財務金融委員会

2009-05-27 衆議院 全72発言

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会議録情報#0
平成二十一年五月二十七日(水曜日)
    午後一時二十分開議
 出席委員
   委員長 田中 和徳君
   理事 江崎洋一郎君 理事 木村 隆秀君
   理事 竹本 直一君 理事 山本 明彦君
   理事 吉田六左エ門君 理事 中川 正春君
   理事 松野 頼久君 理事 石井 啓一君
      赤池 誠章君    石原 宏高君
      猪口 邦子君    越智 隆雄君
      亀井善太郎君    後藤田正純君
      佐藤ゆかり君    鈴木 馨祐君
      関  芳弘君  とかしきなおみ君
      中根 一幸君    林田  彪君
      原田 憲治君    平口  洋君
      広津 素子君    松本 洋平君
      宮下 一郎君    盛山 正仁君
      山本ともひろ君    山本 有二君
      池田 元久君    小沢 鋭仁君
      大畠 章宏君    階   猛君
      下条 みつ君    鈴木 克昌君
      古本伸一郎君    和田 隆志君
      佐々木憲昭君    中村喜四郎君
    …………………………………
   議員           大野 功統君
   議員           七条  明君
   議員           宮下 一郎君
   議員           柳澤 伯夫君
   議員           山本 明彦君
   議員          吉田六左エ門君
   議員           上田  勇君
   参議院議員        尾立 源幸君
   参議院議員        水戸 将史君
   参議院議員        峰崎 直樹君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       与謝野 馨君
   内閣府副大臣       谷本 龍哉君
   財務副大臣        竹下  亘君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    三國谷勝範君
   政府参考人
   (財務省大臣官房総括審議官)           川北  力君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    加藤 治彦君
   参考人
   (株式会社日本政策投資銀行代表取締役社長)    室伏  稔君
   参考人
   (株式会社日本政策投資銀行取締役常務執行役員)  多賀 啓二君
   財務金融委員会専門員   首藤 忠則君
    —————————————
委員の異動
五月二十七日
 辞任         補欠選任
  稲田 朋美君     赤池 誠章君
  佐藤ゆかり君     猪口 邦子君
  原田 憲治君     山本ともひろ君
同日
 辞任         補欠選任
  赤池 誠章君     稲田 朋美君
  猪口 邦子君     佐藤ゆかり君
  山本ともひろ君    原田 憲治君
    —————————————
五月二十七日
 酒類小売業者の生活権を求める施策の実行に関する請願(伊藤忠彦君紹介)(第二六七五号)
 消費税率の引き上げ・大衆増税反対に関する請願(松野頼久君紹介)(第二六七六号)
 同(大畠章宏君紹介)(第二七八六号)
 同(仙谷由人君紹介)(第二七八七号)
 同(中川正春君紹介)(第二七八八号)
 消費税増税をやめることなど暮らしと経営を守ることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第二六七七号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二六七八号)
 同(志位和夫君紹介)(第二六七九号)
 庶民大増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二六八〇号)
 消費税大増税の反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二八六〇号)
 同(石井郁子君紹介)(第二八六一号)
 同(笠井亮君紹介)(第二八六二号)
 同(穀田恵二君紹介)(第二八六三号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二八六四号)
 同(志位和夫君紹介)(第二八六五号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第二八六六号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第二八六七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二八六八号)
 保険業法改定の趣旨に沿って、自主共済の適用除外を求めることに関する請願(近藤洋介君紹介)(第二八六九号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二一号)
