予算委員会

2018-02-02 衆議院 全277発言

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会議録情報#0
平成三十年二月二日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 河村 建夫君
   理事 柴山 昌彦君 理事 菅原 一秀君
   理事 田中 和徳君 理事 橘 慶一郎君
   理事 福井  照君 理事 宮下 一郎君
   理事 逢坂 誠二君 理事 津村 啓介君
   理事 竹内  譲君
      あべ 俊子君    井上 貴博君
      伊藤 達也君    石崎  徹君
      石破  茂君    今村 雅弘君
      岩屋  毅君    江藤  拓君
      衛藤征士郎君    遠藤 利明君
      大西 英男君    門  博文君
      金田 勝年君    岸田 文雄君
      古賀  篤君    後藤 茂之君
      佐藤ゆかり君    鈴木 淳司君
      田野瀬太道君    竹本 直一君
      根本  匠君    野田  毅君
      平井 卓也君    平沢 勝栄君
      船橋 利実君    星野 剛士君
      本田 太郎君    松本 洋平君
      三ッ林裕巳君    宮路 拓馬君
      務台 俊介君    村上誠一郎君
      盛山 正仁君    山口  壯君
      山本 幸三君    山本 有二君
      渡辺 博道君    阿部 知子君
      青柳陽一郎君    池田 真紀君
      岡島 一正君    岡本あき子君
      落合 貴之君    川内 博史君
      長尾 秀樹君    西村智奈美君
      日吉 雄太君    松田  功君
      道下 大樹君    山内 康一君
      山川百合子君    井出 庸生君
      稲富 修二君    小熊 慎司君
      大西 健介君    後藤 祐一君
      伊佐 進一君    石田 祝稔君
      中野 洋昌君    金子 恵美君
      原口 一博君    広田  一君
      藤野 保史君    森  夏枝君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   総務大臣
   国務大臣
   (男女共同参画担当)
   (マイナンバー制度担当) 野田 聖子君
   法務大臣         上川 陽子君
   外務大臣         河野 太郎君
   文部科学大臣       林  芳正君
   厚生労働大臣
   国務大臣
   (拉致問題担当)     加藤 勝信君
   農林水産大臣       齋藤  健君
   経済産業大臣
   国務大臣
   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      世耕 弘成君
   国土交通大臣       石井 啓一君
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    中川 雅治君
   防衛大臣         小野寺五典君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   国務大臣
   (復興大臣)       吉野 正芳君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)       小此木八郎君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (消費者及び食品安全担当)
   (海洋政策担当)     江崎 鐵磨君
   国務大臣
   (少子化対策担当)
   (クールジャパン戦略担当)
   (知的財産戦略担当)
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)     松山 政司君
   国務大臣
   (経済再生担当)
   (人づくり革命担当)
   (経済財政政策担当)   茂木 敏充君
   国務大臣
   (地方創生担当)
   (規制改革担当)     梶山 弘志君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       鈴木 俊一君
   財務副大臣       うえの賢一郎君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   会計検査院長       河戸 光彦君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   田和  宏君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    樹下  尚君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    富山  聡君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    畝本 直美君
   政府参考人
   (財務省大臣官房長)   矢野 康治君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    太田  充君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       佐野  太君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    今里  讓君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房総括審議官)         飯田 祐二君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    福島  洋君
   政府参考人
   (中小企業庁長官)    安藤 久佳君
   政府参考人
   (国土交通省土地・建設産業局長)         田村  計君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  藤井 直樹君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君
   政府参考人
   (国土交通省政策統括官) 北本 政行君
   予算委員会専門員     石上  智君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月三十一日
 辞任         補欠選任
  遠藤  敬君     串田 誠一君
同日
 辞任         補欠選任
  串田 誠一君     遠藤  敬君
二月二日
 辞任         補欠選任
  石崎  徹君     松本 洋平君
  衛藤征士郎君     大西 英男君
  金田 勝年君     宮路 拓馬君
  古賀  篤君     岸田 文雄君
  野田  毅君     田野瀬太道君
  原田 義昭君     務台 俊介君
  星野 剛士君     後藤 茂之君
  山口  壯君     門  博文君
  青柳陽一郎君     岡島 一正君
  山内 康一君     道下 大樹君
  中野 洋昌君     石田 祝稔君
  篠原  孝君     広田  一君
  遠藤  敬君     森  夏枝君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 英男君     三ッ林裕巳君
  門  博文君     山口  壯君
  岸田 文雄君     古賀  篤君
  後藤 茂之君     船橋 利実君
  田野瀬太道君     野田  毅君
  松本 洋平君     石崎  徹君
  宮路 拓馬君     金田 勝年君
  務台 俊介君     本田 太郎君
  岡島 一正君     池田 真紀君
  道下 大樹君     松田  功君
  石田 祝稔君     中野 洋昌君
  広田  一君     金子 恵美君
  森  夏枝君     遠藤  敬君
同日
 辞任         補欠選任
  船橋 利実君     遠藤 利明君
  本田 太郎君     井上 貴博君
  三ッ林裕巳君     鈴木 淳司君
  池田 真紀君     日吉 雄太君
  松田  功君     山川百合子君
