予算委員会公聴会
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会
会議録情報#0
平成二十八年二月二十四日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 竹下 亘君
理事 石田 真敏君 理事 金田 勝年君
理事 菅原 一秀君 理事 鈴木 馨祐君
理事 関 芳弘君 理事 平沢 勝栄君
理事 柿沢 未途君 理事 山井 和則君
理事 赤羽 一嘉君
青山 周平君 赤枝 恒雄君
秋元 司君 秋本 真利君
穴見 陽一君 井野 俊郎君
井上 貴博君 石原 宏高君
岩田 和親君 岩屋 毅君
衛藤征士郎君 小倉 將信君
小田原 潔君 越智 隆雄君
大隈 和英君 大見 正君
奥野 信亮君 勝沼 栄明君
門 博文君 門山 宏哲君
木村 弥生君 小林 鷹之君
佐田玄一郎君 佐藤ゆかり君
斎藤 洋明君 鈴木 俊一君
中川 郁子君 長坂 康正君
根本 匠君 野田 毅君
原田 義昭君 細田 健一君
堀内 詔子君 前川 恵君
宮澤 博行君 保岡 興治君
山下 貴司君 山本 幸三君
山本 有二君 井坂 信彦君
緒方林太郎君 大串 博志君
大西 健介君 階 猛君
玉木雄一郎君 西村智奈美君
福島 伸享君 伊佐 進一君
浮島 智子君 角田 秀穂君
濱村 進君 吉田 宣弘君
塩川 鉄也君 高橋千鶴子君
藤野 保史君 足立 康史君
松浪 健太君 小熊 慎司君
重徳 和彦君 村岡 敏英君
…………………………………
公述人
(株式会社大和総研執行役員調査本部副本部長チーフエコノミスト) 熊谷 亮丸君
公述人
(慶應義塾大学ビジネススクール准教授) 小幡 績君
公述人
(関西大学政策創造学部教授) 白石 真澄君
公述人
(武蔵野学院大学SMB研究所所長) 松田 元君
公述人
(株式会社三菱総合研究所政策・経済研究センター副センター長
チーフエコノミスト) 武田 洋子君
公述人
(弁護士)
(関西大学客員教授) 郷原 信郎君
公述人
(慶應義塾大学経済学部教授) 竹森 俊平君
公述人
(東京工科大学教授) 工藤 昌宏君
予算委員会専門員 柏 尚志君
—————————————
委員の異動
二月二十四日
辞任 補欠選任
秋元 司君 赤枝 恒雄君
岩屋 毅君 大見 正君
小池百合子君 前川 恵君
長坂 康正君 宮澤 博行君
古屋 圭司君 細田 健一君
保岡 興治君 青山 周平君
山下 貴司君 中川 郁子君
松野 頼久君 井坂 信彦君
浮島 智子君 伊佐 進一君
赤嶺 政賢君 藤野 保史君
高橋千鶴子君 塩川 鉄也君
重徳 和彦君 鈴木 義弘君
同日
辞任 補欠選任
青山 周平君 保岡 興治君
赤枝 恒雄君 大隈 和英君
大見 正君 岩屋 毅君
中川 郁子君 山下 貴司君
細田 健一君 穴見 陽一君
前川 恵君 木村 弥生君
宮澤 博行君 井野 俊郎君
伊佐 進一君 角田 秀穂君
塩川 鉄也君 高橋千鶴子君
藤野 保史君 赤嶺 政賢君
鈴木 義弘君 村岡 敏英君
同日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 秋本 真利君
井野 俊郎君 斎藤 洋明君
大隈 和英君 岩田 和親君
木村 弥生君 小池百合子君
角田 秀穂君 浮島 智子君
村岡 敏英君 小熊 慎司君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 堀内 詔子君
岩田 和親君 勝沼 栄明君
斎藤 洋明君 門山 宏哲君
小熊 慎司君 重徳 和彦君
同日
辞任 補欠選任
勝沼 栄明君 秋元 司君
門山 宏哲君 長坂 康正君
堀内 詔子君 古屋 圭司君
—————————————
本日の公聴会で意見を聞いた案件
平成二十八年度一般会計予算
平成二十八年度特別会計予算
平成二十八年度政府関係機関予算
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 竹下 亘君
理事 石田 真敏君 理事 金田 勝年君
理事 菅原 一秀君 理事 鈴木 馨祐君
理事 関 芳弘君 理事 平沢 勝栄君
理事 柿沢 未途君 理事 山井 和則君
理事 赤羽 一嘉君
青山 周平君 赤枝 恒雄君
秋元 司君 秋本 真利君
穴見 陽一君 井野 俊郎君
井上 貴博君 石原 宏高君
岩田 和親君 岩屋 毅君
衛藤征士郎君 小倉 將信君
小田原 潔君 越智 隆雄君
大隈 和英君 大見 正君
奥野 信亮君 勝沼 栄明君
門 博文君 門山 宏哲君
木村 弥生君 小林 鷹之君
佐田玄一郎君 佐藤ゆかり君
斎藤 洋明君 鈴木 俊一君
中川 郁子君 長坂 康正君
根本 匠君 野田 毅君
原田 義昭君 細田 健一君
堀内 詔子君 前川 恵君
宮澤 博行君 保岡 興治君
山下 貴司君 山本 幸三君
山本 有二君 井坂 信彦君
緒方林太郎君 大串 博志君
大西 健介君 階 猛君
玉木雄一郎君 西村智奈美君
福島 伸享君 伊佐 進一君
浮島 智子君 角田 秀穂君
濱村 進君 吉田 宣弘君
塩川 鉄也君 高橋千鶴子君
藤野 保史君 足立 康史君
松浪 健太君 小熊 慎司君
重徳 和彦君 村岡 敏英君
…………………………………
公述人
(株式会社大和総研執行役員調査本部副本部長チーフエコノミスト) 熊谷 亮丸君
公述人
(慶應義塾大学ビジネススクール准教授) 小幡 績君
公述人
(関西大学政策創造学部教授) 白石 真澄君
公述人
(武蔵野学院大学SMB研究所所長) 松田 元君
公述人
(株式会社三菱総合研究所政策・経済研究センター副センター長
チーフエコノミスト) 武田 洋子君
公述人
(弁護士)
(関西大学客員教授) 郷原 信郎君
公述人
(慶應義塾大学経済学部教授) 竹森 俊平君
公述人
(東京工科大学教授) 工藤 昌宏君
予算委員会専門員 柏 尚志君
—————————————
委員の異動
二月二十四日
辞任 補欠選任
秋元 司君 赤枝 恒雄君
岩屋 毅君 大見 正君
小池百合子君 前川 恵君
長坂 康正君 宮澤 博行君
古屋 圭司君 細田 健一君
保岡 興治君 青山 周平君
山下 貴司君 中川 郁子君
松野 頼久君 井坂 信彦君
浮島 智子君 伊佐 進一君
赤嶺 政賢君 藤野 保史君
高橋千鶴子君 塩川 鉄也君
重徳 和彦君 鈴木 義弘君
同日
辞任 補欠選任
青山 周平君 保岡 興治君
赤枝 恒雄君 大隈 和英君
大見 正君 岩屋 毅君
中川 郁子君 山下 貴司君
細田 健一君 穴見 陽一君
前川 恵君 木村 弥生君
宮澤 博行君 井野 俊郎君
伊佐 進一君 角田 秀穂君
塩川 鉄也君 高橋千鶴子君
藤野 保史君 赤嶺 政賢君
鈴木 義弘君 村岡 敏英君
同日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 秋本 真利君
井野 俊郎君 斎藤 洋明君
大隈 和英君 岩田 和親君
木村 弥生君 小池百合子君
角田 秀穂君 浮島 智子君
村岡 敏英君 小熊 慎司君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 堀内 詔子君
岩田 和親君 勝沼 栄明君
斎藤 洋明君 門山 宏哲君
小熊 慎司君 重徳 和彦君
同日
辞任 補欠選任
勝沼 栄明君 秋元 司君
門山 宏哲君 長坂 康正君
堀内 詔子君 古屋 圭司君
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本日の公聴会で意見を聞いた案件
平成二十八年度一般会計予算
平成二十八年度特別会計予算
平成二十八年度政府関係機関予算
————◇—————
竹
竹下亘#1
○竹下委員長 これより会議を開きます。
平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
この際、公述人各位に一言御挨拶を申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多忙中にもかかわりませず御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。平成二十八年度総予算に対する御意見を拝聴いたしまして、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうぞ忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
御意見を賜る順序といたしましては、まず熊谷亮丸公述人、次に小幡績公述人、次に白石真澄公述人、次に松田元公述人の順序で、お一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、白石公述人は、電車が遅延しているため出席がおくれておりますので、到着次第、御意見をお聞きすることとし、議事を進めます。
それでは、熊谷公述人にお願いいたします。
この発言だけを見る →平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案について公聴会を開きます。
この際、公述人各位に一言御挨拶を申し上げます。
公述人各位におかれましては、御多忙中にもかかわりませず御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。平成二十八年度総予算に対する御意見を拝聴いたしまして、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうぞ忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
御意見を賜る順序といたしましては、まず熊谷亮丸公述人、次に小幡績公述人、次に白石真澄公述人、次に松田元公述人の順序で、お一人二十分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、白石公述人は、電車が遅延しているため出席がおくれておりますので、到着次第、御意見をお聞きすることとし、議事を進めます。
それでは、熊谷公述人にお願いいたします。
熊
熊谷亮丸#2
○熊谷公述人 おはようございます。大和総研の熊谷と申します。
本日は、お招きいただきまして、心より光栄に存じます。御審議の御参考としていただきたく、平成二十八年度の予算案につきまして賛成の立場から意見を申し述べたいと思います。
お手元の資料で、こちらの「日本経済と財政の動向について」という資料をごらんください。
まず、一枚おめくりいただきまして、一ページでございますけれども、ポイントとしては三つ申し上げます。
第一点として、日本経済の展望ということでございます。
日本経済は、国内の状況はかなりよくなってきている。ただ、海外については、そこにあるような四つぐらいのリスク要因が存在する。中国経済、そして、アメリカの出口戦略に伴って新興国からお金が引き揚げられる可能性、地政学的なリスク、ユーロの動向ということでございますが、この中で、中国については、これからも下振れリスクとして細心の注意を払っていくことが必要である、これを第一点目として申し上げます。
二点目は、アベノミクスに対する評価及び課題ということでございます。
私は、基本的なアベノミクスの方向性は正しいのではないか、こういう考えをしておるわけですけれども、ただ、これからまだ課題が残っている。例えば、社会保障制度の抜本的な改革ですとか、第三の矢、成長戦略の強化、さらに、分配政策をこれからさらに推進していくことが必要である。
三点目として、財政再建という話でございます。
経済成長すればそれで財政再建ができるかというと、そこまで今の日本の状況は甘い状況ではないのではないか。経済成長と増税、それから歳出のカット、これを三位一体でバランスよく行っていくということが必要である。
私からきょう申し上げたい点は、以上の三点ということでございます。
二ページ以降は、ちょっと簡単に御説明をしていきたいと思いますけれども、まず二ページ、一番上のところに書いてございますが、一六年度の経済成長は〇・九%程度、ただ、一七年度は増税を一応見込んでおりますのでマイナスの〇・一%、こういう見方をしております。
三ページをごらんください。
日本経済は踊り場という状況でございますが、黒い線でお示しをしているのが生産の動き、赤い線が輸出ということでございますけれども、昨年は、四—六月期以降、一旦、日本経済は若干厳しい状態に入った。ただ、今は、一進一退のいわゆる踊り場という状況でございます。
四ページ以降で、日本経済を支える要因が四つあるということを申し上げます。
まず一点目としては、いわゆる在庫循環ということでございます。縦軸が出荷の伸び、横軸が在庫の伸び。時計回りでぐるぐると回るわけでございますが、少し前までは右下のところにあって、在庫調整の局面であった。ところが、現状は左上の方に動いてきているわけですから、国全体として見れば、在庫の負担はかなり軽くなってきたということがございます。
五ページをごらんください。
二つ目のプラスの要因でございますけれども、原油が安いことが、中長期的に見れば、日本経済を支えていく。
五ページの左上の部分に赤い丸を打っているところがございますが、これが、私どもがマクロ経済モデルを使って原油が百五ドルで高どまりしていたときと現状で比べたときに、これから日本経済がどの程度支えられてくるか。経常収支が改善することですとか、もしくは物価が落ちて実質所得が上がってくるということがございますので、百五ドルのときと比べると、日本経済は二〇一七年度には〇・九%程度支えられてくるという形でございます。
六ページ、三つ目のプラス要因ということですが、実質賃金。ずっと二年余り低迷してきたわけでございますが、ここに来て、原油安で物価がゼロ近傍の状況ということでございますので、足元で見ると実質賃金はかなりプラスの方向に動いてきている。
国民にとって重要なのは、そこの左下の凡例で下から二つ目に書いてある、一人当たりの賃金に雇用者数を掛けた国民の懐に入るお金の総額、紫色の白丸で打ってあるものでございますけれども、これは前年比で二%以上伸びている状況でございますので、実質賃金は今着実にプラスの方向に回復してきた。これが三点目です。
七ページ、四つ目ということでございますが、アメリカの消費者コンフィデンスは比較的良好な状態が続いている。グラフで灰色で網かけをしてある部分が日本の景気後退期、そしてブルーの線がアメリカの消費者コンフィデンス、消費者がどういうようなマインドでいるかということでございますが、日本の景気に対して最もクリアな先行性を持っているのがアメリカの消費者コンフィデンス。ここは比較的しっかりした状況だということです。
以上の四つぐらいの理由が日本経済を支えてくるという見方です。
八ページは、一七年に消費税増税を行ったときにどれぐらい影響があるか、私どものモデルを使ったシミュレーションでございます。
右側の赤で囲んであるところですが、一六年度は、GDPが駆け込み需要によって〇・三%程度上がってくる。他方で、一七年度は〇・六%程度落ちていく。そして、その下の部分に一・一と書いてあるところがございますが、軽減税率の導入によって、かなり、駆け込みですとかその後の消費の落ち込みを支える効果、一・一兆円程度の消費に対する下支え効果が出るということでございます。
九ページをごらんください。
先ほど来申し上げているように、国内経済はそれほど悪い状況ではありませんけれども、海外経済についてはいろいろなところに地雷が埋まっている。特に、中国経済については細心の注意が必要であるという考え方です。
十ページ。ここで中国の全体のイメージをお示ししておりますけれども、金融の過剰がおおむね一千兆円程度、設備の過剰が四百兆円程度。これに対して、まだ財政出動余地は、諸外国と比べれば、六百兆円から八百兆円程度、理屈としては存在する状況だということでございますので、こういう人類が経験したことがないような未曽有の金融の過剰などがある中で、本当に中国がソフトランディングを図れるかどうかというのが、これが中国問題の本質である。
次のページは、三つシナリオが書いてございます。一が標準シナリオ、おおむね六%台は維持する、こういう考え方が一般的でございますが、ここではリスクシナリオを二つお示ししています。二のシナリオは、設備の過剰が調整に向かったシナリオ、三は、メルトダウンシナリオという、かなり厳しい設備の調整が起きるという三つのシナリオでございます。
この三のメルトダウンシナリオ、十二ページのところに詳細をお示ししておりますが、この悪いケースのときは、潜在成長率、実力の成長率が一・六%程度まで落ちる可能性がある。
グラフで見ていただくと、経済成長は三つの要因があるということで、技術要因、資本要因、労働要因でございますけれども、これから、悪いシナリオとしては、ピンク色の技術が大幅に停滞をしていく。それから、ブルーの部分の資本というのが、これから設備の調整が起きる中で、中国の実力の成長率がゼロに近いところまで落ちてしまう。こういうシナリオを頭の片隅に置いておくということが必要であると思います。
十三ページ以降は、アベノミクスの話でございます。
私は、基本的な方向性は正しい、こういう考え方をしておるわけでございますが、そこにあるのは、財界の首脳の方が命名されたと言われる追い出し五点セット、もしくは電力不足だとか日中関係の悪化などを含めて、日本企業は七重苦にさいなまれてきた。これを、今、アベノミクスは全て反対の方向に転換をしてきた。
例えば、十三ページの七というところでいえば、日本が原理原則を曲げなかったことによって、むしろ中国サイドが秋波を送るような形で、今、日中関係は雪解け、改善の方向に向かってきた。
これらの面で、私は、基本的なアベノミクスの方向性は決して間違っていない、こういう考え方をしております。
十四ページは、経済の好循環。
三つ線がございますけれども、一番上のブルーの線が企業の売上高、二番目のオレンジの線が個人の所得、三番目の緑の線が物価でございますけれども、微妙に右斜めに傾きをつけてこの三つを一定の時間差で重ねていくと、比較的似たような動きをしてくる。
申し上げたいことは、景気回復の一丁目一番地というのは、まずは、一番上のブルーの部分、企業が元気になって、企業の売上高だとか収益などが上がってくる、そこから今賃上げの動きが徐々に進んでいるわけでございますから、経済のサイクルから見れば、まずは成長戦略を打って、そこから三年たって分配政策を打つという、この政策の手順は正しい方向で打たれている、私はこういう考え方です。
十五ページをごらんいただくと、ずっと、雇用がふえても非正規ばかりである、こういう批判がなされてきたわけでございますが、足元で見ると、前年比では、正規の伸びが非正規の伸びを上回ってきた。
経済は、残念ながら今の仕組みからすれば、最初は非正規が伸びるということですが、体温が温まってくると徐々に正規が伸びてくる。加えて、これから同一労働同一賃金の原則をさらに議論していくということでございます。
十六ページをごらんください。
アベノミクスの課題ということで申し上げると、一つは社会保障制度の抜本的な改革、二点目として成長戦略、従来の第三の矢の強化、三点目として分配政策を今まで以上に推進するということでございますが、きょう私が強調したい大きなポイントとして、三の分配政策だけで経済が上がるということにはなりにくい。二と三は一体の課題であって、二の成長戦略と三の分配政策、これを同時並行的にバランスよくやっていく、これが最大の課題です。
なぜそう考えているかというと、次の十七ページでございますけれども、日本でなぜ賃金が低迷しているか。時間当たりの実質賃金を日米独で比較をしておるわけですが、この中で日本が低迷している理由、一の労働生産性、二の広い意味での企業の競争力、三の労働分配率、この三つの要因に分解をしたものです。この三段の数字は寄与度といって、三段の数字を足し込んでいくと、一番上の段の賃金の伸び率に一致をする。
最初に御注目いただきたいのは、一番下の三の労働分配率。確かに日本の労働分配率は若干賃金を下げているわけですけれども、諸外国もほとんど同じぐらいのペースで下がっている。国際的な潮流にはなかなか逆らえない部分もあるわけですから、日本が分配政策だけで賃金を上げようとしても、そこの伸び代はかなり限定的なものにならざるを得ない。
どこに問題があるかといえば、一の労働生産性、二の広い意味での企業の競争力。これらは分配政策では上がらないわけでございますから、従来の三本目の矢の成長戦略、TPPへの参加であり、法人税の減税であり、岩盤規制の緩和、こういうものをやって一と二を上げていくことこそが、国民の賃金を持続的に上げるための鍵であるということでございます。
十八ページ。ここから財政の課題ということですが、経済成長だけで財政再建をしていくというのはなかなか難しいのではないか。
ドーマー条件と書いてございますけれども、名目成長率が長期金利より高いというこの条件が満たされるのであれば、プライマリーバランスを均衡すれば、あとは財政が徐々に改善の方向に向かっていく。そういう意味で非常に重要な条件でございますけれども、左の図表の右上のところに、我が国におけるドーマー条件の勝率が書いてございますが、ここはやはり、過去の例で見ると決して勝率は高いものではない。
右の図表、これはOECD諸国の中でドーマー条件を満たした国の割合をお示ししておりますが、一時的にバブルなどが起きるとドーマー条件は満たされる。ただ、これは、長い目でならして見ると、なかなかドーマー条件を持続的に満たすのは難しいということでございますので、結論として、やはり、経済成長だけではなくて、歳出のカットですとか社会保障制度の合理化、それから一部は増税、これらをバランスよく行っていくということが、財政再建のための鍵であるということです。
十九ページは、財政の再建に成功するためにどうすればいいか。
大分時間も押してまいりましたのでポイントだけ申し上げますと、景気頼みだけでやると、過去の事例で見ると、また景気が悪くなると税収が落ちるということを繰り返してきた。やはり、社会保障制度を中心とした抜本的な改革をして歳出をしっかりと抑える、それから成長をしていく、一部は増税をする、これを三位一体でバランスよく行うことが必要であるということです。
二十ページ、二十一ページ。これは、私どもの財政の中長期のシミュレーション。かなり改革をしっかりと行っていかないと、中長期的な財政状況は厳しいということでございます。
ちょっとおめくりいただいて、二十三ページをごらんください。
このグラフは、縦軸が長期金利から短期金利を引いた長短スプレッド、横軸が政府の債務状況でございますが、国際的に見ると、大体一本の均衡線の上に並んでくる。今、日本は、日銀が大胆な金融緩和をやって、かなり実力より金利を抑えている状況でございますが、長いスパンで見ると、やはり、しっかりと財政の規律を守っていかないと、この線上に日本が来てしまうリスクというのが一定程度存在するということでございます。
最後に二十四ページで、せっかくの機会ですので、一つ明るい話をさせていただきます。
これは、一九〇一年の、今から百年以上前の報知新聞の正月の特集でございますけれども、二十世紀の予言といって、当時から百年後の二十世紀にこんなことができたらいいという夢のような話を二十三項目取り上げた。
この中で実現していないのは六項目あって、まだ人と動物が自在に話せるようにはなっていない。他方で、十七項目は当然のように実現をしている。八十日かかった世界一周が七日でできればいいと思ったのが、もう七日もかからない。人声十里に達すというのは電話のことでございます。写真電話というのはテレビ電話。そして、買い物便法というのは、これは、インターネットショッピングのことが百年以上前に夢のような話として予言されていた。暑寒知らずは、読んで字のとおり、エアコンのことでございます。
そういう意味では、五十年、百年の時間軸で見れば人類の技術進歩には限界はないわけであって、しかも日本は、物つくりだとかイノベーションの面では圧倒的な強さを持っている。その意味で、これから日本としては、こういう科学技術だとか物つくりだとか、そういうところに力を入れていけば、私は、日本の五十年先、百年先の将来というのは決して暗いものではないのではないか、そういう考え方をしております。
