経済産業委員会

2018-05-22 衆議院 全116発言

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会議録情報#0
平成三十年五月二十二日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 稲津  久君
   理事 城内  実君 理事 平  将明君
   理事 辻  清人君 理事 冨樫 博之君
   理事 松本 洋平君 理事 落合 貴之君
   理事 浅野  哲君 理事 富田 茂之君
      穴見 陽一君    石川 昭政君
      上野 宏史君    尾身 朝子君
      大見  正君    岡下 昌平君
      勝俣 孝明君    神山 佐市君
      神田  裕君    黄川田仁志君
      小林 鷹之君    佐々木 紀君
      田畑  毅君    津島  淳君
      福山  守君    穂坂  泰君
      星野 剛士君    三原 朝彦君
      宮内 秀樹君    務台 俊介君
      八木 哲也君    中谷 一馬君
      松平 浩一君    宮川  伸君
      山崎  誠君    吉良 州司君
      斉木 武志君    山岡 達丸君
      田嶋  要君    笠井  亮君
      杉本 和巳君    菊田真紀子君
    …………………………………
   参考人
   (株式会社住環境計画研究所代表取締役会長)    中上 英俊君
   参考人
   (一般社団法人地域政策デザインオフィス代表理事) 田中信一郎君
   参考人
   (公益社団法人日本通信販売協会専務理事・事務局長)            万場  徹君
   参考人
   (流通経済大学流通情報学部教授)         矢野 裕児君
   参考人
   (認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長)          桃井 貴子君
   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君
    —————————————
委員の異動
五月二十二日
 辞任         補欠選任
  國場幸之助君     務台 俊介君
  佐々木 紀君     黄川田仁志君
  佐藤ゆかり君     津島  淳君
  星野 剛士君     宮内 秀樹君
  中谷 一馬君     宮川  伸君
  谷畑  孝君     杉本 和巳君
同日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     佐々木 紀君
  津島  淳君     佐藤ゆかり君
  宮内 秀樹君     星野 剛士君
  務台 俊介君     福山  守君
  宮川  伸君     中谷 一馬君
  杉本 和巳君     谷畑  孝君
同日
 辞任         補欠選任
  福山  守君     國場幸之助君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
     ————◇—————
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稲津久#1
○稲津委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、株式会社住環境計画研究所代表取締役会長中上英俊君、一般社団法人地域政策デザインオフィス代表理事田中信一郎君、公益社団法人日本通信販売協会専務理事・事務局長万場徹君、流通経済大学流通情報学部教授矢野裕児君、認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長桃井貴子君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず中上参考人にお願いいたします。
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中上英俊#2
○中上参考人 おはようございます。
 御紹介いただきました中上でございます。
 本日は、この参考人にお呼びいただきまして、お時間を頂戴しまして、ありがとうございます。
 それでは、お配りしてあります資料に基づきまして、十五分ほどお話をさせていただきたいと思います。
 まず、めくっていただきまして、これは、よく、必ず出てくる最初の図でございますけれども、我が国の最終エネルギー消費はいかに推移してきたかでございます。
 なぜか、一九七三年の第一次オイルショックから、相当昔から記載されておりまして、ここ十数年とは七三年では大分時代が違うんですけれども、オイルショックというのが一つのエポックメーキングな時代でございましたので、そこを起点にしている図でございます。
 ここにもありますように、この間、約五十年弱ぐらいでGDPは二・六倍になったけれども、実質の最終エネルギー消費は一・二倍にとどまっている。ここが、世界でも非常にエネルギー寡消費、少なくて経済成長を遂げたということで、我が国が高く評価されている一因だろうと思います。部門によって若干違うわけでございますが、近年、二〇〇〇年前後をピークにしまして、ほとんどのところで需要が横ばいないし減少に転ずる。
 その下の図を見ていただきますと、また少し書き込んであるわけでありますが、私は、これは総合エネ調の資料でつくった図でございますけれども、しからば、我々がいろいろ議論してきた、いろいろな省エネ法であるとかエコポイントであるとか、そういう施策とはどういうふうなつながりになるんだろうかというのをプロットしてみたわけであります。
 これは、二〇〇五年に長期需給見通しが出されたときの図をもとにしてありまして、二〇三〇年で、一番上にあります濃いブルーの線がありますが、これが二〇三〇年には四百二十五、すなわち四億二千五百万キロリッターまでいくだろうと。ただ、二〇二一年にはピークを打って下がり始めるけれども、それでもそのぐらいいくだろうと見通しが出ていたわけであります。
 起点は、四一三と書いてある二〇〇〇年のちょっと前の代であると四億一千三百万キロリッター。いずれにしましても、やや増加するだろうと見ていたんですが、これではなかなか厳しいので、できるだけ省エネをやって、二〇〇五年省エネ進展ケースで三七七と書いてございます、三億七千七百万キロリッター。
 おおむね五千万キロリッターぐらい省エネしようというのが目標だったわけでありますが、実際はどう推移してきたかというのがやや薄いブルーでございまして、二〇〇〇年前後から横ばいないし減少に転じることが顕著に出ております。
 ただ、最も下げているのが、これは御案内のとおり、ここに書いてありますが、リーマン・ショックなんですね。リーマン・ショックでエネルギー消費が下がったからこれがハッピーかというと、これは決してハッピーではなくて、角を矯めて牛を殺すようなものでございますから、こういうことになっちゃ困るわけでありまして、リーマン・ショックが回復したらまたもとへ戻るだろうなと思っていましたら、案の定、少し戻りかかったんですが、そこに東日本大震災がぶつかりまして、また新たに減少傾向に転じたということで、非常に下向きのカーブが急角度になっていますが、近年ないぐらいの減少傾向が続いている。
 薄い緑で示してありますが、今現在我々が持っております最新の省エネを徹底したケースの二〇三〇年の見通しでございまして、三億二千六百万キロリッターになっておりますが、この線を下回って推移しているんですけれども、このままいくかどうかというのは、これは必ずしも楽観はできない。いかにも、ここ数年極めて異常な事態が同時並行的に発生しておりますので、それに基づいていろんな形で省エネが進んだことは確かでございますが、このままいくかどうかは予断を許さないというようなことで、新たな省エネ施策についての検討が省エネ小委員会で進められてきたところでございます。
 次、めくっていただきまして、いずれにしましても、その目標を達成するためには三五%の改善をしなきゃいけない。これは、第一次、第二次オイルショックのときと同じぐらいでございまして、このときは相当なショックだったわけですね、原油価格が十倍、二十倍に高騰するという異常な事態でございましたから。そういう事態と同じようなレベルで省エネを図らなきゃいけないということは、相変わらずこれから先、我々は覚悟しておかなきゃいけない。
 五千万キロリッターという数字ですが、これは専門家でもなかなかぴんとこない数字でございますけれども、今現在、日本じゅうの家庭で使っているエネルギーとほぼ同じでございます。したがって、家庭で全部エネルギーをやめてしまえば減るわけでありますが、そんなことはできないわけでありまして、割合にすると一三%であります。一三%は非常にでかい数字でありまして、これはまた言い方をかえると、一週間に一回、全員が何もしないでじっとしている、こういう数字であります。
 そう聞くと非常に大変だということがおわかりいただけると思いますが、ただ、二〇三〇年までは若干時間がございます。時間をかけてやれば、年一%ずつ、あらゆる分野で努力していただければこの数値はクリアできるわけでありますが、一%なら現実的にできるんじゃないかなと思っていただけるのではないか。いきなり一三%削減しようというのは、これはなかなか大変でございます。しかし、毎年全ての分野で一%、これはやはり大変なことでございます。
 次に、中間的な状況でございますが、四ページ目でございますけれども、現時点では、約九百万キロリッター弱の省エネルギーが達成できておる。進捗率は、そこに書いてあります一七・四%となっておりますが、これまで、五千万キロリッターを目指しておりますと、約二割近くに届かなきゃいけないのに、若干ちょっとこれでも下回っているという状況ですから、いかに厳しい対応をこれから迫られるかということだと思います。
 赤枠で囲っておきましたが、最も効果的だったのは、やはりLEDですね。LEDがこれほど急速に普及した国は、世界じゅうで日本しかございません。明らかにこれは三・一一が大きな後押し、よくも悪くも後押しになったわけでございますけれども、果たしてこれに匹敵するような省エネ技術がこれから出てくるかどうか。つくっていかなきゃいけないということでございます。
 次に、よく言われますのは、五枚目でございますけれども、産業・業務部門の原単位の改善。すなわち、GDPを稼ぎ出すために投入するエネルギーの消費量というのは、この両分野で滞っていると言われているわけでありますけれども、ここをどう評価するか。
 産業構造も徐々に変化してきておりますし、特に、一次産業、二次産業から三次産業に大きく産業構造はシフトしているわけでありますから、三次産業を支える業務部門は、ある意味ではふえてもおかしくないんですが、逆に横ばいであれば、私はそれなりに省エネが同時的に進んでいるのではないかというふうに楽観的に解釈しておりますが、それでもこの面も下げていかなきゃいけない。
