憲法審査会
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会
会議録情報#0
令和四年六月八日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月十八日
辞任 補欠選任
森屋 宏君 山田 宏君
石川 大我君 杉尾 秀哉君
勝部 賢志君 小沢 雅仁君
森屋 隆君 白 眞勲君
河野 義博君 山本 香苗君
杉 久武君 平木 大作君
高瀬 弘美君 矢倉 克夫君
六月七日
辞任 補欠選任
有田 芳生君 岸 真紀子君
杉尾 秀哉君 石垣のりこ君
白 眞勲君 石川 大我君
伊藤 孝江君 塩田 博昭君
矢倉 克夫君 宮崎 勝君
山本 香苗君 新妻 秀規君
川合 孝典君 小林 正夫君
矢田わか子君 芳賀 道也君
六月八日
辞任 補欠選任
佐藤 正久君 藤川 政人君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中川 雅治君
幹 事
有村 治子君
石井 準一君
西田 昌司君
藤末 健三君
熊谷 裕人君
小西 洋之君
西田 実仁君
足立 信也君
柴田 巧君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
衛藤 晟一君
岡田 広君
片山さつき君
古賀友一郎君
上月 良祐君
佐藤 正久君
中曽根弘文君
藤川 政人君
古川 俊治君
堀井 巌君
舞立 昇治君
丸川 珠代君
元榮太一郎君
山下 雄平君
山田 宏君
山谷えり子君
石垣のりこ君
石川 大我君
打越さく良君
小沢 雅仁君
岸 真紀子君
羽田 次郎君
福島みずほ君
塩田 博昭君
新妻 秀規君
平木 大作君
宮崎 勝君
小林 正夫君
芳賀 道也君
浅田 均君
高木かおり君
吉良よし子君
山下 芳生君
渡辺 喜美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 岡崎 慎吾君
参考人
広島大学大学院
人間社会科学研
究科教授 新井 誠君
上智大学法学部
教授 上田 健介君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、参議院
議員の選挙区の合区問題を中心として))
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
五月十八日
辞任 補欠選任
森屋 宏君 山田 宏君
石川 大我君 杉尾 秀哉君
勝部 賢志君 小沢 雅仁君
森屋 隆君 白 眞勲君
河野 義博君 山本 香苗君
杉 久武君 平木 大作君
高瀬 弘美君 矢倉 克夫君
六月七日
辞任 補欠選任
有田 芳生君 岸 真紀子君
杉尾 秀哉君 石垣のりこ君
白 眞勲君 石川 大我君
伊藤 孝江君 塩田 博昭君
矢倉 克夫君 宮崎 勝君
山本 香苗君 新妻 秀規君
川合 孝典君 小林 正夫君
矢田わか子君 芳賀 道也君
六月八日
辞任 補欠選任
佐藤 正久君 藤川 政人君
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出席者は左のとおり。
会 長 中川 雅治君
幹 事
有村 治子君
石井 準一君
西田 昌司君
藤末 健三君
熊谷 裕人君
小西 洋之君
西田 実仁君
足立 信也君
柴田 巧君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
衛藤 晟一君
岡田 広君
片山さつき君
古賀友一郎君
上月 良祐君
佐藤 正久君
中曽根弘文君
藤川 政人君
古川 俊治君
堀井 巌君
舞立 昇治君
丸川 珠代君
元榮太一郎君
山下 雄平君
山田 宏君
山谷えり子君
石垣のりこ君
石川 大我君
打越さく良君
小沢 雅仁君
岸 真紀子君
羽田 次郎君
福島みずほ君
塩田 博昭君
新妻 秀規君
平木 大作君
宮崎 勝君
小林 正夫君
芳賀 道也君
浅田 均君
高木かおり君
吉良よし子君
山下 芳生君
渡辺 喜美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 岡崎 慎吾君
参考人
広島大学大学院
人間社会科学研
究科教授 新井 誠君
上智大学法学部
教授 上田 健介君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、参議院
議員の選挙区の合区問題を中心として))
─────────────
中
中川雅治#1
○会長(中川雅治君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のため、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について、本日の審査会に広島大学大学院人間社会科学研究科教授新井誠君及び上智大学法学部教授上田健介君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のため、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について、本日の審査会に広島大学大学院人間社会科学研究科教授新井誠君及び上智大学法学部教授上田健介君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中
中
中川雅治#3
○会長(中川雅治君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について、参考人の皆様から御意見を伺います。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本審査会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様から忌憚のない御意見を賜り、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、新井参考人、上田参考人の順にお一人十五分程度で順次御意見をお述べいただいた後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
全体の所要は二時間を目途といたします。
なお、御発言は、質疑、答弁とも着席のままで結構でございます。
それでは、まず新井参考人にお願いいたします。新井参考人。
この発言だけを見る →本日は、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について、参考人の皆様から御意見を伺います。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本審査会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様から忌憚のない御意見を賜り、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、新井参考人、上田参考人の順にお一人十五分程度で順次御意見をお述べいただいた後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
全体の所要は二時間を目途といたします。
なお、御発言は、質疑、答弁とも着席のままで結構でございます。
それでは、まず新井参考人にお願いいたします。新井参考人。
新
新井誠#4
○参考人(新井誠君) よろしくお願いいたします。広島大学の新井と申します。
この度は、このような貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
早速始めさせていただきたいと思います。
初めに、人口少数地域の代表者減少の中で再考する参議院の姿とございますが、もう既に御承知のとおり、参議院の中での代表というのは、非常に小さい県などは代表者が少なくなっているという現状でございます。で、数年前からこの合区というものが導入されたわけですけれども、私は合区というのは非常にいろいろな課題を抱えている問題だと思っております。
早速、一に入らせていただきたいと思います。合区をめぐる問題としては、私が考えていることは、そこに書いてあることがあります。まず一つは、人口少数の隣り合う一部の県、人口少数県のみが対象とされているというふうなことに対しての不公平感や不満感、不安感などがあるのではないかというふうなことがございます。
この点、私などは、実は人口多数の都道府県選挙区に関しての改革提案などはなぜなされていないのかというふうなことに常々逆に疑問を持っております。まあ少数県というのは、人口が少ないがために大きな声を上げてもなかなか国政の大きな話題になりづらいというふうなことが背後にあるのではないかなと思うわけですが、さらに、重要な御指摘として、その合区というふうなものは実は論理的にもちょっと問題があるんではないかというふうなことが京大、京都大学名誉教授の大石眞先生などからお話が出ておるわけです。そこに引用させていただきましたが、仮に隣接する区域や県などに限るとするならば、地域的限定を排除するとしながらそれに依拠した議論をするものであって背理というほかないだろうという厳しい御意見なども出されているところであります。
二番目です。この問題は、人々の土地にまつわる感情というふうなものを非常に軽視されているのではないかと私などは思うところがございます。
実は、都道府県単位という認識しやすい指標によってその選挙区というものが設定されていたわけですが、それの喪失によって全国の地域の人々が政治参加をしているのだという実感それ自体を持ちづらくなっているというふうなことにならないかというふうな問題がございます。
古い文献ですが、宮澤俊義教授が、非常に古い文献ではございますが、人と土地との関係というのはある意味において全人格的であるというふうなことをおっしゃっているところです。ですから、地域を基盤とする選挙区というのは正統化されるのだというふうなことをおっしゃっているところですが、この土地というふうなものとの人格というふうなものとの関係というのを重視した検討が必要ではないかなと思うところでございます。
三番目。都道府県制とは何かというふうなこと、あるいはその憲法上の位置付けの問題がございます。
