総務委員会

2011-03-10 衆議院 全96発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成二十三年三月十日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 原口 一博君
   理事 稲見 哲男君 理事 小川 淳也君
   理事 黄川田 徹君 理事 古賀 敬章君
   理事 福田 昭夫君 理事 大野 功統君
   理事 坂本 哲志君 理事 西  博義君
      石井  章君    石津 政雄君
      内山  晃君    大谷  啓君
      大西 孝典君    逢坂 誠二君
      奥野総一郎君    笠原多見子君
      小室 寿明君    後藤 祐一君
      鈴木 克昌君    高井 崇志君
      中後  淳君    永江 孝子君
      橋本 博明君    平岡 秀夫君
      藤田 憲彦君    松崎 公昭君
      皆吉 稲生君    湯原 俊二君
      赤澤 亮正君    石田 真敏君
      加藤 紘一君    川崎 二郎君
      佐藤  勉君    橘 慶一郎君
      谷  公一君    森山  裕君
      稲津  久君    塩川 鉄也君
      柿澤 未途君
    …………………………………
   総務大臣         片山 善博君
   総務副大臣        鈴木 克昌君
   総務副大臣        平岡 秀夫君
   厚生労働副大臣      大塚 耕平君
   総務大臣政務官      内山  晃君
   総務大臣政務官      逢坂 誠二君
   財務大臣政務官      尾立 源幸君
   政府参考人
   (総務省行政評価局長)  田中 順一君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       石井 信芳君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           唐澤  剛君
   総務委員会専門員     白井  誠君
    —————————————
委員の異動
三月十日
 辞任         補欠選任
  大谷  啓君     橋本 博明君
同日
 辞任         補欠選任
  橋本 博明君     大谷  啓君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
原口一博#1
○原口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省行政評価局長田中順一君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官石井信芳君及び大臣官房審議官唐澤剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
原口一博#2
○原口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
原口一博#3
○原口委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中後淳君。
この発言だけを見る →
中後淳#4
○中後委員 おはようございます。民主党の中後淳でございます。
 総務委員会におきまして、地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。質問の機会を与えていただいたことに、心から感謝申し上げます。
 質問に入る前に、私の私見を含めて、昨日来報道されている土肥議員の竹島に対する問題について申し述べさせていただきたいと思っております。
 今回の発言を聞くと、うかつだったとかということでお話がされておりますけれども、領土の問題、国家主権の問題については、大変重要な問題でありますし、毅然とした対応をとるという発言のとおりの対応をとっていただきたいと思っております。また、この問題をうやむやにするようなことがあれば、私も居場所、立ち位置をしっかりと考えていかなければならないと思っておりますので、しっかりと対応していただきたいと思っております。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 私も、平成十二年に地方議員、富津市という自治体で市議会議員に送っていただいてから政治家をさせていただいているんですが、この平成十二年というのは、地方分権一括法が施行された年です。四月から施行されて、私も四月から議員として活動させていただいておりますので、地方分権一括法が始まってから、私は議員として、政治家として活動を開始したということになっております。
 それ以来、さまざまな変化がありました。三位一体の改革があり、平成の大合併があり、自治体を取り巻く環境も随分と変わってきているように思うんですが、まず冒頭に、その大きな枠組みについて、これからしっかりと考えるタイミングだという思いから質問をさせていただきます。
 まず、地域主権戦略大綱の中にもあるんですが、この工程表の中に、自治体間連携・道州制ということが取り上げられております。これが一番大きな枠組みになるのではないかと思うわけですけれども、工程といいましても、これはずっと継続的に検討するような形で書かれているわけです。
 そのような状況の中で、全国各地、いろいろなところでさまざまな動きが出てきております。大阪都構想であったり九州広域連合、そして新潟州、新潟都、中京都の構想ですとか、いろいろな動きが出てきているわけですが、民主党としては、こういった方向に進みましょうという正式な方針というのはまだ検討段階にあるというふうに私は認識しているわけです。基礎自治体を強くして、国と自治体の二層構造にするという考え方もあれば、これは地域主権型道州制ということになるのかと思いますが、道州制を視野に入れた三層構造まで、枠組みについて考えられているという中で、今、いろいろな動きが出てきております。
 この動きについて、地域主権改革を進める上での見地から、大臣の見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
片山善博#5
○片山国務大臣 お答えを申し上げます。
 今、民主党の広域行政に関する言及がございましたが、私が民主党のマニフェストを読んだ感想といいますかを申し上げますと、民主党のマニフェストでは、当面、基礎的自治体、市町村を中心に我が国の内政は運営していくというのが基本だと思います。それを広域行政体である道府県が補完するということだと思います。