 産業部門も、核心的なコア技術についてはかなり省エネが進んだと聞いておりますが、まだまだ、精査してみますと、周辺的に、コア技術ではないもの、いわゆるサポート、支援的な技術については、もう少し深掘りをしていくと省エネがあるかもしれないというふうな調査もちらほら見えるようになってきましたので、これから先は、核心的なコア技術だけではなくてサポート技術についても、もっと深掘りをしていきたいというふうに考えております。
 次に、六ページ目でございます。
 今回、省エネ法の改正で非常に大きなポイントになっているところでございますが、後ほど、流通の御専門の先生方もお見えでございますから詳しく御説明があると思いますが、いわゆるEコマースと言われる電子商取引、これに派生しまして大量の小口輸送が発生しておりまして、ここの運輸部門での増加をいかようにしてこれまでの省エネ法の中に取り込んでいくかということが、大きな議論になったわけであります。
 真ん中の図にございますように、宅配便の取扱実績は右肩上がり、非常に急角度で伸びておりまして、これを、今までは荷主に対して規制をかけていたわけでありますが、必ずしもEコマースの場合は荷主にならないわけですね。荷主さんは、各、Eコマースに出店している業者さんが荷主になるわけであります。
 その荷主さんのスケールは、省エネ法の基準からするとみんな網から漏れるといいますか、小さい企業の方が多いわけでありますから、なかなか規制できない。しかし、それをまとめていらっしゃる業界がおありになるので、御協力願えないかということで、いろんな議論をさせていただいて、今回、そういう方々の御協力も得られることになりまして、法律の中に取り込むことができたということでございます。
 もう一点は、荷主というと、どうしても発荷主の方に目が行きがちですが、受け荷主、受ける方も、よくかんばん方式と言われて、何時に品物を届けてください、そういう方式がございますが、受け手側も正確に時間を指定しないと、余裕を持って来てしまうと、これは、そこで交通渋滞が生じたり荷待ち状態が生じたりして、やはり省エネルギーに反することになりますので、荷主だけではなくて待ち受け側も、荷を受ける側に対しても協力を願うというような形も今回議論をさせていただいたところでございます。
 次に、これはちょっと私の私見でございますけれども、物流構造が変化すると、確かに一見、流通といいますか貨物輸送は確実にふえますけれども、流通業全体で考えたらどうなるかということを、私自身、ちょっとここに書いてあるんですが。
 消費者行動は明らかに変化するわけですね。逆に、どういう意味かというと、消費者が直接お店に行かないで、いながらにして発注されるわけですから、消費者が移動するエネルギーは確実に要らなくなる。大きな荷物を買ったら、持って帰るときにまた多分何らかの手段が必要になりますから、そういう場面でのエネルギーは果たしてどう評価するんだろうか。それがどんどん進んでまいりますと、商業形態自体が変わってくる可能性がある。
 お聞き及びかもしれませんが、アメリカでは、大手のおもちゃ屋さんが店を閉鎖した、これはEコマースの影響だそうでございますし、それから大手の小売事業者がやはり店を縮小している、これもやはりEコマースの影響だと聞いております。
 アメリカの友人に、それをトータルで評価した資料はないか、日本でも参考にしたいと言ったんですが、まだそこまで調査していないと言われましたものですから。だけれども、トータルで考えると、確かに中上が言うように、これはひょっとすると、物流構造全体で考えると省エネになっているかもしれないねと。
 どうしても、場面場面のデータだけで見てしまいますと、突出して貨物輸送がふえたからそこが悪いということになりますけれども、トータルで考えると話が違うのではなかろうかということであります。
 八ページでございます。
 今後の省エネルギーを考えるに当たりまして、そういうふうな社会構造の変化とかビジネスモデルの変化というものが、非常に目まぐるしく変わりつつあります。ですから、社会の実態に合わせた省エネ政策の転換をこれからもやはり不断に続けていかないと、従来の規制だけではカバーし切れない状態が発生してくるだろうと思います。
 特に、皆様御案内のように、AIとかIoTの最新技術を使った省エネは、あらゆる分野に相当大きな影響がありそうでありまして、これは、省エネの面から考えると、恐らく相当省エネルギーになると私は期待しておりますが、これは、これからの非常に大きなテーマの一つでもあります。
 さらに、シェアリング、これもビジネスモデルの変化ですね。
 それにつきまして二つだけ事例をお示ししておきましたけれども、次のページに、お聞き及びのように、いろいろと物議を醸しているところもありますが、ウーバーなんというのがありますが、この会社は一台も車を持っていないと。しかし、世界最大のタクシー事業者だ、こう言われている。日本では、まだ確たる事業実績はないようでございますが。
 こういった場合には、大体、一般の消費者のあいている車を利用して、それで輸送業をやっているという状態になりますから、そうすると、ここで発生しているエネルギーは、家庭で使っているエネルギーなのか、事業用なのかなんというふうな仕分が出てくるんじゃないかなと思います。
 次に、これまた、昨今、違った意味で物議を醸しておりますけれども、民泊ですね。エアビーアンドビー、最大の民泊業者の一つでありますが、ここも宿泊用の不動産は一つも持っていないと。
 ここが、民泊であっせんして、個人のお宅の空き部屋を利用してお客さんを泊めたときのエネルギー消費は、これは業務用なんだろうか、家庭用なんだろうか。恐らく、メーターは家庭用しかないですから、家庭用で計量されると思いますけれども、ここは明らかに事業でございますから。このあたりまでになってくると、これは省エネ法の対応も単純にはいかないなというふうに思っております。
 いずれにしましても、社会がそれほど大きく変化してきておりますので、省エネルギーはいつまでたっても切りがないんですが、省エネに終わりなしという言葉がございますが、まさにそのとおりだなと思っております。
 省エネは、基本的には、私は、やはり規制が最もあらゆる面に効果が高いと思います。ただ、私の今までの経験からしますと、別な見方をすると、トップのディシジョンといいますか、これは非常に大きくきくわけですね。いろんな会社でも、トップがこうしろと言うとやはり全体が動くわけですけれども。
 ですから、本当は、総理大臣が夏に車を使われるときに、運転手さんに待たせて、クーラーをかけて待っているなんというのは、私はあれもよくないと思いまして、総理がおやめになったら、恐らく先生方も多分やめざるを得なくなるという。ちょっと口幅ったいですけれども。そういう意味では、トップのディシジョンというのは非常に大きいと思います。
 もう一点、最後は、消費者が動き出すと、これはやはり最も大きい、サイレントマジョリティーと言っておりますが。
 私の経験でこれは非常に大きな成功例でありますけれども、待機電力というのがございますが、もうお聞き及びだと思いますが、これを問題提起したときに、一切メーカー側は、そんな小さなことを言うなと言われて、余り反応はよくなかったわけです。役所の方も苦労して、何とかこれを削減しようとあちこち声をかけたんですが、なかなか動かなかったんですが、消費者が、うちで計測してコンセントからプラグを抜いてみたら、一カ月後に電気代が千円ぐらい下がったんですね。そうしたら物すごく大きな声になりまして、あっという間にメーカーが待機電力を軽減するという施策をとりました。
 世界、ほかの国は全部規制をかけようとした。日本だけが、規制をかけなくてもあっという間に動いた。それを、私は諸外国の友達に、そんなの簡単だから、消費者にプラグを抜いてもらえばいいんだと言ったら、そのとき彼らは何と言ったかというのは、中上、それは無理だ、欧州やアメリカでは、電気代は年に一回しか計測しないと。電気代、毎月来ているのはどうしているんだと言ったら、年間のを十二カ月にばらして払っているんだ、だから、一カ月ぐらい抜いただけで、ふえたか減ったか答えは出ないと。一年たったら何が何だかわからなくなりますから。それで、いやあ、随分日本はそういう意味じゃ違うんだなと思っていましたが、今度スマートメーターが出てきましてから状況は変わってまいりましたけれども。
 そんなエピソードがありますけれども、やはり、消費者が動くということは非常に大きいと思います。
 ちょっと時間が超過したかもしれませんが、私からの話はこれまでにさせていただきます。どうもありがとうございました。拍手
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稲津久#3
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、田中参考人にお願いいたします。
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田中信一郎#4
○田中参考人 おはようございます。一般社団法人地域政策デザインオフィス代表理事の田中信一郎です。
 本日は、衆議院経済産業委員会において意見陳述の機会を与えていただき、稲津委員長、理事そして委員の皆様に感謝申し上げます。
 地域政策デザインオフィスは、持続可能な地域づくりを支援するため、昨年六月に設立した非営利の団体です。自治体のエネルギー政策や地球温暖化対策、防災対策などを助言したり、職員研修を行ったりしています。
 私は、横浜市及び長野県において、民間採用職員としてエネルギー政策や温暖化対策の企画、執行を担ってきました。ちなみに、長野県での経験や政策については、「信州はエネルギーシフトする」として先ごろ出版したところでございます。現在は、地域政策デザインオフィス代表理事として、自治体などへの助言を行っています。
 なお、私は、これまで国や自治体の行政機関、国会、大学などさまざまなところで働き、現在も複数の仕事を兼ねております。本日は、専ら自治体でエネルギー政策を担当した経験を踏まえ、地域エネルギー政策の専門家としての視点から意見を述べます。
 まず、議案の、エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案については、賛成の立場です。
 改正案の主たる内容である企業連携による省エネの評価並びに貨物の荷主の定義見直しと準荷主の位置づけは、事業者の省エネを促進する仕組みであり、必要と考えます。
 しかし、本改正案に問題点がないわけではありません。
 最大かつ唯一の問題点は、長期エネルギー需給見通しで掲げる省エネ見通しの実現に向けて、現行法が直面する課題に対応するための所要の措置として示されているのが、これだけにとどまっているということです。
