教育基本法に関する特別委員会

2006-11-22 参議院 全345発言

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会議録情報#0
平成十八年十一月二十二日(水曜日)
   午前八時三十一分開会
    ─────────────
平成十八年十一月二十一日議長において本委員を
左のとおり指名した。
                岩城 光英君
                小野 清子君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                岸  信夫君
                北岡 秀二君
                小泉 昭男君
                小泉 顕雄君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 泰三君
                坂本由紀子君
                中曽根弘文君
                南野知惠子君
                保坂 三蔵君
                舛添 要一君
                松村 祥史君
                神本美恵子君
                佐藤 泰介君
                櫻井  充君
                下田 敦子君
                鈴木  寛君
                西岡 武夫君
                林 久美子君
                広中和歌子君
                福山 哲郎君
                藤本 祐司君
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                浮島とも子君
                木庭健太郎君
                松 あきら君
                山下 栄一君
                井上 哲士君
                近藤 正道君
                長谷川憲正君
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     佐藤 泰三君     中島 啓雄君
     林 久美子君     松岡  徹君
     広中和歌子君     那谷屋正義君
     長谷川憲正君     亀井 郁夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                岸  信夫君
                北岡 秀二君
                保坂 三蔵君
                佐藤 泰介君
                櫻井  充君
                蓮   舫君
                木庭健太郎君
    委 員
                岩城 光英君
                小野 清子君
                岡田 直樹君
                岡田  広君
                小泉 昭男君
                小泉 顕雄君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 泰三君
                坂本由紀子君
                中島 啓雄君
                南野知惠子君
                舛添 要一君
                松村 祥史君
                神本美恵子君
                下田 敦子君
                鈴木  寛君
                那谷屋正義君
                西岡 武夫君
                林 久美子君
                福山 哲郎君
                藤本 祐司君
                松岡  徹君
                水岡 俊一君
                浮島とも子君
                松 あきら君
                山下 栄一君
                井上 哲士君
                近藤 正道君
                亀井 郁夫君
                長谷川憲正君
       発議者      西岡 武夫君
       発議者      佐藤 泰介君
       発議者      鈴木  寛君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       文部科学大臣   伊吹 文明君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 塩崎 恭久君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(イノベ
       ーション、少子
       化・男女共同参
       画))      高市 早苗君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鈴木 政二君
   副大臣
       文部科学副大臣  池坊 保子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 俊史君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       山中 伸一君
       内閣府大臣官房
       長        山本信一郎君
       内閣府大臣官房
       タウンミーティ
       ング担当室長   谷口 隆司君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   金森 越哉君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   田中壮一郎君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局長     清水  潔君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特別委員長互選
