外務委員会

2009-04-08 衆議院 全354発言

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会議録情報#0
平成二十一年四月八日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 河野 太郎君
   理事 小野寺五典君 理事 松島みどり君
   理事 松浪健四郎君 理事 三原 朝彦君
   理事 山中あき子君 理事 近藤 昭一君
   理事 武正 公一君 理事 伊藤  渉君
      逢沢 一郎君    秋葉 賢也君
      飯島 夕雁君    猪口 邦子君
      小野 次郎君    木原  稔君
      篠田 陽介君    柴山 昌彦君
      鈴木 馨祐君    関  芳弘君
      とかしきなおみ君    中山 泰秀君
      西村 康稔君    原田 義昭君
      盛山 正仁君    山内 康一君
      山口 泰明君    池田 元久君
      篠原  孝君    田中眞紀子君
      鉢呂 吉雄君    松原  仁君
      丸谷 佳織君    赤嶺 政賢君
      笠井  亮君    辻元 清美君
    …………………………………
   外務大臣         中曽根弘文君
   外務副大臣        伊藤信太郎君
   防衛副大臣        北村 誠吾君
   外務大臣政務官      柴山 昌彦君
   外務大臣政務官      西村 康稔君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 西村 泰彦君
   政府参考人
   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       杉山 晋輔君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 中島 明彦君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 石川 和秀君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 北野  充君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 渡邉 正人君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    梅本 和義君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   鶴岡 公二君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   木下 康司君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  高見澤將林君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  井上 源三君
   参考人
   (財団法人平和・安全保障研究所理事長)      西原  正君
   参考人
   (宜野湾市長)      伊波 洋一君
   参考人
   (拓殖大学海外事情研究所所長)
   (拓殖大学大学院教授)  森本  敏君
   参考人
   (沖縄大学学長)     桜井 国俊君
   外務委員会専門員     清野 裕三君
    —————————————
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  小野 次郎君     盛山 正仁君
  西村 康稔君     関  芳弘君
  御法川信英君     飯島 夕雁君
  笠井  亮君     赤嶺 政賢君
同日
 辞任         補欠選任
  飯島 夕雁君     秋葉 賢也君
  関  芳弘君     西村 康稔君
  盛山 正仁君     小野 次郎君
  赤嶺 政賢君     笠井  亮君
同日
 辞任         補欠選任
  秋葉 賢也君     とかしきなおみ君
同日
 辞任         補欠選任
  とかしきなおみ君   御法川信英君
    —————————————
四月八日
 七・一八沖縄県議会決議を尊重し、辺野古新基地建設の断念を求めることに関する請願(小川淳也君紹介)(第一三七九号)
 同(小宮山洋子君紹介)(第一四三〇号)
 同(篠原孝君紹介)(第一四三一号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四八三号)
 同(笠井亮君紹介)(第一六三九号)
 同(川内博史君紹介)(第一六四〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一六四一号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一六四二号)
 同(仙谷由人君紹介)(第一七三八号)
 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(小宮山洋子君紹介)(第一四二九号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四八五号)
 同(石井郁子君紹介)(第一四八六号)
 同(笠井亮君紹介)(第一四八七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一四八八号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一四八九号)
 同(志位和夫君紹介)(第一四九〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一四九一号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四九二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一四九三号)
 グアム移転協定に反対することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四五五号)
 同(石井郁子君紹介)(第一四五六号)
 同(笠井亮君紹介)(第一四五七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一四五八号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一四五九号)
 同(志位和夫君紹介)(第一四六〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一四六一号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四六二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一四六三号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四八四号)
 沖縄の新基地建設中止、基地の全面撤去に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一六三八号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
     ————◇—————
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河野太郎#1
○河野委員長 これより会議を開きます。
 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本日は、本件審査のため、参考人として、財団法人平和・安全保障研究所理事長西原正君、宜野湾市長伊波洋一君、拓殖大学海外事情研究所所長・拓殖大学大学院教授森本敏君、沖縄大学学長桜井国俊君、以上四名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにしております。
 参考人各位の皆様におかれましては、本日、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。どうぞ本日は、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りますようお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、西原参考人、伊波参考人、森本参考人、桜井参考人の順序で、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ることになっております。
 それでは、最初に西原参考人にお願いいたします。
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西
西原正#2
○西原参考人 西原でございます。
 私は、このたびのグアム移転協定を強く支持する立場をとっておりまして、日本では、とかくこの問題に関しましては、経済的観点、民生的観点から議論する傾向にございます。その重要性は十分わかりますけれども、私は日本の安全保障の観点からも議論をしておくべきだと考えております。