先ほど、括弧の二番のところでは人の感情の面からお話をしましたが、実は都道府県というふうなものは、それ自体がやはり政治的、行政的単位として重要な位置付けを与えられてきているわけです。仙台高裁の秋田支部の令和元年判決というのは、参議院選挙の一票の較差について議論されたものですが、そこの中では、単に都道府県という心理的一体感の素因として存在するにすぎないものではないということが言われていて、都道府県自体の意味というふうなものが述べられているところでございます。
それを選挙区の中に、選挙区として都道府県をどういうふうな位置付けるのかというふうな問題というのは出てくるところではございますが、しかし、既に長いこと定着している都道府県制というふうなものを選挙制度の中でその重要な考慮要素として位置付けることが重要ではないかなと思っているところでございます。
実は、こうした問題というのは、具体的なその憲法上のどこの条文というふうなことというふうなことよりも、そもそも代表制のあるべき姿とか、人々と政治との間の距離の視点から見た場合の憲法秩序全体に関わる問題がここには登場しているんではないかと私は思っているところでございます。
二番に入りたいと思います。合区導入と最高裁判決の話でございます。
この辺りは既に御案内のことかと思いますので非常に簡潔にお話ししたいと思いますが、実は合区導入前の平成二十四年、平成二十六年判決の辺りで、この一票の較差を厳格にすべきだという、厳格に捉えてそれをきちんと確保すべきだというふうなことで、都道府県の選挙区単位などは憲法上の要請ではないといったものとか、それを選挙の仕組みの合理性を基礎付けるには足りなくなっているといった評価がなされておりました。これによって合区が導入されたわけですが、その後、御承知のとおり、その当時の投票率などが下がったりしたりとか、またあるいは関連団体が合区反対の決議を採るなどというふうなことがあったりしました。
その後、実は平成二十九年判決や令和二年判決などは少しやや揺り戻しがあったのかなというふうなことがあります。揺り戻しといっても、私は釈明というふうなことの言葉を使っていますが、実は、別に、その都道府県を参議院の選挙区単位とすること自体が不合理なものとして許されぬものではないといった言い方とか、また令和二年判決などは、合区の解消を強く望む意見も存在する中でというふうなことを言うというふうなことがございます。この辺りは最高裁も、やはりこうした人々の動向というふうなものを非常に重視したのではないかなと思っているところでございます。
大きな二番に入りたいと思います。
この問題をめぐっては、常々言われてきた憲法上の諸論点というものがあるかなと思います。
まず一つは、一票の価値の平等の議論で投票価値の平等の議論が出てくるかなと思います。
これについては、多くの場合は、投票価値の平等論というのは非常に重要だというふうなことは当然言われているところがあります。ただ、古い文献などを当たると、機会の平等に加えて価値の平等をどこまで入れるのかというふうな問題というのがあるとは言われています。
もっとも、それでも投票価値の平等というのはやっぱり重要な価値であるというふうなことを考えてみたとしても、これを一義的に重視することによって失われる他の利益の喪失みたいなものがないのかというふうなことは考えるべきではないかなと思っております。
また、二番です。全国民代表に関する議論というのは、これも憲法学的には通常二つの側面があるとして議論されています。
一つは、禁止的な規範意味ということで、いわゆる自由委任原則というふうな議論です。もう一つが、積極的規範意味というふうなことで、これは法的に何かというよりも、全国民のために行動することを国会議員に求めるという規範でございます。
実は、この積極的規範意味というふうなことというのは、その地域を基盤とする場合もしない場合も、議員が全国民代表するなら、のために行動するならば、どちらでもよいと言うとあれなんですけど、どちらでもよいというふうな概念として機能することになりますが、ただ、実はこのことというのは、私は、比較的その都市の代表というふうなものが多数になる事態というのが当然見込まれるんではないかなと。つまり、事実上の問題で、全国民代表として振る舞う議員さんというふうな像があるわけですが、しかし、その議員さんも地域で選ばれている以上、やはり人口多数地域の方が多いとなると、都市代表が増えるというふうなことは事実的に出てくるだろうというふうなことがあります。
実は、このような全国民代表論というのは、地域利益というふうなものばかりを考えてはいけないというふうなことで機能してはいたかと思うんですが、では、じゃ、その地域の人々が心配しているのはそこなのかというふうなことになると、私は、実は地域の人々は、議員さんがその全国民のために代表すること自体は否定していなくて、それは否定しないけれども、自分たちの基盤とする地域から人が出せないというふうなことに関しての何か少し弱い地位を与えられているんではないかという不安感みたいなものがあるのではないかなと思います。
実は、この全国民代表の議論をめぐっては、かつて公正かつ効果的な民意の反映というものが最高裁などでも言われてきました。今も言われてはいるんですが、実はこのことが非常に積極的に使われてきたところがあるような気がします。すなわち、それは多角的民意の確保をしようという議論でありました。
私などは、人口や有権者比例からはこぼれ落ちる諸価値を拾い上げる機能として、補完的な意義としてこの問題を捉えておりまして、とりわけ合区というふうなものというのは、こういうふうな本来的には拾われる諸価値のうちの一つの観点からすると、もう少し考えられなければいけない、解消されなければいけないというふうに思っているところがございます。
三番、民主的単一国家における両院制の現代的意義とございます。
両院制の議論をめぐっては、よく二つの観点から消極的な評価がされることがございます。一つは、その政体との関係から民主的単一国家においては不要だとする、もう一つは、両院の権限関係からその両方の、一方が強過ぎても弱過ぎても問題があるという功利的な観点から言われています。
ただし、私は、民主的な単一国家において、じゃ、本当に両院制は不要なのかというと、すなわち常に消極的意義しかないのかと言われますと、いや、そうではないと、現代の国家においては実は非常に意味があるというふうに思っております。とりわけ、ちょっと長くなるので読みませんが、多元的な意味でデモクラシー型の、要は両院制というふうな観点からしますと、実はここに書かれているようなことというのは、要は単に国民の理解、利益というのは単一で利害を共通にするという観念というのは、まあ古典的には重要だったけれども、しかし現在ではいろいろな価値をデモクラシーの中で反映させるんだというふうなことが重視されているんだということがある中で、実は両院制のやっぱり一つの大きな意味は、地域などを基盤とする利益というふうなものをどういうふうに代表者の中に創出していくかというふうなことが重要ではないかと思っているところでございます。
大きな三番に入ります。
参議院の役割論から考えるというふうにございます。
この辺りは、両院の権限関係と組織方法との関係で両院の姿が変わってくるというのはよく言われることでございます。
これについて、最高裁によって出されているメッセージというのは、私が理解しますには、例えば平成二十四年判決などを見ますと、権限関係に関する説示も組織関係に関する説示も、両方同質的なものになってきているので投票価値の平等の確保を優先しようというふうな論理になっているような気がします。
ただ、実は、この問題と、一方で実は最高裁が持っているかなと思われる、これまで出してきた問題としては、権限関係をめぐる最高裁判決のメッセージというものがあるような気がします。そこに幾つか下線を引いていますように、例えばそれぞれの議院に特色のある機能を発揮させるとか、参議院の性格や機能、衆議院との異同をどうするのか、参議院が果たすべき役割をどうするのかという、実はこういうことを言っております。
実は、こうした観点から、参議院の新たな役割を期待するという声は憲法研究者の中からも出ております。ここに挙げましたのは一つの例ですが、こうした例えば政府、衆議院の政策を監視、統制するような機能を持たせるべきだといった、こういうふうな考え方もございます。
実は、この括弧三番のことをというふうなことではなく、今回の合区問題などを考えるに当たっては参議院の役割論から考える地域を基盤とする代表選出の在り方というのを考えるというふうなことがあり得るかなと思います。
東京大学の宍戸教授などは、やはりこの問題というのは参議院の権限とか意思決定の手続の見直しとセットで行われなければいけないというふうなことをおっしゃっていて、とりわけその権限とか意思決定手続の議論というのですね、それと都道府県制の維持というふうなことを重視しているところがあろうかなと思っております。
最後のページになりますが、そうすると、考えられますのはどういうふうなことかというふうなことなんですが、一つには地方公共団体、とりわけ都道府県を基盤とする制度、何かしら参議院における役割をより積極的に導入するといった方法が考えられるのかなと思います。
宍戸教授の示しているものは両院に関するものだったりしますが、とりわけ参議院で自主的にできる何かをというふうなことというのはあり得ます。他方で、フランスの第五共和制憲法などでは、これは憲法で元老院が地方公共団体の代表としての位置付けを与えられていますので、なかなか日本とすぐには比較はできませんが、こうした権能を与えたりしているというふうなことがございます。
もっとも、なぜ都道府県なのかというふうなことなどを考える必要というのは当然出てくるかなと思います。また、衆議院と地方との関係というふうなことを考えたときに、参議院のみが地方の利益を担うのかというふうなことを当然言われてしまうことがありますので、この辺りを考える必要があろうかなと思います。
大きな四番になりますが、この辺りも本当は重要なんですけど、ちょっと時間になったのであれなんですが、恐らく合区解消には法律レベルでの改革と憲法典レベルでの改革の方法があろうかなと思いますが、法律レベルの改革をしようとすると、結局最高裁からどういうふうなメッセージを受けることになるかというふうなことが課題になります。
