法務委員会

2007-03-13 衆議院 全324発言

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会議録情報#0
平成十九年三月十三日(火曜日)
    午前九時三十四分開議
 出席委員
   委員長 七条  明君
   理事 上川 陽子君 理事 倉田 雅年君
   理事 武田 良太君 理事 棚橋 泰文君
   理事 早川 忠孝君 理事 高山 智司君
   理事 平岡 秀夫君 理事 大口 善徳君
      赤池 誠章君    稲田 朋美君
      今村 雅弘君    近江屋信広君
      奥野 信亮君    後藤田正純君
      笹川  堯君    清水鴻一郎君
      柴山 昌彦君    杉浦 正健君
      三ッ林隆志君    武藤 容治君
      森山 眞弓君    矢野 隆司君
      保岡 興治君    柳本 卓治君
      山口 俊一君    石関 貴史君
      大串 博志君    河村たかし君
      田名部匡代君    中井  洽君
      横山 北斗君    鷲尾英一郎君
      神崎 武法君    保坂 展人君
      滝   実君
    …………………………………
   法務大臣         長勢 甚遠君
   法務副大臣        水野 賢一君
   法務大臣政務官      奥野 信亮君
   最高裁判所事務総局総務局長            高橋 利文君
   最高裁判所事務総局人事局長            大谷 直人君
   最高裁判所事務総局経理局長            小池  裕君
   最高裁判所事務総局民事局長            小泉 博嗣君
   最高裁判所事務総局刑事局長            小川 正持君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          菊池 洋一君
   法務委員会専門員     小菅 修一君
    —————————————
委員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  横山 北斗君     鷲尾英一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  鷲尾英一郎君     田名部匡代君
同日
 辞任         補欠選任
  田名部匡代君     横山 北斗君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)
 執行官法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
     ————◇—————
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七条明#1
○七条委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び執行官法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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七条明#2
○七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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七条明#3
○七条委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局高橋総務局長、大谷人事局長、小池経理局長、小泉民事局長及び小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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七条明#4
○七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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七条明#5
○七条委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上川陽子君。
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上川陽子#6
○上川委員 おはようございます。自由民主党の上川陽子でございます。
 今回の通常国会で審議しております裁判所職員定員法の一部改正につきまして御質問をさせていただきます。
 今回の裁判官の増員理由ということで大臣からの御説明がございましたけれども、今後、裁判所を初めとする司法の機能というのはますます大きくなるというふうに思っております。
 私は現在、長勢大臣の後任ということで、自民党の裁判員制度小委員会の委員長をさせていただいておりますが、これまで国民にとりまして必ずしも身近でなかった司法というものに対しての関心が徐々に高まっているということを実感として感じているところでございます。