 道州制については、当面、具体的な施策の検討には恐らく入らないということがマニフェストには書かれていると思います。もちろん、昨年の地域戦略大綱では、道州制も視野に入れる、射程に入れるということでありますから、当然検討はしますけれども、今、具体的な政策づくりに着手するという段階ではないと思います。
 それから、もう一つはっきりしておりますのは、当面四十七の都道府県体制でいくにしても、これらが自主的な合併とか広域連携を図ろうとする場合には積極的に応援をしよう、これが基本的な考え方だろうと思います。そういう文脈の中でいいますと、今回出てきております九州広域行政機構でありますとか関西広域連合などは、その民主党のマニフェストの大きな流れ、考え方に沿うものであると思いますし、非常に自主的な取り組みだと思いますので、私も担当大臣として、九州などの取り組みには全面的に協力をしたいと思っております。
 あと、都構想について言いますと、先ほど言いましたような道府県の合併については自主的な合併を応援しようということでありますが、府県と市との合併については、これは言及がないわけで、これをどうするのかというのはこれからの課題だろうと思います。
この発言だけを見る →
中後淳#6
○中後委員 もともと民主党は、地域主権改革を進めるということで、これは以前から政権の一丁目一番地という位置づけで進められていると思いますので、地方の動きから広域連携のあり方等について見ていくということについてはそのとおりなんだと思いますが、やはり国としての方針、方向性なりを示さない限りはなかなか大きな動きにはなってこないと思っておりますので、その辺のタイミング等もしっかりと見きわめていただきたいと思います。
 それと、今、都構想についての話も少しありましたけれども、それ以前に、今の制度の中で、都道府県と指定都市の関係というのも、いろいろな意味で考えなければならないところがあるのではないかと思っております。いわゆる二重行政の象徴的なところもあるのかなと思っております。
 都道府県の事務と指定都市の事務というのは、警察ですとか教育、河川、そういったもの以外はほとんど指定都市が行うことになっておるはずです。顕著な例は神奈川県になるのではないかと思いますが、神奈川県でいえば、数字で言うと、大体、人口九百万人のうち指定都市に五百五十万人、横浜、川崎、相模原におります。そうすると、県会議員さん、数を調べてみたんですが、定数百七名のうち指定都市から選出されている人が六十七名で、過半数を占めております。実際の事務はその過半数以外の事務が都道府県の主な事務になるはずなんですが、議場に入ってみると、その方々が非常に少数派になっているという実態があるかと思います。
 こういったいろいろな問題も含めて都構想なんかも出てきているのではないかと思うんですが、都道府県と指定都市または基礎自治体の関係についての見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
片山善博#7
○片山国務大臣 基礎的自治体の中で、私は、大都市のあり方というのは、これからできるだけ早く国として検討を始めなければいけないと思います。今までいろいろな、地方自治制度でありますとか地方分権改革とか地域主権改革とかが論じられ、検討されてきましたけれども、昭和六十年代以降、大都市問題について少し検討がなされていないと思います。
 この間に何が起こったかといいますと、政令指定都市が非常にふえました。本来と言うとおかしいですが、もともとの政令指定都市というのは旧五大市を中心に構想されたものでありますけれども、それが今、当時想定していなかったような都市も、その後、人口が増大をして大都市の規模になったものですから、たくさん参入したということになっておりまして、現状から見ますと、やはり大都市と府県との関係などを少し整理しなければいけないと私も思います。
 どんな問題があるかといいますと、一つは、人口が二百万、三百万になっている、そういう自治体を基礎的自治体と呼べるのかどうか。しかも、そこには、民主主義のもとに選ばれた議員が数十名それから首長が一人ということでありまして、本当に地方自治というものが円滑に行われるのかどうかということがあります。
 それからもう一つは、今議員がおっしゃったように、広域行政体である府県との間の二重行政でありますとか、もっと言えば、府県から政令指定都市に相当権限が移譲されますので、府県の事務の空洞化というものが起こっている。にもかかわらず、代表としては人口の多い指定都市から相当代表される、こういうアンバランス。
 その他いろいろな問題がありますので、ぜひ総務省としても、大都市の行政体制のあり方というのは、なるべく早く検討体制に入りたいと考えているところであります。
この発言だけを見る →
中後淳#8
○中後委員 今大臣からもありましたけれども、横浜でいえば人口が三百五十万を超えているようなところもありますし、また町村でいえば人口数百人のところもあるわけで、今、指定都市と中核市、特例市、一般市と町村、いろいろな枠組みがあるわけですけれども、大きな枠組みそのものの方針が決まらないと、交付税ですとか地方税財源等についてのしっかりとした腰を据えた検討というのは、なかなか本質的なところというのはできないのではないか。また、形が変われば方向性も変わってくるのではないかと思っておりますので、この枠組みをしっかりと決めていくことが国としての大きな責務、これから先の地方主権、地域主権改革を進める上での大きな課題だと思っておりますので、地方自治を預かる総務省としてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。道州制ですとか広域連合のお話もありますし、大都市、町村などの枠組み全体についての検討について、本当に地方の財源不足という大きな課題がありますから、これを解決するためにも、この枠を先に決めなければいけないのではないかと私は個人的には思っているところです。
 ぜひともその点についてしっかりと取り組みを進めていただきたいということの決意について、大臣からもう一度伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
片山善博#9
○片山国務大臣 先ほど申しましたように、大都市については、その枠組みについて本当に検討する必要があると思います。
 それから、小規模の基礎的自治体をどう評価するのかということでありますが、これは非常に難しい問題だと思います。
 ともすれば小規模の自治体というのは、行政効率も非常に悪いといいますか高くない、それから、どんどん住民サービスの質は高度化していかなきゃいけない、そういうときに、なかなかその質の高度化についていけないのではないか。そこで、いわば規模をそろえるといいますか、ある程度の規模になるべきだといって進めてきたのが市町村合併でありますけれども、それも功罪がありまして、特に罪の方もかなり大きなものが最近露呈してきていたりします。