○理事選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育基本法案(第百六十四回国会内閣提出、第
 百六十五回国会衆議院送付)
○日本国教育基本法案(輿石東君外六名発議)
○地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律
 案(輿石東君外六名発議)
○学校教育の環境の整備の推進による教育の振興
 に関する法律案(輿石東君外六名発議)
    ─────────────
   〔佐藤泰三君委員長席に着く〕
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佐藤泰三#1
○佐藤泰三君 ただいまから教育基本法に関する特別委員会を開会いたします。
 本院規則第八十条により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として那谷屋正義君が選任されました。
    ─────────────
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佐藤泰三#2
○佐藤泰三君 これより委員長の選任を行います。
 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
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佐藤泰介#3
○佐藤泰介君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。
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佐藤泰三#4
○佐藤泰三君 ただいまの佐藤君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤泰三#5
○佐藤泰三君 御異議ないと認めます。
 それでは、委員長に中曽根弘文君を指名いたします。拍手
    ─────────────
   〔中曽根弘文君委員長席に着く〕
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中曽根弘文#6
○委員長(中曽根弘文君) 一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいま委員各位の御推挙によりまして、本委員会の委員長に選任されました中曽根弘文でございます。
 委員会の運営に当たりましては、公平かつ円満な運営に努めてまいりたいと存じますので、委員各位の御支援と御協力のほどよろしくお願い申し上げます。拍手
    ─────────────
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中曽根弘文#7
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから理事の選任を行います。
 本委員会の理事の数は七名でございます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中曽根弘文#8
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に岸信夫君、北岡秀二君、保坂三蔵君、佐藤泰介君、櫻井充君、蓮舫君及び木庭健太郎君を指名いたします。
 暫時休憩いたします。
   午前八時三十四分休憩
     ─────・─────
   午前八時四十五分開会
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中曽根弘文#9
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから教育基本法に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤泰三君が委員を辞任され、その補欠として中島啓雄君が選任されました。
    ─────────────
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中曽根弘文#10
○委員長(中曽根弘文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上四案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中曽根弘文#11
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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中曽根弘文#12
○委員長(中曽根弘文君) 教育基本法案、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
 まず、教育基本法案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。伊吹文部科学大臣。
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伊吹文明#13
○国務大臣(伊吹文明君) このたび、政府から提出いたしました教育基本法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現行の教育基本法については、昭和二十二年の制定以来、半世紀以上経過いたしております。この間、科学技術の進歩、情報化、国際化、少子高齢化など、我が国の教育をめぐる状況は大きく変化するとともに、様々な課題が生じており、教育の根本にさかのぼった改革が求められております。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、国民一人一人が豊かな人生を実現し、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の平和と発展に貢献できるよう、教育基本法の全部を改正し、教育の目的及び理念並びに教育の実施に関する基本を定めるとともに、国及び地方公共団体の責務を明らかにし、教育振興基本計画について定める等、時代の要請にこたえ、我が国の未来を切り開く教育の基本の確立を図るものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、この法律においては、特に前文を設け、法制定の趣旨を明らかにいたしております。
