法務委員会
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会
会議録情報#0
平成十四年十二月五日(木曜日)
午前十時一分開会
─────────────
委員の異動
十二月四日
辞任 補欠選任
浜四津敏子君 木庭健太郎君
十二月五日
辞任 補欠選任
鈴木 寛君 川橋 幸子君
荒木 清寛君 山下 栄一君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 魚住裕一郎君
理 事
市川 一朗君
服部三男雄君
千葉 景子君
荒木 清寛君
井上 哲士君
委 員
青木 幹雄君
岩井 國臣君
柏村 武昭君
佐々木知子君
陣内 孝雄君
中川 義雄君
野間 赳君
江田 五月君
川橋 幸子君
角田 義一君
木庭健太郎君
山下 栄一君
平野 貞夫君
福島 瑞穂君
国務大臣
法務大臣 森山 眞弓君
副大臣
法務副大臣 増田 敏男君
大臣政務官
法務大臣政務官 中野 清君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局民事局長
兼最高裁判所事
務総局行政局長 千葉 勝美君
事務局側
常任委員会専門
員 加藤 一宇君
政府参考人
司法制度改革推
進本部事務局長 山崎 潮君
法務省民事局長 房村 精一君
法務省矯正局長 中井 憲治君
厚生労働大臣官
房審議官 青木 豊君
厚生労働省職業
安定局次長 三沢 孝君
経済産業省商務
情報政策局消費
経済部長 小川 秀樹君
参考人
弁護士
慶應義塾大学講
師 宗田 親彦君
弁護士
日本労働弁護団
全国常任幹事 古川 景一君
全国繊維化学食
品流通サービス
一般労働組合同
盟(UIゼンセ
ン同盟)政策局
長 逢見 直人君
─────────────
本日の会議に付した案件
○会社更生法案(内閣提出、衆議院送付)
○会社更生法の施行に伴う関係法律の整備に関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
─────────────
この発言だけを見る →午前十時一分開会
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委員の異動
十二月四日
辞任 補欠選任
浜四津敏子君 木庭健太郎君
十二月五日
辞任 補欠選任
鈴木 寛君 川橋 幸子君
荒木 清寛君 山下 栄一君
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出席者は左のとおり。
委員長 魚住裕一郎君
理 事
市川 一朗君
服部三男雄君
千葉 景子君
荒木 清寛君
井上 哲士君
委 員
青木 幹雄君
岩井 國臣君
柏村 武昭君
佐々木知子君
陣内 孝雄君
中川 義雄君
野間 赳君
江田 五月君
川橋 幸子君
角田 義一君
木庭健太郎君
山下 栄一君
平野 貞夫君
福島 瑞穂君
国務大臣
法務大臣 森山 眞弓君
副大臣
法務副大臣 増田 敏男君
大臣政務官
法務大臣政務官 中野 清君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局民事局長
兼最高裁判所事
務総局行政局長 千葉 勝美君
事務局側
常任委員会専門
員 加藤 一宇君
政府参考人
司法制度改革推
進本部事務局長 山崎 潮君
法務省民事局長 房村 精一君
法務省矯正局長 中井 憲治君
厚生労働大臣官
房審議官 青木 豊君
厚生労働省職業
安定局次長 三沢 孝君
経済産業省商務
情報政策局消費
経済部長 小川 秀樹君
参考人
弁護士
慶應義塾大学講
師 宗田 親彦君
弁護士
日本労働弁護団
全国常任幹事 古川 景一君
全国繊維化学食
品流通サービス
一般労働組合同
盟(UIゼンセ
ン同盟)政策局
長 逢見 直人君
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本日の会議に付した案件
○会社更生法案(内閣提出、衆議院送付)
○会社更生法の施行に伴う関係法律の整備に関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
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魚
魚住裕一郎#1
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨四日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
また、本日、鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨四日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
また、本日、鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。
─────────────
魚
魚住裕一郎#2
○委員長(魚住裕一郎君) 会社更生法案及び会社更生法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。
本日は、両案の審査のため、お手元に配付の名簿のとおり、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、弁護士・慶應義塾大学講師宗田親彦君、弁護士・日本労働弁護団全国常任幹事古川景一君及び全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟政策局長逢見直人君でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただきまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず、宗田参考人、古川参考人、逢見参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し添えますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。
なお、参考人の方の意見陳述及び答弁とも、着席のままで結構でございます。
それでは、宗田参考人からお願いいたします。宗田参考人。
この発言だけを見る →本日は、両案の審査のため、お手元に配付の名簿のとおり、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、弁護士・慶應義塾大学講師宗田親彦君、弁護士・日本労働弁護団全国常任幹事古川景一君及び全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟政策局長逢見直人君でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただきまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方でございますが、まず、宗田参考人、古川参考人、逢見参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し添えますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。
なお、参考人の方の意見陳述及び答弁とも、着席のままで結構でございます。
それでは、宗田参考人からお願いいたします。宗田参考人。
宗
宗田親彦#3
○参考人(宗田親彦君) おはようございます。ただいま御紹介いただきました参考人の宗田でございます。
お手元に、要旨とまとめましたピースを差し上げてございます。それを説明しながら進めさせていただこうと存じております。
今回の会社更生法の改正の趣旨は、私なりに見ますところ、要点は二つ、スピードと改良でございます。
民事再生法が運用として、百五十日ルールで再生計画の認可決定までという、申立てから認可決定までが百五十日ということで処理しているということに比べて会社更生は大変に重装備で時間が掛かっておりましたので、スピードアップすること、スピードと書いてありますが、ダウンするんではなくてスピードアップすることです。それから、合理化して改良するという部分と二つに分かれるかと思います。
現行の会社更生法は、御案内のとおり、昭和二十七年に成立しまして、当時のアメリカのアクト・オブ・バンクラプシー、アメリカ連邦破産法第十章のコーポレーション・リオルガニゼーションというものを輸入しまして、これにドイツ法系の手続を加味して成立したものでございます。そういう意味では、アメリカ法とドイツ法を加味した世界最先端の法律として当時スタートしたわけです。
その後、十五年たった四十二年に相殺に関するものなど若干の改正を経ましたが、ちょうど今年は、成立から五十年たちました今日、社会、経済、法制度の状況から特に倒産件数が激増して、中でも自然人の自己破産、先日の新聞報道によりますと、平成十四年は自己破産が二十万件を超える見込みだというような状態と並んで大企業の倒産が増加しているため、ここに全面的な改正をする必要があるというふうに至ったものと存じております。
この昭和二十七年の会社更生法は、精密で世界最高レベルの法律でありましたけれども、重厚長大の典型でございまして、重装備で時間が掛かるというものでございました。平成九年以降は金融機関、保険会社等の更生特例法の制定もありましたが、これらにおいても基本は従来の会社更生法のままでございました。
我が倒産法制には、破産、和議、特別清算、会社更生、会社整理がありましたけれども、この会社更生法によって法制度としては世界のトップランナーとして走ってきたのでありますけれども、昭和五十年代から世界の先進諸国では倒産法の改正が相次いでなされまして、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国、お隣の韓国でも既に最新の倒産法が施行されております。我が国の状態は既にトップランナーではなくなっているという状況も改正に拍車を掛けたという事情かと存じております。
そこで、御承知おきの民事再生法が平成十一年に成立して和議法に取って代わりました。和議法がなくなって民事再生法になったわけですが、この民事再生法は、和議法の欠点を補い、会社更生の制度を取り入れた上で、スピードの速い、使い勝手の良い法律として現在多数利用していることは御案内のとおりです。これに個人再生手続が平成十二年に加わりまして、同じく平成十二年には外国倒産承認法も制定されて、国際倒産についても国連のUNCITRALのモデル法を参考として渉外倒産につき一定の処理がなされるというところまで参っておるわけでございます。
このような状況でございますが、民事再生法は成立のときに会社更生法の良い点を取り入れて、かつ新しい制度を取り入れましたので、民事再生法が現在では最先端の法律というふうになっております。会社更生が最先端であったものを民事再生ができたために民事再生の方が最先端になってしまいましたので、そこで会社更生を民事再生の制度を取り入れたり新しい制度を作ったりして再びリニューアルして、時代の流れにマッチした、スピードアップした、そうして改良した法律にしようというのが今回の改正法案だというふうに存じております。
ここで注意しなければなりませんのは、法改正に当たりまして、市場原理から、倒産者を負け組、倒産者の相手方を勝ち組、又はスポンサーが市場に残っておりますから、それを勝ち組として、勝ち組の論理だけで処理を進めてはなりませんで、管財人の背後にある一般債権者や当の企業の従業員の立場とのバランスを失ってはならないと。特にこの点は、スポンサーの利益だとか、倒産法は現在、実体法の改正が進んでおりますけれども、そちらの部分でも十分に注意するべきであるというふうに考えております。
さて、民事再生と会社更生はそうすると重複するのではないかという点がございますが、民事再生は、株式会社以外の法人、個人を対象といたしまして、DIP、すなわち再生債務者に管理・処分権が原則として残り、運用で全件監督委員が付きますけれども、DIP制度が取られていること、抵当権などの担保権の行使が自由であるというものに対しまして、会社更生においては、更生管財人がいて、担保権独自の行使が禁止され、担保権は届け出て更生計画によって弁済されるというものでございます。また、両制度とも経営者、役員等の責任追及や否認権などの詐害行為取消し権が修正拡大したそういう制度を備えておるわけでございます。
民事再生で従来の経営者が残りましてもスポンサーや利害関係人の協力で再建できる例もございますが、経営者のモラルハザード、責任問題、信頼関係、スポンサーとの関係などから民事再生から会社更生へ、民事再生を申し立てるけれども会社更生に変更したという実例も皆様御案内のとおりでございます。
会社更生の利点としましては、法的権限のある更生管財人が存在することと、担保権などの権利行使が制限されて再建するための企業としては大変にやりやすいということと、裁判所の積極的な指導などによって利害関係人間の調整とかスポンサー問題、そして雇用の継続の対処というものが合理的にスムーズに進められるという点がメリットであるかというふうに考えております。