他方で、憲法典レベルで改革をしようとすると、現在の憲法の中で選挙事項法定主義を非常に広く認めていることの意義とか、又は都道府県制を必ずしも憲法に書いていないというふうなこととの関係とか、またあるいは地域代表というふうなものを要は積極的に書き込んだ場合に、参議院自体の代表性の意味が変わったりする可能性がある、またあるいは衆参の権限関係をめぐっては、要はこういうふうな代表性を取るんであれば大分もっと変えなきゃいけないんではないかという、そんな議論も出てくるかと思います。
急ぎましたが、私の意見を以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →この度は、このような貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
早速始めさせていただきたいと思います。
初めに、人口少数地域の代表者減少の中で再考する参議院の姿とございますが、もう既に御承知のとおり、参議院の中での代表というのは、非常に小さい県などは代表者が少なくなっているという現状でございます。で、数年前からこの合区というものが導入されたわけですけれども、私は合区というのは非常にいろいろな課題を抱えている問題だと思っております。
早速、一に入らせていただきたいと思います。合区をめぐる問題としては、私が考えていることは、そこに書いてあることがあります。まず一つは、人口少数の隣り合う一部の県、人口少数県のみが対象とされているというふうなことに対しての不公平感や不満感、不安感などがあるのではないかというふうなことがございます。
この点、私などは、実は人口多数の都道府県選挙区に関しての改革提案などはなぜなされていないのかというふうなことに常々逆に疑問を持っております。まあ少数県というのは、人口が少ないがために大きな声を上げてもなかなか国政の大きな話題になりづらいというふうなことが背後にあるのではないかなと思うわけですが、さらに、重要な御指摘として、その合区というふうなものは実は論理的にもちょっと問題があるんではないかというふうなことが京大、京都大学名誉教授の大石眞先生などからお話が出ておるわけです。そこに引用させていただきましたが、仮に隣接する区域や県などに限るとするならば、地域的限定を排除するとしながらそれに依拠した議論をするものであって背理というほかないだろうという厳しい御意見なども出されているところであります。
二番目です。この問題は、人々の土地にまつわる感情というふうなものを非常に軽視されているのではないかと私などは思うところがございます。
実は、都道府県単位という認識しやすい指標によってその選挙区というものが設定されていたわけですが、それの喪失によって全国の地域の人々が政治参加をしているのだという実感それ自体を持ちづらくなっているというふうなことにならないかというふうな問題がございます。
古い文献ですが、宮澤俊義教授が、非常に古い文献ではございますが、人と土地との関係というのはある意味において全人格的であるというふうなことをおっしゃっているところです。ですから、地域を基盤とする選挙区というのは正統化されるのだというふうなことをおっしゃっているところですが、この土地というふうなものとの人格というふうなものとの関係というのを重視した検討が必要ではないかなと思うところでございます。
三番目。都道府県制とは何かというふうなこと、あるいはその憲法上の位置付けの問題がございます。
先ほど、括弧の二番のところでは人の感情の面からお話をしましたが、実は都道府県というふうなものは、それ自体がやはり政治的、行政的単位として重要な位置付けを与えられてきているわけです。仙台高裁の秋田支部の令和元年判決というのは、参議院選挙の一票の較差について議論されたものですが、そこの中では、単に都道府県という心理的一体感の素因として存在するにすぎないものではないということが言われていて、都道府県自体の意味というふうなものが述べられているところでございます。
それを選挙区の中に、選挙区として都道府県をどういうふうな位置付けるのかというふうな問題というのは出てくるところではございますが、しかし、既に長いこと定着している都道府県制というふうなものを選挙制度の中でその重要な考慮要素として位置付けることが重要ではないかなと思っているところでございます。
実は、こうした問題というのは、具体的なその憲法上のどこの条文というふうなことというふうなことよりも、そもそも代表制のあるべき姿とか、人々と政治との間の距離の視点から見た場合の憲法秩序全体に関わる問題がここには登場しているんではないかと私は思っているところでございます。
二番に入りたいと思います。合区導入と最高裁判決の話でございます。
この辺りは既に御案内のことかと思いますので非常に簡潔にお話ししたいと思いますが、実は合区導入前の平成二十四年、平成二十六年判決の辺りで、この一票の較差を厳格にすべきだという、厳格に捉えてそれをきちんと確保すべきだというふうなことで、都道府県の選挙区単位などは憲法上の要請ではないといったものとか、それを選挙の仕組みの合理性を基礎付けるには足りなくなっているといった評価がなされておりました。これによって合区が導入されたわけですが、その後、御承知のとおり、その当時の投票率などが下がったりしたりとか、またあるいは関連団体が合区反対の決議を採るなどというふうなことがあったりしました。
その後、実は平成二十九年判決や令和二年判決などは少しやや揺り戻しがあったのかなというふうなことがあります。揺り戻しといっても、私は釈明というふうなことの言葉を使っていますが、実は、別に、その都道府県を参議院の選挙区単位とすること自体が不合理なものとして許されぬものではないといった言い方とか、また令和二年判決などは、合区の解消を強く望む意見も存在する中でというふうなことを言うというふうなことがございます。この辺りは最高裁も、やはりこうした人々の動向というふうなものを非常に重視したのではないかなと思っているところでございます。
大きな二番に入りたいと思います。
この問題をめぐっては、常々言われてきた憲法上の諸論点というものがあるかなと思います。
まず一つは、一票の価値の平等の議論で投票価値の平等の議論が出てくるかなと思います。
これについては、多くの場合は、投票価値の平等論というのは非常に重要だというふうなことは当然言われているところがあります。ただ、古い文献などを当たると、機会の平等に加えて価値の平等をどこまで入れるのかというふうな問題というのがあるとは言われています。
もっとも、それでも投票価値の平等というのはやっぱり重要な価値であるというふうなことを考えてみたとしても、これを一義的に重視することによって失われる他の利益の喪失みたいなものがないのかというふうなことは考えるべきではないかなと思っております。
また、二番です。全国民代表に関する議論というのは、これも憲法学的には通常二つの側面があるとして議論されています。
一つは、禁止的な規範意味ということで、いわゆる自由委任原則というふうな議論です。もう一つが、積極的規範意味というふうなことで、これは法的に何かというよりも、全国民のために行動することを国会議員に求めるという規範でございます。
実は、この積極的規範意味というふうなことというのは、その地域を基盤とする場合もしない場合も、議員が全国民代表するなら、のために行動するならば、どちらでもよいと言うとあれなんですけど、どちらでもよいというふうな概念として機能することになりますが、ただ、実はこのことというのは、私は、比較的その都市の代表というふうなものが多数になる事態というのが当然見込まれるんではないかなと。つまり、事実上の問題で、全国民代表として振る舞う議員さんというふうな像があるわけですが、しかし、その議員さんも地域で選ばれている以上、やはり人口多数地域の方が多いとなると、都市代表が増えるというふうなことは事実的に出てくるだろうというふうなことがあります。
実は、このような全国民代表論というのは、地域利益というふうなものばかりを考えてはいけないというふうなことで機能してはいたかと思うんですが、では、じゃ、その地域の人々が心配しているのはそこなのかというふうなことになると、私は、実は地域の人々は、議員さんがその全国民のために代表すること自体は否定していなくて、それは否定しないけれども、自分たちの基盤とする地域から人が出せないというふうなことに関しての何か少し弱い地位を与えられているんではないかという不安感みたいなものがあるのではないかなと思います。
実は、この全国民代表の議論をめぐっては、かつて公正かつ効果的な民意の反映というものが最高裁などでも言われてきました。今も言われてはいるんですが、実はこのことが非常に積極的に使われてきたところがあるような気がします。すなわち、それは多角的民意の確保をしようという議論でありました。
私などは、人口や有権者比例からはこぼれ落ちる諸価値を拾い上げる機能として、補完的な意義としてこの問題を捉えておりまして、とりわけ合区というふうなものというのは、こういうふうな本来的には拾われる諸価値のうちの一つの観点からすると、もう少し考えられなければいけない、解消されなければいけないというふうに思っているところがございます。
三番、民主的単一国家における両院制の現代的意義とございます。
両院制の議論をめぐっては、よく二つの観点から消極的な評価がされることがございます。一つは、その政体との関係から民主的単一国家においては不要だとする、もう一つは、両院の権限関係からその両方の、一方が強過ぎても弱過ぎても問題があるという功利的な観点から言われています。
ただし、私は、民主的な単一国家において、じゃ、本当に両院制は不要なのかというと、すなわち常に消極的意義しかないのかと言われますと、いや、そうではないと、現代の国家においては実は非常に意味があるというふうに思っております。とりわけ、ちょっと長くなるので読みませんが、多元的な意味でデモクラシー型の、要は両院制というふうな観点からしますと、実はここに書かれているようなことというのは、要は単に国民の理解、利益というのは単一で利害を共通にするという観念というのは、まあ古典的には重要だったけれども、しかし現在ではいろいろな価値をデモクラシーの中で反映させるんだというふうなことが重視されているんだということがある中で、実は両院制のやっぱり一つの大きな意味は、地域などを基盤とする利益というふうなものをどういうふうに代表者の中に創出していくかというふうなことが重要ではないかと思っているところでございます。