私からの御報告は以上でございます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、お招きいただきまして、心より光栄に存じます。御審議の御参考としていただきたく、平成二十八年度の予算案につきまして賛成の立場から意見を申し述べたいと思います。
お手元の資料で、こちらの「日本経済と財政の動向について」という資料をごらんください。
まず、一枚おめくりいただきまして、一ページでございますけれども、ポイントとしては三つ申し上げます。
第一点として、日本経済の展望ということでございます。
日本経済は、国内の状況はかなりよくなってきている。ただ、海外については、そこにあるような四つぐらいのリスク要因が存在する。中国経済、そして、アメリカの出口戦略に伴って新興国からお金が引き揚げられる可能性、地政学的なリスク、ユーロの動向ということでございますが、この中で、中国については、これからも下振れリスクとして細心の注意を払っていくことが必要である、これを第一点目として申し上げます。
二点目は、アベノミクスに対する評価及び課題ということでございます。
私は、基本的なアベノミクスの方向性は正しいのではないか、こういう考えをしておるわけですけれども、ただ、これからまだ課題が残っている。例えば、社会保障制度の抜本的な改革ですとか、第三の矢、成長戦略の強化、さらに、分配政策をこれからさらに推進していくことが必要である。
三点目として、財政再建という話でございます。
経済成長すればそれで財政再建ができるかというと、そこまで今の日本の状況は甘い状況ではないのではないか。経済成長と増税、それから歳出のカット、これを三位一体でバランスよく行っていくということが必要である。
私からきょう申し上げたい点は、以上の三点ということでございます。
二ページ以降は、ちょっと簡単に御説明をしていきたいと思いますけれども、まず二ページ、一番上のところに書いてございますが、一六年度の経済成長は〇・九%程度、ただ、一七年度は増税を一応見込んでおりますのでマイナスの〇・一%、こういう見方をしております。
三ページをごらんください。
日本経済は踊り場という状況でございますが、黒い線でお示しをしているのが生産の動き、赤い線が輸出ということでございますけれども、昨年は、四—六月期以降、一旦、日本経済は若干厳しい状態に入った。ただ、今は、一進一退のいわゆる踊り場という状況でございます。
四ページ以降で、日本経済を支える要因が四つあるということを申し上げます。
まず一点目としては、いわゆる在庫循環ということでございます。縦軸が出荷の伸び、横軸が在庫の伸び。時計回りでぐるぐると回るわけでございますが、少し前までは右下のところにあって、在庫調整の局面であった。ところが、現状は左上の方に動いてきているわけですから、国全体として見れば、在庫の負担はかなり軽くなってきたということがございます。
五ページをごらんください。
二つ目のプラスの要因でございますけれども、原油が安いことが、中長期的に見れば、日本経済を支えていく。
五ページの左上の部分に赤い丸を打っているところがございますが、これが、私どもがマクロ経済モデルを使って原油が百五ドルで高どまりしていたときと現状で比べたときに、これから日本経済がどの程度支えられてくるか。経常収支が改善することですとか、もしくは物価が落ちて実質所得が上がってくるということがございますので、百五ドルのときと比べると、日本経済は二〇一七年度には〇・九%程度支えられてくるという形でございます。
六ページ、三つ目のプラス要因ということですが、実質賃金。ずっと二年余り低迷してきたわけでございますが、ここに来て、原油安で物価がゼロ近傍の状況ということでございますので、足元で見ると実質賃金はかなりプラスの方向に動いてきている。
国民にとって重要なのは、そこの左下の凡例で下から二つ目に書いてある、一人当たりの賃金に雇用者数を掛けた国民の懐に入るお金の総額、紫色の白丸で打ってあるものでございますけれども、これは前年比で二%以上伸びている状況でございますので、実質賃金は今着実にプラスの方向に回復してきた。これが三点目です。
七ページ、四つ目ということでございますが、アメリカの消費者コンフィデンスは比較的良好な状態が続いている。グラフで灰色で網かけをしてある部分が日本の景気後退期、そしてブルーの線がアメリカの消費者コンフィデンス、消費者がどういうようなマインドでいるかということでございますが、日本の景気に対して最もクリアな先行性を持っているのがアメリカの消費者コンフィデンス。ここは比較的しっかりした状況だということです。
以上の四つぐらいの理由が日本経済を支えてくるという見方です。
八ページは、一七年に消費税増税を行ったときにどれぐらい影響があるか、私どものモデルを使ったシミュレーションでございます。
右側の赤で囲んであるところですが、一六年度は、GDPが駆け込み需要によって〇・三%程度上がってくる。他方で、一七年度は〇・六%程度落ちていく。そして、その下の部分に一・一と書いてあるところがございますが、軽減税率の導入によって、かなり、駆け込みですとかその後の消費の落ち込みを支える効果、一・一兆円程度の消費に対する下支え効果が出るということでございます。
九ページをごらんください。
先ほど来申し上げているように、国内経済はそれほど悪い状況ではありませんけれども、海外経済についてはいろいろなところに地雷が埋まっている。特に、中国経済については細心の注意が必要であるという考え方です。
十ページ。ここで中国の全体のイメージをお示ししておりますけれども、金融の過剰がおおむね一千兆円程度、設備の過剰が四百兆円程度。これに対して、まだ財政出動余地は、諸外国と比べれば、六百兆円から八百兆円程度、理屈としては存在する状況だということでございますので、こういう人類が経験したことがないような未曽有の金融の過剰などがある中で、本当に中国がソフトランディングを図れるかどうかというのが、これが中国問題の本質である。
次のページは、三つシナリオが書いてございます。一が標準シナリオ、おおむね六%台は維持する、こういう考え方が一般的でございますが、ここではリスクシナリオを二つお示ししています。二のシナリオは、設備の過剰が調整に向かったシナリオ、三は、メルトダウンシナリオという、かなり厳しい設備の調整が起きるという三つのシナリオでございます。
この三のメルトダウンシナリオ、十二ページのところに詳細をお示ししておりますが、この悪いケースのときは、潜在成長率、実力の成長率が一・六%程度まで落ちる可能性がある。
グラフで見ていただくと、経済成長は三つの要因があるということで、技術要因、資本要因、労働要因でございますけれども、これから、悪いシナリオとしては、ピンク色の技術が大幅に停滞をしていく。それから、ブルーの部分の資本というのが、これから設備の調整が起きる中で、中国の実力の成長率がゼロに近いところまで落ちてしまう。こういうシナリオを頭の片隅に置いておくということが必要であると思います。
十三ページ以降は、アベノミクスの話でございます。
私は、基本的な方向性は正しい、こういう考え方をしておるわけでございますが、そこにあるのは、財界の首脳の方が命名されたと言われる追い出し五点セット、もしくは電力不足だとか日中関係の悪化などを含めて、日本企業は七重苦にさいなまれてきた。これを、今、アベノミクスは全て反対の方向に転換をしてきた。
例えば、十三ページの七というところでいえば、日本が原理原則を曲げなかったことによって、むしろ中国サイドが秋波を送るような形で、今、日中関係は雪解け、改善の方向に向かってきた。
これらの面で、私は、基本的なアベノミクスの方向性は決して間違っていない、こういう考え方をしております。
十四ページは、経済の好循環。
三つ線がございますけれども、一番上のブルーの線が企業の売上高、二番目のオレンジの線が個人の所得、三番目の緑の線が物価でございますけれども、微妙に右斜めに傾きをつけてこの三つを一定の時間差で重ねていくと、比較的似たような動きをしてくる。
申し上げたいことは、景気回復の一丁目一番地というのは、まずは、一番上のブルーの部分、企業が元気になって、企業の売上高だとか収益などが上がってくる、そこから今賃上げの動きが徐々に進んでいるわけでございますから、経済のサイクルから見れば、まずは成長戦略を打って、そこから三年たって分配政策を打つという、この政策の手順は正しい方向で打たれている、私はこういう考え方です。
十五ページをごらんいただくと、ずっと、雇用がふえても非正規ばかりである、こういう批判がなされてきたわけでございますが、足元で見ると、前年比では、正規の伸びが非正規の伸びを上回ってきた。
経済は、残念ながら今の仕組みからすれば、最初は非正規が伸びるということですが、体温が温まってくると徐々に正規が伸びてくる。加えて、これから同一労働同一賃金の原則をさらに議論していくということでございます。
十六ページをごらんください。
アベノミクスの課題ということで申し上げると、一つは社会保障制度の抜本的な改革、二点目として成長戦略、従来の第三の矢の強化、三点目として分配政策を今まで以上に推進するということでございますが、きょう私が強調したい大きなポイントとして、三の分配政策だけで経済が上がるということにはなりにくい。二と三は一体の課題であって、二の成長戦略と三の分配政策、これを同時並行的にバランスよくやっていく、これが最大の課題です。
なぜそう考えているかというと、次の十七ページでございますけれども、日本でなぜ賃金が低迷しているか。時間当たりの実質賃金を日米独で比較をしておるわけですが、この中で日本が低迷している理由、一の労働生産性、二の広い意味での企業の競争力、三の労働分配率、この三つの要因に分解をしたものです。この三段の数字は寄与度といって、三段の数字を足し込んでいくと、一番上の段の賃金の伸び率に一致をする。
最初に御注目いただきたいのは、一番下の三の労働分配率。確かに日本の労働分配率は若干賃金を下げているわけですけれども、諸外国もほとんど同じぐらいのペースで下がっている。国際的な潮流にはなかなか逆らえない部分もあるわけですから、日本が分配政策だけで賃金を上げようとしても、そこの伸び代はかなり限定的なものにならざるを得ない。
どこに問題があるかといえば、一の労働生産性、二の広い意味での企業の競争力。これらは分配政策では上がらないわけでございますから、従来の三本目の矢の成長戦略、TPPへの参加であり、法人税の減税であり、岩盤規制の緩和、こういうものをやって一と二を上げていくことこそが、国民の賃金を持続的に上げるための鍵であるということでございます。
十八ページ。ここから財政の課題ということですが、経済成長だけで財政再建をしていくというのはなかなか難しいのではないか。
ドーマー条件と書いてございますけれども、名目成長率が長期金利より高いというこの条件が満たされるのであれば、プライマリーバランスを均衡すれば、あとは財政が徐々に改善の方向に向かっていく。そういう意味で非常に重要な条件でございますけれども、左の図表の右上のところに、我が国におけるドーマー条件の勝率が書いてございますが、ここはやはり、過去の例で見ると決して勝率は高いものではない。
右の図表、これはOECD諸国の中でドーマー条件を満たした国の割合をお示ししておりますが、一時的にバブルなどが起きるとドーマー条件は満たされる。ただ、これは、長い目でならして見ると、なかなかドーマー条件を持続的に満たすのは難しいということでございますので、結論として、やはり、経済成長だけではなくて、歳出のカットですとか社会保障制度の合理化、それから一部は増税、これらをバランスよく行っていくということが、財政再建のための鍵であるということです。
十九ページは、財政の再建に成功するためにどうすればいいか。
大分時間も押してまいりましたのでポイントだけ申し上げますと、景気頼みだけでやると、過去の事例で見ると、また景気が悪くなると税収が落ちるということを繰り返してきた。やはり、社会保障制度を中心とした抜本的な改革をして歳出をしっかりと抑える、それから成長をしていく、一部は増税をする、これを三位一体でバランスよく行うことが必要であるということです。
二十ページ、二十一ページ。これは、私どもの財政の中長期のシミュレーション。かなり改革をしっかりと行っていかないと、中長期的な財政状況は厳しいということでございます。
ちょっとおめくりいただいて、二十三ページをごらんください。
このグラフは、縦軸が長期金利から短期金利を引いた長短スプレッド、横軸が政府の債務状況でございますが、国際的に見ると、大体一本の均衡線の上に並んでくる。今、日本は、日銀が大胆な金融緩和をやって、かなり実力より金利を抑えている状況でございますが、長いスパンで見ると、やはり、しっかりと財政の規律を守っていかないと、この線上に日本が来てしまうリスクというのが一定程度存在するということでございます。
最後に二十四ページで、せっかくの機会ですので、一つ明るい話をさせていただきます。
これは、一九〇一年の、今から百年以上前の報知新聞の正月の特集でございますけれども、二十世紀の予言といって、当時から百年後の二十世紀にこんなことができたらいいという夢のような話を二十三項目取り上げた。
この中で実現していないのは六項目あって、まだ人と動物が自在に話せるようにはなっていない。他方で、十七項目は当然のように実現をしている。八十日かかった世界一周が七日でできればいいと思ったのが、もう七日もかからない。人声十里に達すというのは電話のことでございます。写真電話というのはテレビ電話。そして、買い物便法というのは、これは、インターネットショッピングのことが百年以上前に夢のような話として予言されていた。暑寒知らずは、読んで字のとおり、エアコンのことでございます。
そういう意味では、五十年、百年の時間軸で見れば人類の技術進歩には限界はないわけであって、しかも日本は、物つくりだとかイノベーションの面では圧倒的な強さを持っている。その意味で、これから日本としては、こういう科学技術だとか物つくりだとか、そういうところに力を入れていけば、私は、日本の五十年先、百年先の将来というのは決して暗いものではないのではないか、そういう考え方をしております。
私からの御報告は以上でございます。
御清聴ありがとうございました。拍手
竹
小
小幡績#4
○小幡公述人 御紹介いただきました小幡でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
資料は、熊谷さんの派手な資料の下に埋もれている資料で、「経済状況について」というものでございます。
経済の現在の危機といいますか、経済自体は本来それほど悪くないんですけれども、過剰な政策による危機というものについて、ぜひ、この機会をもって、党派を超えた危機感を共有していただければと思います。
ということで、タイトルは「静かな金融危機と着実な不況」と書いてありますが、その下を順番に説明していきたいと思います。
日銀のマイナス金利導入後から、二月に入って市場は大混乱しておりますが、これはどうしたことかといいますと、本質的には、過剰な金融緩和のツケが一気に噴き出したということでございます。
昨年から、マーケット、市場は荒れているわけですけれども、昨年あるいはことしの一月、中国あるいは原油ということが言われていましたが、実は、二月以降、これは銀行不安というものに全くさま変わりしてしまった。こうなると、原油市場崩壊というのは、原油バブルだったので、そこの一つのバブル市場が崩壊するだけですので部分的な危機なわけですけれども、銀行危機となりますと、金融市場から実体経済に危機が移ります。
つまり、バブルで損失を受ける、あるいは金融的な損失を受ける。それが、普通に地道に経営を行っている企業、中小企業、個人へも、銀行融資の引き揚げという形で波及するということで、銀行危機というのは実体経済にとって本物の危機であるということで、二月から危機が急に実体を帯びて本格化してきたということです。
銀行危機になぜなったかといいますと、そこに四つの圧迫要因が書かれていますけれども、要は、一方で収益機会がなくなり、一方で、リーマン・ショック後、金融規制が強まり、リスクをとる機会がなくなり、あるいは資本積み増しを要求され、コストが物すごく高くなった。両方から圧縮されて、銀行はやっていけないということでございます。
典型的には、二月の頭にドイツ銀行の危機ということが最もクローズアップされて話題になったわけですが、ヨーロッパでは、昨年秋から、イタリアの銀行破綻、ポルトガルの銀行破綻、まあ、破綻というよりは危機ぐらいで言った方がいいかもしれませんが、起きておりますので、ヨーロッパではもともとあった。それが、日銀のマイナス金利によって再度クローズアップされ、また、アメリカが景気後退するのではないかという不安から、アメリカも金利が低下するのではないかと。
金利低下による銀行圧迫、つまり、マイナス金利というのは銀行に負担になるということですけれども、実は、マイナス金利そのものよりも、国債金利は今やもうゼロですから、これは、銀行、とりわけ地方の地域金融機関は、融資先がありませんので預金を主に日本国債で運用している、その収益がゼロになるわけですから、国債を売って何かリスクをとれと言われてもリスクがとれないわけで、これは縮小均衡に行かざるを得ない。ですから、マイナス金利によってデフレが加速するという構図になってございます。
ただ、これは日本だけの現象ではございませんで、世界的な現象だ。その根底には、リーマン・ショック、この敗戦処理といいますか、後遺症ということだと思います。
一枚めくっていただきまして裏側を見ていただくと、危機はリアルだということで、先ほど御説明したように、リスク資産市場のバブル崩壊というものから実体経済の危機の可能性。ただ、まだ可能性ですので、すぐ、あす、あさって世界が崩壊する、あるいはリーマン・ショックのようなインパクトがあるものが起こると言っているわけではございません。
ただ、静かに、着実に、銀行、とりわけ弱い金融機関から、イタリア、ポルトガルというのは弱い国ですから、国内でいえば、地方の弱い金融機関から追い詰められていく、そういうことが日本国内では起こる。ですから、これに対応する方法としてはダウンサイジングしかない。預金も受け入れない、融資もしない。そうすると、経済全体が縮小均衡になってデフレが進むということでございます。
その下は、基本的な銀行危機の構造に加えまして、従来言われております原油危機、そして中国経済というものが上乗せされて、まさに世界的にも、リスクテークしなくなりますので、リスク資産価格も下落する、この逆資産効果も出てくるということです。
裏に行っていただいて、次のページに「政策手段がない」、これは一番の問題ですね。これは、金融緩和をし過ぎたことによって国債の利回りが世界じゅうで下がって、これが銀行を追い詰めているというのが危機の根幹ですから、打つ手がないわけですよ、政策をやり過ぎたことが壊しているわけなので。では、これ以上金融緩和しろということになると、ますますよくない。
つまり、黒田日銀総裁が三回サプライズの緩和をしたわけですけれども、一回目はイメージ戦略としてはプラス効果がありました。二度目は賛否両論です。今回はどう見ても非常にネガティブだということに市場ではなっております。なぜかというと、明らかにもうやり過ぎているところにさらに緩和を進めるという方向ですので、それが間違っているということです。
ここではちょっと、自殺行為と書きましたが、金融市場の側あるいは投資家サイドとしてはそれを求めるわけですね。いわば金融緩和依存症、中毒症のようになっていますので、短期的には、そこで盛り上げてもらわないと短期に盛り返せないと。ところが、長期的には、それがどんどん金融市場をも追い詰めていく。
実体経済はもともと影響がほとんど関係なくて、日本経済でいえば、投資すべきところには投資している。ただ、人口も減りますし、経済も縮小均衡だ。これは量から質の時代だ、それで皆さん、質に向けて一生懸命努力されている、その中で量をばらまいても、これはリスク資産で、いわゆる金融市場、投機にしか向かわないということで、リスク資産市場だけバブル的になる。そこへ持ってきて、バブルをも起こせないといいますか、限界に達してきたというのが現状だと思います。
下の「今回の危機の構造」、これからもうちょっと細かく危機のことを説明しますが、昨年の夏にいきなり暴落が始まった、これは原油危機です。原油が下がったことによって、いわゆるシェールガス開発の関連の会社はジャンク債というリスクの高い債券でやっていた、その市場が破綻した、そうすると、そこに投資したファンドなどが破綻する、そのファンドなどがほかの株なんかを売るので、リスク資産市場全体に危機が波及した。
一枚めくっていただいて、ことしの一月、昨年末から原油下落の継続によってこれがさらに広がって、さらに深く広くなったということでございます。これは、特徴なのは、中国、ロシア、日本が下がったんですけれども、なぜか日本が一番株が下がった。
中国というのは、これは後で時間があれば説明しますが、これも実はリーマン・ショックの後遺症で、リーマン・ショック後、金融緩和をやり過ぎたという話を今までさせていただきました。一方、実体経済も、中国が頑張ってくれたという言い方もありますが、財政出動を物すごくして、設備投資を物すごく刺激して、設備をつくり過ぎたために供給過剰になって、今、中国を中心に大変な実体経済の不況になっている。ただ、これは量的な不況ですので、中国も質的な向上が沿岸部、富裕層を中心にあって、そこで補っているという状態です。
ですから、中国が危機の中心、ロシアは原油ですから下がる、当然なんですが、なぜ日本なんだと。
これは、昨年、日本株だけが物すごく上がりました。一種の日本株バブルと言って差し支えないと思います。GPIFの株の買い増し、日銀も株を買う、追加緩和もあったということで、ややミニバブルになってしまった。その部分が一月に調整で弾けたということで説明がつくということでございます。
一応補足で、原油の下落というのは日本経済にプラスではないかという議論がありますが、これは世界全体で見ればプラス・マイナス・ゼロですね。産油国は困ります。日本はプラスです。プラス・マイナス・ゼロですが、現時点では世界全体は非常にマイナス。
なぜかというと、今世界で経済が一番いいのはアメリカです。日本もまあまあです。ヨーロッパはいまいちになってきて、新興国は大変だ。弱いところがいじめられているということなんですね。原油で何とか稼いでいた国が、原油がやられちゃうと収入源が全部なくなって困る。日本とアメリカは、多少困難があっても、強い経済ですから何とかなる。ですから、世界経済の一番弱いところを攻められているので危機が始まったというのが現状ですので、それはマイナスだということです。
一枚めくっていただいて、危機第三弾、この二月からというのは、先ほどから説明しております世界的銀行危機が始まったということでございます。
細かいプロセスは下に書いてありますが、欧州の銀行が弱っていたところに日銀のニュースが重なり、アメリカの景気後退懸念というのが重なって起きたということです。
一枚めくっていただいて、先ほどから説明しているように、この危機の根底にあるのはリーマン・ショックの後遺症だ。
つまり、あれだけ大きなバブルが崩壊して、ただ、日本は一番うまくやったわけですけれども、意外と皆さん生き残っている。というのは何かというと、全て先送りにしてきた。異常な金融緩和で国債市場も下がった、そして財政出動をしてその国債を金融が買い上げたという構造です。その痛みが今来ているということでございます。
下に行っていただくと、つまり、実体経済もやられたわけで、あそこで実体経済に出動する意欲は誰もありません。ところが、金融バブルが崩壊したのに、金融がとことん傷むのを抑えるために、そこを支えました。ということは、ミニバブル、あるいは違う形の国債市場バブルや不動産市場バブルをつくることによってしのいできたということでございます。
