農林水産委員会
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会
会議録情報#0
平成十八年六月八日(木曜日)
午前九時開会
─────────────
委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
野村 哲郎君 鶴保 庸介君
平野 達男君 主濱 了君
六月二日
辞任 補欠選任
鶴保 庸介君 野村 哲郎君
主濱 了君 大久保 勉君
六月五日
辞任 補欠選任
大久保 勉君 主濱 了君
六月六日
辞任 補欠選任
谷合 正明君 魚住裕一郎君
六月七日
辞任 補欠選任
岸 信夫君 坂本由紀子君
松下 新平君 犬塚 直史君
魚住裕一郎君 谷合 正明君
六月八日
辞任 補欠選任
坂本由紀子君 岸 信夫君
犬塚 直史君 松下 新平君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 岩城 光英君
理 事
加治屋義人君
常田 享詳君
小川 勝也君
小川 敏夫君
委 員
岩永 浩美君
岸 信夫君
国井 正幸君
小斉平敏文君
野村 哲郎君
三浦 一水君
犬塚 直史君
郡司 彰君
主濱 了君
ツルネン マルテイ君
松下 新平君
和田ひろ子君
谷合 正明君
福本 潤一君
紙 智子君
国務大臣
農林水産大臣 中川 昭一君
副大臣
農林水産副大臣 三浦 一水君
大臣政務官
法務大臣政務官 三ッ林隆志君
農林水産大臣政
務官 小斉平敏文君
事務局側
常任委員会専門
員 高野 浩臣君
政府参考人
法務大臣官房審
議官 深山 卓也君
財務省主計局次
長 松元 崇君
農林水産省総合
食料局長 岡島 正明君
農林水産省生産
局長 西川 孝一君
農林水産省経営
局長 井出 道雄君
農林水産省農村
振興局長 山田 修路君
参考人
鹿児島県農業協
同組合中央会会
長 川井田幸一君
東京農工大学名
誉教授 梶井 功君
株式会社農林中
金総合研究所特
別理事 蔦谷 栄一君
愛媛大学農学部
教授 村田 武君
─────────────
本日の会議に付した案件
○農業の担い手に対する経営安定のための交付金
の交付に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
○砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人
農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
○政府参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
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この発言だけを見る →午前九時開会
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委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
野村 哲郎君 鶴保 庸介君
平野 達男君 主濱 了君
六月二日
辞任 補欠選任
鶴保 庸介君 野村 哲郎君
主濱 了君 大久保 勉君
六月五日
辞任 補欠選任
大久保 勉君 主濱 了君
六月六日
辞任 補欠選任
谷合 正明君 魚住裕一郎君
六月七日
辞任 補欠選任
岸 信夫君 坂本由紀子君
松下 新平君 犬塚 直史君
魚住裕一郎君 谷合 正明君
六月八日
辞任 補欠選任
坂本由紀子君 岸 信夫君
犬塚 直史君 松下 新平君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 岩城 光英君
理 事
加治屋義人君
常田 享詳君
小川 勝也君
小川 敏夫君
委 員
岩永 浩美君
岸 信夫君
国井 正幸君
小斉平敏文君
野村 哲郎君
三浦 一水君
犬塚 直史君
郡司 彰君
主濱 了君
ツルネン マルテイ君
松下 新平君
和田ひろ子君
谷合 正明君
福本 潤一君
紙 智子君
国務大臣
農林水産大臣 中川 昭一君
副大臣
農林水産副大臣 三浦 一水君
大臣政務官
法務大臣政務官 三ッ林隆志君
農林水産大臣政
務官 小斉平敏文君
事務局側
常任委員会専門
員 高野 浩臣君
政府参考人
法務大臣官房審
議官 深山 卓也君
財務省主計局次
長 松元 崇君
農林水産省総合
食料局長 岡島 正明君
農林水産省生産
局長 西川 孝一君
農林水産省経営
局長 井出 道雄君
農林水産省農村
振興局長 山田 修路君
参考人
鹿児島県農業協
同組合中央会会
長 川井田幸一君
東京農工大学名
誉教授 梶井 功君
株式会社農林中
金総合研究所特
別理事 蔦谷 栄一君
愛媛大学農学部
教授 村田 武君
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本日の会議に付した案件
○農業の担い手に対する経営安定のための交付金
の交付に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
○砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人
農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律
案(内閣提出、衆議院送付)
○主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
○政府参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告
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岩
岩城光英#1
○委員長(岩城光英君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、平野達男君及び松下新平君が委員を辞任され、その補欠として主濱了君及び犬塚直史君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、平野達男君及び松下新平君が委員を辞任され、その補欠として主濱了君及び犬塚直史君が選任されました。
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岩
岩城光英#2
○委員長(岩城光英君) 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案、砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律案、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
本日は、参考人といたしまして、鹿児島県農業協同組合中央会会長川井田幸一君、東京農工大学名誉教授梶井功君、株式会社農林中金総合研究所特別理事蔦谷栄一君及び愛媛大学農学部教授村田武君に御出席をいただいております。
参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、大変お忙しいところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、何分よろしくお願い申し上げます。
ここで本日の議事の進め方について御説明いたします。
まず、川井田参考人、梶井参考人、蔦谷参考人、村田参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっております。
また、参考人の方々の御発言は着席のままで結構でありますが、質疑者は、慣例により、起立の上発言することとしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、川井田参考人からお願いいたします。川井田参考人。
この発言だけを見る →本日は、参考人といたしまして、鹿児島県農業協同組合中央会会長川井田幸一君、東京農工大学名誉教授梶井功君、株式会社農林中金総合研究所特別理事蔦谷栄一君及び愛媛大学農学部教授村田武君に御出席をいただいております。
参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、大変お忙しいところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
ただいま議題となっております法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいと存じますので、何分よろしくお願い申し上げます。
ここで本日の議事の進め方について御説明いたします。
まず、川井田参考人、梶井参考人、蔦谷参考人、村田参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっております。
また、参考人の方々の御発言は着席のままで結構でありますが、質疑者は、慣例により、起立の上発言することとしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、川井田参考人からお願いいたします。川井田参考人。
川
川井田幸一#3
○参考人(川井田幸一君) おはようございます。
私は、鹿児島県農協連中央会の川井田でございます。
本日、参考人として意見を述べる機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。私は無論、鹿児島、沖縄両県のJAグループ、生産者にとりまして大変有り難いことと心から感謝を申し上げます。岩城農林水産委員会委員長を始め、理事並びに委員の先生方に衷心より厚く御礼を申し上げます。
また、かねてより、私どもサトウキビ、カンショの生産振興と生産者の経営安定に多大な御配慮、御指導を賜っておりますこと、この場をおかりしまして改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
本日は、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律案に関し意見を述べたいと存じます。
砂糖及びカンショの作物政策の見直しに当たりましては、農林水産省が平成十六年八月に砂糖及びでん粉に関する検討会を設置し、平成十七年三月に政策の基本方向を取りまとめましたが、私は、この検討会に委員として参画をし、地域農業の基幹作物であり、地域経済社会で重要な位置を占めておりますサトウキビとカンショを守り育てる政策をつくるべきだと強く主張してまいったところでございます。そして、取りまとめられました基本方向は、私ども生産者側の意見が十分に取り入れられたものであると理解をいたしております。
この法律案は、この基本方向を踏まえ、かつ、その後の産地側との協議、検討を重ねた内容に即したものと判断をいたしておりますので、基本的には賛成するものでございます。
しかしながら、十九年度からの新たなサトウキビ及びでん粉原料用カンショの品目別経営安定対策への移行に当たって、サトウキビで約三万戸、カンショで約一万五千戸の生産者を始め、関係者が幾つかの点において将来への不安を持っているところでございます。
これらの点につきまして意見を申し上げますが、生産者がこれからも意欲と希望を持って生産を続けられる政策となりますように、国会での十分な審議を心からお願いをする次第でございます。
まず、サトウキビについてでございますが、第一に、最低生産者価格を廃止し、新たに生産条件格差を補う交付金を交付する制度となるわけでございますが、生産者の手取り水準がどうなるのか、最も不安に思っているところでございます。
申すまでもなく、現行の手取りは、最低生産者価格関連対策も含め、トン当たり二万四百七十円となっておりますが、販売価格の生産者手取り分と交付金を合わせ、現行の手取り水準を確保することが生産者の経営安定とサトウキビの増産を図る上で必要不可欠であると思っております。
第二に、新たな経営安定対策による交付金の交付対象者の問題でございます。
対象者が絞られ、サトウキビ作りができないのではないかという小規模な生産者の声が現場にございます。
現在、サトウキビ一戸当たりの収穫面積は一ヘクタール未満が七割強と零細であり、かつ高齢化が進んでいるという問題を抱えてございます。今後、産地において認定農業者の育成や規模拡大、作業受託組織の育成などの取組を加速させていく考えでございますが、新しい制度において零細農家が対象にならないと、鹿児島県の南西諸島の耕地面積約五割強、沖縄県で約六割強に作付けされているサトウキビの作付面積が減り、また、両県合わせて約二百三十億円とも言われるサトウキビ粗生産額が大きく減少することになり、結果として島に住めなくなるということも懸念されます。
鹿児島県では、平成二十一年の生産目標を平成十六年に比べ八万トン増の五十八万五千トン、また沖縄県では平成二十一年の生産目標を平成十六年に比べ十八万トン増の八十六万五千トンの増産計画を立てております。この生産計画を支える多数の零細農家が頑張れますように、鹿児島県の南西諸島並びに沖縄県の現状と歴史的経緯を十分認識した上で、対象要件の特認の設定と担い手の確保状況を踏まえた特認期間の設定を強く要望するものでございます。
第三に、交付金の支払時期がどうなるのかという不安が根強くございます。
新たな制度においては、生産者の交付申請に基づき、農畜産業振興機構が交付業務を行うことになっております。現在は、工場受入れ後、遅くとも一週間以内に生産者に支払っております。また、サトウキビの収穫期は十二月から四月であり、営農面は無論、生産者の生活設計面でもサトウキビ収入は重要となっております。担い手農家ほど支払時期が遅くなることの影響は大でありますので、何とぞ二週間程度で支払われるような対応方を切にお願いを申し上げたいと存じます。
次に、でん粉原料用カンショについてでございます。
第一に、現行の行政価格制度を廃止し、新たな経営安定対策に移行するわけでございますが、サトウキビと同様に、生産者の手取り水準がどうなるかが問題であります。現行の手取りは、関連価格対策を含め、トン当たり三万一千六百六十円となっております。この現行水準の確保が生産者の営農意欲を喚起する上で必要不可欠でございます。
第二に、新たな経営安定対策の対象についてでありますが、申すまでもなく、火山灰土壌地帯であり、かつ台風常襲地帯である鹿児島県にとって、カンショは代替作物のない極めて重要な作物でございます。しかしながら、一戸当たりの作付面積は五十アール程度と極めて零細であり、生産農家のうち認定農業者の占める割合も五%程度しかないという現状にございます。また、近年のしょうちゅうブームにより、しょうちゅう向けの原料が増えてまいりましたが、カンショの用途別仕分も、でん粉用のシェアを現状で四五%、平成二十一年度で四四%の現状維持を見込んでいるところでございます。今後とも、でん粉用カンショの位置付けは変わらないと考えております。今後、産地において認定農業者や作業受託組織の育成に全力を挙げていく考えでございますが、零細農家が支えている生産の現状を十分御認識された上で、サトウキビと同様の特認による対応を強く要望をいたします。
第三に、交付金の支払時期の問題でございますが、サトウキビと同様の対応を切にお願いを申し上げます。
次に、でん粉の抱き合わせ措置の廃止の問題でございます。この制度は故山中先生がおつくりになった措置でございまして、正に国産でん粉の生命線としての制度でございました。この抱き合わせ措置が廃止されることによって、国産でん粉の需要が確実に確保されるのかどうかという懸念がございます。場合によっては国産でん粉から輸入でん粉に需要がシフトする事態も想定され、でん粉工場は大きな在庫を抱えることになるのではないかと心配をいたしております。国産でん粉の自給率が現在一割強と低水準にある中で、新たな制度においても、国の責任において国産でん粉の確実な需要と販路を確保できる対策を講じていただきますように、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
最後に、新たな経営安定対策は環境変化に対応した仕組みとすることが重要と考えます。
具体的には、WTO農業交渉やEPAにより国際規律が強化された場合や、砂糖及びでん粉の国内価格が変動した場合などにより生産条件格差が拡大した場合などにも的確に対応できる仕組みとし、このような場合にも生産者の所得が確保できることが重要であると考えます。また、輸入砂糖並びに輸入でん粉などの調整金を徴収し経営安定対策の財源に充てるとされておりますが、交渉によっては、市場アクセス水準が引き下げられ調整金水準の大幅な削減が求められた場合など、十分な対応が可能なのか心配いたしております。将来的にも安定した政策となるよう、万全の予算措置が必要と考えます。
加えまして、原料作物は、甘蔗糖製造業者並びにでん粉製造業者あって生産が成り立っております。新たな制度においては、これら製造業者に対しても交付金による政策支援が行われるということであり、申すまでもなく生産者と事業者は車の両輪でございますので、この点につきましては大変感謝をいたしているところでございます。
現在、甘蔗糖は鹿児島、沖縄両県で十五社十七工場体制、カンショでん粉は鹿児島県で二十八工場体制となっております。これらの製造事業者は合理化による製造コストの削減に努力を重ねておりますが、原料生産量の減による操業度の低下や小規模工場ゆえのコスト削減の限界という課題にも直面をいたしているところでございます。今後、製造業者は工場の再編も含め更なる合理化を求められることになりますが、交付金の水準によっては製造業者の経営に多大な影響を与え、場合によっては製造中止に追い込まれることも想定されますので、交付金の算定に当たっては十分な検討をお願いを申し上げます。