 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(大野功統君外十一名提出、衆法第二二号)
 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案(参議院提出、参法第二号)
     ————◇—————
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田中和徳#1
○田中委員長 これより会議を開きます。
 いずれも大野功統君外十一名提出、株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、参考人として株式会社日本政策投資銀行代表取締役社長室伏稔君、取締役常務執行役員多賀啓二君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁監督局長三國谷勝範君、財務省大臣官房総括審議官川北力君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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田中和徳#2
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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田中和徳#3
○田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。階猛君。
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階猛#4
○階委員 民主党の階でございます。きのうに引き続き、政投銀のお話について御質問させていただきたいと思います。
 きのうは、大きく三つ疑問があるということでお話を始めたんですが、二つ目の途中で終わっております。二つ目の途中というのは、今回、危機対応業務を政投銀、商工中金が行うということで、その見合いで出資するということなんですが、この出資が妥当かどうかというお話の途中でございました。
 それで、質問でございますけれども、これは政府参考人で結構ですが、今回、補正予算が原案どおり成立すれば、政府は最大で一兆七千億円、出資が可能となります。これに八%の逆数である一二・五を掛けると、単純計算しますと二十一兆二千五百億ということになります。損害担保契約でカバーされる部分を含めて、最大で十九兆円しか危機対応業務で予定される資産の増加はないにもかかわらず、なぜ二十一兆二千五百億に見合う一兆七千億という数字になるのか、ちょっとこの一兆七千億というのは十九兆に対して過大ではないかと思うので、その計算根拠を教えてください。
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川北力#5
○川北政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の追加出資の前提となります危機対応業務の規模十九兆円には、今国会で成立いたしました産業活力再生特別措置法、いわゆる産活法に基づく政投銀の出資のスキームが二兆円規模で含まれてございます。政投銀への追加出資の必要額を今回予算計上する上で、融資につきましてはリスクウエートを一〇〇%として計算いたしましたが、この産活法出資に係る株式のリスクウエートにつきましては、六〇〇%として積算いたしました。お尋ねの、一兆七千億円を八%で割り戻すと二十一兆強になる、一方、十九兆円と差異があるという点につきましては、この株式のリスクウエートを割り増しして計算しているということによるのが主たる原因であろうかというふうに思います。
 交付国債の具体的な積算方法について御説明させていただきます。
 十九兆円のうち、現金の出資で三千五百億円しておりますので、その出資金によりまして資本が手当てされた部分を除きますと、約十三・五兆円になります。その十三・五兆円につきましてリスクアセットの金額を計算しております。リスクアセットといたしましては、経済危機対策の各種措置ごとに、日本公庫からの損害担保によりリスクがカバーされると想定される部分を引きまして、それぞれの資産の性質に応じたリスクウエート、出資については六〇〇%、融資につきましては一〇〇%を乗じまして、合計約十七兆円と算出されまして、その八%ということで一・三五兆円ということでございます。この一・三五兆円に三千五百億円の現金出資を足しまして、一兆七千億ということといたしました。
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階猛#6
○階委員 それで、今回の増資というのは、あくまで危機対応業務の見合いということになるわけです。したがって、危機対応業務による資産増加に対応した経営のリスクをカバーするものであって、それと関係のない通常業務で生じた損失の穴埋めに使われることは想定されていないものと思います。
 ちなみに言いますと、財務省からの資料によりますと、政策投資銀行は二〇〇八年度、証券化関連損失で百四十億円ほど計上されておりますけれども、こういった通常業務で生じた損失の穴埋めに流用することは許されないというふうに思うんですが、その点について、大臣と、あときょういらしていただいている参考人の社長の方からお話を聞きたいと思います。それで、今の、もし流用は許されないという場合は、流用しないための具体的な手段もあわせて説明していただければと思います。