 第二に、教育の目的及び目標について、現行法にも規定されている「人格の完成」等に加え、「個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い」、「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う」こと、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」ことなど、現在及び将来を展望して重要と考えられるものを新たに規定いたしております。また、教育に関する基本的な理念として、生涯学習社会の実現と教育の機会均等を規定いたしております。
 第三に、教育の実施に関する基本について定めることとし、現行法にも規定されている義務教育、学校教育及び社会教育等に加え、大学、私立学校、家庭教育、幼児期の教育並びに学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力について新たに規定しております。
 第四に、教育行政における国と地方公共団体の役割分担、教育振興基本計画の策定等について規定いたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
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中曽根弘文#14
○委員長(中曽根弘文君) 次に、日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案について、発議者佐藤泰介君から趣旨説明を聴取いたします。佐藤泰介君。
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佐藤泰介#15
○佐藤泰介君 ただいま議題となりました日本国教育基本法案、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案及び学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案の三法案につきまして、民主党・新緑風会を代表し、その提案の理由及び内容の概要について御説明申し上げます。
 人なくして国なしであります。民主党・新緑風会は、明日を担う人間を育てることこそが最重要課題と位置付け、新たな文明の創造を希求し、未来を担う人間の育成について教育が果たすべき使命の重要性にかんがみ、このたび日本国教育基本法案等三法案を提出いたしました。
 我が国の教育は様々な問題に直面しています。すなわち、人生のスタート段階における格差問題、いじめを原因とする痛ましい自殺や不登校、学力低下の問題、受験第一主義の行き過ぎによる未履修問題、さらには昨今、小中学生をめぐる悲惨な事件も続発しています。
 こうした教育の問題を抜本的に改善するためには、日本国教育基本法において、新しい時代に対応した新たな教育の理念を明示するとともに、この理念を具体化するため、子供たちとじかに接する教育現場における民主的、自律的な運営を行うための教育行政の抜本的な改革と、学校教育の環境整備のために必要な財源の確保が不可欠と言わなければなりません。私たち民主党・新緑風会は、これらの要請にこたえるため、日本国教育基本法案等三法案を取りまとめた次第です。
 まず、日本国教育基本法案につきまして、以下、主な内容を申し上げます。
 第一に、我々は物質文明を脱し、コミュニケーションや知恵や文化を重視する情報文化社会の創造を目指し、その担い手を育成するために重要なアイデンティティーの醸成を図るため、前文において、教育の使命は、「人間の尊厳と平和を重んじ、生命の尊さを知り、真理と正義を愛し、美しいものを美しいと感ずる心を育み、創造性に富んだ、人格の向上発展を目指す人間の育成である。」とし、同時に、日本を愛する心を涵養し、祖先を敬い、子孫に思いを致し、伝統、文化、芸術を尊び、学術の振興に努め、他国や他文化を理解し、新たな文明の創造を希求することを明記しております。
 第二に、何人に対しても生涯にわたって学ぶ権利を保障することとしております。
 第三に、国及び地方公共団体は、それぞれの子供に応じた教育機会及び環境の確保、整備を図るものとし、国は普通教育の最終的責任を有するものとしております。
 第四に、幼児期の教育及び高等教育について、無償教育の漸進的な導入に努めることとしております。
 第五に、生命及び宗教に関する教育については、生の、命の意義や死の意味を考察し、宗教的な文化や伝統に関する基本的な知識の修得及び宗教の意義の理解、そして宗教的感性の涵養は教育上尊重されなければならないとしております。
 第六に、インターネット社会の光と影について正しく理解するための教育を推進するとしております。
 第七に、地方公共団体が行う教育行政はその長が行わなければならないと規定するとともに、地域の子供は地域で育てていくとの考えから、その設置する学校には学校理事会を設置し、主体的、自律的運営を行うものとしております。
 第八に、教育予算を安定的に確保するため、公教育財政支出について、国内総生産、GDPに対する比率を指標とすることを規定しております。
 このほか、建学の自由、私立学校の振興、障害を有する子供への特別な状況に応じた教育、職業教育等についても規定しております。
 なお、義務教育期間等については、今後検討を加え、施行後三年以内に必要な措置を講ずることとしております。
 続きまして、地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 本法律案は、日本国教育基本法の理念を具体化し、地方公共団体における教育行政の適正な運営を図るため、地方公共団体による教育機関の設置及び学校理事会、教育監査委員会等に関し必要な事項を定めようとするものであります。
 以下、主要な内容について、御説明申し上げます。
 第一に、責任の所在が不明確な教育委員会を廃止し、その事務を地方公共団体の長に移管することとしております。
 第二に、地方公共団体に新たに教育監査委員会を設置し、地方公共団体の長に移管された事務の実施状況に関し、必要な評価、監視を行い、長に対しその改善のために必要な勧告をすることとしております。
