国際経済・外交に関する調査会

2019-04-17 参議院 全105発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成三十一年四月十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     糸数 慶子君     伊波 洋一君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     上月 良祐君     朝日健太郎君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     元榮太一郎君
     伊藤 孝恵君     大野 元裕君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         水落 敏栄君
    理 事
                小野田紀美君
                堀井  巌君
                丸山 和也君
                牧山ひろえ君
                古賀 之士君
                三浦 信祐君
                石井 苗子君
                武田 良介君
    委 員
                朝日健太郎君
                猪口 邦子君
                今井絵理子君
                岩井 茂樹君
                大野 泰正君
                酒井 庸行君
                藤川 政人君
                三木  亨君
                宮島 喜文君
                元榮太一郎君
                小川 勝也君
                川田 龍平君
                伊藤 孝恵君
                大野 元裕君
                木戸口英司君
                高瀬 弘美君
                横山 信一君
                伊波 洋一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長
       東京大学名誉教
       授        北岡 伸一君
       慶應義塾大学特
       任教授
       国際連合食糧農
       業機関(FAO
       )親善大使    国谷 裕子君
       特定非営利活動
       法人気候ネット
       ワーク理事長
       弁護士      浅岡 美恵君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国際経済・外交に関する調査
 (「アジア太平洋における平和の実現、地域協
 力及び日本外交の在り方」のうち、SDGs、
 パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内
 体制構築への課題について)
 (派遣委員の報告)
 (「アジア太平洋における平和の実現、地域協
 力及び日本外交の在り方」のうち、文化、人的
 交流などのソフトパワーを活用した信頼醸成の
 取組の課題及びSDGs、パリ協定などの国際
 公約を推進、実施する国内体制構築への課題等
 について)
    ─────────────
この発言だけを見る →
水落敏栄#1
○会長(水落敏栄君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、糸数慶子さん及び上月良祐君が委員を辞任され、その補欠として伊波洋一君及び朝日健太郎君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
水落敏栄#2
○会長(水落敏栄君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
 本日は、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「SDGs、パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 本日は、独立行政法人国際協力機構理事長・東京大学名誉教授北岡伸一参考人、慶應義塾大学特任教授・国際連合食糧農業機関(FAO)親善大使国谷裕子参考人及び特定非営利活動法人気候ネットワーク理事長・弁護士浅岡美恵参考人に御出席いただいております。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 各参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、北岡参考人、国谷参考人、浅岡参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、北岡参考人から御意見をお述べいただきます。北岡参考人。
この発言だけを見る →
北岡伸一#3
○参考人(北岡伸一君) 北岡でございます。お招きありがとうございます。
 今日は、二つ、SDGs及びパリ協定を中心としてお尋ねというふうに存じております。前者は後者をやや抱合するような広がりを持っておりますので、SDGsの方についてやや長め、そしてパリ協定をその残りという形で、合わせて二十分お話をさせていただきます。
 二〇一五年は、ちょうど私がJICAの理事長になった年でございますが、SDGs、持続可能な開発目標が九月に国連で採択され、また年末にはパリ協定が採択されまして、これは、国際社会が協力していかなければ将来にわたって人類が発展していくことはできないという、そういう合意がある種頂点に達した時期でございました。
 他方で、その翌年は、トランプ大統領の選出とかブレグジットとか、そうしたそれに反対の動き、あるいは北朝鮮情勢の緊迫化というふうな、個々の国々が自己主張を強める動きが強まってきたと。こういう、非常に、必要性はみんな分かっているけれども、他方でそれぞれの国が自己主張を強めるという矛盾した動きが生じていると、そういうのが前提だと思っております。
 ところで、我々の国際協力機構の元来の目標は、国際社会の平和、安定、途上国を含むその繁栄、それをどう確保するか、それに貢献するというのが仕事でございますので、このSDGsもパリ協定も、我々にとっては大変有り難い方向が合意されたというふうに考えております。
 今日は、これにつきまして、日本国内の体制やJICAの取組についてお話ししたいと思います。
 まず最初に、SDGsの採択の前のMDGsについて一言お話しさせていただきたいと思います。
 二〇〇〇年に、ミレニアム開発目標というので、MDGs、ミレニアム・ディベロップメント・ゴールズというのが採択されました。それは、極度の貧困と飢餓の撲滅等八つの目標について、途上国にフォーカスした目標を決めたわけでございます。私はちょうど二〇〇四年から六年まで国連大使をしておりましたので、このMDGsにどう取り組むかということが大きな課題でございました。
 他方で、このMDGsについて、日本の国内の知名度は非常に低かったのでございます。ですから、それに大変苦労したのを覚えております。それに比べますと、SDGsの方はかなり理解が広がっていて、有り難いなというふうに思っている次第でございます。
 MDGsは一定のかなりの成果を上げたと私は思っております。例えば、絶対貧困層の数が半分になったとか、五歳未満児の死亡件数も半減するというような成果があったのでございますが、そのかなりの部分は例えば中国やインドの成長のせいでありまして、最も苦しんでいるところのサブサハラ地域のアフリカでは余り改善がなかったという、そういう課題も残りました。
 これは二〇一五年を目標にしていたところで、今度はそこでもう一つ大きな枠組みを打ち出そうとして合意されたのがSDGsでございます。それは、十七ゴールがあって、いろんなカラフルなゴールがありまして、こういうバッジになっているのは皆さん御案内のとおりだと思います。
 資料にございますので個々の問題についての説明は省かせていただきまして、これにつきまして、日本政府は、安倍総理大臣が本部長を務められ全閣僚で構成されるSDGs推進本部というものを二〇一六年の五月に設置されております。そして、同年末にSDGs実施指針というのを決定されて、そのビジョンは、「持続可能で強靱、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」というふうに打ち出されたわけであります。
 SDGsの実施方針につきましては、八つの部分で優先的に取り組むということになっておりますが、これ、またちょっと時間の関係で、必要な場合は後でまた振り返りますが、ちょっとここはスキップさせていただきまして、次にJICAの取組でございます。