  金子 恵美君     篠原  孝君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 貴博君     原田 義昭君
  遠藤 利明君     星野 剛士君
  鈴木 淳司君     衛藤征士郎君
  日吉 雄太君     青柳陽一郎君
  山川百合子君     西村智奈美君
同日
 辞任         補欠選任
  西村智奈美君     長尾 秀樹君
同日
 辞任         補欠選任
  長尾 秀樹君     川内 博史君
同日
 辞任         補欠選任
  川内 博史君     山内 康一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成三十年度一般会計予算
 平成三十年度特別会計予算
 平成三十年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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河村建夫#1
○河村委員長 これより会議を開きます。
 平成三十年度一般会計予算、平成三十年度特別会計予算、平成三十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官田和宏君、警察庁刑事局長樹下尚君、法務省矯正局長富山聡君、法務省保護局長畝本直美君、財務省大臣官房長矢野康治君、財務省理財局長太田充君、文部科学省科学技術・学術政策局長佐野太君、スポーツ庁次長今里讓君、経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官福島洋君、中小企業庁長官安藤久佳君、国土交通省土地・建設産業局長田村計君、経済産業省大臣官房総括審議官飯田祐二君、国土交通省鉄道局長藤井直樹君、国土交通省航空局長蝦名邦晴君、国土交通省政策統括官北本政行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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河村建夫#2
○河村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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河村建夫#3
○河村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岸田文雄君。
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岸田文雄#4
○岸田委員 おはようございます。自民党の岸田文雄でございます。
 本日からいよいよ平成三十年度の予算の審議が始まります。我々与党、政府としましても、昨年の衆議院選挙において国民の皆さんにお約束をした多くの事柄を実行するために大切な予算だと考えます。丁寧な審議に努めつつも、一日も早い成立を図らなければならないと思います。その上で、経済の活性化、国民生活の向上に向けて、目に見える形で結果を出していきたいと存じます。
 きょうは、まず最初に、人手不足という問題について取り上げさせていただきます。
 私も、党の役職の関係で各地を回る機会が随分たくさんありますが、どこに行きましても、さまざまな指摘を受ける中にあって、人手不足ということについて最近強く訴えられることが多く感じます。
 アベノミクス、この五年間の取組によって、間違いなく、名目GDPですとか、あるいは企業収益ですとか、あるいは雇用ですとか、こうしたことにおいて、数字を見ても明らかに成長の果実を感じることができるわけですが、経済のサイクルを完成させるために、成長、所得、そして消費、このサイクルを完成させるために、今、生産性革命に取り組んで、生産性をより上げることによって賃金を引き上げ、そして強い消費に結びつけていこう、こういった取組が行われています。
 さらには、この経済の循環を完成させるためには将来の不安を解消しなければならない、最も大きな不安、少子高齢化に対して対応しなければいけないということで、人づくり革命に取り組むんだ、こういったことも去年の選挙において訴えたところでありました。
 この少子高齢化という問題、将来の大きな不安だということでしっかり立ち向かわなければいけない、こういったことを訴えてきたわけですが、少子高齢化は決して将来の不安ではなくして、直近の現実的な課題であるということを感じます。それがまさにこの人手不足という問題であらわれているのではないか、このように感じています。
 もともと、少子高齢化、人口減少による人手不足、これはある程度予測をされていました。しかしながら、景気が低迷している状況においては、この人手不足という問題、これは顕在化してきませんでした。
 しかしながら、二〇一三年以降、アベノミクスによって景気回復が図られてきた。この景気回復をきっかけに人手不足という問題が顕在化してきた、みんな多くの人々が意識をし始めた、こういったことなのではないかと思います。
 実際、昨年、二〇一七年の第二・四半期からGDPギャップはプラスに転じています。これまで、日本の経済はずっと、供給過剰そして需要不足、こういったことが課題だと言われてきたわけですが、今や、人手不足を背景として供給不足に陥りつつある、そんな心配も出てきている、これがこの現代の状況なのではないかと思います。
 人手不足によって供給不足が生じている、このことは成長を阻害することになります。そのことが成長、所得、そして消費の循環を阻害する、こういったことにもなりかねない、こういったことなのではないかと思います。人手不足、まさにこれは直近の今日的な課題だと思います。
 人手不足の観点からも、今取り組んでいる働き方改革、人づくり改革、あるいは生産性改革、こんなものにも取り組んでいかなければならない、このように感じます。
 総理、この人手不足という課題の認識について、冒頭、お伺いいたします。
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安倍晋三#5
○安倍内閣総理大臣 五年間のアベノミクスにより、日本経済は、足元では二十八年ぶりとなる七四半期連続のプラス成長であります。
 我々が政権をとる前は、直前は、経済はマイナス成長であったわけでありまして、その段階で既に生産年齢人口は減少に転じていましたが、有効求人倍率は〇・八倍台であった。つまり、一人の職を求める人に対して一人分の職がないという状況であったわけでありますが、我々が政権をとって、三本の矢の政策によって、特に金融政策、金融政策もいわば雇用に働きかけることができるわけでありますから、この三本の矢の政策によって雇用においては大きな成果が出たのは事実であります。
 正規の有効求人倍率も、史上初めて、今一倍を超え、一・〇七、過去最高となっているわけであります。
 これは、いわば給与が上がっていくという条件にはもちろんプラスになるわけでありまして、企業は賃金を上げていかなければ人が集まらないという状況でありますから、パートの時給も過去最高になっています。過去最高にしなければ人が集まらないという状況になりました。
 つまり、働き手からすれば、賃金が上昇するというプラスになっていくわけでありますが、同時に、今政調会長が指摘をされたように、人手不足は企業にとっては、更に生産を上げていく上においては、これはマイナスの要素となっていくわけであります。
 確かに、経済の好循環は着実に回り始めており、民需主導の力強い経済成長が実現をして、そして、デフレ脱却への道筋を確実に歩んでいます。ただいま岸田委員が御指摘になったように、需給ギャップは縮小し、そして、足元では、需給ギャップ、これはプラスにとうとうなったということであります。
 現在の日本経済にとって、人手不足を解消し、そして生産性を高める、潜在成長率を引き上げていくことが最大の課題であると思いますので、このためのあらゆる政策を総動員していく考えであります。
 中小・小規模事業者の皆さんは、特に深刻な人手不足に直面をしています。キャリアアップ助成金を大幅に拡充することにしました。これによって人手確保を支援していきます。それにあわせて、生産性向上に向けた攻めの投資を力強く支援していきます。
 アベノミクスにより経済が成長し、人手不足となった今こそ、生産性革命を進める最大のチャンスである、こう思っています。いわば、人手が余っているときには、生産性革命を進めていくといっても、これはいわば雇用を縮小していくという不安を人々は持つわけでありますが、まさに人手不足であるからこそ、企業の生産性を上げていく。つまり、上げていくということについて、働いている人たちも含めて、みんながその方向に向かって進んでいくことができる状況になっているとも言えるわけであります。
