憲法審査会

2022-04-21 衆議院 全65発言

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会議録情報#0
令和四年四月二十一日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   会長 森  英介君
   幹事 井上 貴博君 幹事 加藤 勝信君
   幹事 上川 陽子君 幹事 柴山 昌彦君
   幹事 新藤 義孝君 幹事 奥野総一郎君
   幹事 道下 大樹君 幹事 馬場 伸幸君
   幹事 北側 一雄君
      井出 庸生君    井野 俊郎君
      伊藤 達也君    石破  茂君
      石橋林太郎君    稲田 朋美君
      岩屋  毅君    衛藤征士郎君
      越智 隆雄君    大串 正樹君
      塩崎 彰久君    下村 博文君
      中西 健治君    西村 康稔君
      船田  元君    細野 豪志君
      松本 剛明君    柳本  顕君
      山下 貴司君    山田 賢司君
      山本 左近君    山本 有二君
      神谷  裕君    近藤 昭一君
      中川 正春君    野田 佳彦君
      馬場 雄基君    太  栄志君
      本庄 知史君    谷田川 元君
      吉田はるみ君    米山 隆一君
      足立 康史君    小野 泰輔君
      三木 圭恵君    國重  徹君
      中野 洋昌君    吉田 宣弘君
      鈴木  敦君    玉木雄一郎君
      赤嶺 政賢君    北神 圭朗君
    …………………………………
   参考人
   (一般社団法人日本民間放送連盟専務理事)     永原  伸君
   参考人
   (一般社団法人日本民間放送連盟常務理事)     堀木 卓也君
   衆議院憲法審査会事務局長 神崎 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  秋葉 賢也君     塩崎 彰久君
  伊藤信太郎君     柳本  顕君
  國場幸之助君     石橋林太郎君
  山田 賢司君     山本 左近君
  新垣 邦男君     馬場 雄基君
  櫻井  周君     米山 隆一君
  玉木雄一郎君     鈴木  敦君
同日
 辞任         補欠選任
  石橋林太郎君     國場幸之助君
  塩崎 彰久君     秋葉 賢也君
  柳本  顕君     伊藤信太郎君
  山本 左近君     山田 賢司君
  馬場 雄基君     神谷  裕君
  米山 隆一君     櫻井  周君
  鈴木  敦君     玉木雄一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  神谷  裕君     新垣 邦男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(憲法改正国民投票に係る有料広告について)
     ――――◇―――――
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森英介#1
○森会長 これより会議を開きます。
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に憲法改正国民投票に係る有料広告について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として一般社団法人日本民間放送連盟専務理事永原伸君及び一般社団法人日本民間放送連盟常務理事堀木卓也君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森英介#2
○森会長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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森英介#3
○森会長 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人のお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。
 本日の議事の順序について申し上げます。
 まず、永原参考人から代表して二十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対しお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度会長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑することはできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 御発言は着席のままでお願いいたします。
 それでは、永原参考人、お願いいたします。
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永原伸#4
○永原参考人 日本民間放送連盟の永原でございます。
 私どもは、四年前に憲法改正国民投票運動の放送対応に関する基本姿勢、三年前に国民投票運動CMなどの取り扱いに関する考査ガイドラインを策定いたしました。その中身は、三年前の二〇一九年五月に当審査会に参考人として出席して、既に説明済みでございます。今日この場で改めて繰り返すことは適切ではないと考えまして、本日は、憲法改正国民投票運動と広告規制の在り方について、私どもの基本的な考え方を資料とレジュメに沿って申し上げたいと思います。
 最初に、資料一の一ページを御覧ください。一番上の部分に、国民投票法の条文を引用してございます。
 百条で「不当に侵害しないように」と規定されております表現の自由、その主体は誰かといえば、主権者である国民です。国民が広告も含めて様々な表現形態を用いることを不当に侵害してはならない、これが大原則でありますが、資金量の多寡が投票結果に影響するのではないか、広告合戦が過熱したらどうするのかという御議論は、二〇〇六年から七年にかけての国民投票法案の審議の際にも行われております。
 資料の一の二ページに、当時の立法経緯をまとめてございます。