 裁判員制度、そして昨年十月にスタートいたしました法テラス、次々と司法制度改革の形が実現していくわけでございまして、国民が安心して、そして信頼して、裁判あるいは司法のさまざまな制度を利用することができるように、国民に司法が定着化するかどうかの試金石ということで、大変大事な時期に当たっているというふうにも思っております。そういう意味では、政府としてもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 今回、裁判官及び職員の増員のような体制強化ということでございますが、これに加えまして、さまざまな制度の実施あるいは運用の工夫、また広報活動などにも総合的に取り組んでいただくということが大事ではないかというふうに思っております。
 そこで、法務大臣に御所見ということでお伺いいたしますけれども、今後の司法制度改革をさらに増進し、国民が信頼できる司法の実現に向けまして、政府全体としてどのような取り組みをなさっているのか、政府の司法制度改革担当大臣、総取りまとめの大臣というお立場から御所見をお願い申し上げます。
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長勢甚遠#7
○長勢国務大臣 司法改革に関しましては、先生を初め国会の諸先生方の御理解、御支援のもとに、制度的な手当てといいますかが相当でき上がったわけでございますが、これを現実にきちんと実行し、成果が上がるようにしていかなければならないということがこれからの課題でございます。
 政府においては、平成十六年十一月末に司法制度改革推進本部は解散いたしましたけれども、その後、総合調整等を行う内閣官房と制度実施の中心となる法務省を中心に、一連の改革を推進しておるところでございます。
 当面の課題といいますか残された問題としては、一つは、二年後に迫った裁判員制度の円滑な実施の準備ということが課題でございます。これについても、今国会、法案を出させていただいたり、また、いろいろな諸制度の整備を図るとともに、何よりも国民の皆様に参加意識を持ってもらうことが重要だろうと考えております。
 また、昨年開設しました日本司法支援センターを中核とする総合法律支援制度につきましても、体制、人員、予算等々の整備を図っていくことがこれからの課題となっております。また、来月からは新しい認証制度が始まる、ADRの拡充、活性化、これも大きな課題となっております。さらに、法令外国語訳の整備の推進でありますとか法教育の推進なども、これからの大事な課題であると考えております。
 今後とも、内閣官房や法曹三者と連携をするとともに、関係省庁等連絡会議を活用し、その連携のもとに、政府全体で司法制度改革の諸課題に取り組んでいく方針で進めておる次第でございます。
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上川陽子#8
○上川委員 ぜひ法務大臣の強いリーダーシップのもとで、この司法制度改革の実がしっかりと国民の中に上げられ、定着するように、よろしくお願いを申し上げるところでございます。
 次に、現在、政府全体といたしましては、小さくて効率的な政府の実現ということで、さまざまな公務員制度改革を含めての改革をしているところでございます。定員の面につきましても、五年で五・七%という大変厳しい数字を掲げて御努力いただいているということでございますが、そのためには、さまざまな規制を改革しまして、小さい政府の実現とともに、事前から事後型のチェックということをいたし、国民の権利と利益の救済をきっちり行う司法、私はよく凜とした司法というふうに話すわけでありますが、そうしたものが求められているというふうに思っております。
 したがって、裁判員の体制も、単に数をふやせばいいというものでは必ずしもないわけでございまして、可能な限り最大限の努力をしていただきながら、事務の合理化、効率化を図っていただくということが前提条件ではないかというふうにも思っております。しかし、同時に、業務の柱である裁判につきましては、信頼される司法ということで、体制の強化というのはその上でなくてはならないというふうにも思っております。
 そこで、今回の裁判所職員定員法の改正、七十五名の裁判官及び職員の増員ということでございますが、これと並行する形で、裁判所として事務の合理化、効率化、これをどのように進めていらっしゃるのか、その成果につきましても、最高裁の方にお尋ねしたいと思います。
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高橋利文#9
○高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、小さく効率的な政府の実現への取り組みは、行政による事前規制型の社会から、自己責任に基づく事後チェック救済型社会、司法による事後救済型の社会への移行を目指すものでありまして、司法機能の充実強化ということが必須の前提になっているものと思っております。
 裁判所といたしましては、今後増加するであろう、委員御指摘のような司法需要にこたえまして、事件処理体制を充実強化することが必要であるという考え方から、平成十六年度以降十八年度までの間の三年間にわたりまして、二百二人の裁判官、それから内部振りかえ三百三十五人を含みます五百三十人の書記官、それから内部振りかえ十八人を含みます二十三人の家裁調査官を増員してきております。今後も引き続き、裁判部門につきまして、事件処理に必要な人員を確保しなければならないと考えております。
