厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
令和二年十一月十七日(火曜日)
午前九時二分開議
出席委員
委員長 とかしきなおみ君
理事 大岡 敏孝君 理事 門 博文君
理事 菅原 一秀君 理事 長尾 敬君
理事 橋本 岳君 理事 中島 克仁君
理事 長妻 昭君 理事 伊佐 進一君
青山 周平君 安藤 高夫君
上杉謙太郎君 上野 宏史君
大串 正樹君 大隈 和英君
木村 次郎君 木村 哲也君
木村 弥生君 小島 敏文君
後藤田正純君 高村 正大君
佐藤 明男君 塩崎 恭久君
繁本 護君 白須賀貴樹君
田畑 裕明君 百武 公親君
村井 英樹君 山田 美樹君
渡辺 孝一君 阿部 知子君
稲富 修二君 尾辻かな子君
大島 敦君 川内 博史君
白石 洋一君 西村智奈美君
長谷川嘉一君 山川百合子君
山井 和則君 高木美智代君
桝屋 敬悟君 宮本 徹君
青山 雅幸君
…………………………………
厚生労働大臣政務官 大隈 和英君
参考人
(川崎市健康安全研究所所長) 岡部 信彦君
参考人
(大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授) 宮坂 昌之君
参考人
(公益社団法人日本医師会常任理事) 釜萢 敏君
参考人
(薬害オンブズパースン会議事務局長)
(弁護士) 水口真寿美君
厚生労働委員会専門員 吉川美由紀君
―――――――――――――
委員の異動
十一月十七日
辞任 補欠選任
国光あやの君 上杉謙太郎君
山川百合子君 長谷川嘉一君
同日
辞任 補欠選任
上杉謙太郎君 国光あやの君
長谷川嘉一君 山川百合子君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時二分開議
出席委員
委員長 とかしきなおみ君
理事 大岡 敏孝君 理事 門 博文君
理事 菅原 一秀君 理事 長尾 敬君
理事 橋本 岳君 理事 中島 克仁君
理事 長妻 昭君 理事 伊佐 進一君
青山 周平君 安藤 高夫君
上杉謙太郎君 上野 宏史君
大串 正樹君 大隈 和英君
木村 次郎君 木村 哲也君
木村 弥生君 小島 敏文君
後藤田正純君 高村 正大君
佐藤 明男君 塩崎 恭久君
繁本 護君 白須賀貴樹君
田畑 裕明君 百武 公親君
村井 英樹君 山田 美樹君
渡辺 孝一君 阿部 知子君
稲富 修二君 尾辻かな子君
大島 敦君 川内 博史君
白石 洋一君 西村智奈美君
長谷川嘉一君 山川百合子君
山井 和則君 高木美智代君
桝屋 敬悟君 宮本 徹君
青山 雅幸君
…………………………………
厚生労働大臣政務官 大隈 和英君
参考人
(川崎市健康安全研究所所長) 岡部 信彦君
参考人
(大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授) 宮坂 昌之君
参考人
(公益社団法人日本医師会常任理事) 釜萢 敏君
参考人
(薬害オンブズパースン会議事務局長)
(弁護士) 水口真寿美君
厚生労働委員会専門員 吉川美由紀君
―――――――――――――
委員の異動
十一月十七日
辞任 補欠選任
国光あやの君 上杉謙太郎君
山川百合子君 長谷川嘉一君
同日
辞任 補欠選任
上杉謙太郎君 国光あやの君
長谷川嘉一君 山川百合子君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)
――――◇―――――
と
とかしきなおみ#1
○とかしき委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、川崎市健康安全研究所所長岡部信彦君、大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授宮坂昌之君、公益社団法人日本医師会常任理事釜萢敏君、薬害オンブズパースン会議事務局長・弁護士水口真寿美さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ二十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと思います。
それでは、岡部参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、川崎市健康安全研究所所長岡部信彦君、大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授宮坂昌之君、公益社団法人日本医師会常任理事釜萢敏君、薬害オンブズパースン会議事務局長・弁護士水口真寿美さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ二十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと思います。
それでは、岡部参考人にお願いいたします。
岡
岡部信彦#2
○岡部参考人 おはようございます。川崎市健康安全研究所の岡部と申します。
私は、もともと小児科医なんですけれども、そこで予防接種を経験していますけれども、その後、WHOでやはり予防接種の担当をしていたり、前任が国立感染症研究所の感染症情報センターにおりましたので、そのときに各種の対策の矢面に立っていたというようなことがございます。
きょうは、予防接種法改正で、もちろん新型コロナに関連することだと思うんですけれども、それについて、私のふだん思っているようなこともあわせて述べさせていただければと思います。
お手元に資料がございます。
一番最初の一枚目の下の方は、これは一八〇〇年代ですけれども、蝦夷、北海道で初めて天然痘のワクチン、種痘を始めたときですけれども、まさに緊急時のワクチン、それから、急遽海外から入ってきたというようなことだと思うんですけれども、まさに集団接種でアイヌの方々を集めてやっているというのがあります。
この絵でおもしろいのは、絵の後ろの方に、上の方になりますけれども、お土産をいっぱい置いてあるんですね。やはりそういうことをやるときのインセンティブがあったということではないかと思います。
ページを開いていただきますと、右下にページが書いてありますけれども、スライドで四となっていますけれども、上の方が、スマトラ島沖の地震のときに、これは自衛隊が医療援助で行っているわけですけれども、そのときに、はしかのワクチンの集団接種をやっております。これも緊急接種であります。
右側は、つい最近、二〇一七年ですけれども、ロヒンギャキャンプでジフテリアという病気が発生したことがあります。日本ではずっとゼロが続いていますけれども、やはり、こういったような病気が発生したときにワクチンを使って一斉に投与をするということがございます。これは、日本人がこの中には写っていませんけれども、日赤のチームがこれにはかなり応援しているということがあります。
下のスライドですけれども、そうすると、平常時、私たちは、例えば日本ですと定期接種というような形でワクチンを使うわけですけれども、これは、日本では感染症が蔓延しているという状態ではないんですけれども、しかし、その状態を維持する、あるいは場合によっては強化するということでワクチンが必要になり、大きくは、例えばポリオの根絶であるとか、はしかの排除、風疹の排除、そういったようなものに平常時のワクチンとして使います。
一方、ワクチンは、先ほどちょっと例にお示ししましたように、危機管理としてワクチンを使うことがございます。これは、既に手持ちのワクチンであれば、例えば誰かがどこか危険な地域を含めて渡航をするとき、オリンピックも一つのマスギャザリングですけれども、人が多数集まるようなイベントのとき、それから、上のはしかであるとかジフテリアのように、わかっている疾患だけれども、それがアウトブレーク、集団で大きい発生を起こしたとき、こんなようなときが危機管理のワクチンとして、しかし、これを本当はストックをしておかなくちゃいけないわけです。
それから、今回の新型コロナもそうですけれども、未知あるいは新規感染の場合にも、感染症がアウトブレークを起こしたとき、そのようなときもワクチンは求められますが、これまでも、二〇〇三年のSARSであるとか、あるいは二〇一二年から現在に至るまで病気が出ているMERS、エボラ出血熱、ブラジルのオリンピックの前に発生したジカ熱、こういったようなものもやはりワクチンは求められるわけですけれども、残念ながらこれは実用化に至っていないということがございます。
パンデミック、新型インフルエンザが発生するのはいつか。これは二〇〇九年に発生したわけですけれども、それについては我が国も随分準備を行っていますが、しかし、これはいつ起こるかわからないということでその準備が進められております。
そのような中で発生した新しい疾患がCOVID―19、新型コロナになるわけで、通常、ワクチンの開発は少なくとも五年、十年かかる、つまり、ウイルスあるいは細菌が見つかってから、それを大量にふやさないとワクチンのもとができないんですけれども、今回は一年足らずで治験という段階まで来ているというのは、これはすばらしい科学の進歩ではないかというふうに思います。
左の方に行きまして、五、六と右側に番号を振ってありますけれども、その未知・新規感染症がアウトブレークが起こったときは、いずれもそのワクチンというものに期待があるわけですけれども、それが既知の手法でできるものであればかなり様子がわかるわけですけれども、新たな手法で製造すると、今回はまさに新たな手法になるわけですけれども、そうすると、動物を使った非臨床試験、あるいは人の臨床試験、小規模から中規模、大規模まで、これをどうやってやっていいか、あるいは、それこそ製造、販売のための認可、その方法、これが、新しいワクチンですとそこが追いついていないというか、新しいものですから、そこら辺の議論が十分に行われていないことがあります。
それから、我が国でありますと、予防接種は、予防接種法という法律に基づいてやっているものと、それから、定期接種としては入っていないけれども、やはり認可としてはきちんとしたプロセスを経ているんですけれども、そのワクチンを実際に人々に接種しようとするときは、どういう根拠でやるか、これが定期接種なのか、任意接種なのか、あるいは臨時接種なのか、特措法によるものなのか、新たな枠組みが必要なのか、私は今自治体の方にいるんですけれども、やはりそこら辺を早く決めていただかないと、実施主体は往々にして、国が決定しますけれども、実施をするのは自治体になりますので、また、実際にそれを患者さん、その人たちを目の前にして接種するのはやはり医師会の先生であるとかあるいは医療機関になるので、基本的な方針を早く決めていただかないと、やるにしてもやらないにしても、あるいはどういう工夫をしたらいいのかというのがわからないので、これは要望をしていたところであります。
また、そのために、今回の予防接種法改正がワクチンそのものが目の前にある前に行われているわけですけれども、そういう意味では、自治体側あるいは実際に接種する、後で釜萢先生がお話しになると思いますけれども、極めて重要になります。
というのは、実際に搬送するのはどうしたらいいのか。今回、超低温冷凍庫が要るというようなことも新たにわかってきているわけですけれども、その問題。あるいは、対象をどなたにしたらいいのか。これは、世界じゅうで誰を対象にしたらいいかというのは議論をしているわけですけれども、いつ、どのようにやるか。それから、通常の定期接種は個別接種というふうに、以前、ここにおられる方は多分インフルエンザの接種は学校でみんな一斉にやった方が多いと思うんですけれども、そういうようなやり方をとるのか、それぞれの方がかかりつけの先生ないし地域の先生に来てやっていただくのか、こういったような工夫も要ります。
ここに集団的接種と書いてあるのはわざわざ入れてあるんですけれども、以前のインフルエンザに見られるような一斉に人を集めて片っ端からばっとやっていくというような集団接種ではなくて、今行われようとしているような集団接種は、やはりきちんと話を聞いて予診をして説明をして、更に何かあったときの対応をするというような形をとる必要があるので、パンデミックインフルエンザワクチンのときから集団的接種という言い方をしております。
もちろん有効性を確認するのは重要でありますけれども、更に必要なのは安全性に関するチェックを行っていくということ。それから、残念ながらワクチンは一〇〇・〇%安全というわけにはいきません、いろいろな潜り込み等々がありますので、そういったような方が生じたときの対応もやらなくてはいけない。
これらは全て法律に基づいてやることになるので、ぜひ、こういうものに対する改正といいますか、実情に合う形をやっていただきたいというのがこれまでのお願いでした。
ただ、下の方に行きますけれども、あらわれてまだ一年足らずの病気です。いろいろな病気は、やはり、免疫状態、どうやってその病気が動くかというようなことがわかって初めてワクチンを使って、ワクチンというのは免疫機構をいじるわけですから、そのためにはある程度免疫状態が解明されていないといけないわけですけれども、これはどんなに急いでも一年では経過がよくわからないというので、免疫機構がわからないまま使用するというところも基本に考えておく必要があります。
したがって、効果ももちろんですけれども、安全性を確認する、あるいはモニターしながらやっていくということと、ただ、それは、許容できる範囲の例えばちょっと痛いとかちょっとだけ熱が出るというのは、やはりちょっと我慢していただければ本物の病気が防げるというような、そのバランスをちゃんと考えなくちゃいけないということがあります。
それから、日本の予防接種は、定期接種にしろ、任意接種はもちろんですけれども、個人の意思を尊重するということが前面に出ております。やはり、海外からそんなことで公衆衛生が求められるのかというのが予防接種法改正の以前のときに議論がありましたけれども、これは非常に成熟した社会では私は重要なことだというふうに思っています。
ただ、できるだけいいものはやはりお勧めしなくちゃいけないので、それが勧奨という言葉にもなっていますけれども、過剰な勧奨にならないようにということもこの予防接種法の改正については重要ではないかというふうに思います。
それから、万が一、有害事象、有害事象というのは必ずしもそのワクチンによるものだけではなくて、紛れ込みと言われるようなものも含まれるわけですけれども、しかし、それが起きたときには、やはりどなたかが説明をして、なおかつ、場合によってはそれに対する健康被害の救済とかいうことにもなるので、そこをどこがやるかというのは、いわば、ここに司令塔と書いてありますけれども、予防接種を担当するところはいろいろなところにあるので、そういうところがどこが中心になってこれをやるのかということはぜひ明確にしておいていただきたいというふうに思うわけです。
ページを繰っていただきまして、下に七、八というふうに書いてあるのは、それで、今回は一連のどういう位置づけでやるのかというのが、臨時接種に近い形といいますか、それを少し変更した形というふうになりますけれども、明確にされているのは、これは、費用がかからないように、自治体の方ではなくて国の負担でやる、しかし実施主体は都道府県、自治体になるわけですから、こういう情報がやはり早く入ってこないと、自治体の方は、自治体は自治体なりに予算も組まなくてはいけないですし、一線の先生方との相談もありますので、これはやはりぜひ早く決めていただきたいというのがございます。
下の八と書いてある方の図ですけれども、今回のワクチンについては、従来の方法で使われていたワクチンではなく、極めて新しい、これはまさに科学の勝利と言っていいぐらい急速には進んでいるんですけれども、この三、四に書いてあるようなDNAワクチンとかmRNA、メッセンジャーRNAワクチンであるとか、遺伝子をつくったようなワクチンが既に研究がされているので、これらを新しく導入するということに急速に動いているのが現状であります。
左側の方の上下の方にありますが、パンデミックインフルエンザ、新型インフルエンザが世界じゅうに流行したようなとき我が国ではどうしたらいいか。
これは、枠組みとしては、私もこれの委員長をやっていましたけれども、長く議論をして、特定接種というような形で、医療機関を始めとするライフラインを保つような人、あるいは患者さんの治療に携わるような人を優先的にやって、そうこうしているうちに新しい病気のウイルスがとれればそれで新しいワクチンをつくるので、備蓄をしておいたワクチンから新しいワクチンに使えるというような枠組みは、これはパンデミックの場合にはできております。
下の方は、このパンデミックのときの応用でもありますけれども、今回は、例えば一億二千万人分が一、二の三でぼんと入ってくるわけではないので、それを入っていくためには、どういう順番で誰が優先かというようなことは、これはあらかじめ議論をしておく必要があります。
ただ、いずれも、自分が大切だ、あるいは私の職業は貴重な職業だというような議論が必ず起こるんですけれども、一定の制限があるものを使う以上は、やはり優先順位というのは決めざるを得ない。そのことを多くの方々に納得していただかないとスタートしないと思います。
ページを繰っていただきますと、次に、上と下に分かれていまして、上は、パンデミックの新型インフルエンザの場合は、既に住民接種をどうするかというようなことは国の方も手引を出して、下の方は、その手引のもとは私が班長をやっていた研究班で既にでき上がっているんですけれども、そういったようなものの応用は多分可能だろうというふうに思います。
左側の方に行きますと、その中にいろいろな実施要領もできているんですけれども、第二、基本的な考え方、それから、対象者をどうしたらいいか、接種体制の構築。ですから、各自治体は一応この体制は持ってはおりますけれども、しかし、全く同じように今回のCOVIDに利用できるかというと、例えば、赤字で書いてありますけれども、ワクチンの流通、特に冷凍庫というようなものをどういうふうに配備しなくてはいけないか、これも、もし導入するのであれば早くから準備をしておく必要があろうかと思います。
下は、二〇〇〇年前後だったと思いますけれども、石川県ではしかが大流行したときの大学生に対する集団接種。集団接種の会場というものはこういうものなんですけれども、以前は、皆さん方は経験もされているように、学校でずらっと並んでやるというのがあったんですけれども、今は行政側も医師側も、あるいはほとんどの人がこの集団接種になれていないので、慌てて集団接種をやると、異なった人で集まってチームをつくるので、非常に混乱が多いということが危惧されるわけです。
それで、次のページを繰っていただきますと、例えば川崎市、私の市の場合ですけれども、接種体制を一応こんなことを考えております。これはパンデミックインフルエンザの場合ですけれども、応用として考えるんですが、一部については個別接種、一人一人の患者さん、接種される方にやる。あるいは、場所によっては、例えば小学校は小学校の体育館でやった方がいいというほかに、地域の先生方の御協力をいただいて、そこで自分の患者さんだけではなくて周辺の方々を一斉に診ていただくハイブリッド型のような集団接種といったようなことも計画をしております。ただし、これも、流通であるとか、あるいはどういうワクチンを使うかによっても違ってきますので、ここら辺の応用問題を今検討しているところであります。
ワクチンの発生がありますと、必ずその副反応、副作用という言葉の方がおわかりしやすいと思いますけれども、我々は副反応という言葉を使いますが、副反応は、明らかにワクチンが悪い場合。しかし、そのほかに何だかよくわからないけれども一斉に起きるようなものがあるので、有害事象というような言葉を使います。
それで、ページをあけていただきますと、ワクチン接種後の有害事象というのは、ワクチンの成分による反応の場合、品質が悪い場合、接種の手技が悪い場合、そのほかに、不安ということによる生体の反応が強く起きることがあります。
例えば、ワクチンを集団で接種すると、どなたか何人かはひっくり返っちゃうということがあるので、下は川崎市における訓練風景ですけれども、右の下にありますように、この訓練の中でも、どなたかがぐあいが悪くなったときは救急の用意をしておくといったようなことも訓練の中に入れてあります。こういうものの準備に取りかからなくちゃいけないというのが、これはワクチンが目の前にあるなしのほかに、やっておかなくちゃいけないことであると思います。