 最初に、アメリカの対アジア太平洋戦略と日米同盟との関連について述べまして、次に、協定賛成の理由を、安全保障上の利点及び経済、民生的利点とに分けて述べたいと思っております。そして最後に、私の考えとしまして、日本の今なすべきことに関しまして一言述べたいというふうに思っております。
 まず最初に、アメリカのアジア太平洋戦略と日米同盟の点でございますけれども、米国は冷戦後、ソ連の脅威は消滅したとしまして、冷戦時代の封じ込め態勢から、予期せざる場所で起こる紛争に迅速かつ柔軟に対処できるような態勢へと移行してまいりました。前線基地に大変大きな兵力を張りつけて仮想敵国を抑止するというのではなくて、地域ごとに中核となるハブ基地を設け、そこに即応戦力を配備し、有事の際にはそれらが緊急展開して対処する態勢に移行しております。
 しかし、東アジアにおきましては、現在まだ予測可能な紛争地点がございます。朝鮮半島や台湾海峡のようなものでございます。したがって、米国は兵力を一方で削減しながらも、他方で同時に抑止力の維持をすることを考えてまいりました。
 その具体的なあらわれが沖縄の海兵隊の一部グアム移転です。これによって、兵力は削減しますけれども、同時に、米国はグアム基地の強化をし、そして太平洋から中東に広がる広大な地域における部隊の展開を効率的に行う計画を進めてきております。これを一言で言えば、米軍の再編という形になります。八千人近い海兵隊と九千名の家族をグアムに移動することで、この海兵隊は東南アジア、南アジア、中東地域により迅速な兵隊の展開をすることができますが、同時に、有事には日本に戻り、沖縄に残る海兵隊とともに、日本の防衛と北東アジアの敵性国への抑止力を維持することができます。
 したがって、日本は、こうした米国による効率的な戦力の配備と抑止力維持を追求する計画は自国の安全にも必要であると判断し、これを支持し、他の幾つかのことをアメリカと協議して、そして実施してまいりました。例えば、横田基地に航空自衛隊航空総隊司令部を移動させ、在日米軍との連携を強化することにしました。また、在日米陸軍司令部のあるキャンプ座間に陸上自衛隊の中央即応集団を移転させ、そして司令部の連携を強化することにしております。
 こうした点を考えますと、日米同盟とアメリカのアジア太平洋戦略とのつながりがはっきりしていると思います。ここでのキーポイントは、柔軟かつ迅速な配備と抑止力を同時に維持するということであろうと思います。
 次に、安全保障上の利点につきまして、四点まとめて申し上げたいと思います。
 まず第一点は、こうして米国がグアムの基地機能を強化し、アジア南部から中東に続く不安定の弧の周辺海域に沿って延びる長いシーレーンの安全を確保することは、地域の安定に役立つばかりか、日本のエネルギーの安定的確保にとっても極めて有利となります。
 二番目の利点。沖縄に残る海兵隊の兵力は六千名から一万名となりますけれども、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力は残ることになります。グアムに移転するのは主として司令部機能でありまして、即応性の高い強力な実戦部隊は沖縄にとどまることになります。その面で、有事のときにはグアムの海兵隊が日本防衛の支援にも増派されることになります。海兵隊のグアム移転で日本の安全が危ぶまれることはないと考えております。
 第三番目の利点としまして、在日米軍の再編によって、在日米軍と自衛隊との司令部連携が進み、日米同盟はより強化されることになると判断します。グアム移転はこの意味で日米同盟を強化することになると考えております。
 第四番目の利点。グアムの基地が強化されることで、日本が攻撃を受けた際の米軍の反撃能力が高まることが期待できます。グアムには、北朝鮮や中国などの地域諸国のミサイルや戦闘機の大半が届きません。したがって、グアムの米軍はむしろ安全地帯にいるために、先制攻撃や報復を余り恐れないで必要な反撃を行うことができるというふうに思います。
 したがって、ここでのキーワードは、アメリカの太平洋での部隊の展開が柔軟になるということ、それから日米同盟が強化されるということであります。
 次に、経済的、民生的利点につきまして申し上げたいと思います。ここでも四点、利点を申し上げたいと思います。
 お手元にあります一枚の表をごらんいただければと思います。この移転のために日本が負担することになっておりますいわゆる真水の財政資金は二十八億米ドルです。これを一ドル百十円として換算いたしますと三千八十億円になります。今後、二〇一四年までの六年間に年平均五百十三億三千万を防衛予算に計上することになります。これは平均でございます。この額は、例えば平成二十一年度の国防予算四兆八千四百四十九億のわずか一・〇六%にしかなりません。そういう面で、大きな負担になるというわけではございません。
 二番目の利点。さらに、グアムの工事を請け負っている日本企業がつくる、司令部庁舎、教場、隊舎、学校等の生活関連施設、家族住宅、インフラというような点は、いずれも維持、更新、修理、補修が今後必要になります。したがって、日本の企業は、この協定にありますように、企業参入の公平の原則に従ってそうした工事に今後もつくことができるわけですから、長期にわたって日本企業に仕事が残ることになります。
 第三点。海兵隊のグアム移転によって普天間飛行場などが全面返還されるということは、嘉手納飛行場以南の人口が集中している地域にある相当規模の土地が沖縄県民に戻ることを意味します。地元関係者の試算でも、返還による経済効果は八千七百億になると言われています。日本政府がグアム移転に拠出する真水の三千八十億円の二・七倍になります。その上、住宅街の騒音や航空機事故がなくなるという一大利点がございます。
 最後に第四点。アメリカ海兵隊のグアム移転に伴いまして全面返還されるのは、普天間飛行場、陸軍貯油施設、キャンプ桑江、牧港補給地区、那覇港湾施設でありまして、これにキャンプ瑞慶覧の部分返還があります。これらの返還される土地を合計しますと、ここの表にございますように、九百七十八ヘクタールになります。これは、現在の沖縄の米軍施設全体で見ますと四・二%にしかすぎません。非常に少ないと思われるかもしれませんが、しかし、この返還面積が那覇市面積の四分の一に相当することを考えれば、普天間飛行場の移設の意義がより明確になると存じます。人口密集地である地域の返還の意義は極めて大きいと考えるわけでございます。
 最後に一言。日米両政府は、八千名の海兵隊員をグアムに移すことによって、沖縄県民の基地負担をできるだけ緩和する姿勢を示してきました。一九九六年の橋本・クリントン首脳会談で沖縄県民の基地負担を軽減するという合意がなされて以来、大きな懸案が部分的にしろこの協定によって解決されることは、何といっても日本にとって喜ばしいことだと考えます。これで地元住民の対基地感情の改善を期待することはできます。このことが日米同盟への支持基盤の強化につながると思います。すべて完全な解決ということは考えられませんが、こうした形で日米の間で妥協し、さらに一歩進むということは非常に重要であると考えております。
 このような利点があることを認識しまして、国会は速やかにこのグアム協定を批准すべきだと考えております。一九九六年の日米首脳会談以来、既に十三年が経過しております。米国側は移設の大幅な遅延に失望をこれまで表明してきました。ロードマップで合意されました二〇一四年までの移設・返還計画がおくれるようなことになれば、米国の対日不信がさらに強くなる心配がございます。さらに、沖縄県民や日本国民全体から日米同盟に対する支持低下を生むことになるかもしれません。こうしたことを考慮して我々は対応していくべきだというふうに考えております。
 どうも御清聴ありがとうございました。拍手
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河野太郎#3
○河野委員長 ありがとうございました。
 次に、伊波参考人にお願いいたします。
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伊波洋一#4
○伊波参考人 おはようございます。沖縄県宜野湾市長の伊波洋一でございます。
 衆議院外務委員会に付されている第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国との間の協定の締結についての承認の審議において、日米政府間の長年の懸案事項となってきた米海兵隊普天間航空基地に関して、宜野湾市長として意見を述べる機会を与えていただき、河野太郎委員長並びに各委員の皆様に感謝申し上げます。
 さて、米海兵隊普天間航空基地については、一九九五年に設置された沖縄に関する特別行動委員会、SACOの課題とされ、一九九六年十二月二日のSACO最終報告で、ヘリ部隊が駐留する代替施設の建設を条件に、五年ないし七年以内の全面返還が合意された経緯があります。その全面返還合意から十三年がことしで過ぎるわけですが、依然として普天間基地は存在し、住宅地上空を米軍機が旋回飛行訓練を繰り返しています。
 二〇〇四年八月十三日には、CH53D型米海兵隊大型ヘリコプターが市内の沖縄国際大学本館に墜落、炎上する大惨事が起き、大学本館が使用不能になったほか、周辺民家二十九戸、車両三十三台を損傷し、地域住民には心的外傷後ストレス障害、PTSDを発症する方もありました。多くの物的被害の中で、学生や大学職員、市民に直接的な身体被害が起きなかったことは奇跡的なことでありました。
