経済産業委員会
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会
会議録情報#0
平成二十七年四月二十八日(火曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 江田 康幸君
理事 佐藤ゆかり君 理事 鈴木 淳司君
理事 田中 良生君 理事 三原 朝彦君
理事 八木 哲也君 理事 中根 康浩君
理事 鈴木 義弘君 理事 富田 茂之君
青山 周平君 秋本 真利君
穴見 陽一君 井上 貴博君
石川 昭政君 大岡 敏孝君
大見 正君 岡下 昌平君
梶山 弘志君 勝沼 栄明君
勝俣 孝明君 門 博文君
神谷 昇君 神山 佐市君
黄川田仁志君 佐々木 紀君
笹川 博義君 白石 徹君
鈴木 隼人君 武村 展英君
谷川 とむ君 辻 清人君
冨樫 博之君 中山 展宏君
野中 厚君 福田 達夫君
星野 剛士君 細田 健一君
前田 一男君 宮崎 政久君
宮路 拓馬君 務台 俊介君
簗 和生君 若宮 健嗣君
神山 洋介君 篠原 孝君
鈴木 貴子君 田嶋 要君
渡辺 周君 落合 貴之君
木下 智彦君 國重 徹君
藤野 保史君 真島 省三君
野間 健君
…………………………………
参考人
(電気事業連合会会長) 八木 誠君
参考人
(昭和電気鋳鋼株式会社代表取締役社長) 手塚加津子君
参考人
(東京理科大学大学院イノベーション研究科教授) 橘川 武郎君
参考人
(公立大学法人都留文科大学社会学科教授) 高橋 洋君
参考人
(一般社団法人日本ガス協会会長)
(一般社団法人日本熱供給事業協会会長) 尾崎 裕君
参考人
(東京大学社会科学研究所教授) 松村 敏弘君
参考人
(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問) 杉本まさ子君
参考人
(日本生活協同組合連合会会長) 浅田 克己君
経済産業委員会専門員 乾 敏一君
—————————————
委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 大岡 敏孝君
石川 昭政君 前田 一男君
勝俣 孝明君 秋本 真利君
佐々木 紀君 笹川 博義君
塩谷 立君 谷川 とむ君
白石 徹君 勝沼 栄明君
冨樫 博之君 辻 清人君
野中 厚君 鈴木 隼人君
細田 健一君 星野 剛士君
宮崎 政久君 務台 俊介君
渡辺 周君 鈴木 貴子君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 勝俣 孝明君
大岡 敏孝君 穴見 陽一君
勝沼 栄明君 宮路 拓馬君
笹川 博義君 簗 和生君
鈴木 隼人君 野中 厚君
谷川 とむ君 塩谷 立君
辻 清人君 冨樫 博之君
星野 剛士君 細田 健一君
前田 一男君 青山 周平君
務台 俊介君 中山 展宏君
鈴木 貴子君 渡辺 周君
同日
辞任 補欠選任
青山 周平君 神谷 昇君
中山 展宏君 門 博文君
宮路 拓馬君 白石 徹君
簗 和生君 佐々木 紀君
同日
辞任 補欠選任
門 博文君 宮崎 政久君
神谷 昇君 石川 昭政君
—————————————
本日の会議に付した案件
電気事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第二九号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 江田 康幸君
理事 佐藤ゆかり君 理事 鈴木 淳司君
理事 田中 良生君 理事 三原 朝彦君
理事 八木 哲也君 理事 中根 康浩君
理事 鈴木 義弘君 理事 富田 茂之君
青山 周平君 秋本 真利君
穴見 陽一君 井上 貴博君
石川 昭政君 大岡 敏孝君
大見 正君 岡下 昌平君
梶山 弘志君 勝沼 栄明君
勝俣 孝明君 門 博文君
神谷 昇君 神山 佐市君
黄川田仁志君 佐々木 紀君
笹川 博義君 白石 徹君
鈴木 隼人君 武村 展英君
谷川 とむ君 辻 清人君
冨樫 博之君 中山 展宏君
野中 厚君 福田 達夫君
星野 剛士君 細田 健一君
前田 一男君 宮崎 政久君
宮路 拓馬君 務台 俊介君
簗 和生君 若宮 健嗣君
神山 洋介君 篠原 孝君
鈴木 貴子君 田嶋 要君
渡辺 周君 落合 貴之君
木下 智彦君 國重 徹君
藤野 保史君 真島 省三君
野間 健君
…………………………………
参考人
(電気事業連合会会長) 八木 誠君
参考人
(昭和電気鋳鋼株式会社代表取締役社長) 手塚加津子君
参考人
(東京理科大学大学院イノベーション研究科教授) 橘川 武郎君
参考人
(公立大学法人都留文科大学社会学科教授) 高橋 洋君
参考人
(一般社団法人日本ガス協会会長)
(一般社団法人日本熱供給事業協会会長) 尾崎 裕君
参考人
(東京大学社会科学研究所教授) 松村 敏弘君
参考人
(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問) 杉本まさ子君
参考人
(日本生活協同組合連合会会長) 浅田 克己君
経済産業委員会専門員 乾 敏一君
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委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 大岡 敏孝君
石川 昭政君 前田 一男君
勝俣 孝明君 秋本 真利君
佐々木 紀君 笹川 博義君
塩谷 立君 谷川 とむ君
白石 徹君 勝沼 栄明君
冨樫 博之君 辻 清人君
野中 厚君 鈴木 隼人君
細田 健一君 星野 剛士君
宮崎 政久君 務台 俊介君
渡辺 周君 鈴木 貴子君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 勝俣 孝明君
大岡 敏孝君 穴見 陽一君
勝沼 栄明君 宮路 拓馬君
笹川 博義君 簗 和生君
鈴木 隼人君 野中 厚君
谷川 とむ君 塩谷 立君
辻 清人君 冨樫 博之君
星野 剛士君 細田 健一君
前田 一男君 青山 周平君
務台 俊介君 中山 展宏君
鈴木 貴子君 渡辺 周君
同日
辞任 補欠選任
青山 周平君 神谷 昇君
中山 展宏君 門 博文君
宮路 拓馬君 白石 徹君
簗 和生君 佐々木 紀君
同日
辞任 補欠選任
門 博文君 宮崎 政久君
神谷 昇君 石川 昭政君
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本日の会議に付した案件
電気事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第二九号)
————◇—————
江
江田康幸#1
○江田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、午前の参考人として、電気事業連合会会長八木誠君、昭和電気鋳鋼株式会社代表取締役社長手塚加津子君、東京理科大学大学院イノベーション研究科教授橘川武郎君、公立大学法人都留文科大学社会学科教授高橋洋君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず八木参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、午前の参考人として、電気事業連合会会長八木誠君、昭和電気鋳鋼株式会社代表取締役社長手塚加津子君、東京理科大学大学院イノベーション研究科教授橘川武郎君、公立大学法人都留文科大学社会学科教授高橋洋君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず八木参考人にお願いいたします。
八
八木誠#2
○八木参考人 電気事業連合会の八木でございます。
本日はこのような機会を賜り、まことにありがとうございます。先生方におかれましては、平素、私ども電力会社の事業運営に関しまして多大な御理解、御協力を賜っておりますことに、この場をおかりしまして、厚く御礼を申し上げます。
まず初めに、本年三月で東日本大震災から四年が経過いたしましたが、福島第一原子力発電所の事故により、今なお多くの皆様に多大なる御迷惑と御心配、また御負担をおかけしておりますことを、同じ電気事業に携わる者といたしまして改めておわびを申し上げたいと思います。
福島の復興につきましては、国の方針のもと、一歩一歩取り組みが進められているところでございますが、私どもといたしましても、さらなる復興の進展を切に願うとともに、業界全体でできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
それでは、今回御審議されております電気事業法等の改正法案につきまして、私どもの考えを申し上げたいと思います。
電力システム改革につきましては三段階に分けて進められることになっておりますが、本年四月には、その第一段階である電力広域的運営推進機関が発足し、その運用が開始されたところでございます。
本機関は、広域的な電力運用や需給逼迫時の対応、さらには送配電業務における公平性や透明性を高めていく上で中心的な役割を担うことが期待されております。今後、電力システム改革が進展していく中で、一層その役割が重要になるものと考えております。
私どもも、これまで本機関の発足準備に積極的に協力してまいりましたが、今後は会員会社として安定供給の確保や中立性の向上といった改革の目的を達成できるよう、円滑な業務運営に貢献してまいりたいと考えております。
また、電力システム改革の第二段階に当たる来年の小売全面自由化につきましても、お客様に真の利益となる改革となるよう、詳細制度設計に引き続き協力してまいる所存でございます。
その上で、今回の改正法案は、電力システム改革の第三段階として、送配電部門の一層の中立化を図るため、私ども一般電気事業者の送配電部門を法的分離するとともに、小売料金の経過措置の解除、つまり料金規制の撤廃を主たる内容とするものであると理解しております。
さらに、本改正法案は、電気事業のみならず、総合的なエネルギー市場の創設を目指し、ガス事業における小売全面自由化、導管事業の中立性確保及び電力・ガス市場の監視を行う行政組織の新設等を規定するという、エネルギー事業の枠組みを大きく変革するものであると理解しております。
本改革によって、電力市場、ガス市場等への全面的な参入が可能となり、エネルギー市場全体における競争が活性化していくことは、お客様にとって、より最適なエネルギーを選択する機会が広がり、望ましいものと考えております。
ただし、小売全面自由化以降、私ども一般電気事業者には小売料金規制が課せられることになっており、制度変更に伴う需要家保護策の一環としての暫定的な措置と理解しておりますが、これらの措置は私どもにとって非対称とも言える規制であります。
今回の法改正には、この料金規制の撤廃に係る規定が盛り込まれておりますが、中立公平な競争環境の確保を狙いとする本改革の趣旨に鑑み、諸情勢を総合勘案した上で早期にこれらの措置を撤廃していただくよう、お願いしたいと思います。
こうした電力システム改革の実施に当たり、実務を担う事業者といたしましては、お客様の真の利益につながる改革とするためには、いまだに課題や懸念が残されていると考えているところでございます。
具体的には、安定供給の仕組み、ルールの整備、電力需給の改善及び原子力事業環境の整備という三つの課題について、その課題解消の実現度合いを検証し、必要な措置を講じつつ進めていく必要があると考えております。
まず、課題の一点目であります安定供給の仕組み、ルールの整備について申し上げます。
今回の電事法改正法案は、一般電気事業者の送配電部門を法的に分離する、つまり、別会社化することを義務づけるものであります。私どもは、これまで、発送電一貫体制のもとで、高品質な電気を安定的にお届けするよう全力で取り組んでまいりました。このため、今回の発送電分離によって安定供給が損なわれることのないよう、分離を補完する仕組みやルールを慎重に整備することが大変重要であると考えております。
具体的には、電気の周波数を調整するための仕組みを確実に機能させることで電気の品質を低下させないことや、平常時はもとより、非常時に発電側と送電側が協調するためのルールを策定することが必要であります。
さらに、小売全面自由化により競争が進展し、送配電部門の法的分離が実施される中で、将来にわたっての供給力や調整力、予備力といった機能を担う電源が確実に確保されるよう、具体的な方策等について検討を行った上で、実効性の確認を行っていくことが必要と考えております。
加えて、再生可能エネルギーの導入が現在急速に進んでおり、今後さらに拡大することが見込まれる中、供給力確保や需給運用の点で送配電機能の一層の強化が求められているところであります。
こうした点を踏まえ、改革に当たり、安定供給の仕組みがしっかり構築されるよう、私ども事業者も引き続き協力してまいりますので、詳細制度設計を着実に進めていただきますよう、お願いいたします。
二点目は、電力需給状況の改善についてであります。
電力システム改革を実効的なものとするためには、電力の安定供給が確保され、需給状況が安定していることが大前提であると考えております。しかしながら、東日本大震災以降、電力の供給力に余力がなく、夏と冬の電力需給がピークとなる時期につきましては、毎期、政府において需給見通しを検証するという状態が続いております。
これまでのところ、各社における最大限の供給力の積み増し努力と多くの皆様からの節電の御協力によりまして、何とか安定供給を維持することができている状況にありますが、この夏につきましても、とりわけ西日本地域では厳しい需給状況が想定されているところであります。
供給力のベースである原子力プラントの再稼働につきましては、現在、十一社二十四基のプラントが新規制基準に対する適合性審査の過程にあり、先月末より九州電力の川内一号機が使用前検査に入るなど、少しずつ前進しておりますが、いずれも再稼働に至っておらず、大変厳しい状況が続いております。
また、こうした事態により、東日本大震災以降、火力燃料費等が大幅に増加した結果、電力各社の収支は非常に厳しい状況が続いております。そのうち電力七社が電気料金の値上げを実施し、さらには北海道電力及び関西電力では二度目となる値上げを実施あるいは申請するという、非常に心苦しい状況であります。お客様には大変な御負担をお願いしているところでございます。
今般の電力システム改革は、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を図り、電力の安定供給の確保及び電気料金の最大限の抑制を目指すものと理解しております。
私どもといたしましては、安全の確保を大前提として、できる限り早く原子力プラントを再稼働し、その結果、電力需給の安定が確保されるよう、引き続き最大限の努力を続けてまいる所存であります。国におかれましても、全面自由化及び法的分離の実施に当たり、それに適した需給状況にあるか慎重に見きわめていただきたいと考えております。
最後に、三点目は、原子力事業環境の整備についてであります。
原子力発電は、他の電源と比べて、三つのEの観点からすぐれた特性を有しており、昨年四月に閣議決定された国のエネルギー基本計画でも、「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけられました。
一方で、巨額の投資を要し、建設から運転期間中はもとより、運転終了後も、廃炉や使用済み燃料の処理、処分に至るまで、安全性を確保しつつ、長期にわたる事業を確実に遂行しなければならないという特殊性を有しております。
これまで、私どもは、国の原子力推進政策のもと、総括原価方式等の諸制度によって、長期安定的に事業に対する一定の予見性が得られることで、こうした特殊性を有する原子力発電の活用を図ってまいりました。
しかしながら、原子力依存度を可能な限り低減させるという政策の方向性が示されるとともに、小売全面自由化や発送電分離といった電力システム改革が進められ、今後、原子力発電の事業予見性が大きく低下することとなります。
こうした環境変化の中にあっても、国として重要な電源と位置づけられた原子力発電を私ども民間の事業者が担っていくためには、引き続き、予見性を持って長期の事業を計画し、実行できる環境整備が不可欠だと考えております。
この点、昨年末に政府の原子力小委員会がまとめられた中間整理においても、同様の考えが示されるところであります。
国におかれましても、ぜひとも、民間事業者が長期にわたり原子力事業を担うことができるよう、新たな国策民営のあり方を検討していただき、小売全面自由化の実施に先駆けて、制度の方向性を示していただきたいと考えております。
例えば、これまで原子力事業者が一体となって支えてきたバックエンド事業等の原子燃料サイクルの推進に当たっては、競争が進展していく中でも長期にわたる処理、処分のプロセスに支障を来さないよう、新たな官民の役割分担に基づく仕組みの構築などが必要と考えております。
また、今後、原子力委員会において検討が予定されている原子力損害賠償制度につきましても、事業者の予見性を確保するという観点から、事業者負担のあり方等について適切な見直しが必要であると考えております。
政府におかれましては、こうした原子力事業環境の整備に向け、一日も早く検討の場を立ち上げ、検討に着手していただきますよう、お願いしたいと思います。
以上、改革を進める上での三つの課題について述べさせていただきました。
低廉で安定した電力供給は我が国の国民生活、産業活動の基盤となるものであり、電力システム改革は決して失敗が許されるものではありません。この電力システム改革が真に国民の皆様の利益につながる改革となるため、私どもといたしましても、これらの課題や懸念を払拭できるよう最大限の取り組みを行ってまいります。
その上で、国におかれましては、改革の各断面におきまして、取り組みの成果や課題解消の実現度合いをしっかりと確認、検証いただき、その結果に応じて必要な措置を確実に講じていただくことをお願いしたいと存じます。その際、技術的課題や需給状況、事業環境に問題が生じている場合には、スケジュールありきではなく、実施時期の見直しも含め柔軟に改革を進めていただきますようお願い申し上げます。
最後になりますが、今回の法改正により、電気事業のみならず、ガス事業のシステム改革についても、今後、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大といった観点から、大きく進展することが期待されます。
私ども事業者といたしましては、電力、ガスといったエネルギー種別の垣根を越えた総合エネルギー事業へと進化し、我が国エネルギー事業全体の競争力強化と発展をリードするという強い気概を持って事業に取り組んでまいりますので、今後の詳細制度設計について、ぜひ整合性のとれた形で進めていただきますようお願いしたいと思います。
こうした私どもの考えも含め、十分な御審議を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日はこのような機会を賜り、まことにありがとうございます。先生方におかれましては、平素、私ども電力会社の事業運営に関しまして多大な御理解、御協力を賜っておりますことに、この場をおかりしまして、厚く御礼を申し上げます。
