外交防衛委員会

2021-03-16 参議院 全67発言

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会議録情報#0
令和三年三月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長峯  誠君
    理 事
                佐藤 正久君
                三宅 伸吾君
                小西 洋之君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
    委 員
                宇都 隆史君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     岸  信夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       三貝  哲君
       外務省大臣官房
       審議官      曽根 健孝君
       外務省大臣官房
       審議官      岡田 恵子君
       外務省大臣官房
       参事官      有馬  裕君
       外務省総合外交
       政策局長     山田 重夫君
       外務省経済局長  四方 敬之君
       海上保安庁総務
       部長       宮澤 康一君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
       防衛省人事教育
       局長       川崎 方啓君
       防衛装備庁長官  武田 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)
    ─────────────
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長峯誠#1
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官三貝哲君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長峯誠#2
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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長峯誠#3
○委員長(長峯誠君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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三宅伸吾#4
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾です。
 本日は、質問の機会をいただきまして、長峯委員長を始め、理事、委員各位に御礼を申し上げたいと思います。
 さて、数時間後に日米2プラス2が行われます。バイデン政権になってからの日米の外務・防衛担当大臣が初めてフェース・ツー・フェースで議論をしますと。本日の質問では中国の台頭問題等について取り上げますけれども、中国の国際秩序への挑戦的な姿勢が明確になる中、2プラス2は非常に大きな意義を持つと考えます。
 岸大臣、茂木大臣、それぞれについてお聞きいたします。
 本日の2プラス2、それぞれどのような期待を持ち、どんな成果を目指していらっしゃいますか。
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茂木敏充#5
○国務大臣(茂木敏充君) バイデン政権発足後のこの早いタイミングで、米国の国務長官及び国防長官が初めての訪問先、訪問地として日本を訪れることは、これは史上初ということになると思います。米国が日米同盟を重視している表れでありまして、歓迎したいと考えておりますし、また、日米同盟の揺るぎない強固な結束、これを内外に示す機会としたいと考えております。
 この機会に、中国や北朝鮮情勢を含む一層厳しさを増す地域の安全保障環境や、コロナ対策、気候変動等、国際社会が直面する課題について議論をする、また、日米でどう協力していくかと、このことについて話合いを持つということは極めて重要かつタイムリーであると考えておりまして、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた今後の協力等について対面でじっくりと意見交換をし、日米間ですり合わせを行いたいと思っております。
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岸信夫#6
○国務大臣(岸信夫君) 今、茂木大臣からもお話があったとおりなんですけれども、このいい機会、2プラス2の機会に、中国や北朝鮮情勢など一層厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境についてしっかり意見を交わして、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた今後の協力等についてしっかり協議をしてまいりたいというふうに思います。