 日常的に市内住宅地上空での旋回飛行を繰り返している米軍ヘリや米軍機がある限り、二〇〇四年八月のような墜落事故はいつでも起こり得ることであり、二度と起こさないためには、一日も早く普天間飛行場での飛行訓練や部隊運用を停止することが必要です。
 私は、二〇〇三年以来これまで、宜野湾市長として、日米両政府に対して、普天間飛行場の危険性除去の緊急性を訴え、これまでに三回の訪米要請行動を含めて日米両政府関係機関に九十回を超える要請行動を取り組んでまいりました。あわせて実施してきた米軍航空基地の安全基準についての調査などを通して明らかになったことを含めて、以下に、今回の米軍再編の流れの中で不透明になっている事柄などについて意見を述べたいと思います。
 まず、普天間飛行場では、滑走路の両端前方で一切の障害物を除去するために設置すべきクリアゾーンが民間地区に大きく張り出して設けられ、その一番危険なクリアゾーン内に市立小学校や児童館、地域公民館、保育所などと約八百戸の住宅があり、合わせて三千六百名の市民が居住していることです。このことは、宜野湾市が二〇〇七年末に明らかにするまで隠されてきました。明らかに米軍基準に違反しており、国として直ちに運用停止を求めるべきです。
 私は、このような見逃してはならない危険性が放置されて運用している普天間飛行場を一日も早く閉鎖させ、早期返還させるために、米軍再編の流れの中で、海兵隊を沖縄から撤退させ、海兵航空部隊の米本土やハワイ、グアムなどへの分散移転を実現するよう、強く両国に求めてまいりました。
 米軍再編の日米協議で二〇〇六年五月に合意された約八千人の海兵隊員とその家族九千人の沖縄からグアムへの移転については、宜野湾市民の普天間飛行場の基地負担の解消と嘉手納以南の返還による沖縄の基地負担軽減に結びつくものと期待していましたが、今回の委員会での政府の答弁を聞いておりますと、国としての沖縄の基地負担の軽減への熱意や普天間飛行場の危険性の除去への熱意を感じることができません。
 この協定の提案説明として、中曽根外務大臣からは、第三海兵機動展開部隊の要員八千名と家族九千名の沖縄からグアムへの移転実施を確実なものとし、沖縄県の負担軽減に資するものと考えられますと説明されております。私は、この沖縄県の負担の軽減について、資するものと考えるとあいまいにせず、委員会議論を通して、ぜひ明確に沖縄の負担軽減につながるものとしていただきたいのです。同時に、普天間飛行場の一日も早い危険性除去につながるものにしていただきたいと思います。
 三年前の二〇〇六年の五月一日に2プラス2協議で合意した再編実施のための日米ロードマップにおいて、約八千名の第三海兵機動展開部隊の要員とその家族九千名は、部隊の一体性を維持するような形で二〇一四年までに沖縄からグアムへ移転するとし、日本は、これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう、グアムにおける施設及びインフラ整備のため、二十八億ドルの直接的な財政支援を含め、六十・九億ドルを提供するとしました。
 同時に、沖縄に残る施設・区域が統合され、嘉手納以南の相当規模の土地の返還が可能になるとされ、さらに、双方は、二〇〇七年三月までに、統合のための詳細な計画を作成するとしました。そして、嘉手納以南のキャンプ桑江、普天間飛行場、牧港補給基地、那覇港湾施設、陸軍貯油施設第一桑江タンク・ファームの五施設を全面返還し、キャンプ瑞慶覧については部分返還と可能な限りの統合としました。さらに、SACO合意による移設・返還計画について再評価が必要となる可能性を示しました。
 米側のよく言うパッケージ論について、ただいま述べた詳細な返還計画の作成もまたパッケージの構成要素であるはずです。二年前の二〇〇七年三月までに作成されるはずだった嘉手納以南の統合のための詳細な計画は、いまだ作成されておりません。そのために、宜野湾市では、SACO最終報告で二〇〇八年三月までの返還が合意されたキャンプ瑞慶覧の普天間ハウジングエリア五十五ヘクタールの返還跡地利用の作業が二〇〇六年以来凍結されているのです。
 それどころか、沖縄のどの部隊がグアムに移転するのかもあいまいにされたままです。あげくの果ては、沖縄からグアムへ移転する八千人の海兵隊は、実数ではなく定数である、それも米国がロードマップ交渉で示した在沖海兵隊実数約一万三千人から五千人も水増しした一万八千人の定数から移すのだと説明しています。全くあきれるばかりです。有事への即応性を海兵隊駐留の理由にして沖縄に負担を押しつけてきたのに、幽霊定数が重視されるのなら、六十・九億ドルは無駄金になりかねません。
 国としても、沖縄県民も納得できる明確な説明責任を果たしてもらいたいと思います。
 沖縄県民の負担軽減を前面に押し出して二〇〇六年の合意をしたにもかかわらず、現時点までに、沖縄の負担軽減にどのようにつながるのか明らかにされていません。むしろ、基地周辺では、嘉手納基地の米軍機の騒音激化や外来機の増加、普天間基地では深夜十一時までの住宅地上空での旋回飛行訓練が繰り返され、金武町では実弾による被害まで起こっています。
 宜野湾市では、米軍再編の流れについて、数年にわたり、国内だけでなく米国内の動きに注視し、要請行動や調査を行ってきました。以下にその概要を述べますが、その内容は、先週までの政府答弁のようなあいまいなものではなく、当初から詳細な計画案が示されてきました。最終的に、環境影響報告書の出そろう二〇一〇年当初に確定するものと思われます。
 グアム移転の一方の当事者である米国では、米太平洋軍司令部が、二〇〇六年七月に策定中のグアム統合軍事開発計画を同年九月に公表しました。その内容は、重要部隊のグアム到着を二〇一〇年以降になるとしつつも、具体的な部隊構成や移転の順位まで示しました。その内容は、実戦部隊を含むもので、演習地、訓練地の詳細な検討も求めていました。
 二〇〇七年七月に沖縄県中部市町村会の市町村長十名でグアム調査を行い、グアム統合計画室とアンダーセン空軍基地の責任者から説明を受けて、移転予定地の視察も行ってきました。詳細は資料のとおりですが、本市の抱える普天間基地の海兵隊航空戦闘部隊についても、アンダーセン空軍基地の受け入れ予定地を案内され、六十五機から七十機の航空機と千五百名の海兵隊航空戦闘部隊員が沖縄からアンダーセン基地に来る予定と説明されました。グアム統合計画室とアンダーセン基地の二カ所の説明で、沖縄からの海兵隊のグアム移転は、米軍のアジアを含む軍事的抑止力の強化につながることも強調していました。
 その後も米国で幾つものレポートが出されましたが、ほぼ同じ内容です。最新のものとしては、二〇〇八年九月十五日に、国防総省が海軍長官の報告書として連邦議会下院軍事委員会に提出した、国防総省グアム軍事計画報告書があります。
 その中で、普天間基地の中型ヘリ部隊を含めて、具体的に部隊名を挙げて説明しています。現在、普天間飛行場とキャンプ瑞慶覧に常時駐留している海兵隊航空関連部隊では、KC130部隊関連を除いて、全部隊名がそのリストで、グアムに移転する海兵航空司令部要素として挙げられています。ロードマップでも、八千名の部隊は一体的にグアムに移転するとされていることから、私は、普天間基地の航空部隊は、KC130を除いて、グアムに移転するものと考えてきました。
 グアムで増加する海兵隊員数は一万六百二十名とされていますが、内訳の少なくとも八千名は沖縄からの海兵隊員になるわけです。この人数は、常駐部隊数であり、一時駐留と区別されているもので、給付金や手当の受給資格を持つものとされています。
 ですから、先週委員会での議論があったような、幽霊定数人員がグアムに移転してくると太平洋軍やグアム群島政府が考えているとは思えません。
 しかし、なぜ国は、沖縄からグアムに移転する八千人は主として司令部関係で、実人数ではないと説明するのでしょうか。国として海兵隊のグアム移転に六十・九億ドルを負担するのなら、米国防総省のリストにも挙げられているように、沖縄で負担の大きい実戦部隊の移転を優先すべきです。普天間基地についても、海兵隊航空部隊を一日も早くグアム等へ、国外に移転させて、危険性の除去を実現し、沖縄の負担軽減に結びつくようにすべきです。明らかに、政府の説明責任が果たされていないと思います。
 最後に、私も、ことし二月二十三日に米国大使館で普天間飛行場の早期返還と海軍病院の移設見直しを要請したときに、沖縄から海兵隊八千名と家族九千名がグアムに移転するので、SACO合意で建設計画が始まり、埋蔵文化財問題でストップしている海軍病院建設を見直すように求めた際に、グリーン安全保障課長から、沖縄の海兵隊員の定数は一万八千人だから、八千人移っても一万人まで外から兵隊と家族が移ってきますと説明されたときには、大変驚きました。
 もしそれが本当だったら、私だけではなく沖縄県民の多くにとって、到底納得できるものではなく、憤慨するでしょう。そのようなロードマップは、辺野古新基地建設を含めて、すべてを直ちに白紙に戻して、グアム移転の財政支援も凍結すべきです。ぜひ、国会において、沖縄県民の負担軽減に結びつくのかつかないのか、国民が理解できるように委員会審議を尽くしてもらうことを要望して、意見陳述を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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河野太郎#5
○河野委員長 ありがとうございました。
 次に、森本参考人にお願いいたします。
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森本敏#6
