外交防衛委員会

2009-06-02 参議院 全324発言

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会議録情報#0
平成二十一年六月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任   
     中山 恭子君     小池 正勝君
 六月二日
    辞任         補欠選任   
     藤田 幸久君     徳永 久志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         榛葉賀津也君
    理 事
                浅尾慶一郎君
                一川 保夫君
                白  眞勲君
                木村  仁君
                小池 正勝君
    委 員
                犬塚 直史君
                風間 直樹君
                谷岡 郁子君
                徳永 久志君
                広中和歌子君
                藤田 幸久君
                岸  信夫君
                佐藤 正久君
                橋本 聖子君
                山本 一太君
                浜田 昌良君
                山口那津男君
                井上 哲士君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     中曽根弘文君
       国土交通大臣
       国務大臣     金子 一義君
       防衛大臣     浜田 靖一君
   副大臣
       外務副大臣    橋本 聖子君
       国土交通副大臣  加納 時男君
       防衛副大臣    北村 誠吾君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
       防衛大臣政務官  岸  信夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       山本 条太君
       内閣官房内閣参
       事官       浅利 秀樹君
       内閣官房総合海
       洋政策本部事務
       局長       大庭 靖雄君
       内閣法制局第二
       部長       横畠 裕介君
       内閣府国際平和
       協力本部事務局
       長        高田 稔久君
       外務大臣官房審
       議官       石川 和秀君
       外務大臣官房審
       議官       知原 信良君
       外務大臣官房審
       議官       小田 克起君
       外務大臣官房参
       事官       石井 正文君
       外務省北米局長  梅本 和義君
       外務省中東アフ
       リカ局アフリカ
       審議官      秋元 義孝君
       外務省国際法局
       長        鶴岡 公二君
       国土交通省海事
       局長       伊藤  茂君
       海上保安庁長官  岩崎 貞二君
       防衛省防衛政策
       局長       高見澤將林君
       防衛省防衛政策
       局次長      松本隆太郎君
       防衛省運用企画
       局長       徳地 秀士君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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榛葉賀津也#1
○委員長(榛葉賀津也君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月二十九日、中山恭子君が委員を辞任され、その補欠として小池正勝君が選任されました。
    ─────────────
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榛葉賀津也#2
○委員長(榛葉賀津也君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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榛葉賀津也#3
○委員長(榛葉賀津也君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に小池正勝君を指名いたします。
    ─────────────
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榛葉賀津也#4
○委員長(榛葉賀津也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官浅利秀樹君外十五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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榛葉賀津也#5
