政府開発援助等に関する特別委員会

2018-03-22 参議院 全108発言

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会議録情報#0
平成三十年三月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     江島  潔君     石井 準一君
     高野光二郎君     三宅 伸吾君
     豊田 俊郎君     木村 義雄君
     馬場 成志君     大家 敏志君
     渡辺 猛之君     野村 哲郎君
     里見 隆治君     新妻 秀規君
     石井 苗子君     藤巻 健史君
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     大家 敏志君     藤木 眞也君
     野村 哲郎君     今井絵理子君
     藤巻 健史君     清水 貴之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                井原  巧君
                大野 泰正君
                中西 祐介君
                松下 新平君
                相原久美子君
                矢倉 克夫君
    委 員
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                石井 準一君
                今井絵理子君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                木村 義雄君
                藤木 眞也君
                丸川 珠代君
                三宅 伸吾君
                石上 俊雄君
                小西 洋之君
                長浜 博行君
                新妻 秀規君
                宮崎  勝君
                井上 哲士君
                辰巳孝太郎君
                清水 貴之君
                又市 征治君
                蓮   舫君
              アントニオ猪木君
   国務大臣
       外務大臣     河野 太郎君
   副大臣
       外務副大臣    佐藤 正久君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       大鷹 正人君
       外務大臣官房審
       議官       飯島 俊郎君
       外務大臣官房審
       議官       牛尾  滋君
       外務大臣官房参
       事官       志水 史雄君
       外務省中南米局
       長        中前 隆博君
       外務省国際協力
       局長       梨田 和也君
       財務大臣官房審
       議官       阪田  渉君
       厚生労働大臣官
       房審議官     橋本 泰宏君
       資源エネルギー
       庁次長      保坂  伸君
       国土交通大臣官
       房審議官     掛江浩一郎君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        北岡 伸一君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  江島 真也君
       株式会社国際協
       力銀行常務執行
       役員インフラ・
       環境ファイナン
       ス部門長     弓倉 和久君
       株式会社日本貿
       易保険取締役   岡田 江平君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成三十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成三十年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成三十年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (政府開発援助関係経費)
    ─────────────
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山田俊男#1