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与謝野馨#7
○与謝野国務大臣 お答え申し上げます。
 今般の増資は、危機対応業務の大幅な拡大に伴い、政策投資銀行の財務基盤が悪化しないよう、危機対応業務に係るリスク資産の増加に応じて必要な資本の額を手当てするものでございます。
 他方、増額した資本については、従来の資本と区分することはなく、通常業務と危機対応業務の全体の業務の財務基盤となるものであり、どの資本がどの損失に対応するといった性質のものではないと考えております。
 なお、政策投資銀行の資本比率は二十年九月末において二〇%を超えていることから、通常業務に対応する自己資本は確保されているものと考えております。
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室伏稔#8
○室伏参考人 お答え申し上げます。
 ただいま財務大臣から御答弁いただきましたとおり、今回の増資は、当行が危機対応業務を安定的に進めていく上で必要となる資本につきまして手当てしていただくものと認識しております。
 また、増額となる資本につきましては、通常業務と危機対応業務の全体の業務の財務基盤となるものでございまして、どの資本がどの損失に対応するといった性質のものではございませんが、あえて考え方を整理いたしますと、通常業務で損失が生じた場合につきましては、既存の資本で補てんできると考えております。
 以上でございます。
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階猛#9
○階委員 そうすると、きのうさんざん議論したんですが、今回、まず現金で三千五百億出資するわけです。千二百億は既に危機対応業務で資産が増加した見合い分ですので、この千二百億はいいと思うんですが、残りの二千三百億、これについては、実際に資産が積み上がるかどうか、危機対応業務の今後の推移によって決まってくると思います。ですから、今の段階で二千三百億積む必要はないんじゃないかということを議論させていただいたわけであります。
 ところが、これに対して政府の方からは、二千三百億は確実に必要なんだ、つまり、二千三百億に見合う今年度の危機対応業務は確実になされるんだというお話でございました。二千三百億に見合う危機対応業務、これによって生じる追加のリスク資産は約三兆円でございます。この三兆円、今年度中に必ず実行できるというふうに政策投資銀行さんの方ではお考えになりますか。
 これはちょっと質問事項には入っていませんけれども、今の御説明ですと、結局、今回の追加出資の分の三千五百億は、別に通常業務の損失に当ててもこれは法律上は何の制約もないということですから、そうであれば、ちゃんと二千三百億の分については危機対応業務に使っていただかないと困るわけですね。ですから、三兆円、今年度中に積み増していただかないと、この二千三百億の必要性というところにもかかわってくるわけです。
 三兆円ちゃんと積み増す、三兆円リスク資産がふえるというところについて、政策投資銀行はちゃんと業務計画とか予算とか立てられているのかどうか、ぜひ社長、お聞かせください。
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多賀啓二#10
○多賀参考人 お答えいたします。
 昨年の十二月に入りましてから、危機対応業務というのが私どもに命がおりまして開始をしたわけでございますけれども、先生も御高承と思いますが、昨年の十二月からこの三月までの間で融資、通常というか危機対応融資でございますけれども、一兆を超える実績がございます。それから、CPの買い取りもあわせて始めておりまして、これについては約五千億の実績がございます。
 では、今後一年間についてどのくらい出るかという御趣旨の御質問だと思いますけれども、私どもが現状見ておるところ、一部おさまったという話もありますが、まだまだこれからいろいろな意味で、まさに今回の私どもの危機対応業務が必要となるような企業さんというのはたくさん控えていらっしゃるというような印象を持っておりますので、私どももそういった企業さんの事情にきっちり合うように最大限頑張っていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
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階猛#11
○階委員 ぜひ社長の口からお聞きしたいんですけれども、私が思うに、今回、これは危機対応業務ということでたくさん取引をしなくちゃいけない。そういう中で、今まで優良行とされてきた政策投資銀行が、ひょっとしたらこれから不良債権が山のように生じて経営困難な事態になることもあり得るかもしれない。そういう新銀行東京のような話にならないようにするために、我々は政策投資銀行さんに危機対応業務をお願いする上で慎重な検討をしなくちゃいけないと思うんですね。