 それから、2プラス2に先立ちまして、オースティン長官との間では、対面では初めてとなります防衛相会談も行います。そこでは、一月に実施をいたしました電話会談を踏まえて、インド太平洋地域の最新情勢、日米防衛協力の強化に向けた議論を行ってまいる予定でございます。
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三宅伸吾#7
○三宅伸吾君 新型コロナウイルス感染症の発生地とされます中国でございますけれども、日本を始め先進国のみならず途上国の多くが今なおコロナ禍で苦しむ中、中国は躍進をいたしております。
 中国は、二〇二五年まで毎年五・七%の成長が見込まれ、二〇二八年にはアメリカを抜き世界一の経済力になるとの予測も出ております。同様の分析を日本経済研究センターでも出しております。
 つまり、中国は、コロナウイルス発生地であるにもかかわらず、多くの国々がそれによって苦しむ中、着々と経済を回復し、それをてこに戦略的な外交をやっているということだろうと思います。
 こうした中、中国からの挑戦の矛先となったアメリカでは、強い警戒心と脅威を感じております。バイデン政権になって発表されました国家安全保障戦略暫定指針ではこのように述べております。米国に脅威となる国は複数あるが、中国だけが経済力、外交力、軍事力、技術力を伴い、安定し開かれた国際秩序を揺るがすことのできる唯一の存在であるとしております。その一方で、ブリンケン国務長官は、中国とは競争的、協調的、敵対的であるべきとしており、ただ、ただ敵対するだけでなく、緊張感をエスカレートさせるだけではなく、協力的であることも必要だと述べておられます。
 中国とアメリカの関係に表されるような台頭国と覇権国の対立の構造によって引き起こされる紛争は、過去にも歴史がございます。
 こうした観点から、国際政治学者でハーバード大学のグレアム・アリソン教授は「米中戦争前夜」という名著を出されておられます。台頭国が覇権国に挑む構図の戦争において、一定の条件がそろった場合には戦争を避けることが、できるということを、戦争になってしまうと、不可避だという分析もしておりまして、アリソンはこの理論をツキジデスのわなというふうに名付けております。
 しかしながら、アリソンは、必ずしも対立が戦争に至るわけではなく、幾つかの回避の方法もあるとしております。主に覇権国の側が妥協をすること、そして、対立している内容以外での協力関係を築くことで緊張関係が避けることもできるという分析もしております。
 台頭国が覇権国に挑戦した構図の戦争のうち、戦争に至った例、そして戦争を回避した例を少しだけ御紹介申し上げます。
 まず、一つ目の例でございますけれども、これはイギリスとドイツの対立でございます。ドイツの経済成長に伴い、同国が産業や海軍力で台頭したわけでございますけれども、ドイツは台頭国としての敬意や名誉を得るために海軍力強化を図りました。ドイツの海軍強化は攻撃的な目的があったわけではないとされておりますけれども、当時覇権を握っていたイギリスにとっては大きな脅威と映りました。そのため、イギリスも軍拡を進め、緊張感が高まり、結果的に第一次世界大戦へ突入していったという分析でございます。もう一つ、アメリカと日本の戦争もございました。
 戦争に至った例でキーポイントとなりますのは、台頭国は権力の維持拡大のために、その存在を認めてもらいたいとか、そして権威や名誉を求めるということがあるそうでございます。
 次に、戦争を回避した例もございます。一つが、イギリスとアメリカの事例でございます。一八七〇年代に世界最大の経済規模となったアメリカは、積極的に他国の戦争に介入、そしてまた、場合によっては仲介をするようになりました。その結果、イギリスとアメリカの間の大戦の機運が高まりましたけれども、覇権国側であるイギリスは、当時のアメリカの国力に鑑み、南米におけるアメリカの覇権を認めるという偉大な妥協をすることで大戦を回避したという分析がございます。
 次に、言うまでもなく、米ソ対立でございます。小競り合いはございましたけれども、代理戦争という意味の小競り合いでございますけれども、核兵器を持つということは当然大国としての権力の象徴と扱われておりました。そのため、ソ連も核開発を行い、アメリカと核戦争の危機を感じるときもあったわけでございます。しかしながら、戦争には至っていないと。その理由でございますけれども、両国間の距離が離れていること、それから核兵器のせん滅性でございますね、そして外交努力でSALTを構築できたことが大戦が避けられた理由であるという分析でございます。
 繰り返しになりますけれども、ポイントとなりますのは、台頭国は力の拡大に伴いその威厳を誇示する方針を取ることで覇権国との対立を高めていったということです。そして、戦争に至ったケースと異なるのは、覇権国の側が台頭国の地位や名誉、相互理解を進めるなど、妥協策を探ることで大戦が回避できたというふうにアリソンは分析をいたしております。
 また、この観点から、別の研究によりますと、台頭する国が求める地位と、一方で現実に与えられている地位、ステータスとのギャップが大きくなると開戦へつながっていくという別の研究もございます。中国やロシアなどのステータスを覇権国が認知することが、今の対立構造での戦争の回避、戦争のリスクを回避することにつながるのではないかという主張もございます。
