法務委員会
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会
会議録情報#0
平成三十年六月五日(火曜日)
午前十時一分開会
─────────────
委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
中西 哲君 山谷えり子君
六月四日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 太田 房江君
櫻井 充君 榛葉賀津也君
六月五日
辞任 補欠選任
太田 房江君 高野光二郎君
榛葉賀津也君 櫻井 充君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 石川 博崇君
理 事
中西 健治君
山田 宏君
若松 謙維君
有田 芳生君
委 員
太田 房江君
高野光二郎君
福岡 資麿君
丸山 和也君
元榮太一郎君
柳本 卓治君
山谷えり子君
櫻井 充君
榛葉賀津也君
小川 敏夫君
仁比 聡平君
石井 苗子君
糸数 慶子君
山口 和之君
国務大臣
法務大臣 上川 陽子君
副大臣
法務副大臣 葉梨 康弘君
大臣政務官
法務大臣政務官 山下 貴司君
事務局側
常任委員会専門
員 青木勢津子君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 渡邉 清君
警察庁長官官房
審議官 小田部耕治君
消費者庁政策立
案総括審議官 井内 正敏君
消費者庁審議官 福岡 徹君
法務省民事局長 小野瀬 厚君
法務省刑事局長 辻 裕教君
法務省人権擁護
局長 名執 雅子君
外務省領事局長 相星 孝一君
財務大臣官房審
議官 百嶋 計君
財務大臣官房審
議官 田島 淳志君
財務省理財局次
長 富山 一成君
文部科学大臣官
房審議官 神山 修君
文部科学大臣官
房審議官 下間 康行君
文部科学大臣官
房審議官 信濃 正範君
文部科学省生涯
学習政策局生涯
学習総括官 塩見みづ枝君
厚生労働大臣官
房審議官 吉永 和生君
厚生労働大臣官
房審議官 井上 真君
厚生労働大臣官
房審議官 小林 洋司君
厚生労働大臣官
房審議官 和田 純一君
厚生労働省政策
統括官 酒光 一章君
農林水産省生産
局畜産部長 大野 高志君
国土交通大臣官
房審議官 馬場崎 靖君
参考人
早稲田大学総長 鎌田 薫君
弁護士 平澤 慎一君
公益社団法人日
本消費生活アド
バイザー・コン
サルタント・相
談員協会理事・
消費者教育委員
長 窪田久美子君
青山学院大学法
務研究科教授
前内閣府消費者
委員会委員長 河上 正二君
─────────────
本日の会議に付した案件
○民法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
─────────────
この発言だけを見る →午前十時一分開会
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委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
中西 哲君 山谷えり子君
六月四日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 太田 房江君
櫻井 充君 榛葉賀津也君
六月五日
辞任 補欠選任
太田 房江君 高野光二郎君
榛葉賀津也君 櫻井 充君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 石川 博崇君
理 事
中西 健治君
山田 宏君
若松 謙維君
有田 芳生君
委 員
太田 房江君
高野光二郎君
福岡 資麿君
丸山 和也君
元榮太一郎君
柳本 卓治君
山谷えり子君
櫻井 充君
榛葉賀津也君
小川 敏夫君
仁比 聡平君
石井 苗子君
糸数 慶子君
山口 和之君
国務大臣
法務大臣 上川 陽子君
副大臣
法務副大臣 葉梨 康弘君
大臣政務官
法務大臣政務官 山下 貴司君
事務局側
常任委員会専門
員 青木勢津子君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 渡邉 清君
警察庁長官官房
審議官 小田部耕治君
消費者庁政策立
案総括審議官 井内 正敏君
消費者庁審議官 福岡 徹君
法務省民事局長 小野瀬 厚君
法務省刑事局長 辻 裕教君
法務省人権擁護
局長 名執 雅子君
外務省領事局長 相星 孝一君
財務大臣官房審
議官 百嶋 計君
財務大臣官房審
議官 田島 淳志君
財務省理財局次
長 富山 一成君
文部科学大臣官
房審議官 神山 修君
文部科学大臣官
房審議官 下間 康行君
文部科学大臣官
房審議官 信濃 正範君
文部科学省生涯
学習政策局生涯
学習総括官 塩見みづ枝君
厚生労働大臣官
房審議官 吉永 和生君
厚生労働大臣官
房審議官 井上 真君
厚生労働大臣官
房審議官 小林 洋司君
厚生労働大臣官
房審議官 和田 純一君
厚生労働省政策
統括官 酒光 一章君
農林水産省生産
局畜産部長 大野 高志君
国土交通大臣官
房審議官 馬場崎 靖君
参考人
早稲田大学総長 鎌田 薫君
弁護士 平澤 慎一君
公益社団法人日
本消費生活アド
バイザー・コン
サルタント・相
談員協会理事・
消費者教育委員
長 窪田久美子君
青山学院大学法
務研究科教授
前内閣府消費者
委員会委員長 河上 正二君
─────────────
本日の会議に付した案件
○民法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
─────────────
石
石川博崇#1
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、中西哲君、櫻井充君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として山谷えり子君、榛葉賀津也君及び太田房江君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、中西哲君、櫻井充君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として山谷えり子君、榛葉賀津也君及び太田房江君が選任されました。
─────────────
石
石川博崇#2
○委員長(石川博崇君) 民法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
本日御出席いただいております参考人は、早稲田大学総長鎌田薫君、弁護士平澤慎一君、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事・消費者教育委員長窪田久美子君及び青山学院大学法務研究科教授・前内閣府消費者委員会委員長河上正二君でございます。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様方から忌憚のない御意見を賜り、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方について申し上げます。
まず、鎌田参考人、平澤参考人、窪田参考人、河上参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。また、各委員の質疑時間が一人十五分と限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
それでは、鎌田参考人からお願いいたします。鎌田参考人。
この発言だけを見る →本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
本日御出席いただいております参考人は、早稲田大学総長鎌田薫君、弁護士平澤慎一君、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事・消費者教育委員長窪田久美子君及び青山学院大学法務研究科教授・前内閣府消費者委員会委員長河上正二君でございます。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様方から忌憚のない御意見を賜り、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
議事の進め方について申し上げます。
まず、鎌田参考人、平澤参考人、窪田参考人、河上参考人の順に、お一人十五分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、よろしくお願いいたします。また、各委員の質疑時間が一人十五分と限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
それでは、鎌田参考人からお願いいたします。鎌田参考人。
鎌
鎌田薫#3
○参考人(鎌田薫君) 民法成年年齢や婚姻適齢に係る民法の一部を改正する法律案に賛成する立場から意見を述べさせていただきます。
まず、民法成年年齢につきましては、第一に、国民投票年齢、公職選挙年齢、民法成年年齢を一致させることが望ましいこと、第二には、少子高齢化が急速に進む我が国においては、若年者が一人前の社会人として主体的、積極的に活躍することが望まれていること、第三に、世界的には十八歳又はそれ以下を成年年齢とする国が多数を占めており、グローバル化の進んだ社会では世界標準に準拠することが望まれること、そして、社会生活の高度化、情報化により若年層が取引活動に参加する機会は飛躍的に増加しており、責任ある取引主体としての地位を早期に確立することが望ましいことなどから、これを十八歳に引き下げることに賛成いたしております。
その理由につきましては、平成二十一年の法制審議会民法成年年齢部会最終報告書に記したところと同旨でありますので、これを援用させていただいた上で若干の補足をさせていただきます。
国民投票年齢、選挙年齢と民法成年年齢との関係についてでありますが、理論的には両者は必ずしも一致する必要はありません。とはいえ、取引社会、言い換えれば市民社会の一員としての行動について、親の権威の下にある者が国家の行方につき責任ある判断をなし得ると考えることは余り適切ではないように思われます。
やや場違いなエピソードを引用させていただきますが、私の所属する早稲田大学の前身であります東京専門学校の開校式におきまして、その開学を実質的に牽引した小野梓は次のように述べています。「国を独立せしめんと欲せば、必ず先ずその民を独立せしめざるを得ず。その民を独立せしめんと欲せば、必ず先ずその精神を独立せしめざるを得ず。而してその精神を独立せしめんと欲せば、必ず先ずその学問を独立せしめざるを得ず。」と。これは、福沢諭吉の一身独立して一国独立すという名言と同様の趣旨でありまして、当時、上からの近代化が目指され、そのために官立大学で専ら官僚養成を主目標とした教育が行われていたのに対し、むしろ一人一人の市民が、統治、支配の対象としてではなく、主体的に独立した判断をなし得る自立した市民として市民社会を支えるとともに、その判断力を基礎として積極的に国政に参加するのでなければ真の発展は実現し得ない、そのために広く市民に高度の教育を受ける機会を提供していかなければならないという、こういった趣旨のものと理解しております。
グローバル化と科学技術の発展によって産業構造、社会構造が劇的に変化しつつある一方で、我が国では少子高齢化が急速に進み、若者の政治離れが指摘されています。こうした我が国の現状に鑑みると、十八歳、十九歳の若者を社会的、経済的に大人として処遇することによって、市民社会を構成する一人前の大人としての自覚を高め、それを基礎として国政選挙や地方選挙への主体的、積極的な参加を促すことが望ましいように思われます。こうした観点から、成年年齢と選挙年齢とを一致させることに賛成する次第であります。
また、世界的には十八歳を成年年齢とする国が多数を占めており、グローバル化の進んだ社会では世界標準に準拠することが望ましいとも考えております。
これも若干エピソード的になりますけれども、近時、我が国における外国住民比率も、そしてまた外国からの訪問者、外国への旅行者も急速に増加しつつあります。私の所属する大学でも、昨年度の在籍外国人学生数は七千五百名に及んでいますし、短期留学も含めれば四〇%程度の学生が一度は海外での学びを経験するに至っております。こうした留学生や旅行者が海外で取引行為をするケースはますます増加していますし、インターネットを通じて若年者が海外取引をするケースも増えています。
外国での取引、あるいは外国人との国内取引について限って見ますが、法の適用に関する通則法第四条は、人の行為能力は本国法によって定めることを原則としつつ、本国法によれば制限行為能力者であっても行為地法によれば行為能力者となるべきときは、当該法律行為の当時その全ての当事者が法を同じくする地にあった場合に限り、当該法律行為をした者は行為能力者とみなすものとしています。
したがって、例えば十八歳の日本人がイギリスや中国など満十八歳を成年年齢とする国を訪問して契約をする場合には、取引の相手方は日本人顧客が未成年者であることを前提とした配慮をする必要がなく、この日本人も未成年者取消しはできないということになります。
他方、満十八歳のイギリス人や中国人が日本で契約をするときには、その契約の相手方である日本の事業者は、当該契約が未成年者取消しの対象となり得ることを考慮する必要はありません。これに対し、日本人青年が顧客である場合には、それが全く正当な取引であっても、慎重な事業者であればあるほど未成年者取消しの可能性を勘案して、未成年者単独での契約を避けるべきことになってしまいます。
民法成年年齢制度というのは、このように、未成年者との取引の相手方にとって、通常の取引における独立的な登場人物としての資格があるかないか、これを形式的基準に基づいて一応と、例外がありますので一応と言うのが正しいと思いますけれども、一応確定していくと、こういう機能を有しているものであります。
グローバル社会の一員として日本の若者が諸外国の同世代の人々と対等な立場で活躍をしていくためには、我が国が民法成年年齢に係る国際的な趨勢と歩調を合わせることによって、先ほど述べたような複雑な事態を避けるとともに、十八歳、十九歳の日本人青年について、一人前の市民としての自覚を高めていくことが望ましいと考えております。
このような形で、民法の成年年齢を引き下げることに大きなメリットを認めているところでございますので、国民投票年齢及び選挙年齢が十八歳と定められたことを契機として始まった議論ではございますが、民法の成年年齢を十八歳に引き下げることが妥当であると考えております。
ただし、民法成年年齢部会最終報告書におきましては、民法成年年齢を引き下げた場合には、十八歳、十九歳の者の消費者被害が拡大する危険があること、親権の対象となる年齢が引き下げられると、自立に困難を抱える十八歳、十九歳の者が親の保護を受けられにくくなり、ますます困窮するおそれがあること、高校教育における生徒指導が困難になるおそれもあることなどの課題を指摘させていただきました。
そして、消費者被害の拡大のおそれに対しては、消費者保護施策の充実と消費者関係教育を充実させること、精神的、社会的自立の遅れについては、社会全体が若年者の自立を支えていくような仕組みを採用し、若年者の自立を援助する様々な施策も併せて実行していくこと、高校教育との関連では、高校教育におけるルールづくりをすること、国民一般に対する周知徹底等の方策、こうした方策を取るべきことを提案するとともに、法整備の具体的時期につきましては、それらの施策の定着度等も勘案し、国会におかれまして国民の意識を踏まえつつ御判断いただくことといたしております。
これらの点につきましては、平成二十年に同部会が設置されてから約十年の間に、青少年育成施策大綱の策定、子ども・若者育成支援推進法の制定、消費者庁の発足、消費者教育の推進に関する法律の制定、学習指導要領の改訂と消費者教育の実施、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議の設置、さらに、今国会での消費者契約法の一部を改正する法律案の上程など様々な施策が講じられてきたところであり、これらを踏まえて、民法成年年齢を引き下げる立法措置を講ずるための環境が整えられたという御判断がなされたものと理解しております。
とはいえ、これらの課題につきまして、万全の対策を完了したというような概念とはなじみにくいものでありますから、今後とも、不十分な部分の克服や新たな課題の解決のために不断の改善を図られることを期待いたしております。
なお、養親年齢については、養子を取ることが他人の子を法律上自分の子として育てるという相当の責任を伴うものでありますから、民法の成年年齢を引き下げる場合でも、現状維持、すなわち二十歳とすべきであると考えております。
また、婚姻適齢につきましては、男女とも十八歳とすべきであるという平成八年の法制審議会の答申があり、これを変更すべき特段の事情もないことから、男女とも十八歳とするべきであると考えております。
以上で私からの意見を終わらせていただきます。
この発言だけを見る →まず、民法成年年齢につきましては、第一に、国民投票年齢、公職選挙年齢、民法成年年齢を一致させることが望ましいこと、第二には、少子高齢化が急速に進む我が国においては、若年者が一人前の社会人として主体的、積極的に活躍することが望まれていること、第三に、世界的には十八歳又はそれ以下を成年年齢とする国が多数を占めており、グローバル化の進んだ社会では世界標準に準拠することが望まれること、そして、社会生活の高度化、情報化により若年層が取引活動に参加する機会は飛躍的に増加しており、責任ある取引主体としての地位を早期に確立することが望ましいことなどから、これを十八歳に引き下げることに賛成いたしております。