○森本参考人 本日、在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する日米協定に関し、参考人として招致され、若干の個人的所見を述べる機会が与えられたことは、大変光栄に存じます。
 しかし、冒頭、西原参考人が御説明いただいた内容に全く私は賛同するもので、したがって、つけ加える点についてのみ強調したいと思います。つまり、重複を避けて、同じ説明をここで繰り返すということになるべくしないように、三点に要点を絞って所見を述べたいと思います。
 そもそも、米軍再編というプロセスは、アメリカ国防省が冷戦後のグローバルな戦略体制の中で、特に前方展開戦略として欧州並びに東アジアに主として展開していた米軍のあり方を見直した作業であり、作業そのものは一九九七年ごろから始まったものであります。
 当時の状態は、ヨーロッパにおいて特にドイツから、アジアにおいては韓国から、米軍をどのように撤退するかということが大きなねらいであったわけですが、二〇〇二年の末から、この米軍再編のプロセスの中に在日米軍を含めてアメリカが交渉に提案をしてきた。
 この機会をとらえて、我が方は、冒頭、西原参考人のお話のように、抑止力を維持しながら、主として沖縄の負担を軽減するということを基本的な方針として、米軍再編を我が国の国益に最も合致するよう、どのような形にすれば望ましいのかということを考えて、この交渉に臨んできたわけであると思います。
 結果としては、二〇〇五年の二月に共通の戦略目標が決まり、二〇〇五年の十月に中間報告、そして翌二〇〇六年の五月に最終報告がロードマップという形で出たことは御承知のとおりであります。
 この全体のプロセスの中で、第一に申し上げたい点は、沖縄にいた海兵隊、現在も展開している海兵隊をどうしてグアムに一部であれ移転することになったのかという、海兵隊の持っておる基本的な背景要因について要約をして申し述べてみたいと思います。
 そもそも、海兵隊であれ、海軍であれ、陸軍であれ、冷戦後の米軍の戦略というのは、フォースプロバイダーとフォースユーザーというものが別々に概念されており、海外に展開している部隊がそのまま部隊として戦闘集団になるというのではなく、主としてフォースプロバイダーとして兵力を特別任務部隊の指揮官に提出し、提出された兵員を使って任務を遂行し、部隊はその任務が終わったらまたもとへ戻る、そういう部隊の運用を繰り返しているわけです。
 この観点から、現在の第三海兵機動展開部隊、すなわち3MEFと言われるいわゆる師団級の部隊は、司令部と、そして戦闘部隊である海兵連隊並びにこれを支援する航空部隊及びすべての部隊に対する後方支援部隊という性格の異なる部隊を全体として一体化して運用するということになっているわけであります。この場合、訓練を行い、部隊の態勢を整え、即応態勢を高度に維持するためには、物理的に、ある一定機関の中に部隊を置かないと、部隊としての任務を効率的に遂行することができないわけで、例えば海兵連隊と航空部隊と後方支援部隊を全く別々の場所に置いて部隊が運用できるかというと、必ずしもそういうふうにはなっていないわけであります。
 海兵隊としては、したがって、全体として、ある一定の箇所の中で運用したいと考えていたわけですが、日本側の強い要請もあって、どの部隊を外に出せるのかということを検討した結果、実動部隊である、つまり海兵連隊と航空部隊並びにこれを支援する部隊を切り離すことはできそうにないと考え、最も抑止力を低減させないように海兵隊の部隊の一部を展開するためには司令部機能を外に出すという以外にないと考え、アメリカは、西太平洋のグローバルな戦略体制を見直した結果、我々が今知っているとおり、そして今回、日米協定に署名されたとおり、兵員とその家族合計一万七千名を二〇一四年までにグアム基地に移転させるということを内部的に決め、日米交渉の場に持ち込まれて、日米間でこれが合意されたものであります。
 実は、日本政府は、この移転計画の中で最も懸念したのは、これによって海兵隊の全体の機能が低減し、日本に対する抑止力というものが減るのではないかというふうに考えていたわけでありますが、アメリカは、幾つものシミュレーションを行った結果、司令部の要員の一部を動かしても部隊全体の戦闘能力に変わりはないという結果を得たので、日米は、このグアムに沖縄の海兵隊の一部の司令部要員を中心に移転することを日米で合意したという経緯があります。
 その際、移転するにしても、グアムには、移っていく海兵隊の住宅その他関連施設等が全く余裕がないという状態であったので、これに必要な経費、すなわち、移転する部隊の兵員の隊舎及び家族住宅並びにこれに伴う各種の施設を建設整備するに必要な経費のうち、我が方が合理的に判断をして、まさに沖縄から移る兵員及び家族の住宅及び関連施設に係る経費を日本として財政支援する必要があると考えて、今回、日米協定の中に具体的な経費の分担を入れたわけであります。
 今回、この協定が国会で御承認いただくことになり、計画どおりに進めば、二〇一二年には移転が開始され、二〇一四年に移転を完了するという全体計画が実行されたとしても、海兵隊が持っている本来の機能である抑止力はほとんど変わることがないというふうに考えられるので、したがって、沖縄の負担が軽減されると考えられるこの在沖縄海兵隊のグアム移転に私は基本的に賛同するものです。これが第一の点です。
 第二は、しかしながら、このグアムというのが実際どうなっているかということ、私も個人として非常に気になり、昨年は、アメリカ側の協力を得て、数回にわたっていろいろな有識者がグアム基地の現状を見てまいりました。昨年、私も、グアムの基地の中に、説明を国防省から受けつつ、この基地を見てきたわけです。
 私が冷戦時代に考えていた、つまり、冷戦時代に外務省に勤務していたころ、グアムというのは、正直申し上げて、入れる基地ではありませんでした。当時、安全保障課に勤務して、グアムに行こうとしたのですが、基地の中に入って、一般的なといいますか、基地を見学するというクリアランスはとれても、基地の中にある、米軍の実際に展開している部隊の中に入り込むということは現実にはできないぐらいグアムというのは当時、当時というのはベトナム戦争前後から冷戦が終わるまで、非常にグアムというのは西太平洋全体の戦略を担う部隊として、部隊及びそれを駐留させる基地として特殊な役割を果たしていたと思います。
 久しぶりに昨年この基地に入ってみて気がついたのは、冷戦構造の中でグアムが置かれていた目的が相当変化し、かつその時点にあった施設が数十年たって老朽化し、ほとんどそのままの施設の状態では使用に耐えられないという状態であることに気がつきました。アメリカもこの基地を今どうしようとしているかということについては、アメリカの一方的な説明を我々はそのまま受けとめることはできませんけれども、しかし、現在あそこにある部隊は、御承知のとおり、主として、海軍については第七艦隊の隷下の部隊、兵員四千五百名ぐらいと、それからアメリカ空軍、これはフィリピンにいた第十三空軍がハワイに移ったわけですが、その後、太平洋空軍直轄隷下の第三十六航空団が兵員二千名を擁してここに現在駐留しています。
 この部隊に、さらにアメリカは、これから西太平洋全域における長距離のパワープロジェクション能力を向上させるため、この基地を新しく主としてインフラ整備をしようと考えていて、したがって、沖縄から来る海兵隊だけではなく、陸軍及びその他の部隊を受け入れ、非常にトータルな戦略基地として新しく生まれ変わる基地としてグアムに新たな役割を与えようとして、現在インフラ施設の整備計画をつくっていると考えます。
 したがって、二〇一四年以降は、恐らく空母が時々は駐留することもでき、戦略潜水艦あるいはB2などの爆撃機、そして第五世代の最新鋭の戦闘機であるF22など、アメリカが太平洋に持っている最新鋭の兵器体系がここを本拠地にして西太平洋に向かって必要な態勢をとる非常に重要な戦略基地として恐らく位置づけられているのではないかと思います。海兵隊の部隊をそこに入れるということを契機にこの基地をそのような形にしようとしているのは、これはアメリカが西太平洋というものをどのように考えているかということを知る一端でありますが、そのことは我が国にとっても決して悪い話ではなく、西太平洋、東太平洋における今後の紛争事態や、現在、北東アジアに見られるような非常に深刻な不安定要因を考えてみると、アメリカが、どちらかというと、グアムというものを、アメリカの本土から見た一番西側にある最重要拠点として新しい役割を付加しようとしていることは、アジア太平洋の安定全体にとって意味があるというふうに考えられる次第です。
 最後に、第三点。
 グアムの移転の経費を日本が支出する背景、理由については、西原参考人がるる御説明になったので繰り返しを避けますけれども、しかしながら、日米は、米軍再編のプロセスの中で、抑止力を維持するということに努めつつも、沖縄の負担を軽減するためにどのようにして兵員と基地の削減を図るかということを鋭意アメリカ側と交渉した結果、グアムに海兵隊の一部を移すということになったわけで、この問題は、単にグアム基地の問題だけではなく、普天間の基地問題や、あるいは嘉手納飛行場以南の六つの施設の返還と深く連係する問題でもあり、米軍再編は、日米間で三年にわたる話し合いを通じて既に結論が得られているわけで、今後は、この日米間で合意された内容をいかにして遵守し、日米同盟の信頼性を確保しつつ、将来についての協議を続け得るかということが今後の政策課題であると思います。