 日本の経済社会において、エネルギー効率の大幅な改善は極めて重要な優先課題です。この改正案を見る限り、政府にそうした認識と決意が欠如しているのではないかと強く疑わざるを得ません。それが、自治体や地域経済界のエネルギー効率の改善に対する認識にも強く影響し、地域経済の疲弊も助長していると思われます。
 まず、配付資料の図表一をごらんください。
 日本の労働生産性が低いことを示しています。
 二〇一六年の数字を見ると、一人当たりではギリシャよりも低く、時間当たりではイタリアやスペインよりも低い位置にあります。これは、日本企業の稼ぐ力が弱いことを意味しています。
 次に、図表二をごらんください。
 労働生産性の算出式です。
 人口増加期において、企業は、従業者数をふやしつつも、それ以上に売上高をふやすことで生産性を高めてきました。現在は、人口減少に転じ、需要も頭打ちになっています。企業はこれまで、従業者数を減らすこと、すなわちリストラで生産性を維持してきました。ところが、いよいよ多くの企業で人手不足が顕著となり、リストラも困難になりました。売上高を容易にふやせず、従業者数を減らせないとすれば、どうやって生産性を高めるのか。それには、費用総額を減らすのが確実です。
 企業活動における代表的な費用は、エネルギーと資源です。理想は、これらの投入をゼロにしつつ売上高を伸ばすことです。もちろんそれは不可能ですが、効率を徹底的に追求することは可能です。そのための指標が、資源生産性、エネルギー生産性、炭素生産性です。
 図表三をごらんください。
 主要国のエネルギー生産性を比較した環境省の資料です。
 左の名目ベースのグラフは、各国間を比較するのに有効です。これを見ると、約二十年前は世界最高レベルのエネルギー生産性だったのが、今やアメリカに次いで下から二番目です。
 右の実質ベースのグラフは、同じ国の経年変化を見るのに有効です。これを見ると、二〇一一年までエネルギー生産性がほぼ横ばいで、それ以降に改善していることがわかります。東日本大震災を契機としたエネルギー効率化の取組が効果を上げていることもわかります。
 図表三から言えるのは、日本のエネルギー生産性が一九九〇年代半ばから改善せず、東日本大震災以降に改善しつつあるも、各国に水をあけられてしまったという事実です。しかも、その間に、情報技術が大きく進歩し、日本のお家芸であるはずのエネルギー制御技術も高度に発展してきたにもかかわらず、この結果なのです。
 ただ、悲観する必要はありません。逆に見れば、日本にはまだまだエネルギー生産性を改善する余地が大幅に残っていることを意味しているからです。
 図表四をごらんください。
 企業経営におけるエネルギー効率の改善の意義を解説した関東経済産業局の資料の抜粋です。
 省エネで浮いた資金は、企業経営で純益となります。例えば、年商一億円の中小企業が省エネで年間三十万円の光熱費を減らす場合と比較しましょう。それと同じ金額の純益を売上増加で得ようとすれば、営業利益率を二%と仮定すると、千五百万円の売上増加をする必要があります。しかも、省エネで得た純益は翌年以降も継続しますが、売上増加はそうとも限らず、契約打切りのおそれもあります。
 もちろん、売上増加を不要とするわけではありません。これは、売上増加と同じぐらい省エネが重要と中小企業の経営者に喚起するため、関東経済産業局が作成した資料です。
 図表五をごらんください。
 日本の化石エネルギーの輸入額の推移を示した環境省の資料です。
 興味深いのは、二〇一五年の数字です。この年は、国際石油価格が暴落し、原油安が問題となりました。ところが、この年の輸入総額は、国際金融危機で暴落した二〇〇九年よりも多く、国際経済に大きな問題のなかった一九九六年よりもはるかに多いのです。
 化石エネルギーの相場が石油価格に左右されることは広く知られています。要するに、化石エネルギーの国際価格は、毎年の変動はあるとしても、長期的には上昇が避けられないのです。これは、今後ますますエネルギー効率の改善が日本経済において重要であることを示しています。
 日本は、海外に流出する巨額の資金を国内経済や地域経済に還流させなければなりません。電力やガス、石油などのエネルギー産業も、その技術や知見を活用し、化石エネルギー費用を国内に還流させるビジネスに転換することが求められています。
 最も有効な手法は、エネルギー効率を改善するための投資を盛んにすることです。そのために、国と自治体が連携して、大々的な省エネ投資を誘導するための仕組みを構築する必要があります。企業も個人もこぞって省エネ投資をし、省エネ型の行動や選択に切りかえるように、法律や条例で仕組みを整える必要があります。
 以上の観点に立てば、現行の省エネ法令や今回の改正案は、それに資することは否定しないものの、全く不十分であると言わざるを得ません。
 これまで自治体は、ごく一部の先進自治体を除けば、地域経済や住民生活の省エネについて、余り熱心に取り組んできませんでした。それは、第一義的に自治体の責任であるものの、自治体から見れば、国の法令や仕組みが不十分で、取り組みにくい点もありました。
 そこで、自治体でエネルギー政策に携わってきた立場から、次の省エネ政策の導入を国に求めます。これらが整備されれば、自治体においても、産業界や住民と連携して、さらなるエネルギー効率の改善に取り組めると考えます。
 図表六、最後のページをごらんください。
 第一は、詳細かつリアルタイムのエネルギー情報データベースの構築です。
 送電やガス管、その他のエネルギー生産と需要の状況をホームページで、誰もがリアルタイムで把握できるようにしたり、エネルギーに関するビッグデータを表示したり、統計情報を詳細に集めて素早く公表したりと、エネルギー情報に関して改善すべき点は多くあります。温室効果ガスの排出状況とあわせることも重要です。いわば、エネルギー版のRESASです。
 エネルギー情報で重要なことは、自治体や事業者、家庭がそれをベンチマーク、すなわち評価指標として活用し、みずからのエネルギー効率の位置を理解できるようにすることです。
 この点、経産省は、産業部門については、分母を生産量に統一しています。けれども、オフィスや商業施設などの業務部門では、分母を何にするか業界ごとに任せています。少なくとも、床面積当たりのエネルギー効率については、業務部門の全業種で統一して示させる必要があります。
 第二は、超大規模なエネルギー消費事業所をカバーする総量規制型の排出量取引制度です。
 二〇一四年度の温室効果ガス排出量で見れば、百二十九事業所で日本全体の温室効果ガス排出量の半分、約四百九十事業所で排出の六割を占めていました。これらの事業所に対し、自治体レベルで省エネを促すことは非現実的です。
 一定の規制や仕組みを導入しようとしても、これらの事業所を対象に含めないわけにはいきませんし、含めるとしても手に余るのです。ほかの地域に移転すると言われるおそれもあります。よって、国でしっかりと総量規制型の排出量取引制度を導入していただきたいのです。
 第三は、地球温暖化対策税の税率を大幅に高めることです。
 自治体で企業や住民に省エネを促すとき、大きなハードルになるのが費用対効果です。エネルギー価格が安いと省エネ投資の費用対効果も低くなるため、促しにくいのです。そこで、地球温暖化対策税の税率を大幅に高め、省エネ投資の費用対効果を高める必要があります。自治体にとっては、相対的に有利となる公共交通を再活性化する好機にもなります。
 一方、排出量取引制度や温暖化対策税の税率アップで、地域経済や住民生活に悪影響が出るのも困ります。そこで、排出量取引制度の対象事業所には、温暖化対策税を減免することが考えられます。温暖化対策税の税収の大半を企業の雇用保険の軽減財源とすることで、税収中立とすることも考えられます。税率の段階的な上昇も激変緩和に有効でしょう。国の制度があれば、自治体や地域産業、住民はそれを上手に活用し、エネルギー効率を向上させつつ、投資を拡大していきます。
 第四は、新築建物の断熱規制の確実な実行と段階的な強化です。
 二〇一三年六月に閣議決定された日本再興戦略では、「二〇二〇年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する。」としています。これを確実に実行するとともに、その後も段階的に基準を引き上げていく必要があります。
 第五は、建物の新築、改修、売買、賃貸におけるエネルギー性能証明書の発行義務の導入です。
 EUは、二〇〇二年の建築物のエネルギー性能に関する指令で導入を決定していますが、日本ではまだ導入されていません。
 長野県では、このEU指令等を参考にして、全ての新築建物の施主に対して、あらかじめ光熱費等の環境エネルギー性能を検討することを条例で義務づけています。二〇一六年の調査によると、約八割の戸建て住宅が省エネ基準を上回る性能で建てられたと明らかになっています。全国平均の数字はありませんが、三割から五割程度と言われていますので、長野県の制度の効果は明らかだと考えています。
 第六は、統一省エネラベルの表示方法の見直し、並びに全ての家電とエネルギー消費設備への拡大です。
 冷蔵庫やテレビなど六種の家電に設定されている統一省エネラベルは、年間の電気代が買うときにわかるすぐれものです。問題は、六種に限られていること、表示方法がわかりにくいこと、そして、販売店での掲出が努力義務にとどまっていることです。あわせて、低効率の家電については、製造や販売を禁止する措置も必要です。
 以上のほかにも、エネルギー効率の大幅な改善に資する政策や仕組みはありますが、少なくとも以上の六点は、国において早急に取り組む必要があります。
 もちろん、自治体側においても、効果的なエネルギー政策を確立する必要があります。自動車への過度な依存を改めるまちづくり、中小零細企業の省エネの促進、公共施設におけるエネルギー性能の飛躍的向上、住宅の省エネ改修の誘導、住民への情報提供など、自治体だからこそ効果的なエネルギー政策があるからです。
 そのためにも、国が率先して強力な省エネ政策を講じる必要があります。従来の省エネ法の枠組みの延長線上にある取組だけでなく、抜本的に省エネ政策を見直し、規制や税制、表示などをフル活用した省エネ政策に再構築することが求められています。
 以上、日本のエネルギー生産性を飛躍的に向上させ、経済成長の原動力とすることを経済産業委員会の委員の皆様と政府にお願いし、私の意見とさせていただきます。拍手
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稲津久#5
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、万場参考人にお願いいたします。
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万場徹#6