そうなると、投資というのは、長期安定した将来を見通してリスクをとる、本当のリスクをとる、実体のリスクをとるということですけれども、今や短期的にしか動けないので、金融市場のリスクをとる。
金融市場のリスクというのは、値動きの方向を当てるということです。今や、金融市場の値動きというのは、中央銀行の政策に左右されている。そうなりますと、中央銀行の政策を読み合うという、まさにギャンブル市場のようなものになってしまい、全員が投機家にならざるを得ない。
その中で、長期的な投資家、安定的な国債投資家、地方銀行も含まれますが、そういう人たちが市場を追い出され、今、国債がいわば値上がりしているわけですね、金利が下がると。円も円高になっている。これはなぜかというと、日本の今後の金融政策が読めないということで大混乱しているので、この機会に乗じて投機家、トレーダーがいっぱい集まってきているということでございます。
一枚めくっていただくと、根底には、金融機関に対する規制強化というのも一方でございます。BIS規制も強化された。これは当然のことですが、現状ではちょっと裏目に出てしまったということで、本質的なリスクがとれない、だから、国債とか形式的に安全なものを大量に保有する、その利回りもなくなってきたということで追い詰められているということでございます。
三というところでは、先ほど申し上げた中国、これは実体経済における過剰がリーマン・ショックの反動として起きてきていたということでございます。
一枚めくっていただいて、とどめを刺したのは、マイナス金利が最後にタイミング悪くいったということです。
マイナス金利は、為替安をもたらすという意味で、一国経済にとっては短期的にプラスになる可能性はありますが、実は為替は日本一国では動かせなくて、ドル高の流れが変わると、世界的なドルの流れの中で一瞬でかき消されてしまう。そうなると、過大な金融緩和という副作用しか残らないという状況で、悪くなってしまった。
下に行っていただいて、これは日銀だけを責めるわけにはいかなくて、世界じゅうで金融緩和をやり過ぎているわけで、世界的な病なわけです。
ただ、日銀が今回最も失敗したというのはサプライズ戦略で、ショック療法、第一弾のときは日本経済が凍っていた、それでデフレマインド脱却というかけ声とともにやったのは、イメージ戦略としては成功しました。ところが、それをずっとやり続けているために、その後、全て副作用、やり過ぎというまさに本質的な悪い効果が出てきたということで、そのとどめを刺したのがマイナス金利、しかもサプライズ戦略。
サプライズになりますと、さっきも言ったように、混乱して将来を読めない。ここで国債をやめて投資しろと言われても、先が読めない中では誰も投資も融資もできないというのが現状でございます。
一枚めくっていただいて、先ほど申し上げたように、国債市場は投機家の狩り場になっているということでございます。
下に行っていただくと、国債市場というのは、安全資産ですから、危機のときの逃げ場なんですね。その危機のときの逃げ場を失ってしまっては港に帰れない。今、漂流しているような状態でございます。
もう一回危機を総括しますと、地味な世界不況というふうに書きましたが、リーマン・ショックの後遺症、敗戦処理を今まで先送りしてきたので、これから少しずつやっていかなきゃいけないということで、金融緩和中毒からどう抜け出すかということです。中毒ですから抜け出すのはなかなか大変で、ゆっくり慎重にいかなきゃいけないということでございます。
一枚めくっていただいて、これは本質的には、もっと長期的に言うと、ずっと拡大志向で来た資本主義というのがどこかで縮小しなきゃいけないということで、一九八〇年以降、金融市場の自由化とともに膨らんできたものの反動という面もあると思います。
もう一つ、政策マーケット。我々も責任があると思うんですけれども、何かやれと。例えば、アベノミクスであれば、アベノミクスはよくないとか金融緩和はよくないと言うなら、おまえ対案を出せと言われる、対案はありませんと言うと物すごく怒られるわけですが、実は、最後に申し上げますが、今、やり過ぎが問題なので、我慢のしどころだというふうに思っています。
サッカーでいえば、アウエーの戦いでゼロ、ゼロで逃げ切らなきゃいけない。その中でゆっくり中毒から抜け出すということですから、どんなにやれと言われても我慢する。やれば投機家は喜びます。それ以外喜ばない。実体は迷惑する、それで地方銀行も困るというのが現在の構図でございます。
一点だけ補足しますと、消費刺激というのも現状では実はマイナスで、景気という問題としては、今は普通なんですね。ところが、長期の成長力が落ちている。ゼロ成長です。これが一番の問題で、景気対策を打ち過ぎた余り、長期の成長にお金が向かわない、目先のことにばかり資源がとられるということで、長期成長力が落ちてきたということが問題でして、これを立て直さなきゃいけないということで、景気刺激策も実はよくないということです。ですから、政策的には手詰まりですが、我慢するしかないということです。
一枚めくっていただいて、今後、一応、為替と日本経済の見通しを申し上げますと、これは、円高はやむを得ません。四つの状況、何をとっても、円安方向に振れ過ぎている。妥当なところは百円というコンセンサスですし、経常収支も黒字になり、アメリカも利上げしないという方向であればなる。それで一気に投機的な円買いポジションが膨らみ始めたところですので、この流れには逆らえないので、円安効果を狙う政策は空振りに終わり、むしろ副作用だけ残るということでございます。
日本経済、現状を説明します。停滞してきましたが、これは今まで、随分株高もあって、ちょっとバブル的に、実力以上、実力ゼロ%の中で一%を超える成長をしてきたわけですから、GDPが増大してきたので、その反動が来ているということでございます。その中で異常な金融緩和の反動が来ていますから、とりわけ地域金融機関、上場したてのゆうちょ銀行、これらが一番困るということで、地方、弱いところがやられる。
これまでの金融緩和自体、この三年を振り返っても、地方になかなか回らないという議論がありますが、これは当然です。地方にとっては金融緩和は地域金融機関を弱めることにすぎませんから、地域の中心である地域金融機関が弱くなれば、それは地域がよくなるはずがないので、金融緩和政策というのは実は地方を弱くする政策、この三年そうであったということでございます。今後は、これがさらに膨らみますと実体経済の不況にもなるということでございます。
では、どうするかということで、一枚めくっていただきますと、「現状認識と政策対応」。もう一度まとめますと、これから緩やかな危機がやってくる。金融緩和、財政出動も実はマイナス、とりわけ金融緩和は一番よくない。中国も財政出動というのをやり過ぎた反動が今来ているわけですから、やれないので、彼らは金融緩和でしのごうとしているわけです。世界全体で政策協調といっても、緩和をやり過ぎていることをやめるぐらいしかないわけですけれども、それもなかなか難しいとなると、非常に難しい。
では、日本はどうするかといいますと、先ほど申し上げたように、我慢のときなので動かないというのがあるわけです。これから危機は、静かなゆったりした不況ですけれども、着実に来る。それは先です。今先手を打っておいても、これは何の意味もありません。要は、金融機関にじわじわ来て、そこへ世界不況がやってきたときに、地域金融機関を支えるとか、そのような形で財政出動等、将来必要になってくるので、そのときまで力をためておくということでございます。金融緩和も景気刺激にならず、追い詰めることになるだけだと。
予算委員会ということで、予算関連で、一番最後、補足ですけれども、そういうことで財源は非常に重要ということで、エコノミストや経済学者の間では、軽減税率は経済的には効果がない、ただ、導入上、政治的に痛みを和らげる政策としては全員に緩和が及ぶということで支持されているという理解です。ただ、増収効果は非常に弱くなりますので、これから先、非常に厳しいことを考えますと、財源が必要であることを考えますと、非常によくない。
なぜかといいますと、今後、例えば、将来さらに消費税を引き上げるときにも軽減税率は残るわけで、一緒に上げていくというのはなかなか難しくて、政治的に痛みを和らげることにも使えない。その痛みを和らげるということでは、補助金などを配る方が、その一回配るごとに政治的なベネフィットがありますので、政治的効率性は高い。軽減税率というのは、そういう意味では政治的コストが高いということでございます。
あと一つ、年金運用でございますけれども、これは、一部の国では、その年の運用成績に応じて給付を削るという国はございます。ですから、マクロスライドというのがありますけれども、予定利回りも同じように、予定利回りを下回った場合には、それに連動してその年から給付を下げる、あるいは財源的手当てをするということが安定のためには必要だと思いますので、蛇足ながら付言させていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →資料は、熊谷さんの派手な資料の下に埋もれている資料で、「経済状況について」というものでございます。
経済の現在の危機といいますか、経済自体は本来それほど悪くないんですけれども、過剰な政策による危機というものについて、ぜひ、この機会をもって、党派を超えた危機感を共有していただければと思います。
ということで、タイトルは「静かな金融危機と着実な不況」と書いてありますが、その下を順番に説明していきたいと思います。
日銀のマイナス金利導入後から、二月に入って市場は大混乱しておりますが、これはどうしたことかといいますと、本質的には、過剰な金融緩和のツケが一気に噴き出したということでございます。
昨年から、マーケット、市場は荒れているわけですけれども、昨年あるいはことしの一月、中国あるいは原油ということが言われていましたが、実は、二月以降、これは銀行不安というものに全くさま変わりしてしまった。こうなると、原油市場崩壊というのは、原油バブルだったので、そこの一つのバブル市場が崩壊するだけですので部分的な危機なわけですけれども、銀行危機となりますと、金融市場から実体経済に危機が移ります。
つまり、バブルで損失を受ける、あるいは金融的な損失を受ける。それが、普通に地道に経営を行っている企業、中小企業、個人へも、銀行融資の引き揚げという形で波及するということで、銀行危機というのは実体経済にとって本物の危機であるということで、二月から危機が急に実体を帯びて本格化してきたということです。
銀行危機になぜなったかといいますと、そこに四つの圧迫要因が書かれていますけれども、要は、一方で収益機会がなくなり、一方で、リーマン・ショック後、金融規制が強まり、リスクをとる機会がなくなり、あるいは資本積み増しを要求され、コストが物すごく高くなった。両方から圧縮されて、銀行はやっていけないということでございます。
典型的には、二月の頭にドイツ銀行の危機ということが最もクローズアップされて話題になったわけですが、ヨーロッパでは、昨年秋から、イタリアの銀行破綻、ポルトガルの銀行破綻、まあ、破綻というよりは危機ぐらいで言った方がいいかもしれませんが、起きておりますので、ヨーロッパではもともとあった。それが、日銀のマイナス金利によって再度クローズアップされ、また、アメリカが景気後退するのではないかという不安から、アメリカも金利が低下するのではないかと。
金利低下による銀行圧迫、つまり、マイナス金利というのは銀行に負担になるということですけれども、実は、マイナス金利そのものよりも、国債金利は今やもうゼロですから、これは、銀行、とりわけ地方の地域金融機関は、融資先がありませんので預金を主に日本国債で運用している、その収益がゼロになるわけですから、国債を売って何かリスクをとれと言われてもリスクがとれないわけで、これは縮小均衡に行かざるを得ない。ですから、マイナス金利によってデフレが加速するという構図になってございます。
ただ、これは日本だけの現象ではございませんで、世界的な現象だ。その根底には、リーマン・ショック、この敗戦処理といいますか、後遺症ということだと思います。
一枚めくっていただきまして裏側を見ていただくと、危機はリアルだということで、先ほど御説明したように、リスク資産市場のバブル崩壊というものから実体経済の危機の可能性。ただ、まだ可能性ですので、すぐ、あす、あさって世界が崩壊する、あるいはリーマン・ショックのようなインパクトがあるものが起こると言っているわけではございません。
ただ、静かに、着実に、銀行、とりわけ弱い金融機関から、イタリア、ポルトガルというのは弱い国ですから、国内でいえば、地方の弱い金融機関から追い詰められていく、そういうことが日本国内では起こる。ですから、これに対応する方法としてはダウンサイジングしかない。預金も受け入れない、融資もしない。そうすると、経済全体が縮小均衡になってデフレが進むということでございます。
その下は、基本的な銀行危機の構造に加えまして、従来言われております原油危機、そして中国経済というものが上乗せされて、まさに世界的にも、リスクテークしなくなりますので、リスク資産価格も下落する、この逆資産効果も出てくるということです。
裏に行っていただいて、次のページに「政策手段がない」、これは一番の問題ですね。これは、金融緩和をし過ぎたことによって国債の利回りが世界じゅうで下がって、これが銀行を追い詰めているというのが危機の根幹ですから、打つ手がないわけですよ、政策をやり過ぎたことが壊しているわけなので。では、これ以上金融緩和しろということになると、ますますよくない。
つまり、黒田日銀総裁が三回サプライズの緩和をしたわけですけれども、一回目はイメージ戦略としてはプラス効果がありました。二度目は賛否両論です。今回はどう見ても非常にネガティブだということに市場ではなっております。なぜかというと、明らかにもうやり過ぎているところにさらに緩和を進めるという方向ですので、それが間違っているということです。
ここではちょっと、自殺行為と書きましたが、金融市場の側あるいは投資家サイドとしてはそれを求めるわけですね。いわば金融緩和依存症、中毒症のようになっていますので、短期的には、そこで盛り上げてもらわないと短期に盛り返せないと。ところが、長期的には、それがどんどん金融市場をも追い詰めていく。
実体経済はもともと影響がほとんど関係なくて、日本経済でいえば、投資すべきところには投資している。ただ、人口も減りますし、経済も縮小均衡だ。これは量から質の時代だ、それで皆さん、質に向けて一生懸命努力されている、その中で量をばらまいても、これはリスク資産で、いわゆる金融市場、投機にしか向かわないということで、リスク資産市場だけバブル的になる。そこへ持ってきて、バブルをも起こせないといいますか、限界に達してきたというのが現状だと思います。
下の「今回の危機の構造」、これからもうちょっと細かく危機のことを説明しますが、昨年の夏にいきなり暴落が始まった、これは原油危機です。原油が下がったことによって、いわゆるシェールガス開発の関連の会社はジャンク債というリスクの高い債券でやっていた、その市場が破綻した、そうすると、そこに投資したファンドなどが破綻する、そのファンドなどがほかの株なんかを売るので、リスク資産市場全体に危機が波及した。
一枚めくっていただいて、ことしの一月、昨年末から原油下落の継続によってこれがさらに広がって、さらに深く広くなったということでございます。これは、特徴なのは、中国、ロシア、日本が下がったんですけれども、なぜか日本が一番株が下がった。
中国というのは、これは後で時間があれば説明しますが、これも実はリーマン・ショックの後遺症で、リーマン・ショック後、金融緩和をやり過ぎたという話を今までさせていただきました。一方、実体経済も、中国が頑張ってくれたという言い方もありますが、財政出動を物すごくして、設備投資を物すごく刺激して、設備をつくり過ぎたために供給過剰になって、今、中国を中心に大変な実体経済の不況になっている。ただ、これは量的な不況ですので、中国も質的な向上が沿岸部、富裕層を中心にあって、そこで補っているという状態です。
ですから、中国が危機の中心、ロシアは原油ですから下がる、当然なんですが、なぜ日本なんだと。
これは、昨年、日本株だけが物すごく上がりました。一種の日本株バブルと言って差し支えないと思います。GPIFの株の買い増し、日銀も株を買う、追加緩和もあったということで、ややミニバブルになってしまった。その部分が一月に調整で弾けたということで説明がつくということでございます。
一応補足で、原油の下落というのは日本経済にプラスではないかという議論がありますが、これは世界全体で見ればプラス・マイナス・ゼロですね。産油国は困ります。日本はプラスです。プラス・マイナス・ゼロですが、現時点では世界全体は非常にマイナス。
なぜかというと、今世界で経済が一番いいのはアメリカです。日本もまあまあです。ヨーロッパはいまいちになってきて、新興国は大変だ。弱いところがいじめられているということなんですね。原油で何とか稼いでいた国が、原油がやられちゃうと収入源が全部なくなって困る。日本とアメリカは、多少困難があっても、強い経済ですから何とかなる。ですから、世界経済の一番弱いところを攻められているので危機が始まったというのが現状ですので、それはマイナスだということです。
一枚めくっていただいて、危機第三弾、この二月からというのは、先ほどから説明しております世界的銀行危機が始まったということでございます。
細かいプロセスは下に書いてありますが、欧州の銀行が弱っていたところに日銀のニュースが重なり、アメリカの景気後退懸念というのが重なって起きたということです。
一枚めくっていただいて、先ほどから説明しているように、この危機の根底にあるのはリーマン・ショックの後遺症だ。
つまり、あれだけ大きなバブルが崩壊して、ただ、日本は一番うまくやったわけですけれども、意外と皆さん生き残っている。というのは何かというと、全て先送りにしてきた。異常な金融緩和で国債市場も下がった、そして財政出動をしてその国債を金融が買い上げたという構造です。その痛みが今来ているということでございます。
下に行っていただくと、つまり、実体経済もやられたわけで、あそこで実体経済に出動する意欲は誰もありません。ところが、金融バブルが崩壊したのに、金融がとことん傷むのを抑えるために、そこを支えました。ということは、ミニバブル、あるいは違う形の国債市場バブルや不動産市場バブルをつくることによってしのいできたということでございます。
そうなると、投資というのは、長期安定した将来を見通してリスクをとる、本当のリスクをとる、実体のリスクをとるということですけれども、今や短期的にしか動けないので、金融市場のリスクをとる。
金融市場のリスクというのは、値動きの方向を当てるということです。今や、金融市場の値動きというのは、中央銀行の政策に左右されている。そうなりますと、中央銀行の政策を読み合うという、まさにギャンブル市場のようなものになってしまい、全員が投機家にならざるを得ない。
その中で、長期的な投資家、安定的な国債投資家、地方銀行も含まれますが、そういう人たちが市場を追い出され、今、国債がいわば値上がりしているわけですね、金利が下がると。円も円高になっている。これはなぜかというと、日本の今後の金融政策が読めないということで大混乱しているので、この機会に乗じて投機家、トレーダーがいっぱい集まってきているということでございます。
一枚めくっていただくと、根底には、金融機関に対する規制強化というのも一方でございます。BIS規制も強化された。これは当然のことですが、現状ではちょっと裏目に出てしまったということで、本質的なリスクがとれない、だから、国債とか形式的に安全なものを大量に保有する、その利回りもなくなってきたということで追い詰められているということでございます。
三というところでは、先ほど申し上げた中国、これは実体経済における過剰がリーマン・ショックの反動として起きてきていたということでございます。
一枚めくっていただいて、とどめを刺したのは、マイナス金利が最後にタイミング悪くいったということです。
マイナス金利は、為替安をもたらすという意味で、一国経済にとっては短期的にプラスになる可能性はありますが、実は為替は日本一国では動かせなくて、ドル高の流れが変わると、世界的なドルの流れの中で一瞬でかき消されてしまう。そうなると、過大な金融緩和という副作用しか残らないという状況で、悪くなってしまった。
下に行っていただいて、これは日銀だけを責めるわけにはいかなくて、世界じゅうで金融緩和をやり過ぎているわけで、世界的な病なわけです。
ただ、日銀が今回最も失敗したというのはサプライズ戦略で、ショック療法、第一弾のときは日本経済が凍っていた、それでデフレマインド脱却というかけ声とともにやったのは、イメージ戦略としては成功しました。ところが、それをずっとやり続けているために、その後、全て副作用、やり過ぎというまさに本質的な悪い効果が出てきたということで、そのとどめを刺したのがマイナス金利、しかもサプライズ戦略。
サプライズになりますと、さっきも言ったように、混乱して将来を読めない。ここで国債をやめて投資しろと言われても、先が読めない中では誰も投資も融資もできないというのが現状でございます。
一枚めくっていただいて、先ほど申し上げたように、国債市場は投機家の狩り場になっているということでございます。
下に行っていただくと、国債市場というのは、安全資産ですから、危機のときの逃げ場なんですね。その危機のときの逃げ場を失ってしまっては港に帰れない。今、漂流しているような状態でございます。
もう一回危機を総括しますと、地味な世界不況というふうに書きましたが、リーマン・ショックの後遺症、敗戦処理を今まで先送りしてきたので、これから少しずつやっていかなきゃいけないということで、金融緩和中毒からどう抜け出すかということです。中毒ですから抜け出すのはなかなか大変で、ゆっくり慎重にいかなきゃいけないということでございます。
一枚めくっていただいて、これは本質的には、もっと長期的に言うと、ずっと拡大志向で来た資本主義というのがどこかで縮小しなきゃいけないということで、一九八〇年以降、金融市場の自由化とともに膨らんできたものの反動という面もあると思います。
もう一つ、政策マーケット。我々も責任があると思うんですけれども、何かやれと。例えば、アベノミクスであれば、アベノミクスはよくないとか金融緩和はよくないと言うなら、おまえ対案を出せと言われる、対案はありませんと言うと物すごく怒られるわけですが、実は、最後に申し上げますが、今、やり過ぎが問題なので、我慢のしどころだというふうに思っています。
サッカーでいえば、アウエーの戦いでゼロ、ゼロで逃げ切らなきゃいけない。その中でゆっくり中毒から抜け出すということですから、どんなにやれと言われても我慢する。やれば投機家は喜びます。それ以外喜ばない。実体は迷惑する、それで地方銀行も困るというのが現在の構図でございます。
一点だけ補足しますと、消費刺激というのも現状では実はマイナスで、景気という問題としては、今は普通なんですね。ところが、長期の成長力が落ちている。ゼロ成長です。これが一番の問題で、景気対策を打ち過ぎた余り、長期の成長にお金が向かわない、目先のことにばかり資源がとられるということで、長期成長力が落ちてきたということが問題でして、これを立て直さなきゃいけないということで、景気刺激策も実はよくないということです。ですから、政策的には手詰まりですが、我慢するしかないということです。
一枚めくっていただいて、今後、一応、為替と日本経済の見通しを申し上げますと、これは、円高はやむを得ません。四つの状況、何をとっても、円安方向に振れ過ぎている。妥当なところは百円というコンセンサスですし、経常収支も黒字になり、アメリカも利上げしないという方向であればなる。それで一気に投機的な円買いポジションが膨らみ始めたところですので、この流れには逆らえないので、円安効果を狙う政策は空振りに終わり、むしろ副作用だけ残るということでございます。