 言うまでもなく、両国間で約束したことを実行するということが今我々の前に差し迫った大きな課題であり、約束したことを実行できずに次の問題を話しても意味がないわけであります。したがって、これからの日米同盟を強化するために、グアムの基地移転、そして、その次に控えている普天間の基地の返還及びその他の関連施設の返還及び米軍再編全体のロードマップを最も効率的に実行することが、これからの日米安全保障協力にとって不可欠の課題であるということを強調したいと思います。
 以上でございます。委員長、ありがとうございます。拍手
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河野太郎#7
○河野委員長 ありがとうございました。
 次に、桜井参考人にお願いいたします。
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桜井国俊#8
○桜井参考人 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のために参考人として招致されました、沖縄大学の桜井でございます。私の意見を述べさせていただきます。
 ことし二〇〇九年は、薩摩侵攻から四百年、明治政府の琉球処分から百三十年の大きな節目の年でございます。薩摩侵攻も琉球処分も、外部の強大な力によって沖縄の運命がねじ曲げられたものとして、琉球・沖縄史に深く刻まれた事件でございます。本年二月十七日に締結されたグアム協定は、沖縄では、新たなる琉球処分となるのではと危惧されております。
 グアム協定の国内適用対象は、ほぼ沖縄県に限定されます。憲法第九十五条は、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」としております。この憲法第九十五条の精神にのっとり、県民の意思を聞くべき事案であると私は考えます。しかるに、グアム協定は、地元沖縄の人々に一言の相談もなく、その意思が全く問われることなく押しつけられようとしております。沖縄の米軍基地は、戦争中から戦後、すべて県民の意思を無視してつくられてきましたが、復帰後の今、また新たな基地がつくられようとしているのです。
 新基地建設についての沖縄の民意は、ノーです。それは、名護市民投票によって、また各種世論調査によって明らかです。直近の民意としましては、沖縄県議会も、昨年七月十八日に新基地建設反対を決議しております。
 国土面積のわずか〇・六%を占めるにすぎない沖縄に、米軍基地の七五%が集中しております。基地がもたらす各種の人権侵害や環境破壊は既に限界に達しております。小さなかごに卵が山盛りの状態、これが沖縄の現状です。普天間飛行場代替施設が国家安全保障上必要であるとしても、その移設先が沖縄県内である必然性はありません。沖縄県民には、人間の安全保障の観点から、県外への移設を求める権利がございます。小さなかごにこれ以上卵を盛ることは不可能です。
 日米両政府によって締結されたこの協定は、沖縄の負担軽減をうたっておりますが、沖縄で私どもが日常的に感じているのは、むしろ負担の増加でございます。また、基地受け入れと一体となって我慢料、沈黙料として提供される高率補助による土木公共事業は、沖縄の風土に配慮を欠くものが多く、沖縄の山と川と海を破壊し続けております。
 さらに、基地受け入れと高率補助の関係は、二〇〇七年五月の米軍再編特措法によっていわゆる出来高払い制となり、出来高に応じて防衛省が普天間代替交付金を支給するという、今まで以上にわかりやすいむき出しのあめとむちの政策となりました。このことから、今や、環境ばかりか、沖縄の自治も誇りも押しつぶされようとしております。
 沖縄の祖国復帰に際しての県民の要求は基地撤去と恒久平和でしたが、本土政府の方針は、これを認めず、米軍基地は温存し、その犠牲の代償として補助金による経済援助をするというものでした。
 国庫補助金による公共事業は、全国画一的で地域の実情に合いませんが、特に沖縄の場合、それが言えます。道路や農業基盤整備によって赤土が流出し、海を汚染し、サンゴ礁を死滅させました。沖縄の自然に合わない公共事業が、環境破壊という社会的損失を生み出すこととなったのです。
 沖縄は全国一の埋立県です。埋め立て自体が自己目的化しております。埋立地の多くは有効利用されずに放置されています。埋め立てによって一時の利益は生じますが、その後に続く雇用機会が生まれていないのも沖縄の特色でございます。
 かくして、沖縄では、自然のままの海岸線や湿地は今や極めて希少なものとなりました。そして、今、沖縄本島に残された貴重なサンゴの海が、新たな埋立事業により泡瀬と辺野古で消えようとしております。
 辺野古に基地をつくろうとする米軍の計画は、既に、ベトナム戦争時の一九六〇年代にございました。その昔のプランが急浮上することとなったのは、九五年の少女暴行事件を契機とした九六年のSACO合意によってであります。沖縄の負担の軽減という名目でなされたSACO合意に基づき辺野古につくられようとしている基地は、普天間飛行場代替施設と呼ばれております。しかし、これを代替施設と呼ぶのは適切ではございません。人口稠密な都市に包囲されて使い勝手が悪い旧式の普天間飛行場を返還し、かわりに、人口密度の低い地域に日本国民の血税で普天間にはない軍港つきの最新鋭の施設をつくってもらうというものであり、米軍から見れば、これはまさに焼け太りでございます。
 当初は、キャンプ・シュワブ内にヘリポートを建設するという案でした。そうしたささやかなヘリポート案がなぜV字形案へと肥大化を遂げたのでしょうか。利権絡みで肥大化したのではないかと考える県民が出てきて当然の経緯でございます。
 辺野古沖合案であれば、リーフの外の深い海を埋めなければならず、技術力の乏しい地元土建業者が出る幕は余りございませんが、沿岸案であれば、浅いイノーの埋め立てであり、地元業者の出番がある。そこで、住民への騒音被害や危険を軽減するという大義名分のもとに、もう少し沖合に移動させて地元業者のうまみをふやそうというのが知事並びに名護市長の沖合移動案でございます。一方、国や米軍は、沖合に移動させると反対運動が展開しやすくなるとして、あくまでも沿岸案にこだわっておられます。
 そして、本土マスコミは、あたかもこの違いこそが国と地元の意見のずれであり争点であると錯覚させる報道を行っております。知事案に多少なりとも歩み寄れば地元の意向が受け入れられたとの誤ったメッセージが国民に送られることになります。しかし、県民世論は、圧倒的に、新たなる基地建設を許さないというものであり、真の争点は、つくるか、つくらせないかでございます。
 さて、辺野古では、環境アセスが形の上では進み、去る四月一日に準備書が提出されました。
 しかし、辺野古アセスは、アセス法の趣旨にもとる点が多々あり、環境アセスメント学会の学会員であり、学会の評議員でもある小職としましては、これをアセスとして認めることはできません。
 時間の制約がありますので、二点のみ、重大なアセス法違反を指摘しておきたいと思います。
 第一には、私のメモの第二と書いてあるところでございますけれども、ロードマップで設定された二〇一四年というゴールに間に合わせるために、アセス法の手続に入る直前に、アセス法に基づく方法書の洗礼なしに、二十数億円とも言われる巨費を投じて大がかりな事前調査が実施されました。ジュゴンやサンゴ礁調査のための機材の設置は、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」まで繰り出して、非暴力で反対活動を展開する市民を威圧する中で、潜水隊員によって夜間に行われました。サンゴやジュゴンの生態を知らない者によるそのような無理な作業の当然の結果として、機器の設置でサンゴの損傷が生ずることともなり、また、ジュゴンを威嚇するような形でビデオカメラが設置されることとなりました。
 本年四月一日に、公告縦覧に供された準備書は、辺野古沿岸域にはジュゴンはいない、したがって、辺野古新基地の建設と使用はジュゴンに影響を及ぼすことはないと記述しておりますが、それはこうした威嚇の結果である可能性が高いと言えます。なぜなら、長年にわたって、金武湾から北の辺野古沿岸域を含む沖縄本島東海岸では、ジュゴンが目視され、海草のはみ跡が観察されているからでございます。
 その次に、私のメモの第四というところでございますが、事業者である沖縄防衛局は、事業内容に関する情報を後出ししております。昨年一月にも、百五十ページもの追加資料が提出されております。その追加資料提出の際に、事業者は、埋立用土砂として、沖縄近海で採取された千七百万立方メートルの海砂を民間業者から購入するという計画を明らかにしましたが、それがもたらす環境影響についてアセスは行わないとしております。
 この海砂の量は、沖縄県での二〇〇六年度の海砂採取量の十二・四倍、二〇〇五年の全国採取量の一・一四倍に相当する膨大なものであり、それがもたらす沖縄の沿岸、海浜環境に及ぼす影響には、はかり知れないものがございます。沖合の海砂採取で砂浜がやせ細るのを沖縄の人々は経験的に知っております。ところが、沖縄防衛局は、民間業者が合法的に採取した海砂を購入するのだから問題はないし、アセスの対象とする必要はないとしております。ここでは、いわゆる合成の誤謬が発生します。
 また、皆様御存じと思いますけれども、辺野古周辺海域を中心とする沖縄本島東海岸には北限のジュゴンが生息しており、昨年十月十四日にスペイン・バルセロナで開催されたIUCN会議において、三度目のジュゴン保護の推進勧告が採択されております。来年十月には、名古屋で生物多様性国際締約国会議が開催されますが、議長国日本のジュゴン保護の取り組みに国際世論は注目しております。