 第三に、地方公共団体の設置する学校ごとに保護者や地域住民、校長等から構成される学校理事会を設置し、各学校において主体的、自律的運営を行うこととしております。
 第四に、公立学校の教職員の任命は、すべて設置者である地方公共団体の長が行うこととしております。
 最後に、学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、日本国教育基本法の理念を具体化するため、子供たちがその発達段階及びそれぞれの状況に応じた適切かつ最善な環境で学校教育を受けることができるよう、学校教育の環境の整備に関する指針等を策定するとともに、その着実な達成を図ることにより、教育の振興に資することを目的としております。
 以下、主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、学校教育の環境の整備は、子供たちがその発達段階及びそれぞれの状況に応じた適切かつ最善な環境で学校教育を受けることができるよう、多様な教育機会の提供、きめ細かな教育指導の充実、安全・快適な学校教育のための諸条件の整備、心身の健康・職業選択等に関する相談体制の充実等を旨として行うことを基本方針とすることとしております。
 第二に、国は、この基本方針に基づき、学校教育の環境整備に関する施策を総合的に策定、実施する責務を有することとしております。
 第三に、地方公共団体は、この基本方針に基づき、学校教育の環境整備に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その区域の特性を生かした自主的な施策を策定、実施する責務を有することとしております。
 第四に、教職員の配置、学級編制、学校の施設設備など学校教育の環境の整備に係る重要項目についての目標水準、その達成の目標年次等に関し、日本国教育基本法第十九条の教育の振興に関する計画の一部として、政府は整備指針を、地方公共団体は整備計画を、それぞれ策定することとしております。
 第五に、国及び地方公共団体は、日本国教育基本法第十九条に規定する教育予算の確保・充実の目標を踏まえ、整備指針及び整備計画を達成するため、必要な財政上の措置等を講ずることとしております。
 政府・与党は、教育基本法改正案を提出しただけで、その後の具体的な教育の在り方については何ら明らかにせず、無責任な態度に終始しており、新しい教育の具体像が全く見えません。地図を示さず、やみくもに前に進めと言われても、国民は信用できません。
 私たち民主党・新緑風会は、責任政党として、国民の切実な要請にこたえるため、これら三法案を併せて提案した次第であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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中曽根弘文#16
○委員長(中曽根弘文君) 以上で四案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
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中曽根弘文#17
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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舛添要一#18
○舛添要一君 おはようございます。参議院自民党政策審議会長の舛添要一でございます。
 まず、教育基本法改正案の審議を始めます前に、総理、APEC訪問、大変お疲れさまでございました。まず簡単に、APEC訪問の成果について、まず一言、お述べいただきます。
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安倍晋三#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、十七日から二十日にかけましてハノイで開催をされましたAPEC首脳会合に出席をいたしました。首脳会合におきましては、地域におけるテロ対策あるいは感染症対策等、地域共通のこの課題に協力して対応をしていくことが確認されました。そしてまた、現在中断をいたしておりますWTOの再開、妥結に向けて強い政治的なメッセージを出しました。政治声明を出しました。そしてまた、北朝鮮の問題におきましては、議長声明におきまして、この北朝鮮の核問題に対する懸念が表明され、そして国連決議一七一八を履行していくことの重要性について、これは確認したわけであります。また、この議長声明に先立つ議長の総括において、拉致問題のこの懸念を共有するという発言もあったわけであります。
 また、この首脳会談の合間を縫いまして、ブッシュ大統領、あるいはまたチリ、シンガポールの首脳、そして中国、豪州、韓国、ロシア各国の首脳と会談を行いました。先ほど申し上げました北朝鮮の問題におきましても、六者協議出席メンバーの国々とは特にこの問題に対して平和的な解決に向けて協力をしていくことにおいて確認することができたことは有意義ではなかったかと思います。
 そして、このAPECの会合出席と併せてベトナムを公式訪問もしたわけでありますが、ドイモイ政策以降発展の著しいベトナムに対して、今後とも日本は戦略的なパートナーとして関係を強化をしていくということをベトナムと認識を一つにし、今後とも連携を深めていくことで一致をしたところでございます。
 ベトナムは大変勤勉で、そして実直な国民性の下に発展を遂げています。日本もこのベトナムの発展に貢献すべくこれからも努力をしていきたいと思っておりますし、また、今回、経済界の方々、百三十名の方々に同行をしていただきまして、更に民間レベルでの投資を促すなど、官民挙げての協力を前進をさせてまいる所存でございます。
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舛添要一#20
○舛添要一君 大変御苦労さまでございました。
 実は、そのAPECの話を私はお伺いしたのは、今総理お話しなさったように、ベトナムという場所を舞台にして、これが日本の教育を考えるのに大きなヒントになると思ったからでございます。