○委員長(榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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榛葉賀津也#6
○委員長(榛葉賀津也君) 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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犬塚直史#7
○犬塚直史君 民主党の犬塚です。
 今日は、本題に入る前に、昨日のこの共同通信の核持込みの密約についての報道がありましたので、この件について確認をさせていただきたいと思います。
 この共同通信によると、外務事務次官経験者四人の証言要旨というのが載っているわけですが、例えば、核に関して日米間で非公開の了解があるということは前任者から聞いており、次の次官に引き継いでいたと、これは大秘密だった、当時の首相や外相に伝えたことはなかったと、政治家に話をすると漏えいをするから、そして、外務省で日米安全保障条約を担当している者は密約のことはみんな知っていると、こういう報道がなされているんですけれども、このとおりという認識なんでしょうか。北米局長、どうですか。
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梅本和義#8
○政府参考人(梅本和義君) お答え申し上げます。
 政府が従来から申し上げているとおり、その報道にありますような密約なるものは存在いたしません。この点につきましては、歴代の総理大臣及び外務大臣が密約の存在を明確に否定しているところでございます。
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犬塚直史#9
○犬塚直史君 おっしゃったとおり、河村官房長官が既に、米国が核持込みをする場合、事前協議の対象になっていると、事前協議がない以上は持込みはないということに全く疑いを持っていないというふうに官房長官も言っておられるわけですが、外務大臣、そのような理解でよろしいんですか。
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中曽根弘文#10
○国務大臣(中曽根弘文君) 今参考人から御答弁いたしましたけれども、御指摘のような密約は存在しないわけでありまして、この点につきましては歴代の総理大臣及び外務大臣がこのような密約の存在を明確に否定しているわけでありますし、また米軍による我が国への核の持込みについては事前協議の対象になっているわけでありまして、そのような申入れがない以上、これは、核持込みがないということについては、官房長官がおっしゃったと同じ、全く疑いを有しておりません。
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犬塚直史#11
○犬塚直史君 私、このような報道が出てきて、まあ出てくれば当然否定をするわけでありますが、このような報道が出てくるということ自体が官僚外交、私は官僚という言葉は余り好きではないんですが、要するに官僚の大きな機構の中で政治が決めたことを官僚がしっかりやっていくという中で、大きな転換期に差しかかったときに本当に政治が指導力を発揮できるのかなという非常に疑いを持つわけであります。
 今お手元に配りました北東アジア非核兵器地帯条約案というのを、これを御覧になっていただきたいんですけれども、中曽根大臣に伺いますが、こういう非常に前向きな条約案、北東アジア地帯を非核地帯として、それを囲む米国、ロシア、中国がここに対しては先制核使用を行わないというような、この条約案というものが、これは民主党の鳩山代表も岡田幹事長もこれ民主党の代表選のときから言っているわけでありますが、こういう、これは民主党だけではないんですが、すべての当事者も国際社会も巻き込んで、だれもが反対できないようなストーリーを日本の政治が提案をしていくべきときだと思うわけですね。
 こういうことはやっぱり政治主導でないと、官僚機構の中からはこういうことは言い出せないわけでありますから、中曽根大臣、どうでしょうか、このまずは北東アジア非核兵器地帯条約については、認識はお持ちだったでしょうか。
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中曽根弘文#12
○国務大臣(中曽根弘文君) 私も、委員御承知かもしれませんが、四月末に核軍縮についての十一の指標ということで提案をさせていただきました。核兵器のない世界をつくるということは、我々政治が中心になって努力しなければなりませんし、各政党がそのようなことを検討して提案をされるということは、私はこれは非常に結構なことだと、そういうふうに思っております。
 ただ、委員がお配りになりましたこの非核兵器地帯というこの構想につきましては、一般的に申し上げれば、これはもう当然のことながら世界とそれからこの地域の平和と安定に資するものでありますが、やはり大事なのは核兵器国を含むすべての関係国の同意を得られるということが大切だと思っております。そういうような同意が得られると、そういう条件が満たされれば、私は核拡散の防止等の目的に資すると思っていますが、現実問題としては、この日本の周辺地域という意味では、北東アジアにつきましては、依然として不透明な要素とかあるいは緊張関係がありますし、現実に核戦力を有した、核戦力を含む大規模な軍事力というものが存在するわけですから、まだ私自身は、御提案なり考えというものは一つの考えだと思いますが、環境は整っていないんではないかなと、そういうふうに思います。