 JICAは、開発協力、途上国の発展に貢献して、もって日本とその国の関係を良くしようというのが目標でございます。ですから、MDGsやSDGsが採択される前から、これに相当するような事業は随分いろんなことをやってまいりました。保健、教育、環境、インフラなどが我々いろいろやってきたものでございます。SDGsの十七の目標、ターゲットのほとんどの部分は、ほとんどのところを我々はやっております。
 しかるに、我々の歴史を振り返りますと、大きく分けてJICAの活動は二つに中心がございます。
 一つは、人間の安全保障でございます。一九九〇年代から、あるいはまた緒方理事長時代から、国際社会、国連等で打ち出してきた人間の安全保障、これは、要するに、全ての人間には尊厳を持って生きる権利があると、そして国際社会はこれをサポートする義務があると、こういう考え方からきたものでございます。
 もう一つのJICAの活動の柱は、質の高い成長でございます。質の高いというのは、別に非常に高度のインフラという意味ではございませんで、質の高いというのは、包摂的、インクルーシブであり、それから持続可能、サステーナブルであり、そして災害を含む様々なショックに対して耐えることのできる、レジリエント、強靱性を持った成長と、こういうものでみんなが成長していこうということでありまして、これまたJICAの伝統の一つでございます。
 日本のODAは、元々東南アジア諸国に対する賠償、それを引き継ぐところから発展してきて、その多くの部分はインフラを提供するというところからきたので、これも一つの伝統でございます。
 特に、SDGsに近いものとして、JICAがやってきて国際社会から大きな評価を受けているものを四つ紹介させていただきますと、例えば一つは母子手帳でございます。母子手帳は、日本人では当たり前ですが、世界ではそうでない国が多いのであります。生命を授かったときから、お母さんに母子手帳を渡して、そして出産、その後に至る重要なデータをきちんと記録していただくと。おなかに赤ちゃんのいる、そしてまた小さな赤ちゃんを育てているお母さんにとって最も大事なものの一つであって、これを世界に広げようと。これなんかも全く人間の安全保障の中心であり、また、このSDGsでいいますと、ゴール三の保健部分に非常にぴったり当てはまるものであります。
 また、もう一つ、もうちょっと大きくなりますと子供は小学校に参りますが、日本式の教育というのが、割合、世界で今日評判が高うございます。
 エジプトの大統領は、三年前、私お会いしたときに直接交渉されまして、日本式の学校を造りたいと、二百校造りたいと言うので、これをお受けしてやっているところでございますが、要するに、まず、そこに行くと、子供は石けんで手を洗うんです、学校へ行くと。そして、授業の中には、音楽、図工、体育というような、それからクラスの討論会のようなものがあるわけです。
 私は、最初、大統領に言われたとき、本当ですか、日本じゃ子供が掃除するんですよと言ったら、それだ、それをやらせたいんだと、こうおっしゃって、これをやっておられて、ちょっと私は実験校をのぞきに行きましたら、大統領にお会いしたら、どうですかと言われるから、いや、なかなかうまくいっていますねと言ったら、そうだろう、エジプト中やるんだと、こうおっしゃっているんですが、とにかく、割合、方々で日本の小学校、国内ではいろいろ批判もあるんですが、海外では人気があり広がってきております。これなんかも、人間の安全保障、そしてSDGsのゴール四、教育に非常に関連するものだと思います。
 それから、カンボジアでは、もうプノンペンの奇跡ということがございまして、水道をやったことがあるんですね。日本の自治体などの協力を得ましてプノンペンの水道公社に施設整備をやりまして、二十四時間水道の水が飲めるようになったと。これはプノンペンの奇跡として知られているものでございます。今のは水ですから、実はインフラなんですね。これはゴール六に関係します。
 そして、もう一つインフラ系では、インドのデリーで地下鉄を造りました。今やデリーの地下鉄は、全部合わせると東京の営団地下鉄より長いんです。都営と合わせた同じぐらいほぼあります。ここは、皆さん、インドの鉄道といいますと、人が殺到して、下手をすると屋根まで上るというイメージだと思うんですけれども、実は、この地下鉄ができた結果、インドの方々が地下鉄に乗るために行列を作るようになったと。これは奇跡だと、あるいは文化革命だと言われたんですが、それは不思議はなくて、三分後に次の電車が来ますということが分かったら何もそんなことをする必要はないのです。一種の文化的なショックも及ぼしたと。
 かつ、女性専用車両をつくりました。その結果、女性の中に、押し合いへし合い男性に触れられないで乗れるというので非常に好評でありまして、乗客数が増えて収入が増えたというようなこともございまして、これなんかは、インフラですけれども、同時にSDGsのゴールのファイブ、ジェンダーとか、イノベーションとか、あるいは都市とか、イノベーションは九番で都市が十一番でございますが、これにも関係するものでありまして、それぞれについてというよりは、我々のプロジェクトがいろんな意味合いを持って展開されている例でございまして、まだまだございますが、こういうことをやっております。
 さらに、これを推進するためにあとは何をやるべきか。我々は、大学の受験なんかと同じで、得意科目は伸ばす、苦手科目はしっかり補うようにするというのがございまして、SDGsの中で、強いて言えば、JICAが苦手なのはパートナーシップでございます。民間の参加、他の主体との協力をいかに確保するかというのはやや得意ではございませんでした。これにも力を入れるようにしておりまして、地域でいいますと、関西で関西SDGsプラットフォームというのをつくっていただいて、民間企業、市民社会、大学、自治体などが一緒になって協力するフォーラムをつくっております。
 また、全国的に日本には中小企業が大変多いと。特に地方に非常にイノベーティブな中小企業の方々が多いわけでございます。そういう方々のノウハウと、それから途上国の必要性、デマンドを結び付ける仕事をしようといって、JICAの事務所で、地方でそういう能力のある会社を発掘し、途上国を紹介して企業進出していただいている。これは、日本再興戦略にも貢献するだろうというので、そういうことをやっております。
 またさらに、最近、やはり国民の間に、貢献、世界、社会に貢献しようという意識がやっぱり高まってきているような気がいたしまして、社会貢献債、JICA債というのを発行いたしまして、これは日本最初のソーシャルボンドとして発行されまして、無事、速やかにはけた次第でございます。
 というようなことをやっておりまして、ちょっと時間が食い込むといけませんので、慌てて後段のパリ協定の方に行かせていただきます。
 私は、昨年七月に、総理の御指名でパリ協定長期成長戦略懇談会というものの座長を務めさせていただきました。その議論の結果は、今年四月二日、今月の二日に提出をさせていただきました。
 この背景は、日本はかつて京都会議などで環境問題の先進的な地位にいたのでありますが、その後、東北の大震災、福島の事故等の結果もあって、ちょっと停滞しております。そして、このパリ協定の中で長期戦略を策定するようにということが義務付けられておるわけでありますが、G7の中で長期戦略を出していないのは、直前、すぐこの間、今の時点で日本とイタリアだけなんですね。ほかの国はみんな出している。ですから、ちょっと後れを取っているわけであります。これに何とか対応しなくてはいけないと。
 今年はG20の会合がございますし、これは、昨年はアルゼンチン、来年はサウジアラビアということなので、やっぱり日本は非常に重要な位置を占めております。ここで日本がそう格好の悪い提案は出せないということで、何かを考えてくれと言われまして、しかし、この懇談会は事務局が三省から出ているというなかなか難しいものでありまして、環境省、外務省及び経産省、それぞれの意見は控えめに言って同じでないわけであります。そこで出てくるのはなかなか難しかったのでありますが、総理の最初の御指示で、大胆なものを出してほしいと、野心的なものを出してほしいと言われたわけであります。かつ、気候変動への取組を制約とか障害と考えないで、これをチャンスとして考えるようなものを出していただきたいと。これまたますます難しいわけでございますが、というふうに言われまして、これを取り組んだわけでございます。
 この中には、有識者の方々、それから産業界の方々、金融界の方々、それぞれ代表的な方々が網羅されてやったわけでありまして、その提案が出た後、新聞などの、要旨は、御案内のとおり、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指すということであります。それから、一・五度Cの目標、つまり、産業革命以後、二度ではなくて一・五度、もうちょっと高い目標で頑張ろうと、一・五度の努力目標を含むパリ協定の長期目標に、実現に向けて貢献しようというのを掲げたわけであります。