まず初めに、本年三月で東日本大震災から四年が経過いたしましたが、福島第一原子力発電所の事故により、今なお多くの皆様に多大なる御迷惑と御心配、また御負担をおかけしておりますことを、同じ電気事業に携わる者といたしまして改めておわびを申し上げたいと思います。
福島の復興につきましては、国の方針のもと、一歩一歩取り組みが進められているところでございますが、私どもといたしましても、さらなる復興の進展を切に願うとともに、業界全体でできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
それでは、今回御審議されております電気事業法等の改正法案につきまして、私どもの考えを申し上げたいと思います。
電力システム改革につきましては三段階に分けて進められることになっておりますが、本年四月には、その第一段階である電力広域的運営推進機関が発足し、その運用が開始されたところでございます。
本機関は、広域的な電力運用や需給逼迫時の対応、さらには送配電業務における公平性や透明性を高めていく上で中心的な役割を担うことが期待されております。今後、電力システム改革が進展していく中で、一層その役割が重要になるものと考えております。
私どもも、これまで本機関の発足準備に積極的に協力してまいりましたが、今後は会員会社として安定供給の確保や中立性の向上といった改革の目的を達成できるよう、円滑な業務運営に貢献してまいりたいと考えております。
また、電力システム改革の第二段階に当たる来年の小売全面自由化につきましても、お客様に真の利益となる改革となるよう、詳細制度設計に引き続き協力してまいる所存でございます。
その上で、今回の改正法案は、電力システム改革の第三段階として、送配電部門の一層の中立化を図るため、私ども一般電気事業者の送配電部門を法的分離するとともに、小売料金の経過措置の解除、つまり料金規制の撤廃を主たる内容とするものであると理解しております。
さらに、本改正法案は、電気事業のみならず、総合的なエネルギー市場の創設を目指し、ガス事業における小売全面自由化、導管事業の中立性確保及び電力・ガス市場の監視を行う行政組織の新設等を規定するという、エネルギー事業の枠組みを大きく変革するものであると理解しております。
本改革によって、電力市場、ガス市場等への全面的な参入が可能となり、エネルギー市場全体における競争が活性化していくことは、お客様にとって、より最適なエネルギーを選択する機会が広がり、望ましいものと考えております。
ただし、小売全面自由化以降、私ども一般電気事業者には小売料金規制が課せられることになっており、制度変更に伴う需要家保護策の一環としての暫定的な措置と理解しておりますが、これらの措置は私どもにとって非対称とも言える規制であります。
今回の法改正には、この料金規制の撤廃に係る規定が盛り込まれておりますが、中立公平な競争環境の確保を狙いとする本改革の趣旨に鑑み、諸情勢を総合勘案した上で早期にこれらの措置を撤廃していただくよう、お願いしたいと思います。
こうした電力システム改革の実施に当たり、実務を担う事業者といたしましては、お客様の真の利益につながる改革とするためには、いまだに課題や懸念が残されていると考えているところでございます。
具体的には、安定供給の仕組み、ルールの整備、電力需給の改善及び原子力事業環境の整備という三つの課題について、その課題解消の実現度合いを検証し、必要な措置を講じつつ進めていく必要があると考えております。
まず、課題の一点目であります安定供給の仕組み、ルールの整備について申し上げます。
今回の電事法改正法案は、一般電気事業者の送配電部門を法的に分離する、つまり、別会社化することを義務づけるものであります。私どもは、これまで、発送電一貫体制のもとで、高品質な電気を安定的にお届けするよう全力で取り組んでまいりました。このため、今回の発送電分離によって安定供給が損なわれることのないよう、分離を補完する仕組みやルールを慎重に整備することが大変重要であると考えております。
具体的には、電気の周波数を調整するための仕組みを確実に機能させることで電気の品質を低下させないことや、平常時はもとより、非常時に発電側と送電側が協調するためのルールを策定することが必要であります。
さらに、小売全面自由化により競争が進展し、送配電部門の法的分離が実施される中で、将来にわたっての供給力や調整力、予備力といった機能を担う電源が確実に確保されるよう、具体的な方策等について検討を行った上で、実効性の確認を行っていくことが必要と考えております。
加えて、再生可能エネルギーの導入が現在急速に進んでおり、今後さらに拡大することが見込まれる中、供給力確保や需給運用の点で送配電機能の一層の強化が求められているところであります。
こうした点を踏まえ、改革に当たり、安定供給の仕組みがしっかり構築されるよう、私ども事業者も引き続き協力してまいりますので、詳細制度設計を着実に進めていただきますよう、お願いいたします。
二点目は、電力需給状況の改善についてであります。
電力システム改革を実効的なものとするためには、電力の安定供給が確保され、需給状況が安定していることが大前提であると考えております。しかしながら、東日本大震災以降、電力の供給力に余力がなく、夏と冬の電力需給がピークとなる時期につきましては、毎期、政府において需給見通しを検証するという状態が続いております。
これまでのところ、各社における最大限の供給力の積み増し努力と多くの皆様からの節電の御協力によりまして、何とか安定供給を維持することができている状況にありますが、この夏につきましても、とりわけ西日本地域では厳しい需給状況が想定されているところであります。
供給力のベースである原子力プラントの再稼働につきましては、現在、十一社二十四基のプラントが新規制基準に対する適合性審査の過程にあり、先月末より九州電力の川内一号機が使用前検査に入るなど、少しずつ前進しておりますが、いずれも再稼働に至っておらず、大変厳しい状況が続いております。
また、こうした事態により、東日本大震災以降、火力燃料費等が大幅に増加した結果、電力各社の収支は非常に厳しい状況が続いております。そのうち電力七社が電気料金の値上げを実施し、さらには北海道電力及び関西電力では二度目となる値上げを実施あるいは申請するという、非常に心苦しい状況であります。お客様には大変な御負担をお願いしているところでございます。
今般の電力システム改革は、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を図り、電力の安定供給の確保及び電気料金の最大限の抑制を目指すものと理解しております。
私どもといたしましては、安全の確保を大前提として、できる限り早く原子力プラントを再稼働し、その結果、電力需給の安定が確保されるよう、引き続き最大限の努力を続けてまいる所存であります。国におかれましても、全面自由化及び法的分離の実施に当たり、それに適した需給状況にあるか慎重に見きわめていただきたいと考えております。
最後に、三点目は、原子力事業環境の整備についてであります。
原子力発電は、他の電源と比べて、三つのEの観点からすぐれた特性を有しており、昨年四月に閣議決定された国のエネルギー基本計画でも、「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置づけられました。
一方で、巨額の投資を要し、建設から運転期間中はもとより、運転終了後も、廃炉や使用済み燃料の処理、処分に至るまで、安全性を確保しつつ、長期にわたる事業を確実に遂行しなければならないという特殊性を有しております。
これまで、私どもは、国の原子力推進政策のもと、総括原価方式等の諸制度によって、長期安定的に事業に対する一定の予見性が得られることで、こうした特殊性を有する原子力発電の活用を図ってまいりました。
しかしながら、原子力依存度を可能な限り低減させるという政策の方向性が示されるとともに、小売全面自由化や発送電分離といった電力システム改革が進められ、今後、原子力発電の事業予見性が大きく低下することとなります。
こうした環境変化の中にあっても、国として重要な電源と位置づけられた原子力発電を私ども民間の事業者が担っていくためには、引き続き、予見性を持って長期の事業を計画し、実行できる環境整備が不可欠だと考えております。
この点、昨年末に政府の原子力小委員会がまとめられた中間整理においても、同様の考えが示されるところであります。
国におかれましても、ぜひとも、民間事業者が長期にわたり原子力事業を担うことができるよう、新たな国策民営のあり方を検討していただき、小売全面自由化の実施に先駆けて、制度の方向性を示していただきたいと考えております。
例えば、これまで原子力事業者が一体となって支えてきたバックエンド事業等の原子燃料サイクルの推進に当たっては、競争が進展していく中でも長期にわたる処理、処分のプロセスに支障を来さないよう、新たな官民の役割分担に基づく仕組みの構築などが必要と考えております。
また、今後、原子力委員会において検討が予定されている原子力損害賠償制度につきましても、事業者の予見性を確保するという観点から、事業者負担のあり方等について適切な見直しが必要であると考えております。
政府におかれましては、こうした原子力事業環境の整備に向け、一日も早く検討の場を立ち上げ、検討に着手していただきますよう、お願いしたいと思います。
以上、改革を進める上での三つの課題について述べさせていただきました。
低廉で安定した電力供給は我が国の国民生活、産業活動の基盤となるものであり、電力システム改革は決して失敗が許されるものではありません。この電力システム改革が真に国民の皆様の利益につながる改革となるため、私どもといたしましても、これらの課題や懸念を払拭できるよう最大限の取り組みを行ってまいります。
その上で、国におかれましては、改革の各断面におきまして、取り組みの成果や課題解消の実現度合いをしっかりと確認、検証いただき、その結果に応じて必要な措置を確実に講じていただくことをお願いしたいと存じます。その際、技術的課題や需給状況、事業環境に問題が生じている場合には、スケジュールありきではなく、実施時期の見直しも含め柔軟に改革を進めていただきますようお願い申し上げます。
最後になりますが、今回の法改正により、電気事業のみならず、ガス事業のシステム改革についても、今後、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大といった観点から、大きく進展することが期待されます。
私ども事業者といたしましては、電力、ガスといったエネルギー種別の垣根を越えた総合エネルギー事業へと進化し、我が国エネルギー事業全体の競争力強化と発展をリードするという強い気概を持って事業に取り組んでまいりますので、今後の詳細制度設計について、ぜひ整合性のとれた形で進めていただきますようお願いしたいと思います。
こうした私どもの考えも含め、十分な御審議を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。拍手
江
手
手塚加津子#4
○手塚参考人 日本鋳鍛鋼会副会長の手塚と申します。本日は貴重なお時間を賜りまして、まことにありがとうございます。
私は、日本鋳鍛鋼会の代表ということだけではなく、エネルギー多消費産業の多くの企業、とりわけ日本企業の九九・七%を占める中小企業のエネルギーコスト上昇による窮状をお伝え申し上げたいと存じます。
初めに、政府におかれては、省エネ補助金を大幅に充実していただくなど、産業界の声に真摯に耳を傾け、影響緩和のための策を講じていただいておりますことを、心から御礼申し上げます。
しかしながら、その対症療法では手当てができないほどの負担増が私たち電力多消費企業を苦しめております。売上高千円当たりの電力購入量、つまり千円のものをつくるのに使う電気量を電力依存度として計算いたしますと、製造業全体の平均が〇・七キロワットアワーであります。それに対して、十一団体で構成する電力多消費産業全体の平均では約十三倍、鋳造や鍛造業では十倍から十一倍であり、したがって、近年の電力料金の負担増は製造コストを大幅に押し上げております。
御存じと思いますが、鋳造や鍛造でつくられた製品は素形材と言われ、ものづくりの最も川上に位置する産業であります。あらゆるメーカーの部品をつくり、日本の基幹産業を支えるサポーティングインダストリーと言えます。日本のメーカーからの世界に類を見ないほど厳しい品質、納期、コストの要求をクリアすべく、日夜研さんと努力を重ね、日本メーカーの繁栄、ひいては日本経済の繁栄を導いてきた陰の立て役者であるとの誇りを抱いております。
アベノミクスにより進行した円安は、輸出をするメーカーに恩恵をもたらしております。しかしながら、国内で操業する我々には恩恵は少なく、また、近年の電気代の上昇分を一〇〇%価格に転嫁することは不可能であります。結果として、省エネルギーやコスト削減といった努力をいかにいたしましても、労務費の削減が不可欠となり、アベノミクスの賃金上昇の流れに同調するのは極めて難しいのが現状でございます。
特に、鋳造業の企業は、経営基盤の弱い従業員三十名未満の中小事業所が約八割を占め、東日本大震災以降、転業、廃業、倒産がふえ始めて、直近三年間に三十七社が転業、廃業、倒産に追い込まれております。その中で、鋳鋼業だけを取り上げれば、全国の七十五事業所のうち、昨年一社が廃業、本年二工場の統廃合が決定しております。
昨年一社、本年二工場といいますと、そんなに多くないように思われるかもしれませんが、それは雇用が消失するという重大な問題だけではなく、各社の長年蓄積してまいりました固有の技術、ノウハウが失われるということであります。一度失った製造業を再興させようというのがいかに難しいか、今の米国の苦悩を見ていただければ、日本がそれを失う危機を想像していただけると思います。これ以上エネルギーコストが上昇することは、製造業の崩壊を招くと認識していただきたいのであります。
鋳鋼の生産量に限って申し上げますと、世界各国の生産量は、リーマン・ショックで落ち込んだものの、その後順調に回復し、米国では一番落ち込んだときの二一〇%、中国では一二〇%になっておりますが、日本のみが回復し切れず下降線をたどり、平成二十六年はリーマン・ショックのときの最低時の八六%に落ち込んでいます。
これは、世界に需要があるにもかかわらず、日本のみがそれを取り込めずに生産を減少させているということでございます。これは、生産コスト上昇により国際競争力が低下していることを意味します。
東京電力管内の当社の場合、平成二十四年四月の電力会社の電気料金値上げ一キロワット当たり二・三三円に加え、燃料費調整分の値上げはそれを徐々に上回り大きな負担となっております。さらに、FIT、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度における賦課金については、弊社は電力多消費企業として八割減免を受けておりますが、鋳鋼業では九%の七社、鋳造業では一六%の企業しか減免を受けられておりません。初年度は〇・二二円だった賦課金は、四年目にして一・五八円と約七倍に拡大しているわけで、まさに三重苦にあえいでいると言える状況でございます。
弊社は社員百名の中小企業でございますが、年間に二十五億四千万円の売り上げのうち、原価は二十四億、その中で電気代は一二・五%の三億円でございます。三年前と比べると、生産量は同じなのに、電気代は一億円の増加でございます。もし仮に一億円電気代が上昇していなければ労務費や設備投資に使えたものと、一経営者として大変残念に思う次第です。
お手元の御参考資料にありますように、鋳造だけではなく、電力多消費産業十一社は年間約二千億円の巨額な電力負担増になり、どの産業も崖っ縁に直面しております。
安価で安定的な電力供給は産業の基盤です。この基盤が脆弱であれば、事業経営は成り立ちません。現状を打破すべく、これまでのエネルギー政策を見直し、安定供給の確保、電力料金の最大限の抑制のため、大胆かつ実行可能な改革を速やかに実施していただくことを期待しております。
資源のない我が国が、将来にわたって国力を維持し、子供たちが夢を持って成長できる日本であり続けるために、そして、綿々と受け継がれてきた製造業のDNAを途絶えさせず、汗して働く労働者に安定した雇用と収入の喜びを与えるために、ぜひとも適切なエネルギー政策が行われますことを望んでやみません。十分な御審議のほど、心からよろしくお願い申し上げます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、日本鋳鍛鋼会の代表ということだけではなく、エネルギー多消費産業の多くの企業、とりわけ日本企業の九九・七%を占める中小企業のエネルギーコスト上昇による窮状をお伝え申し上げたいと存じます。
初めに、政府におかれては、省エネ補助金を大幅に充実していただくなど、産業界の声に真摯に耳を傾け、影響緩和のための策を講じていただいておりますことを、心から御礼申し上げます。
しかしながら、その対症療法では手当てができないほどの負担増が私たち電力多消費企業を苦しめております。売上高千円当たりの電力購入量、つまり千円のものをつくるのに使う電気量を電力依存度として計算いたしますと、製造業全体の平均が〇・七キロワットアワーであります。それに対して、十一団体で構成する電力多消費産業全体の平均では約十三倍、鋳造や鍛造業では十倍から十一倍であり、したがって、近年の電力料金の負担増は製造コストを大幅に押し上げております。
御存じと思いますが、鋳造や鍛造でつくられた製品は素形材と言われ、ものづくりの最も川上に位置する産業であります。あらゆるメーカーの部品をつくり、日本の基幹産業を支えるサポーティングインダストリーと言えます。日本のメーカーからの世界に類を見ないほど厳しい品質、納期、コストの要求をクリアすべく、日夜研さんと努力を重ね、日本メーカーの繁栄、ひいては日本経済の繁栄を導いてきた陰の立て役者であるとの誇りを抱いております。
アベノミクスにより進行した円安は、輸出をするメーカーに恩恵をもたらしております。しかしながら、国内で操業する我々には恩恵は少なく、また、近年の電気代の上昇分を一〇〇%価格に転嫁することは不可能であります。結果として、省エネルギーやコスト削減といった努力をいかにいたしましても、労務費の削減が不可欠となり、アベノミクスの賃金上昇の流れに同調するのは極めて難しいのが現状でございます。
特に、鋳造業の企業は、経営基盤の弱い従業員三十名未満の中小事業所が約八割を占め、東日本大震災以降、転業、廃業、倒産がふえ始めて、直近三年間に三十七社が転業、廃業、倒産に追い込まれております。その中で、鋳鋼業だけを取り上げれば、全国の七十五事業所のうち、昨年一社が廃業、本年二工場の統廃合が決定しております。
昨年一社、本年二工場といいますと、そんなに多くないように思われるかもしれませんが、それは雇用が消失するという重大な問題だけではなく、各社の長年蓄積してまいりました固有の技術、ノウハウが失われるということであります。一度失った製造業を再興させようというのがいかに難しいか、今の米国の苦悩を見ていただければ、日本がそれを失う危機を想像していただけると思います。これ以上エネルギーコストが上昇することは、製造業の崩壊を招くと認識していただきたいのであります。
鋳鋼の生産量に限って申し上げますと、世界各国の生産量は、リーマン・ショックで落ち込んだものの、その後順調に回復し、米国では一番落ち込んだときの二一〇%、中国では一二〇%になっておりますが、日本のみが回復し切れず下降線をたどり、平成二十六年はリーマン・ショックのときの最低時の八六%に落ち込んでいます。