○万場参考人 公益社団法人日本通信販売協会の専務理事をしております万場と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、このような意見陳述の時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私からは、通信販売業界における物流関係の現状、それから業界としての取組、並びに省エネ法改正に関する業界としての意見を申し述べたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、お手元に資料をお配りしておりますので、これに基づきまして御説明をしていきたいと思います。
 まず、二ページ目でございます。
 通信販売市場の規模でございますけれども、二〇一六年度、十八年連続の伸びを示しておりまして、約七兆円となっております。この数字は、いわゆる物販を中心とした、物を中心とした通信販売の売上規模ということでございます。非常にミニマムな数字ということで捉えていただければというふうに思います。
 ただ、小売業全体としますと約五%を占めておりまして、ほぼ百貨店の売上並みに来ております。あるいは、それを上回る勢いであるということが言えるかと思います。
 実は、本日ここにいらっしゃる先生方の事務所でも、恐らく文房具だとかコピー用紙とかそういうものを通販でお買いになっていただいているところもあろうかと思いますが、この場をおかりしまして、日ごろの御愛顧をありがとうございます。
 これは、ビジネスシーンでの御利用ということで、BツーBということでございますけれども、一方で、女性の社会進出でありますとか、あるいは共働き家庭の増加、あるいは高齢者の増加ということで、非常に、地方の地場産品を産直で取り寄せるとか、そういった、商品をいつでもどこでも注文ができて、しかも届けていただけるということで、通信販売が伸びてきているのではないかと思います。
 こういったBツーCの時代というのは、そのニーズに合った、非常に便利で、楽しいといいますか、役に立つ通信販売ということで伸びてきているのではないかというふうに思っております。つまり、今現在は、もう生活に欠かせない流通の一つになっているということが言えるのではないかと思います。
 グラフにつきましては、これは十八年連続と御説明しましたけれども、ちょっと場所がなくて、十五本しかグラフがありませんけれども、十八年連続で伸びてきているというところでございます。
 次のページは、通信販売協会の御紹介ということで、簡単に御紹介をしたいと思います。
 一九八三年、昭和五十八年に社団法人として設立をしております。途中、昭和六十三年ですけれども、現在は特定商取引法という法律ですが、当時は訪問販売法と言っておりました。その法律によりまして、自主規制をする団体として、法律上位置づけられた団体となっております。二〇一二年には、公益法人改革に伴いまして、公益社団法人として再スタートしているところでございます。
 現在、通信販売を行っている企業、大体約四百六十三社加盟しておりまして、そのほか、物流企業とか、いわゆる通信販売の周辺を支えていただいている賛助会員という制度がございます。こちらが百八十五社参加しておりまして、約六百五十社のメンバーを擁しているところでございます。
 主な取組ですけれども、ほぼ三つに集約できるかと思います。
 まずは、消費者保護ということで、消費者の信頼を獲得する活動ということでございます。特に契約関係のトラブルとか、そういうもので御不満があったり御質問があったりということで、消費者からの苦情、相談の受け付けをしております。それをうまく解決をしていくというふうな活動、いわゆる消費者保護の活動がまず一つでございます。
 また、業界の健全な発展ということで、自主規制団体として、倫理綱領の制定、あるいは各種ガイドラインを制定しておりまして、それらの周知活動を行っているということでございます。
 それとあわせまして、物流施設の見学であるとか、あるいは、今回のように、省エネ法の改正等、いわゆる法律の改正等がございましたら、その法律の趣旨を周知徹底するというような活動を掲げてやっております。
 以上、簡単ですが、協会の紹介は以上でございます。
 次のページは、売上高のランキング。これは、協会はランキングを発表しておりませんので、業界紙の数字ということでございます。
 一番上にありますのは皆さんよく御存じの外資系の大手の企業でございますけれども、会員も、大手にかなりランキングされております。インターネット中心の企業もございますけれども、いわゆるカタログ販売といいますか、活字媒体を中心とした、いわゆる伝統的な通信販売の企業もたくさんこの中には入っております。これらの企業におきましても、現在はもうインターネットが主流でございまして、インターネット経由による通信販売の売上高が伸びてきているというのが現状でございます。
 また、メーカーの通販というものも最近は特に多くなっておりまして、化粧品やサプリメントといったものを中心に販売をしているところも出てきているところでございます。
 ランキングについては以上でございます。
 次に、物流委員会というシートがございますけれども、協会は、さまざまな活動をやるに当たって、具体的な活動を行う委員会を構成しておりますけれども、ここでは物流委員会の活動について御紹介をしたいと思います。
 平成四年十二月に設置をしておりますけれども、協会のメンバー三十七社で構成しております。この委員会では、特に通信販売というのはお届けをしていただくというのが非常に重要な機能でございますので、物流に関して、その課題解決あるいはサービスの改善ということで情報交換をしております。
 スライドにありますように、時には学識者をお招きして勉強会を開催したり、あるいは相互に物流センターの見学会というものをやっておりまして、省エネに関する勉強もあわせて行っているところでございます。
 ただ、昨年は、皆さん御承知のとおり、物流費が一気に高騰したということで、非常に、その対応に大変苦労したところでございます。先ほども何度か申し上げているとおり、通信販売は商品を届けていただかないと成り立たない商売でございますので、消費者へのサービスを維持するために、大幅な値上げを受け入れざるを得なかったという厳しい現実がございます。中には、事業の継続が困難ではないかというような事業者も出てくるというようなこともございました。
 ただ、配送業者さんとの関係というのは極めて重要でございますので、物流費の問題はともかく、それは個別交渉ということでございますけれども、協会としましては、定期的に、物流業者さんとの情報交換も常に行ってきているところでございます。まさに、本日午後も大手の物流業者さんと、お招きしまして、最新の動向、恐らく宅配ボックスの件であるとか再配達の削減をどうするかといったような問題について情報交換をする予定となっております。
 続きましては、物流関連のデータを少し御紹介をしたいと思います。
 左上のグラフでございますけれども、商品の配送方法でございます。
 これは御存じのとおり、大手三社の宅配が断然多くて、一部、生鮮品とかそういったものは仕入れ先からの直送という形でございます。一方、下のグラフですけれども、送料無料ということが非常に強調される向きがございますけれども、無条件で送料無料としているところは、我々業界の、協会のメンバーでいきますと七%ということで、非常に少ないことになっております。一定金額以上をお買上げいただいている場合は、無料というような形で対応しているところが多くございます。
 次の資料でございます。
 特定荷主の企業の一例をここで御紹介をしております。輸送量の状況ですけれども、ごらんのように、パーセントは動きます。これはやはり会社の業績によって非常に左右されるものですので、売上げが伸びれば、当然、輸送量はふえるというような状況がここで見てとれるかと思います。落ち込んでいるところは、売上げがちょっと下がったかなというところでございます。また、輸送量の内訳ですけれども、大半はやはり、BツーBの会社もございますけれども、基本的にはBツーCということで、ECを含む消費者向けの配送が圧倒的に多くなっているという現状でございます。
 続きまして、二番目としまして、これも会社の事例でございますけれども、物流拠点を再編成することによりまして荷物の量を削減するということの例でございます。
 大物のものを利用したり、それから小さなもの、それぞれ物流センターがあったり、特殊な形状の商品というのもございます。そういったところを、幾つかの物流拠点があって、それぞれの拠点からお客様にお送りをしていたということを若干集約をしまして、右側にございますように、大ロット、小ロットみたいな、あるいは、大物家具とかそういうものと小物というのに分けて、物流拠点を集約してできるだけ荷量を削減するという成功例の一つでございます。
 続きまして、業界としての取組でございますけれども、大きく分けますと、二つあろうかと思います。一つは、再配達の削減策ということでございます。その中にも幾つかございますので、御紹介をしていきたいと思います。
 まず、お届けの手法の追加といいますか、選択肢を多くするということでございます。コンビニ等の受取、あるいは、ひょっとしたら、地方の商店街でシャッターがおりているようなところはたくさんございますので、そういうところを受取の拠点にするとか、そういう工夫が必要かなというふうに考えております。
 また、宅配ボックスの活用、それからメール便の活用とございますのは、郵便受けに直接入れる、例えば化粧品とかそういうものですと、ボトルで大きいものは入らないので、それを薄物化するとか、あるいは詰めかえ用のリフィルにする、小さくまとまった薄いものにして、郵便受けに直接入るような形にするとか、そういう細々とした努力を続けております。
 また、置き場所指定というのもございます。一部の宅配業者さんでできることですけれども、あらかじめお客さんに指定していただいていて、そこに置いておくということで、再配達をできるだけ削減するというようなこともやっております。
 また、環境省さんの方でキャンペーンをやられておりますけれども、クールチョイスのキャンペーンに実は協会も参加しておりまして、できるだけ一回で受け取りましょうというキャンペーンをやったりということをしております。
 それからまた、期日時間指定の促進ということでございますけれども、これは一例ですが、期日時間指定がなかった場合の再配達は二〇%だったんですが、期日指定をしていただいて、確実にお届けした場合、この場合は再配達率が一〇%になったということでございますので、期日時間指定の有効利用ということも考えていきたいというふうに考えております。