 今回、年間で三兆円積み増すと、もう既に一・五兆円ぐらい取引されていますので、四・五兆円ぐらい少なくともこの一年ぐらいで発生するわけですけれども、その四・五兆リスク資産がふえる、総資産が十二兆の会社でそれだけのリスク資産がふえるということで、将来に禍根を残さないという自信はおありになるのかどうか。絶対に新銀行東京のように経営困難な事態が生じることはないのかどうか。その点について、ぜひ経営者御自身の口で説明していただけますか。
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室伏稔#12
○室伏参考人 私どもは株式会社として、健全性、収益性、成長性を兼ね備えた、投融資一体型金融サービスを特色とするオンリーワンの金融機関として育てることが私の使命と考えております。したがいまして、先生がただいま御指摘のようなことがないように、私はよく指導いたします。
 危機対応業務につきましては、当行の経験を生かせる重要な分野でありまして、社会に貢献するとの観点から、株式会社としての健全性等を確保しつつ、精いっぱい前向きに対応していきたいと思います。
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階猛#13
○階委員 四兆五千億だけでも大変な額ですよ。これで将来もし公的資金を注入するということになったら、ちゃんと経営責任は問われるということだけはよく承知しておいてください。
 次の質問ですけれども、この先、四兆五千億だけではなくて、最大では十九兆円ぐらい危機対応業務関係の資産がふえる可能性があるわけです。そうなってくると、今の体制ではなかなか厳しいのかなと。資本を充実させるだけではなくて、ノウハウを持った人員の確保など組織面の充実も図らなければ、とても対応できないのではないかというふうに考えるんですけれども、その辺について、社長、どのようにお考えでしょうか。
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室伏稔#14
○室伏参考人 お答えいたします。
 危機対応業務は、当行がこれまで政策金融機関として培ってまいりましたノウハウやあるいは経験を活用し取り組むべき業務と認識しております。こうしたノウハウや経験を生かす組織・人員体制を構築することによりまして、危機対応業務に適切に対応してまいりたいと存じます。これまでも多様な外部人材の登用にも努めてきたところでございます。
 今回議論されております危機対応業務の規模は過去に例のないものでございますが、私どもは、業務の効率化に努めてまいりますとともに、企業のメーンバンクたる他の民間金融機関と情報の共有化を図るなど協調も図らせていただきながら、企業の皆様が必要とされる資金を必要なときに的確に供給させていただけますよう、万全の体制を整えてまいる所存でございます。
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階猛#15
○階委員 今何も具体的な話は出てこなかったので、どういうふうに体制を強化されるのか、はっきりしないんですけれども、政府に、大臣にお伺いします。これは、危機対応業務自体の必要性は認めるんですけれども、ただ政策投資銀行にかなり過大な負担を背負わせているんじゃないかという問題意識であります。
 私は、もしも政策投資銀行にこういった規模の危機対応業務を負わせるのであれば、それにふさわしい組織になるための支援というものが政府としても必要ではないか、例えば他の金融機関との経営統合なども考えられるのではないかというふうに思います。一例を挙げれば、私が前にいた新生銀行とかあおぞら銀行、なかなか今のビジネスモデルでは食っていけなくなっているということで、両社経営統合という話もあるようですけれども、そういったもろもろのところ、もろもろの金融機関との経営統合なども検討対象に入るんじゃないかと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
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与謝野馨#16
○与謝野国務大臣 現在の経済金融危機への対応に万全を期す等の観点から、政策投資銀行への必要な追加出資を可能とする規定を設けることとしたと承知をしております。このため、政府としては、こうした追加出資による財務基盤の強化を通じて、政策投資銀行が危機対応業務を的確に実施するものと考えております。
 さらに、先生からの、他の金融機関との経営統合は考えられないのか、こういう御質問でしたけれども、私ども、現時点では他の金融機関との経営統合については考えてはおりません。
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階猛#17
○階委員 それではもう一つ、残り一つの疑問ということで、今回の政府保有株式の処分時期などを変更することに対して少し御質問させてください。
 本法案によって改正された後の政策投資銀行法の附則の二条一項というところで、政府保有株式の処分完了時期は、従来の平成二十年十月一日から起算しておおむね五年後から七年後となっていたものが、平成二十四年四月一日から起算しておおむね五年後から七年後というふうに変更されています。なぜ起算点を三年半先送りして、処分完了期限の五年後から七年後という部分だけは従来どおりにしたのでしょうか。
 起算点はずらさずに、処分の完了期限を八年半後から十年半後とした場合でも同じ効果なのではないかと思うわけですけれども、そうしなかった理由を、提案者、教えてください。