ただ、先ほど申しましたように、会社更生は重厚長大で時間が掛かり過ぎますから、そういうものでございました。私が管財人代理として担当した日本リースの会社更生では、債権者などの利益の極大化という点と、早く確実にと、この二つをモットーに進めましたけれども、それでも開始決定から更生計画の認可決定までは十五か月、一年三か月を要しました。先ほど申しましたような民事再生が百五十日というところからすると、これは十五か月要した、早くしてもそれだけ掛かりましたから、やはりこちらの方が長く掛かるということはやむを得ないということになるかと存じます。
今回の改正案は、その折の処理方法が数多く取り入れられているというふうに考えられます。例えば、更生計画によらない営業譲渡とか、それから早期売却のための担保権消滅制度とか、それから更生計画の早期の提出とか情報公開などがそういうわけでございます。
新法を先取った日本リースのケースではパラダイム革命が起こったというようなことが言われたわけですが、そこで、具体的なその二番目のスピードアップでございますが、(1)から(12)までまとめてございます。
(1)が管轄。東京地裁、大阪地裁にできると。それから、書いてございませんけれども、子会社とか親子会社、それから連結決算の会社も申立てができるというようなことでスピードアップ、東京地裁、大阪地裁には専門部がございますから、これでそれを図ろうというふうに、そういう法案でございます。
それから、(2)が更生手続開始条件の軽減。従前は更生の見込みがあることというふうに条文がございましたが、それを削除いたしまして、更生の見込みの判定に開始の部分で非常に時間を取られるということでこれをやめたわけです。
(3)が更生計画によらない営業譲渡。早く企業そのものを再建するという立場であれば、それだけであれば更生計画によって営業譲渡をすればよろしいわけですけれども、企業の再建から事業の再建へという時代でございますから、これは民事再生でも同じでございますが、更生計画によらない営業譲渡は、法案の四十六条で、裁判所の許可でそれができると。そして、債務超過の会社の場合には株主に通知をしなくてもよろしいというような制度になってございます。
四番目が担保権消滅制度。これは、先ほど申しましたような更生会社の各物件には担保権が設定されておりますから、早い売却、営業譲渡などをするためにはこの担保権の消滅制度、日本リースのケースでは担保権返還の和解契約、それを裁判所で御許可をいただく。担保権の数だけ和解契約がございましたから大変に難渋した点でございました。これを制度として一括して処理できるということにしてあるわけです。
五番目が債権調査における調査期間と書面主義。債権調査期日を設けたり、そこでのボートをしておりましたのが、書面で管財人が認否書を出したり、債権者が異議があれば書面で異議が出せるというようにしたわけです。
六番目と七番目が、債権等の確定の査定手続及び異議があったものについて、届け出た担保権者でも届け出た更生債権者でも、異議がなされると査定の申立てをしておいて、そして(7)の価額決定の申立てをすると。担保権についての大きな争いというのがこの担保権の目的物がいかほどであるかというその価額が問題でございましたから、これを一律に裁判所によって価額決定していただくというのも、これもスムーズになるためのものと存じております。
それから、八番目、更生計画による弁済期間の短縮。これが十五年。従前は二十年でございましたが、特別の事情で二十年ということは残してございますものの、原則として十五年。
九番目、更生計画の早期提出を一年。従来は二年も三年も四年も、更にもう少し掛かるというようなこともございましたが、それを開始後一年で提出していただくというふうにしてあります。
それから、社債権者について、十番目です。社債権者について社債管理会社が議決権の行使をすることをむしろ原則としまして、多くの社債権者がおりますから、商法の規定で会社更生などに権利行使するためには法定多数の社債権者集会が必要でございますが、それを通知しているいとまがない、なかなか連絡が取れない、それでは、社債権者が一人一人会社更生で議決権を行使すればよろしいかというと、これも何千人、何万人というふうにおりますから、それが実現できない、具体的な例でも、社債を発行している会社が今申し上げたような事情で会社更生を断念したという実例に接したことがございます。そういうわけで、原則としては社債管理会社が議決権を行使すると。
それから、十一番目、更生計画の可決の要件の軽減。これが更生債権について総額の二分の一、更生担保権が、原則三分の二、カットをする場合に四分の三、清算の場合には十分の九、株主は従来と同じ二分の一。それぞれが三分の二、四分の三、五分の四、一〇〇%であったものをそのように軽減したわけです。
認可された更生手続の早期の終結について、十二番目でございますが。金銭債権の全体で三分の二が弁済されればそれで終結決定ができるというふうに企業が再建するというときに商業登記簿謄本に会社更生の開始決定の登記がなされておりますから、海外の取引などでそのことが大変に、この会社は履歴として倒産したんですねというようなことが、まだ倒産状態であるのかというようなことが指摘されてやりにくかった経験がございますので、早めにそれが終結できるということが望ましいと思います。
その次のピースでございます。
3が改良点でございますが、(1)の担保権の目的の評価と(5)の更生会社の財産の評価、これが「(時価)」と書いてございます。これが従前は、ゴーイング・コンサーン・バリュー、すなわち企業の継続価値というふうに定められておりましたけれども、そうすると、全体としての継続価値、それから、それをディスカウント・キャッシュ・フローで計算いたしましたとしても全体で出てきますが、担保権を持っている方々は個々の担保権について市場で現在どれぐらいかということを考えて担保を設定してございますから、それを私は市場処分価格と呼んでおりましたが、法案では時価ということで、民事再生では、これを処分するものとそれから企業を継続するものと両方で書いて構わないという規定がございますが、会社更生の方は時価で一本化していると。
それから、情報開示。これも十四条、十五条で、原則情報公開、ランニング中のものについて支障部分というものを設けまして、それで非公開にすることができるというような制度を作りました。
(3)の保全措置につきましては、担保権の実行中止を含むというのは、会社更生では担保権が実行できませんが、それは開始決定があってからのことでございますから、申立てから開始決定までの間に担保権の実行をするということは大いにございます。例えば、動産売買先取特権などはそれをするわけですが、そういうものについての中止という命令を出したり、それから、更生債権、更生担保権について、全員について、二十五条、包括的に禁止命令というものも導入しましょうと。これは、既に民事再生法の二十六条ないし二十七、二十九、三十一条に既にあるものを導入したものでございます。
それから、開始前の商事留置権の消滅制度。商事留置権が事実上最優先で、占有をしているというので最優先の担保権ということになったりすると、例えば倉庫に品物が預けてある場合でございますけれども、全額払わないと引き渡されないなどということで原材料などが動かない、それで再建がやりにくいということがございました。開始決定後にはこの制度がございましたが、それを開始決定前、保全の段階でも導入しましょうと。
それから、(5)は先ほど説明申しましたので、第六番目に、更生債権者委員会、更生担保権者委員会というようなものを作りまして、これは運用としてはもう何十年も前から私どもが利用しておりますが、これを法制化して、管財人に意見を述べたり、債権者集会の申立てなどを求めたり、その他をするというような制度がございます。
七番目のホッチポットルールというのは、渉外の倒産で、外国で同一会社について再建の届出をして回収してきた場合には、議決権としては全額で行使できるけれども、債権の回収としては、海外で回収したものをカウントして、それが日本で配当するものと同レベルに達するまでは海外で回収したものは債権の回収ができないというルールでございます。
それから、議決権の不統一行使。これは、サービサー会社、債権回収会社などが債権を譲り受けて行使する場合に、複数の譲渡し会社からそういうことを譲受けをしておりますと、それぞれの色彩がございますので、そういうものに拘束されるという、議決権をそれぞればらばらに使ってもよろしいのではないかという、実務でもそのニーズがございましたので、こういうことが導入されたわけです。
議決権の基準日の制度というのは、これは、更生手続を始めた後、外資に債権を売ってしまうとかその他ということがございまして、そうすると、せっかく法定多数の同意が取られつつあるのにまた新しく更生計画案の御同意をいただかなければならないというようなことがございまして、目まぐるしく変わって私もちょっと大変に悩んだ難しい局面に逢着したことがございまして、そのために、議決権を行使するのは、一定の日時を裁判所が設けて、その日における債権者を議決権の行使者というふうにしたわけです。債権の配当は、実体の譲受け債権者が配当を受ける。
外国倒産処理手続がある場合の特則というのは、そういう法律の特別法がございますが、それとほとんど同じような、各管財人が相互に協力し合うとか、届出のない債権者について管財人が代理等になれるというような制度が改良点でございます。
その他といたしまして、倒産実体法の部分、相殺権、否認権、取戻権、多数当事者関係、賃貸借契約、請負契約等の実体法に関する改正は現在進行中でございますので、今回の当改正には盛り込んでございません。
そういうようなことを考えてまいりますと、統一的にできるものは倒産法、4の(2)、最後でございますが、会社更生法、民事再生法、破産法等を統一して単一法化するということについても今後検討してみなければならない部分であるかというふうに存じております。
時間がございませんでしたのでやや早口で大変失礼いたしましたが、私からの報告は以上にさせていただきます。失礼いたしました。
この発言だけを見る →お手元に、要旨とまとめましたピースを差し上げてございます。それを説明しながら進めさせていただこうと存じております。
今回の会社更生法の改正の趣旨は、私なりに見ますところ、要点は二つ、スピードと改良でございます。
民事再生法が運用として、百五十日ルールで再生計画の認可決定までという、申立てから認可決定までが百五十日ということで処理しているということに比べて会社更生は大変に重装備で時間が掛かっておりましたので、スピードアップすること、スピードと書いてありますが、ダウンするんではなくてスピードアップすることです。それから、合理化して改良するという部分と二つに分かれるかと思います。
現行の会社更生法は、御案内のとおり、昭和二十七年に成立しまして、当時のアメリカのアクト・オブ・バンクラプシー、アメリカ連邦破産法第十章のコーポレーション・リオルガニゼーションというものを輸入しまして、これにドイツ法系の手続を加味して成立したものでございます。そういう意味では、アメリカ法とドイツ法を加味した世界最先端の法律として当時スタートしたわけです。
その後、十五年たった四十二年に相殺に関するものなど若干の改正を経ましたが、ちょうど今年は、成立から五十年たちました今日、社会、経済、法制度の状況から特に倒産件数が激増して、中でも自然人の自己破産、先日の新聞報道によりますと、平成十四年は自己破産が二十万件を超える見込みだというような状態と並んで大企業の倒産が増加しているため、ここに全面的な改正をする必要があるというふうに至ったものと存じております。
この昭和二十七年の会社更生法は、精密で世界最高レベルの法律でありましたけれども、重厚長大の典型でございまして、重装備で時間が掛かるというものでございました。平成九年以降は金融機関、保険会社等の更生特例法の制定もありましたが、これらにおいても基本は従来の会社更生法のままでございました。
我が倒産法制には、破産、和議、特別清算、会社更生、会社整理がありましたけれども、この会社更生法によって法制度としては世界のトップランナーとして走ってきたのでありますけれども、昭和五十年代から世界の先進諸国では倒産法の改正が相次いでなされまして、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、中国、お隣の韓国でも既に最新の倒産法が施行されております。我が国の状態は既にトップランナーではなくなっているという状況も改正に拍車を掛けたという事情かと存じております。
そこで、御承知おきの民事再生法が平成十一年に成立して和議法に取って代わりました。和議法がなくなって民事再生法になったわけですが、この民事再生法は、和議法の欠点を補い、会社更生の制度を取り入れた上で、スピードの速い、使い勝手の良い法律として現在多数利用していることは御案内のとおりです。これに個人再生手続が平成十二年に加わりまして、同じく平成十二年には外国倒産承認法も制定されて、国際倒産についても国連のUNCITRALのモデル法を参考として渉外倒産につき一定の処理がなされるというところまで参っておるわけでございます。