 それから、配達回数の削減策ということでございますけれども、交換、引取りを同時にする。例えば返品をしていただく場合に、交換商品をお届けするときに返品も受けるということで、二回を一回に減らすというような努力。あるいは、まとめ送りということですね。複数商品を注文された場合、準備ができ次第、次々に送ると何個口かになってしまう、そこを何とかお客さんに御理解いただいて、おまとめして、それで一気に一回でお届けするというような、そういう細々としたサービスも有効ではないかというふうに考えておるところでございます。
 それから、出荷個数の平準化ということで、お急ぎでない方、その場合にはゆっくりと出していくということで、ピークを合わせて平準化していくということも考えているところでございます。
 終わりですけれども、最後に荷主の定義ということでございますけれども、この問題につきましては、ぜひ公平性を担保していただきたいというふうに思います。法の適用があるかないかについては、企業にとっては大変重要な問題ですので、御丁寧な説明をぜひともお願いをしたいというふうに考えております。
 それから、荷主判断基準の見直しにつきましては、企業に過大な負担にならないようにぜひともお願いしたいと思います。るる先ほど説明してまいりましたけれども、企業としてもさまざまな取組を行っていく予定でございますけれども、荷主として、やはりできることできないこと、限界がございます。ぜひ、そこらあたりも御配慮いただきたいと思います。
 また、省エネの課題といいますのは、物流業界、あるいは荷主である通販業界、それから消費者、それぞれの役割分担が重要ではないかな。その役目をそれぞれが果たしていくということが重要でありますし、通販業界としましても、輸送量だけではなくて、環境に優しい商品を優先的に取り扱うとか、あるいは各社が取り組んでいる環境保護活動といったこともございます。
 また、先ほどもございましたけれども、物流施設あるいは本社についても、ライトはLED化するとか、そういう施設面においてもいろいろ省エネの取組をしておりますので、ぜひとも、多面的、重層的な取組ということで御配慮いただきたいというふうに考えているところでございます。
 私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。拍手
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稲津久#7
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、矢野参考人にお願いいたします。
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矢野裕児#8
○矢野参考人 流通経済大学の矢野でございます。
 きょうは、よろしくお願いいたします。このような機会を与えていただき、まことにありがとうございます。
 私の専門は、物流、それからロジスティクスということで、私の方からは、物流部門における省エネ対応ということでお話をさせていただきます。
 まず最初に、物流構造の変化ということで、簡単にお話しさせていただきます。
 日本の貨物輸送量の推移ということで図がありますが、一般的に、貨物輸送量は、重量ベースのいわゆるトンベース、それから重量掛ける輸送距離のトンキロベースで、こういう形で計算することが多くなっています。
 経年的に見ますと、トンベースで大幅に減少してきている、さらにはトンキロベースでも緩やかに減少している、こういう現実があります。これは、海外に工場が移転する、あるいは産業構造自体が、重厚長大型から軽薄型に、軽いものに対してどんどん変化している、こういうことで、今後もトンベース等の貨物輸送量は減る、こういうふうに予想されています。
 しかしながら、三ページの方なんですが、物流は大きく質的に変化しております。
 特に言われるのが、多頻度小口化です。左側の図のとおりに、一回貨物を運ぶ場合でも、そのロットというか、単位が非常に小さくなっているという傾向があります。小口化です。それから、右側の図のように、件数が非常にふえてきている。つまり、小さい単位で何個も、何回も運ぶ、こういうような傾向が非常に強まっているということになります。
 件数ということなんですが、これは、例えば、タンカー一隻動いても、ある意味では一件ですし、郵便小包一個でも一件ということなので、なかなか統計的に把握できないんですね。ですから、こういう統計が現実にはありません。ですから、現実としては、荷動き件数が非常にふえてきている、こういうことかと思います。
 そういう意味では、重量という意味では減っているが、件数ではふえているというのが日本の貨物輸送の現状ということになります。
 実際に、どういうところが物流を出しているかということをあらわしたのが四ページです。
 重量ベースで見ますと、やはり圧倒的に多いのはメーカーです。重いものをどんどんつくり、そして動かしていますので、メーカーを中心とした荷動きになっているんですが、今度は件数ベースで見ますと、実際には卸売業、小売業の比率が非常に高くなります。
 そういう意味では、非常に消費者に近いところの物流のところが件数ベースでは非常に大きな割合を示しており、ここのところをどうやって効率化していくか、こういうことが非常に重要になるということになります。
 続いて五ページですが、これは輸送機関別に見たものです。
 どの輸送機関が運んでいるか。トラックが運んでいるか、鉄道が運んでいるか、船が運んでいるかなんですが、トラックが大体五割、それから船が四五%、さらに、残った五%が鉄道という形になります。
 ただ、一九六〇年代は鉄道が非常に多かったんですね。それがどんどん減少して、今は五%。それに対してトラックがふえてきた。重量貨物については船がまだまだ多いですが、トラックが、小さい貨物については主に運んでいるということになります。本来、省エネから考えた場合には、この鉄道部分、それから船の部分をどうやってふやしていくか、ここが課題になります。
 さらに、六ページですが、長距離の場合には、ある程度、船、それから鉄道の割合が多くなっていますが、それでも、長距離あるいは中長距離においては、まだまだトラックで運んでいる部分が多いというのが現実です。そこのモーダルシフトをどうしていくかというのが重要になります。
 現在、物流においては、非常にドライバー不足が大きな問題になっていますが、この観点から見ても、中長距離の輸送をいかにシフトしていくか、ここが重要です。さらに、改善基準告示ということで、連続運転時間、運転時間、拘束時間ということが問題になっていますが、この観点からも、いかに鉄道それから船をふやしていくか、この辺が非常に重要です。その輸送ネットワークを構築していくことが重要になります。
 続いて七ページですが、運輸部門のエネルギー消費ということになります。
 よく図表などを見ますと、運輸部門となっていて、そして、下の方に旅客があり、その上に積み重ねグラフのように貨物輸送になっているので、余り、貨物輸送の動きというのが見えづらくなっています。ここでは分けて表示しておりますが、貨物輸送については一九九六年をピークに減少傾向にあります。
 実は、よく、京都議定書の場合、一九九〇年に対して二〇一〇年のときに運輸部門はちょっとふえているよ、だから問題だよ、それで物流も何となくふえているようなイメージをお持ちかもしれないんですが、実際には、乗用車、旅客部分が非常にふえたためにふえているのであって、貨物輸送部分というだけで見た場合には相当減少している、九六年をピークに減少しているということになります。そういう意味では相当努力したということもあるかなというふうに思っております。
 それから、その下は、もう少しわかりやすくしたのが八ページですね。
 このように、実際に九六年から大きく減少してきています。ただ、問題は、二〇〇九年までは大きく減少してきたんですが、そこから横ばいになっている、こういう状況があります。そこが非常に問題で、各企業に聞いても、最初は割かしいろいろな効率化策をやってどんどん省エネができた、ただ、それが相当、二〇〇九年以降、効率化策をやってもなかなか減らない、こういう状況になっています。
 特に、企業の物流部門が単独でできるところを先行してやっていたわけですが、それがある程度限界に来ている、こういう問題点を抱えて、今後減少していくためには、後で申し上げます連携ということが非常に重要になるかなというふうに思っております。
 その次に、貨物輸送のCO2排出量、輸送量、原単位の推移ですが、先ほど見ましたように、大きく減少してきたんですが、一つは輸送量が減少してきたこと、それから、同じ輸送量を運ぶために必要なCO2が減ってきた、その両面があったんですが、ただ、先ほども申し上げましたように、二〇〇九年以降はなかなか減少していない、こういう現状となっています。
 さらに、その下の表ですが、これは京都議定書のときにどういう施策をやったか。特に、船それから鉄道へのモーダルシフト、さらには貨物輸送の効率化、トラック輸送の効率化というところなんですが、いずれも目標を下回っています。ただ、船へのシフトは結構進んだんですが、鉄道へのシフトが余り進まなかった。さらにはトラック輸送の効率化が余り進まなかった、こういう現実がございます。
 続いて十一ページですが、トラック輸送の効率化が非常に重要で、そのためには、車両の大型化、これが結構進んできました。それから営業用に転換していく、こういうことも進んできました。
 ただ、積載効率が逆に悪くなっている、こういう現実がございます。ここのところは、先ほども申し上げた多頻度小口化と相当関係しているかと思います。つまり、トラックが動いているわけですが、実際に満杯状態で動いていない、非常に少ない積載率で動いている、こういう事例が非常に多いということで、大体今四割前後という、こういう状況になっています。
 さらに、十二ページですが、今度は、先ほどから話題になっています宅配便です。宅配便は個数がどんどんふえてきています。特にここ三、四年は、きっとネット通販の影響もあって急激に増加しているかと思います。
 さらに、次のページですが、再配達の発生状況ですが、国交省さんの方では二〇一三年度に再配達率の試算を行っています。大体再配達率が二〇%、さらに、昨年、二〇一七年に一五・五%という結果になっています。ただ、これは、二〇から一五・五となっていますが、ちょっと調査方法を変更しておりますので、必ずしもここで改善したというふうには言えないかと思います。
 いずれにせよ、この再配達が非常に社会経済的損失というのを与えている、こういうのが現状かと思います。
 十五ページのように、実際に再配達率を減らしていくということで、受取方法を多様化していく、宅配ボックス、宅配ロッカー等をふやしていく、あるいはコンビニ受取をふやしていく。ただ、宅配ボックスなども、あるいは宅配ロッカーなども、利用率は結構低いという現状があります。それをどうやって使ってもらうかというのも重要ですし、さらには、一回で受け取ってもらうような情報交換を利用者と業者で行っていく、こういうことも重要かと思います。さらには、消費者、利用者に対してどうやって積極的にこういうのを考えてもらうか、こういうのも重要かと思います。