以上、様々な意見を申し上げましたが、新たな政策を生産者が前向きにとらえ努力を重ねていくように政策誘導していくためには、生産者並びに関係者の不安を払拭し、円滑に新制度へ移行する環境を整えることが重要でございます。
サトウキビ及びカンショは、全国的には極めてマイナーな作物でございます。鹿児島、沖縄両県にとって、ただ単にサトウキビから砂糖の原料を作る作物、また芋はでん粉を作る作物ということだけでなく、島の人々が今まで生きてきた、そして、今からもこれからもこれで生きていくという地域にとって最も重要な作物なのでございます。環境や国土保全の機能を持っている作物でもございますし、また長年にわたって地域の文化を支えてきた作物でございます。
参議院農林水産委員会の下で産地の実情を十分踏まえていただき、努力した者が報われる政策となりますよう心からお願いを申し上げ、私の陳述とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →私は、鹿児島県農協連中央会の川井田でございます。
本日、参考人として意見を述べる機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。私は無論、鹿児島、沖縄両県のJAグループ、生産者にとりまして大変有り難いことと心から感謝を申し上げます。岩城農林水産委員会委員長を始め、理事並びに委員の先生方に衷心より厚く御礼を申し上げます。
また、かねてより、私どもサトウキビ、カンショの生産振興と生産者の経営安定に多大な御配慮、御指導を賜っておりますこと、この場をおかりしまして改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
本日は、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律案に関し意見を述べたいと存じます。
砂糖及びカンショの作物政策の見直しに当たりましては、農林水産省が平成十六年八月に砂糖及びでん粉に関する検討会を設置し、平成十七年三月に政策の基本方向を取りまとめましたが、私は、この検討会に委員として参画をし、地域農業の基幹作物であり、地域経済社会で重要な位置を占めておりますサトウキビとカンショを守り育てる政策をつくるべきだと強く主張してまいったところでございます。そして、取りまとめられました基本方向は、私ども生産者側の意見が十分に取り入れられたものであると理解をいたしております。
この法律案は、この基本方向を踏まえ、かつ、その後の産地側との協議、検討を重ねた内容に即したものと判断をいたしておりますので、基本的には賛成するものでございます。
しかしながら、十九年度からの新たなサトウキビ及びでん粉原料用カンショの品目別経営安定対策への移行に当たって、サトウキビで約三万戸、カンショで約一万五千戸の生産者を始め、関係者が幾つかの点において将来への不安を持っているところでございます。
これらの点につきまして意見を申し上げますが、生産者がこれからも意欲と希望を持って生産を続けられる政策となりますように、国会での十分な審議を心からお願いをする次第でございます。
まず、サトウキビについてでございますが、第一に、最低生産者価格を廃止し、新たに生産条件格差を補う交付金を交付する制度となるわけでございますが、生産者の手取り水準がどうなるのか、最も不安に思っているところでございます。
申すまでもなく、現行の手取りは、最低生産者価格関連対策も含め、トン当たり二万四百七十円となっておりますが、販売価格の生産者手取り分と交付金を合わせ、現行の手取り水準を確保することが生産者の経営安定とサトウキビの増産を図る上で必要不可欠であると思っております。
第二に、新たな経営安定対策による交付金の交付対象者の問題でございます。
対象者が絞られ、サトウキビ作りができないのではないかという小規模な生産者の声が現場にございます。
現在、サトウキビ一戸当たりの収穫面積は一ヘクタール未満が七割強と零細であり、かつ高齢化が進んでいるという問題を抱えてございます。今後、産地において認定農業者の育成や規模拡大、作業受託組織の育成などの取組を加速させていく考えでございますが、新しい制度において零細農家が対象にならないと、鹿児島県の南西諸島の耕地面積約五割強、沖縄県で約六割強に作付けされているサトウキビの作付面積が減り、また、両県合わせて約二百三十億円とも言われるサトウキビ粗生産額が大きく減少することになり、結果として島に住めなくなるということも懸念されます。
鹿児島県では、平成二十一年の生産目標を平成十六年に比べ八万トン増の五十八万五千トン、また沖縄県では平成二十一年の生産目標を平成十六年に比べ十八万トン増の八十六万五千トンの増産計画を立てております。この生産計画を支える多数の零細農家が頑張れますように、鹿児島県の南西諸島並びに沖縄県の現状と歴史的経緯を十分認識した上で、対象要件の特認の設定と担い手の確保状況を踏まえた特認期間の設定を強く要望するものでございます。
第三に、交付金の支払時期がどうなるのかという不安が根強くございます。
新たな制度においては、生産者の交付申請に基づき、農畜産業振興機構が交付業務を行うことになっております。現在は、工場受入れ後、遅くとも一週間以内に生産者に支払っております。また、サトウキビの収穫期は十二月から四月であり、営農面は無論、生産者の生活設計面でもサトウキビ収入は重要となっております。担い手農家ほど支払時期が遅くなることの影響は大でありますので、何とぞ二週間程度で支払われるような対応方を切にお願いを申し上げたいと存じます。
次に、でん粉原料用カンショについてでございます。
第一に、現行の行政価格制度を廃止し、新たな経営安定対策に移行するわけでございますが、サトウキビと同様に、生産者の手取り水準がどうなるかが問題であります。現行の手取りは、関連価格対策を含め、トン当たり三万一千六百六十円となっております。この現行水準の確保が生産者の営農意欲を喚起する上で必要不可欠でございます。
第二に、新たな経営安定対策の対象についてでありますが、申すまでもなく、火山灰土壌地帯であり、かつ台風常襲地帯である鹿児島県にとって、カンショは代替作物のない極めて重要な作物でございます。しかしながら、一戸当たりの作付面積は五十アール程度と極めて零細であり、生産農家のうち認定農業者の占める割合も五%程度しかないという現状にございます。また、近年のしょうちゅうブームにより、しょうちゅう向けの原料が増えてまいりましたが、カンショの用途別仕分も、でん粉用のシェアを現状で四五%、平成二十一年度で四四%の現状維持を見込んでいるところでございます。今後とも、でん粉用カンショの位置付けは変わらないと考えております。今後、産地において認定農業者や作業受託組織の育成に全力を挙げていく考えでございますが、零細農家が支えている生産の現状を十分御認識された上で、サトウキビと同様の特認による対応を強く要望をいたします。
第三に、交付金の支払時期の問題でございますが、サトウキビと同様の対応を切にお願いを申し上げます。
次に、でん粉の抱き合わせ措置の廃止の問題でございます。この制度は故山中先生がおつくりになった措置でございまして、正に国産でん粉の生命線としての制度でございました。この抱き合わせ措置が廃止されることによって、国産でん粉の需要が確実に確保されるのかどうかという懸念がございます。場合によっては国産でん粉から輸入でん粉に需要がシフトする事態も想定され、でん粉工場は大きな在庫を抱えることになるのではないかと心配をいたしております。国産でん粉の自給率が現在一割強と低水準にある中で、新たな制度においても、国の責任において国産でん粉の確実な需要と販路を確保できる対策を講じていただきますように、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
最後に、新たな経営安定対策は環境変化に対応した仕組みとすることが重要と考えます。
具体的には、WTO農業交渉やEPAにより国際規律が強化された場合や、砂糖及びでん粉の国内価格が変動した場合などにより生産条件格差が拡大した場合などにも的確に対応できる仕組みとし、このような場合にも生産者の所得が確保できることが重要であると考えます。また、輸入砂糖並びに輸入でん粉などの調整金を徴収し経営安定対策の財源に充てるとされておりますが、交渉によっては、市場アクセス水準が引き下げられ調整金水準の大幅な削減が求められた場合など、十分な対応が可能なのか心配いたしております。将来的にも安定した政策となるよう、万全の予算措置が必要と考えます。
加えまして、原料作物は、甘蔗糖製造業者並びにでん粉製造業者あって生産が成り立っております。新たな制度においては、これら製造業者に対しても交付金による政策支援が行われるということであり、申すまでもなく生産者と事業者は車の両輪でございますので、この点につきましては大変感謝をいたしているところでございます。
現在、甘蔗糖は鹿児島、沖縄両県で十五社十七工場体制、カンショでん粉は鹿児島県で二十八工場体制となっております。これらの製造事業者は合理化による製造コストの削減に努力を重ねておりますが、原料生産量の減による操業度の低下や小規模工場ゆえのコスト削減の限界という課題にも直面をいたしているところでございます。今後、製造業者は工場の再編も含め更なる合理化を求められることになりますが、交付金の水準によっては製造業者の経営に多大な影響を与え、場合によっては製造中止に追い込まれることも想定されますので、交付金の算定に当たっては十分な検討をお願いを申し上げます。
以上、様々な意見を申し上げましたが、新たな政策を生産者が前向きにとらえ努力を重ねていくように政策誘導していくためには、生産者並びに関係者の不安を払拭し、円滑に新制度へ移行する環境を整えることが重要でございます。
サトウキビ及びカンショは、全国的には極めてマイナーな作物でございます。鹿児島、沖縄両県にとって、ただ単にサトウキビから砂糖の原料を作る作物、また芋はでん粉を作る作物ということだけでなく、島の人々が今まで生きてきた、そして、今からもこれからもこれで生きていくという地域にとって最も重要な作物なのでございます。環境や国土保全の機能を持っている作物でもございますし、また長年にわたって地域の文化を支えてきた作物でございます。
参議院農林水産委員会の下で産地の実情を十分踏まえていただき、努力した者が報われる政策となりますよう心からお願いを申し上げ、私の陳述とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
岩
梶
梶井功#5
○参考人(梶井功君) 梶井でございますが、委員長、最初のごあいさつで忌憚のない意見をということでございましたので遠慮のないところをしゃべらせていただきますが、特に私は、この農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案、これに的を絞って意見を申し上げたいと思っております。
といいますのは、この今回の法案の非常に大きな特徴は、経営安定施策を一定規模階層以上の経営に限定してやっていくんだと、それで構造改革を加速させるんだと、こういう趣旨になっておりますけれども、私は一定規模階層以上、例えばこれ、示されているところですと例えば四ヘクタール、都府県で四ヘクタール以上とかなっておりますけれども、施策対象を一定規模階層以上に絞った形でもって経営安定施策を講ずるということは、構造改革の加速になるんではなくて、私はかえって減速になるんじゃなかろうかというふうに思っております。その点を中心にお話ししたいと思うんですけれども。
お手元に今日、五ヘクタール以上農家の階層変動という表をお配りいただいたかと思うんですけれども、これは都府県の数字でございますが、この数字は、これは一九九〇年から一九九五年、九五年から二〇〇〇年と、こうなっておりますけれども、いずれもセンサスの数字の比較であります。
この農業構造動態統計というのは、先生方も御存じだと思いますけれども、ただ、九〇年のセンサスのときの個票と九五年のセンサスの個票で比べて、九〇年のときに例えば五ヘクタールだった農家が九五年には幾らになっているかということを一々突き合わせた上でもって集計している非常に特徴のある統計なんですね。世界でもこういう統計を作っているのは非常に珍しくて、大変統計情報部、苦労して作っている統計だと思うんですけれども。
それで、見てください。九〇年から九五年のこの五年間でもって、期首戸数といいますのは、九〇年に五ヘクタール以上の農家は都府県で二万六千四百十八戸でした。これがこの五年間、九五年までの間の五年間でもって、規模が変わらなかったのは一万九千七百六十一戸。この五年間に五ヘクタール以下へ規模縮小してしまったと、この規模縮小の中には、これ便宜上離農も含めてありますけれども、六千六百五十七戸あった。五ヘクタール以下へ五年間で規模縮小してしまったんですね。
当然、二万六千四百十八戸は、六千六百五十七戸、五年間の間に減っちゃうわけですけれども、逆にこの五年間の間に五ヘクタール以下の階層から規模拡大して五ヘクタール以上になったという農家が一万五千九百十五戸ありました。つまり、五ヘクタール以下に規模縮小する方よりも、五ヘクタール以下の方々でもって意欲を持って、おれは頑張ろうということで意欲を持って規模拡大した方が一万五千九百十五戸。三倍近くいたということなんですね。
それで、結果として、九五年の期末戸数は三万五千六百七十六戸というふうに増えました。増えたわけです。つまり、二万六千四百十八戸の中から六千六百五十七戸、二〇%以上は規模縮小しておっこちてしまうけれども、おっこちてしまう以上に五ヘクタール以下の方々から規模拡大して上がってくる方がいたからこの五年間でもって五ヘクタール以上の農家が増えたわけですね。
同じことは九五年から二〇〇〇年の間でも見れます。数字を見てください。期首戸数は三万五千六百七十六戸、その中で二割ぐらい、二割以上の七千七百六十二戸は五ヘクタール以下に規模縮小してしまいました。しかし、その倍ですね、一万五千九百二十戸が五ヘクタール以下のところから新たに規模拡大して五ヘクタール以上になったと。それで、結果として四万三千四百三十八戸に増えましたと、こういう形なんですね。
この九〇年から九五年、九五年から二〇〇〇年、この間の農産物価格の状況というのは、諸先生方御存じだと思いますが、九〇年から九五年まではそんなに悪くないですよね。それから、決定的に悪くなりますのは私は九九年からだと思いますけれども、九五年から二〇〇〇年の間もまあまあ良かった時期なんです。そういう時期でも、五ヘクタール以上の農家の方々でもって、せっかく五ヘクタール以上になったにもかかわらず、何らかの事情でもって二割以上は規模縮小せざるを得ないような状況に置かれる。これは、これだけ何万戸もいればいろんな事情が働くわけですね。働き手が病気になったとか、あるいは家族がけがしたとか、そういう形でもって規模縮小せざるを得ない、そういう条件が働いて、二割以上、下へおっこっちゃった。
しかし、この条件、農産物価格が良かったという条件の中では、五ヘクタール以下の方々の中から、よし、おれはこの状況の中で頑張って規模拡大してやっていこうじゃないかと、営農意欲を燃やして規模拡大やった方々が規模縮小する方々よりも多かったと。これが多かったから、九〇年から九五年、九五年から二〇〇〇年というふうに五ヘクタール以上農家の増という形でもって、言わば構造改善は進んだわけですよね、進んだわけです。
私、先ほど九〇年から九五年、九五年から二〇〇〇年は農産物価格条件がまだ良かった時期だと、こう申し上げました。そういう時期でもこうなんです、そういう時期でも。だからそうなるんですね。
それが、この数字は、これは構造動態統計取ってごらんになればすぐ分かりますけれども、ただ、三ヘクタール以上という形で取ってもほとんど同じ数字になります。三ヘクタール以上取りましても、ほとんど同じような構造になります。一定数はどうしても、幾らいい条件の中でも何らかの事情でもって規模縮小せざるを得ない農家は出てくる。しかし、反面で、農産物の市場条件が良ければ、営農意欲を燃やして上がってくる方がいると。そういう構造がある中でもって、そういうメカニズムが働いている中でもって構造改善は進むんだと、こういうことですね。
今度の新しい経営所得安定政策でもって一定規模階層以上に施策を絞る、その施策対象にならない人は、今後、これから見通されるのは、農産物価格は一層低下するぞという見通しの中でもって裸で放り出されるということになったら一体どういうことになるだろうかと。
施策対象になる一定規模階層以上の方でも、この五年間の間に五ヘクタール以上は二〇%以上が規模縮小せざるを得なくなったということが示しておりますように、私は、やっぱり二〇%とは言わないまでも、一〇%とか、必ず規模縮小せざるを得ないような状況に置かれる方はかなり出てくると思うんですね。今後は絶対そういうことがないよという保証は何もないわけです。当然、下へおっこちるという可能性は出てくるんだということを前提にしていろいろ考えなきゃいけないんです。
しかも、なおかつ、あんたはもう施策対象外よということでもって低農産物価格の状況の中に放り出されるというときには、その状況の中でもって、おれは意欲を持って規模拡大やっていこうという方が出てくるでしょうか。私は出てこないと思うんですね。出てこないと思う。