日本経済、現状を説明します。停滞してきましたが、これは今まで、随分株高もあって、ちょっとバブル的に、実力以上、実力ゼロ%の中で一%を超える成長をしてきたわけですから、GDPが増大してきたので、その反動が来ているということでございます。その中で異常な金融緩和の反動が来ていますから、とりわけ地域金融機関、上場したてのゆうちょ銀行、これらが一番困るということで、地方、弱いところがやられる。
これまでの金融緩和自体、この三年を振り返っても、地方になかなか回らないという議論がありますが、これは当然です。地方にとっては金融緩和は地域金融機関を弱めることにすぎませんから、地域の中心である地域金融機関が弱くなれば、それは地域がよくなるはずがないので、金融緩和政策というのは実は地方を弱くする政策、この三年そうであったということでございます。今後は、これがさらに膨らみますと実体経済の不況にもなるということでございます。
では、どうするかということで、一枚めくっていただきますと、「現状認識と政策対応」。もう一度まとめますと、これから緩やかな危機がやってくる。金融緩和、財政出動も実はマイナス、とりわけ金融緩和は一番よくない。中国も財政出動というのをやり過ぎた反動が今来ているわけですから、やれないので、彼らは金融緩和でしのごうとしているわけです。世界全体で政策協調といっても、緩和をやり過ぎていることをやめるぐらいしかないわけですけれども、それもなかなか難しいとなると、非常に難しい。
では、日本はどうするかといいますと、先ほど申し上げたように、我慢のときなので動かないというのがあるわけです。これから危機は、静かなゆったりした不況ですけれども、着実に来る。それは先です。今先手を打っておいても、これは何の意味もありません。要は、金融機関にじわじわ来て、そこへ世界不況がやってきたときに、地域金融機関を支えるとか、そのような形で財政出動等、将来必要になってくるので、そのときまで力をためておくということでございます。金融緩和も景気刺激にならず、追い詰めることになるだけだと。
予算委員会ということで、予算関連で、一番最後、補足ですけれども、そういうことで財源は非常に重要ということで、エコノミストや経済学者の間では、軽減税率は経済的には効果がない、ただ、導入上、政治的に痛みを和らげる政策としては全員に緩和が及ぶということで支持されているという理解です。ただ、増収効果は非常に弱くなりますので、これから先、非常に厳しいことを考えますと、財源が必要であることを考えますと、非常によくない。
なぜかといいますと、今後、例えば、将来さらに消費税を引き上げるときにも軽減税率は残るわけで、一緒に上げていくというのはなかなか難しくて、政治的に痛みを和らげることにも使えない。その痛みを和らげるということでは、補助金などを配る方が、その一回配るごとに政治的なベネフィットがありますので、政治的効率性は高い。軽減税率というのは、そういう意味では政治的コストが高いということでございます。
あと一つ、年金運用でございますけれども、これは、一部の国では、その年の運用成績に応じて給付を削るという国はございます。ですから、マクロスライドというのがありますけれども、予定利回りも同じように、予定利回りを下回った場合には、それに連動してその年から給付を下げる、あるいは財源的手当てをするということが安定のためには必要だと思いますので、蛇足ながら付言させていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
竹
白
白石真澄#6
○白石公述人 皆さん、おはようございます。関西大学政策創造学部の白石真澄でございます。
私からは、保育サービス拡充のための施策というテーマでお話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
お手元資料、横長のパワーポイント資料でございます。
私からのお願いは、社会保障費用の中で、日本は超高齢社会を突き進んでおりますので、やはり高齢者関連の予算がふえていくわけですけれども、保育や教育といった次世代のための措置をぜひお願いしたいということでございます。
釈迦に説法とは存じますが、最初に、子育て、保育に関する現状と課題をお話し申し上げ、今後お願いしたい点については、お手元資料の六ページ目にまとめさせていただいております。
平成二十八年度の予算案については、一億総活躍社会の実現を掲げていただき、特に社会保障関係では、希望出生率一・八、これは平成二十六年で一・四二でございますので相当上がりますが、これを達成するための子育て支援の拡充を盛り込んでいただいておりますし、また、一月二十二日に閣議決定をしていただきました経済財政運営の基本的態度では、夢をつむぐ子育て支援という項目を盛り込んでいただいております。
早速でございますが、お手元資料を二枚めくっていただき、二ページ目をごらんください。
これはよく皆さんが目にとめていただいている資料かと思いますけれども、この左側のグラフは、一人目のお子さんを出産した女性が仕事を続けられているかどうかというものを、一九八五年、つまり今から三十年ほど前からの推移を見たものです。
育児休業をとって続けているのと、育児休業をとらないで続けているというのが下から二つ目の柱でございますけれども、ここを比較しますと、一九八五年は女性全体の二四%が就業継続をしておりますが、二〇〇五年から二〇〇九年にかけては二六・八%と、ほとんど変わっておりません。いろいろな法律ができ、施策が後押しをしているんですけれども、働き続けられている女性というのはほとんどふえておりません。
この中で、家庭に入って自分自身で子育てをしたいという自発的退職は女性全体の三九%なんですけれども、会社から退職勧告を受けたとか、六割がやめたくなかったのにやめてしまったという方でございます。
その理由というのは右側にお示しをしたんですけれども、両立が難しかった理由としては、勤務時間の問題、会社に両立の雰囲気がないということや、体力が続かない、こうした問題が挙がっているんですけれども、六番目に、保育園に入れないというのが五人に一人でございます。保育の問題も非常に重要だと思います。
皆様、既に御案内のとおりかと思いますけれども、最近、ニュースやワイドショーで取り上げられております匿名のブログでございます。保育園落ちた、日本死ね、一億総活躍なのに、何やってるんだ日本という非常に厳しい文言が並んでおりますが、これがあっという間にインターネットで拡散をされて、保育活動、保活の難しさというものを浮き彫りにしたということでございます。
政府は、四年後に就業継続率というのを女性全体の五五%、現在三八でございますが、これを上げていくということですので、保育園の整備は非常に重要だということでございます。
三ページ目をごらんください。これは保育所の数と待機児童の数です。
左側の図でごらんいただきますと、一・五七ショックと言われたのが平成二年なんですけれども、それ以降ふえてはいるんですけれども、一方、右側の待機児童というものは二万人を割り込むことはないんですね。
二〇〇一年に待機児童の定義が変わりまして、既に認可保育所に入っていてほかの園を希望している人は、待機児童のカウントから外れております。したがって、平成十七年、平成二十年のところでごらんいただくと、左側の柱が見かけの待機児童、実際の待機児童は黒い、高い方の棒グラフなんですね。
現在、政府が発表しております待機児童というのはいわば見かけの数字でございまして、はなから諦めている人というものもいれば、実際の十倍から二十倍いるというようなことが推定されております。厚生労働省の推定では、待機児童数は四十万人。つくってもつくってもそこが埋まっていくというのは、潜在的ニーズが表面化するからでございます。
その中で、ゼロから二歳、低年齢児の待機児童が八割でございます。育児休業が明けて、子供の預け先が見つからない、復職ができない方たちがたくさんいらっしゃるわけでございます。
次が四ページ目でございます。四ページ目は保育士の賃金水準というものが書いてございます。
私自身も、大学の教員を務めながら、民間企業の保育の社外取締役というものを六年間務めていた時期がございました。
保育所の開設が決まっていて、どこに何人規模の保育所をつくるということが決まっていても、現在、保育士が集まりません。
待機児童の多い、特に、二十三区内の世田谷区では保育士に八万円の家賃補助、横浜市も上限六万円の家賃補助、こうした財政力の比較的豊かなところは独自の補助ができるんですね。私が在籍しておりました民間企業でも、後輩を連れてきて就職に結びつければ社員に報奨金を出すという涙ぐましい自助努力をしていたんですけれども、現状でも保育士の需給というのは逼迫しておりまして、保育士不足は深刻でございます。
四ページの左下にございますように、保育士の養成学校を出ても、半数が保育士になっておりませんし、保育士の資格を持ちながら求職活動、仕事を探している方でも、半数が保育士を希望しておりません。
その理由はなぜかというと、右側の一番上のグラフにございますように、やはり賃金ですね。賃金が非常に安い。そして、体力面。ゼロ歳から二歳の子育てというのは本当に大変でございますけれども、日々そういう子供たちとおつき合いをするわけでございます。また、休暇がとりにくい。こうした項目が挙がっておりまして、給与の面だけではないということが明らかでございますし、こうした理由が解消されれば、保育士が保育の現場に戻ってくる、こういう可能性は大きいと思います。
厚生労働省も、潜在保育士の掘り起こしをしたり、無資格で今保育の現場で働いている方に保育士の資格を取っていただくための助成、さらには給与のアップのための運営費、これは民間保育所の給与を五%程度改善する補助金のアップでございます、こうしたことを行ってまいりましたけれども、依然として保育士不足は続いております。
民間企業では、新規開所がおくれる、決まっていても開設できないという可能性も出てきております。政府の試算では、平成二十九年度末までに保育士は七・四万人不足すると試算されております。
保育士の賃金水準で見ていただきまして、これは女性だけを比較したんですけれども、全職種と比べまして、保育士というのは相対的に安いということがおわかりいただけると思います。
五ページ目が、既にもう決定されております子ども・子育て支援新制度というものの概要でございます。
この内容というものは、消費税が一〇%になる段階から、七千億円を充当して実施するものでございます。保育の量、そしてさらに質をともに拡充する目的で実施されるわけでございますけれども、内容を平たく申し上げれば、従来の認可保育所だけではなく、認定こども園と言われる教育と保育を総合的に提供する施設や、家庭的保育である保育ママ、これは定員五人以下でございます、さらに小規模保育、六人から十九人が定員、こうしたものも組み入れて、保育所のパイの拡充をしていこうという狙いでございます。
また、専業主婦の御家庭の中にも保育のニーズが強いわけでございますし、皆様御案内のとおり、児童虐待で、少し保育の手を休めたいというようなニーズは顕在化しております。こうした専業主婦家庭も、保育の必要度、介護保険と同じように三段階に分けて、その段階ごとに保育サービスを提供するというようなことが始まっております。ぜひ、このために確実な予算措置をお願いしたいと思います。
例えば、両親ともにフルタイムですと保育所に預けられる、両親のどちらかがパートだと保育所だけではなく幼稚園と一時預かりというふうに、いろいろな保育を組み合わせてメニューをつくっていくということでございます。今までの認可保育所だけではない、いろいろなバリエーションが入ってきて選択肢が広がるわけでございますけれども、これをもとに新たな懸念も出てくるのではないかと思います。
さて、そろそろ私が申し上げたいページ、六ページでございます。
ここにお示しをした内容は、私がお願いしたい五項目でございます。
一点目は、保育士の給与のさらなる引き上げでございます。待遇改善のための人員配置というものもつけ加えて申し上げたいと思います。
保育士さんというのは、保育園で子供と遊ぶことが仕事でしょうというふうに言われることがあるんですけれども、日常、親がわりとなって子供の命にかかわる仕事をしておりますし、生涯にわたる人間形成にかかわる基礎を培っていく大切な業務でございます。
先ほど申し上げたように、賃金表で見れば非常に安い、他職種と比較しても安い賃金で働いております。最近では、アレルギーを有するお子さんもふえておりますし、障害の概念が広がることによって、発達障害など支援を要するお子様方もふえております。
保育士の平均在職期間というのは五年未満とも言われておりますけれども、この原因としては、賃金が安いことのほかに、園長と主任といて、あとはフラットな、文鎮型の組織であるがゆえに、将来が見通せない、賃金カーブが上がっていかないというようなことも起因しているのではないかと思います。
賃金の全体的な底上げは確かに大事なんですけれども、特別支援教育の知識を有し、現場で技能や経験を積み、マネジメント能力や保護者とのコミュニケーション能力に富む、こうした保育士の資格を持ち、さらに幹部候補生となっていくような上級保育士というものを認定し、賃金を集中して上げていく。職種に希望が持てるような措置というものが必要ではないかと思います。教職では教職大学院というものがスタートしてもう数年過ぎましたけれども、保育士においても、専門的教育ができる保育士の育成が大事なのではないかと思います。
現場では、非常に多忙をきわめて、その多忙さから研修やキャリアアップができないというような声もよく耳にします。保育の質とは、人材の質の向上でございます。潜在保育士の再就職支援や、保育で補助をしている人たちの雇用支援など、平成二十七年度の補正予算で五百六十六億円が手当てされております。しかし、これは地方が十分の一負担をしてやる事業でございますので、確実に自治体がこれをやるかどうかということが懸念されます。
二番目は、保育士の配置基準の緩和です。
皆様御案内のとおり、認可保育所というのは、国基準で非常に厳しい基準がございます。全員保育士でなくてはいけません。ゼロ歳三人につき一人とか、一、二歳は六人に対し一人とか、そういう基準があるわけですね。一方、東京都独自の認証保育所という制度は、認可が十一時間開所なんですけれども、認証は十三時間開所をしております。
この七ページ目に認可と認証の違いをまとめているわけですけれども、保育士基準、全体の六割でいいわけですね。四割は保育士の資格を有しなくとも働いてもいいということです。
昨今の保育士不足を受けまして、厚生労働省に緊急的な取りまとめをしていただきました。朝夕、子供の少ない時間帯は保育士の資格を有しない者でもいい、三歳児以上は幼稚園教諭や小学校教諭でもいいというようなことを決めていただいて、平成二十七年度中に省令改正して、二十八年度から実行できるようにと。しかし、この緩和策というのは、保育士の需給関係が逼迫している待機児童が解消するまでという方針を決めているんですね。国が決めても、自治体が従うかどうかというのはまた別物ではないかと思います。
私は、認可保育所の基準を恒常的に認証保育所並みに改めてもいいのではないかと思います。多様な幼児教育の専門家、例えば音楽の専門家とか保育ママの経験者とか、いろいろな資格を持つ人たちが保育の現場に入ってくる。認証保育所の保護者調査では、十三時間開所しているという長時間保育に加え、いろいろな保育メニューがあるということで、保護者の満足度は高く、過去に死亡事故は一例も起きておりません。
また、スウェーデンやフィンランドなど、いろいろな保育園にお邪魔すると、親が保育所の運営に携わったり、ボランティアとして保育の現場に入ってくるという例もございます。事故や安全性に配慮することはもちろんのことでございますけれども、仕事を探している人の、パートを探している人たちの求職と研修の場に充てるといった考えなどを入れれば、保育の現場に多様な方たちが入ってまいりますし、現在の保育士の休暇のとりにくさなども解消するのではないかと思います。
三項目めでございますけれども、家庭的保育、保育ママや事業所内保育、小規模保育といった認可保育所で保育するということがもう当然のようになってきているわけでございます。利用者の選択肢が広がることは、これはありがたいことでございます。間口が広がるということは、質のチェックをどうしていくかということが大事でございます。
昨年十二月、神奈川県の平塚駅前のビルの中にある保育所で、生後四カ月の男の子が亡くなるという、何とも痛ましい事故がございました。二〇一〇年、認可外の保育施設では死亡事故が七件、一一年十二件、一二年も十二件というように相次いでおります。県の立入調査では、当時、職員が一人しかいなかったことが確認されております。
この小規模保育所の認可基準というのは、国の基準を踏まえて、各自治体に裁量があって、各自治体が定めておりますし、保育ママがどういう研修をしているかというのも、自治体によって異なります。利用者からは非常にわかりづらいんですね。したがいまして、どういうことをやっているのか、アレルギー対応をしているのか、情報公開を徹底することはもちろんのこと、保護者からの声、第三者評価を開示していくこと、監視の強化、さらに、だめなところがあればそこを改善するための予算措置、後押しをお願いしたいところでございます。
四点目は、民間企業が保育園を運営する、保育所開設のために非常な手続の煩雑性があるということで、これは予算とは少し関係がございませんけれども、お話をさせていただきたいと思います。
例えば、横浜市では、待機児童を非常に少なくして目覚ましい成果を上げておりますけれども、開園一年前の時点で、園長候補というものを既に提示しなければいけないんですね。施設長の確保は重要なんですけれども、これだけ保育士が困難な状況では、一年前に提示するということは難しゅうございます。また、園長の資格についても、杉並では、職員の半数が五年以上の保育経験が必要で、園長は保育経験七年以上、世田谷では、私立の園長の異動を五年間してはいけないということ、これは国基準よりもいずれも厳しくなっております。
国が幾ら緩和をしても、自治体のところでそういうブレーキをかけてしまうような行動があれば、保育園はふえてきませんし、民間企業が参入障壁を感じているということは確かでございます。
施設整備の面でも、首都圏の主な自治体は、都市公園を代替して園のお庭にしていいということを決めているんですけれども、三鷹では園庭が必須でございます。都市部で広いお庭をとるというのは非常に困難なんですね。ぜひ、仕様規定、何々であらねばならないという基準から、性能規定に着眼点を移していただきたいと思います。
最後、五点目でございますけれども、皆様御案内のとおり、保育所の運営形態の中で、社会福祉法人が八六%、民間企業は株式会社と有限を合わせて六・五、そのほかNPOやさまざまな運営形態が参入しているんですね。
借地で保育所をスタートでき、資本市場から資金を調達できる株式会社のメリットというのは、人材育成やおもちゃの購入など、スケールメリットを生かせることでございます。
しかし、八ページ目に記載しましたように、株式会社と社会福祉法人というものは、税制の面や補助金の面でイコールではございません。私は、スケールメリットを生かして開設のスピードが速い株式会社が参入をするために、こうした面のイコールフッティングというものをお考えいただきたいと思います。
また、私がかかわっておりました民間の会社でも、社会福祉法人から経営を譲渡したいという複数の案件が持ち込まれております。後継者不足や設備の更新ができないということから売りたいと言うんですけれども、今の法律、制度の中では、民間の株式会社が社福の保育所を買って、それを連結に組み入れるということは困難でございます。
この大変な中で、社福の保育園を一園でも閉鎖させないようにするためには、事業継承の仕組み、こうした会計の仕組みなどについても再考をお願いしたいと思います。
最後に、女性の就労支援、次世代の育成というものは、時間もお金もかかることでございます。しかし、女性が仕事を続け、生涯賃金、たくさん稼いでいただき、九十年間生きる、生涯にわたる自立ができるということや、女性が就業することによってさまざまな面の消費がふえてまいります。化粧品を買ったり、衣料品を買ったり、教育支出を、自分のために投資をしたり、支出もふえていくわけでございますね。こうした投資に見合う効果というものが得られることは間違いございません。
ぜひ社会保障費用の中で、子育て、教育について、予算措置をもう少し手厚くしていただけるようお願いしたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私からは、保育サービス拡充のための施策というテーマでお話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
お手元資料、横長のパワーポイント資料でございます。
私からのお願いは、社会保障費用の中で、日本は超高齢社会を突き進んでおりますので、やはり高齢者関連の予算がふえていくわけですけれども、保育や教育といった次世代のための措置をぜひお願いしたいということでございます。
釈迦に説法とは存じますが、最初に、子育て、保育に関する現状と課題をお話し申し上げ、今後お願いしたい点については、お手元資料の六ページ目にまとめさせていただいております。
平成二十八年度の予算案については、一億総活躍社会の実現を掲げていただき、特に社会保障関係では、希望出生率一・八、これは平成二十六年で一・四二でございますので相当上がりますが、これを達成するための子育て支援の拡充を盛り込んでいただいておりますし、また、一月二十二日に閣議決定をしていただきました経済財政運営の基本的態度では、夢をつむぐ子育て支援という項目を盛り込んでいただいております。
早速でございますが、お手元資料を二枚めくっていただき、二ページ目をごらんください。
これはよく皆さんが目にとめていただいている資料かと思いますけれども、この左側のグラフは、一人目のお子さんを出産した女性が仕事を続けられているかどうかというものを、一九八五年、つまり今から三十年ほど前からの推移を見たものです。
育児休業をとって続けているのと、育児休業をとらないで続けているというのが下から二つ目の柱でございますけれども、ここを比較しますと、一九八五年は女性全体の二四%が就業継続をしておりますが、二〇〇五年から二〇〇九年にかけては二六・八%と、ほとんど変わっておりません。いろいろな法律ができ、施策が後押しをしているんですけれども、働き続けられている女性というのはほとんどふえておりません。
この中で、家庭に入って自分自身で子育てをしたいという自発的退職は女性全体の三九%なんですけれども、会社から退職勧告を受けたとか、六割がやめたくなかったのにやめてしまったという方でございます。
その理由というのは右側にお示しをしたんですけれども、両立が難しかった理由としては、勤務時間の問題、会社に両立の雰囲気がないということや、体力が続かない、こうした問題が挙がっているんですけれども、六番目に、保育園に入れないというのが五人に一人でございます。保育の問題も非常に重要だと思います。
皆様、既に御案内のとおりかと思いますけれども、最近、ニュースやワイドショーで取り上げられております匿名のブログでございます。保育園落ちた、日本死ね、一億総活躍なのに、何やってるんだ日本という非常に厳しい文言が並んでおりますが、これがあっという間にインターネットで拡散をされて、保育活動、保活の難しさというものを浮き彫りにしたということでございます。
政府は、四年後に就業継続率というのを女性全体の五五%、現在三八でございますが、これを上げていくということですので、保育園の整備は非常に重要だということでございます。
三ページ目をごらんください。これは保育所の数と待機児童の数です。
左側の図でごらんいただきますと、一・五七ショックと言われたのが平成二年なんですけれども、それ以降ふえてはいるんですけれども、一方、右側の待機児童というものは二万人を割り込むことはないんですね。
二〇〇一年に待機児童の定義が変わりまして、既に認可保育所に入っていてほかの園を希望している人は、待機児童のカウントから外れております。したがって、平成十七年、平成二十年のところでごらんいただくと、左側の柱が見かけの待機児童、実際の待機児童は黒い、高い方の棒グラフなんですね。