 他方、委員御指摘のとおり、裁判所も国家機関の一員として政府の総人件費削減計画に協力していくことが必要であると考えております。したがいまして、裁判部門以外のその他の部門に働く職員につきましては、事務の効率化、合理化を図っていきたいと考えております。
 具体的に申し上げますと、庁舎警備でありますとか清掃でありますとか、そういった庁舎管理業務を合理化いたしましてアウトソーシングを行ってきているほか、事務局部門の事務のIT化等種々の努力を行ってきております。
 平成十九年度におきましては、裁判所書記官百三十人を増員いたしますが、引き続きこのような合理化に向けての取り組みを行いまして、技能労務職員百人の定員削減を行いますとともに、書記官への内部振りかえによって、速記官、事務官、合計三十人を減員することとしまして、裁判官以外の裁判所職員については増減なしということに抑えたわけでございます。
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上川陽子#10
○上川委員 事務の合理化、効率化の御努力ということで、その部分を裁判の本体のところに振り向けるということで、中の運営についても効率的にやっていらっしゃるということでありますが、それでひずみも出ないような形の配慮もしていただきながら、非常に積極的に、そして配置の面での御努力を重ねていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、今回の裁判官の増員理由として、裁判員制度の導入に向けた体制整備ということが挙げられております。二年後ということで、大変緊張感を持って取り組んでいただいているということでございますが、体制面、設備面、これも予算をつけるということでありますし、また、制度面につきましても、さまざまな具体的な整備ということで準備をしていただいているというふうに思っております。
 この裁判所におきましての裁判員制度導入に向けての準備状況、そして今後取り組むことになります具体的な課題ということにつきまして、よろしくお願いいたします。
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小川正持#11
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判員制度の円滑な実施を実現するためには、まず、裁判員を受け入れる刑事裁判を、裁判員にわかりやすく、かつ、負担の少ない迅速な裁判に変えることが不可欠でございます。
 裁判所は、これまで各地におきまして、検察庁及び弁護士会の協力を得ながら、模擬裁判を繰り返し実施いたしまして、裁判員裁判のあるべき姿について実証的な検討を行ってまいりました。今後もさらに検討していかなければならない課題はなお少なくございませんけれども、引き続きこうした実証的な検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、裁判員の選任手続について申し上げますと、無作為抽出に基づく選任手続の公平性という要請にこたえつつ、裁判員として裁判に参加していただく上での障害事由を早期に把握するなどして、その負担を可能な限り小さくするとの観点から、昨年十一月、選任手続のイメージ案を作成し、これに沿う形で、本年の夏をめどに裁判員の選任手続に関します規則を制定する予定でございます。今後は、さらに国民の皆様からの協力をいただいて、模擬選任手続を実施してまいりたいと考えております。
 また、裁判員裁判の実施に必要な法廷等の物的施設を制度開始前までに整えますほか、裁判員制度を円滑に実施するためには、実際に制度を担う裁判官及び裁判所書記官の増員等の人的体制の整備が不可欠でございますので、関係各方面の理解を得つつ、計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、国民の皆様の不安や負担感を軽減するために広報活動に尽力する必要がございますので、法務省や日本弁護士連合会などと連携協力を図りながら、参加意欲を高めるための広報活動に最大限の努力をしてまいる所存でございます。
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上川陽子#12
○上川委員 課題が大変多いということでございますが、新しい制度が日本で導入されるということでありますので、できるだけ国民の皆様に不安がないような形での御努力をいただきたいというふうに思っております。
 時間がすごく少ないものですから、重ねて幾つかの点について御質問させていただきます。
 最近、民事、刑事ともに裁判事件が大変難しくなっているということで、大変心配をしております。刑事事件につきましても、犯罪件数の増加と同時に大変複雑多様になっているということ、そして、民事におきましても、知的財産あるいは医療過誤の問題、あるいは企業間の法的紛争といった形で新しいタイプの事件が増加しているという特徴が見られるわけでございます。
 それに対応してやはり専門的な裁判官も必要ということでございまして、こうした複雑多様化する問題に対しまして適切に扱うことができる人材ということについて、どのように確保し、また育成していらっしゃるのかということについて一点。