これは、もう四年前のあれになりますか、三年前のあの〇二年の農業白書の中でもって、これは新潟県の農林水産部の調査を引用した形でもって農業白書は紹介していましたが、例えば、十年ぐらい前は規模拡大にとっての障害は農地の出し手がいないということだったと。しかし、今やそうじゃなくて、価格条件が非常に悪い、悪い上に生産調整の重荷がかぶさってくると、そういうことでもって拡大意欲をなくしているというのが農業白書でもって引用をしておりまして、それで構造改善の見通しは非常に暗いということを白書は結論しておりました。
そういう状況に私は、これからは、特定規模階層に絞った形でもって施策を講ずるというふうなことをやったら、この数字が示しておりますように、もう下から、つまりこの施策対象よりその下が、四ヘクタールなら四ヘクタール以下の方々から、意欲を燃やしておれ頑張ろうというふうな意欲を取っちゃうわけですね。取っちゃうわけです。上昇してくるということを期待できない。しかし、片や、施策対象にしている人たちの中からは、確実に何%かは私は下へおっこちてしまうだろう。下から上がってくる方をいなくさせておいて、おっこちる方はこれはもう防ぎようがないということからすれば、これは構造改革の加速になるんじゃなくて、構造改革の減速になるんじゃなかろうかというふうに、こう思っております。その点が一つ。
それからもう一つ、この施策対象を絞るということに関しまして、私、大変危惧を持っておりますのは、これは施策対象外の方々が今現実にどれだけの耕地面積をカバーしているのかと、そういう問題なんですよね。
これも数字申し上げるまでもないかと思うんですけれども、都府県でいいますと、三ヘクタール以下の方々のところに耕地面積の七〇%は耕作しているわけです、現実に。それが急速に担い手のところに動いていくという条件がそんなにあるわけじゃない。これから長期の中でもって構造改善進むかもしれませんけれども、七〇%は現に耕作しているわけです。その七〇%の方々がこれは施策対象外よというふうな形でもって放り出されるということになったときに、一体本当に食料自給率の方は大丈夫なんだろうかと、これが大変気になります。
特に問題になりますのは、今回の新しい基本計画の中では、自給率四五%、これ達成していくために何が必要であるかということで、いろんな主要作物の作付面積はみんな減になっておりますよね。減になっているやつを埋めるために、各作物はみんな単収を上げる計画になっているわけです。全生産者が生産意欲をうんと燃やして生産増強に努めてもらわなければ単収は上がっていかないわけです。それが大前提になって自給率の問題というのは計画されている。それに響いてしまうんじゃなかろうか。ここのところが大変気になるところなんです。その点は当然、営農意欲をなくしますと耕作放棄地というふうなものも増える可能性というのは多分にある。農地は動かないで、増える可能性がある。
そうしますと、これ、四百五十万ヘクタールの耕地確保というのが、これは我々の生存権が懸かった数字として今度の基本計画でも、これは頑張っていくんだという数字が出されている。その四百五十万ヘクタール確保のところまで響いちゃうんじゃなかろうか。そういう点でいいますと、これからの国民食料の安定確保という点について非常な問題が出てくるんじゃなかろうかということを、この法案に関して私はそういう心配を持っております。
以上です。
この発言だけを見る →といいますのは、この今回の法案の非常に大きな特徴は、経営安定施策を一定規模階層以上の経営に限定してやっていくんだと、それで構造改革を加速させるんだと、こういう趣旨になっておりますけれども、私は一定規模階層以上、例えばこれ、示されているところですと例えば四ヘクタール、都府県で四ヘクタール以上とかなっておりますけれども、施策対象を一定規模階層以上に絞った形でもって経営安定施策を講ずるということは、構造改革の加速になるんではなくて、私はかえって減速になるんじゃなかろうかというふうに思っております。その点を中心にお話ししたいと思うんですけれども。
お手元に今日、五ヘクタール以上農家の階層変動という表をお配りいただいたかと思うんですけれども、これは都府県の数字でございますが、この数字は、これは一九九〇年から一九九五年、九五年から二〇〇〇年と、こうなっておりますけれども、いずれもセンサスの数字の比較であります。
この農業構造動態統計というのは、先生方も御存じだと思いますけれども、ただ、九〇年のセンサスのときの個票と九五年のセンサスの個票で比べて、九〇年のときに例えば五ヘクタールだった農家が九五年には幾らになっているかということを一々突き合わせた上でもって集計している非常に特徴のある統計なんですね。世界でもこういう統計を作っているのは非常に珍しくて、大変統計情報部、苦労して作っている統計だと思うんですけれども。
それで、見てください。九〇年から九五年のこの五年間でもって、期首戸数といいますのは、九〇年に五ヘクタール以上の農家は都府県で二万六千四百十八戸でした。これがこの五年間、九五年までの間の五年間でもって、規模が変わらなかったのは一万九千七百六十一戸。この五年間に五ヘクタール以下へ規模縮小してしまったと、この規模縮小の中には、これ便宜上離農も含めてありますけれども、六千六百五十七戸あった。五ヘクタール以下へ五年間で規模縮小してしまったんですね。
当然、二万六千四百十八戸は、六千六百五十七戸、五年間の間に減っちゃうわけですけれども、逆にこの五年間の間に五ヘクタール以下の階層から規模拡大して五ヘクタール以上になったという農家が一万五千九百十五戸ありました。つまり、五ヘクタール以下に規模縮小する方よりも、五ヘクタール以下の方々でもって意欲を持って、おれは頑張ろうということで意欲を持って規模拡大した方が一万五千九百十五戸。三倍近くいたということなんですね。
それで、結果として、九五年の期末戸数は三万五千六百七十六戸というふうに増えました。増えたわけです。つまり、二万六千四百十八戸の中から六千六百五十七戸、二〇%以上は規模縮小しておっこちてしまうけれども、おっこちてしまう以上に五ヘクタール以下の方々から規模拡大して上がってくる方がいたからこの五年間でもって五ヘクタール以上の農家が増えたわけですね。
同じことは九五年から二〇〇〇年の間でも見れます。数字を見てください。期首戸数は三万五千六百七十六戸、その中で二割ぐらい、二割以上の七千七百六十二戸は五ヘクタール以下に規模縮小してしまいました。しかし、その倍ですね、一万五千九百二十戸が五ヘクタール以下のところから新たに規模拡大して五ヘクタール以上になったと。それで、結果として四万三千四百三十八戸に増えましたと、こういう形なんですね。
この九〇年から九五年、九五年から二〇〇〇年、この間の農産物価格の状況というのは、諸先生方御存じだと思いますが、九〇年から九五年まではそんなに悪くないですよね。それから、決定的に悪くなりますのは私は九九年からだと思いますけれども、九五年から二〇〇〇年の間もまあまあ良かった時期なんです。そういう時期でも、五ヘクタール以上の農家の方々でもって、せっかく五ヘクタール以上になったにもかかわらず、何らかの事情でもって二割以上は規模縮小せざるを得ないような状況に置かれる。これは、これだけ何万戸もいればいろんな事情が働くわけですね。働き手が病気になったとか、あるいは家族がけがしたとか、そういう形でもって規模縮小せざるを得ない、そういう条件が働いて、二割以上、下へおっこっちゃった。
しかし、この条件、農産物価格が良かったという条件の中では、五ヘクタール以下の方々の中から、よし、おれはこの状況の中で頑張って規模拡大してやっていこうじゃないかと、営農意欲を燃やして規模拡大やった方々が規模縮小する方々よりも多かったと。これが多かったから、九〇年から九五年、九五年から二〇〇〇年というふうに五ヘクタール以上農家の増という形でもって、言わば構造改善は進んだわけですよね、進んだわけです。
私、先ほど九〇年から九五年、九五年から二〇〇〇年は農産物価格条件がまだ良かった時期だと、こう申し上げました。そういう時期でもこうなんです、そういう時期でも。だからそうなるんですね。
それが、この数字は、これは構造動態統計取ってごらんになればすぐ分かりますけれども、ただ、三ヘクタール以上という形で取ってもほとんど同じ数字になります。三ヘクタール以上取りましても、ほとんど同じような構造になります。一定数はどうしても、幾らいい条件の中でも何らかの事情でもって規模縮小せざるを得ない農家は出てくる。しかし、反面で、農産物の市場条件が良ければ、営農意欲を燃やして上がってくる方がいると。そういう構造がある中でもって、そういうメカニズムが働いている中でもって構造改善は進むんだと、こういうことですね。
今度の新しい経営所得安定政策でもって一定規模階層以上に施策を絞る、その施策対象にならない人は、今後、これから見通されるのは、農産物価格は一層低下するぞという見通しの中でもって裸で放り出されるということになったら一体どういうことになるだろうかと。
施策対象になる一定規模階層以上の方でも、この五年間の間に五ヘクタール以上は二〇%以上が規模縮小せざるを得なくなったということが示しておりますように、私は、やっぱり二〇%とは言わないまでも、一〇%とか、必ず規模縮小せざるを得ないような状況に置かれる方はかなり出てくると思うんですね。今後は絶対そういうことがないよという保証は何もないわけです。当然、下へおっこちるという可能性は出てくるんだということを前提にしていろいろ考えなきゃいけないんです。
しかも、なおかつ、あんたはもう施策対象外よということでもって低農産物価格の状況の中に放り出されるというときには、その状況の中でもって、おれは意欲を持って規模拡大やっていこうという方が出てくるでしょうか。私は出てこないと思うんですね。出てこないと思う。
これは、もう四年前のあれになりますか、三年前のあの〇二年の農業白書の中でもって、これは新潟県の農林水産部の調査を引用した形でもって農業白書は紹介していましたが、例えば、十年ぐらい前は規模拡大にとっての障害は農地の出し手がいないということだったと。しかし、今やそうじゃなくて、価格条件が非常に悪い、悪い上に生産調整の重荷がかぶさってくると、そういうことでもって拡大意欲をなくしているというのが農業白書でもって引用をしておりまして、それで構造改善の見通しは非常に暗いということを白書は結論しておりました。
そういう状況に私は、これからは、特定規模階層に絞った形でもって施策を講ずるというふうなことをやったら、この数字が示しておりますように、もう下から、つまりこの施策対象よりその下が、四ヘクタールなら四ヘクタール以下の方々から、意欲を燃やしておれ頑張ろうというふうな意欲を取っちゃうわけですね。取っちゃうわけです。上昇してくるということを期待できない。しかし、片や、施策対象にしている人たちの中からは、確実に何%かは私は下へおっこちてしまうだろう。下から上がってくる方をいなくさせておいて、おっこちる方はこれはもう防ぎようがないということからすれば、これは構造改革の加速になるんじゃなくて、構造改革の減速になるんじゃなかろうかというふうに、こう思っております。その点が一つ。
それからもう一つ、この施策対象を絞るということに関しまして、私、大変危惧を持っておりますのは、これは施策対象外の方々が今現実にどれだけの耕地面積をカバーしているのかと、そういう問題なんですよね。
これも数字申し上げるまでもないかと思うんですけれども、都府県でいいますと、三ヘクタール以下の方々のところに耕地面積の七〇%は耕作しているわけです、現実に。それが急速に担い手のところに動いていくという条件がそんなにあるわけじゃない。これから長期の中でもって構造改善進むかもしれませんけれども、七〇%は現に耕作しているわけです。その七〇%の方々がこれは施策対象外よというふうな形でもって放り出されるということになったときに、一体本当に食料自給率の方は大丈夫なんだろうかと、これが大変気になります。
特に問題になりますのは、今回の新しい基本計画の中では、自給率四五%、これ達成していくために何が必要であるかということで、いろんな主要作物の作付面積はみんな減になっておりますよね。減になっているやつを埋めるために、各作物はみんな単収を上げる計画になっているわけです。全生産者が生産意欲をうんと燃やして生産増強に努めてもらわなければ単収は上がっていかないわけです。それが大前提になって自給率の問題というのは計画されている。それに響いてしまうんじゃなかろうか。ここのところが大変気になるところなんです。その点は当然、営農意欲をなくしますと耕作放棄地というふうなものも増える可能性というのは多分にある。農地は動かないで、増える可能性がある。
そうしますと、これ、四百五十万ヘクタールの耕地確保というのが、これは我々の生存権が懸かった数字として今度の基本計画でも、これは頑張っていくんだという数字が出されている。その四百五十万ヘクタール確保のところまで響いちゃうんじゃなかろうか。そういう点でいいますと、これからの国民食料の安定確保という点について非常な問題が出てくるんじゃなかろうかということを、この法案に関して私はそういう心配を持っております。
以上です。
岩
蔦
蔦谷栄一#7
○参考人(蔦谷栄一君) 農林中金総合研究所の蔦谷でございます。
私は、経営安定対策と併せて、農地・水・環境保全向上対策、これも含めて意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。
お手元にレジュメのような形で資料をお配りをしておりますけれども、結論的には、一九九九年に制定をされました新しい農業基本法、食料、農業、農村ということで、新たな方向付けをしたという意味で大変評価をしているわけでございますけれども、それに沿った形で価格政策から所得政策への転換が行われる、あるいは本格的な環境政策、こういったものが導入されるという意味では大変私は評価をしたいというふうに思っているわけであります。ただ、二番目に書いてございますように、かなり運用のレベルで問題がやはりあるのではないかということでありまして、この問題をどういうふうにクリアをしていくのかというのが最大の課題ではないかと。
私が今日、特に申し上げたいと思いますのは、やはり基本的にその新しい基本法で方向付けができたとはいえ、なかなか日本農業の基本的なイメージが非常にばらばらではないんだろうかと。一方で非常に、構造改革といいますか大面積、コスト低減と、こういうことを一方でやりながら、一方では環境に優しい農業と、こういったものをどういうふうに調和をさせ、日本的な農業を形成をしていくのかと。そういった一つの共通したイメージみたいな、もっと言えばグランドデザインみたいなものを作って、それに向けて粛々といろんな政策を積み上げていく、あるいは今回の対策もそういった意味で運用もいろいろと改善をしていくと、こういうことが必要なのではないのかなというふうに思っております。
まず初めに、経営安定対策について、若干危惧している点を幾つか申し上げたいと思います。
やはり、面積で基準を作っているということから、とにもかくにも足切りが現実には発生をしてしまう。意図しているかどうかは別として、かなり担い手の絞り込みということが行われてしまうということであります。
ここのところはいろいろ議論があるところでありますけれども、私は、基本的に特定の担い手に絞り込むということが、言ってみれば強靱な経営体といいますか、あるいはコストの低減をねらいとするということで言われているわけでありますけれども、むしろ実態としては、そういう部分は一部あろうかというふうには思うわけでありますけれども、現実には相当耕作放棄地なり遊休地が増加をしてくるというのが実態でありまして、こういった、農地を特定の担い手にある程度集積をしていくということが現実に求められてきているわけでありまして、そういった意味で、そういう農地の集積をバックアップする支援対策といいますか、そういう位置付けで理解することができないんだろうかと。
これが今回の趣旨とどういうふうに関係するのかというのはあるわけでありますけれども、ある程度絞り込みをしながら農地の集積を図る、そういった農地の保全を念頭に置きながらということが大変重要ではないのかなというふうに思っております。
もう一つの懸念が、やはり従来、集落ぐるみでやっていたその村社会でありますけれども、こういったこれまでの紐帯がこの措置によってばらばらになる可能性があるのではないかと、こういったことが大変懸念をされるわけでございます。
もう一方、集落営農、その認定農業者に該当しない者については集落営農ということでありますけれども、順番として見ると、まず認定農業者ありきで、残った人たちで集落営農というのが、なかなか現実にその集落を維持していくためには、やはり両方あって初めて集落が成り立っていたわけでありますし、この認定農業者と集落営農のバランスといいますか、私は、基本的にはその地域営農といいますか、いろんな担い手が一緒になって地域計画を作っていく、そういうことがまず前提になってくるのではないのかなというふうに思っております。そういった意味でも、単純にまず認定農業者ありきと、で、残った人たちで集落営農と、これは一つの手法としてはそういう手法かもしれませんけれども、考え方としてはやはり地域の営農をどうしていくのかと、そこでの話合いが非常に重要なのではないのかなというふうに思っております。
それから、農地・水・環境保全向上対策でございますけれども、いろいろ現場の声を集約をしてみますと、やはり一番出てきている声が、これまでの環境保全問題については有機農家がある意味では大変孤軍奮闘といいますか一匹オオカミ的な形で、日本の中でのその有機農業というのはなかなか認知をされてこなかったわけでございますけれども、そういった中でかなり努力を積み重ねてきたわけでございます。