大きな三番に入ります。
参議院の役割論から考えるというふうにございます。
この辺りは、両院の権限関係と組織方法との関係で両院の姿が変わってくるというのはよく言われることでございます。
これについて、最高裁によって出されているメッセージというのは、私が理解しますには、例えば平成二十四年判決などを見ますと、権限関係に関する説示も組織関係に関する説示も、両方同質的なものになってきているので投票価値の平等の確保を優先しようというふうな論理になっているような気がします。
ただ、実は、この問題と、一方で実は最高裁が持っているかなと思われる、これまで出してきた問題としては、権限関係をめぐる最高裁判決のメッセージというものがあるような気がします。そこに幾つか下線を引いていますように、例えばそれぞれの議院に特色のある機能を発揮させるとか、参議院の性格や機能、衆議院との異同をどうするのか、参議院が果たすべき役割をどうするのかという、実はこういうことを言っております。
実は、こうした観点から、参議院の新たな役割を期待するという声は憲法研究者の中からも出ております。ここに挙げましたのは一つの例ですが、こうした例えば政府、衆議院の政策を監視、統制するような機能を持たせるべきだといった、こういうふうな考え方もございます。
実は、この括弧三番のことをというふうなことではなく、今回の合区問題などを考えるに当たっては参議院の役割論から考える地域を基盤とする代表選出の在り方というのを考えるというふうなことがあり得るかなと思います。
東京大学の宍戸教授などは、やはりこの問題というのは参議院の権限とか意思決定の手続の見直しとセットで行われなければいけないというふうなことをおっしゃっていて、とりわけその権限とか意思決定手続の議論というのですね、それと都道府県制の維持というふうなことを重視しているところがあろうかなと思っております。
最後のページになりますが、そうすると、考えられますのはどういうふうなことかというふうなことなんですが、一つには地方公共団体、とりわけ都道府県を基盤とする制度、何かしら参議院における役割をより積極的に導入するといった方法が考えられるのかなと思います。
宍戸教授の示しているものは両院に関するものだったりしますが、とりわけ参議院で自主的にできる何かをというふうなことというのはあり得ます。他方で、フランスの第五共和制憲法などでは、これは憲法で元老院が地方公共団体の代表としての位置付けを与えられていますので、なかなか日本とすぐには比較はできませんが、こうした権能を与えたりしているというふうなことがございます。
もっとも、なぜ都道府県なのかというふうなことなどを考える必要というのは当然出てくるかなと思います。また、衆議院と地方との関係というふうなことを考えたときに、参議院のみが地方の利益を担うのかというふうなことを当然言われてしまうことがありますので、この辺りを考える必要があろうかなと思います。
大きな四番になりますが、この辺りも本当は重要なんですけど、ちょっと時間になったのであれなんですが、恐らく合区解消には法律レベルでの改革と憲法典レベルでの改革の方法があろうかなと思いますが、法律レベルの改革をしようとすると、結局最高裁からどういうふうなメッセージを受けることになるかというふうなことが課題になります。
他方で、憲法典レベルで改革をしようとすると、現在の憲法の中で選挙事項法定主義を非常に広く認めていることの意義とか、又は都道府県制を必ずしも憲法に書いていないというふうなこととの関係とか、またあるいは地域代表というふうなものを要は積極的に書き込んだ場合に、参議院自体の代表性の意味が変わったりする可能性がある、またあるいは衆参の権限関係をめぐっては、要はこういうふうな代表性を取るんであれば大分もっと変えなきゃいけないんではないかという、そんな議論も出てくるかと思います。
急ぎましたが、私の意見を以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
中
上
上田健介#6
○参考人(上田健介君) 上智大学の上田と申します。
本日は、このような機会で意見陳述の機会を与えられましたことに感謝申し上げます。
早速、レジュメに沿いながら意見を申し述べます。
まず、一、合区の評価です。
合区についてですが、二つの角度からの評価ができるかと思います。
一つは、言うまでもなく、投票価値の平等の視点です。合区は、最高裁の平成二十四年、二十六年の判決で、それぞれ一対五・〇〇、一対四・七七という最大較差であった、定数配分規定につき違憲状態の判断が出されたことを受けて、較差を縮小させるために平成二十七年の公職選挙法改正で導入されたものです。合区導入後、最初の平成二十八年の参議院通常選挙で最大較差は一対三・〇八となりました。これにつき、平成二十九年の最高裁判決は合区を都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを改めるこれまでにない手法と評価し、これによって選挙区間の最大較差が上記の程度にまで縮小したこと、さらに、改正法が附則で次回の通常選挙に向けて、選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る旨を定めていることと併せて合憲だと判断しました。
確かに、投票価値の平等の観点だけから見れば、合区をこのように高く評価することは可能だと考えます。しかし、これも先生方御承知のとおり、合区は特に合区対象県の住民を中心に反発を引き起こしました。その一つの表れは、先ほども御指摘ありましたが、合区対象県における投票率の低下です。レジュメに記載しましたとおり、平成二十八年、令和元年の選挙を通じ、合区対象県では、令和元年の高知県を除き、全国平均より上昇率が小さいか、あるいは低下率が大きくなっています。徳島のように二度の選挙を通じて一〇%以上投票率が低下してしまっている例もあります。
これは、合区対象県の住民から見れば、自分たちの県だけ一つの選挙区として扱われず、ないがしろにされているという感情によるものだと推察されます。地域の感情の意義は、つとに新井誠教授が指摘されていますが、これを法的に見ると、合区対象県の住民とそのほかの都道府県の住民との間で法の下の平等に反する事態が生じていると評価することもできます。そして、これをゼロか一かの差だと見れば、自分たちだけが承認されていないという、投票価値の較差以上に深刻な不平等取扱いだということすら言えるかもしれません。
もちろん、このような考えに対しては、合区を導入した時点で全体として都道府県単位の選挙制度ではなくなっているのだから、そのような見方は錯覚にすぎないとの反論が可能です。また、もし今後合区対象県が増えてくれば、ほかの都道府県と異なる取扱いを受けているという感覚は弱まることも予想されます。
しかし、今度は、現在の選挙区の選挙制度はどういう理念でどういう代表者を選出することを意図しているのか、明確な説明ができないのではないかという問題を提示することができます。
二、参議院の選挙制度全体の評価です。
先ほどの疑問は、現在の参議院の選挙制度の比例代表部分、ひいては全体についても言えます。比例代表については、平成三十年の公職選挙法改正でいわゆる特定枠が導入されました。比例代表の一部につき政党等の判断により優先的に当選人となるべき候補者を順位付きで届け出ることができるものです。この仕組みを導入する目的は、提案理由によれば、全国的な支持基盤を有するとは言えないが国政上有為な人材又は民意を媒介する政党がその役割を果たす上で必要な人材が当選しやすくなるようにすることだとされていました。
しかし、国会会議録を読めば、合区対象県のように人口的に少数派ともいうべき条件不利地域の声を国政に届けるような活用を想定しているという趣旨の発言が繰り返されています。また、これに併せて比例区の定数を四増やしていることも合区対象県の議員の救済の意図がにじみ出ています。もし特定枠導入がこの意図に基づくものであるならば、合理的なものとは言えません。
また、提案理由を文字どおり受け取るならば、これは拘束名簿式比例代表の目的と言えます。要するに、特定枠は拘束名簿式比例代表であるわけです。しかし、それならば、非拘束名簿式を取っていた従来の制度に拘束名簿式をはめ込む意味がよく分かりません。非拘束名簿式には、有権者と議員との距離を近づけるプラスの意義がある反面、票の流用という問題点、これが問題かは評価が分かれますが、これも指摘されていました。ここに拘束名簿式をはめ込むことは、問題とも指摘される点をそのままに、プラスの意義を打ち消す効果を持つことになります。
また、特定枠を使うか、どの程度使うかは政党の判断に任されています。政党が拘束名簿式か非拘束名簿式かという選挙制度自体を選択できるわけです。選挙のプレーヤーである政党が選挙のルールを選択できるというのは、比例代表制の導入時に説かれた政党本位の選挙制度という趣旨を超えた特権を政党に与えているように見えます。これがいかなる理由で正当化されるのかも定かでありません。
このように、比例代表の部分についても、現在の選挙制度はどういう理念でどういう代表者を選出することを意図しているのか、きちんとした説明ができないのではないかという疑問を提示できます。
次に、選挙区は、さきに述べたとおり、一都道府県で一選挙区のものと合区のものとが混合しています。他方、これを代表法の観点から見ても、改選ごとに一議席の選挙区と二議席以上の選挙区とがあり、言わば小選挙区制と大選挙区制とが混合しています。このような仕組み、これを全体として見た場合に、参議院にどういう代表者を選出することを意図しているのか、率直に言ってもうよく分からなくなっているという感想です。