 それから、今、公務員制度改革の中で、特に指摘されているのが官民交流ということでありまして、これは司法の分野でも恐らく同じであるというふうに思っております。裁判官の立場でもっともっと民間に出ていただきまして、先ほど申しましたようないろいろ複雑な紛争事件につきましても、より知見を深めていただきながら、そして司法の中で適切に判断していただくということが大事ではないかということでございまして、こうした民間との交流ということにつきましても、どのように取り組んでいらっしゃるのか。
 そういう中の一つとして、法テラスがございます。これは、法務当局ということでありますけれども、法テラスの中で活動していらっしゃる裁判官、検事の状況ということについて、あわせてよろしくお願いしたいというふうに思います。
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大谷直人#13
○大谷最高裁判所長官代理者 まず第一点の御質問でございますけれども、裁判所が、複雑化する社会の要請にこたえて国民の権利実現に向けて適正な裁判を行っていくためには、裁判官がすぐれた資質を身につける必要がございます。
 御指摘の専門性の強化という観点でいいますと、まずは日常の事件処理を通じての研さんが基本でありまして、大規模庁の専門部あるいは集中部といったところにおきまして、そのような研さんを行っているところでございます。また、司法研修所におきましては、かねてから、理論と実務の両面における能力の向上を目指して、裁判官に求められるもろもろの専門的知識の習得を目的として、合同の実務研究の機会を設けるなど、専門的な知見を要する事件を適切に扱うことができる人材の育成に努めてきたところでございます。
 委員の御指摘のような状況のもとで、裁判官に求められ、期待される役割に的確にこたえられますように、今後とも、裁判官の視野を広げ、識見を高めるとともに、経済や社会の実情に対する認識を深めることができるようなさまざまな措置を講じてまいりたいと思っております。
 それから、後半、第二点でございますが、これも委員が御指摘されましたとおり、裁判官が職務以外の多様な外部経験を積むことは、多様で豊かな知識、経験を備えた視野の広い裁判官を確保するために極めて有意義なことであると考えております。そのようなことから、裁判官が民間企業において研修することも、外部経験のメニューの一つとしております。
 昨年の例で申し上げますと、民間企業等に派遣された裁判官は、派遣期間が一年にわたる者だけでも十名、それから短期の者も含めますと総勢四十名に上ります。派遣された裁判官からは、一様に、みずからの職務を見詰め直す貴重な機会が得られたという感想が述べられております。
 このほか、官の組織から離れた世界での経験という意味で申しますと、平成十六年には判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律が成立しまして、判事補がその身分を離れて弁護士の職務を経験することができる制度も創設され、平成十七年から制度の運用を開始しております。初年度の平成十七年四月には、まず十名の判事補が職務経験を開始し、平成十八年四月にさらに十名が加わったことから、合計二十人の判事補が弁護士としてその職務を経験しております。
 今後とも、先ほど申し上げたような趣旨に照らして、裁判官の外部経験の機会を充実していきたい、このように考えております。
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菊池洋一#14
○菊池政府参考人 法テラスとの関係について、簡単に御説明申し上げます。
 裁判官及び検察官は、現在合計五名、法テラスに出向といいますか派遣されております。裁判官、検察官は、その知識、経験を生かして、弁護士等々他の業種の方と協力をして、法テラスの充実という点について大きな成果を上げているものというふうにお聞きをしております。また、これは非常に有意義なことであるというふうに私どもも理解をしているところでございます。
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上川陽子#15
○上川委員 時間が参りまして、ありがとうございました。
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七条明#16
○七条委員長 次に、大口善徳君。
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大口善徳#17
○大口委員 公明党の大口でございます。
 今回、二本の法律が審議されるわけでございます。執行官法の一部を改正する法律案、これにつきましては、今回、恩給の受給者の実情、そして執行官は手数料制である、そういう特別の公務員である、そしてまた年金制度の官民格差等の状況を踏まえて、暫定措置である恩給を廃止する、こういうことになったわけでありまして、これで単年度で五億円の削減、こういう大きな改革をされたということで、私、評価をしたいと思っております。ただ、執行官の人材確保に対する影響等もしっかり考えていただきたい、このことを指摘しておきたいと思います。
 次に、裁判所職員定員法の法律案について質問をさせていただきたいと思います。
 この件につきましては、民事訴訟事件及び刑事訴訟事件の適正かつ迅速な処理を図るとともに、裁判員制度導入の体制の整備を図るため、判事の員数を四十人、判事補の員数を三十五人増加する、こういう理由づけから、七十五名増加、こういう内容であるわけでございます。