今回その共同作業に加えて、そういう環境に優しい対策を講じることによって政策支援の対象になるということでありますけれども、ここのところは非常にその地域とのこれまでの関係も含めて、あるいはもう一つは、有機農業あるいは環境保全型農業といっても非常にその手法といいますか、これまでの技術の体系というのはいろんなものがあるわけでありまして、そういった意味では地域ぐるみで取組がなかなか今やりづらいという、そういった現状もあるわけでございます。そういう、これまである意味ではリードをしてきた有機農家もこういった支援の対象になるような考え方といいますか、そういったことが運用の段階で盛り込むことができないだろうかと、こんなふうに考えているわけでございます。
三番目のところでございますけれども、これからのその政策をちょっとお話しをしたいというふうに思います。
私は、現地を聞いて大変痛感をするのは、やはり今回の措置は措置としていろんな弾力的な運用等々あったにしても、これからの日本農業はどうなるんだろうかと、先行き希望が持てるのかどうかという、ここに対する非常に不安が強いと思います。やはり、この不安を払拭するためには、一定の、もう一回、日本の農業とは一体何かという、こういった議論が本当に必要なのではないのかなというふうに思っております。
時間の関係であれもこれもちょっと申し述べられませんけれども、基本的に私は今日強調させていただきたいと思っておりますのは、やはり農業が生命産業であるという、まあ工場の論理ではなかなか仕切れない不条理な、不合理な命というものを扱っている、あるいは農村の生産と生活が一体になっている、こういったものをやはり大事にしていくということが基本なのではないんだろうかということでございます。そういった意味では、経済合理性をより追求すると同時に、非経済的な価値、多面的機能を含めて、こういったものをより重視をしていく、バランスを取っていくということが大事なのではないのかなというふうに思います。
それから、担い手の関係でございますけれども、やはりこれから人口減少の時代、あるいは真の豊かさは一体何かということが問われる時代になってきていると思うわけでありまして、そういった意味では、従来の高度経済成長期は農村から都市にいかに労働力を供給するかということだったわけでありますが、これからはむしろ、いろんな都市政策、生きにくさというものが募ってきているわけでありますけれども、そういった中でその農村の良さ、あるいは住みやすい農村をつくっていく、そういった都会から農村に対する人口の還流というものが必要なのではないかなというふうに思っております。
そういった意味でも、どんどん高齢化が進む、あるいは荒廃が進んでくるわけでありまして、ただでさえ担い手というものがなかなか確保が難しい。それを選別をするということではなくて、むしろそういう担い手もできるだけ手厚く残す。新たな新規参入、そういったものを可能にするような措置というのがむしろ必要なんではないのかなというふうに思っております。
それから、ここのところが非常に大事だというふうに思っておりますけれども、やはりアメリカ型の大規模、単作の農業というのは日本ではなかなか難しい、特に国際競争力を得るというのはほとんど不可能に近いのではないのかなというふうに思います。そういった意味では、日本の特徴を生かした農業というものが追求すべきではないのかなというふうに思っております。
そういった意味では、ある程度の大規模化志向というのはあったにしても、基本は多品種少量生産、あるいは小規模も大事にしながらの農業ということになるのではないか。その中の大きい柱として、環境にも配慮した優しい農業ということになってくるのではないのかなというふうに思っております。こういった農業を、やはり専業農家、兼業農家あるいは自給的農家、定年帰農、そういったいろんな担い手が多様な形でかかわり合ってつくっていく、そういう農業というものがイメージされる必要があるのではないのかなというふうに思っております。
特に、今回の措置、あるいはこれからの問題として重要だと思いますのは、やはりお年寄りが生きがいを持てるような、やはりそういう農業なり集落、あるいは女性が元気であってこそ農村というのは活気が出てくるのではないのかなというふうに思います。そういった意味で、特定の担い手に着目すると同時に、やはりお年寄りも住みやすい、生きがいを持てる、女性も元気が出るような、そういう農業、農村にしていく必要があるのではないのかなというふうに思っております。
私は、地域社会農業という言葉、あえて地域農業に社会を加えておりますけれども、やはりこれからは農業に加えて地域文化、食文化、お祭り、いろんな多様な要素を農村持っているわけでありますけれども、こういったものを重視をしていく。あるいは、地産地消、消費者あるいは都会から交流をする方、そういった方々総体でつくっていく地域農業、地域社会農業、そういったものを一つのイメージとして立てていきたいなというふうに思っているわけでございます。
そういった意味では、今回、価格政策から所得政策に移行するわけでございますけれども、こういった所得政策も含めて、あるいは環境保全対策も含めて、地域全体を見ての地域社会政策、そういった形でこれからいろいろと検討していく必要があるのではないのかなというふうに思っております。
それから、環境関係でございますけれども、やはり今の非常に課題と思いますのは、これからの日本農業の環境に優しい、安全、安心、これをどこまでどういうふうに引っ張り上げていくのかという一つの目標なりステップ、こういったものを刻んでいく必要があるのではないのかなというふうに思っておりますけれども、残念ながら有機農業というものはなかなか今現実には認知をされていない状況になっているわけでございます。全体としては非常に、環境に優しい農業、環境保全型農業、これが大事だというふうに思いますけれども、これを、全体を含めてやはり一つの基本的な法律の中で、生産から表示、流通、いろんな形でのトータルの基本法的なものが必要なのではないのかなというふうに思っております。
現状は、有機農業あり、GAPがあり、持続農業、エコファーマーがあり、IPMがありと非常に概念が混乱をしている、分かりにくい。そういうこともございますし、基本的にJAS法の中に有機農業も位置付けられているということでございまして、言ってみれば表示の世界に限定をされているということでありまして、むしろこれからの日本農業の在り方の中にきっちり位置付けて法的な対策も講じていくことが必要ではないのかなというふうに考えております。
こういったことに向けて、取りあえず今必要とされる対応ということで最後にまとめさせていただきたいと思いますけれども、やはり基本的には、まず多様な担い手あるいは地域にふさわしい適地適作を基にした、やはりそういう地域営農計画、地域農業計画、これの策定を是非強力に進めていただきたいというふうに思います。補助金をもらうための集落営農だとか認定農業者と、そういうことではなくて、あくまで地域営農をどうしていくのか、地域農業をどうしていくのか、ここに本当に集落ぐるみあるいは消費者も含めて地域営農をどうしていくのかという、そこの岩盤をきっちりやった上で必要な担い手が支援を受けていくと、こういうのが筋道ではないのかなというふうに思います。
それから二番目に、やはり要件がいろいろあるわけですけれども、北から南まで、あるいは多様な日本の自然条件というと、本当に盆地一つ隔てると相当状況が違うわけでございまして、そういった意味では極力可能な範囲で弾力的な措置をお願いをしたいというふうに思います。ある意味では、その地域事情を優先をした形で支払がなされればというふうに思っております。
それから三番目でありますけれども、やはりこれからの日本農業の在り方といいますか展望といいますか、やはりこれを早く協議をしてほしいというふうに思います。いろんな食と農の再生プランなり、今回の新農政プラン等々出ておりますけれども、まだもう一つ、農家の実感として、これからの農村をどういうふうに持っていくのか、自分たちとのかかわり合いというのが非常にまだ希薄な部分が非常に多いのではないのかなというふうに思います。やはり今回の担い手問題、これだけ議論になっているわけでありますから、そういう担い手がどうやって地域を守っていくのか、そういったことが十分納得できるような、そういう計画、ビジョン、そういったものを早急に作っていくことが重要ではないのかなというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →私は、経営安定対策と併せて、農地・水・環境保全向上対策、これも含めて意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。
お手元にレジュメのような形で資料をお配りをしておりますけれども、結論的には、一九九九年に制定をされました新しい農業基本法、食料、農業、農村ということで、新たな方向付けをしたという意味で大変評価をしているわけでございますけれども、それに沿った形で価格政策から所得政策への転換が行われる、あるいは本格的な環境政策、こういったものが導入されるという意味では大変私は評価をしたいというふうに思っているわけであります。ただ、二番目に書いてございますように、かなり運用のレベルで問題がやはりあるのではないかということでありまして、この問題をどういうふうにクリアをしていくのかというのが最大の課題ではないかと。
私が今日、特に申し上げたいと思いますのは、やはり基本的にその新しい基本法で方向付けができたとはいえ、なかなか日本農業の基本的なイメージが非常にばらばらではないんだろうかと。一方で非常に、構造改革といいますか大面積、コスト低減と、こういうことを一方でやりながら、一方では環境に優しい農業と、こういったものをどういうふうに調和をさせ、日本的な農業を形成をしていくのかと。そういった一つの共通したイメージみたいな、もっと言えばグランドデザインみたいなものを作って、それに向けて粛々といろんな政策を積み上げていく、あるいは今回の対策もそういった意味で運用もいろいろと改善をしていくと、こういうことが必要なのではないのかなというふうに思っております。
まず初めに、経営安定対策について、若干危惧している点を幾つか申し上げたいと思います。
やはり、面積で基準を作っているということから、とにもかくにも足切りが現実には発生をしてしまう。意図しているかどうかは別として、かなり担い手の絞り込みということが行われてしまうということであります。
ここのところはいろいろ議論があるところでありますけれども、私は、基本的に特定の担い手に絞り込むということが、言ってみれば強靱な経営体といいますか、あるいはコストの低減をねらいとするということで言われているわけでありますけれども、むしろ実態としては、そういう部分は一部あろうかというふうには思うわけでありますけれども、現実には相当耕作放棄地なり遊休地が増加をしてくるというのが実態でありまして、こういった、農地を特定の担い手にある程度集積をしていくということが現実に求められてきているわけでありまして、そういった意味で、そういう農地の集積をバックアップする支援対策といいますか、そういう位置付けで理解することができないんだろうかと。
これが今回の趣旨とどういうふうに関係するのかというのはあるわけでありますけれども、ある程度絞り込みをしながら農地の集積を図る、そういった農地の保全を念頭に置きながらということが大変重要ではないのかなというふうに思っております。
もう一つの懸念が、やはり従来、集落ぐるみでやっていたその村社会でありますけれども、こういったこれまでの紐帯がこの措置によってばらばらになる可能性があるのではないかと、こういったことが大変懸念をされるわけでございます。
もう一方、集落営農、その認定農業者に該当しない者については集落営農ということでありますけれども、順番として見ると、まず認定農業者ありきで、残った人たちで集落営農というのが、なかなか現実にその集落を維持していくためには、やはり両方あって初めて集落が成り立っていたわけでありますし、この認定農業者と集落営農のバランスといいますか、私は、基本的にはその地域営農といいますか、いろんな担い手が一緒になって地域計画を作っていく、そういうことがまず前提になってくるのではないのかなというふうに思っております。そういった意味でも、単純にまず認定農業者ありきと、で、残った人たちで集落営農と、これは一つの手法としてはそういう手法かもしれませんけれども、考え方としてはやはり地域の営農をどうしていくのかと、そこでの話合いが非常に重要なのではないのかなというふうに思っております。
それから、農地・水・環境保全向上対策でございますけれども、いろいろ現場の声を集約をしてみますと、やはり一番出てきている声が、これまでの環境保全問題については有機農家がある意味では大変孤軍奮闘といいますか一匹オオカミ的な形で、日本の中でのその有機農業というのはなかなか認知をされてこなかったわけでございますけれども、そういった中でかなり努力を積み重ねてきたわけでございます。
今回その共同作業に加えて、そういう環境に優しい対策を講じることによって政策支援の対象になるということでありますけれども、ここのところは非常にその地域とのこれまでの関係も含めて、あるいはもう一つは、有機農業あるいは環境保全型農業といっても非常にその手法といいますか、これまでの技術の体系というのはいろんなものがあるわけでありまして、そういった意味では地域ぐるみで取組がなかなか今やりづらいという、そういった現状もあるわけでございます。そういう、これまである意味ではリードをしてきた有機農家もこういった支援の対象になるような考え方といいますか、そういったことが運用の段階で盛り込むことができないだろうかと、こんなふうに考えているわけでございます。
三番目のところでございますけれども、これからのその政策をちょっとお話しをしたいというふうに思います。
私は、現地を聞いて大変痛感をするのは、やはり今回の措置は措置としていろんな弾力的な運用等々あったにしても、これからの日本農業はどうなるんだろうかと、先行き希望が持てるのかどうかという、ここに対する非常に不安が強いと思います。やはり、この不安を払拭するためには、一定の、もう一回、日本の農業とは一体何かという、こういった議論が本当に必要なのではないのかなというふうに思っております。
時間の関係であれもこれもちょっと申し述べられませんけれども、基本的に私は今日強調させていただきたいと思っておりますのは、やはり農業が生命産業であるという、まあ工場の論理ではなかなか仕切れない不条理な、不合理な命というものを扱っている、あるいは農村の生産と生活が一体になっている、こういったものをやはり大事にしていくということが基本なのではないんだろうかということでございます。そういった意味では、経済合理性をより追求すると同時に、非経済的な価値、多面的機能を含めて、こういったものをより重視をしていく、バランスを取っていくということが大事なのではないのかなというふうに思います。
それから、担い手の関係でございますけれども、やはりこれから人口減少の時代、あるいは真の豊かさは一体何かということが問われる時代になってきていると思うわけでありまして、そういった意味では、従来の高度経済成長期は農村から都市にいかに労働力を供給するかということだったわけでありますが、これからはむしろ、いろんな都市政策、生きにくさというものが募ってきているわけでありますけれども、そういった中でその農村の良さ、あるいは住みやすい農村をつくっていく、そういった都会から農村に対する人口の還流というものが必要なのではないかなというふうに思っております。
そういった意味でも、どんどん高齢化が進む、あるいは荒廃が進んでくるわけでありまして、ただでさえ担い手というものがなかなか確保が難しい。それを選別をするということではなくて、むしろそういう担い手もできるだけ手厚く残す。新たな新規参入、そういったものを可能にするような措置というのがむしろ必要なんではないのかなというふうに思っております。
それから、ここのところが非常に大事だというふうに思っておりますけれども、やはりアメリカ型の大規模、単作の農業というのは日本ではなかなか難しい、特に国際競争力を得るというのはほとんど不可能に近いのではないのかなというふうに思います。そういった意味では、日本の特徴を生かした農業というものが追求すべきではないのかなというふうに思っております。
そういった意味では、ある程度の大規模化志向というのはあったにしても、基本は多品種少量生産、あるいは小規模も大事にしながらの農業ということになるのではないか。その中の大きい柱として、環境にも配慮した優しい農業ということになってくるのではないのかなというふうに思っております。こういった農業を、やはり専業農家、兼業農家あるいは自給的農家、定年帰農、そういったいろんな担い手が多様な形でかかわり合ってつくっていく、そういう農業というものがイメージされる必要があるのではないのかなというふうに思っております。
特に、今回の措置、あるいはこれからの問題として重要だと思いますのは、やはりお年寄りが生きがいを持てるような、やはりそういう農業なり集落、あるいは女性が元気であってこそ農村というのは活気が出てくるのではないのかなというふうに思います。そういった意味で、特定の担い手に着目すると同時に、やはりお年寄りも住みやすい、生きがいを持てる、女性も元気が出るような、そういう農業、農村にしていく必要があるのではないのかなというふうに思っております。