 広告合戦への対処については、法案の提案説明者である自民党の葉梨先生、民主党の枝野先生がおっしゃっていることは、言論の自由市場で淘汰するということでございました。そうはいっても、投票日の直前になると淘汰の時間が足りないという考えから、テレビとラジオの広告のみ、投票日前二週間は禁止することとなりました。これが百五条であります。
 なぜテレビとラジオの広告のみ規制対象としたのか。これは枝野先生が分かりやすく説明しております。活字メディアと違い、音声や映像を用いる放送メディアは、時に理性ではなく感情に訴えるという意味で扇情的な影響力を持つという理由でございました。
 以上の立法の経緯を踏まえれば、今の時点で広告規制が必要か否かを改めて論じる場合、都合三つの論点が考えられます。
 第一の論点は、規制の対象期間。投票日前二週間だけでよいのかという問題です。第二の論点は、規制の対象媒体はテレビとラジオだけでよいのかということでございます。この二つの論点はこれまでもあった切り口で、既に独自の法案をまとめておられる政党もございます。
 しかし、視点を変えてみると、実はもう一つ、第三の論点があるように思います。
 それは百五条をめぐる論点です。この十五年間でメディアや広告の環境が大きく変化している中で、今や投票日前の二週間、テレビとラジオの広告を禁止しても、国民が冷静に判断できる投票環境にはならないのではないかということであります。二年前に当審査会で、公明党の北側先生が百五条を評して、アナログ時代の広告規制という表現を用いられておりましたが、まさに言い得て妙、全く同感でございます。
 資料一の三ページを御覧ください。
 これは、博報堂DYメディアパートナーズが発行するメディアガイドで、広告媒体別の出来事が記してございます。
 これを見れば、国民投票法が議論された二〇〇六年から七年は、SNSもなければスマホもないメディア環境で広告規制を議論していたことがよく分かります。さらに、通信技術の進歩によって、今やスマホで、町中でも電車の中でもユーチューブなどの動画配信サービスを楽しむことが当たり前になっております。そして、そこには動画広告がついてきます。
 なぜ、投票日前二週間、テレビとラジオの広告を禁止対象としたのか。それは、音声や映像を用いた広告は時に感情に訴える、扇情的な影響力を持つという理由でございました。
 今、多くの国民が動画配信サービスに慣れ親しみ、大量の動画広告に接しています。そうしますと、投票日前の二週間、ユーチューブなどの動画広告は規制されず、テレビとラジオの広告は禁止されるということとなります。
 時に感情に訴える、扇情的な影響力を持つとおっしゃる動画広告が、配信サービスを通じて大量に流れ、SNSを通じて大量に拡散される。そういう状況が、果たして百五条が期待した、国民が冷静に判断できる投票環境と言えるのでしょうか。
 テレビやラジオCMを法律で禁止する、その期間を国民投票運動期間中全てに拡大すべしという御意見もあるようですが、そうしますと、時に感情に訴える、扇情的な影響力を持つ動画広告がSNSやネット上で大量に拡散され、それが国民の目に触れる、一番露出の大きい広告になると予想されます。
 こう言うと、民放連の専務理事がインターネット広告を規制せよと言っていると勘違いされる人がいますが、私が言いたいことは正反対でございます。私は、主権者たる国民がインターネットサービス上に広告を出すことをどうやって規制するのでしょうか、そのようなことが本当に可能なのでしょうかということを指摘したいのでございます。
 先週の当審査会での御議論を聞いておりましても、多くの先生方が、インターネット広告への対応策、あるいは、広告に限らず、SNS、インターネットのルール作りの必要性に言及なされていたように思います。
 アテンションエコノミー、フィルターバブル、エコーチェンバーといった、インターネット上の言論空間のゆがみにどう向き合ったらよいかという問題意識をお持ちであることはよく分かります。
 私も、皆様の問題意識、危機意識について同じ思いを持つのですが、やはり問題は、本当に規制できるのだろうかという点であろうと思います。
 こうやれば弊害はなくなるという妙案があるのならともかく、もし、それなしに規制ありきで議論して、刻々と変化するメディア状況に対してやみくもに規制すれば、過剰あるいは的外れな対応となり、言論空間のゆがみを是正するどころか、かえってゆがみを拡大してしまう、そういう危うさを秘めているように思います。
 たまたま同じような議論が総務省の有識者会議でもなされているのですが、日本新聞協会は、アテンションエコノミーに起因するネット上の言論空間のゆがみへの危機意識は共有するけれども、過度な法的規制の導入は表現の自由を毀損しかねないと指摘しておりました。
 また、別の有識者会議では、ファクトチェック・イニシアティブというインターネットの関係団体が、フェイクニュース対策について、具体的な害悪論と切り離された偽情報規制論は規制主体の恣意的運用のリスクが高まり、表現の自由を過度に制約する危険性があると指摘し、表現、言論の内部的、自律的な取組を通じた誤情報の自然淘汰、脱力化を目指すべきと主張されておられました。
 私ども民放連は、テレビとラジオの広告のみを対象に規制を強化することには当然反対ですが、インターネット広告も含めて、国民の広告表現を規制することに対しても極めて慎重であるべきだという立場です。日本新聞協会やファクトチェック・イニシアティブが懸念するように、規制ありきの議論は言論、表現の自由を毀損しかねない、その危うさを内包していると考えます。
 その観点から、本日は、国民投票広報協議会をめぐる当審査会での御議論についても、懸念していることがございますので、触れさせていただきます。
 今年二月十日の審査会で、「考えられる「国民投票におけるCM規制」のあり方(メモ)」と題する資料が配付されました。資料一の四ページです。
 この時点での議論、意見をひとまず整理したもので、自民党としての御主張ではないと承知しておりますが、この論点メモは、メディアに身を置く者として見過ごすことのできない表現が含まれております。
 真ん中のB、黄色い囲いの下の部分に、放送事業者のほかにもということで、「新聞・雑誌社の自主的取組」「ネット事業者の自主的取組」と書いてあり、その右横の青囲いの部分に、「自主的取組を後押しするために何らかの「法的措置」を定める場合」と書いてあります。そして、例えばということで、「各事業者の自主的取組を求める旨の「訓示規定」」「国民投票広報協議会による各事業者の自主的取組に関する「ガイドラインの作成」」と書いてあります。