このような状況でございますが、民事再生法は成立のときに会社更生法の良い点を取り入れて、かつ新しい制度を取り入れましたので、民事再生法が現在では最先端の法律というふうになっております。会社更生が最先端であったものを民事再生ができたために民事再生の方が最先端になってしまいましたので、そこで会社更生を民事再生の制度を取り入れたり新しい制度を作ったりして再びリニューアルして、時代の流れにマッチした、スピードアップした、そうして改良した法律にしようというのが今回の改正法案だというふうに存じております。
ここで注意しなければなりませんのは、法改正に当たりまして、市場原理から、倒産者を負け組、倒産者の相手方を勝ち組、又はスポンサーが市場に残っておりますから、それを勝ち組として、勝ち組の論理だけで処理を進めてはなりませんで、管財人の背後にある一般債権者や当の企業の従業員の立場とのバランスを失ってはならないと。特にこの点は、スポンサーの利益だとか、倒産法は現在、実体法の改正が進んでおりますけれども、そちらの部分でも十分に注意するべきであるというふうに考えております。
さて、民事再生と会社更生はそうすると重複するのではないかという点がございますが、民事再生は、株式会社以外の法人、個人を対象といたしまして、DIP、すなわち再生債務者に管理・処分権が原則として残り、運用で全件監督委員が付きますけれども、DIP制度が取られていること、抵当権などの担保権の行使が自由であるというものに対しまして、会社更生においては、更生管財人がいて、担保権独自の行使が禁止され、担保権は届け出て更生計画によって弁済されるというものでございます。また、両制度とも経営者、役員等の責任追及や否認権などの詐害行為取消し権が修正拡大したそういう制度を備えておるわけでございます。
民事再生で従来の経営者が残りましてもスポンサーや利害関係人の協力で再建できる例もございますが、経営者のモラルハザード、責任問題、信頼関係、スポンサーとの関係などから民事再生から会社更生へ、民事再生を申し立てるけれども会社更生に変更したという実例も皆様御案内のとおりでございます。
会社更生の利点としましては、法的権限のある更生管財人が存在することと、担保権などの権利行使が制限されて再建するための企業としては大変にやりやすいということと、裁判所の積極的な指導などによって利害関係人間の調整とかスポンサー問題、そして雇用の継続の対処というものが合理的にスムーズに進められるという点がメリットであるかというふうに考えております。
ただ、先ほど申しましたように、会社更生は重厚長大で時間が掛かり過ぎますから、そういうものでございました。私が管財人代理として担当した日本リースの会社更生では、債権者などの利益の極大化という点と、早く確実にと、この二つをモットーに進めましたけれども、それでも開始決定から更生計画の認可決定までは十五か月、一年三か月を要しました。先ほど申しましたような民事再生が百五十日というところからすると、これは十五か月要した、早くしてもそれだけ掛かりましたから、やはりこちらの方が長く掛かるということはやむを得ないということになるかと存じます。
今回の改正案は、その折の処理方法が数多く取り入れられているというふうに考えられます。例えば、更生計画によらない営業譲渡とか、それから早期売却のための担保権消滅制度とか、それから更生計画の早期の提出とか情報公開などがそういうわけでございます。
新法を先取った日本リースのケースではパラダイム革命が起こったというようなことが言われたわけですが、そこで、具体的なその二番目のスピードアップでございますが、(1)から(12)までまとめてございます。
(1)が管轄。東京地裁、大阪地裁にできると。それから、書いてございませんけれども、子会社とか親子会社、それから連結決算の会社も申立てができるというようなことでスピードアップ、東京地裁、大阪地裁には専門部がございますから、これでそれを図ろうというふうに、そういう法案でございます。
それから、(2)が更生手続開始条件の軽減。従前は更生の見込みがあることというふうに条文がございましたが、それを削除いたしまして、更生の見込みの判定に開始の部分で非常に時間を取られるということでこれをやめたわけです。
(3)が更生計画によらない営業譲渡。早く企業そのものを再建するという立場であれば、それだけであれば更生計画によって営業譲渡をすればよろしいわけですけれども、企業の再建から事業の再建へという時代でございますから、これは民事再生でも同じでございますが、更生計画によらない営業譲渡は、法案の四十六条で、裁判所の許可でそれができると。そして、債務超過の会社の場合には株主に通知をしなくてもよろしいというような制度になってございます。
四番目が担保権消滅制度。これは、先ほど申しましたような更生会社の各物件には担保権が設定されておりますから、早い売却、営業譲渡などをするためにはこの担保権の消滅制度、日本リースのケースでは担保権返還の和解契約、それを裁判所で御許可をいただく。担保権の数だけ和解契約がございましたから大変に難渋した点でございました。これを制度として一括して処理できるということにしてあるわけです。
五番目が債権調査における調査期間と書面主義。債権調査期日を設けたり、そこでのボートをしておりましたのが、書面で管財人が認否書を出したり、債権者が異議があれば書面で異議が出せるというようにしたわけです。
六番目と七番目が、債権等の確定の査定手続及び異議があったものについて、届け出た担保権者でも届け出た更生債権者でも、異議がなされると査定の申立てをしておいて、そして(7)の価額決定の申立てをすると。担保権についての大きな争いというのがこの担保権の目的物がいかほどであるかというその価額が問題でございましたから、これを一律に裁判所によって価額決定していただくというのも、これもスムーズになるためのものと存じております。
それから、八番目、更生計画による弁済期間の短縮。これが十五年。従前は二十年でございましたが、特別の事情で二十年ということは残してございますものの、原則として十五年。
九番目、更生計画の早期提出を一年。従来は二年も三年も四年も、更にもう少し掛かるというようなこともございましたが、それを開始後一年で提出していただくというふうにしてあります。
それから、社債権者について、十番目です。社債権者について社債管理会社が議決権の行使をすることをむしろ原則としまして、多くの社債権者がおりますから、商法の規定で会社更生などに権利行使するためには法定多数の社債権者集会が必要でございますが、それを通知しているいとまがない、なかなか連絡が取れない、それでは、社債権者が一人一人会社更生で議決権を行使すればよろしいかというと、これも何千人、何万人というふうにおりますから、それが実現できない、具体的な例でも、社債を発行している会社が今申し上げたような事情で会社更生を断念したという実例に接したことがございます。そういうわけで、原則としては社債管理会社が議決権を行使すると。
それから、十一番目、更生計画の可決の要件の軽減。これが更生債権について総額の二分の一、更生担保権が、原則三分の二、カットをする場合に四分の三、清算の場合には十分の九、株主は従来と同じ二分の一。それぞれが三分の二、四分の三、五分の四、一〇〇%であったものをそのように軽減したわけです。
認可された更生手続の早期の終結について、十二番目でございますが。金銭債権の全体で三分の二が弁済されればそれで終結決定ができるというふうに企業が再建するというときに商業登記簿謄本に会社更生の開始決定の登記がなされておりますから、海外の取引などでそのことが大変に、この会社は履歴として倒産したんですねというようなことが、まだ倒産状態であるのかというようなことが指摘されてやりにくかった経験がございますので、早めにそれが終結できるということが望ましいと思います。
その次のピースでございます。
3が改良点でございますが、(1)の担保権の目的の評価と(5)の更生会社の財産の評価、これが「(時価)」と書いてございます。これが従前は、ゴーイング・コンサーン・バリュー、すなわち企業の継続価値というふうに定められておりましたけれども、そうすると、全体としての継続価値、それから、それをディスカウント・キャッシュ・フローで計算いたしましたとしても全体で出てきますが、担保権を持っている方々は個々の担保権について市場で現在どれぐらいかということを考えて担保を設定してございますから、それを私は市場処分価格と呼んでおりましたが、法案では時価ということで、民事再生では、これを処分するものとそれから企業を継続するものと両方で書いて構わないという規定がございますが、会社更生の方は時価で一本化していると。
それから、情報開示。これも十四条、十五条で、原則情報公開、ランニング中のものについて支障部分というものを設けまして、それで非公開にすることができるというような制度を作りました。
(3)の保全措置につきましては、担保権の実行中止を含むというのは、会社更生では担保権が実行できませんが、それは開始決定があってからのことでございますから、申立てから開始決定までの間に担保権の実行をするということは大いにございます。例えば、動産売買先取特権などはそれをするわけですが、そういうものについての中止という命令を出したり、それから、更生債権、更生担保権について、全員について、二十五条、包括的に禁止命令というものも導入しましょうと。これは、既に民事再生法の二十六条ないし二十七、二十九、三十一条に既にあるものを導入したものでございます。
それから、開始前の商事留置権の消滅制度。商事留置権が事実上最優先で、占有をしているというので最優先の担保権ということになったりすると、例えば倉庫に品物が預けてある場合でございますけれども、全額払わないと引き渡されないなどということで原材料などが動かない、それで再建がやりにくいということがございました。開始決定後にはこの制度がございましたが、それを開始決定前、保全の段階でも導入しましょうと。
それから、(5)は先ほど説明申しましたので、第六番目に、更生債権者委員会、更生担保権者委員会というようなものを作りまして、これは運用としてはもう何十年も前から私どもが利用しておりますが、これを法制化して、管財人に意見を述べたり、債権者集会の申立てなどを求めたり、その他をするというような制度がございます。
七番目のホッチポットルールというのは、渉外の倒産で、外国で同一会社について再建の届出をして回収してきた場合には、議決権としては全額で行使できるけれども、債権の回収としては、海外で回収したものをカウントして、それが日本で配当するものと同レベルに達するまでは海外で回収したものは債権の回収ができないというルールでございます。
それから、議決権の不統一行使。これは、サービサー会社、債権回収会社などが債権を譲り受けて行使する場合に、複数の譲渡し会社からそういうことを譲受けをしておりますと、それぞれの色彩がございますので、そういうものに拘束されるという、議決権をそれぞればらばらに使ってもよろしいのではないかという、実務でもそのニーズがございましたので、こういうことが導入されたわけです。
議決権の基準日の制度というのは、これは、更生手続を始めた後、外資に債権を売ってしまうとかその他ということがございまして、そうすると、せっかく法定多数の同意が取られつつあるのにまた新しく更生計画案の御同意をいただかなければならないというようなことがございまして、目まぐるしく変わって私もちょっと大変に悩んだ難しい局面に逢着したことがございまして、そのために、議決権を行使するのは、一定の日時を裁判所が設けて、その日における債権者を議決権の行使者というふうにしたわけです。債権の配当は、実体の譲受け債権者が配当を受ける。
外国倒産処理手続がある場合の特則というのは、そういう法律の特別法がございますが、それとほとんど同じような、各管財人が相互に協力し合うとか、届出のない債権者について管財人が代理等になれるというような制度が改良点でございます。
その他といたしまして、倒産実体法の部分、相殺権、否認権、取戻権、多数当事者関係、賃貸借契約、請負契約等の実体法に関する改正は現在進行中でございますので、今回の当改正には盛り込んでございません。
そういうようなことを考えてまいりますと、統一的にできるものは倒産法、4の(2)、最後でございますが、会社更生法、民事再生法、破産法等を統一して単一法化するということについても今後検討してみなければならない部分であるかというふうに存じております。
時間がございませんでしたのでやや早口で大変失礼いたしましたが、私からの報告は以上にさせていただきます。失礼いたしました。
魚
古
古川景一#5
○参考人(古川景一君) 私は、今回の法案には労働者保護の観点から見たときに少なくない問題があると考えております。この点について、以下、参考人として意見を述べさせていただきます。
まず第一点として、今回の法律が会社更生だけを目的とするのではなくて、会社を安楽死させることを実現させるための法改正であるという点を指摘したいと思います。
今回の会社更生法案では、第一条で定める法律の目的が大きく変化いたします。現行法では、「窮境にあるが再建の見込のある株式会社」という規定になっておるわけですけれども、今回の改正法案では、「再建の見込のある」という言葉が削られます。それで、「窮境にある株式会社」とだけになります。また、改正法案の第一条では、「当該株式会社の事業の維持更生」という言葉があるわけですが、「当該株式会社の」という言葉が加えられます。