 そこで、こういう小規模の自治体を、等し並みに自治体をそろえるという方向に行くのか、それとも、それはもう自主性に任せて、それを前提にして、先ほどおっしゃった交付税制度とか、その他の税財政の仕組みだとか行政の仕組みを考えていくのか、そこのところをよく議論して了解に達しなければいけないと思います。
 私は、まだ今の段階では、規模をそろえるべきだという整理派という考え方と、それから、任意に、自主性に任せて、規模はばらばらであっても、そのばらばらに応じたさまざまな財政その他の仕組みを構築していくべきかというのが、少し合意が形成されていないような気がします。正直言いますと、私は後者の方の考え方でありますけれども、国会議員の皆さん方も、それから霞が関の各省の考え方も、ぜひ、できるだけその考え方のコンセンサスを得るような取り組みを少ししなければいけないのではないかと私は今思っております。
この発言だけを見る →
中後淳#10
○中後委員 今大臣おっしゃったとおり、いっときは、中核市、三十万人規模の自治体が望ましい的な雰囲気がある中で、合併特例債で誘導されながら平成の大合併が進んできたわけですけれども、一たんここで取り組みとしては区切りがついたということですので、これから先のあるべき姿についてぜひとも考えていただきたいと思います。
 それでは、交付税についての質問に入ります。
 交付税財源なんですけれども、三位一体改革以来、大きなテーマになっております。地方交付税が大幅に削減されて、補助金等の廃止、また税源の移譲が余りされなかったということで、自治体の財政状況が非常に厳しくなってきたということがありますが、それでも、一たんは、財源不足、地方税財源全体の不足額というのは、平成二十年までは減っておりました。平成十九年で四・四兆円の不足、二十年で五・二兆。
 それが、二十一年から急激にまた悪化を始めました。二十一年は十・五兆円、昨年は十八・二兆円と過去最大。ことしは、少し改善はしましたが、十四・二兆円の不足分があるということになっております。
 こういう状況にあって、いわゆる交付税財源である国税五税の法定率についての引き上げ等は以前から検討されているわけですが、今回は見送られました。折半ルールというのが引き続き継続されることになったわけです、二十三年から二十五年まで。折半ルールは、国が臨時財政対策加算、これは一般会計からの繰り出しになると思います。地方は臨時財政対策債、これは後年度の交付税措置ということになるわけですので、交付税特会での借金等をやめましょうということなんですが、最終的には国の借金につけかわっているような気がしております。
 こういう状況の中で、なぜ交付税の法定率の引き上げ等の措置がとれないのかということについて総務省の見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
片山善博#11
○片山国務大臣 交付税法の原則からいいますと、自治体の財源不足、これはリーズナブルな算定をした上での財源不足に見合う交付税というものが用意されなければいけない、これが大原則であります。交付税法の仕組みもそうなっております。
 ところが、現時点で、自治体のリーズナブルな財源不足額をすべて交付税で補てんしようとしますと、恐らく、現在の国税五税、交付税の対象税目になっております国税五税の七割近い額を交付税の方に回すということになります、理論上は。そうすると、残った三割が国の、国庫の方の財政に充てられるということで、これは恐らく現実的でないだろうと思います。
 本当はもっと何年も前から、この財源不足の解消ということについては、これまでやってきたような、今でいう臨時財政対策債のような、その場しのぎとまでは言いませんけれども、そのときそのときの臨時特例的なやり方ではなくて、交付税率を変えるとか、微増させるとか、それから地方税の体系を改正するとか、そういうことをやってくるべきだったとは思いますけれども、今日まで長い間、臨時特例的な措置を継続してきた結果、先ほど言いましたように、それを今一挙に整序しよう、解消しようとすると、国税五税の七割近くまで交付税に回さなければいけないというような状況になっておりますので、今は、急には何ともしがたいことだと思います。
 私は、議員がおっしゃったように、できるだけこれは本来の姿に戻す必要があると思います。一挙にはできませんけれども、これから少し中長期的な視野を持ってこれを本来の姿に戻していくという考え方で、これからの財政当局との折衝とか、交付税法の改正とかの作業に当たっていきたいと考えております。
この発言だけを見る →
中後淳#12
○中後委員 全くそのとおりだと思います。
 今の状況が健全な状況だとは思えませんし、臨時財政対策債にしましても、ほかのことに関しましても、ある意味つけかえであったり、先食い、先取り、先送りとかというような状況であることは皆さん共通の認識ではないのかなと思いますので、ぜひとも健全な状況になるような方向、これはやはり枠組みを決めていかないと、なかなか、地方税財源に何を充てたらいいかという答えが出てこないような気がしますので、最初の話に戻りますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、地方税財源の方のお話に移りたいと思います。
 税財源についても、これは以前からいろいろと言われているところです。景気の変動が大きいものが充てられている、都道府県税に関しては法人二税の影響が非常に大きい。東京都だけが不交付団体で、その他の団体は、少し前までは愛知県も不交付団体だったと思いますが、今はずっと東京都一団体しかありません。そういうような状況の中で、税源の格差についていろいろと言われているところです。
 ちょっと資料を見せていただくと、地方税収の一人当たりの税収でいうと、平成二十年のデータだと東京と沖縄の格差が一番大きくて、一人当たりで三倍、税収に差があるということになります。ただそれが、法人二税に限っていえば、東京と奈良、沖縄が一番格差があって、奈良、沖縄の両方とも、東京に対して六・六倍の開きがあるということです。以前から言われていることですが、地方消費税に関しては、一番格差が開いているところでも一・八倍ということですので、そういう観点からも全体の見直しを進めていただきたいと思うわけです。
 市町村側についてちょっと着目させていただくと、私がいた富津市というのは不交付団体でした。去年、一気に不交付団体が半減しましたので、その中の一市に入ってしまいまして、二十二年度から交付団体になってしまいましたけれども、それまではずっと不交付団体でした。財政力指数が一・〇幾つというところをずっと推移しているような団体だったわけです。
 なぜ不交付団体だったかというと、これは、一つ大きな電力会社があります。今、東京電力の富津火力発電所という発電所が日本で一番大きな火力発電所であって、世界最大級の火力発電所です。また、LNGの京葉、京浜両発電所への供給基地にもなっているということで、そこからくる固定資産税、大規模償却資産税になりますが、これが大きな税収源となっておって、それがあるかないかで、近隣の市町村と比べると圧倒的に財政力が違うという状況になっております。