 国民投票広報協議会、すなわち立法府が、新聞、放送、雑誌、ネット事業者に自主的取組を求める訓示規定を設ける、そのためのガイドラインを作成する、それを法律に書き込むと書いてあるわけです。これは立法府のメディアへの介入、メディア規制につながるものではないかと大変危惧しております。
 ちなみに、国民投票法が二〇〇六年六月に国会に上程される以前、与党案に、表現の自由を濫用して国民投票の公正を害してはならないとするメディア規制条項がありました。当時、日本新聞協会は、国会の場で、仮に訓示規定であっても、取材、報道活動を萎縮させ、活発な憲法論議を妨げるおそれがあると意見表明しております。
 もしメディアへの訓示規定を本当に御議論されるおつもりなら、日本新聞協会にも是非意見を聞いていただくようお願いいたします。
 インターネット事業者に対して広告規制の自主的取組を求めることも、期待される効果は得られないであろうと想像します。
 インターネット広告の世界は元々玉石混交、フェイク広告も交ざっていて、インターネット広告に関係する事業者団体は、フェイク広告の排除に大変苦労しています。
 ネット上のフェイク広告の排除が難しいのは、インターネットの世界には圧倒的な量のアウトサイダーが存在するためです。インターネット広告は、テレビやラジオよりも広告出稿の仕組みが複雑で、アドテクノロジーの進化と相まって、様々な業者が介在します。その全てに網をかけるような実効性のある自主的取組やガイドラインが物理的に可能であるとも思えませんし、そもそも、フェイク広告や偽情報を作り、拡散している主体は、事業者団体になど属しておりません。
 きちんとした事業者が人海戦術やビッグデータ、AIを駆使して排除しようとしても、完全には排除できない、くぐり抜けてしまうという実態を考えれば、論点メモにあるような、インターネット事業者に自主的取組を促す訓示規定やガイドラインを策定しても、効果が見込めないのは明らかだと思います。
 ただ、私は、放送事業者団体の役員であり、インターネット広告の仕組みについてどうこう言えるだけの知見を持ち合わせておりません。専門知識を有するインターネット事業者や関係団体などに是非とも意見を聞いてくださるようお願いいたします。
 加えて、インターネットに関わる諸問題については、これまでに政府が有識者会議を設けて検討を重ねており、既に相当の知見の蓄積があると思います。フェイクニュース対策などを議論した総務省のプラットフォームサービスに関する研究会の最終報告、デジタル広告市場の課題を議論した政府のデジタル市場競争会議の最終報告などは、国民投票運動におけるインターネット広告の取扱いについて議論する上での基本認識、共通認識となり得るものだと思います。まずは、それらの有識者会議の関係者にヒアリングを行うことも一案ではないかと思います。
 先ほど、国民投票をめぐる広告規制には都合三つの論点があると申し上げました。百五条が時代に合っているかという論点はただいま御説明しましたので、残る二つの論点、規制は投票日前二週間だけでよいのか、規制する媒体はテレビとラジオだけでよいのかということについて、私どもの考えを御説明します。
 これは、国民投票法百条の条文及び規制対象が国民の広告表現であることを踏まえれば、国民投票運動の全ての期間において、インターネット広告を含めて、言論に対しては言論で対処する、言論の自由市場で淘汰されることに任せればよいということに尽きます。
 インターネット広告市場は本当に玉石混交ですから、国民投票運動期間中、フェイク広告も出てくるでしょう。ロシアによるウクライナ侵略でも登場したように、ディープフェイクというAI技術を駆使した巧妙なフェイク動画が、もはや簡単に作成できてしまう時代です。残念なことですが、国民を誤導、誤って導くような悪質な動画広告も大量に出回る可能性が高いでしょう。
 だとすれば、世論調査を行えば必ず信頼されるメディアとして新聞と並んで上位に位置する放送の広告を規制するのは、かえって逆効果ではないでしょうか。放送CMの広告主は、恐らく政党の皆様も含めまして、国民から顔の見える広告主であり、放送CMに求められる節度や真実性について御理解をいただけている広告主に限られます。
 国民がインターネット上の広告で、この広告は本当なのかという疑いを抱いたとき、新聞や雑誌、テレビやラジオが扱っていないことをもって、ああ、これはフェイク広告に違いないと推測、判断できるようにしておくことが大切だと思います。
 インターネットの場合、アルゴリズムで似た情報ばかり表示されるフィルターバブルの問題が指摘されますが、その影響を少なくするためにも、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった様々な媒体で、広告を含めて様々な情報があった方がよいのではないでしょうか。
 国民が様々なルートを通じて情報を受け取ることができ、それが量的にも質的にもより豊かであればあるほど、世代や立場を超えて議論することができ、結果として、国民一人一人が冷静に自分で考え、大切な一票を投じることにつながるはずです。そのことのありがたさ、大切さを、メディアに身を置く者は今、ロシアによるウクライナ侵略で一層かみしめています。
 他方で、広告の主体は広く言えば国民全体であるわけですが、このうち政党に限って、つまり政党の広告出稿に限って規制するという考え方があります。これは必要最小限度の規制という観点に立てば、一定の合理性があると思います。
 メディアの進化は急速です。そんなメディア環境の変化にきちんと対応するには、法律で規制するよりも政党同士が話し合って自主規制のルールを設けた方が、柔軟性、機動性が高まるのではないでしょうか。そうすれば、賛否の量のバランスの問題に関しましても、極めて限定された規制が最大の効果を生むはずと思います。
 最後になりましたが、民放連が三年前、四年前に策定した放送対応に関する基本姿勢と考査ガイドラインは、資料二としてお手元にお配りいたしました。御質問があれば、それにお答えする形で御説明したいと思います。
 御説明は以上となります。
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森英介#5
○森会長 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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森英介#6