その理由につきましては、平成二十一年の法制審議会民法成年年齢部会最終報告書に記したところと同旨でありますので、これを援用させていただいた上で若干の補足をさせていただきます。
国民投票年齢、選挙年齢と民法成年年齢との関係についてでありますが、理論的には両者は必ずしも一致する必要はありません。とはいえ、取引社会、言い換えれば市民社会の一員としての行動について、親の権威の下にある者が国家の行方につき責任ある判断をなし得ると考えることは余り適切ではないように思われます。
やや場違いなエピソードを引用させていただきますが、私の所属する早稲田大学の前身であります東京専門学校の開校式におきまして、その開学を実質的に牽引した小野梓は次のように述べています。「国を独立せしめんと欲せば、必ず先ずその民を独立せしめざるを得ず。その民を独立せしめんと欲せば、必ず先ずその精神を独立せしめざるを得ず。而してその精神を独立せしめんと欲せば、必ず先ずその学問を独立せしめざるを得ず。」と。これは、福沢諭吉の一身独立して一国独立すという名言と同様の趣旨でありまして、当時、上からの近代化が目指され、そのために官立大学で専ら官僚養成を主目標とした教育が行われていたのに対し、むしろ一人一人の市民が、統治、支配の対象としてではなく、主体的に独立した判断をなし得る自立した市民として市民社会を支えるとともに、その判断力を基礎として積極的に国政に参加するのでなければ真の発展は実現し得ない、そのために広く市民に高度の教育を受ける機会を提供していかなければならないという、こういった趣旨のものと理解しております。
グローバル化と科学技術の発展によって産業構造、社会構造が劇的に変化しつつある一方で、我が国では少子高齢化が急速に進み、若者の政治離れが指摘されています。こうした我が国の現状に鑑みると、十八歳、十九歳の若者を社会的、経済的に大人として処遇することによって、市民社会を構成する一人前の大人としての自覚を高め、それを基礎として国政選挙や地方選挙への主体的、積極的な参加を促すことが望ましいように思われます。こうした観点から、成年年齢と選挙年齢とを一致させることに賛成する次第であります。
また、世界的には十八歳を成年年齢とする国が多数を占めており、グローバル化の進んだ社会では世界標準に準拠することが望ましいとも考えております。
これも若干エピソード的になりますけれども、近時、我が国における外国住民比率も、そしてまた外国からの訪問者、外国への旅行者も急速に増加しつつあります。私の所属する大学でも、昨年度の在籍外国人学生数は七千五百名に及んでいますし、短期留学も含めれば四〇%程度の学生が一度は海外での学びを経験するに至っております。こうした留学生や旅行者が海外で取引行為をするケースはますます増加していますし、インターネットを通じて若年者が海外取引をするケースも増えています。
外国での取引、あるいは外国人との国内取引について限って見ますが、法の適用に関する通則法第四条は、人の行為能力は本国法によって定めることを原則としつつ、本国法によれば制限行為能力者であっても行為地法によれば行為能力者となるべきときは、当該法律行為の当時その全ての当事者が法を同じくする地にあった場合に限り、当該法律行為をした者は行為能力者とみなすものとしています。
したがって、例えば十八歳の日本人がイギリスや中国など満十八歳を成年年齢とする国を訪問して契約をする場合には、取引の相手方は日本人顧客が未成年者であることを前提とした配慮をする必要がなく、この日本人も未成年者取消しはできないということになります。
他方、満十八歳のイギリス人や中国人が日本で契約をするときには、その契約の相手方である日本の事業者は、当該契約が未成年者取消しの対象となり得ることを考慮する必要はありません。これに対し、日本人青年が顧客である場合には、それが全く正当な取引であっても、慎重な事業者であればあるほど未成年者取消しの可能性を勘案して、未成年者単独での契約を避けるべきことになってしまいます。
民法成年年齢制度というのは、このように、未成年者との取引の相手方にとって、通常の取引における独立的な登場人物としての資格があるかないか、これを形式的基準に基づいて一応と、例外がありますので一応と言うのが正しいと思いますけれども、一応確定していくと、こういう機能を有しているものであります。
グローバル社会の一員として日本の若者が諸外国の同世代の人々と対等な立場で活躍をしていくためには、我が国が民法成年年齢に係る国際的な趨勢と歩調を合わせることによって、先ほど述べたような複雑な事態を避けるとともに、十八歳、十九歳の日本人青年について、一人前の市民としての自覚を高めていくことが望ましいと考えております。
このような形で、民法の成年年齢を引き下げることに大きなメリットを認めているところでございますので、国民投票年齢及び選挙年齢が十八歳と定められたことを契機として始まった議論ではございますが、民法の成年年齢を十八歳に引き下げることが妥当であると考えております。
ただし、民法成年年齢部会最終報告書におきましては、民法成年年齢を引き下げた場合には、十八歳、十九歳の者の消費者被害が拡大する危険があること、親権の対象となる年齢が引き下げられると、自立に困難を抱える十八歳、十九歳の者が親の保護を受けられにくくなり、ますます困窮するおそれがあること、高校教育における生徒指導が困難になるおそれもあることなどの課題を指摘させていただきました。
そして、消費者被害の拡大のおそれに対しては、消費者保護施策の充実と消費者関係教育を充実させること、精神的、社会的自立の遅れについては、社会全体が若年者の自立を支えていくような仕組みを採用し、若年者の自立を援助する様々な施策も併せて実行していくこと、高校教育との関連では、高校教育におけるルールづくりをすること、国民一般に対する周知徹底等の方策、こうした方策を取るべきことを提案するとともに、法整備の具体的時期につきましては、それらの施策の定着度等も勘案し、国会におかれまして国民の意識を踏まえつつ御判断いただくことといたしております。
これらの点につきましては、平成二十年に同部会が設置されてから約十年の間に、青少年育成施策大綱の策定、子ども・若者育成支援推進法の制定、消費者庁の発足、消費者教育の推進に関する法律の制定、学習指導要領の改訂と消費者教育の実施、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議の設置、さらに、今国会での消費者契約法の一部を改正する法律案の上程など様々な施策が講じられてきたところであり、これらを踏まえて、民法成年年齢を引き下げる立法措置を講ずるための環境が整えられたという御判断がなされたものと理解しております。
とはいえ、これらの課題につきまして、万全の対策を完了したというような概念とはなじみにくいものでありますから、今後とも、不十分な部分の克服や新たな課題の解決のために不断の改善を図られることを期待いたしております。
なお、養親年齢については、養子を取ることが他人の子を法律上自分の子として育てるという相当の責任を伴うものでありますから、民法の成年年齢を引き下げる場合でも、現状維持、すなわち二十歳とすべきであると考えております。
また、婚姻適齢につきましては、男女とも十八歳とすべきであるという平成八年の法制審議会の答申があり、これを変更すべき特段の事情もないことから、男女とも十八歳とするべきであると考えております。
以上で私からの意見を終わらせていただきます。
石
平
平澤慎一#5
○参考人(平澤慎一君) 平澤です。
本日は、このような場を設けていただきまして、ありがとうございます。感謝いたします。
では、私の意見を述べさせていただきます。
私は、民法の成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げる本法案について反対です。
私は、弁護士として、消費者被害救済事件を多く扱ってきました。引下げによって十八歳、十九歳の者が未成年者取消し権を失い、若年者の消費者被害が拡大することを特に懸念していますが、今国会の審議を見ても、残念ながら十分な議論が行われているように見えません。極めて重要な法案であるにもかかわらず、国民的議論も行われず、イメージ先行の議論の下で成立に向かっていくことに大きな危機感を覚えます。
以下では、一、そもそも成年年齢を十八歳に引き下げなければならない立法事実はない、二、引下げに伴って予想される若年者の消費者被害の予防、救済策が全く不十分である、三、国民的議論がなされていないという三点に絞って意見を述べさせていただきます。
第一に、百四十年間も続き、社会的に定着している成年年齢二十歳を、なぜ今十八歳に引き下げる必要があるのかという積極的な理由、すなわち立法事実が見出せません。
二〇〇九年の成年年齢引下げについての法制審議会は、引下げの意義について、十八歳をもって大人として扱うことは、若年者が将来の国づくりの中心であるという国としての強い決意を示すことになるとしています。今国会において、上川法務大臣も、十八歳、十九歳の若年者の社会参加の時期を早め、社会の様々な分野において積極的な役割を果たしてもらうことは、少子高齢化が急速に進む我が国の社会に大きな活力をもたらすものであると答弁されています。そして、引下げは、新たに成年になる若年者の自己決定権を尊重し、参政権に加えて経済取引の面でも一人前の大人として扱うことでこれらの者の社会参加を促すということが述べられています。
しかし、若年者の社会参加が活力ある社会をもたらすとしても、そのために民法の成年年齢も引き下げるべきというのは論理の飛躍です。
民法の成年年齢は、日本社会における大人を何歳とするかということに大きな影響を与えるものですけれども、法律的には、未成年者取消し権を使える年齢、親権の対象となる年齢を決めるという二つの点に大きな意味があります。十八歳から積極的に社会参加できる国にすることと直接的な結び付きはありません。若年者の社会参加という意味では、既に実現されている国民投票権や選挙権の付与が重要なのであって、民法の成年年齢引下げについてはその法的意味を踏まえた上での慎重な議論がなされるべきだと思います。
また、十八歳、十九歳の自己決定権が尊重されるという理由も、日本の現状からすると大きな違和感があります。
個人の自己決定権は、年齢や属性にかかわらず極めて重要で、最大限尊重されなければなりません。しかし、一人前に成熟する一定の年齢までは自己決定権とその者の保護とのバランスが必要です。現行法はその線引きを二十歳としているわけですが、十八歳、十九歳の若年者が未成年者取消し権や親権による制約によって自己決定権を行使できず、大きな問題や不都合が生じているということは聞きません。逆に、日本では、二十歳を過ぎても経済的、社会的に独立していない若年者が多く見られるのであって、あえて成年年齢を引き下げる必要が見出せないのです。
第二に、若年者の消費者被害の予防、救済策が全く不十分であることを指摘します。
成年年齢を引き下げるべき積極的な理由が見出せない一方で、引下げによる多くの具体的な問題点が指摘されています。特に、若年者の消費者被害拡大のおそれが懸念されますが、それに対応する施策は全く不十分です。
私は、弁護士として、今まで消費者被害救済事件を多く扱い、また、国民生活センターのADRの仲介委員や消費生活相談員の方の事例相談などを通じて生の消費者被害事件に接してきました。
消費者トラブルの態様は多種多様で、被害者も高齢者、若年者だけでなく、会社員や公務員、主婦の方など様々です。消費者トラブルは複雑多様化、巧妙化していますが、その背景にあるのは事業者と消費者との情報量や交渉力の格差です。消費者は、ちょっとした心の緩みや気分などからうまい話に乗ってしまい、あるいはうまく断れず被害に遭ってしまいます。その被害救済や予防は極めて重要で、多くの消費者被害に対応する法律、例えば消費者契約法や特定商取引法などが整備されてきました。
その中でも、民法の未成年者取消し権が未成年者の消費者被害の予防と救済に絶大な効果を発揮しているということを実感します。
若年者の消費者被害は、社会経験や知識の乏しさ、判断力、交渉力が乏しいことなどを原因としており、特徴的なものとして、マルチ商法、キャッチセールス、エステ、インターネット取引などによる被害があります。また、若年者は友人関係や上下関係などの人間関係の影響を受けやすく、被害が拡大する傾向があります。被害に遭ったときの問題対応能力も乏しく、問題を抱え込んでしまい解決ができず、被害を拡大させてしまうことも見られます。被害は経済的な損失にとどまらず、精神面に大きな傷を残すこともしばしばです。これらの若者に特徴的な消費者被害については、国民生活センターの資料を今般御配付していますので、是非御参照ください。
このような被害について未成年者取消し権は絶大な効果を発揮します。未成年だったことさえ証明できれば、説明が違ったとか強引な勧誘だったとか証明しなくても契約を取り消せるからです。また、後で簡単に取り消されるリスクがあるため、事業者はそもそも未成年者を勧誘しません。このことは、既に衆議院の議論の中で鉄壁の防波堤などとして再三述べられているところです。
十八歳を成年とすれば、高校三年生の間に成年になります。また、高校卒業という進学、就職、転居という人生の大きな節目で必ず成年ということになります。このような、多感で社会と接触する機会が格段に増える時期に未成年者取消し権を十八歳、十九歳の者が失うのであれば、それに見合う効果を持った制度が必要不可欠です。二〇〇九年の法制審議会意見も、十八歳引下げを適当としながら、その条件として、消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要であると明記していました。ところが、本法案の成立に当たって、そのような施策が全く盛られていません。
法務大臣は、今国会に提出されている消費者契約法改正法案について、若年者を中心に発生する消費者被害事例を念頭に置いた取消し権の創設等を内容とするものと位置付け、成年年齢引下げに伴う消費者被害拡大のおそれを解決するための施策が実現していると繰り返し答弁されています。しかし、この答弁には無理があります。
今国会で審議されている消費者契約法改正法案に盛り込まれた取消し権は、消費者が抱いている不安や勧誘者に対して恋愛感情を抱いていることに付け込んだ勧誘を理由とするものです。その趣旨は、不当な勧誘により消費者が合理的な判断ができなくなったことを理由に取消しを認めようとするものであって、若年者の特性に着目したものではありません。内閣府消費者委員会の消費者契約法専門調査会の報告書でもそのように整理されています。それが、今国会の法案提出の段階で社会生活上の経験が乏しいことからという要件が付され、特に若年者の特性に配慮したような文言になってしまったものです。
不安を抱かせるような就職セミナー被害やデート商法による被害を受ける若年者はいるかもしれませんが、そのような悪質商法被害からの救済の必要性は若年者に限られません。この消費者契約法改正法案は、直接若年者の消費者被害を念頭に置いて創設されたものではないのです。そして、これらは消費者被害のごく一部の類型についてのものでしかありません。
法制審議会の言う消費者被害の拡大のおそれを解決する施策というのは、そのような特定の商法に着目した被害救済を行うような小さな施策ではありません。もっと広く、若年者の知識、経験、判断力不足から生じる消費者被害の救済や予防を実現する施策だったはずです。そして、それはさきに述べた若年者の消費者被害の実情に対応した施策であり、消費者契約法に関して言えば、広く、判断力、知識、経験等の不足に付け込んで締結させた消費者契約についての取消し権創設ということです。このような取消し権創設すら実現していない状況での成年年齢引下げは、法制審議会が指摘する条件を無視するものです。
また、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策として、消費者教育の充実も極めて重要です。この点、法務大臣は、二〇〇八年の現行学習指導要領によって充実した消費者教育が展開され、国民に浸透しており、引下げの環境整備が既に整っていると答弁されています。しかし、これも実態と離れたものです。二〇〇八年当時は、成年年齢引下げの議論も具体化しておらず、引下げを前提に学習指導要領が改訂されたり、その後、引下げを見据えて消費者教育が全面的に展開されたという実態はありませんでした。
消費者教育は、生の社会で生じる消費者問題への考え方や具体的な対応を扱うものであり、教科書を使った従来型授業では限界があります。その限界を超えて実践的な消費者教育が行われ、その効果が国民生活上に現れるには長い時間を要するのでして、今までそのような消費者教育は行われていないのです。
政府は、消費者教育について、今年二月に決まった関係四省庁による三年間集中のアクションプログラムを施策の実現として強調します。しかし、これは逆に言えば、今年二月の時点で実現されていなかったことを示すもので、これによりどれだけ効果が上がるのかは全く未知数です。本来、その効果を丁寧に検証し、その後に成年年齢の引下げを行うというのが法制審議会の意見なのでして、順番が違うと言わざるを得ません。
第三に、国民的議論が行われていないことが挙げられます。
百四十年間も続いて特段不都合が生じておらず、国民の生活に深く根付いている成年年齢二十歳を十八歳に引き下げるのであれば、国民的な議論の盛り上がりが必要です。ところが、議論の盛り上がりどころか、多くの国民は成年年齢が引き下げられようとしていること自体を知りません。また、引下げによってどのようなことが生じるかについての正しい知識も持っていません。そして、世論調査でも反対意見が多くを占める結果となっています。