 また、繰り返しになりますけれども、アリソンは、共通の利益になるような分野について協力体制を築くことが大戦リスクを低減させる一つの要素ではないかという分析をしております。
 そこで、茂木外務大臣にお尋ねをいたします。
 米中間の衝突を避けるために、アメリカは中国のどのような分野のステータスを認知し、協力体制を構築することができると茂木大臣はお考えでしょうか。そしてまた、日本は米中間の紛争リスク低減のためにどのようなことができるとお考えでしょうか。
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茂木敏充#8
○国務大臣(茂木敏充君) 三宅委員の引用されましたグレアム・T・アリソンの本でありますけれど、グレアム・T・アリソンは私の大学院の恩師でありますけれど、ツキジデスのわな、これはペロポネソス戦争から始まりまして、主要な戦争における覇権国と台頭国、新興国との関係で戦争に至るパターン、戦争までには至らないパターン、こういったものを分析しておりますけれど、恐らくアリソン教授の一般的なやり方なんですけれど、まずこういう仮説を立てた上で、戦争に至った場合はどういう意味があるのかと、戦争に至らない場合はどういう意味があるのか、こういう観点からその特徴的なものを抽出するという形で、今先生がおっしゃったような結論といいますか、分析に至っているのではないかなと思っておりますが、いずれにしても優れた分析であって、尊敬もしているところであります。
 その上で、現在の米中間でありますが、通商問題、先端技術をめぐる競争等様々な分野で意見の対立が見られますが、米中両国の影響力からしても、国際社会全体にも関わる問題でありまして、アメリカを覇権国、そして中国を台頭国と定義するかどうかは別にしまして、今後も両国間で建設的な議論が進むことを期待したいと思っております。
 米国との関係と。米国は、中国との関係、委員おっしゃるように、必要に応じ競争的、可能な場合には協力的、そうしなければならないときには敵対的と、このように述べております。ここの中で協力可能な分野としては、新型コロナ対策、気候変動等が挙げられるのではないかなと思っております。重要なことは、気候変動等で協力をしていくということがあっても、ここの分野で協力を引き出すから、例えば基本的な価値であったりとかそういったことで譲ることがあってはならないということなんだと考えております。
 日本としては、東シナ海をめぐっては敵対と、敵対的と言える状況が生じていると、このように懸念をしておりまして、米国と連携し、しっかりして対応していかなきゃならないと考えております。
 私自身、ブリンケン国務長官とのこれまでの電話会談で、中国等の地域情勢についても認識のすり合わせを行って、海警法を含め東シナ海における一方的な現状変更の試みについての深刻な懸念を共有し、連携していくことで一致をしておりまして、今日午後の日米外相会談におきましても、更にこの議論深めたいと考えております。
 また、中国とは、昨年十一月の日中外相会談におきまして、私から王毅国務委員に対して、安定した米中関係が地域、国際社会に利益であることを強調するなど、中国側が適切に対応することを求めてきております。大国としての責任というのがあると、その責任を果たすことが重要で、またそれが国際社会から中国に対して期待されていることだと、こういったことを強調いたしております。
 我が国としては、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下、様々な協力を進めつつ、中国に対しても引き続き大国としての責任を果たしていくよう働きかけていきたいと思います。
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三宅伸吾#9
○三宅伸吾君 岸防衛大臣にお聞きいたします。
 日本は米中間の紛争リスク低減のためにどのようなことができますでしょうか。
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岸信夫#10
○国務大臣(岸信夫君) 経済規模で見ますと世界第一位と第二位の米国と中国が安定的な関係を築いていくことということが、国際社会の平和と安定の観点からも、我が国にとっても大変重要なことだと、こういうふうに思います。
 米国とは、本日の2プラス2、また防衛大臣、防衛相会合においても、この厳しさを増す安全保障環境の中で日米同盟の強化ということについて突っ込んだ協議をしてまいりたいというふうに思ってもおりますが、中国との間では、先月、あっ、失礼、昨年の十二月に日米防衛相会合、電話で行いました。魏鳳和国務委員兼国防部長に対して、東シナ海、南シナ海の情勢をめぐって一方的な現状変更の試みに対する強い懸念を伝達をいたしました。また、国防政策、軍事力の透明性を増してもらう、そして国際社会の懸念を払拭するように直接働きかけをしたところであります。
 このような状況の中で、同盟国である米国との間では、茂木大臣からもありましたとおり、しっかり強固な信頼関係の下で更に意思疎通を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
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三宅伸吾#11