○森会長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。
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新藤義孝#7
○新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。
 まず、民放連におかれましては、急な呼びかけにもかかわらず、参考人質疑に御対応いただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 永原専務理事には、これまで、幹事懇を含めると憲法審査会に四回おいでをいただいております。本日も、重要かつ意義深い御意見をありがとうございました。ただいまの意見陳述を聞きまして、私から二問、御質問をしたいと思います。
 まず、平成十八年六月に、憲法調査特別委員会におきまして、民放連の参考人は、量的な自主規制はできるかとの委員からの質問に対しまして、自主規制はできます、やらなければいけないというふうに思っておりますと述べられたわけです。その後、民放連は、平成三十年九月の会長会見において、量的自主規制はしないと発表され、また、令和元年五月の憲法審査会における参考人質疑では、CM量に特化した自主規制は行わないし、そもそも、広告の受け手として、実務上非常に難しい、このように述べられたわけであります。
 この一連の発言に対しまして、民放連がCM規制に関して従来の自主規制の取扱い方針を変更したのではないかとの心配の声が審査会で上がったわけであります。
 この問題は、まず第一に、受け手である民放連、放送事業者による自主規制、第二に、出し手である我々政党側の自主的取組、そして第三に、国会に設置される広報協議会による賛否平等を定めた法的枠組み、これに基づく広報活動という三者の取組をトータルで考えて、国民投票運動の自由と国民投票の公平公正のバランスをいかに取るか、ここの整理がポイントだ、このように考えるわけであります。
 まず、民放連は、CMの受け手として、放送法三条の番組編集の自由、四条の政治的公平性、これを踏まえた五条の各放送事業者それぞれの番組基準といった法的枠組みにより、自主規制を行うことが要請されています。今日の資料にもお持ちいただきました。
 この内容は、既に、平成三十年十二月の憲法改正国民投票運動の放送対応に関する基本姿勢及び三十一年三月の国民投票運動CMなどの取り扱いに関する考査ガイドラインで明らかにされているわけであります。
 私が理解しております民放連の自主規制のポイントというのは、一、法的規制の勧誘CMに加えて、意見CMを投票日十四日前よりは取り扱わない、二、取扱いは、広告主名と連絡先を明示したCMのみとする、三、特定の広告主のCMが一部の時間帯に集中して放送されることがないよう、特に留意するといった、量も要素とした規制が盛り込まれているのではないかというふうに考えます。
 令和元年五月九日の憲法審査会参考人質疑では、当時の参考人より、「ストップウオッチ的な量の要素にはなりませんが、当然、いろいろな意味の量の要素は私どもの自主規制の大事な要素であるというふうに理解をしてございます。」この発言が記録されています。
 改めて、永原参考人に、国民投票運動CMなどに関する自主規制について、民放連が取り組む範囲というものを説明していただきたいと思います。
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永原伸#8
○永原参考人 御説明いたします。
 今、新藤先生が大変分かりやすく、整理してお話しされていたと思います。先生のおっしゃるとおりの意味でございます。
 私ども、そのために、四年前に放送対応の基本姿勢を取りまとめ、三年前に考査ガイドラインも策定したわけでございます。放送法五条に基づく番組基準、これが放送事業者の自主規制に当たりますが、それ以上の特別の自主規制を今回行うということで作ったものでございます。
 その内容を説明させていただきたいんですが、これは堀木から説明をちょっといたしたいと思っております。(新藤委員「時間がないから、手短でいいです」と呼ぶ)
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堀木卓也#9
○堀木参考人 はい、分かりました。
 それでは、資料の二番を御覧ください。
 この資料二の一ページ、これが放送対応の基本姿勢でございます。左側の第二段落目、報道活動に関する基本姿勢で、その下からが広告に関する部分です。
 右側の二行目から御覧いただけますでしょうか。読み上げます。
 国民運動CMはその内容から、より慎重な対応が求められるものであり、取扱いに当たっては、放送基準八十九条、「広告は、真実を伝え、視聴者に利益をもたらすものでなければならない。」を前提に、たとえ事実であっても、他を誹謗し、又は排斥、中傷してはならない、公正な自由競争に反する独占的利用を認めない、などに特に留意すべきことは当然としております。
 ここでは、八十九、百一、九十七条を例示しておりますが、ほかにも様々な放送基準が適用されます。資料一の一ページ目、カラーの方ですけれども、このカラーの資料の下の方に、該当する放送基準を列挙してございます。
 済みません、再び資料二に戻っていただきましょうか。
 基本姿勢で最も重要なポイントは、投票日前十四日間は、国民投票運動CMじゃなく、意見CMも放送を自粛するとした部分です。これは、右側のページの一番最後のところでございます。憲法改正に関する意見表明をするCMなどについても、国民投票運動CMと同様、投票期日前十四日から投票日までの間は取り扱わないこととすると記したところでございます。
 「採りうる選択肢」と書いてありますのは、独禁法の関係から、あくまで事業者団体は商取引に関しては推奨するところまで、強制することはできませんので、このような表現となっておりますが、これは、理事会で議決し、翌年三月の会員協議会、全社が集まるんですけれども、そこで報告し、全会一致で了承したという手続を取っているものでございます。
 一枚おめくりください。
 こちらから、考査ガイドラインの御説明を簡単にさせていただきます。
 右ページの「広告主」からですね。この資料の右ページでございます。右側に「広告主」というのが下の方にございますけれども、ここから具体的な記述になります。五の、CMの出稿を受け付ける法人、団体は、これまでの活動実績を踏まえて広告主としての適否を判断するとあり、六、個人が出稿するCMは取り扱わないとしています。