○委員長(山田俊男君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日までに、石井苗子君、里見隆治君、江島潔君、豊田俊郎君、馬場成志君、高野光二郎君及び渡辺猛之君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君、石井準一君、木村義雄君、三宅伸吾君、清水貴之君、今井絵理子君及び藤木眞也君が選任されました。
    ─────────────
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山田俊男#2
○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官大鷹正人君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山田俊男#3
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山田俊男#4
○委員長(山田俊男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事長北岡伸一君、同理事江島真也君、株式会社国際協力銀行常務執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長弓倉和久君及び株式会社日本貿易保険取締役岡田江平君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山田俊男#5
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山田俊男#6
○委員長(山田俊男君) 去る十九日、予算委員会から、本日一日間、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 政府から説明を聴取いたします。河野外務大臣。
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河野太郎#7
○国務大臣(河野太郎君) おはようございます。
 平成三十年度政府開発援助に係る予算案について概要を説明いたします。
 平成三十年度一般会計予算案のうち政府開発援助に係る予算は、政府全体で対前年度比○・二%増の五千五百三十八億三千七百万円となっており、三年連続の増額となる予算を計上しております。
 このうち、外務省所管分については、前年度比○・〇三%増の四千三百四十四億五千万円となっております。開発協力は我が国外交の最も重要な手段の一つです。
 今回の予算案計上に当たっては、一、不透明さを増す国際情勢に対応し、戦略的な外交を展開する、二、テロ等の脅威から在外邦人や国内を守る、三、日本経済を力強く外交面で後押しする、四、戦略的な対外発信を維持強化する、これらを外務省予算全体の柱とし、国益に資するODAの更なる拡充をこれらの諸課題を実現するための重要な手段と位置付けております。特に、自由で開かれたインド太平洋戦略の具体化や持続可能な開発目標の達成等のグローバルな課題への対処を通じ、不透明さを増す国際情勢に対応する戦略的な外交を展開していくことが重要と考えております。
 次に、協力の形態ごとに概略を御説明申し上げます。
 まず、無償資金協力については、さきに述べた柱に沿って、対前年度比一・六%減の千六百四億七千百万円を計上しております。
 技術協力については、政府全体で対前年度比一・三%増の約二千五百四十億五千万円となっております。このうち、独立行政法人国際協力機構の運営費交付金等は、対前年度比○・〇一%増の約千五百四億七千三百万円を計上しております。
 国際機関への分担金、拠出金については、政府全体で対前年度比○・四%減の約九百十七億六百万円となっております。このうち、外務省所管分については、対前年度比○・一%増の約五百十七億五千三百万円を計上しております。
 最後に、有償資金協力については、質の高いインフラの推進などに円借款等を戦略的に活用していくべく、出融資の計画額は対前年度比七・二%増の一兆三千六百三十億円となっております。
 以上が平成三十年度ODAに係る予算案の概要であります。
 なお、平成二十九年度補正予算(第1号)については、ODA予算は、政府全体で約千二百九十九億二千九百万円となっております。このうち、外務省所管分については、約千二百四十九億二千九百万円となっております。生産性革命に資する中小企業等の海外展開支援や平成二十九年度当初予算編成時に想定されなかった緊急性のある追加的経費に限定した予算を計上しております。
 外務省としては、開発協力大綱の下、国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、国際社会の平和と安定及び繁栄により一層積極的に貢献し、それを通じて国益の確保を追求していきます。その際、有償資金協力の枠組み等、多様なツールを活用するとともに、中小企業を含む民間企業、地方自治体、NGOなどと連携しつつ、戦略的、積極的な開発協力を実施していく考えです。引き続き、山田委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。
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山田俊男#8