 生産性をしっかりと上げていくことができれば、人手不足の解消にもつながりますが、これはいわば一人一人の労働生産性が上がっていきますから、賃金が上昇していくことにもつながっていくということになるわけであります。つまり、同じ人数で多くの利益を上げていくということになれば、一人一人の給与を上げていくことにもつながっていくということにもなるんだろうと思います。
 また、働き方改革をその前に断行してまいりますが、長時間労働を是正すれば、女性、高齢者も仕事につきやすくなるわけでありまして、経営者はどのように働いてもらうかに関心を高め、生産性が向上していくことになります。
 さらに、人づくり革命を力強く進めていきます。現役世代が抱える介護や子育ての不安を解消するとともに、一人一人の人材の質を高めていくことが人手不足問題の解消にも資する、こう考えています。
 御指摘の人手不足解消の観点も十分に踏まえつつ、生産性革命、働き方改革、人づくり革命に全力で取り組んでいきたいと考えております。
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岸田文雄#6
○岸田委員 ありがとうございました。
 この人手不足ですが、特に、日本の経済の九九%を占める中小企業あるいは小規模事業者にとって深刻な状況にある、こういったことも感じます。
 働き方改革、あるいは人づくり革命、あるいは生産性革命、こうしたものを進めるに当たっても、ぜひ、中小企業、小規模事業者の方々がしっかりと人材を確保し、そして教育をし、そして生産性を高めていく、こうした配慮、支援が不可欠だと考えます。
 昨年、政府の経済パッケージの作成の際に、党としましても、さまざまな提案をさせていただきました。その中にあって、中小企業、小規模事業者の支援という観点からは、ITツールの見える化ですとか、あるいは、共有できる、共同利用できるさまざまな設備あるいはノウハウ、こうしたものにつきまして、支援のプラットホーム、これをしっかりつくるべきではないかですとか、あるいは、賃上げや人材育成にしっかりと投資した企業を支援する仕組みを考えるべきではないかとか、さらには、下請取引の適正化を図るべきだとか、生産性を高める上から事業承継をしっかりと考えるべきだとか、さまざまな提案を党としてもさせていただきました。
 今議論になっている働き方改革につきましても、中小企業者あるいは小規模事業者の方々から、人手不足の中にあって時間外労働の改革にしっかり対応できるのかどうか、こういった声も聞かれます。
 これにつきましては、先日、一月二十五日だったと思いますが、参議院の本会議場において総理の方から、こうした不安の声に応えて、全国四十七都道府県に働き方改革支援センターを設置する、こうした方針が明言されたわけでありますが、こうした支援センターも、どういった支援をしてもらえるのか、こういった声があるのも事実であります。
 ぜひ、人手不足に悩む中小企業あるいは小規模事業者、こういった方々に対する支援ということについて、世耕経産大臣、お願いできますか。
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世耕弘成#7
○世耕国務大臣 中小企業では、今、やはり人手不足がかなり深刻になってきています。これは大企業も同じなんですが、やはり調査をすると中小企業の方がより深刻ということになりますし、中小企業の経営者に今の課題は何かといったら、上位三位が全部人手関係のことと言うぐらい深刻になっているわけであります。
 そういった中で、今、岸田委員おっしゃったように、党から大変貴重な御提言をいろいろといただきました。その提言を今しっかりと政策に移していくという取組をやらせていただいております。
 やはり、人手不足に対応するには、人をふやすわけにはなかなかいきませんので、まず生産性を上げるということが重要だということで、ものづくり補助金ですとかIT補助金、こういったものによって設備投資をしっかりふやしていって、中小企業の生産性向上、効率化といったものをしっかり後押しをしていきたいと思います。
 また、中小企業に少しでも人が集まりやすくするためには、やはり魅力ある職場環境にしていかなければいけないということで、賃上げですとか人材投資に取り組む企業を支援していくということも進めていっております。所得拡大促進税制の控除率を現行から更に引き上げるとともに、それに加えて、思い切った賃上げや人材投資に取り組んでいる中小企業には更に控除率を上乗せするということも考えていっております。
 また、労働者だけじゃなくて経営者の側も人手不足が深刻になっておりまして、事業承継というのもこれまた深刻な問題になってきています。事業承継税制を抜本的に拡充をしたり、あるいは親族以外への承継への優遇制度を創設し、また経営人材のマッチング支援とかそういったことも行って、事業承継に対する切れ目ない支援も集中的に実施をしていきたいと思います。
 また、大企業でも人手不足が厳しい、そしてまた働き方改革などが進んでいく中で、そのしわ寄せが中小企業に行ってはいけないということで、大企業の短納期での発注など、こういったことにも目を光らせていきたいというふうに思っています。
 特に、下請の取引条件の改善ということに経産省は取り組んできておりますけれども、産業界に自主行動計画の策定を促したり、今、下請Gメンというのが、全国で生の、下請をやっている企業の声を吸い上げています。こういったことで実態把握をして、粘り強く下請取引条件の改善にも取り組んでいきたいと思います。
 また、これは経産省単体でできるわけではありません。政府全体として取り組むことも非常に重要でありまして、官邸に野上浩太郎官房副長官のもとに設置されました関係省庁連絡会議において、中小企業、小規模事業者の働き方改革や生産性向上などについて検討をしていただいておりますし、今、岸田先生からお話のあった、全国に厚労省が設置をする働き方改革支援センターと例えば商工会議所、商工会がしっかり連携をしていくというような取組も極めて重要だというふうに思っております。
 党の御提言を踏まえて、多面的、多角的取組をしっかりと行ってまいりたいと思います。
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岸田文雄#8
○岸田委員 ぜひしっかりとした支援をお願いいたします。
 そして、この人手不足を考える際に避けて通れない課題として、外国人労働者の問題があります。
 我が国は、かねてより、専門的、技術的分野においては外国人労働者を積極的に受け入れています。また、国内には外国人の留学生が随分ふえてきました。
 ことしの成人の日で大変印象的だったニュースとして、東京都の新宿区における新成人、四八%から四九%は外国人だというニュースが流れていました。新成人の半分近くが外国人、これが新宿区の状況だというニュース、大変印象的でありました。こうした外国からの留学生の数も二十九万人を超える、こういった時代を迎えています。
 そして、従来から我が国は、開発途上国等の人づくりを支援するために、技能実習制度という制度を平成五年からスタートさせ、運用をしてきました。この制度によって、日本にいる外国の方々、これもどんどんふえて、今、二十五万人を超えたと言われています。
 ただ、この制度については、従来から、国連の人権委員会ですとかあるいは米国国務省の人身取引報告書で、この制度について大変厳しい批判を受けてきた、こういった経緯もありまして、一昨年、法律がつくられ、適正な実施あるいは保護に向けてのこの法律が成立をして、そして昨年十一月、施行されるということになりました。
 この法律の運用の状況もしっかり見ていかなければならないわけですが、こうしたさまざまな外国から来られる方々等の在留外国人、全部合わせると、今、三百万人を超えると言われています。そして、その外側には、今や毎年、去年の例でいきますと二千八百万人の外国人観光客も日本に来られている、こういった現状にあります。こうした外国の方々とどうつき合っていくのか。
 総理は再三、移民政策はとらない、これは強調されておられます。私も、日本において移民政策、これはなかなか難しいと思います。日本は、欧米諸国とは、歴史的にも、またいろいろ環境においても、またニーズにおいても異なる、こういったことですから、移民政策はとらない、これは十分理解できます。
 ただ、移民政策をとらないということと外国人労働者あるいは外国人の方々とどう向き合うかを考えないということは別だと思います。
 人口減少が進む中にあって、人手不足という観点からも、また、日本の国のグローバル化、あるいは日本の経済の付加価値を高める、こういった観点からも、外国人労働者あるいは外国の方々とどう向き合っていくのか、こうしたことについて真剣に考える必要があるのではないかと思います。このことは、日本の社会自体が多様性をどう受け入れるのか、こういったことにもつながる課題ではないかと思います。