現在、政府が発表しております待機児童というのはいわば見かけの数字でございまして、はなから諦めている人というものもいれば、実際の十倍から二十倍いるというようなことが推定されております。厚生労働省の推定では、待機児童数は四十万人。つくってもつくってもそこが埋まっていくというのは、潜在的ニーズが表面化するからでございます。
その中で、ゼロから二歳、低年齢児の待機児童が八割でございます。育児休業が明けて、子供の預け先が見つからない、復職ができない方たちがたくさんいらっしゃるわけでございます。
次が四ページ目でございます。四ページ目は保育士の賃金水準というものが書いてございます。
私自身も、大学の教員を務めながら、民間企業の保育の社外取締役というものを六年間務めていた時期がございました。
保育所の開設が決まっていて、どこに何人規模の保育所をつくるということが決まっていても、現在、保育士が集まりません。
待機児童の多い、特に、二十三区内の世田谷区では保育士に八万円の家賃補助、横浜市も上限六万円の家賃補助、こうした財政力の比較的豊かなところは独自の補助ができるんですね。私が在籍しておりました民間企業でも、後輩を連れてきて就職に結びつければ社員に報奨金を出すという涙ぐましい自助努力をしていたんですけれども、現状でも保育士の需給というのは逼迫しておりまして、保育士不足は深刻でございます。
四ページの左下にございますように、保育士の養成学校を出ても、半数が保育士になっておりませんし、保育士の資格を持ちながら求職活動、仕事を探している方でも、半数が保育士を希望しておりません。
その理由はなぜかというと、右側の一番上のグラフにございますように、やはり賃金ですね。賃金が非常に安い。そして、体力面。ゼロ歳から二歳の子育てというのは本当に大変でございますけれども、日々そういう子供たちとおつき合いをするわけでございます。また、休暇がとりにくい。こうした項目が挙がっておりまして、給与の面だけではないということが明らかでございますし、こうした理由が解消されれば、保育士が保育の現場に戻ってくる、こういう可能性は大きいと思います。
厚生労働省も、潜在保育士の掘り起こしをしたり、無資格で今保育の現場で働いている方に保育士の資格を取っていただくための助成、さらには給与のアップのための運営費、これは民間保育所の給与を五%程度改善する補助金のアップでございます、こうしたことを行ってまいりましたけれども、依然として保育士不足は続いております。
民間企業では、新規開所がおくれる、決まっていても開設できないという可能性も出てきております。政府の試算では、平成二十九年度末までに保育士は七・四万人不足すると試算されております。
保育士の賃金水準で見ていただきまして、これは女性だけを比較したんですけれども、全職種と比べまして、保育士というのは相対的に安いということがおわかりいただけると思います。
五ページ目が、既にもう決定されております子ども・子育て支援新制度というものの概要でございます。
この内容というものは、消費税が一〇%になる段階から、七千億円を充当して実施するものでございます。保育の量、そしてさらに質をともに拡充する目的で実施されるわけでございますけれども、内容を平たく申し上げれば、従来の認可保育所だけではなく、認定こども園と言われる教育と保育を総合的に提供する施設や、家庭的保育である保育ママ、これは定員五人以下でございます、さらに小規模保育、六人から十九人が定員、こうしたものも組み入れて、保育所のパイの拡充をしていこうという狙いでございます。
また、専業主婦の御家庭の中にも保育のニーズが強いわけでございますし、皆様御案内のとおり、児童虐待で、少し保育の手を休めたいというようなニーズは顕在化しております。こうした専業主婦家庭も、保育の必要度、介護保険と同じように三段階に分けて、その段階ごとに保育サービスを提供するというようなことが始まっております。ぜひ、このために確実な予算措置をお願いしたいと思います。
例えば、両親ともにフルタイムですと保育所に預けられる、両親のどちらかがパートだと保育所だけではなく幼稚園と一時預かりというふうに、いろいろな保育を組み合わせてメニューをつくっていくということでございます。今までの認可保育所だけではない、いろいろなバリエーションが入ってきて選択肢が広がるわけでございますけれども、これをもとに新たな懸念も出てくるのではないかと思います。
さて、そろそろ私が申し上げたいページ、六ページでございます。
ここにお示しをした内容は、私がお願いしたい五項目でございます。
一点目は、保育士の給与のさらなる引き上げでございます。待遇改善のための人員配置というものもつけ加えて申し上げたいと思います。
保育士さんというのは、保育園で子供と遊ぶことが仕事でしょうというふうに言われることがあるんですけれども、日常、親がわりとなって子供の命にかかわる仕事をしておりますし、生涯にわたる人間形成にかかわる基礎を培っていく大切な業務でございます。
先ほど申し上げたように、賃金表で見れば非常に安い、他職種と比較しても安い賃金で働いております。最近では、アレルギーを有するお子さんもふえておりますし、障害の概念が広がることによって、発達障害など支援を要するお子様方もふえております。
保育士の平均在職期間というのは五年未満とも言われておりますけれども、この原因としては、賃金が安いことのほかに、園長と主任といて、あとはフラットな、文鎮型の組織であるがゆえに、将来が見通せない、賃金カーブが上がっていかないというようなことも起因しているのではないかと思います。
賃金の全体的な底上げは確かに大事なんですけれども、特別支援教育の知識を有し、現場で技能や経験を積み、マネジメント能力や保護者とのコミュニケーション能力に富む、こうした保育士の資格を持ち、さらに幹部候補生となっていくような上級保育士というものを認定し、賃金を集中して上げていく。職種に希望が持てるような措置というものが必要ではないかと思います。教職では教職大学院というものがスタートしてもう数年過ぎましたけれども、保育士においても、専門的教育ができる保育士の育成が大事なのではないかと思います。
現場では、非常に多忙をきわめて、その多忙さから研修やキャリアアップができないというような声もよく耳にします。保育の質とは、人材の質の向上でございます。潜在保育士の再就職支援や、保育で補助をしている人たちの雇用支援など、平成二十七年度の補正予算で五百六十六億円が手当てされております。しかし、これは地方が十分の一負担をしてやる事業でございますので、確実に自治体がこれをやるかどうかということが懸念されます。
二番目は、保育士の配置基準の緩和です。
皆様御案内のとおり、認可保育所というのは、国基準で非常に厳しい基準がございます。全員保育士でなくてはいけません。ゼロ歳三人につき一人とか、一、二歳は六人に対し一人とか、そういう基準があるわけですね。一方、東京都独自の認証保育所という制度は、認可が十一時間開所なんですけれども、認証は十三時間開所をしております。
この七ページ目に認可と認証の違いをまとめているわけですけれども、保育士基準、全体の六割でいいわけですね。四割は保育士の資格を有しなくとも働いてもいいということです。
昨今の保育士不足を受けまして、厚生労働省に緊急的な取りまとめをしていただきました。朝夕、子供の少ない時間帯は保育士の資格を有しない者でもいい、三歳児以上は幼稚園教諭や小学校教諭でもいいというようなことを決めていただいて、平成二十七年度中に省令改正して、二十八年度から実行できるようにと。しかし、この緩和策というのは、保育士の需給関係が逼迫している待機児童が解消するまでという方針を決めているんですね。国が決めても、自治体が従うかどうかというのはまた別物ではないかと思います。
私は、認可保育所の基準を恒常的に認証保育所並みに改めてもいいのではないかと思います。多様な幼児教育の専門家、例えば音楽の専門家とか保育ママの経験者とか、いろいろな資格を持つ人たちが保育の現場に入ってくる。認証保育所の保護者調査では、十三時間開所しているという長時間保育に加え、いろいろな保育メニューがあるということで、保護者の満足度は高く、過去に死亡事故は一例も起きておりません。
また、スウェーデンやフィンランドなど、いろいろな保育園にお邪魔すると、親が保育所の運営に携わったり、ボランティアとして保育の現場に入ってくるという例もございます。事故や安全性に配慮することはもちろんのことでございますけれども、仕事を探している人の、パートを探している人たちの求職と研修の場に充てるといった考えなどを入れれば、保育の現場に多様な方たちが入ってまいりますし、現在の保育士の休暇のとりにくさなども解消するのではないかと思います。
三項目めでございますけれども、家庭的保育、保育ママや事業所内保育、小規模保育といった認可保育所で保育するということがもう当然のようになってきているわけでございます。利用者の選択肢が広がることは、これはありがたいことでございます。間口が広がるということは、質のチェックをどうしていくかということが大事でございます。
昨年十二月、神奈川県の平塚駅前のビルの中にある保育所で、生後四カ月の男の子が亡くなるという、何とも痛ましい事故がございました。二〇一〇年、認可外の保育施設では死亡事故が七件、一一年十二件、一二年も十二件というように相次いでおります。県の立入調査では、当時、職員が一人しかいなかったことが確認されております。
この小規模保育所の認可基準というのは、国の基準を踏まえて、各自治体に裁量があって、各自治体が定めておりますし、保育ママがどういう研修をしているかというのも、自治体によって異なります。利用者からは非常にわかりづらいんですね。したがいまして、どういうことをやっているのか、アレルギー対応をしているのか、情報公開を徹底することはもちろんのこと、保護者からの声、第三者評価を開示していくこと、監視の強化、さらに、だめなところがあればそこを改善するための予算措置、後押しをお願いしたいところでございます。
四点目は、民間企業が保育園を運営する、保育所開設のために非常な手続の煩雑性があるということで、これは予算とは少し関係がございませんけれども、お話をさせていただきたいと思います。
例えば、横浜市では、待機児童を非常に少なくして目覚ましい成果を上げておりますけれども、開園一年前の時点で、園長候補というものを既に提示しなければいけないんですね。施設長の確保は重要なんですけれども、これだけ保育士が困難な状況では、一年前に提示するということは難しゅうございます。また、園長の資格についても、杉並では、職員の半数が五年以上の保育経験が必要で、園長は保育経験七年以上、世田谷では、私立の園長の異動を五年間してはいけないということ、これは国基準よりもいずれも厳しくなっております。
国が幾ら緩和をしても、自治体のところでそういうブレーキをかけてしまうような行動があれば、保育園はふえてきませんし、民間企業が参入障壁を感じているということは確かでございます。
施設整備の面でも、首都圏の主な自治体は、都市公園を代替して園のお庭にしていいということを決めているんですけれども、三鷹では園庭が必須でございます。都市部で広いお庭をとるというのは非常に困難なんですね。ぜひ、仕様規定、何々であらねばならないという基準から、性能規定に着眼点を移していただきたいと思います。
最後、五点目でございますけれども、皆様御案内のとおり、保育所の運営形態の中で、社会福祉法人が八六%、民間企業は株式会社と有限を合わせて六・五、そのほかNPOやさまざまな運営形態が参入しているんですね。
借地で保育所をスタートでき、資本市場から資金を調達できる株式会社のメリットというのは、人材育成やおもちゃの購入など、スケールメリットを生かせることでございます。
しかし、八ページ目に記載しましたように、株式会社と社会福祉法人というものは、税制の面や補助金の面でイコールではございません。私は、スケールメリットを生かして開設のスピードが速い株式会社が参入をするために、こうした面のイコールフッティングというものをお考えいただきたいと思います。
また、私がかかわっておりました民間の会社でも、社会福祉法人から経営を譲渡したいという複数の案件が持ち込まれております。後継者不足や設備の更新ができないということから売りたいと言うんですけれども、今の法律、制度の中では、民間の株式会社が社福の保育所を買って、それを連結に組み入れるということは困難でございます。
この大変な中で、社福の保育園を一園でも閉鎖させないようにするためには、事業継承の仕組み、こうした会計の仕組みなどについても再考をお願いしたいと思います。
最後に、女性の就労支援、次世代の育成というものは、時間もお金もかかることでございます。しかし、女性が仕事を続け、生涯賃金、たくさん稼いでいただき、九十年間生きる、生涯にわたる自立ができるということや、女性が就業することによってさまざまな面の消費がふえてまいります。化粧品を買ったり、衣料品を買ったり、教育支出を、自分のために投資をしたり、支出もふえていくわけでございますね。こうした投資に見合う効果というものが得られることは間違いございません。
ぜひ社会保障費用の中で、子育て、教育について、予算措置をもう少し手厚くしていただけるようお願いしたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
竹
松
松田元#8
○松田公述人 皆様、おはようございます。御紹介にあずかりました公述人の松田元でございます。
本日は、こうした場所にお招きいただきましたことを大変光栄に存じます。
お手元に青い資料がございますけれども、衆議院予算委員会公述人資料というのをごらんいただきながら、私からの御提言を申し上げたいというふうに思ってございます。
まず初めに、私からは、今回の予算、そして現状の政策、政府の皆様の政策に関して、賛成の立場をとらせていただきながら、その中で提言をさせていただきたいというふうに思っております。
実は、かく言う私自身が、大学で教員をさせていただく傍ら、自分で事業をやっている経緯もございまして、投資会社の代表をやっている関係もありますので、ぜひ今回のアベノミクスには成功いただかないと困るという個人的な思いも大変強く入っておりまして、二〇一三年度、二〇一四年度は大変恩恵を賜りまして感謝を申し上げたいと思っております。その上で、昨今の金融情勢が荒れているものですから、この損失を何とか取り返したいという思いもございますので、あわせてお聞きいただければ幸いでございます。
雑談が過ぎましたけれども、今回私の方からは、基本的には賛成という立場で現状の政策に関しての御提言を申し上げたいんです。一方で、先ほどもお話ございましたけれども、今明らかにリスクとして想定され得る国債に関するリスク提言というのを三点ほどきょうはさせていただきたいと思っております。
まず、一ページ目でございますけれども、下の方のスライドで、提言の全体像というのを書かせていただいてございます。
量的緩和政策、追加緩和、マイナス金利を含めてさまざまな政策が行われているわけでございますけれども、現時点において大きく三点ほど本質的なリスクが介在しておりまして、こちらを念頭に置いた上で今後の政策を展開しないと、非常に、国債の格付のダウン、それから空売りのリスク等々があるというふうに考えてございます。
まず、一点目でございますけれども、後ほど御説明させていただきますが、異次元緩和、それからマイナス金利の導入に伴う実体経済に対する影響のリスクでございます。
このマイナス金利の導入が本当の意味で実体景気に好影響を与えるかどうかということは、後ほど、欧州で既に導入している各国のデータを比較してお見せしますが、必ずしも好転しているという保証はございませんので、マイナス金利導入に伴う実体景気の悪化というのが非常に大きな一つのリスクとしてございます。
それから、二点目でございますけれども、提言の全体像の左下の枠にございますが、実は、格付会社と、外国人勢の空売り、ヘッジファンドによる空売りというのが往々にしてセットで来るケースが多くございます。
格付会社といいますと、代表する会社が数社ございますけれども、基本的には、海外の格付会社の格付の基準というのが、勝手格付と言われるケースも非常に多く、なぜか我が国の国債の格付が不当に低く評価されたりするケースが多くて、個人的にはこれに非常に疑問を感じるんですけれども、この格付が下げられるところとあわせてヘッジファンドの売りが来るケースが非常に多くて、これが同時に発動した際の国債リスクというのは非常に高いのではなかろうかと個人的には考えてございます。
それから、三点目でございますけれども、先ほどもある資料にございましたが、バーゼル委が現在、日本国債に限らず世界の銀行の国債を、今まではリスクゼロアセットで評価していたんですが、これをやめていこうという、いわゆるリスクアセット化に向けた検討を始めているようでございます。これが同時に来ますと、今大量に国債を国内で償還されているわけでございますが、国債が日本国内で償還されているから日本は大丈夫だよという理屈がだんだん通じなくなってまいります。
以上申しました三点のリスクについて、私から御提言を申し上げたいというふうに思ってございます。
何点かデータを御参照いただきながら、一つ一つ御説明を申し上げたいというふうに思ってございますが、まず、めくっていただきまして、二ページ目の下のスライドでございます。
御参考資料といたしまして、異次元緩和以降の日銀、金融機関の国債保有率の推移というのがデータとして出てございます。これは、いわゆる民間銀行が緩やかに日本国債の保有比率を下げてきていて、一方で、中央銀行でございますけれども、日銀が保有比率を上げているというデータをあらわしたものでございます。
三年前にいわゆるアベノミクスが始まりまして、日銀がかなりのボリュームで量的緩和をしておりますので、政府、日銀が保有する国債が上がるのは当然ではございますけれども、一方で、民間銀行の保有比率がやや下がりぎみでありまして、この下がっている比率が非常に多い状況でございます。
国内で果たしてこのまま国債が順調に消化されるのか、あるいは保有され続けるのかということに関してやや疑義の残るデータが出始めてきておりまして、こちらのデータはぜひ注視していただいた方がよろしいのではないのかなというのがまず御提言としてございます。
次でございますけれども、めくっていただきまして、四ページ目のスライドでございます。
実は、海外投資家の国債保有額、それから保有割合というのが緩やかに上昇傾向にあるというデータも出ております。これは平成十七年末でございますけれども、当時四・四%ほどでございました海外投資家の日本国債保有比率でございますが、現状、倍以上になってございます。
つまり、海外の機関投資家、それからヘッジファンド、政府が日本国債を保有する比率が上がるということは、その比率が上昇した分、国内の保有比率が下がるというケースにございますので、日本国債の緩やかな国外流出が起こっているという考え方もございます。
それから、もう一つおもしろいデータがございまして、少しデータが飛んで恐縮でございますけれども、九ページ目をごらんいただきたいんですが、下のスライドでございます。
実は、勝手格付と私は今回引用させていただいておりますが、格付会社が日本国債の格付を下げるとなぜか海外の保有比率が上がるという、やや奇妙なデータが出ております。
なぜここで、格付会社が日本国債の格付を下げた際に、海外の機関投資家やヘッジファンド、それから政府が日本国債を購入しているのかはやや疑義が残る点ではございますけれども、非常にこのあたりの格付会社の恣意性といいますか、恣意的な格付によって当国の国債のリスクが上がるということは、御提言の価値が一つあるのではないのかなと個人的には考えてございます。
それから、少しページを戻っていただきまして、五ページ目をごらんいただきたいんですけれども、これは、冒頭申し上げました、マイナス金利の導入が果たして我が国の実体景気に影響を与えるのか、これの御参考データを記述させていただいてございます。
大きく分けまして四つの比較データをこちらで記載させていただいてございますけれども、ECB、それからデンマーク、スイス、リクスバンクと、先行してマイナス金利を導入しているそれぞれの各国のデータがこちらに挙がってございます。
御参考までに、ECB、デンマークをごらんいただきますと、中銀預金金利をマイナス〇・一%にすることを決めまして、今はマイナス〇・三%まで拡充されていると記憶しておりますけれども、ずっと継続をしておりますが、現時点においては、マイナス金利の効果が本当にECBで出ているかどうかというのはわからないというコメントが出てございます。
それから、最も早く明確な傾向として効果が出ていると評されるデンマークのデータが非常に興味深いわけなんですけれども、デンマークは、二〇一二年七月にマイナス金利を導入いたしまして、通貨クローネの急上昇がとまって成長率が安定しました。一方で、市場に合わせて変動するタイプの住宅ローン、これをマイナスにする機関が出てきており、借り手の金利負担を金融機関が肩がわりすることになり、銀行側の負担がふえている。要するに、マイナス金利が導入されて借り手の負担を銀行がかぶる、一方で、金利の低下によって住宅価格の上昇を招いている。
これは、景気指数で申し上げると、やや改善傾向にあるように捉えられるわけなんですけれども、今後、住宅価格が極大に上がっていきますと、当然ながらバブルが発生してまいります。バブルが発生した際には、ある程度の金融引き締めによって金利を引き上げてくる、金利の暴騰につながる可能性がございますので、短期的には景気に対する好影響は出てきておりますけれども、果たしてこれが本当にバブルの始まりにならないという保証はないという状況でございます。
したがいまして、マイナス金利の導入によって実体経済が確実によくなるかというデータはまだ出ておらず、まさに未曽有の挑戦になっているというのが現状の分析でわかるようになっております。
それから、行ったり来たりで恐縮でございますけれども、少しまたページをめくっていただきまして、七ページ目のところでございます。三点目のリスクで申し上げましたバーゼル3、それから今後のBIS規制の強化に関してのコメントをさせていただきたいというふうに思っております。
まず、下の方のバーゼル3の概要というところでございますが、ロイター、ブルームバーグが記事を書いてございます。これは読み上げさせていただきますけれども、二〇一九年にはリスクアセットの加重割合が一〇%に拡充される予定でございますという記事でございます。左側がロイターの記事でございまして、右側がブルームバーグの記事でございます。
ロイターの方は、二〇一五年の方ですね、国債のゼロリスク評価を見直ししますと。今までは、国債というのはリスクゼロの資産だということで、それを前提に中央銀行が量的緩和政策等々、組み込んできたわけでございますけれども、今度、国債を対象とする資産評価がリスクゼロじゃないよというふうになった場合に、その国債を保有することに対するある程度のリスクを織り込まなきゃいけなくなりますので、金融機関それぞれに対して、自己資本比率に大きな影響が出てくるだろうということが想定されております。
それから、ブルームバーグの方でございますけれども、同じような記事でございます。これはことしの一月十五日に出てきたものでございますけれども、現状のリスク加重資産の割合というのが、これまでの規則のもとで今までは六%であったものが一〇%に引き上げられるということが記事となってございます。
これも、いわゆるバーゼルのBISの規制の強化に伴って、金融機関に対する圧迫につながりかねないという状況が出始めておりますので、この三点目のリスクというのは非常にリスキーだなと個人的には感じてございます。
一方で、もう一回一ページ目に戻っていただきまして、一番最初の下のスライドでございますけれども、申し上げた、マイナス金利の実体景気に対する影響と、格付会社と外国人、ヘッジファンドに伴う空売りのリスク、それからバーゼルのリスクという三つのリスクがございます。