これは、世界に需要があるにもかかわらず、日本のみがそれを取り込めずに生産を減少させているということでございます。これは、生産コスト上昇により国際競争力が低下していることを意味します。
東京電力管内の当社の場合、平成二十四年四月の電力会社の電気料金値上げ一キロワット当たり二・三三円に加え、燃料費調整分の値上げはそれを徐々に上回り大きな負担となっております。さらに、FIT、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度における賦課金については、弊社は電力多消費企業として八割減免を受けておりますが、鋳鋼業では九%の七社、鋳造業では一六%の企業しか減免を受けられておりません。初年度は〇・二二円だった賦課金は、四年目にして一・五八円と約七倍に拡大しているわけで、まさに三重苦にあえいでいると言える状況でございます。
弊社は社員百名の中小企業でございますが、年間に二十五億四千万円の売り上げのうち、原価は二十四億、その中で電気代は一二・五%の三億円でございます。三年前と比べると、生産量は同じなのに、電気代は一億円の増加でございます。もし仮に一億円電気代が上昇していなければ労務費や設備投資に使えたものと、一経営者として大変残念に思う次第です。
お手元の御参考資料にありますように、鋳造だけではなく、電力多消費産業十一社は年間約二千億円の巨額な電力負担増になり、どの産業も崖っ縁に直面しております。
安価で安定的な電力供給は産業の基盤です。この基盤が脆弱であれば、事業経営は成り立ちません。現状を打破すべく、これまでのエネルギー政策を見直し、安定供給の確保、電力料金の最大限の抑制のため、大胆かつ実行可能な改革を速やかに実施していただくことを期待しております。
資源のない我が国が、将来にわたって国力を維持し、子供たちが夢を持って成長できる日本であり続けるために、そして、綿々と受け継がれてきた製造業のDNAを途絶えさせず、汗して働く労働者に安定した雇用と収入の喜びを与えるために、ぜひとも適切なエネルギー政策が行われますことを望んでやみません。十分な御審議のほど、心からよろしくお願い申し上げます。
御清聴ありがとうございました。拍手
江
橘
橘川武郎#6
○橘川参考人 御紹介いただいた東京理科大学の橘川と申します。
私は、電力のシステム改革の小委員会には参加しておりませんでしたが、ガスシステム改革の方の小委員会の委員でした。そして、今現在、きょうの午後も開かれますけれども、エネルギーミックスを決めます審議会のメンバーでもあります。このような立場から、今問われています電力システム改革、ガスシステム改革、熱のシステムの改革、これをエネルギー政策全体の改革の方向とどう結びつけていくかという立場から、きょうはお話をさせていただきたいと思います。
お手元に資料がありますので、それを使いながら話させていただきます。
まず、電力システム改革です。この三段階で進められるわけです。私は、第二段階、全面自由化までは非常に重要なことだと思っております。
福島第一原子力発電所の事故等に示されました電力問題の本質、福島第一を含め原子力発電所の現場、あるいは火力発電所の現場を回りますと、本当に現場の皆さんは頑張っています。その高い現場力と残念ながら低い経営力のミスマッチというところがやはり電力問題の本質なのではないか、こういうふうに思います。
そうしますと、経営力を強化していくのに一番有効な手段というのはやはり競争だ、こういうふうに思いますので、そういう観点からいって、全面自由化というのは、ガスも含めまして非常に重要な施策だと思っております。
一方で、第三段階の発送電分離については、メリットもありデメリットもあるという両面を見て、それに合わせた施策が必要だと思います。
メリットは、当然のことながら、競争の促進、分散型電源の普及の拡大ということにつながると思います。
一方で、世界に冠たる停電が少ないという日本の系統運用能力が毀損するおそれもありますし、最も心配しているのは、発送配電のバランスのとれた投資が進むかどうか、特に発電部門であります。発電投資回収には時間がかかります。自由化のサイクルの中で非常に短い視野で経営を考えていくことになりますと、発電のところにちゃんと手当てが行われるかどうかということが大きな問題になると思います。
そういう意味で、二〇三〇年に向けての電源ミックスをどういうふうに考えていくかという議論は重要な意味を持つと思います。
次に、ガスシステム改革であります。こちらは二段階で進められるということになっています。
先ほど言ったような理由で、全面自由化は非常に重要な施策だと思います。特に決定的に重要なことは、電力、ガスとも、需要家にとって選択肢が拡大するということが非常に大きなポイントだと思います。
今のところ、日本のエネルギーは、非常に高品質な形で、高い価格で供給されています。これしか選択肢がないんですね。高品質なものを高く買うというような需要を持つ需要家もいらっしゃると思いますが、一方で、多少品質が落ちても価格は安い方がいいというような需要家もいらっしゃると思いますので、そういう方たちに選択肢が広がるということ自体は非常に意味があることだと思います。
ただ、一点気にしますのは、自由化があると自動的に料金が下がるというような議論があるんですが、これは少し考えなければいけないと思います。
自由化というのは、端的に言いますと、市場に任せる。市場に任せるということは需給関係で決まるということですから、自由化を行った直後は競争の激化とかということである程度料金が下がるかと思いますけれども、各国の経験を見ましても、その後、長期的に見ますと、徐々に料金が上がっていくというようなことが見られるわけであります。
そこのところは慎重に考えなければいけないわけでありまして、自由化をもって全てよしとするわけではなくて、さまざまなエネルギー政策を使っていかない限り、このコストの問題は解消できないというところが重要なのではないかと思います。
ガスについては、審議会のメンバーだったのでどうしてもこれだけは伝えておかなければいけないんですが、大手三社の法的分離については、審議会のレベルではかなり慎重論が多数であったということであります。そのときに、電力とガスとの違いで一番大きな問題になったのは、保安問題、あるいは資金調達の影響とかという話が出ていました。ただ、これは皆さんが決めていただくことだと思いますので、そこのところを慎重に議論していただきたいということであります。
全体としまして、シェール革命も起きておりまして、化石燃料の中では一番CO2の少ない天然ガスの市場の拡大が進むと思います。天然ガスシフトというのが進んでいくと思います。天然ガスシフトというのは、ちゃんと定義づけなければいけないと思うんですが、一つは、火力発電の中心としてミドルの電源だけではなくてベースとしても使うということ、それから、コジェネを全面的に拡大するということが天然ガスシフトの内容だと思います。
ということで、いずれにしても重要になるエネルギー政策全体のことに移っていきたいと思います。
昨年の閣議決定で、新しいエネルギー基本計画が決まりました。いろいろいい内容が書いてあるんですが、わかりにくいところもあります。国民の最大の関心であります原子力のところが、やはりわかりにくいんですね。
重要なベースロード電源と書かれています。しかしと来ます、可能な限り依存度を低減すると来ます。またしかしと来まして、確保していく規模を見きわめると。こういう話になっちゃいますと、余計な話ですが、私は審議会で申し上げたんですけれども、槇原敬之の歌みたいで、もう恋なんてしないよなんて言わないよ絶対みたいで何言ってるかよくわからないよ、こういう話になっちゃうわけでありまして、ここのところがわかりやすい必要がある。
もう一つは、再生可能エネルギーを最大限導入する。この二つがやはりメッセージだと思いますので、ここのところは、はっきりした政策が出てくることが重要なのではないか。
そうすると、五ページ目に入りますが、二〇三〇年の電源ミックスですが、やはり、皆さんが言われていますように、Sプラス三Eというのは非常に重要だと思います。
Sの確保は大前提になりますが、エコノミーのところでは、やはり、ベースロード電源がしっかりする、これが六割くらいあるというのは正しい考え方だと思います。ただ、その中にLNGが確実に、もう既に入っていますし、これからも入っていくので、ベースロード電源の一部に位置づける必要があるのではないかと思います。
次に、エンバイロンメント、環境に関して言うと、ゼロエミッション電源がやはり四五%程度ある必要があるということで、これは再生エネルギーと原子力が重要ということになります。
それから、エネルギーセキュリティー。まず自給率で考えますと、再生エネルギーと原子力は一方で大事ですが、これは外から確保していく上でのセキュリティーでありまして、内側のセキュリティーということを考えますと、分散型のエネルギー源というのが非常に大事になります。
そうなってきますと、コジェネあるいは再生エネルギーが大事になりますし、多少懸念しておりますのは、ミックスの議論をすると、どうしても電源の話ばかりしておりますが、エネルギー全体の中で電力として使われるのは四割強でありまして、一次エネルギー全体で見ますと、石油がやはり一番中心になります。東北の大震災のときに命を一番救ったのはLPガスと石油でありますので、ここについてきちんとした位置づけを与えるということが重要なんじゃないか。
ということで、政権の公約にもなっています、原発依存度を減らすということと再生エネルギーを最大限導入するということ、上のような諸要素を考慮しますと、これは私の個人的意見でありますが、火力四〇%、再生エネルギー三〇%、原子力一五%、コジェネ一五%ぐらいの組み合わせがベストではないかというのが私の考え方であります。
そうなりますと、次のページですが、一番難しいのは再生エネルギーの三〇%。こんなことはあり得るのかという話になると思います。ただ、再生エネルギーには二種類ありまして、タイプAと書きました地熱、小水力、バイオマス、これは稼働率も高いですし、出力変動も少ないということで、これは今のところ一〇%強ですけれども、一五%ぐらいに引き上げていく。そのためには、幾つか、温泉業者との、地元に蒸気を供給するだとかというような、いろいろなこと、あるいは規制緩和が必要だと思います。
問題は、意見が分かれているのはタイプBの方であります。稼働率が低く、出力変動が激しい風力や太陽光。ただし、これが一番技術が進んでいまして、コストも下がりつつあることも確かでありまして、私は前向きな議論が必要だと思います。
現在、FITの話が問題になっていますが、二〇三〇年のことを考えるときに、げたを履かせて入るようなエネルギーがずっと使い続けられるということはないと思いますので、むしろ、FITの後の市場ベースでどうやって太陽光、風力を入れるのかということを考える方が建設的だというふうに思います。
そうなってきますと、一番大きな問題は送電線の問題です。現実的に考えますと、原発で廃炉になってきます。これで送電線が余ってくるわけでありまして、これをまずどう利用するかということを考えてみる必要があると思います。
それから、そもそも送電線に乗せないようにするということ。地産地消、スマートコミュニティーを進めますとか、あるいは、ヨーロッパで進んでいますけれども、風力で余った電気を水の電気分解にして、送電線が足りないのでガスのパイプラインに入れるというパワー・ツー・ガスという考え方があります。
日本ではガスのパイプラインがないから非現実的だというお話がありますが、もし、今後、天然ガスが重要な電源としてさらに天然ガスシフトを置きますと、全国で十五基から二十基くらいのエネルギーコンバインドサイクルが立ってくる可能性があります。そうなりますと、ガスのパイプラインが経済ベースでつくられるということになりますので、パワー・ツー・ガスの可能性もふえます。
そして、三番目、電力会社が多分ビジネスモデルを変えてくるのではないかと思います。これからは、原発だ石炭だというのがコアコンピタンスになるのではなくて、ネットワーク会社として、供給サイドに非常に不安定な電源があっても、うちのネットワークを通せば停電なしでお客さんに送りますよという会社が格好よくなって、株価も上がり、金融市場で評価される、こういう世の中がやってこなければいけないのではないか。そういうことを考えますと、再生三〇%も可能なのではないかと思います。
とはいえ、コストの問題、皆さん、原発の稼働率と、あるいはFITの負担から考えられますけれども、どの計算でいっても一番大きいのは火力発電であります。よって、火力の燃料費を下げるというのがコストの問題で一番のど真ん中の問題だということを忘れてはいけないと思います。
そうすると、二つしか方法がなくて、火力発電の燃料の中で一番安い石炭をどれだけ使うかということになります。直ちに二酸化炭素の壁にぶち当たります。これをどうするかという問題が一つです。
そしてもう一つは、天然ガスですね。天然ガスが、原油価格が下がって若干状況をうかがっていますけれども、昨年の夏までは、アメリカに比べて日本の天然ガスの価格は五倍くらいの格差があったわけです。もちろん、運んでくる過程もありますからアメリカほど安い水準にはできませんが、間のヨーロッパ並みの水準には持っていけるはずでありまして、この石炭と二酸化炭素の問題をどう解決するのか、及び天然ガスをどう安く買うかというのがエネルギー政策のど真ん中になるのではないかと思います。
八ページに、あえて二〇一〇年、つまり三・一一の前の図を持ってきましたけれども、世界でやはり石炭が圧倒的に使われています。したがって、石炭が二酸化炭素をたくさん出すからだめだというのでやめちゃえ、こう言いたいところですが、この選択肢ができない。中国の八割近く、インドの七割近くが石炭であります。
九ページになりますが、よって逆転の発想が必要で、日本の石炭は高効率です。磯子の二号機は熱効率四二%、アメリカよりも大体五ポイント、中国、インドよりも一〇ポイント近く熱効率が高いということで、これを使って日本の技術を海外に移転し、海外の石炭火力で二酸化炭素を思い切り減らす、そういう人は国内で石炭火力をつくっていい。こういう二国間オフセットの拡張版みたいなやり方、これをやりますと、日本の水準で横展開すると、そこに書いてありますが、日本の排出量年間十三億トンに対して十五億トンくらい毎年減らすことができる。これが日本の世界に貢献する道だ、こういうふうに思いますので、COP21へ向けてこういう政策をぜひ打ち出していく必要があるんじゃないかと思います。
天然ガスに関して言いますと、大きく言うとシェール革命で供給過剰に向かっているわけですから、このチャンスを生かす必要があります。そのためには、やはりまとめ買いをきっちりやるですとか、あるいはこの件に関しますと、日本と韓国で両方合わせますとLNGの輸入の五割を超えますので、韓国、場合によっては中国、台湾との協力ということもきくと思います。
ただ、最終的には、長期契約の比率が大きいので、長期契約の条件を有利にしていかなければいけない、こういう問題もあると思いますが、こういうこともきっちりやっていかなければいけないと思います。
あるいは、原子力について、いずれにしても、何%にするにしても、あるいは場合によっては即時やめるという立場に立つ人にしても、直ちに考えなければいけないのは使用済みの燃料の処理問題でありまして、このためには、私は、最終処分、国が前面に立ってやるということを言っても、その前に空冷式のもう一つの冷却装置を、中間貯蔵というものをきっちりやっていく必要があるのではないか。それを廃炉が進むような原子力発電所、運転するところでもいいんですけれども、オンサイトで進めていくというやり方をとることが、現実的には問題を解決していくための唯一の政策なんじゃないか。
総合しまして、いずれについても、前向きな形で、しかも現実的な改革を進めながらエネルギー政策を総合的に展開していかないとコストの問題は解消できない、そういうことを感じます。その一環として、今回の電事法等の改正等の法律の審議がしっかりと進められることを国民の一人として希望いたします。
以上で私の発言とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、電力のシステム改革の小委員会には参加しておりませんでしたが、ガスシステム改革の方の小委員会の委員でした。そして、今現在、きょうの午後も開かれますけれども、エネルギーミックスを決めます審議会のメンバーでもあります。このような立場から、今問われています電力システム改革、ガスシステム改革、熱のシステムの改革、これをエネルギー政策全体の改革の方向とどう結びつけていくかという立場から、きょうはお話をさせていただきたいと思います。
お手元に資料がありますので、それを使いながら話させていただきます。
まず、電力システム改革です。この三段階で進められるわけです。私は、第二段階、全面自由化までは非常に重要なことだと思っております。
福島第一原子力発電所の事故等に示されました電力問題の本質、福島第一を含め原子力発電所の現場、あるいは火力発電所の現場を回りますと、本当に現場の皆さんは頑張っています。その高い現場力と残念ながら低い経営力のミスマッチというところがやはり電力問題の本質なのではないか、こういうふうに思います。
そうしますと、経営力を強化していくのに一番有効な手段というのはやはり競争だ、こういうふうに思いますので、そういう観点からいって、全面自由化というのは、ガスも含めまして非常に重要な施策だと思っております。
一方で、第三段階の発送電分離については、メリットもありデメリットもあるという両面を見て、それに合わせた施策が必要だと思います。
メリットは、当然のことながら、競争の促進、分散型電源の普及の拡大ということにつながると思います。
一方で、世界に冠たる停電が少ないという日本の系統運用能力が毀損するおそれもありますし、最も心配しているのは、発送配電のバランスのとれた投資が進むかどうか、特に発電部門であります。発電投資回収には時間がかかります。自由化のサイクルの中で非常に短い視野で経営を考えていくことになりますと、発電のところにちゃんと手当てが行われるかどうかということが大きな問題になると思います。
そういう意味で、二〇三〇年に向けての電源ミックスをどういうふうに考えていくかという議論は重要な意味を持つと思います。
次に、ガスシステム改革であります。こちらは二段階で進められるということになっています。
先ほど言ったような理由で、全面自由化は非常に重要な施策だと思います。特に決定的に重要なことは、電力、ガスとも、需要家にとって選択肢が拡大するということが非常に大きなポイントだと思います。
今のところ、日本のエネルギーは、非常に高品質な形で、高い価格で供給されています。これしか選択肢がないんですね。高品質なものを高く買うというような需要を持つ需要家もいらっしゃると思いますが、一方で、多少品質が落ちても価格は安い方がいいというような需要家もいらっしゃると思いますので、そういう方たちに選択肢が広がるということ自体は非常に意味があることだと思います。
ただ、一点気にしますのは、自由化があると自動的に料金が下がるというような議論があるんですが、これは少し考えなければいけないと思います。