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犬塚直史#13
○犬塚直史君 官僚の書いたものを読まれるとどうしてもそういう方向になるわけでありますが、やっぱり政府の公式の立場から半歩でも進んだ発言を、特にこのような危機が目の前にあるときは政治のイニシアチブを是非取っていただきたいと思うんですが。
 この配付資料を見ていただくと、これが、南極を含めて今既に六か所の非核地帯条約例が、発効しているものもありますし、批准だけで発効していないものもありますが、こういう六か所の非核地帯がもう既にあると。そして、今この時点でこの話を改めて持ち出しましたのは、このスリー・プラス・スリーというのが六者協議の枠組みそのままだからであります。特に、六者協議において北朝鮮の核施設の無力化、解体が協議されているわけですけれども、まさにこの条約の大前提がここにあるわけなんですね。ですから、まずこの大前提を六者会合で対話という形でやっていくんであれば、今までとはちょっと違うような新しい提案を政治主導でしていくべきではないか。
 特に、この特徴のところを見ていただきたいんですが、地帯内国家の国内にある他国の軍事施設、例えば在日米軍基地も対象にするということまで踏み込んでここに書いてあるわけですね。もし政府の言うとおり非核三原則は神話ではないということであるならば、今まさにこういうことを進めていくべきであるし、まさに大臣の、今度は大臣自身のお言葉で、あれだけいい十一の提案までされているわけですから、しかも、川口元大臣も、そしてオーストラリアの元外務大臣も、まずアメリカの大統領が核の先制不使用の採用を検討するべきだという宣言まで今年になって出しているわけですから、もう半歩ぐらい踏み込んだ発言をお願いしたいんですけれども、外務大臣、いかがでしょうか。
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中曽根弘文#14
○国務大臣(中曽根弘文君) 核をなくすということについてはいろいろな考え方もあると思いますし、今お話ありましたような地域的な条約もできているということですから、我々も前向きにこのようなことを日ごろから検討する必要があると、そういうふうに思っておりますが。
 先ほど申し上げましたけれども、この地域は今北朝鮮の本当に喫緊の課題である事態がありますので、まずはこれを、国際社会が一致してこの北朝鮮の非核化を進めていくと、それと並行しながら今委員がおっしゃったようなこのような取組についても議論をし検討していくということは、私はいいこと、大事なことだと思っています。
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犬塚直史#15
○犬塚直史君 そこで、対話と圧力ということでもう一度北朝鮮のことを確認させていただきたいんですが、防衛大臣に伺います。
 我が国を射程に収めるミサイル発射基地あるいはノドンの数、例えばこれ、ICG、国際危機グループの報告書によれば、ノドンは最大で三百二十基、核が六発から八発持っているだろうと、これ、韓国政府のレポートですね。そうしたところから同時にミサイルが飛んできた場合にこれを本当に防ぐことができるのか。あるいは、この北朝鮮のミサイル発射基地の位置を我が国は把握しているのかどうか。そして今、敵基地攻撃能力の議論も出始めているようですが、日本がそのような能力を持ったと仮定をして、地下深くにあるこの三百二十と言われるミサイル、ノドンを、こちらに一発でも核が落とされたら困るという中で、敵基地攻撃能力、どの程度現実的なものか、防衛大臣の見解を伺います。
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浜田靖一#16
○国務大臣(浜田靖一君) 今先生の御質問の中にありました、まずその数と場所についてどの程度というお話でございました。
 先生から御説明がありましたように、北朝鮮は我が国のほぼ全域が射程内に入る可能性があるノドンの配備を進めておりますし、その射程は約千三百キロに達すると見られておりますし、また、テポドン1、テポドン2に加えて、北朝鮮は新たに我が国を射程に収める可能性のある中距離弾道ミサイルの開発を行っていると見られるというのは我々も承知しておるところでございます。
 北朝鮮の弾道ミサイル発射基地の数、場所について、これ網羅的に断定的にお答えするのは大変難しいというふうに思っております。その上で、例示的に申し上げれば、テポドン1及びテポドン2の、又は派生型はテポドン地区から発射されました。ノドンについては、発射台付きの車両に搭載されて移動して運用されると考えておりますので、その数については、我々とすれば、今確実に先生がおっしゃった内容のお話というのは我々も承知をしておりますけれども、今現在でどれだけの数があるというのを正確に把握しているわけではございません。
 そしてまた、今新たに、じゃ、もしもそういった基地のある中で、これを攻撃してすべて、攻撃する能力を持つことは可能かというお話もあったわけでありますが、これに関しては従来どおり我々申し上げているとおりでございますが、敵基地攻撃として憲法との関係について、法律上の問題としては、他に手段がないと認められるものに限っては敵の基地をたたくことも憲法で認める自衛の範囲内に含まれるとの考えを示してきております。