このリスクを踏まえると、当然ながら、量的緩和をちょっと気をつけようとか国債を買うのをとめようという提言につなげたくはなるんですけれども、一方、現状のマーケットで、今度は投資会社の代表として考えたときに、このまま政策をとめてしまったことの金融ショックの方が、さらに実体景気に影響を与えるケースが非常に多いと考えております。
したがいまして、次のページに御提言をまとめておりますけれども、当然、基本的な姿勢としては、国債のアセットリスクについてしっかりと認識を皆様で持っていただきたいというのがまず御提言でございますが、一方で、だからといって、これから金融引き締めをやるともっと大変なことになってしまいますので、ある程度の量的緩和、それから、特に私が強く感じておりますのが積極的な為替介入でございます。
極端に、二月一日から、百二十円近辺をつけていた為替が十日で十円落ちるというのはちょっと異常だなというふうに感じてございます。これは、私自身が一トレーダーとして、投資会社の代表をやっておりますので、マーケットを見ておりますけれども、明らかにヘッジファンドに売りを仕掛けられております。材料とデータと売りで実体景気以上に売り込まれているというのを私個人としては強く感じておりまして、これは早急に為替介入をしていく。
もちろん、G20の各国協調の姿勢を合わせる必要はあるとは存じますけれども、その一方で、このまま円高に振れていくのを放置し続けた方が、当然、輸出産業に対する実体景気のダメージも大きいわけでございますし、これは介入するべきだなと非常に強く感じている次第でございます。
それから、恐らく三月でしょうか、決定会合で御検討の話題に上がるとは思うんですけれども、量的緩和の拡充というのも視野に入ってくると思います。
同時に、私自身が思っております緩和の一つの方策といたしまして、郵政マネーというのが今二百数十兆眠っていると言われているんですけれども、基本的には、ゆうちょ銀行が、貸し出しができない状況の中で、マイナス金利を導入されて最もダメージを受けると言われております。ゆうちょ銀行に眠っている莫大な国内の国民の金融資産というのをこのままマイナス金利で毀損してしまうのは非常にリスキーなものですから、この郵政の中に眠っている資金を、アセットアロケーションの変更等々を考慮に入れて、前向きな形で株式市場にポジティブに影響を与えられるような、いわゆるマネタリーベースの政策というのもあわせて検討いただきたいというふうに思っております。
私自身がトレードの現場におりまして、当然研究者という立場もあるんですけれども、一番まずいのは、表現は少し荒いんですけれども、要するに、なめられることなんですね。日本政府やあるいは日本の政策の姿勢が外資系ヘッジファンドそれから外国金融機関になめられて、空売りがはまったときのショックというのは、トレードをしている現場の人間でないと非常に表現が難しいんですが、じくじたる思いがございます。
十分に日本国という実体経済の力、それから、もちろん、GDP比率で見たら債務比率は二倍以上でございますけれども、ほとんどの国債がまだ現時点においては国内で償還されているわけでございますし、実体景気でいったら文句なくいい国で、いい財政状況でございますし、基本的にアベノミクスの方針も非常にすばらしいと思っている一方で、理屈をつけて格付を下げられて、格付を下げられたと同時にヘッジファンドの空売りが入りますと、問答無用で、よかろうが悪かろうが下がるのはマーケットの実情でございます。
ですので、ここのいわゆるタイミングといいますか、今の日本政府が置かれている状況、そして日本政府の実体景気の状況、財政状況という事実はもちろん大事でございますけれども、その事実をマーケットに対して最も効率的に情報発信していく、メッセージを発信していく。よく市場との対話なんという表現をされますけれども、この市場との対話というところを重視していただきまして、ぜひ継続して、より効果的な金融緩和の政策を続けていただきたいというのが私からの御提言でございます。
ただ一方で、繰り返しになりますけれども、現在、日本政府、それから中央銀行が置かれている現状といたしまして、国債の格付に対するリスクというのは非常に高まってございます。バーゼル、格付ダウンと空売り、それからマイナス金利の影響というのは、ぜひ皆様の頭の片隅に置いていただきまして、動向を注視していただきたいというふうに考えております。
私の方からは、以上をもって御提言とさせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。拍手
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お手元に青い資料がございますけれども、衆議院予算委員会公述人資料というのをごらんいただきながら、私からの御提言を申し上げたいというふうに思ってございます。
まず初めに、私からは、今回の予算、そして現状の政策、政府の皆様の政策に関して、賛成の立場をとらせていただきながら、その中で提言をさせていただきたいというふうに思っております。
実は、かく言う私自身が、大学で教員をさせていただく傍ら、自分で事業をやっている経緯もございまして、投資会社の代表をやっている関係もありますので、ぜひ今回のアベノミクスには成功いただかないと困るという個人的な思いも大変強く入っておりまして、二〇一三年度、二〇一四年度は大変恩恵を賜りまして感謝を申し上げたいと思っております。その上で、昨今の金融情勢が荒れているものですから、この損失を何とか取り返したいという思いもございますので、あわせてお聞きいただければ幸いでございます。
雑談が過ぎましたけれども、今回私の方からは、基本的には賛成という立場で現状の政策に関しての御提言を申し上げたいんです。一方で、先ほどもお話ございましたけれども、今明らかにリスクとして想定され得る国債に関するリスク提言というのを三点ほどきょうはさせていただきたいと思っております。
まず、一ページ目でございますけれども、下の方のスライドで、提言の全体像というのを書かせていただいてございます。
量的緩和政策、追加緩和、マイナス金利を含めてさまざまな政策が行われているわけでございますけれども、現時点において大きく三点ほど本質的なリスクが介在しておりまして、こちらを念頭に置いた上で今後の政策を展開しないと、非常に、国債の格付のダウン、それから空売りのリスク等々があるというふうに考えてございます。
まず、一点目でございますけれども、後ほど御説明させていただきますが、異次元緩和、それからマイナス金利の導入に伴う実体経済に対する影響のリスクでございます。
このマイナス金利の導入が本当の意味で実体景気に好影響を与えるかどうかということは、後ほど、欧州で既に導入している各国のデータを比較してお見せしますが、必ずしも好転しているという保証はございませんので、マイナス金利導入に伴う実体景気の悪化というのが非常に大きな一つのリスクとしてございます。
それから、二点目でございますけれども、提言の全体像の左下の枠にございますが、実は、格付会社と、外国人勢の空売り、ヘッジファンドによる空売りというのが往々にしてセットで来るケースが多くございます。
格付会社といいますと、代表する会社が数社ございますけれども、基本的には、海外の格付会社の格付の基準というのが、勝手格付と言われるケースも非常に多く、なぜか我が国の国債の格付が不当に低く評価されたりするケースが多くて、個人的にはこれに非常に疑問を感じるんですけれども、この格付が下げられるところとあわせてヘッジファンドの売りが来るケースが非常に多くて、これが同時に発動した際の国債リスクというのは非常に高いのではなかろうかと個人的には考えてございます。
それから、三点目でございますけれども、先ほどもある資料にございましたが、バーゼル委が現在、日本国債に限らず世界の銀行の国債を、今まではリスクゼロアセットで評価していたんですが、これをやめていこうという、いわゆるリスクアセット化に向けた検討を始めているようでございます。これが同時に来ますと、今大量に国債を国内で償還されているわけでございますが、国債が日本国内で償還されているから日本は大丈夫だよという理屈がだんだん通じなくなってまいります。
以上申しました三点のリスクについて、私から御提言を申し上げたいというふうに思ってございます。
何点かデータを御参照いただきながら、一つ一つ御説明を申し上げたいというふうに思ってございますが、まず、めくっていただきまして、二ページ目の下のスライドでございます。
御参考資料といたしまして、異次元緩和以降の日銀、金融機関の国債保有率の推移というのがデータとして出てございます。これは、いわゆる民間銀行が緩やかに日本国債の保有比率を下げてきていて、一方で、中央銀行でございますけれども、日銀が保有比率を上げているというデータをあらわしたものでございます。
三年前にいわゆるアベノミクスが始まりまして、日銀がかなりのボリュームで量的緩和をしておりますので、政府、日銀が保有する国債が上がるのは当然ではございますけれども、一方で、民間銀行の保有比率がやや下がりぎみでありまして、この下がっている比率が非常に多い状況でございます。
国内で果たしてこのまま国債が順調に消化されるのか、あるいは保有され続けるのかということに関してやや疑義の残るデータが出始めてきておりまして、こちらのデータはぜひ注視していただいた方がよろしいのではないのかなというのがまず御提言としてございます。
次でございますけれども、めくっていただきまして、四ページ目のスライドでございます。
実は、海外投資家の国債保有額、それから保有割合というのが緩やかに上昇傾向にあるというデータも出ております。これは平成十七年末でございますけれども、当時四・四%ほどでございました海外投資家の日本国債保有比率でございますが、現状、倍以上になってございます。
つまり、海外の機関投資家、それからヘッジファンド、政府が日本国債を保有する比率が上がるということは、その比率が上昇した分、国内の保有比率が下がるというケースにございますので、日本国債の緩やかな国外流出が起こっているという考え方もございます。
それから、もう一つおもしろいデータがございまして、少しデータが飛んで恐縮でございますけれども、九ページ目をごらんいただきたいんですが、下のスライドでございます。
実は、勝手格付と私は今回引用させていただいておりますが、格付会社が日本国債の格付を下げるとなぜか海外の保有比率が上がるという、やや奇妙なデータが出ております。
なぜここで、格付会社が日本国債の格付を下げた際に、海外の機関投資家やヘッジファンド、それから政府が日本国債を購入しているのかはやや疑義が残る点ではございますけれども、非常にこのあたりの格付会社の恣意性といいますか、恣意的な格付によって当国の国債のリスクが上がるということは、御提言の価値が一つあるのではないのかなと個人的には考えてございます。
それから、少しページを戻っていただきまして、五ページ目をごらんいただきたいんですけれども、これは、冒頭申し上げました、マイナス金利の導入が果たして我が国の実体景気に影響を与えるのか、これの御参考データを記述させていただいてございます。
大きく分けまして四つの比較データをこちらで記載させていただいてございますけれども、ECB、それからデンマーク、スイス、リクスバンクと、先行してマイナス金利を導入しているそれぞれの各国のデータがこちらに挙がってございます。
御参考までに、ECB、デンマークをごらんいただきますと、中銀預金金利をマイナス〇・一%にすることを決めまして、今はマイナス〇・三%まで拡充されていると記憶しておりますけれども、ずっと継続をしておりますが、現時点においては、マイナス金利の効果が本当にECBで出ているかどうかというのはわからないというコメントが出てございます。
それから、最も早く明確な傾向として効果が出ていると評されるデンマークのデータが非常に興味深いわけなんですけれども、デンマークは、二〇一二年七月にマイナス金利を導入いたしまして、通貨クローネの急上昇がとまって成長率が安定しました。一方で、市場に合わせて変動するタイプの住宅ローン、これをマイナスにする機関が出てきており、借り手の金利負担を金融機関が肩がわりすることになり、銀行側の負担がふえている。要するに、マイナス金利が導入されて借り手の負担を銀行がかぶる、一方で、金利の低下によって住宅価格の上昇を招いている。
これは、景気指数で申し上げると、やや改善傾向にあるように捉えられるわけなんですけれども、今後、住宅価格が極大に上がっていきますと、当然ながらバブルが発生してまいります。バブルが発生した際には、ある程度の金融引き締めによって金利を引き上げてくる、金利の暴騰につながる可能性がございますので、短期的には景気に対する好影響は出てきておりますけれども、果たしてこれが本当にバブルの始まりにならないという保証はないという状況でございます。
したがいまして、マイナス金利の導入によって実体経済が確実によくなるかというデータはまだ出ておらず、まさに未曽有の挑戦になっているというのが現状の分析でわかるようになっております。
それから、行ったり来たりで恐縮でございますけれども、少しまたページをめくっていただきまして、七ページ目のところでございます。三点目のリスクで申し上げましたバーゼル3、それから今後のBIS規制の強化に関してのコメントをさせていただきたいというふうに思っております。
まず、下の方のバーゼル3の概要というところでございますが、ロイター、ブルームバーグが記事を書いてございます。これは読み上げさせていただきますけれども、二〇一九年にはリスクアセットの加重割合が一〇%に拡充される予定でございますという記事でございます。左側がロイターの記事でございまして、右側がブルームバーグの記事でございます。
ロイターの方は、二〇一五年の方ですね、国債のゼロリスク評価を見直ししますと。今までは、国債というのはリスクゼロの資産だということで、それを前提に中央銀行が量的緩和政策等々、組み込んできたわけでございますけれども、今度、国債を対象とする資産評価がリスクゼロじゃないよというふうになった場合に、その国債を保有することに対するある程度のリスクを織り込まなきゃいけなくなりますので、金融機関それぞれに対して、自己資本比率に大きな影響が出てくるだろうということが想定されております。
それから、ブルームバーグの方でございますけれども、同じような記事でございます。これはことしの一月十五日に出てきたものでございますけれども、現状のリスク加重資産の割合というのが、これまでの規則のもとで今までは六%であったものが一〇%に引き上げられるということが記事となってございます。
これも、いわゆるバーゼルのBISの規制の強化に伴って、金融機関に対する圧迫につながりかねないという状況が出始めておりますので、この三点目のリスクというのは非常にリスキーだなと個人的には感じてございます。
一方で、もう一回一ページ目に戻っていただきまして、一番最初の下のスライドでございますけれども、申し上げた、マイナス金利の実体景気に対する影響と、格付会社と外国人、ヘッジファンドに伴う空売りのリスク、それからバーゼルのリスクという三つのリスクがございます。
このリスクを踏まえると、当然ながら、量的緩和をちょっと気をつけようとか国債を買うのをとめようという提言につなげたくはなるんですけれども、一方、現状のマーケットで、今度は投資会社の代表として考えたときに、このまま政策をとめてしまったことの金融ショックの方が、さらに実体景気に影響を与えるケースが非常に多いと考えております。
したがいまして、次のページに御提言をまとめておりますけれども、当然、基本的な姿勢としては、国債のアセットリスクについてしっかりと認識を皆様で持っていただきたいというのがまず御提言でございますが、一方で、だからといって、これから金融引き締めをやるともっと大変なことになってしまいますので、ある程度の量的緩和、それから、特に私が強く感じておりますのが積極的な為替介入でございます。
極端に、二月一日から、百二十円近辺をつけていた為替が十日で十円落ちるというのはちょっと異常だなというふうに感じてございます。これは、私自身が一トレーダーとして、投資会社の代表をやっておりますので、マーケットを見ておりますけれども、明らかにヘッジファンドに売りを仕掛けられております。材料とデータと売りで実体景気以上に売り込まれているというのを私個人としては強く感じておりまして、これは早急に為替介入をしていく。
もちろん、G20の各国協調の姿勢を合わせる必要はあるとは存じますけれども、その一方で、このまま円高に振れていくのを放置し続けた方が、当然、輸出産業に対する実体景気のダメージも大きいわけでございますし、これは介入するべきだなと非常に強く感じている次第でございます。
それから、恐らく三月でしょうか、決定会合で御検討の話題に上がるとは思うんですけれども、量的緩和の拡充というのも視野に入ってくると思います。
同時に、私自身が思っております緩和の一つの方策といたしまして、郵政マネーというのが今二百数十兆眠っていると言われているんですけれども、基本的には、ゆうちょ銀行が、貸し出しができない状況の中で、マイナス金利を導入されて最もダメージを受けると言われております。ゆうちょ銀行に眠っている莫大な国内の国民の金融資産というのをこのままマイナス金利で毀損してしまうのは非常にリスキーなものですから、この郵政の中に眠っている資金を、アセットアロケーションの変更等々を考慮に入れて、前向きな形で株式市場にポジティブに影響を与えられるような、いわゆるマネタリーベースの政策というのもあわせて検討いただきたいというふうに思っております。
私自身がトレードの現場におりまして、当然研究者という立場もあるんですけれども、一番まずいのは、表現は少し荒いんですけれども、要するに、なめられることなんですね。日本政府やあるいは日本の政策の姿勢が外資系ヘッジファンドそれから外国金融機関になめられて、空売りがはまったときのショックというのは、トレードをしている現場の人間でないと非常に表現が難しいんですが、じくじたる思いがございます。
十分に日本国という実体経済の力、それから、もちろん、GDP比率で見たら債務比率は二倍以上でございますけれども、ほとんどの国債がまだ現時点においては国内で償還されているわけでございますし、実体景気でいったら文句なくいい国で、いい財政状況でございますし、基本的にアベノミクスの方針も非常にすばらしいと思っている一方で、理屈をつけて格付を下げられて、格付を下げられたと同時にヘッジファンドの空売りが入りますと、問答無用で、よかろうが悪かろうが下がるのはマーケットの実情でございます。
ですので、ここのいわゆるタイミングといいますか、今の日本政府が置かれている状況、そして日本政府の実体景気の状況、財政状況という事実はもちろん大事でございますけれども、その事実をマーケットに対して最も効率的に情報発信していく、メッセージを発信していく。よく市場との対話なんという表現をされますけれども、この市場との対話というところを重視していただきまして、ぜひ継続して、より効果的な金融緩和の政策を続けていただきたいというのが私からの御提言でございます。
ただ一方で、繰り返しになりますけれども、現在、日本政府、それから中央銀行が置かれている現状といたしまして、国債の格付に対するリスクというのは非常に高まってございます。バーゼル、格付ダウンと空売り、それからマイナス金利の影響というのは、ぜひ皆様の頭の片隅に置いていただきまして、動向を注視していただきたいというふうに考えております。
私の方からは、以上をもって御提言とさせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。拍手
竹
竹
鈴
鈴木馨祐#11
○鈴木(馨)委員 自由民主党の鈴木馨祐であります。
きょうは予算委員会の公聴会ということでございまして、公述人の皆様方におかれましては、大変お忙しい中をおいでいただきまして、大変ありがとうございました。心から感謝を申し上げますとともに、きょういただきましたさまざまな御意見をしっかりと予算の方でも参考にさせていただきたいというふうに思っております。
十五分と限られた時間でございますので、お一人お一人に質問もさせていただきたいと思いますけれども、二分程度でそれぞれお答えをいただければありがたいというふうに思っております。御理解を賜れれば幸いでございます。
安倍政権も三年たちまして、四年目ということになりました。この間、経済政策、よくアベノミクスと言われておりますけれども、続けてきたわけであります。
きょう御意見にもありましたけれども、やはり金融政策、そして財政政策、この三本の矢のうちの最初の二本は当然極めて大事なわけであります。しかし、それはあくまで、その間に三本目の矢である改革をしっかりと進めるということが大きな前提でありますし、同時に、日本の経済を考える中で、私はよく思うんですけれども、政治であるとか政府が景気を支える、あるいは引っ張る、これは若干おこがましいところでもあるんだろうと思います。
一番大事なことは、やはり何といっても、プレーヤーである民間の企業の皆様であるとか、あるいは個人の方であるとか、こうした方々にしっかりと自律的に回していただけるような、そういった経済をしっかりとつくっていかなくてはいけない、これが大前提になっていくんだろうと思うんです。恐らく、きょうさまざまいただいた御意見でも、そうした思いというものがその中心にあったんだろうと思います。
そうした中で、これから、潜在成長力という話もありました、どのようにしてこうした民間セクターの中で、人あるいは物、お金、こうしたところをしっかりと回していただける環境をつくれるのか、このことが極めて大事な点になってくるんだろうと私は思います。
そうした中で、まず熊谷公述人にお伺いをしたいんです。
この間、特に昨年から、例えばコーポレートガバナンスの改革であるとか、あるいは株の持ち合いの問題であるとか、言ってみれば、企業の経営の中でしっかりとリスクをとっていただきやすいような後押しをする、こういった政策を我々も打ってまいりました。しかし、正直なかなか、設備投資に十分に回っているかといえば、よく内部留保の話もされますけれども、キャッシュの積み上がりも大きい。そうした中で、これが十分ではないというところがあるんだろうと思うんです。
あるいは、今回のマイナス金利にしても、経済環境によってはこれは貸し出しへの圧力になっていく。ある意味、お金を回していくような循環になるはずが、なかなかそうなってこない。むしろ逆に向いてしまっている。
この背景となっているファクター、この点についてどうお考えになるか、御示唆を賜れれば幸いでございます。
この発言だけを見る →きょうは予算委員会の公聴会ということでございまして、公述人の皆様方におかれましては、大変お忙しい中をおいでいただきまして、大変ありがとうございました。心から感謝を申し上げますとともに、きょういただきましたさまざまな御意見をしっかりと予算の方でも参考にさせていただきたいというふうに思っております。
十五分と限られた時間でございますので、お一人お一人に質問もさせていただきたいと思いますけれども、二分程度でそれぞれお答えをいただければありがたいというふうに思っております。御理解を賜れれば幸いでございます。
安倍政権も三年たちまして、四年目ということになりました。この間、経済政策、よくアベノミクスと言われておりますけれども、続けてきたわけであります。
きょう御意見にもありましたけれども、やはり金融政策、そして財政政策、この三本の矢のうちの最初の二本は当然極めて大事なわけであります。しかし、それはあくまで、その間に三本目の矢である改革をしっかりと進めるということが大きな前提でありますし、同時に、日本の経済を考える中で、私はよく思うんですけれども、政治であるとか政府が景気を支える、あるいは引っ張る、これは若干おこがましいところでもあるんだろうと思います。