自由化というのは、端的に言いますと、市場に任せる。市場に任せるということは需給関係で決まるということですから、自由化を行った直後は競争の激化とかということである程度料金が下がるかと思いますけれども、各国の経験を見ましても、その後、長期的に見ますと、徐々に料金が上がっていくというようなことが見られるわけであります。
そこのところは慎重に考えなければいけないわけでありまして、自由化をもって全てよしとするわけではなくて、さまざまなエネルギー政策を使っていかない限り、このコストの問題は解消できないというところが重要なのではないかと思います。
ガスについては、審議会のメンバーだったのでどうしてもこれだけは伝えておかなければいけないんですが、大手三社の法的分離については、審議会のレベルではかなり慎重論が多数であったということであります。そのときに、電力とガスとの違いで一番大きな問題になったのは、保安問題、あるいは資金調達の影響とかという話が出ていました。ただ、これは皆さんが決めていただくことだと思いますので、そこのところを慎重に議論していただきたいということであります。
全体としまして、シェール革命も起きておりまして、化石燃料の中では一番CO2の少ない天然ガスの市場の拡大が進むと思います。天然ガスシフトというのが進んでいくと思います。天然ガスシフトというのは、ちゃんと定義づけなければいけないと思うんですが、一つは、火力発電の中心としてミドルの電源だけではなくてベースとしても使うということ、それから、コジェネを全面的に拡大するということが天然ガスシフトの内容だと思います。
ということで、いずれにしても重要になるエネルギー政策全体のことに移っていきたいと思います。
昨年の閣議決定で、新しいエネルギー基本計画が決まりました。いろいろいい内容が書いてあるんですが、わかりにくいところもあります。国民の最大の関心であります原子力のところが、やはりわかりにくいんですね。
重要なベースロード電源と書かれています。しかしと来ます、可能な限り依存度を低減すると来ます。またしかしと来まして、確保していく規模を見きわめると。こういう話になっちゃいますと、余計な話ですが、私は審議会で申し上げたんですけれども、槇原敬之の歌みたいで、もう恋なんてしないよなんて言わないよ絶対みたいで何言ってるかよくわからないよ、こういう話になっちゃうわけでありまして、ここのところがわかりやすい必要がある。
もう一つは、再生可能エネルギーを最大限導入する。この二つがやはりメッセージだと思いますので、ここのところは、はっきりした政策が出てくることが重要なのではないか。
そうすると、五ページ目に入りますが、二〇三〇年の電源ミックスですが、やはり、皆さんが言われていますように、Sプラス三Eというのは非常に重要だと思います。
Sの確保は大前提になりますが、エコノミーのところでは、やはり、ベースロード電源がしっかりする、これが六割くらいあるというのは正しい考え方だと思います。ただ、その中にLNGが確実に、もう既に入っていますし、これからも入っていくので、ベースロード電源の一部に位置づける必要があるのではないかと思います。
次に、エンバイロンメント、環境に関して言うと、ゼロエミッション電源がやはり四五%程度ある必要があるということで、これは再生エネルギーと原子力が重要ということになります。
それから、エネルギーセキュリティー。まず自給率で考えますと、再生エネルギーと原子力は一方で大事ですが、これは外から確保していく上でのセキュリティーでありまして、内側のセキュリティーということを考えますと、分散型のエネルギー源というのが非常に大事になります。
そうなってきますと、コジェネあるいは再生エネルギーが大事になりますし、多少懸念しておりますのは、ミックスの議論をすると、どうしても電源の話ばかりしておりますが、エネルギー全体の中で電力として使われるのは四割強でありまして、一次エネルギー全体で見ますと、石油がやはり一番中心になります。東北の大震災のときに命を一番救ったのはLPガスと石油でありますので、ここについてきちんとした位置づけを与えるということが重要なんじゃないか。
ということで、政権の公約にもなっています、原発依存度を減らすということと再生エネルギーを最大限導入するということ、上のような諸要素を考慮しますと、これは私の個人的意見でありますが、火力四〇%、再生エネルギー三〇%、原子力一五%、コジェネ一五%ぐらいの組み合わせがベストではないかというのが私の考え方であります。
そうなりますと、次のページですが、一番難しいのは再生エネルギーの三〇%。こんなことはあり得るのかという話になると思います。ただ、再生エネルギーには二種類ありまして、タイプAと書きました地熱、小水力、バイオマス、これは稼働率も高いですし、出力変動も少ないということで、これは今のところ一〇%強ですけれども、一五%ぐらいに引き上げていく。そのためには、幾つか、温泉業者との、地元に蒸気を供給するだとかというような、いろいろなこと、あるいは規制緩和が必要だと思います。
問題は、意見が分かれているのはタイプBの方であります。稼働率が低く、出力変動が激しい風力や太陽光。ただし、これが一番技術が進んでいまして、コストも下がりつつあることも確かでありまして、私は前向きな議論が必要だと思います。
現在、FITの話が問題になっていますが、二〇三〇年のことを考えるときに、げたを履かせて入るようなエネルギーがずっと使い続けられるということはないと思いますので、むしろ、FITの後の市場ベースでどうやって太陽光、風力を入れるのかということを考える方が建設的だというふうに思います。
そうなってきますと、一番大きな問題は送電線の問題です。現実的に考えますと、原発で廃炉になってきます。これで送電線が余ってくるわけでありまして、これをまずどう利用するかということを考えてみる必要があると思います。
それから、そもそも送電線に乗せないようにするということ。地産地消、スマートコミュニティーを進めますとか、あるいは、ヨーロッパで進んでいますけれども、風力で余った電気を水の電気分解にして、送電線が足りないのでガスのパイプラインに入れるというパワー・ツー・ガスという考え方があります。
日本ではガスのパイプラインがないから非現実的だというお話がありますが、もし、今後、天然ガスが重要な電源としてさらに天然ガスシフトを置きますと、全国で十五基から二十基くらいのエネルギーコンバインドサイクルが立ってくる可能性があります。そうなりますと、ガスのパイプラインが経済ベースでつくられるということになりますので、パワー・ツー・ガスの可能性もふえます。
そして、三番目、電力会社が多分ビジネスモデルを変えてくるのではないかと思います。これからは、原発だ石炭だというのがコアコンピタンスになるのではなくて、ネットワーク会社として、供給サイドに非常に不安定な電源があっても、うちのネットワークを通せば停電なしでお客さんに送りますよという会社が格好よくなって、株価も上がり、金融市場で評価される、こういう世の中がやってこなければいけないのではないか。そういうことを考えますと、再生三〇%も可能なのではないかと思います。
とはいえ、コストの問題、皆さん、原発の稼働率と、あるいはFITの負担から考えられますけれども、どの計算でいっても一番大きいのは火力発電であります。よって、火力の燃料費を下げるというのがコストの問題で一番のど真ん中の問題だということを忘れてはいけないと思います。
そうすると、二つしか方法がなくて、火力発電の燃料の中で一番安い石炭をどれだけ使うかということになります。直ちに二酸化炭素の壁にぶち当たります。これをどうするかという問題が一つです。
そしてもう一つは、天然ガスですね。天然ガスが、原油価格が下がって若干状況をうかがっていますけれども、昨年の夏までは、アメリカに比べて日本の天然ガスの価格は五倍くらいの格差があったわけです。もちろん、運んでくる過程もありますからアメリカほど安い水準にはできませんが、間のヨーロッパ並みの水準には持っていけるはずでありまして、この石炭と二酸化炭素の問題をどう解決するのか、及び天然ガスをどう安く買うかというのがエネルギー政策のど真ん中になるのではないかと思います。
八ページに、あえて二〇一〇年、つまり三・一一の前の図を持ってきましたけれども、世界でやはり石炭が圧倒的に使われています。したがって、石炭が二酸化炭素をたくさん出すからだめだというのでやめちゃえ、こう言いたいところですが、この選択肢ができない。中国の八割近く、インドの七割近くが石炭であります。
九ページになりますが、よって逆転の発想が必要で、日本の石炭は高効率です。磯子の二号機は熱効率四二%、アメリカよりも大体五ポイント、中国、インドよりも一〇ポイント近く熱効率が高いということで、これを使って日本の技術を海外に移転し、海外の石炭火力で二酸化炭素を思い切り減らす、そういう人は国内で石炭火力をつくっていい。こういう二国間オフセットの拡張版みたいなやり方、これをやりますと、日本の水準で横展開すると、そこに書いてありますが、日本の排出量年間十三億トンに対して十五億トンくらい毎年減らすことができる。これが日本の世界に貢献する道だ、こういうふうに思いますので、COP21へ向けてこういう政策をぜひ打ち出していく必要があるんじゃないかと思います。
天然ガスに関して言いますと、大きく言うとシェール革命で供給過剰に向かっているわけですから、このチャンスを生かす必要があります。そのためには、やはりまとめ買いをきっちりやるですとか、あるいはこの件に関しますと、日本と韓国で両方合わせますとLNGの輸入の五割を超えますので、韓国、場合によっては中国、台湾との協力ということもきくと思います。
ただ、最終的には、長期契約の比率が大きいので、長期契約の条件を有利にしていかなければいけない、こういう問題もあると思いますが、こういうこともきっちりやっていかなければいけないと思います。
あるいは、原子力について、いずれにしても、何%にするにしても、あるいは場合によっては即時やめるという立場に立つ人にしても、直ちに考えなければいけないのは使用済みの燃料の処理問題でありまして、このためには、私は、最終処分、国が前面に立ってやるということを言っても、その前に空冷式のもう一つの冷却装置を、中間貯蔵というものをきっちりやっていく必要があるのではないか。それを廃炉が進むような原子力発電所、運転するところでもいいんですけれども、オンサイトで進めていくというやり方をとることが、現実的には問題を解決していくための唯一の政策なんじゃないか。
総合しまして、いずれについても、前向きな形で、しかも現実的な改革を進めながらエネルギー政策を総合的に展開していかないとコストの問題は解消できない、そういうことを感じます。その一環として、今回の電事法等の改正等の法律の審議がしっかりと進められることを国民の一人として希望いたします。
以上で私の発言とさせていただきます。
ありがとうございました。拍手
江
高
高橋洋#8
○高橋参考人 都留文科大学の高橋と申します。
今回、このような機会を与えていただき、ありがとうございます。
私は、今は大学の教員をしておりますけれども、三月末までは富士通総研と申します民間のシンクタンクで電力システム改革の研究をしておりました。その間には、資源エネルギー庁の電力システム改革専門委員会の委員をさせていただきまして、この審議会では、二〇一三年二月、約二年前だったと思いますけれども、当時、茂木経産大臣に対して報告書を提出した。この報告書の策定に若干かかわらせていただいたという背景がございます。
したがいまして、今般の電力システム改革、電気事業法の改正につきましては、基本的に賛同をしております。その上で、さらにこのような改善方向にしていけばいいのではないかという立場から発言をさせていただきたいというふうに思っております。
主に二点ございまして、一点目が、総論、そもそもなぜこのような改革をするのかという電力システム改革の目的を、あえてもう一度確認させていただきたいと思います。二点目が、各論として、今回の電事法の改正の一番の柱である発送電分離について意見を申し上げます。
お手元に資料があると思います。まず、電力システム改革のそもそもの目的というところからです。
今回、第三段階の法改正でございますので、先生方におかれましては、もうよくわかっているというようなお気持ちもあるかとは思いますけれども、やはり、どうしても各論、技術論に入ってまいりますと、場合によっては木を見て森を見ずといったようなことになってはいけませんので、あえて、どうしてその改革をするのかという目的を確認したいという趣旨でございます。
では、電力システム改革の目的は何なのかということなんですけれども、先ほど申し上げた二年前の報告書、これの冒頭の部分に極めて明快に書かれています。この一枚目のスライドの文章はまさにそこから私が引用したものなんですけれども、この一番上の部分、この一文は私は大好きでよく引用をさせてもらうわけなんですけれども、「料金規制と地域独占によって実現しようとしてきた「安定的な電力供給」」、これを今後は「国民に開かれた電力システムの下で、事業者や需要家の「選択」や「競争」を通じた創意工夫によって実現する」、これは名文だと思います。今回の電力システム改革の本質を一言であらわした文章であります。
このポイントは、安定供給のためにやるんだということです。よく、競争すれば電気料金が下がるとか、そういう側面ばかりが強調されがちです。もちろん、そういう側面もあります。非常に重要ですけれども、先ほど八木会長からも御指摘があったとおり、安定供給が極めて重要なわけでありまして、それを新たな仕組みに進化させる、これが今回の改革の一番の目的だと思っています。
どうしてそういう改革が必要なのか。この辺はもう本当に復習になりますけれども、やはり、福島原発事故が起きたことによってこの改革をしようという機運が高まった、まさにそのとおりでございます。特に、震災後の環境変化というものがやはり同じ報告書の中で大きく四つ指摘されておりまして、この青字の部分なわけなんですけれども、「原子力発電への信頼が揺らいだ」。原子力発電依存度、数字についてはいろいろな御意見があるとは思いますけれども、震災前の水準より下がるということは間違いないだろう。政府もそのような方針を出していらっしゃる。その際には、当然安全規制も強化されましたし、コストも増大をしている。
では、原子力発電が減らざるを得ないというときにどうするのか。それが次の二番目でありまして、再エネやコジェネなどの分散型電源の一層の活用、これは先ほど橘川先生も御指摘になったとおりであります。ただ、このような分散型電源、これまで日本では極めて量は少なかったわけなんですけれども、原子力や石炭といったような集中型電源を受け入れるための仕組みと分散型電源を受け入れるための仕組み、電力システムは大きく異なります。だからこそ、電力システムの改革が必要であるという話になるわけです。
三点目が価格による需給調整、これは、私も東京に住んでおりますので、計画停電に直面いたしました。やはりどうしても供給力が逼迫するとき、今後もいつか起きるかもしれません。しかしながら、価格メカニズムを多少なりとも使えば、もう少し、より柔軟な形で需給調整ができるのではないか。これまでは、やはりお客様、消費者の方に御迷惑をおかけしてはいけないというような配慮もあったかもしれませんけれども、今はスマートメーターとか、そういうITの機器もかなり進歩しておりますので、そういう機器の力もかりて、消費者の方にもディマンドレスポンスというような形で需給調整に協力していただく、これも非常に重要な、新たな分散型の仕組みになるわけです。
四つ目が、いわゆる広域運用ということです。地域別に電力会社さんが切磋琢磨して需給の責任を持ってきた。これがこれまでの仕組みで、大きな成果も上げたわけですが、やはり経済合理的に考えれば、広いエリアでもって需給バランスをとる、これは、以前の、これまでの電気事業法にも広域的運用という項目があったことからも明らかでありまして、ただ、なかなかこれまでそういう仕組みに改革することができていなかった、今後は全国大で需給調整を行う仕組みにしよう、これが四点目の広域運用の話です。
ここまでの話は、報告書に書いてある審議会としての一つの結論なわけなんですけれども、これを私なりに言いかえたのが次の二ページ目でありまして、電力システム自体を集中管理型から自律分散型へ移行していくんだということであります。
電源の構成を見直していく、これはもちろん当然でございますけれども、それだけではなくて、独占の仕組みを競争ベースにしていく。
あるいは送配電ネットワーク、これまでは地域別で基本的には閉鎖的なものであったわけですけれども、これを広域的に有効活用していく、多くのプレーヤーが自由に、公正に使えるようにしていく。
したがって、産業構造も、これまでは垂直一貫だったわけですけれども、水平分業化していく。もう既に免許制という法律が通っておりますけれども、要するに、送電ビジネスと発電ビジネスと小売ビジネスというのは、今後は違った行動原理に基づくことになる、したがって、それらの業界というものの垣根をしっかり分けましょうという側面もあるわけです。
最後に、消費者の役割。これまでは、ある意味、我々消費者は非常に恵まれていたのかもしれません。自由に好きなだけ電力が使えるという、非常にありがたい環境だったかもしれません。ただ、それは一方で受動的であり、かつ均一であった。均一であることに価値があるという議論もあるかもしれませんけれども、今後は、より能動的かつ多様になっていく。そういう中で、いかにその複雑なシステムを構築していくのかということが今問われているわけです。
今申し上げたような変遷、転換というものは、むしろ、欧米諸国ではもう既に当たり前のものとなっているわけです。電力自由化について言えば、もう十年前、二十年前から、欧米諸国は発送電分離も含めて進めていらっしゃるわけですし、再生可能エネルギーを、例えば二〇三〇年断面で四〇%ぐらいにしていこう、五〇%ぐらいにしていこうというのも、おおむね欧米諸国の一般的な、共通的な目標となっているわけです。
したがって、日本もようやくそういう改革をする段階に入ったのかというところがポイントでありまして、今、エネルギーミックスの話ですとか、再生可能エネルギー、原子力ですとか、電源別、電源ごとの議論も行われています。エネルギー政策は本当に今重要な局面にあるわけなんですけれども、まさにそういうエネルギー政策全体の、特に電力という意味では基盤をつくるのが今回の電力システム改革であり、そういう観点から自律分散型の仕組みに改造していくんだという趣旨をもう一度確認させていただきたいと思います。
ここまでが総論の話でありまして、次が各論、発送電分離について意見を申し上げます。
三ページ目のところです。「法的分離から所有権分離へ」というスライドでございます。
こちらの図は、横軸が一九九〇とか二〇〇〇とか書いてあります。これは時間軸ですね。一般に、発送電分離については、所有権分離、法的分離、機能分離という三種類がございますので、では、どの国がいつごろ発送電分離に踏み切ったのかということをプロットした図であります。
この図からわかること、まず一点目が、世界の主要国、中国とか韓国とかアジアの国も加えていますけれども、多くの国はもう発送電分離を終えているという事実であります。おおむね二〇〇〇年代半ばぐらいまでには、主要国というのは発送電分離を大体終えている。アメリカについては州によって異なりますので、下の灰色のところですね、テキサス州、ニューヨーク州、カリフォルニア州というような形で書かれていますけれども、大体、多くの国は、おおむね二〇〇〇年代ぐらいまでに発送電分離を終えている。