 私ども、最高裁判所から、最近の民事訴訟事件、刑事訴訟事件の新受件数、この推移についてお伺いしました。
 まず、民事訴訟事件の新受件数が、平成三年以降おおむね増加を続けていて、平成十六年四月から人事訴訟が家庭裁判所に移管されたことや簡易裁判所の事物管轄が拡大されたということもありまして、平成十六年、十四万五千四百九十七件、平成十七年、十三万八千九百件と若干減少しましたが、平成十八年、十五万四千八百九十二件と、前年と比べても増加傾向にある。
 また、刑事訴訟事件の新受人員、これは平成五年以降大幅な増加傾向にある。平成十七年は十一万一千七百二十四、平成十八年は十万六千十六、こういうことで、わずかながら減少しておりますけれども、依然高い水準にある、こういうふうに聞いております。
 それから、裁判官一人当たりの手持ちの事件数、これにつきまして、東京地裁の民事部、一時期は三百件を超える単独事件の手持ち事件を抱える、こういう裁判官がいたわけであります。全国平均でも二百七十件前後と大変な重い負担状況であったわけでありますが、最近は二百件を下回る、こういう状況になっている、こういうふうにも聞いておりまして、裁判官の増員ということを計画的にやってきた、その成果がこの手持ち件数については上がっているんじゃないかな、こう思っておるわけでございます。
 そういう中で、平成十三年の司法制度改革審議会で、訴訟の迅速化、専門化への対応等のために今後十年間で約五百人の裁判官の増員が必要であるとして、平成十四年から計画的に増員をしているということでございます。今回の改正でどれぐらい達成されるのか、その進捗状況、また今後の見通しについて、お伺いしたいと思います。
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高橋利文#18
○高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 民事第一審訴訟事件の平均審理期間、既済事件の平均審理期間につきましては、平成十二年末で八・八カ月であったものが平成十八年末には七・八カ月と、約一カ月短縮しております。
 このうち、実質的な審理を行った、人証調べを実施して対席判決により終了した事件の平均審理期間は、平成十二年末で二十・三カ月であったものが平成十八年末では十九・一カ月、これもやはり約一カ月程度短くなっております。
 また、民事第一審訴訟未済事件のうち二年を超える長期未済事件は、平成十二年末で一万二千件以上あったものが平成十八年末では約六千二百件程度、約半分に減少しております。
 さらに、審理の長期化が目立っておりました専門訴訟につきましては、医事関係訴訟では、平成十二年にその審理期間が三十五・六カ月でありましたものが平成十八年末には二十五・一カ月に、知的財産権関係の地裁の民事訴訟につきましては、平成十二年に二十一・六カ月でありましたものが平成十八年末には十二・四カ月に、それぞれ短縮されておりまして、大幅な審理期間の短縮が実現しております。
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大口善徳#19
○大口委員 そういう中で、これからさらに増員をしていくということでございまして、その増員の計画について、どれぐらい達成できて、そしてこれからどうそれを達成させていくのか。十年間で五百人ということでございますので、その点についてお伺いしたいと思います。
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高橋利文#20
○高橋最高裁判所長官代理者 裁判所は、先ほどの司法制度改革審議会におきまして、裁判の迅速化、専門化への対応等のために、十年間で裁判官約五百人の増員が必要であるという意見を申し述べたところでございます。平成十四年度から、計画性を持って、これに従いまして増員してきております。
 今回の改正を含めまして、平成十四年度からの裁判官の増員の数は、約三百六十人でございます。この中には、裁判員制度導入のための体制整備等の増員分が含まれております。したがいまして、訴訟の迅速化、専門化への対応のための増員としては、約二百七十人の裁判官を増員してきていることになります。
 平成二十年度以降も、訴訟の迅速化や専門的事件の処理状況を見ながら、計画的に必要な人員の増員を図っていきたいと考えております。
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大口善徳#21
○大口委員 そういうことで、五百のうちの二百七十ということですから、あと二百三十、これを計画的に進めていく、こういうことなんでしょう。ただ、判事の供給源が問題でもあって、弁護士の任官等も進めていかないと、なかなかこの計画は達成できないのではないかなということですので、引き続き努力をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 平成二十一年から裁判員制度が実施されることになっているわけですね。この裁判員制度の対象となる裁判の件数はどれぐらいと考えられるのか、そしてどれぐらいの裁判官の増員が必要と考えられるのか、裁判員制度の実施に伴う増員は、今回の改正を含めて、今までどの程度行われ、今後どのようにしていくのか、お伺いしたいと思います。
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高橋利文#22