このため、今回の法改正によって再建の見込みのない会社も会社更生法の手続を利用できるようになります。また、事業を他の会社に売却して、事業は残るけれども会社は残らないということも可能になるわけであります。これは、企業の安楽死と突然死ともいうべき事象に対応するためでございます。
企業が経営困難となってその再建の見込みがない場合には、突然死する場合と安楽死する場合があります。
経営困難に陥っている会社がいきなり破産の申立てをいたしますと、これは企業の突然死でありまして、業務は直ちに全面的に停止し、それから従業員もほぼ全員が即日解雇される、そして取引先への打撃や社会的な影響も大きなものがあります。このような突然死を避けるために、つまり激変を緩和するために取られるのが安楽死であります。
それで、今回の法改正は、正に会社の安楽死のために使えるようにするというのが大きなねらいの一つであります。そのために様々な規定の整備がされます。
第一に、入口の段階で更生手続の開始要件を緩和して更生の見込みについての裁判官による経営審査を不要といたします。すなわち、更生の見込みのない会社でも更生手続の開始決定を得られるようにするということになります。
それから第二に、安楽死するまでの延命期間の運転資金を金融機関が安心して貸せるようにし、それから、電力等の安定供給を受けられるようにするために再建支援融資と電気料金等の保護を図るようにいたします。
それから第三に、会社の事業の全部又は重要な一部を他の会社に売却するための営業譲渡手続を設けるということになっております。
このことを前提にして、第二点として、会社の安楽死の場合における労働債権の問題を指摘したいと思うわけであります。
まず、債権の回収する力の強さという点について見たいと思います。
企業が倒産した場合における債権の回収力の強さについては、大ざっぱに言って三段階があります。第一の順位は、抵当権や譲渡担保などの強い担保権を有する債権です。それから、第二順位は、一般先取特権という余り強くはない担保権を有する債権であり、その典型が労働債権です。第三順位が担保権を有しない一般債権です。これは、当然のことながら、第一順位と第二順位の債権への弁済がなされた後に残っている資産があれば配当を受けるという地位であります。
この企業が安楽死させられる場面では、第二順位の労働債権が最も脅かされることになります。なぜならば、第一順位の抵当権などを有する債権、すなわち銀行の融資等については既に特定の物件を担保として押さえておりますから、安楽死をしたからといって影響を受けるものではありません。そればかりか、安楽死すれば、更生計画で債権カットを強いられることもなく担保権は実行できますから回収額が増える可能性さえあります。
これに対して安楽死の過程では、企業は残存する体力、すなわち売り掛け債権や受取手形、在庫などを使い果たしていくわけであります。このため、もしも仮に会社更生の申立てではなく破産の申立てがされていれば、退職金などの労働債権への優先弁済をするための原資として残るはずであった会社の一般財産が減少して労働債権への弁済が困難となります。そればかりでなく、今回の法改正では、安楽死をした時点での企業の残存資産は、安楽死までの期間の運転資金として金融機関から受けた融資の返済に充てられることになります。このため、労働債権や一般債権への弁済原資はますます減少することになります。
第三点として、倒産法制における労働者の位置付けを述べたいと思います。
まず一番目として、権利行使の機会を保証すること、その必要性であります。
そもそも、倒産法制の適用場面では、清算するにせよ再建するにせよ、企業経営者、株主、金融機関、仕入先、販売先、労働者などの関係者は相互に激しい対立関係になります。だれかが得をした分だけ必ずだれかが損をするという関係になります。である以上、その利害関係の反する当事者を手続に参加させて自らの権利を保全する機会を付与するのでなければ倒産手続が公正に運用される保証はどこにもありません。手続から排除された者が割りを食って保護を受けることができないのは、ある意味で自明のことだからであります。
そして、第二に指摘したいのは、そのような状況の下では、退職の自由を行使して労働者が逃げるしか方法がないということであります。
現在の法律では、労働者保護、労働者の手続参加が極めて不十分です。このために、安楽死の目的で会社更生の手続が行われているのではないかとの危惧や不安が発生した場合に労働者が取る唯一の自己防衛の手段は、退職の自由を行使して早い者勝ちで退職金を受け取るということになります。これまでにも、企業の経営危機の際にそのような事態は繰り返し起きております。このために、本来なら再建できるはずの企業まで人材が流出して再建できなくなるということさえ起きているわけであります。すなわち、会社更生法は、労働者保護と労働者の手続参加の機会を付与することが不十分であることに起因して会社更生が失敗に至る可能性を自ら高めていると言うことができるわけであります。
では、第三番目として、本来どのような姿であるべきかという点を指摘したいと思います。
本年十一月に静岡大学の川口助教授が季刊労働法の二百一号に発表された「フランスにおける企業倒産と労働者保護」という論文は、倒産法制における労働者保護の在り方に関して大変示唆に富んでおります。
すなわち、フランスにおいては倒産手続を担う主体が四者おります。その第一は受命裁判官、第二は裁判所が選任した管理人、それから第三が裁判所選任の清算人又は債権者代表、そして第四として労働者代表がおります。
この第四の主体である労働者代表は、再建の手続でも清算手続でも、いかなる小企業の場合でも選出することが義務付けられています。労働者代表は、各種手続について情報の提供を受け、諮問を受け、意見聴取の機会を付与されるだけでなく、裁判所の行う手続開始決定や営業譲渡許可、再建計画認可などに対する異議申立て権や上訴権までも有しております。再建や清算のいずれであっても労働者の解雇については商事裁判所の許可が必要であり、労働者代表はこの決定に対する上訴権も有しております。
これらのフランスの制度というのは、一面において労働者保護ですが、同時に再建や清算手続への労働者の協力を取り付けて再建や清算の手続を円滑に進める、それによって倒産処理の関係者全体の利益を図るものと言うことができます。
まとめとして、労働者保護の在り方を四番目に指摘したいと思います。
第一点としては、まず私的整理を禁止することであります。
日本では、倒産事件の八割が私的整理であり、法的整理は二割程度であります。経営危機でも自転車操業を続けて、倒れたときには何も資産がなく、労働債権が踏み倒されるといった例が続出しております。フランスのように、私的整理を禁止して、会社が窮境にあったときには法的整理の手続開始の申立てを義務付ける、そしてさらに、社会保険料を一回でも滞納すれば社会保険基金が手続開始の申立てをするというようなシステムにすれば、残存している体力に即して早い段階で再建をすることも可能になり、また労働者保護に資することが可能であります。
それから、第二点として、労働者代表の手続参加が必要であります。
企業という有機体において労働者は不可欠の構成要素です。この不可欠の構成要素を粗末にして企業の再建や清算がスムーズに進むわけはありません。今回の会社更生法案によって安楽死目的での濫用的な申立てがなされ、会社の残存資産を食いつぶして労働者の退職金を脅かすような事態が発生するのを防ぐためにも、会社更生手続の不可欠な主体の一つとして労働者代表を置くべきであります。そして、開始決定に対する抗告権を付与したり、手続廃止の申立て権を付与するなどの措置を講ずるべきであります。
今回の改正案では、営業譲渡の許可や会社更生計画に関して意見聴取をすることとしていますが、しょせんは聞きおくだけであります。この点につきましては、法制審で現在、破産法改正策定のための作業がされており、安楽死させた企業を破産手続に行って言わば企業のお弔いを上げる、会社更生でうまく安楽死をさせて最後の締めくくりは破産でやるということの審議が現在なされていますが、この過程で、この審議においても労働者代表の手続関与についての検討が絶対に必要不可欠であると思っております。
それから、第三に営業譲渡に関する問題です。
今回の法案では、管財人が裁判所の許可を得て更生会社の営業の全部又は重要な一部を譲渡することができますが、一九七七年のEEC指令や日本における会社分割法等の例に見ても、営業譲渡について労働者が原則としてくっ付いていくということを義務付けるべきであります。労働者を振り捨てた上での営業譲渡というものは許されるべきではありません。
それで、最後に裁判管轄についても触れたいと思います。
現行法では本店所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄となっておりますが、先ほども指摘のありましたように、全国の事件を東京地裁、大阪地裁で扱うことができるという改正がなされようとしています。これは大変問題が多いと考えております。
なぜならば、地方の企業の労働者の手続の関与を困難にするというのが第一です。それからもう一つは、将来このような会社更生法はより利用されなければなりません。そのときに清算型や再建型の倒産処理に対応できる人材を全国各地に長期的に養成しなければならないのに、その人材が東京と大阪に集中する結果になることが目に見えていると考えるからであります。
以上をもって、私の意見陳述とさせていただきます。
この発言だけを見る →まず第一点として、今回の法律が会社更生だけを目的とするのではなくて、会社を安楽死させることを実現させるための法改正であるという点を指摘したいと思います。
今回の会社更生法案では、第一条で定める法律の目的が大きく変化いたします。現行法では、「窮境にあるが再建の見込のある株式会社」という規定になっておるわけですけれども、今回の改正法案では、「再建の見込のある」という言葉が削られます。それで、「窮境にある株式会社」とだけになります。また、改正法案の第一条では、「当該株式会社の事業の維持更生」という言葉があるわけですが、「当該株式会社の」という言葉が加えられます。
このため、今回の法改正によって再建の見込みのない会社も会社更生法の手続を利用できるようになります。また、事業を他の会社に売却して、事業は残るけれども会社は残らないということも可能になるわけであります。これは、企業の安楽死と突然死ともいうべき事象に対応するためでございます。
企業が経営困難となってその再建の見込みがない場合には、突然死する場合と安楽死する場合があります。
経営困難に陥っている会社がいきなり破産の申立てをいたしますと、これは企業の突然死でありまして、業務は直ちに全面的に停止し、それから従業員もほぼ全員が即日解雇される、そして取引先への打撃や社会的な影響も大きなものがあります。このような突然死を避けるために、つまり激変を緩和するために取られるのが安楽死であります。
それで、今回の法改正は、正に会社の安楽死のために使えるようにするというのが大きなねらいの一つであります。そのために様々な規定の整備がされます。
第一に、入口の段階で更生手続の開始要件を緩和して更生の見込みについての裁判官による経営審査を不要といたします。すなわち、更生の見込みのない会社でも更生手続の開始決定を得られるようにするということになります。
それから第二に、安楽死するまでの延命期間の運転資金を金融機関が安心して貸せるようにし、それから、電力等の安定供給を受けられるようにするために再建支援融資と電気料金等の保護を図るようにいたします。
それから第三に、会社の事業の全部又は重要な一部を他の会社に売却するための営業譲渡手続を設けるということになっております。
このことを前提にして、第二点として、会社の安楽死の場合における労働債権の問題を指摘したいと思うわけであります。
まず、債権の回収する力の強さという点について見たいと思います。
企業が倒産した場合における債権の回収力の強さについては、大ざっぱに言って三段階があります。第一の順位は、抵当権や譲渡担保などの強い担保権を有する債権です。それから、第二順位は、一般先取特権という余り強くはない担保権を有する債権であり、その典型が労働債権です。第三順位が担保権を有しない一般債権です。これは、当然のことながら、第一順位と第二順位の債権への弁済がなされた後に残っている資産があれば配当を受けるという地位であります。
この企業が安楽死させられる場面では、第二順位の労働債権が最も脅かされることになります。なぜならば、第一順位の抵当権などを有する債権、すなわち銀行の融資等については既に特定の物件を担保として押さえておりますから、安楽死をしたからといって影響を受けるものではありません。そればかりか、安楽死すれば、更生計画で債権カットを強いられることもなく担保権は実行できますから回収額が増える可能性さえあります。
これに対して安楽死の過程では、企業は残存する体力、すなわち売り掛け債権や受取手形、在庫などを使い果たしていくわけであります。このため、もしも仮に会社更生の申立てではなく破産の申立てがされていれば、退職金などの労働債権への優先弁済をするための原資として残るはずであった会社の一般財産が減少して労働債権への弁済が困難となります。そればかりでなく、今回の法改正では、安楽死をした時点での企業の残存資産は、安楽死までの期間の運転資金として金融機関から受けた融資の返済に充てられることになります。このため、労働債権や一般債権への弁済原資はますます減少することになります。