 さらに、十六ページ。ちょっとこれは再配達率とは別なんですが、過疎地域においては都市部に比べて同じ一個を運ぶのに非常に配送距離が必要になるという現状があります。大体六倍ぐらい必要という試算も出ています。そういう意味では、特に過疎地域においては、こういうラストワンマイルのシステムをつくっていく、こういうことも重要かと思います。
 続いて、十七ページです。物流に関連する環境対応策というのが、輸送関連、あるいは物流センター関連、あるいはこん包材とか、いろいろな施策があります。ただ、これらの施策を講じる上において、ここの左側で赤で囲んだ部分、いかに取引条件を適正化していくか、あるいは企業が協力していくか、さらには製品開発なんかも輸送を含めて行っていくか、こういうことが非常に重要になります。
 実際に、十八ページのように、環境問題に対応していこうというときに、なかなか取引先の協力が得られないとか、あるいは企業の中でもほかの部門の協力が得られない、こういうことが大きな問題になります。そういう意味では、今まではどちらかというと物流部門が単独でできる、一企業で単独でできるところが進んできたわけですが、今後は、取引先を巻き込む、そういうような形でやっていかないと、なかなか今後の施策は進展していかないというふうに考えられます。
 続いて、十九ページですが、物流の場合は非常に関係者が複雑だという問題があります。
 発荷主と呼ばれる一般的な荷主、そこが着荷主に荷物を送る、それを実際の物流業務は物流業者に委託する、こういう形になります。その場合に、実際には着荷主が、いつまで持ってきてくれとか、あるいはこういう単位で持ってきてくれ、こういうことを決めるわけですね。そういう意味では、着荷主の要請に応じて発荷主が、じゃ、このときに持っていこう、それを物流事業者に委託する、こういう形になります。
 という意味では、着荷主が非常に全体の条件を決めているという状況があります。ここのところをどういうふうにうまく持っていくか、ここが非常に重要になるかと思います。
 ということで、二十ページですが、物流部門における省エネ管理。日本の場合、省エネ法において物流事業者だけでなくて発荷主を巻き込んだ、こういう意味では非常に画期的だったと思います。ただ、やはり今問題になっている着荷主の問題、さらには、現行の省エネ法では貨物の所有者と荷主が位置づけられている、そこでどうしても抜けが出てしまう、この辺が非常に問題かと思います。
 さらに、二十一ページですが、企業間連携ということで申し上げました。企業が連携することによって、どうやって物流条件を見直していくか、そして無駄な物流をなくしていくか、そしていろいろな施策を講じていくか、こういうことが非常に重要かと思います。
 二十二ページから幾つかの事例、実際に企業が連携して行っている事例が入ってございます。
 細かいことは時間がありませんので申し上げませんが、例えば、食品メーカー六社が共同配送を行う、あるいはビールメーカーの、まさしくライバルメーカーが一緒に鉄道輸送をやる、こういう事例もあります。さらには、着側が、毎日持ってきてもらうのはやらなくてもいいよ、一日置きでもいいよとか、あるいは、持ってくる貨物量を想定して、例えば四トン車を上回る場合には前倒しして持ってきてもらう、こういう形で車両数を制御するとか、こういうような取組もだんだん出てきています。そういう意味では、企業が連携する取組、こういうのが非常に重要だというふうに考えられます。
 最後のページに、一応、まとめということで書いてございます。一応、省エネ法のときに今後考えるポイントということで、まずは挙げさせていただきます。
 発荷主、物流事業者だけではなく、着荷主もやはり連携した取組が重要だと思います。
 そして、一企業単位だけでなく、企業連携による取組が重要だと思います。
 特に、サプライチェーン上で主導的立場にある企業が、みんなを巻き込んだ形でやっていく、こういうことも重要かと思います。
 さらには、物流条件、つまり、例えば注文の回数だとか、あるいはロットの量とか、こういうことも含めて条件を変更し、そして無駄な物流を削減していく。
 あるいは、平準化、計画化していく、こういうことも非常に重要かと思います。
 さらに、今までどちらかというと重量貨物を取り扱うメーカーが主な対象となっていましたが、今後は、軽量貨物を扱う企業等もやはり取組が重要かと思います。
 さらに、省エネを国民全体で考える、こういうことを考えた場合に、やはりネット通販についても、非常に取組自体は重要だと思います。実際に、宅配便の貨物輸送というのは貨物輸送量全体の五%ぐらいです。ただ、ここの部分というのは、国全体の省エネを考える上では非常に重要だと思います。そういう意味では、これに対してネット通販業者、それから利用者も含めて考えていくことが重要かなと思います。
 そういう中で、先ほどから幾つか申し上げましたけれども、施策として、鉄道、船舶を利用したネットワークをつくっていく、さらに、ラストワンマイルを考えていく、さらには、今、IoT、AI等が進んでいます。これらをうまく利用していくということが重要かと思います。
 いずれにせよ、今、物流においては人手不足問題が非常に重要になっています。それと省エネというのは相当両立するところがあります。そこのところをいかに行っていくか、そして、今、着荷主も含めて物流を何とかしなくちゃいけない、そういう意識が非常に強まっています。そういう中で、何とか効率化をしていく、そして省エネに結びつけていく、こういう施策が非常に重要かと思っております。
 どうもありがとうございました。拍手
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稲津久#9
○稲津委員長 ありがとうございました。
 次に、桃井参考人にお願いいたします。
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桃井貴子#10
○桃井参考人 おはようございます。
 気候ネットワーク東京事務所の桃井と申します。
 このたびは、省エネ法改正案の審議において陳述する貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私が所属します気候ネットワークは、気候変動問題の解決に向けて取り組む環境団体です。近年、異常気象が全世界各地で起き、地球の平均気温は毎年世界最高値の記録を更新し、人類の生存が危ぶまれるレベルに近づいてまいりました。気温上昇を一・五度から二度未満に抑えるというパリ協定の着実な実行と、持続可能な社会の構築を目指して活動をしております。
 今回、省エネ法の改正案が上程され、気候変動政策とエネルギー政策は切り離せない重要なテーマであるということから、お配りさせていただきましたペーパーに沿って、大きく三つの点から問題提起をしていきたいと思います。
 一つはエネルギー政策に関して、二つ目は省エネ法全般について、そしてもう一つは、今回の改正案について申し上げたいと思います。
 そして、補足資料として、今回、二種類のパンフレットをお配りさせていただいております。こちらは、脱原発や気候変動問題にかかわるさまざまな市民団体で結成するeシフトのメンバーが、エネルギー基本計画改定のタイミングに合わせて、真のスリーEプラスSとは何かを提起したものです。そしてもう一つ、こちらは、原発をめぐる世の中の誤解や疑問に対して答えていくために、同メンバー共同で作成した冊子となります。私は、この中で主に省エネ、石炭問題、温暖化問題に関連するパートを執筆しましたので、今回のテーマにも関連するということで配付させていただいております。
 まず最初に、こちらのペーパーに戻りますけれども、日本のエネルギー政策のあり方について申し上げます。
 つい三日前、第五次エネルギー基本計画案のパブリックコメントが始まりました。現在、世界レベルでは、パリ協定が発効され、エネルギーシフトに向けたダイナミックな転換が起きています。原発や化石燃料依存のエネルギーシステムから、省エネを徹底し再生可能エネルギー一〇〇%を目指す方向へと大改革が起きています。そして、気候変動対策こそが経済政策の柱になっています。こうした点からも、エネルギー基本計画の見直しの機会は、日本のエネルギー政策をパリ協定に基づく政策に切りかえる大きなチャンスでした。
 しかし、今回示された案では、これまでも実現可能性が乏しいと指摘されてきた二〇三〇年の電源構成を前提に、現行のエネルギー基本計画の骨格を維持し、現状を変える要素が何もなく、また世界から取り残される道をたどるような、非常に残念な内容でした。基本政策分科会でまとめられた本案は、白紙撤回して見直すべきだと考えています。
 そして、パリ協定ができた今こそ、気候変動政策とエネルギー政策を統合し、原発や石炭重視の政策から、安定した気候を維持し、持続可能な社会に向けたエネルギー政策へと大きくかじを切るべきだと思います。
 さて、次に、二ページ目に示しました、日本のエネルギー政策の構造と決定プロセスの問題について指摘したいと思います。
 現在、国の根幹にかかわる重要な基本政策が、国会の正式な審議や議決を経ずに、経済産業省の官僚の裁量だけで決められているような状況です。
 先日示されたエネルギー基本計画の案がそれを示しており、その上位に位置づけられた長期需給エネルギー見通しという、法的に何ら位置づけのない、経産省主導でつくられたエネルギーミックスも、国会の議論を経ずに決定しました。本来は、国会での審議はもとより、国民全体の熟議をもって決定するべき案件ではないでしょうか。
 現状では、二〇三〇年のエネルギーミックスを達成させるために、省エネ法、再エネFIT、エネルギー供給構造高度化法などの省令や告示のレベルでかなり細かな制度設計が行われてしまっているのが実態です。肝心な部分を経産省の官僚の裁量で決めてしまう、国会軽視のエネルギー政策決定プロセスは極めて問題だと思います。
 日本の温室効果ガス削減目標ですら、IPCCの科学的論拠や二度未満という目標ではなく、経産省主導のエネルギー基本計画ありきでつくられているという実態があります。これこそが、日本の気候変動・エネルギー政策を、パリ協定を遵守するにふさわしい内容に大きく転換できない根源的な問題になっているのだと思います。
 次に、省エネ法について三点ほど指摘したいと思います。
 第一に、情報開示についてです。
 省エネ法では、エネルギー使用量が年間千五百キロリッター以上の事業者にエネルギー使用状況等の定期報告を義務づけていますが、その情報は公表されていません。省エネ対策を強化する上でも、これを公表する法改正が必要だと思います。
 同業種間で比較しても、エネルギー原単位は事業所ごとに大きく異なることがあります。情報公開することで、事業者が省エネに取り組むインセンティブとなり、省エネ水準を底上げする効果を期待できます。