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宮下一郎#18
○宮下議員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、今回の表現は、二十四年四月一日から起算しておおむね五年から七年後というふうになっております。
 これの背景は、危機対応業務、これに対応して追加出資が二十四年三月末まで時限措置として設けられる、この要因が一番大きいわけでございますけれども、それと軌を一にして、それまでの期間は大規模に危機対応業務が行われ、それから政府がそれに対応して追加出資を行っている、こういう過程にありまして、そういう状態では投資家の皆様が将来を見据えた投資判断を行うことはなかなか難しいのではないか、したがって株式処分も難しいのではないかという判断がございます。
 また、足元でいいましても、現在、民間の公募増資等も滞っておりまして、直ちに市中へ政府保有株式の処分を行っていくというのはなかなか難しいだろうということでございまして、実質株式処分を始められるのはこの追加出資規定が終わった後からということを想定した方が現実的なのではないかということで、そこを起点として五年後から七年後という表現にしたというところでございます。
 なお、法律的にいいますと、株式の全部処分の時期の変更ということでありまして、株式処分の開始時期については昨年十月一日の株式会社がスタートした時点から法的には処分可能となっておりまして、そこを変更するものではございません。
 しかしながら、先生がおっしゃいますように、その効果は法的にどうなんだということで判断を求められるということであれば、当初のとおりスタートを二十年十月一日と置いて、その八年半後から十年半後に全部処分するというふうな表現にしても法律上の効果は変わらないというふうに考えております。
 一にかかって、どうしてこういう表現にしたかということは、今回、二十四年三月末までの時限措置として追加出資規定が設けられ、それを終えた四月一日から起算して物を考えるという方が、今回の対策を踏まえてこういうふうに完全処分時期がずれたというのがはっきりわかるであろう、そういう判断からこういう表現にさせていただいたということでございます。
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階猛#19
○階委員 ということは、三年半先送りされた二十四年四月一日までの期間においても民営化に向けての移行は進んでいく、民営化の移行期間であることは変わりないということでよろしゅうございますか。
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宮下一郎#20
○宮下議員 御指摘のように、完全民営化への移行という意味では、法的には今もそのただ中にあるということでございますけれども、今現在は、移行期間中であり、同時に政府保有株式がまだ全部処分されていないという状態の中で、危機対応業務のみなし指定金融機関として位置づけられております。危機対応業務の担い手として役割を確実に果たしていただくことが期待されているところでございまして、先生御指摘のように、今回の法改正では処分する最終の時期だけを変更しておりまして、株式処分自体を凍結する旨の法改正を行うものではないということでございます。
 ただ、実態としては、足元の経済状況、また追加出資が行われる中で株式を売却するというのはなかなか難しいのではないかということで、法的には凍結はしていないけれども、実態的に民営化に向けて株式を売却し始めるというのは難しいのではないかというのが実情でございます。
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階猛#21
○階委員 私の問題意識は、今までの政府の方針は変わったのかどうかということなんです。
 法案自体の附則二条では、さっき申し上げた三年半後、平成二十四年四月一日という起算点までの間に、危機対応業務見合いの出資の状況とか危機対応業務自体の実施状況とか社会経済情勢の変化などを勘案して、株式の全部を処分する時期についても検討するというふうにあります。ですから先ほど申し上げたような私の問題意識も出てくるわけで、現行法では起算点からおおむね五年後から七年後をめどに株式の全部を処分するということになっていますけれども、これを大幅に先送りしたり処分完了期限を未定にしたりということもこの検討条項では可能になるように読めるんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
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柳澤伯夫#22
○柳澤議員 基本的に、先ほど宮下提案者が御説明申し上げましたように、今回の危機対応業務に伴う私どもの変更としては、まず、三年間、二十四年の三月三十一日までは危機対応業務をやるし、また必要ならば政府による増資も行われるということで、ここは勘定に入れずにというか、それを飛ばして二十四年四月の一日から五年ないし七年の期間で完全売却をしよう、こういうことでありまして、基本の考え方は、五年ないし七年で完全売却しようという原則というものは大切にしよう、こういうことの仕組みになっているわけでございます。