 ドイモイ政策が始まったこのベトナム、目覚ましく伸びています。私も参りました。総理は首脳外交をたしか八回ぐらいおやりになったんでお時間なかったと思いますけれども、私は町を歩いて夜店を見たりしている。そうすると、夜店の店番というか、そのお手伝いをしながら子供たちが裸電球の下で一生懸命英語の勉強をしているんですね。目が輝いている、何かやってやろうと。こういう、その輝いた目を持った子供たち、そして一生懸命そういうお手伝いしながら勉強している、そういう子供の姿を見て、はっと日本を見たときに、あの目の輝きがあるんだろうかと、そういう思いをいたしまして、私は、なぜこういうようなことになったか。今聞こえてくるニュースは、いじめ、それによる自殺。
 先般、私は北九州市の八幡の生まれですけれども、ここの小学校の校長さんがこの一連の問題で自殺をすると。大変痛ましい事件が起こって、この真相は、実は校長先生、一生懸命やっておられたんだと、いろんなマスコミからの批判があったとか、いろいろございますけれども、もうこういうニュース、未履修の問題、いろんな問題が起こってきていて心を痛めております。
 そこで総理、まず、じゃ豊かになったらこうなるのかと。私は決して貧しい時代が良かったとは思いません。私は団塊の世代です。ほとんど戦後とともに歩んできた。非常に苦労しました。だから一生懸命みんな働いてこんな豊かな社会をつくり上げた。ところが、その豊かな社会で子供の目の輝きはうせている。いろんな問題が起こっている。これはなぜなんだろうかと。まずこの大きな問題、戦後の日本の教育、何が問題だったんだろうか。大きな大所高所に立った御所見をまず総理にお伺いします。それから、同じことを文部科学大臣にもお伺いいたします。
 総理、お願いします。
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安倍晋三#21
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに委員の御指摘のように、ベトナムにおいては、道端で人々が読書をしたり、あるいは子供が本当に勉強している姿を拝見をいたしました。私の家内も学校を視察をし、子供たちが本当に生き生きと貧しい中でも将来に夢を持って努力をしている姿に感銘を受けたという話を聞いております。
 また、私が視察をいたしましたキヤノンの工場で大変感銘を受けたわけでありますが、この工場においては、ベトナムの人たちの工夫を生かしていくという方針で、例えば物を運ぶキャスターは、日本ではスチール製でありますが、ベトナムではもうベトナムの人が自分たちですべて竹で作っている。これはもちろん自然にも優しいわけでありますし、大きなこれはコストダウンにもなっている。そして、電力を使わずにいろんなからくりを使っていろんな仕事を効率化を図っている。それはすべてベトナムの人たちの創意工夫による。それは、やはり創意工夫とともに、そういう意欲が満ちあふれているということではないだろうかと、このように思います。
 現行の教育基本法の下で、教育の機会均等、その中で学力の水準は大幅に向上したと、このように思うわけであります。しかし、それと同時に、この六十年間、言わば核家族化が進みました。あるいはまた、世の中には、豊かになるとともに、また情報化の中で情報がはんらんをしているわけであります。その中で間違った情報を受け取ってしまう。自分だけがよければ、物事に勝ってしまえばすべてそれでいいんだと、そういう情報もはんらんをしている中にあって、また地域社会もかつてのような温かいぬくもりのある地域社会が姿を消しつつある中で、新たな問題が生じてきているのも事実であります。
 そういう変貌を遂げた日本の社会の中において、新しい時代に合った理念、原則を定めたものが現在政府で提出をしている教育基本法の改正案であると、こう考えています。
 その中におきましては、例えば公共の精神の重要性、道徳心の重要性、社会に参画をしていって、そして積極的な役割を果たしていくことの重要性等々についても書いてあるわけでございまして、そういう意味におきましては、正にこの戦後六十年たった今こそこの教育基本法を改正をして、新しい理念の下に再スタートを切る必要があると考えております。
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舛添要一#22
○舛添要一君 文部科学大臣には若干ちょっと質問を変えます。
 今総理おっしゃったんですが、私、ベトナムと比べたのは、本当にこの貧しい中から、日本が戦争に負けて、日本を復興しようと、そういう意気込みの中でやった。今豊かになりました、そのせいか。
 こういう今の教育の問題は、今総理は情報化ということをおっしゃいました。豊かな社会とか国際化とか情報化とか、そういう言わば国際化できる問題なのか、それとも我が国特有の問題なのか。例えば、私が学生のときは、一九六八年、各地で学生の紛争起こりました。パリでも起こりました。それからシカゴでも起こりました。東京、日本でも起こりました。これ一般化された。教育の問題というのは、豊かな社会の一般的な問題なのか、そういう面もあるでしょう、日本独特の問題もあるでしょう。そういう観点からの質問にいたしますんで、文科大臣、お答えください。
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伊吹文明#23
○国務大臣(伊吹文明君) ローマ時代といいますからもう今から二千年以上前ですが、その洞窟に落書きがありまして、おれたちの時代はこうだったが、このごろの若い者は困ったもんだというのは二千年前から言われることなんですよ。ですから、一般的にはやはり豊穣の中の精神の貧困というのは、これは総理が今いろいろ客観的な変化をお述べになったように、ある程度やはり私は世界各国共通の問題だと思います。
 しかし同時に、日本には、これは北条時代に元寇というのがございましたし、明治維新のときには黒船が押し寄せてきまして、大変日本も危うい時代があったことは確かなんですが、日本の歴史の中で日本民族以外に日本が統治をされたということは戦後の一時期をおいてしかないんです。
 したがって、日本は日本独自の文化を形成し、そしてその文化の中で、暗黙の約束事というんでしょうか、規範、安倍総理の言葉で言えば規範意識という、英国流に言えばコモンローですね、こういうものをずっと醸成をしてきた。それがある意味では、あの十年ほどの占領下で一時途絶えたということは、大変日本人の文化、その後の行動に大きな影響を与えたと思います。
 世界的に国際的にこの流れというものは当然受け止めて、そしてその中で最大限努力をして、その国特有の規範意識を復活させ、同時にまた世界共通の人間としてのモラルを維持して、少しでも今先生がおっしゃっているような状況に近づくように努力をすると、これが今回の法律の一番の私は根本哲学だと感じております。