私は、地域社会農業という言葉、あえて地域農業に社会を加えておりますけれども、やはりこれからは農業に加えて地域文化、食文化、お祭り、いろんな多様な要素を農村持っているわけでありますけれども、こういったものを重視をしていく。あるいは、地産地消、消費者あるいは都会から交流をする方、そういった方々総体でつくっていく地域農業、地域社会農業、そういったものを一つのイメージとして立てていきたいなというふうに思っているわけでございます。
そういった意味では、今回、価格政策から所得政策に移行するわけでございますけれども、こういった所得政策も含めて、あるいは環境保全対策も含めて、地域全体を見ての地域社会政策、そういった形でこれからいろいろと検討していく必要があるのではないのかなというふうに思っております。
それから、環境関係でございますけれども、やはり今の非常に課題と思いますのは、これからの日本農業の環境に優しい、安全、安心、これをどこまでどういうふうに引っ張り上げていくのかという一つの目標なりステップ、こういったものを刻んでいく必要があるのではないのかなというふうに思っておりますけれども、残念ながら有機農業というものはなかなか今現実には認知をされていない状況になっているわけでございます。全体としては非常に、環境に優しい農業、環境保全型農業、これが大事だというふうに思いますけれども、これを、全体を含めてやはり一つの基本的な法律の中で、生産から表示、流通、いろんな形でのトータルの基本法的なものが必要なのではないのかなというふうに思っております。
現状は、有機農業あり、GAPがあり、持続農業、エコファーマーがあり、IPMがありと非常に概念が混乱をしている、分かりにくい。そういうこともございますし、基本的にJAS法の中に有機農業も位置付けられているということでございまして、言ってみれば表示の世界に限定をされているということでありまして、むしろこれからの日本農業の在り方の中にきっちり位置付けて法的な対策も講じていくことが必要ではないのかなというふうに考えております。
こういったことに向けて、取りあえず今必要とされる対応ということで最後にまとめさせていただきたいと思いますけれども、やはり基本的には、まず多様な担い手あるいは地域にふさわしい適地適作を基にした、やはりそういう地域営農計画、地域農業計画、これの策定を是非強力に進めていただきたいというふうに思います。補助金をもらうための集落営農だとか認定農業者と、そういうことではなくて、あくまで地域営農をどうしていくのか、地域農業をどうしていくのか、ここに本当に集落ぐるみあるいは消費者も含めて地域営農をどうしていくのかという、そこの岩盤をきっちりやった上で必要な担い手が支援を受けていくと、こういうのが筋道ではないのかなというふうに思います。
それから二番目に、やはり要件がいろいろあるわけですけれども、北から南まで、あるいは多様な日本の自然条件というと、本当に盆地一つ隔てると相当状況が違うわけでございまして、そういった意味では極力可能な範囲で弾力的な措置をお願いをしたいというふうに思います。ある意味では、その地域事情を優先をした形で支払がなされればというふうに思っております。
それから三番目でありますけれども、やはりこれからの日本農業の在り方といいますか展望といいますか、やはりこれを早く協議をしてほしいというふうに思います。いろんな食と農の再生プランなり、今回の新農政プラン等々出ておりますけれども、まだもう一つ、農家の実感として、これからの農村をどういうふうに持っていくのか、自分たちとのかかわり合いというのが非常にまだ希薄な部分が非常に多いのではないのかなというふうに思います。やはり今回の担い手問題、これだけ議論になっているわけでありますから、そういう担い手がどうやって地域を守っていくのか、そういったことが十分納得できるような、そういう計画、ビジョン、そういったものを早急に作っていくことが重要ではないのかなというふうに思います。
以上です。
岩
村
村田武#9
○参考人(村田武君) 愛媛大学農学部におります村田でございます。
本日は参考人陳述の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。お手元に本日用の陳述メモを配付していただいていますので、ほぼこれに沿って発言させていただきます。昨年三月まで九州大学農学部におりましたので、本日の陳述の主としてフィールドとしますのは北九州米麦二毛作地帯を念頭に置いておると、これに愛媛県等加えておると御理解いただければと思います。
さて、新たな食料・農業・農村基本計画は、旧計画の見直しの域を超えた大掛かりな農政改革として策定され、その実質的な目標が、国境措置に過度に依存しない政策体系への移行と望ましい農業構造への構造改革、そして食料自給率の向上にあるとされているものと理解しております。
それを推進する中軸的な施策としての経営所得安定対策等大綱における品目横断的経営安定対策の提示は、低い国境措置の下で、構造改革と自給率の向上を同時に達成するという原理的に困難な課題を実現せんとするものでありますけれども、構造改革を実現してこそ自給率の向上が達成されるという政策的な論理構成を取っているために、構造改革の優先度がより高くなっております。そのため、同対策は対象を担い手に限定するという、欧米の直接支払政策には見られないところの直接支払それ自体に農業構造の改革を期待するという意味での日本型になっていると理解いたします。
以下では、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案を中心に意見を申し上げたいと思います。
メモをめくっていただきまして、二ページ目に参りますが、第一に、対象農業者の限定ではなく、基本的な価格・所得政策はすべての生産者、販売者を対象にすべきだということであります。
法律第一条及び第二条二項で規定されている対象農業者の限定は、農業就業者の高齢化の中で水田普通作の認定農業者の形成が弱く、米生産調整にもブロックローテーションなど集団転作での対応を余儀なくされているような地域では大きな戸惑いと混乱を引き起こしております。
認定農業者を育成しようにもいかんともし難い地域では、要件が緩められた集落営農をともかくも組織しようではないかということで、農業改良普及センターの普及指導員や農協の営農指導員が連携して集落座談会に力を入れるといった状況にあります。私なども農協営農指導員研修会等に講演で引っ張り出されますけれども、愛媛県のように、裸麦では一千七百ヘクタールという全国一の産地なんですが、しかし全体として水田農業での認定農業者の形成が非常に弱い中では、これは集落営農でいかざるを得ません。当然、そうなれば、営農指導員や改良普及員に対してしっかりと現場で品目横断的経営安定対策を説明し、あなたたちは集落営農を組織しないと、後になって対象から外された農家から不作為責任を問われることになりかねませんよといったような、半ば脅迫的な言辞を弄するといったことになっておるわけであります。
少しメモ以外のところに触れましたけれども、メモに戻りますと、経営安定対策の対象に認められる集落営農の要件が、特定農業団体となるか、これと同様の要件を満たす組織に緩和されたとしても、いいのは、農用地の利用集積目標、規約作成、経理の一元化までは何とか対応できるんですね。ところが、主たる従事者の所得目標を定め五年以内の農業生産法人化計画の作成、これにはちゅうちょせざるを得ないと。というのも、現実の集落営農は非常に多様であります。兼業従事者がオペレーターを担当するのは当たり前という組織がたくさんあります。定年帰農者に期待するしかない組織もあります。主たる従事者を育てるのではなくて、不安定兼業農家、特に土建・日雇い型、運送業、トラック運転手等、不安定兼業農家にとって重要な農業所得の確保を主眼にした組織であります。そうしますと、正に集落営農は地域の実情に即して多様に組織されているわけでありまして、そのような現実に対して、第二条の二項ロにいうところの「特定農業団体その他」というこの組織の縛り、つまり法人化をタイムスケジュールに織り込まざるを得ないというこの集落営農の組織化、これが苦しいわけであります。
私は、言わばこのような強行的な集落営農の組織化と言いたいわけでありますが、これが戦後の、私、東欧社会主義農業を研究した経緯を持っているんですけれども、かつて一九五〇年代から六〇年代の旧東ドイツを含め東欧諸国における事実上の強制的な農業集団化をほうふつさせますね。あの東ドイツ、東欧諸国の農業集団化が大きな抵抗と農業生産力の停滞を招いた歴史は御承知のとおりでありまして、地域の農家の自発性と合意の下にじっくり時間を掛けて組織されるのではなく、政治が迫る集落営農が日本農業の足腰を強くさせ、農村社会の安定、定住条件の確保につながるとは到底思えないということを強調しておきたいと思います。
二番目に、食料自給率の向上と対象農産物及びゲタ対策、ナラシ対策の矛盾の問題であります。
法案第二条において、対象農産物の選択が、第一項では「国民に対する熱量の供給を図る上で特に重要なもの」とされながら、結局のところはWTO農業協定における国内支持の削減対象、つまり黄政策の緑化を主眼とするものになっております。我が国は国内支持削減約束目標を既に大幅超過達成しておるにもかかわらずであります。そこに数字を並べましたけれども、メモの三ページの四行目でありますが、二〇〇二年には七千三百億円にまで減らしております。これは三兆二千四百億円余り国際約束では余裕を抱えておるわけであります。
AMSの削減を主眼にするからこそ、経営安定対策の直接支払を第一条の第一の交付金、いわゆるゲタ対策が導き出されることになりました。このゲタ対策を緑化するためには、過去の作付面積に対する交付金のウエートを高めざるを得ないと。もし交付金の七割を過去面積に支払うという設計をすれば、どういう事態を迎えるかと。小麦過去面積二十ヘクタールの認定農業者が、平成十九年に小麦を作付けせず野菜など対策対象外作物を作付けしたとしても五百六十二万八千円の交付を受けることができます。これでは食料自給率が向上しないだけでなく、モラルハザードを引き起こしかねないわけであります。
さらに、AMSの削減を主眼にしたことが、同じく第一条の第二の交付金、ナラシ対策にも、これをいわゆる収入変動影響緩和措置として、ナラシ対策にとどめるものになりました。
私の知る福岡県など北九州米麦二毛作地帯の認定農業者は、異口同音に、米に対するナラシ対策が米価の趨勢的下落の下ではセーフティーネット機能を持ち得ないことに大きな失望の声を上げ、経営の不安定性がますます強まらざるを得ないことに危機感を強めております。なるほど、西日本の大都市近郊の稲作大規模経営の中には、米を農協に、既に一万二千円まで下がっておる米価で、これで出荷するのではなくて、言わば自家精米を、○○家のお米という自家精米、袋詰めで何とか十キロ四千円で顔の見える近隣消費者に販売することで米価下落をしのいでいる経営も少なくありません。しかし、言わば、そのような恵まれた条件、環境にある認定農業者は決して多数派ではないわけであります。
そこで、提案であります。
第一に、米に対するナラシ対策を固定型の基準価格に基づく不足払い化すべきであります。法案第四条に、ナラシ対策に水田農業についてのセーフティーネット機能を持たせるということであります。
というのも、品目横断的経営安定対策は、米に生産条件格差是正を目的とするゲタ対策を導入して、それが米の経営安定対策の第一の交付金になるといった事態は想定されていないと考えられます。このレジュメの末尾に、米にゲタ対策が導入される場合を計算しております。関税、現在の三百四十一円が二百十二円二十銭になればゲタ対策の導入の条件ができるわけでありますけれども、しかし問題は、米のゲタ対策交付金と生産者価格の合計が米生産費をカバーする事態というのは、これはあり得ません。現在の麦や大豆並みの低率関税と低自給率を米に想定するならばあり得るんですけれども、それは食料自給率の向上が重要な政策目標である限り非現実的であります。そういう意味で、是非ともナラシ対策に固定型の基準価格に基づく不足払いが、その制度が必要であります。
具体的に提案いたしますと、旧稲作経営安定対策、現稲作所得基盤確保対策・担い手経営安定対策に代えて、固定基準価格に基づく不足払いを導入すべきであります。
基準価格は全国一本の生産者受取ベースで決定し、その水準は六十キロ当たり一万四千円としてはどうかと。これは全国四、五ヘクタール層の生産費相当であります。もしこれが全国農家、稲作総平均でいきますと一万七千円台になりますが、そこまでは予算との関係から見ても無理かとするならば、四、五ヘクタール層、この一万四千円でどうであろうかと。
これを基準価格として、全国平均指標価格マイナス平均流通コスト、つまり、生産者手取り額がこの基準価格を下回ったらその差額に、全産地銘柄について同一額の補てんをすると。平均流通コストは一俵当たり恐らく二千円から二千五百円でありますので、もし全国平均指標価格が一万六千円辺りを下回れば、一万六千円から一万六千五百円を下回ればこの対策の導入ということになろうと考えておるわけであります。これによって、この基準価格を下回ったらその差額について全産地銘柄について同一額の補てんという方式でありますので、各産地銘柄の販売における安売りモラルハザードの問題は基本的に回避できます。
さらに、この支払、不足払いを生産調整への参加を要件とするならば、現行WTO約束上は青となってクリアできます。
二番目に、生産調整、水田利用複合化(転作)助成、過剰米対策についてであります。
米の生産調整は国のプログラムとして継続すべきであります。
その根拠は、第一に、二次関税を払って自由に輸入され得る輸入米価格が生産調整廃止時の国産米需給均衡価格を上回っている限り、国産米の生産調整による市場価格維持の意義と有効性があります。
第二に、日本の水田を食用米以外の作目に利用複合化する必要性は、今後増えることはあっても減ることはありません。そのための政策としても、水田他作目への誘導措置と組み合わせた生産調整が有効であります。
第三に、国の生産調整プログラムとリンクした直接支払として、上の不足払いについて青政策のポジションを維持し得るわけであります。
次に、現在の集荷円滑化対策を、豊作以外の要因による過剰米にも発動できる過剰米対策に拡充し、その処理費用を一万円、これは米の全国平均物財費でありますが、あるいは最低でも七千五百円に引き上げて、実効性を確保してはいかがかと。
次に、麦、大豆についてであります。これは、水田重要品目の例として取り上げますが、第一に、基本的に、品目に対する支払で生産費をカバーし得る仕組みとしてはいかがであろうかと。時間がございませんので、その数字ははしょらせていただきます。
小麦、大豆、こういったものについても、これらの直接支払は現行WTO約束によるAMSの範囲内で対応可能であります。
もう一つは、水田利用複合化助成として、引き続き麦、大豆、飼料作を水田以外の戦略的作物と位置付けて、十アール当たり稲作所得約六万円の格差補正のために水田利用複合化助成を行うと。小麦、大豆では、上の品目ごと水準による直接支払とした場合、助成額は十アール当たり小麦四万五千円、大豆三万五千円程度となります。ホールクロップサイレージ米を含む飼料作にも直接支払を行うべきであります。重要であるのは、これらは「国民に対する熱量の供給を図る上で特に重要なもの」であって、食料自給率向上交付金的性格を強めるべきだという視点に基づく助成であります。
以上で陳述を終わります。
この発言だけを見る →本日は参考人陳述の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。お手元に本日用の陳述メモを配付していただいていますので、ほぼこれに沿って発言させていただきます。昨年三月まで九州大学農学部におりましたので、本日の陳述の主としてフィールドとしますのは北九州米麦二毛作地帯を念頭に置いておると、これに愛媛県等加えておると御理解いただければと思います。
さて、新たな食料・農業・農村基本計画は、旧計画の見直しの域を超えた大掛かりな農政改革として策定され、その実質的な目標が、国境措置に過度に依存しない政策体系への移行と望ましい農業構造への構造改革、そして食料自給率の向上にあるとされているものと理解しております。
それを推進する中軸的な施策としての経営所得安定対策等大綱における品目横断的経営安定対策の提示は、低い国境措置の下で、構造改革と自給率の向上を同時に達成するという原理的に困難な課題を実現せんとするものでありますけれども、構造改革を実現してこそ自給率の向上が達成されるという政策的な論理構成を取っているために、構造改革の優先度がより高くなっております。そのため、同対策は対象を担い手に限定するという、欧米の直接支払政策には見られないところの直接支払それ自体に農業構造の改革を期待するという意味での日本型になっていると理解いたします。
以下では、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案を中心に意見を申し上げたいと思います。
メモをめくっていただきまして、二ページ目に参りますが、第一に、対象農業者の限定ではなく、基本的な価格・所得政策はすべての生産者、販売者を対象にすべきだということであります。
法律第一条及び第二条二項で規定されている対象農業者の限定は、農業就業者の高齢化の中で水田普通作の認定農業者の形成が弱く、米生産調整にもブロックローテーションなど集団転作での対応を余儀なくされているような地域では大きな戸惑いと混乱を引き起こしております。