この点、成年年齢引下げは国民投票法制定時の政治判断であり、弊害についてはそれまでに論じるべきで、本法律案の審議で議論することは時期遅れだとする賛成意見が衆議院本会議で述べられました。しかし、これは耳を疑う暴論です。国民主権の我が国において、国民の意見を無視し、あるいは国民の意識に浸透しないまま国民生活に密着した重要な制度変更がなされるなどということはあり得ません。だからこそ、法制審議会意見は、引下げを国としての強い決意としながらも、国民の意識に現れることを重視しているのです。本法案については、成立前に国民的議論がなされることが絶対に必要だと考えます。
最後に、今、我が国の二十歳以上の人は、婚姻によって成年擬制となった人を除けば、全員二十歳まで未成年者取消し権や親権による保護を受けていました。その我々成年者が、将来の若者に対して、十八歳から社会に出て活躍してほしいので、保護を外すけど頑張ってくれというのであれば、自分たちが受けてきた保護に匹敵する別の手当てを将来の若者に与えなければ、余りにも自分勝手で無責任だと思います。
若年者が社会に参加し、柔軟な視点で日本社会を変革してくれることを期待するならば、若年者が安心、安全に暮らせる社会的基盤を保証することが必要不可欠です。未熟な若者に重い責任を与えて自覚をさせるのではなく、社会全体で若者を育てながら社会に参加させる制度が必要なのではないでしょうか。そして、それは国民的議論の下で、社会的意思として構築されるべきものです。そのような国民的議論もなく、十分な施策もなく、今拙速に成年年齢を十八歳に引き下げることに反対です。
御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、このような場を設けていただきまして、ありがとうございます。感謝いたします。
では、私の意見を述べさせていただきます。
私は、民法の成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げる本法案について反対です。
私は、弁護士として、消費者被害救済事件を多く扱ってきました。引下げによって十八歳、十九歳の者が未成年者取消し権を失い、若年者の消費者被害が拡大することを特に懸念していますが、今国会の審議を見ても、残念ながら十分な議論が行われているように見えません。極めて重要な法案であるにもかかわらず、国民的議論も行われず、イメージ先行の議論の下で成立に向かっていくことに大きな危機感を覚えます。
以下では、一、そもそも成年年齢を十八歳に引き下げなければならない立法事実はない、二、引下げに伴って予想される若年者の消費者被害の予防、救済策が全く不十分である、三、国民的議論がなされていないという三点に絞って意見を述べさせていただきます。
第一に、百四十年間も続き、社会的に定着している成年年齢二十歳を、なぜ今十八歳に引き下げる必要があるのかという積極的な理由、すなわち立法事実が見出せません。
二〇〇九年の成年年齢引下げについての法制審議会は、引下げの意義について、十八歳をもって大人として扱うことは、若年者が将来の国づくりの中心であるという国としての強い決意を示すことになるとしています。今国会において、上川法務大臣も、十八歳、十九歳の若年者の社会参加の時期を早め、社会の様々な分野において積極的な役割を果たしてもらうことは、少子高齢化が急速に進む我が国の社会に大きな活力をもたらすものであると答弁されています。そして、引下げは、新たに成年になる若年者の自己決定権を尊重し、参政権に加えて経済取引の面でも一人前の大人として扱うことでこれらの者の社会参加を促すということが述べられています。
しかし、若年者の社会参加が活力ある社会をもたらすとしても、そのために民法の成年年齢も引き下げるべきというのは論理の飛躍です。
民法の成年年齢は、日本社会における大人を何歳とするかということに大きな影響を与えるものですけれども、法律的には、未成年者取消し権を使える年齢、親権の対象となる年齢を決めるという二つの点に大きな意味があります。十八歳から積極的に社会参加できる国にすることと直接的な結び付きはありません。若年者の社会参加という意味では、既に実現されている国民投票権や選挙権の付与が重要なのであって、民法の成年年齢引下げについてはその法的意味を踏まえた上での慎重な議論がなされるべきだと思います。
また、十八歳、十九歳の自己決定権が尊重されるという理由も、日本の現状からすると大きな違和感があります。
個人の自己決定権は、年齢や属性にかかわらず極めて重要で、最大限尊重されなければなりません。しかし、一人前に成熟する一定の年齢までは自己決定権とその者の保護とのバランスが必要です。現行法はその線引きを二十歳としているわけですが、十八歳、十九歳の若年者が未成年者取消し権や親権による制約によって自己決定権を行使できず、大きな問題や不都合が生じているということは聞きません。逆に、日本では、二十歳を過ぎても経済的、社会的に独立していない若年者が多く見られるのであって、あえて成年年齢を引き下げる必要が見出せないのです。
第二に、若年者の消費者被害の予防、救済策が全く不十分であることを指摘します。
成年年齢を引き下げるべき積極的な理由が見出せない一方で、引下げによる多くの具体的な問題点が指摘されています。特に、若年者の消費者被害拡大のおそれが懸念されますが、それに対応する施策は全く不十分です。
私は、弁護士として、今まで消費者被害救済事件を多く扱い、また、国民生活センターのADRの仲介委員や消費生活相談員の方の事例相談などを通じて生の消費者被害事件に接してきました。
消費者トラブルの態様は多種多様で、被害者も高齢者、若年者だけでなく、会社員や公務員、主婦の方など様々です。消費者トラブルは複雑多様化、巧妙化していますが、その背景にあるのは事業者と消費者との情報量や交渉力の格差です。消費者は、ちょっとした心の緩みや気分などからうまい話に乗ってしまい、あるいはうまく断れず被害に遭ってしまいます。その被害救済や予防は極めて重要で、多くの消費者被害に対応する法律、例えば消費者契約法や特定商取引法などが整備されてきました。
その中でも、民法の未成年者取消し権が未成年者の消費者被害の予防と救済に絶大な効果を発揮しているということを実感します。
若年者の消費者被害は、社会経験や知識の乏しさ、判断力、交渉力が乏しいことなどを原因としており、特徴的なものとして、マルチ商法、キャッチセールス、エステ、インターネット取引などによる被害があります。また、若年者は友人関係や上下関係などの人間関係の影響を受けやすく、被害が拡大する傾向があります。被害に遭ったときの問題対応能力も乏しく、問題を抱え込んでしまい解決ができず、被害を拡大させてしまうことも見られます。被害は経済的な損失にとどまらず、精神面に大きな傷を残すこともしばしばです。これらの若者に特徴的な消費者被害については、国民生活センターの資料を今般御配付していますので、是非御参照ください。
このような被害について未成年者取消し権は絶大な効果を発揮します。未成年だったことさえ証明できれば、説明が違ったとか強引な勧誘だったとか証明しなくても契約を取り消せるからです。また、後で簡単に取り消されるリスクがあるため、事業者はそもそも未成年者を勧誘しません。このことは、既に衆議院の議論の中で鉄壁の防波堤などとして再三述べられているところです。
十八歳を成年とすれば、高校三年生の間に成年になります。また、高校卒業という進学、就職、転居という人生の大きな節目で必ず成年ということになります。このような、多感で社会と接触する機会が格段に増える時期に未成年者取消し権を十八歳、十九歳の者が失うのであれば、それに見合う効果を持った制度が必要不可欠です。二〇〇九年の法制審議会意見も、十八歳引下げを適当としながら、その条件として、消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要であると明記していました。ところが、本法案の成立に当たって、そのような施策が全く盛られていません。
法務大臣は、今国会に提出されている消費者契約法改正法案について、若年者を中心に発生する消費者被害事例を念頭に置いた取消し権の創設等を内容とするものと位置付け、成年年齢引下げに伴う消費者被害拡大のおそれを解決するための施策が実現していると繰り返し答弁されています。しかし、この答弁には無理があります。
今国会で審議されている消費者契約法改正法案に盛り込まれた取消し権は、消費者が抱いている不安や勧誘者に対して恋愛感情を抱いていることに付け込んだ勧誘を理由とするものです。その趣旨は、不当な勧誘により消費者が合理的な判断ができなくなったことを理由に取消しを認めようとするものであって、若年者の特性に着目したものではありません。内閣府消費者委員会の消費者契約法専門調査会の報告書でもそのように整理されています。それが、今国会の法案提出の段階で社会生活上の経験が乏しいことからという要件が付され、特に若年者の特性に配慮したような文言になってしまったものです。
不安を抱かせるような就職セミナー被害やデート商法による被害を受ける若年者はいるかもしれませんが、そのような悪質商法被害からの救済の必要性は若年者に限られません。この消費者契約法改正法案は、直接若年者の消費者被害を念頭に置いて創設されたものではないのです。そして、これらは消費者被害のごく一部の類型についてのものでしかありません。
法制審議会の言う消費者被害の拡大のおそれを解決する施策というのは、そのような特定の商法に着目した被害救済を行うような小さな施策ではありません。もっと広く、若年者の知識、経験、判断力不足から生じる消費者被害の救済や予防を実現する施策だったはずです。そして、それはさきに述べた若年者の消費者被害の実情に対応した施策であり、消費者契約法に関して言えば、広く、判断力、知識、経験等の不足に付け込んで締結させた消費者契約についての取消し権創設ということです。このような取消し権創設すら実現していない状況での成年年齢引下げは、法制審議会が指摘する条件を無視するものです。
また、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策として、消費者教育の充実も極めて重要です。この点、法務大臣は、二〇〇八年の現行学習指導要領によって充実した消費者教育が展開され、国民に浸透しており、引下げの環境整備が既に整っていると答弁されています。しかし、これも実態と離れたものです。二〇〇八年当時は、成年年齢引下げの議論も具体化しておらず、引下げを前提に学習指導要領が改訂されたり、その後、引下げを見据えて消費者教育が全面的に展開されたという実態はありませんでした。
消費者教育は、生の社会で生じる消費者問題への考え方や具体的な対応を扱うものであり、教科書を使った従来型授業では限界があります。その限界を超えて実践的な消費者教育が行われ、その効果が国民生活上に現れるには長い時間を要するのでして、今までそのような消費者教育は行われていないのです。
政府は、消費者教育について、今年二月に決まった関係四省庁による三年間集中のアクションプログラムを施策の実現として強調します。しかし、これは逆に言えば、今年二月の時点で実現されていなかったことを示すもので、これによりどれだけ効果が上がるのかは全く未知数です。本来、その効果を丁寧に検証し、その後に成年年齢の引下げを行うというのが法制審議会の意見なのでして、順番が違うと言わざるを得ません。
第三に、国民的議論が行われていないことが挙げられます。
百四十年間も続いて特段不都合が生じておらず、国民の生活に深く根付いている成年年齢二十歳を十八歳に引き下げるのであれば、国民的な議論の盛り上がりが必要です。ところが、議論の盛り上がりどころか、多くの国民は成年年齢が引き下げられようとしていること自体を知りません。また、引下げによってどのようなことが生じるかについての正しい知識も持っていません。そして、世論調査でも反対意見が多くを占める結果となっています。
この点、成年年齢引下げは国民投票法制定時の政治判断であり、弊害についてはそれまでに論じるべきで、本法律案の審議で議論することは時期遅れだとする賛成意見が衆議院本会議で述べられました。しかし、これは耳を疑う暴論です。国民主権の我が国において、国民の意見を無視し、あるいは国民の意識に浸透しないまま国民生活に密着した重要な制度変更がなされるなどということはあり得ません。だからこそ、法制審議会意見は、引下げを国としての強い決意としながらも、国民の意識に現れることを重視しているのです。本法案については、成立前に国民的議論がなされることが絶対に必要だと考えます。
最後に、今、我が国の二十歳以上の人は、婚姻によって成年擬制となった人を除けば、全員二十歳まで未成年者取消し権や親権による保護を受けていました。その我々成年者が、将来の若者に対して、十八歳から社会に出て活躍してほしいので、保護を外すけど頑張ってくれというのであれば、自分たちが受けてきた保護に匹敵する別の手当てを将来の若者に与えなければ、余りにも自分勝手で無責任だと思います。
若年者が社会に参加し、柔軟な視点で日本社会を変革してくれることを期待するならば、若年者が安心、安全に暮らせる社会的基盤を保証することが必要不可欠です。未熟な若者に重い責任を与えて自覚をさせるのではなく、社会全体で若者を育てながら社会に参加させる制度が必要なのではないでしょうか。そして、それは国民的議論の下で、社会的意思として構築されるべきものです。そのような国民的議論もなく、十分な施策もなく、今拙速に成年年齢を十八歳に引き下げることに反対です。
御清聴ありがとうございました。
石
窪
窪田久美子#7
○参考人(窪田久美子君) おはようございます。
公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、通称NACSの窪田と申します。今日は、このような場で発表する機会をいただき、誠にありがとうございます。
私どもは、消費生活に関する有資格者で構成された会員約三千名の団体です。会員の多くは、ふだんは企業のお客様相談室やCSR部門、消費生活センターの相談員など別の仕事を持っており、平日の夜や休日の空いた時間で活動をしております。
NACSの活動は三本柱です。消費者教育、消費者トラブルの解決、消費者と行政、企業、消費者団体等との連携を通じて、健全で持続可能な消費生活の確立を目指しております。
私は消費者教育委員長ですので、今日は、消費者教育に特化してお話をさせていただきます。
NACSの消費者教育委員会では、民法の成年年齢引下げの議論が本格化した平成二十八年度から、成年になる前に必要な消費者教育とは何かの研究を始めました。そして、この「思わず伝えたくなる「消費者市民社会」の話 「買う・支払う・使う・捨てる」の4ステップで育てる消費者市民の芽」という教材を作成しました。
お手元の資料の別紙一に、買う、つまりこの契約の基本のテキスト、こちらですね、それからあと、これめくっていただきまして、途中から指導書の数ページ、そして一番最後のページにこのテキストを使って行うワークシートと授業案、授業展開例ですね、こちらを抜粋して掲載してありますので、御覧ください。
この教材を作成する際に、私どもでは、高校の家庭科と公民科の先生にお願いをして、十数回にわたり授業をさせていただきました。私がこの二年間の活動で痛感したのは、高校では、今回の法改正によってどのようなリスクがあるのか、一部の熱心な先生方を除いてほぼ全くと言っていいほど理解されていない、認識されていないということです。
今までの活動を通して私が先生方から伺った言葉でよく聞いたのは、民法の成年年齢が引き下げられると何が問題なんですか、民法の成年年齢引下げってお酒とたばこの話かと思っていました、そして家庭科の先生に授業をさせてほしいというふうにお願いをしますと、民法は公民科の先生の分野ですから、そして今度公民科の先生に御挨拶に行けば、○○教育は主権者教育で十分かと思っていたとか、うちの学校では消費者教育は家庭科の先生に任せているからなどとおっしゃいます。
この先生方の御事情というのは私もよく分かります。先生というのは物すごくお忙しいですし、そもそも授業時間に余裕がないのです。
どういうことかといいますと、まず、御承知のとおり、消費者教育というのは家庭科の授業がメーンになっています。この家庭科の授業は、全国の高校のうち約七割は高校一年生のうちの一年間だけ授業をしています。学習指導要領には、この授業のうち五分の三は調理実習などの実技を行うということが決められていますので、結局その残された時間で衣、食、住、消費生活の勉強をしています。つまり、やらなければいけない項目がとっても多いのです。ですから、私たちが講座をさせてほしいとお願いに行っても、消費生活だけにたくさんの時間は使えないということになるわけです。これは公民科の先生にもお聞きいたしましたが、事情は全く一緒で、やらなければいけないことはとても多く、民法に充てられる時間は年間で一時間のみと、せめてあと一時間授業が増やせればということをおっしゃっていました。
このような状況の中でも、私たちから未成年者取消し権を喪失することの影響について説明をしますと、最初の資料の真ん中のところに受講した高校の教員の感想よりというふうに書かせていただきましたが、先生は、うちの生徒たち、大丈夫かしらと、まるで我が子のように大変心配されるのです。そうはいっても、先生は生徒にどうやって伝えればよいか、専門知識がないから難しい、分からないともおっしゃいます。
この家庭科の先生が、専門知識がないから自信がないとか、それから民法は公民科の先生の領域という気持ち、私もよく分かります。家庭科の先生というのは、そもそも食や衣服、被服ですね、そちらの大学を卒業して家庭科の免許を取得します。大体が理系の出身で、法律の勉強はしていません。ですから、民法の基本的な考えである、たとえ相手がどんなに大企業であっても人と人とは対等、だから、長時間粘り強く交渉されたとしても、一度成立した契約はどちらか一方の都合では取り消せない、それほど契約には強い拘束力がある、逆に言うと、その民法で規定されている未成年者取消し権はトランプで言うとジョーカーのように非常に強い権利を持っているということもほとんど理解している先生はいらっしゃらないと思います。