○委員長(山田俊男君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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井原巧#9
○井原巧君 おはようございます。自民党の井原でございます。
 私は、昨年十二月にODA調査派遣の第四班として、豊田議員、石井苗子議員の三名で、キューバ共和国並びにジャマイカに派遣をされました。そのときの印象、感想でありますけれども、両国とも我が国の無償資金協力あるいは技術協力に対する評価も非常に高うございました。また、有償資金協力についても両国から様々要望をいただいたわけでありますが、ただ、キューバの場合は債務負担能力を把握するために財務データが示していただけていないということでございまして、現状は難しい状態というふうにお答えをしてまいりました。
 両国始めカリブ海というのは島国でございまして、自然風土が大変我が国と似ております。各国とも最近の気候変動による環境の変化とかハリケーンの非常に大きな被害等に悩まされておりまして、この分野で経験、知見のある我が国の協力、支援も強く期待をされていたと、そのような感想を抱きました。
 今回の派遣からも、我が国のODAは、友好関係を築くためにも非常に有効で、世界の中の日本として引き続きしっかりと展開していくことの重要性を改めて認識をいたしてまいりました。
 そこで、質問に入りたいと思います。
 ODAは、ただ単に予算規模がその国の貢献度を示すものではないということは言うまでもございません。相手国に寄り添ったきめ細やかな人、技術、そして資金援助をしっかり連携機能させて行う質の高さが重要であると私も思っておりますが、しかし一方で、財源がなければ難しいことも事実であります。
 さて、我が国の一般会計当初ベースで見た政府全体のODAの予算、先ほど大臣からも御説明ありましたが、平成九年度が一兆一千六百八十七億円をピークになった後、平成十一年度以降、残念ながら十六年連続で対前年度比減ということでございました。ようやく平成二十八年度から増額に転じ、三十年度の予算案でも対前年比十一億円増と、三年連続での増額が維持できた。また、外務省所管分につきましても、一億円ではありますが、八年連続の前年比増となっているところであります。ODA予算につきましては、世界的な国際協力の潮流の中で増額したことは大変大きな意味があると、このように感じております。
 さて、河野大臣でありますが、長年、河野大臣は我が自民党の行政改革の推進本部長を務められ、行政事業レビューを実施しておられました。私も一年間、たしか文科省と厚労省の担当だったと思いますが、担当をさせていただきましたが、その真意というのが、国民からお預かりしている大切な予算の費用対効果を高めて、限りある財源の質の高い運用について熱心に尽力されていたというふうに思っております。その思いは、事業予算執行に当たり、同じ財源で最高の効果が出るように政府はもっと知恵と工夫を凝らせるべきだと、PDCAサイクルをしっかり回し、同じ財源なら倍の効果を、同じ効果なら半分の財源であえてきつく迫って行政改革を推し進めようというのが大臣の真意だったと、このように私も理解をしておりまして、大変賛同していたところであります。
 そんな中で外務大臣に御就任したわけでありますけれども、これまでの衆参の予算委員会でも何度か取り上げられておりますけれども、質問者の意図が、大臣就任前の発言でODA予算について半減をと大臣がおっしゃったことを捉えまして、切り込みが少し足りていないのではないかと、そういうような趣旨の質問があったように思われます。大臣も義務的な分担金の増額等で結果として一億円の増額となったような御説明もされていたというふうに記憶しておりますが、どちらかというと、少しネガティブな議論に聞こえたようにも思います。ただ、大臣の真意は、決してネガティブではなくて、限られた財源の中でもっと効果を出すと、こういうような思いで答えられていたというふうにも思っております。
 むろん、厳しい財政状況の中、ODAだけ大幅に増額することは考えられないわけでありますが、国際的に比較しても、例えばOECD各国の中で対国民総所得比でODAの量を〇・七%としようという国際的目標がありますが、我が国は現在〇・二%程度で、開発援助委員会加盟国中二十位程度と決して高いとは言えないと考えます。
 そこでお伺いをするわけでありますが、予算規模が単にその効果、貢献度を示すものではありませんが、ODA予算について、世界の中の日本、国際協調の時代にその国際比較の中でどのような認識をお持ちであるのか、また、三十年度の外務省ODA予算の規模や一億円の増額について、ネガティブではなくポジティブな思いも込めて、その評価と今後の考え方について大臣にお伺いしたいと存じます。
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河野太郎#10
○国務大臣(河野太郎君) この政府開発援助が外交の一つの政策手段であるということは間違いないことだろうと思います。しかし、我が国の現在の財政状況を見るにつけ、このODAといえども財政の制約を飛び越えたことはできません。さらに、国民の皆様からの税金で行う以上、きちんとした説明が国民にできなければならないというふうに思っております。