 私も少し調べてみたんですが、不交付団体になっているところは、やはり原子力発電所とか発電所があるところ、大きな工場があるところ、観光地、あとは首都圏の中に限られておるんです。例えば、全国平均をとると、市町村民税が四割ぐらい、固定資産税がまた四割ぐらいという構成になっております。しかし、不交付団体を見ると、固定資産税が圧倒的に多額を占めているところが非常に多いです。場所によっては、九七%が固定資産税なんというところもあります。大概、五割は超えているようなことになっているわけです。
 土地等については、これは地方の税源としては当然だと思います。そこに企業が投下する設備投資等に関しても自治体そのものの税源として適当なのかということは、私、以前から個人的なテーマとして考えておりました。
 というのは、近隣との差が、一企業が投資をするかしないかで大きく差が開いてきます。隣接している自治体にはそういった財源というのはありませんので、それが自治体の財政力を決める大きなファクターになっているというのは、もっと広い、例えば県ですとか国ですとかが、大規模償却資産税に当たるような企業の設備投資等に関しては、そちらの方が税源としては適当なのではないかと考えておりました。
 私の住んでいたところはそのおかげで裕福な団体ということだったんですが、逆にそのことで、隣の町と比べると全然違う財政状況とかを見てそう思いますし、また、京葉工業地域、東京湾に面したところは不交付団体が多いわけです。ただ、内陸に入っていくと全然そういう状況ではない。
 企業が立地するということについては当然理解するわけですし、その自治体の努力というのもあります。ただ、そこに投下される資本については、それを自治体の財産として見るのかどうかというところ等も含めて考えなければならないのではないのかなとずっと考えておりました。
 そういうことも含めて、地域間格差が大きいような税源を地方税の財源として持っているということについて、検討をしなければならないのではないか。先ほど言った都道府県の法人二税についてもそうですし、市町村については、私が見ている中では、やはり固定資産税の偏在のようなものも是正していく必要があると考えております。
 大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
片山善博#13
○片山国務大臣 地方税の体系というのは、やはりこれから、必要に応じてといいますか、むしろ積極的に見直す必要があると私も思っております。
 議員がおっしゃったように、今の地方税の中で、道府県税の中では法人所得課税がかなりの部分を占めているわけでありますけれども、これは非常に変動性が大きいわけであります。景気のいいときには非常に税収もいいですけれども、今のような不景気のときにはどんどん税収が下がっていく。しかし不景気のときには、府県は社会保障その他でむしろ支出が増すということで、そのアンバランスもあるわけです。
 そういうことからしますと、一つの考え方としては、例えば、地方法人所得課税は国税の法人税の方に税源を回して、その分、個人所得課税とか消費課税の方を国から地方に移してバランスをとるといった方が、偏在性と変動性の少ない安定した税体系になるだろうと思います。
 それから、市町村に固定資産税がありまして、土地と家屋と償却資産ということで課税対象にしておりますが、土地と家屋は偏在性が比較的少ない税でありますけれども、償却資産、なかんずく大規模の償却資産については非常に偏在性が強い。それが小さな自治体で不交付団体を生んでいる一つの要因になっていることは確かであります。
 これも議論がありまして、本来、そういう大規模の償却資産は道府県が課税すべきではないかという議論があって、実は、今の地方税の仕組みの中に、大規模償却資産については一部を道府県が課税する、課税権を持つというのがありますが、これも該当の市町村の反対がありまして、できるだけ道府県の課税分を少なくするような改正をかつて行ってきておりまして、いわば空文化している面もあります。
 しかし、やはり大規模の償却資産というのは偏在性があるということと、それから急速に減価償却をするという面があって、実は、該当の市町村も、財政に非常に大きな変動要因が生じてしまうという面もありまして、これらの償却資産については、特に発電所とか大規模の工場とか、そういうものに伴う大規模償却資産というのはもっと広域の団体が課税をしていいのではないかという議論が前からあります。
 こんなことも含めて、今後、税体系の見直しがある場合には、その一つの検討課題とすべきだと私は思っております。
この発言だけを見る →
中後淳#14
○中後委員 今の大臣の答弁のとおりだと思います。ただ、地方は、時間的には余り余裕がない財政状況になっておりますので、速やかに検討を進めていただきたいと思います。
 もう一点、今、市町村の一般会計を大きく圧迫しているものとして、国保特会への繰り出しというのがあります。そして、これがまた非常に大きな格差を広げております。
 一般会計からの繰り出しというのが常態化していて、財政力の豊かなところは国保税の引き上げを行わずに済んでいるんですが、財政力の厳しいところは何度も何度も国保税を上げながら対応している。これが本当に地域間格差を広げているということになります。財政に余裕がある団体とそうでない団体で、国保料、サービス両面において、著しい格差が出てきていると思います。これは、子供に対する医療費の補助等についても同じような状況がありました。
 国保は市町村が保険者となっているわけですが、今後、財政状況が厳しい自治体では、これが財政運営に非常に大きな影響を及ぼしてくることは間違いないと思います。私の地元の市長さん等からも、何とかしてくださいという声が本当に強く上がっているところです。
 厚労省からも来ていただいておりますので、まず、市町村が保険者となっている理由についてお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →
唐澤剛#15
○唐澤政府参考人 お答え申し上げます。
 市町村が保険者になっている理由でございますけれども、国民健康保険制度というものが、住民の健康それから福祉ということで、住民の皆様の非常に身近な問題でございますので、この仕事につきましては、基礎的な自治体である市町村にお願いをしているということでございます。
 ただ、今先生から御指摘がございましたように、市町村国保の運営状況は非常に厳しくございまして、二十一年度の決算で百一億円の赤字でございますけれども、これは一般会計の繰り入れが別途三千百四十四億円あるということで、合わせて三千二百四十五億円の赤字になっている、そういうような状況でございます。