先生のお話を伺いますと、民法の基本的な考え方は公民科、特別法である消費者契約法やクーリングオフは家庭科で学習することになっているようです。学校内でこの二教科が連携して授業を行っていれば生徒たちも理解ができるのだと思いますけれども、まあ大体は連携はしておりません。違う時期にそれぞれ単独で学習、授業をしますと、家庭科の場合ですとクーリングオフばかりがクローズアップされる傾向があります。そうすると、未成年者取消し権がなくなると何が問題、クーリングオフがあるからいいんじゃないというような感覚になりがちです。
さて、私どもが授業に伺う際、高校は学校によって特色があるため、事前にその学校の生徒さんたちの様子や学習の理解度というのを確認させていただいております。今回の成年年齢引下げについては、経済的に何の問題もなく、親の経済的に何の問題もなく進学できるような環境にある生徒さんたちにとっては、今まで未成年者で一人で、単独で契約ができないということで困ったことはないし、法律が変わってもまあそんなに余り困らないというふうに思っているようです。これに対して、うちの生徒、大丈夫かしらと先ほどお話ししました先生方が心配する生徒さんというのは、経済的に進学を諦めざるを得ない状況にあることが多いのです。
こういった学校の先生に、高校三年生に成人と成人でない生徒が入り交じり、高校でもマルチ商法がはやるかもしれないというお話をすると、大変先生方は心配されます。私の人生、これで変わるかもしれないと思い込んでマルチ商法を始めてしまう生徒さんがいるだろうとおっしゃっていました。ほとんどの大人は、簡単にもうかるなんという言葉は誰も信じません。しかし、この進学を諦めざるを得ないような経済状況、それもまだ十八歳という年齢の子にとっては、この簡単にもうかるという言葉は何か魔力を持ったような言葉に聞こえるようです。
今回この法律が改正されますと、経済的には自立していない十八歳、十九歳の子が親の承諾なく一人で契約し、さらに借金もできてしまうのです。これは、悪質業者にしてみたら、今まで鉄壁の防波堤と思っていたこの未成年者取消し権がなくなることで、判断力が未熟な十八歳、十九歳の新たなおいしい市場ができるようなものではないでしょうか。もし高校でマルチ商法がはやったら、現場はどうしたらよいでしょうか。実際に、私は大学でマルチ商法がはやった学校で対応に右往左往しているという話をお聞きしました。これが高校でも起こる可能性があるということなんです。
消費者教育については、今年の二月に、若年者への消費者教育推進に関するアクションプログラムを四省庁合同で出されました。これは今までになかったとても画期的なことだと思います。アクションプログラムでは、今後三年間で、消費者庁が作成した「社会への扉」というテキストを全県、全学校に配付して授業をすることが数値目標となっていますが、高校の生徒の理解度、それから特色は様々です。私どもの消費者教育のメンバーがお世話になった先生に、どんなにいい教材であっても自分たちの生徒に合っていなかったら意味がないというふうに言われたことがありますが、全くそのとおりだと思います。
テキストを配って消費者教育を一回やればこれは終わりというようなものは消費者教育ではないと思っております。そして、現場の学校の先生は大変お忙しく、このテキストの内容を勉強している時間というのもほとんどないと思います。このような中、誰がこの問題を子供たちに伝えるんでしょうか。
最後に、私は、この国会の参考人の機会をいただくと決まり、慌ててNACSや身近な友人に民法の成年年齢の引下げに関するマル・バツクイズ五問と、今回の引下げに関する感想を聞きましたので、これで御報告をして、終わりにしたいと思います。
一枚目の資料の一番後ろ側を御覧ください。お出しした問題は、この三番の成年年齢引下げに関するクイズ及びアンケート結果からというところの一番の問題です。仮に民法の成人年齢が二十歳から十八歳に引き下がるとしたら、次のうち何が十八歳でできるようになりますか、マルかバツかで答えてください。一番、十八歳で酒が飲めるようになる。二番、十八歳で十年間のパスポートが作れるようになる。三番、十八歳で性別転換の届けを出せるようになる。四番、十八歳で馬券が買えるようになる。五番、十八歳で親の承諾なくクレジットカードが作れるようになる。全問正解した正答率は全体の四三%です。内訳は、NACSの会員は元々興味があるものですから高く出がちなので、一般とNACSの会員と分けて書かせていただきましたが、一般の人は三二%、NACSの会員は五七%でした。
そして、別紙の二ですけれども、その次にまとめさせていただいたのが、この三番のところに書いてある成人年齢引下げに関して御意見がある方は是非お願いしますということで、書いていただいたコメントがこちらに寄せられています。三日間で百五十六人の回答がありましたけれども、これだけの意見が寄せられています。この中には、必要性を感じないとか、あと、なぜ今引き下げるのかとか、酒とたばこは年齢を引き下げないでほしいといったコメントが多く書かれています。
法制審議会の最終報告書では、成年年齢引下げの法整備は、若者の自立を促す施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題解決のための施策が実施すること、そして、その効果が十分に発揮されること、それが国民の意識と現れた段階で速やかに行うのが妥当となっていますが、このクイズの結果やコメントからも、社会的に認識されているとはとても思えません。
このように、教員も保護者も社会的にも認識していない人が多い中、成年年齢の引下げを進めることは、特に学校現場で混乱が起きるのではないかと大変危惧いたします。
以上、NACSの報告を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
この発言だけを見る →公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、通称NACSの窪田と申します。今日は、このような場で発表する機会をいただき、誠にありがとうございます。
私どもは、消費生活に関する有資格者で構成された会員約三千名の団体です。会員の多くは、ふだんは企業のお客様相談室やCSR部門、消費生活センターの相談員など別の仕事を持っており、平日の夜や休日の空いた時間で活動をしております。
NACSの活動は三本柱です。消費者教育、消費者トラブルの解決、消費者と行政、企業、消費者団体等との連携を通じて、健全で持続可能な消費生活の確立を目指しております。
私は消費者教育委員長ですので、今日は、消費者教育に特化してお話をさせていただきます。
NACSの消費者教育委員会では、民法の成年年齢引下げの議論が本格化した平成二十八年度から、成年になる前に必要な消費者教育とは何かの研究を始めました。そして、この「思わず伝えたくなる「消費者市民社会」の話 「買う・支払う・使う・捨てる」の4ステップで育てる消費者市民の芽」という教材を作成しました。
お手元の資料の別紙一に、買う、つまりこの契約の基本のテキスト、こちらですね、それからあと、これめくっていただきまして、途中から指導書の数ページ、そして一番最後のページにこのテキストを使って行うワークシートと授業案、授業展開例ですね、こちらを抜粋して掲載してありますので、御覧ください。
この教材を作成する際に、私どもでは、高校の家庭科と公民科の先生にお願いをして、十数回にわたり授業をさせていただきました。私がこの二年間の活動で痛感したのは、高校では、今回の法改正によってどのようなリスクがあるのか、一部の熱心な先生方を除いてほぼ全くと言っていいほど理解されていない、認識されていないということです。
今までの活動を通して私が先生方から伺った言葉でよく聞いたのは、民法の成年年齢が引き下げられると何が問題なんですか、民法の成年年齢引下げってお酒とたばこの話かと思っていました、そして家庭科の先生に授業をさせてほしいというふうにお願いをしますと、民法は公民科の先生の分野ですから、そして今度公民科の先生に御挨拶に行けば、○○教育は主権者教育で十分かと思っていたとか、うちの学校では消費者教育は家庭科の先生に任せているからなどとおっしゃいます。
この先生方の御事情というのは私もよく分かります。先生というのは物すごくお忙しいですし、そもそも授業時間に余裕がないのです。
どういうことかといいますと、まず、御承知のとおり、消費者教育というのは家庭科の授業がメーンになっています。この家庭科の授業は、全国の高校のうち約七割は高校一年生のうちの一年間だけ授業をしています。学習指導要領には、この授業のうち五分の三は調理実習などの実技を行うということが決められていますので、結局その残された時間で衣、食、住、消費生活の勉強をしています。つまり、やらなければいけない項目がとっても多いのです。ですから、私たちが講座をさせてほしいとお願いに行っても、消費生活だけにたくさんの時間は使えないということになるわけです。これは公民科の先生にもお聞きいたしましたが、事情は全く一緒で、やらなければいけないことはとても多く、民法に充てられる時間は年間で一時間のみと、せめてあと一時間授業が増やせればということをおっしゃっていました。
このような状況の中でも、私たちから未成年者取消し権を喪失することの影響について説明をしますと、最初の資料の真ん中のところに受講した高校の教員の感想よりというふうに書かせていただきましたが、先生は、うちの生徒たち、大丈夫かしらと、まるで我が子のように大変心配されるのです。そうはいっても、先生は生徒にどうやって伝えればよいか、専門知識がないから難しい、分からないともおっしゃいます。
この家庭科の先生が、専門知識がないから自信がないとか、それから民法は公民科の先生の領域という気持ち、私もよく分かります。家庭科の先生というのは、そもそも食や衣服、被服ですね、そちらの大学を卒業して家庭科の免許を取得します。大体が理系の出身で、法律の勉強はしていません。ですから、民法の基本的な考えである、たとえ相手がどんなに大企業であっても人と人とは対等、だから、長時間粘り強く交渉されたとしても、一度成立した契約はどちらか一方の都合では取り消せない、それほど契約には強い拘束力がある、逆に言うと、その民法で規定されている未成年者取消し権はトランプで言うとジョーカーのように非常に強い権利を持っているということもほとんど理解している先生はいらっしゃらないと思います。
先生のお話を伺いますと、民法の基本的な考え方は公民科、特別法である消費者契約法やクーリングオフは家庭科で学習することになっているようです。学校内でこの二教科が連携して授業を行っていれば生徒たちも理解ができるのだと思いますけれども、まあ大体は連携はしておりません。違う時期にそれぞれ単独で学習、授業をしますと、家庭科の場合ですとクーリングオフばかりがクローズアップされる傾向があります。そうすると、未成年者取消し権がなくなると何が問題、クーリングオフがあるからいいんじゃないというような感覚になりがちです。
さて、私どもが授業に伺う際、高校は学校によって特色があるため、事前にその学校の生徒さんたちの様子や学習の理解度というのを確認させていただいております。今回の成年年齢引下げについては、経済的に何の問題もなく、親の経済的に何の問題もなく進学できるような環境にある生徒さんたちにとっては、今まで未成年者で一人で、単独で契約ができないということで困ったことはないし、法律が変わってもまあそんなに余り困らないというふうに思っているようです。これに対して、うちの生徒、大丈夫かしらと先ほどお話ししました先生方が心配する生徒さんというのは、経済的に進学を諦めざるを得ない状況にあることが多いのです。
こういった学校の先生に、高校三年生に成人と成人でない生徒が入り交じり、高校でもマルチ商法がはやるかもしれないというお話をすると、大変先生方は心配されます。私の人生、これで変わるかもしれないと思い込んでマルチ商法を始めてしまう生徒さんがいるだろうとおっしゃっていました。ほとんどの大人は、簡単にもうかるなんという言葉は誰も信じません。しかし、この進学を諦めざるを得ないような経済状況、それもまだ十八歳という年齢の子にとっては、この簡単にもうかるという言葉は何か魔力を持ったような言葉に聞こえるようです。
今回この法律が改正されますと、経済的には自立していない十八歳、十九歳の子が親の承諾なく一人で契約し、さらに借金もできてしまうのです。これは、悪質業者にしてみたら、今まで鉄壁の防波堤と思っていたこの未成年者取消し権がなくなることで、判断力が未熟な十八歳、十九歳の新たなおいしい市場ができるようなものではないでしょうか。もし高校でマルチ商法がはやったら、現場はどうしたらよいでしょうか。実際に、私は大学でマルチ商法がはやった学校で対応に右往左往しているという話をお聞きしました。これが高校でも起こる可能性があるということなんです。
消費者教育については、今年の二月に、若年者への消費者教育推進に関するアクションプログラムを四省庁合同で出されました。これは今までになかったとても画期的なことだと思います。アクションプログラムでは、今後三年間で、消費者庁が作成した「社会への扉」というテキストを全県、全学校に配付して授業をすることが数値目標となっていますが、高校の生徒の理解度、それから特色は様々です。私どもの消費者教育のメンバーがお世話になった先生に、どんなにいい教材であっても自分たちの生徒に合っていなかったら意味がないというふうに言われたことがありますが、全くそのとおりだと思います。
テキストを配って消費者教育を一回やればこれは終わりというようなものは消費者教育ではないと思っております。そして、現場の学校の先生は大変お忙しく、このテキストの内容を勉強している時間というのもほとんどないと思います。このような中、誰がこの問題を子供たちに伝えるんでしょうか。
最後に、私は、この国会の参考人の機会をいただくと決まり、慌ててNACSや身近な友人に民法の成年年齢の引下げに関するマル・バツクイズ五問と、今回の引下げに関する感想を聞きましたので、これで御報告をして、終わりにしたいと思います。
一枚目の資料の一番後ろ側を御覧ください。お出しした問題は、この三番の成年年齢引下げに関するクイズ及びアンケート結果からというところの一番の問題です。仮に民法の成人年齢が二十歳から十八歳に引き下がるとしたら、次のうち何が十八歳でできるようになりますか、マルかバツかで答えてください。一番、十八歳で酒が飲めるようになる。二番、十八歳で十年間のパスポートが作れるようになる。三番、十八歳で性別転換の届けを出せるようになる。四番、十八歳で馬券が買えるようになる。五番、十八歳で親の承諾なくクレジットカードが作れるようになる。全問正解した正答率は全体の四三%です。内訳は、NACSの会員は元々興味があるものですから高く出がちなので、一般とNACSの会員と分けて書かせていただきましたが、一般の人は三二%、NACSの会員は五七%でした。
そして、別紙の二ですけれども、その次にまとめさせていただいたのが、この三番のところに書いてある成人年齢引下げに関して御意見がある方は是非お願いしますということで、書いていただいたコメントがこちらに寄せられています。三日間で百五十六人の回答がありましたけれども、これだけの意見が寄せられています。この中には、必要性を感じないとか、あと、なぜ今引き下げるのかとか、酒とたばこは年齢を引き下げないでほしいといったコメントが多く書かれています。
法制審議会の最終報告書では、成年年齢引下げの法整備は、若者の自立を促す施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題解決のための施策が実施すること、そして、その効果が十分に発揮されること、それが国民の意識と現れた段階で速やかに行うのが妥当となっていますが、このクイズの結果やコメントからも、社会的に認識されているとはとても思えません。
このように、教員も保護者も社会的にも認識していない人が多い中、成年年齢の引下げを進めることは、特に学校現場で混乱が起きるのではないかと大変危惧いたします。
以上、NACSの報告を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
石
河
河上正二#9
○参考人(河上正二君) 青山学院大学の河上と申します。
こうした機会を与えていただいたことについてはお礼を申し上げたいと思います。
実は、私自身は、内閣府の消費者委員会で成年年齢引下げに対する対応のワーキング・グループというのをつくって、そこで報告書を取りまとめたり、その後の答申の発出に関与していたということもありまして、この問題に対しては非常に強い関心を抱いておりました。反対論、賛成論かと言われると、慎重論ですというところになろうかと思います。
あらかじめ意見書をお配りさせていただきましたので、少し省略しながらお話をさせていただきたいと思います。
最初の方は今回の法案が出るまでの経緯等について書いた部分ですが、これは既に御承知のとおりと思われますので省略いたしますけれども、一言だけ申し上げるとすれば、今回の改正への直接の契機が選挙権年齢の十八歳への引下げにあったということは私も承知しているところですけれども、先ほどももう既に指摘がありましたけれども、私法上の成年とそれから公法上の成年というのは、必ずしも一致させる必然性はないということであります。個々の法律ごとに、その立法目的、立法趣旨に照らして成年の年齢設定を異にすることが合理的であることは少なくないわけであります。