 来年度の予算案を見ますと、まず無償資金協力について二十六億円減額をいたしました。JICAの運営費交付金等につきましてはほぼ前年度並みでございますが、国際機関への任意拠出金は三十五億円を減額させていただきました。しかし、この義務的拠出金の部分、分担金、義務的拠出金の部分が二十億増えたというのも現実でございます。さらに、来年度、外務省の足腰予算を少し充実をしようということで、財務当局にもお願いをし、足腰予算を充実いたしました。その結果、在外公館の中の一定の予算の割合がODAカウントされるということで、その分が実質的に二十七億円の増ということになっております。そうしたこともありますので、トータルでODA一億円増えております。
 しかし、国民の皆様から頂戴をしている税金でございますから、きちんとその効果、効率性が説明できるようでなければならない、それはこれからも継続してやってまいりたいというふうに思っております。
 また、どの国と話をいたしましても、特にODAを受けている国からしてみると、この日本のODAに対する信頼というのは極めて厚いというのがよく分かります。日本といたしまして、途上国を対等なパートナーと考え、その国の発展あるいは地域の安定のためにどのように我が国として貢献できるのか、これからも真剣に向き合ってやってまいりたいと思います。
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井原巧#11
○井原巧君 ありがとうございました。中身をしっかり見据えて編成にも取り組んだというふうにお聞きし、大変心強く感じました。
 次に、我が国の強みを生かした開発協力の推進についてお伺いしたいと思います。
 国際開発協力の現状を見ますと、世界最大の援助国である米国が、トランプ政権の下、対外援助予算の大幅減額を打ち出す一方で、一帯一路構想を打ち出した中国が戦略的に協力を進め影響力を拡大するなど、開発協力を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。
 そのような中で、しばしば対中戦略の一環としてODAが語られることがありますが、経済財政状況などを考えた場合、さきに大臣もおっしゃっていただきましたが、金額という同じ土俵で中国と渡り合うことは難しいし、またそれは適当ではないというふうに私も考えます。開発協力大綱に掲げられているような人間の安全保障、自助努力といった理念をしっかりと体現した日本らしい援助で途上国の開発に貢献していくことが、長期的に見て我が国の国益にも資する国際社会の実現につながっていくというふうに思っております。
 そこで、私たちは改めて日本らしい援助とは何かを今後考えていく必要があろうというふうに思っておりまして、今日も御出席いただいておりますが、先日の当委員会で北岡JICA理事長からお話あったときに、相手の立場を考えた援助がJICAの特徴であって、教育、衛生、医療などの分野での人づくりに力を入れること、法整備支援などは中国にできない支援だと思っているというような発言もございまして、まさに私もそのようなものだなと感じた次第であります。質の高いインフラ整備支援なども積極的に進めていく必要もありますが、国づくりの基盤となる人づくり支援にもっと日が当たってもよいのではないかなと思っております。
 そこで、お伺いをいたします。
 三十年度予算におきまして、こうした人づくり支援に関し何か特徴的な施策が盛り込まれているのか、御説明いただきたいと存じます。また、最近の技術協力開発予算の推移とその評価について、河野大臣にお伺いいたします。
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河野太郎#12
○国務大臣(河野太郎君) 政府全体の技術協力関係予算につきましては、直近の五年間、約二千五百億円規模でおおむね横ばいとなっております。平成三十年度においては、二千五百四十億円と前年度比一・三%の増加となっております。
 相手国のニーズに対応したきめ細かな支援というのは日本の支援の強みの一つだと思っておりまして、例えば、俗にカイゼンと言われている生産性向上の取組を現地化する、あるいは我が国からの税関システムや巡視艇、監視艇、そうしたものの供与と併せて職員の訓練も実施するなど、日本の強みを生かした人づくりの支援を重視してやってまいりました。
 平成三十年度の外務省ODA予算についても、北岡理事長肝煎りのJICA開発大学院連携を始め、途上国の開発を主導する人材を育成する技術協力に重点を置きながら取り組んでまいりたいと思います。
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井原巧#13
○井原巧君 ありがとうございました。
 次に、JICAの北岡理事長にお伺いしたいと思いますが、先ほどお話ししましたが、私は昨年十二月にキューバ、ジャマイカに訪問しまして、大変JICAの皆さん方にお世話になりました。そのときは、キューバ政府へキューバJICA事務所の早期開設を要請したところでありましたが、おかげで一月に正式に事務所の開設を迎えたそうであります。