 さらに、ジュゴンについては、辺野古新基地建設で絶滅するおそれもあることから、沖縄ジュゴン訴訟が米国サンフランシスコ連邦地裁で争われ、国家歴史保存法に基づき、原告勝訴の判決が昨年一月に出ております。この判決で米国防総省が求められているのは、辺野古新基地の建設と使用が、既に絶滅の危機に瀕している沖縄のジュゴンにいかなる影響を与えるかということを評価し、建設と使用に当たっては評価結果を考慮に入れることでございます。これに対し、米国防総省は、日本政府が行う環境アセスがその評価を行うことになるとしております。
 しかし、今行われているアセスは欠陥アセスでございます。この欠陥アセスが同連邦地裁で妥当な評価作業と認められるかについては、大いに疑問がございます。四月一日、エープリルフールの日に出されたということは、もしかすると、後日、本当のアセス準備書はこれですと出し直しがされることではないかと考えたりもしております。
 それでは、私の意見をまとめます。
 グアム協定は、沖縄県民の声を聞かずに辺野古新基地を押しつけるものであり、断じて認めることはできません。国は、外交と防衛は国の専権事項とおっしゃいますが、米軍基地の存在は沖縄の人々の人権を日常的に踏みにじっており、人間の安全保障の観点から基地廃絶を求めることは県民の権利でございます。現在の地方自治法において、国と自治体は原則的に対等、同格であると規定されております。これは、たとえ日米安全保障条約に関する決定は国の権限であるとしても、そのもとでの基地配備決定については、当然、地域の権利が保障されるべきだということでございます。
 本土復帰後の沖縄は、米軍基地が集約され、その見返りとして土木公共事業が集中的に展開される構造にあり、深刻な環境影響が予測されたことから、時には免罪符として利用されるという側面を持ちつつ環境アセスが実施されてきました。環境アセスのラッシュ状態が沖縄で生じてきたのです。
 アセス法の精神に反するような手法が沖縄で拡大し蔓延してきました。日本社会の維持可能な発展を実現する上で欠かせない仕組みの一つであるアセス制度に沖縄で大きな穴があき、その欠陥が日本社会全体にブーメランとなって返っていこうとしております。沖縄に問答無用で基地を押しつけ、その余のことに無関心を決め込むことは、結局は日本社会を大きくむしばむことになるでしょう。
 故後藤田正晴元官房長官は、死の前年の二〇〇三年二月に、国の安全は全部米国任せだから、今のように日本はアメリカの属国になってしまったと発言されております。この発言を踏まえつつ、オーストラリア国立大学名誉教授のガバン・マコーマックさんは、その著書で、日本は質的に米国の属国と言っていい状態にまで変容したと述べておられます。日本が米国の属国ならば、沖縄は米国の軍事植民地ということになります。沖縄県民が国民として誇りの持てる外交政策を強く日本政府に求める次第です。
 以上が、私の意見でございます。拍手
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河野太郎#9
○河野委員長 ありがとうございました。
 これにて参考人の意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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河野太郎#10
○河野委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野次郎君。
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小野次郎#11
○小野(次)委員 おはようございます。
 参考人の方々には、早朝から、また遠方からお越しいただいて、貴重な御意見を賜りましたことを厚くお礼を申し上げます。
 委員長、私は、きょう、いろいろな方々の御配慮によってこういう機会を与えていただいたんだと思っておりますけれども、私個人としても、自分の中で、こういう機会が私に回ってきたということについて大変深い思いがございます。それは、この国会議員になる前、総理大臣秘書官を四年半やっていたときに、ずっと安全保障担当の秘書官をやってまいりました。このときは、同時にまた、沖縄北方領土担当の秘書官でもございました。
 そういったことから、官邸の中からこの問題について自分なりに見てきましたし、もっと振り返ってみますと、先ほど桜井参考人のお話の中にもありましたけれども、一九九五年九月の四日だったと思いますけれども、女子小学生に対する米兵の強姦事件がありました。このときに、私は警察庁の国際課長ということで、米軍人の犯罪に対する担当の課長でもございました。当然ながら、速やかに身柄は日本側に引き渡すべきであるということを強く主張しましたけれども、余り強く主張し過ぎまして、当時の外務省当局から、小野さんは合同委員会に出てくると不規則な発言をするかもしれないから、だれかほかの人にかわってもらえないかということを上の人にお話がありまして、当時、まだ若手の課長だった私は、ラインから外された思い出がございます。
 それから数年たって、今度、秘書官になりましたら、やはりまた米軍人の犯罪があり、また、二〇〇四年だったでしょうか、ヘリコプターが墜落したという事件もあって、そのたびに、地位協定については、余り多くは申しませんが、歯ぎしりをしながら見詰めた記憶がございます。
 そういう中で、全くそれと同時並行的に出てきたのが、この米軍、アメリカ政府のリディプロイメントというんでしょうか、再配置、これは世界的規模での再配置という作業だと思うんです。それが、二〇〇六年五月、2プラス2の合意で今回の協定案のもとになる合意ができたというふうにされていますけれども、実はもっとその前から、九五年のさっき申し上げた女児強姦事件、九六年のSACOの合意など、そういった系譜と相まって今の問題にたどり着いているんだと思うんです。そこがまた逆に言うと、なかなか私たちが一義的にというか、すぱっとこの問題について判断できない二つの流れがあるということだと思うんです。
 それは、二〇〇四年に実は、2プラス2の合意は二〇〇六年ですけれども、これは報道もされていますから申し上げますけれども、内閣の中で、再配置についての日米間の協議についての対処方針が実質的に決められました。そのときには、最初、抑止力の維持ということが大きな問題だというふうにされておりましたけれども、いや、それだけじゃないだろう、やはり沖縄を初め日本市民が米軍の存在によって感じている制約、負担感というものを軽減するものでなければならないだろうという話もあって、皆さんも御存じのとおり、抑止力の維持と負担軽減を両方、二つの要件としてこの問題に取り組んでいこうということが政府の方針になったわけでございます。
 その際にも、一部の方から沖縄における負担の軽減という表現が出ましたけれども、いろいろな議論の中で、いや、それを言ったんでは、では、米側が沖縄以外のほかの県にパズルのこまを動かすようにどんどんどんどん動かしていけばそれで事が済むのかといえば、三沢だって厚木だって横須賀だって、やはりそこの市民にしてみれば、制約というか負担というか、重く感じているわけであって、それも戦後以来数十年にわたってそういうことを感じているわけですから、そういったレベルの問題、沖縄については特段の配慮をしなければいけないけれども、だからといって、それを国内でたらい回しにするだけで済む問題ではないだろうということで、抑止力の維持と負担の軽減ということで、もちろん沖縄を中心とするということではございましたけれども、政府として取り組もうということが決まったわけでございます。
 その流れの中で今回の協定ということが出てきているんだと思いますので、そこにまたこれに対する各会派の問題もあり、また各個人についてもいろいろな認識の難しい差が出てきているというのは、こういった経緯にあるのかなと私は思っております。
 それでは、まず、時間が余りありませんので、軍事的側面の方からちょっとお尋ねをしたいと思いますが、西原参考人にまずお伺いします。
 グアム島というのは、沖縄から南東に約二千四百キロ離れているわけですね。在沖海兵隊がいわばほぼ二分されて、約半分が遠距離の地点にセットバックする形になるわけでございます。先ほどのお話だと、米側にとって反撃能力というか対応能力にはマイナスの部分、悪い影響はないですよというお話でございましたけれども、だったら全部グアムに引き揚げてもらったらいいじゃないかという話にもなるかもしれないですね、そういう話だけをおっしゃれば。
 ですから、米側にとって好都合だとしても、我が国の安全保障にとって抑止力の低下という不安は本当にないのかどうか、もう一度、ちょっと参考人の御意見を、御所見を伺いたいと思います。
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西
西原正#12
○西原参考人 今の御質問ですけれども、全部沖縄から海兵隊をグアムに移すということになれば、それだけ日本の抑止力は減るだろうと思いますね。
 現在、アメリカが沖縄から海兵隊を一部撤退させてもいいと考えているのは、例えば朝鮮半島におきまして、これまでは、朝鮮半島の三十八度線を境にする緊張から、大きなことが起きた場合にはこれらに対する対応が必要だというふうに考えてきたと思うんですけれども、現在は、韓国の軍隊も相当に強くなっておりますし、それに引きかえまして北朝鮮の部隊はむしろ弱くなっている。補給その他から見ましても随分弱くなっている。そういう面では、沖縄に今までほどの規模のものを置いておく必要はないと考えたと思うんです。それに反しまして、むしろグアムに多くの部隊を置くことによってより大きな展開ができるというふうに考えていると思います。