 そうはいいましても、なぜこの検討条項を設けたかといいますと、ここで現実に増資が行われるということははっきりしているわけでございます。そういたしますと、これだけの従来の資本に加えて、増資が行われた後の株式の売却というのは、増資の規模に応じて増嵩しているわけでありますので、その増嵩した株式を同じ期間で売り切るということについては場合によって無理が生ずるかもしれない、こういうことでございます。したがって、まず基本のところでは、増資のことを念頭に置きまして、資本の拡大状況を踏まえてこの五年ないし七年の売却終期というものについては検討しなければいけない、こういうことが基本的にございます。
 加えまして、危機対応業務の実施状況によりましては、政投銀の資産の状況がどういう内容になっているかということも踏まえなければなりません。また、かねて階委員からも御指摘があったかと思うんですが、市況の状況、あるいは広く経済、市場の状況というものも当然踏まえなければならないというようなことがございますので、したがいましてこの附則の二条の検討条項を設けた、こういうことになっているわけでございます。
 この検討の結論の方向性については、今言ったような必要性というものにこたえるということが基本でございまして、それ以上のことについて現時点で何か予断を持っているということはないということでございます。
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階猛#23
○階委員 やはり当然のことだと思います。一兆七千億も増資すれば、それは売却が完了する時期は当然長くかかるわけでございます。それはわかるんですが、だから私が言いたいのは、もし完全民営化ということを所与の前提とされるのであれば、その民営化に支障のないような形で危機対応業務をするべきではないか。きのう申し上げたように、危機対応業務に関しては、将来事業譲渡もできるような形で勘定を別にして管理するとか、そういうことを考えられたらいいんじゃないですかということを言っていたわけです。
 ちょうどこの法案の附則二条でも、政策投資銀行による危機対応業務のあり方についても、株式の全部を処分する時期と同様、検討するという条項があるわけです。そういう危機対応業務のあり方について検討するということは、今申し上げたように、将来事業譲渡もあり得るということも含めて検討するべきだというふうに思うんです。こういった危機対応業務を事業譲渡する、具体的には政策金融機関である政策金融公庫に事業譲渡するということでございますけれども、こういったことも検討するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。大臣、お願いします。
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与謝野馨#24
○与謝野国務大臣 与党から提案されている法律案においては、検討条項が設けられ、政策投資銀行による危機対応業務のあり方、株式の全部を処分する時期について政府において平成二十三年度末を目途に検討を行うこととされております。政府としては、今般の国会審議も踏まえつつ、法律が成立した後、この検討条項に沿って検討をしてまいりたいと思っております。
 なお、危機対応業務は、政策投資銀行を含め民間金融機関である指定金融機関を活用するものであること等から、政策投資銀行が完全民営化等に際して日本公庫に事業譲渡することは制度上想定されておらず、御指摘のような事業譲渡は現行制度の考え方に立脚すれば適切ではないと考えられるのではないかと思います。
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階猛#25
○階委員 これまでの政府の方針と対立するような今回の法案だと思うんですね。というのも、今議論されましたとおり、大規模な増資をするということが予定されて、それによって保有株式の処分時期の先送りということもあらかじめ定められているわけでございまして、こういうことをするのであれば、民営化自体、民営化そのものを抜本的に見直さないと、一体政策投資銀行はどこに進んでいったらいいのかということがわからなくなると思うんですね。
 そこら辺を、大もとのところをまずはっきりさせておかないと、制度論だけで枝葉末節の話になってもしようがないと思うので、ぜひその辺は根本的なところから議論を進めていただければと思っております。
 時間が参りましたので、きょうはこの辺で質問を終わります。どうもありがとうございました。
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田中和徳#26
○田中委員長 次に、松野頼久君。
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松野頼久#27
○松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。時間が十五分しかございませんので、早速質問に入りたいと思います。
 まず、銀行等の株式保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。