 外国人労働者あるいは外国人の方々とどう向き合うのか、総理の基本的なお考えをお聞かせいただけますか。
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安倍晋三#9
○安倍内閣総理大臣 労働人口が減少傾向で推移をしていく中において経済成長を実現していくためには、働き手の確保と生産性の向上が重要であると考えています。我が国の活力を維持するためには、あらゆる場で誰もが活躍できる全員参加型の社会を実現しなければなりません。その全員参加型の社会を構築することが必要であると考えています。
 その上で、外国人労働者の受入れについて申し上げれば、専門的、技術的分野の外国人は我が国の経済社会の活性化に資するという観点から、積極的に受け入れてきています。
 今後の外国人材受入れのあり方については、経済社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目をしつつ、内容の具体化を検討していく考えであります。
 その際、受け入れた外国人材が地域における生活者、社会の一員となることも踏まえて、幅広い観点から検討していく必要があるんだろうと思います。幅広い点から検討していく上においても、党においてよく議論を進めていただきたい、こう思うところでございます。
 多くの、いわば日本全国の地域の実情、働く現場等々、産業の現場の実情を踏まえた上でということになれば、やはり党の中においてしっかりと議論を、さまざまな状況を踏まえた議論を進めていただき、それも我々はしっかりと踏まえながら政府として検討していくことが必要だろう、こう考えております。
 なお、つけ加えれば、岸田政調会長が指摘をされたように、安倍政権においては移民政策をとる考えはないということは、改めて申し上げておきたいと思います。
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岸田文雄#10
○岸田委員 ありがとうございました。
 少子高齢化とともに、もう一つの国民の将来の不安であります財政についてお伺いしたいと思います。
 国、地方が一千百兆円を上回る借金を抱える中にありまして、個人金融資産は一千八百兆円を超えて、そして企業の金融資産も一千二百兆円、内部留保だけでも四百兆円、こうした莫大なお金があるわけですが、これがなかなか消費に回されない、こうした課題があります。
 その大きな理由として、将来の不安ということが強調されます。財政健全化の見通しがない中では、例えば景気対策で財政出動ということを行っても、この財政出動自体が将来への不安を増大させてしまうことにもなりかねない、こういったことだと思います。
 去年の特別国会の代表質問で、私も持続可能な社会ということについて申し上げさせていただきましたが、持続可能な社会を考える上においても、財政の健全化、財政の持続可能性を考える、これは最も基本的な課題ではないかと思います。財政の健全化について、しっかりとした道筋を政府そして与党がしっかり示すということ、これは、将来への不安解消のみならず、消費を刺激して経済の循環を完成させる、あるいは効果的な景気対策を行う、こういった観点からも大変重要なことなのではないかと思います。
 財政健全化への見通しをしっかり示すことが重要であるという認識、あるいは健全化へ向けた決意、これにつきまして、総理にお伺いできますか。
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安倍晋三#11
○安倍内閣総理大臣 まず、財政健全化をするためには、デフレから脱却しなければなりません。デフレ下において税収をふやしていくということはできませんから、これはまさに財政健全化はできないということだろうと思います。
 かつて日本は、名目GDPにおいて、一九九七年に五百三十六兆円というピークに達したわけでありますが、後はだんだん下がっていったわけであります。一度、税収においても六十兆円を超えましたが、それ一回、超えた。
 しかし、今回私たちは、デフレから脱却をし、そして経済を成長させるという政策をとった。そして、デフレではないという状況をつくったから、来年度予算においては五十九兆円という税収を今見込んでいるわけであります。これは、今回の見込みにおいては、史上第三番目の高い税収であります。ちなみに、二番目に高いのは、第一次安倍政権のときに記録をしているわけでございますが。
 そして今回、更にこの税収をふやしていきたいと考えています。そのためには、デフレから脱却をして、経済を成長させ、名目GDPを成長させ、そして税収をふやしていくことが必須であろうと思います。と同時に、当然、無駄な歳出をなくしていく、歳出改革も当然であろう、このように思います。デフレから脱却をし、経済再生により税収をふやす、それなくして財政の健全化はできない。同時に、歳出改革もしっかりと行っていく。
 このように、安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針のもと、これまで、アベノミクスを進めることで、国民生活のために必要な政策を行いつつ、財政健全化に大きな道筋をつけてまいりました。国、地方合わせた税収は約二十四兆円増加をし、新規国債発行額は十一兆円減少した。事実、減少しているわけであります。
 今般、人づくり革命を力強く進めていくため、消費税率引上げ分の使い道を見直し、子育て世代、子供たちに大胆に投資をするとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当することとしました。これによって、子育て、介護等、現役世代が抱える大きな不安を解消し、また同時に、財政の持続可能性に対する不安も解消していく、消費の喚起にもつながるもの、こう考えたわけであります。
 つまり、今回は、消費税を八%から一〇%に引き上げる際に、五分の四を借金返しに使っていたわけでありますが、そうではなくて、約半分の一・七兆円を子供たちへの投資にする、これによって将来の子育ての不安を解消していくということと同時に、これを全部使ったらいいじゃないかという議論は私たちはとらない。まさに財政の健全化、そして社会保障の安定性のために、半分はしっかりとそのために借金を返していくことに使っていくというバランスを考えたところでございます。
 しかし、この結果、プライマリーバランスの黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化は困難となります。ただし、財政健全化の旗は決しておろさず、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持します。
 今後、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、この夏までに、プライマリーバランス黒字化の達成時期と、裏づけとなる具体的かつ実効性のある計画をお示ししてまいりたいと思います。不退転の決意で改革を進めていく考えであります。
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岸田文雄#12
○岸田委員 ありがとうございました。
 政府におきましては、従来から、財政健全化については、プライマリーバランスの黒字化を実現し、同時に債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていく、こうしたことを目標としてきました。昨年の衆議院選挙においても、我々自民党もそういったことを訴えました。
 このことについては、従来から少し議論があったのも事実です。プライマリーバランスの黒字化と債務残高の対GDP比の引下げ。例えば、経済の成長、これを優先すべき方々は、やはり後者、要するに債務残高の対GDP比の引下げを優先するべきだとか、目標はそっちだけでいいのではないか、こういった議論があった、これも事実であります。
 ただ、このプライマリーバランスの黒字化は、どれだけ税収を見込むか、そしてどれだけ政策的な支出を予定するか、これは国の意思により確定できる、こういった指標であります。一方、対GDP比ということになりますと、特にGDPそのものは、国の意思によってコントロールする、これはかなり難しい部分も出てきます。これは国の意思によって十二分に決められるものではない、こういった指標でもあります。
 また、プライマリーバランスの黒字化の方はフローの指標として評価されてきましたし、債務残高の対GDP比、これはストックの指標として評価されてきた、こういった評価もありました。要は、この両方はそれぞれ使い分けられてきた、こういったことだと思います。