 ちょっと余談になりますけれども、キューバは原則、一国一機関に関税の特権を与えているということでありましたので、当然、日本大使館は関税特権が与えられていたんですね。なので、JICAがどうなるかがすごく懸念をされておりまして、例えば自動車の関税が八〇〇%あるので、同じ車をJICAで調達しても、もしその特権が与えられていなかったら一千万円以上掛かるということで大変心配していたんですけれども、結果的にはその特権も与えていただいて事務所の開設になったということで、ほっと胸をなで下ろしているところであります。
 そこで、理事長にお伺いいたしますが、JICA現地事務所はODA活動を展開していく上で大変重要な拠点であると思います。JICA現地事務所の整備状況や今後の展開、また大使館あるいはジェトロ等の現地我が国の機関との連携はしっかりできているのか、JICAとして今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
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北岡伸一#14
○参考人(北岡伸一君) 委員には昨年、キューバを御訪問いただき、ありがとうございました。御案内のとおり、また御指摘のとおり、JICA事務所の法的ステータスの問題をめぐりまして若干その開設が時間が掛かったんでございますが、先生方の御訪問の成果もあり、大使館内の組織とみなすということで了解ができまして、無事、三月九日に開設式を迎えることができました。御礼申し上げます。
 キューバに限らず、大使館とJICAとの連携は効果的にODA事業を進めるためにも不可欠のものでございまして、各国におきまして、大使館とJICA事務所、また、その他の日本政府関係機関等で構成される現地ODAタスクフォースを設置しまして、新規案件の形成、事業の進捗状況、管理などについて意見交換するなど、密に連携を図ってございます。
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井原巧#15
○井原巧君 ありがとうございました。
 持ち時間は二十一分までなので、それでは、最後の質問ですが、佐藤副大臣にお伺いしたいと存じます。
 いろいろ、ちりも積もればではないですけれども、様々財源をしっかり見付けて、効果的でめり張りの利いた、やっぱり今後ODAの援助が必要だなというふうに思っております。我が国との比較において、世界の主要なドナー国における援助供与国数の現状、我が国は結構広く援助しております、それと比べて他国はどうなのか。そして、援助供与先の選択と集中について、インド太平洋戦略などを打ち出しておりますが、その関係も含め、佐藤副大臣に考え方をお聞かせいただきたいと存じます。
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佐藤正久#16
○副大臣(佐藤正久君) お答え申し上げます。
 OECD開発援助委員会によりますと、二〇一六年のODA供与実績では、我が国は百四十一か国の国・地域に供与している一方、他の主要ドナー国としてアメリカが百三十五、ドイツが百三十九、英国が百二十七、フランスが百三十六の国・地域に供与しております。
 委員御案内のとおり、やはり国民からの税金でございますので、説明責任を果たす意味でも選択と集中、これは極めて大事だと思っております。そういう観点から、その対象地域と中身というものは大事になっております。
 御指摘のとおり、自由で開かれたインド太平洋戦略の下に、質の高いインフラ整備、これを重点というものの一つとするとともに、国づくりに欠かせない人材育成、先ほども議論ありました人材育成をそれに組み合わせる。また、持続的な開発目標の達成を念頭に、これまで日本がやってきました難民や貧困、あるいは保健といった人道上の問題への対応というものを組み合わせながら、選択と集中、これに重点を置いたODAを実施してまいりたいと思います。
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井原巧#17
○井原巧君 終わります。ありがとうございました。
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相原久美子#18
○相原久美子君 民進党の相原久美子でございます。おはようございます。
 先ほど井原委員からも御質問ございました、まずODA予算について伺ってまいりたいと思います。
 このODAの予算というのは、対国民総所得比で〇・七%という国際的目標があるようです。我が国の実績が平成二十八年は〇・二〇%。この二年ほど、そして今年の予算でもということで連続して増加はしているようですけれども、それでもピーク時の半分という状態です。日本の財政状況も厳しいことはありますけれども、外務省として今後のODA予算についてどのようにお考えになっているのかお伺いしたいと思います。
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河野太郎#19