日本は、今回の法案では、二〇二〇年に行うことといったような条文になっているわけです。ですので、日本は、ある意味後発なわけであります。後発というのはデメリットばかりではなくて、他国から学べるというメリットもございます。発送電分離については、いろいろと懸念の声もあるということは私も承知しておりますが、これだけ諸外国がやってきた改革、ここから学んで、よりスピーディーに、的確に実施をする。
例えば、東京電力は二〇一六年に法的分離を行うという計画を出されているわけでありまして、日本の他の電力会社に関しましても、この改革に資する発送電分離という施策をできる限り早く実施するということをお願いしたいと思っております。
もう一点、この図からわかることは、種別についてです。世界的、特に欧米先進国ということで見ますと、やはり所有権分離というものが主流である。アメリカは、基本的には機能分離、ISO、独立系統運用機関をつくるということが主になっておりますけれども、アメリカの中でも、例えばテキサス州とかニューヨーク州とか、一部では、発電部門を売り払って送電会社のみになるという、いわゆる所有権分離に該当するような例もございます。
したがいまして、所有権分離というものが競争の促進、送電網の中立化ということからすれば最も理想的な形態であるということは、欧州の政策当局者と議論をしていても、あるいは欧州の送電会社と議論をしていても一般的な認識でございます。
おもしろい例がドイツでございまして、この真ん中のもの、矢印が伸びていますけれども、もともとドイツは法的分離を選択しました。ドイツも日本と同じように電力会社が民間企業でしたので、やはりなかなか私的所有権の観点から所有権分離はできないという事情がございました。ですので法的分離から始まったわけなんですけれども、やはり法的分離では不十分だったということで、後々、電力会社あるいは規制当局などとのいろいろと交渉なりもございまして、最終的には二〇一〇年前後に電力会社の経営判断として所有権分離を選択した。一部まだ法的分離で残っている会社もございますけれども、ドイツですら、近年、所有権分離を選択してきている。要するに、法的分離から所有権分離に移行したんだという経緯がございます。
日本については、これは審議会でも議論をしました。私も法的分離に賛成をいたしました。今回の段階で法的分離をするのが適切であると思っております。
ただ、将来的なことを考えれば、やはり送電事業の発展あるいは再生可能エネルギーを統合していく、スマート化を進めていくというようなことを考え合わせれば、やはり送電会社が子会社ではなくて独立した会社になるということが最も経営合理的であるというふうに考えております。ですので、そこはもちろん民間企業の経営判断になりますが、政府としましても、所有権分離にインセンティブを与えるような施策を打っていくといったようなことを期待しております。
このような、所有権分離にしろ法的分離にしろ発送電分離をするということになりますと、どうしてもやはり安定供給というところが懸念されるわけなんですけれども、最後の四ページ目のところに、いわゆる停電時間というものの推移のグラフをまとめてあります。
日本は、世界的に見て極めて停電時間が短い。これは本当に電力会社さんの努力のたまものだと私も思っているわけです。もちろん震災の直後のような例外的な事例はあるわけですけれども、ずっと過去、世界で最も短い停電時間を実現した。
ただ、見ていただきたいんですが、デンマークとかドイツ、一番下のところ、緑とか黄色の点線、デンマークとかドイツといったような国も決して日本に負けているわけではない。これらの国は、再生可能エネルギー、いわゆる変動電源が日本の十倍ぐらい入っている国ですので、こういう国でも当然、所有権分離、送電会社が独立をしているわけですが、送電会社の努力あるいは技術革新によって十分な安定供給を保っている。
あるいは、スペインのような国、紫色のところなんですけれども、日本よりも圧倒的に停電時間が長いわけです。スペインも日本よりも十倍ぐらい変動電源が入っている国ですが、ごらんのとおり、歴史的な推移とすれば、ここ十年ぐらい停電時間を減らしてきているわけですね。
ですので、欧州の方と議論をすると、今後、送電ビジネスといったものが極めて重要だ、投資もたくさんしないといけないし、技術革新も期待されるということもございますので、新たな安定供給の仕組みをつくるという観点から発送電分離は極めて重要であると。
日本も、さまざまな議論を経て、新しい電力システム、分散型の電力システムを構築していくという方向に今回の法改正が寄与するということを期待しておりまして、その方向で審議をしていただけるよう、切に願う所存でございます。
以上、御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今回、このような機会を与えていただき、ありがとうございます。
私は、今は大学の教員をしておりますけれども、三月末までは富士通総研と申します民間のシンクタンクで電力システム改革の研究をしておりました。その間には、資源エネルギー庁の電力システム改革専門委員会の委員をさせていただきまして、この審議会では、二〇一三年二月、約二年前だったと思いますけれども、当時、茂木経産大臣に対して報告書を提出した。この報告書の策定に若干かかわらせていただいたという背景がございます。
したがいまして、今般の電力システム改革、電気事業法の改正につきましては、基本的に賛同をしております。その上で、さらにこのような改善方向にしていけばいいのではないかという立場から発言をさせていただきたいというふうに思っております。
主に二点ございまして、一点目が、総論、そもそもなぜこのような改革をするのかという電力システム改革の目的を、あえてもう一度確認させていただきたいと思います。二点目が、各論として、今回の電事法の改正の一番の柱である発送電分離について意見を申し上げます。
お手元に資料があると思います。まず、電力システム改革のそもそもの目的というところからです。
今回、第三段階の法改正でございますので、先生方におかれましては、もうよくわかっているというようなお気持ちもあるかとは思いますけれども、やはり、どうしても各論、技術論に入ってまいりますと、場合によっては木を見て森を見ずといったようなことになってはいけませんので、あえて、どうしてその改革をするのかという目的を確認したいという趣旨でございます。
では、電力システム改革の目的は何なのかということなんですけれども、先ほど申し上げた二年前の報告書、これの冒頭の部分に極めて明快に書かれています。この一枚目のスライドの文章はまさにそこから私が引用したものなんですけれども、この一番上の部分、この一文は私は大好きでよく引用をさせてもらうわけなんですけれども、「料金規制と地域独占によって実現しようとしてきた「安定的な電力供給」」、これを今後は「国民に開かれた電力システムの下で、事業者や需要家の「選択」や「競争」を通じた創意工夫によって実現する」、これは名文だと思います。今回の電力システム改革の本質を一言であらわした文章であります。
このポイントは、安定供給のためにやるんだということです。よく、競争すれば電気料金が下がるとか、そういう側面ばかりが強調されがちです。もちろん、そういう側面もあります。非常に重要ですけれども、先ほど八木会長からも御指摘があったとおり、安定供給が極めて重要なわけでありまして、それを新たな仕組みに進化させる、これが今回の改革の一番の目的だと思っています。
どうしてそういう改革が必要なのか。この辺はもう本当に復習になりますけれども、やはり、福島原発事故が起きたことによってこの改革をしようという機運が高まった、まさにそのとおりでございます。特に、震災後の環境変化というものがやはり同じ報告書の中で大きく四つ指摘されておりまして、この青字の部分なわけなんですけれども、「原子力発電への信頼が揺らいだ」。原子力発電依存度、数字についてはいろいろな御意見があるとは思いますけれども、震災前の水準より下がるということは間違いないだろう。政府もそのような方針を出していらっしゃる。その際には、当然安全規制も強化されましたし、コストも増大をしている。
では、原子力発電が減らざるを得ないというときにどうするのか。それが次の二番目でありまして、再エネやコジェネなどの分散型電源の一層の活用、これは先ほど橘川先生も御指摘になったとおりであります。ただ、このような分散型電源、これまで日本では極めて量は少なかったわけなんですけれども、原子力や石炭といったような集中型電源を受け入れるための仕組みと分散型電源を受け入れるための仕組み、電力システムは大きく異なります。だからこそ、電力システムの改革が必要であるという話になるわけです。
三点目が価格による需給調整、これは、私も東京に住んでおりますので、計画停電に直面いたしました。やはりどうしても供給力が逼迫するとき、今後もいつか起きるかもしれません。しかしながら、価格メカニズムを多少なりとも使えば、もう少し、より柔軟な形で需給調整ができるのではないか。これまでは、やはりお客様、消費者の方に御迷惑をおかけしてはいけないというような配慮もあったかもしれませんけれども、今はスマートメーターとか、そういうITの機器もかなり進歩しておりますので、そういう機器の力もかりて、消費者の方にもディマンドレスポンスというような形で需給調整に協力していただく、これも非常に重要な、新たな分散型の仕組みになるわけです。
四つ目が、いわゆる広域運用ということです。地域別に電力会社さんが切磋琢磨して需給の責任を持ってきた。これがこれまでの仕組みで、大きな成果も上げたわけですが、やはり経済合理的に考えれば、広いエリアでもって需給バランスをとる、これは、以前の、これまでの電気事業法にも広域的運用という項目があったことからも明らかでありまして、ただ、なかなかこれまでそういう仕組みに改革することができていなかった、今後は全国大で需給調整を行う仕組みにしよう、これが四点目の広域運用の話です。
ここまでの話は、報告書に書いてある審議会としての一つの結論なわけなんですけれども、これを私なりに言いかえたのが次の二ページ目でありまして、電力システム自体を集中管理型から自律分散型へ移行していくんだということであります。
電源の構成を見直していく、これはもちろん当然でございますけれども、それだけではなくて、独占の仕組みを競争ベースにしていく。
あるいは送配電ネットワーク、これまでは地域別で基本的には閉鎖的なものであったわけですけれども、これを広域的に有効活用していく、多くのプレーヤーが自由に、公正に使えるようにしていく。
したがって、産業構造も、これまでは垂直一貫だったわけですけれども、水平分業化していく。もう既に免許制という法律が通っておりますけれども、要するに、送電ビジネスと発電ビジネスと小売ビジネスというのは、今後は違った行動原理に基づくことになる、したがって、それらの業界というものの垣根をしっかり分けましょうという側面もあるわけです。
最後に、消費者の役割。これまでは、ある意味、我々消費者は非常に恵まれていたのかもしれません。自由に好きなだけ電力が使えるという、非常にありがたい環境だったかもしれません。ただ、それは一方で受動的であり、かつ均一であった。均一であることに価値があるという議論もあるかもしれませんけれども、今後は、より能動的かつ多様になっていく。そういう中で、いかにその複雑なシステムを構築していくのかということが今問われているわけです。
今申し上げたような変遷、転換というものは、むしろ、欧米諸国ではもう既に当たり前のものとなっているわけです。電力自由化について言えば、もう十年前、二十年前から、欧米諸国は発送電分離も含めて進めていらっしゃるわけですし、再生可能エネルギーを、例えば二〇三〇年断面で四〇%ぐらいにしていこう、五〇%ぐらいにしていこうというのも、おおむね欧米諸国の一般的な、共通的な目標となっているわけです。
したがって、日本もようやくそういう改革をする段階に入ったのかというところがポイントでありまして、今、エネルギーミックスの話ですとか、再生可能エネルギー、原子力ですとか、電源別、電源ごとの議論も行われています。エネルギー政策は本当に今重要な局面にあるわけなんですけれども、まさにそういうエネルギー政策全体の、特に電力という意味では基盤をつくるのが今回の電力システム改革であり、そういう観点から自律分散型の仕組みに改造していくんだという趣旨をもう一度確認させていただきたいと思います。
ここまでが総論の話でありまして、次が各論、発送電分離について意見を申し上げます。
三ページ目のところです。「法的分離から所有権分離へ」というスライドでございます。
こちらの図は、横軸が一九九〇とか二〇〇〇とか書いてあります。これは時間軸ですね。一般に、発送電分離については、所有権分離、法的分離、機能分離という三種類がございますので、では、どの国がいつごろ発送電分離に踏み切ったのかということをプロットした図であります。
この図からわかること、まず一点目が、世界の主要国、中国とか韓国とかアジアの国も加えていますけれども、多くの国はもう発送電分離を終えているという事実であります。おおむね二〇〇〇年代半ばぐらいまでには、主要国というのは発送電分離を大体終えている。アメリカについては州によって異なりますので、下の灰色のところですね、テキサス州、ニューヨーク州、カリフォルニア州というような形で書かれていますけれども、大体、多くの国は、おおむね二〇〇〇年代ぐらいまでに発送電分離を終えている。
日本は、今回の法案では、二〇二〇年に行うことといったような条文になっているわけです。ですので、日本は、ある意味後発なわけであります。後発というのはデメリットばかりではなくて、他国から学べるというメリットもございます。発送電分離については、いろいろと懸念の声もあるということは私も承知しておりますが、これだけ諸外国がやってきた改革、ここから学んで、よりスピーディーに、的確に実施をする。
例えば、東京電力は二〇一六年に法的分離を行うという計画を出されているわけでありまして、日本の他の電力会社に関しましても、この改革に資する発送電分離という施策をできる限り早く実施するということをお願いしたいと思っております。
もう一点、この図からわかることは、種別についてです。世界的、特に欧米先進国ということで見ますと、やはり所有権分離というものが主流である。アメリカは、基本的には機能分離、ISO、独立系統運用機関をつくるということが主になっておりますけれども、アメリカの中でも、例えばテキサス州とかニューヨーク州とか、一部では、発電部門を売り払って送電会社のみになるという、いわゆる所有権分離に該当するような例もございます。
したがいまして、所有権分離というものが競争の促進、送電網の中立化ということからすれば最も理想的な形態であるということは、欧州の政策当局者と議論をしていても、あるいは欧州の送電会社と議論をしていても一般的な認識でございます。
おもしろい例がドイツでございまして、この真ん中のもの、矢印が伸びていますけれども、もともとドイツは法的分離を選択しました。ドイツも日本と同じように電力会社が民間企業でしたので、やはりなかなか私的所有権の観点から所有権分離はできないという事情がございました。ですので法的分離から始まったわけなんですけれども、やはり法的分離では不十分だったということで、後々、電力会社あるいは規制当局などとのいろいろと交渉なりもございまして、最終的には二〇一〇年前後に電力会社の経営判断として所有権分離を選択した。一部まだ法的分離で残っている会社もございますけれども、ドイツですら、近年、所有権分離を選択してきている。要するに、法的分離から所有権分離に移行したんだという経緯がございます。
日本については、これは審議会でも議論をしました。私も法的分離に賛成をいたしました。今回の段階で法的分離をするのが適切であると思っております。
ただ、将来的なことを考えれば、やはり送電事業の発展あるいは再生可能エネルギーを統合していく、スマート化を進めていくというようなことを考え合わせれば、やはり送電会社が子会社ではなくて独立した会社になるということが最も経営合理的であるというふうに考えております。ですので、そこはもちろん民間企業の経営判断になりますが、政府としましても、所有権分離にインセンティブを与えるような施策を打っていくといったようなことを期待しております。
このような、所有権分離にしろ法的分離にしろ発送電分離をするということになりますと、どうしてもやはり安定供給というところが懸念されるわけなんですけれども、最後の四ページ目のところに、いわゆる停電時間というものの推移のグラフをまとめてあります。
日本は、世界的に見て極めて停電時間が短い。これは本当に電力会社さんの努力のたまものだと私も思っているわけです。もちろん震災の直後のような例外的な事例はあるわけですけれども、ずっと過去、世界で最も短い停電時間を実現した。
ただ、見ていただきたいんですが、デンマークとかドイツ、一番下のところ、緑とか黄色の点線、デンマークとかドイツといったような国も決して日本に負けているわけではない。これらの国は、再生可能エネルギー、いわゆる変動電源が日本の十倍ぐらい入っている国ですので、こういう国でも当然、所有権分離、送電会社が独立をしているわけですが、送電会社の努力あるいは技術革新によって十分な安定供給を保っている。
あるいは、スペインのような国、紫色のところなんですけれども、日本よりも圧倒的に停電時間が長いわけです。スペインも日本よりも十倍ぐらい変動電源が入っている国ですが、ごらんのとおり、歴史的な推移とすれば、ここ十年ぐらい停電時間を減らしてきているわけですね。
ですので、欧州の方と議論をすると、今後、送電ビジネスといったものが極めて重要だ、投資もたくさんしないといけないし、技術革新も期待されるということもございますので、新たな安定供給の仕組みをつくるという観点から発送電分離は極めて重要であると。
日本も、さまざまな議論を経て、新しい電力システム、分散型の電力システムを構築していくという方向に今回の法改正が寄与するということを期待しておりまして、その方向で審議をしていただけるよう、切に願う所存でございます。
以上、御清聴ありがとうございました。拍手
江
江
白
白石徹#11
○白石委員 本日は、参考人の皆様、本当にお忙しいところ、おいでをいただきましてありがとうございます。また、皆様から示唆に富んだ御意見を賜りまして、本当に勉強をさせていただいている、そんな実感がありました。
戦後ちょうど七十年になって、この七十年間で今が最も変革の時期ではないかな、そんな感じがする中で、政治家として活動をさせていただいていること、また、社会全体を変革に導いていく役割を、政治家としてその一端を担わせていただいていること、それに感謝をさせていただきながら、質問をさせていただきたいと思います。
その分、変革への道のりは、先ほど皆様がおっしゃられたように、失敗をするわけにはいかない。失敗は許されない変革への道のりを歩んでいくためにも、このような段階を踏んだ法の改正というのは有効であるというふうに思っておりますし、何よりも、先ほど八木会長もおっしゃっておられましたけれども、例えば安定供給のための分離に伴う補完の措置はどういうふうにするのか。いわゆる変革への道のりを歩みながら、環境を整備していく責任というものも我々にあるというふうに思っております。