 また、自治体における気候変動・エネルギー政策を強化していく上でも、国が一括して集めたデータを開示する方が無駄がありません。国が事業者のエネルギー使用量、原単位、燃料種構成などの情報を開示し、それをもとに自治体が実態把握や政策立案に使えるようにしたり、地域の企業も、同業種の実態を見て、みずからの対策に使えるようにすべきではないでしょうか。
 加えて、最近では、ESG投資を推進する上での企業の環境情報の開示を求める動きが高まっています。省エネ法で集めたデータを公開すれば、投資家などの判断にも有効に活用されることと思います。
 さらに、誰でもアクセスできる形で事業者の定期報告が公表されていれば、客観的な検証や評価が可能となり、研究者や政策立案者にとっても有益です。
 なお、気候ネットワークでは、昨年十二月に、電気事業者における省エネ法ベンチマークの定期報告の情報開示請求をしましたが、大手電力会社の情報は、大半が非開示で、黒塗りにされてきました。温暖化対策推進法で開示が前提になっているはずのCO2排出量まで黒塗りになっているケースもあります。非開示の理由は、企業の競争上の不利益をこうむる可能性があるということですが、全てのデータを開示する事業者もあり、非開示の理由として適当ではありません。あらかじめ全て公表することを法律に位置づけておくべきです。
 第二に、省エネ法のベンチマーク制度についてです。
 ベンチマーク制度は、あくまでも目指すべき指標であって、達成が義務づけられていません。二〇三〇年のエネルギーミックスでは、省エネ対策として五千三十万キロリッター程度とされていますが、その内訳は、産業千四十二万キロ、業務千二百二十六万キロ、家庭千百六十万キロ、運輸千六百七万キロとされています。これを削減率に置きかえていくと、産業が六%、業務が一九%、家庭が二四%、運輸が二一%と、産業部門の削減率が最も小さいことがわかります。
 よく、乾いた雑巾だと言われる産業部門ですが、省エネ法で業界ごとに設定されたベンチマークを達成すれば、鉄鋼、セメント、製紙など、大半の大口産業でかなりの深掘りをすることができ、決して乾いた雑巾ではないのです。省エネ法でのベンチマーク達成を義務づけ、より確実でより大きな削減を実行するべきだと思います。
 現状ではベンチマーク達成が義務づけられていないため、例えば高炉製鉄のように、達成した企業が一つもないような状況が長年続くということも起きています。
 次に、事業者の省エネはトップランナー制度が導入されていません。また、事業所単位の最高水準の省エネ実績も公表されていません。事業所単位でのトップランナー制度を導入し、省エネ対策を強化するべきです。
 その際の指標としては、原単位だけではなく、CO2排出量での評価も行われるべきです。会社単位ではなく事業所単位とするべきは、会社単位にしてしまうと、効率の悪い工場の改善のインセンティブがかかりにくくなるためです。
 さらに、ベンチマーク制度の問題として、業務用の指標がばらばらであるという点が挙げられます。対象が業務部門のさまざまな業種に拡大されているところですけれども、ベンチマーク指標は、業界団体の意向で決められ、算定方法も違い、場合によっては効果がわからないものが採用されています。
 産業部門なら生産量当たり、業務部門なら床面積当たり、運輸部門なら輸送量当たりのエネルギー使用量にするといった、シンプルな統一した指標で比較できるようにしておくことが重要です。
 第三に、省エネ法は気候変動を防ぐ目的がないため、気候変動対策から逆行する政策がとられている点について指摘しておきたいと思います。
 現在、先進国の多くが、石炭火力発電所からの脱却を目指しています。イギリスは二〇二五年、フランスは二〇二三年、カナダは二〇三〇年に既存の石炭火力発電所を廃止する方針を打ち出しました。アメリカの州や都市を含む自治体政府による脱石炭の宣言もふえており、昨年は、いわゆる脱石炭連盟も発足しています。
 一方、日本では、石炭火力発電所の新規建設計画が、二〇一二年以降、五十基にも上りました。世界からは大批判を受けています。一昨年、省エネ法のもとに、火力発電事業者のベンチマーク制度や新規火力発電の効率基準が設けられたので、一定の規制となることが期待されましたが、実態は、現状の石炭火力発電所の新規計画を容認し、既存の石炭火力発電所を温存する制度になっています。
 火力発電の発電効率では、トップランナーだと、LNGコンバインド火力で五四%の発電効率を出しているものもあるということですが、このとき定められたのは、新規計画で石炭火力四二%でした。実質的に現状の大型石炭火力発電所の計画はこれを達成する技術が採用されているため、建設を承認するシグナルになっています。
 また、ベンチマークは、発電所ごとの効率基準を定めるのではなく、複雑な計算をもとに算定した二種類の指標が採用されました。また、燃料に副生ガスやバイオマスなどをまぜれば効率を高く見せかけることができる上、さまざまな企業間の共同実施による達成も可能としているので、もはや古い石炭火力発電所の規制にもならない可能性があります。
 むしろ、石炭火力発電所に関しては、業界団体がみずから掲げている〇・三七キログラム・パー・キロワットアワーというCO2排出原単位を制度に位置づけるべきです。また、将来的には電力部門のCO2排出量はゼロを目指していくべきです。
 最後に、今回の改正案についての意見を述べたいと思います。
 これまでに指摘したとおり、現状の省エネ法は、定期報告で集められた情報の開示がなく、ベンチマーク制度の基準を遵守する拘束力もなく、トップランナー制度も導入されていない現状です。本来は、まずこうした制度強化をすることによって、省エネを更に推進するような改正が必要だと思います。
 また、今回改正案として示された企業連携についてですが、ここで言ういわゆる連鎖化については、個々の事業者の省エネのインセンティブを損ねないようにすることや、事業者単位の情報の収集、そして省エネの継続的な取組につながることを担保することが重要です。本来事業者単位ごとに報告されるべきところが、連鎖化という形で、企業単位よりも更に大きなグループ単位の情報に集約される仕組みとなり、これまで以上にわかりにくくなることが懸念されます。連鎖化が省エネの後退につながらないようにしておくことが重要です。
 また、貨物分野の強化についても、今回の法改正では努力規定にとどまります。ここは、他の業種と同様、報告義務を課すべきではないかと思います。
 以上が、今回の改正案に関する所見です。
 冒頭にも申し上げましたように、省エネルギー政策は、パリ協定を遵守する上でも極めて重要な政策ですし、日本でも、実は、産業分野を含め、活動量を減らさずとも削減ポテンシャルに満ちています。省エネ分野での新しい産業を活性化させるためにも、政策全体の強化に向かっていくことを望みます。
 私からの陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
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稲津久#11
○稲津委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
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稲津久#12
○稲津委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。神田裕君。
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神田裕#13
○神田(裕)委員 おはようございます。自由民主党の神田裕でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、感謝申し上げます。
 ただいま参考人の皆様から、省エネ法改正案に対します貴重な御意見をいただきました。早速私から質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 参考人のお話にもありましたとおり、政府は、現在の長期エネルギー需給見通しの中で、二〇三〇年度の最終エネルギーの需要を原油に換算しまして五千三十万キロリットルの削減をした上で、この削減分を徹底した省エネにより達成するとしております。これは、オイルショック後の取組に匹敵するエネルギーの消費効率の大幅な改善、省エネが必要とされるものでありまして、政府は、現在、この目標達成に向けまして、あらゆる施策を総動員して徹底した省エネ対策を進めているところでございますが、その進捗状況につきましては、先ほど中上参考人の資料にありましたとおり、政府によれば、二〇一六年度で約八百八十万キロリットル、一七・四%とされております。
 そこで、参考人の皆様にお伺いをいたします。
 政府がこのような高い省エネ目標を掲げること自体は、東日本大震災、原発事故の発生など、我が国のエネルギーを取り巻く環境の激変を踏まえました目標設定ということで、妥当なものであろうと私は思っております。ただし、進捗率が一七・四%というのは、ちょっと若干低いような、つまり取組がおくれている、そういうような感じもするわけでございますが、参考人の皆様におかれましては、この政府省エネ目標の進捗状況につきまして率直にどのように認識しておられるか、どのように評価しておられるか、参考人各員から改めまして御見解を伺いたいと思います。
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稲津久#14
○稲津委員長 それでは、参考人各員にお答えをいただきたいと思います。
 それでは、こちらから御指名申し上げます。
 初めに、中上参考人、お願いします。
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中上英俊#15
○中上参考人 御指摘ありがとうございます。
 確かに、一七・四%ですと、若干、当初想定のスピードを下回っているように見えますけれども、これから徐々に、今回定めました法律の改定であるとか、それから新しい機器への置きかえ、きょうは申し上げませんでしたけれども、ZEB、ZEHといったような非常に思い切った建築物に対する省エネの支援も、経産省だけではなくて、国交省それから環境省挙げてやっております。この辺の数値につきましては、五千三十万のときには余り深掘りができませんでしたので、現実、大分普及が進んでおりますから、こういったものもこれから入ってくるであろう。