 その一方、現実の自衛隊の装備体系の在り方としては、我が国に対して誘導弾等によって攻撃が行われるような場合に対してほかに全く支援を受ける手だてがないというような事態は現実の問題としては起こり難いこと、そしてまた、我が国は日米安全保障体制下、日米間の適切な役割分担によって我が国の平和と安全を期することとしておりますので、敵基地攻撃を目的とした装備体系の保有は考えておりません。
 また、お尋ねの点を含め、いわゆる敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有するか否かについては、政治的な判断が必要でありますし、国会等において幅広い議論が行われることが重要だと我々は認識をしております。
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犬塚直史#17
○犬塚直史君 何でこんなことを申し上げるかといいますと、こういうときに感情的な対応は厳に慎まなければならない、圧力を加えるのであれば本当に圧力になるようなことをしなければいけないと思うわけであります。二国間で全面的な輸出入の停止ですとか、あるいは人の移動の禁止ですとかということをどんなにやったところで、中国やロシアを含む諸外国の協力を得ることができなければ本当の圧力にはなり得ないということはもう我々みんなよく理解しているわけでありまして、こういうときにやはり感情的にならずにしっかりとした対応をお願いしたいと思うわけであります。
 中曽根大臣、北朝鮮には約二千五百万人の国民がいるわけでありますが、もしこれ国家が崩壊するような事態になれば大体五百万人ぐらいの難民が流出すると言われております。そういう事態になればもう数十万単位の犠牲者が出るでしょうし、例えばアフガニスタンやパキスタンなどで、あるいはソマリア等々で起こっているようなことが実際に隣国で起こってしまうというこのような事態にあって、やっぱり対話と圧力、圧力はこれはもう絶対に国際社会が一致したものでなければいけない、感情的な対応はしてはいけない、そして出口をきちんと指し示すような創造的な提案をしていただきたい。もう一度お願いしますね。
 コメントをお願いします。
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中曽根弘文#18
○国務大臣(中曽根弘文君) こういう北朝鮮に対しましては、対話と圧力、この両方をバランス取れるようにやっていくということがこれはもう大変大事なわけでありますが、そういう中で、我が国としては、拉致とか核とかそれからミサイル、こういう諸懸案の包括的解決に向けました具体的な行動を北朝鮮から引き出すべくやはり米国や関係国と協力をしていくということが大事だと思っておりますが、北朝鮮に対する圧力も様々なものがあろうかと思いますが、圧力というものは、委員もお考えだと思いますけれども、これはもう総合的なものであって、いろいろな要素が複合的に絡み合ってそして全体として効果を上げてくるものだと、そういうふうに思っております。
 今、北朝鮮のもしもの事態の難民のお話がありましたけれども、まあ仮定の御質問にお答えすることは適当ではないと思いますが、まずはそのような事態にならないように対話と圧力、両方をバランスよく取りながら、粘り強く北朝鮮に非核化の話を、実現を進めていくということが今一番大事なんじゃないかと思っています。
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犬塚直史#19
○犬塚直史君 それでは、本題の海賊行為の法案に移りたいと思います。
 まず、第一条の目的のところに私は非常に引っかかるわけでありますが、海賊行為というのは人類共通の敵でありますので、この人類共通の敵に対して、海洋法に関する国際連合条約においてすべての国が最大限に可能な範囲でこれに対処していくという法案だと理解しておりましたところ、この目的の第一条の前半のところに、海に囲まれ云々という我が国のこれ国益が書いてあるんですね。
 私はここに非常に違和感を覚えるわけでありますが、中曽根大臣にまず伺います。国際法益というのは一体何なんでしょうか。
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中曽根弘文#20
○国務大臣(中曽根弘文君) 国際法益について確立された定義があるわけではないと思いますが、その上で申し上げれば、法益というものは法律によって保護される利益をいうものとされております。
 そういう文脈から国際法益をとらえれば、一般に国際法益とは、国際社会全体の利益やまた関心事項でありまして、国際法によって保護されるものと、そういうふうに考えられます。
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犬塚直史#21
○犬塚直史君 私は昭和十六年から今日までの国会審議を調べてみたところ、国際法益という言葉は四回しか使われていないんですね。逆に、国益という言葉は二百一回使われているわけですね。
 この目的のところに書いてあるのは、同じ文章の中に国益とそれから国際法益というこの二つがごっちゃになって書かれているんですね。私は、これは非常に問題だというふうに思うわけです。
 そこで、まずこれ外務省に伺いますが、現代国際法上の強行規範というのは何なんでしょうか。
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鶴岡公二#22