 簡単に言いますと、新聞等の評判では、何か全然野心的ではないというふうに言われたのでございます。まあそのコメントの趣旨は分からないでもないのです。それは、国際会議ではよくあることなんですけれども、猪口先生なんかも御案内のとおり、みんな確信がないことを平気で言うんですよね。ですから、そういう国に比べれば、確かに余り野心的ではないんです。しかし、これを各論で、これをどうやって実現するかというところに下ろしていきますと、これは実に相当野心的な難しい課題を含んでおります。ですから、会議の中ではかなり激論もいたしました。こんなことはできるはずがないという方もあれば、こんなのでは生ぬるいという方もあって、それを何とか、懇談会ですので、コンセンサスに持っていったというのが実態でございます。
 特に難しいのは、やはりエネルギーの分野でございます。CO2問題の八割がエネルギーの問題なわけであります。日本は、日本の立地条件その他から考えて原発は難しいと、それからリニューアブルエナジーも難しいと、それから他の国とのコネクティビティーも難しいという中で、どうやっていくかというのはなかなか確信を持つ案はできなかったんですけど、とにかく目標は決めようというので、今言ったような目標を決めたわけであります。
 ただ、明らかなことは、これはビジネス・アズ・ユージュアルではできないということなんですね。ですから、是非、大胆な取組のエッセンスはイノベーションなんですね、イノベーションをとにかくやっていこうと。相当なお金をつぎ込んで、そして、かつ世界中からお金をつぎ込んで、日本に投資をすることが世界の気候変動に貢献できるというような姿勢を見せることによって世界の資金を日本に誘導して、そしてこの問題に取り組んでいこうと。
 あわせて、今よく言われておりますように、日本の学会、大学等で、なかなか仕事がない、定職がないという方々に、そうしたお金を出すことによって彼らを鼓舞して、しっかり研究してもらおうということを願って、そういう方針を政府が打ち出されることを期待してこういう提言をまとめたわけでございます。
 一つだけ、非常に難しかった例を一つ挙げておきます。それは、石炭火力発電の輸出という問題であります。これは、一方でとんでもないという方もいらっしゃるんです。他方で、本当に貧しい国で石炭火力しか当面安いエネルギーは考えられないという国もあると、そういうときに一体どうするのかという問題で、これは私は高度の政治・外交判断を政府、内閣がされるしかないというふうに思うわけでございます。
 ですから、このときの会合のときにも、ここは、これについてはっきりしたことは書きませんでした。しかし、そういう幾つかの意見があったことは最終回で御報告いたしまして、これに対して、最後の締めくくりで河野大臣が、例えばそうしたどうしても石炭火力が必要だという国があって、日本が断ったら他の国が支援するかもしれないし、またその国との関係に傷が付くかもしれない、そういう判断は政府に委ねたいというのが私の、座長としてそれでまとめたんですが、そこは政府でしっかり引き取っていきたいというふうに言われていたわけであります。
 ほかにもたくさん論点はございましたけれども、最後にこれを御紹介することで、取りあえず私の御報告は以上とさせていただきます。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
水落敏栄#4
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、国谷参考人から御意見をお述べいただきます。国谷参考人。
この発言だけを見る →
国谷裕子#5
○参考人(国谷裕子君) 国谷裕子でございます。
 今日は、発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 今日は、この三年ほど私がSDGsの取材、そして啓発活動に関わってきた者としまして、SDGsの国内での広がりがどのような状況になっているのか、浸透度の状況、国内での推進体制につきまして感じている幾つかの課題、そして若干の提言を申し上げたいと思っております。
 私は組織に全く所属しておりませんで個人として活動しておりますので、この場で、ごく簡単にですけれども、なぜSDGsの取材、啓発活動を行うようになったのかということにつきましてお話しさせていただければと思います。
 私がSDGsに初めて出会いましたのは、全加盟国でSDGsを採択することになります国連の七十周年記念総会のときで、SDGsは実は数年前から、各国の政府や政府関係者、NGO、そして市民、学者など、目標策定に向けたかんかんがくがくの議論がずっと数年間行われていたんですけれども、私はそのことについて全く気が付かず、そして「クローズアップ現代」のレーダーにも捉えられることはありませんでした。発足七十周年を記念する総会に向けての取材の準備をするに当たって、初めて知ることになったわけです。
 SDGsというものが非常に新鮮であるということに感じられましたのは、解決をしなければならない課題に一つ一つ個別に対応するのではなく、それぞれの課題がつながっているということを深く認識して、それぞれの課題解決がほかの課題解決にもなるよう総合的に、統合的に進めていこうというものだったからなんです。経済、そして社会、環境、それぞれの課題を切り離すことなく、一つ一つの目標の解決がほかの目標の解決も促すという相乗効果により解決に至るというふうにつくられていたわけなんですね。そのことに、大変新鮮な驚きとともに、そして感銘を受けました。
 三年前の三月まで「クローズアップ現代」という番組をキャスターとして担当してまいりましたが、一つの問題が起きて、その問題について番組で取り上げて、解決策だと考えられていたことを番組で提示したことが、数年たってみてまた取り上げてみますと、その解決策だと思えたことから新たな問題が生まれていました。あのとき一体自分は何を伝えたんだろうか、そう悩むことがございました。そういう思いが深まる中でSDGsに出会って、その考え方、進め方というのがとても新鮮に思えました。何か番組で続けながら悩んでいたことに対して解決策を与えられたような、そんな印象を持ちました。
 そして、もう一つ、ニューヨークで取材をして、番組を出して日本に戻ってまいりますと、今後の世界、日本に大変大きな影響をもたらすであろうSDGsについてメディアが余り取り上げていない、伝えていないということにも衝撃を受けました。私自身が、申し上げたように、SDGsを知るということが大変遅かったわけですから大きなことは言えないんですけれども、そういうこともありまして、番組を離れましてからこの三年、SDGsの取材、啓発に微力ながら個人として関わってきております。
 国連で採択されましてから三年半たちました。政府内に、先ほどの北岡理事長のお話にもありましたように、SDGs推進本部が発足しましてもう三年になります。
 国内での浸透度がどうかということについて申し上げますと、最初の二年ほどはなかなか浸透しませんでした。この一年を見ますと、企業、自治体、生活協同組合などの協同組合、大学など、幅広いステークホルダーの中で浸透度、認知度は急速に高まってきているように思えます。
 とりわけ、大企業においてこの動きが顕著です。積極的に経営計画に取り込んで、統合報告書に経営課題とSDGsがどのように関係しているかを記述する企業が増えています。企業にとりましてはSDGsが新たなビジネスチャンスをもたらすという側面もあるんですけれども、大きな影響をもたらしているのは、ヨーロッパを中心に急速に広まっていますESG投資が、日本にもその波が押し寄せているからだと思われます。
 ESG投資は、企業が環境、社会的課題にどのように向き合っているのかが重要な投資判断基準になります。このため、企業はSDGsが掲げる様々な社会的課題の解決を企業経営に取り込もうとしています。さらに、年金積立金管理運用独立行政法人、世界最大の機関投資家、GPIFがおととしからESG投資に関わる資金運用を始めたことも大きな影響をもたらしています。特にグローバルな展開をしている企業は、当然かもしれませんけれども、海外のグローバル企業、そして海外の政府のSDGsに向き合う動向に非常に敏感に反応しています。
 しかし、大企業全体にSDGsが十分な浸透を見るまでには至っていません。企業の社会的責任を重視する大企業で構成されていますグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの会員企業へのアンケート調査を見ますと、SDGsが経営に定着したと答えた企業が急速に増えて、昨年の秋の調査では五九%にまで達しています。そして、取締役会で議論したという企業も七〇%になっています。しかし、中間管理職に定着したと答えたところは、増えているとはいえ、まだ一八%、従業員に定着したと答えたのは一七%にとどまっています。
 さらに、中小企業への浸透度を見ますと、ほとんど浸透していません。関東経済産業局が昨年十月に一都十県の中小企業五百社を対象に行ったアンケート調査によりますと、SDGsについて全く知らない、今回の調査で初めて知ったとする企業は八四・二%に上りました。SDGsに対して対応してアクションを起こしている若しくは検討していると答えた中小企業は、全体の僅か二%でした。