○高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判員制度の対象となる刑事事件につきましては、これは将来の事件数の予測でございますので非常に困難でございますが、過去の新受件数をもとに推測いたしましたところ、約三千五百件程度になるのではないかというふうに考えております。
 裁判員制度導入までに必要な裁判官の増員の数につきましては、裁判員制度の具体的な運用等について模擬裁判等を通じてさらに検討を進める必要がありますことから、いまだ確定的なことを申し上げる段階ではございませんが、これまでに最高裁や全国各地の裁判所において実施された模擬裁判の結果や、これまでの事件数等をもとに、現時点ではおおむね百五十人程度の増員が必要になるのではないかと考えております。
 このような検討から、裁判所といたしましては、平成十七年度以降、裁判員制度導入の体制整備を理由の一つに加えて裁判官の増員を行ってきているところでございまして、平成十九年度までに裁判官約九十人の増員をこの裁判員制度の関係で図ることになります。また、平成二十年度以降も計画的に増員を図っていきたい、このように考えております。
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大口善徳#23
○大口委員 そういう点で、二十年、二十一年であと三十人ずつ、これで百五十人、こういうことになると思います。着実に計画を進めていっていただきたいと思います。
 これからも複雑で困難な専門的な訴訟が増加する傾向にある。適切かつ迅速にそういう事件等も処理していかなきゃいけない、裁判員制度の実施に伴って裁判官の増員が必要である、そういうことで、裁判官と協働する裁判官以外の人的な体制の充実、これも図る必要があるわけでございます。
 今回の改正案では、裁判官のみの増員となっているわけですが、裁判所職員定員法第二条の裁判官以外の職員の改正は行われていないわけであります。裁判官以外の職員の人的な体制の充実はどのようになっているのかお伺いしたいとともに、政府の総人件費改革において、国の行政機関の職員の定員を五年間で五・七%以上純減することとされているわけです。もちろん裁判所は行政機関ではないわけですが、これについては尊重していく、こういうことでございまして、特に事務局的部門ですか、これについての定員削減の努力はしていかなきゃならないと思いますね。そこら辺について、裁判所のお考えをお伺いしたいと思います。
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高橋利文#24
○高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所といたしましては、司法制度改革を実現するために、委員御指摘のとおり、事件処理体制を充実強化することが必要である、裁判官の増員を確保するとともに裁判官以外の職員についても必要な増員を確保しなければならない、そのように考えております。
 そこで、新受事件数が依然高原状態にあり、特に、医療、建築等の複雑困難な事件が増加傾向にある民事訴訟事件、同じく新受事件数が増加傾向にある刑事訴訟事件及び家庭事件に適切に対処し、また裁判員制度導入後の体制整備を図るために、裁判所書記官を百三十人増員することとしております。純増が百人で振りかえが三十人でございます。
 その一方で、政府の定員合理化計画に協力いたしまして、先ほど申し述べましたように、庁舎管理業務の合理化を図ることにより技能労務職員百人を削減し、さらに裁判所速記官二十人、裁判所事務官十人を振りかえで削減することにしております。
 この結果、裁判官以外の裁判所職員の員数にはプラス・マイナスで増減はないことになりまして、裁判所職員定員法二条の改正を行う必要はないということになるわけでございます。今述べたとおり、必要な裁判所書記官の増員は行うということになります。
 もう一つのお尋ねの政府の総人件費の削減の取り組みとの関係でございますが、裁判所といたしましては、司法制度改革を実現するために事件処理体制を充実強化することが必要でありまして、今後も裁判官、書記官等の必要な人員を確保しなければならないわけでございますが、裁判所も国家機関の一員として政府の総人件費削減計画に協力していくことが必要であるというふうに考えておりまして、以下のように体制整備のための最大限の努力を行ってきております。
 裁判所は、政府からの定員削減計画への協力要請を受けまして、事務の性質が行政機関と類似する事務局部門につきまして、国家機関として、他の行政機関と同様に、事務の効率化等必要な内部努力を行いまして、定員削減に協力しております。
 さらに、国の行政機関の定員を五年間で五・七%以上純減するという総人件費改革の政府方針が閣議決定され、裁判所等の特別機関に対しても協力要請がされたということを踏まえまして、平成十九年度におきましては、定員削減計画への協力分七十二人にさらに加えまして、内部努力としてさらに二十八人の削減を上積みして、技能労務職員百人の定員削減を行うこととした次第でございます。
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大口善徳#25
○大口委員 平成十四年の十一月に知的財産基本法が成立しました。我が国は、知的財産立国を目指し、歩み始めたわけであります。