こういうようなものについて、ページを繰っていただきますと、細かい話は省略しますが、WHOでは、この右の上にあるようなワクチンにかかわるような不安、痛みに対してどういう備えをしたらいいのか、それについては全ての医療従事者、関係者がこういう状態があるということを知って、なおかつ丁寧な接種、それから丁寧な説明、そして丁寧な科学的根拠に基づくワクチンが必要であるというようなマニュアルを出しております。私はWHOの委員としてこのドラフティングにも関与をしております。
次、お願いします。次のページ、最後のページになりますけれども、したがって、予防接種のリスクは必ず、ぽちっとですけれどもあるわけですけれども、そのときのリスクに対して、個々の人への対応のリスクをきちんとする。それから、もし個々の人だけに向き過ぎてしまうと全体を見失ってしまうことがあるので、全体の対応もやらなくちゃいけない。このバランスが非常に重要であります。
最後は、私が少し強調したい点なんですけれども、今回のワクチンは、ただいま治験、そのようなデータがちらちらと漏れ聞こえてはおりますけれども、悪い方のシナリオで、もし今回のワクチンが利用できないというふうになったとしても、このワクチンの研究開発というのは必ず次の何かしらの病気の発生について備えとして重要になると思います。
それから、二番目は、仮に今回のワクチンが利用できないというふうになっても、現在二百種類ぐらいの候補のワクチンがあるので、この新型コロナウイルスのワクチンが悪いんだという評価にならないように、そこは冷静な判断が必要になります。
それから、もし今回のワクチンが使えないというようなことになったとしても、ワクチン全体の信頼が落ちないというようなことを、ぜひこの予防接種法の改正ということを機会に念頭に置いていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、もともと小児科医なんですけれども、そこで予防接種を経験していますけれども、その後、WHOでやはり予防接種の担当をしていたり、前任が国立感染症研究所の感染症情報センターにおりましたので、そのときに各種の対策の矢面に立っていたというようなことがございます。
きょうは、予防接種法改正で、もちろん新型コロナに関連することだと思うんですけれども、それについて、私のふだん思っているようなこともあわせて述べさせていただければと思います。
お手元に資料がございます。
一番最初の一枚目の下の方は、これは一八〇〇年代ですけれども、蝦夷、北海道で初めて天然痘のワクチン、種痘を始めたときですけれども、まさに緊急時のワクチン、それから、急遽海外から入ってきたというようなことだと思うんですけれども、まさに集団接種でアイヌの方々を集めてやっているというのがあります。
この絵でおもしろいのは、絵の後ろの方に、上の方になりますけれども、お土産をいっぱい置いてあるんですね。やはりそういうことをやるときのインセンティブがあったということではないかと思います。
ページを開いていただきますと、右下にページが書いてありますけれども、スライドで四となっていますけれども、上の方が、スマトラ島沖の地震のときに、これは自衛隊が医療援助で行っているわけですけれども、そのときに、はしかのワクチンの集団接種をやっております。これも緊急接種であります。
右側は、つい最近、二〇一七年ですけれども、ロヒンギャキャンプでジフテリアという病気が発生したことがあります。日本ではずっとゼロが続いていますけれども、やはり、こういったような病気が発生したときにワクチンを使って一斉に投与をするということがございます。これは、日本人がこの中には写っていませんけれども、日赤のチームがこれにはかなり応援しているということがあります。
下のスライドですけれども、そうすると、平常時、私たちは、例えば日本ですと定期接種というような形でワクチンを使うわけですけれども、これは、日本では感染症が蔓延しているという状態ではないんですけれども、しかし、その状態を維持する、あるいは場合によっては強化するということでワクチンが必要になり、大きくは、例えばポリオの根絶であるとか、はしかの排除、風疹の排除、そういったようなものに平常時のワクチンとして使います。
一方、ワクチンは、先ほどちょっと例にお示ししましたように、危機管理としてワクチンを使うことがございます。これは、既に手持ちのワクチンであれば、例えば誰かがどこか危険な地域を含めて渡航をするとき、オリンピックも一つのマスギャザリングですけれども、人が多数集まるようなイベントのとき、それから、上のはしかであるとかジフテリアのように、わかっている疾患だけれども、それがアウトブレーク、集団で大きい発生を起こしたとき、こんなようなときが危機管理のワクチンとして、しかし、これを本当はストックをしておかなくちゃいけないわけです。
それから、今回の新型コロナもそうですけれども、未知あるいは新規感染の場合にも、感染症がアウトブレークを起こしたとき、そのようなときもワクチンは求められますが、これまでも、二〇〇三年のSARSであるとか、あるいは二〇一二年から現在に至るまで病気が出ているMERS、エボラ出血熱、ブラジルのオリンピックの前に発生したジカ熱、こういったようなものもやはりワクチンは求められるわけですけれども、残念ながらこれは実用化に至っていないということがございます。
パンデミック、新型インフルエンザが発生するのはいつか。これは二〇〇九年に発生したわけですけれども、それについては我が国も随分準備を行っていますが、しかし、これはいつ起こるかわからないということでその準備が進められております。
そのような中で発生した新しい疾患がCOVID―19、新型コロナになるわけで、通常、ワクチンの開発は少なくとも五年、十年かかる、つまり、ウイルスあるいは細菌が見つかってから、それを大量にふやさないとワクチンのもとができないんですけれども、今回は一年足らずで治験という段階まで来ているというのは、これはすばらしい科学の進歩ではないかというふうに思います。
左の方に行きまして、五、六と右側に番号を振ってありますけれども、その未知・新規感染症がアウトブレークが起こったときは、いずれもそのワクチンというものに期待があるわけですけれども、それが既知の手法でできるものであればかなり様子がわかるわけですけれども、新たな手法で製造すると、今回はまさに新たな手法になるわけですけれども、そうすると、動物を使った非臨床試験、あるいは人の臨床試験、小規模から中規模、大規模まで、これをどうやってやっていいか、あるいは、それこそ製造、販売のための認可、その方法、これが、新しいワクチンですとそこが追いついていないというか、新しいものですから、そこら辺の議論が十分に行われていないことがあります。
それから、我が国でありますと、予防接種は、予防接種法という法律に基づいてやっているものと、それから、定期接種としては入っていないけれども、やはり認可としてはきちんとしたプロセスを経ているんですけれども、そのワクチンを実際に人々に接種しようとするときは、どういう根拠でやるか、これが定期接種なのか、任意接種なのか、あるいは臨時接種なのか、特措法によるものなのか、新たな枠組みが必要なのか、私は今自治体の方にいるんですけれども、やはりそこら辺を早く決めていただかないと、実施主体は往々にして、国が決定しますけれども、実施をするのは自治体になりますので、また、実際にそれを患者さん、その人たちを目の前にして接種するのはやはり医師会の先生であるとかあるいは医療機関になるので、基本的な方針を早く決めていただかないと、やるにしてもやらないにしても、あるいはどういう工夫をしたらいいのかというのがわからないので、これは要望をしていたところであります。
また、そのために、今回の予防接種法改正がワクチンそのものが目の前にある前に行われているわけですけれども、そういう意味では、自治体側あるいは実際に接種する、後で釜萢先生がお話しになると思いますけれども、極めて重要になります。
というのは、実際に搬送するのはどうしたらいいのか。今回、超低温冷凍庫が要るというようなことも新たにわかってきているわけですけれども、その問題。あるいは、対象をどなたにしたらいいのか。これは、世界じゅうで誰を対象にしたらいいかというのは議論をしているわけですけれども、いつ、どのようにやるか。それから、通常の定期接種は個別接種というふうに、以前、ここにおられる方は多分インフルエンザの接種は学校でみんな一斉にやった方が多いと思うんですけれども、そういうようなやり方をとるのか、それぞれの方がかかりつけの先生ないし地域の先生に来てやっていただくのか、こういったような工夫も要ります。
ここに集団的接種と書いてあるのはわざわざ入れてあるんですけれども、以前のインフルエンザに見られるような一斉に人を集めて片っ端からばっとやっていくというような集団接種ではなくて、今行われようとしているような集団接種は、やはりきちんと話を聞いて予診をして説明をして、更に何かあったときの対応をするというような形をとる必要があるので、パンデミックインフルエンザワクチンのときから集団的接種という言い方をしております。
もちろん有効性を確認するのは重要でありますけれども、更に必要なのは安全性に関するチェックを行っていくということ。それから、残念ながらワクチンは一〇〇・〇%安全というわけにはいきません、いろいろな潜り込み等々がありますので、そういったような方が生じたときの対応もやらなくてはいけない。
これらは全て法律に基づいてやることになるので、ぜひ、こういうものに対する改正といいますか、実情に合う形をやっていただきたいというのがこれまでのお願いでした。
ただ、下の方に行きますけれども、あらわれてまだ一年足らずの病気です。いろいろな病気は、やはり、免疫状態、どうやってその病気が動くかというようなことがわかって初めてワクチンを使って、ワクチンというのは免疫機構をいじるわけですから、そのためにはある程度免疫状態が解明されていないといけないわけですけれども、これはどんなに急いでも一年では経過がよくわからないというので、免疫機構がわからないまま使用するというところも基本に考えておく必要があります。
したがって、効果ももちろんですけれども、安全性を確認する、あるいはモニターしながらやっていくということと、ただ、それは、許容できる範囲の例えばちょっと痛いとかちょっとだけ熱が出るというのは、やはりちょっと我慢していただければ本物の病気が防げるというような、そのバランスをちゃんと考えなくちゃいけないということがあります。
それから、日本の予防接種は、定期接種にしろ、任意接種はもちろんですけれども、個人の意思を尊重するということが前面に出ております。やはり、海外からそんなことで公衆衛生が求められるのかというのが予防接種法改正の以前のときに議論がありましたけれども、これは非常に成熟した社会では私は重要なことだというふうに思っています。
ただ、できるだけいいものはやはりお勧めしなくちゃいけないので、それが勧奨という言葉にもなっていますけれども、過剰な勧奨にならないようにということもこの予防接種法の改正については重要ではないかというふうに思います。
それから、万が一、有害事象、有害事象というのは必ずしもそのワクチンによるものだけではなくて、紛れ込みと言われるようなものも含まれるわけですけれども、しかし、それが起きたときには、やはりどなたかが説明をして、なおかつ、場合によってはそれに対する健康被害の救済とかいうことにもなるので、そこをどこがやるかというのは、いわば、ここに司令塔と書いてありますけれども、予防接種を担当するところはいろいろなところにあるので、そういうところがどこが中心になってこれをやるのかということはぜひ明確にしておいていただきたいというふうに思うわけです。
ページを繰っていただきまして、下に七、八というふうに書いてあるのは、それで、今回は一連のどういう位置づけでやるのかというのが、臨時接種に近い形といいますか、それを少し変更した形というふうになりますけれども、明確にされているのは、これは、費用がかからないように、自治体の方ではなくて国の負担でやる、しかし実施主体は都道府県、自治体になるわけですから、こういう情報がやはり早く入ってこないと、自治体の方は、自治体は自治体なりに予算も組まなくてはいけないですし、一線の先生方との相談もありますので、これはやはりぜひ早く決めていただきたいというのがございます。
下の八と書いてある方の図ですけれども、今回のワクチンについては、従来の方法で使われていたワクチンではなく、極めて新しい、これはまさに科学の勝利と言っていいぐらい急速には進んでいるんですけれども、この三、四に書いてあるようなDNAワクチンとかmRNA、メッセンジャーRNAワクチンであるとか、遺伝子をつくったようなワクチンが既に研究がされているので、これらを新しく導入するということに急速に動いているのが現状であります。
左側の方の上下の方にありますが、パンデミックインフルエンザ、新型インフルエンザが世界じゅうに流行したようなとき我が国ではどうしたらいいか。
これは、枠組みとしては、私もこれの委員長をやっていましたけれども、長く議論をして、特定接種というような形で、医療機関を始めとするライフラインを保つような人、あるいは患者さんの治療に携わるような人を優先的にやって、そうこうしているうちに新しい病気のウイルスがとれればそれで新しいワクチンをつくるので、備蓄をしておいたワクチンから新しいワクチンに使えるというような枠組みは、これはパンデミックの場合にはできております。
下の方は、このパンデミックのときの応用でもありますけれども、今回は、例えば一億二千万人分が一、二の三でぼんと入ってくるわけではないので、それを入っていくためには、どういう順番で誰が優先かというようなことは、これはあらかじめ議論をしておく必要があります。
ただ、いずれも、自分が大切だ、あるいは私の職業は貴重な職業だというような議論が必ず起こるんですけれども、一定の制限があるものを使う以上は、やはり優先順位というのは決めざるを得ない。そのことを多くの方々に納得していただかないとスタートしないと思います。
ページを繰っていただきますと、次に、上と下に分かれていまして、上は、パンデミックの新型インフルエンザの場合は、既に住民接種をどうするかというようなことは国の方も手引を出して、下の方は、その手引のもとは私が班長をやっていた研究班で既にでき上がっているんですけれども、そういったようなものの応用は多分可能だろうというふうに思います。
左側の方に行きますと、その中にいろいろな実施要領もできているんですけれども、第二、基本的な考え方、それから、対象者をどうしたらいいか、接種体制の構築。ですから、各自治体は一応この体制は持ってはおりますけれども、しかし、全く同じように今回のCOVIDに利用できるかというと、例えば、赤字で書いてありますけれども、ワクチンの流通、特に冷凍庫というようなものをどういうふうに配備しなくてはいけないか、これも、もし導入するのであれば早くから準備をしておく必要があろうかと思います。
下は、二〇〇〇年前後だったと思いますけれども、石川県ではしかが大流行したときの大学生に対する集団接種。集団接種の会場というものはこういうものなんですけれども、以前は、皆さん方は経験もされているように、学校でずらっと並んでやるというのがあったんですけれども、今は行政側も医師側も、あるいはほとんどの人がこの集団接種になれていないので、慌てて集団接種をやると、異なった人で集まってチームをつくるので、非常に混乱が多いということが危惧されるわけです。
それで、次のページを繰っていただきますと、例えば川崎市、私の市の場合ですけれども、接種体制を一応こんなことを考えております。これはパンデミックインフルエンザの場合ですけれども、応用として考えるんですが、一部については個別接種、一人一人の患者さん、接種される方にやる。あるいは、場所によっては、例えば小学校は小学校の体育館でやった方がいいというほかに、地域の先生方の御協力をいただいて、そこで自分の患者さんだけではなくて周辺の方々を一斉に診ていただくハイブリッド型のような集団接種といったようなことも計画をしております。ただし、これも、流通であるとか、あるいはどういうワクチンを使うかによっても違ってきますので、ここら辺の応用問題を今検討しているところであります。
ワクチンの発生がありますと、必ずその副反応、副作用という言葉の方がおわかりしやすいと思いますけれども、我々は副反応という言葉を使いますが、副反応は、明らかにワクチンが悪い場合。しかし、そのほかに何だかよくわからないけれども一斉に起きるようなものがあるので、有害事象というような言葉を使います。
それで、ページをあけていただきますと、ワクチン接種後の有害事象というのは、ワクチンの成分による反応の場合、品質が悪い場合、接種の手技が悪い場合、そのほかに、不安ということによる生体の反応が強く起きることがあります。
例えば、ワクチンを集団で接種すると、どなたか何人かはひっくり返っちゃうということがあるので、下は川崎市における訓練風景ですけれども、右の下にありますように、この訓練の中でも、どなたかがぐあいが悪くなったときは救急の用意をしておくといったようなことも訓練の中に入れてあります。こういうものの準備に取りかからなくちゃいけないというのが、これはワクチンが目の前にあるなしのほかに、やっておかなくちゃいけないことであると思います。
こういうようなものについて、ページを繰っていただきますと、細かい話は省略しますが、WHOでは、この右の上にあるようなワクチンにかかわるような不安、痛みに対してどういう備えをしたらいいのか、それについては全ての医療従事者、関係者がこういう状態があるということを知って、なおかつ丁寧な接種、それから丁寧な説明、そして丁寧な科学的根拠に基づくワクチンが必要であるというようなマニュアルを出しております。私はWHOの委員としてこのドラフティングにも関与をしております。
次、お願いします。次のページ、最後のページになりますけれども、したがって、予防接種のリスクは必ず、ぽちっとですけれどもあるわけですけれども、そのときのリスクに対して、個々の人への対応のリスクをきちんとする。それから、もし個々の人だけに向き過ぎてしまうと全体を見失ってしまうことがあるので、全体の対応もやらなくちゃいけない。このバランスが非常に重要であります。
最後は、私が少し強調したい点なんですけれども、今回のワクチンは、ただいま治験、そのようなデータがちらちらと漏れ聞こえてはおりますけれども、悪い方のシナリオで、もし今回のワクチンが利用できないというふうになったとしても、このワクチンの研究開発というのは必ず次の何かしらの病気の発生について備えとして重要になると思います。
それから、二番目は、仮に今回のワクチンが利用できないというふうになっても、現在二百種類ぐらいの候補のワクチンがあるので、この新型コロナウイルスのワクチンが悪いんだという評価にならないように、そこは冷静な判断が必要になります。
それから、もし今回のワクチンが使えないというようなことになったとしても、ワクチン全体の信頼が落ちないというようなことを、ぜひこの予防接種法の改正ということを機会に念頭に置いていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。拍手
と
宮
宮坂昌之#4
○宮坂参考人 大阪大学の宮坂です。
本日は、ワクチンの有効率、副反応、開発で注意すべき点などについてお話しさせていただきます。
まず、最近、テレビ、新聞のニュースで、どこどこの会社のワクチンの有効率が九〇%だった、あるいは、きょうなんかでも、モデルナ社が九四%だったというニュースを聞きますと、ほとんどの方が、百人にワクチンを打つと九十人あるいは九十四人に効いたんだというふうに理解される方が多いと思います。私もワクチンのことを本当に勉強する前は、もしかするとそうかもしれないなと思っていたんですけれども、自分でよく調べてみると、そんなことはありません。
そういうことを含めて、きょうはワクチンに関する誤解について説明させていただきたいと思います。
まず、一ページ目の下のスライドですけれども、ファイザー社のワクチンの有効率が九〇%であるということが大きく報道されました。そうしますと、今もお話ししましたように、ほとんどの方は、百人にワクチンを接種したら九十人に効果があったと理解されるんですけれども、実際はそうではありません。
これはどういうことかというと、ワクチンを打たなかった人、非接種者、その発病率を一としたときに、接種をするとその発病率が何%に、どのくらいの割合に下がるか。これが〇・一に下がると、一マイナス〇・一イコール〇・九、すなわち九割の人に有効性が認められたということになります。