 また一枚おめくりいただけますでしょうか。次のページでございます。真ん中の「CM内容」のところでございます。十五、CMは広告主名と連絡先を視聴者が確認できる形で明示したものでなければ取り扱わないとしています。
 これら五、六、十五の規定で、きちんとした広告主のものでなければ出稿の要請を受け付けない、つまり謝絶することとなります。ネット上であふれるようなフェイク広告はテレビやラジオのCMでは放送されることはない、そのことを担保するための規定でございます。
 その下、十七というのがございます。ここには、特定の広告主のCMが一部の時間帯に集中して放送されることがないよう、特に留意することも明記してございます。
 最後に、また一枚戻っていただいて、恐縮でございます。先ほどの「広告主」のところの七と八、一番下の方ですね、七、八を御覧ください。放送事業者は、国民投票運動CM及び憲法改正に関する意見を表明するCM、こうしたものを受け付ける用意があるということを、CM出稿を希望する広告主に対して明示するよう努めるとあります。つまり、全ての広告主に門戸を開いている、機会を平等に与えているということでございます。これもとても重要なポイントだろうと私どもは考えております。
 長くなりました。御説明は以上でございます。
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新藤義孝#10
○新藤委員 ありがとうございました。
 つまるところ、民放連は、量に特化した自主規制ではなくて、量も考慮要素の一つとした自主規制をもう既に準備している、このように私は理解しておりますし、それは法律で求められることになっているんだ、その中でもう既に準備されているということではないかなと理解したわけであります。
 したがって、先ほど、国民投票CMに関する公平公正を維持するためには、まず、国会に設置される広報協議会、それから私たち出し手である政党、そして受け手である民放連の皆さん、この三者のバランスを取って、全体でもって公平公正を維持するんだと。ということになると、今後、議論をしなきゃならないのは、私たち、広告の出し手である政党の自主的取組、さらには広報協議会の広報活動の全体像、こういったことをやるべきだということが明確になったのではないかなというふうに思っております。
 それから、時間がなくなりましたので、まず、審査会で私が配付しました論点整理メモに対して、立法府のメディア介入があるのではないか、このような御心配をいただきましたが、これはあくまで例示であります。また、こうした例示規定を設けるべきであるとか設けたいというようなことで訓示規定を置いているわけじゃありませんので、そこは総括的にいろいろな手段がありますという形で整理、例示したものですから、御心配には及ばないということを申し上げたいと思います。
 そして、最後に、永原参考人の後段に、ネットやその他のメディアのコントロールできない広告というのがあふれてしまうという御心配がありました。
 だからこそ、逆に、こうしたものに民放連、要するに放送・ラジオ事業者の広告を規制することは逆ではないかというお話がありましたが、しかし、もし、例えば国民がこれはフェイク広告ではないのかという疑問を持ったときに、では、何をもってフェイクであるかどうかをチェックすると思ったときに、法的な枠組みが裏づけされている民間放送事業者による広告というのは、これは逆にチェックできるバロメーターになる役割も果たせるんじゃないかなと思うと、やはりここはしっかりと、積極的に自主取組の中で皆様方の責任を果たしていただきたいなと私は思いますし、その旨について、短くで結構ですから、御意見、御感想をいただきたいと思います。
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森英介#11
○森会長 持ち時間が終了いたしておりますので、簡潔に、永原参考人、お願いいたします。
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永原伸#12
○永原参考人 お答えします。
 先生の今の整理のとおりでございます。大変短くて恐縮ですが、非常によく簡潔に私どもの言いたいことをまとめていただいたなと思っております。
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新藤義孝#13
○新藤委員 以上です。
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森英介#14
○森会長 次に、奥野総一郎君。
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奥野総一郎#15
○奥野(総)委員 立憲民主党の奥野でございます。
 今日は、急な呼びかけにもかかわらず、永原専務、堀木常務、本当にありがとうございます。三年前にも私、質問させていただきました。今日はよろしくお願いいたします。
 先ほど新藤筆頭の方から、政党と国民広報協議会と民放連の三者でバランスを取って考えていくというお話がありましたけれども、ほかにもプレーヤーはやはりいるわけです。政党だけが自主規制で済む話じゃなくて、例えば、いろいろな政治団体もありますし、直接見えてくるかどうかは分かりませんが、外国の政府とか、いろいろな関心を持つ人たちがいろいろな形で関わってくると思うんですね。
 だから、その三者で、例えば政党だけが自主規制をすればいいという話では私はないと思います。国民広報協議会をしっかり使うというのは、そこはそのとおりだと思いますけれども、もう少しこの問題は深く考えなきゃいけないと思います。
 そこで、いろいろな御努力も伺いましたし、できる範囲のことはやっておられると思いますが、やはり量的な規制について、一分一秒まで同じというふうにはいかないと思いますが、考えなきゃいけないと思っているんです。
 平成十八年の六月一日の憲法調査特別委員会、ここに資料もありますが、そこに出ていない発言もいろいろありまして、山田良明参考人が当時、お金のある方がどんどんとCMを流していくみたいなことは、放送がどうこうというより、まず国民がそれを許さないというふうに思っております、そういうことを念頭に置いて、我々はきちっとした話をしてルール作りをすべきだというふうに思っていますという発言をされています。