○三宅伸吾君 茂木外務大臣に重ねてお尋ねしたいと思います。
 ロシアや中国の国際社会での地位を認める方法の一つとして、G7の枠組みを活用することも一つの意見としてはあるかもしれません。また、もしクリミア併合をやったロシアがG7復帰を希望した場合、日本はどのようなスタンスをお取りになりますか。また、どのような条件がそろえば復帰を認める可能性が出てくるでしょうか。
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茂木敏充#12
○国務大臣(茂木敏充君) ちょうど七年前になるわけでありますが、二〇一四年の三月の十八日、ロシアは国際法に違反してクリミア併合を行いました。これを受けて、同じ月の二十四日、三月二十四日に、我が国を含みますG7首脳により発出されたハーグ宣言において、ロシアがその方向性を変更し、G8で意味のある議論を行う環境に戻るまでG8への参加を停止することとされ、それ以降、主要国首脳会議の枠組みはG7となっているわけであります。
 G7としては、例えば本年一月に、ロシアによりますナバリヌイ氏の逮捕及び拘束を非難するG7外相声明を発出しております。我が国はG7の結束と連帯を重視をしておりますが、同時に、国際的な課題への対応に当たってロシアの建設的役割を引き出すためには、ロシアとの対話と関与が必要であると考えております。
 ロシアの主要国首脳会議への復帰につきましては、冒頭申し上げたような環境、これにロシアが戻るということが重要であると考えておりまして、引き続き他のG7メンバー国と意思疎通をしていきたいと思っております。
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三宅伸吾#13
○三宅伸吾君 関連して、茂木大臣にお聞きをいたします。
 もし中国がG7参加を希望した場合、どのようなスタンスをお取りになられるでしょうか。
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茂木敏充#14
○国務大臣(茂木敏充君) 中国ですか。G7は、基本的価値を共有する国々が国際社会の課題について責任ある立場で議論を行うことに意義があるわけであります。それこそがG7と中国等も含めた、等もメンバーになっているG20で決定的な違いがある点だと考えております。
 お尋ねのような、中国が主要国首脳会議への参加を希望しているといったことは聞いたことはありませんが、中国については国際社会の一員として、また大国として、国際ルールにのっとった行動をすることがまず重要だと考えております。
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三宅伸吾#15
○三宅伸吾君 次に、テーマを変えまして、台湾問題、そして我が国の固有の領土でございます尖閣諸島に関して質問をさせていただきます。
 MITのテーラー・フレーベル教授の研究によりますと、中国の領土紛争の処理には三つのパターンがあるそうでございます。
 概して申しますと、一つ目は周辺部との紛争でございますけれども、これはどちらかというと対立よりも妥協を選択するということでございます。それから、二つ目でございますけれども、これは中国の統一、中国の統一に関わる領土紛争では武力行使も辞さないということでございます。三つ目、島嶼部でございますけれども、これは結論からいうとケース・バイ・ケースでございまして、支配している係争地の大きさですね、シェア、それから係争地へ向けることができる軍の投射力というか展開力によってケース・バイ・ケースで対応してきたという分析がございます。
 台湾でございますけれども、二〇一六年五月、民進党の蔡英文氏が総統に就任、政権が発足してからは中国本土との関係性に緊張感が生まれております。蔡政権発足後は、公式ルートでの中台間のやり取りが中断されていると聞いております。
 蔡政権は、いわゆる一つの中国を中台間で確認したとされる九二年コンセンサスや一国二制度を受け入れないという談話を発表いたしております。二〇二四年の今度、総統選挙がございますけれども、もし引き続き民進党が政権を取れば、今まで八年ごとに与党が変わってきた台湾にとっては大きな変革となり、中国による平和的な統一は遠のくのではないかという考えもあるかもしれません。
 先ほどのフレーベル教授の分析によりますと、中国は領土紛争に直面した場合、支配力そしてバーゲニングパワーが低下しているときに武力に頼りやすいという分析をいたしております。台湾では、特にアメリカが後ろ盾に付くことも歴史的に見て多いわけでございます。そういう意味で、中国の支配力、そして影響力が弱い地域だということも言えるかもしれません。
 今日における台湾での中国の支配力とバーゲニングパワーでございますけれども、今年の一月二十五日でございますけれども、中国外交部定例記者会見では、中国政府からは、台湾は中国の領土であり、独立や外部勢力からの干渉に断固として反対し、アメリカが一つの中国原則を遵守し、台湾の独立をサポートしないよう牽制をしたわけでございます。
 しかしながら、先ほど述べましたように、蔡英文政権発足の後、台湾では対中のメッセージが明確になってきております。つまり、中国の支配力が弱い状態が続いているというふうにも見えます。バイデン政権になって発表されました新しい国家安全保障戦略暫定指針においても、台湾での民主主義、人権や尊厳のための支援をすると。具体的に独立を支援するという表現は当然避けておりますけれども、後ろ盾に立つ姿勢は明確だと思います。