ですから、この対象というのは、ワクチンを打った人を一〇〇とするのではなくて、ワクチンを打たなかった人を一〇〇として考える。その発病率を一〇〇としたときに、発病率がもしも一〇%に下がれば、一〇〇から一〇を引いた九〇%、それが有効率であるということになります。
そのことを示しましたのが次のページの上のスライドです。
これは、ワクチンを打たない群、ワクチンを打った群、これは通常は同じ数でやりますので同じバーの長さとなります。そのときに、ワクチンを打たなかった人の発病率を一と仮定しますと、ワクチンを打ったときにこの一がどの程度に変わるか。今回のファイザー社の場合には、後でお話ししますけれども、実はこのパーセンテージを言うということはかなり問題のあることなんですけれども、これが〇・一に減った、したがってワクチンの有効率は九割だったということを言っているわけです。
文章で書きますと、非接種者、ワクチンを打たなかった人と比較して、ワクチンを打った人の発病率あるいはリスクが相対的に九〇%減少した、これが現在の状況です。これを言いかえますと、打たなかった人、非接種で発病した人の九割はワクチン接種をしていたら発病しなかったとも言いかえることができます。このようなときにワクチンの有効率を九割、九〇%といいます。逆の言い方をしますと、相対的リスク、感染するリスクというのは〇・一、一〇%だということになります。
下のスライドに移ります。
今回の場合にはワクチンが九〇%の有効率を示したということが言われていて、現在公表されているのは、ファイザー社の例の場合には臨床試験対象が四万三千五百三十八人であった。ということは、恐らく、ワクチン群とプラセボ群半々ですから、その半分の数がそれぞれの群の被験者の数ということになります。
そして、新型コロナの感染者が全体で九十四人いたということがわかっています。しかし、ここにもしも有効率が九割だったという数字を入れますと、唯一出てくる可能性は、この図に書いてありますように、プラセボ群二万一千七百六十九人、ワクチン群も二万一千七百六十九人、簡単に仮定するとこういうことになります。その中で、ワクチンを打たなかったいわゆるプラセボ接種群には八十六人の感染者がいた、ワクチン接種群には八人の感染者がいた。こうすると、コロナの感染率が九割減ったという計算になるわけです。
したがって、本来はこの数というのは公表できない数なんですけれども、全体の被験者数、そして感染者数、有効率の答えを言えば、自動的にこれが出てきてしまう。すなわち、第三相試験の中身を公表したのと同じことになっているんですね。
ここに書いてありますように、ワクチンの有効率の計算方法というのがありますけれども、それは、接種者の罹患率と非接種者の罹患率がわからないと出せない。でも、今お話ししたように、実際は、非接種者も、接種者中の罹患率が自動的に計算できてしまうわけですから、実は中身を全部出したのと一緒だということになるわけです。
ここに書いてありますように、本来は、ワクチンの有効率を算出するためには、接種者罹患率、非接種者罹患率を知る必要があります。ところが、第三相試験の場合には、通常は二重盲検法、すなわち、お医者さんも誰に何を上げているか知らない、受ける方も何を受けているかはわからないという状況の二重盲検でやるわけですけれども、この場合に、どちらかの群に感染者が起きたとしても、それはどちらの群で感染が起きているかはわからないわけです。でも、それは唯一、わかろうとすれば、いわゆる割りつけ情報、誰がどのグループにいるのかという割りつけ情報を情報公開する、これをキーオープンといいますけれども、キーオープンしない限り、どちらのグループに何人感染者がいたかというのはわからないはずなんです。しかし、キーオープンしますと、盲検性が失われますので、第三相試験としてはデータは使えなくなります。
そういうことから、恐らくファイザー社としてはこういうデータの出し方をして、しかし、これはグレーゾーンといいますか、なかなか、出し方としては厳しい、私はよくない方法であろうというふうに考えています。
ですから、恐らく、このことから考えますと、このワクチンはかなり効くんだとは思います。しかし、問題は、後でお話しするように、安全性であります。
次に、これは岡部先生がもう既におっしゃいましたけれども、ワクチンの副反応と有害事象ということがありまして、これはもう皆さんよく御存じのことでありますけれども、有害事象というのは、ワクチンそのものに原因があるかどうかはわからないけれども、ワクチン接種後に起こった好ましくない現象の全てのことをいいます。
その内側に、副反応。すなわち、これはワクチンそのものによって起こった反応、特に、局所の痛み、発熱、腫れ、全身の発熱、これは、実は免疫反応のために起こるものですから、副作用とは言わずに副反応という言葉を使います。免疫のためにやむを得ず起こった反応であるということであります。
ただし、その中には、脳炎、神経麻痺、アナフィラキシーショックのような、しばしば不可逆的な、取り返しのつかないような重大な事故が起こることがあります。
その下に重篤な副反応の例というのを、どのくらいの頻度で起こるのかということを挙げてあります。
まず、アナフィラキシーショックというのは、急激に全身的に起こるアレルギー反応の一種であります。皮膚や粘膜のかゆみ、息苦しさ、吐き気、立ちくらみが起こって、だんだん血圧が下がって意識障害が起こって、ひどくなるとショックになって亡くなるというのがアナフィラキシーショックです。
実は、この頻度というのはもう既にわかっていまして、これまで使われているワクチンは、アメリカでも日本でも共通で、大体百万回に一回以下の頻度でこのアナフィラキシーショックが起こる。極めてまれなことですけれども、重篤なことなので非常に大きく喧伝されます。
ただし、このアナフィラキシーショックは学校では食べ物によってしばしば起こるということが既にわかっておりまして、例えば、小学生、中学生、高校生いずれを見ましても千人に数人ほど、例えばピーナツを食べた、特定の物を食べたときにショックを起こして倒れる。このアナフィラキシーショックの経験者というのは千人に数人いるんですね。ということは、ワクチンの方がずっとアナフィラキシーショックに関してはリスクが低いということになります。
次に怖い脳炎、脳症。脳症というのは脳の病気全体、脳炎というのは明らかに炎症を起こしている状態を脳炎といいます。これを一くくりにして説明しますと、はしかのワクチンを打ちますと、百万回に十回程度、脳症が見られることがある。これは怖いなと思います。しかし、はしかそのもの、自然感染によっても脳炎というのは起こりまして、その頻度はワクチンを打つ十倍、百万回に百回も起こる。こういうことから、ワクチンを打った方がはしかの場合には安全ですよということになるわけです。
インフルエンザワクチンに関しましては、脳炎の起こる確率は百万回に〇・一五程度、ギラン・バレー症候群、こういう麻痺が来る、これも百万回に一回程度という非常に低い頻度であります。
それから、非常に恐れられていた乳幼児の突然死症候群、SIDSと呼ばれるものですけれども、日本でもアメリカでも報告されましたが、アメリカに関しましては、二〇一九年現在で、ワクチン接種とSIDSの間には因果関係はないということが示されています。しかし、日本に関してはまだこの答えが出ておりません。
以上をまとめますと、ワクチン接種による重篤な副反応というのは百万回に一回から十回の間であるということであります。
じゃ、ほかのリスクというのは高いのか低いのか。我々が飛行機に乗って死亡事故に遭う確率というのは百万回に九回程度なんですよ。ワクチンより高いか、どっこいぐらいですね。あるいは、交通事故。免許証保有者百万人に対して死亡事故を起こす人が八十二人ですから、これはワクチンのリスクよりもずっと高いです。しかし、我々は、それでも自動車に乗らないとは言いません。飛行機に乗らないとは言いません。必要な場合にはやむを得ないということになるわけです。ですから、現在使われているワクチンに関しては、ゼロリスクでないことは確かでありますけれども、そのリスクは非常に低いというふうに言ってよろしいかと思います。
次のページに移ります。
こういうワクチンのリスクがどれだけあるのかということを調べるのが臨床試験で、通常は参加者が二十歳以上六十五歳以下でやります。ここに書いてありますように、第一相、第二相、第三相。通常、第一相で百人以下、第二相で数百人、第三相で数千人、こういう数の人たちにワクチンの安全性と有効性を調べるわけですけれども、この場合には厳格なグッド・クリニカル・プラクティス、GCPに従って行われるわけです。しかし、通常、数千人やっても答えが出ない場合、その場合には、その下に書いてある第四相、これは製造販売後に試験を行うということも現在行われています。
ただし、臨床試験のポイントは、第三相試験でも数千人、あるいはアメリカで現在数万人までやりつつありますけれども、それでもワクチンの副作用が言えるのかどうなのかということが問題になります。
といいますのは、その下にありますように、現在の感染者の頻度を考えますと、東京の直近一週間の人口十万人当たりの感染者の数は二十人程度であります。ということは、もしも検査が不足していて我々が九割見落としていたとしても、人口十万人当たりの患者数は二百人程度。ということは、患者の頻度は千人に二人ぐらいということになります。もし人にうつす確率をここに掛けますと、それの一割から二割ですから、実際我々が感染者に出会う確率というのは非常に実は低いんだということがおわかりになるかと思います。
日本でもしも臨床第三相試験を総勢一万人でやったとします。そうすると、プラセボ群、ワクチン群に五千人ずつということになります。ただし、上の頻度で感染者が出たとしますと、プラセボ群でも十人程度しか感染者が出ませんので、ワクチン接種群と比較するには余りにも小さな数字である。ということは、もっともっと大規模な調査をしないとわからない、あるいは、日本では第三相試験を成立させるのは難しいんだということになります。時間もかかります。
たとえ十万人の第三相試験をやったとしましても、その下に書いてあるように、ワクチンで見られる重篤な副反応の頻度は百万回に数回程度ですから、十万人の試験でもわからないんですね、本当の頻度は。
あるいは、HPVワクチン、子宮頸がんワクチン、先ほど岡部先生がおっしゃいましたけれども、この場合には、有害事象、直接原因かわからないけれども、ともかく起こった健康被害の頻度というのは、百万回に百回以下。百万回に百とすると、一万回に一回ですね。一方、今も申しましたように、我々が感染する確率というのは、それとどっこい、余り変わらないぐらいのことになってしまうんですね。そうすると、若い人に本当にワクチンを強制的に接種すべきかということが問題になります。
この問題を解決するために、実は、この右側のページに移りますけれども、PMDAは条件付早期承認制度というものを持っていまして、四つの条件を満たせば日本で第三相試験を飛ばせる可能性があるということになっています。
一番目は、適応疾患が重篤である。これはなかなかこの病気の場合には解釈が難しいですね。重篤になる方もいらっしゃいます。
二番目、医療上の有用性が高い。これはそうだと思います。
三番目、検証的臨床試験の実施が困難。この場合の検証的臨床試験というのは第三相試験を指していると思っていただいて結構です。第三相試験の実施が困難、又は実施可能でも相当の時間がかかる。ここに星印をつけて赤字で書いていますけれども、コロナの発生率は千人に数人なので、実際は、第三相試験を成立させるのは、例えば日本のような感染者の少ない国では難しいということになります。
四番目、第三相試験以外の臨床試験などにより一定の有効性、安全性が示される。ファイザー社の場合には現在百六十人のボランティアに日本でも打っているそうですので、恐らくそういうデータをつけて出してこられる。でも、百六十人では、今お話しして、おわかりいただけますけれども、感染者は出ないと思います。ですから、安全性、予防効果の判定はともかくできないのではないかと思います。
こういうことを考えますと、海外の第三相試験だけにのっとって日本がこのワクチンを打つというのはなかなか難しいことだということがわかります。
特に、ワクチンというのは健常人に打つものであるということ。そして、ワクチンの副反応は極めて重篤。脳炎、神経症状は。その頻度は非常に低いので、千人、数千人、数万人、十万人程度の試験ではその効果は見えないということ、リスクは見えないということ。
ワクチンの場合には、私は、ウサギと亀の競争みたいなもので、亀でもいいですから、日本のワクチンは今おくれていますけれども、しかし、安全な予防効果の高いものをつくれば、後からでもこれが使われるようになるわけです。ですから、最初にできたものが本当にいいとは限らないということであります。
その点をもう一度強調するために下のスライドをつくっていますけれども、臨床試験というのは、ここに書いてありますように、基礎研究から始まって、臨床試験、第一相、第二相、第三相を経て承認申請に行くんですけれども、通常は十年以上かかる。これを、岡部先生もおっしゃったように、今、一年でやろうとしている。それぞれの試験の中で明らかにしなければいけないこと、実際に抗体ができるか、感染予防ができるか、病気を悪くしないか、副反応ができるか、これを動物で調べるとともに、人でも調べる、これが臨床試験です。
今回の場合には、第三相試験を海外のデータに依存しようとしていますけれども、この一番右に書いてあるように、第三相試験というのは、最終的な安全試験であり、予防試験の確認であります。
過去に日本は、海外のデータのみにのっとって第三相試験を飛ばしてお薬を認可して、痛い目に遭ったことがあります。それが抗リウマチ薬のアラバというものでありますけれども、海外のデータを信用して認可したところ、五千人超使ったところで二十五人の方が間質性肺炎で亡くなった。何でそうなったのかと思って海外のデータを見ると、海外ではほぼ死んでいない。わかったことは、使用量が日本人は海外と同じ量を使うとこういうことが起こる、もっとずっと低い量でないといけないということが後からわかってきた。ということから、ワクチンの使用というのはリスクがあるということであります。
下に書いてありますように、ワクチンが前臨床から第一相、第二相、第三相を超えて認可に至るのは五%以下。そして、最も早くできたワクチンでもこれまで四年かかっています。ということから、自国の第三相試験を飛ばして条件付早期承認をするのがよいのかどうなのかというのは考えなければいけないと思います。
私の結論は、新型コロナワクチン、今回のものは有効性はかなり高い、それは間違いないと思います。ただし、安全性に関してはまだ全く担保されていない。その中では、やはり私は、新型コロナに対するワクチンは、もしも使うとすれば極めて慎重に使わなければいけないであろう。
その具体的なことを言いますと、恐らく、希望者から接種する、ここが大事なポイントではないかと思います。努力義務ということをしますと、リスクがわからないものを努力義務を与えることになるわけですから、ここはなかなか倫理的にも問題が出てくる可能性があります。
もしも打つとすれば、それはやはりリスクの多い集団から。例えば高齢者、持病持ち。実際、昨日イギリス政府が、このワクチンを国民に打つ仮の優先順位というのが出ましたけれども、一位は八十歳、二位、七十歳、三位、六十歳、四位、五十歳。若い人は一番下です。医療従事者はその中に入っていません。
私は、医療従事者から優先接種するのは、このワクチンに関しては極めて疑問であろうというふうに考えています。なぜかといいますと、万が一医療従事者から先に倒れることがあったらば、何をしているかわからない。ワクチンは健康な人に投与するものであるということであります。
岡部先生がおっしゃいましたけれども、大事なのは何よりも安全を確認することであり、そして個人の意思が尊重されるべきであるというふうに考えます。
私の発表は以上であります。拍手
この発言だけを見る →本日は、ワクチンの有効率、副反応、開発で注意すべき点などについてお話しさせていただきます。
まず、最近、テレビ、新聞のニュースで、どこどこの会社のワクチンの有効率が九〇%だった、あるいは、きょうなんかでも、モデルナ社が九四%だったというニュースを聞きますと、ほとんどの方が、百人にワクチンを打つと九十人あるいは九十四人に効いたんだというふうに理解される方が多いと思います。私もワクチンのことを本当に勉強する前は、もしかするとそうかもしれないなと思っていたんですけれども、自分でよく調べてみると、そんなことはありません。
そういうことを含めて、きょうはワクチンに関する誤解について説明させていただきたいと思います。
まず、一ページ目の下のスライドですけれども、ファイザー社のワクチンの有効率が九〇%であるということが大きく報道されました。そうしますと、今もお話ししましたように、ほとんどの方は、百人にワクチンを接種したら九十人に効果があったと理解されるんですけれども、実際はそうではありません。
これはどういうことかというと、ワクチンを打たなかった人、非接種者、その発病率を一としたときに、接種をするとその発病率が何%に、どのくらいの割合に下がるか。これが〇・一に下がると、一マイナス〇・一イコール〇・九、すなわち九割の人に有効性が認められたということになります。
ですから、この対象というのは、ワクチンを打った人を一〇〇とするのではなくて、ワクチンを打たなかった人を一〇〇として考える。その発病率を一〇〇としたときに、発病率がもしも一〇%に下がれば、一〇〇から一〇を引いた九〇%、それが有効率であるということになります。
そのことを示しましたのが次のページの上のスライドです。
これは、ワクチンを打たない群、ワクチンを打った群、これは通常は同じ数でやりますので同じバーの長さとなります。そのときに、ワクチンを打たなかった人の発病率を一と仮定しますと、ワクチンを打ったときにこの一がどの程度に変わるか。今回のファイザー社の場合には、後でお話ししますけれども、実はこのパーセンテージを言うということはかなり問題のあることなんですけれども、これが〇・一に減った、したがってワクチンの有効率は九割だったということを言っているわけです。
文章で書きますと、非接種者、ワクチンを打たなかった人と比較して、ワクチンを打った人の発病率あるいはリスクが相対的に九〇%減少した、これが現在の状況です。これを言いかえますと、打たなかった人、非接種で発病した人の九割はワクチン接種をしていたら発病しなかったとも言いかえることができます。このようなときにワクチンの有効率を九割、九〇%といいます。逆の言い方をしますと、相対的リスク、感染するリスクというのは〇・一、一〇%だということになります。
下のスライドに移ります。
今回の場合にはワクチンが九〇%の有効率を示したということが言われていて、現在公表されているのは、ファイザー社の例の場合には臨床試験対象が四万三千五百三十八人であった。ということは、恐らく、ワクチン群とプラセボ群半々ですから、その半分の数がそれぞれの群の被験者の数ということになります。
そして、新型コロナの感染者が全体で九十四人いたということがわかっています。しかし、ここにもしも有効率が九割だったという数字を入れますと、唯一出てくる可能性は、この図に書いてありますように、プラセボ群二万一千七百六十九人、ワクチン群も二万一千七百六十九人、簡単に仮定するとこういうことになります。その中で、ワクチンを打たなかったいわゆるプラセボ接種群には八十六人の感染者がいた、ワクチン接種群には八人の感染者がいた。こうすると、コロナの感染率が九割減ったという計算になるわけです。
したがって、本来はこの数というのは公表できない数なんですけれども、全体の被験者数、そして感染者数、有効率の答えを言えば、自動的にこれが出てきてしまう。すなわち、第三相試験の中身を公表したのと同じことになっているんですね。
ここに書いてありますように、ワクチンの有効率の計算方法というのがありますけれども、それは、接種者の罹患率と非接種者の罹患率がわからないと出せない。でも、今お話ししたように、実際は、非接種者も、接種者中の罹患率が自動的に計算できてしまうわけですから、実は中身を全部出したのと一緒だということになるわけです。