 また、別の議員に対する答えですけれども、お金がある人とない人があったら、例えば料金を下げればお金がない人の機会が増える、それで機会が増えたところに合わせれば一対一になるような考え方もありますね、ですから、そういう機会均等、バランスを取るということの中で、どういうことができるかということは、これから真剣に考えていかなければならないというふうに思っています、ここまで言っているんですね。
 基本的に一対一をやるべきだと取れるような発言も民放連の代表がされているわけですが、今でもこの発言は生きているんでしょうか。
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永原伸#16
○永原参考人 質問にお答えいたします。
 十五年前の山田参考人の発言の趣旨につきましては、お手元の資料二の四ページを御覧いただければと思います。民放連としての見解を整理して対外公表しております。
 二〇〇六年の六月と十一月と二度、山田参考人は出ておりますが、六月のときに、自主規制という単語を使ったときというのは、これは文脈を見ましても、放送法五条の番組基準のことを指しているという理解でございます。また、十一月は、今度はルール作りという単語を使っていまして、これは番組基準そのものではなく、ガイドラインのことを念頭に置いて発言されたものと承知しております。
 ですので、今回、私どもは、放送法の五条の番組基準、さらに放送対応の基本姿勢、さらに考査ガイドライン、この三つを熟読玩味しながら放送対応に当たってまいりますので、そういう意味では、十五年前の参考人の発言と同じ考え方でございます。
 ただし、今、奥野先生が紹介された表現のような、当時、民放連として、国民投票運動CMに関する、このことに関する議論というのは全く未着手でございました、そのためにどうしても、私見ではございますがとか、まだ内部で議論しておりませんがというエクスキューズを相当つけて御説明しております。
 ですので、特に自主規制という単語を使うと、私どもは番組基準、ガイドラインとすぐ思うんですが、受けた方はなかなか、もっと違うものを想像されてしまったんだろうなというふうに、その錯誤というのが、先生が御指摘するような、違う意味で取られるということの底流にあると思いますので、そこは三年前、私が答弁させていただいたとおり、整理して御説明したつもりでございます。
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奥野総一郎#17
○奥野(総)委員 この発言のポイントは、資金の多寡により結果が左右されてもいいのかという、今もそういう話は、今だからこそもっともっとその部分が大事なんだと思うんですが、十四日間はできない、CMは打てないということですが、それ以外のところは、皆さんの言い方をすると言論の自由市場の淘汰に任せるということなんですが、そうすると、資金の多寡によって結果が左右されるということも起こってくると思うんです。
 それから、ケンブリッジ・アナリティカ事件なんかを見ても、皆さん、表現の自由、報道の自由とおっしゃるけれども、一方で、意思決定の自由というのがあるわけですよね。思想信条の自由、それから意思決定の自由。そこに働きかける、メディアが働きかけて意思決定の自由を侵害してしまう、こういう話もあると思うんですよ。だから、きちんとその利益衡量をしながらやらなきゃいけないんですが、あくまで、資金量の差があっても、言論の自由市場の淘汰に任せるべきだとお考えですか。
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永原伸#18
○永原参考人 どうしても媒体ではコントロールできない部分というのがございまして、当時、三年前、四年前のときに、私たちがCM量に特化した自主規制を行わないという方針を決めた背景として、市民団体の皆さんが、賛否二分間ずつ、同じ放送時間枠を与えるという案を提案されていまして、それが恐らく唯一の具体的な案だったと思うんですね。ところが、それを実際の我々の放送対応に当てはめてみますと、相当問題なことが起きるというふうに考えたんです。
 例えば、広告主が実際の宣伝予算を使ってCMを打つときに、全部の放送局に同じように投下するということはほぼほぼなくて、五局あれば、A局とC局と、あとはユーチューブにみたいな組合せでやったりするんですね。そうすると、自民党はAとC局は流してと言われると、ほかのところが、B、D、Eは自民党を流さないといったとき、立憲民主党さんからCM出稿の要請があったって受けられないみたいなことになりかねない。それを、こういう言い方をすると自民党さんに失礼かもしれませんけれども、あそこのテレビ局はちょっとコメンテーターが気に入らないみたいなことで悪用されたりしたら、大変問題なことが起きかねないわけですね。
 そういうことも考えて、ですから、量を全く考慮しないとは言っていなくて、量も含めて門戸を開いておけば、その上で判断もできますし、いろいろなことの総合判断をするということでこういう整理をしたということでございます。
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奥野総一郎#19
○奥野(総)委員 今私が申し上げた、憲法のもう一つの価値観、意思決定の自由をどう守っていくかということを考えたときには、そこでやはり法律で介入するという手段もあると思うんですね。
 皆さんに自主規制だとなかなか難しいということになったときに、我々も提案していますが、例えば、国民投票運動に対する賛否の勧誘のための放送広告はもう全期間にわたって禁止をしてしまう、国民投票広報委員会に任せていく。それから、ネットも含めて、政党による広告については、賛否の勧誘だけでなく賛否の意見表明、そしてインターネット有料広告についても禁止する。これでもなかなか十分だとは思いませんが、我々はそういう案を作っています。
 そういう枠組み、ネットも含めた形での制度の枠組みをつくるということについては、いかがお考えですか。
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永原伸#20
○永原参考人 インターネット広告も含めて案を練るというのは全く正しいとは思うんですけれども、政党広告を全面禁止してしまうと、恐らく、ネット上でいろいろなCMが、例えば、自民党を支援する国民会議とか、立憲民主党を勝手に応援する市民連合だとか、いろいろなところのネット上の動画が出て、それが本当に支援者だったら何の問題もない、何の問題もないというか、いいと思うんですけれども、ちょっと加工して、あるところを誇張してみたりとか、あるところを捏造してみたりみたいなフェイクなものが紛れ込んだときに、どれが真正なCMかというのが分からなくなってしまう、ここが恐らく悩ましい問題だと思うんですね。