一番大事なことは、やはり何といっても、プレーヤーである民間の企業の皆様であるとか、あるいは個人の方であるとか、こうした方々にしっかりと自律的に回していただけるような、そういった経済をしっかりとつくっていかなくてはいけない、これが大前提になっていくんだろうと思うんです。恐らく、きょうさまざまいただいた御意見でも、そうした思いというものがその中心にあったんだろうと思います。
そうした中で、これから、潜在成長力という話もありました、どのようにしてこうした民間セクターの中で、人あるいは物、お金、こうしたところをしっかりと回していただける環境をつくれるのか、このことが極めて大事な点になってくるんだろうと私は思います。
そうした中で、まず熊谷公述人にお伺いをしたいんです。
この間、特に昨年から、例えばコーポレートガバナンスの改革であるとか、あるいは株の持ち合いの問題であるとか、言ってみれば、企業の経営の中でしっかりとリスクをとっていただきやすいような後押しをする、こういった政策を我々も打ってまいりました。しかし、正直なかなか、設備投資に十分に回っているかといえば、よく内部留保の話もされますけれども、キャッシュの積み上がりも大きい。そうした中で、これが十分ではないというところがあるんだろうと思うんです。
あるいは、今回のマイナス金利にしても、経済環境によってはこれは貸し出しへの圧力になっていく。ある意味、お金を回していくような循環になるはずが、なかなかそうなってこない。むしろ逆に向いてしまっている。
この背景となっているファクター、この点についてどうお考えになるか、御示唆を賜れれば幸いでございます。
熊
熊谷亮丸#12
○熊谷公述人 ありがとうございます。
例えば、今、設備投資がそれほど大きくは出ていないわけですけれども、データで調べてみると、設備の前に先行するデータというのがあって、企業などに対するアンケート調査で、どれぐらい期待成長率が高まるかというアンケート調査があって、キャッシュフロー、自由に使えるお金の中で設備投資に使った割合、これに期待成長率が三四半期先行している、そういう傾向がございます。
そういう意味では、やはり三本目の矢の成長戦略は、例えば岩盤規制で、いわゆる農業、医療、介護、労働等の、かなり既得権が強いところまで踏み込んで規制の緩和をしていく、もしくは法人税の減税等々、これらをやることによって企業の期待成長率を上げていくということが設備投資の発火点になる。
例えば、過去二年間で調べてみると、実は、企業は決して投資をしていないわけではなくて、事業投資というのは全部で五十兆円程度やっている。問題は、その中で国内での設備投資は十八兆円しかなくて、三十二兆円ぐらいが海外でのMアンドAの資金などに流れている。ここが本質的な問題です。
その意味では、法人税の減税というのは、すぐれて国内立地にかかわる問題ということでございますから、これを大胆に下げた。当初は二〇%台に行くのに三年から五年かかると思われていたものを、政治主導で、二年間で前倒しで二〇%台に下げたということは極めて象徴的な意味があって、そういうさまざまなことをやってビジネス環境を整える、企業経営者の先行きの期待を上げていくということが最も本質的な問題ではないかと思います。
この発言だけを見る →例えば、今、設備投資がそれほど大きくは出ていないわけですけれども、データで調べてみると、設備の前に先行するデータというのがあって、企業などに対するアンケート調査で、どれぐらい期待成長率が高まるかというアンケート調査があって、キャッシュフロー、自由に使えるお金の中で設備投資に使った割合、これに期待成長率が三四半期先行している、そういう傾向がございます。
そういう意味では、やはり三本目の矢の成長戦略は、例えば岩盤規制で、いわゆる農業、医療、介護、労働等の、かなり既得権が強いところまで踏み込んで規制の緩和をしていく、もしくは法人税の減税等々、これらをやることによって企業の期待成長率を上げていくということが設備投資の発火点になる。
例えば、過去二年間で調べてみると、実は、企業は決して投資をしていないわけではなくて、事業投資というのは全部で五十兆円程度やっている。問題は、その中で国内での設備投資は十八兆円しかなくて、三十二兆円ぐらいが海外でのMアンドAの資金などに流れている。ここが本質的な問題です。
その意味では、法人税の減税というのは、すぐれて国内立地にかかわる問題ということでございますから、これを大胆に下げた。当初は二〇%台に行くのに三年から五年かかると思われていたものを、政治主導で、二年間で前倒しで二〇%台に下げたということは極めて象徴的な意味があって、そういうさまざまなことをやってビジネス環境を整える、企業経営者の先行きの期待を上げていくということが最も本質的な問題ではないかと思います。
鈴
鈴木馨祐#13
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。
先ほどおっしゃっていた日本企業が抱える七重苦、まさにこの解消に向けてまだまだ当然やり足りない部分もありますので、ここのところはしっかりと深掘りもしていかなくてはいけないと思います。
そして、法人税という話がありました。税制というのは、恐らく社会政策的な側面と経済政策的な側面、当然両方あるんだろうと思うんですけれども、そういった中で、今のグローバル経済の中での日本の立ち位置を考えれば、これまで以上に経済政策的な側面、どう成長を阻害しない税制にしていくのか、こういったことも我々はしっかりと追求していかなくてはならないと思います。
まさに分配との両立という中で非常に厳しいナローパスでありますけれども、これは、当委員会の議論も含めて、今後の政策にしっかりと寄与していきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
次に、小幡公述人にお伺いをしたいんです。
先ほど、金融に関する話を中心にいただきました。しかし、もともと経済全体を幅広くごらんになっておられる小幡さんでございますので、今の最初の質問にも若干関係しますけれども、よく三本目の矢ということが言われます。確かに、安倍政権がスタートしてから、それぞれの骨太であったりとか各種成長戦略の中で、いろいろな規制緩和あるいは減税といったものも打ってまいりました。しかし、もちろん、まだまだこれは十分ではないという評価もマーケットでもあるわけであります。
一体、これから具体的にどういった三本目の矢というものを進めていく必要があるというふうにお考えになるのか、その点をぜひお聞かせいただければありがたいと思います。
この発言だけを見る →先ほどおっしゃっていた日本企業が抱える七重苦、まさにこの解消に向けてまだまだ当然やり足りない部分もありますので、ここのところはしっかりと深掘りもしていかなくてはいけないと思います。
そして、法人税という話がありました。税制というのは、恐らく社会政策的な側面と経済政策的な側面、当然両方あるんだろうと思うんですけれども、そういった中で、今のグローバル経済の中での日本の立ち位置を考えれば、これまで以上に経済政策的な側面、どう成長を阻害しない税制にしていくのか、こういったことも我々はしっかりと追求していかなくてはならないと思います。
まさに分配との両立という中で非常に厳しいナローパスでありますけれども、これは、当委員会の議論も含めて、今後の政策にしっかりと寄与していきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
次に、小幡公述人にお伺いをしたいんです。
先ほど、金融に関する話を中心にいただきました。しかし、もともと経済全体を幅広くごらんになっておられる小幡さんでございますので、今の最初の質問にも若干関係しますけれども、よく三本目の矢ということが言われます。確かに、安倍政権がスタートしてから、それぞれの骨太であったりとか各種成長戦略の中で、いろいろな規制緩和あるいは減税といったものも打ってまいりました。しかし、もちろん、まだまだこれは十分ではないという評価もマーケットでもあるわけであります。
一体、これから具体的にどういった三本目の矢というものを進めていく必要があるというふうにお考えになるのか、その点をぜひお聞かせいただければありがたいと思います。
小
小幡績#14
○小幡公述人 お答えいたします。
私は、成長戦略は政策で実現することは無理だと思っておりますので、いかなる政権においても成長戦略というのは成功しない。つまり、民間の経済ですから、支える、基盤をつくること以外にはできない。ですから、成長戦略を少なくとも五年以内の短期で掲げることは、そもそもどの政権においても誤りだと思っております。あえて言えば、私は、やはり教育で人を育てるということだと思います。
そもそも経済学者にも責任がございまして、GDPの増大を経済成長と呼んでいること自体誤りで、四—六月期の経済成長率は、成長じゃないんだ、単なる調子がいい悪いですから、潜在成長率という二十年、三十年タームのことだけ呼んでいただきたい。
そうしますと、結局、人が育つということにしかない。しかも、量から質への時代ということであれば、一人当たりの価値を上げていく。そうなりますと、やはり基礎力を上げる。それは個人の問題ですし、企業が人を育てるのは企業の問題です。ところが、その基礎力というのは政府にしかできない。それはやはり、公立学校、小学校、中学校、あるいはその前の幼稚園、保育園、そこの教育を強化する。
とりわけ、所得格差が教育格差につながっておりますので、私は個人的には、放課後の充実といいますか、学童を公的に学校の中でやって、塾を呼んでもいいですから、放課後教育を七時ぐらいまでやる、希望者には全部やる。そうしますと、共働きの家庭にも支障がありませんし、子供たちは勉強できるということで、例えばそういうことを考えております。
そのように、公的教育、しかもそれは、小中学校あるいは幼稚園、保育園という低年齢の子供に対する基礎教育を強化するということに尽きるというふうに思っております。
この発言だけを見る →私は、成長戦略は政策で実現することは無理だと思っておりますので、いかなる政権においても成長戦略というのは成功しない。つまり、民間の経済ですから、支える、基盤をつくること以外にはできない。ですから、成長戦略を少なくとも五年以内の短期で掲げることは、そもそもどの政権においても誤りだと思っております。あえて言えば、私は、やはり教育で人を育てるということだと思います。
そもそも経済学者にも責任がございまして、GDPの増大を経済成長と呼んでいること自体誤りで、四—六月期の経済成長率は、成長じゃないんだ、単なる調子がいい悪いですから、潜在成長率という二十年、三十年タームのことだけ呼んでいただきたい。
そうしますと、結局、人が育つということにしかない。しかも、量から質への時代ということであれば、一人当たりの価値を上げていく。そうなりますと、やはり基礎力を上げる。それは個人の問題ですし、企業が人を育てるのは企業の問題です。ところが、その基礎力というのは政府にしかできない。それはやはり、公立学校、小学校、中学校、あるいはその前の幼稚園、保育園、そこの教育を強化する。
とりわけ、所得格差が教育格差につながっておりますので、私は個人的には、放課後の充実といいますか、学童を公的に学校の中でやって、塾を呼んでもいいですから、放課後教育を七時ぐらいまでやる、希望者には全部やる。そうしますと、共働きの家庭にも支障がありませんし、子供たちは勉強できるということで、例えばそういうことを考えております。
そのように、公的教育、しかもそれは、小中学校あるいは幼稚園、保育園という低年齢の子供に対する基礎教育を強化するということに尽きるというふうに思っております。
鈴
鈴木馨祐#15
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。
今最初におっしゃったように、成長戦略、これが例えばある意味大きな政府的な関与であったりとか、そういったことであっては当然いけないわけでありまして、先ほどおっしゃっていたような環境整備をどうやってやっていくのか。今言った教育の話もそうでしょうし、あるいは社会保障、さらには労働規制、これはいろいろな改革もあるんだろうと思いますので、こういった点を、しっかりとまたこれから取り組みも進めさせていただきたいと思います。
次に、白石公述人にお伺いをしたいのであります。
先ほど、保育に関するお話をいただきました。そうした中で、今最後に小幡さんの方からも、共働きというものをしっかりと進めていくためにはという話もありましたけれども、やはり女性にこれからどう参加をしていただくのかが決定的に大事なんだろうと思います。
特に、労働人口も減っていく中でありまして、恐らく労働市場は、しっかりと労働人口を維持していくためには、外国人、女性、そして高齢者の方、それぞれに活躍をいただかなくてはいけない。そういった中で、女性の参加、特にM字カーブの問題もありますけれども、保育以外にもさまざまなボトルネックというものがあるんだろうと思います。
そうした中で、どういった点を今、特に問題意識を持って保育以外の点でごらんになっていらっしゃるのか、その点をお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →今最初におっしゃったように、成長戦略、これが例えばある意味大きな政府的な関与であったりとか、そういったことであっては当然いけないわけでありまして、先ほどおっしゃっていたような環境整備をどうやってやっていくのか。今言った教育の話もそうでしょうし、あるいは社会保障、さらには労働規制、これはいろいろな改革もあるんだろうと思いますので、こういった点を、しっかりとまたこれから取り組みも進めさせていただきたいと思います。
次に、白石公述人にお伺いをしたいのであります。
先ほど、保育に関するお話をいただきました。そうした中で、今最後に小幡さんの方からも、共働きというものをしっかりと進めていくためにはという話もありましたけれども、やはり女性にこれからどう参加をしていただくのかが決定的に大事なんだろうと思います。
特に、労働人口も減っていく中でありまして、恐らく労働市場は、しっかりと労働人口を維持していくためには、外国人、女性、そして高齢者の方、それぞれに活躍をいただかなくてはいけない。そういった中で、女性の参加、特にM字カーブの問題もありますけれども、保育以外にもさまざまなボトルネックというものがあるんだろうと思います。
そうした中で、どういった点を今、特に問題意識を持って保育以外の点でごらんになっていらっしゃるのか、その点をお伺いできればと思います。
白
白石真澄#16
○白石公述人 御質問ありがとうございます。お答えをさせていただきます。
女性の就業ということで御質問をいただきました。
女性の就業継続に関しては、日本の女性も非常に多様性を呈しておりまして、ずっと働き続けたいという方や、一旦途中でやめて仕事に復帰したい、こちらの方が今大多数だと思うんですね。そういう点を考えますと、再就職支援をどうしていくのか、これを政策でやり遂げるということは非常に難しゅうございますので、民間企業の協力を得ながら、再就職できる女性の後押しをするということではないかと思います。
さらに、今の税制なども女性の働き方を大きく規定しているのではないかと思います。国会でも議論されておりますけれども、配偶者控除の壁とか、年金を負担しないのにそれをもらう人たちの存在、これは有職女性対専業主婦の間の対立というふうな呼び方をされておりますけれども、日本の税制や制度が女性の働き方を規定しておりますので、女性の社会参加のためにはそういう点の見直しも必要ではないかと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →女性の就業ということで御質問をいただきました。
女性の就業継続に関しては、日本の女性も非常に多様性を呈しておりまして、ずっと働き続けたいという方や、一旦途中でやめて仕事に復帰したい、こちらの方が今大多数だと思うんですね。そういう点を考えますと、再就職支援をどうしていくのか、これを政策でやり遂げるということは非常に難しゅうございますので、民間企業の協力を得ながら、再就職できる女性の後押しをするということではないかと思います。
さらに、今の税制なども女性の働き方を大きく規定しているのではないかと思います。国会でも議論されておりますけれども、配偶者控除の壁とか、年金を負担しないのにそれをもらう人たちの存在、これは有職女性対専業主婦の間の対立というふうな呼び方をされておりますけれども、日本の税制や制度が女性の働き方を規定しておりますので、女性の社会参加のためにはそういう点の見直しも必要ではないかと思います。
ありがとうございました。
鈴
鈴木馨祐#17
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。
今御指摘がありました税制もそうですし、あるいは高齢者雇用ということもそうですけれども、やはり企業、受け手の側の意識、あるいはさまざまな制度、こういった点もあるんだろうと思います。これから決定的に人の問題が極めて大事でありますから、その点もしっかりと取り組みをさせていただきたいと思います。
実はあと二分を切っておりまして、若干私も急ぎながらと思っておりますが、最後に松田公述人にお伺いをしたいと思うんです。
先ほど来、マーケットのさまざまなお話をいただきました。確かに今、国債を中心に債券マーケットは、マーケットの機能ということでも極めて懸念があるわけでありますし、若干見通しがしづらい状況でありますけれども、いつかそのうちに直面をしなくてはいけないのは、いわゆる日銀のイクジットというかそういったこと、恐らくどこかのタイミングではこれは出てくるんだろうと思います。
マーケットを見られている松田公述人のその点に関する率直な御意見を最後に承って、終わりとしたいと思います。
この発言だけを見る →今御指摘がありました税制もそうですし、あるいは高齢者雇用ということもそうですけれども、やはり企業、受け手の側の意識、あるいはさまざまな制度、こういった点もあるんだろうと思います。これから決定的に人の問題が極めて大事でありますから、その点もしっかりと取り組みをさせていただきたいと思います。
実はあと二分を切っておりまして、若干私も急ぎながらと思っておりますが、最後に松田公述人にお伺いをしたいと思うんです。
先ほど来、マーケットのさまざまなお話をいただきました。確かに今、国債を中心に債券マーケットは、マーケットの機能ということでも極めて懸念があるわけでありますし、若干見通しがしづらい状況でありますけれども、いつかそのうちに直面をしなくてはいけないのは、いわゆる日銀のイクジットというかそういったこと、恐らくどこかのタイミングではこれは出てくるんだろうと思います。
マーケットを見られている松田公述人のその点に関する率直な御意見を最後に承って、終わりとしたいと思います。
松
松田元#18
○松田公述人 御質問ありがとうございます。
まさに、日銀の量的緩和の出口戦略に関しましては議論がたくさんございます。
実は、私の資料に一部記載だけさせていただいたんですが、日本政府のヘッジファンド機能強化ということを書かせていただきました。
基本的に、日銀及びいわゆる公的資金、鯨とよく称されますけれども、これがETFを買い、そして日本のマーケットを買い支えていて、この日本の買いに対して外資の売りが来ると出口が非常に難しくなってくるわけでございますけれども、より高度な、トレーディングの能力の高い方々をぜひ政府の中枢に置いていただきまして、日本政府売りの外資買い、いわゆる売買状況の逆転を起こしてしまえば、かなり効率的にキャピタルゲインがとれるだろうというふうに考えております。
やや暴論になってしまうかもしれませんが、ETFを買う際に、ある程度出口を、国内でしっかりコンセンサスをとったら、今度は売りのETFを買う、ダブルベアを買うぐらいの発想の転換が必要でございます。要するに、国内の資金をしっかりと守って外資の売りに耐えるというような戦略的なヘッジファンド機能というのが、恐らく次のフェーズでは必要になってくるのではなかろうかなと個人的には考えてございます。
もちろん、今は、量的緩和の資金の供給に限界は見えてはいるものの、バッファーはございますので、まだ買い一辺倒でいいかもしれませんが、必ずそのうち買い一辺倒だと厳しくなってまいりますので、売りに対してもしっかりとれるような、いわゆる外国人投資家勢と国内投資家勢の本当の意味での戦いの勝利に至れるように、売りの機能を強化いただければよろしいんじゃないかなと個人的には考えてございます。
この発言だけを見る →まさに、日銀の量的緩和の出口戦略に関しましては議論がたくさんございます。
実は、私の資料に一部記載だけさせていただいたんですが、日本政府のヘッジファンド機能強化ということを書かせていただきました。
基本的に、日銀及びいわゆる公的資金、鯨とよく称されますけれども、これがETFを買い、そして日本のマーケットを買い支えていて、この日本の買いに対して外資の売りが来ると出口が非常に難しくなってくるわけでございますけれども、より高度な、トレーディングの能力の高い方々をぜひ政府の中枢に置いていただきまして、日本政府売りの外資買い、いわゆる売買状況の逆転を起こしてしまえば、かなり効率的にキャピタルゲインがとれるだろうというふうに考えております。
やや暴論になってしまうかもしれませんが、ETFを買う際に、ある程度出口を、国内でしっかりコンセンサスをとったら、今度は売りのETFを買う、ダブルベアを買うぐらいの発想の転換が必要でございます。要するに、国内の資金をしっかりと守って外資の売りに耐えるというような戦略的なヘッジファンド機能というのが、恐らく次のフェーズでは必要になってくるのではなかろうかなと個人的には考えてございます。
もちろん、今は、量的緩和の資金の供給に限界は見えてはいるものの、バッファーはございますので、まだ買い一辺倒でいいかもしれませんが、必ずそのうち買い一辺倒だと厳しくなってまいりますので、売りに対してもしっかりとれるような、いわゆる外国人投資家勢と国内投資家勢の本当の意味での戦いの勝利に至れるように、売りの機能を強化いただければよろしいんじゃないかなと個人的には考えてございます。
鈴
竹
浮
浮島智子#21
○浮島委員 おはようございます。公明党の浮島智子でございます。
本日は、四人の公述人の皆様方に貴重なお時間をいただき、また御意見を賜り、心から感謝でいっぱいでございます。本当にありがとうございます。
私の方からは、関西大学の教授として、また、バリアフリーのまちづくり、少子化問題、働く女性の支援の専門家として活躍されるとともに、千葉県の教育委員会、小中学校のPTAの会長として教育行政また学校運営にも参画されてこられました白石公述人の方にまずお伺いをさせていただきたいと思っております。
いろいろ資料を読ませていただいたんですけれども、白石教授は、海外で、働いている女性が多い国ほど出生率も多い、日本でも、女性の就業率が最も高い山形県やあるいは福井県は出生率が高く、少子化の原因として女性の社会進出が進んだからというのは全く逆であるとおっしゃられております。
また、女性が働きながら子育てをする環境づくりというのは喫緊の課題で、進めていかなければなりません。先ほども白石公述人の方から、保育に関する提言五つということで、極めて重要な提言もいただきました。私も、これもしっかりと進めていかなければならないと思っております。
子育てと仕事の両立、働き方の改革、これが必要と思っておりますけれども、子供を持つ人に安心を与えて、これから子供を産み、そして育んでいこうとしている若い世代に何より必要なのは、私は、目の前の地域の子供たちが輝いている、そしてそれぞれが幸せを感じていること、これが重要であると思っております。
今の子供たちが生き生きと輝いていなかったり、あるいは幸せを感じていないとなると、子供を産もうとしている若い方が産もうという気持ちにもならないし、また、子供たちがそういう状況で育って成長していったら、家庭を持ちたいとも思わないのではないかと私は思っております。女性が輝く社会の大事な土台が、子供が輝く社会をつくっていくことであると考えているんです。