 また格差というものにつきましても、保険料水準の格差は、都道府県内で最大で二・五倍あるというふうなことでございまして、私どもといたしましても、自治体、総務省さんとも御協議をさせていただきながら、運営の広域化について検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
中後淳#16
○中後委員 これは、これから大変大きな問題になってくると思います。財政力が豊かなところは国保会計への繰り出しを続ける。法定外の繰り出しを続けることで保険料が抑えられる。それがまた格差を広げる要因にもなっていると思いますので、このことについて、総務省としてもしっかりと検討をいただきたいと思っております。
 質問時間が参りましたので、本来、一括交付金等の話もしたかったんですが、きょうは交付税の問題ですので、別の機会に回させていただきまして、とにかく枠組みについてしっかりと方向を示さない限り、この大きな問題を解決する突破口というのは、腰を据えて検討できないと思いますので、ぜひともその点を強く要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
原口一博#17
○原口委員長 次に、坂本哲志君。
この発言だけを見る →
坂本哲志#18
○坂本委員 自民党の坂本哲志でございます。
 平成二十三年度の地方交付税に関する法律の一部改正について質問させていただきます。
 その前に、この一週間で起きました案件、事件の中から、二つほど大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 一つは、年金業務監視委員会で三号運用の問題が指摘をされました。私は、これは総務省の行政評価局の存在を高からしめたというふうに、非常に評価をしております。うれしく思っております。
 これまで、ともすれば評価局は、官が官の政策を評価するということで、お手盛りではないかというような目で見られがちでございました。政策の評価というのは非常に難しいわけですが、評価と同時に、やはりこれからは総務省の方で、あるいは評価局の方で、監視機能というのをもう少し強める、こういうことが必要ではないだろうかというふうに思います。大臣、どう思われているか、一点お伺いいたします。
 それともう一つは、今回は課長通知というのが問題になりました。
 以前は、課長通知、局長通知、事務次官通達あるいは大臣、副大臣と、いろいろな通知、通達があって、大臣は、一片の通知で、例えば軽油引取税あたりの使用の仕方、こういったものを通知の一片でやるべきではないというような持論もお持ちのようであります。もう一度、総務省が中心になって、評価局が中心になって、通知が本当に事務的な通知であるのか、それとも今回のように、住民の方々の利益を損ねるようなものも含んだ通知になっていやしないか、もう一度点検する必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 まず、この二点をお伺いします。
この発言だけを見る →
片山善博#19
○片山国務大臣 最初に、総務省の行政評価局の業務の評価ということであります。
 私も議員と考え方がほぼ同じでありまして、評価局に限らず、内部のチェック、特に距離感を置いた、客観性を持ったチェックというのは非常に重要だと思います。それぞれの各省の部局が、基本的には一生懸命、誠実に仕事をしておられると思いますけれども、やはり間違いがあったり勘違いがあったり、中には、例外的には履き違えがあったりするのが世の中の常でありまして、それを自浄能力によって自律的に抑えられればいいですけれども、それがなかなか難しいということもありますので、他者によるチェック、客観性を持ったチェックが私は重要だと思います。
 そういう意味で、行政評価局というのは従来、私も見ておりまして、ちょっと遠慮がちであったような気がしますけれども、これから、非常に重要な任務を持っているという自覚を持って、今やっていただきつつありますので、大いに意欲と能力を伸ばしていきたいと思います。
 それから、各省が通知を出しているということでありまして、私もかねて一片の通達というものを批判してきましたが、これは二つの意味があります。
 一つは、政府が自治体に対して出す通知、これは二〇〇〇年の地方分権改革以来、基本的には無効であります。場合によっては違法であります。あるとすれば技術的助言などであります、その範囲に限られるということ。そののりを越えて、規範性を持つとか拘束性を持つようなものを出したとすれば、これは違法であります。
 ですから、これの点検はしなければいけない。その仕事は、地方分権といいますか地域主権の方向の任務を帯びている総務省がやはりやるべきだと私は思っておりまして、まず隗より始めよで、総務省内の通知の点検なども私の手でやっているところであります。
 もう一つは、政府が部内の組織に、主として地方機関などに出す通知、それから所管の独立行政法人に出す通知があります。これが本当に国家行政組織法その他の法令にのっとって合法の範囲内なのかという形式上の問題と、それから、内容が国民の権利義務にわたるようなものに及んでいないかどうか、国民の権利義務に及ぶものであれば、これは法律事項によるのを原則といたしますので、そういう内容のチェック、これをやはりやるべきだと思います。
 今回、いみじくも、総務省の年金業務監視委員会というチェック機関によって、厚生労働省の通知の妥当性について疑念が出てそれを指摘したわけでありますけれども、これなどは本当に客観的なチェックというものがきいた、ある意味ではいい事例だと私は思っております。
 今回のことを一つのきっかけにして、政府各省においてどういう通知がなされていて、それが妥当なものなのかどうか、これについて少し総務省としても関心を持つような、そういう取り組みをしてみたいと思っているところであります。
この発言だけを見る →
坂本哲志#20
○坂本委員 今回の監視委員会については、直言される郷原先生という先生がいらっしゃったことも一つの大きな要因だろうと思いますし、それでなくても、通知のたぐいについては、今大臣が言われました二つの意味でありますけれども、その二つの意味をやはりもう一回全部点検していただきたいなというふうに思います。
 私も総務省の通知をインターネットで見てみましたけれども、総務省に関しては大した問題はないような、まさに事務連絡的なものであるようでございますけれども、やはり農林関係、厚生労働関係あるいは経済産業関係、こういう生活現場を持ったところへのさまざまな通知というのはいろいろな利害得失に絡む問題があると思いますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 それからもう一つ、熊本で、いたいけな三歳の幼児が殺害をされました。