 これからの時代、ESG投資やSDGsの動きは、グローバル企業、大企業にとどまらず、中小企業も無縁ではありません。サプライチェーンを含む、原材料から製品の消費段階に至るまでのあらゆるビジネスプロセスがESGやSDGsの視点でチェックされる時代が来ようとしています。中小企業にとってもビジネスチャンスの機会が生まれる可能性があるわけです。そのために、中小企業への浸透というのが急がれます。
 一方、自治体を見てみますと、SDGsに対する関心が高まっています。国が地方創生にSDGsを原動力として位置付けました。昨年からSDGs未来都市の選定を始めたこともあります。SDGsの認知度が高まりました。二〇三〇年のありたい未来を描いて、そこからバックキャスティングして現在の課題解決の方向性を見出していくというSDGsの手法が、人口減少などに悩み、未来に向かってどう行動したらいいのか苦闘している地方自治体に地域づくりの新しい視点をもたらしているんです。例えばある町では、住民が参加して、SDGsが掲げる社会課題に照らし合わせて自らの課題を見出し、将来こうなりたいというビジョンを描いて、そこから地域づくりの総合計画を作り上げています。
 一般市民への浸透はどうでしょうか。これはまだまだといった感があります。私もSDGsの講演を頼まれて伺った会場などで、SDGsを知っていますかと手を挙げてもらいますと、SDGsを知っている人はまだ僅かです。ある新聞社が継続的に東京、神奈川県在住の三千人を対象に調査を行っていますが、この二月の調査で、SDGsを聞いたことがあると答えた人一九%、五人に一人といった感じでした。
 最近、食品ロス、使い捨てプラスチック問題など、SDGsにとっても大きな目標であり、また市民、消費者にとっても身近で自分事になりやすいテーマが大きな問題として浮かび上がっています。こうした身近な問題が入口になってSDGsへの理解が広がればと期待がございます。そして、先ほどの新聞社が行っている調査ですけれども、SDGsについて知ると共感する傾向が高いのは若者と女性たちというトレンドが見られます。
 SDGsが実質スタートした二〇一六年から四年目に今年は入ったわけですけれども、日本の中ではSDGsへの取組は大きなうねりとはまだなっておりません。この三年間啓発活動に取り組んできた実感として、SDGsを作らざるを得なかった背景が十分に知られていないと、そこが大きな要因ではないかと感じています。
 このSDGsというのは、地球の持つ、私たち人類の生命を維持してくれている地球システムが危険な状況に近づきつつあるという強い危機感からSDGsが作られたわけですけれども、それがなかなか共有されない、SDGsが自分事として受け止められていないということが大きいと思っています。更なる推進の強化、そして啓発活動の強化が求められていると思います。
 その点から、様々な取組を取材して感じているのは、SDGsを強力に推進していこうという政治の意思がまだ希薄だということでございます。
 先ほどグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンによる加盟企業へのアンケートを御紹介しましたけれども、このアンケートでは、SDGsに影響力のあるセクターはと尋ねますと、政府、政府系団体がトップとして挙げられます。また、自治体へのアンケート調査でも、取組の障害として、先行事例や成功事例がないといった理由と並んで、国や地域の盛り上がりが乏しい、国の方針が分かりづらいためどう推進していいか分からないという答えが上位を占めています。
 SDGsの目標は全世界共通のものであって、様々なステークホルダーが同じ目標を目指して進むわけですが、その目標達成に向けての方法、プロセスはそれぞれの状況に応じた自主的な方法に任されています。こうした多様な人々が参加し、自主性を重んじた方法は、思いもしないようなアプローチやイノベーションも生み出す可能性を秘めています。
 その一方で、SDGs達成に向けて一体何をすべきか、どう取り組んでいけばいいのかといった戸惑いを与えているのも事実です。そうした中で、国、政府の役割はどうあるべきでしょうか。
 三年前の二〇一六年五月に、政府に全閣僚によるSDGs推進本部が設置されました。その下で策定された実施方針により、八つの優先課題と具体的施策が決定されています。そして、それに基づいて二〇一八年からはアクションプランも策定されています。また、政府が実施しているジャパンSDGsアワード、昨年から始まったSDGs未来都市の選定は、先進的にSDGsに取り組んでいる自治体、企業、NPOなどを広く社会的に知らせ、SDGsに取り組もうとしている組織や人々に先行モデルとして多くの刺激を与えています。
 しかしながら、このような取組が行われているにもかかわらず、なぜSDGs推進に向けた政治の意思が強く受け止められていないのでしょうか。
 それは、一つには、具体的施策として挙げられているものが、SDGsに取り組む以前から各省庁が既に提案し進められている施策を八つの優先課題別に整理されたもので構成されていて、SDGsに取り組むに当たっての国家戦略であるとされながら、二〇三〇年へ向けての新しいビジョン、新たな政策としてはくっきりと示されておらず、SDGsによって何をどう変革していくのかが見えていません。
 また、SDGsには、様々な目標、ターゲットの達成に向けての行動がお互いに連関し、相乗効果、シナジー効果を生み出すことによってその達成をより確かなものにするという特徴があります。そのことを可能にする強力な仕組みが必要だと思われますが、その仕組みは実現していません。
 SDGs達成のためには、できることを積み上げていくというのではなく、野心的な目標を掲げて、やらなくてはならないことをスピード感を持って実施していかなければなりません。そのためには、複雑に絡み合う課題を統合的に検討し、その具体化施策を策定していく核となる強力な専任スタッフ部門、例えば内閣府にSDGsを推進する部局の設置などが必要ではないかと思われます。この省庁縦割りを超えたスタッフ部門と、現在推進本部の下にある円卓会議に参加している様々なステークホルダーのメンバーが深く連携し、その議論の中から二〇三〇年を目指す様々な施策を生み出すといった方法が取れないでしょうか。
 円卓会議は、SDGs達成に向けた日本の取組を広範な関係者が協力して推進していくためにつくられたもので、円卓会議は今、年二回の開催にとどまっています。意見交換する場、ややもすれば政府から出されたプランにお墨付きを与える場としてしか機能していない、具体的な政策形成の場となっていない面があり、この円卓会議の機能を大幅に見直し、強化することが重要だと思われます。
 実施指針には、省庁横断的な分野別の事項についても、事項に応じて関係するステークホルダーとの意見交換や連携のための場の設置等を検討すると書かれています。テーマ別の分科会も積極的に行って、より深い検討を行い、新たな政策形成に反映させていただければと思います。
 そして、SDGsは国際法のような法的拘束力を持つものではないんです。世界共通の目標に向けて、各国は進捗状況をきちんと把握して、国際社会でどこまで進んだのかということを明らかにしなければなりません。そして、それをハイレベル政治フォーラムなどでその進捗が比較評価されることで各国の積極的な行動を引き出そうというものです。
 SDGsは、目標、ターゲット、指標から成っていて、その進捗をモニタリングして評価するという、ある意味、測って比べるという分かりやすい仕組みを持ったものです。推進に当たっては、強い政治の意思の下、その仕組みがシステマティックに動くようつくっていかないと、スピーディーな目標達成ができないというふうに思います。そして、現在の推進体制では、フォローアップの、進捗把握の、個々の政策担当の省庁任せになりかねませんし、各種政策の統合効果の測定もできないまま終わる可能性がございます。
 そして、もう一点だけ申し上げたいのは、今年、実施指針の改訂が行われるということですので、多くのステークホルダーの参加の下で大胆な改訂をしてほしいと思いますし、そしてもう一つ、この場で申し上げたいのは、政治の強い意思を内外に示すためにSDGs推進基本法を制定する必要があるというふうに考えます。政治の意思の本当に強度を保つためにも、立法措置による政府や自治体など行政組織に対するある種の縛りというものが必要ではないかと思います。
 基本法についてはもう少し申し上げたいこともありますけれども、時間となりましたので、私の発言はここで終わらせていただきたいと思います。
 このような場で発言させていただく機会をいただきましてありがとうございます。
この発言だけを見る →
水落敏栄#6
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、浅岡参考人から御意見をお述べいただきます。浅岡参考人。
この発言だけを見る →
浅岡美恵#7
○参考人(浅岡美恵君) 浅岡でございます。
 本日は、お招きいただきましてありがとうございます。