民法の第四条の成年という、二十歳以上という数字、これは明治三十一年の民法施行以来のものでございますけれども、御承知かと思いますけれども、太政官布告の中で、強壮のときにあたる年齢、あたるというのは丁という字を書きますけれども、この丁の年と書いてあったこの言葉を成年というふうに置き換えたんだというふうに言われています。
日本では、社会的に一人前であるというふうに考えられる労働能力とかあるいは戦闘能力ですね、これは伝統的にはもう少し若くて、おおむね十三歳から十五歳前後でいわゆる元服式とか成年式を迎えていたとされていたわけですけれども、成年年齢を二十歳と定めたこの太政官布告というのは、諸外国の例を参考に、諸外国では当時二十四歳から二十一歳ぐらいだったわけですが、その例を参考にして、日本でももう少し成熟した判断力を求めたというふうに考えられるところでございます。
先ほど鎌田先生からもお話ありましたけれども、諸外国ではもう十八歳が圧倒的に多くなっているということでしたけれども、諸外国で一九七〇年頃から二〇〇〇年ぐらいにかけて成年年齢の引下げが行われて、かなり多くの国で十八歳にされたということでございます。実は、この十八歳になったということの前提には、必ずしもそれだけではないのですけれども、徴兵制が絡んでいたということであります。つまり、戦闘能力があるということで、もう既に徴兵に掛かっている十八歳の子たちが、自分たちはこういうことがあるのになぜこの成年年齢が二十一歳であったり二十四歳であったりするんだというような意見があって、それにも応えたと。まあ一筋縄ではいきません、いろんな要素があったわけですが、そういう声に応えたものだということであります。
ただ、現在では、若者の身体あるいは精神年齢の成熟度、あるいは本人の意思の尊重と社会的責任への自覚を促すという声に応えたものだというふうに言われていることが多くて、昔はどちらかというと家の財産である家産を守るために親が財産管理をするというところに重点があったところが、今は親権者による財産管理よりも本人の意思決定を尊重するというところに裏打ちされて年齢が下がってきているというのが現状かと思います。
既にお話ありましたけれども、法制審議会が十分議論をした上で平成二十一年に取りまとめた答申では、十八歳に引き下げるのが適当であるということと、ただし書がございまして、現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の解決に資する施策が実現されることが必要であるというふうに書いておりまして、その時期に関しては国会の判断に委ねるということにしてあったわけであります。
その基になった最終報告書では、消費者保護の具体的施策として、例示ではありますけれども、若年者の特性に応じて事業者に重い説明義務を課すこと、若年者の社会経験の乏しさによる判断力不足に乗じた契約の取消し権を付与することなどを例として挙げていたとおりでございます。後に述べますように、この点は非常に重要な指摘であると考えています。
人の能力の成熟度を制度に反映させようとする試みは、これはもう古くローマの時代から存在いたします。ローマの時代、三十一歳でございました。いずれにしても、人間が社会的に見て一人前になったかどうかについて、古くは、どちらかといえば生殖能力、戦闘能力というものが問われたわけでありますが、現在では、身体的能力よりも精神的能力、つまり自分の独立した意思を形成する能力を重心に移して私法上の能力が問題とされているわけであります。
民法は、基本的に、能力をその人の一定の法的資格というふうに考えて、そのうちの精神的能力、判断能力に着目した制度をいろいろと用意しております。人は生まれながらにして権利義務の帰属点となり得る能力、すなわち権利能力が備わるわけですが、行為の法的効力を考える場合には、その背後にある意思活動に対する評価が加わりまして、成熟した意思能力あるいは事理弁識能力が必須であると。さらに、完全で単独で有効な法律上の行為をなすには、成熟した財産管理能力、判断能力としての行為能力が必要であるというふうにされて、これが民法の成人という概念と結び付けられているわけでございます。
この行為能力が制限されている未成年者の行為に対しては、原則として取消し権が付与されておりまして、これが未成年者取消し権と呼ばれるものでございます。他方、未成年者であっても、法定代理人の個別の同意があったり、あるいは包括的な同意を受けますと、行為能力者と同様に認められる場合があります。つまり、未成年者取消し権制度には、法定代理人の包括的同意によって、その時々の本人の成長段階に応じた能力制限の緩和措置があらかじめ組み込まれているというものでございます。婚姻による成年擬制で親権から解放されることとか、あるいは営業許可によって成年擬制が行われるといったようなこともこの観点から説明されることが可能であります。その意味では、現行の未成年者取消し権制度というのはかなりよくできた制度であるというふうに思われます。
未成年者取消し権が果たす機能というものには幾つかの側面がございます。第一は、その経験未熟な子供あるいは若者の財産を守るということでありまして、自らの軽率な判断の誤りを是正して致命的被害に陥ることを回避する、そういう機会を付与する財産保全機能というのがございます。第二は、親権者等の法定代理人による財産管理機能と、これによって未成年者の不適切な判断を是正する教育的機能でございます。また、幾つかの例外的措置を設けることで段階的に未成年者の独立的判断を支援し尊重する措置を組み込むことで社会取引安定との調整を図るという機能を未成年者取消し権制度全体が果たしていると、こういうふうに言えるかと思います。
ですから、基本は本人を保護するというところが未成年者取消し権の目的ではあるわけですけれども、結果として、未成年者取消し権があることによって本人の行為能力は制限される。相手はそんな取消し権がある相手とまともに取引をしようとはしないというようなことがあるのかもしれません。しかし、完全に有効な法律行為をなし得る能力を認めるということは、本人の意思を尊重するということと同時に、自ら一旦なされた意思決定について責任を取らせると、そしてその決定に拘束されることを意味します。それゆえ、若者に対する攻撃的で不当な勧誘行為があった場合、これに対して、これまでは未成年者取消し権が非常に大きな防波堤になっていたという事実は、これは間違いないことでございます。
もっとも、若年者の具体的成長過程は多様でありまして、二十歳という年齢で画一的に保護の要否や程度を考えるということは本来的には困難でありまして、その要保護状態については、実はむしろ一定の幅を持って検討されるべきだろうと思います。その結果、十八歳から二十二、三歳の幅を持った年齢に対する配慮による若年成人の保護と支援というものが必要だというのが実態に即しているように思われるわけでございます。
消費者委員会で消費者問題について扱っていたこともあって、消費者法の世界でこの若年者がどういうふうに位置付けられるかということを更に申しますと、消費者法の中では、成人を前提としても、やはり情報の質、量、交渉力の格差というものが非常に強く考慮される、取引に際しては、消費者の知識、経験、財産状況への配慮というものが基本法によっても要請されているところでございます。
これらは、精神的能力を考える上での前提となります認知能力、あるいは理解力、分析力、判断力と、そのための情報収集能力や意思貫徹能力というものが問われると同時に、自らの財産を管理する財産的能力、資力、その背後にあるいろんな力があるということに法が配慮していることを示しております。
従来、消費者政策の課題は、どちらかと申しますと、高齢消費者の財産被害あるいは身体的危険からの保護や見守りが重視されておりまして、消費者教育に関しても、高齢消費者を念頭に置いた消費者啓発というものに重心が置かれてまいりました。しかし、翻って考えてみますと、相対的に弱い立場にある傷つきやすい消費者というものには、高齢者のみならず、児童、少年、障害者、そして若年者層が存在するということでございます。
特に、成長期にある若年者は、知識、社会経験が乏しいためにトラブルに巻き込まれやすく、身体的にも成人のような体力がないために思わぬ事故に遭遇することがございます。取引とか社会のリスクに対する耐える力、耐性と申しますが、耐性の乏しさを始め、これらの点は、ちょうど高齢者問題とパラレルに考える、あるいは語ることが可能であります。その差は、衰退途上なのか成長途上なのかという差にすぎないと思われます。
意見書の六ページのところに、高齢者の場合とそれから若年者の場合で一覧表にして左右に書いてありますけれども、こういうふうに対応してそれぞれの弱さというものがございます。財産管理能力の弱さ、攻撃的な勧誘に対する耐性の乏しさということを考えますと、こうした者を守るということは、高齢者、若年成人に共通課題というふうに考えられるわけでございます。
これまでのところは、高齢者に比して若年者はまとまった財産を有しないことが多いために欺瞞的取引のターゲットになることは比較的小さくてあったわけですけれども、それに対して、やはりこれからこの若年者に対するいろんな措置が必要になると。
これについて、消費者教育が重要な課題になるということはいろんなところで論じられておりますけれども、ただ、この教育に関しては、やはり実際に育て上げていくためには少なくとも五年程度の猶予期間は必要だというのがワーキング・グループでのヒアリングの実感でございました。
それからもう一つ、制度的な手当てとしてですけれども、インターネット被害、あるいはマルチ取引被害、エステティックサービス被害、サイドビジネス商法など、若年者に特有の被害に対処するための特商法のような特別法上の手当てと、それから消費者契約法において、年齢に配慮しつつ、高齢者、子供、若年者を含めて判断力、知識、経験不足に付け込まれた脆弱な消費者一般を保護する形での受皿的な取消し権の付与、そして、こうした脆弱な消費者を念頭に置いた説明義務、情報提供義務の強化が必要であろうと考えております。
今般の消費者契約法改正では、実は必ずしも十分な対応をしていただいていないというふうに認識しております。十八、十九の若者から未成年者取消し権を失わせるに当たって、一定のセーフティーネットを張っておいてやるということは、これまで未成年者取消し権の恩恵を受けて生活をしてきた大人たちの若者に対する義務であろうとさえ私は思います。
その意味で、今後、そうした制度的な支援というものを是非考えていただいて初めて成年年齢の引下げということに向かっていただければと思います。
少し時間が超過してしまいました。どうもありがとうございます。
この発言だけを見る →こうした機会を与えていただいたことについてはお礼を申し上げたいと思います。
実は、私自身は、内閣府の消費者委員会で成年年齢引下げに対する対応のワーキング・グループというのをつくって、そこで報告書を取りまとめたり、その後の答申の発出に関与していたということもありまして、この問題に対しては非常に強い関心を抱いておりました。反対論、賛成論かと言われると、慎重論ですというところになろうかと思います。
あらかじめ意見書をお配りさせていただきましたので、少し省略しながらお話をさせていただきたいと思います。
最初の方は今回の法案が出るまでの経緯等について書いた部分ですが、これは既に御承知のとおりと思われますので省略いたしますけれども、一言だけ申し上げるとすれば、今回の改正への直接の契機が選挙権年齢の十八歳への引下げにあったということは私も承知しているところですけれども、先ほどももう既に指摘がありましたけれども、私法上の成年とそれから公法上の成年というのは、必ずしも一致させる必然性はないということであります。個々の法律ごとに、その立法目的、立法趣旨に照らして成年の年齢設定を異にすることが合理的であることは少なくないわけであります。
民法の第四条の成年という、二十歳以上という数字、これは明治三十一年の民法施行以来のものでございますけれども、御承知かと思いますけれども、太政官布告の中で、強壮のときにあたる年齢、あたるというのは丁という字を書きますけれども、この丁の年と書いてあったこの言葉を成年というふうに置き換えたんだというふうに言われています。
日本では、社会的に一人前であるというふうに考えられる労働能力とかあるいは戦闘能力ですね、これは伝統的にはもう少し若くて、おおむね十三歳から十五歳前後でいわゆる元服式とか成年式を迎えていたとされていたわけですけれども、成年年齢を二十歳と定めたこの太政官布告というのは、諸外国の例を参考に、諸外国では当時二十四歳から二十一歳ぐらいだったわけですが、その例を参考にして、日本でももう少し成熟した判断力を求めたというふうに考えられるところでございます。
先ほど鎌田先生からもお話ありましたけれども、諸外国ではもう十八歳が圧倒的に多くなっているということでしたけれども、諸外国で一九七〇年頃から二〇〇〇年ぐらいにかけて成年年齢の引下げが行われて、かなり多くの国で十八歳にされたということでございます。実は、この十八歳になったということの前提には、必ずしもそれだけではないのですけれども、徴兵制が絡んでいたということであります。つまり、戦闘能力があるということで、もう既に徴兵に掛かっている十八歳の子たちが、自分たちはこういうことがあるのになぜこの成年年齢が二十一歳であったり二十四歳であったりするんだというような意見があって、それにも応えたと。まあ一筋縄ではいきません、いろんな要素があったわけですが、そういう声に応えたものだということであります。
ただ、現在では、若者の身体あるいは精神年齢の成熟度、あるいは本人の意思の尊重と社会的責任への自覚を促すという声に応えたものだというふうに言われていることが多くて、昔はどちらかというと家の財産である家産を守るために親が財産管理をするというところに重点があったところが、今は親権者による財産管理よりも本人の意思決定を尊重するというところに裏打ちされて年齢が下がってきているというのが現状かと思います。
既にお話ありましたけれども、法制審議会が十分議論をした上で平成二十一年に取りまとめた答申では、十八歳に引き下げるのが適当であるということと、ただし書がございまして、現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の解決に資する施策が実現されることが必要であるというふうに書いておりまして、その時期に関しては国会の判断に委ねるということにしてあったわけであります。
その基になった最終報告書では、消費者保護の具体的施策として、例示ではありますけれども、若年者の特性に応じて事業者に重い説明義務を課すこと、若年者の社会経験の乏しさによる判断力不足に乗じた契約の取消し権を付与することなどを例として挙げていたとおりでございます。後に述べますように、この点は非常に重要な指摘であると考えています。
人の能力の成熟度を制度に反映させようとする試みは、これはもう古くローマの時代から存在いたします。ローマの時代、三十一歳でございました。いずれにしても、人間が社会的に見て一人前になったかどうかについて、古くは、どちらかといえば生殖能力、戦闘能力というものが問われたわけでありますが、現在では、身体的能力よりも精神的能力、つまり自分の独立した意思を形成する能力を重心に移して私法上の能力が問題とされているわけであります。
民法は、基本的に、能力をその人の一定の法的資格というふうに考えて、そのうちの精神的能力、判断能力に着目した制度をいろいろと用意しております。人は生まれながらにして権利義務の帰属点となり得る能力、すなわち権利能力が備わるわけですが、行為の法的効力を考える場合には、その背後にある意思活動に対する評価が加わりまして、成熟した意思能力あるいは事理弁識能力が必須であると。さらに、完全で単独で有効な法律上の行為をなすには、成熟した財産管理能力、判断能力としての行為能力が必要であるというふうにされて、これが民法の成人という概念と結び付けられているわけでございます。
この行為能力が制限されている未成年者の行為に対しては、原則として取消し権が付与されておりまして、これが未成年者取消し権と呼ばれるものでございます。他方、未成年者であっても、法定代理人の個別の同意があったり、あるいは包括的な同意を受けますと、行為能力者と同様に認められる場合があります。つまり、未成年者取消し権制度には、法定代理人の包括的同意によって、その時々の本人の成長段階に応じた能力制限の緩和措置があらかじめ組み込まれているというものでございます。婚姻による成年擬制で親権から解放されることとか、あるいは営業許可によって成年擬制が行われるといったようなこともこの観点から説明されることが可能であります。その意味では、現行の未成年者取消し権制度というのはかなりよくできた制度であるというふうに思われます。
未成年者取消し権が果たす機能というものには幾つかの側面がございます。第一は、その経験未熟な子供あるいは若者の財産を守るということでありまして、自らの軽率な判断の誤りを是正して致命的被害に陥ることを回避する、そういう機会を付与する財産保全機能というのがございます。第二は、親権者等の法定代理人による財産管理機能と、これによって未成年者の不適切な判断を是正する教育的機能でございます。また、幾つかの例外的措置を設けることで段階的に未成年者の独立的判断を支援し尊重する措置を組み込むことで社会取引安定との調整を図るという機能を未成年者取消し権制度全体が果たしていると、こういうふうに言えるかと思います。
ですから、基本は本人を保護するというところが未成年者取消し権の目的ではあるわけですけれども、結果として、未成年者取消し権があることによって本人の行為能力は制限される。相手はそんな取消し権がある相手とまともに取引をしようとはしないというようなことがあるのかもしれません。しかし、完全に有効な法律行為をなし得る能力を認めるということは、本人の意思を尊重するということと同時に、自ら一旦なされた意思決定について責任を取らせると、そしてその決定に拘束されることを意味します。それゆえ、若者に対する攻撃的で不当な勧誘行為があった場合、これに対して、これまでは未成年者取消し権が非常に大きな防波堤になっていたという事実は、これは間違いないことでございます。