 犯人は大学二年生でありました。熊本学園大学というのは、熊本では最も歴史が古い大学でありまして、地元の市町村役場あるいは金融機関、こういったところに多くの人材を輩出しているところであります。そういう大学の学生が、幼児をああいう形で殺害したということが大変ショックであります。二番目は、熊本のような田舎でもこういうことが平然と行われるということがショックであります。そしてもう一つは、スーパーあるいはデパート、こういった人が集まる場所については犯罪の温床になるなというふうなことを思いました。
 その中で、今回犯人の早期逮捕につながったのは、防犯カメラ、監視カメラであります。考えてみますと、人が集まる場所、これは自治体がそうであります。政令指定都市の市役所、県庁所在地の市役所あるいは県庁、そしてスポーツ関係の公共施設、あるいは図書館も含めたさまざまな公共施設、考えてみますと、ここでいつ何どき、どういうものが起きてくるかわからないということを改めて思い知らされます。であるならば、やはりそれなりの対応策は必要であると思いますし、防犯カメラ、監視カメラ、この公共施設に対しての万全の措置、それを張りめぐらすというのは大切なことだと思いますけれども、これは今、交付税措置の中に入っているんでしょうか、財政的にどうなっているんでしょうか、お伺いします。
この発言だけを見る →
逢坂誠二#21
○逢坂大臣政務官 お答えいたします。
 まず冒頭に、今回の熊本の事件でありますけれども、本当に言いようのない悲惨なものでありまして、私も大変悲しい気持ちになっております。亡くなられた方の御冥福をお祈りしたいと思います。
 まず、お尋ねの交付税でございますけれども、防犯対策に係る取り組みにつきましては、警察費、小学校費、中学校費などにおいて所要額を措置してございます。
 具体的には、警察費、これは道府県分でございますけれども、この単位費用において三億三千万を措置してございます。内容としては、交番相談員等の配置のほか、地域住民と警察署の連絡システムの整備や、自主防犯活動に対する支援等の内容となってございます。
 また、小学校費や中学校費におきましては、単位費用において、防犯カメラや緊急通報システムの設置、運営等の学校安全対策に要する経費を想定し、道府県では五千万円、市町村では六百万円を措置してございます。
 なお、地域の実情に応じたさまざまな取り組みに係る経費については、平成十九年度から、これは道府県、市町村ともに共通する経費でございますが、包括算定経費において措置をしておりまして、防犯対策に係る取り組みもその対象としているところでございます。
 以上です。
この発言だけを見る →
坂本哲志#22
○坂本委員 警察費の三億三千万、あるいは小中学校については、防犯対策をするのは当たり前のことであると思いますが、私は、国の役割として、自治体の役割として、住民の生命と財産を守るということでありますので、生命を守るということでありますから、公共施設への監視カメラの設置、こういったものには、単位係数も含めて万全の措置をこれからしなければいけない、予算獲得をしなければいけないというふうに思います。
 大臣、いかがですか。
この発言だけを見る →
片山善博#23
○片山国務大臣 地方交付税といいますか、その前の地方財政計画というのは、自治体の財政、歳出なら歳出の見込みをとらまえて、それに応じて必要な財政措置をしていく、そういう仕組みでありますので、自治体の方でそういう取り組みが積極的になれば、それがおのずから地方財政計画に反映して、交付税にも算入の度合いが増す、こういうことになるんだろうと思います。それが一つです。
 あと、私はこのたび、私も熊本にかつて住んでいたことがあるものですから、非常に今回のことはショックだったんですけれども、何はともあれ、私などは子供を六人育てましたけれども、人込みに行ったときは絶対手を離さないという親御さんの皆さんの、こういう社会にあって子供を安全に過ごさせるということの自覚と気構えというものをいま一度再確認していただきたいと私は思うんです。
 道を歩くとき、交通事故に遭わないように、それから人込みの中で誘拐されたりアクシデントに遭わないようにするには、手をしっかりつないでおくというのは、私などはずっとそれを励行してきたものですから、ぜひ、今の若い保護者の皆さんにもそのことを声を大にして私は訴えたいと、このたびの事件を見て思ったところであります。
この発言だけを見る →
坂本哲志#24
○坂本委員 親の自覚と気構えというのは、これは大切なことで、大臣がおっしゃるとおりでございますけれども、やはり公共の場で、公共施設で、あるいは市役所とか区役所とかそういったところで犯罪が起きた場合には、いろいろな責任問題にもつながってまいりますので、ここはぜひ万全の態勢をお願いいたしたいと思います。
 それでは、二十三年度の交付税関係についてお伺いをいたします。
 昨年の補正予算で、地方交付税は三千億円でした。私たちは、平成二十一年度の決算剰余金五千八百億円そのままを地方交付税にという主張をいたしました。もちろん、三千億円の補正で残りを翌年に回すというのは、財政を組み立てる上で、予算を組み立てる上で一つの考え方であると思いますし、それはそれとして理解をいたします。しかし、そのことは予算編成上の一つの安全策でしかないというふうに私は思います。
 ここで何が一番大事かということを考えていかなければいけないと思います。地方を守る立場としては、地方の活性化が叫ばれている今、とりわけ民主党の場合には地域主権という言葉で地域の裁量を高めるというものであるならば、予算編成の過程で、その安全策を考える前に、どのような理念を優先させるかというのが私はまず大切なのではなかろうかと思います。
 政治主導というのなら、まさに貫くべき姿勢、すなわち総務省の政治姿勢があったのだ、本来ならば、なければいけないというふうに私は思います。それは、まず地方の固有の財源は守るということであります。将来に向けた地方固有の安定財源を確保しようとするならば、私はここで筋論を押し通すべきだったというふうに思います。
 資料を配らせていただきました。この資料は、自民党の場合の補正予算、地方交付税でやったときはどうなったか、あるいは今回の二十二年度の補正予算、地方交付税がどうであったかというのを各財源別に区分けしたものであります。
 その中で、将来の姿として、地方の主張は、このグラフの中にあります十・五一兆円、国税五税の法定率分をいかに厚くするか、このことをまず総務省としては考えなければなりませんし、そのことが地方の固有の財源の安定化につながるということは、先ほど大臣も言われたとおりであります。この法定率分を引き上げるための既成事実をいかに積み重ねていくかということが、やはり総務省としては自治体のためにやるべきことではないだろうか、あるいはやるべきことではなかったのだろうかというふうに思います。
 二つ問題点を指摘させていただきます。