 平成十七年四月に、知的財産に関する事件についての裁判の一層の充実、迅速化を図るために、知的財産高等裁判所が東京高等裁判所に設立されたわけでございます。この設立によって、知的財産関係訴訟はどのような変化があったのか。そしてまた、平成十八年六月に知的財産戦略本部が決定した知的財産推進計画二〇〇六、こういうものが決定されたわけでございます。今後の知的財産関係訴訟の見通しについて、お考えをお伺いしたいと思います。
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高橋利文#26
○高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 まず、知的財産高等裁判所における知的財産訴訟の処理状況につきましては、知財高裁、知的財産高等裁判所が発足いたしました平成十七年四月から平成十八年の三月までの事件処理状況をその前の年の平成十六年四月から十七年三月までの東京高裁におけるそれと比較いたしますと、新受件数は相当数増加しているのに対しまして、未済事件数は減少しております。おおむね順調な事件処理が行われているというふうに考えられます。
 また、平成十八年の一月から十二月までの平均審理期間は、知財高裁の審決取り消し訴訟は八・六カ月、侵害事件、これは民事訴訟の差しとめとか何かを求める侵害事件の控訴事件の審理期間が八・五カ月でございまして、平成十六年に比べますと、四カ月それから〇・五カ月、平成十七年に比べますと〇・八カ月、一・三カ月、それぞれ短縮しておりまして、知財高裁の発足の前後で知財訴訟の審理の一層の迅速化が図られたというふうに考えられます。
 知財高裁におきましては、高裁レベルにおける事実上の判断統一を期待して導入された特許権等に関する訴え等のいわゆる五人合議制によりまして、これまで、著名な一太郎事件それからパラメーター事件それからインクカートリッジ事件について、判決の言い渡しがございました。このうち一太郎事件とパラメーター事件の二つの事件につきましては、上告が提起されることなく判決の言い渡しで確定しておりまして、企業の経済活動等に重大な影響を与える事案につきまして、事実上の判断統一が行われたというふうに評価してよいと思われます。
 また、裁判所が技術等の専門的事項に関する主張や証拠を整理するために必要な専門的知見に基づく説明を受けることを目的として導入されました、一級の技術者であります専門委員制度につきましては、平成十九年三月一日現在、百八十五名の知財訴訟に関する専門委員が任命されておりまして、知財高裁においては、平成十六年四月の制度発足から十九年の二月末までの間に延べ二百四十一人の専門委員が知財訴訟の手続に関与し、専門的な知見を提供していただいております。
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大口善徳#27
○大口委員 以上で終了いたします。ありがとうございました。
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七条明#28
○七条委員長 次に、大串博志君。
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大串博志#29
○大串委員 まず、会の冒頭に当たりまして、私の方から一言、強い抗議と、そして遺憾の意を述べさせていただきたいと思います。
 今回のこの委員会、執行官法そして裁判所職員定員法という、我が国司法の極めて重要な先行きを決める法律を議論する会であるにもかかわらず、与野党の間でしっかり議論をした上で、審議の順番、時間等もきちっと議論した上で、国民の利益に資するような議論ができるよう、そういう場を築いた上で始めるのが筋だと思いますが、今回、委員長職権という形で、与野党の合意のないまま進められております。この状況は、極めて異常であると言わざるを得ないというふうに思います。内容におきまして非常に重要な案件ですから、こういう状況が続くようであれば、すなわち、数の力が多ければ、いつでも好みの案件の審議に入れて、好みの時間のところで時間を区切り、審議を打ち切り、採決をそこで決めるということもできるわけですね。それが本当に国民の意を体しているのか、私は非常に疑問です。
 ぜひ委員長にも考えていただきたい。しっかり審議の時間がとれる、そういう道筋を立てて、与野党の合意のもとでやっていただきたい。このことを強く強く抗議と、そして遺憾の意を述べさせていただいて、本来であれば質問に出ることも非常にはばかられるところでありますけれども、今話もありますけれども、重要な国会の時間です、審議はさせていただきたいというふうに思います。審議の中でしっかり、この法律、一部改正をするということの必要性、是非に関して審議をするということであれば、大臣、きちっと答えていただきたい。そういうことを申し上げて、私の質疑に入らせていただきたいというふうに思う次第でございます。大臣、よろしくお願いいたします。
 まず、今回、執行官法の一部改正と裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、この二法が出されているわけでございますけれども、順次、この法律、二法について議論をさせていただきたいと思います。
 まず、執行官法でございますけれども、大臣、この執行官法改正、この概要についてお答えください。
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