○政府参考人(鶴岡公二君) 現在の国際法の下に強行規範というものがどのように認識されているかという御質問かと思いますが、条約法に関するウィーン条約第五十三条において強行規範に対する言及がございます。この中では、「いかなる逸脱も許されない規範として、また、後に成立する同一の性質を有する一般国際法の規範によつてのみ変更することのできる規範として、国により構成されている国際社会全体が受け入れ、かつ、認める規範をいう。」と定義されております。さらに、条約締結のときに、一般国際法の強行規範に抵触する条約は無効である旨を規定しております。
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犬塚直史#23
○犬塚直史君 簡単に言えば、強行規範というのは、この強行規範で禁じられているようなものを認めるような条約自体が認められないと。つまり、国際社会が全体でもってこれだけはいけないよというのを決めていると私は理解いたしますが、それでは、どのような法規が強行規範であるかについて、国連国際法委員会での草案では何が例示されているんでしょうか。
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鶴岡公二#24
○政府参考人(鶴岡公二君) ただいま御紹介を申し上げました条約法条約の規定に先立ちまして、強行規範に関する議論は長年にわたって国際法の世界において課題とされてきたものでございます。このウィーンの条約法条約によって規定されているものを含めまして、現時点におきましては、具体的に何が強行規範に該当するかについては必ずしも各国及び学説において一致した見解があるとは認められておりません。ただ、例えばで申し上げますと、国際連合憲章第二条四項に規定されている武力不行使の原則はこれに該当するということについてはほぼ一致した見解があると申し上げられると思います。
 ただいまお尋ねの、先ほどの条約法条約に至る前段に行われました国連国際法委員会によるコメンタリーによりますと、同委員会におきましては、強行規範の内容は今後の国家実行と国際判例にゆだねられるべきものとしております。その一方で、このコメンタリーには同委員会の議論の過程で言及された見解が例示をされておりまして、海賊行為などの、すべての国がその抑止のために協力することが求められている行為を企てたり黙認するような内容の条約は強行規範違反に当たり得るという見解も含まれております。
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犬塚直史#25
○犬塚直史君 つまり、それほど強い、国際社会で一致してこれをやってはいけないよという行為の類型の例示として海賊行為が入っている、あるいは侵略というものが入っている、あるいは奴隷売買というものが入っている、あるいはジェノサイドというものが入っていると認識をしているわけですけれども、そこで質問なんですが、今回のこの法案で定義をされている海賊行為と、そして国連海洋法条約で定義をされている海賊行為の定義にはどんな違いがあるんでしょうか。
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鶴岡公二#26
○政府参考人(鶴岡公二君) 国連海洋法条約において定められております海賊の定義と今回御審議いただいております法案の中での海賊の定義は、基本的に一致しておると認識しております。
 他方、国内法でございますので、この法案の中にございます海賊についての定義は、国際法が言及していない、更に具体的な行為の態様についても明確にしております。その点において、海洋法条約の定義よりも詳しい定義になっているということも申し上げられるかと思います。
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犬塚直史#27
○犬塚直史君 そのように大事な定義が国連海洋法条約では意外と、意外とといいますか、割と抽象的なレベルであって、当該法案で定義しているのは、例えば付きまとい、航行中の他の船舶に著しく接近し、若しくは付きまとい、又はその進行を妨げる行為というのが二条六号で定義をされております。そしてまた、海賊をする目的で凶器を準備して船舶を航行する行為、同七号も定義をされております。
 この部分、国際法上の定義とそごはないんでしょうか。
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鶴岡公二#28
○政府参考人(鶴岡公二君) ただいま委員御指摘の法案の二条六号ないし二条七号に定義されている具体的な行動につきましては、先ほども申し上げたとおり、国連海洋法条約の中に具体的ないし明示的な言及はございません。
 その海洋法条約の定める海賊行為の我が国としての理解を明文化したものが二条六号及び二条七号でございまして、そういう理解の下におきましては、海洋法条約の定義と本法案の中にございます海賊行為の定義の間にそごがあるとは理解しておりません。
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犬塚直史#29
○犬塚直史君 ここで、大変素朴な疑問なので分かりやすく答えていただきたいんですが、海賊行為というのは人類共通の敵であると。だから、この海賊法制を、国内法を日本が整備をして、この国内法をもって地球の反対側で海賊行為をして公海にいるような海賊を言わば逮捕して連行して日本で裁くわけですね。
 その際に、この国内法で言っている付きまといとか凶器を準備しているというような犯罪類型が国際法で定めている海賊行為じゃないじゃないかと、日本の国内法をどうして私が、管轄権は日本が持って自分が逮捕されなきゃいけないんだと、これは違うぞということで訴訟をされたらどういう対応になりますか。
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