 だとすれば、私は、五千八百億円をまず確保すべきだった。その上で、昨年十二月十三日に地方財政審議会が発表いたしました、地方交付税法の定める本来の姿に立ち返り、地方の財源不足は法定率の引き上げにより解消すべきとの意見に沿って、平成二十三年度分の財源不足に対して、法定率を引き上げるというような主張をすべきであったというふうに思います。
 そして二番目に、繰り越しを一・〇一兆円しましたね。その分だけ、出口ベースでは地方交付税は二十三年度ふえたような形になっておりますけれども、この一・〇一兆円繰り越した分、不足分の折半ルール対象が減って国の財政負担が軽くなったということは、地方と国の関係でいえば、地方にやはりしわ寄せが行ったということでありますし、総務省と財務省の関係でいえば、財務省に押し切られたということになりはしないかと私は思います。
 この二点について、地方の固有の財源として、法定率を少しでも引き上げるための既成事実をつくり上げていくためにはどうしたらいいのか、どういう理念を通さなければならないのか。あるいは、総務省と財務省の間にその辺のさまざまな取引や、いろいろな言い分がそれぞれあったと思いますけれども、結果として、やはり財務省に押し切られたのではないかというふうに思いますが、この二点についてお答えください。
この発言だけを見る →
片山善博#25
○片山国務大臣 坂本議員が基本的な理念としておっしゃったことには、私もほとんど違和感はありません。法定率分の引き上げで交付税というものはきちっと措置をすべきだということ、それから、国の財政当局に対しても、きちっと地方の立場を踏まえた要求なり折衝なりをすべきだということ、これはそのとおりだと思います。基本的には、そういう考え方と理念のもとにやってきております。
 一つは、例えば法定率分の話になりますと、これは先ほども少しお話を申し上げましたが、今全面解決をしようと思いますと国税五税の七割相当になるということ、これはもう全く非現実的でありますから、とても受け入れられる話ではないと思います。やはり一歩一歩だと思います。
 もう一つ、交付税の問題は、毎年毎年、年末に翌年度の交付税の総額を、単独の折衝といいますか、予算編成の過程で決めていくというやり方をしておりまして、本来、もっとやはり安定的であるべきだと私は思います。自治体の大きな、一般財源という非常に重要な財源であり、かつウエートも高いわけですから、そこで予見可能性が必要になってきます。安定性と予見可能性です。
 そんなことを織りまぜて、今の民主党政権では、とりあえず、交付税の算定の基礎となります一般財源総額について、自治体が必要となる一般財源総額について、二十二年度から三年度間、総額を確保するということをまず決めているわけです。これは法定税率の問題では必ずしもないんですけれども、広い意味でのルール化という面では大きな一歩を踏み出したんだろうと思って、私は、昨年の地域主権戦略大綱に書かれたこの部分については評価をしているところであります。
 その上で、一般財源総額を安定させて徐々に、国税の改正などもにらみながら、地方交付税の法定税率分の課題を解消していくという努力をする、これがこれからの方向性だろうと思います。
 それからもう一つ、昨年の決算剰余金などをそのまま繰り越さないで、当該年度に配ったらよかったのではないかという臨時国会のときからの御主張でありますが、もともと二十二年度も財源不足が大きくて、交付税だけでは足らなくて各種の加算措置をしたり、それから臨財債などで賄っているわけです。
 そうしますと、もし御主張のあのお金というものを昨年度充当するということになりますと、いわば交付税の再計算といいますか、それをやることによって、法定税率分がふえたので、その分、では特例加算をどうしましょうかとか臨財債をどうしましょうかという話になっているわけでありまして、仮に加算の分とトレードオフ、チェンジしたとしますと、二十二年度は国庫の方がその分浮いてくる、こういうことになるわけであります。
 そうしますと、結果的には、二十二年度、二十三年度を通じて見ると、国庫とのやりとりというのは、全くとは申しませんけれどもほとんど変わらない、そういうことにもなり得るわけでありまして、私は余りこのことにこだわることはないのではないかと思います。
 臨財債だとか特例加算とか、そんなものは二十二年度そのままにしておいて、五千八百億円なり一兆円なりをそのまま自治体に配分したらよかったんではないかという議論もなされておりますけれども、これはちょっと、やはり私は今の現下の地方財政の状況から見ると、それはいささか地方から見ると虫がいいといいますか、ちょっと暴論ではないかと率直に思います。きちっと算定をするとすれば、二十二年度に国費が浮いてきていたはずだと私は思います。
この発言だけを見る →
坂本哲志#26
○坂本委員 そこは、私は、総務大臣としては暴論であるとかいうのは言うべきではない、虫がいいというのは言うべきではないと思いますし、五千八百億そのまま地方交付税に交付していたら、それは特例加算とか別枠加算が減ったであろう、それはもう既に出口を見た言い方であって、さっき言われましたように、今、本当に地方の財源を安定させようと思うならば七割の法定率が要る、では、それに向けてどれだけ、もちろん一気にはできませんけれども、近づけるような努力をするかというようなことが一番大事であって、そのためには、地方の立場を一番熟知している総務省として何を主張するか、これがやはり一番私は大切なことであろうと思います。ですから、どうせ出口が一緒だから、要するに、五千八百億円だったらその分減らされるという考え方自体が、私は一歩後退している考え方ではないだろうかなというふうに思います。
 それで、いわゆる入り口ベース、出口ベースの話になりましたので、入り口ベースの一般会計の部分で御質問させていただきますけれども、いわゆる一般会計でいえば、二十二年度比で七千億円減少いたしました。
 衆議院の予算委員会で、我が党の金子一義議員が同趣旨の質問をしましたけれども、片山大臣はこのときも、一般会計から特別会計にどうなるかということではなく、特別会計から自治体に総額がどれだけ交付されるかが一番重要と答弁されております。今の答弁と一緒であります。もっともな話であります。自治体の手取りがふえればいいというわけであります。
 現実的に、実際に入り口ベースでは、二十二年度の十六・九兆から十七・四兆と四千八百億円ふえているわけですね。ある意味ではそうでありますけれども、しかし、将来のことを考えると、やはり一般会計でどれだけ財源を確保するか、ここから入っていくべきであるし、そこは片山大臣に筋論を通していただきたいというふうに思うんです。先ほど言いましたように、地方の固有かつ安定的な財源確保というのをまず第一に優先するということであります。