 私は、気候ネットワークというNGOの関係で本日お邪魔をさせていただいておりますが、気候ネットワークは、九七年に京都議定書が採択されました国連の会議のためにといいますか、その関係で設立されましたNGOで続けております。既に二十年経過いたしまして、気候変動に関わってまいった経過から、本日は、パリ協定を中心として、SDGsの関係も触れながら申し上げたいと思います。
 先ほど国谷参考人の御意見を拝聴しておりまして、まさに私が関するところはほぼ共通の考え方であります。それを気候変動に落とし込めばどうなるんだろうということを申し上げたいと思っております。
 まず、パリ協定でありますけれども、御案内のとおりであり、北岡参考人からもお話ございましたが、世界の協力によりまして地球の平均気温の上昇を産業革命の前から二度、一・五度にも努力するということに世紀を掛けて取り組もうということでありますが、その実現のための大きな目標が、今世紀の後半にも、脱化石時代、実質的なCO2の排出をゼロとすると。一・五度にいたしますということは、もうそれが二〇五〇年にも求められているという、タイムラインがあるという問題であります。
 そのために各国が目標を定め、提出し、またそれを実施をしていくということがパリ協定の四条二項に書かれておりますが、先ほど国谷参考人からもありましたように、自主的に目標を定めるということが一つの課題となっております。ただ、足りない目標を引き上げていくというプロセスがこの中に組み込まれておりまして、日本も今、二〇二〇年に二〇三〇年目標を引き上げられたいという要請、また、二〇五〇年の目標も八〇%削減から更にもっと引き上げるようにという要請を受けている中の立ち位置にございます。
   〔会長退席、理事堀井巌君着席〕
 こうした中で、日本がこの気候変動問題につきまして国際的な存在感を持って対応していくというためには、遅れながらではなく、やはり先陣を切って取り組んでいるということなしには、国内対策がしっかりできているということなしには国際貢献も難しいと。国際社会への貢献もそういう観点からなされる必要がある。
 とりわけ、本日は、石炭に関する国内の対応、そして国際的な海外への対応につきまして、そして、その反面であります再生可能エネルギーの体制が遅れているんだということにつきまして、御案内とは存じますが、申し上げてまいりたいと思います。
 少しパワーポイントを用意いたしましたが、一枚目の下は今のことでございますが、裏をめくっていただきまして、パリ協定は二〇一五年に採択されまして、翌年には発効いたしました。トランプ政権が誕生いたしましたが、発効し、そして、そのルールブックと言われます詳細運用ルールも、基本的にはもう昨年のCOP24で採択されました。大変積極的な動きが見られているわけであります。
 これが、どうして国際社会がこのように動いているのかということにつきまして、世界の動きの中で重立ったことをスライドの三に挙げてみましたけれども、IPCCを中心といたします科学からの示唆が大変大きいと。科学ベースで国連の枠組みもパリ協定も採択され、構成されているということであります。
 どうしてそこまでなってきているのかというのは、もう世界中の人々の生命、健康、生存に関わるというところまで現実になっているという意味で、ある意味で人権問題として捉えられるようになりました。
 やるべきことは分かるけれども、じゃ、どうやって脱化石時代を築くのかという点につきまして、再生可能エネルギーに大変急速に、この数年、経済合理性が高まってまいりました。非常に安くなったわけであります。もう石炭よりも安いというぐらいになってきているわけであります。
 そして、こうした世界の動きに国際社会が動き出す、ビジネスも動き出すということが既に起こっております。金融も明確にそうした動きを見せております。
   〔理事堀井巌君退席、会長着席〕
 そして、国の責務は当然ですが、州とか都市とか自治体が取り組んでいるということが出ておりますし、日本におきましても世界におきましても、やはり地域、ある意味でこれまで貧しかった地域の問題としてこの再生可能エネルギーが非常に大きな役割を担っているということがあります。
 これらを動かしているものにもなりますが、市民セクターも大変行動的であります。このグレタさんの写真は最近日本でも見るようになりましたが、子供たち、中学生、高校生が毎週学校ストライキをするというような目覚ましい行動力があります。
 これらの動きは世界的に動いていることでありまして、日本はどれも弱いと。科学とパリ協定は共通でありますけど、そのほかの部分は弱い。そして、二〇五〇年八〇%削減、政府が閣議決定しているんですということを御存じの国民は一体何人いるだろうかと、SDGsにとても及ばないと、このような現実があるわけであります。
 こうした観点で見ますと、私は弁護士として法律家でありますが、このパリ協定という国際条約は、気候や環境に関する条約ではありますけれども、既に人権条約であり、また経済のルールに関する条約であるという機能を持ってきているということになろうかと思います。
 とても今日は時間が限られますので、この後ははしょらせていただきます。
 下にありますIPCCの特別報告は、COP24に私も出ておりましたけれども、ここにありますように、一・五度Cに止めるということは、二度あるいはそれ以上の気温上昇にとどめるようなことよりも明らかに世界中の国民に便益があるんだ、大変だという以上にもっと便益があるんだと、非常にチャンスなんだ、チャレンジなんだと、すべき機会なのだということが強調されております。
 次のページのところでありますけれども、ヨーロッパがとても先進的であるように皆様にも伝わっていると思いますけれども、私も二十年この交渉を見てまいりまして、大きな転機は二〇〇二年から三年にあったと思います。どこも頭では分かっているわけでありますが、二〇〇二年から三年にヨーロッパは非常に広範囲に大洪水に見舞われ、多くの命や財産をなくしましたし、二〇〇三年には何万人という人が熱波で亡くなりました。これは、気候変動の影響はどんな姿かということが現実になったと、ここから取組が本気になったと、経済的な仕組みも入っていったと思います。
 日本も、去年、おととし、大変な災害に見舞われております。その下にも、これ六ページにも、六枚目にもありますが、都市が大変脆弱でありまして、日本の都市も多くの都市がその脆弱なところに番付が入っております。東京もゼロメートル地帯が多いことはよく御案内のとおりであります。
 それで、次のところを見ていただきまして、少しデータに基づきお話ししたいと思いますが、一・五度の特別報告といいますのは、COP24でも報告されました、直前に出されましたものでありますが、ある意味で衝撃なものでもありましたが、COP24を契機といたしまして、非常にスムーズに皆さんが受け入れていったというか、これをちゃんと頭に置いてやっていこうということの流れが顕著になってきたという空気を感じております。
 その一・五度報告には、図が四つありますけれども、P1、P2、P3、P4の四つのルートが書かれておりますが、P3、P4というのは、今しばらくは排出をして後で大気から回収すると、こういうことのシナリオで、オーバーシュートと呼んでおります。それはあり得ないことだ、できない、これに期待するわけにはいかないと、P1、P2で求めてやっていくといたしますと、その下のものが、地球全体で、一番上の赤いラインはCO2の排出削減量、下のラインが一次エネルギーに占める石炭の削減量であります。下に書いておきましたが、CO2は二〇三〇年までに二〇一〇年比で世界で半減する。そして、火力と製鉄が、一次エネルギーに占める石炭でありますが、二〇一〇年比に六から八割は減らしていると。大変大きく減らすということが必要であり、脱石炭ということが世界中で課題である。日本は先進国でありますので、より早くそれを実現していくという立場にあるということであります。
 次のページ見ていただきますと、こうした要請を受けまして、イギリスやフランス、主要国がどのような取組をしているのかということであります。メモにしましたが、二〇三〇年、日本よりも大きな削減目標を掲げ、逆に再生可能エネルギーも大きく目標を掲げ転換をしていくと。脱石炭の目標年というものは二〇二〇年代。ドイツも、いろいろありましたが、二〇三八年という設定をいたしました。それに引き換え、日本は、二〇三〇年にまだ二六%持つのだと、こういうことになっております。
 その下に、オランダのハーグ地裁の判決から、排出量の小さい国は大きく貢献することはないという主張とか、それからオーバーシュートの方法もあるではないかというような議論を裁判で、国から、オランダの政府からなされたものに対する判決が出されております。このように、こうした議論は、裁判所の中で何をすべきかということが議論され、先ほどの一・五度報告に沿うような形で取り組むべきことが既に、何といいましょうか、判決の中、高裁判決にも出てくるというようなのが国際社会の動きだということであります。
 次のページを見ていただきますと、十一ページありますが、もう本当に時間がありませんのであとははしょらせていただきますが、そこで、今回、長期戦略が出てまいりました。いろいろ工夫されているところは拝見をするのでありますけれども、申し上げておきたいことは、IPCCの一・五度報告というのは、考えてみようというレベルではなくて、もう既にそこに向かって多くの社会、国際社会が動き出しているものであると。ビジネスも動き出していると。そして、SDGsとの関係は、国谷参考人がおっしゃいましたように大変深く絡み合っていると、各論がここに全て表れているということであります。