歴史を振り返りますと、御承知のとおり、参議院の選挙制度は当初、全国区と選挙区で始まりました。これは、大石和彦教授等の研究によれば、当時の政府や議員の中には、衆議院と構成を異ならしめるため職能代表制を志向する者が多かったものの、総司令部が難色を示したことから、その代替措置として、全国的組織を背景とする各界の有識者や有名な学者、文人等を選出できる制度として全国区を導入し、しかし全議員を全国区で選出するのは初めての仕組みでリスクがあり、また参議院にも地域的要素を入れるべきだとの考えから地方区を加えたものでした。
全国区は、昭和五十七年の公職選挙法改正で拘束名簿式比例代表制に変わりました。その提案理由には、全国区は有権者には候補者選択の負担が重く、また候補者は莫大な費用と労力を要するという問題を解消するとともに、政党が国政において重要な機能を果たすようになっているという認識の下、政党本位の選挙制度に改めるという趣旨が述べられていました。
比例代表制の導入には、無所属を排除する、あるいは良識の府であるべき参議院の党派性を強めてしまうという批判もありました。しかし、何よりその後、衆議院でも政党本位の選挙制度として比例代表制が導入されましたので、その結果、参議院の独自性が見えなくなっています。
他方、選挙区の意義については、一九七〇年代頃から、単なる地域的要素ではなく都道府県代表だという言説が国会審議でも見られるようになり、昭和五十八年の最高裁判決が事実上の都道府県代表と述べたこともあって、いつの間にか都道府県代表であるという認識が定着しています。しかし、実はこの意味は曖昧で、また参議院の実際の働きとの関係も見えません。そして、合区により都道府県代表という説明は破綻してしまったわけです。
これらを全体として見たとき、参議院の選挙制度には端的に合理性がないのではないかという、これはまあ違憲だということを示唆しておられるわけですが、最近の櫻井智章教授の見解に私も共感を覚えます。
三、今後に向けてです。
それでは、どうすればよいかですが、大変難しい問いです。ポイントは二つあると考えます。
一つは、言うまでもなく、参議院の役割をどう考えるかです。大きく分ければ二つの方向性があると思います。
一つは、議院が二つあること自体で直ちに法案審議などを慎重に行えるとして、参議院の役割も衆議院と同じに考えればよいというものです。
もう一つは、衆議院とは別の役割を考える方向です。この場合、衆議院は第一院として国民全体を代表する存在ですので、参議院はこれと異なる形で民意を代表させることになります。
諸外国の例で挙げれば、ア、職能代表と言えるかもしれませんが、多様な職域や業界の代表者、イ、地方公共団体の代表者、あるいは理論的に提案されているものであれば、ウ、年齢別代表などの切り方が考えられます。また、アと重複しますが、エ、経験が豊富で能力や才能のある人々で構成するということも考えられます。
もっとも、これらが憲法四十三条一項の全国民を代表する選挙された議員と抵触しない範囲で実現可能かという点は吟味する必要があります。この全国民の代表の含意については様々な見解、解釈がありますが、私自身は、選ばれた議員と有権者との関係、また議員の政治道徳を説いたもので、選び方については選挙によるべきことを含意するだけではないかと考えています。
もう一つのポイントは、衆議院との権限関係です。
大石眞教授がつとに指摘されるとおり、権限と組織は相関関係にあると考えられます。二院制を取る欧州諸国を見ても、完全に対等の権限を持つイタリアの元老院では人口比例の議席配分が要請されているのに対し、立法では実質的に約一年間の停止的拒否権しか持たないイギリスの貴族院は任命制、同じく立法で意見が一致しない場合には国民議会の議決が優先されるフランスの元老院、これは間接選挙であり、人口比例、厳密な人口比例を論じる以前のやり方を取っています。両院の権限が対等であれば第二院の民主的正統性、すなわち投票価値の平等は強く求められ、非対等であるならばこの要請はかなり弱まるということです。この論理は、日本においても同じだと考えられます。
この点、最高裁の平成二十四年判決からうかがわれる判例法理に立ったとしても、私の読み方ですが、参議院が法案等の審議に際し衆議院の判断に敬譲する態度を示していくならば、投票価値の平等の要請は弱まるのではないかと考えられます。
二つのポイントを併せ考えると、参議院を衆議院と対等で同じ役割を果たすものだという方向に寄せていくならば、その分、投票価値の平等の要請も衆議院と同様に求められることになります。他方、参議院を衆議院とは異なる形で民意を反映させるため、投票価値の平等にこだわらない選挙制度を考えるのであれば、特に立法に関する決定権限を弱めるべきだということになります。
それには憲法改正しなければならないと言われそうですが、今ある権限を抑制的に行使すること、これは憲法上可能です。当の参議院議員の方々が権限を手放すことに抵抗感が強いことは認識していますが、私自身はこの方向に進むのがベストではないかと考えています。
立法の最終決定は、衆議院の判断に従うが、法案審議の中で、あるいは政府統制、行政監視機能、これを強化し拡充して、そういう中で、衆議院では出されないような多様なバックグラウンドを持った立場、利害からの意見、あるいは専門的な知見を国政の議論の場に持ち出し世論を動かして、中長期的に、あるいは、まれには、場合によったら即座にも衆議院、ひいては内閣、政府の考え方を改めさせる、そういう、何というか、補充的な役割、しかし極めて重要な役割を参議院は果たすことが考えられます。私自身はこちらの方向性がよいかというふうに考えております。
以上でございます。拙い意見を御清聴くださり、誠にありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、このような機会で意見陳述の機会を与えられましたことに感謝申し上げます。
早速、レジュメに沿いながら意見を申し述べます。
まず、一、合区の評価です。
合区についてですが、二つの角度からの評価ができるかと思います。
一つは、言うまでもなく、投票価値の平等の視点です。合区は、最高裁の平成二十四年、二十六年の判決で、それぞれ一対五・〇〇、一対四・七七という最大較差であった、定数配分規定につき違憲状態の判断が出されたことを受けて、較差を縮小させるために平成二十七年の公職選挙法改正で導入されたものです。合区導入後、最初の平成二十八年の参議院通常選挙で最大較差は一対三・〇八となりました。これにつき、平成二十九年の最高裁判決は合区を都道府県を各選挙区の単位とする選挙制度の仕組みを改めるこれまでにない手法と評価し、これによって選挙区間の最大較差が上記の程度にまで縮小したこと、さらに、改正法が附則で次回の通常選挙に向けて、選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得る旨を定めていることと併せて合憲だと判断しました。
確かに、投票価値の平等の観点だけから見れば、合区をこのように高く評価することは可能だと考えます。しかし、これも先生方御承知のとおり、合区は特に合区対象県の住民を中心に反発を引き起こしました。その一つの表れは、先ほども御指摘ありましたが、合区対象県における投票率の低下です。レジュメに記載しましたとおり、平成二十八年、令和元年の選挙を通じ、合区対象県では、令和元年の高知県を除き、全国平均より上昇率が小さいか、あるいは低下率が大きくなっています。徳島のように二度の選挙を通じて一〇%以上投票率が低下してしまっている例もあります。
これは、合区対象県の住民から見れば、自分たちの県だけ一つの選挙区として扱われず、ないがしろにされているという感情によるものだと推察されます。地域の感情の意義は、つとに新井誠教授が指摘されていますが、これを法的に見ると、合区対象県の住民とそのほかの都道府県の住民との間で法の下の平等に反する事態が生じていると評価することもできます。そして、これをゼロか一かの差だと見れば、自分たちだけが承認されていないという、投票価値の較差以上に深刻な不平等取扱いだということすら言えるかもしれません。
もちろん、このような考えに対しては、合区を導入した時点で全体として都道府県単位の選挙制度ではなくなっているのだから、そのような見方は錯覚にすぎないとの反論が可能です。また、もし今後合区対象県が増えてくれば、ほかの都道府県と異なる取扱いを受けているという感覚は弱まることも予想されます。
しかし、今度は、現在の選挙区の選挙制度はどういう理念でどういう代表者を選出することを意図しているのか、明確な説明ができないのではないかという問題を提示することができます。
二、参議院の選挙制度全体の評価です。
先ほどの疑問は、現在の参議院の選挙制度の比例代表部分、ひいては全体についても言えます。比例代表については、平成三十年の公職選挙法改正でいわゆる特定枠が導入されました。比例代表の一部につき政党等の判断により優先的に当選人となるべき候補者を順位付きで届け出ることができるものです。この仕組みを導入する目的は、提案理由によれば、全国的な支持基盤を有するとは言えないが国政上有為な人材又は民意を媒介する政党がその役割を果たす上で必要な人材が当選しやすくなるようにすることだとされていました。
しかし、国会会議録を読めば、合区対象県のように人口的に少数派ともいうべき条件不利地域の声を国政に届けるような活用を想定しているという趣旨の発言が繰り返されています。また、これに併せて比例区の定数を四増やしていることも合区対象県の議員の救済の意図がにじみ出ています。もし特定枠導入がこの意図に基づくものであるならば、合理的なものとは言えません。
また、提案理由を文字どおり受け取るならば、これは拘束名簿式比例代表の目的と言えます。要するに、特定枠は拘束名簿式比例代表であるわけです。しかし、それならば、非拘束名簿式を取っていた従来の制度に拘束名簿式をはめ込む意味がよく分かりません。非拘束名簿式には、有権者と議員との距離を近づけるプラスの意義がある反面、票の流用という問題点、これが問題かは評価が分かれますが、これも指摘されていました。ここに拘束名簿式をはめ込むことは、問題とも指摘される点をそのままに、プラスの意義を打ち消す効果を持つことになります。