なおかつ、今回の法律の大きなところでありますけれども、その法改正、例えば来年から小売の自由化が始まりますけれども、それと同時に、いわゆる検証を始めていく。その検証によって、できるだけ早い対応をしていく。また、二〇二〇年からは、今回の法律のいわゆる法的分離が始まった上でも、やはり検証をしながら、それに対応していくということが最も重要なところではないかなというふうに思っているわけであります。
そういう中で、今回の電事法の改正でありますけれども、特に、私が興味がございますいわゆる総合エネルギー産業を創生していくというところでありますけれども、まず最初に、エネルギー改革の全体像として、これは橘川先生と高橋先生にお伺いをさせていただきたいんです。
橘川先生には、今、いわゆる提案も頂戴させていただいたような気がいたしました。特に、エネルギーのバランス等について、また二国間のいわゆる排出権取引の提案なども頂戴させていただいたわけですけれども、例えば、市場の自由化がずっと進む中で、当然、投資家から考えれば、投資効率のいい石炭に走ってしまうという可能性が出てくるのではないか。それをいわゆる規制する必要が出てこないか。これは自由市場ですから、投資家の考えで物事は進んでいくんでしょうけれども、逆に言えば、再生エネルギーをどんどん進めていくことによって、いわゆるバックアップ電源としての火力発電に投資した人にミッシングコストが生じる可能性もある。
その辺のバランスというのは大変重要だと思うんですけれども、それを進めていく上で、自由化市場を監視するシステムというか、監視をしていく必要性がある場合に、誰がどのように監視をしていくかということについて、先生から御意見を賜りたいと思います。
できれば、FITの先生のお考え、FITがこれからどうあるべきかというところも、御意見を賜れればありがたいというふうに思います。
それと、高橋先生には、いわゆる当初から総研として携わっておられたお立場の中で、今、集中管理から自律分散型へという話もございました。そういう話の中で、新しい価値を生み出していくということは、その新しい価値とはどういうものなのか。新規参入とかそういうお話もいただきましたけれども、その新しい価値というものはどういうものなのかということと、先ほどお話にもありましたけれども、海外の教訓をどのように日本に生かすかということについて、もう少しお話をいただければありがたいと思います。
特に、例えばドイツが先進といいますけれども、ヨーロッパ全体でいえば、エネルギーバランスというのは、日本のいわゆる震災前とそんなに変わらないんじゃないかと私は思うんです。先進のアメリカでも、四十九州のうち六州か七州しか自由化はやっていない。しかも、カリフォルニアでの失敗の事例もあります。そのあたり、教訓として、また先進事例としてどのように学ぶべきかということについてもお話をいただきたいというふうに思います。
それと、八木会長、総合エネルギー産業を創出していく上での業界の再編成について、ぜひ会長の御意見を賜りたいと思います。
とりあえず、お三人にお願いします。
この発言だけを見る →戦後ちょうど七十年になって、この七十年間で今が最も変革の時期ではないかな、そんな感じがする中で、政治家として活動をさせていただいていること、また、社会全体を変革に導いていく役割を、政治家としてその一端を担わせていただいていること、それに感謝をさせていただきながら、質問をさせていただきたいと思います。
その分、変革への道のりは、先ほど皆様がおっしゃられたように、失敗をするわけにはいかない。失敗は許されない変革への道のりを歩んでいくためにも、このような段階を踏んだ法の改正というのは有効であるというふうに思っておりますし、何よりも、先ほど八木会長もおっしゃっておられましたけれども、例えば安定供給のための分離に伴う補完の措置はどういうふうにするのか。いわゆる変革への道のりを歩みながら、環境を整備していく責任というものも我々にあるというふうに思っております。
なおかつ、今回の法律の大きなところでありますけれども、その法改正、例えば来年から小売の自由化が始まりますけれども、それと同時に、いわゆる検証を始めていく。その検証によって、できるだけ早い対応をしていく。また、二〇二〇年からは、今回の法律のいわゆる法的分離が始まった上でも、やはり検証をしながら、それに対応していくということが最も重要なところではないかなというふうに思っているわけであります。
そういう中で、今回の電事法の改正でありますけれども、特に、私が興味がございますいわゆる総合エネルギー産業を創生していくというところでありますけれども、まず最初に、エネルギー改革の全体像として、これは橘川先生と高橋先生にお伺いをさせていただきたいんです。
橘川先生には、今、いわゆる提案も頂戴させていただいたような気がいたしました。特に、エネルギーのバランス等について、また二国間のいわゆる排出権取引の提案なども頂戴させていただいたわけですけれども、例えば、市場の自由化がずっと進む中で、当然、投資家から考えれば、投資効率のいい石炭に走ってしまうという可能性が出てくるのではないか。それをいわゆる規制する必要が出てこないか。これは自由市場ですから、投資家の考えで物事は進んでいくんでしょうけれども、逆に言えば、再生エネルギーをどんどん進めていくことによって、いわゆるバックアップ電源としての火力発電に投資した人にミッシングコストが生じる可能性もある。
その辺のバランスというのは大変重要だと思うんですけれども、それを進めていく上で、自由化市場を監視するシステムというか、監視をしていく必要性がある場合に、誰がどのように監視をしていくかということについて、先生から御意見を賜りたいと思います。
できれば、FITの先生のお考え、FITがこれからどうあるべきかというところも、御意見を賜れればありがたいというふうに思います。
それと、高橋先生には、いわゆる当初から総研として携わっておられたお立場の中で、今、集中管理から自律分散型へという話もございました。そういう話の中で、新しい価値を生み出していくということは、その新しい価値とはどういうものなのか。新規参入とかそういうお話もいただきましたけれども、その新しい価値というものはどういうものなのかということと、先ほどお話にもありましたけれども、海外の教訓をどのように日本に生かすかということについて、もう少しお話をいただければありがたいと思います。
特に、例えばドイツが先進といいますけれども、ヨーロッパ全体でいえば、エネルギーバランスというのは、日本のいわゆる震災前とそんなに変わらないんじゃないかと私は思うんです。先進のアメリカでも、四十九州のうち六州か七州しか自由化はやっていない。しかも、カリフォルニアでの失敗の事例もあります。そのあたり、教訓として、また先進事例としてどのように学ぶべきかということについてもお話をいただきたいというふうに思います。
それと、八木会長、総合エネルギー産業を創出していく上での業界の再編成について、ぜひ会長の御意見を賜りたいと思います。
とりあえず、お三人にお願いします。
橘
橘川武郎#12
○橘川参考人 御質問どうもありがとうございました。
まず、総合エネルギー企業ですが、私は、エネルギーセキュリティーの一番のポイントというのは、その国に国際競争力を持った総合エネルギー企業があるかないかということだと思います。そこのポイントは、国際競争力であるので、ちゃんと市場で勝てるような力がないといけないわけでありまして、監視のポイントは、保護してげたを履かせて強くしても国際競争力にはなりませんので、きちんと競争に耐え得るような会社かどうかというのがチェックのポイントになってくると思います。
具体的な話でいきますと、石炭に関して言うと、私は、今、四十年でもし原発をとめていきますと、大体二十五ギガワットぐらい減るわけですが、それをベースロード電源で埋めなきゃいけないとすると、大体五ギガワットぐらいが石炭で、二十ギガワットぐらいがLNGじゃないかと思います。ところが、今、手が挙がっています石炭の計画というのは、いろいろな計算があるんですけれども、十五ギガワットとか、場合によっては二十ギガワットくらいに上がっていまして、やはりちょっと課題があると思います。
特に、環境アセスメントが楽だということで、十一万キロワット以下のミニ石炭バブルみたいなものが起きているんですが、これは熱効率も悪いので、こういうものがやはり規制の対象になる。だから、規制すべきものとそうでないものの使い分け、最終的に市場で勝負できるような企業をつくり上げていくような政策というのが一番大事なんじゃないかと思います。
それから、FITについては、私自身はFITそのものよりもその先の方が大事だと思っていますが、現在始まっていますFITの見直しというのが必要だと思います。
ただ、ドイツの例を見ましても、もう少し、先ほど手塚参考人が言われたような、日本経済に資する、特に中小企業を中心とするエネルギー多消費産業に対する減免措置が、ドイツに比べるとまだ弱いのではないかというふうに思いますので、そこのところは考慮の余地があるのではないかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →まず、総合エネルギー企業ですが、私は、エネルギーセキュリティーの一番のポイントというのは、その国に国際競争力を持った総合エネルギー企業があるかないかということだと思います。そこのポイントは、国際競争力であるので、ちゃんと市場で勝てるような力がないといけないわけでありまして、監視のポイントは、保護してげたを履かせて強くしても国際競争力にはなりませんので、きちんと競争に耐え得るような会社かどうかというのがチェックのポイントになってくると思います。
具体的な話でいきますと、石炭に関して言うと、私は、今、四十年でもし原発をとめていきますと、大体二十五ギガワットぐらい減るわけですが、それをベースロード電源で埋めなきゃいけないとすると、大体五ギガワットぐらいが石炭で、二十ギガワットぐらいがLNGじゃないかと思います。ところが、今、手が挙がっています石炭の計画というのは、いろいろな計算があるんですけれども、十五ギガワットとか、場合によっては二十ギガワットくらいに上がっていまして、やはりちょっと課題があると思います。
特に、環境アセスメントが楽だということで、十一万キロワット以下のミニ石炭バブルみたいなものが起きているんですが、これは熱効率も悪いので、こういうものがやはり規制の対象になる。だから、規制すべきものとそうでないものの使い分け、最終的に市場で勝負できるような企業をつくり上げていくような政策というのが一番大事なんじゃないかと思います。
それから、FITについては、私自身はFITそのものよりもその先の方が大事だと思っていますが、現在始まっていますFITの見直しというのが必要だと思います。
ただ、ドイツの例を見ましても、もう少し、先ほど手塚参考人が言われたような、日本経済に資する、特に中小企業を中心とするエネルギー多消費産業に対する減免措置が、ドイツに比べるとまだ弱いのではないかというふうに思いますので、そこのところは考慮の余地があるのではないかと思います。
以上です。
高
高橋洋#13
○高橋参考人 二点、御質問をいただいたというふうに思っております。
まず、電力システム改革、特に電力自由化による新しい価値とはいかなるものかという御質問にお答えをいたします。
電力の小売という観点から見ますと、やはり消費者にとっての価値をいかに高めるのかというところが一つ大きなポイントになるわけですが、電力そのものの市場自体は、今後、今も節電がかなりきいておりますし、大きく伸びていくというふうに考えられないと思っております。
では、何が魅力かというと、やはり電力そのものの売り買いではなくて、それにまつわるサービスというものがたくさん出てくるということが、ある意味、競争の鍵でもあり、かつ消費者が求めているところなのかと思います。
具体的に申し上げますと、例えば今スマートメーター、政府と電力会社が一体になって導入を進めているわけですが、スマートメーターが各家庭に入ることによって、柔軟な時間帯別の料金ですとかディマンドレスポンスといったようなサービスが可能になります。
あるいは、その上で、例えば御家庭に、今、蓄電池が入っている自動車、例えばハイブリッド車ですとか電気自動車というものも普及してきております。ですので、その蓄電機能を使って、家の中でエネルギーマネジメントをする、最適化をするといったようなことも、技術的にはもう十分可能になってきています。
あるいは、太陽光パネルをつけている御家庭ですとか工場ですとか、要するに、これまで純粋な受動的な消費活動をする主体にすぎなかったプレーヤーが、発電をしたり蓄電をしたり、効果的にスマートな節電をするといったようなことが可能になってきておりますので、やはりこういう分野にいかに電力会社あるいは新規参入者が効果的なサービスを提供できるのか。
電気料金そのものは余り変わらなかったとしても、そういう使い方を変える、あるいはそれ以外の付加価値をつけ加えるというところが非常に重要でありまして、そういう分野に私は大変期待しているということでございます。
二つ目の、欧州など欧米の事例からの教訓ということですけれども、これは当然いろいろな教訓がございます。
例えば発送電分離について申し上げますと、私、先ほど申し上げましたとおり、基本的には賛成、特に所有権分離をするべきだという立場なんですけれども、その際には、やはり、送電会社のビジネスというものがここ十年ぐらいの間に大きく変わってきています。いろいろと設備投資をたくさん積極的にされていますし、あるいは、例えば気象予測をうまく使って再生可能エネルギーの変動性を吸収するだとか、広域運用、これも欧州は国境を越えてやるということも当たり前になってきています。
そういう情報システムも含めて、系統運用のノウハウといったものが新しい仕組みに応じてつくりかえられようとしています。ですので、日本も今後そういう方向に向かうということだと思いますので、そういうところは十分に学ぶことができると思います。
他方で、停電等が起きているじゃないかという御議論もあるわけです。これはそれぞれいろいろな理由がございまして、ヒューマンエラー的な、ある意味、どういう仕組みにしようが起きる停電もございます。あるいは、よく言われる十年ほど前のカリフォルニア州の事例について言えば、いわゆる規制の失敗が原因である、卸価格の規制と消費者レベルの小売の規制というもののアンバランスの結果、ああいうことが起きたといったような検証がなされているところでございます。
やはり、システムを大きく変えるということはそれなりに不確実性やリスクも伴いますので、当然そこは慎重に着実にやる必要はある。ですので、先ほどから検証というような話も出ていますけれども、そういう着実にやる、だからこそ、欧米の事例をしっかり学んで、できることは当然スピーディーにやる、そのバランスをいかにとっていくかということが問われていると考えます。
この発言だけを見る →まず、電力システム改革、特に電力自由化による新しい価値とはいかなるものかという御質問にお答えをいたします。
電力の小売という観点から見ますと、やはり消費者にとっての価値をいかに高めるのかというところが一つ大きなポイントになるわけですが、電力そのものの市場自体は、今後、今も節電がかなりきいておりますし、大きく伸びていくというふうに考えられないと思っております。
では、何が魅力かというと、やはり電力そのものの売り買いではなくて、それにまつわるサービスというものがたくさん出てくるということが、ある意味、競争の鍵でもあり、かつ消費者が求めているところなのかと思います。
具体的に申し上げますと、例えば今スマートメーター、政府と電力会社が一体になって導入を進めているわけですが、スマートメーターが各家庭に入ることによって、柔軟な時間帯別の料金ですとかディマンドレスポンスといったようなサービスが可能になります。
あるいは、その上で、例えば御家庭に、今、蓄電池が入っている自動車、例えばハイブリッド車ですとか電気自動車というものも普及してきております。ですので、その蓄電機能を使って、家の中でエネルギーマネジメントをする、最適化をするといったようなことも、技術的にはもう十分可能になってきています。
あるいは、太陽光パネルをつけている御家庭ですとか工場ですとか、要するに、これまで純粋な受動的な消費活動をする主体にすぎなかったプレーヤーが、発電をしたり蓄電をしたり、効果的にスマートな節電をするといったようなことが可能になってきておりますので、やはりこういう分野にいかに電力会社あるいは新規参入者が効果的なサービスを提供できるのか。
電気料金そのものは余り変わらなかったとしても、そういう使い方を変える、あるいはそれ以外の付加価値をつけ加えるというところが非常に重要でありまして、そういう分野に私は大変期待しているということでございます。
二つ目の、欧州など欧米の事例からの教訓ということですけれども、これは当然いろいろな教訓がございます。
例えば発送電分離について申し上げますと、私、先ほど申し上げましたとおり、基本的には賛成、特に所有権分離をするべきだという立場なんですけれども、その際には、やはり、送電会社のビジネスというものがここ十年ぐらいの間に大きく変わってきています。いろいろと設備投資をたくさん積極的にされていますし、あるいは、例えば気象予測をうまく使って再生可能エネルギーの変動性を吸収するだとか、広域運用、これも欧州は国境を越えてやるということも当たり前になってきています。
そういう情報システムも含めて、系統運用のノウハウといったものが新しい仕組みに応じてつくりかえられようとしています。ですので、日本も今後そういう方向に向かうということだと思いますので、そういうところは十分に学ぶことができると思います。
他方で、停電等が起きているじゃないかという御議論もあるわけです。これはそれぞれいろいろな理由がございまして、ヒューマンエラー的な、ある意味、どういう仕組みにしようが起きる停電もございます。あるいは、よく言われる十年ほど前のカリフォルニア州の事例について言えば、いわゆる規制の失敗が原因である、卸価格の規制と消費者レベルの小売の規制というもののアンバランスの結果、ああいうことが起きたといったような検証がなされているところでございます。
やはり、システムを大きく変えるということはそれなりに不確実性やリスクも伴いますので、当然そこは慎重に着実にやる必要はある。ですので、先ほどから検証というような話も出ていますけれども、そういう着実にやる、だからこそ、欧米の事例をしっかり学んで、できることは当然スピーディーにやる、そのバランスをいかにとっていくかということが問われていると考えます。
八
八木誠#14
○八木参考人 八木でございます。
エネルギー業界の再編の可能性についての御質問にお答え申し上げます。
今回の法案は、冒頭に申し上げましたように、電力だけでなく、ガスや熱事業も含めて制度改革を一体的に進める、そういうことで総合的なエネルギー市場をつくり上げることが、お客様のエネルギー選択の自由度あるいは利益の向上につながる、こういう趣旨だと理解しております。
そういう趣旨から申し上げますと、私ども一般電気事業者といたしましても、これまでのようなエネルギー間の垣根を越えて、電気だけでなくガスも含めて、お客様にベストなエネルギーを御提供する。つまり、総合エネルギー事業に進化していくというのが大きな目標だと思っています。そうしたことによってお客様のお役に立てるとともに我が国のエネルギー事業全体をリードしていきたい、そういう気概で取り組んでまいりたいと思っています。