 そこに欠けているのは野心的なビジョンと、まあビジョンにも含まれるかもしれませんが、日本に欠けているのは、本当にいつ脱化石に向かうのか、いつ脱石炭に向かうのか明確な目標数値、目標年を設定し、それを更に引き上げていく、また、その数字だけではなくて、それを実現していくための政策措置を策定し導入する、これがほとんどない状況だと今は言わざるを得ません。これはSDGs全体と共通であります。
 それで、二〇五〇年につきまして非連続的なイノベーションということで、特にここの、今回の長期戦略では、非常に今はとても無理だなということが明確なものとか、CCSのようなものとか、非連続な技術に頼ろうとしているところがありますが、そうではない取組が世界中で行われているということであります。
 その下にありますのは、今申し上げましたように日本の排出の経過でありまして、八〇%削減に向かう。この図で注目いただきたいのは、下の赤い線ではなくて黒いところ、これが発電部門から排出される二酸化炭素であります。約四割を占めます。この中の半分以上が石炭によるものであります。これを早く減らしていくということなしには駄目なのではないか。
 しかしながら、なぜこれがなかなか難しいかといいますのは、今回の長期戦略のベースになっておりますエネルギー基本計画、同じく去年のものでありますけれども、ここに、電源における脱石炭ということが明確、明確とは言いましたが、そうはなっていなくて、非効率の石炭の新設はやめると、非効率なものだけ、効率のいい石炭は国内でも進めるということになっています。輸出も同じように進めるということになっております。
 再生可能エネルギーをどうするかという点につきましては、主力電源化に向けてという言葉は入ったのですけれども、それを実現するための系統制約をどう克服するのかということについてまだ何も手付かずだと言わざるを得ません。
 その下にあります表は、エネルギー基本計画長期戦略のベースになっております経済産業省の長期エネルギー需給見通しというものでありますが、これの右の方を見ていただきましたら分かりますように、石炭を電源の二六%程度にするということは二〇三〇年の目標としてですが、震災前十年間も同じものであると。二〇〇〇年から二〇三〇年まで日本はエネルギーの、電力の構造を変えないということがこのベースになっているわけでありまして、ここから斬新な長期戦略が出てくるということは大変難しいと、こういうことだと思います。
 次は、念のために入れましたが、もう本当に時間がありますのではしょりますが、UNEP、国連の機関におきまして、日本も不十分ですが世界もみんなよくできているわけではなく、全体としてまだ大きく削減量が二度のラインにも足りません。そこで、まずすべきことはといってここで書かれておりますところに、新規の石炭火力発電所は建設しないと、フェードアウト、既設のものも早くフェードアウトしていくということは一丁目一番地の対策として出ているということであります。
 このようにしていくということが、下に書いてありますのは、日本は化石燃料をこれほど毎年輸入をしているわけであります。輸入量と輸入額の表を入れてありますが、非常に価格変動が大きいものですから輸入額は、に払う金額は大きく変動しておりますが、輸入量は余り変わっておりません。まあ若干減る傾向に来ているかなと思います。他の先進国でこのように化石燃料を輸入している国は、これらの輸入代金が国外に出ていく、流出を回避するということで、早く取り組むことが大変大きな国の経済としてのインセンティブにもなっているということで、日本においても同様であります。
 次のページのところを御覧いただきたいと思いますが、日本の国内の石炭政策、国外も含めてでありますけれども、先進国で、海外のNGOがランキングを毎年のようにするのでありますが、二〇一七年でも最下位で、バツバツばかりであります。二〇一八年も最下位でありましたけれども、二〇一八年、一つ加わりましたのは、民間の融資先の方、金融側が若干方針を変更するところが現れてきているということで、その評価が幾分入りました。
 こういうふうな最下位の評価になりますということはどうしてかといいますと、その下にありますように、日本では震災後、五十基もの石炭火力の新設計画が起こりました。そして、その右下に書いてありますように、この数年間の間にもう既に建設され、稼働を始めたところがかなりの部分があります。一部、融資先が撤退すること、融資先の事情から撤退したところも、するというところも出てきましたけれども、なお今まだ計画が進行しているところがある。これは、ほかのG7の国々から見ましても本当に特異なことである、だからこそ非常に国際社会からの批判を受けております。これを政策変更していただくことは急務であると思います。
 次の十九枚目の図でありますけれども、なぜこのような新設ができるのかという点は、日本の政策が電力業界の自主目標に由来し、省エネ法では発電事業者の全体としての基準しかなく、エネルギー供給高度化法というのは小売業者の規制しかなく、個々の発電所に関する規制が全くないということがあるからであります。
 じゃ、どうしたらいいのかという点は、先ほどの海外の対応でもありましたように、やはりCO2の排出規制を発電所においてはちゃんと設けていただいて、石炭ができないようにする。また、ここの右の方の図は、環境省が作りました世界の排出量取引制度が導入されている国の状況、あるいは炭素税が導入されているところでありますけれども、こうした大規模排出源に対しては排出量取引制度のカバーが必要だということであります。
 時間になりましたので終わらないといけないと思いますけれども、一、二点だけ付け加えさせていただきますと、日本には石炭だけではなくて天然ガス火力の発電所もたくさんもう既にありまして、非常にそういう意味ではもう十分なキャパを持っているということ。
 そして、次の二十二枚目からは、再生可能エネルギーが世界でどのように投資が進んでいるのか、どのように次はコストが下がっているのかということ。経団連も若干そうした動きが見えるのかなというふうに思われたところであります。
 最後のところは、一番最後には、日本の民間からの投資あるいは公的な投資が、やはり石炭に対する投資が大変世界的にも顕著な、海外への投資も顕著だということが国際社会での非難も受けていると。脱化石に向かうというのは世界どの国も向かうと。そういう時代に途上国にどう支援するかということが問われているわけであります。
 最後のページは、SDGsにつきまして、国内でこの気候変動に対応していくといたしました場合は、どのような課題、ゴールがどのように関係性を持って関わっているだろうかということを私なりに整理を仕立てたというものでありまして、御参考になればということでございます。
 どうも、長くなりまして失礼いたしました。
 ありがとうございました。
この発言だけを見る →
水落敏栄#8
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただきますようお願いいたします。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただきたいと存じます。
 委員の一回の発言時間は答弁を含め十分以内となるよう、また、その都度答弁者を明示していただきますよう御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 猪口邦子さん。
この発言だけを見る →
猪口邦子#9
○猪口邦子君 三人の参考人には、大変重要な御指摘の数々をいただきましてありがとうございます。大変参考になったところでございます。
 私は主として北岡先生にお伺いしてまいりたいと思いますが、北岡先生は研究者であり、教育者であり、また大使経験者であり、そして今JICAの責任者であるということでございまして、冒頭、正しくも、MDGsについては国内で知られることが少なかったけど、SDGsについては広く考えられているという御指摘です。この理由は、MDGsの場合は途上国を助ける、途上国の問題解決というような人ごと的な考え方があったかもしれませんが、このSDGsは自分たちの課題でもあると、先進国、途上国併せた課題であるという、こういうフレームができて、まさにそうなったんだろうと思います。
 そこで、日本としてのこのSDGsとの関係での課題ですね、これについてどう考えていらっしゃるかということを伺いたいんですね。
 例えば、この十七のゴールズを見ても、例えば一の貧困をなくすといったら、子供の貧困の問題、我らは抱えている。あるいは、三番の全ての人に健康と福祉をといえば、高齢化社会の医療、地域包括ケアなどどうなのか。五番のジェンダー平等といえば、まさに男女共同参画の不足がまだまだ見受けられる。あるいは、十一番の住み続けられるまちづくり、都市計画の問題などですね。あるいは、十三番のこの共通の課題であります気候変動。先進国も課題としてこういうふうにあるなということでございます。