ここに書いてありますように、本来は、ワクチンの有効率を算出するためには、接種者罹患率、非接種者罹患率を知る必要があります。ところが、第三相試験の場合には、通常は二重盲検法、すなわち、お医者さんも誰に何を上げているか知らない、受ける方も何を受けているかはわからないという状況の二重盲検でやるわけですけれども、この場合に、どちらかの群に感染者が起きたとしても、それはどちらの群で感染が起きているかはわからないわけです。でも、それは唯一、わかろうとすれば、いわゆる割りつけ情報、誰がどのグループにいるのかという割りつけ情報を情報公開する、これをキーオープンといいますけれども、キーオープンしない限り、どちらのグループに何人感染者がいたかというのはわからないはずなんです。しかし、キーオープンしますと、盲検性が失われますので、第三相試験としてはデータは使えなくなります。
そういうことから、恐らくファイザー社としてはこういうデータの出し方をして、しかし、これはグレーゾーンといいますか、なかなか、出し方としては厳しい、私はよくない方法であろうというふうに考えています。
ですから、恐らく、このことから考えますと、このワクチンはかなり効くんだとは思います。しかし、問題は、後でお話しするように、安全性であります。
次に、これは岡部先生がもう既におっしゃいましたけれども、ワクチンの副反応と有害事象ということがありまして、これはもう皆さんよく御存じのことでありますけれども、有害事象というのは、ワクチンそのものに原因があるかどうかはわからないけれども、ワクチン接種後に起こった好ましくない現象の全てのことをいいます。
その内側に、副反応。すなわち、これはワクチンそのものによって起こった反応、特に、局所の痛み、発熱、腫れ、全身の発熱、これは、実は免疫反応のために起こるものですから、副作用とは言わずに副反応という言葉を使います。免疫のためにやむを得ず起こった反応であるということであります。
ただし、その中には、脳炎、神経麻痺、アナフィラキシーショックのような、しばしば不可逆的な、取り返しのつかないような重大な事故が起こることがあります。
その下に重篤な副反応の例というのを、どのくらいの頻度で起こるのかということを挙げてあります。
まず、アナフィラキシーショックというのは、急激に全身的に起こるアレルギー反応の一種であります。皮膚や粘膜のかゆみ、息苦しさ、吐き気、立ちくらみが起こって、だんだん血圧が下がって意識障害が起こって、ひどくなるとショックになって亡くなるというのがアナフィラキシーショックです。
実は、この頻度というのはもう既にわかっていまして、これまで使われているワクチンは、アメリカでも日本でも共通で、大体百万回に一回以下の頻度でこのアナフィラキシーショックが起こる。極めてまれなことですけれども、重篤なことなので非常に大きく喧伝されます。
ただし、このアナフィラキシーショックは学校では食べ物によってしばしば起こるということが既にわかっておりまして、例えば、小学生、中学生、高校生いずれを見ましても千人に数人ほど、例えばピーナツを食べた、特定の物を食べたときにショックを起こして倒れる。このアナフィラキシーショックの経験者というのは千人に数人いるんですね。ということは、ワクチンの方がずっとアナフィラキシーショックに関してはリスクが低いということになります。
次に怖い脳炎、脳症。脳症というのは脳の病気全体、脳炎というのは明らかに炎症を起こしている状態を脳炎といいます。これを一くくりにして説明しますと、はしかのワクチンを打ちますと、百万回に十回程度、脳症が見られることがある。これは怖いなと思います。しかし、はしかそのもの、自然感染によっても脳炎というのは起こりまして、その頻度はワクチンを打つ十倍、百万回に百回も起こる。こういうことから、ワクチンを打った方がはしかの場合には安全ですよということになるわけです。
インフルエンザワクチンに関しましては、脳炎の起こる確率は百万回に〇・一五程度、ギラン・バレー症候群、こういう麻痺が来る、これも百万回に一回程度という非常に低い頻度であります。
それから、非常に恐れられていた乳幼児の突然死症候群、SIDSと呼ばれるものですけれども、日本でもアメリカでも報告されましたが、アメリカに関しましては、二〇一九年現在で、ワクチン接種とSIDSの間には因果関係はないということが示されています。しかし、日本に関してはまだこの答えが出ておりません。
以上をまとめますと、ワクチン接種による重篤な副反応というのは百万回に一回から十回の間であるということであります。
じゃ、ほかのリスクというのは高いのか低いのか。我々が飛行機に乗って死亡事故に遭う確率というのは百万回に九回程度なんですよ。ワクチンより高いか、どっこいぐらいですね。あるいは、交通事故。免許証保有者百万人に対して死亡事故を起こす人が八十二人ですから、これはワクチンのリスクよりもずっと高いです。しかし、我々は、それでも自動車に乗らないとは言いません。飛行機に乗らないとは言いません。必要な場合にはやむを得ないということになるわけです。ですから、現在使われているワクチンに関しては、ゼロリスクでないことは確かでありますけれども、そのリスクは非常に低いというふうに言ってよろしいかと思います。
次のページに移ります。
こういうワクチンのリスクがどれだけあるのかということを調べるのが臨床試験で、通常は参加者が二十歳以上六十五歳以下でやります。ここに書いてありますように、第一相、第二相、第三相。通常、第一相で百人以下、第二相で数百人、第三相で数千人、こういう数の人たちにワクチンの安全性と有効性を調べるわけですけれども、この場合には厳格なグッド・クリニカル・プラクティス、GCPに従って行われるわけです。しかし、通常、数千人やっても答えが出ない場合、その場合には、その下に書いてある第四相、これは製造販売後に試験を行うということも現在行われています。
ただし、臨床試験のポイントは、第三相試験でも数千人、あるいはアメリカで現在数万人までやりつつありますけれども、それでもワクチンの副作用が言えるのかどうなのかということが問題になります。
といいますのは、その下にありますように、現在の感染者の頻度を考えますと、東京の直近一週間の人口十万人当たりの感染者の数は二十人程度であります。ということは、もしも検査が不足していて我々が九割見落としていたとしても、人口十万人当たりの患者数は二百人程度。ということは、患者の頻度は千人に二人ぐらいということになります。もし人にうつす確率をここに掛けますと、それの一割から二割ですから、実際我々が感染者に出会う確率というのは非常に実は低いんだということがおわかりになるかと思います。
日本でもしも臨床第三相試験を総勢一万人でやったとします。そうすると、プラセボ群、ワクチン群に五千人ずつということになります。ただし、上の頻度で感染者が出たとしますと、プラセボ群でも十人程度しか感染者が出ませんので、ワクチン接種群と比較するには余りにも小さな数字である。ということは、もっともっと大規模な調査をしないとわからない、あるいは、日本では第三相試験を成立させるのは難しいんだということになります。時間もかかります。
たとえ十万人の第三相試験をやったとしましても、その下に書いてあるように、ワクチンで見られる重篤な副反応の頻度は百万回に数回程度ですから、十万人の試験でもわからないんですね、本当の頻度は。
あるいは、HPVワクチン、子宮頸がんワクチン、先ほど岡部先生がおっしゃいましたけれども、この場合には、有害事象、直接原因かわからないけれども、ともかく起こった健康被害の頻度というのは、百万回に百回以下。百万回に百とすると、一万回に一回ですね。一方、今も申しましたように、我々が感染する確率というのは、それとどっこい、余り変わらないぐらいのことになってしまうんですね。そうすると、若い人に本当にワクチンを強制的に接種すべきかということが問題になります。
この問題を解決するために、実は、この右側のページに移りますけれども、PMDAは条件付早期承認制度というものを持っていまして、四つの条件を満たせば日本で第三相試験を飛ばせる可能性があるということになっています。
一番目は、適応疾患が重篤である。これはなかなかこの病気の場合には解釈が難しいですね。重篤になる方もいらっしゃいます。
二番目、医療上の有用性が高い。これはそうだと思います。
三番目、検証的臨床試験の実施が困難。この場合の検証的臨床試験というのは第三相試験を指していると思っていただいて結構です。第三相試験の実施が困難、又は実施可能でも相当の時間がかかる。ここに星印をつけて赤字で書いていますけれども、コロナの発生率は千人に数人なので、実際は、第三相試験を成立させるのは、例えば日本のような感染者の少ない国では難しいということになります。
四番目、第三相試験以外の臨床試験などにより一定の有効性、安全性が示される。ファイザー社の場合には現在百六十人のボランティアに日本でも打っているそうですので、恐らくそういうデータをつけて出してこられる。でも、百六十人では、今お話しして、おわかりいただけますけれども、感染者は出ないと思います。ですから、安全性、予防効果の判定はともかくできないのではないかと思います。
こういうことを考えますと、海外の第三相試験だけにのっとって日本がこのワクチンを打つというのはなかなか難しいことだということがわかります。
特に、ワクチンというのは健常人に打つものであるということ。そして、ワクチンの副反応は極めて重篤。脳炎、神経症状は。その頻度は非常に低いので、千人、数千人、数万人、十万人程度の試験ではその効果は見えないということ、リスクは見えないということ。
ワクチンの場合には、私は、ウサギと亀の競争みたいなもので、亀でもいいですから、日本のワクチンは今おくれていますけれども、しかし、安全な予防効果の高いものをつくれば、後からでもこれが使われるようになるわけです。ですから、最初にできたものが本当にいいとは限らないということであります。
その点をもう一度強調するために下のスライドをつくっていますけれども、臨床試験というのは、ここに書いてありますように、基礎研究から始まって、臨床試験、第一相、第二相、第三相を経て承認申請に行くんですけれども、通常は十年以上かかる。これを、岡部先生もおっしゃったように、今、一年でやろうとしている。それぞれの試験の中で明らかにしなければいけないこと、実際に抗体ができるか、感染予防ができるか、病気を悪くしないか、副反応ができるか、これを動物で調べるとともに、人でも調べる、これが臨床試験です。
今回の場合には、第三相試験を海外のデータに依存しようとしていますけれども、この一番右に書いてあるように、第三相試験というのは、最終的な安全試験であり、予防試験の確認であります。
過去に日本は、海外のデータのみにのっとって第三相試験を飛ばしてお薬を認可して、痛い目に遭ったことがあります。それが抗リウマチ薬のアラバというものでありますけれども、海外のデータを信用して認可したところ、五千人超使ったところで二十五人の方が間質性肺炎で亡くなった。何でそうなったのかと思って海外のデータを見ると、海外ではほぼ死んでいない。わかったことは、使用量が日本人は海外と同じ量を使うとこういうことが起こる、もっとずっと低い量でないといけないということが後からわかってきた。ということから、ワクチンの使用というのはリスクがあるということであります。
下に書いてありますように、ワクチンが前臨床から第一相、第二相、第三相を超えて認可に至るのは五%以下。そして、最も早くできたワクチンでもこれまで四年かかっています。ということから、自国の第三相試験を飛ばして条件付早期承認をするのがよいのかどうなのかというのは考えなければいけないと思います。
私の結論は、新型コロナワクチン、今回のものは有効性はかなり高い、それは間違いないと思います。ただし、安全性に関してはまだ全く担保されていない。その中では、やはり私は、新型コロナに対するワクチンは、もしも使うとすれば極めて慎重に使わなければいけないであろう。
その具体的なことを言いますと、恐らく、希望者から接種する、ここが大事なポイントではないかと思います。努力義務ということをしますと、リスクがわからないものを努力義務を与えることになるわけですから、ここはなかなか倫理的にも問題が出てくる可能性があります。
もしも打つとすれば、それはやはりリスクの多い集団から。例えば高齢者、持病持ち。実際、昨日イギリス政府が、このワクチンを国民に打つ仮の優先順位というのが出ましたけれども、一位は八十歳、二位、七十歳、三位、六十歳、四位、五十歳。若い人は一番下です。医療従事者はその中に入っていません。
私は、医療従事者から優先接種するのは、このワクチンに関しては極めて疑問であろうというふうに考えています。なぜかといいますと、万が一医療従事者から先に倒れることがあったらば、何をしているかわからない。ワクチンは健康な人に投与するものであるということであります。
岡部先生がおっしゃいましたけれども、大事なのは何よりも安全を確認することであり、そして個人の意思が尊重されるべきであるというふうに考えます。
私の発表は以上であります。拍手
と
釜
釜萢敏#6
○釜萢参考人 日本医師会常任理事の釜萢と申します。
日本医師会で感染症危機管理、それから予防接種の担当をしております。小児科医であります。
きょう、このような機会にぜひ先生方に申し上げたいことは、私からは、実際に新型コロナのワクチンを接種することになった場合に、医療現場ではどういう準備をしなければならないか、そして現時点において課題はどういうところにあるのかということを中心に申し上げたいと思います。
まず、国の方針として、新型コロナ感染症に対するワクチンを、来年の六月までに全国民分のワクチンを準備する、調達するという方針を打ち出されたことは大変心強く存じます。
それで、一方、もう既にお話がありましたけれども、今回の新型コロナウイルス感染症というのは、これまで経験したことのないものでありまして全世界に広がっておるわけですから、日本の国民にだけワクチンが供給されればよいというものではなく、幅広く世界の多くの方々にワクチンが供給されるように、日本がその役割を担うという方針も出しておられるということはとても大事なことだろうというふうに思います。
また、ワクチンの開発を特に国内でしっかり行う体制をとるために、いろいろな補助を行って、すぐれたワクチンが国内でつくれるようにするための対策を講じておられるということも非常に重要だろうというふうに感じます。
その中で、もう既にお二人の先生からいろいろお話が出ましたが、仮にこのCOVID―19に対するワクチンが供給されるようになった場合に、国民の皆さんがそのワクチンの接種を希望されるかどうかというところをぜひ考えなければならない。
このためには、ワクチンに対する信頼と、安全性もそうですし、効果が期待できる。この効果という点については、症状が発症しないような発症予防というのと、それから重症化を防ぐという要素が非常に大事であります。感染を防ぐというところができるかどうかについては、これはちょっと検討に時間もかかりますけれども、まずは発症予防効果、そして重症化の予防にどれだけ効果があるのかということが非常に大事であります。
現時点では、断片的な情報は伝えられていますけれども、まだまだわからないことがたくさんあるので、それらの情報が、実際に接種を開始されるまでにはなるべく幅広く国民に情報が共有されて、その中で接種を、それぞれの方がしっかり判断をして接種をしていただくということが極めて大事だろうと思います。
そして、既に宮坂先生からも御指摘がありましたけれども、今後この新型コロナのワクチンは薬事承認という手続を必要とします。この薬事承認に当たっては、やはりこれまで積み上げてきたしっかりした基準あるいは手順、そういうものをしっかり踏んで、今回のワクチンについて国民の皆さんが納得していただけるような手続が必要です。もちろん早く手に入れたいというお気持ちもよくわかりますけれども、しっかりした手続を経て、納得してワクチンが供給できるようにするということが極めて大事だろうと思います。
それから、これももう既にお話が出ていますけれども、接種後の有害事象というのは必ず起こり得ることでありますので、その有害事象をいかに早く察知するのか。そして、なかなかワクチンとの因果関係がわからない段階のものもあるわけですけれども、それらの情報が速やかに公表されて、そして情報が共有されるということは大事だというふうに思います。
この接種後のいろいろな事象を最も早く察知するのは接種に携わった医療従事者でありますので、これまでの経験から、ワクチンの接種後の重篤な反応というのは大体接種後三十分以内にいろいろ出てきます。ですから、それらの時間的な経緯をしっかり踏まえる必要があるし、それから、その後に、接種を受けられた方からのさまざまな訴えについては、医療従事者らがしっかりその情報を伺って、そして行政と速やかに情報を共有して必要な対策をとるということが極めて大事で、それは我々医療現場の役目であるというふうに感じております。
それで、先ほど申し上げましたように、実際にこのワクチンの接種をどのように行っていくかということですが、実はまだわからないことがたくさんあって、ワクチンの提供がどのくらいの単位でというのは、一つの単位、何人分の接種、何接種分の単位で来るかというところについては、現在でも、ある程度伺っているところはありますが、通常のこれまで私どもが扱ってきたワクチンは、せいぜい一人用とか二人用の単位でワクチンが提供されるわけですけれども、はるかに大きい単位でないと提供できないものもあるやに伺っています。場合によっては千接種が一単位というようなものも予想されるということであります。それらをどういうふうに迅速な接種に結びつけていくかということの対応が、今後それぞれの地域で検討されなければならないと思います。
平成六年に予防接種法は大きく改正が行われました。それで、平成六年の改正の背景は、予防接種に伴う副反応に関する訴訟の判決も踏まえて、どういう形で対応したらば最も国民の皆さんに納得していただけるかという検討の中で法律改正されたというふうに承知をしております。
それで、そのときの大きな変更点は、接種を受ける方、あるいは小児の場合などは保護者の方が、予防接種に対する情報をしっかり御理解をいただいて、そして同意をして、接種を受けたいということをしっかり表明をした上で接種をしていただくということ。それから、接種を受ける方の体調について、できれば日ごろからよく、接種を受ける方の体の背景について理解している医師が、個別で、最も接種に適した時期を選んで接種をするという、個別接種を推奨するという方向が、大きく変わりました。
岡部先生がお示しになられた、以前の集団接種のスライドがありましたけれども、以前はあのように行われていたわけですが、現状、平成六年の改正以降は大分やり方が変わりまして、しっかり、まずは集団の接種においても予診といって本日の体調などがしっかり把握できて、そして接種のラインに乗っていって、そして適切に医療従事者が接種を行うという体制になりました。
今回のコロナの流行のある中でワクチンを接種しなければならない場合の、仮に集団で接種をした場合の留意点としては、もちろん動線をしっかり分離することは当然でありますけれども、あのような写真のように混んでいてはとてもだめでありますから、しっかり間隔がとれて、そして人と人との接触の距離が保たれた形で十分配慮しながら接種をするという体制をとらなければなりません。
もちろん、個別接種としての、医療機関において十分な条件のもとで接種する体制が望ましいわけですけれども、先ほど申し上げましたように、大量に、例えば千接種分の供給が行われるということになると、なかなかこれは個別接種だけでの対応というのは難しいだろうというふうに感じます。
一方、先ほど申し上げたように、平成六年の法律改正以降は、各自治体では集団接種の経験がほとんどなくなってしまいました。それ以前は、それぞれの自治体に集団予防接種に精通した職員、保健師もそうですし、あるいは事務の方々の中でも非常に精通した方々がそれぞれおられたのですけれども、現状ではもう集団接種の経験が全然なくなってしまったので、そういう経験を踏まえた方はほとんどおられなくなってしまいました。
その中で、今回のコロナに対してそのような体制を急速に整えるということは、なかなかこれは容易ではないので、今回の接種は臨時接種として、実施主体は、国の方針のもとに都道府県知事が協力をして市町村が実施するという枠組みでありますので、そのあたりのところを市町村がどういうふうに準備できるのかなということについては今後大きな検討課題であろうと思います。