認定農業者を育成しようにもいかんともし難い地域では、要件が緩められた集落営農をともかくも組織しようではないかということで、農業改良普及センターの普及指導員や農協の営農指導員が連携して集落座談会に力を入れるといった状況にあります。私なども農協営農指導員研修会等に講演で引っ張り出されますけれども、愛媛県のように、裸麦では一千七百ヘクタールという全国一の産地なんですが、しかし全体として水田農業での認定農業者の形成が非常に弱い中では、これは集落営農でいかざるを得ません。当然、そうなれば、営農指導員や改良普及員に対してしっかりと現場で品目横断的経営安定対策を説明し、あなたたちは集落営農を組織しないと、後になって対象から外された農家から不作為責任を問われることになりかねませんよといったような、半ば脅迫的な言辞を弄するといったことになっておるわけであります。
少しメモ以外のところに触れましたけれども、メモに戻りますと、経営安定対策の対象に認められる集落営農の要件が、特定農業団体となるか、これと同様の要件を満たす組織に緩和されたとしても、いいのは、農用地の利用集積目標、規約作成、経理の一元化までは何とか対応できるんですね。ところが、主たる従事者の所得目標を定め五年以内の農業生産法人化計画の作成、これにはちゅうちょせざるを得ないと。というのも、現実の集落営農は非常に多様であります。兼業従事者がオペレーターを担当するのは当たり前という組織がたくさんあります。定年帰農者に期待するしかない組織もあります。主たる従事者を育てるのではなくて、不安定兼業農家、特に土建・日雇い型、運送業、トラック運転手等、不安定兼業農家にとって重要な農業所得の確保を主眼にした組織であります。そうしますと、正に集落営農は地域の実情に即して多様に組織されているわけでありまして、そのような現実に対して、第二条の二項ロにいうところの「特定農業団体その他」というこの組織の縛り、つまり法人化をタイムスケジュールに織り込まざるを得ないというこの集落営農の組織化、これが苦しいわけであります。
私は、言わばこのような強行的な集落営農の組織化と言いたいわけでありますが、これが戦後の、私、東欧社会主義農業を研究した経緯を持っているんですけれども、かつて一九五〇年代から六〇年代の旧東ドイツを含め東欧諸国における事実上の強制的な農業集団化をほうふつさせますね。あの東ドイツ、東欧諸国の農業集団化が大きな抵抗と農業生産力の停滞を招いた歴史は御承知のとおりでありまして、地域の農家の自発性と合意の下にじっくり時間を掛けて組織されるのではなく、政治が迫る集落営農が日本農業の足腰を強くさせ、農村社会の安定、定住条件の確保につながるとは到底思えないということを強調しておきたいと思います。
二番目に、食料自給率の向上と対象農産物及びゲタ対策、ナラシ対策の矛盾の問題であります。
法案第二条において、対象農産物の選択が、第一項では「国民に対する熱量の供給を図る上で特に重要なもの」とされながら、結局のところはWTO農業協定における国内支持の削減対象、つまり黄政策の緑化を主眼とするものになっております。我が国は国内支持削減約束目標を既に大幅超過達成しておるにもかかわらずであります。そこに数字を並べましたけれども、メモの三ページの四行目でありますが、二〇〇二年には七千三百億円にまで減らしております。これは三兆二千四百億円余り国際約束では余裕を抱えておるわけであります。
AMSの削減を主眼にするからこそ、経営安定対策の直接支払を第一条の第一の交付金、いわゆるゲタ対策が導き出されることになりました。このゲタ対策を緑化するためには、過去の作付面積に対する交付金のウエートを高めざるを得ないと。もし交付金の七割を過去面積に支払うという設計をすれば、どういう事態を迎えるかと。小麦過去面積二十ヘクタールの認定農業者が、平成十九年に小麦を作付けせず野菜など対策対象外作物を作付けしたとしても五百六十二万八千円の交付を受けることができます。これでは食料自給率が向上しないだけでなく、モラルハザードを引き起こしかねないわけであります。
さらに、AMSの削減を主眼にしたことが、同じく第一条の第二の交付金、ナラシ対策にも、これをいわゆる収入変動影響緩和措置として、ナラシ対策にとどめるものになりました。
私の知る福岡県など北九州米麦二毛作地帯の認定農業者は、異口同音に、米に対するナラシ対策が米価の趨勢的下落の下ではセーフティーネット機能を持ち得ないことに大きな失望の声を上げ、経営の不安定性がますます強まらざるを得ないことに危機感を強めております。なるほど、西日本の大都市近郊の稲作大規模経営の中には、米を農協に、既に一万二千円まで下がっておる米価で、これで出荷するのではなくて、言わば自家精米を、○○家のお米という自家精米、袋詰めで何とか十キロ四千円で顔の見える近隣消費者に販売することで米価下落をしのいでいる経営も少なくありません。しかし、言わば、そのような恵まれた条件、環境にある認定農業者は決して多数派ではないわけであります。
そこで、提案であります。
第一に、米に対するナラシ対策を固定型の基準価格に基づく不足払い化すべきであります。法案第四条に、ナラシ対策に水田農業についてのセーフティーネット機能を持たせるということであります。
というのも、品目横断的経営安定対策は、米に生産条件格差是正を目的とするゲタ対策を導入して、それが米の経営安定対策の第一の交付金になるといった事態は想定されていないと考えられます。このレジュメの末尾に、米にゲタ対策が導入される場合を計算しております。関税、現在の三百四十一円が二百十二円二十銭になればゲタ対策の導入の条件ができるわけでありますけれども、しかし問題は、米のゲタ対策交付金と生産者価格の合計が米生産費をカバーする事態というのは、これはあり得ません。現在の麦や大豆並みの低率関税と低自給率を米に想定するならばあり得るんですけれども、それは食料自給率の向上が重要な政策目標である限り非現実的であります。そういう意味で、是非ともナラシ対策に固定型の基準価格に基づく不足払いが、その制度が必要であります。
具体的に提案いたしますと、旧稲作経営安定対策、現稲作所得基盤確保対策・担い手経営安定対策に代えて、固定基準価格に基づく不足払いを導入すべきであります。
基準価格は全国一本の生産者受取ベースで決定し、その水準は六十キロ当たり一万四千円としてはどうかと。これは全国四、五ヘクタール層の生産費相当であります。もしこれが全国農家、稲作総平均でいきますと一万七千円台になりますが、そこまでは予算との関係から見ても無理かとするならば、四、五ヘクタール層、この一万四千円でどうであろうかと。
これを基準価格として、全国平均指標価格マイナス平均流通コスト、つまり、生産者手取り額がこの基準価格を下回ったらその差額に、全産地銘柄について同一額の補てんをすると。平均流通コストは一俵当たり恐らく二千円から二千五百円でありますので、もし全国平均指標価格が一万六千円辺りを下回れば、一万六千円から一万六千五百円を下回ればこの対策の導入ということになろうと考えておるわけであります。これによって、この基準価格を下回ったらその差額について全産地銘柄について同一額の補てんという方式でありますので、各産地銘柄の販売における安売りモラルハザードの問題は基本的に回避できます。
さらに、この支払、不足払いを生産調整への参加を要件とするならば、現行WTO約束上は青となってクリアできます。
二番目に、生産調整、水田利用複合化(転作)助成、過剰米対策についてであります。
米の生産調整は国のプログラムとして継続すべきであります。
その根拠は、第一に、二次関税を払って自由に輸入され得る輸入米価格が生産調整廃止時の国産米需給均衡価格を上回っている限り、国産米の生産調整による市場価格維持の意義と有効性があります。
第二に、日本の水田を食用米以外の作目に利用複合化する必要性は、今後増えることはあっても減ることはありません。そのための政策としても、水田他作目への誘導措置と組み合わせた生産調整が有効であります。
第三に、国の生産調整プログラムとリンクした直接支払として、上の不足払いについて青政策のポジションを維持し得るわけであります。
次に、現在の集荷円滑化対策を、豊作以外の要因による過剰米にも発動できる過剰米対策に拡充し、その処理費用を一万円、これは米の全国平均物財費でありますが、あるいは最低でも七千五百円に引き上げて、実効性を確保してはいかがかと。
次に、麦、大豆についてであります。これは、水田重要品目の例として取り上げますが、第一に、基本的に、品目に対する支払で生産費をカバーし得る仕組みとしてはいかがであろうかと。時間がございませんので、その数字ははしょらせていただきます。
小麦、大豆、こういったものについても、これらの直接支払は現行WTO約束によるAMSの範囲内で対応可能であります。
もう一つは、水田利用複合化助成として、引き続き麦、大豆、飼料作を水田以外の戦略的作物と位置付けて、十アール当たり稲作所得約六万円の格差補正のために水田利用複合化助成を行うと。小麦、大豆では、上の品目ごと水準による直接支払とした場合、助成額は十アール当たり小麦四万五千円、大豆三万五千円程度となります。ホールクロップサイレージ米を含む飼料作にも直接支払を行うべきであります。重要であるのは、これらは「国民に対する熱量の供給を図る上で特に重要なもの」であって、食料自給率向上交付金的性格を強めるべきだという視点に基づく助成であります。
以上で陳述を終わります。
岩
岩城光英#10
○委員長(岩城光英君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
岸
岸信夫#11
○岸信夫君 自民党の岸信夫でございます。
本日は、参考人の皆様におかれましては、大変貴重な御意見を賜りました。本当にありがとうございました。
私たち参議院の農林水産委員会でも、この法案についてしっかりと時間を掛けまして、今審議をしておるところでございます。今までも参考人の方々に御意見を伺ったり、あるいは地方公聴会に出て、地方の現場の方の御意見を伺ったりしてまいりました。先日も、この月曜、火曜で、北海道旭川に行ってまいりました。大変大規模な農業をされているところでございます。そこで、公聴会また水田を中心とした大規模農家の方々にもいろいろな話を伺ったわけでございます。
我々、北海道に参りますと、いつも非常に、空の上から見ますと広大な大地で、広い農地を見ることができるわけです。そういうところを見ますと、非常に生産条件の整ったところで非常に強い農業が行われているんではないかと、こういうふうにイメージとして考えるわけでございますけれども、実際に現地の方のお話を伺いますと、決してそんなに楽なことではないということでございます。
特に、近年の米価下落の傾向が続いております中で、その水田を中心にした主業農家の方が多いと、こういうのも非常にその要因になっているんだと思うんですけれども、その中で、今日のお話にもございましたけれども、品目横断経営安定対策の中の面積要件の部分なんですけれども、これを絞ると経営意欲をなくする農家が出てきてしまう、今日の御議論にもあったと思います。
私自身は、いわゆる土地利用型の農業について、ある程度の規模の担い手に施策を集中していくと、それで強い農業をつくっていくというのは方向性としては正しいんではないかというふうには理解しているわけでございますけれども、一方で、じゃ、どこの規模を切るのか。今回の場合でしたら、四ヘクタールあるいは北海道でしたら十ヘクタールというのがあるわけですけれども、それがいいのか。あるいは、いろいろな御意見の中で、その規模だけではなくて、例えば売上げとかほかの要素を取り入れて、その中でしっかり取り組んでおられる農家に対してもこの対象にすべきである、こういうような御意見も伺ったわけであります。
非常に難しい問題ではあると思うんですけれども、弾力的に運用すべきであるというような御意見もあったわけですけれども、この件について、すなわち、要は担い手集中、このこと自体への御批判もあると思うんですが、今回の法案ということを考えて、今の基準の数字というのが本当に妥当なのかどうか、あるいはほかの要件も入れるべきかどうかということについて、各参考人から御意見をいただければと思います。
この発言だけを見る →本日は、参考人の皆様におかれましては、大変貴重な御意見を賜りました。本当にありがとうございました。
私たち参議院の農林水産委員会でも、この法案についてしっかりと時間を掛けまして、今審議をしておるところでございます。今までも参考人の方々に御意見を伺ったり、あるいは地方公聴会に出て、地方の現場の方の御意見を伺ったりしてまいりました。先日も、この月曜、火曜で、北海道旭川に行ってまいりました。大変大規模な農業をされているところでございます。そこで、公聴会また水田を中心とした大規模農家の方々にもいろいろな話を伺ったわけでございます。
我々、北海道に参りますと、いつも非常に、空の上から見ますと広大な大地で、広い農地を見ることができるわけです。そういうところを見ますと、非常に生産条件の整ったところで非常に強い農業が行われているんではないかと、こういうふうにイメージとして考えるわけでございますけれども、実際に現地の方のお話を伺いますと、決してそんなに楽なことではないということでございます。
特に、近年の米価下落の傾向が続いております中で、その水田を中心にした主業農家の方が多いと、こういうのも非常にその要因になっているんだと思うんですけれども、その中で、今日のお話にもございましたけれども、品目横断経営安定対策の中の面積要件の部分なんですけれども、これを絞ると経営意欲をなくする農家が出てきてしまう、今日の御議論にもあったと思います。
私自身は、いわゆる土地利用型の農業について、ある程度の規模の担い手に施策を集中していくと、それで強い農業をつくっていくというのは方向性としては正しいんではないかというふうには理解しているわけでございますけれども、一方で、じゃ、どこの規模を切るのか。今回の場合でしたら、四ヘクタールあるいは北海道でしたら十ヘクタールというのがあるわけですけれども、それがいいのか。あるいは、いろいろな御意見の中で、その規模だけではなくて、例えば売上げとかほかの要素を取り入れて、その中でしっかり取り組んでおられる農家に対してもこの対象にすべきである、こういうような御意見も伺ったわけであります。
非常に難しい問題ではあると思うんですけれども、弾力的に運用すべきであるというような御意見もあったわけですけれども、この件について、すなわち、要は担い手集中、このこと自体への御批判もあると思うんですが、今回の法案ということを考えて、今の基準の数字というのが本当に妥当なのかどうか、あるいはほかの要件も入れるべきかどうかということについて、各参考人から御意見をいただければと思います。
岩
川
川井田幸一#13
○参考人(川井田幸一君) ただいまのお尋ねの件についてでございますが、いわゆる規模だけでこういった担い手というものの位置付けでよいのかというお尋ねですね。
このことについては、私ども四ヘクタールという、北海道以外の地域ではかなり厳しいんじゃないかという、まず思いました。しかし、こういった政策が担い手あるいは認定農家等を中心にやっていくという形の中では、今後、そういった大規模農家あるいは法人化された農家づくりを急がなければならないだろうというふうに思っておりますし、救急にはこれでは対応し切れない地方もあると思いますし農家もあると思いますが、私どもJAグループとしては、やはりこういった集落営農あるいはJAの部会等に加入することによってこの四ヘクタールといういわゆる面積のところはクリアしなければならないだろうと思いますし、そういった集落を決めていく、あるいは法人化された農業を認定していくという中では若干の時間が必要かというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →このことについては、私ども四ヘクタールという、北海道以外の地域ではかなり厳しいんじゃないかという、まず思いました。しかし、こういった政策が担い手あるいは認定農家等を中心にやっていくという形の中では、今後、そういった大規模農家あるいは法人化された農家づくりを急がなければならないだろうというふうに思っておりますし、救急にはこれでは対応し切れない地方もあると思いますし農家もあると思いますが、私どもJAグループとしては、やはりこういった集落営農あるいはJAの部会等に加入することによってこの四ヘクタールといういわゆる面積のところはクリアしなければならないだろうと思いますし、そういった集落を決めていく、あるいは法人化された農業を認定していくという中では若干の時間が必要かというふうに考えております。
以上です。
梶
梶井功#14
○参考人(梶井功君) 私、先ほど申し上げましたように、一定規模階層で切るということそれ自体が反対なんですね。それではもう構造改善の加速になるんじゃなくて減速になるというふうに考えております。
その意味で、施策対象者として考えるんであれば、私としては、このナラシ対策の中でもって、三対一ですか、これ参加者にも施策対象者に一定金額積ませるわけですね。拠出させるわけですね。そういうことをやるということが前提になっているとすれば、私は営農意欲のある方、そしてやろうという意欲を持っている方は、すべてこれは施策対象にすべきだと。