 このときに、私たちの考査ガイドラインを見ていただければ分かると思うんですが、かなり厳格ですので、放送CMがあった方が、これが本物なんだなと分かっていただける、そういうふうにした方がよりよいのではないか。ただ、資金量の多寡のことを気にされておるので、それであれば、貸金業協会さんのように月間百本みたいなやり方もございますということを提起させていただいているんです。
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奥野総一郎#21
○奥野(総)委員 時間になってきましたけれども、ネットの規制というのはなかなか難しい。ただ、EUも、フェイクニュースなんかについては、これから、今はプラットフォーマーに任せていますけれども、規制についても検討を始めていますから、日本もそういう議論をしていかなきゃいけないと私は思います。
 その上で、資金全体の規制、今、CMの出稿の話でしたけれども、この新藤ペーパーにあります間接的規制の、「運動資金規制」と書いてあります。これは我々も出していまして、運動資金の上限を定めたり、運動資金の支出額が一千万を超える団体については収支報告を義務づけたり、それから五億円の支出限度額を設けたり、外国人寄附の受領禁止、これは外国の関与を防ぐというような案も考えているんです。
 これで十分とは思いませんけれども、やはり何もしないよりは、こうした資金規制を設けていく、あるいはCMの規制、ネットについても考えていくということが大事だと思うんですが、最後、そこを御意見を伺いたいと思います。
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永原伸#22
○永原参考人 私ども、自分たちが恐らくガイドラインとかで何をやるんだということが明確でないと、法律で縛った方がいいのか、あるいは政党の自主規制でやった方がいいのかという、議論の前提となるものが分からなくなってしまう、曖昧になってしまうということで、我々がまず、自分たちの媒体としてできることはここまでですということを明確にするということだったと思うんですね。責任分界点ということだと思います。
 ですので、今先生が言われたような御議論というのは、まさにここの場で各党で御議論いただければいいことで、私どもが、立憲民主党さんが実際に案を出されているのは承知しておりますが、それについていいとか悪いとかというふうに言うのは、やはりちょっとこれは越権なんだろうというふうに思います。
 済みません、お答えになっていないかもしれませんが。
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奥野総一郎#23
○奥野(総)委員 ありがとうございました。
 まさに十数年前とは状況が変わっているという中で、皆さんができる範囲も変わってきているという中で、これはまさに政治の責任で、きちんとした国民投票が行われるような仕組みを我々は考える、これは憲法審査会の責務だと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。
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森英介#24
○森会長 次に、小野泰輔君。
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小野泰輔#25
○小野委員 ありがとうございます。日本維新の会の小野泰輔でございます。
 今日は、永原参考人、堀木参考人、本当に、急なスケジュールの中でお越しいただきまして、ありがとうございました。
 私も憲法審査会は初めて、初当選ですので当然初めて参加させていただきまして、その中で、このCM規制の話が出るたびに、早くまた参考人のお立場としてこの場に来ていただいて、そしてしっかりと議論を積み重ねるべきだなというふうに感じておりましたので、本当に今日こうしておいでいただいたことはありがたいというふうに思っています。
 まず、私ども日本維新の会の基本的なCM規制の在り方に関する考え方、これは馬場代表に公式に全然確認しているわけではないんですが、ただ、我々、自由に議論できる政党でございますので、それを申し述べさせていただきたいというふうに思います。
 このCM規制、これは民放連の皆様がおっしゃっているように、やはり国民が自由に議論をできる環境を用意するというのが、これが自由主義国家、民主主義国家の在り方であろうというふうに思います。
 その中で、量的規制ということが長らく議論をされてきたわけですが、しかし、それも、御主張の中にもありますとおり、ストップウォッチ的な制限ができるわけでもありませんし、そして、もし量的なことをかなり厳格に意識して差配をしようと思っても、これは、例えば賛成と反対で、団体が一と三で分かれた場合にはどうするのかという問題もあります。
 そして、憲法改正の項目というのは、必ずしも一つのトピックに限られるわけではありません。例えば、九条の問題があったりとか、緊急事態法制の問題があったりとか、あるいは同性婚の話があったりとか、いろいろな問題を同時に取り扱うことだってあるわけです。そのときに、何が量的に平等なのかということをオペレーションでやろうとすれば、もうこれは破綻することは目に見えているというふうに思います。
 そして、私どもは大阪都構想を経験しております。私自身はそれを外から眺めていただけでありましたけれども、量的規制を行うとか行わないとかということ以上に、私は報道の内容そのものがやはり住民の皆様方の意思決定にも大きく関わると思いますが、しかし、その内容に関しては、もちろんこれはアンタッチャブルでございます。我々が仮に大阪都構想をやろうとしても、その報道の内容はちょっと何か公正じゃないんじゃないかというふうに思っても、政治家はそれをちゃんとのみ込んで、そして自分の口でしっかりと説得をしていく、そういう努力をしなければいけない、それが民主主義の在り方なんじゃないのかというふうにそもそも思うわけなんですね。
 ですから、それを量的な規制で何か平等にしようということが本当にできるのかという問題と、そして、政治家自ら、あるいは、ある問題に関して国の行く末を考えようと思って言論をする人たちが、自分がその意見を表明する場をちゃんと与えられて、そして、一人一人に対して意見を述べていくということが大事なのではないかというふうに思っています。