接種を担いますのは、接種を行える医療従事者が突然湧いてくるわけでは決してなくて、その地域で医療に携わっている医療従事者が、その時間、予防接種に従事しなければ絶対に不可能ですから、診療、医療行為もやりながら予防接種もしっかり担うということをやらなければならない。ここについても十分な検討が必要だろうというふうに思います。
先ほど申し上げましたように、このワクチンに関する情報はまだまだわからないところがあって、それはやむを得ないのですけれども、接種までの間にわかる情報をしっかり分析、評価して、それぞれの地域で体制を整えていくという作業が必要で、いつからワクチンの接種が可能になるかまだ今の段階では全く予測できませんけれども、それぞれ準備をしなければいけないというふうに感じております。
それから、あと、ぜひ申し上げたいことは、既にお話が出ていますけれども、接種に対する勧奨ですね、接種をぜひ受けてほしいという勧奨の接種ということと、それから接種の努力義務についてどういうふうに考えるかということであります。
今回国会に提出されております内容を伺いますと、ワクチンについてまだいろいろよくわからないところもあるので、接種勧奨とそれから努力義務については、でき上がったワクチンのことをよく評価した上で柔軟に対応できるような取組になっておられると伺っていますが、そのことはすごく大事なことだと思います。ぜひそれは今後しっかり検討して、どういうふうにしたらばよいのかということを決めていくという作業が必要で、そのことが国民の皆さんのワクチンに対する信頼に大きくつながってくるというふうに思います。
最後になりますけれども、やはり、今回のワクチンの特にわからない点は、接種後の副反応の、有害事象の頻度がどうか、そしてそれらが重篤なものでないかどうかということであります。そのことと関連して、接種の対象者をどういうふうに選んでいくか。高齢者あるいは基礎疾患を有する方、そしてCOVID―19の診療に直接携わる医療従事者というのが優先順位を高く設定して、今検討がされているわけですけれども、そのあたりについては、接種後の有害事象の頻度や内容をよく見きわめながら、接種開始までに十分議論、検討する必要があるというふうに考えております。
それらをしっかり準備を整えながら、なるべく希望される国民の皆さんに早くワクチンを提供して、接種に備えるということが大事になってくるだろうと思います。
今回、まだまだ課題が山積しているというふうに感じておりますところから、実際の接種の現場における問題点について申し上げました。
私からは以上であります。拍手
この発言だけを見る →日本医師会で感染症危機管理、それから予防接種の担当をしております。小児科医であります。
きょう、このような機会にぜひ先生方に申し上げたいことは、私からは、実際に新型コロナのワクチンを接種することになった場合に、医療現場ではどういう準備をしなければならないか、そして現時点において課題はどういうところにあるのかということを中心に申し上げたいと思います。
まず、国の方針として、新型コロナ感染症に対するワクチンを、来年の六月までに全国民分のワクチンを準備する、調達するという方針を打ち出されたことは大変心強く存じます。
それで、一方、もう既にお話がありましたけれども、今回の新型コロナウイルス感染症というのは、これまで経験したことのないものでありまして全世界に広がっておるわけですから、日本の国民にだけワクチンが供給されればよいというものではなく、幅広く世界の多くの方々にワクチンが供給されるように、日本がその役割を担うという方針も出しておられるということはとても大事なことだろうというふうに思います。
また、ワクチンの開発を特に国内でしっかり行う体制をとるために、いろいろな補助を行って、すぐれたワクチンが国内でつくれるようにするための対策を講じておられるということも非常に重要だろうというふうに感じます。
その中で、もう既にお二人の先生からいろいろお話が出ましたが、仮にこのCOVID―19に対するワクチンが供給されるようになった場合に、国民の皆さんがそのワクチンの接種を希望されるかどうかというところをぜひ考えなければならない。
このためには、ワクチンに対する信頼と、安全性もそうですし、効果が期待できる。この効果という点については、症状が発症しないような発症予防というのと、それから重症化を防ぐという要素が非常に大事であります。感染を防ぐというところができるかどうかについては、これはちょっと検討に時間もかかりますけれども、まずは発症予防効果、そして重症化の予防にどれだけ効果があるのかということが非常に大事であります。
現時点では、断片的な情報は伝えられていますけれども、まだまだわからないことがたくさんあるので、それらの情報が、実際に接種を開始されるまでにはなるべく幅広く国民に情報が共有されて、その中で接種を、それぞれの方がしっかり判断をして接種をしていただくということが極めて大事だろうと思います。
そして、既に宮坂先生からも御指摘がありましたけれども、今後この新型コロナのワクチンは薬事承認という手続を必要とします。この薬事承認に当たっては、やはりこれまで積み上げてきたしっかりした基準あるいは手順、そういうものをしっかり踏んで、今回のワクチンについて国民の皆さんが納得していただけるような手続が必要です。もちろん早く手に入れたいというお気持ちもよくわかりますけれども、しっかりした手続を経て、納得してワクチンが供給できるようにするということが極めて大事だろうと思います。
それから、これももう既にお話が出ていますけれども、接種後の有害事象というのは必ず起こり得ることでありますので、その有害事象をいかに早く察知するのか。そして、なかなかワクチンとの因果関係がわからない段階のものもあるわけですけれども、それらの情報が速やかに公表されて、そして情報が共有されるということは大事だというふうに思います。
この接種後のいろいろな事象を最も早く察知するのは接種に携わった医療従事者でありますので、これまでの経験から、ワクチンの接種後の重篤な反応というのは大体接種後三十分以内にいろいろ出てきます。ですから、それらの時間的な経緯をしっかり踏まえる必要があるし、それから、その後に、接種を受けられた方からのさまざまな訴えについては、医療従事者らがしっかりその情報を伺って、そして行政と速やかに情報を共有して必要な対策をとるということが極めて大事で、それは我々医療現場の役目であるというふうに感じております。
それで、先ほど申し上げましたように、実際にこのワクチンの接種をどのように行っていくかということですが、実はまだわからないことがたくさんあって、ワクチンの提供がどのくらいの単位でというのは、一つの単位、何人分の接種、何接種分の単位で来るかというところについては、現在でも、ある程度伺っているところはありますが、通常のこれまで私どもが扱ってきたワクチンは、せいぜい一人用とか二人用の単位でワクチンが提供されるわけですけれども、はるかに大きい単位でないと提供できないものもあるやに伺っています。場合によっては千接種が一単位というようなものも予想されるということであります。それらをどういうふうに迅速な接種に結びつけていくかということの対応が、今後それぞれの地域で検討されなければならないと思います。
平成六年に予防接種法は大きく改正が行われました。それで、平成六年の改正の背景は、予防接種に伴う副反応に関する訴訟の判決も踏まえて、どういう形で対応したらば最も国民の皆さんに納得していただけるかという検討の中で法律改正されたというふうに承知をしております。
それで、そのときの大きな変更点は、接種を受ける方、あるいは小児の場合などは保護者の方が、予防接種に対する情報をしっかり御理解をいただいて、そして同意をして、接種を受けたいということをしっかり表明をした上で接種をしていただくということ。それから、接種を受ける方の体調について、できれば日ごろからよく、接種を受ける方の体の背景について理解している医師が、個別で、最も接種に適した時期を選んで接種をするという、個別接種を推奨するという方向が、大きく変わりました。
岡部先生がお示しになられた、以前の集団接種のスライドがありましたけれども、以前はあのように行われていたわけですが、現状、平成六年の改正以降は大分やり方が変わりまして、しっかり、まずは集団の接種においても予診といって本日の体調などがしっかり把握できて、そして接種のラインに乗っていって、そして適切に医療従事者が接種を行うという体制になりました。
今回のコロナの流行のある中でワクチンを接種しなければならない場合の、仮に集団で接種をした場合の留意点としては、もちろん動線をしっかり分離することは当然でありますけれども、あのような写真のように混んでいてはとてもだめでありますから、しっかり間隔がとれて、そして人と人との接触の距離が保たれた形で十分配慮しながら接種をするという体制をとらなければなりません。
もちろん、個別接種としての、医療機関において十分な条件のもとで接種する体制が望ましいわけですけれども、先ほど申し上げましたように、大量に、例えば千接種分の供給が行われるということになると、なかなかこれは個別接種だけでの対応というのは難しいだろうというふうに感じます。
一方、先ほど申し上げたように、平成六年の法律改正以降は、各自治体では集団接種の経験がほとんどなくなってしまいました。それ以前は、それぞれの自治体に集団予防接種に精通した職員、保健師もそうですし、あるいは事務の方々の中でも非常に精通した方々がそれぞれおられたのですけれども、現状ではもう集団接種の経験が全然なくなってしまったので、そういう経験を踏まえた方はほとんどおられなくなってしまいました。
その中で、今回のコロナに対してそのような体制を急速に整えるということは、なかなかこれは容易ではないので、今回の接種は臨時接種として、実施主体は、国の方針のもとに都道府県知事が協力をして市町村が実施するという枠組みでありますので、そのあたりのところを市町村がどういうふうに準備できるのかなということについては今後大きな検討課題であろうと思います。
接種を担いますのは、接種を行える医療従事者が突然湧いてくるわけでは決してなくて、その地域で医療に携わっている医療従事者が、その時間、予防接種に従事しなければ絶対に不可能ですから、診療、医療行為もやりながら予防接種もしっかり担うということをやらなければならない。ここについても十分な検討が必要だろうというふうに思います。
先ほど申し上げましたように、このワクチンに関する情報はまだまだわからないところがあって、それはやむを得ないのですけれども、接種までの間にわかる情報をしっかり分析、評価して、それぞれの地域で体制を整えていくという作業が必要で、いつからワクチンの接種が可能になるかまだ今の段階では全く予測できませんけれども、それぞれ準備をしなければいけないというふうに感じております。
それから、あと、ぜひ申し上げたいことは、既にお話が出ていますけれども、接種に対する勧奨ですね、接種をぜひ受けてほしいという勧奨の接種ということと、それから接種の努力義務についてどういうふうに考えるかということであります。
今回国会に提出されております内容を伺いますと、ワクチンについてまだいろいろよくわからないところもあるので、接種勧奨とそれから努力義務については、でき上がったワクチンのことをよく評価した上で柔軟に対応できるような取組になっておられると伺っていますが、そのことはすごく大事なことだと思います。ぜひそれは今後しっかり検討して、どういうふうにしたらばよいのかということを決めていくという作業が必要で、そのことが国民の皆さんのワクチンに対する信頼に大きくつながってくるというふうに思います。
最後になりますけれども、やはり、今回のワクチンの特にわからない点は、接種後の副反応の、有害事象の頻度がどうか、そしてそれらが重篤なものでないかどうかということであります。そのことと関連して、接種の対象者をどういうふうに選んでいくか。高齢者あるいは基礎疾患を有する方、そしてCOVID―19の診療に直接携わる医療従事者というのが優先順位を高く設定して、今検討がされているわけですけれども、そのあたりについては、接種後の有害事象の頻度や内容をよく見きわめながら、接種開始までに十分議論、検討する必要があるというふうに考えております。
それらをしっかり準備を整えながら、なるべく希望される国民の皆さんに早くワクチンを提供して、接種に備えるということが大事になってくるだろうと思います。
今回、まだまだ課題が山積しているというふうに感じておりますところから、実際の接種の現場における問題点について申し上げました。
私からは以上であります。拍手
と
水
水口真寿美#8
○水口参考人 薬害オンブズパースン会議の事務局長をしております弁護士の水口と申します。よろしくお願いいたします。
まず、薬害オンブズパースン会議というのは、一九九七年、その前年に薬害エイズの和解が成立したわけですけれども、その教訓をもとに発足した、薬害防止を目的とする民間の医薬品の監視組織です。弁護士、薬剤師、それから研究者、薬害被害者の皆さんなど、多様な立場の方が集まって、薬害防止のための活動を行っております。
新型コロナウイルスのワクチンの問題につきましては、本年の十月六日に今お手元の資料の三ページ以下にございます意見書を公表しております。本日は、この意見書を踏まえ、改正法案についての意見を述べさせていただきたいと思っております。
まず、結論的なことを申し上げますと、今回の改正法案についてなんですが、検疫法の期間延長の点については適切だと思っております。一方、予防接種法の改正については、接種勧奨と努力義務の設定、それから損失補償契約に関する規定に問題があるのではないかと考えております。また、法の適用との関係では、承認審査や情報の提供のあり方について課題があると考えております。
以下、少し詳しく述べさせていただきます。
まず指摘させていただきたいのは、医薬品の安全性確保の重要性です。医薬品は、言うまでもなく人類の健康を守る上で大きな役割を果たしてきましたけれども、その一方で、時に重篤な副作用も生じさせております。
ワクチンに関して社会問題化した例もありまして、その中には、予防接種禍訴訟、これは先ほど来から出ている予防接種法の改正の契機となったわけですけれども、こうした訴訟やMMR訴訟など、大規模な訴訟に発展して国の責任が認められた例もあります。
私は職業柄これまで医薬品の副作用の被害者に多く接してまいりましたけれども、医薬品の副作用被害というのは、疾病で苦しむ方々の苦しみとはまた異なった側面があると思います。それは、もちろん御本人の身体的な苦痛というのもあるんですけれども、やはりそこには、治療薬やワクチンを勧めた御家族とか、そういう関係もあるわけですね。ですので、そういった方々の苦しみも生まれるということです。
また、中には副反応や副作用との因果関係が明らかになるまで時間がかかって、そのために適切な治療が受けられないという事態が起きることもあるわけです。
一方、医薬品の副作用については事後の救済の制度がありますけれども、事後的に救済を受けたとて失われた人生や時間が戻るものではなく、また救済申請に医師の協力が思うように得られないケースや、あるいは判定不能、情報不足などによって不支給ということになるケースも少なくありません。
新型コロナウイルス感染症の感染の広がりに伴いましてワクチンへの期待が非常に高まっておりますけれども、国民が求めるのはあくまでも有効で安全なワクチンであるということは疑いがないと思います。したがって、やはり、国が承認審査においてその有効性と安全性を十分に審査した後に市場に出すという、このことがまずもって重要なことであるということを指摘させていただきたいと思います。
そこで、新型コロナウイルスワクチンの承認審査と安全確保のあり方なんですけれども、まず、ワクチンというのは、先ほど来から御指摘がありましたように、健康な方が接種するものですから、一般の治療薬に比べて、より一層高い安全性と有効性が必要であると考えられます。
この点、新型コロナウイルスのワクチンについてはまだわからないことがたくさんあるわけですけれども、しかし、このウイルス自体がRNAウイルスで非常に変異しやすいと指摘されていることや、再感染の報告があるということなどから、ワクチンができてもその効果の持続期間が限定的になる可能性があるのではないかという指摘がなされています。もし有効性に限界のあるワクチンによって深刻な健康被害を引き起こすようなことになった場合、それはワクチン全体の信頼を揺るがす結果となりかねません。そういう事態はぜひとも避けたいと考えております。
特に、ワクチンの副作用との関係で注意を喚起したいと思っておりますのは、自己免疫性の副作用なんですね。ワクチンがギラン・バレー症候群とかADEM、急性散在性脳脊髄炎と言われるんですが、こういった自己免疫性の疾患を発症させるということはよく知られたところで、厚生労働省の重篤副作用マニュアルにも記載されています。二〇〇五年には、この急性散在性脳脊髄炎の発症を理由に、当時の日本脳炎ワクチンの積極的な勧奨が差し控えられたという経過もありました。
この自己免疫性の副作用というのは、要するに、ワクチンの接種によって人体の免疫機能に異常が生じて、ワクチンによって生じた本来は体を守るべき抗体などがいわば自分を攻撃してしまうような事態になるということで、症状も非常に複雑ですし、治療も困難な例が少なくありません。また、症状が接種してすぐにあらわれるとは限らない。こういったことも起きる可能性があるということは十分に配慮する必要があると思います。
政府が供給の合意をしたと報じられていますアストラゼネカ社のワクチンですけれども、ことしの九月、開発中に重大な有害事象が生じたということで臨床試験を一時中止しておりますが、これは横断性の脊髄炎であるというふうに報じられておりまして、これも今申し上げた自己免疫性の疾患の一つであります。この点も十分に考慮に入れて審査をしてほしいと考えております。
また、政府が供給合意したワクチンは、いずれも、ウイルスの遺伝情報を接種するという、これまでにない新しいタイプのワクチンであります。承認前の情報は大変そのため限られております。新しい機序のワクチンから新しいタイプの副作用が生じるという可能性も否定できないわけですね。
そして、申し上げたいのは、仮に新しいタイプの副作用が生じたときに、市販後のワクチンの安全監視のシステムというのは必ずしも十分に機能しないことがあるということです。
現在のワクチンの安全性の監視システムは、データベースを用いて統計的な手法で行われていますが、その仕組みから、副作用症状の定義について臨床上の一定のコンセンサスが形成されるに至っていないに等しい、そういう副作用に対しては十分に機能しない可能性があります。このことは、ワクチンの安全性のモニタリングをしている、ウプサラにそういうWHOの部署があるんですが、そこの専門家からも指摘されているところなんですね。
また、厚生労働省では、ワクチンの安全性について、副反応部会や安全対策調査会という審議会を設けまして、ここで協議をして、PMDAがまず監視をして、それを協議するわけですけれども、基本的には自発報告をもとにしたものなんですね。したがって限界があります。
自発報告というのは、その因果関係が否定できないというふうに判断された場合に、企業を経由し、あるいは直接に医師がPMDAに報告を上げるというものなんですけれども、一般にこの報告は氷山の一角であるというふうに指摘されています。特に新しいタイプの副作用が起きた場合には、患者も医師もそれがワクチンによるものだということについて十分に認識できないということが起こり得るわけで、そしてまた現在は報告された有害事象について追跡する十分なシステムもできておりません。
このように、ワクチンの副反応というものに対して私たちは非常に謙虚にならなければいけない。いろいろなことが起こり得る、解明されていないことはあるし、現在の安全監視のシステムの限界もあるんだということを考慮に入れる必要があります。だからこそ、承認審査において十分に吟味してほしいと考える次第です。
なお、海外で薬事承認を得た医薬品について、日本での承認審査を経ずに承認を与える特例承認という制度がございます。これは、ワクチンには適用するべきではないと考えております。それは、やはり、免疫に作用するワクチンというのは、免疫自体人種差が大きいというふうに言われておりますけれども、そういったものについてこれを適用するというのは、安全性確保や有効性の確認の点において非常に問題があるというふうに考えております。