第三点として、倒産法制における労働者の位置付けを述べたいと思います。
まず一番目として、権利行使の機会を保証すること、その必要性であります。
そもそも、倒産法制の適用場面では、清算するにせよ再建するにせよ、企業経営者、株主、金融機関、仕入先、販売先、労働者などの関係者は相互に激しい対立関係になります。だれかが得をした分だけ必ずだれかが損をするという関係になります。である以上、その利害関係の反する当事者を手続に参加させて自らの権利を保全する機会を付与するのでなければ倒産手続が公正に運用される保証はどこにもありません。手続から排除された者が割りを食って保護を受けることができないのは、ある意味で自明のことだからであります。
そして、第二に指摘したいのは、そのような状況の下では、退職の自由を行使して労働者が逃げるしか方法がないということであります。
現在の法律では、労働者保護、労働者の手続参加が極めて不十分です。このために、安楽死の目的で会社更生の手続が行われているのではないかとの危惧や不安が発生した場合に労働者が取る唯一の自己防衛の手段は、退職の自由を行使して早い者勝ちで退職金を受け取るということになります。これまでにも、企業の経営危機の際にそのような事態は繰り返し起きております。このために、本来なら再建できるはずの企業まで人材が流出して再建できなくなるということさえ起きているわけであります。すなわち、会社更生法は、労働者保護と労働者の手続参加の機会を付与することが不十分であることに起因して会社更生が失敗に至る可能性を自ら高めていると言うことができるわけであります。
では、第三番目として、本来どのような姿であるべきかという点を指摘したいと思います。
本年十一月に静岡大学の川口助教授が季刊労働法の二百一号に発表された「フランスにおける企業倒産と労働者保護」という論文は、倒産法制における労働者保護の在り方に関して大変示唆に富んでおります。
すなわち、フランスにおいては倒産手続を担う主体が四者おります。その第一は受命裁判官、第二は裁判所が選任した管理人、それから第三が裁判所選任の清算人又は債権者代表、そして第四として労働者代表がおります。
この第四の主体である労働者代表は、再建の手続でも清算手続でも、いかなる小企業の場合でも選出することが義務付けられています。労働者代表は、各種手続について情報の提供を受け、諮問を受け、意見聴取の機会を付与されるだけでなく、裁判所の行う手続開始決定や営業譲渡許可、再建計画認可などに対する異議申立て権や上訴権までも有しております。再建や清算のいずれであっても労働者の解雇については商事裁判所の許可が必要であり、労働者代表はこの決定に対する上訴権も有しております。
これらのフランスの制度というのは、一面において労働者保護ですが、同時に再建や清算手続への労働者の協力を取り付けて再建や清算の手続を円滑に進める、それによって倒産処理の関係者全体の利益を図るものと言うことができます。
まとめとして、労働者保護の在り方を四番目に指摘したいと思います。
第一点としては、まず私的整理を禁止することであります。
日本では、倒産事件の八割が私的整理であり、法的整理は二割程度であります。経営危機でも自転車操業を続けて、倒れたときには何も資産がなく、労働債権が踏み倒されるといった例が続出しております。フランスのように、私的整理を禁止して、会社が窮境にあったときには法的整理の手続開始の申立てを義務付ける、そしてさらに、社会保険料を一回でも滞納すれば社会保険基金が手続開始の申立てをするというようなシステムにすれば、残存している体力に即して早い段階で再建をすることも可能になり、また労働者保護に資することが可能であります。
それから、第二点として、労働者代表の手続参加が必要であります。
企業という有機体において労働者は不可欠の構成要素です。この不可欠の構成要素を粗末にして企業の再建や清算がスムーズに進むわけはありません。今回の会社更生法案によって安楽死目的での濫用的な申立てがなされ、会社の残存資産を食いつぶして労働者の退職金を脅かすような事態が発生するのを防ぐためにも、会社更生手続の不可欠な主体の一つとして労働者代表を置くべきであります。そして、開始決定に対する抗告権を付与したり、手続廃止の申立て権を付与するなどの措置を講ずるべきであります。
今回の改正案では、営業譲渡の許可や会社更生計画に関して意見聴取をすることとしていますが、しょせんは聞きおくだけであります。この点につきましては、法制審で現在、破産法改正策定のための作業がされており、安楽死させた企業を破産手続に行って言わば企業のお弔いを上げる、会社更生でうまく安楽死をさせて最後の締めくくりは破産でやるということの審議が現在なされていますが、この過程で、この審議においても労働者代表の手続関与についての検討が絶対に必要不可欠であると思っております。
それから、第三に営業譲渡に関する問題です。
今回の法案では、管財人が裁判所の許可を得て更生会社の営業の全部又は重要な一部を譲渡することができますが、一九七七年のEEC指令や日本における会社分割法等の例に見ても、営業譲渡について労働者が原則としてくっ付いていくということを義務付けるべきであります。労働者を振り捨てた上での営業譲渡というものは許されるべきではありません。
それで、最後に裁判管轄についても触れたいと思います。
現行法では本店所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄となっておりますが、先ほども指摘のありましたように、全国の事件を東京地裁、大阪地裁で扱うことができるという改正がなされようとしています。これは大変問題が多いと考えております。
なぜならば、地方の企業の労働者の手続の関与を困難にするというのが第一です。それからもう一つは、将来このような会社更生法はより利用されなければなりません。そのときに清算型や再建型の倒産処理に対応できる人材を全国各地に長期的に養成しなければならないのに、その人材が東京と大阪に集中する結果になることが目に見えていると考えるからであります。
以上をもって、私の意見陳述とさせていただきます。
魚
逢
逢見直人#7
○参考人(逢見直人君) UIゼンセン同盟の逢見です。
UIゼンセン同盟は、本年九月にゼンセン同盟、CSG連合、繊維生活労連の三組織が統合して結成された組合員七十八万人の産業別組織です。UIゼンセン同盟は、製造業、流通・サービス産業を中心に個人消費に密接にかかわる生活関連産業をカバーしております。
私はそこで企業倒産や合理化問題の担当責任者をしておりますが、ここ四年ほど前から、私たちの組織の中でも長期不況によって経営が行き詰まり会社更生法を申し立てる企業が増加しております。私自身がかかわったものとしても、ヤオハン、長崎屋、シーガイア、マイカルなどのケースがございます。もちろん、会社更生法のみならず民事再生あるいは破産申立てといった事案も多いわけです。
これら倒産法制全般について意見がございますけれども、本日は会社更生法改正案にかかわる論点に絞って意見を申し述べさせていただきます。
まず第一は、労働組合の手続関与であります。
不良債権処理が企業経営者と銀行との間で行われている間は従業員は直接の当事者でありませんが、倒産法制を活用する場合には取引先や当該企業に働く従業員にも直接的な影響を与えます。倒産法制は、当該企業に働く従業員にとって雇用あるいは労働条件に直接かかわる問題でありながら、しかし、これまでは労働組合がその手続に関与するウエートは極めて低いものでありました。例えば、現行の会社更生法においては、百九十五条で更生計画案について裁判所の労働組合等からの意見聴取があるのみであります。
二〇〇〇年四月から和議法を全面的に改正する形で民事再生法が施行されましたが、この民事再生法では、これまでの倒産法制に比べて労働組合の手続関与の割合が増えました。今回の会社更生法改正におきましても、労働組合が民事再生法と同様に手続の各段階に関与できる旨の規定が設けられ、それに加えて、民事再生法にはない労働組合の手続関与が更に書き加えられたことは率直に評価したいと思います。
特に、会社更生法の場合は、更生計画案の策定段階よりも更生手続開始の段階でスポンサーが事実上決定するなど、更生の枠組みが決まってしまうケースが多いので、更生手続開始前から労働組合の意見聴取ができるように法改正すべきであるということを、私はかねてからそういう意見を持っておりましたけれども、今回の改正でこれが明記されたことは評価したいと思います。
ただ、民事再生法の下で私たちが経験したところでは、民事再生法では、原則的には債権者と債務者との間で決められるという枠組みであるために労働組合の意見は聞きおく程度というのが実情でございます。会社更生法では管財人や裁判所の管理の度合いが高いわけでありますから、また、会社更生法の場合は手続が厳格で、更生計画案の策定に至るまでに幾つかの関門といいますか、節目節目があるわけであります。そうした各段階での労働組合の意見聴取にとどまらず、これを協議というレベルまで引き上げるべきであるというふうに私は思っております。
とりわけ問題と思っておりますのは営業譲渡であります。改正案にある更生計画認可前の営業譲渡については、これは当該企業に働く従業員の譲渡先との雇用契約の承継に密接にかかわる問題であります。しかし、これについての労働組合の関与は、営業譲渡の許可の際の裁判所による意見聴取ということとなっております。労使関係の分野では、こうした問題は意見聴取ではなくて事前協議で行っております。このような内容の改正では今後様々な営業譲渡にかかわる問題が出てくることが予想されます。
お手元に資料をお配りしておりますので、ごらんいただきたいと思います。
これは、営業譲渡にかかわって厚生労働省内に設置された企業組織再編に伴う労働関係上の諸問題に関する研究会の報告でございます。この報告書の結論は、営業譲渡時の労働契約の承継については特段の立法措置の必要はないというのが結論であります。この結論そのものについても私は問題があると思いますが、ここでは営業譲渡全体の問題には触れません。
ただ、報告書では特段の立法措置は必要ないとしながらも、二ページのところですが、譲渡会社が経営破綻している場合についてこの報告書では、
譲渡会社自体が経営破綻していることから、当該譲渡会社の全ての雇用を確保することは、一般的には困難であり、様々な努力によって、どれだけの雇用の場が確保できるのかが焦点となる。
このような場合には、譲渡会社の破綻処理・再建の過程を通じて、労働者の雇用や労働条件について、適切な配慮がなされることを期待することになる。このため、具体的には、会社更生法等法律に基づく手続等において、労働組合等に適切な関与の機会が与えられ、管財人等が労働関係法を遵守し、裁判所が手続の過程で雇用等に適切な考慮をすることによって、対応すべきである。
こう述べているわけであります。
この研究会は、第百四十七国会における商法改正による会社分割制度の創設と労働契約承継法の制定の際に、衆参両院の附帯決議を受けて営業譲渡を中心に調査研究を行ってきたものであります。
当時の国会の附帯決議では「立法上の措置を含め」という形でボールが投げられたわけでありますが、厚生労働省の研究会報告は、特段の立法の措置の必要はないという結論を出し、しかし、譲渡会社が破綻している場合には会社更生法等法律に基づく手続等において労働組合に適切な手続関与の機会を与えるべきであるという形で今度は逆に球が投げ返されてきた。今回法務省が中心になってまとめた会社更生法改正案には、更生計画提出前の営業譲渡を認めたにもかかわらず労働組合の手続関与に関しては意見聴取にとどめたわけであります。
民事再生法の下でも再生計画提出前の営業譲渡が認められております。この営業譲渡の実態について私が直接かかわった事案に関してだけでも、全部譲渡のケース、それから一部譲渡のケース、それから譲渡先が複数企業にわたるケースなど様々であり、その後の再生手続でも、申立て企業が清算型に行く場合もあるし再建型に行く場合もあります。要するに、営業譲渡はケース・バイ・ケースで判断せざるを得ず、私どもUIゼンセン同盟の場合は、そうした場合には個別に合理化対策委員会を設置して、経営者あるいは弁護団、管財人等と随時協議をして、従業員の最大限の雇用、雇用がどのような受皿で移るのかということについてかなり協議をしているわけであります。
こうした民事再生法での経験から類推するに、会社更生法においても今後、更生計画提出前に営業譲渡するケースがかなり出てくるものと思います。営業譲渡がなされる場合、雇用数あるいは労働条件といったものは極めて当該従業員にとって重要な問題であり、実際には、運用上は管財人は労働組合にも十分な説明をして理解を求めることになるだろうし、労働組合も、協議の経過を組合員に報告するなどして、個別の営業譲渡問題について、そこに働く労働者としてこれが理解できるのか、納得できるのかという判断をしていくことになると思います。