 特に今回この法案で、株式とあと金融商品、いわゆるREITそしてETF等を買い取るということが特徴だと私は思っているんですが、なぜこういう金融商品まで買い取るのかということをお答えいただけますでしょうか。
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大野功統#28
○大野(功)議員 まず、松野先生初め先生方に厚く御礼申し上げたい。というのは、さきにこの法律につきまして議員立法で提出させていただきました。直ちに御審議いただき、成立を見ております。
 その際、参議院の財政金融委員会で御党の先生方から、もう少し対象範囲を柔軟に考えて広げてみたらどうか、こういう御意見もございましたし、また附帯決議でそのようなことも明記されております。我々は、いい御提案には直ちに反応する。そこで、今回こういう改正を見たわけでございます。
 ただ、今回、御指摘のETF、それから優先株、優先出資証券、そしてJ—REITでございますが、やたらにふやすというんじゃなくて、やはり法律の基本的な目的に照らしてやっていかなきゃいけない。そういうことで、目的は、まずあくまでも銀行の財務体質を強化していく、弱めないということ。銀行の金融機能の信用収縮を招かない、貸し渋り、貸しはがしなどは絶対起こさない、日本の金融機能は安心だ、こういうことでございます。
 一方、これは場合によっては国民に御迷惑をおかけするかもしれない法案でございますから、やはりそこは国民負担の発生をできる限り回避していく、こういう買い取りの公正性という観点が必要でございます。
 特にJ—REITについて申し上げますと、二〇〇一年に始まっておりますが、J—REITは、賃貸収入のキャッシュフローを配当金として組成されておる出資証券でございますが、これは、今現在見ておりますと、株式と同じように非常に株価が上下、株価リスクが大きいんですね。特に、分析によりますと、外人投資家の換金売りということも関係しているかもしれない。こういう問題が一つあります。
 さらに先生にお訴え申し上げたいのは、ETF、優先株等は、銀行全体で見て、主要行と地域銀行に分けて見ますと、ETFの場合は地域銀行は三六%しか持っていません。それから優先株、優先出資の方は、地域銀行というのはわずか六%なんです。ところがJ—REITの方は、驚くなかれ、九〇%地域銀行が持っている。地域経済と密着している地域銀行でありますから、やはりそこは十分勘案していかないと、地域の信用収縮が起こってはならない、こういう問題があるわけでございます。
 しかしながら、そういう問題があるからといって、先ほど申し上げましたように、いわばJ—REITの公正性あるいは国民負担の問題、こういうのがありますから、上場されていること、まずこれが一つですね。それから二つ目は、発行主体が非常に安定している、信用がある。それから三つ目、こういうようなことを念頭に置きながら、買い取り要件を明快にしていかなきゃいけない、トランスペアレンシー、透明性が必要だ、こういうふうに考えております。
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松野頼久#29
○松野(頼)委員 まず、金融機能を安定するということでありますけれども、地銀は、地域の中小零細企業をまずしっかりと支えて、中小零細企業にお金を貸してその会社を大きくして、金利を得て、そしてなりわいを立てるというのがそもそもの一番やるべきことだと私は思うんですね。要は、投資先がないからといってJ—REITを買ってみたりファンドで回してみたりということ自体が、私は地銀のそもそもの趣旨から逸脱をしているのではないかというふうに思っておるんです。
 そしてもう一つ。金融機能を安定させるためというふうにおっしゃいましたけれども、お配りした資料の二ページ目をごらんください。J—REITをどれだけ持っているかというと、地銀は二千四百億しか持っていないんですよ。この二千四百億がたとえゼロになろうとも、では、それで金融機能は危うくなるんでしょうか。私はそんなことはないと思います。
 そして、昨年審議をしました金融機能強化法、金融機関が危なくなったときには、貸出先の中小企業に迷惑をかけないという目的から、私どもも賛成をさせていただいて、そのときに資本を注入したからといって責任論ということを言わずに、この法律がきちんと機能するようにということで私どもは通したつもりでおります。ですから、そういうセーフティーネットの法律はもう既にあるんですね、何もこれを買い取らなくても。という思いを私は持っているんです。
 ただ、株式というのは出資金ですから、地銀は上場していない株式も持っています、五%ルールの中で。これは別に、それによってキャピタルゲインを得ようというわけではなく、きちんと企業と銀行の関係を強化したいという思いで銀行が株式を持っているという側面がありますので、ここを買い取るというのは、百歩譲って一つのいい案なのかなというふうに私は思うんですけれども、ただ、金融商品まで買い取るというのはモラルハザードなのではないかというふうに私は思います。
 そういう中で、もう一つ伺いますけれども、もし国がこの金融商品を買い取った場合、そこで損が確定をされます。損が確定をされた場合には、明らかに運用の失敗ということが経営者には出てくるわけですね。このときの経営責任というのはどうなるんでしょうか。
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