 私が奥野幹事の御意見をお伺いしていてすごく違和感があるのは、意思決定の自由を保障するということ、これを国家がどのように保障するのかということをもっと論じなければいけないんじゃないのかというふうに思います。
 あなたのやっている意思決定は、それはだまされていますよということを国家が判断するということ自体が、民主主義自体を否定することにつながるのではないのかというふうに思うんですね。もし、あなたが、例えばこういう広告CMを見て、そして、例えばこの憲法改正について賛成ですと言っている、いや、それはおかしいですよというのであれば、それは言論でしっかりと議論する、伝えるということがやはり必要だというふうに思っています。
 そして、ネット規制に関しては、やはりこれはCM規制の話だけではとどまらないところがすごく大きいと思います。
 それは、テレビCMと違って、出稿者がどのようにCMを出すかということが非常に間口が狭くなっているのではなくして、例えば、私であってもどんな個人でも、今、ユーチューブに、広告という形を使わなくても自分の意見を表明する、あるいは広告に近い形でしっかりと主張をすることができるというようなことになっております。ですから、資金的な差を言うのであれば、例えば、ユーチューバーにお金を払って、そして優れた憲法改正の番組を作ってもらって、それを無料で、CMという形ではなくてアップするということも規制しなければいけなくなるということになります。
 そういう意味では、私も、この発言をする前に、ネット広告を手がけられている事業者の方々にヒアリングをしました。そういう中で、まさに永原参考人がおっしゃっているように、ネットの世界ではもっともっと規制は難しくなるというようなことをおっしゃっていました。
 そういう中で、永原参考人にちょっとお聞きしたいんですけれども、ネットの世界で、今、民放連がずっと作っている考査ガイドラインのようなものをやはり民間主導で作る必要があるのか、あるいは、それを作ったとして機能するのかどうかということについて、ウェブのことについては専門外ということでございましたけれども、このことについて御所見を伺えればと思います。
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永原伸#26
○永原参考人 我々が作ったようなものを作っても、恐らく答えにはならないというふうに思います。というのは、先ほど事業者と言っていらっしゃいましたけれども、インターネットの場合は、とにかく誰でも広告が打ててしまいます。仮に、国民一億人の一%としても、百万人なわけですね。事業者に加盟しているのは二百八十社とかそのぐらいなものですから、とてもそこに作っても届かない。
 さらに、これはそれぞれ、我々と違って、法律で免許事業者で、放送の場合は事業者が閉じているんですが、そうではありませんので、そうすると、事業者団体にガイドラインを作れといっても、まずもって届かない。そして、実際にフェイク広告であるとか偽情報を流しているのは団体に属していないアウトサイダーの方々なので、これは恐らく何の効果もないのではないかというふうに思います。
 むしろ、変に国家が、立法府でも行政府でもそうだと思うんですが、事業者団体にガイドラインということをすること自体が、やはりインターネット空間に対する規律の何か最初の一歩みたいになってしまうのは非常に怖いなというふうに思います。
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小野泰輔#27
○小野委員 ありがとうございます。
 もう一つお伺いしたいんですけれども、放送事業者の皆様、例えば、新聞もそうなんですけれども、ウェブサイトも設けていらっしゃいます。そういう中で、広告を当然取ったりとかいうこともあると思いますけれども、その際に、今、放送の分野で自主規制をかけているいろいろなガイドラインがあります。そういったものをウェブサイトで、そのグループのところで広告を載せるときに同じようなガイドラインを適用しているかどうかということについてお伺いしたいと思います。
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永原伸#28
○永原参考人 放送の場合は、放送は法律で規律されているので、ちょっと別だと思ってください。ただ、自分たちの信頼性みたいなものを損ねるわけにはいきませんので、自分たちとして、当然、放送のウェブメディアであるとか新聞のウェブメディアというのは非常に厳しく、厳しいというか、気をつけてやっているのは間違いないと思うんですね。
 ただ、恐らく、今先生が言われたのはバナー広告のような予約型の広告だと思うんですけれども、ネット広告は今や運用型が主流ですので、そうすると、変な話、その画面のところで、見ている人の広告、実際に掲出される広告は全然別のものだというのが当たり前になっている。しかも、それがプログラムでなされていますので、それはさすがに規律がなかなか難しいというのが実情だと思います。
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小野泰輔#29
○小野委員 ありがとうございます。
 まさにおっしゃっていただいたように、ウェブ広告の仕組みというのは、例えば、テレビ局に申し込んで、広告会社とか限られたプレーヤーが決めるのではなくして、自動で、入札市場、オークション市場があって、それでプログラムで自動的にマッチングしたものが表示されるというようなことにもなっておりますので、そういう意味では、今後、このネットのCM規制ということを考える際に、そういった技術的なこともしっかり頭に入れながらやっていく必要があるというふうに私は思っています。
 最後に付言しておきますけれども、適切なCMが何か。例えば、フェイクニュースからいかに国民を守っていくのかとか、意思決定をしっかり適切なものに守っていくにはどうするのかというような議論がありますけれども、これは国民投票法の問題ではありません。これは民主主義、我々一般に関わる問題であって、そのことが、この憲法審査会で新しい人権が、これを侵害から守るということで論議するのは私は非常に的を射ているとは思うんですけれども、国民投票法の問題ではないということを最後に申し上げておきたいというふうに思います。
 どうも今日はありがとうございました。終わります。
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