 この二つの関係について、茂木大臣、どう考えておられますか。お願いします。
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茂木敏充#13
○茂木国務大臣 今総理からもお話があったように、PBの黒字化を目指す、この目標自体はしっかりと堅持をしてまいりたいと思っております。
 そして、財政健全化を進める上では、今、岸田会長が整理をしていただいたように、一つはPB、これは単年度のフローの話でありまして、毎年、黒字が出るか赤字が出るか、こういうある意味政策であったりとか国の判断で若干の自由度がある、こういうものに対しまして、債務残高の対GDP比、これはストックということであります。
 家計でいいますと、PBの方は、毎月の収入、支出、ここでどれだけ赤字が出てしまうか、一方で、債務残高の対GDP比、これは、実際にその家計が持っている全体の借金がどれぐらい稼ぎに対してふえていくか減っていくか、こういう概念ではないかなと思っておりまして、どちらも重要であるのは間違いないわけであります。
 政府としては、経済再生なくして財政健全化なし、こういう安倍政権の基本方針のもと、単年度でのPBの黒字化だけではなくて、ストックであります債務残高の対GDP比の安定的な引下げ、これができるような経済状況をつくるということが何よりも重要だと考えておりまして、昨年、党の方でもこの御議論をいただきまして、それを踏まえまして、昨年夏の骨太方針におきましては、PBの黒字化と、「同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す。」こういう文言を明確に入れたわけでありますが、それは、今申し上げたような趣旨をより明確に示すという観点から記入をさせていただきました。
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岸田文雄#14
○岸田委員 ありがとうございました。
 いずれにせよ、政府としましては、ことしの夏を目標に、財政健全化に向けて一つの目標を明らかにする、こうした方針でいると承知をしています。
 その第一歩としまして、先日、一月の二十三日ですが、内閣府の方から、中長期の経済財政の試算、これが示されました。この試算は、これから目標を考える上での一つの基盤になるものだと理解していますが、内容を見ますと、実質二%程度、名目三%程度を上回る経済成長を実現したケースにおいて、財政の、PBの黒字化、二〇二七年度、このように見込んでいます。
 もちろん、これにはまだ、歳出改革努力、これは盛り込まれていません。
 また、きのうも党においてこの試算について議論を行ったわけですが、この試算の前提についても、どうなんだろうか、もっと保守的な前提に基づいて達成するようなことも考えるべきではないか、どんな要素を前提として置くべきなのか、さまざまな議論が行われました。
 歳出改革努力としては、二〇一五年に政府としては一度この計画を示して、そして、改革の工程表、こうしたものを示した、こういったことがありました。たしか、一般歳出で三年間の増加一・六兆円、そして、社会保障での増加、三年間で一・五兆円程度、こういった目標を掲げて、八十項目にわたって改革のメニューを示した、こんな計画だったと記憶していますが、今回も、今回出された試算に対して歳出改革努力を加えなければなりません。
 どんな歳出改革努力、計画をこれからつくっていくのか、そのことによって二〇二七年度とされているPB黒字化をどれだけ前倒しできるか、議論のポイントはそこになるのではないかと思います。
 この歳出改革努力について、二〇一五年の計画や指標をどう評価してレビューするか、これも大切なことですし、それ以外、どんな要素をこの歳出改革努力の中に盛り込むか、この辺がポイントなのではないかと思います。
 このことについては党としてもしっかり議論したいと思いますが、総理として、歳出改革努力、そして目標作成に向けての基本的な考え方をお聞かせいただけますか。
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安倍晋三#15
○安倍内閣総理大臣 大切なことは、プライマリーバランスを改善し、債務残高対GDP比を着実に引き下げることであります。引き続き、経済再生を図りながら、歳出歳入両面からの改革を続けていきます。
 今後、医療や介護などの社会保障費の増大に伴う財政上の課題が想定されます。繰り返しになりますが、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、この夏までに、プライマリーバランス黒字化の達成時期と、裏づけとなる具体的かつ実効性のある計画をお示しします。党の議論も踏まえながら、国民の信頼を得られ、そして社会保障の持続可能性を担保できるものにしてまいりたい、このように思います。
 繰り返しになりますが、私の基本的な考え方は、経済再生なくして財政健全化なしということでありまして、経済成長を実現して税収を上げることで財政健全化も進めていくというものであります。
 先ほど、プライマリーバランスと債務残高の対GDP比については、いわばフローとストックという整理をされましたが、と同時に、いわばこのストックの見方としての債務残高の対GDP比は、これはGDP比という要素が入っている。先ほども、稼ぎといわば借金、債務との関係というふうに家計に例えたわけでありますが、まさにここのところが大切なところであります。
 また、政調会長は、意思があれば直ちにPB黒字化できる、こうおっしゃった。確かにそのとおりなんですね。思い切ってどんと歳出を来年削減すれば、それはPB黒字化というのは政府の意思でできます。
 でも、何が起こるかといえば、経済が腰折れをする。がくんと腰折れをして、税収はがくんと落ちる危険性があるんですね。
 そうなれば、やっとよくなった例えば雇用も一気に悪くなるということも考えられます。そうなれば、新卒の皆さんが就職できないという事態も起こってくる。そうなれば、その皆さんがその後も、新卒採用、今こういう慣行がある中においては、なかなか、就職する機会をずうっと失っていくということにもなっていくわけでありますから、まさに、財政再建も進めていきますが、歳出削減を急ぐ余り、国民生活にダメージを与えたり、景気の腰折れを招いてしまっては元も子もないわけでありまして、そこは大切なところでもあります。
 もちろん、歳出の無駄は省いていかなければなりません。
 ですから、この両方の指数を私たちは大切にしなければならない。プライマリーバランスの黒字化はできたけれども、債務残高の対GDP比が、実はその後経済が悪くなって残念ながらむしろ悪化していくということになっては、これは元も子もない、こう考えているわけであります。
 歳出改革を進めることによって、社会保障の持続可能性に対する懸念を払拭するとともに、市場や国際社会からの信認も同時に確保しなければならない。つまり、しっかりと経済を成長させつつ、同時に歳出をちゃんと改革していくということを見ながら、PB黒字化達成時期を我々ははかっていかなければならない、こう考えているわけでありまして、そういう観点から、バランスをうまくとっていかなければなりません。
 ナローパスを進んでいかなければならないと言えるかもしれませんが、この点については、責任ある政府・与党として、しっかりと議論を進めていかなければならない、こう考えております。
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岸田文雄#16
○岸田委員 ありがとうございました。
 いずれにせよ、党としましても、しっかり議論を深めていきたいと存じます。
 次に、外交、安全保障の分野において直近の最も大きな課題であります北朝鮮問題について申し上げさせていただきます。
 我が国は、従来から北朝鮮問題に関しまして、拉致、核、ミサイル、こうした諸課題を包括的に解決する、こうした方針で取り組んできました。この方針は、これからもしっかり守っていくべきだと思います。
 その中にあって、今、韓国と北朝鮮、南北において対話が行われています。この対話については、平和的解決の努力として評価はしたいと思いますが、ただ、この中身については、これからも注視していかなければなりません。どんな議論が行われるのか。
 その中で、一つ、朝鮮半島の検証可能な形での非核化、この目標だけは絶対に譲れないということを確認したいと思います。