 つまり、中国は、内圧、外圧、共に中国にとって台湾への影響力を抑えるというか、ちょっとダウンサイド、ダウンストリームのような方向はあるような気がいたします。
 三月九日、アメリカ上院の軍事委員会で行われた公聴会、インド太平洋軍のデービッドソン司令官は、中国が台湾に六年以内、少なくとも十年以内には武力での侵攻をするおそれがあると主張をされました。台湾における軍事的な緊張は、残念ながら高まっていると言えるのかもしれません。
 そこで、外務大臣にお聞きをいたしますが、中国が台湾に武力行使をする可能性について、どれほど現実的であると分析されておられますか。
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茂木敏充#16
○国務大臣(茂木敏充君) まず、中国がどういった形で支配力を強化をしていくかと。歴史的に見ると、漢民族の王朝のときとそれ以外の王朝のときで決定的な違いが出る、これは間違いない歴史的な事実であると思っておりますが。
 今お話のありました中国が台湾に武力行使をする可能性、なかなかこの現時点で仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、いずれにしても、我が国としては、台湾をめぐる問題が当事者間の直接の対話によって平和的に解決されることを期待しておりまして、引き続き両岸関係の推移を注視してまいりたいと思っておりますし、さらにそこで緊張感が高まる、対話でない形で何らかの動きが進むと、これについては適切な対処が必要だと思っております。
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三宅伸吾#17
○三宅伸吾君 岸防衛大臣にも、中国が台湾に武力行使をする可能性についてどれほど現実的であると分析されているか、お聞きしたいと思います。
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岸信夫#18
○国務大臣(岸信夫君) 我が国としては、今、茂木大臣からもお話がありました、当事者間の直接の対話により平和的に解決をされること、そして地域の安定に寄与することを期待するというのがこの台湾をめぐる問題に対しての我が国の立場でございます。
 その上で、近年、中国が軍事力を強化し、急速に進めてきております。中台の軍事バランスについて見ますと、もう全体として中国側に大きく有利な方向に傾いておりまして、その差は年々拡大をしている方向にございます。
 また、最近、中国は、台湾周辺の海空域において軍事活動を活発化させています。例えば、台湾当局の発表では、二〇二〇年九月以降、中国機による、中国軍機による台湾空域への侵入が増加をしているところです。また、バイデン政権発足後、本年一月二十三日そして二十四日には、連日にわたりまして十機を超える規模で戦闘機や爆撃機を含む中国軍機が台湾空域に侵入をしてきています。
 中国は、海上・航空戦力による海空域における活動を急速に拡大、活発化しておりまして、防衛省としては引き続きこうした動向について注視をしてまいりたいと考えています。
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三宅伸吾#19
○三宅伸吾君 続けて、岸防衛大臣にお聞きをいたします。
 台湾での有事は、我が国にとって存立危機事態に該当いたしますか。
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岸信夫#20
○国務大臣(岸信夫君) 繰り返しですけれども、我が国としては、当事者間の直接の対話により平和的に解決をされること、地域の安定に寄与することを期待をしているというのが我が国の立場ではありますが、具体的にいかなる事態が存立危機事態に該当するかということについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなります。そのため、一概にお答えすることは困難であると思います。
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三宅伸吾#21
○三宅伸吾君 次に、我が国の固有の領土でございます尖閣諸島についてお聞きをしたいと思います。
 言うまでもなく、特にこの十年でございますけれども、中国の海警局の船などが我が国の領海に毎日のように侵入するなど、緊張感が高まっているということは言うまでもございません。
 そうした中、けしからぬ発言がございまして、昨年、中国、王毅外相が来日した際、彼はこのように言いました。魚釣島が中国の領土であると分かっていない日本漁船が侵入してくるので、中国としてはやむを得ず対処せざるを得ないということまで、あり得ないようなことをおっしゃったわけでございます。
 そういった中、今年の一月十日でございましたけれども、日本経済新聞のあるコラムが目に留まりました。そのコラムは、尖閣諸島に関しまして次のようなあってはならないシナリオが書かれておりました。