そういう過程の中で、御指摘のような、例えば今後、企業間のアライアンスとかあるいは合併とか、これは十分検討の対象になり得るものと思っております。ただ、これはあくまでも各社の事業戦略あるいは経営戦略によるものでもございますし、また何よりも、これはお客様の、やはり、我々は低廉で安定的なエネルギーをお送りする、そういう目的に合致しないといけないと思っています。
そういったことを踏まえながら、今後検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →エネルギー業界の再編の可能性についての御質問にお答え申し上げます。
今回の法案は、冒頭に申し上げましたように、電力だけでなく、ガスや熱事業も含めて制度改革を一体的に進める、そういうことで総合的なエネルギー市場をつくり上げることが、お客様のエネルギー選択の自由度あるいは利益の向上につながる、こういう趣旨だと理解しております。
そういう趣旨から申し上げますと、私ども一般電気事業者といたしましても、これまでのようなエネルギー間の垣根を越えて、電気だけでなくガスも含めて、お客様にベストなエネルギーを御提供する。つまり、総合エネルギー事業に進化していくというのが大きな目標だと思っています。そうしたことによってお客様のお役に立てるとともに我が国のエネルギー事業全体をリードしていきたい、そういう気概で取り組んでまいりたいと思っています。
そういう過程の中で、御指摘のような、例えば今後、企業間のアライアンスとかあるいは合併とか、これは十分検討の対象になり得るものと思っております。ただ、これはあくまでも各社の事業戦略あるいは経営戦略によるものでもございますし、また何よりも、これはお客様の、やはり、我々は低廉で安定的なエネルギーをお送りする、そういう目的に合致しないといけないと思っています。
そういったことを踏まえながら、今後検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
白
白石徹#15
○白石委員 ありがとうございます。
今、全体像としてのいわゆる総合エネルギー産業の創出について、各視点から意見を頂戴させていただきました。これについて、また後ほど質問をさせていただきたいと思うんですが、産業と今回の電事法の改革の関係という意味で先ほど橘川先生も少しお話をいただきましたけれども、産業にもう少し賦課金の優遇措置をしなきゃいけないじゃないかというお話をいただきました。手塚社長には、私、実は、主婦から企業家へ転身して、そして会社を再建された、その御講演をいただきたいんですけれども、きょうの場は電事法の改革の場でございますので、電事法についてお伺いをいたします。
今お話をさせていただきました、産業をしっかりと成長できるようにする意味で、この電事法の改革はやはりあるわけでありまして、それに対して、手塚社長は、先ほどの賦課金の補助のこともしかりでございますけれども、これから電事法の改革、そして自由化が進む中で、こういうことを望みたいということがございましたら、ぜひ御意見を賜りたいと思います。
この発言だけを見る →今、全体像としてのいわゆる総合エネルギー産業の創出について、各視点から意見を頂戴させていただきました。これについて、また後ほど質問をさせていただきたいと思うんですが、産業と今回の電事法の改革の関係という意味で先ほど橘川先生も少しお話をいただきましたけれども、産業にもう少し賦課金の優遇措置をしなきゃいけないじゃないかというお話をいただきました。手塚社長には、私、実は、主婦から企業家へ転身して、そして会社を再建された、その御講演をいただきたいんですけれども、きょうの場は電事法の改革の場でございますので、電事法についてお伺いをいたします。
今お話をさせていただきました、産業をしっかりと成長できるようにする意味で、この電事法の改革はやはりあるわけでありまして、それに対して、手塚社長は、先ほどの賦課金の補助のこともしかりでございますけれども、これから電事法の改革、そして自由化が進む中で、こういうことを望みたいということがございましたら、ぜひ御意見を賜りたいと思います。
手
手塚加津子#16
○手塚参考人 御質問ありがとうございます。
私のお答えが妥当なものかちょっと心配でございますが、お答えさせていただきます。
個人的な見解でございますが、競争原理の働かないところに癒着とかおごりといったものが発生するのではないかと考えております。従来の原発事故の真の原因はやはりそこにあったのかもしれません。
私どもの同業の中でこういった事例がございました。つい先日ですが、変圧器、トランスがはねてしまいまして、会社じゅうの電気が通電できなくなった。それに至るまで何回も電気会社と交渉しておりましたが、遅々として交渉が進まず、ついに老朽化により変圧器が壊れてしまうということが起こった。また、起きてからも対応がなかなか進まない。要は、大企業病といいますか、今、競争原理が働かないところで電力事業者が非常に大企業としてのゆゆしき問題を抱えているのではないかと感じるわけであります。
電力会社にすれば、たった一事業者の小さな変圧器かもしれませんけれども、私どもにとっては、一日一日が生きるか死ぬかの戦いの中で、その変圧器が直せるのか直せないか、本当にその企業は大変な思いをしたわけで、電力会社がお客様である私たちを忘れないでいただきたいということを大変強く思うわけであります。
具体的に申しますと、先ほどのFITの賦課金に関して言えば、賦課金の減免を受けられる企業は、七十四社中のたった七社でしかないと申し上げました。それは、その減免の条件というものが、製造業全体の売上高分の電気量ということで、〇・七が製造業の平均でありますが、それの八倍を超えていなくてはいけない、また一ギガを超えていなくてはいけないというような条件が固定的にありますために、多くの中小企業はその減免を受けることができません。そういったことをもっと自由化していただくこと。また、ドイツの例でいえば、事業用、産業用の電気に関しては税金を大幅に減少させているというようなことで、私どもとしては、全体を通して安定的、安価な電力が供給されることを望んでいるわけでございます。
以上でよろしいでしょうか。
この発言だけを見る →私のお答えが妥当なものかちょっと心配でございますが、お答えさせていただきます。
個人的な見解でございますが、競争原理の働かないところに癒着とかおごりといったものが発生するのではないかと考えております。従来の原発事故の真の原因はやはりそこにあったのかもしれません。
私どもの同業の中でこういった事例がございました。つい先日ですが、変圧器、トランスがはねてしまいまして、会社じゅうの電気が通電できなくなった。それに至るまで何回も電気会社と交渉しておりましたが、遅々として交渉が進まず、ついに老朽化により変圧器が壊れてしまうということが起こった。また、起きてからも対応がなかなか進まない。要は、大企業病といいますか、今、競争原理が働かないところで電力事業者が非常に大企業としてのゆゆしき問題を抱えているのではないかと感じるわけであります。
電力会社にすれば、たった一事業者の小さな変圧器かもしれませんけれども、私どもにとっては、一日一日が生きるか死ぬかの戦いの中で、その変圧器が直せるのか直せないか、本当にその企業は大変な思いをしたわけで、電力会社がお客様である私たちを忘れないでいただきたいということを大変強く思うわけであります。
具体的に申しますと、先ほどのFITの賦課金に関して言えば、賦課金の減免を受けられる企業は、七十四社中のたった七社でしかないと申し上げました。それは、その減免の条件というものが、製造業全体の売上高分の電気量ということで、〇・七が製造業の平均でありますが、それの八倍を超えていなくてはいけない、また一ギガを超えていなくてはいけないというような条件が固定的にありますために、多くの中小企業はその減免を受けることができません。そういったことをもっと自由化していただくこと。また、ドイツの例でいえば、事業用、産業用の電気に関しては税金を大幅に減少させているというようなことで、私どもとしては、全体を通して安定的、安価な電力が供給されることを望んでいるわけでございます。
以上でよろしいでしょうか。
白
白石徹#17
○白石委員 手塚社長、ありがとうございます。
私の地元にも鋳物団地がございまして、ずっと聞いて回ってみますと、原価に占める電力費が大体二二%ぐらいの企業がほとんどで、今回の電力料金のアップは本当にもうしんからこたえているというようなことをよくお伺いしたりもしました。
今社長がおっしゃっていただいたいわゆる大企業病の話は、いわゆる企業家としての根本精神の問題ですから、これから我々も気をつけていかなければならないと思います。
また、FITの減免の条件とか、それと、何をおいても産業用の電力についての考え方、これもこれから課題として取り組んでいかなければならないというふうに思っています。
時間が参りましたので、あと一問、八木会長にお願いをしたいんですが、いわゆる再編ができた後、先ほど橘川先生、高橋先生も、海外に向けて事業を伸ばしていくその可能性を持つときに、どうしても今の、いわゆる自己資本比率が今一〇%ぐらいしかないような状況でさらに分離をして、そしてまた国際競争力を持つようなことができるのかどうか、それを私は少し疑問に思っているわけですけれども、そのあたりをどのように展望されているか。これは最後の質問です。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →私の地元にも鋳物団地がございまして、ずっと聞いて回ってみますと、原価に占める電力費が大体二二%ぐらいの企業がほとんどで、今回の電力料金のアップは本当にもうしんからこたえているというようなことをよくお伺いしたりもしました。
今社長がおっしゃっていただいたいわゆる大企業病の話は、いわゆる企業家としての根本精神の問題ですから、これから我々も気をつけていかなければならないと思います。
また、FITの減免の条件とか、それと、何をおいても産業用の電力についての考え方、これもこれから課題として取り組んでいかなければならないというふうに思っています。
時間が参りましたので、あと一問、八木会長にお願いをしたいんですが、いわゆる再編ができた後、先ほど橘川先生、高橋先生も、海外に向けて事業を伸ばしていくその可能性を持つときに、どうしても今の、いわゆる自己資本比率が今一〇%ぐらいしかないような状況でさらに分離をして、そしてまた国際競争力を持つようなことができるのかどうか、それを私は少し疑問に思っているわけですけれども、そのあたりをどのように展望されているか。これは最後の質問です。よろしくお願いします。
八
八木誠#18
○八木参考人 お答え申し上げます。
まず、企業として海外事業をどう見ているかということでございますけれども、私どもは、電力というのは、これまで、いわゆる電気の技術力というのを持っておりますし、いろいろな面で、地球環境問題、エネルギーの安定供給という面で、日本で頑張ってまいったと思っております。
そういう意味では、これから経済発展が見込まれる地域においては必ずインフラ整備をしていかないといけませんし、そういうインフラ整備の中で、地球環境問題、エネルギー安定供給などの問題も出てまいります。したがいまして、さまざまな期待が私ども日本の事業者にかかってくるといいますか、期待されると思っていますので、海外というのは非常にビジネスチャンスが拡大していくというふうに思っております。
そういう中で、御指摘のように、海外事業をやる場合にも、やはり本体の体力がしっかりしておりませんと、なかなかできないと思っております。
今現在は、やはり本体の事業の余力の中で、海外事業そのものも、ビジネスを目的にしているのではなく、我々が培ってきた技術力を海外で活用することによって、ある意味ではそこで我々も国際的な競争力がつく、そういうことで、国内の我々のこれからの競争環境下の競争力強化にもつながる、こういうふうな観点でございますので、今の海外の取り組みというのは、どちらかというと、少しまだ、全般的に、積極的にという状況ではございません。
したがいまして、御指摘のようにこれからの電力システム改革の中で、先ほど申し上げました大きな課題がございますが、ああいうふうな課題、例えば電力需給の改善あるいは原子力事業環境整備、こういったことによって、分離の中でも各事業が安定して営める環境になるということが海外ビジネスをやっていく上での大変大きなポイントになるんじゃないかと思っております。
以上でございます。
〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕
この発言だけを見る →まず、企業として海外事業をどう見ているかということでございますけれども、私どもは、電力というのは、これまで、いわゆる電気の技術力というのを持っておりますし、いろいろな面で、地球環境問題、エネルギーの安定供給という面で、日本で頑張ってまいったと思っております。
そういう意味では、これから経済発展が見込まれる地域においては必ずインフラ整備をしていかないといけませんし、そういうインフラ整備の中で、地球環境問題、エネルギー安定供給などの問題も出てまいります。したがいまして、さまざまな期待が私ども日本の事業者にかかってくるといいますか、期待されると思っていますので、海外というのは非常にビジネスチャンスが拡大していくというふうに思っております。
そういう中で、御指摘のように、海外事業をやる場合にも、やはり本体の体力がしっかりしておりませんと、なかなかできないと思っております。
今現在は、やはり本体の事業の余力の中で、海外事業そのものも、ビジネスを目的にしているのではなく、我々が培ってきた技術力を海外で活用することによって、ある意味ではそこで我々も国際的な競争力がつく、そういうことで、国内の我々のこれからの競争環境下の競争力強化にもつながる、こういうふうな観点でございますので、今の海外の取り組みというのは、どちらかというと、少しまだ、全般的に、積極的にという状況ではございません。
したがいまして、御指摘のようにこれからの電力システム改革の中で、先ほど申し上げました大きな課題がございますが、ああいうふうな課題、例えば電力需給の改善あるいは原子力事業環境整備、こういったことによって、分離の中でも各事業が安定して営める環境になるということが海外ビジネスをやっていく上での大変大きなポイントになるんじゃないかと思っております。
以上でございます。
〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕
白
鈴
富
富田茂之#21
○富田委員 公明党の富田茂之でございます。
四人の参考人の皆様、きょうは本当に貴重な御意見をありがとうございました。大変勉強になりました。
何点か質問をさせていただきたいと思うんですが、まず、八木参考人に何点かお尋ねしたいんです。
実は、四月十二日、統一地方選挙前半選の投票日の朝、日経新聞を見まして、びっくりしました。「関電、首都圏初の発電所」ということで一面に大きく出ておりまして、多分、委員の皆さんは選挙の応援で見ていないんだと思うんですが、先週、実はこの件をこの委員会で質問させていただきました。見出しに大きく、「東燃ゼネと三千億円投資 越境、東電に挑む」というような大きな見出しが出ていました。
こんなふうに書かれているんですね。
関電と東電と、「これまで両社は互いの市場で電力を販売したことはあるが、大型発電所を建設したことはなかった。」「今回の関電の動きは、自由化を見据えた競争が新たな局面に入ったことを示す。」というふうに評価をされていました。
私もそのとおりだと思うんですが、こういうふうに解説しているんですね。
「首都圏で自前電源を持つことは顧客獲得に有利に働く。東北地方などに発電所を建てる場合に比べて送電や維持管理の費用を大幅に抑えられるので価格競争力が高まる。」というふうに指摘をして、また、「送電線を通る過程で電気は徐々に減っていくため、大消費地の首都圏に近いほど無駄なく電気を供給できるメリットもある。 関電が新設する千葉の発電所からは一部の電気を東電に売るが、半分程度は現在の東電の料金より割安に設定し、大口需要家や利幅の大きい一般家庭向けに販売する。送配電網は既存のものを利用する。」というふうに書かれています。
一方、東燃と一緒にやることによって、「用地取得の必要がない上、燃料を積んだ船の受け入れ設備がすでに整っている。」と、適地であるというようなことを書かれているんです。
今回のシステム改革の行き着く先がこういうことだったと思うんですが、この報道は事実なのか、また、こういう、東電圏内に発電所を開設することによって、関西電力として、今後どういう方向で電力システム改革に取り組んでいかれようとしているのか。
もう一つ、先ほど橘川先生の方から、やはり火力発電の方が多過ぎるんじゃないかという御指摘もありました。千葉県の沿岸に、ほかにも二つほど出てきていまして、四百万キロワット級の火力発電所の整備が計画されている、そういった橘川先生の方からの御指摘も踏まえて、関西電力として、今後このシステム改革を踏まえてどういうふうに取り組まれているのか、ちょっと、電気連合の会長さんということになって申しわけないんですが、お答えいただければと思います。
この発言だけを見る →四人の参考人の皆様、きょうは本当に貴重な御意見をありがとうございました。大変勉強になりました。
何点か質問をさせていただきたいと思うんですが、まず、八木参考人に何点かお尋ねしたいんです。
実は、四月十二日、統一地方選挙前半選の投票日の朝、日経新聞を見まして、びっくりしました。「関電、首都圏初の発電所」ということで一面に大きく出ておりまして、多分、委員の皆さんは選挙の応援で見ていないんだと思うんですが、先週、実はこの件をこの委員会で質問させていただきました。見出しに大きく、「東燃ゼネと三千億円投資 越境、東電に挑む」というような大きな見出しが出ていました。
こんなふうに書かれているんですね。
関電と東電と、「これまで両社は互いの市場で電力を販売したことはあるが、大型発電所を建設したことはなかった。」「今回の関電の動きは、自由化を見据えた競争が新たな局面に入ったことを示す。」というふうに評価をされていました。
私もそのとおりだと思うんですが、こういうふうに解説しているんですね。
「首都圏で自前電源を持つことは顧客獲得に有利に働く。東北地方などに発電所を建てる場合に比べて送電や維持管理の費用を大幅に抑えられるので価格競争力が高まる。」というふうに指摘をして、また、「送電線を通る過程で電気は徐々に減っていくため、大消費地の首都圏に近いほど無駄なく電気を供給できるメリットもある。 関電が新設する千葉の発電所からは一部の電気を東電に売るが、半分程度は現在の東電の料金より割安に設定し、大口需要家や利幅の大きい一般家庭向けに販売する。送配電網は既存のものを利用する。」というふうに書かれています。
一方、東燃と一緒にやることによって、「用地取得の必要がない上、燃料を積んだ船の受け入れ設備がすでに整っている。」と、適地であるというようなことを書かれているんです。
今回のシステム改革の行き着く先がこういうことだったと思うんですが、この報道は事実なのか、また、こういう、東電圏内に発電所を開設することによって、関西電力として、今後どういう方向で電力システム改革に取り組んでいかれようとしているのか。