この特例承認については、新型コロナウイルス感染症の治療薬のレムデシビルについて最近一度適用されていることは御存じだと思いますが、このレムデシビルは、特例承認を適用した段階では、EUAという、アメリカの未承認の薬で緊急的な使用を認める、そういうもとでの認可だったわけですね。正式な薬事承認ではなかったわけです。それを日本は正式に特例承認制度のもとで薬事承認をした結果、私の認識に間違いがなければ、結局、日本はレムデシビルを世界で一番最初に正式承認した国になったということです。
その後、レムデシビルは米国でも薬事承認されるに至っていますけれども、この特例承認制度というのは、いろいろな緊急の場合に、海外でしっかり有効性と安全性を確認されて承認されているということを前提にした制度です。
ですので、先ほど申し上げましたように、正式に承認されたものであっても、ワクチンについて、人種差のことを考えたら特例承認を適用することは適切でないと思いますし、ましてやそれが海外での正式の薬事承認でないということであれば、なおさら適用するべきではないということを申し上げておきたいと思います。
さて、以上、ちょっと審査に関して申し上げてまいりましたけれども、この審査をきちっと通って、有効性と安全性がしっかり確認されて市場に出るという場合に、それでは、接種を勧奨し努力義務を課すというのがこの新型コロナウイルスのワクチンについて適切なのか、そういう論点に移りたいと思います。まさにこれが今回の法案の問題点です。
先ほど来から御紹介がありましたように、予防接種禍訴訟の教訓を踏まえて、一九九四年から、予防接種法のもとでは、それまでの接種の強制、接種義務というのはなくなりまして、現在可能であるのは、接種の勧奨と、そして国民に接種の努力義務を課すということです。
しかし、やはりそれは、いかに努力義務といっても、政府が勧めて、そして国民に努力の義務を課すわけです。それをすれば、やはり国民は、ああ、国が勧めているんだということで信頼してそれを接種するわけですね。日本の定期接種の接種率は非常に高い状況にあります、全般に。
ですので、国は勧める以上は、それは勧奨だ、努力義務だといっても、やはり十分に責任を持った対応が必要で、国が勧めるためには、私は、公衆衛生上の必要性と、それから先ほどワクチンは治療薬よりも高い有効性と安全性が必要だと申し上げましたけれども、更に接種勧奨するにはより高い有効性と安全性が求められると考えております。
では、新型コロナウイルスワクチンが、このより高い有効性、より一層高い有効性と安全性、国が打ってくださいとお勧めするだけの要件を満たすのかどうか。この点は、現段階ではやはり明らかにはなっていない、それを満たすとは言える状況ではないのではないかと思います。
今後いろいろ研究が進んだとしましても、この新型ウイルスの感染症自体が、先ほど来から御指摘がありますように、まだその対象の感染症自体が歴史が浅くて、わかっていることは非常に少ないわけです。そういう意味では、免疫に作用するワクチンについて、どんなに努力をしても未知の部分が残るということは避けがたいのではないかと思います。また、技術が進歩したといっても、本来は十年とかそのぐらいかかってきたものが非常に速いスピードで開発され、審査される。そういうことがワクチンの安全性と有効性に影響を与える可能性がないのかということであります。
ことしの十一月の十日、厚生科学審議会予防接種基本方針部会で、国立病院機構本部総合研究センター長である伊藤委員が、医療関係の人ほど本当に大丈夫なのかという不安があり、積極的に打ちたい人はそれほど多くないと発言したということが報じられています。
実は、私の周りにもそういう医療従事者は少なくないわけです。わかっている人ほど大丈夫なのかと思う、そういう状態にあるワクチンについて、接種を勧奨したり、接種義務、努力義務を設定するということが適切なのか。私は適切ではないのではないかと思います。
改正法では、臨時の予防接種の特例という位置づけで今回提案されています。臨時の予防接種というのは、要件が感染症の蔓延の予防の必要があると認めるときということになっておりまして、これはやはり、制度の成り立ちとしては集団予防に重点を置いた制度なんですね。それを前提に、臨時の接種というのは接種勧奨と努力義務を規定しているわけです。
ところが、新型コロナウイルスのワクチンというのは、現時点で、集団予防の効果がどのぐらいあるのか、それすらよくわかっていないということになります。そうすると、先ほど申し上げた、より高い有効性と安全性がはっきりしていないじゃないかということと、この集団予防、法のたてつけとの関係からいって、やはり、国が接種を勧奨し、接種義務を課すのは適当ではないということにならざるを得ないわけです。
では、無償とか厚い救済というのはどうなるのか。国が勧奨して努力義務を課すから、無償としたり救済を厚くすることが説明しやすいのだというのは確かにあるかもしれません。しかし、ワクチンは公衆衛生と深くかかわる医薬品ですので、感染症の拡大を前に、接種や努力義務を設定しない、だけれども、無償にする、そして救済も厚くする。そこを切り離して考えて、そういう設定にすることだってできるのではないかと思います。
現在提案されている改正法案は、臨時接種の特例と位置づけて、まず国民全体に接種義務をかけてしまう、その後対象を指定して解除していく、そういうたてつけになっているんですが、やはり、まず全体、国民に接種の努力義務の網をかけるということがいいのかどうか。それはやはり非常にリスクが高いし、科学的な根拠との関係で避けるべきことではないかというふうに思います。
先ほど来から臨床試験でわかることは限られているというお話がありましたけれども、ワクチンは、やはり、まず任意で接種して、それから様子を見て定期接種にするというのが王道だったわけです。ですので、新しいタイプでよくわからないことがたくさんあるワクチンを、承認してすぐに全国民に接種を勧めるというやり方というのは危険なのではないかと考えております。
方法としては、附則の四項において、予防接種法の八条と九条は適用しないと明記するなどして義務を外すということを考えるべきだと思います。
それから、情報提供の関係ですけれども、これはやはり、自己決定を十分に保障するための十分な情報提供、これが必要だと思います。ワクチンへの期待がバイアスを生むんだということも十分に考慮を入れる必要があると思います。
特に、接種をしないという選択をした方に不利益が及ばないようにする。これは非常に大変なことで、仮に努力義務が設定されるとすると、それは非常に難しいことになるのではないかというふうに思います。
高い順位を与えられている人が接種をしなければ、医療や福祉の現場で働く人が接種をしなければ業務に従事できないような立場に置かれる、そういう風潮が起きることを大変危惧いたします。
審議会で、先ほど、医師はそれほど打ちたいと思ってはいないんじゃないかという御指摘がありましたけれども、ある意味、医師は自分が打たない理由を説明できる人たちです。でも、そういう人たちばかりではないんですね。
例えば、中小の企業などで、小さなコミュニティーの中で、会社がみんな打ちましょうという方向性を出したときに本当にそれを拒否することができるのか、それは非常に難しい問題なのではないかと思います。ということで、この点も十分な配慮が、小さいコミュニティーの中で弱い立場にいる方たちの自己決定権をどう守るのか、これは本当に真剣に考える必要があると思います。
それから、損失補償契約、最後に申し上げますと、これは既にこの厚生労働委員会でも議論されていると思いますけれども、公共政策としての正当性にかかわる問題なので、やはり十分な説明が必要だと思います。
国会の承認が要らない理由、時限立法でない理由、そこのところは私にはよくわかりません。この点については、やはり、更に十分な吟味をして、情報開示と説明責任が可能な限り果たされるような仕組みをつくっていくということが必要なのではないかと思います。
以上で、私が述べたいことは一通り終わりました。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →まず、薬害オンブズパースン会議というのは、一九九七年、その前年に薬害エイズの和解が成立したわけですけれども、その教訓をもとに発足した、薬害防止を目的とする民間の医薬品の監視組織です。弁護士、薬剤師、それから研究者、薬害被害者の皆さんなど、多様な立場の方が集まって、薬害防止のための活動を行っております。
新型コロナウイルスのワクチンの問題につきましては、本年の十月六日に今お手元の資料の三ページ以下にございます意見書を公表しております。本日は、この意見書を踏まえ、改正法案についての意見を述べさせていただきたいと思っております。
まず、結論的なことを申し上げますと、今回の改正法案についてなんですが、検疫法の期間延長の点については適切だと思っております。一方、予防接種法の改正については、接種勧奨と努力義務の設定、それから損失補償契約に関する規定に問題があるのではないかと考えております。また、法の適用との関係では、承認審査や情報の提供のあり方について課題があると考えております。
以下、少し詳しく述べさせていただきます。
まず指摘させていただきたいのは、医薬品の安全性確保の重要性です。医薬品は、言うまでもなく人類の健康を守る上で大きな役割を果たしてきましたけれども、その一方で、時に重篤な副作用も生じさせております。
ワクチンに関して社会問題化した例もありまして、その中には、予防接種禍訴訟、これは先ほど来から出ている予防接種法の改正の契機となったわけですけれども、こうした訴訟やMMR訴訟など、大規模な訴訟に発展して国の責任が認められた例もあります。
私は職業柄これまで医薬品の副作用の被害者に多く接してまいりましたけれども、医薬品の副作用被害というのは、疾病で苦しむ方々の苦しみとはまた異なった側面があると思います。それは、もちろん御本人の身体的な苦痛というのもあるんですけれども、やはりそこには、治療薬やワクチンを勧めた御家族とか、そういう関係もあるわけですね。ですので、そういった方々の苦しみも生まれるということです。
また、中には副反応や副作用との因果関係が明らかになるまで時間がかかって、そのために適切な治療が受けられないという事態が起きることもあるわけです。
一方、医薬品の副作用については事後の救済の制度がありますけれども、事後的に救済を受けたとて失われた人生や時間が戻るものではなく、また救済申請に医師の協力が思うように得られないケースや、あるいは判定不能、情報不足などによって不支給ということになるケースも少なくありません。
新型コロナウイルス感染症の感染の広がりに伴いましてワクチンへの期待が非常に高まっておりますけれども、国民が求めるのはあくまでも有効で安全なワクチンであるということは疑いがないと思います。したがって、やはり、国が承認審査においてその有効性と安全性を十分に審査した後に市場に出すという、このことがまずもって重要なことであるということを指摘させていただきたいと思います。
そこで、新型コロナウイルスワクチンの承認審査と安全確保のあり方なんですけれども、まず、ワクチンというのは、先ほど来から御指摘がありましたように、健康な方が接種するものですから、一般の治療薬に比べて、より一層高い安全性と有効性が必要であると考えられます。
この点、新型コロナウイルスのワクチンについてはまだわからないことがたくさんあるわけですけれども、しかし、このウイルス自体がRNAウイルスで非常に変異しやすいと指摘されていることや、再感染の報告があるということなどから、ワクチンができてもその効果の持続期間が限定的になる可能性があるのではないかという指摘がなされています。もし有効性に限界のあるワクチンによって深刻な健康被害を引き起こすようなことになった場合、それはワクチン全体の信頼を揺るがす結果となりかねません。そういう事態はぜひとも避けたいと考えております。
特に、ワクチンの副作用との関係で注意を喚起したいと思っておりますのは、自己免疫性の副作用なんですね。ワクチンがギラン・バレー症候群とかADEM、急性散在性脳脊髄炎と言われるんですが、こういった自己免疫性の疾患を発症させるということはよく知られたところで、厚生労働省の重篤副作用マニュアルにも記載されています。二〇〇五年には、この急性散在性脳脊髄炎の発症を理由に、当時の日本脳炎ワクチンの積極的な勧奨が差し控えられたという経過もありました。
この自己免疫性の副作用というのは、要するに、ワクチンの接種によって人体の免疫機能に異常が生じて、ワクチンによって生じた本来は体を守るべき抗体などがいわば自分を攻撃してしまうような事態になるということで、症状も非常に複雑ですし、治療も困難な例が少なくありません。また、症状が接種してすぐにあらわれるとは限らない。こういったことも起きる可能性があるということは十分に配慮する必要があると思います。
政府が供給の合意をしたと報じられていますアストラゼネカ社のワクチンですけれども、ことしの九月、開発中に重大な有害事象が生じたということで臨床試験を一時中止しておりますが、これは横断性の脊髄炎であるというふうに報じられておりまして、これも今申し上げた自己免疫性の疾患の一つであります。この点も十分に考慮に入れて審査をしてほしいと考えております。
また、政府が供給合意したワクチンは、いずれも、ウイルスの遺伝情報を接種するという、これまでにない新しいタイプのワクチンであります。承認前の情報は大変そのため限られております。新しい機序のワクチンから新しいタイプの副作用が生じるという可能性も否定できないわけですね。
そして、申し上げたいのは、仮に新しいタイプの副作用が生じたときに、市販後のワクチンの安全監視のシステムというのは必ずしも十分に機能しないことがあるということです。
現在のワクチンの安全性の監視システムは、データベースを用いて統計的な手法で行われていますが、その仕組みから、副作用症状の定義について臨床上の一定のコンセンサスが形成されるに至っていないに等しい、そういう副作用に対しては十分に機能しない可能性があります。このことは、ワクチンの安全性のモニタリングをしている、ウプサラにそういうWHOの部署があるんですが、そこの専門家からも指摘されているところなんですね。
また、厚生労働省では、ワクチンの安全性について、副反応部会や安全対策調査会という審議会を設けまして、ここで協議をして、PMDAがまず監視をして、それを協議するわけですけれども、基本的には自発報告をもとにしたものなんですね。したがって限界があります。
自発報告というのは、その因果関係が否定できないというふうに判断された場合に、企業を経由し、あるいは直接に医師がPMDAに報告を上げるというものなんですけれども、一般にこの報告は氷山の一角であるというふうに指摘されています。特に新しいタイプの副作用が起きた場合には、患者も医師もそれがワクチンによるものだということについて十分に認識できないということが起こり得るわけで、そしてまた現在は報告された有害事象について追跡する十分なシステムもできておりません。
このように、ワクチンの副反応というものに対して私たちは非常に謙虚にならなければいけない。いろいろなことが起こり得る、解明されていないことはあるし、現在の安全監視のシステムの限界もあるんだということを考慮に入れる必要があります。だからこそ、承認審査において十分に吟味してほしいと考える次第です。
なお、海外で薬事承認を得た医薬品について、日本での承認審査を経ずに承認を与える特例承認という制度がございます。これは、ワクチンには適用するべきではないと考えております。それは、やはり、免疫に作用するワクチンというのは、免疫自体人種差が大きいというふうに言われておりますけれども、そういったものについてこれを適用するというのは、安全性確保や有効性の確認の点において非常に問題があるというふうに考えております。
この特例承認については、新型コロナウイルス感染症の治療薬のレムデシビルについて最近一度適用されていることは御存じだと思いますが、このレムデシビルは、特例承認を適用した段階では、EUAという、アメリカの未承認の薬で緊急的な使用を認める、そういうもとでの認可だったわけですね。正式な薬事承認ではなかったわけです。それを日本は正式に特例承認制度のもとで薬事承認をした結果、私の認識に間違いがなければ、結局、日本はレムデシビルを世界で一番最初に正式承認した国になったということです。
その後、レムデシビルは米国でも薬事承認されるに至っていますけれども、この特例承認制度というのは、いろいろな緊急の場合に、海外でしっかり有効性と安全性を確認されて承認されているということを前提にした制度です。
ですので、先ほど申し上げましたように、正式に承認されたものであっても、ワクチンについて、人種差のことを考えたら特例承認を適用することは適切でないと思いますし、ましてやそれが海外での正式の薬事承認でないということであれば、なおさら適用するべきではないということを申し上げておきたいと思います。
さて、以上、ちょっと審査に関して申し上げてまいりましたけれども、この審査をきちっと通って、有効性と安全性がしっかり確認されて市場に出るという場合に、それでは、接種を勧奨し努力義務を課すというのがこの新型コロナウイルスのワクチンについて適切なのか、そういう論点に移りたいと思います。まさにこれが今回の法案の問題点です。
先ほど来から御紹介がありましたように、予防接種禍訴訟の教訓を踏まえて、一九九四年から、予防接種法のもとでは、それまでの接種の強制、接種義務というのはなくなりまして、現在可能であるのは、接種の勧奨と、そして国民に接種の努力義務を課すということです。
しかし、やはりそれは、いかに努力義務といっても、政府が勧めて、そして国民に努力の義務を課すわけです。それをすれば、やはり国民は、ああ、国が勧めているんだということで信頼してそれを接種するわけですね。日本の定期接種の接種率は非常に高い状況にあります、全般に。
ですので、国は勧める以上は、それは勧奨だ、努力義務だといっても、やはり十分に責任を持った対応が必要で、国が勧めるためには、私は、公衆衛生上の必要性と、それから先ほどワクチンは治療薬よりも高い有効性と安全性が必要だと申し上げましたけれども、更に接種勧奨するにはより高い有効性と安全性が求められると考えております。
では、新型コロナウイルスワクチンが、このより高い有効性、より一層高い有効性と安全性、国が打ってくださいとお勧めするだけの要件を満たすのかどうか。この点は、現段階ではやはり明らかにはなっていない、それを満たすとは言える状況ではないのではないかと思います。
今後いろいろ研究が進んだとしましても、この新型ウイルスの感染症自体が、先ほど来から御指摘がありますように、まだその対象の感染症自体が歴史が浅くて、わかっていることは非常に少ないわけです。そういう意味では、免疫に作用するワクチンについて、どんなに努力をしても未知の部分が残るということは避けがたいのではないかと思います。また、技術が進歩したといっても、本来は十年とかそのぐらいかかってきたものが非常に速いスピードで開発され、審査される。そういうことがワクチンの安全性と有効性に影響を与える可能性がないのかということであります。
ことしの十一月の十日、厚生科学審議会予防接種基本方針部会で、国立病院機構本部総合研究センター長である伊藤委員が、医療関係の人ほど本当に大丈夫なのかという不安があり、積極的に打ちたい人はそれほど多くないと発言したということが報じられています。
実は、私の周りにもそういう医療従事者は少なくないわけです。わかっている人ほど大丈夫なのかと思う、そういう状態にあるワクチンについて、接種を勧奨したり、接種義務、努力義務を設定するということが適切なのか。私は適切ではないのではないかと思います。
改正法では、臨時の予防接種の特例という位置づけで今回提案されています。臨時の予防接種というのは、要件が感染症の蔓延の予防の必要があると認めるときということになっておりまして、これはやはり、制度の成り立ちとしては集団予防に重点を置いた制度なんですね。それを前提に、臨時の接種というのは接種勧奨と努力義務を規定しているわけです。
ところが、新型コロナウイルスのワクチンというのは、現時点で、集団予防の効果がどのぐらいあるのか、それすらよくわかっていないということになります。そうすると、先ほど申し上げた、より高い有効性と安全性がはっきりしていないじゃないかということと、この集団予防、法のたてつけとの関係からいって、やはり、国が接種を勧奨し、接種義務を課すのは適当ではないということにならざるを得ないわけです。