もっとも、若年者の具体的成長過程は多様でありまして、二十歳という年齢で画一的に保護の要否や程度を考えるということは本来的には困難でありまして、その要保護状態については、実はむしろ一定の幅を持って検討されるべきだろうと思います。その結果、十八歳から二十二、三歳の幅を持った年齢に対する配慮による若年成人の保護と支援というものが必要だというのが実態に即しているように思われるわけでございます。
消費者委員会で消費者問題について扱っていたこともあって、消費者法の世界でこの若年者がどういうふうに位置付けられるかということを更に申しますと、消費者法の中では、成人を前提としても、やはり情報の質、量、交渉力の格差というものが非常に強く考慮される、取引に際しては、消費者の知識、経験、財産状況への配慮というものが基本法によっても要請されているところでございます。
これらは、精神的能力を考える上での前提となります認知能力、あるいは理解力、分析力、判断力と、そのための情報収集能力や意思貫徹能力というものが問われると同時に、自らの財産を管理する財産的能力、資力、その背後にあるいろんな力があるということに法が配慮していることを示しております。
従来、消費者政策の課題は、どちらかと申しますと、高齢消費者の財産被害あるいは身体的危険からの保護や見守りが重視されておりまして、消費者教育に関しても、高齢消費者を念頭に置いた消費者啓発というものに重心が置かれてまいりました。しかし、翻って考えてみますと、相対的に弱い立場にある傷つきやすい消費者というものには、高齢者のみならず、児童、少年、障害者、そして若年者層が存在するということでございます。
特に、成長期にある若年者は、知識、社会経験が乏しいためにトラブルに巻き込まれやすく、身体的にも成人のような体力がないために思わぬ事故に遭遇することがございます。取引とか社会のリスクに対する耐える力、耐性と申しますが、耐性の乏しさを始め、これらの点は、ちょうど高齢者問題とパラレルに考える、あるいは語ることが可能であります。その差は、衰退途上なのか成長途上なのかという差にすぎないと思われます。
意見書の六ページのところに、高齢者の場合とそれから若年者の場合で一覧表にして左右に書いてありますけれども、こういうふうに対応してそれぞれの弱さというものがございます。財産管理能力の弱さ、攻撃的な勧誘に対する耐性の乏しさということを考えますと、こうした者を守るということは、高齢者、若年成人に共通課題というふうに考えられるわけでございます。
これまでのところは、高齢者に比して若年者はまとまった財産を有しないことが多いために欺瞞的取引のターゲットになることは比較的小さくてあったわけですけれども、それに対して、やはりこれからこの若年者に対するいろんな措置が必要になると。
これについて、消費者教育が重要な課題になるということはいろんなところで論じられておりますけれども、ただ、この教育に関しては、やはり実際に育て上げていくためには少なくとも五年程度の猶予期間は必要だというのがワーキング・グループでのヒアリングの実感でございました。
それからもう一つ、制度的な手当てとしてですけれども、インターネット被害、あるいはマルチ取引被害、エステティックサービス被害、サイドビジネス商法など、若年者に特有の被害に対処するための特商法のような特別法上の手当てと、それから消費者契約法において、年齢に配慮しつつ、高齢者、子供、若年者を含めて判断力、知識、経験不足に付け込まれた脆弱な消費者一般を保護する形での受皿的な取消し権の付与、そして、こうした脆弱な消費者を念頭に置いた説明義務、情報提供義務の強化が必要であろうと考えております。
今般の消費者契約法改正では、実は必ずしも十分な対応をしていただいていないというふうに認識しております。十八、十九の若者から未成年者取消し権を失わせるに当たって、一定のセーフティーネットを張っておいてやるということは、これまで未成年者取消し権の恩恵を受けて生活をしてきた大人たちの若者に対する義務であろうとさえ私は思います。
その意味で、今後、そうした制度的な支援というものを是非考えていただいて初めて成年年齢の引下げということに向かっていただければと思います。
少し時間が超過してしまいました。どうもありがとうございます。
石
石川博崇#10
○委員長(石川博崇君) ありがとうございました。
以上で参考人の先生方の意見陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人の先生方の意見陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
福
福岡資麿#11
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。
今日は四人の先生方、ありがとうございました。
まず、鎌田先生にお伺いをさせていただきたいと思います。
これまでの審議でもそうでしたし、今日の御意見の中でもそうでしたけれども、成年年齢引下げの必要性や目的について様々な御意見がなされたところでございます。
若年者が将来の国づくりの中心であるという国としての強い決意を示すというような目的があるというふうな一方で、立法事実といいますか、これが成立しなければ今の十八歳、十九歳の方、どういった不都合があるのか、不利益を被るのかといったところについてなかなか見えづらいというような御指摘があったことも事実でございます。
今日、先生の御意見の中でも、外国の同世代の人々に比して単独契約を避けられてしまうんじゃないかというような御懸念も一つあるんじゃないかというようなお話もございましたけれども、こういった立法事実について、法制審議会民法成年年齢部会ではどのような議論がなされてどういうふうな取りまとめをなされたのかということについて、改めてお聞かせをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →今日は四人の先生方、ありがとうございました。
まず、鎌田先生にお伺いをさせていただきたいと思います。
これまでの審議でもそうでしたし、今日の御意見の中でもそうでしたけれども、成年年齢引下げの必要性や目的について様々な御意見がなされたところでございます。
若年者が将来の国づくりの中心であるという国としての強い決意を示すというような目的があるというふうな一方で、立法事実といいますか、これが成立しなければ今の十八歳、十九歳の方、どういった不都合があるのか、不利益を被るのかといったところについてなかなか見えづらいというような御指摘があったことも事実でございます。
今日、先生の御意見の中でも、外国の同世代の人々に比して単独契約を避けられてしまうんじゃないかというような御懸念も一つあるんじゃないかというようなお話もございましたけれども、こういった立法事実について、法制審議会民法成年年齢部会ではどのような議論がなされてどういうふうな取りまとめをなされたのかということについて、改めてお聞かせをいただきたいと思います。
鎌
鎌田薫#12
○参考人(鎌田薫君) 御質問いただきましてありがとうございます。
ただいまの御質問では、この改正法に立法事実はあるのかということでございますけれども、立法事実論は大きく二通りあるんだというふうに考えておりまして、一つは、この新しい法的な対応をしないと喫緊に困ったことがあるのでそれに対応するという場面と、これはむしろ国全体の方向性としてどっちの方向に向かっていくかということを決めると。例えば、選挙制度で普通選挙制度を導入するとか、あるいは男女同権にするとかという、こういう歴史を今までやってきたんですけれども、今から振り返ると、それはまさに立法事実があって、必要性があってというふうなことであるんですけれども、むしろそこでは、国民たちがそれがないと困るというケースもありますけれども、国として一つの方向性を示し、そちらに向かっていくと。
それから、やはり日本が諸外国と比べて今や少数派になっているところをもう少し平準化していくと、こういうふうなことであって、これがなきゃどこが困るんだという類いのものとは少し違うだろうという認識で出発をさせていただいております。
この発言だけを見る →ただいまの御質問では、この改正法に立法事実はあるのかということでございますけれども、立法事実論は大きく二通りあるんだというふうに考えておりまして、一つは、この新しい法的な対応をしないと喫緊に困ったことがあるのでそれに対応するという場面と、これはむしろ国全体の方向性としてどっちの方向に向かっていくかということを決めると。例えば、選挙制度で普通選挙制度を導入するとか、あるいは男女同権にするとかという、こういう歴史を今までやってきたんですけれども、今から振り返ると、それはまさに立法事実があって、必要性があってというふうなことであるんですけれども、むしろそこでは、国民たちがそれがないと困るというケースもありますけれども、国として一つの方向性を示し、そちらに向かっていくと。
それから、やはり日本が諸外国と比べて今や少数派になっているところをもう少し平準化していくと、こういうふうなことであって、これがなきゃどこが困るんだという類いのものとは少し違うだろうという認識で出発をさせていただいております。
福
福岡資麿#13
○福岡資麿君 もう一問鎌田先生にお聞かせをいただきたいと思います。
法制審議会の民法成年年齢部会におきましては、法律家以外にも幅広い有識者の方々で構成されておりまして、またその中でも、各種専門家、高校生、大学生等から幅広い御意見を聞きながら慎重に取りまとめをされたというふうに承っております。その中で、取りまとめにおいては、成年年齢の引下げが妥当としながらも、あえて具体的な時期は明示せずに国会の判断に委ねるというふうにされたわけでございます。
それについては、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現され、これらの施策の効果が十分に発揮され、それが国民の意識として現れた段階において行うのが相当であるというようなことから国会の判断に委ねたというようなことであろうというふうに思いますが、先ほどの先生のお話の中では、環境が整えられたと政府において判断されたものだというようなお話がございました。
この答申取りまとめられて以降、今日において様々な施策が講じられてきていますが、このタイミングの環境整備の状況について、どのような御認識かについてお聞かせをいただきたいと思います。
この発言だけを見る →法制審議会の民法成年年齢部会におきましては、法律家以外にも幅広い有識者の方々で構成されておりまして、またその中でも、各種専門家、高校生、大学生等から幅広い御意見を聞きながら慎重に取りまとめをされたというふうに承っております。その中で、取りまとめにおいては、成年年齢の引下げが妥当としながらも、あえて具体的な時期は明示せずに国会の判断に委ねるというふうにされたわけでございます。
それについては、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現され、これらの施策の効果が十分に発揮され、それが国民の意識として現れた段階において行うのが相当であるというようなことから国会の判断に委ねたというようなことであろうというふうに思いますが、先ほどの先生のお話の中では、環境が整えられたと政府において判断されたものだというようなお話がございました。
この答申取りまとめられて以降、今日において様々な施策が講じられてきていますが、このタイミングの環境整備の状況について、どのような御認識かについてお聞かせをいただきたいと思います。
鎌
鎌田薫#14
○参考人(鎌田薫君) 正直申し上げまして、一つ一つの施策についてどういう形での効果が出ているかということを、やっぱりエビデンスベースドで語るほどの資料を残念ながら持ち合わせておりません。
しかしながら、やはりこの民法成年年齢についての議論が始まったことを契機として、様々な立法、法令上の措置が講じられ、またいろいろなプログラムが展開され、そして消費者教育も徐々にではありますけれども実施されてきたということで、それなりに提案した内容についての全体としての施策は前向きに進んでいるというふうに考えております。
ただし、ここで十年たっていますけれども、これ、いつ法律になるか分からないというふうな前提での作業でありましたけれども、これが仮に法律が制定されて数年後に施行されるということになれば、これを契機にして、それならばここのもっと足りないところはこういう形で補充すべきである、これをもっと実践、現実の問題として実施していかなければいけないということで加速の勢いが付く、あるいはそうしなければいけないだろうというふうに考えております。
この発言だけを見る →しかしながら、やはりこの民法成年年齢についての議論が始まったことを契機として、様々な立法、法令上の措置が講じられ、またいろいろなプログラムが展開され、そして消費者教育も徐々にではありますけれども実施されてきたということで、それなりに提案した内容についての全体としての施策は前向きに進んでいるというふうに考えております。
ただし、ここで十年たっていますけれども、これ、いつ法律になるか分からないというふうな前提での作業でありましたけれども、これが仮に法律が制定されて数年後に施行されるということになれば、これを契機にして、それならばここのもっと足りないところはこういう形で補充すべきである、これをもっと実践、現実の問題として実施していかなければいけないということで加速の勢いが付く、あるいはそうしなければいけないだろうというふうに考えております。
福
福岡資麿#15
○福岡資麿君 今の案では平成三十四年施行となっていますから、これから更にまた環境整備を進めていかなければならないという御認識を示されたものと思います。
続きまして、河上先生そして平澤先生、窪田先生にそれぞれお聞かせをいただきたいと思います。
成年年齢の引下げによりまして、未成年者取消し権を喪失する十八歳、十九歳の若年者が悪徳商法などの消費者被害に遭うおそれがあるのではないかという懸念が一貫して示されてきたところでございます。これに対しましては、若年者の取引すること自体を制限し続けるということもありますが、一方で、若年者の経験不足に付け込むような取引の方をむしろ制限すべきではないかというような考えもあるというふうに承知をしています。
そういった中で、今日もいろいろお話の中に出ておりましたが、今、参議院においても消費者特別委員会で消費者契約法の改正案について審議がなされているところでございます。私も今こういう消費者問題の特別委員会の委員をさせていただいておりまして、一つ感じていることが、今回この法律の中に、専門調査会の報告書には元々なかった社会生活上の経験が乏しいというような文言が入ったことによりまして、どちらかというと、それによって御高齢者だったり中高年が保護されないんじゃないかというようなところの議論がかなり先行しておりまして、そもそも今回この法律案によって若年者が必要なだけ守られるかどうかという、そういったそこの議論がなかなか深まっていないんじゃないかというような思いを私個人は持っているところでございます。
そこでお聞きしたいんですが、先ほど、消費者契約法の改正案につきましても、河上先生、まだ十分じゃないんじゃないかというようなお話がございましたけれども、その消費者被害の拡大の防止策として十分かどうか、十分でなかったらどういったところに課題があるのかどうかといったところにつきまして、それぞれ河上先生、平澤先生、窪田先生から御意見を伺えればと思います。
この発言だけを見る →続きまして、河上先生そして平澤先生、窪田先生にそれぞれお聞かせをいただきたいと思います。
成年年齢の引下げによりまして、未成年者取消し権を喪失する十八歳、十九歳の若年者が悪徳商法などの消費者被害に遭うおそれがあるのではないかという懸念が一貫して示されてきたところでございます。これに対しましては、若年者の取引すること自体を制限し続けるということもありますが、一方で、若年者の経験不足に付け込むような取引の方をむしろ制限すべきではないかというような考えもあるというふうに承知をしています。
そういった中で、今日もいろいろお話の中に出ておりましたが、今、参議院においても消費者特別委員会で消費者契約法の改正案について審議がなされているところでございます。私も今こういう消費者問題の特別委員会の委員をさせていただいておりまして、一つ感じていることが、今回この法律の中に、専門調査会の報告書には元々なかった社会生活上の経験が乏しいというような文言が入ったことによりまして、どちらかというと、それによって御高齢者だったり中高年が保護されないんじゃないかというようなところの議論がかなり先行しておりまして、そもそも今回この法律案によって若年者が必要なだけ守られるかどうかという、そういったそこの議論がなかなか深まっていないんじゃないかというような思いを私個人は持っているところでございます。
そこでお聞きしたいんですが、先ほど、消費者契約法の改正案につきましても、河上先生、まだ十分じゃないんじゃないかというようなお話がございましたけれども、その消費者被害の拡大の防止策として十分かどうか、十分でなかったらどういったところに課題があるのかどうかといったところにつきまして、それぞれ河上先生、平澤先生、窪田先生から御意見を伺えればと思います。
河
河上正二#16
○参考人(河上正二君) ありがとうございます。