その場合の意欲のあるなしというやつを見るのは、例えば生産調整に参加して地域のプランに従って頑張るんだという意欲を見せ、しかもなおかつ、その意欲を見せる具体的な姿として求められている拠出金を積むということをやっていれば、そこで十分に意欲分かるじゃないかと。そういう方を対象にしたらどうかと。別に要件をくっ付けるというようなことじゃなくて、そういう意味で、施策対象者を何らかの形でもって切るというようなことじゃなくて、むしろ、この意欲と能力のある方は全部対象にする。その意欲と能力のあるというのは一体何が決め手になるかといえば、生産調整をやり、地域の計画に従って生産調整をやり、かつ、求められている三対一のうちの、その一の拠出金にせよ、積むということが求められているわけですから、それに応ずるよと、やるよという意欲を、意思を表明している方はすべて対象にすべきじゃなかろうか、そう思っております。
この発言だけを見る →その意味で、施策対象者として考えるんであれば、私としては、このナラシ対策の中でもって、三対一ですか、これ参加者にも施策対象者に一定金額積ませるわけですね。拠出させるわけですね。そういうことをやるということが前提になっているとすれば、私は営農意欲のある方、そしてやろうという意欲を持っている方は、すべてこれは施策対象にすべきだと。
その場合の意欲のあるなしというやつを見るのは、例えば生産調整に参加して地域のプランに従って頑張るんだという意欲を見せ、しかもなおかつ、その意欲を見せる具体的な姿として求められている拠出金を積むということをやっていれば、そこで十分に意欲分かるじゃないかと。そういう方を対象にしたらどうかと。別に要件をくっ付けるというようなことじゃなくて、そういう意味で、施策対象者を何らかの形でもって切るというようなことじゃなくて、むしろ、この意欲と能力のある方は全部対象にする。その意欲と能力のあるというのは一体何が決め手になるかといえば、生産調整をやり、地域の計画に従って生産調整をやり、かつ、求められている三対一のうちの、その一の拠出金にせよ、積むということが求められているわけですから、それに応ずるよと、やるよという意欲を、意思を表明している方はすべて対象にすべきじゃなかろうか、そう思っております。
蔦
蔦谷栄一#15
○参考人(蔦谷栄一君) 私は、先ほど申し上げましたように、基本的には財源が限られているということで、特定、絞らざるを得ないのかなという、そういう感じは持っておるわけでございますけど、ただ、面積要件で一律に切るということは大変やはり余りにも差し障りが大き過ぎるかなという感じがしております。
そういった意味では、先ほどお話もいたしましたように、やはり地域全体でどういうふうにその地域の農業を守っていくのかという、そういった中で、特定の担い手がどれだけの面積を集積をしていけるのか、あるいは兼業農家がどこまでやっていけるのか、むしろそういう地域の話合いの中で弾力的に決めていってはどうなのかなということでありまして、そういった意味では、全国一律の要件、それではなくて、あくまで地域の話合いで集積をする方にある程度厚めにしていくというような、そういった対応の仕方がある意味では一番地域の納得、あるいは地域の先ほど申し上げましたようないろんな紐帯が崩壊しかねないとか、そういうことがあるわけでありまして、そこはむしろ地域営農計画を作る、あるいは担い手をどういうふうに割り付けをするのかと、そういった中で地域ごとに判断をしていってはどうなのかなと、そんなふうに考えております。
この発言だけを見る →そういった意味では、先ほどお話もいたしましたように、やはり地域全体でどういうふうにその地域の農業を守っていくのかという、そういった中で、特定の担い手がどれだけの面積を集積をしていけるのか、あるいは兼業農家がどこまでやっていけるのか、むしろそういう地域の話合いの中で弾力的に決めていってはどうなのかなということでありまして、そういった意味では、全国一律の要件、それではなくて、あくまで地域の話合いで集積をする方にある程度厚めにしていくというような、そういった対応の仕方がある意味では一番地域の納得、あるいは地域の先ほど申し上げましたようないろんな紐帯が崩壊しかねないとか、そういうことがあるわけでありまして、そこはむしろ地域営農計画を作る、あるいは担い手をどういうふうに割り付けをするのかと、そういった中で地域ごとに判断をしていってはどうなのかなと、そんなふうに考えております。
村
村田武#16
○参考人(村田武君) お手元に配付されています関係資料の二十八、二十九ページをごらんいただけますでしょうか。福岡県の事例を挙げておりますけれども、現在の担い手集中によって、例えば福岡県、佐賀県といった北九州、全国トップクラスの北海道に次ぐ麦作産地で、平成十五年から十七年福岡県産麦で一万七千ヘクタールほど、これで現行のゲタ対策の対象となると見込まれる確定面積はまだ六千三百ヘクタールほどにとどまっております。四割行っておりませんですね。これは、現場では必死になって今集落営農を含めてカバー率を八割までは上げようということで努力をやっておるわけであります。この秋、当然麦の播種が始まる前に確定しなければなりませんので、頑張っておるわけでありますけれども。
二十九ページの知事特認といいますか、特例措置で、所得確保の場合の特例で野菜作を複合している専業的な農家については、ここにありますように、恐らく一・五ヘクタール経営規模で、ハウストマト五十アール、水稲一ヘクタール、裏作麦一ヘクタールといった経営であるならばこれはクリアできるわけでありますけれども、所得確保の場合の特例で救えるわけでありますが、問題は第二種兼業農家なんですね。
その下にありますように、助成対象外農家、第二種兼業農家、これは生産調整からの離脱なり農地貸しはがしなりブロックローテーションからの離脱で、福岡県の減反四割ですから、四割減反の中での転作放棄が第二種兼業農家層から動き出しますと、もうにっちもさっちもいかないという困難が現場の中であるわけであります。現実に一定の要件緩和もしながら、販売額や集落によって農地規模の差に基づいて特例措置も導入していますけれども、現場では、これは残念ながら、麦作、大豆作、一〇〇%ゲタで対象にするなんということは困難だということで危機感が強まっているということだと思います。
この発言だけを見る →二十九ページの知事特認といいますか、特例措置で、所得確保の場合の特例で野菜作を複合している専業的な農家については、ここにありますように、恐らく一・五ヘクタール経営規模で、ハウストマト五十アール、水稲一ヘクタール、裏作麦一ヘクタールといった経営であるならばこれはクリアできるわけでありますけれども、所得確保の場合の特例で救えるわけでありますが、問題は第二種兼業農家なんですね。
その下にありますように、助成対象外農家、第二種兼業農家、これは生産調整からの離脱なり農地貸しはがしなりブロックローテーションからの離脱で、福岡県の減反四割ですから、四割減反の中での転作放棄が第二種兼業農家層から動き出しますと、もうにっちもさっちもいかないという困難が現場の中であるわけであります。現実に一定の要件緩和もしながら、販売額や集落によって農地規模の差に基づいて特例措置も導入していますけれども、現場では、これは残念ながら、麦作、大豆作、一〇〇%ゲタで対象にするなんということは困難だということで危機感が強まっているということだと思います。
岸
岸信夫#17
○岸信夫君 ありがとうございます。
確かに、非常に日本全国でそれぞれ様々な形で行われている中で、画一的な規模要件というものを付けるということに多少やはり無理があるということもあるんだと思います。ただ、こうした施策を取っていく上で何かの基準を作らなければいけないということなんだと思いますが、それを、要件に達しないところをカバーすべき集落営農でございますけれども、この点について蔦谷参考人にお伺いしたいと思います。
今回、農地の集積を進めるためのツールとしての集落営農組織をまた担い手の対象にしていく、こういうことなんですけれども、地方を考えてみますと、近年非常に、いわゆる地域の力というもの自体が非常に弱まってきておると思うんです。その中で、なかなか集落営農を組織自体を組むことが難しい。これは、非常に人間的な部分も含めて、そういう事態というのも起こっているんじゃないかというふうに思うわけですけれども。
先ほども御意見の中でもございましたけれども、集落営農、一つは単独での担い手、それから集落営農、また場合によっては、そこにも乗ってこないという方が出てくると。できる限りそういう形ですくい上げていくというのが本来の目的というか方向性だとは思うんですけれども、現実として、この施策が果たして地域にとって地域の連携を強めることになるのか、あるいはそれとも、かえってこれがゆえにばらばらになってしまう可能性があるのか、その点も資料の中には御指摘されていたと思うんですけれども、少し詳しくお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →確かに、非常に日本全国でそれぞれ様々な形で行われている中で、画一的な規模要件というものを付けるということに多少やはり無理があるということもあるんだと思います。ただ、こうした施策を取っていく上で何かの基準を作らなければいけないということなんだと思いますが、それを、要件に達しないところをカバーすべき集落営農でございますけれども、この点について蔦谷参考人にお伺いしたいと思います。
今回、農地の集積を進めるためのツールとしての集落営農組織をまた担い手の対象にしていく、こういうことなんですけれども、地方を考えてみますと、近年非常に、いわゆる地域の力というもの自体が非常に弱まってきておると思うんです。その中で、なかなか集落営農を組織自体を組むことが難しい。これは、非常に人間的な部分も含めて、そういう事態というのも起こっているんじゃないかというふうに思うわけですけれども。
先ほども御意見の中でもございましたけれども、集落営農、一つは単独での担い手、それから集落営農、また場合によっては、そこにも乗ってこないという方が出てくると。できる限りそういう形ですくい上げていくというのが本来の目的というか方向性だとは思うんですけれども、現実として、この施策が果たして地域にとって地域の連携を強めることになるのか、あるいはそれとも、かえってこれがゆえにばらばらになってしまう可能性があるのか、その点も資料の中には御指摘されていたと思うんですけれども、少し詳しくお伺いできればと思います。
蔦
蔦谷栄一#18
○参考人(蔦谷栄一君) 大変もろ刃の剣の要素を持っているというふうに思います。やっぱり、この要件をどういうふうに持ち出すかによって、意欲を喪失する可能性を持った方がたくさんおられるというのは事実だろうと思います。
したがって、この地域のまとまりをやっていくためには、繰り返しになりますけれども、やはりその地域で土地利用型の作目と、技術集約的なそういった作目、適地適作を含めて自分たちの地域、そこに畜産、果樹、野菜、米、麦、そういったものをみんな含めて、そういう生産形態をどうやってやっていくのかということ、やはりその中に多分、兼業農家あるいは自給的農家、いろんな人たちの役割というものが出てくるのではないのかなというふうに思うんですよね。
したがって、これを単にお米だけ、あるいは土地利用型作目だけに限定をして、あなたはこっちの升に入りますよと、あなたはそうじゃないと、こういうことではなくて、やはりその地域全体をどういう農業へ持っていくのかと、そういう話合いの中で、一つのお互いの分担関係といいますか、ちょっときれい事になるかもしれませんけれども、お互いにすみ分けをしていく中で、米、土地利用型の農業については今回の対策をこういった形で受けていく、あるいは別な形で環境保全対策をそれ以外のところでいただいていくとか、やはりそういうことになってくるのではないかと。
基本は、やはり今回の営農計画を作るときに、土地利用型だけでやることの大変難しさといいますか、むしろ先ほど申し上げましたように、高齢者なり女性なり、やっぱりそういった方々の出番も含めて考えていくということになれば、やはり地域全体のいろんな多品目を含めた計画作り、それを彼らが主体になってやっていくということが基本になってくるように思います。
この発言だけを見る →したがって、この地域のまとまりをやっていくためには、繰り返しになりますけれども、やはりその地域で土地利用型の作目と、技術集約的なそういった作目、適地適作を含めて自分たちの地域、そこに畜産、果樹、野菜、米、麦、そういったものをみんな含めて、そういう生産形態をどうやってやっていくのかということ、やはりその中に多分、兼業農家あるいは自給的農家、いろんな人たちの役割というものが出てくるのではないのかなというふうに思うんですよね。
したがって、これを単にお米だけ、あるいは土地利用型作目だけに限定をして、あなたはこっちの升に入りますよと、あなたはそうじゃないと、こういうことではなくて、やはりその地域全体をどういう農業へ持っていくのかと、そういう話合いの中で、一つのお互いの分担関係といいますか、ちょっときれい事になるかもしれませんけれども、お互いにすみ分けをしていく中で、米、土地利用型の農業については今回の対策をこういった形で受けていく、あるいは別な形で環境保全対策をそれ以外のところでいただいていくとか、やはりそういうことになってくるのではないかと。
基本は、やはり今回の営農計画を作るときに、土地利用型だけでやることの大変難しさといいますか、むしろ先ほど申し上げましたように、高齢者なり女性なり、やっぱりそういった方々の出番も含めて考えていくということになれば、やはり地域全体のいろんな多品目を含めた計画作り、それを彼らが主体になってやっていくということが基本になってくるように思います。
岸
岸信夫#19
○岸信夫君 ありがとうございます。
それにも関連してくるんですけれども、地域のことなんですけれども、今回、車の両輪という形で資源、水、環境保全ということが出てきておるわけですけれども、この我々の議論の中でもなかなか、いわゆる内容が具体的にまだはっきりしない。実際には、非常にある意味大切な部分だと思うんですね。いわゆる農業、いわゆる農業生産だけの側面ではなくて、やはりその地域を守っていくと、こういうところから全体の農業を救っていくような形に持っていくためにも、この辺りの考え方というのは非常に大事だと思うんですけれども、なかなかはっきりとした形、イメージができてこないんですけれども、この点について蔦谷参考人、どういう形でこの部分を持っていったらいいかということについてお話しいただければと思います。
この発言だけを見る →それにも関連してくるんですけれども、地域のことなんですけれども、今回、車の両輪という形で資源、水、環境保全ということが出てきておるわけですけれども、この我々の議論の中でもなかなか、いわゆる内容が具体的にまだはっきりしない。実際には、非常にある意味大切な部分だと思うんですね。いわゆる農業、いわゆる農業生産だけの側面ではなくて、やはりその地域を守っていくと、こういうところから全体の農業を救っていくような形に持っていくためにも、この辺りの考え方というのは非常に大事だと思うんですけれども、なかなかはっきりとした形、イメージができてこないんですけれども、この点について蔦谷参考人、どういう形でこの部分を持っていったらいいかということについてお話しいただければと思います。
蔦
蔦谷栄一#20
○参考人(蔦谷栄一君) これ、やはり一つ現実に実践をしておられる中心になっているのは有機農家だと思うんです。それと、全般的に減農薬、減化学肥料という、そういう動きも広まってはきていると思うんですけれども、非常に大事なことは、そういう孤軍奮闘してきた有機農家の経験なり知恵なり、やはりそういったものをできるだけ一般化をしていく。確かに、有機農業というのはレベル、ハードルが高いと思うんですけれども、そういった方々の知恵、力、経験をかりながら、いかにその地域全体に広めていくかという、その環境保全型の中で一つの目標として有機農業というのがあると思うんですけれども、現実的にどういう刻み、ステップを組んでいったらいいのか、やはりそこのところの具体的な進行表といいますか、あるいは目標としてこういったところまで行くんだと。
したがって、最初から有機農業と言ってしまえばなかなか難しいのかもしれませんけれども、レベルアップという形で、やはり地域での、取りあえず農薬を三分の一に減らしてみるとか、あるいは半分にしていくとか、そういう刻みの仕方になるのかなというふうに思っております。
それと、この環境というのが、ともすれば、農薬、化学肥料の使用量ということにかなり限定をされるわけですけれども、やはり基本は土づくりから、いろんなローテーションから、持続的、循環型の農業を進めていくというのが基本的な考え方だというふうに思います。
したがって、そういう土づくり等々も含めて、ベーシックな農業技術といいますか、やはりそういったものを集落それぞれで共有化をしていくという、そういった中にいろんな環境問題、生き物調査だとか、いろいろ最近出てきておりますけれども、そういったものを位置付けていくということが大事なのではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →したがって、最初から有機農業と言ってしまえばなかなか難しいのかもしれませんけれども、レベルアップという形で、やはり地域での、取りあえず農薬を三分の一に減らしてみるとか、あるいは半分にしていくとか、そういう刻みの仕方になるのかなというふうに思っております。
それと、この環境というのが、ともすれば、農薬、化学肥料の使用量ということにかなり限定をされるわけですけれども、やはり基本は土づくりから、いろんなローテーションから、持続的、循環型の農業を進めていくというのが基本的な考え方だというふうに思います。