 あるいは、そのほかにも、建築物の規制につきましては、もちろん経産省だけではなくて国土交通省も非常に力を入れてくださっておりまして、現状、私もその審議に参加しておりますが、御関係になるような建築業界の方々、設計の方々、あるいは設備の方々、それからプレハブメーカー、総動員して、現実にこれに対応していくにはどういうふうな手順を踏めばいいかというのは非常に細かい検討を進めておられまして、確認申請でこれがクリアしないと建物ができないという非常に厳しい法律でございますから、石橋をたたくようにして対策を講じておられますけれども、極めて順調に業界から受け入れられていると聞いておりますので、このあたりも、この数値の中に明示的には、一部入っておりますけれども、明示的には余り、当時は期待できなかったこともありますので、そういったことを含めますと、これからだんだん加速するものがあると思いますので、私自身は、十分、五千三十万キロリッターは達成可能ではないかと思っております。
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田中信一郎#16
○田中参考人 政府目標と進捗状況の評価についてのお尋ねでございました。
 私の意見としましては、政府目標は、より高い目標を設定する必要があるというふうに考えております。
 それはなぜかと申しますと、やはり、政府が高い目標を掲げることで、省エネ関係の設備投資等がより盛んになっていく、そうした経済効果が望めるということだからです。低い目標ですと、今の現状でそのまま推移すると、当然、より大きな、大規模な投資をするということを手控えてしまいます。民間の投資を引き起こすためにも、より高い目標が必要だろうと考えています。
 それから、進捗状況につきましては、これは、省エネというものは、どうしても最初はなかなか効果が出にくいという政策全般の共通事項がありますので、これはいたし方ないところがあろうかと思います。ただ、今の政策を総動員したものかどうかということについて、先ほど私が意見を述べましたように、そもそも疑念がございますので、やはり政府のそうした姿勢を政策にしっかり体現していただいて、進捗を加速させるということが重要だろうと考えております。
 いずれにしましても、省エネというのは、経済効果ということを十分に見ていく、特に、地域経済にとっては非常に重要な問題ですので、そうした観点において、国会、政府で御議論いただければ幸いでございます。
 以上です。
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万場徹#17
○万場参考人 ありがとうございます。
 通信販売業界につきましては、非常に利便性が高いということで、先ほども申し上げましたように、売上げが伸びております。ですから、物量を簡単に下げるというわけにはまいらないわけですけれども、先ほど申しましたようないろいろな取組を通じて、省エネに貢献していきたいというふうに思いますし、また、物流に関するだけではなくて、施設の面においても省エネ化ということは進めていきたいというふうに思っています。
 例えば物流センターのLED化でありますとか、あるいは、通信販売はネット販売だけではありません、電話での御注文を受けるコールセンター等もございます。そういうところのLED化とか効率化ということも図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
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矢野裕児#18
○矢野参考人 物流部門については、現状の延長線上でやった場合には、この政府の目標値を達成するのは相当厳しいかなというふうに思っております。
 ただし、今、物流においては、発着荷主を含めた物流条件、これを大幅に見直しする、そういう動きが出てきています。これがどこまで進むかによって随分違うと思いますが、それが進むことによって、大幅に改善していくことは想定されるかと思います。
 さらには、長距離輸送ネットワーク、あるいはラストワンマイルのプラットホームをつくる、こういう支援を政府が積極的に行っていく、この辺もやっていけば、相当改善されるかなというふうには思っております。
 以上です。
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桃井貴子#19
○桃井参考人 ありがとうございます。
 まず、御質問の省エネの目標についてですけれども、こちら、田中さんがおっしゃっていたのと私も同意見でして、もっと目標は高く設けるべきではないかというふうに考えています。
 今、さまざまな研究で、削減の可能性、削減のシナリオというのが示されていますけれども、今ある技術を積み上げても、省エネはもっと大幅に可能である。例えば、今のエネルギー消費量の半分、二〇三〇年までには半分にできるというシナリオもありますけれども、これに対して、政府が出しているシナリオというか、この目標値というのは低いというふうに思っています。
 先生が、あらゆる施策を総動員するというふうにおっしゃいましたけれども、現状、私が先ほどの冒頭陳述でも申し上げましたとおり、本当にあらゆる施策を総動員されているのかどうかというのがこの省エネ法において言えると思います。
 とりわけ、このベンチマークとして定められたものを全ての業界が達成するということを確実に実施していくような義務化をする、あるいは情報を開示して、トップランナーに合わせていくようなトップランナー制度を設ける、こうした今できることをやるだけでも、この省エネ目標に到達することは近いと思いますし、更に目標の深掘りも可能だというふうに考えています。
 ありがとうございます。
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神田裕#20
○神田(裕)委員 ありがとうございました。
 次の質問に移りたいと思います。
 企業による省エネの取組は、国の政策への対応としての側面を有する一方で、経費節減や業務の効率化、生産性の向上、先ほどお話がありましたように、企業の利益に直結する面もございます。その点からすれば、多数の工場や事業所などの施設を有する大企業は、自身の経営の一環として引き続き省エネに積極的に取り組んでいくことが期待されるわけでありますが、他方で、エネルギー投資の余地の少ない中小企業等の大半は、結果として、資本や人材などの点で省エネ取組への対応がどうしてもおくれているとされております。
 その点、今回の改正法案における連携省エネの取組は、中小企業にとっても、ことしから新設されます省エネ税制をあわせて活用することで、大きな省エネ効果を生むものと考えております。
 また、荷主の定義の見直しや、準荷主による省エネの協力についても、中小のトラック事業者による物流輸送の適正化、中小企業にこういった点でよい影響を与える改正ではないかと考えております。
 中小企業による省エネ取組を促進するため、今回の改正法による対応のみならず、さまざまな施策が必要になると考えられますが、具体的には、今後いかに取組を促進していくべきだとお考えでしょうか。改めて各員にお伺いしたいと思います。
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稲津久#21
○稲津委員長 質疑者に申し上げますが、時間がもう迫っておりますので、各員にお答えをいただくのは無理かと思いますので、御指名いただければと思います。
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神田裕#22
○神田(裕)委員 それでは、中上参考人、よろしくお願いいたします。
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中上英俊#23
○中上参考人 ありがとうございます。
 中小企業の省エネは喫緊の課題でございますが、御指摘のとおり、専門の技術者とかそういう方が大体不在でございますので、なかなか自前ではできにくい。そういった意味では、中小企業に対する診断といいますか、そういう精査をして診断をしてあげるというような仕組みを強化して、それで正確な情報を与えてあげて行動に移していただく、そういった活動が一番手早い施策ではないかと思います。
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稲津久#24
○稲津委員長 神田君、もしあれでしたら、質疑者はまだ時間が多少ありますので、どなたか参考人に御答弁を求めますか。
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神田裕#25
○神田(裕)委員 それでは、今の質問で、万場参考人からお願いいたします。
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万場徹#26
○万場参考人 私どもの協会のメンバーも、実は中小企業が非常に多うございます。ですから、中小企業に対してどのような対策を講じていくかということは、今後の我々の課題だというふうに思っております。大手企業と連携するとか物流の共同配送などということも含めて、今後検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
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神田裕#27
○神田(裕)委員 同じ質問で、矢野参考人からもお願いいたします。
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矢野裕児#28
○矢野参考人 物流事業者の多くは中小企業ということで、今御指摘のとおりだと思います。
 中小事業者が単に環境問題に取り組もうと思っても、ノウハウがないという問題がありますので、元請となる大手物流事業者あるいは大手荷主企業が指導的に管理していく。環境面から車両を管理していくというのは実際に行われています。これをもっと進めていくことが必要かと思います。
 さらに、東京都などでは環境輸送評価制度というのを実施していて、言ってみれば、星三つとか星二つとか、こういうのを与える制度がございます。これは中小企業も結構とれていますので、こういうところを荷主企業が優先的に使う、そういうインセンティブを持ちながら中小企業の取組を進めていくということも必要かと思います。
 以上でございます。
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神田裕#29
○神田(裕)委員 貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございました。
 経済成長と環境制約の両立、これは大変厳しい道ではあると思いますが、事業者が連携することはもちろん、今後、より一層、私たち国民一人一人が省エネをみずからの問題として取り組んでいかなければならないと思っております。
 時間でございますので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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