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、外交の一つの政策手段としてODAの活用というのは大事なことだというふうに思っております。
 しかしながら、こうした財政状況の中でございますから、財政の制約を飛び越えてODA予算を考えるということはできないというのも現実でございます。しかしながら、第二次世界大戦後、昨年、難民、避難民の数が最多に上ったというように、世界情勢も極めて混沌としていると言ってもよろしいかと思います。
 その中で、こうしたそれぞれの地域の安定化に資するということは、それぞれの国の国民の皆さんを支援するだけでなく、ひいては日本の平和と安定にもつながってくるということでございますので、この〇・七%という目標を見据えながら、国民の皆様にきちんと説明ができるように気を付けながら、しっかりと日本のODAを考えてまいりたいというふうに思います。
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相原久美子#20
○相原久美子君 恐らく更問いになってしまうかと思うんですが、日本の財政状況が厳しい中でなぜ途上国支援をしなければならないのか、国民の中には疑問を感じている方もいらっしゃるかもしれません。政府開発援助と言われるODA予算を確保するという意味合いについて、今お話しいただきました外交の一つの政策、そして世界を考えるという意味合い、もう一度更に強調していただければと思いますが、いかがでしょう。
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河野太郎#21
○国務大臣(河野太郎君) 厳しい財政状況であるというのは申し上げたとおりでございますが、日本自身も戦後、海外からの支援をいただいて発展をしてきたという事実がございます。そういう意味で、やれることについては、世界に恩返しをするという意味も含め、支援をしなければなりません。
 そして、先ほど申し上げましたような難民、あるいは今世界中に広がってしまったテロという問題、あるいは貧困、そしてSARSを始めとする感染症対策、こうしたものは、それぞれの国、それぞれの地域の課題であると同時に世界規模の課題であり、日本についても、テロあるいは感染症といったものがいつ日本国民に影響をもたらすか分からないという中で、こうしたものに対する世界規模での取組に日本としても一緒になって取り組むというのは非常に我が国の国民のためにも大切なことだというふうに思っております。
 財政厳しい折ではありますが、世界全体の平和と安定、そして繁栄に日本としてしっかり貢献をしながら、その上で、国民の皆様に、これが皆様から頂戴をした税金として有効、有益に、そして効率的に使われているということをきちんと御説明申し上げながら、このODAについてはやってまいりたいと思います。
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相原久美子#22
○相原久美子君 ありがとうございます。
 私も戦後すぐの生まれなものですから、本当に日本が急激に発展してきた、それは我が国の国民だけの思いではなくて、世界からの大きな支援があったんだろうと今更ながらに思いますので、是非その辺をしっかりと私たち自身も考えながらと、そのように思っております。
 その一方、大臣、就任前に、無駄が多いとしてODA半減をうたっておりました。しかし、今お話しいただきましたようなそういう状況の中で、恐らくお考えは若干変わってきたんだろうと思います。
 そして、外務大臣として世界を見、そして途上国へもおいでになったと思います。日本のODA、この支援の何か好事例等々見られた感想なんかがありましたら、お願いしたいと思いますが。
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河野太郎#23
○国務大臣(河野太郎君) ODAを減らせと私が主張してから大分政府全体のODAが、これは別に私が言ったからというわけではなくて、減ってきたというのも現実でございます。
 また、更に効率的にやらなければいけない、無駄を減らさなければいけないというのは事実でございまして、これだけ様々なプロジェクトをやっていれば、どうしても効果を生むことができなかったというものがあるのも、これは認めざるを得ないと思いますが、それについてはきちんと評価をし、その失敗を繰り返さないというのがこれは大事なことなんだろうというふうに思っております。
 そうした中で、例えば、様々な学校、病院の建設一つ取ってみても、日本は単価が高いという御批判をいただくことがある反面、日本が造った建物は数十年たってもきちんと機能している、そういう御評価をいただくわけでございます。
 先般、パレスチナを訪問したときに、パレスチナの大学の医学部にかなり昔に日本が支援をした機材というのがありまして、受け取った方は本当に丁寧にメンテナンスをしてくださって、日本にはとても感謝をしている、しかしながら、もうその機材が日本国内で作られなくなってしばらくたつものですから、消耗品あるいはスペアパーツといったものの供給ができなくなってしまって、それがないゆえに、機材は立派にメンテナンスされているけど、使えなくなったというようなことがございました。