 どういうシナリオかと申しますと、尖閣諸島周辺の日本の領海で中国海警局が尖閣へ無断上陸を図ったとされる中国漁民を逮捕、そして、中国政府は声明で、中国の施政下にある、施政下にある海域で日本とのあつれき回避のため管轄権を行使したと発表、政府の発表のみならず中国のテレビ局が逮捕劇の一部始終を撮影した映像を繰り返し報道し、これを見た海外メディアも追従して報道したという、あってはならないシナリオを原稿にしておりました。
 この記事のシナリオには幾つかポイントがあるんだろうと思います。第一に、中国海警が逮捕したのが中国人であるということ、二つ目が、尖閣諸島が中国の施政下であるという発言、三点目が、中国の海上警察組織が日本の領土で管轄権を行使しているということ、四つ目が、メディアの報道により尖閣諸島は中国の国内問題であるという印象付けが世界中にされてしまうということがこのシナリオの、あってはならないシナリオのポイントではないかと思います。
 外務大臣にお聞きしたいと思います。今申し上げました四点の点も考慮いたしまして、あってはならないことではございますけれども、万が一このような事態が起こった場合、日本としてはどのように対応されますか。
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茂木敏充#22
○国務大臣(茂木敏充君) 三宅委員が編集委員もお務めになった日本経済新聞、クオリティーペーパーで、電子版を始め新しい取組も積極的に展開をされていると思いますが、こういったマスコミの一つ一つ、報道の一つ一つであったりとか仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、このシナリオとは全く違っていて、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も疑いのない我が国の固有の領土でありまして、現に我が国はこれを有効に支配をしております。尖閣諸島をめぐり解決すべき領土権の問題はそもそも存在をしないわけであります。
 また、現状について申し上げれば、中国海警船舶が累次にわたり尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、日本漁船に接近しようとする動きを見せていることは誠に遺憾でありまして、断じて容認できません。記事のシナリオにもあるような、尖閣諸島周辺の我が国領海内で独自の主張をするといった海警船舶の活動はそもそも国際法違反でありまして、中国側に厳重に抗議をしてきているところであります。
 このシナリオは成り立たないと思います。同時に、このシナリオの中で、これは日本の固有の領土であると、解決すべき領有権の問題はないということは国際社会にも理解を得てきておりますので、海外のメディアがこぞってそれを映すということも想定できないなと、そのように考えているところでありますが、いずれにしても、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、主張すべきは主張し、今後とも冷静かつ毅然に対応していきたいと思います。
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三宅伸吾#23
○三宅伸吾君 茂木大臣、御丁寧な御答弁ありがとうございました。
 岸防衛大臣にもお聞きしたいと思います。
 今私が申し上げました四つのポイントも考慮しまして、このような事態が起こった場合、日本としてはどのように対応されるでしょうか。また、問題は、海上保安庁の管轄範疇にとどまるのでしょうか。それとも、海上自衛隊が指揮を執るような事態になるのでしょうか。
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岸信夫#24
○国務大臣(岸信夫君) あくまで一般論として申し上げますと、領土、領海におきます治安維持については警察機関が一義的には対応することになります。警察機関で対処できない場合に、自衛隊としては海上警備行動や治安出動を発令をして、警察機関と連携の上対処するということになります。
 このような対処に対して、警察機関と自衛隊との連携が極めて重要なことになります。平成二十七年には、海上警備行動等の発令手続の迅速化を図るとともに、関係機関の間で各種の訓練をしっかり行うとともに、情報共有、関係機関の連携についても不断の強化をしてきているところであります。
 さらに、侵害行為が外部からの武力攻撃に該当するという判断をした場合、我が国を防衛する必要があると認められる場合には、防衛出動を発令して対処をすることになります。
 また、その上で、自衛隊法第八十条においては、内閣総理大臣は、防衛出動や治安出動を命じた場合において、特別な必要があると認めるときには、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができると規定をされているところです。この際、海保、海上保安庁は、非軍事的性格を保ちつつ、防衛大臣の統一的、一元的な指揮の下に、適切な役割分担を確保しつつ、海上における人命及び財産の保護、犯罪の取締り等を実施することとなります。
 いずれにいたしましても、自衛隊・防衛省としましては、国民の命、そして財産を、また領土、領海、領空を断固として守り抜くというために、関係の省庁とも連携をしっかり取って万全の体制をつくってまいりたいと考えております。