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舛添要一#24
○舛添要一君 今、伊吹大臣から外国による占領と、この時期について言及がありました。
 総理、私は、外国軍隊が占領している時期に日本の国の根幹である憲法を定める、そしてまた教育の根本であるこういう教育基本法を定める、こういうこと自体がおかしいというふうに思っています。
 したがって、我が党は、昨年、立党五十周年を記念して我々の憲法草案をまとめました。そして、この今教育基本法の改正をやろうとしている。私は、教育基本法の改正と憲法の改正、これは表裏一体できちんとやる。今総理おっしゃったように六十年たった、日本国民がしっかりといいものは残す、しかし占領下に行われたということは事実でありまして、そういう占領的、占領下の意識というものをいつまでも引きずっちゃ駄目だと、もう戦後六十年たちました。そういう思いで我々はこれはワンセットでしっかりやるべきだと思っていますが、この点についての総理の御所見をお伺いいたします。
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安倍晋三#25
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現行のこの教育基本法が策定されたのは、委員御指摘のように占領下であります。しかし、もちろん形式的には内閣総理大臣の下に教育刷新委員会が設けられまして、そこで議論を重ね、そして帝国議会における議論を経てこれは成立をしたわけであります。この刷新委員会において案を練り、政府が提出をし、帝国議会で議論を重ねた後に成立をしたということでございます。また、この現行の教育基本法の理念において、教育の機会均等という考え方の下に教育水準の向上を図り、一定の役割を果たしてきたのも私は事実であろうと、このように思うわけでございます。
 しかしながら、それと同時に、今委員が御指摘されましたように、占領下にこの法律、基本的な法律ができたのも事実でございます。言わば、大切な大切な基本法でありますから、やはりその成立過程ということも我々は指摘せざるを得ないと、このように思います。
 そして、何よりも、先ほど申し上げましたように、この戦後六十年を経て、大きな変化の中で新しい時代にふさわしいものに変えていくときがやってきたと、このように認識をいたしております。
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舛添要一#26
○舛添要一君 占領下においてこういう基本的な法律作られたということは、アメリカのGHQは戦前の日本を否定すると、そういう立場に立っていますから、もちろん大変いい要素も、今機会均等を含めて教育の、いいことはありますけれども、伝統の全否定、日本文化の全否定、日本の古いシステム全否定というのが前提だったわけでありますから、やはりこの今日においていいものは復活させる、残す、そして悪いものは見直すと。
 これも六十年やってきたらめどが付くと思うんで、そういう思いで我々も取り組みたいと思いますけれども、文部科学大臣、今の考え方でよろしゅうございますか。
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伊吹文明#27
○国務大臣(伊吹文明君) 基本的には結構だと思います。
 そして、今は占領下でこの法律ができたという、現行の教育基本法ができたということはまあ歴史的事実でございますが、私がむしろ申し上げたのは、この法律にかかわらず、初めて日本民族以外の支配を受けたあの十年の時期というのは、日本のやはり文化、日本人の生き方に対して大きな影響があったという一般的な比較文化論のようなことと理解していただきたいと思います。
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舛添要一#28
○舛添要一君 分かりました。
 ちょっと観点を変えますが、私がその豊かな社会と日本独特の問題という分け方をしたのは、どうもやっぱり少子化ということが今日の教育の問題に相当影響を与えていると感じます。比較の基準としては、どうしても自分の子供のころというのを思うものですから、我々団塊の世代ですから、子供は一杯いて五人家族、十人家族ってざらだったわけですね。もう地域の中で、子供たちの中で遊びを覚える。いじめというかそういう、言葉は悪いですけれども、けんかの仕方を覚える。しかし、だれかがどこかで止める。それから、町内でしっかりおじいちゃん、おばあちゃんが見てくれている。こういうのが壊れた。それはやっぱり少子化が非常に原因であると思うんです。ですから、一人っ子、一人っ子、一人っ子。そうすると、ピアグループというか、同世代の子供たちでの間のコミュニケーションとか組織とかいうことを訓練する機会が失われてきている、こういうふうに思うわけですが。
 高市大臣、少子化担当大臣だと思いますが、やっぱり少子化というのはこういうところにも大きな影響を与えていると私は考えます。どういうふうに分析され、そしてまたどういう施策をお取りになるか、簡単にお述べ願います。
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高市早苗#29
○国務大臣(高市早苗君) 少子化が子供たちに及ぼす影響ですけれども、例えば一学級当たりの人数が減って割ときめ細かなゆとりのある教育ができるという点もあるかと思います。一方で、やはり同世代の子供たちと切磋琢磨しながら健全に育っていくというようなことがかなわなくなったり、それから学校の統廃合なんかで地域の活力は低下するというデメリットもこれは非常に大きいと思うんですね。
 そこで、少子化傾向を反転させるための少子化対策というのはきちっと打ってまいります。それに加えまして、例えば具体的な施策では、すべての小学校区に放課後に子供たちが過ごせる場所をきちっと設置するということで放課後子どもプランの実施、これは着実に進めてまいりますし、また教育基本法の改正によりまして、道徳心ですとか公共の精神ですとか、あと社会教育、家庭教育、そして学校教育の充実、こういったこともきちっと行われていけば、また少子化の中でも子供さんたちが健全に育っていく環境というのはつくっていけるものと考えております。
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