そこで、まず白石教授に、子供たちが学校や家庭、地域に居場所を見つけて輝くために、特に、先ほども音楽の専門家や保育ママのお話がございましたけれども、幼児教育や小学校教育が果たすべき役割、また幼稚園の教諭や小学校等の活用、そして子育てをしている保護者への支援、あるいは、子供たちが確実に語彙の力をつけて、感情をしっかりと言葉で表現できる力を育むための授業の充実などについて、お考えをお伺いさせていただきたいと思います。
〔委員長退席、関委員長代理着席〕
この発言だけを見る →本日は、四人の公述人の皆様方に貴重なお時間をいただき、また御意見を賜り、心から感謝でいっぱいでございます。本当にありがとうございます。
私の方からは、関西大学の教授として、また、バリアフリーのまちづくり、少子化問題、働く女性の支援の専門家として活躍されるとともに、千葉県の教育委員会、小中学校のPTAの会長として教育行政また学校運営にも参画されてこられました白石公述人の方にまずお伺いをさせていただきたいと思っております。
いろいろ資料を読ませていただいたんですけれども、白石教授は、海外で、働いている女性が多い国ほど出生率も多い、日本でも、女性の就業率が最も高い山形県やあるいは福井県は出生率が高く、少子化の原因として女性の社会進出が進んだからというのは全く逆であるとおっしゃられております。
また、女性が働きながら子育てをする環境づくりというのは喫緊の課題で、進めていかなければなりません。先ほども白石公述人の方から、保育に関する提言五つということで、極めて重要な提言もいただきました。私も、これもしっかりと進めていかなければならないと思っております。
子育てと仕事の両立、働き方の改革、これが必要と思っておりますけれども、子供を持つ人に安心を与えて、これから子供を産み、そして育んでいこうとしている若い世代に何より必要なのは、私は、目の前の地域の子供たちが輝いている、そしてそれぞれが幸せを感じていること、これが重要であると思っております。
今の子供たちが生き生きと輝いていなかったり、あるいは幸せを感じていないとなると、子供を産もうとしている若い方が産もうという気持ちにもならないし、また、子供たちがそういう状況で育って成長していったら、家庭を持ちたいとも思わないのではないかと私は思っております。女性が輝く社会の大事な土台が、子供が輝く社会をつくっていくことであると考えているんです。
そこで、まず白石教授に、子供たちが学校や家庭、地域に居場所を見つけて輝くために、特に、先ほども音楽の専門家や保育ママのお話がございましたけれども、幼児教育や小学校教育が果たすべき役割、また幼稚園の教諭や小学校等の活用、そして子育てをしている保護者への支援、あるいは、子供たちが確実に語彙の力をつけて、感情をしっかりと言葉で表現できる力を育むための授業の充実などについて、お考えをお伺いさせていただきたいと思います。
〔委員長退席、関委員長代理着席〕
白
白石真澄#22
○白石公述人 御質問ありがとうございます。
今、浮島議員がおっしゃいましたように、子育て支援や子供の健全育成というものは政策パッケージが必要でございます。私がきょう申し上げたように、保育園、保育所の拡充だけではなく、地域での子育て支援や、親の経済状況にかかわらず学び続けられる、学び直せるような環境づくり、さらには親育てと言われるような地域社会での親支援、いろいろなことをやっていかなくてはいけません。
先ほど御質問がございました、女性が働いている地域ほど子供がふえていく、これは事実の一つでございます。それ以外に、職住近接で、男性の家事時間や育児時間の長さというものも関係してございますし、祖父母世代の近居というものも関係しております。つまり、一言で言えば、夫が早く帰ってきて、おじいちゃん、おばあちゃんが手伝ってくれて、通勤時間が短くて、お母さんも働いて経済的な自信がつけば、子供がふえていく地域が幾つかあるということでございます。
子供の健全育成にとってまず大事なことは、先ほど申し上げたとおり、全ての子供の幼児教育の保障ということでございます。当然、保育を受ける権利や幼稚園で教育を受ける権利というものは保障されなければいけませんし、経済状況でお困りになっている御家庭が今お子さんを持つ家庭の六人に一人ということで、なかなかその保障ができていないことも私は直視すべきではないかと思います。
全ての子供の教育、保育の保障が必要でございますし、これを全て公費で賄おうとすれば大変なことでございます。
例えば、福井県では、御近所のお母さんたちがワンコインで子育て中のお母さんのサポートに入ったり、子育て支援ができるというような独自の政策を組み込んでおります。地方の既存資源や創意工夫をしながら、お金のかからない方法というのもたくさんあると思いますので、ぜひ、そういった地方を応援するというような後押しをしていただければと思います。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →今、浮島議員がおっしゃいましたように、子育て支援や子供の健全育成というものは政策パッケージが必要でございます。私がきょう申し上げたように、保育園、保育所の拡充だけではなく、地域での子育て支援や、親の経済状況にかかわらず学び続けられる、学び直せるような環境づくり、さらには親育てと言われるような地域社会での親支援、いろいろなことをやっていかなくてはいけません。
先ほど御質問がございました、女性が働いている地域ほど子供がふえていく、これは事実の一つでございます。それ以外に、職住近接で、男性の家事時間や育児時間の長さというものも関係してございますし、祖父母世代の近居というものも関係しております。つまり、一言で言えば、夫が早く帰ってきて、おじいちゃん、おばあちゃんが手伝ってくれて、通勤時間が短くて、お母さんも働いて経済的な自信がつけば、子供がふえていく地域が幾つかあるということでございます。
子供の健全育成にとってまず大事なことは、先ほど申し上げたとおり、全ての子供の幼児教育の保障ということでございます。当然、保育を受ける権利や幼稚園で教育を受ける権利というものは保障されなければいけませんし、経済状況でお困りになっている御家庭が今お子さんを持つ家庭の六人に一人ということで、なかなかその保障ができていないことも私は直視すべきではないかと思います。
全ての子供の教育、保育の保障が必要でございますし、これを全て公費で賄おうとすれば大変なことでございます。
例えば、福井県では、御近所のお母さんたちがワンコインで子育て中のお母さんのサポートに入ったり、子育て支援ができるというような独自の政策を組み込んでおります。地方の既存資源や創意工夫をしながら、お金のかからない方法というのもたくさんあると思いますので、ぜひ、そういった地方を応援するというような後押しをしていただければと思います。
ありがとうございます。
浮
浮島智子#23
○浮島委員 ありがとうございます。
今もございましたけれども、男性の協力もとても重要だと思っておるところでございますし、また、昔は、何かあれば地域みんなで助けていくということもあったと思いますけれども、今は、自分の生活と時間に追われて、なかなかそういうことができなくなってきてしまっているのも現状だと思っているところでございます。
今、白石公述人の方からもお話がございました地域との連携というのが私はこれからとても重要になってくると思っているところでございますけれども、ふと私、いろいろなところでいろいろな方とお話をしていますと、今社会全体で、子供たちが社会の宝だという考えがちょっと希薄になってきてしまっているのではないかと感じているところでございます。
我々公明党は今、学校の校長先生、教頭先生、教員のみで構成される明治以来の学校の組織に、スクールカウンセラーなど新しい専門のスタッフ、地域の人材、こういう方々に入っていただいて、そういう方をどんどん巻き込んでいって学校の機能の強化を図っていくチーム学校というのをやっていこうということで推進をしております。
今までPTAの会長も経験されている白石公述人は、育児は育自であるというふうにおっしゃって、親も成長しているということをよく言われておりますけれども、親の成長のためにも、地域が子供を社会の宝として支援をしていくことがとても重要であると考えております。
そこで、今、福井のワンコインのお話もありましたけれども、地域と学校、そして家庭との連携を促進していくために具体的にどういうふうにしていったらいいとお考えか、御意見をお聞かせ願えればと思います。
この発言だけを見る →今もございましたけれども、男性の協力もとても重要だと思っておるところでございますし、また、昔は、何かあれば地域みんなで助けていくということもあったと思いますけれども、今は、自分の生活と時間に追われて、なかなかそういうことができなくなってきてしまっているのも現状だと思っているところでございます。
今、白石公述人の方からもお話がございました地域との連携というのが私はこれからとても重要になってくると思っているところでございますけれども、ふと私、いろいろなところでいろいろな方とお話をしていますと、今社会全体で、子供たちが社会の宝だという考えがちょっと希薄になってきてしまっているのではないかと感じているところでございます。
我々公明党は今、学校の校長先生、教頭先生、教員のみで構成される明治以来の学校の組織に、スクールカウンセラーなど新しい専門のスタッフ、地域の人材、こういう方々に入っていただいて、そういう方をどんどん巻き込んでいって学校の機能の強化を図っていくチーム学校というのをやっていこうということで推進をしております。
今までPTAの会長も経験されている白石公述人は、育児は育自であるというふうにおっしゃって、親も成長しているということをよく言われておりますけれども、親の成長のためにも、地域が子供を社会の宝として支援をしていくことがとても重要であると考えております。
そこで、今、福井のワンコインのお話もありましたけれども、地域と学校、そして家庭との連携を促進していくために具体的にどういうふうにしていったらいいとお考えか、御意見をお聞かせ願えればと思います。
白
白石真澄#24
○白石公述人 地域、学校、家庭の連携促進についてお答えをさせていただきます。
今、地域全体で子育てを支援するという御質問がございましたけれども、私は、現代社会はそれが非常に難しくなってきているのではないかと思います。
皆様御案内のとおり、マタニティーマークというのは、過去は非常に大きなマークでございましたけれども、それが昨今小さくなっているのをごらんになったことがございますでしょうか。あれを電車の中でつけていると、優先座席に座りたいのかということを言われたりとか、保育所ができるとなると、地域に反対運動が起こります。また、小学校のスピーカーが真っすぐではなく斜めを向いているんですね。校長先生になぜ斜めにしているんですかというふうに申し上げると、うるさいと苦情が出ると。バスや電車の中ではベビーカーを畳めというふうな論争がある。
私は、子育て支援を地域でするというのは非常に当たり前のことで大事なことだと思うんですが、それが難しくなってきているのではないかと思います。ただ、救いの一つとして、地域の中にいろいろなボランティア団体や子育て支援の団体ができているんですね。
私が政策参与をしておりました名古屋でも、まず団体やボランティアの人たちを育成して、その人たちに地域に帰っていただき、先輩ママさんとして虐待を防止するためのさまざまな活動をやっていこう、人材を育てて地域に戻っていただくことから始めました。社会全体としてはなかなか取り組みにくく、何からやったらいいかわからないことでございますけれども、人材育成なら簡単にできるのではないかと思います。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →今、地域全体で子育てを支援するという御質問がございましたけれども、私は、現代社会はそれが非常に難しくなってきているのではないかと思います。
皆様御案内のとおり、マタニティーマークというのは、過去は非常に大きなマークでございましたけれども、それが昨今小さくなっているのをごらんになったことがございますでしょうか。あれを電車の中でつけていると、優先座席に座りたいのかということを言われたりとか、保育所ができるとなると、地域に反対運動が起こります。また、小学校のスピーカーが真っすぐではなく斜めを向いているんですね。校長先生になぜ斜めにしているんですかというふうに申し上げると、うるさいと苦情が出ると。バスや電車の中ではベビーカーを畳めというふうな論争がある。
私は、子育て支援を地域でするというのは非常に当たり前のことで大事なことだと思うんですが、それが難しくなってきているのではないかと思います。ただ、救いの一つとして、地域の中にいろいろなボランティア団体や子育て支援の団体ができているんですね。
私が政策参与をしておりました名古屋でも、まず団体やボランティアの人たちを育成して、その人たちに地域に帰っていただき、先輩ママさんとして虐待を防止するためのさまざまな活動をやっていこう、人材を育てて地域に戻っていただくことから始めました。社会全体としてはなかなか取り組みにくく、何からやったらいいかわからないことでございますけれども、人材育成なら簡単にできるのではないかと思います。
ありがとうございます。
浮
浮島智子#25
○浮島委員 重要な御提言ありがとうございます。
あともう一点、先ほどもちょっとお話がございました一億総活躍社会。
私は、一億総活躍社会をつくっていくためには、一人一人が輝き、活躍できる社会をつくっていかなければならないと思います。その中でも、今政府におきましては、出生率を一・八に上げていこうという話でございます。
私は、今いろいろな現場の方から、特に女性の方からもお話をお伺いしておりますけれども、子供を産み育てたい、そして子育てをしていきたいという若い女性とたくさんお話をしていますと、若いころに奨学金を借りて、勉強して、卒業して、そして今は就職をしている、でも、返すのは当たり前のことでございますけれども、返していかなければならない。でも、今若い世代に多いんですけれども、御夫婦とも奨学金を借りていて、そして結婚されて、子供を産み育てたいと思っている中で、二人とも返済をしていかなければならないので、本当は子供を産み育てたいんだけれども、とても難しくてできないというお声をたくさんいただいております。
そんな中で、とても両立が難しいという声の中で、就労する女性の出産、子育ての支援の観点から、子育て世代の奨学金の返済の猶予、減免を積極的に進める、認めていくべきだと私は考えているんですけれども、白石公述人の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
この発言だけを見る →あともう一点、先ほどもちょっとお話がございました一億総活躍社会。
私は、一億総活躍社会をつくっていくためには、一人一人が輝き、活躍できる社会をつくっていかなければならないと思います。その中でも、今政府におきましては、出生率を一・八に上げていこうという話でございます。
私は、今いろいろな現場の方から、特に女性の方からもお話をお伺いしておりますけれども、子供を産み育てたい、そして子育てをしていきたいという若い女性とたくさんお話をしていますと、若いころに奨学金を借りて、勉強して、卒業して、そして今は就職をしている、でも、返すのは当たり前のことでございますけれども、返していかなければならない。でも、今若い世代に多いんですけれども、御夫婦とも奨学金を借りていて、そして結婚されて、子供を産み育てたいと思っている中で、二人とも返済をしていかなければならないので、本当は子供を産み育てたいんだけれども、とても難しくてできないというお声をたくさんいただいております。
そんな中で、とても両立が難しいという声の中で、就労する女性の出産、子育ての支援の観点から、子育て世代の奨学金の返済の猶予、減免を積極的に進める、認めていくべきだと私は考えているんですけれども、白石公述人の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
白
白石真澄#26
○白石公述人 ありがとうございます。奨学金についての御質問をいただきました。
私の教えております学生でも奨学金を借りている者がたくさんおりまして、私自身も、大学四年間、大学院二年間、たくさん借りて返済に苦労した記憶がございます。
今、学生全体、短大、四年制を合わせて、大体四割ぐらいが奨学金の恩恵にあずかっているのではないかと思いますが、財団や一部の篤志家がやっていらっしゃる給付の奨学金以外に、課題となっているのは有利子の奨学金だと思うんですね。
日本学生支援機構が出している奨学金も一種と二種がございまして、利子がつく奨学金の延滞が問題になっております。三カ月返さないとこれが信用保証会社に行きますので、将来、ローンを組んだり、子供の教育ローン、住宅ローンのときにブラックリストに載ってしまうというような不安もあるようでございます。
やはり、奨学金ではなく、国の教育ローンというふうに呼びかえてもいいのではないかと思いますが、浮島議員がおっしゃったように、安心して学ぶためには、返済期間をもう少し長くしていくということですね。今、十六年から二十年で返しているんですが、もう少し長くしていって、一回当たりの返済額を少なくしていく。
これは平均ではなかなか申し上げられませんけれども、例えば四年間で二百四十万円借りていますと、返済は毎月一万三千円ずつです。初任給の五%がこの奨学金の返済に回っていきます。これは厳しいと思うんですね。
日本は十八歳で大学へ入りますけれども、大学進学率は、ノルウェーやオランダ、ドイツを見ても日本よりも高いです。日本の大学進学率は五一%ですけれども、七〇から九〇の諸外国がたくさんありまして、平均入学年齢は二十五とか三十です。十八歳、六・三・三・四というのをやめて、自分が働いて大学に入る、そのための試験制度にすることによって、親がぎりぎりなのに十八歳で大学に入るということもなくなっていくのではないかと思います。
大学年齢の柔軟化、返済期間の引き延ばし、さらには、今借りていらっしゃる方の有利子分をチャラにすると、一年間で一千億円の予算措置があれば何とかなります。これを全部国の予算でやっていただきたいとは申しませんけれども、困窮すれば一部免除をするとか、何か社会奉仕的なことをすれば少し軽減されるとか、そういうこともアイデアの一つにお加えいただければと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →私の教えております学生でも奨学金を借りている者がたくさんおりまして、私自身も、大学四年間、大学院二年間、たくさん借りて返済に苦労した記憶がございます。
今、学生全体、短大、四年制を合わせて、大体四割ぐらいが奨学金の恩恵にあずかっているのではないかと思いますが、財団や一部の篤志家がやっていらっしゃる給付の奨学金以外に、課題となっているのは有利子の奨学金だと思うんですね。
日本学生支援機構が出している奨学金も一種と二種がございまして、利子がつく奨学金の延滞が問題になっております。三カ月返さないとこれが信用保証会社に行きますので、将来、ローンを組んだり、子供の教育ローン、住宅ローンのときにブラックリストに載ってしまうというような不安もあるようでございます。
やはり、奨学金ではなく、国の教育ローンというふうに呼びかえてもいいのではないかと思いますが、浮島議員がおっしゃったように、安心して学ぶためには、返済期間をもう少し長くしていくということですね。今、十六年から二十年で返しているんですが、もう少し長くしていって、一回当たりの返済額を少なくしていく。
これは平均ではなかなか申し上げられませんけれども、例えば四年間で二百四十万円借りていますと、返済は毎月一万三千円ずつです。初任給の五%がこの奨学金の返済に回っていきます。これは厳しいと思うんですね。
日本は十八歳で大学へ入りますけれども、大学進学率は、ノルウェーやオランダ、ドイツを見ても日本よりも高いです。日本の大学進学率は五一%ですけれども、七〇から九〇の諸外国がたくさんありまして、平均入学年齢は二十五とか三十です。十八歳、六・三・三・四というのをやめて、自分が働いて大学に入る、そのための試験制度にすることによって、親がぎりぎりなのに十八歳で大学に入るということもなくなっていくのではないかと思います。
大学年齢の柔軟化、返済期間の引き延ばし、さらには、今借りていらっしゃる方の有利子分をチャラにすると、一年間で一千億円の予算措置があれば何とかなります。これを全部国の予算でやっていただきたいとは申しませんけれども、困窮すれば一部免除をするとか、何か社会奉仕的なことをすれば少し軽減されるとか、そういうこともアイデアの一つにお加えいただければと思います。
ありがとうございました。
浮
浮島智子#27
○浮島委員 貴重な御提言ありがとうございました。
最後に、熊谷公述人にお伺いをさせていただきたいと思います。
関連資料というのを読ませていただいたんですけれども、その中で、労働生産性の向上の王道は教育であるというふうにおっしゃられております。この王道は教育であるということはどういうお考えなのか、お聞かせ願いたいのと同時に、今お話がございましたけれども、子供たちを社会の宝として育んでいくための地域との連携、これについてどうお考えか、お伺いをさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →最後に、熊谷公述人にお伺いをさせていただきたいと思います。
関連資料というのを読ませていただいたんですけれども、その中で、労働生産性の向上の王道は教育であるというふうにおっしゃられております。この王道は教育であるということはどういうお考えなのか、お聞かせ願いたいのと同時に、今お話がございましたけれども、子供たちを社会の宝として育んでいくための地域との連携、これについてどうお考えか、お伺いをさせていただきたいと思います。
熊
熊谷亮丸#28
○熊谷公述人 御質問ありがとうございます。
我が国の労働生産性がなぜ低いかというと、これはいろいろな理由があるんですけれども、その中で一つ大きな理由として、ITの投資はそれなりにやっている、ただ、無形資産という言葉を使いますが、そのITを活用する人材に対する投資だとか教育に対する投資、例えば、特に会社の中などでそういう人に対する投資が明確に今減ってきている、こういう問題がございます。
ですから、その意味では、やはり、職業教育などをある程度会社がやることも必要だと思いますし、一部で国家がそれをやっていくというようなことを含めて、最終的に生産性の根源というのは人でございますので、人に対する投資というものを官民挙げてやっていくということが重要ではないか。
その中で、先ほど来御指摘ありますように、地域の中でお互いに助け合いながら、いろいろな道徳のようなところも含めてしっかりと教育をしていくということがやはり非常に重要なポイントではないかと思います。
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ですから、その意味では、やはり、職業教育などをある程度会社がやることも必要だと思いますし、一部で国家がそれをやっていくというようなことを含めて、最終的に生産性の根源というのは人でございますので、人に対する投資というものを官民挙げてやっていくということが重要ではないか。
その中で、先ほど来御指摘ありますように、地域の中でお互いに助け合いながら、いろいろな道徳のようなところも含めてしっかりと教育をしていくということがやはり非常に重要なポイントではないかと思います。
浮
浮島智子#29
○浮島委員 ありがとうございました。貴重な御意見を賜りました。
私も、日本の柱は教育、これが重要だと思っておりますので、これからも皆様の御意見をいただきながら頑張ってまいりたいと思います。
本日はありがとうございました。
この発言だけを見る →私も、日本の柱は教育、これが重要だと思っておりますので、これからも皆様の御意見をいただきながら頑張ってまいりたいと思います。
本日はありがとうございました。