もう一つ、先ほど橘川先生の方から、やはり火力発電の方が多過ぎるんじゃないかという御指摘もありました。千葉県の沿岸に、ほかにも二つほど出てきていまして、四百万キロワット級の火力発電所の整備が計画されている、そういった橘川先生の方からの御指摘も踏まえて、関西電力として、今後このシステム改革を踏まえてどういうふうに取り組まれているのか、ちょっと、電気連合の会長さんということになって申しわけないんですが、お答えいただければと思います。
八
八木誠#22
○八木参考人 八木でございます。では、関西電力社長という立場でお答えを申し上げたいと思います。
まず、今先生から御指摘のございました東燃ゼネラル等々の新聞報道でございますけれども、これは、そういうふうな検討をしていることは事実でございますが、まだ具体的な計画が決まったものではございませんということで、まずお断り申し上げたいと思います。
それで、実は、関西電力といたしましては、今般の電力システム改革で、第二弾が、小売の全面自由化が来年から実施されます。これまで部分の自由化が始まって以降、実は、電力間の競争が非常に少ないといういろいろな御指摘を頂戴いたしました。
そういう意味では、やはり、電力システム改革が真にお客様の利益につながるようにしていくためには、我々電力としても、やはり、電力間競争といいますか、こういうものに積極的に取り組むべきだという基本的な考え方のスタンスのもとに、特に大消費地であります首都圏を中心に、関西電力としても、子会社のKenesという会社を中心として、今、PPS、いわゆる新電力事業を展開しているところでございます。
ただ、私ども、そういう意味では、他地域に我々が出ていくときには、いわゆる新電力の立場になっておりまして、つくづくそのときに感じましたのは、新電力の立場で、例えば首都圏の東電さんと競争しようと思うと、やはり、安価な電源をみずから持つということが一番大きなポイントだと思います。
したがいまして、競争を実効的なものにしていくためには、いかに安価な電源を自前で開発していくか、これが大きなポイントになると思います。ただ、自前の開発というのはなかなか難しゅうございますので、いろいろな企業の方々とアライアンスを結びながら、安価な電源を取得して、それでお客様の料金の低廉化につながっていかないかな、こういうふうな検討を今しているところでございます。
具体的には、お客様の電力に直接供給するか、あるいは東電さんの入札に使うかとか、そういうことは今後検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず、今先生から御指摘のございました東燃ゼネラル等々の新聞報道でございますけれども、これは、そういうふうな検討をしていることは事実でございますが、まだ具体的な計画が決まったものではございませんということで、まずお断り申し上げたいと思います。
それで、実は、関西電力といたしましては、今般の電力システム改革で、第二弾が、小売の全面自由化が来年から実施されます。これまで部分の自由化が始まって以降、実は、電力間の競争が非常に少ないといういろいろな御指摘を頂戴いたしました。
そういう意味では、やはり、電力システム改革が真にお客様の利益につながるようにしていくためには、我々電力としても、やはり、電力間競争といいますか、こういうものに積極的に取り組むべきだという基本的な考え方のスタンスのもとに、特に大消費地であります首都圏を中心に、関西電力としても、子会社のKenesという会社を中心として、今、PPS、いわゆる新電力事業を展開しているところでございます。
ただ、私ども、そういう意味では、他地域に我々が出ていくときには、いわゆる新電力の立場になっておりまして、つくづくそのときに感じましたのは、新電力の立場で、例えば首都圏の東電さんと競争しようと思うと、やはり、安価な電源をみずから持つということが一番大きなポイントだと思います。
したがいまして、競争を実効的なものにしていくためには、いかに安価な電源を自前で開発していくか、これが大きなポイントになると思います。ただ、自前の開発というのはなかなか難しゅうございますので、いろいろな企業の方々とアライアンスを結びながら、安価な電源を取得して、それでお客様の料金の低廉化につながっていかないかな、こういうふうな検討を今しているところでございます。
具体的には、お客様の電力に直接供給するか、あるいは東電さんの入札に使うかとか、そういうことは今後検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
富
富田茂之#23
○富田委員 先ほど橘川先生の方から、磯子の火力についてコメントがありましたが、私たち公明党も磯子を見てきまして、やはり高効率の火力発電所がこれから本当に大事になっていく。関電さんもこれだけ大型のものを東電管内にやるというふうになっていったときに、今後の火力発電所のあり方というか、やはり、IGCC等の本当に高効率の火力発電所で、CO2をできるだけ出さないというような取り組みが必要だと思うんですが、そのあたりはどんなふうにお考えなんでしょうか。
この発言だけを見る →八
八木誠#24
○八木参考人 済みません、失礼しました。先ほどの御質問を忘れていました。
私ども電力会社におきまして、基本的にはこれからエネルギーのミックスが決まっていくと思いますが、そうした中でバランスよく電源を持つというのが、やはり日本の、エネルギー資源がない国の特徴として、バランスよく開発していくべきだと思います。
そういう意味では、火力電源も、基本的にはLNG、石炭、石油、これをバランスよく開発していくことかと思いますが、基本的には、これから我々が所有している設備自体もいわゆる高経年化してまいりますので、やはり、効率的な設備にこれを置きかえていくという必要があります。そういう意味では、原子力の再稼働、原子力は一定の比率がある上で、火力というのを積極的に高効率なものに変えていくことが大事だと思います。
そういう中で、石炭というのは、これも一つの大きな、燃料が世界各地にありますし、また燃料資源としても安いということでありますので、我々電力会社からすると非常に興味がある電源であります。したがいまして、石炭というのも重要な電源として開発していくべきだと思いますが、御指摘のように、一方でCO2の問題がありますので、石炭においても、例えば、これから超超臨界圧のボイラーを使った火力とかIGCCとか、できるだけ技術開発によってCO2を発生しないような火力開発を目指しながら、バランスよく火力電源を導入していくべきではないかというふうに考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →私ども電力会社におきまして、基本的にはこれからエネルギーのミックスが決まっていくと思いますが、そうした中でバランスよく電源を持つというのが、やはり日本の、エネルギー資源がない国の特徴として、バランスよく開発していくべきだと思います。
そういう意味では、火力電源も、基本的にはLNG、石炭、石油、これをバランスよく開発していくことかと思いますが、基本的には、これから我々が所有している設備自体もいわゆる高経年化してまいりますので、やはり、効率的な設備にこれを置きかえていくという必要があります。そういう意味では、原子力の再稼働、原子力は一定の比率がある上で、火力というのを積極的に高効率なものに変えていくことが大事だと思います。
そういう中で、石炭というのは、これも一つの大きな、燃料が世界各地にありますし、また燃料資源としても安いということでありますので、我々電力会社からすると非常に興味がある電源であります。したがいまして、石炭というのも重要な電源として開発していくべきだと思いますが、御指摘のように、一方でCO2の問題がありますので、石炭においても、例えば、これから超超臨界圧のボイラーを使った火力とかIGCCとか、できるだけ技術開発によってCO2を発生しないような火力開発を目指しながら、バランスよく火力電源を導入していくべきではないかというふうに考えております。
以上でございます。
富
富田茂之#25
○富田委員 もう一点、八木参考人にお尋ねしたいんですが、先ほどの陳述の中で、これまで電力事業者が一体となって支えてきたバックエンド事業等の原子燃料サイクルの推進に当たっては、競争が進展していく中でも長期にわたる処理処分のプロセスに支障を来さないよう、新たな官民の役割に基づく仕組みの構築などが必要だというふうに御指摘がありました。
私は、一昨年、昨年と、フィンランドのオンカロを初めとして、スウェーデン、ドイツ、スイス、アメリカと地下研究をずっと回ってきましたけれども、NUMOの皆さんに本当に協力していただきました。関電を初め電力会社の皆さんは、NUMOにいろいろ協力していただいて、人も金も出しているというような状況だと思うんですが、今回、国が前面に立つんだというふうな政府の方針が出てきましたけれども、国のその方針も踏まえて、今、八木参考人が新たな役割分担というふうに言われるのは、どういう構想を描かれているのか、もし御所見があれば伺いたいと思います。
〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕
この発言だけを見る →私は、一昨年、昨年と、フィンランドのオンカロを初めとして、スウェーデン、ドイツ、スイス、アメリカと地下研究をずっと回ってきましたけれども、NUMOの皆さんに本当に協力していただきました。関電を初め電力会社の皆さんは、NUMOにいろいろ協力していただいて、人も金も出しているというような状況だと思うんですが、今回、国が前面に立つんだというふうな政府の方針が出てきましたけれども、国のその方針も踏まえて、今、八木参考人が新たな役割分担というふうに言われるのは、どういう構想を描かれているのか、もし御所見があれば伺いたいと思います。
〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕
八
八木誠#26
○八木参考人 ありがとうございます。
私どもの原子力事業環境整備というのは、今回、冒頭の陳述でも、電力システム改革を真にお客様の利益につながるものにしていくための大きな課題の一つであると申し上げた原子力環境整備でございます。特にこの原子力環境整備の必要性ということにつきましては、基本的には原子力という特殊性、長期にわたる事業、建設から最終廃止まで非常に長期にわたる事業を確実にやっていくという中で、これは民間がこれまで主体でやってまいりました。
そういう中で、実は国の原子力推進政策のもと、民間が、例えば総括原価方式というような制度の中で、先行きの、長期の予見性を持って事業ができたわけでございますが、今回の環境変化、特に原子力依存度を下げるとか、こういった競争環境下では予見性が非常に揺らいできております。そういう中で、私どもとしては、まず、民間として、基本的には原子力事業をしっかりやっていきたいと思っております。
そういう中で、原子力というのは非常に国の重要な政策として位置づけられておりますので、民間がしっかりやり得るための国のサポートもお願いしたいという意味で、具体的に申し上げますと原子燃料サイクル関係でございますが、いわゆるバックエンド関係のところにおきまして、これを民間がしっかりとできるような形での、従来よりも少し踏み込んだ形での新たな国と民間事業者の役割分担の問題。あるいは、もう一点は、原子力の損害賠償制度がございますが、これにつきましても少し今の制度の見直しを、国と事業者のあり方について御検討いただければというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →私どもの原子力事業環境整備というのは、今回、冒頭の陳述でも、電力システム改革を真にお客様の利益につながるものにしていくための大きな課題の一つであると申し上げた原子力環境整備でございます。特にこの原子力環境整備の必要性ということにつきましては、基本的には原子力という特殊性、長期にわたる事業、建設から最終廃止まで非常に長期にわたる事業を確実にやっていくという中で、これは民間がこれまで主体でやってまいりました。
そういう中で、実は国の原子力推進政策のもと、民間が、例えば総括原価方式というような制度の中で、先行きの、長期の予見性を持って事業ができたわけでございますが、今回の環境変化、特に原子力依存度を下げるとか、こういった競争環境下では予見性が非常に揺らいできております。そういう中で、私どもとしては、まず、民間として、基本的には原子力事業をしっかりやっていきたいと思っております。
そういう中で、原子力というのは非常に国の重要な政策として位置づけられておりますので、民間がしっかりやり得るための国のサポートもお願いしたいという意味で、具体的に申し上げますと原子燃料サイクル関係でございますが、いわゆるバックエンド関係のところにおきまして、これを民間がしっかりとできるような形での、従来よりも少し踏み込んだ形での新たな国と民間事業者の役割分担の問題。あるいは、もう一点は、原子力の損害賠償制度がございますが、これにつきましても少し今の制度の見直しを、国と事業者のあり方について御検討いただければというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
富
富田茂之#27
○富田委員 橘川参考人にお尋ねしたいと思うんです。
二〇三〇年の電源ミックス、先生がいろいろなところで言われている数字を先ほど御説明いただいたんですが、一月六日号のエコノミスト、調査室の方からちょっと資料をいただきまして、その中に、先生がこの五ページに書かれた二〇三〇年の電源ミックスの記述がそのとおりあるんですが、この記述があった後に、先生はこんなふうに言われているんですね。
「再生可能エネルギーの三〇%は、自民党が主張する「二一%以上」と公明党が目指す「三五%」の中間値である。コジェネの一五%は、一一〜一二年に民主党政権下で電源ミックスを審議した資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会で、反原発派も原発推進派も中間派も一致して推薦した数値である。」という御指摘をされている。
政治的にもこの数字でいいんじゃないかというお考えなんだと思うんですが、その上で、先ほどお話しいただいた、「日本において、太陽光発電や風力発電を本格的に拡大していくうえで鍵を握るのは、発電施設と変電施設を結ぶ送電線問題を解決することである。」ということで、三つ、第一は本当に送電線が不足しているのかチェックすること、第二は送電線をつくる仕組みを構築すること、第三はそもそも送電線を必要としない送電方式を導入することである。先ほど幾つか御説明いただきました。
このとおりだと思うんですが、何かこれにつけ加えることがありましたら、ぜひまたちょっと教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →二〇三〇年の電源ミックス、先生がいろいろなところで言われている数字を先ほど御説明いただいたんですが、一月六日号のエコノミスト、調査室の方からちょっと資料をいただきまして、その中に、先生がこの五ページに書かれた二〇三〇年の電源ミックスの記述がそのとおりあるんですが、この記述があった後に、先生はこんなふうに言われているんですね。
「再生可能エネルギーの三〇%は、自民党が主張する「二一%以上」と公明党が目指す「三五%」の中間値である。コジェネの一五%は、一一〜一二年に民主党政権下で電源ミックスを審議した資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会で、反原発派も原発推進派も中間派も一致して推薦した数値である。」という御指摘をされている。
政治的にもこの数字でいいんじゃないかというお考えなんだと思うんですが、その上で、先ほどお話しいただいた、「日本において、太陽光発電や風力発電を本格的に拡大していくうえで鍵を握るのは、発電施設と変電施設を結ぶ送電線問題を解決することである。」ということで、三つ、第一は本当に送電線が不足しているのかチェックすること、第二は送電線をつくる仕組みを構築すること、第三はそもそも送電線を必要としない送電方式を導入することである。先ほど幾つか御説明いただきました。
このとおりだと思うんですが、何かこれにつけ加えることがありましたら、ぜひまたちょっと教えていただきたいと思います。
橘
橘川武郎#28
○橘川参考人 私のつまらない論文をたくさん読んでいただきまして、どうもありがとうございます。
世上伝えられていますけれども、どうも二〇三〇年の電源ミックスで再生エネルギーが二二%から二四%という数字になろうという話が伝わっていますが、思い起こしますと、麻生内閣のときに麻生さんが、二〇〇九年の四月に、二〇二〇年の時点で再生電源の比率を二〇%にするということを言われているんですね。それと比べますと、やはり今の二二から二四というのはちょっと低いんじゃないかな、こういうふうに思います。
そうすると、そこに書いてあるとおりなので、誰が頑張って引き上げるかとなりますと、公明党に頑張っていただかなければいけない、こういうふうに私は思います。
この発言だけを見る →世上伝えられていますけれども、どうも二〇三〇年の電源ミックスで再生エネルギーが二二%から二四%という数字になろうという話が伝わっていますが、思い起こしますと、麻生内閣のときに麻生さんが、二〇〇九年の四月に、二〇二〇年の時点で再生電源の比率を二〇%にするということを言われているんですね。それと比べますと、やはり今の二二から二四というのはちょっと低いんじゃないかな、こういうふうに思います。
そうすると、そこに書いてあるとおりなので、誰が頑張って引き上げるかとなりますと、公明党に頑張っていただかなければいけない、こういうふうに私は思います。
富
富田茂之#29
○富田委員 では、先生の声援をしっかり受けとめたいと思うんです。
実は、先週のこの委員会で、先生の御指摘のように再生可能エネルギーをどういうふうに導入促進していくかという議論の中で、ドイツがすぐ挙げられるんですけれども、私は、ドイツの失敗例もあると。やはりバックアップ火力が本来必要なのに、火力発電所をつくらないで、ドイツの発電会社がみんな風力の方に行ってしまって、結局、ドイツから火力のボイラー会社すらなくなってしまっている。
そういったドイツの間違いは間違いとして、日本はそういう間違いはしないようにというような質問をさせていただいたんですが、先生が考えるエネルギーミックスの中で、バックアップ火力の問題をどういうふうに組み込んで考えていらっしゃるのか、ちょっとその点を教えていただければ。
この発言だけを見る →実は、先週のこの委員会で、先生の御指摘のように再生可能エネルギーをどういうふうに導入促進していくかという議論の中で、ドイツがすぐ挙げられるんですけれども、私は、ドイツの失敗例もあると。やはりバックアップ火力が本来必要なのに、火力発電所をつくらないで、ドイツの発電会社がみんな風力の方に行ってしまって、結局、ドイツから火力のボイラー会社すらなくなってしまっている。
そういったドイツの間違いは間違いとして、日本はそういう間違いはしないようにというような質問をさせていただいたんですが、先生が考えるエネルギーミックスの中で、バックアップ火力の問題をどういうふうに組み込んで考えていらっしゃるのか、ちょっとその点を教えていただければ。