先ほども申し上げましたように、現在、消費者契約法で一定の対応をしようということで、個別の不当な勧誘行為について若干細かく、非常にワンポイントで、最初は二つ、あとは高齢者分が二つ付け加わって法案が審議されている段階でありますけれども、実は元々消費者委員会に諮問があった段階では、十年近くたって消費者契約法について全然手付かずでしたから、この間の社会経済的な変化に対応したどういう実体的な法律上の手当てが必要かということを聞かれた。そのとき消費者委員会が考えておりましたのは、やはり高齢化であったり情報化であったりですね、そういう話でありました。その途中で、実は消費者庁の長官から、成年年齢の引下げがあるということに対応してどういうことがあったらいいだろうかということの諮問があったわけで、ワーキンググループをつくって集中的に検討して、その中で、消費者教育とかいろんな話を出した一部で消費者契約法についてもこういう手当てが必要だということで、今度は消費者契約法の専門調査会に振ったという、こういう経緯がございました。
ですから、本来であれば、消費者契約法というのは、高齢者それから若年者両方、あるいは障害者にも妥当するようなルールを必要としていたわけでありますが、どうも最初に出てきた段階でこの社会生活上の経験が乏しいという言葉が独り歩きしてしまいまして、そのために高齢者の話が後ろに行ったんじゃないかとかいろんな議論が出たという経緯でございました。
ただ、それでも、ワンポイントでやっているので、ないよりましなんですが、しかし、一般的に年齢等に配慮した情報提供であるとか、あるいは年齢等の弱みに付け込んだその付け込み型勧誘についての取消し権というものを入れてくださいということは、消費者委員会の親委員会から付言で申し上げたにもかかわらず、その点については一貫して先送りという形になったというのが現状でございます。
この発言だけを見る →先ほども申し上げましたように、現在、消費者契約法で一定の対応をしようということで、個別の不当な勧誘行為について若干細かく、非常にワンポイントで、最初は二つ、あとは高齢者分が二つ付け加わって法案が審議されている段階でありますけれども、実は元々消費者委員会に諮問があった段階では、十年近くたって消費者契約法について全然手付かずでしたから、この間の社会経済的な変化に対応したどういう実体的な法律上の手当てが必要かということを聞かれた。そのとき消費者委員会が考えておりましたのは、やはり高齢化であったり情報化であったりですね、そういう話でありました。その途中で、実は消費者庁の長官から、成年年齢の引下げがあるということに対応してどういうことがあったらいいだろうかということの諮問があったわけで、ワーキンググループをつくって集中的に検討して、その中で、消費者教育とかいろんな話を出した一部で消費者契約法についてもこういう手当てが必要だということで、今度は消費者契約法の専門調査会に振ったという、こういう経緯がございました。
ですから、本来であれば、消費者契約法というのは、高齢者それから若年者両方、あるいは障害者にも妥当するようなルールを必要としていたわけでありますが、どうも最初に出てきた段階でこの社会生活上の経験が乏しいという言葉が独り歩きしてしまいまして、そのために高齢者の話が後ろに行ったんじゃないかとかいろんな議論が出たという経緯でございました。
ただ、それでも、ワンポイントでやっているので、ないよりましなんですが、しかし、一般的に年齢等に配慮した情報提供であるとか、あるいは年齢等の弱みに付け込んだその付け込み型勧誘についての取消し権というものを入れてくださいということは、消費者委員会の親委員会から付言で申し上げたにもかかわらず、その点については一貫して先送りという形になったというのが現状でございます。
平
平澤慎一#17
○参考人(平澤慎一君) じゃ、私の方からも回答させていただきますが。
私の方の先ほど述べた意見の中でも多少申し上げましたけれども、今、国会にかかっている消費者契約法改正については、今、河上先生がおっしゃったように、元々、その合理的な判断ができない事案についての取消し権を議論する中で出てきたものであって、成年年齢引下げとの関係性というのがそもそも、元々はあったわけではないんじゃないかというふうに考えています。
その中で、この取消し権自体は非常に重要なものですし、立法されることに私も賛成しているんですけれども、なのに、その社会生活上の経験が乏しいという要件が付いてしまって議論が混乱してしまったのではないかと。その要件を付けたことがこの民法の成年年齢の引下げの一つの理由として使われているのではないかというふうに私などは考えていて、先ほど述べましたように、それは理由としてされるような取消し権ではないのではないか。やはり、もっと広い付け込み型の勧誘についての取消し、これは若年者に限らずなわけですけれども、そういう経験、知識不足等に付け込むというのは若年者に限らないわけですが、そういう取消し権の導入が必要だし、それがあって、そういう施策があって、手当てがあって初めて引下げが適当になるということを法制審議会の意見としても述べられていたのではないかというふうに考えています。
この発言だけを見る →私の方の先ほど述べた意見の中でも多少申し上げましたけれども、今、国会にかかっている消費者契約法改正については、今、河上先生がおっしゃったように、元々、その合理的な判断ができない事案についての取消し権を議論する中で出てきたものであって、成年年齢引下げとの関係性というのがそもそも、元々はあったわけではないんじゃないかというふうに考えています。
その中で、この取消し権自体は非常に重要なものですし、立法されることに私も賛成しているんですけれども、なのに、その社会生活上の経験が乏しいという要件が付いてしまって議論が混乱してしまったのではないかと。その要件を付けたことがこの民法の成年年齢の引下げの一つの理由として使われているのではないかというふうに私などは考えていて、先ほど述べましたように、それは理由としてされるような取消し権ではないのではないか。やはり、もっと広い付け込み型の勧誘についての取消し、これは若年者に限らずなわけですけれども、そういう経験、知識不足等に付け込むというのは若年者に限らないわけですが、そういう取消し権の導入が必要だし、それがあって、そういう施策があって、手当てがあって初めて引下げが適当になるということを法制審議会の意見としても述べられていたのではないかというふうに考えています。
窪
窪田久美子#18
○参考人(窪田久美子君) 若者にとって、消費者契約法が、勧誘方法でこういう勧誘方法だったら取消しができるとか、そういうところに加えて、この人だったら取消しができるというその条件が加わることはそもそも分かりにくい、非常に分かりにくいと思います。本人が理解していないことを取消しとして申し出るのかということになりますと、申し出ること自体しないのではないか。そうすると、期間があっという間に過ぎてしまうということで、この未成年者取消し権に代わる、そういうような中身になっているということには大変疑問を感じます。
この発言だけを見る →福
若
若松謙維#20
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
今日は、四人の参考人の先生方、大変にありがとうございます。
私も先週、自民、公明を代表して本会議で代表質問をさせていただきました。また、消費者特別委員会の理事もさせていただいておりまして、昨日も消費者生活協議会の増田理事長ですか、にも質問をやらせていただきました。そういう中で、やはりいろいろ参考人から様々な御意見、本当に貴重な意見だと思っておりまして、改めて感謝申し上げます。
そこで、四人の参考人の方々にそれぞれ質問させていただきたいんですが、まず、先ほど賛成を述べられました鎌田参考人にお尋ねをいたしますが、特に御説明の中で、賛成論の一つとして、いわゆる国際的な比較というんでしょうかね、流れというんでしょうか、そういった観点からということを私非常に印象を受けました。
そういう中、平成二十一年に法制審の最終報告書で十八歳ですか、引下げという一つの結論を、方向性を出したわけでありますが、その後に、三年前には初めての国政選挙での十八歳投票ということでありますが、今日に至るまで十年掛かっているわけであります。この十年というのがいわゆる長過ぎるのか、それとも、いろいろな課題はあるかと思うんですけれども、それについてどういった御意見かということと併せて、やはりいわゆる教育ですね、消費者教育大事だということで、特に高校生、特に高校三年は大事なんですが、やはり今、早稲田大学の総長というお立場からも、大学に入ってからのやはり教育も、やっぱり受験のときにはどっちかというと受験のための勉強で恐らく精いっぱいで、その社会的などうのこうのというのは余り入らないと思うんで、どちらかというと入学時のオリエンテーションが大事じゃないかなと、そう思いますので、そういう意味の消費者教育というんでしょうか、どういう対応されるのか、その点お願いいたします。
この発言だけを見る →今日は、四人の参考人の先生方、大変にありがとうございます。
私も先週、自民、公明を代表して本会議で代表質問をさせていただきました。また、消費者特別委員会の理事もさせていただいておりまして、昨日も消費者生活協議会の増田理事長ですか、にも質問をやらせていただきました。そういう中で、やはりいろいろ参考人から様々な御意見、本当に貴重な意見だと思っておりまして、改めて感謝申し上げます。
そこで、四人の参考人の方々にそれぞれ質問させていただきたいんですが、まず、先ほど賛成を述べられました鎌田参考人にお尋ねをいたしますが、特に御説明の中で、賛成論の一つとして、いわゆる国際的な比較というんでしょうかね、流れというんでしょうか、そういった観点からということを私非常に印象を受けました。
そういう中、平成二十一年に法制審の最終報告書で十八歳ですか、引下げという一つの結論を、方向性を出したわけでありますが、その後に、三年前には初めての国政選挙での十八歳投票ということでありますが、今日に至るまで十年掛かっているわけであります。この十年というのがいわゆる長過ぎるのか、それとも、いろいろな課題はあるかと思うんですけれども、それについてどういった御意見かということと併せて、やはりいわゆる教育ですね、消費者教育大事だということで、特に高校生、特に高校三年は大事なんですが、やはり今、早稲田大学の総長というお立場からも、大学に入ってからのやはり教育も、やっぱり受験のときにはどっちかというと受験のための勉強で恐らく精いっぱいで、その社会的などうのこうのというのは余り入らないと思うんで、どちらかというと入学時のオリエンテーションが大事じゃないかなと、そう思いますので、そういう意味の消費者教育というんでしょうか、どういう対応されるのか、その点お願いいたします。
鎌
鎌田薫#21
○参考人(鎌田薫君) 第一点でございますけれども、この十年間というのは長過ぎたかどうかという点でありますが、十年前に報告書を出した立場からいえば、十年長かったなと正直思います。ただ、これは何年かたてば自動的に良くなるというわけじゃなくて、どれだけいろんな体制が整備できるか、あるいは国民全体がそれを理解できるかということが一番問題であって、それに十年掛かってしまったということだと思いますけれども、この十年間の中でやはり具体的にこの立法スケジュールが見えるようになってからの加速度というのは大きいなというふうに思っておりますので、こういった形で国会で実際に御議論をしていただき、制度の行方が見えるようになると、現実的な課題として様々な法令以外の部分、あるいは学校教育の部分でも更に一層進行していくんではないかということを大いに期待しているところでございます。
それから、御指摘のありました、教育は別に中等教育だけじゃなくて大学でも重要だという点は御指摘のとおりでありますし、この間のほかの参考人の方からもお話がありましたように、これ十八、十九の保護を奪うのはけしからぬという御議論ありますけれども、じゃ、今の二十歳、二十一歳はどうなんだという、実際にも二十歳、二十一歳、さらには、物によってはもう少し財産のできた三十代が大きな犠牲になると、こういうふうなこともございますので、一貫した教育というものが必要だし、社会人教育も必要だというふうに思っております。
ただ、日本の場合には、消費者教育というテーマがありますけれども、そもそもが法教育というものが非常に弱いという特色を持っているように思います。これ、十八、十九が被害者になるということが今話題ではありますけれども、これ十八、十九の加害者もいっぱいいるわけですね。悪徳商法の手先、セールスを行うような人たちもたくさんいるわけで、そういう意味で、やはりもうちょっと基本的な法教育というのがまず必要、その上に具体的な消費者教育が必要。
大学では、今、入学式のその日からこういった消費者被害が新入生相手に頻発しているということを前提にしてしっかり行っておりますけれども、これはでも単発の講演だけで済まされる問題ではございませんので、もっと組織的に継続的にやっていく体制を整えていきたいというふうに考えておりますし、社会人向けにもこうしたものを提供していきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →それから、御指摘のありました、教育は別に中等教育だけじゃなくて大学でも重要だという点は御指摘のとおりでありますし、この間のほかの参考人の方からもお話がありましたように、これ十八、十九の保護を奪うのはけしからぬという御議論ありますけれども、じゃ、今の二十歳、二十一歳はどうなんだという、実際にも二十歳、二十一歳、さらには、物によってはもう少し財産のできた三十代が大きな犠牲になると、こういうふうなこともございますので、一貫した教育というものが必要だし、社会人教育も必要だというふうに思っております。
ただ、日本の場合には、消費者教育というテーマがありますけれども、そもそもが法教育というものが非常に弱いという特色を持っているように思います。これ、十八、十九が被害者になるということが今話題ではありますけれども、これ十八、十九の加害者もいっぱいいるわけですね。悪徳商法の手先、セールスを行うような人たちもたくさんいるわけで、そういう意味で、やはりもうちょっと基本的な法教育というのがまず必要、その上に具体的な消費者教育が必要。
大学では、今、入学式のその日からこういった消費者被害が新入生相手に頻発しているということを前提にしてしっかり行っておりますけれども、これはでも単発の講演だけで済まされる問題ではございませんので、もっと組織的に継続的にやっていく体制を整えていきたいというふうに考えておりますし、社会人向けにもこうしたものを提供していきたいというふうに考えております。
若
若松謙維#22
○若松謙維君 ありがとうございます。
それでは、平澤参考人にお尋ねをいたしますが、平澤参考人は明確に反対ということでありますが、先ほど鎌田参考人に説明した同じ質問を反対の平澤参考人がどんなふうに、いわゆる十年議論ですか、機は熟していないということなんですけど、そういうことであれば、じゃ、いつ引き下げるべきなのか。当然前提条件あるでしょうけど、それを、やはり手をこまねいていてもいけない話だと思いますので、そういった点についてはどのようにお考えでしょうか。
あわせて、この法律が平成三十四年の四月から施行ということで、あと四年、ひとつ期間がありますので、やっぱり先ほど鎌田参考人が御指摘になった、いわゆる法律が、ひとつスケジュールができたというところから具体的なやはり問題意識も対応も始まると思いますので、これもやはり重要かなという観点も含めてどのようにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →それでは、平澤参考人にお尋ねをいたしますが、平澤参考人は明確に反対ということでありますが、先ほど鎌田参考人に説明した同じ質問を反対の平澤参考人がどんなふうに、いわゆる十年議論ですか、機は熟していないということなんですけど、そういうことであれば、じゃ、いつ引き下げるべきなのか。当然前提条件あるでしょうけど、それを、やはり手をこまねいていてもいけない話だと思いますので、そういった点についてはどのようにお考えでしょうか。
あわせて、この法律が平成三十四年の四月から施行ということで、あと四年、ひとつ期間がありますので、やっぱり先ほど鎌田参考人が御指摘になった、いわゆる法律が、ひとつスケジュールができたというところから具体的なやはり問題意識も対応も始まると思いますので、これもやはり重要かなという観点も含めてどのようにお考えでしょうか。
平
平澤慎一#23
○参考人(平澤慎一君) 十年が長いか、その十年の意味ということなのかもしれませんけれども、やはり国民のその議論がどれだけなされているのかという話なのではないかと思います。
先ほどNACSの窪田さんからも報告がありましたし、これは日弁連が配っている、お手元に配ったものですけれども、民法の成年年齢って何かということ自体を知らない国民の人が非常に多いですね。やっぱりお酒やたばこですかとか、ギャンブルはどうだろうとか、成人式がどうでしょうとか、そういうような話にどうしてもなりがちで、その未成年者取消し権が使えなくなることの意味とか、親権から外れることの意味ということについての十分な認識がないと思うんです。
そういうことを国民的に話をして、一つの国の方向を決めるんだということで法制審議会の方ではまとめられたと思うんですけれども、そうであれば、その国の方向は国民としてどうなのか、その辺りを議論して、選挙権を十八に下げるけれども、そのほかの制度をどうするのかということを十分議論し、その弊害とか被害のおそれについての施策をつくって、これで十分なのかというのを検証して初めて進むという、そういうことが法制審の意見なのではないかというふうに考えているんです。ですので、十年間それがなされていたのかというと、そうではないのではないかというふうに考えています。