また、特定枠を使うか、どの程度使うかは政党の判断に任されています。政党が拘束名簿式か非拘束名簿式かという選挙制度自体を選択できるわけです。選挙のプレーヤーである政党が選挙のルールを選択できるというのは、比例代表制の導入時に説かれた政党本位の選挙制度という趣旨を超えた特権を政党に与えているように見えます。これがいかなる理由で正当化されるのかも定かでありません。
このように、比例代表の部分についても、現在の選挙制度はどういう理念でどういう代表者を選出することを意図しているのか、きちんとした説明ができないのではないかという疑問を提示できます。
次に、選挙区は、さきに述べたとおり、一都道府県で一選挙区のものと合区のものとが混合しています。他方、これを代表法の観点から見ても、改選ごとに一議席の選挙区と二議席以上の選挙区とがあり、言わば小選挙区制と大選挙区制とが混合しています。このような仕組み、これを全体として見た場合に、参議院にどういう代表者を選出することを意図しているのか、率直に言ってもうよく分からなくなっているという感想です。
歴史を振り返りますと、御承知のとおり、参議院の選挙制度は当初、全国区と選挙区で始まりました。これは、大石和彦教授等の研究によれば、当時の政府や議員の中には、衆議院と構成を異ならしめるため職能代表制を志向する者が多かったものの、総司令部が難色を示したことから、その代替措置として、全国的組織を背景とする各界の有識者や有名な学者、文人等を選出できる制度として全国区を導入し、しかし全議員を全国区で選出するのは初めての仕組みでリスクがあり、また参議院にも地域的要素を入れるべきだとの考えから地方区を加えたものでした。
全国区は、昭和五十七年の公職選挙法改正で拘束名簿式比例代表制に変わりました。その提案理由には、全国区は有権者には候補者選択の負担が重く、また候補者は莫大な費用と労力を要するという問題を解消するとともに、政党が国政において重要な機能を果たすようになっているという認識の下、政党本位の選挙制度に改めるという趣旨が述べられていました。
比例代表制の導入には、無所属を排除する、あるいは良識の府であるべき参議院の党派性を強めてしまうという批判もありました。しかし、何よりその後、衆議院でも政党本位の選挙制度として比例代表制が導入されましたので、その結果、参議院の独自性が見えなくなっています。
他方、選挙区の意義については、一九七〇年代頃から、単なる地域的要素ではなく都道府県代表だという言説が国会審議でも見られるようになり、昭和五十八年の最高裁判決が事実上の都道府県代表と述べたこともあって、いつの間にか都道府県代表であるという認識が定着しています。しかし、実はこの意味は曖昧で、また参議院の実際の働きとの関係も見えません。そして、合区により都道府県代表という説明は破綻してしまったわけです。
これらを全体として見たとき、参議院の選挙制度には端的に合理性がないのではないかという、これはまあ違憲だということを示唆しておられるわけですが、最近の櫻井智章教授の見解に私も共感を覚えます。
三、今後に向けてです。
それでは、どうすればよいかですが、大変難しい問いです。ポイントは二つあると考えます。
一つは、言うまでもなく、参議院の役割をどう考えるかです。大きく分ければ二つの方向性があると思います。
一つは、議院が二つあること自体で直ちに法案審議などを慎重に行えるとして、参議院の役割も衆議院と同じに考えればよいというものです。
もう一つは、衆議院とは別の役割を考える方向です。この場合、衆議院は第一院として国民全体を代表する存在ですので、参議院はこれと異なる形で民意を代表させることになります。
諸外国の例で挙げれば、ア、職能代表と言えるかもしれませんが、多様な職域や業界の代表者、イ、地方公共団体の代表者、あるいは理論的に提案されているものであれば、ウ、年齢別代表などの切り方が考えられます。また、アと重複しますが、エ、経験が豊富で能力や才能のある人々で構成するということも考えられます。
もっとも、これらが憲法四十三条一項の全国民を代表する選挙された議員と抵触しない範囲で実現可能かという点は吟味する必要があります。この全国民の代表の含意については様々な見解、解釈がありますが、私自身は、選ばれた議員と有権者との関係、また議員の政治道徳を説いたもので、選び方については選挙によるべきことを含意するだけではないかと考えています。
もう一つのポイントは、衆議院との権限関係です。
大石眞教授がつとに指摘されるとおり、権限と組織は相関関係にあると考えられます。二院制を取る欧州諸国を見ても、完全に対等の権限を持つイタリアの元老院では人口比例の議席配分が要請されているのに対し、立法では実質的に約一年間の停止的拒否権しか持たないイギリスの貴族院は任命制、同じく立法で意見が一致しない場合には国民議会の議決が優先されるフランスの元老院、これは間接選挙であり、人口比例、厳密な人口比例を論じる以前のやり方を取っています。両院の権限が対等であれば第二院の民主的正統性、すなわち投票価値の平等は強く求められ、非対等であるならばこの要請はかなり弱まるということです。この論理は、日本においても同じだと考えられます。
この点、最高裁の平成二十四年判決からうかがわれる判例法理に立ったとしても、私の読み方ですが、参議院が法案等の審議に際し衆議院の判断に敬譲する態度を示していくならば、投票価値の平等の要請は弱まるのではないかと考えられます。
二つのポイントを併せ考えると、参議院を衆議院と対等で同じ役割を果たすものだという方向に寄せていくならば、その分、投票価値の平等の要請も衆議院と同様に求められることになります。他方、参議院を衆議院とは異なる形で民意を反映させるため、投票価値の平等にこだわらない選挙制度を考えるのであれば、特に立法に関する決定権限を弱めるべきだということになります。
それには憲法改正しなければならないと言われそうですが、今ある権限を抑制的に行使すること、これは憲法上可能です。当の参議院議員の方々が権限を手放すことに抵抗感が強いことは認識していますが、私自身はこの方向に進むのがベストではないかと考えています。
立法の最終決定は、衆議院の判断に従うが、法案審議の中で、あるいは政府統制、行政監視機能、これを強化し拡充して、そういう中で、衆議院では出されないような多様なバックグラウンドを持った立場、利害からの意見、あるいは専門的な知見を国政の議論の場に持ち出し世論を動かして、中長期的に、あるいは、まれには、場合によったら即座にも衆議院、ひいては内閣、政府の考え方を改めさせる、そういう、何というか、補充的な役割、しかし極めて重要な役割を参議院は果たすことが考えられます。私自身はこちらの方向性がよいかというふうに考えております。
以上でございます。拙い意見を御清聴くださり、誠にありがとうございました。
中
中川雅治#7
○会長(中川雅治君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言をお願いします。
なお、質疑が終わった方は、氏名標を横にお戻しください。
参考人の方々におかれましては、答弁の際、挙手の上、会長の指名を受けた後、御発言を願います。
それでは、質疑のある方は、二巡目以降の質疑を希望される方も含め、氏名標をお立てください。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一回の質疑時間は答弁及び追加質問を含め八分以内といたします。
岡田広君。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言をお願いします。
なお、質疑が終わった方は、氏名標を横にお戻しください。
参考人の方々におかれましては、答弁の際、挙手の上、会長の指名を受けた後、御発言を願います。
それでは、質疑のある方は、二巡目以降の質疑を希望される方も含め、氏名標をお立てください。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一回の質疑時間は答弁及び追加質問を含め八分以内といたします。
岡田広君。
岡
岡田広#8
○岡田広君 自民党の岡田広です。
新井参考人、上田参考人から大変貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。限られた時間ですので、答弁は簡潔にお願いをしたいと思います。
まず、地方自治について、両参考人について、伺います。
憲法の地方自治の規定は、現行憲法では非常に簡潔です。僅か四条で、そのうち法律に委ねるなどとされているところが五か所となっています。特に、憲法第九十二条には、単に地方自治の本旨と規定するだけで、住民自治と団体自治は解釈によっています。
地域の自主性を尊重し、生き生きとした地域社会を実現するためには、地方自治に関する憲法の規定をより具体的で充実したものにすることが検討されるべきと考えます。
同時に、地方創生の取組を加速させることによって日本全体の活力を上げていく必要性が高まっている今日、人口減少が急速に進む地方の声こそが、より国政に反映させる必要があり、全国知事会を始めとする地方六団体等、地方より解消を求める声が高まっている合区の解消が不可欠であると考えています。
そこで、現在の憲法における地方自治の規定について、地方自治の充実という観点からどのようにあるべきとお考えか、お尋ねをしたいと思います。
この発言だけを見る →新井参考人、上田参考人から大変貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。限られた時間ですので、答弁は簡潔にお願いをしたいと思います。
まず、地方自治について、両参考人について、伺います。
憲法の地方自治の規定は、現行憲法では非常に簡潔です。僅か四条で、そのうち法律に委ねるなどとされているところが五か所となっています。特に、憲法第九十二条には、単に地方自治の本旨と規定するだけで、住民自治と団体自治は解釈によっています。
地域の自主性を尊重し、生き生きとした地域社会を実現するためには、地方自治に関する憲法の規定をより具体的で充実したものにすることが検討されるべきと考えます。
同時に、地方創生の取組を加速させることによって日本全体の活力を上げていく必要性が高まっている今日、人口減少が急速に進む地方の声こそが、より国政に反映させる必要があり、全国知事会を始めとする地方六団体等、地方より解消を求める声が高まっている合区の解消が不可欠であると考えています。