したがって、そういう土づくり等々も含めて、ベーシックな農業技術といいますか、やはりそういったものを集落それぞれで共有化をしていくという、そういった中にいろんな環境問題、生き物調査だとか、いろいろ最近出てきておりますけれども、そういったものを位置付けていくということが大事なのではないかというふうに思っております。
岸
岸信夫#21
○岸信夫君 ありがとうございました。
村田参考人にお伺いしたいんですけれども、WTOとの関連ということになるかと思います。
このたびの担い手政策、先日からのこの委員会でも、この政策というものが今進行中の交渉を先取りした、WTOの結論を先取りしたものではないということは大臣以下から御答弁いただいているわけでありますけれども、一方で、既にある国際ルール、これにのっとって施策を進めていくと、これはある意味では非常に重要なことであると思いますし、また、国際競争の中に入っていくいずれにしてもわけですから、そうした中で我が国の農業経営を強めていくと、こういうことも必要なんだと思うわけですけれども、いわゆる国際的に見て力強い農業にしていくということに、そういう観点から今回の施策を考えた場合に、果たしてそういう形に、体力強化という形に、体質強化という形につながっていくのかどうか、この点について、もう一度お話をいただければと思います。
この発言だけを見る →村田参考人にお伺いしたいんですけれども、WTOとの関連ということになるかと思います。
このたびの担い手政策、先日からのこの委員会でも、この政策というものが今進行中の交渉を先取りした、WTOの結論を先取りしたものではないということは大臣以下から御答弁いただいているわけでありますけれども、一方で、既にある国際ルール、これにのっとって施策を進めていくと、これはある意味では非常に重要なことであると思いますし、また、国際競争の中に入っていくいずれにしてもわけですから、そうした中で我が国の農業経営を強めていくと、こういうことも必要なんだと思うわけですけれども、いわゆる国際的に見て力強い農業にしていくということに、そういう観点から今回の施策を考えた場合に、果たしてそういう形に、体力強化という形に、体質強化という形につながっていくのかどうか、この点について、もう一度お話をいただければと思います。
村
村田武#22
○参考人(村田武君) 結論から申せば、体質強化につながるということにはなかなかいかないのではないかというこの政策の持っている矛盾というか困難さを感じます。
やはり、今行われていますこの新しい直接支払というのは、一つのデカップリング型の農政というのは国際潮流ですね。EUもアメリカでもそういう動きの中で、それは、言ってみれば既に日本が今目指している農業構造の改革というものがもう一段階完了した段階での、言ってみれば相当規模の大きな、半ば企業的な、家族経営であっても半ば企業的な経営が生産の大宗を担っている農業構造が成立している下での直接支払なんですよね。
それであるだけに、これが社会的に意味がある、社会的に、一般国民にとってもこの支払が意味がある、公正だということで、いよいよ、いわゆるグリーニングと言っていますけれども、環境支払型へ、農地の保全が国土の保全につながり、できれば持続型の農業を行っていく、超集約ではなくて粗放型の、持続型の農業を行うということを前提にして、環境支払型になることで国民との折り合いを付けていっていると考えられるわけですね。
そういう国際的な動きの中で、我が国は言わばWTOの国際ルールにのっとって政策転換をしなければならない。しかし、そこは多くの方が主張されているように、東アジアにおける水田、東アジア・モンスーン地帯の水田農業なんだと。この農業構造を欧米型の一定の規模層の企業型の経営が担うという、そういう農業構造で農地、国土保全ができるかといったときに、それは違うだろうということが多くのところから主張されていることとのかかわりですね。
岸先生の御質問とのかかわりでいけば、これは残念ながら、日本のあるべき、求める農業構造の展開を、先ほどの梶井先生も主張されていたような、むしろ農村に混乱を起こして定住条件を揺るがしてしまう危険性の方が高いということから、御質問とのかかわりでいえば、残念ながら強化につながらないよというふうに主張せざるを得ないですね。
この発言だけを見る →やはり、今行われていますこの新しい直接支払というのは、一つのデカップリング型の農政というのは国際潮流ですね。EUもアメリカでもそういう動きの中で、それは、言ってみれば既に日本が今目指している農業構造の改革というものがもう一段階完了した段階での、言ってみれば相当規模の大きな、半ば企業的な、家族経営であっても半ば企業的な経営が生産の大宗を担っている農業構造が成立している下での直接支払なんですよね。
それであるだけに、これが社会的に意味がある、社会的に、一般国民にとってもこの支払が意味がある、公正だということで、いよいよ、いわゆるグリーニングと言っていますけれども、環境支払型へ、農地の保全が国土の保全につながり、できれば持続型の農業を行っていく、超集約ではなくて粗放型の、持続型の農業を行うということを前提にして、環境支払型になることで国民との折り合いを付けていっていると考えられるわけですね。
そういう国際的な動きの中で、我が国は言わばWTOの国際ルールにのっとって政策転換をしなければならない。しかし、そこは多くの方が主張されているように、東アジアにおける水田、東アジア・モンスーン地帯の水田農業なんだと。この農業構造を欧米型の一定の規模層の企業型の経営が担うという、そういう農業構造で農地、国土保全ができるかといったときに、それは違うだろうということが多くのところから主張されていることとのかかわりですね。
岸先生の御質問とのかかわりでいけば、これは残念ながら、日本のあるべき、求める農業構造の展開を、先ほどの梶井先生も主張されていたような、むしろ農村に混乱を起こして定住条件を揺るがしてしまう危険性の方が高いということから、御質問とのかかわりでいえば、残念ながら強化につながらないよというふうに主張せざるを得ないですね。
岸
岸信夫#23
○岸信夫君 なかなか厳しい御意見でございます。
本当に我が国としてしっかりと自給率も上げていかなければいけない状況の中では、まだ議論すべき点もあるのかというふうにも思っております。ありがとうございました。
甘味資源につきまして、川井田参考人にお伺いしたいと思います。
今回の品目横断には、例えばてん菜は入りますけれども、御地元のサトウキビは品目別の施策と、こういうことになるわけですね。てん菜が品目横断に移行することで、サトウキビも含めた甘味資源の施策全体が今回見直しと、こういうことになるわけですけれども、サトウキビの生産農家の皆さん、非常に零細規模でございますね。その中で、地域としては非常に厳しい中ですけれども、特に離島も含めて、面積という意味ではなかなか農地集積も難しいような環境だとは思います。
ただ、その中で、例えばこのところの実績を見てみますと、面積については、二十年前大体三万六千ヘクタールぐらいあったのが、ずっと減ってきて、このところは二万三、四千と了解していますけれども、減ってますね。単収も非常に下がっているというような状況だと思います。
農家戸数も減っておられるということで、一戸当たりの面積というのは余り変わってないんだというふうに思いますけれども、そうした中で、今回の品目別の面積要件についてですけれども、非常に難しい面もあるんじゃないかというふうには思っております。その中での今回の法改正に対する御評価について伺いたいと思います。
この発言だけを見る →本当に我が国としてしっかりと自給率も上げていかなければいけない状況の中では、まだ議論すべき点もあるのかというふうにも思っております。ありがとうございました。
甘味資源につきまして、川井田参考人にお伺いしたいと思います。
今回の品目横断には、例えばてん菜は入りますけれども、御地元のサトウキビは品目別の施策と、こういうことになるわけですね。てん菜が品目横断に移行することで、サトウキビも含めた甘味資源の施策全体が今回見直しと、こういうことになるわけですけれども、サトウキビの生産農家の皆さん、非常に零細規模でございますね。その中で、地域としては非常に厳しい中ですけれども、特に離島も含めて、面積という意味ではなかなか農地集積も難しいような環境だとは思います。
ただ、その中で、例えばこのところの実績を見てみますと、面積については、二十年前大体三万六千ヘクタールぐらいあったのが、ずっと減ってきて、このところは二万三、四千と了解していますけれども、減ってますね。単収も非常に下がっているというような状況だと思います。
農家戸数も減っておられるということで、一戸当たりの面積というのは余り変わってないんだというふうに思いますけれども、そうした中で、今回の品目別の面積要件についてですけれども、非常に難しい面もあるんじゃないかというふうには思っております。その中での今回の法改正に対する御評価について伺いたいと思います。
川
川井田幸一#24
○参考人(川井田幸一君) 評価をというお尋ねなんですけれども、私ども今回のこの改正に当たりまして、鹿児島県で担い手要件から外れる農家、どういうふうな割合になっているんだろうということで実態調査をいたしました。その結果を見ますと、サトウキビで三五%、カンショで五九%のいわゆる政策支援の対象外になるという、見込まれる生産者の割合が非常に高いということでございます。また、沖縄はそれ以上の対象農家が出てくるのではないかというふうに考えておりまして、そういう意味でいきますと、やはり今後こういう、私ども組織体としてJAの役割が非常に大きくなってくるんじゃないかというふうに考えております。
そこで、JAの部会強化というか、部会に参加をさしていただきまして、その中で作業受託あるいは経営規模を拡大されていく、先ほどありましたが、意欲のある農家、担い手をつくり上げていく、これが必要じゃないかというふうに考えております。そうすることには、やはり先ほどごあいさつで申し上げましたように、特認としての期間なり、あるいは勉強する場をお与えいただきたいと、これが私どもの考え方でございます。
この発言だけを見る →そこで、JAの部会強化というか、部会に参加をさしていただきまして、その中で作業受託あるいは経営規模を拡大されていく、先ほどありましたが、意欲のある農家、担い手をつくり上げていく、これが必要じゃないかというふうに考えております。そうすることには、やはり先ほどごあいさつで申し上げましたように、特認としての期間なり、あるいは勉強する場をお与えいただきたいと、これが私どもの考え方でございます。
岸
岸信夫#25
○岸信夫君 ありがとうございます。
先ほどもお話ありましたでん粉用のカンショの件なんですけれども、最近いわゆるしょうちゅうブームということで、そちらに原料を取られてなかなか原料不足ということもあるんだとは思いますけれども、工場ですね、現地の鹿児島にもかなりの数の工場がおありになる、そこでの操業率が非常に低くなっておられるわけです。
合理化とか、より生産性の向上というもの、あとそれとともに価格のコストダウン、競争力の強化と、こういうことも非常にこれから重要になってくるんではないかと思いますけれども、そうしたいわゆる鹿児島県の産業としてのもう少しその構造強化、こうした面についてお話しいただければと思います。
この発言だけを見る →先ほどもお話ありましたでん粉用のカンショの件なんですけれども、最近いわゆるしょうちゅうブームということで、そちらに原料を取られてなかなか原料不足ということもあるんだとは思いますけれども、工場ですね、現地の鹿児島にもかなりの数の工場がおありになる、そこでの操業率が非常に低くなっておられるわけです。
合理化とか、より生産性の向上というもの、あとそれとともに価格のコストダウン、競争力の強化と、こういうことも非常にこれから重要になってくるんではないかと思いますけれども、そうしたいわゆる鹿児島県の産業としてのもう少しその構造強化、こうした面についてお話しいただければと思います。
川
川井田幸一#26
○参考人(川井田幸一君) 今、でん粉工場の操業率等についてお尋ねをいただいたところでございますが、確かにしょうちゅうブームということで、十六年度の二十八工場の平均操業率は五七%ということで、この原因は、もう一つにしょうちゅうブームによるしょうちゅうの増産ということで取られたというのが大きな要因であったというふうに考えています。
今後、このしょうちゅう向けが一つのブームなのか、あるいは本格的なしょうちゅうの形なのかというのの見極めは必要でございますが、やはり鹿児島県におけるこのでん粉用原料カンショという主体的な形は変わらないだろうというふうに思っておりますし、このでん粉工場が存在することでしょうちゅう工場が、まあ並立するというか、そういう動きも、流れもございます。そういった意味では、先ほど申し上げましたが、今後、でん粉用カンショというのは原料シェアの四五%程度を推移していくんではないかというふうに考えているところです。
この発言だけを見る →今後、このしょうちゅう向けが一つのブームなのか、あるいは本格的なしょうちゅうの形なのかというのの見極めは必要でございますが、やはり鹿児島県におけるこのでん粉用原料カンショという主体的な形は変わらないだろうというふうに思っておりますし、このでん粉工場が存在することでしょうちゅう工場が、まあ並立するというか、そういう動きも、流れもございます。そういった意味では、先ほど申し上げましたが、今後、でん粉用カンショというのは原料シェアの四五%程度を推移していくんではないかというふうに考えているところです。
岩
岸
郡
郡司彰#29
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司と申します。
今日、四人の参考人の方に大変ためになるお話を伺いまして、これからの審議の示唆をいただいたんではないかなというふうに思っております。
限られた時間でございますので、それぞれからお話を伺いたいと思いますけれども、まず川井田参考人にお伺いをしたいと思います。
鹿児島県のJAの会長でいらっしゃいますから、私の方からお話をするようなことは今更何よというようなことなのかもしれませんけれども、協同組合という組織でございます。社会的にあるいは経済的に弱い立場といいますか、そういう階層の方々がまとまって向上を図っていこう、そういうような組織であるというふうに理解をしておりますわけでありますけれども、今回の新法をその前段の取組から見ますと、国としては農業の分野においても集中と選択というような手法を取るんだと、こういうような言われ方をしてきたわけであります。
そういうようなことからいたしますと、農業というのは、工業とかその他の経済活動とは一線を画すんだと言われてきたところにも、そういう手法を取らざるを得ないというような時代になってきた。その中で、先ほど会長からのお話にもありましたけれども、生産者が絞られてくるだろう、あるいは、時によって島に住めなくなるような可能性も出てくる人たちもいるんではないか、そのようなお話がございましたけれども、この新法がもたらすことの結果として、一つは勝ち組といいますか負け組といいますか、極ができ上がったり、そういうことが多分に懸念をされているわけでありますけれども、これは農協、JAのこれまでの理念、皆様方に、ひとつ一緒にやろうじゃないか、みんなで一緒に取り組もうじゃないか、万人は一人のために、一人は万人のためにというような標語でも表されてきたところでもありますけれども、こうした理念が崩れるのではないかという疑念を抱いている方も大変多いんではないかと思いますけれども、会長のお考えをお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →今日、四人の参考人の方に大変ためになるお話を伺いまして、これからの審議の示唆をいただいたんではないかなというふうに思っております。
限られた時間でございますので、それぞれからお話を伺いたいと思いますけれども、まず川井田参考人にお伺いをしたいと思います。
鹿児島県のJAの会長でいらっしゃいますから、私の方からお話をするようなことは今更何よというようなことなのかもしれませんけれども、協同組合という組織でございます。社会的にあるいは経済的に弱い立場といいますか、そういう階層の方々がまとまって向上を図っていこう、そういうような組織であるというふうに理解をしておりますわけでありますけれども、今回の新法をその前段の取組から見ますと、国としては農業の分野においても集中と選択というような手法を取るんだと、こういうような言われ方をしてきたわけであります。
そういうようなことからいたしますと、農業というのは、工業とかその他の経済活動とは一線を画すんだと言われてきたところにも、そういう手法を取らざるを得ないというような時代になってきた。その中で、先ほど会長からのお話にもありましたけれども、生産者が絞られてくるだろう、あるいは、時によって島に住めなくなるような可能性も出てくる人たちもいるんではないか、そのようなお話がございましたけれども、この新法がもたらすことの結果として、一つは勝ち組といいますか負け組といいますか、極ができ上がったり、そういうことが多分に懸念をされているわけでありますけれども、これは農協、JAのこれまでの理念、皆様方に、ひとつ一緒にやろうじゃないか、みんなで一緒に取り組もうじゃないか、万人は一人のために、一人は万人のためにというような標語でも表されてきたところでもありますけれども、こうした理念が崩れるのではないかという疑念を抱いている方も大変多いんではないかと思いますけれども、会長のお考えをお聞かせいただければと思います。