そうであれば、じゃ、その方向でということで今こういう形で法案が出されていますし、三十四年四月からということで期限も区切られていますけれども、その三年間、三年余り、三年半ぐらいですかね、四年、約四年ですか、の間にどの程度のことが整うことができるのかということについては非常に懸念しているところで、先ほどから出ている、消費者契約法の大きな、付け込み型の取消し権とか、それと消費者教育がすごく重要だと思うんですけれども、その消費者教育が、今後十八歳になる子、今中二とかの子にその教育を与えてそこまで行けるのかということについては非常に懸念しています。なので、そういう検証をなされて初めてその引下げの議論になるのではないかというふうに私は考えています。
この発言だけを見る →先ほどNACSの窪田さんからも報告がありましたし、これは日弁連が配っている、お手元に配ったものですけれども、民法の成年年齢って何かということ自体を知らない国民の人が非常に多いですね。やっぱりお酒やたばこですかとか、ギャンブルはどうだろうとか、成人式がどうでしょうとか、そういうような話にどうしてもなりがちで、その未成年者取消し権が使えなくなることの意味とか、親権から外れることの意味ということについての十分な認識がないと思うんです。
そういうことを国民的に話をして、一つの国の方向を決めるんだということで法制審議会の方ではまとめられたと思うんですけれども、そうであれば、その国の方向は国民としてどうなのか、その辺りを議論して、選挙権を十八に下げるけれども、そのほかの制度をどうするのかということを十分議論し、その弊害とか被害のおそれについての施策をつくって、これで十分なのかというのを検証して初めて進むという、そういうことが法制審の意見なのではないかというふうに考えているんです。ですので、十年間それがなされていたのかというと、そうではないのではないかというふうに考えています。
そうであれば、じゃ、その方向でということで今こういう形で法案が出されていますし、三十四年四月からということで期限も区切られていますけれども、その三年間、三年余り、三年半ぐらいですかね、四年、約四年ですか、の間にどの程度のことが整うことができるのかということについては非常に懸念しているところで、先ほどから出ている、消費者契約法の大きな、付け込み型の取消し権とか、それと消費者教育がすごく重要だと思うんですけれども、その消費者教育が、今後十八歳になる子、今中二とかの子にその教育を与えてそこまで行けるのかということについては非常に懸念しています。なので、そういう検証をなされて初めてその引下げの議論になるのではないかというふうに私は考えています。
若
若松謙維#24
○若松謙維君 ありがとうございます。
鎌田参考人、平澤参考人共に、いわゆる教育、法教育ですか、この重要性を指摘されました。これも改めてこの当委員会の大きな課題ではないかと思って、ちょっと附帯決議等何か議論しなければいけないのかなと思った次第でございます。
次に、窪田参考人にお尋ねしたいんですが、特に消費者生活アドバイザーというお立場から、本当に現場のまさに対応されていただいていると思うんですが、ちょうど昨日の増田理事長のお話だと、特に若者の方は、いわゆる問題のこの整理というんですか、がまだまだうまくできないので、消費者センターのところに行かないというお話も聞きました。
そういうことで、特に私が法務大臣にお願いしたのは、いわゆる、まあ法律だけで世の中が、成年の成熟化が進むわけではありませんので、様々な省庁、全省庁的な対応が必要だということで、いわゆる連絡会議ですか、これが設置になりまして、四月に第一回目の会議が行われたということであります。そして、私もそこで法務大臣に要求をいたしましたが、当然、既存の、例えば恋愛感情とかそういう今回の法律に盛り込まれた以外に新たな課題が出てくると思うんですね、それもしっかり対応してくださいということでも、それも対応しますという決意も述べられた上で、ちょっと質問させていただくんですが。
結局、その消費者、皆さん、消費者に直接対応されるお立場から、恐らく、明確な言葉は言わなかったんですけど、説明の流れでは恐らく反対かなという認識をしているんですけど、まあそうはいいながらも、やはり必要性も恐らく認識した上での先ほどの御主張だと思うんですけど、やっぱり特に消費者に直接関わられるお立場から、なかなか質問難しいんですけれども、今回の特に法律が恋愛とか、ちょっと消費者契約の方になりますけれども、恋愛とか就職ですか、どっちかと絞った上で更に今プラスアルファで高齢者とか出たんですけど、まあいっぱいあると思うんですね、リスクのところって。だけれど、どこかで決めなくちゃいけないというところなんですけど。この法律、さっき反対、賛成ちょっと明示されていないんですけど、この特に恋愛、就職、こういった、取りあえず若者に対象を絞ったこの法律のプロセスについては、直接消費者と向き合っているお立場からどんなふうにお考えでしょうか。質問、難しいですか。
この発言だけを見る →鎌田参考人、平澤参考人共に、いわゆる教育、法教育ですか、この重要性を指摘されました。これも改めてこの当委員会の大きな課題ではないかと思って、ちょっと附帯決議等何か議論しなければいけないのかなと思った次第でございます。
次に、窪田参考人にお尋ねしたいんですが、特に消費者生活アドバイザーというお立場から、本当に現場のまさに対応されていただいていると思うんですが、ちょうど昨日の増田理事長のお話だと、特に若者の方は、いわゆる問題のこの整理というんですか、がまだまだうまくできないので、消費者センターのところに行かないというお話も聞きました。
そういうことで、特に私が法務大臣にお願いしたのは、いわゆる、まあ法律だけで世の中が、成年の成熟化が進むわけではありませんので、様々な省庁、全省庁的な対応が必要だということで、いわゆる連絡会議ですか、これが設置になりまして、四月に第一回目の会議が行われたということであります。そして、私もそこで法務大臣に要求をいたしましたが、当然、既存の、例えば恋愛感情とかそういう今回の法律に盛り込まれた以外に新たな課題が出てくると思うんですね、それもしっかり対応してくださいということでも、それも対応しますという決意も述べられた上で、ちょっと質問させていただくんですが。
結局、その消費者、皆さん、消費者に直接対応されるお立場から、恐らく、明確な言葉は言わなかったんですけど、説明の流れでは恐らく反対かなという認識をしているんですけど、まあそうはいいながらも、やはり必要性も恐らく認識した上での先ほどの御主張だと思うんですけど、やっぱり特に消費者に直接関わられるお立場から、なかなか質問難しいんですけれども、今回の特に法律が恋愛とか、ちょっと消費者契約の方になりますけれども、恋愛とか就職ですか、どっちかと絞った上で更に今プラスアルファで高齢者とか出たんですけど、まあいっぱいあると思うんですね、リスクのところって。だけれど、どこかで決めなくちゃいけないというところなんですけど。この法律、さっき反対、賛成ちょっと明示されていないんですけど、この特に恋愛、就職、こういった、取りあえず若者に対象を絞ったこの法律のプロセスについては、直接消費者と向き合っているお立場からどんなふうにお考えでしょうか。質問、難しいですか。
窪
窪田久美子#25
○参考人(窪田久美子君) お答えになっているかどうか分からないんですが、まず、マルチ商法はどうなるのというのが非常に申し上げたいところです。
一番やっぱり心配なのは、簡単にもうかるという言葉に非常に若者は、特に経済的に困窮していたり、自分の進路がそれで諦めざるを得ないという状況になった生徒たちは、非常にここにやっぱり食い付きやすくなっていると。そこについては、是非何か法的な対処というものをお願いしたいと思っております。
この発言だけを見る →一番やっぱり心配なのは、簡単にもうかるという言葉に非常に若者は、特に経済的に困窮していたり、自分の進路がそれで諦めざるを得ないという状況になった生徒たちは、非常にここにやっぱり食い付きやすくなっていると。そこについては、是非何か法的な対処というものをお願いしたいと思っております。
若
若松謙維#26
○若松謙維君 ありがとうございます。今後の委員会の審議の参考にさせていただきます。
それでは、河上参考人にお尋ねいたしますが、先ほど慎重というお立場で、恐らく慎重というのは、悩んでいらっしゃるのか、その胸のうちを是非開陳していただきたいんですけれども、先ほども、やはりここ、衆議院も含めてそれなりの、民法改正も、あと消費者契約法の改正の議論も進んでおります。そういう中で、先ほど私も御紹介したような新たな対応ですか、もちろん具体的には今後ですけれども、いろいろと対策も練っているわけであります。
そういう中、先ほど行為能力というお話をされまして、確かに、民法ですか、民法というのは非常に、社会生活を法にいわゆる規範としてまとめるってはっきり言って大変な作業だと思うんですよね、それ自体が。そういう中では、じゃ成年とはどういう意味なのかというのを本当に法教育でどれだけ伝わるかというと、これも限界ありということなんですけれども。
ちょっと端的に、さっき慎重ということですけど、もうちょっと突っ込んで、今後、この民法の成年の引下げについてどういうふうにすべきなのか、ちょっと御意見いただければ。やはりある程度結論を出して、それで課題を今後進めていくのか、それとも、それはもっと慎重に、いわゆるスローダウンするのか、それについてどのようなお考えでしょうか。
この発言だけを見る →それでは、河上参考人にお尋ねいたしますが、先ほど慎重というお立場で、恐らく慎重というのは、悩んでいらっしゃるのか、その胸のうちを是非開陳していただきたいんですけれども、先ほども、やはりここ、衆議院も含めてそれなりの、民法改正も、あと消費者契約法の改正の議論も進んでおります。そういう中で、先ほど私も御紹介したような新たな対応ですか、もちろん具体的には今後ですけれども、いろいろと対策も練っているわけであります。
そういう中、先ほど行為能力というお話をされまして、確かに、民法ですか、民法というのは非常に、社会生活を法にいわゆる規範としてまとめるってはっきり言って大変な作業だと思うんですよね、それ自体が。そういう中では、じゃ成年とはどういう意味なのかというのを本当に法教育でどれだけ伝わるかというと、これも限界ありということなんですけれども。
ちょっと端的に、さっき慎重ということですけど、もうちょっと突っ込んで、今後、この民法の成年の引下げについてどういうふうにすべきなのか、ちょっと御意見いただければ。やはりある程度結論を出して、それで課題を今後進めていくのか、それとも、それはもっと慎重に、いわゆるスローダウンするのか、それについてどのようなお考えでしょうか。
河
河上正二#27
○参考人(河上正二君) いや、ちょっとずるい言い方をしてしまいましたけれども、ただ、これまで随分な方が議論をしてきて、二十歳から十八に下げるのが適当であろうという判断をされてきたこと自体については私は反対するつもりはございません。ただ、実際に下げるに当たって、そこに何らのセーフティーネットも張らないで、十八、十九の子供たちをそのまま出してしまうというのが本当にいいんだろうかというところでございます。
車の運転免許で申しますと、若葉マークぐらいは付けて、そこで一定の情報がきちんと渡るようにしておくということとか、ほかの高齢者なんかもそうですけれども、その判断力が十分でないということを前提にして、そこに付け込まれたような場合にまで取消し権を認めないという理由はこれはないんじゃないかという気がするわけであります。
元々、暴利行為という概念が民法にはあって、窮迫とかそういうところに付け込まれて不当な利益を追求されたら無効になると。ただ、これ立証するのがとても難しいので、せめて消費者契約法でそうした受皿となるバスケットクローズを入れてくださいということをお願いしているので、これが入ればまあいいかなという感じがしております。
この発言だけを見る →車の運転免許で申しますと、若葉マークぐらいは付けて、そこで一定の情報がきちんと渡るようにしておくということとか、ほかの高齢者なんかもそうですけれども、その判断力が十分でないということを前提にして、そこに付け込まれたような場合にまで取消し権を認めないという理由はこれはないんじゃないかという気がするわけであります。
元々、暴利行為という概念が民法にはあって、窮迫とかそういうところに付け込まれて不当な利益を追求されたら無効になると。ただ、これ立証するのがとても難しいので、せめて消費者契約法でそうした受皿となるバスケットクローズを入れてくださいということをお願いしているので、これが入ればまあいいかなという感じがしております。
若
榛
榛葉賀津也#29
○榛葉賀津也君 国民民主党の榛葉賀津也でございます。
四名の参考人の先生方、今日は貴重な御意見を誠にありがとうございました。
国会の冒頭に、私は全ての省庁の法案を、政府提出法案を全てヒアリングをしてレクを受けるわけでございますが、今国会、いろいろな目玉の法案がございます。マスコミの注目を浴びる働き方改革であるとかIRであるとかTPPであるとか。今国会、いろいろ私、法案を見させていただいて、この法務委員会のこの法案というのは、この国にとって大きな影響を与えるとても大事な法案だと思ったんですね。ところが、全くニュースになっていないんです。日本大学のアメフトも大事かもしれませんが、何でテレビでこの問題をもっとPRしたり、国民世論を惹起して議論をされないんだろうと非常に思っていたんですね。
今日、私、国会議員になって十八年目になるんですが、初めて法務委員会に来させていただいて、全くの素人ですので、素人の立場から先生方に幾つかお伺いをしたいと思います。一問目は窪田先生に、二問目は平澤先生と河上先生に、そして最後の三問目は鎌田先生にお伺いしたいと思います。
平成二十一年の法制審議会で選挙年齢と民法の成年年齢、これは必ずしも一致する必要がないという見解が出されました。今回、それを一致させるということなんですけれども、法務大臣は少子高齢化を理由の一つにされているんですけれども、人口が減ったから子供に早く大人になれというのは少し論拠が乏しいのかなと思いますが、我々一般国民からすると、二十歳が成人年齢で何が困るんだろうかと純粋に思います。
窪田参考人に、この立法事実について少し先生のお考えをお伺いしたい。私、個人的には、私の息子が十八歳になるんですが、彼がクレジットカードを持ったらえらいことになるなと、親の立場からすると純粋に思います。これが一点目。
二点目は、平澤先生と河上先生に。
これ、読売新聞の調査なんですが、成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正に賛成と言っている国民が、賛成四二、反対五六、反対が賛成を一四ポイント上回っているんです。他方で、少年法の適用年齢を二十歳未満から十八歳未満に引き下げることについては、何と賛成が八五%と圧倒的なんですね。この数字についてお二人の先生方はどのようにお考えか。
最後に、三点目は鎌田先生にお伺いいたします。
十八歳から大人になって、投票も十八歳からするということになりますと、これ被選挙年齢も引き下げるという議論が当然あってしかるべきだと思うんですけれども、この点について鎌田先生のお考えをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →四名の参考人の先生方、今日は貴重な御意見を誠にありがとうございました。
国会の冒頭に、私は全ての省庁の法案を、政府提出法案を全てヒアリングをしてレクを受けるわけでございますが、今国会、いろいろな目玉の法案がございます。マスコミの注目を浴びる働き方改革であるとかIRであるとかTPPであるとか。今国会、いろいろ私、法案を見させていただいて、この法務委員会のこの法案というのは、この国にとって大きな影響を与えるとても大事な法案だと思ったんですね。ところが、全くニュースになっていないんです。日本大学のアメフトも大事かもしれませんが、何でテレビでこの問題をもっとPRしたり、国民世論を惹起して議論をされないんだろうと非常に思っていたんですね。
今日、私、国会議員になって十八年目になるんですが、初めて法務委員会に来させていただいて、全くの素人ですので、素人の立場から先生方に幾つかお伺いをしたいと思います。一問目は窪田先生に、二問目は平澤先生と河上先生に、そして最後の三問目は鎌田先生にお伺いしたいと思います。
平成二十一年の法制審議会で選挙年齢と民法の成年年齢、これは必ずしも一致する必要がないという見解が出されました。今回、それを一致させるということなんですけれども、法務大臣は少子高齢化を理由の一つにされているんですけれども、人口が減ったから子供に早く大人になれというのは少し論拠が乏しいのかなと思いますが、我々一般国民からすると、二十歳が成人年齢で何が困るんだろうかと純粋に思います。
窪田参考人に、この立法事実について少し先生のお考えをお伺いしたい。私、個人的には、私の息子が十八歳になるんですが、彼がクレジットカードを持ったらえらいことになるなと、親の立場からすると純粋に思います。これが一点目。
二点目は、平澤先生と河上先生に。
これ、読売新聞の調査なんですが、成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正に賛成と言っている国民が、賛成四二、反対五六、反対が賛成を一四ポイント上回っているんです。他方で、少年法の適用年齢を二十歳未満から十八歳未満に引き下げることについては、何と賛成が八五%と圧倒的なんですね。この数字についてお二人の先生方はどのようにお考えか。
最後に、三点目は鎌田先生にお伺いいたします。
十八歳から大人になって、投票も十八歳からするということになりますと、これ被選挙年齢も引き下げるという議論が当然あってしかるべきだと思うんですけれども、この点について鎌田先生のお考えをお伺いしたいと思います。