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小野次郎#13
○小野(次)委員 ありがとうございます。
 森本参考人に伺いますが、在沖と在グアムの海兵部隊相互間で緊急介入能力あるいは統一的な対応能力を維持、補完するために、どのような施設や機能が必要だとお考えか、もし御所見があれば伺いたいと思います。
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森本敏#14
○森本参考人 今、西原参考人の御説明があったように、今回のグアムの移転というのは、実動部隊といいますか、実際に海兵隊としての戦闘部隊は沖縄に置いたまま、司令部の機能にかかわる要員だけをグアムに移すわけです。
 その際、グアムに移すためには、もちろん、その司令部の要員に必要な基本的なインフラ及び、司令部を別の場所に動かすということになると、指揮通信上の機能も移さないといけないので、したがって、細かいアメリカのマスタープランは必ずしも私は個人として承知していませんが、恐らく、遠方で部隊を指揮するために必要な一切の指揮通信能力、それに係るインフラ、これがグアムの中にできないと部隊を遠方からコントロールすることができない、このように考えるのが自然なのではないかというふうに考えます。
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小野次郎#15
○小野(次)委員 ありがとうございます。
 今の問いと関連してまた森本参考人にお伺いしたいんですけれども、協定の内容は実行されたとしても、定数ベースでいって約一万の海兵隊が沖縄に残留するわけですね。その方たちの移動手段というのはどうするのかなという疑問があります。この残留する方の米海兵隊というのは、キャンプ・シュワブなどを中心に残る形になると思うんです。
 一方で、これから聞いていきます普天間の代替施設の問題もございます。定数ベースで一万の米海兵隊を沖縄に残留するとして、部隊が駐留するという問題と普天間の代替施設、飛行場というのは切り離して、残るのはいいけれども飛行場は沖縄になくてもいいというふうな形で海兵隊の機能というのは維持できるものかどうか、そこについてもし御所見があればお伺いしたいと思います。
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森本敏#16
○森本参考人 いわゆる沖縄の3MEFという部隊は、冒頭申し上げたとおり、部隊として戦力を発揮するのは、訓練を行うこと以外に、実任務は第七艦隊機動部隊の一角を占めるという形で部隊運用されるわけです。その際の移動は、原則としては、佐世保にある揚陸艦を沖縄に動かして、それに海兵連隊の兵員とそれからヘリの部隊を搭載し、任務について、戻ってきたらまたもとの部隊に戻るという移動の仕方をします。
 他方、ヘリを運用するときに、実任務は別として、訓練を行う際、ヘリコプターに対する給油機というのが必要で、この給油に必要ないわゆるヘリコプター用の給油機そのものを日本の国内に移転する場合は、明らかに余り遠方に動かすこともできず、したがって、今のところは九州及び岩国に部隊として移転させる。それは、常に、ヘリコプターが訓練をするときに、ヘリの部隊に近づいて給油をして、また基地に戻るという運用をするわけです。
 すなわち、海兵隊全体の運用の仕方というのは、訓練を沖縄周辺で行う以外に、実際に任務になるときは、フォースプロバイダーとして戦力を第七艦隊機動部隊、つまりタスクフォースに出して、その部隊は、今申し上げたように揚陸艦の中にいわゆる地上の兵員とヘリの部隊を出して、それに一部の後方支援部隊を一緒に出して、部隊として任務を遂行し、戻ってきたらまたもとの部隊に戻る、そのような運用の仕方になっているわけです。
 実際のところ、冷戦前と冷戦後と少し様子が違うのは、このフォースプロバイダーのやり方が、以前は部隊そのものが戦闘隊員として活動していたのですが、今はフォースプロバイダーとフォースユーザーというものが割合はっきりと区分されている。ここが部隊運用の違いであるというふうに理解しております。
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小野次郎#17
○小野(次)委員 今いろいろ伺いましたけれども、要するに、沖縄に引き続き駐留される米海兵隊の機動力を維持するためには、場所はともかく、近距離のところにそういった移動手段を提供できる施設の問題が切り離せない状態としてあるんだということを認識いたしました。
 次に、地元の沖縄県民の意識というか御意向について伺いたいと思います。
 伊波参考人にお伺いしますけれども、この在沖海兵隊、定数ベースで八千の減少、グアム移転ということですから、半分強が残る。逆に言えば、約半数がグアムに出ていくということですけれども、その約半数がグアムに転出していくということについて、地元ではどのように、好感を持って受けとられているんでしょうか、それとも、全部出ていってくれるんじゃなければ、半分残るのはかえって受け入れられないという形なのか。その辺、ざっくばらんに、忌憚のない地元の反応というのをお伺いしたいと思います。
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伊波洋一#18
○伊波参考人 グアムへの八千名の部隊の移転、そして家族九千名の移転について、私は、その資料にも載せてございますけれども、沖縄の今の実員数はおよそ一万二千人から三千人だと理解しております。そして、家族は八千名前後である。そうしますと、八千名の家族から九千名移るとなりますと、みんな家族はいなくなるというふうに普通に考えるのが我々の理解なんですけれども、一万二千人、一万三千人から八千人が移れば四、五千人が残るというのが普通の理解だと思いますので、それだけの負担の軽減が行われ得るというふうに私は理解をしておりました。
 そして、先ほども申し上げましたように、現実に、米太平洋軍が公表しておりますグアム統合軍事計画書等には細かい数字が入っております。これまで別の参考人が述べているような司令部だけの移転では決してなくて、実動部隊がまず行くのであるということだろう、このように思います。ですから、合意においても、一体的に移る、このように書いております。
 グアムだけの議論になりますけれども、実は、北マリアナ連邦共和国のテニアン島の半分が、要するに、米国政府がこれを借りまして、ここに大きな演習場が建設されるという計画が進行しております。そういう意味で、アプラ港には、当然のように佐世保の部隊がそこに着岸をして、そこで戦闘部隊を乗せていくということが構想されております。これは、先ほど申し上げましたように、昨年九月十五日の米連邦議会に対する海軍長官からの報告書の中にも、具体的に部隊名が表現されております。
 ですから、この全体的な、本当の意味での部隊の移動に対する認識自体がないままに米軍再編合意が、協定などが結ばれていくことに対して、大変な懸念を私は持っております。先ほど申し上げましたように、本来ならば、二〇〇七年三月末までには、沖縄からどの部隊が移るのかということが明確に示されて、そして嘉手納以南マスタープランというのが日米両政府の中で示されるべきであるというのが合意の中に入っておりますので、私としましては、八千名並びに家族九千名というものが実数として沖縄から移れば大きな負担軽減になる、このように感じております。
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小野次郎#19
○小野(次)委員 ありがとうございました。
 また伊波参考人にお伺いしますけれども、これと関連しますが、今回の協定の中で、これとワンパッケージになっている問題として、嘉手納以南の米軍施設用地は大変利用価値が高い、私も人から聞いた話ですけれども、観光資源にもなるんじゃないかというところが含まれているようでございます。それらが日本側に返還されるということについて、地元では待望しているというような認識でよろしいんでしょうか。その辺の感触をお伺いしたいと思います。
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伊波洋一#20
○伊波参考人 普天間飛行場については、九六年に全面返還が合意されて以来、市としても、この跡利用に細かく取り組んでまいりました。
 具体的に、基本方針も含めて、今、具体的な基本計画の策定に向けて、個別行動計画をつくって、県とともに行っているところでございます。しかし、やはり返還のめどが立たないとそれが実現できませんので、そういう意味では、より早く返還のめどを立ててもらうことが本当の意味での跡利用に結びつく、このように理解をしております。
 そういう意味で、普天間飛行場の返還というのは沖縄県全体の振興に結びつく、この意味で私たちは計画をつくっておりまして、それは確実にそうなるだろう、このように期待をしております。
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小野次郎#21
○小野(次)委員 今、二つお尋ねしました。いずれにしても、実際の数としての、表明されているだけの海兵隊の存在、プレゼンスというものがグアムへ出ていくということで、軽減に早くつなげたいということであり、また、タイムスケジュールも含めて、具体的にそういうプロセスが確実なものになっていくに従って地元としては具体的な利用のプランが立てられるということで、着実に進めていってもらいたいというのが恐らく地元の反応なんだろうと思います。