ただ、管財人が労働組合との事前協議に応じてくれるかどうかというのは、法律の規定がない以上、これはあくまでも管財人の善意に期待するだけということになります。
会社更生法のような申立てというのは、私たち産業別労働組合にいる人間は幾つか経験がありますが、企業別組合の役員にとってそのような経験をした人はほとんどいないと言っていいと思いますが、そうすると、法律についての知識もありません。事前協議もなく、結果だけを通告されて、最終段階で意見を聴くということであれば、これは形式的に聞きおくだけということになります。スピーディーな処理というのが分からないわけでもありませんが、雇用の承継や労働条件に直接かかわる営業譲渡については、意見聴取ではなくて事前協議とすべきであります。
また、営業譲渡全般についても、会社分割と同様に労働契約承継についての法的なルールを作るべきであります。その際、譲渡される事業にある労働組合と譲渡元の企業、譲渡先の企業、その三者での協議を義務付ける必要があると思います。この点は、今後、法務省、厚生労働省との間で十分な協議がなされることを強く要望したいと思います。
次に、管財人の選任に関して、経営責任の存しない取締役等に継続して事業を運営させるいわゆるDIP型の更生手続を導入することについてであります。
私たちの経験でも、会社更生法申立て直後は保全管理人の管理下に入って、取締役は原則として全員退任するわけですが、その際に、実務の責任者が不在になって保全管理人が企業の全体を把握するまでに言わば司令塔不在の状態になってしまい、労働組合が現場からの問い合わせに答える、あるいは保全管理人に対して今どのような指示を出すべきか意見具申するといった経験がございます。
また、更生会社の事業再生に当たって、これまで事業に携わってきた旧役員が管財人になる、そのことによって更生がスムーズに進むことがあるというケースも否定しません。しかし、会社更生法申立てというのは、取引先等の債権者に多大の損害や迷惑を与えているわけですから、そういった人たちが管財人に加わる、あるいは管財人代理になるということについては、その必要性、合理性を十分説明する責任があると思います。
経営者が退陣しなければならない会社更生法と違って民事再生法は現経営陣がそのまま残って経営の指揮を執ることができるため、大企業でも会社更生法を選択しないで民事再生法を選択したというケースがあります。これは経営のモラルハザードともいうべき問題であって、私どももそうしたことに立ち会ったわけですが、そうした場合には、民事再生申立て企業でも、経営責任の所在を明らかにさせて経営者に退陣を求めたこともあります。会社更生法改正によってこの点について経営者のモラルハザードを起こすことがあってはならないと思います。
企業の再建のためには、当該企業の従業員の理解と協力、とりわけ倒産企業を再建させるためには、理屈抜きに従業員の求心力となるべき人材が必要になります。裁判所が旧経営陣を管財人とする場合には、その選任について労働組合からの意見を事前に十分聴くべきであると思います。
次に、適用法人の拡大についてであります。
現行法では適用対象は株式会社のみでありますが、しかし、経営が苦境にあるのは、株式会社だけではなくて学校法人あるいは医療法人のような公益法人もあるわけですし、協同組合形態による事業体、あるいは今後、特殊法人、認可法人、独立行政法人についても経営が行き詰まるところがあるかもしれません。
私も県や市が出資した第三セクターの会社更生にもかかわりましたけれども、これは株式会社であったために会社更生法が適用されましたが、別の形態の法人ではこれを使うことができなかったわけです。会社更生法の特徴は、すべての利害関係人を取り込み、会社の役員、資本構成、組織変更までを含んだ抜本的な再建計画の立案が可能になることであります。こうした枠組みを活用するためには適用法人を一般まで広げるべきだと思います。
最後に、会社更生法だけの問題ではありませんが、倒産法制における労働債権の優先順位の引上げについて申し上げたいと思います。
今後も不良債権の抜本処理に関係して倒産件数が更に増加することが懸念されます。こうした中で労働債権が確保できないという事態が発生します。現行法制では労働債権の保護が余りにも不十分であり、倒産法制の中での労働債権の優先順位を引き上げる必要があります。
一九九二年に採択されたILO百七十三号条約では、国内法令は労働者債権に他の大部分の優先的債権、特に国家や社会保険料よりも高い優先権を与えると定められております。つまり、国税や社会保険料などの公租公課よりも労働債権が優先的に取り扱われることを義務付けております。日本はこの条約を批准しておりませんが、労働債権は公租公課よりも劣位にあります。労働債権を租税、社会保険料債権よりも優先させるべきであります。
それから、担保権と労働債権の順位につきましても、現在は労働債権は担保権よりも劣位にあります。法的手続に至った企業は、不動産等はほとんど担保設定されており、労働債権に回せるものがないというのが実態です。会社更生法でも共益債権となる労働債権の範囲が限られております。
会社更生法のみならず倒産法制全般において、一定限度の労働債権は抵当権等の担保権より優先すべきであるということを最後に申し上げまして、私の意見陳述を終わります。
この発言だけを見る →UIゼンセン同盟は、本年九月にゼンセン同盟、CSG連合、繊維生活労連の三組織が統合して結成された組合員七十八万人の産業別組織です。UIゼンセン同盟は、製造業、流通・サービス産業を中心に個人消費に密接にかかわる生活関連産業をカバーしております。
私はそこで企業倒産や合理化問題の担当責任者をしておりますが、ここ四年ほど前から、私たちの組織の中でも長期不況によって経営が行き詰まり会社更生法を申し立てる企業が増加しております。私自身がかかわったものとしても、ヤオハン、長崎屋、シーガイア、マイカルなどのケースがございます。もちろん、会社更生法のみならず民事再生あるいは破産申立てといった事案も多いわけです。
これら倒産法制全般について意見がございますけれども、本日は会社更生法改正案にかかわる論点に絞って意見を申し述べさせていただきます。
まず第一は、労働組合の手続関与であります。
不良債権処理が企業経営者と銀行との間で行われている間は従業員は直接の当事者でありませんが、倒産法制を活用する場合には取引先や当該企業に働く従業員にも直接的な影響を与えます。倒産法制は、当該企業に働く従業員にとって雇用あるいは労働条件に直接かかわる問題でありながら、しかし、これまでは労働組合がその手続に関与するウエートは極めて低いものでありました。例えば、現行の会社更生法においては、百九十五条で更生計画案について裁判所の労働組合等からの意見聴取があるのみであります。
二〇〇〇年四月から和議法を全面的に改正する形で民事再生法が施行されましたが、この民事再生法では、これまでの倒産法制に比べて労働組合の手続関与の割合が増えました。今回の会社更生法改正におきましても、労働組合が民事再生法と同様に手続の各段階に関与できる旨の規定が設けられ、それに加えて、民事再生法にはない労働組合の手続関与が更に書き加えられたことは率直に評価したいと思います。
特に、会社更生法の場合は、更生計画案の策定段階よりも更生手続開始の段階でスポンサーが事実上決定するなど、更生の枠組みが決まってしまうケースが多いので、更生手続開始前から労働組合の意見聴取ができるように法改正すべきであるということを、私はかねてからそういう意見を持っておりましたけれども、今回の改正でこれが明記されたことは評価したいと思います。
ただ、民事再生法の下で私たちが経験したところでは、民事再生法では、原則的には債権者と債務者との間で決められるという枠組みであるために労働組合の意見は聞きおく程度というのが実情でございます。会社更生法では管財人や裁判所の管理の度合いが高いわけでありますから、また、会社更生法の場合は手続が厳格で、更生計画案の策定に至るまでに幾つかの関門といいますか、節目節目があるわけであります。そうした各段階での労働組合の意見聴取にとどまらず、これを協議というレベルまで引き上げるべきであるというふうに私は思っております。
とりわけ問題と思っておりますのは営業譲渡であります。改正案にある更生計画認可前の営業譲渡については、これは当該企業に働く従業員の譲渡先との雇用契約の承継に密接にかかわる問題であります。しかし、これについての労働組合の関与は、営業譲渡の許可の際の裁判所による意見聴取ということとなっております。労使関係の分野では、こうした問題は意見聴取ではなくて事前協議で行っております。このような内容の改正では今後様々な営業譲渡にかかわる問題が出てくることが予想されます。
お手元に資料をお配りしておりますので、ごらんいただきたいと思います。
これは、営業譲渡にかかわって厚生労働省内に設置された企業組織再編に伴う労働関係上の諸問題に関する研究会の報告でございます。この報告書の結論は、営業譲渡時の労働契約の承継については特段の立法措置の必要はないというのが結論であります。この結論そのものについても私は問題があると思いますが、ここでは営業譲渡全体の問題には触れません。
ただ、報告書では特段の立法措置は必要ないとしながらも、二ページのところですが、譲渡会社が経営破綻している場合についてこの報告書では、
譲渡会社自体が経営破綻していることから、当該譲渡会社の全ての雇用を確保することは、一般的には困難であり、様々な努力によって、どれだけの雇用の場が確保できるのかが焦点となる。
このような場合には、譲渡会社の破綻処理・再建の過程を通じて、労働者の雇用や労働条件について、適切な配慮がなされることを期待することになる。このため、具体的には、会社更生法等法律に基づく手続等において、労働組合等に適切な関与の機会が与えられ、管財人等が労働関係法を遵守し、裁判所が手続の過程で雇用等に適切な考慮をすることによって、対応すべきである。
こう述べているわけであります。
この研究会は、第百四十七国会における商法改正による会社分割制度の創設と労働契約承継法の制定の際に、衆参両院の附帯決議を受けて営業譲渡を中心に調査研究を行ってきたものであります。
当時の国会の附帯決議では「立法上の措置を含め」という形でボールが投げられたわけでありますが、厚生労働省の研究会報告は、特段の立法の措置の必要はないという結論を出し、しかし、譲渡会社が破綻している場合には会社更生法等法律に基づく手続等において労働組合に適切な手続関与の機会を与えるべきであるという形で今度は逆に球が投げ返されてきた。今回法務省が中心になってまとめた会社更生法改正案には、更生計画提出前の営業譲渡を認めたにもかかわらず労働組合の手続関与に関しては意見聴取にとどめたわけであります。
民事再生法の下でも再生計画提出前の営業譲渡が認められております。この営業譲渡の実態について私が直接かかわった事案に関してだけでも、全部譲渡のケース、それから一部譲渡のケース、それから譲渡先が複数企業にわたるケースなど様々であり、その後の再生手続でも、申立て企業が清算型に行く場合もあるし再建型に行く場合もあります。要するに、営業譲渡はケース・バイ・ケースで判断せざるを得ず、私どもUIゼンセン同盟の場合は、そうした場合には個別に合理化対策委員会を設置して、経営者あるいは弁護団、管財人等と随時協議をして、従業員の最大限の雇用、雇用がどのような受皿で移るのかということについてかなり協議をしているわけであります。
こうした民事再生法での経験から類推するに、会社更生法においても今後、更生計画提出前に営業譲渡するケースがかなり出てくるものと思います。営業譲渡がなされる場合、雇用数あるいは労働条件といったものは極めて当該従業員にとって重要な問題であり、実際には、運用上は管財人は労働組合にも十分な説明をして理解を求めることになるだろうし、労働組合も、協議の経過を組合員に報告するなどして、個別の営業譲渡問題について、そこに働く労働者としてこれが理解できるのか、納得できるのかという判断をしていくことになると思います。
ただ、管財人が労働組合との事前協議に応じてくれるかどうかというのは、法律の規定がない以上、これはあくまでも管財人の善意に期待するだけということになります。
会社更生法のような申立てというのは、私たち産業別労働組合にいる人間は幾つか経験がありますが、企業別組合の役員にとってそのような経験をした人はほとんどいないと言っていいと思いますが、そうすると、法律についての知識もありません。事前協議もなく、結果だけを通告されて、最終段階で意見を聴くということであれば、これは形式的に聞きおくだけということになります。スピーディーな処理というのが分からないわけでもありませんが、雇用の承継や労働条件に直接かかわる営業譲渡については、意見聴取ではなくて事前協議とすべきであります。
また、営業譲渡全般についても、会社分割と同様に労働契約承継についての法的なルールを作るべきであります。その際、譲渡される事業にある労働組合と譲渡元の企業、譲渡先の企業、その三者での協議を義務付ける必要があると思います。この点は、今後、法務省、厚生労働省との間で十分な協議がなされることを強く要望したいと思います。
次に、管財人の選任に関して、経営責任の存しない取締役等に継続して事業を運営させるいわゆるDIP型の更生手続を導入することについてであります。