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三宅伸吾#25
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 次に、中国海警について話をしたいと思います。
 本年二月一日、海警法が施行となりまして、海警は中央軍事委員会の命令に基づいて防衛作戦等の任務を遂行することなどが海警法には明記をされております。
 岸防衛大臣にお尋ねをいたします。海警法の成立は我が国の安全保障環境にどのような影響があるとお考えでしょうか。
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岸信夫#26
○国務大臣(岸信夫君) 中国海警法が我が国の安全保障環境に及ぼす影響については、我が方の情報収集、分析に関わるものでありますことからお答えをすることは差し控えますが、この海警法により、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならないことです。東シナ海などの海域において緊張を高めるようなことは断じて受け入れることはできません。
 その上で申し上げますと、中国は、透明性を欠いたまま継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化をしています。周辺海空域等における活動もまた活発、拡大化をしているところです。
 例えば、先般公表されました中国の二〇二一年度の国防費は、対前年度比で六・八%の伸びでありまして、約一兆三千五百五十三億元であると承知をしております。二〇二一年のレートで機械的に換算をいたしますと、日本円で約二十兆三千三百一億円となります。これは、我が国の令和三年度の防衛関係予算案の五兆一千二百三十五億円の約四倍と試算をされているところです。
 このように、中国の軍事動向等について、国防政策や軍事力の透明性も相まって、我が国を含む地域や国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、今後とも強い関心を持って注視をしてまいりたいと考えております。
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三宅伸吾#27
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
 外務省にお聞きをいたします。海警法に対する日本政府の懸念を、ポイントを絞って簡潔にお聞かせください。
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曽根健孝#28
○政府参考人(曽根健孝君) お答えいたします。
 中国の海警法につきましては、国際法との整合性の観点から、問題がある規定を含んでいると考えております。
 例えば、第三条は、海警法を適用するとされる中国の管轄海域及びその上空の範囲が不明確でございます。仮に中国が主権等を有さない海域で海警法を執行すれば、国際法違反に当たります。
 また、二十一条は、外国軍艦、公船による中国の法令違反行為に対して法執行業務を行う旨、及び外国軍艦、公船に対して強制退去、強制引き離し等の措置を講ずる権利を有する旨規定しておりますが、国際法上、一般に、軍艦及び公船は、執行管轄権からの免除を享有しております。海警法が免除を侵害する行為を行う場合は、国際法違反に当たると考えております。
 さらに、二十二条におきまして、国家の主権が海上において違法な侵害を受ける場合等に、武器の使用を含む全ての必要な措置を講じる権利を規定し、その上で、四十九条、五十条等で一定の制約を課しているという規定になっております。国際法上、武器の使用に際しては、一般に、比例性及び必要性が要件となります。中国海警局が国際法上必要とされる比例性及び必要性の要件を満たさず過剰な武器使用を行う場合は、国際法違反に当たると思います。
 こうした中で、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことはあってはならないと考えており、中国海警法により東シナ海や南シナ海などの海域におきまして緊張を高めることになることは全く受け入れられないということで、こうした我が国の強い懸念を中国側に対し引き続きしっかりと伝えていきたいというふうに考えております。
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三宅伸吾#29
○三宅伸吾君 最後に、国土交通省参考人にお聞きをいたします。
 海上警察の組織論は様々あろうかと思います。米沿岸警備隊も、危機のときに当たっては海軍長官の指揮に入るということでございます。海上保安庁は海上の警察組織でございますから、管轄官庁を警察庁の方に置いてもおかしくないという議論もできるかもしれませんし、昨今の尖閣等の緊張関係を見ると、自衛隊に近いところにあってもいいんじゃないかという議論もあるのかもしれません。
 そうすると、防衛省の管轄に近いところでもいいという議論もあるのかもしれませんけれども、いずれにしましても、国土交通省が現在海保を所管しているわけでございますけれども、その経緯などをごく簡単に説明してください。
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