そこで、現在の憲法における地方自治の規定について、地方自治の充実という観点からどのようにあるべきとお考えか、お尋ねをしたいと思います。
新
新井誠#9
○参考人(新井誠君) ありがとうございました。
地方自治の規定に関しては非常に少ないというのは、そのとおりかなと思うところでございます。ただし、非常にその本旨の部分などの解釈というのはほぼ固まっているかなというふうなところはございます。
また、一つあるとすれば、都道府県というふうなものをどう位置付けるかといったことをより明確にするというふうなことなどがあるのかもしれないんですが、ただ、そこ自体をいじっても、合区というふうなものが解消されるかどうかというのは、ちょっと私としても別問題なのかなと思っております。
もちろん、今の実は憲法の規定ですと、地方自治に関して非常に法律にいろいろ委ねていて、様々な多様な地方自治の在り方が検討できるような気がしますので、私は、そこの規定はそのままでも、非常に多様な地方自治の形ができるのではないかというふうなことを今のところ考えております。
まあ、それとはまた切り離して、合区問題はきちんと解消していかなければいけないかなと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →地方自治の規定に関しては非常に少ないというのは、そのとおりかなと思うところでございます。ただし、非常にその本旨の部分などの解釈というのはほぼ固まっているかなというふうなところはございます。
また、一つあるとすれば、都道府県というふうなものをどう位置付けるかといったことをより明確にするというふうなことなどがあるのかもしれないんですが、ただ、そこ自体をいじっても、合区というふうなものが解消されるかどうかというのは、ちょっと私としても別問題なのかなと思っております。
もちろん、今の実は憲法の規定ですと、地方自治に関して非常に法律にいろいろ委ねていて、様々な多様な地方自治の在り方が検討できるような気がしますので、私は、そこの規定はそのままでも、非常に多様な地方自治の形ができるのではないかというふうなことを今のところ考えております。
まあ、それとはまた切り離して、合区問題はきちんと解消していかなければいけないかなと思っております。
以上です。
上
上田健介#10
○参考人(上田健介君) 私も、都道府県の在り方をどうするかというのが恐らく合区との関係では重要になると思いますので、都道府県の位置付けについて議論を深める、その中で参議院との結び付きについて検討する、そういうことは中身を検討することはあり得るかと思いますが、法律でやはり、法律を定めることによってかなりそれは実質的論点できると思いますので、直ちにこの八章に何かを、具体的に何かを加えるべきだとかということは、ちょっと今現在は私は思い付きません。
以上でございます。
この発言だけを見る →以上でございます。
岡
岡田広#11
○岡田広君 都道府県の位置付け、在り方について両参考人から御発言がありました。
ただ、合区の導入後の参議院選挙の二回の投票率を見ると、合区対象県では更に投票率の低下傾向や無効票の増加といった結果でした。投票価値の平等を唯一絶対として追求すれば、選挙制度は国民の生活実感から遠ざかって、また政治からの疎外感が強まっていくこととなり、その結果投票率は下がり、国民を民主主義から遠ざけてしまうことにならないかと懸念をしています。
最高裁判決は、各選挙区の区域を定めるに当たり、都道府県という単位を用いること自体を不合理なものとして許されないとしたものではないとしています。
そこで、最高裁が求める投票価値の平等を求めていく過程で都道府県の重みをどう考慮すべきか、あるいは考慮できるとお考えか、これは上田参考人にお尋ねしたいと思います。
この発言だけを見る →ただ、合区の導入後の参議院選挙の二回の投票率を見ると、合区対象県では更に投票率の低下傾向や無効票の増加といった結果でした。投票価値の平等を唯一絶対として追求すれば、選挙制度は国民の生活実感から遠ざかって、また政治からの疎外感が強まっていくこととなり、その結果投票率は下がり、国民を民主主義から遠ざけてしまうことにならないかと懸念をしています。
最高裁判決は、各選挙区の区域を定めるに当たり、都道府県という単位を用いること自体を不合理なものとして許されないとしたものではないとしています。
そこで、最高裁が求める投票価値の平等を求めていく過程で都道府県の重みをどう考慮すべきか、あるいは考慮できるとお考えか、これは上田参考人にお尋ねしたいと思います。
上
上田健介#12
○参考人(上田健介君) 私は、都道府県というのは考慮に値するというふうに考えます。
確かに、都道府県は憲法の規定には書かれていないわけですけれども、もちろん今でも地方公共団体の一つなわけですし、現に重要な役割を果たしておりますので、もちろん最高裁の論でいくと憲法上の要請ではないじゃないかということを述べているんですけれども、そこまで強いものではないにしても、最高裁の基本的な考えも投票価値の平等というのは唯一絶対であるとまでは断言していないわけでして、その中で考慮し得る事項であるというふうに考えます。
この発言だけを見る →確かに、都道府県は憲法の規定には書かれていないわけですけれども、もちろん今でも地方公共団体の一つなわけですし、現に重要な役割を果たしておりますので、もちろん最高裁の論でいくと憲法上の要請ではないじゃないかということを述べているんですけれども、そこまで強いものではないにしても、最高裁の基本的な考えも投票価値の平等というのは唯一絶対であるとまでは断言していないわけでして、その中で考慮し得る事項であるというふうに考えます。
岡
岡田広#13
○岡田広君 ありがとうございました。
地域の意思を国政に反映させる機能の強化について、最後に両参考人の御意見を伺います。
自民党は、憲法改正を行う際の最重要事項四項目の一つにこの合区解消を掲げ、抜本的解消のためにメーンとして考えているわけでありますが、参議院の権限を弱めるのではなく、地域の意思を国政に反映させる機能を強化するといった方向性で参議院改革を進め、二院制の意義を高めていくことにより、法改正で投票価値の平等と都道府県単位を選挙区とする選挙制度を両立させることは可能という考え方についてどうお考えか、お伺いいたします。
この発言だけを見る →地域の意思を国政に反映させる機能の強化について、最後に両参考人の御意見を伺います。
自民党は、憲法改正を行う際の最重要事項四項目の一つにこの合区解消を掲げ、抜本的解消のためにメーンとして考えているわけでありますが、参議院の権限を弱めるのではなく、地域の意思を国政に反映させる機能を強化するといった方向性で参議院改革を進め、二院制の意義を高めていくことにより、法改正で投票価値の平等と都道府県単位を選挙区とする選挙制度を両立させることは可能という考え方についてどうお考えか、お伺いいたします。
新
新井誠#14
○参考人(新井誠君) ありがとうございました。
私は、その点に関して、従来から、投票価値の平等というふうなことからこぼれ落ちる利益を、その確保をすべきだというふうなことを考えているところでございます。
問題は、最高裁がどういうふうなメッセージを発するかというふうなことになってくる、もし現状のままであればというふうなことがあります。他方で、憲法改正などによってこれを強く制度化しようとするならば、そのときには必ず実はその権限関係に関する強さ弱さの問題が出てくるような気がしております。
私は、今考えておりますのは、現在の最高裁の論理においても、参議院の役割というふうなものをきちんと制度化するというふうなことによれば、現在の最高裁のメッセージからも、これは権限が強いか弱いかという問題というよりも、参議院は強い権限は、私は、あったとしてもなお、しかし、それは違う別の意味をきちんと与えるというふうなことを非常にメッセージとして出していけば、ああ、これは権限関係というか役割が違うんだというふうなことを受けて、最高裁などもこれは役割が違うんだというふうなことを見てくれるのではないかと、そんな推察をしております。
以上です。
この発言だけを見る →私は、その点に関して、従来から、投票価値の平等というふうなことからこぼれ落ちる利益を、その確保をすべきだというふうなことを考えているところでございます。
問題は、最高裁がどういうふうなメッセージを発するかというふうなことになってくる、もし現状のままであればというふうなことがあります。他方で、憲法改正などによってこれを強く制度化しようとするならば、そのときには必ず実はその権限関係に関する強さ弱さの問題が出てくるような気がしております。
私は、今考えておりますのは、現在の最高裁の論理においても、参議院の役割というふうなものをきちんと制度化するというふうなことによれば、現在の最高裁のメッセージからも、これは権限が強いか弱いかという問題というよりも、参議院は強い権限は、私は、あったとしてもなお、しかし、それは違う別の意味をきちんと与えるというふうなことを非常にメッセージとして出していけば、ああ、これは権限関係というか役割が違うんだというふうなことを受けて、最高裁などもこれは役割が違うんだというふうなことを見てくれるのではないかと、そんな推察をしております。
以上です。
上
上田健介#15
○参考人(上田健介君) 私自身の考えとしては、元々この最高裁の平成二十四年判決というのはちょっと強く言い過ぎなのではないかと、これは私自身の考えです。
ただ、現に最高裁がそのようにもう判例として言っておりますので、それを前提に考えるならばどうかということでありますと、これ、新井参考人とほぼ同じ意見になるんですけれども、平成二十四年判決の論理でも、要するに三つのことが要素として挙がっているわけです。つまり、参議院というのは衆議院とほぼ等しい権限ないしは役割というのが強まっている。二つ目、同質的な、衆参両議院で同じような選挙制度を取っている。で、衆議院では二倍というふうに自ら法律を定めている。