私たちの経験でも、会社更生法申立て直後は保全管理人の管理下に入って、取締役は原則として全員退任するわけですが、その際に、実務の責任者が不在になって保全管理人が企業の全体を把握するまでに言わば司令塔不在の状態になってしまい、労働組合が現場からの問い合わせに答える、あるいは保全管理人に対して今どのような指示を出すべきか意見具申するといった経験がございます。
また、更生会社の事業再生に当たって、これまで事業に携わってきた旧役員が管財人になる、そのことによって更生がスムーズに進むことがあるというケースも否定しません。しかし、会社更生法申立てというのは、取引先等の債権者に多大の損害や迷惑を与えているわけですから、そういった人たちが管財人に加わる、あるいは管財人代理になるということについては、その必要性、合理性を十分説明する責任があると思います。
経営者が退陣しなければならない会社更生法と違って民事再生法は現経営陣がそのまま残って経営の指揮を執ることができるため、大企業でも会社更生法を選択しないで民事再生法を選択したというケースがあります。これは経営のモラルハザードともいうべき問題であって、私どももそうしたことに立ち会ったわけですが、そうした場合には、民事再生申立て企業でも、経営責任の所在を明らかにさせて経営者に退陣を求めたこともあります。会社更生法改正によってこの点について経営者のモラルハザードを起こすことがあってはならないと思います。
企業の再建のためには、当該企業の従業員の理解と協力、とりわけ倒産企業を再建させるためには、理屈抜きに従業員の求心力となるべき人材が必要になります。裁判所が旧経営陣を管財人とする場合には、その選任について労働組合からの意見を事前に十分聴くべきであると思います。
次に、適用法人の拡大についてであります。
現行法では適用対象は株式会社のみでありますが、しかし、経営が苦境にあるのは、株式会社だけではなくて学校法人あるいは医療法人のような公益法人もあるわけですし、協同組合形態による事業体、あるいは今後、特殊法人、認可法人、独立行政法人についても経営が行き詰まるところがあるかもしれません。
私も県や市が出資した第三セクターの会社更生にもかかわりましたけれども、これは株式会社であったために会社更生法が適用されましたが、別の形態の法人ではこれを使うことができなかったわけです。会社更生法の特徴は、すべての利害関係人を取り込み、会社の役員、資本構成、組織変更までを含んだ抜本的な再建計画の立案が可能になることであります。こうした枠組みを活用するためには適用法人を一般まで広げるべきだと思います。
最後に、会社更生法だけの問題ではありませんが、倒産法制における労働債権の優先順位の引上げについて申し上げたいと思います。
今後も不良債権の抜本処理に関係して倒産件数が更に増加することが懸念されます。こうした中で労働債権が確保できないという事態が発生します。現行法制では労働債権の保護が余りにも不十分であり、倒産法制の中での労働債権の優先順位を引き上げる必要があります。
一九九二年に採択されたILO百七十三号条約では、国内法令は労働者債権に他の大部分の優先的債権、特に国家や社会保険料よりも高い優先権を与えると定められております。つまり、国税や社会保険料などの公租公課よりも労働債権が優先的に取り扱われることを義務付けております。日本はこの条約を批准しておりませんが、労働債権は公租公課よりも劣位にあります。労働債権を租税、社会保険料債権よりも優先させるべきであります。
それから、担保権と労働債権の順位につきましても、現在は労働債権は担保権よりも劣位にあります。法的手続に至った企業は、不動産等はほとんど担保設定されており、労働債権に回せるものがないというのが実態です。会社更生法でも共益債権となる労働債権の範囲が限られております。
会社更生法のみならず倒産法制全般において、一定限度の労働債権は抵当権等の担保権より優先すべきであるということを最後に申し上げまして、私の意見陳述を終わります。
魚
魚住裕一郎#8
○委員長(魚住裕一郎君) ありがとうございました。
以上で参考人の意見陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の意見陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
佐
佐々木知子#9
○佐々木知子君 おはようございます。自由民主党の佐々木知子でございます。
今日は、三人の参考人の先生方、貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。
まず、宗田参考人にお伺いしたいんですけれども、今回、会社更生法を全面改正して会社更生手続を使いやすく改めますと、民事再生手続と会社更生手続とのすみ分けの問題が今まで以上にクローズアップされてくるのではないかと考えております。現状におきましても、マイカルに代表されますように、当初は再生手続開始の申立てをしながら、後に会社更生手続へ移行する例が少なからず生じております。
このような事態が生ずる原因はどこにあると考えておられるか、あるいは将来は二つの手続は統合すべきであるのかどうか、宗田参考人にお伺いいたします。
この発言だけを見る →今日は、三人の参考人の先生方、貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。
まず、宗田参考人にお伺いしたいんですけれども、今回、会社更生法を全面改正して会社更生手続を使いやすく改めますと、民事再生手続と会社更生手続とのすみ分けの問題が今まで以上にクローズアップされてくるのではないかと考えております。現状におきましても、マイカルに代表されますように、当初は再生手続開始の申立てをしながら、後に会社更生手続へ移行する例が少なからず生じております。
このような事態が生ずる原因はどこにあると考えておられるか、あるいは将来は二つの手続は統合すべきであるのかどうか、宗田参考人にお伺いいたします。
宗
宗田親彦#10
○参考人(宗田親彦君) 宗田でございます。
私も佐々木先生と同じようなことを考えてございまして、将来統合すべきものは統合してよろしいのではないか、民事再生法が会社更生法を追い掛けて、追い抜いて、会社更生が民事再生を追い掛けてというようなことをして、また破産法も実体法改正の今作業が進んでございますが、それでも、民事再生、会社更生でも同様にこの部分を改正することというと、実は統合するべきものは統合しようというのがベースに潮流としてあるのではないかというふうに考えるわけです。
しかしながら、先ほど申しましたように、民事再生と会社更生のすみ分け、ですから、総論というか総則の部分では統合しておいて、それぞれのキャラクターを持った部分については各則としてそれぞれを定めるというような形になろうかというふうに考えておるわけでございますが、それぞれのキャラクターといったときの民事再生は何といってもDIP、再生債務者に管理・処分権があるというところが、これが原則というところが外せないところ。
そういうようなことから、今、他の参考人から、会社更生にも適用対象を拡大した方がよろしいのではないかと。私もやや同じような考えを抱いていた時期もございますし、そういう発言をしたこともあるんですが、会社更生の運用が株式会社とだけ法文は定めますが、現状では、一地方に、その地方における社会経済に大きな影響を及ぼすものというのが運用のラインでございますから、東京のような大都会とあるいは地方の都市における企業とでは規模が違っても会社更生はそれぞれの地方における影響があればそれでなされるというようなことがあることと、役員が残存するということによって、理論上は、私は、民事再生の再生債務者というのは従前の債務者とは変わった手続上の機関としての、第三者としての位置付けになるのだというふうに考えて、そういう論考も立てたことがございますが。
しかしながら、やはり従来の債務者が、立場が変わった第三者、機関としての債務者、人間としては同じです。機関として変わりましたといっても、法感情としてややしっくりこないものがどうしても残らざるを得ないというようなことがあったり、それから、御案内の具体的な民事再生から会社更生に移ったケースなどでは、スポンサーとの間の信頼、取引相手方からの信頼、それから内部におけるあつれき、その他がありまして、私が見るのに、やはり管財人という一定の権限を持つ者、裁判所の監督があるというこの二つが大変に強力に再建をスピードアップしてスムーズにできる一つのポイントだというふうに考えておりますから、それぞれのすみ分けといいますと、それぞれそれに即したものをお選びになればよろしいことだし、そのようにバラエティーに富んだメニューを用意しておくことが法制度としては必要ではないか。
ですから、一言で言えば、管財人による強制権限、裁判所による管理ということで再建するというよりは、それ以前の段階で自主的に合意に基づいてスポンサーその他、又は増資をするなどによって再建できるという方が企業としては望ましいし、そういう方がより倒産からリモートしているというか、まだ安全なところにあると。それを脱して、更に規模の大きなところは、それ以上のレベルのところは会社更生で強力に再建していくと。
そうすると、残るは、社会においてその企業を残させるのがよろしいかどうかという観点になるわけですが、しかしながら、先ほども他の参考人から御指摘がありましたように、最近では、当の企業から営業の譲渡ということによって企業の再建から事業の再建へというふうにシフトされてございますので、従業員を……
この発言だけを見る →私も佐々木先生と同じようなことを考えてございまして、将来統合すべきものは統合してよろしいのではないか、民事再生法が会社更生法を追い掛けて、追い抜いて、会社更生が民事再生を追い掛けてというようなことをして、また破産法も実体法改正の今作業が進んでございますが、それでも、民事再生、会社更生でも同様にこの部分を改正することというと、実は統合するべきものは統合しようというのがベースに潮流としてあるのではないかというふうに考えるわけです。
しかしながら、先ほど申しましたように、民事再生と会社更生のすみ分け、ですから、総論というか総則の部分では統合しておいて、それぞれのキャラクターを持った部分については各則としてそれぞれを定めるというような形になろうかというふうに考えておるわけでございますが、それぞれのキャラクターといったときの民事再生は何といってもDIP、再生債務者に管理・処分権があるというところが、これが原則というところが外せないところ。
そういうようなことから、今、他の参考人から、会社更生にも適用対象を拡大した方がよろしいのではないかと。私もやや同じような考えを抱いていた時期もございますし、そういう発言をしたこともあるんですが、会社更生の運用が株式会社とだけ法文は定めますが、現状では、一地方に、その地方における社会経済に大きな影響を及ぼすものというのが運用のラインでございますから、東京のような大都会とあるいは地方の都市における企業とでは規模が違っても会社更生はそれぞれの地方における影響があればそれでなされるというようなことがあることと、役員が残存するということによって、理論上は、私は、民事再生の再生債務者というのは従前の債務者とは変わった手続上の機関としての、第三者としての位置付けになるのだというふうに考えて、そういう論考も立てたことがございますが。
しかしながら、やはり従来の債務者が、立場が変わった第三者、機関としての債務者、人間としては同じです。機関として変わりましたといっても、法感情としてややしっくりこないものがどうしても残らざるを得ないというようなことがあったり、それから、御案内の具体的な民事再生から会社更生に移ったケースなどでは、スポンサーとの間の信頼、取引相手方からの信頼、それから内部におけるあつれき、その他がありまして、私が見るのに、やはり管財人という一定の権限を持つ者、裁判所の監督があるというこの二つが大変に強力に再建をスピードアップしてスムーズにできる一つのポイントだというふうに考えておりますから、それぞれのすみ分けといいますと、それぞれそれに即したものをお選びになればよろしいことだし、そのようにバラエティーに富んだメニューを用意しておくことが法制度としては必要ではないか。
ですから、一言で言えば、管財人による強制権限、裁判所による管理ということで再建するというよりは、それ以前の段階で自主的に合意に基づいてスポンサーその他、又は増資をするなどによって再建できるという方が企業としては望ましいし、そういう方がより倒産からリモートしているというか、まだ安全なところにあると。それを脱して、更に規模の大きなところは、それ以上のレベルのところは会社更生で強力に再建していくと。
そうすると、残るは、社会においてその企業を残させるのがよろしいかどうかという観点になるわけですが、しかしながら、先ほども他の参考人から御指摘がありましたように、最近では、当の企業から営業の譲渡ということによって企業の再建から事業の再建へというふうにシフトされてございますので、従業員を……
魚
宗
宗田親彦#12
○参考人(宗田親彦君) はい。
従業員を伴って営業譲渡をすると。
私の担当した日本リースのケースでも、GEの子会社とGMの子会社にそれぞれ数百人ずつを付けて営業譲渡をいたしましたけれども、労働条件は同一ということで一歩も譲らずに、そこは営業譲渡契約に臨んでそれが貫徹されたという経験を持っておりますので、御報告申し上げております。