 今、南北の対話、平和的解決を考える中にあって、ある方は、平和的解決をするためには、北朝鮮に一部、核の保有を認める、こういったことを考えてもいいのではないか、こんなことを言われる方もいます。私は、絶対それはあってはならないと思っています。北朝鮮に一部たりとも、核開発を認める、そうしたら、周辺の国はどうだ、この国はどうだ、これは必ず核の拡散、リスクの拡大につながる。当然のことであります。これは、この対話の中で絶対許してはならないと思います。
 南北対話を見ておりますと、何か北朝鮮ペースで進んでいる、こんな感がしてなりませんが、この非核化という目標、これは損なってはならない。こういった考え方につきまして、総理、いかがでございましょうか。
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安倍晋三#17
○安倍内閣総理大臣 平昌オリンピックに向けて、今、南北対話が進んでいますが、そのことは評価しますが、しかし、この間も北朝鮮は核、ミサイルの開発を続けている、厳然たる事実があります。
 そして、今、岸田政調会長がおっしゃったように、大切なことは、まさに、完全そして検証可能な形で、不可逆的な方法で北朝鮮に核を放棄させることが必要なんだろう、こう思います。
 一九九四年の枠組み合意、そして二〇〇五年の六者会合の共同声明があります。あのときは、一瞬、彼らが核を放棄する、こう幻想を抱いたんですね。しかし、あのとき、ここまで彼らが核の能力を向上させる、そしてICBM級に挑戦するとは考えていなかった。恐らく米国は全く考えていなかったんだ、こう思いますね。九四年の段階においては、恐らく全くそうだったんだろうと思います。
 ですから、そういう反省を踏まえながら、話合いのための話合いはこれは意味がないわけでありまして、その中で、例えば平和的解決のためには北朝鮮の核兵器開発を一部認めてもいいとの考えは、これは大きな誤りであります。北朝鮮に完全、検証可能かつ不可逆的な方法で核・ミサイル計画を放棄させるとの目標は、これは絶対に日本としては譲れません。
 あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にまで高め、北朝鮮の方から政策を変更するので対話してほしいと言ってくる状況をつくっていく。それを通じ、核・ミサイル問題、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて全力を尽くしていきたい、このように考えております。
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岸田文雄#18
○岸田委員 総理の強い決意をお伺いできました。ありがとうございました。
 こうした状況の中で、日本は、みずからの国民の命や暮らしを守るためのさまざまな備え、イージス・アショアを始めとして、具体的な取組をしっかり進めなければならない。
 そして、二つ目として、今、国際社会、これだけ科学技術が進歩して複雑になってきますと、どんな国であっても、あのアメリカですら一国のみでは自分の国を守ることができない、これが国際社会の常識になりつつある中にあって、日本としては、日米同盟をしっかり強化していかなければならない。
 そして、三つ目として、これは最も大事な部分ですが、外交を通じてしっかりと好ましい環境をつくっていかなければならない。
 この三つを同時並行的にしっかり進めていくことが重要であると認識をいたします。
 対話、平和的解決、もちろん大事です。しかし、対話のための対話ではあってはならない、意味ある対話を引き出さなければならない、だから圧力をしっかりかけなければいけない、先ほど総理からそういった強い決意がありました。そういった思いでしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、その中にあって、これから行われます日韓首脳会談、これは、北朝鮮問題あるいは日韓関係等を考えましても、世界じゅうが注目する大変重要な会議となります。ぜひ、これを最大限に活用して、世界にメッセージをしっかり出していただきたいと思います。
 総理の決意をお伺いするところですが、ただ、この決意についてはこれまでもいろいろな場でもうお話しいただいています。重要だということを私からも申し上げて、ぜひ総理に頑張っていただきたいということを申し上げて、ちょっと、時間が大分押しておりますので次へ行かせていただきます。
 北朝鮮の核への対応、これは現実への対応です。一方、我が国は、もう従来から、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界を目指す、こうした理想をずっと掲げ続けていました。
 厳しい現実を前にしますと、この理想をややもしますとないがしろにしてしまいがちなところがあります。しかし、私は、やはり、現実への対応と理想の追求、これは二極対立するものではない、これは両方しっかり対応してこそ意味があるんだと思います。
 理想があるからこそ、今、現実への対応の説得力も出てくるのではないか。現実の積み重ねによって理想を追求する、こういった地道な努力こそ大事ではないか。理想と現実、これは両方しっかりと追求する、この態度は、日本にとってこれからもしっかりと確認しておかなければならない態度ではないかと思います。
 総理、北朝鮮への対応はもちろん重要です。一方で、核兵器のない世界を目指すという我が国の理想、これはこれからも揺るがないということにつきまして、お考えをお聞かせいただければと思います。
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安倍晋三#19
○安倍内閣総理大臣 我が国は、世界で唯一の戦争被爆国として、被爆の悲惨な実相や核兵器の非人道性を最も熟知しています。国際社会の先頭に立って、核兵器のない世界という理想を高く掲げ、その実現に向けて国際社会の取組を主導していく使命を有しています。
 同時に、政府としては、何よりも国民の命と平和な暮らしを守り抜く責任を有しており、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の脅威という現実に正面から向き合う必要があります。
 御指摘のとおり、このような現実への対応と、核兵器のない世界という理想の追求は、必ずしも二極対立するわけではありません。政府としては、現実の安全保障上の脅威に的確に対処しながら、唯一の戦争被爆国として、米国を含む核兵器国と非核兵器国の双方に働きかけていく考えであります。そして、その双方の橋渡し役として主導的な役割を果たすことにより、現実的な観点から、核兵器のない世界という理想の実現に向けて、粘り強く努力を重ねていく決意であります。
 一昨年、オバマ大統領が被爆地広島を訪問しました。それに際しましては、岸田外務大臣が、まさに被爆地広島出身の外務大臣として、外相会合を広島で開催された。そして、まさにそれによってケリー国務長官が被爆地を訪れ、被爆の実相をしっかりと実感することができたんだろう、こう思います。今まで、まさに原子爆弾を投下した米国の大統領が被爆地を、現職の大統領が広島を訪れることがなかったわけでありますが、このG7の外相会合が広島で行われたことにより、それが明確に私はオバマ大統領の広島訪問につながったんだろう、こう思います。
 そして、被爆の実相を示す写真について、岸田外務大臣がオバマ大統領に解説をされた。あのとき、真剣なまなざしでずっと写真を見詰めていた大統領の表情を今でも明確に覚えているわけでありますが、いかに悲惨なものであったか、その場で外務大臣が直接大統領に伝えたということは極めて重要なことであった。それは、今、長年の現実的なアプローチによる協力の私は成果だったんだろうと思います。
 同時に、理想はしっかりと追求していきたい、このように考えております。
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岸田文雄#20
○岸田委員 ありがとうございました。
 そして、その理想への日本の取組についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、今総理からも触れていただきましたように、四年八カ月、私も外務大臣を務める中で、広島出身ということもあり、核軍縮・不拡散に特に強い思いを持って取り組みました。しかし、厳しい現実にたびたびぶち当たりました。核軍縮・不拡散、これは、結果を出すためには、核兵器を現実に持っているのは核兵器国ですから、核兵器国と非核兵器国が協力しなければ、さらには、核兵器国自体を巻き込まないと結果につながらない、現実は動かない、こうした冷徹な現実にたびたびぶち当たった次第です。
 核兵器国を巻き込まなければならないと思ったからこそ、総理から紹介していただきましたG7の外相会談、あるいはオバマ大統領の広島訪問にも取り組んだ、こんなことでありました。