 これとの関係で、日本は、今年G20、そして来年オリパラ、そして、そのオリパラの年の九月には、ニュートリションサミットといいまして、栄養に関する首脳会議が日本で開催されます。こういう世界に対する重要舞台を日本が提供するという場合に、北岡先生としてはどういうふうにこのSDGsの課題、特に日本としての課題も含めて考えていらっしゃるかということを伺いたいと思います。
 それから次に、研究者でいらっしゃるわけですけれども、途上国の特にSDGs解決するのに研究というのは非常に重要だと思うんですね。本当の問題の原因といいますか、解決への答えは何なのかということなくして難しいです。
 先生おっしゃった乳幼児死亡率、これを半減させることができたと、そのとおりなんですけれども、ここにはすごい研究の成果がありまして、どうやったら乳幼児死亡率を少なくできるのか。それは食糧支援だろう、いや、医薬品の支援だろう、みんなこういうふうに思うわけですが、ここで国連の研究者の報告書によって、女児の識字率こそが乳幼児死亡率を劇的に減らすことができる。要するに、識字のある母は自分の赤ちゃんの命を守るそのすべや情報により的確に接することができると。こうして、まさに、マララさんではないですけれども、女児の教育ということが一気に強化される。
 ですから、こういう研究と、それから問題解決、ソリューションとの関連性、そしてその研究というのがどういうふうにこのSDGsの解決に関わってくるのかということを伺いたいと思います。
 それから三番目に、エジプトの日本式の教育についての御指摘があるんですが、私、初代の食育大臣というのを経験したことがあるんですけれども、日本の給食制度こそ世界に広めてもらいたいと。そして、この栄養サミットにおきまして、この給食など、日本がかつて大きな問題を抱えていたかもしれないけれども克服できたSDGs的な課題、これについての発信、発言をやっていただければと思っております。
 それから、この部分で最後なんですけど、これは浅岡先生にも同じテーマを伺いたいと思うんですけど、環境問題について発言する若い世代ということがあります。
 北岡先生も、学生運動、こういうことの記憶があると思うんですけれども、ちょうど五十年ぐらいたっているわけですね。あのとき、世界を改革するといったソルボンヌに始まるあの運動は大学生。ところが、今は高校生で、そのスクールストライキというのは、スウェーデンの高校生、ハイスクールのグレタ・サンバーグさんが、金曜だけは学校に行かずにこのスクールストライキをするということですね、この気候変動問題に対する大人の取組が弱いんじゃないかと。で、頭のいいあなたがそんなことをしたら自分の未来を台なしにするでしょうと言われたら、何の未来、あなた方が自分の、私たちの未来を壊しているでしょうということで、ヨーロッパ中にこれが広がって、今もう何百校とこのスクールストライキ現象というのが出ているんですよ。
 それで、この主張の若年化……
この発言だけを見る →
水落敏栄#10
○会長(水落敏栄君) 答弁者の時間も考えて。
この発言だけを見る →
猪口邦子#11
○猪口邦子君 あっ、そうですね、済みません。
 そういうことをどうお考えかということをお伺いしたいと思います。
 そして、国谷先生には、ESGにつきまして、ちょっと更にどういうふうに投資行動があるかということを教えていただきたいと思います。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
北岡伸一#12
○参考人(北岡伸一君) 御質問ありがとうございました。
 最初に、MDGsよりはSDGsの方が上がってきている、幾つか理由がありますが、私は、一つの理由は、間口が広いということだと思います。どこか、これだったら、あれ、自分も関係できるかなと思う人が多いと、それが一つでございます。
 それから、過去数年間統計を取っておりますと、ODAに対する支持は増えているんですね。かつて、ODAは減らすべきだ、増やすべきだ、現状でいいというのを比べますと、余り多くなかったんですが、最近は増やすべきだとそれから現状維持でいいというのを合わすと八割近くになっているんです。以前よりかなり増えているんです。それは、一面では、この数年間、経済状況が良くなっていることと関係しているかもしれません。
 また、小中学生に対して、国際協力についてのJICAではエッセイコンテストをやっておりますが、この参加者は年々増えているんですね。ですから、今の若い人は希望を持てるんじゃないかなと私はちょっと思っている次第です。
 もう一つ、更にこれをやるためには、SDGs及び、特に気候変動もそうなんですけれども、私は小学校ぐらいからこの問題を教えなくちゃいけないんじゃないかと思うんですね、気候変動の問題を。これが大変大事ではないかと思っております。
 二番目の御提案の、御質問のいろいろなんですけれども、幾つかお答えをしますと、我々は、日本の教育の輸出といいますか、やっておりますが、それと同時に、幾つかの国では、給食まで含めた、特に西アフリカにおいて、みんなの学校と言っておりますが、スクール・フォー・オールというプロジェクトをやっておりまして、給食まで視野に入れると。給食を視野に入れれば、子供たちが栄養も取れるし、子供は三食食べれる子がみんないるわけじゃありません、学校へ行きたがるんですね。そうすると社会が安定するんです。いろいろな意味で良いことなので、ただ、お金も掛かるんですが、これを、日本がかつてそうだったように、コミュニティーの中心が学校であり、コミュニティーが学校を支えるという制度を幾つかの国で導入して、東だとマダガスカルなんかでやっておりますが、これはとても良いことだと思っております。
 ただ、若干足りないのは、就学前教育にはもうちょっと工夫が必要かなというふうに思っています。
 それからもう一つ、我々は、よその国とちょっと違うのは、UHC、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジであります。我々のJICAが特に、日本、JICAが特に強調しているのは、治療より予防だと、予防が大事だと。私もかつてマラリア予防のオリセットというキャンペーンやったことがあるんですけれども、予防が大事だと。欧米の方は、企業とのパートナーシップはいいんですけれども、製薬会社がどうも薬を売りたいという動機と結び付いていやしないかというのを時々邪推するんでありますが、そういうことを考えます。
 こういうところは、一つ一つのプロジェクトの成果を簡単なプロジェクトストーリーにして、また研究者の方に還元できるような研究と実務の両立というのを考えております。
 ちょっと私はここで一応止めさせて、あとの時間、譲らせていただきます。
この発言だけを見る →
水落敏栄#13
○会長(水落敏栄君) 浅岡参考人、お願いします。時間が迫っておりますので、恐縮ですが。
この発言だけを見る →
浅岡美恵#14
○参考人(浅岡美恵君) はい。
 グレタさんの行動に関しまして少し申し上げます。
 これは、気候変動という被害の特徴でもあると思います。ほかの環境での取組というのは、努力、世界が取り組むことで少しは良くなっていくということに行くと思うのですけれども、気候変動は、これから明らかに予測されていることは、悪くなるわけです。悪くなる程度をどこにとどめるかというものであります。二酸化炭素は大気中に蓄積されておりまして消えていきませんので、追加的な排出がある限り悪くなるわけです。
 今、グレタさんのような十代の人たちは、私が五十歳になったとき、七十歳になったとき、どんな気候ですかということをイメージすることによって、それを何とかしてくださいと、少しは良くして、もっと改善してくださいということを言うと。抽象的に気候がこう変わるというようなことから、自分の生きる社会がどうなのかとイメージすると。子供たちがそうしたことを一生懸命考えている、これは教育の在り方にもあると思います。
 京都市では、そうした小学校の教育を取り組んでくださり、私たち気候ネットワークは全部の、全ての小学校に行っているんですけれども、ただ、それは、日本で子供がストライキすると言うと、先生はいけないと言うでしょうと。ヨーロッパでは先生も一緒にやっている学校があると。この辺りはやはり大きな違いがあるのではないかと思います。
この発言だけを見る →
猪口邦子#15
○猪口邦子君 終わります。
この発言だけを見る →
水落敏栄#16
○会長(水落敏栄君) 牧山ひろえさん。
この発言だけを見る →
牧山ひろえ#17
○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会・希望の会の牧山ひろえでございます。
 本日は、参考人の皆様、大変お忙しい中、SDGs、パリ協定等の国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題というテーマにつきまして、大変ためになるお話をありがとうございます。