この発言だけを見る →従業員を伴って営業譲渡をすると。
私の担当した日本リースのケースでも、GEの子会社とGMの子会社にそれぞれ数百人ずつを付けて営業譲渡をいたしましたけれども、労働条件は同一ということで一歩も譲らずに、そこは営業譲渡契約に臨んでそれが貫徹されたという経験を持っておりますので、御報告申し上げております。
魚
佐
角
角田義一#15
○角田義一君 今日は、三人の参考人の皆様から大変御高説をいただきまして、ありがとうございます。
古川先生にお尋ねいたしますが、先ほどの、今度の法律は安楽死だと、突然死と安楽死という話が出まして、聞いた方は突然死しそうなショックを受けましたんですが、私は率直に思いまして、今日リストラのあらしが吹きすさんでいるんですが、逢見参考人もおられますけれども、労働組合もそれなりの抵抗はいたしておると思うんですが、何か風潮とすると、リストラは当然のような風潮がやっぱり一般にありまして、そして、今日非常に深刻な失業の事態を招いているというようなことを考えます。
さらにまた、中小企業の経営者、自殺をする人もうんと多いということを考えますと、手続法とはいえ、こういった会社更生法のどういう理念で把握すべきかという、この倒産の現象を。やっぱりそこには、一般債権者、中小企業の方とか、特に働く労働者の方とか、社会的全体のことを考えながら企業の社会的責任や存在ということを考えた場合に、やっぱり倒産するか再建するかにしても、どういう理念でもってそれに対応すべきかというその理念がないと右往左往するだけだと私は思うんですね。
それは、フランスの先ほどのを聞きますと、一つの見識だと思うし、立派な法制だと思うんですけれども、実務を担当されておられて、どういうその辺はお考えを持っておられますか。聞きたいですな。
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さらにまた、中小企業の経営者、自殺をする人もうんと多いということを考えますと、手続法とはいえ、こういった会社更生法のどういう理念で把握すべきかという、この倒産の現象を。やっぱりそこには、一般債権者、中小企業の方とか、特に働く労働者の方とか、社会的全体のことを考えながら企業の社会的責任や存在ということを考えた場合に、やっぱり倒産するか再建するかにしても、どういう理念でもってそれに対応すべきかというその理念がないと右往左往するだけだと私は思うんですね。
それは、フランスの先ほどのを聞きますと、一つの見識だと思うし、立派な法制だと思うんですけれども、実務を担当されておられて、どういうその辺はお考えを持っておられますか。聞きたいですな。
古
古川景一#16
○参考人(古川景一君) おっしゃること、よく分かるので、私が言いたいのは、企業が倒産したときに利害対立が必ず複数の人たちにある、その利害対立を起こしている人たちすべてをきちんと手続の中に取り込んで発言の機会を与える、これがやはり基本になると思うんです。
それで、その観点で見たときに、先ほど申し上げたのは、現行法でいえば一番取り残されているのが労働者である、こう考えるわけです。
この発言だけを見る →それで、その観点で見たときに、先ほど申し上げたのは、現行法でいえば一番取り残されているのが労働者である、こう考えるわけです。
角
角田義一#17
○角田義一君 それと、あともう一つ私が非常に感じたのは、例えばヤオハンというのを見たら、一般債権者というのは九七%切られているわけですね。新聞等によると、それは一人一人頭下げて回って同意を得たということでありますけれども、切られる方の立場になるとこれは深刻だと思うんですよ。ヤオハンは再建ができたからいいようなものだけれども、切られる中小企業者は、九七%切られたらこれは大変ですわな。連鎖倒産が起こりますよ。
そうすると、再建計画をするときに、私は、それは同意が得られればいいというものの、果たして九七%とか九〇%というようなことを平然とやっていいものかどうかという、非常に疑問に思うんです。これ、つぶしちまえばゼロになるかもしれぬけれども、いやしくも再建と、会社更生は再建なんでしょうから、再建というときにこれはいかがなものかというふうに私は思うんですが、これはひとつ、宗田先生はリースで特に大変ならつ腕を振るわれたようでありますけれども、これ、どう思いますか。
この発言だけを見る →そうすると、再建計画をするときに、私は、それは同意が得られればいいというものの、果たして九七%とか九〇%というようなことを平然とやっていいものかどうかという、非常に疑問に思うんです。これ、つぶしちまえばゼロになるかもしれぬけれども、いやしくも再建と、会社更生は再建なんでしょうから、再建というときにこれはいかがなものかというふうに私は思うんですが、これはひとつ、宗田先生はリースで特に大変ならつ腕を振るわれたようでありますけれども、これ、どう思いますか。
宗
宗田親彦#18
○参考人(宗田親彦君) おっしゃるように、破産するのであれば三%の配当、九七%カット、会社更生では果たしてどうか。
ここで、私ども通常、運用として、会社更生でもそうですし民事再生でもそうでございますが、破産価値、清算価値だとすると何%、先ほど申しました市場価値、つまり時価でいくと何%、それからディスカウント・キャッシュ・フローでいくと何%の配当ということを三つぐらい更生計画の前には出しまして、それで、最低限度の破産価値、破産清算のパーセンテージよりも以上でなければ更生計画としては妥当でない、アメリカにはそういうルールがございますが、日本でも運用としてそのようにしてございます。
この発言だけを見る →ここで、私ども通常、運用として、会社更生でもそうですし民事再生でもそうでございますが、破産価値、清算価値だとすると何%、先ほど申しました市場価値、つまり時価でいくと何%、それからディスカウント・キャッシュ・フローでいくと何%の配当ということを三つぐらい更生計画の前には出しまして、それで、最低限度の破産価値、破産清算のパーセンテージよりも以上でなければ更生計画としては妥当でない、アメリカにはそういうルールがございますが、日本でも運用としてそのようにしてございます。
角
角田義一#19
○角田義一君 もう一遍、ちょっと古川先生に戻りますけれども、フランスのような法制というのは、ただそれはフランスだけでございますか、EUの中では皆そういうような法制度を取っているんですか。
この発言だけを見る →古
古川景一#20
○参考人(古川景一君) 残念ながら、今の段階で詳細なレポートが出ておりますのは、お手元に配りましたこの川口先生のレポートでフランスのことが分かっているぐらいでありまして、それ以外の国で労働者保護がどうなっているのかということについては、残念ながら研究がまだほとんどなされていない実情でございます。
この発言だけを見る →角
角田義一#21
○角田義一君 逢見参考人に若干お尋ねしたいと思うんですけれども、大変現場で苦労されておられるので、よく御苦労の気持ちは痛いほど分かるんですが、二、三点聞きますけれども、先ほど、営業譲渡の件ですが、営業譲渡といっても現実はやはり相当なリストラが伴っているんじゃないのかなと。全員が本当に行けるのかなと。そして、そういう首を切られていくというのを一生懸命労働者は抵抗をしているんだと思いますけれども、闘う武器を我々立法から与えていないということは、私はさっきもお話を聞いて大変怠慢だというふうに反省をしているんですが、どういう闘う武器が欲しいですか、現場で苦労されて。
営業譲渡の前の労働者のリストラを防ぐというか、いろいろ判例では、営業譲渡のときの労働契約の継承の問題についてまだ最高裁の判例は出ていないようですけれども、判例は判例として、立法としてどのようにしてもらうのが一番いいということですか。
先ほど、管財人の善意に期待するだけじゃ駄目だということ、それはそのとおりだと思うんですが、じゃ法整備としてどういうのが、現場の経験でこういうふうにしてもらえれば一番有り難いなというふうなお気持ちというか、あれがあれば私は提起してもらいたいと思うんですけれどもね。
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先ほど、管財人の善意に期待するだけじゃ駄目だということ、それはそのとおりだと思うんですが、じゃ法整備としてどういうのが、現場の経験でこういうふうにしてもらえれば一番有り難いなというふうなお気持ちというか、あれがあれば私は提起してもらいたいと思うんですけれどもね。
逢
逢見直人#22
○参考人(逢見直人君) 会社更生法申立てのように、経営が破綻した企業をどのように立て直すか。これは通常の健全な企業とまた違っておりまして、そこに破綻に至る原因があったわけですから、その破綻に至った原因を取り除いていかないとその企業が再建できない。それが赤字部門を抱えていてこれは到底事業として継続できないということになれば、やっぱりそこはリストラといいますか、そこを削らないとなかなかその企業は再建できないということになると思います。
そういう意味で、闘うといっても、全面的に勝負しても結局は何も取れないということもあるわけですので、その破綻企業における労働組合の闘い方といいますか、そこは非常に難しいんですが、営業譲渡で、ある部分雇用が守れるというんであれば、そこにできるだけ雇用を引き継いでもらって、経営体は替わってもそこの職場は残るというのが、私たちはそれがその時点における最善の選択だとしたら、そういう道も選ばざるを得ないと思っています。ただ、今は全くルールがないわけですね。つまり、営業譲渡しても雇用は一切引き継ぎませんという契約でも有効なわけです。会社分割に伴う労働契約承継のようなルールをやっぱり営業譲渡にも作るべきだというふうに思います。
それともう一つは、先ほどの繰り返しになりますが、事前協議でそのプロセスに労働組合も入って、その中で労働組合も納得できる形で営業譲渡に行くと。それが蚊帳の外に置かれて、結論部分だけ示されて、さあ意見を述べよと言われても、それでは単に聞きおくだけの意見聴取ではないかというふうに思うんですね。そういう、是非そのプロセスに関与させるようなものを担保していただきたいというふうに思っております。
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それともう一つは、先ほどの繰り返しになりますが、事前協議でそのプロセスに労働組合も入って、その中で労働組合も納得できる形で営業譲渡に行くと。それが蚊帳の外に置かれて、結論部分だけ示されて、さあ意見を述べよと言われても、それでは単に聞きおくだけの意見聴取ではないかというふうに思うんですね。そういう、是非そのプロセスに関与させるようなものを担保していただきたいというふうに思っております。
角
角田義一#23
○角田義一君 私も田舎におりますから、中小企業の倒産とかいろいろまだ、ちょっと実務から離れてはいますけれども、相談を受けるときに、やっぱり先ほど言った税金の問題ですな。国とか地方公共団体が税金の優先権を持っておって、そしてそれが余り固いことを言ってやるものだから、よく、君ら国はあれかい、企業つぶして労働者を殺す気かなんと言ってうなって、よく談判に参加することもあるんだけれども、先ほどのILOのことをもうちょっと詳しくお話ししていただけると、今後これ、どうやって労働者を保護するために頑張れるかなというふうに思うので、もうちょっと御説明いただけると有り難いですな、労働債権の優先権の問題。
この発言だけを見る →逢
逢見直人#24
○参考人(逢見直人君) ILO百七十三号条約というのは、労働者債権の保護に関する条約で三部構成になっておりますが、特にその第二部のところで優先順位のことが書かれているわけです。
その中で、国税や社会保険料などよりも労働者債権に優先権を与えるということが条約に明記されておりまして、これを批准している国もあるわけですね。言わば、ILO条約というのは労働の分野におけるグローバルスタンダードと言っていいと思うんですが、日本は当然のこととしてこれを批准していないわけです。
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角
逢
逢見直人#26
○参考人(逢見直人君) 批准していないんです。
問題は、私は法務省の法制審議会でも意見を述べましたけれども、結局は国税徴収法を変えないことにはこれが変えられないんだということで、法務省はそれを財務省に責任を押し付けているわけです。国税徴収法の見直しということについては、これは省庁間の話でなく、やはり国会の場で是非こういう問題を取り上げて、この優先順位の見直しについて是非お願いしたいというふうに思っております。
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角
角田義一#27
○角田義一君 十四分までだというから、あと二分あるから。
失礼ですけれども、ILOの百七十三号条約をちゃんと批准してそういう法律化されている国というのはあるんですか、例えば今言ったフランスのようなところとか。──ちょっと相談してください。
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逢
角