 しかし、残念ながら、核兵器国と非核兵器国の対立、これはますます深刻になっています。
 二〇一五年、核軍縮・不拡散の世界で最も大切な国際会議、五年に一度のNPT運用検討会議、残念ながら、これは、両者の対立のもとで、成果文書をまとめることができませんでした。
 また、今、核兵器禁止条約をめぐる議論を通じて、核兵器国は全くそれにかかわろうとしない、そして、非核兵器国の中も、核兵器禁止条約を重視するグループと、従来のNPT、核兵器拡散防止条約を重視するグループに分裂してしまっている、こういった現実があります。分裂はますます深刻になっている、こういったことです。
 この核兵器禁止条約に向けて努力すること、あるいは、先日もICANというNPOがノーベル賞をとった、こういった動きは、核兵器のない世界を目指す大きな目標を共有するという意味で、これは歓迎すべきことだと私は思っています。ただ、核兵器のない世界を目指すためには、被爆者、NGO、政府、自治体、それぞれ果たすべき役割がある、それぞれ果たすべき役割をしっかりと果たしていく、これが大事なのではないかと思います。
 日本政府の立場、これは各国政府に直接働きかけられる立場ですから、核兵器国、非核兵器国、それぞれの政府に直接働きかけることによって、核兵器のない世界を目指す、こうした目標を共有して、現実を動かすために皆で協力をしよう、こうした橋渡し役を果たしていく、これこそ政府の立場なのではないかと思います。
 そして、その中で、日本は、御案内のとおり、核兵器禁止条約交渉に加わることを控えています。そうであるならば、そして橋渡し役をするというのであるならば、なおさら、それでは日本はどういった道筋で核兵器のない世界というこの理想につなげていこうとしているのか、どんなシナリオを考えているのか、これをしっかり示さなければいけない、こういったことだと思います。
 昨年五月、私は、二〇二〇年のNPT運用検討会議第一回準備委員会に出席しまして、日本のシナリオ、これを訴えてきました。
 要は、日本は、NPT、CTBT、FMCT、これはもう時間が限られておりますのでちょっと解説はやめますが、さまざまな国際的な取組において中心的な役割を果たしてきました。この取組を引き続き続けることによって、核兵器の数、そして役割、意義、この三つをずっと低減させていって、最小限ポイントというふうに説明していますが、ある程度までその三つが下がった段階で初めて、法的拘束力のある条約を使って核兵器のない世界を目指す、こういったシナリオを考えるべきではないか。
 要は、こうした核兵器を禁止する法的拘束力のある条約、これは使い方を間違えると現実は動かなくなってしまうよということを訴えたわけです。現実、今、これを使おうとしてこの分裂が更に深刻になってしまっている、動かなくなっている、こういったことを考えましても、使い方を間違えてはならない、こういったことを訴えました。
 この考え方について、河野大臣、いかがお考えでしょうか。
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河野太郎#21
○河野国務大臣 おっしゃるとおり、核兵器禁止条約の目標は我が国も共有をするところでありますが、残念ながら、核兵器禁止条約は核保有国を一つも巻き込むことができず、おっしゃるように、非核兵器国もこれによって分裂をいたしました。
 日本としては、NPT、あるいはCTBTやFMCTといった、核保有国を巻き込んだそういう条約をしっかりと進めることによって、おっしゃるような最小限ポイントをまず目指す。そこまでいった上で、核兵器の確実な廃棄、あるいは再び生産をされていないかといったことをきちんと国際的にも検証する、そういうような枠組みをつくった上で、最終的な、究極的な核廃絶を目指すというのが現実的な路線だというふうに思っております。しっかりとそれに向けて努力を続けてまいりたいと思っております。
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岸田文雄#22
○岸田委員 ありがとうございます。
 それでは、そのために具体的に日本は次に何をしなければいけないかということです。
 一つは、去年五月提案しました有識者会議、そして去年九月に河野大臣もそれを実現していただきましたが、有識者会議、すなわち、核兵器国と、非核兵器国の中のNPT派と核禁派、三つのグループそれぞれから有識者の方々に出てもらって、この三者の協力のために何をするべきなのか、この有識者会議の議論が続いています。この議論と先ほどの日本のシナリオをあわせて、ぜひ、ことし四月のNPT運用検討会議第二回準備委員会、これに提案をしていただきたいと思います。
 そして、その協力の基盤は何かということもぜひしっかり強調しなければならないと思います。それは、核兵器国と非核兵器国の信頼であります。信頼の基盤は何か。それは透明性です。核兵器国がどれだけ現実に核兵器を持っているかすらわからずして核廃絶を訴えても説得力がない、現実性がない、こういったことです。
 ぜひ、この透明性を高めるために、河野大臣に、NPDI、十二カ国の非核兵器国の枠組み、日本とオーストラリアが提案した枠組み、この枠組みを使って、従来も、核の実態を報告するフォーマットを提案するなど努力をしてきましたが、これをぜひ活用していただきたいと思います。
 質問時間が来たようであります。核軍縮とあわせて大きな課題であります気候変動問題についてもお伺いしたかったのでありますが、総理あるいは大臣から大変丁寧な御答弁をいただきました。心から感謝申し上げますが、時間がちょっとなくなってしまいましたので、他の課題につきましては次回に譲りたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
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河村建夫#23
○河村委員長 この際、後藤茂之君から関連質疑の申出があります。岸田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤茂之君。
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後藤茂之#24
○後藤(茂)委員 自由民主党の後藤茂之でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず初めに、日本経済の現況についてお伺いします。
 この五年にわたってアベノミクスを推進してきたことによりまして、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができました。
 そこで、改めて、日本経済の現状、アベノミクス五年間の成果について総理にお伺いします。
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安倍晋三#25
○安倍内閣総理大臣 アベノミクスにより、政権交代後、極めて短い期間で、デフレではないという状況をつくり出す中で、名目GDPは一一・四%成長し、五十六兆円増加し、過去最高となったわけであります。特に、国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善しております。
 大切なことは、働きたい人が働く場がしっかりあることであろう、こう思うわけでありまして、政権交代前に一倍を下回っていた有効求人倍率は足元で一・五九倍、これは四十三年と十一カ月ぶりの高い水準であり、また、史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超えました。高度成長時代にもバブル期にも、こんなことは起こっていなかったのであります。経済の好循環が回り始めていると思いますし、正社員の有効求人倍率は、調査開始以来、初めて一倍を超えて、足元で一・〇七倍、これは過去最高になりました。
 そして、うれしかったことは、昨年四月に高校や大学を卒業した若い皆さんの就職率が過去最高となったことでありまして、若い皆さんがみずからの努力でしっかりと未来をつかみ取ることができる社会を達成できた、こう思います。
 賃金についても、賃上げは、中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが四年連続で実現し、多くの企業で四年連続のベースアップを実施しています。
 政権ができたときに、賃上げを、異例ではありますが、要請し、ベースアップをお願いしたい。最初、一社、二社がすぐに応じてくれたんですね。その一社、二社が応じてくれたという話をしたら、国会において、たった一社じゃないかという批判があった。でも、そういう批判をしていたのでは結局これは前に進んでいかないわけでありまして、そして、今や多くの企業がベースアップに取り組んでいるということであります。