では、無償とか厚い救済というのはどうなるのか。国が勧奨して努力義務を課すから、無償としたり救済を厚くすることが説明しやすいのだというのは確かにあるかもしれません。しかし、ワクチンは公衆衛生と深くかかわる医薬品ですので、感染症の拡大を前に、接種や努力義務を設定しない、だけれども、無償にする、そして救済も厚くする。そこを切り離して考えて、そういう設定にすることだってできるのではないかと思います。
現在提案されている改正法案は、臨時接種の特例と位置づけて、まず国民全体に接種義務をかけてしまう、その後対象を指定して解除していく、そういうたてつけになっているんですが、やはり、まず全体、国民に接種の努力義務の網をかけるということがいいのかどうか。それはやはり非常にリスクが高いし、科学的な根拠との関係で避けるべきことではないかというふうに思います。
先ほど来から臨床試験でわかることは限られているというお話がありましたけれども、ワクチンは、やはり、まず任意で接種して、それから様子を見て定期接種にするというのが王道だったわけです。ですので、新しいタイプでよくわからないことがたくさんあるワクチンを、承認してすぐに全国民に接種を勧めるというやり方というのは危険なのではないかと考えております。
方法としては、附則の四項において、予防接種法の八条と九条は適用しないと明記するなどして義務を外すということを考えるべきだと思います。
それから、情報提供の関係ですけれども、これはやはり、自己決定を十分に保障するための十分な情報提供、これが必要だと思います。ワクチンへの期待がバイアスを生むんだということも十分に考慮を入れる必要があると思います。
特に、接種をしないという選択をした方に不利益が及ばないようにする。これは非常に大変なことで、仮に努力義務が設定されるとすると、それは非常に難しいことになるのではないかというふうに思います。
高い順位を与えられている人が接種をしなければ、医療や福祉の現場で働く人が接種をしなければ業務に従事できないような立場に置かれる、そういう風潮が起きることを大変危惧いたします。
審議会で、先ほど、医師はそれほど打ちたいと思ってはいないんじゃないかという御指摘がありましたけれども、ある意味、医師は自分が打たない理由を説明できる人たちです。でも、そういう人たちばかりではないんですね。
例えば、中小の企業などで、小さなコミュニティーの中で、会社がみんな打ちましょうという方向性を出したときに本当にそれを拒否することができるのか、それは非常に難しい問題なのではないかと思います。ということで、この点も十分な配慮が、小さいコミュニティーの中で弱い立場にいる方たちの自己決定権をどう守るのか、これは本当に真剣に考える必要があると思います。
それから、損失補償契約、最後に申し上げますと、これは既にこの厚生労働委員会でも議論されていると思いますけれども、公共政策としての正当性にかかわる問題なので、やはり十分な説明が必要だと思います。
国会の承認が要らない理由、時限立法でない理由、そこのところは私にはよくわかりません。この点については、やはり、更に十分な吟味をして、情報開示と説明責任が可能な限り果たされるような仕組みをつくっていくということが必要なのではないかと思います。
以上で、私が述べたいことは一通り終わりました。ありがとうございました。拍手
と
と
伊
伊佐進一#11
○伊佐委員 公明党の伊佐進一です。
本日、参考人の皆様には、お忙しい中でこうして委員会に足を運んでいただきまして、それぞれのお立場から有益なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。
総じて、私、伺っておりまして、皆さんがやはり強調されるのは、どの参考人もおっしゃっていたのは、ワクチンというのは信頼が大事だ、信頼性が大事だという話だったと思います。
そこで、私の方から、きょう、まず安全性について、有効性について、そして接種体制についてという観点でそれぞれ質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず安全性ですが、宮坂参考人から非常に極めて論理的でわかりやすいお話をいただきました。この観点で、少しちょっと岡部参考人にもぜひ意見を聞きたいと思います。
というのは、この第三相試験というのは日本でやっていない。日本で第一相、第二相はやりました、ところが第三相はなかなか日本でやるのは難しいというお話だったと思います。その理由は、宮坂参考人がおっしゃっていただいたとおり、感染の規模というものがそもそも千人に数人、こういう少なさだからなかなか難しいんだというお話だったと思います。
そこで、宮坂参考人がおっしゃっていたのは、時間がかかっても、亀の速度でも安全なワクチンというのがあるのではないかということですが、少しちょっと、私、もし日本がこの感染者数のまま推移をして、つまり、どこかで今以上に爆発的にふえるのではなくて、ずっとこの千人に数人というのが続くのであれば、いつまでたっても、実は、この根本的に日本では第三相ができない原因というのは変わらないわけです。だから、亀ですら最後ゴールできないという状況なんじゃないかと思っておりまして、そういう意味では、どこかの段階、今の与えられた条件の中で、状況の中で最善の決断をするしかないんじゃないかというふうにも思っておりますが、まずその点について岡部参考人に伺いたいと思います。
この発言だけを見る →本日、参考人の皆様には、お忙しい中でこうして委員会に足を運んでいただきまして、それぞれのお立場から有益なお話をいただきまして、本当にありがとうございます。
総じて、私、伺っておりまして、皆さんがやはり強調されるのは、どの参考人もおっしゃっていたのは、ワクチンというのは信頼が大事だ、信頼性が大事だという話だったと思います。
そこで、私の方から、きょう、まず安全性について、有効性について、そして接種体制についてという観点でそれぞれ質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず安全性ですが、宮坂参考人から非常に極めて論理的でわかりやすいお話をいただきました。この観点で、少しちょっと岡部参考人にもぜひ意見を聞きたいと思います。
というのは、この第三相試験というのは日本でやっていない。日本で第一相、第二相はやりました、ところが第三相はなかなか日本でやるのは難しいというお話だったと思います。その理由は、宮坂参考人がおっしゃっていただいたとおり、感染の規模というものがそもそも千人に数人、こういう少なさだからなかなか難しいんだというお話だったと思います。
そこで、宮坂参考人がおっしゃっていたのは、時間がかかっても、亀の速度でも安全なワクチンというのがあるのではないかということですが、少しちょっと、私、もし日本がこの感染者数のまま推移をして、つまり、どこかで今以上に爆発的にふえるのではなくて、ずっとこの千人に数人というのが続くのであれば、いつまでたっても、実は、この根本的に日本では第三相ができない原因というのは変わらないわけです。だから、亀ですら最後ゴールできないという状況なんじゃないかと思っておりまして、そういう意味では、どこかの段階、今の与えられた条件の中で、状況の中で最善の決断をするしかないんじゃないかというふうにも思っておりますが、まずその点について岡部参考人に伺いたいと思います。
岡
岡部信彦#12
○岡部参考人 御質問ありがとうございます。
やはりその判断は難しいところだと思うんですけれども、基本的には、私は、三相試験は必要だというふうには思っています。
ただし、その三相試験を飛ばさなくちゃいけない条件というのは、感染者数だけではなく、重症度も十分に勘案しなくてはいけなくて、例えば、一万人の患者さんが出たとしても、その致死率が一%もいかないというような状態でしたならば、これは慎重にやる必要もあると思うんですけれども、その場合に、例えば致死率が一〇%ぐらいになるんだというふうにすれば、海外のデータを参考にして緊急にやる必要はあるというふうにも思います。
ただし、海外における承認も、やはりちゃんと公開になっていて、先ほどどなたかもおっしゃっていましたけれども、それが十分に議論されて、あるいは十分なデータに基づいてやっている承認であるということであれば緊急性の方が優先すると思うので、一律には言えないと思うんですけれども、基本線からいえば、ルールどおりの三相試験は必要だと思います。
ただし、人数を例えば少し制限をするとか、このぐらい時間がかかるものをもっと短く、議論するんだというようなことも含めて、総合的に議論が必要だというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →やはりその判断は難しいところだと思うんですけれども、基本的には、私は、三相試験は必要だというふうには思っています。
ただし、その三相試験を飛ばさなくちゃいけない条件というのは、感染者数だけではなく、重症度も十分に勘案しなくてはいけなくて、例えば、一万人の患者さんが出たとしても、その致死率が一%もいかないというような状態でしたならば、これは慎重にやる必要もあると思うんですけれども、その場合に、例えば致死率が一〇%ぐらいになるんだというふうにすれば、海外のデータを参考にして緊急にやる必要はあるというふうにも思います。
ただし、海外における承認も、やはりちゃんと公開になっていて、先ほどどなたかもおっしゃっていましたけれども、それが十分に議論されて、あるいは十分なデータに基づいてやっている承認であるということであれば緊急性の方が優先すると思うので、一律には言えないと思うんですけれども、基本線からいえば、ルールどおりの三相試験は必要だと思います。
ただし、人数を例えば少し制限をするとか、このぐらい時間がかかるものをもっと短く、議論するんだというようなことも含めて、総合的に議論が必要だというふうに思います。
以上です。
伊
伊佐進一#13
○伊佐委員 今の話も含めて、今度はまた宮坂参考人にお伺いしたいと思います。というのは、その点と、あとちょっと、今回委員会でも議論になったのは、例えば第三相試験をしているのがアストラゼネカであれば十八歳以上、ファイザーであれば十二歳以上、モデルナであれば十八歳以上。当然妊婦は除外されている中で、今第三相試験をやっている。
そうすると、このワクチンを、例えば十八歳以下、十二歳以下が全く打ったことがない中で、打って大丈夫なのかという安全性の議論もあって、それは、さっきの今までの議論の、日本人は第三相をしていないけれども大丈夫なのかというところともしかすると相通じるところがあるのかもしれませんが、ただ一方で、子供は重症化していないというような、極めてまれだというこのリスクの比較という点も含めて、宮坂参考人に御意見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →そうすると、このワクチンを、例えば十八歳以下、十二歳以下が全く打ったことがない中で、打って大丈夫なのかという安全性の議論もあって、それは、さっきの今までの議論の、日本人は第三相をしていないけれども大丈夫なのかというところともしかすると相通じるところがあるのかもしれませんが、ただ一方で、子供は重症化していないというような、極めてまれだというこのリスクの比較という点も含めて、宮坂参考人に御意見を伺いたいと思います。
宮
宮坂昌之#14
○宮坂参考人 まず最初に、第三相試験に関しましては、岡部先生と私は意見を同じくいたします。
すなわち、日本でもそれはやった方がいい。ただし、十分な数がそろわない可能性というのは十分にあります。したがって、時期、時間を決めて、できるだけ目標の人数を決めて、やることはやはりきちんとやらないといけないと思います。今後、例えばどこかで感染のアウトブレークが起こらないとも限りません。ですから、これはやることをやはり原則とした方がよいと思います。
問題は、年齢の低い層、これまで行われている臨床試験も年齢の低い層は対象に入っていないわけですけれども、それは、これまでの第三相試験というのが、健康な若い人たちに対して健康被害がどれだけ出るかということを知ることを目標としていたために、若い世代は入っていなかったわけですけれども、じゃ、今先生がおっしゃったように、そもそも重症化率が低くて死亡の率が低い若い層にワクチンをどうするのか、ここはもう非常に大事な問題だろうと思います。
先ほど私が申し上げたように、日本における感染リスクを考えますと、ワクチンを打たなければいけない方々は恐らく高齢者が先であって、若年層はもっとずっと下になるであろう。そういうことから考えますと、私は、若年層に関しては、一定の期間を置いてから考えるということでいいのではないかと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →すなわち、日本でもそれはやった方がいい。ただし、十分な数がそろわない可能性というのは十分にあります。したがって、時期、時間を決めて、できるだけ目標の人数を決めて、やることはやはりきちんとやらないといけないと思います。今後、例えばどこかで感染のアウトブレークが起こらないとも限りません。ですから、これはやることをやはり原則とした方がよいと思います。
問題は、年齢の低い層、これまで行われている臨床試験も年齢の低い層は対象に入っていないわけですけれども、それは、これまでの第三相試験というのが、健康な若い人たちに対して健康被害がどれだけ出るかということを知ることを目標としていたために、若い世代は入っていなかったわけですけれども、じゃ、今先生がおっしゃったように、そもそも重症化率が低くて死亡の率が低い若い層にワクチンをどうするのか、ここはもう非常に大事な問題だろうと思います。
先ほど私が申し上げたように、日本における感染リスクを考えますと、ワクチンを打たなければいけない方々は恐らく高齢者が先であって、若年層はもっとずっと下になるであろう。そういうことから考えますと、私は、若年層に関しては、一定の期間を置いてから考えるということでいいのではないかと思っております。
以上です。
伊
伊佐進一#15
○伊佐委員 ありがとうございます。
次に、釜萢参考人に伺いたいと思います。
副反応が起こった場合の報告の話をさっきもしていただきました。通常であれば十五日以内でありますが、我が党の高木委員からの質問でもあったんですが、いかにやはりこれは迅速にするかというので、即日にでも報告してもらうべきじゃないかと。さっき参考人の方からも、いかに早く察知され、公開され、共有されるかが重要だというふうにお話をいただきました。そこはひとえに、やはり医療現場のお医者さん、医師の先生方にしっかりと御協力をいただかなきゃいけないというふうに思いますが、この即日、あるいはその次の日でも構いませんが、とにかく迅速に報告できるというのは、現場の対応というのは可能なんでしょうか。
この発言だけを見る →次に、釜萢参考人に伺いたいと思います。
副反応が起こった場合の報告の話をさっきもしていただきました。通常であれば十五日以内でありますが、我が党の高木委員からの質問でもあったんですが、いかにやはりこれは迅速にするかというので、即日にでも報告してもらうべきじゃないかと。さっき参考人の方からも、いかに早く察知され、公開され、共有されるかが重要だというふうにお話をいただきました。そこはひとえに、やはり医療現場のお医者さん、医師の先生方にしっかりと御協力をいただかなきゃいけないというふうに思いますが、この即日、あるいはその次の日でも構いませんが、とにかく迅速に報告できるというのは、現場の対応というのは可能なんでしょうか。
釜
釜萢敏#16
○釜萢参考人 それは可能だと思います。
特に、今回のように国民の非常に関心も高い状況で、接種後の健康被害についての判断が強く求められている事例ですから、全てのデータが即日でそろうというわけではないので、後で追加のデータの報告も必要ですけれども、まずは、そういう事象が起こったということについてはなるべく早く行政と、PMDAも含めてですが、行政と情報を共有することが必要だろうというふうに思っております。
この発言だけを見る →特に、今回のように国民の非常に関心も高い状況で、接種後の健康被害についての判断が強く求められている事例ですから、全てのデータが即日でそろうというわけではないので、後で追加のデータの報告も必要ですけれども、まずは、そういう事象が起こったということについてはなるべく早く行政と、PMDAも含めてですが、行政と情報を共有することが必要だろうというふうに思っております。
伊
伊佐進一#17
○伊佐委員 ありがとうございます。
それでは次に、有効性について議論させていただきたいと思いますが、これを打つかどうかというのは当然御本人の意思に最後はなるわけです。ただ、一方で、一定程度打っていただかないと、集団免疫という考え方があると思いますが、集団免疫が獲得できなくなるということも指摘されております。
ある数字では、社会全体の六割が抗体を持てば初めて集団免疫ということになるんじゃないかという御指摘もございますが、まず、岡部参考人、宮坂参考人、それぞれ伺いたいと思いますが、まず岡部参考人に伺いたいのは、じゃ、最低何割の人が打てば集団免疫という形になるのか、そのお考えをいただければと思います。
この発言だけを見る →それでは次に、有効性について議論させていただきたいと思いますが、これを打つかどうかというのは当然御本人の意思に最後はなるわけです。ただ、一方で、一定程度打っていただかないと、集団免疫という考え方があると思いますが、集団免疫が獲得できなくなるということも指摘されております。
ある数字では、社会全体の六割が抗体を持てば初めて集団免疫ということになるんじゃないかという御指摘もございますが、まず、岡部参考人、宮坂参考人、それぞれ伺いたいと思いますが、まず岡部参考人に伺いたいのは、じゃ、最低何割の人が打てば集団免疫という形になるのか、そのお考えをいただければと思います。
岡
岡部信彦#18
○岡部参考人 明確な数字は申し上げられない。というのは、なかなか難しいと思うんですね、五〇%なのか、六〇%なのか、七〇%。教科書的には、ただいまおっしゃいましたように、大体六、七割の方が免疫を持っていただければ、その病気は下火になっていくということは経験的にもあるわけです。
ただし、集団免疫というのは、多くの人に接種をするわけなので、その前提は、繰り返しますけれども、安全性に対する確保ができていないと、集団免疫を期待して一斉にやるというのは私は難しいと思います。
この発言だけを見る →ただし、集団免疫というのは、多くの人に接種をするわけなので、その前提は、繰り返しますけれども、安全性に対する確保ができていないと、集団免疫を期待して一斉にやるというのは私は難しいと思います。
伊
伊佐進一#19
○伊佐委員 宮坂参考人には、同じ質問に、あわせて更にまた違う観点でも今質問させていただきますと、これは、宮坂先生が書かれていた論考にもあったと思いますが、抗体がどれぐらいもつのかというところにもよるのかなと。つまり、抗体が長期間もつのであれば、当然、予防接種、ワクチンを打っていただいて、その抗体を持った人がどんどんふえていく。ところが、一定期間で消滅していくようなものであれば、いつまでたってもこれは集団免疫というのが獲得されないということになります。
そこで、そういう意味では、どれぐらいの期間があれば初めて有効と言えるのか、逆に、一定期間以下、抗体の持続期間がなければ有効性がないというふうに判断されてしまうのか、その点を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、そういう意味では、どれぐらいの期間があれば初めて有効と言えるのか、逆に、一定期間以下、抗体の持続期間がなければ有効性がないというふうに判断されてしまうのか、その点を伺いたいと思います。
宮
宮坂昌之#20
○宮坂参考人 まず、集団免疫が、これまでの皆さんがおっしゃることは、社会の六割の人が抗体を持っていると社会に免疫ができるとおっしゃっているんですが、それは間違いであります。
すなわち、それはどういうことかというと、免疫というのは抗体だけで決まるわけではありません。抗体以外に、我々の中には大事な免疫細胞、何種類ものものがあって、抗体をつくるのはBリンパ球、B細胞ですけれども、B細胞だけが大事なんじゃなくて、実際に、先天的に抗体をつくれない患者さんがコロナにかかって治っています。すなわち、抗体はなくても治る人がいる。ということは、抗体だけを指標にした集団免疫の考え方というのは誤りがあるということであります。