 もう一つ、地元の印象について、意向についてお伺いしたいと思います。
 これはやはり伊波参考人にお伺いした方がいいのかなと思いますが、この委員会でも、普天間飛行場の代替施設を県内に移設するという両国政府案については、沖縄中心に異論が多いんだということが議論されているわけでございます。
 確かに、私も、関係者間のコンセンサスというのは最後までつくり上げるべきだと思うし、そのことは大変重要だと思うんですけれども、一方で、本協定案というのはワンパッケージになっている、そういう組み立てになっているということも事実でありまして、その状況というのは、もともとをたどれば、SACOの合意からすれば十三年たっているにもかかわらず、こういう状態になっている。このコンセンサスが、政府レベルの両当事者もありますし、また、地元の方々、関係者間のコンセンサスのめどというのが立っていないわけでございますね。
 普天間からの移転は、緊急だというふうに先ほど伊波参考人もおっしゃいましたけれども、実際、市民感情として、十数年たってめどが立っていないということについて、待ったなしの悲願なのか、それとも、時間をゆっくりかけてでもすべての当事者のコンセンサスをつくるべきだというような認識なのか。地元の率直な感触というのはどちらなんでしょうか。
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伊波洋一#22
○伊波参考人 普天間飛行場の危険性については、先ほども申し上げましたように、小学校が本当に基地のすぐそばにありまして、すぐ横を毎日のようにジェット戦闘機や空中給油機が飛行しているわけです。また、ヘリコプターは住宅地上空を毎日のように深夜まで飛行しております。
 そういう意味では、これは待ったなしの撤去が求められている、こういうふうに私たちは理解しておりまして、その部分、この間、宜野湾市としては、大変困難な県内移設によることなく、部隊をまず移すべきである、こういうことを要請してきたわけでございます。
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小野次郎#23
○小野(次)委員 時間もだんだんなくなってきましたので、西原参考人にお伺いしたいと思います。
 今回の協定では、普天間の代替施設の県内移設と海兵隊のグアム移転、さらには嘉手納以南の米軍施設用地が何カ所か返還される、貴重な、利用価値の高いものだそうですけれども、返還されるということもワンパッケージの仕組みになっているということが一番特徴的なことだと思うんです。
 では、我々の頭を一たん真っ白にして、リセットして、このワンパッケージをなしにして、海兵隊も出ていってくれ、飛行場の完全海外移転も求めるということで、これからオバマ政権との間で再交渉するという選択肢は、外交上、実際あり得るのか。どういう御所見をお持ちか、お伺いしたいと思います。
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西
西原正#24
○西原参考人 再交渉の可能性は私はないと思いますし、再交渉をもし日本側が要求するならば、日米間の信頼関係は損なわれると思いますね。これはもともとは、御指摘のように、一九九六年に話し合って、それから二〇〇六年の2プラス2でも合意されロードマップができという過程を経て、これから、いや、実はこれはおかしいんだという交渉というのは、私は日本の政府の信義にかかわる問題になってくると思います。
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小野次郎#25
○小野(次)委員 ありがとうございました。
 政権がブッシュ政権からオバマ政権にかわったということで、私どもも変えなきゃいけないところは見方を変えなきゃいけない面もあると思いますが、これだけの経緯を持って進めてきた外交交渉の中で提示されている協定案ということで、それだけの重みがあるということをおっしゃったんだろうと私は受けとめます。
 いずれにいたしましても、この問題は、十数年というか、ずっと沖縄の戦後に関係する問題、奥の深い問題でありますけれども、一方で、日本の安全保障を維持するために日米関係を強化しながら、抑止力を維持しながら、沖縄を初めとする日本国民の米軍駐留による負担の軽減という、難しい二つの要件を何とか果たしていかなきゃいけない、その一つの部分を扱っているのがこの協定案でございます。
 きょうは、参考人の方々には、貴重な意見をどうもありがとうございました。私を含め、また委員、同僚議員ともども、さらに議論を深めてまいりたいと思うところでございます。きょうはどうもありがとうございました。
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河野太郎#26
○河野委員長 次に、近藤昭一君。
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近藤昭一#27
○近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。
 きょうは、参考人の四人の方には、大変に御多用の中こうして外務委員会にお越しをいただいたこと、まずもってお礼を申し上げたいと思います。早速幾つか質問させていただきたいと思うんです。
 伊波市長にお伺いをしたいというふうに思います。
 日本の安全保障という大きな枠組みがあるわけでありますが、そういう中で、大変に地元の市民の皆さんの不安が大きい、また、実際に非常に大きな事故、そして悲惨な事故も起きている、そういう中で、地元の住民の皆さんの声を代弁していろいろと交渉に当たっておられる。私はこの間、この委員会の審議を聞いていて思ったんですが、そうした地元の皆さんの声をきちっと政府が代弁すべきだ。ところが、それをきちっと代弁していない、そういうことをすごく感じたんですね。
 そういう中で、市長がみずから、三回ですか、訪米をされておられて、さまざま要請をされたり活動していらっしゃる。こうした活動の中で感じられたこと、わかったこと、さらにお話をいただければと思います。
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伊波洋一#28
○伊波参考人 訪米を三回しておりますが、やはり普天間飛行場の写真を見せますと、米軍関係者あるいは米政府関係者はみんな驚きます。どうしてかといいますと、米国においては、海兵隊の航空基地であのようにすぐフェンス近くまで住宅が密集しているところはないわけであります。というのは、アメリカにおいては基準があって、AICUZというような基準があったりさまざまな基準がありますが、そういう中で米軍基地が運用されているわけでございまして、一応知っているつもりでも、米国政府関係者には具体的に基地の実態を知らない方が多いということでございます。
 ですから、去年もハワイの方に行きましたけれども、ホノルル市の副市長さんとお話をしたときに、どうして住宅がこんなに米軍飛行場の近くまであるんですか、だれが許可したんですかというような質問がありましたり、それから、二〇〇五年にはファインスタイン上院議員がこの写真を見たら本当に驚いて、どうなっているんだということをスタッフに振り向いて本当にいろいろと聞いておりました。
 そういう意味で、国内ではこの写真を見ても当たり前に、これが沖縄問題なんだ、普天間問題なんだというふうに受けとめられて議論がされてきておりますが、アメリカではこういうことはあり得ない話として一目に理解されております。
 ですから、我が国に米軍基地を維持しながらいることの意味をぜひ政府においてもしっかりと受けとめてもらいたい、このように感じております。
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近藤昭一#29
○近藤(昭)委員 海外に行かれて、アメリカの政府、自治体の関係者に普天間の基地の写真を見せると一様に驚く、まさしく、どうしてこんなところに基地があるのかということだと思うんです。
 それで、この委員会の中でも私も指摘をさせていただきました。先ほど市長もお触れになったクリアゾーンの問題であります。
 これもびっくりするわけですが、市長がアメリカに行く中でこういう基準があるというのがやっとわかった、一体政府は何をやっていたのかなという思いで私も質問をしましたところ、それは、日本の政府の立場は、あくまで土地を貸しているだけであって、それについてどういう運用をされているか、どういう使用をされているかというのは日本政府の関知することではないと。市民がそこに、日本の国民がそこに住んでいるにもかかわらず、そのいいかげんさというのか、それは一体何なのかと思ったわけであります。
 そして、先般私どもも沖縄に視察をさせていただきました。そのとき、外務委員会として、河野委員長を初め我々もお邪魔をさせていただいて、そういう中で伊波市長の御指摘もありましたクリアゾーンの問題。これは、先ほどこの委員会が始まる前に報告が外務省の方からありました。クリアゾーンの問題であります。このクリアゾーンには、住居があってはならない、住民が住んでいてはならない、これは正式にアメリカの国防総省から日本の国内の基地には適用されないんだ、こういう返答があったようであります。
 そのことについて、どんなふうに思われますでしょうか。
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