 それだけ大切に使っていただいているということは、それこそ援助のしがいがあったんだろうというふうに思います。そうした本当に丁寧に我々の援助を使ってくださっている、大事に使ってくださっているというのを見るにつけ、やはり日本が一生懸命心を込めて先方のことを考えてやってきた援助が高く評価されているというのは、外務大臣としてとてもうれしいと思います。その大学についても、できる限りの予算の範囲の中で新たな機材、最新の機材というものを、少し計画を立てて、残念ながら一遍に全部切り替えることはできませんが、長期的な計画を立てて、少しずつ必要性の高いものから援助をしてまいりたいというふうに思いました。
 こういう、先方が本当に日本の支援を大切に使ってくれていて、そこで育った人間がその国で今度は代わりに人づくりを先頭に立ってやってくださっているという例は枚挙にいとまがないと言ってもよろしいのではないかと思います。そういう先輩たちがやってきた丁寧な人づくりに直結するようなODAというのは、今後もしっかり心して続けてまいりたいと思います。
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相原久美子#24
○相原久美子君 非常に申し訳ないのですが、実は、この委員会の前の日が祭日だったものですから、質問通告も本当にちょっとぎりぎりになってしまって、外務省さんのお考えをなかなか確認できなかったという面もあるものですから、質問が恐らく前後しましたりとか、それから大臣の思い受け止め切れないというところもあったかと思います。
 私もラオスの方に行きまして、日本のこのODA支援の建物を見ましたときに、現地の方が本当に日本の繊細さというのを絶賛していたんですね。そういうのを聞きますと、私は、議員前の、そういうODAの支援等々は分かりませんでしたけれども、本当にうれしくなるなと、そんな思いがいたします。是非、このパレスチナの医学校も、大事に使っていただいているけれども、まだまだその後のやはりフォローということが必要だと思われているようですので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、国連では一五年の国際的目標としてきましたミレニアム開発目標、これMDGsと呼ばれておりますけれども、これが達成期限を迎えまして、次なる目標として、持続可能な開発目標、今度はSDGsが掲げられております。我が国はこれまで開発目標に積極的な姿勢を取ってきたとは思います。国内では、しかしながら、いまだ認知度が低いのではないかと言わざるを得ません。
 先日、民間企業がSDGsについて一般消費者の意識調査をした結果を公表いたしました。これによりますと、SDGsという言葉を知らない人は七四%に上り、また、内閣府の調査では、自治体レベルの認知度も、SDGsを認知しているのは六百八十四自治体のうちの三百十四自治体と、四五・九%にとどまっております。存在を知らないと言っているのは五四・一%と、大変お粗末な結果でございます。
 MDGsには八つの目標ありますけれども、まあ、お恥ずかしいのですが、私自身も、このMDGsの次のSDGsに移行するという、こういう状況の中でも、残念ながら、世界的にその目標がどの程度達成されてきたのか、我が国がどの程度貢献できたのかは認識していないという状況でございます。次なる目標の持続可能な開発目標達成のためにも、MDGsの達成度等についての広報が必要なのではないかと思います。
 外務省は、今年度の予算で二億円を計上してSDGsやODAの広報啓発活動に取り組むとしていますけれども、今までの認知度の結果を聞いて、何を取り組んできたのか、今後どのような活動をすべきと考えるのか。また、私自身は学校教育の現場での啓発教育も必要なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
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河野太郎#25
○国務大臣(河野太郎君) 今おっしゃっていただきました認知度の数字をお聞きするにつれ、これはちょっと力不足であるということは素直に認めざるを得ないのかなというふうに思います。やはりSDGsをしっかりやっていこうと多くの国民の皆様に共有、その思いを共有してもらうためには、SDGsというのがあって、それがどうなっていてというのをやはり知っていただかなければ思いの共有のことにもつながらないわけでございます。
 これまで、民間企業、市民社会との連携の事例を幅広く共有しようということで、ジャパンSDGsアワードというのを実施したり、PPAPで有名なピコ太郎さんや吉本興業などエンタメ業界と連携をして少し国民の皆様に興味を持っていただいたり、SDGsの動画発信といったことをやっていこうということで取り組んでまいりました。
 若い方に見ていただくためにLINEの漫画あるいはユーチューブといった新しい媒体を使ったり、あるいは国際協力に携わってこられた多くの経験者の直接的な体験を伝えるイベントというようなものを推進をしてきておりますが、やはり国民の圧倒的多数が認識をしていただいているという状況にないわけでございますので、そこはしっかりこれからもいろいろなことを考えながら、効果的、効率的な情報発信に努めてまいりたいというふうに思っております。