その六割という数字がどこから出てきたかというと、これはある公式がありまして、新型コロナウイルスの場合には、一人当たり大体平均二・五人に感染させる、この二・五というのを集団免疫の公式の中に当てはめると六〇%という数字が出てきて、すなわち、社会の中で六割の人が感染、免疫を獲得するとこれ以上広がらなくなるだろうと推測されたわけであります。
ところが、今、日本の中でどういうことが起こっているかというと、皆さん、対人距離を保つようになって、マスクをして、いろいろなことをやりますと、平均一人当たり一人うつすかうつさないかぐらいのところまで下がってきています。例えば、それを、一人が一・二五人として先ほどの公式に当てはめますと、二割という数字が出てくるんです。二割が免疫を獲得すると、それ以上広がらなくなる可能性がある。それは必ずしも抗体という意味ではなくて、二割の人が抗体以外の免疫、いろいろな種類の免疫があります、それを獲得すればいいのかもしれません。しかし、ここは残念ながらまだ答えが出ていません。
それから、持続なんですけれども、確かに、この新型コロナの場合には、抗体が半年続くか続かないかというようなデータが最近出つつあります。しかし、一度抗体が下がっても、体の中に免疫記憶が残っている場合には、二度目の感染のときには必ずたくさんの抗体がつくられていることがほかのウイルス感染ではわかっていますので、万が一、抗体が早く下がったとしても、一回目に打ったワクチンの効果というのはかなり長く残るんではないだろうか。
しかし、恐らくこのウイルスに関しては毎年ワクチンを打たなければいけないような状態になるんではないかというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →すなわち、それはどういうことかというと、免疫というのは抗体だけで決まるわけではありません。抗体以外に、我々の中には大事な免疫細胞、何種類ものものがあって、抗体をつくるのはBリンパ球、B細胞ですけれども、B細胞だけが大事なんじゃなくて、実際に、先天的に抗体をつくれない患者さんがコロナにかかって治っています。すなわち、抗体はなくても治る人がいる。ということは、抗体だけを指標にした集団免疫の考え方というのは誤りがあるということであります。
その六割という数字がどこから出てきたかというと、これはある公式がありまして、新型コロナウイルスの場合には、一人当たり大体平均二・五人に感染させる、この二・五というのを集団免疫の公式の中に当てはめると六〇%という数字が出てきて、すなわち、社会の中で六割の人が感染、免疫を獲得するとこれ以上広がらなくなるだろうと推測されたわけであります。
ところが、今、日本の中でどういうことが起こっているかというと、皆さん、対人距離を保つようになって、マスクをして、いろいろなことをやりますと、平均一人当たり一人うつすかうつさないかぐらいのところまで下がってきています。例えば、それを、一人が一・二五人として先ほどの公式に当てはめますと、二割という数字が出てくるんです。二割が免疫を獲得すると、それ以上広がらなくなる可能性がある。それは必ずしも抗体という意味ではなくて、二割の人が抗体以外の免疫、いろいろな種類の免疫があります、それを獲得すればいいのかもしれません。しかし、ここは残念ながらまだ答えが出ていません。
それから、持続なんですけれども、確かに、この新型コロナの場合には、抗体が半年続くか続かないかというようなデータが最近出つつあります。しかし、一度抗体が下がっても、体の中に免疫記憶が残っている場合には、二度目の感染のときには必ずたくさんの抗体がつくられていることがほかのウイルス感染ではわかっていますので、万が一、抗体が早く下がったとしても、一回目に打ったワクチンの効果というのはかなり長く残るんではないだろうか。
しかし、恐らくこのウイルスに関しては毎年ワクチンを打たなければいけないような状態になるんではないかというふうに考えております。
以上です。
伊
伊佐進一#21
○伊佐委員 ありがとうございます。
次に、接種体制について水口参考人に伺いたいと思います。
さっきのお話、期待がバイアスを生むんだというお話がございました。不十分な情報提供であるとか、あるいは過剰なプロモーションというものが問題を引き起こすというところもあるんじゃないかと思います。やはり透明性をしっかりと政府は持つべきだと思いますし、あるいは、すごいワクチンなんだと有効性ばかり強調するべきでもないというふうに思います。その辺の、もちろんこれは政府もそうだし、できることならメディアの皆さんもそうだと思いますが、この冷静、客観的なコミュニケーションというところとかが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →次に、接種体制について水口参考人に伺いたいと思います。
さっきのお話、期待がバイアスを生むんだというお話がございました。不十分な情報提供であるとか、あるいは過剰なプロモーションというものが問題を引き起こすというところもあるんじゃないかと思います。やはり透明性をしっかりと政府は持つべきだと思いますし、あるいは、すごいワクチンなんだと有効性ばかり強調するべきでもないというふうに思います。その辺の、もちろんこれは政府もそうだし、できることならメディアの皆さんもそうだと思いますが、この冷静、客観的なコミュニケーションというところとかが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
水
水口真寿美#22
○水口参考人 今御指摘がありましたように、情報提供をきちっとバランスよくするということは非常に重要で、特に、先ほど申し上げましたように、やはり希望を持ちたいわけですね。ですので、期待は、そして、効くとか自分にとってうれしい情報はやはり体にしみ込むといいますか。
例えば、先ほどの、ちょっとありました九〇%の有効性だという言葉が出たときに、一体何人対何人、本当にバランスよく二つに分けられているのかとか、それから、どのぐらいの期間続いているのかとか、よくわからないけれども九〇%とはすごいなというものだけがインプットされる、こういうことはあると思います。
あと、そもそも臨床試験の結果が出ていない段階でいつごろには全員に行き渡るというような話が出るということ自体が、やはりかなりバイアスを生んでいるのではないかというふうに思います。
危険性の情報についても、これは先ほどからお話がありましたように、リアルタイムで、今は審議会で、そこにまとめて情報が整理されて、出したときに初めて全体の数字がわかる、そういうたてつけなんですが、仮に審議会を少し頻度を多く開いたとしても限界があるので、別のやり方を、並行して情報提供の方法を考えていく必要があるのではないか、このように考えております。
この発言だけを見る →例えば、先ほどの、ちょっとありました九〇%の有効性だという言葉が出たときに、一体何人対何人、本当にバランスよく二つに分けられているのかとか、それから、どのぐらいの期間続いているのかとか、よくわからないけれども九〇%とはすごいなというものだけがインプットされる、こういうことはあると思います。
あと、そもそも臨床試験の結果が出ていない段階でいつごろには全員に行き渡るというような話が出るということ自体が、やはりかなりバイアスを生んでいるのではないかというふうに思います。
危険性の情報についても、これは先ほどからお話がありましたように、リアルタイムで、今は審議会で、そこにまとめて情報が整理されて、出したときに初めて全体の数字がわかる、そういうたてつけなんですが、仮に審議会を少し頻度を多く開いたとしても限界があるので、別のやり方を、並行して情報提供の方法を考えていく必要があるのではないか、このように考えております。
伊
伊佐進一#23
○伊佐委員 次に、ワクチンの接種の優先順位について伺いたいと思います。
まず、宮坂参考人に伺いたいと思いますが、御指摘のとおり、今示されているのは、まず高齢者から、あと基礎疾患がある人、医療従事者というのが確かに上位に位置づけられております。
これは委員会でも実は議論がありまして、というのは、ワクチンといったとしても、感染を防御する効果があるワクチンなのか、重症化予防をするワクチンなのか、多分それによってもまた全然違うのではないかと。
さっき宮坂参考人がおっしゃっていただいたのは、医療従事者が打てば、あくまでそれは副反応とかという観点で、先に倒れると困るという観点でおっしゃっていただいたと思いますが、今申し上げたように、ワクチンの役割によってもこれはまた違うんじゃないか。
例えば、医療従事者の方が重症化予防のワクチンを打ったとしても、感染して、それがクラスターになって、医療機関がクラスターを発生すれば、ある意味、意味がありませんので、どういうワクチンかによってどういう優先順位になるのかというのを考える必要があるんじゃないかというのも、これも委員会の議論でございましたが、その点どう考えられますでしょうか。
この発言だけを見る →まず、宮坂参考人に伺いたいと思いますが、御指摘のとおり、今示されているのは、まず高齢者から、あと基礎疾患がある人、医療従事者というのが確かに上位に位置づけられております。
これは委員会でも実は議論がありまして、というのは、ワクチンといったとしても、感染を防御する効果があるワクチンなのか、重症化予防をするワクチンなのか、多分それによってもまた全然違うのではないかと。
さっき宮坂参考人がおっしゃっていただいたのは、医療従事者が打てば、あくまでそれは副反応とかという観点で、先に倒れると困るという観点でおっしゃっていただいたと思いますが、今申し上げたように、ワクチンの役割によってもこれはまた違うんじゃないか。
例えば、医療従事者の方が重症化予防のワクチンを打ったとしても、感染して、それがクラスターになって、医療機関がクラスターを発生すれば、ある意味、意味がありませんので、どういうワクチンかによってどういう優先順位になるのかというのを考える必要があるんじゃないかというのも、これも委員会の議論でございましたが、その点どう考えられますでしょうか。
宮
宮坂昌之#24
○宮坂参考人 先生がおっしゃるように、ワクチンには、感染予防効果があるものと、感染予防効果は低いけれども重症予防効果があるというものもあります。例えば、インフルエンザワクチンは後者の方に。そんなに感染予防効果は強くないんですけれども、お年寄りには打っている意味というのは、重症化を予防するところがあるので、そういう意味がある。
恐らく、この新型コロナウイルスに関しましては、ウイルスの性状その他を考えますと、インフルエンザとやはりよく似ています。それから、免疫反応もやはりよく似ています。そういうことを考えますと、新型コロナのワクチンも恐らく予防効果はそんなに高くはなくて、しかし一定程度の重症予防効果があるのではないか。
ただし、今回ファイザーですとかモデルナが出しているデータを見ると、予防効果ももしかするとかなりあるのかもしれないとは思いますけれども、初期段階のことですのでなかなか判定が難しい。そして、きょう、モデルナのデータは、これもオフレコデータであるはずなんですけれども、実は重症化予防効果があるということが報告されています。
そういうことを考えますと、医療従事者をどういう順番にするのかというのは極めて難しいことですけれども、私は、決して高くない、ただし、医療従事者で希望者があるんだったら、その方はお受けになったらいいと思いますけれども、医療従事者に接種義務を与えるようなことは、なかなかこのワクチンに関しては難しいだろうというふうに考えています。
この発言だけを見る →恐らく、この新型コロナウイルスに関しましては、ウイルスの性状その他を考えますと、インフルエンザとやはりよく似ています。それから、免疫反応もやはりよく似ています。そういうことを考えますと、新型コロナのワクチンも恐らく予防効果はそんなに高くはなくて、しかし一定程度の重症予防効果があるのではないか。
ただし、今回ファイザーですとかモデルナが出しているデータを見ると、予防効果ももしかするとかなりあるのかもしれないとは思いますけれども、初期段階のことですのでなかなか判定が難しい。そして、きょう、モデルナのデータは、これもオフレコデータであるはずなんですけれども、実は重症化予防効果があるということが報告されています。
そういうことを考えますと、医療従事者をどういう順番にするのかというのは極めて難しいことですけれども、私は、決して高くない、ただし、医療従事者で希望者があるんだったら、その方はお受けになったらいいと思いますけれども、医療従事者に接種義務を与えるようなことは、なかなかこのワクチンに関しては難しいだろうというふうに考えています。
伊
伊佐進一#25
○伊佐委員 ありがとうございます。
恐らく時間的に最後の質問になると思います。最後、岡部参考人に伺います。
今の点とあわせて、医療従事者というと、やはりいろいろな、我々のところにも、いやいや介護も大変なんだ、介護こそまさしく濃厚接触で、もう抱きかかえるようにして利用者の皆さんと触れ合っていると。だから、介護の事業者の皆さんも、やはり、医療従事者が優先されるのであれば同じじゃないかというようなお話もあるし、あるいは薬局の皆さんからすれば、いや、熱が出て、来られるのは薬局なんだというようなお話もあります。
医療従事者といったときに、じゃ、そこから介護事業者はどうなるのか、薬局はどうなるか、この辺の観点を最後、御示唆いただければと思います。
この発言だけを見る →恐らく時間的に最後の質問になると思います。最後、岡部参考人に伺います。
今の点とあわせて、医療従事者というと、やはりいろいろな、我々のところにも、いやいや介護も大変なんだ、介護こそまさしく濃厚接触で、もう抱きかかえるようにして利用者の皆さんと触れ合っていると。だから、介護の事業者の皆さんも、やはり、医療従事者が優先されるのであれば同じじゃないかというようなお話もあるし、あるいは薬局の皆さんからすれば、いや、熱が出て、来られるのは薬局なんだというようなお話もあります。
医療従事者といったときに、じゃ、そこから介護事業者はどうなるのか、薬局はどうなるか、この辺の観点を最後、御示唆いただければと思います。
岡
岡部信彦#26
○岡部参考人 御質問ありがとうございます。
新型インフルエンザのワクチンのときにも同じような議論がありまして、結局、直接患者さんに携わる医療従事者、介護その他も同様だと思うんですけれども、その人たちが無防備で行っていいのかというところから、当時やはり医療従事者は優先順位になったというふうに思います。
当時の、その十年前あるいはもうちょっと前のときの高齢者対策というような福祉の考え方が随分変わってきていますので、私自身の考えで言えば、高齢者をよくお世話していただくような介護の方、それからハンディキャップの方を抱えなくちゃいけないような方々は、そういう意味では優先順位は高いと思います。
ただし、先ほど宮坂参考人もおっしゃいましたけれども、それは全て強制ではなくて、やはりそこには、予防接種というのは必ず、私は嫌だと言う権利は残しておくべきだというふうには思います。
もう一つ、よろしいですか。
それは、ただし、私も私も私もという、私の職業も大切なんだと。これは職業の貴賤にもかかわることなので、余り枠を広げ過ぎていくと今度は優先順位があるかないかわからなくなるので、やはりそこはある線で切る必要があるというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →新型インフルエンザのワクチンのときにも同じような議論がありまして、結局、直接患者さんに携わる医療従事者、介護その他も同様だと思うんですけれども、その人たちが無防備で行っていいのかというところから、当時やはり医療従事者は優先順位になったというふうに思います。
当時の、その十年前あるいはもうちょっと前のときの高齢者対策というような福祉の考え方が随分変わってきていますので、私自身の考えで言えば、高齢者をよくお世話していただくような介護の方、それからハンディキャップの方を抱えなくちゃいけないような方々は、そういう意味では優先順位は高いと思います。
ただし、先ほど宮坂参考人もおっしゃいましたけれども、それは全て強制ではなくて、やはりそこには、予防接種というのは必ず、私は嫌だと言う権利は残しておくべきだというふうには思います。
もう一つ、よろしいですか。
それは、ただし、私も私も私もという、私の職業も大切なんだと。これは職業の貴賤にもかかわることなので、余り枠を広げ過ぎていくと今度は優先順位があるかないかわからなくなるので、やはりそこはある線で切る必要があるというふうに思います。
以上です。
伊
伊佐進一#27
○伊佐委員 ありがとうございます。
非常に勉強になりました。しっかりと皆さんからいただいた御意見を国会の審議に役立たせていきたいというふうに思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →非常に勉強になりました。しっかりと皆さんからいただいた御意見を国会の審議に役立たせていきたいというふうに思います。
ありがとうございました。
と
中
中島克仁#29
○中島委員 立憲民主党の中島克仁です。
本日は、四人の参考人の皆さん、大変お忙しい中を厚生労働委員会に御出席をいただき、また、それぞれのお立場で貴重な御意見を聴取することができましたこと、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
時間の関係もございまして、全ての参考人に御質問できないかと思いますが、御容赦を願いたいというふうに思います。
四人の参考人、それぞれのお立場であったわけですが、やはり今回の法改正によって、まだ何物かわからないワクチンが、積極的ではない、勧奨とか努力義務がかかるということ、そこには慎重にということ、ここは意見が同様だったのかなというふうに思います。その点についてもお聞きしたいんですけれども。
宮坂参考人にまずお尋ねをしたいんです。
先ほど、ワクチンの有効性、副反応、開発で注意すべき点ということで重点的にお話をいただいたんですが、資料の方で、多分お時間の都合だったと思うんです、ちょっと御説明ができていない部分だと思うんですが、回復者の血漿輸入ではだめだ、そして悪玉抗体、善玉抗体と、余り聞きなれない言葉なんですが、この血漿輸入、これは恐らく、アメリカ・トランプ大統領、血漿輸入ではなくて、その次のページ、最後から二番目ですね、モノクローナル抗体。
これは、人工抗体による治療というのは、トランプ、前と言ったらいいのか現と言ったらいいのかわかりませんが、トランプ大統領への治療の内容なのではないかなというふうに思うんですが、この部分について、善玉抗体、悪玉抗体ということについても含めて、この人工抗体による治療に、どのようなものなのか、ぜひ御説明をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、四人の参考人の皆さん、大変お忙しい中を厚生労働委員会に御出席をいただき、また、それぞれのお立場で貴重な御意見を聴取することができましたこと、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
時間の関係もございまして、全ての参考人に御質問できないかと思いますが、御容赦を願いたいというふうに思います。
四人の参考人、それぞれのお立場であったわけですが、やはり今回の法改正によって、まだ何物かわからないワクチンが、積極的ではない、勧奨とか努力義務がかかるということ、そこには慎重にということ、ここは意見が同様だったのかなというふうに思います。その点についてもお聞きしたいんですけれども。
宮坂参考人にまずお尋ねをしたいんです。
先ほど、ワクチンの有効性、副反応、開発で注意すべき点ということで重点的にお話をいただいたんですが、資料の方で、多分お時間の都合だったと思うんです、ちょっと御説明ができていない部分だと思うんですが、回復者の血漿輸入ではだめだ、そして悪玉抗体、善玉抗体と、余り聞きなれない言葉なんですが、この血漿輸入、これは恐らく、アメリカ・トランプ大統領、血漿輸入ではなくて、その次のページ、最後から二番目ですね、モノクローナル抗体。
これは、人工抗体による治療というのは、トランプ、前と言ったらいいのか現と言ったらいいのかわかりませんが、トランプ大統領への治療の内容なのではないかなというふうに思うんですが、この部分について、善玉抗体、悪玉抗体ということについても含めて、この人工抗体による治療に、どのようなものなのか、ぜひ御説明をいただきたいと思います。