 現在の国際的な潮流で最も懸念されるのは、世界中に広がりつつある自国第一主義だと思います。かつては国際協調の牽引役となっていた欧州諸国でも、反EUや反移民、難民を合い言葉に自国第一主義を掲げる急進的な右派政党が急速に支持を伸ばしている、こういった事実がございます。
 本日のテーマであります国際公約は国際協調を基盤とするものであり、国際協調と自国第一主義は相反するテーゼだと思います。私は、自国第一主義の潮流が強いからこそ、逆にODAを重視すべきではないかなと考えております。
 そこで、国際協力機構の理事長であられる北岡参考人にお伺いしたいんですけれども、自国第一主義が広がる国際的な潮流が強い中でのODAの意義について、改めて御所見をお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
北岡伸一#18
○参考人(北岡伸一君) 我々は、よくODAの意義について聞かれるときに、次のように説明します。我々は、国内では、高収入の人はたくさん税金を払い、そうでない方々にお金が回るようにしていると。これは、国境の外には無関心でいいんだろうかと。やっぱり、豊かな国はそれなりの貢献をして、そして途上国の発展に貢献する義務があるのではないかと。ですから、OECDでは、各国GDPの〇・七%を目標にしてODAをやりましょうということになっているわけであります。
 しかし、日本は、昨年で〇・二三%、今年はちょっと計算方法が変わったせいで〇・二八に、実質的に増えてはいないんですけれども、計算上〇・二八に上がっていたのですが、これは、一%出している国があり、そしてイギリスなどは〇・七%を出すというのを法律で決めていると、そういうところに比べて大分少ない。ドイツは〇・六とか、独仏に比べても少ないので、日本は決して自慢できるほどではないと。もう少しやらなくてはいけないんじゃないでしょうかねということを言うと、多くの、かなりの方は賛成してくださって、さっきデータに触れましたとおり、増やしてもいいんじゃないかという方がちょっと増えているというのが現実でございます。こうして途上国を発展させると。
 アフリカを取ってみますと、今年はTICADが夏に横浜で開かれますが、二〇五〇年ぐらいになりますとアフリカの人口は世界の四分の一になるんですね。四分の一の人口、四人に一人がアフリカ人という世界で、もしアフリカが発展を続けていれば、これは我々の大きなマーケットになると。しかし、もし発展に失敗すれば、混乱して世界の大変大きな課題になってしまうと。そうならないようにしていこうではないかということを、長期戦略で見ればほとんど自明のような気がいたします。
 牧山先生おっしゃるとおり、自国第一主義という大きな制約がございます。ただ、一方で、例えばアメリカでも州や企業の間ではこうした問題へのコミットメントが結構強くて、ですから、アメリカの状況が絶望的だとは私は思わないんですね。ヨーロッパでも企業の方のコミットはかなりありますし、NGOも強いですし、ですから、自国第一主義というのは確かにあるんですけれども、ODAの潮流、途上国支援ということについてはそれほどまだ打撃はなくて、日本はこの方面でこうした国々を引っ張るように努力しなくてはいけないというふうには思っております。
この発言だけを見る →
牧山ひろえ#19
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 自国第一主義についてですが、私は批判的ですけれども、国のかじ取りは最終的にはそれぞれの国の国民が行うものであり、他国がむやみやたらに口を挟むわけにはいかないと思うんですね。そのような限界がある中で、ソフトに、かつ長い目で見たアンチテーゼになれるのがODAではないかと私は考えております。
 その意味で、最近のODAに関する日本の方向性につきましては、短期的な国益を目的としたり、あるいは同盟国との政策的な協調が前面に押し出され過ぎている傾向があります。そのような方向性については、私は深い懸念を感じております。
 以前、我々は開かれた国益を提唱したことがありますが、開かれた国益という概念というのは、国際公約を重視することにも結び付き、前進させる力があるんではないかなと考えております。
 さて、「SDGs、パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題」という今日のテーマに関しましてですが、国や地方自治体の取組もさることながら、それも取組施策が国民の理解と関心に結局基づくことが何より重要ではないかなと感じております。
 私はアメリカの弁護士として海外で働いていた時期が長かったんですけれども、欧米諸国では、このような地球規模の政策課題につきまして、市民がより身近に、そして自分たち自身に関わる問題として捉えているという、そういった印象を私は強く受けました。
 ここで国谷参考人と浅岡参考人にお伺いしたいんですけれども、災害の対応でも称賛されていますように、日本国民は決して倫理観が低いというわけではないと思いますし、そういうことではないにもかかわらず、地球規模の課題に関するこの距離感の遠さは一体どこからくるのかなと思うんですが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
水落敏栄#20
○会長(水落敏栄君) まず、国谷参考人、お願いします。
この発言だけを見る →
国谷裕子#21
○参考人(国谷裕子君) 日本国民の間で、SDGsのその課題、国際的な課題の認知度が低い理由なんですけれども、先ほどのお話でも少し申し上げましたけれども、まずは、SDGsが生まれた大きな背景というのが、我々人類の生命を維持してくれている地球システムそのものが壊れるかもしれないという強い危機感で作られたということが十分伝わっていないことと、もう一つは、そういった気候変動がもたらす様々な、そしてその気候変動の影響というものが、IPCCの一・五度報告書にもありますように、これまで考えられていたよりもよりスピードが速く、そしてシビアな形で災害等となって現れてきていて、それが世界全体を不安定化させるという状況を生み出している、この二つの不安定化させているということと、そして地球そのもののいわゆる生命を維持してくれている機能が壊れてきているという、そのコアにあるなぜSDGsが生まれたかということが十分に伝わっていないのではないかと。
 そしてもう一点は、我々の生活、よく言われるのは、今一番気候変動の影響を受けている国や地域というのは、温暖化に責任がない、今まで温室効果ガスなどを排出してこなかった地域の人々がより苦しんでいるということの理解も十分に進んでいないのではないかというふうに思われます。
この発言だけを見る →
浅岡美恵#22
○参考人(浅岡美恵君) 一つは、本当に必要な情報がやはり国民に届いていないと。あふれているように見えますけれども、大事なメッセージが抜けているんだと思います。本当に、今、国谷参考人がおっしゃったことと共通いたしますけれども、深刻さ、また何が由来するか。これだけ情報があふれているのであるから国民は自分から求めていけばいいではないかと。確かにネットで探せば得られるようなものではありますけれども、そこまでの主体性がやはり日本の国民性の中に少し欠けている面もあるというふうには思います。
 ただ、それをどうやって補完していくかということで、海外の国々と比べて私が感じますところは、政治のメッセージがやはり欠けていると思います。本当に、国が向かう削減目標を安倍首相からちゃんと語られたということは余り私は見ませんし、ほかの国では大統領、首相たちがやはりそう言っているわけです。それから、国外の化石燃料を購入することを避けることでどれだけ国の経済にもいいのかということをトップから話がされていると。そういう政治的なメッセージあるいはシグナルというものを日本にもっと強化していただきたいなと思っております。
この発言だけを見る →
北岡伸一#23
○参考人(北岡伸一君) 一つだけちょっと。
この発言だけを見る →
水落敏栄#24
○会長(水落敏栄君) 北岡参考人、まとめていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
北岡伸一#25
○参考人(北岡伸一君) 牧山委員が最初、今の日本のODAが国際協調を支援するという流れに必ずしも十分に貢献していないと、あるいは同盟国本位になっているのではないかという御懸念が表明されたので、それは具体的にどういうプロジェクトを指しておられるのか。私はちょっと誤解ではないかと思うので、お聞きしたかった次第であります。御指摘いただければ御説明いたします。
この発言だけを見る →
牧山ひろえ#26
○牧山ひろえ君 ちょっと時間の制限がありますので、後ほど個別によろしくお願いします。
この発言だけを見る →
北岡伸一#27
○参考人(北岡伸一君) 一言だけ。そういうことはないと申し上げておきます。
この発言だけを見る →
牧山ひろえ#28
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 大変参考になりました。皆様、ありがとうございました。
この発言だけを見る →
水落敏栄#29
○会長(水落敏栄君) 伊藤孝恵さん。
この発言だけを見る →
← 戻る