 国と地方の歳入、税収については三対二と言われます。税の使い道、歳出については逆の二対三というふうに言われております。歳出と歳入の配分の差が国と地方では逆転しているわけでして、このことがやはり国の優位性といいますか、差配権といいますか、そういったものを握っていると思いますけれども、先ほど大臣も言われましたけれども、それを是正すること、ある程度フィフティー・フィフティーにしていくこと、そして地方の財源を確保して、権限を行使できるバックボーンというのをきちっと組み立ててあげることが大切であるし、民主党が地域主権と言うならば、それがまさに地域主権のあるべき姿であろうというふうに思います。
 であるならば、固有の財源を確保するための正論は、私は一般会計にあるというふうに思います。現在の法定率では到底足りない、だから法定加算して、あるいは別枠加算して、特例加算して、そして一般会計の中で財源を積み重ねていく、それが既成事実となって、ひいては別枠とか特例とかいう制度で財務省の顔色をうかがうということではなくて、正面突破で国税五税の法定率分を引き上げていく、引き上げにつなげていく、そして住民税や固定資産税という地方税と相まって安定的な地方の財源を確保する、やはりこの筋論を崩してはいけないと思うんです。
 もう一度さっきの資料を見ていただきますと、下から四段が特別会計ですね、政府案の方で見ていただければ。ですから、繰越分は特別会計なんです。上の四つ分が一般会計というふうに区分けをされておりますが、やはり一般会計でまず勝負をしていくということが私は大切であると思いますし、金子議員への予算委員会での答弁なども、私は大臣の苦し紛れの答弁としかどうしても思えませんけれども、いかがですか。
この発言だけを見る →
片山善博#27
○片山国務大臣 交付税というものの基本的性格を申し上げますと、地方団体の財源不足額をどうやって補うかということであります。したがって、その財源不足の補い方としては、基本は国税五税の一定割合ということでありまして、本来ならばそれを議員がおっしゃるように、財源不足の方が大きくて国税五税の一定割合で足らなければ、交付税率を上げるということでありますが、それが現実にはなかなかかなわないということで、ではどこから財源不足の補てんをするかということで、そこで一般会計から持ってくるというのも一つの手法になりますが、交付税特別会計の中に何らかの余剰金があれば、それを充てるというのも当然あり得るわけであります。
 要は、自治体の財源不足をどうやって補てんするかということが基本であって、一般会計から幾らもぎ取ってくるかというのは、それは手段の一つでありまして、決して目的ではないと思います。
 たまたま今、交付税は特別会計で運営しておりますけれども、本来の財政運営の原則に立ち返って、一般会計の中で交付税を処理したとしますと、そのことは非常にわかりやすくなるんだと思います。なまじということは言いませんけれども、特別会計をつくっているために、一般会計と特別会計とのやりとりがあって、入り口ベース、出口ベースという、いささか複雑になっておりますけれども、これを一般会計で全部処理したとすれば、今議員が問題提起されたようなことは実は解消するというか、なくなるわけでありまして、その原則に立ち返ってみても、交付税というのは、今で言う出口ベースの方が一番重要だと私は思っております。
この発言だけを見る →
坂本哲志#28
○坂本委員 そこはいろいろ考え方の違いがあると思いますけれども、私は、出口ベースは大事だけれども、それに至るまでの地方の財源を確保する、その筋はやはりしっかり主張しなければいけない、守らなければいけないというふうに思いますので、この点は、これからの予算編成の中でもぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 それからもう一つ、昨年の補正予算のときに、五千八百億丸々補正の段階でつけても、地方が消化できないというような総務省関係者のお話がありました。
 私は、こういうような考え方がもし総務省内にあるなら、財政当局にあるなら、これは、民主党さんが何のために地域主権と言っているんだろうというような気になります。一方で、ひもつきを外す、使途自由な財源をうたい文句にした一括交付金という制度をつくり上げながら、もう一方で、地方交付税について、補正で五千八百億を今地方に交付しても、なかなかそれは使途が定まらないのではないか、消化できないのではないかと言うことは、これは地域主権のかけらもないなというふうに思っておりますし、内心はやはり地方軽視である、あるいは地方蔑視であるというふうに思います。
 そういう点からも、私は、交付すべき財源はきちんと配分して、そして地域の、地方の自主性にゆだねるということをやるべきではなかったか。さっきの筋論とはまた別に、地方の裁量権、裁量性といいますか、裁量に至る能力を高めるという意味からもそうすべきではなかったかというふうに思いますけれども、いかがですか。
この発言だけを見る →
片山善博#29
○片山国務大臣 補正で地方交付税を配っても使い切れないと、どういう文脈の中で言ったか、私もちょっと想像しておりますけれども、思い当たる節はあります。
 どういうことかといいますと、あの臨時国会が終了した時点で交付税を、かなりまとまった金額を配ったとして、私も自治体の首長をやっておりましたけれども、その段階で幾ばくかの金が来たときに、そのお金が来たから、では、何に使おうか、あれに使おうこれに使おうというような検討は、恐らく私が首長、知事を続けておりましてもしないだろうと思います。もしこれが交付税ではなくて何らかの交付金、よくありますけれども、地域振興交付金だとかそういうものでありましたら、さて何に使おうかと一生懸命考えて、使い切りの算段を多分考えたと思います。
 自治体の財政運営はそういうものでありまして、使途が特定されていて、使わなければ返すという性格のものは一生懸命使おうとします。しかし、交付税とか税のような一般財源はできるだけ節約をしてとっておこう、これが財政運営の、よしあしは別にして実情であります。したがって、交付税というのは本当に自治体の自主性を尊重した自由な財源でありますから、こういうものはできるだけとっておこうということになりますから、恐らく、配ったとしたら基金の方に積み込んだと思います。
 それはそれで合理性があるとは思いますが、マクロで全体を考えた場合に、今の地方財政というのは借金で賄っているわけです。臨財債とか国からの特例交付金とか、そうやって四苦八苦しながら財源調達をしながら、しかし補正で配ったら、五千八百億円がほとんど、全部とは言いませんけれども、多くは自治体の貯金の方に回ってしまったというのは、これはちょっと、なかなかうなずけないものがあるわけです。
 そうだとすれば、配るよりは、私どもは翌年度に繰り越すということをやったんですけれども、仮にそうでないとすれば、その年度、二十二年度で、例えば借金をするものを減らしてそれと切りかえるとか、もしくは問題の、例の交付税特別会計の借入金を何らかの形で返済するとか、そういう形で使う方が私は合理性があるのではないかと、そのときも思いました。
この発言だけを見る →
← 戻る