 パートで働く方々の時給は、統計開始以来、過去最高の水準となっており、最近では二%以上の増加となっています。正規の方、非正規の方、それぞれで所得環境に改善が見られ、二〇一四年春以降、増加傾向にあります。
 五年間、後藤委員とともに経済最優先で取り組んできた成果が出てきている。更に我々の政策を加速させ、もっと多くの方々に実感をしていただけるような経済をつくっていきたい、このように考えております。
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後藤茂之#26
○後藤(茂)委員 このような成果を生み出したのは、アベノミクスがこの五年間で大きく進化してきた、そのことが重要だったのだと私は思います。
 それで、少し振り返らせていただきますが、最初のステージで取り組んだのは三本の矢です。この三本の矢に、円安、株高という形でマーケットが大きく反応し、大手の輸出関連産業を中心に、企業の利益が大きく押し上げられました。
 しかしながら、それがそのまま賃金の上昇、消費の喚起、企業の投資の拡大につながりませんでした。このような経済成長の隘路としては、少子高齢化という構造的な問題が横たわっています。少子高齢化の進行が、将来に対する不安、悲観へとつながっているのです。
 また、長い間続いたデフレマインドを払拭することが難しい状況でありました。いわゆるトリクルダウンの政策だけでは十分な対応が図れないということだったと私は思います。
 そこで、アベノミクス第二ステージは、新三本の矢を放ち、一億総活躍社会の実現を目指すことといたしました。生まれ始めた好循環を一時的なものに終わらせることなく、その成果を子育て支援、社会保障の基盤強化に分配することによって培った安心が消費や投資を支える。さらなる成長や分配につなげる、内需主導による成長と分配の好循環を構築することを目指したのだと私は思っています。供給サイドの政策として、同時に、働き方改革とイノベーションに、いわば車の両輪として取り組んでいます。
 他方、ここに来て、需給ギャップが足元プラスになりました。こうした中で、人生百年時代を迎え、国難ともいうべき少子高齢化という壁に正面から取り組み、そして潜在成長率を引き上げることに挑戦することになりました。人生百年時代の新しい経済社会システムに向けた新たなステージともいうべき構造改革に現在は挑戦している、私はそのように思っています。
 このように、国民生活に寄り添い、党内外からのさまざまな意見に耳を傾けて、アベノミクスを大胆に進化させてきた安倍総理の姿勢は、大いに評価すべきであると考えております。
 もちろん、今後とも、一つ一つの政策目標についてしっかりとした成果を出していく必要があることは、これは当然のことでありますけれども、安倍政権の大胆な改革や挑戦の姿勢なくして、少子高齢化やイノベーションによって大きく変わろうとする世界の社会構造の変化に対応し乗り越えていくことはできないものと考えております。これはもう、私がアベノミクスを解説させていただきまして、そして総理の姿勢を、大いに私はこれからも応援していきたいと思っています。
 冒頭申し上げたように、先ほど総理もおっしゃいました、もはやデフレではないという状況まで来ています。デフレ脱却は目前です。デフレ脱却を実現するためには、力強い賃上げが必要であります。賃上げこそが成長と分配の好循環の第一歩になると思います。
 安倍内閣は、企業収益の拡大を速やかに賃上げや雇用拡大につなげるため、政労使三者が一致協力する体制をつくりました。既にことしの春闘も始まっています。デフレ脱却に向けて、また力強い賃上げに向けて、総理のメッセージをお願い申し上げます。
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安倍晋三#27
○安倍内閣総理大臣 今、後藤委員が言われたことは極めて重要なことでありまして、なぜ賃上げが必要かということでもあります。
 我々の政策によってまさに経済は成長していますが、しかし、企業が過去最高の収益を上げる中において、なかなか賃上げが進んでいかない。しかし、その中で、そうはいっても、四年連続、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが続くことによって、賃金が上がっていくなという中で、やっと消費にいい影響が出てきた、消費が主導する経済成長が始まり始めた、こう考えています。
 しかし、それを継続していく、経済の好循環をしっかりと回していく上において、それが実現しなければデフレから脱却をしないわけでありまして、この好機を逃さず、流れを更に力強いものとしていかなければなりません。
 もちろん、その中において、さらに、ことしの四月に三%、しっかりと上がっていくことが大切でありますが、同時に、世界で胎動する生産性革命をリードして、二〇二〇年までを集中投資期間と位置づけ、賃金上昇、景気回復の波を全国津々浦々へと広げていくことが大切でありまして、繰り返しになりますが、ことしの春季労使交渉において三%以上の賃上げが実現する、これはまさに社会的な要請であるということをメッセージとして出すということは極めて有意義であろう、こう考えております。
 引き続き、大胆な税制、予算、規制改革、あらゆる施策を総動員することによって、賃金アップの勢いを力強いものとして、デフレ脱却を確実なものとしてまいりたい、このように考えております。
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後藤茂之#28
○後藤(茂)委員 ところで、アベノミクスの進化によりまして景気回復が続く中で、持てる者と持たざる者との格差が広がっているのではないかという議論があります。総理も、格差の固定化は決してあってはならない、貧困の連鎖を断ち切らなければならないというふうに述べておられます。
 ところで、本当に格差は広がっているのでしょうか。政府として、格差が広がっているという懸念を払拭するためにどのように取り組んでいくのか、総理に伺います。
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安倍晋三#29
○安倍内閣総理大臣 かつてこれは、池田勇人政権時代、高度経済成長を進めるときにも、成長が先かあるいは分配が先かという論争があったんですね。我々の政権においては、この論争に終止符を打ち、成長と分配の好循環を回していくということを政策の中心に据えたわけであります。
 安倍内閣が進めている政策は、成長と分配の好循環をつくり上げるというものでありまして、成長し富を生み出し、それが国民に広く均てんされる、多くの人たちが成長を享受できる社会を実現をしていくわけでありまして、格差が固定化しない、同時に、許容し得ない格差が生じない社会を構築していくことは重要な課題である、こう考えています。
 安倍政権発足後の格差を示す指標の動きを見ますと、所得再分配後のジニ係数は、近年の雇用、所得環境の改善や、社会保障、税による所得再分配が機能した結果、おおむね横ばいで推移をしています。
 また、長期的に上昇傾向にあった相対的貧困率についても、政権交代後、雇用が大きく増加するなど経済が好転する中において、低下に転じました。
 特に、子供の貧困率、これはずっと、安倍政権ではないときの指標を使われまして、格差が拡大しているじゃないか、こう言われたわけでありますが、安倍政権になって初めて公表された総務省の全国実態調査によれば、十五年前の九・二から、十年前には九・七、五年前には九・九とずっと上がってきたものが、七・九と二ポイントの改善、これは集計開始以来初めて低下したわけであります。その後の、この数字を発表したときも、これは厚労省の数字を見なきゃわからないじゃないか、こう言われたんですが、厚労省の数字においても初めて改善が見られているわけであります。
 このように、安倍政権発足後において格差が広がったということはないというふうに認識しており、こうした動きが持続できるようにしていくことが重要であろう、こう考えているところでございます。
 今後、こうした中において、予算においても、格差、貧困の連鎖を断ち切るために、来年度予算においては、一人親家庭に対する児童扶養手当について、五十万を超える世帯で支給額をふやします。また、生活保護世帯の子供について、大学等への進学準備の一時金として、自宅から通学の方は十万円、そして自宅外から通学の方は三十万円の給付を創設します。そしてまた、自宅から大学等に通学する場合に行っていた住宅扶助費の減額、これを取りやめることなど、取組を強化しております。
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