たちは親子料理教室というのをずっと続けております。これ二十年以上も続いているんですけれども、これはもう自主的に地域でもって広がりを持っております。
子供たちに食べるということはどういうことなのか、食べられる幸せというものを考えようじゃないの、そして料理というものを作る喜びを、作ったものをみんなが一緒に食べる楽しみを、食卓をみんなで囲むところの皆さん方の満足感、そういうものを、親子料理教室をやりまして、子供たちに料理をさせて、お母さんは手を出さないというやり方でずっと続けてまいっております。その子供たちが、小学校だった者が中学校に行き、地域の食生活改善推進員たちと交流しながら、今ヘルスサポーター運動の中にも入ってくるようになりました。
ですから、そういうような形でもって、私どもはやっぱり子供たちに作ることへの参加、作るということの楽しさを教えていく。はしの持ち方、そういうことも、弱火、強火というのはどういうものなのかというのも体験させながら、ただ危ない危ないで避けるんではなくて、そういうこと、実践活動。
それから、埼玉だとかそういういろいろな地域の私どもの仲間では、農場を借りて野菜を作って、そしてずっと管理をして、一緒に料理をして食べるということの運動も随分とやってきております。
学校給食辺りでは、地域の推進員を中心として、あるいは地域のお母さん方が自分たちの作った野菜をできるだけ学校に持っていって、子供たちに新鮮な、おいしい、安全な野菜を食べさせてやろうと、こういう運動もうんと全国的に展開されておりますので、だんだんとその辺を支援してあげながら伸ばしていければいいんじゃないかと思っています。
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ですから、そういうような形でもって、私どもはやっぱり子供たちに作ることへの参加、作るということの楽しさを教えていく。はしの持ち方、そういうことも、弱火、強火というのはどういうものなのかというのも体験させながら、ただ危ない危ないで避けるんではなくて、そういうこと、実践活動。
それから、埼玉だとかそういういろいろな地域の私どもの仲間では、農場を借りて野菜を作って、そしてずっと管理をして、一緒に料理をして食べるということの運動も随分とやってきております。
学校給食辺りでは、地域の推進員を中心として、あるいは地域のお母さん方が自分たちの作った野菜をできるだけ学校に持っていって、子供たちに新鮮な、おいしい、安全な野菜を食べさせてやろうと、こういう運動もうんと全国的に展開されておりますので、だんだんとその辺を支援してあげながら伸ばしていければいいんじゃないかと思っています。
沢
井
井上美代#27
○井上美代君 私は、健康増進について非常にやっぱり保健所の役割が大きいというふうに思います。しかしながら、今日、保健所の統廃合が進んでおりまして、保健所は減ってきているんですね。これは、平成八年、一九九六年の三月三十一日で八百四十五か所ありました保健所が、今年になりますと四百五十九になっているんです。これは三百八十六か所減っていることになります。非常に大きいというふうに思います。
地域では、やはり保健所を統廃合しないでくれという要求が強く出ているわけです。全国的にいろんな動きがありますけれども、私は横浜市の話を聞きました。ここでも、もう本当に困ると保健所側も言っておりますし、地域の人も言っているんですけれども、今年の一月四日に区役所の機構改革が行われまして、保健所と福祉事務所を統合したんですね、一緒に。そして、福祉保健センターにしてしまったんです。福祉事務所も保健所も区役所に入れてしまいました。そして、保健師を、今まで区分分担だったんですけれども、業務別の分担にしてしまっているんですね。だから、もう保健所の名前も消えてしまったということなんです。
そうした中で、予防接種の担当と子供の担当とが違うというのでもう本当に迷っているというようなお母さんの話、担当地域が膨大で一つの地区だけではもうやれないよという、そういう訴えも出ているわけなんです。
私は、やはり本体の公衆衛生と逆行している、公的責任を放棄しているという、この健康増進法と同じような現象が出ているということを大変心配いたします。公衆衛生をやはり弱体化するものではないかなということを現地の話を聞きながら思っているところです。
時間がありませんので手短にお願いしたいんですが、保健所のこうした統廃合等の問題について三人の参考人に一言ずつお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →地域では、やはり保健所を統廃合しないでくれという要求が強く出ているわけです。全国的にいろんな動きがありますけれども、私は横浜市の話を聞きました。ここでも、もう本当に困ると保健所側も言っておりますし、地域の人も言っているんですけれども、今年の一月四日に区役所の機構改革が行われまして、保健所と福祉事務所を統合したんですね、一緒に。そして、福祉保健センターにしてしまったんです。福祉事務所も保健所も区役所に入れてしまいました。そして、保健師を、今まで区分分担だったんですけれども、業務別の分担にしてしまっているんですね。だから、もう保健所の名前も消えてしまったということなんです。
そうした中で、予防接種の担当と子供の担当とが違うというのでもう本当に迷っているというようなお母さんの話、担当地域が膨大で一つの地区だけではもうやれないよという、そういう訴えも出ているわけなんです。
私は、やはり本体の公衆衛生と逆行している、公的責任を放棄しているという、この健康増進法と同じような現象が出ているということを大変心配いたします。公衆衛生をやはり弱体化するものではないかなということを現地の話を聞きながら思っているところです。
時間がありませんので手短にお願いしたいんですが、保健所のこうした統廃合等の問題について三人の参考人に一言ずつお聞きしたいと思います。
阿
松
松谷満子#29
○参考人(松谷満子君) 今、地域保健法に基づいて市町村がその役を担うというような方向に変わりました。指定都市のああいう大きいところでは保健所というのは残りました形なんですけれども、今度は区単位に保健センター的なものを置いてやっていくようになっているようでございます。
確かに、私は、でも健康は自分で作る、みんなで支えるというような感覚の中で活動しておりますので、保健所の数が大変少なくなるということについてはいささか問題がございますし、それから人的な配分も、市町村まで十分に人材がいるわけじゃありませんので、困った問題も出てくることもよく知っております。ですけれども、そういう状態の中で、できれば保健所を残していただきたいという住民の声もよく聞いております。
この問題につきましては、住民へのサービスは市町村がやるということの中でそれが今の形になっているような感じを持っております。いましばらく静観したいと思っています。
この発言だけを見る →確かに、私は、でも健康は自分で作る、みんなで支えるというような感覚の中で活動しておりますので、保健所の数が大変少なくなるということについてはいささか問題がございますし、それから人的な配分も、市町村まで十分に人材がいるわけじゃありませんので、困った問題も出てくることもよく知っております。ですけれども、そういう状態の中で、できれば保健所を残していただきたいという住民の声もよく聞いております。
この問題につきましては、住民へのサービスは市町村がやるということの中でそれが今の形になっているような感じを持っております。いましばらく静観したいと思っています。