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相原久美子#26
○相原久美子君 一番大事な点は、やはり先ほど大臣がおっしゃっていましたように、これ国民の税金の使い方です。国民が理解をしていただかなきゃならないという点でいいますと、本当にやっぱり啓発、そして経験の話、そして実際に支援国がどのような状況にあるのかということの広報というのは非常に大切だと思うんですね。よく最近は海外支援協力員の方たちのテレビ放送等々があったりしますので、あれ本当に、あっ、そうかというような思いを共有できるという面では非常に大事なことだと思いますので、是非そこの部分について進めていっていただければと思いますし、これ、やっぱり国際協力をしてきた方たちの経験というのは次の支援に対してのまた示唆にもなるんだろうと思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 では次に、多国籍企業の活動範囲が拡大しておりまして、先ほど来いろいろな形で指摘をされておりますけれども、なかなか一国とか二国間では対応が及ばなくなってきているんだろうと思います。そういう中で、労働権や環境権、人権の侵害というものももたらされていると。そうした世界情勢の中で、低賃金と不安定な労働条件で働かされている労働者が多くいます。本来、ODAの主役は受取国の地域住民であって、独裁者を助けたり企業の利権の巣窟になったり、政治的に活用されることを禁じるべきだと思います。
 このため、そのような基本的在り方について、ODA基本法を定めて、きちんと途上国住民の生活改善に資するODAとなるように、多国籍企業に国際労働基準を尊重する責任を求めるなど、枠組みを定めることも必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
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河野太郎#27
○国務大臣(河野太郎君) 今、様々な企業が、自分のバリューチェーンあるいは生産チェーンを振り返ってみて、今御指摘されたようなことがないようにそれぞれが取り組んでいるという事例が出てきたように思います。一つ一つの企業がそうしたことを考えてやっていただくというのは非常にいいことだというふうに思います。
 我が国のODAが、そのODAを受け取る国・地域で逆に問題を起こさないようにということで、環境社会配慮ガイドラインというのを、それぞれJICA、JBIC、様々なところで制定をしていただいております。この環境社会配慮ガイドラインに照らし合わせて、日本のODAが受け取った地域で逆に問題を起こさないかどうか、一つずつ確認をしていただくという仕組みになっております。そういう環境社会配慮ガイドラインの中にどういうものを盛り込んでいったらいいのかというのは、これは不断の見直しが必要なことだと思います。
 これからいろいろなことが議論される中で、当然に日本のこのガイドラインについても見直しの議論というのを必要なときにしっかりとしていく必要があるのではないかと思います。
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相原久美子#28
○相原久美子君 これは一国だけでできることではなかなかないのだろうとは思いますけれども、これから、民間企業の活用ということが相当言われておりますし、連携も進めていかなきゃならない、その中にあって、やはり本当に労働基準というものがしっかりと、やはりこれは認識されていかなければならない問題だろうと思っておりますし、それから、せっかく善意の下で支援をしていっても、それがまた悪用されてもならないと。本当に途上国のやっぱり国民にとって資するものということが必要なんだろうと思いますので、是非ともよろしくお願いしたいなと思います。
 我が国が支援をしてきた国は今まで多々あるのだろうと思いますけれども、今後、やはり限られた財源を有効に使って支援を必要とする国に資するものとするために、卒業国のその後について検証をする必要もあるのではないかと思うのですけれども、そのような検証はなされているのでしょうか。
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梨田和也#29
○政府参考人(梨田和也君) 卒業国、いわゆるDACリストに載っていない国に対しては、開発協力大綱にあるとおり、一人当たりの所得が一定の水準に達した後でも、例えば特別な脆弱性を有するといった国に対しては、相手国の開発ニーズや負担能力などを踏まえながら引き続き必要な協力をやっていくという方針にございます。
 具体的には、カリブにある小さな島国、こういった国々に対しては、防災、環境、省エネといった分野で技術協力を実施しております。これ以外にも必要に応じて不断の検討を行っていく考えであります。
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