だから、この三つを掛け合わせると、参議院も同じように要請されるんじゃないかというのが最高裁の論理ですので、それからすれば、結局、参議院の役割というのがやはり衆議院とは違う独自のものなんだ、そこでもし、都道府県との結び付きというか都道府県のやはり反映というのがあるんだ、あるいは、関連しますけれども、選挙制度の仕組み自体がやはり衆議院とは違う、そういう独特のものを持っているんだ、そういう方向で改革というのを進めていけば、最高裁の今の判例法理にのっとってもまた違う、何というか、結論というのが出るんじゃないかというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →ただ、現に最高裁がそのようにもう判例として言っておりますので、それを前提に考えるならばどうかということでありますと、これ、新井参考人とほぼ同じ意見になるんですけれども、平成二十四年判決の論理でも、要するに三つのことが要素として挙がっているわけです。つまり、参議院というのは衆議院とほぼ等しい権限ないしは役割というのが強まっている。二つ目、同質的な、衆参両議院で同じような選挙制度を取っている。で、衆議院では二倍というふうに自ら法律を定めている。
だから、この三つを掛け合わせると、参議院も同じように要請されるんじゃないかというのが最高裁の論理ですので、それからすれば、結局、参議院の役割というのがやはり衆議院とは違う独自のものなんだ、そこでもし、都道府県との結び付きというか都道府県のやはり反映というのがあるんだ、あるいは、関連しますけれども、選挙制度の仕組み自体がやはり衆議院とは違う、そういう独特のものを持っているんだ、そういう方向で改革というのを進めていけば、最高裁の今の判例法理にのっとってもまた違う、何というか、結論というのが出るんじゃないかというふうに考えております。
以上です。
岡
中
小
小西洋之#18
○小西洋之君 両先生におかれましては、お忙しい中に我が審査会にお越しいただきましたこと、まず心より御礼を申し上げます。
今、自民党の岡田先生からの最後の御質問で、両参考人の先生方が、歴代のこの最高裁判決の基本的な考え方、法理を踏まえたときに、我が参議院が、衆議院も含めて、国会全体で参議院の二院制の中の独自の役割、機能、それをまず考えて、それを果たすための制度改革、具体的には国会法を変えて参議院に新たな委員会の設置などの機能を付加する、それを、機能を発揮あらせるために都道府県選出の国会議員がこれはどうしても論理的に必要であるということをきちんと国民に対して説明ができ、現にそうした新しくつくった機能を、委員会の下で立法活動や行政監視活動などを行っていくことができれば、端的に言えば違憲判決というものはなかなか想定し難いのではないか、そのようなお考えでよろしいか、まず両参考人に端的にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今、自民党の岡田先生からの最後の御質問で、両参考人の先生方が、歴代のこの最高裁判決の基本的な考え方、法理を踏まえたときに、我が参議院が、衆議院も含めて、国会全体で参議院の二院制の中の独自の役割、機能、それをまず考えて、それを果たすための制度改革、具体的には国会法を変えて参議院に新たな委員会の設置などの機能を付加する、それを、機能を発揮あらせるために都道府県選出の国会議員がこれはどうしても論理的に必要であるということをきちんと国民に対して説明ができ、現にそうした新しくつくった機能を、委員会の下で立法活動や行政監視活動などを行っていくことができれば、端的に言えば違憲判決というものはなかなか想定し難いのではないか、そのようなお考えでよろしいか、まず両参考人に端的にお伺いしたいと思います。
新
新井誠#19
○参考人(新井誠君) 新井でございます。
ありがとうございます。
今いただいた御意見、そのとおりではないかなと私は思っているところがございます。
非常にやっぱり都道府県というふうなものが重要な機能を有していますし、またそこから、その枠組みから選ばれた参議院議員さんが県とのパイプ役となってというふうなことも重要ですし、また参議院自体がその都道府県を単位とする国の在り方みたいなことについてきちんと向き合う、まあ当然今でも向き合っていらっしゃるんでしょうが、更なる制度をつくってそこの中で動いていくという強いメッセージを発することによって参議院の論理の中にそのことが組み込まれていくのではないかなと私は思います。
以上です。
この発言だけを見る →ありがとうございます。
今いただいた御意見、そのとおりではないかなと私は思っているところがございます。
非常にやっぱり都道府県というふうなものが重要な機能を有していますし、またそこから、その枠組みから選ばれた参議院議員さんが県とのパイプ役となってというふうなことも重要ですし、また参議院自体がその都道府県を単位とする国の在り方みたいなことについてきちんと向き合う、まあ当然今でも向き合っていらっしゃるんでしょうが、更なる制度をつくってそこの中で動いていくという強いメッセージを発することによって参議院の論理の中にそのことが組み込まれていくのではないかなと私は思います。
以上です。
上
上田健介#20
○参考人(上田健介君) ありがとうございます。
私、先ほど申し上げたとおりでして、今先生おっしゃったとおりだというふうに思います。
ただ、一点注意がございまして、地域的な代表という意味では、衆議院もやはり地域的な、地域で選出されていますので、地域的な代表なんですね。だから、専ら参議院だけが何かその地域を代表しているわけでは私はないと思いますので、そこで殊更に、参議院が、いや、やはり都道府県代表なんだというふうにおっしゃられるんであれば、やっぱり何か実際の権限ですとか、先ほどの行政監視の役割だとか、そういう中で、やはり都道府県というのとの結び付きというか、そこを何か強く意識をして打ち出していただく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →私、先ほど申し上げたとおりでして、今先生おっしゃったとおりだというふうに思います。
ただ、一点注意がございまして、地域的な代表という意味では、衆議院もやはり地域的な、地域で選出されていますので、地域的な代表なんですね。だから、専ら参議院だけが何かその地域を代表しているわけでは私はないと思いますので、そこで殊更に、参議院が、いや、やはり都道府県代表なんだというふうにおっしゃられるんであれば、やっぱり何か実際の権限ですとか、先ほどの行政監視の役割だとか、そういう中で、やはり都道府県というのとの結び付きというか、そこを何か強く意識をして打ち出していただく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
以上です。
小
小西洋之#21
○小西洋之君 ありがとうございました。
実は、我が会派は先ほど申し上げたような考え方に基づいてこの合区を廃止すべきであるというような見解を議長の改革協などでも発言を実はしているところなんでございますけれども、ちょっと具体的に、では、この参議院としてどういう機能が考えられるかということについて、考えるところを御質問させていただきたいと思います。
私も千葉選挙区選出の、県選出の参議院議員なんですが、衆議院の先生方、同僚、また石井先生を始め与党の先生方ともいろいろ活動させていただいているところであるんですけれども、今、日本で選ばれている国会議員の中で、全県を単位として、全県的な、率直に言うと、このシェアを持てる議員というのは県選出の参議院議員だけではないかというふうに思います。
今のこの地域、地方の問題なんですが、先生方も御存じのとおり、世界的にも例がないような高齢化、また人口減、そのことによって住民の生活環境あるいはそれを支えるこの行政サービス、市町村でも物すごいこの行政サービスの格差などが広がっております。こうした問題は、もちろん小選挙区、衆議院ですね、市町村の集まりを単位とする選挙区の先生方にも衆議院でも大いに議論していただくんですが、やはり参議院としてこうした問題について、県選出の議員を唯一擁する、それが全国比例の先生方と協働してこの地方の問題を取り組んでいく、そうしたことが一つの機能。
もう一つは、これ参議院議員としての実感なんですけれども、我々が作っている、国会で作っている法律のほとんど全ては県や市町村に実施をしてもらうことになります。そうすると、やはりどうしても県単位の行政の、法律、国会で作った法律を住民サービスに届ける自治体の機能、役割といったもの、例えば行政計画にPDCAサイクルあるいはロジックモデルというようなものを近年投入する、まあ私も自分自身の立法で医療法の世界にロジックモデルを投入したりいろんなことをやっているんですが、そうした行政の在り方、地方の行政の在り方を横断的に見て機能化あらしめるあるいは高めていく、そうしたようなことを議論するのも参議院の役割。
最後、一つ、災害対策でございますが、全県に及ぶような災害のときに、国の役割、自衛隊の出動を調整するですとか、私、そういうのはやはり参議院議員でなければなかなかできない。であれば、そういう参議院議員が集まってこの災害対策の在り方について国会でしっかりと委員会で議論して法律を改正したりあるいは必要な行政の取組を行う。
このようなこの三つの観点などをそれぞれ両参考人、参議院が担うべき機能としてどのようにお考えになりますでしょうか。また、それと合区の廃止の関係についてお願いをいたします。
この発言だけを見る →実は、我が会派は先ほど申し上げたような考え方に基づいてこの合区を廃止すべきであるというような見解を議長の改革協などでも発言を実はしているところなんでございますけれども、ちょっと具体的に、では、この参議院としてどういう機能が考えられるかということについて、考えるところを御質問させていただきたいと思います。
私も千葉選挙区選出の、県選出の参議院議員なんですが、衆議院の先生方、同僚、また石井先生を始め与党の先生方ともいろいろ活動させていただいているところであるんですけれども、今、日本で選ばれている国会議員の中で、全県を単位として、全県的な、率直に言うと、このシェアを持てる議員というのは県選出の参議院議員だけではないかというふうに思います。
今のこの地域、地方の問題なんですが、先生方も御存じのとおり、世界的にも例がないような高齢化、また人口減、そのことによって住民の生活環境あるいはそれを支えるこの行政サービス、市町村でも物すごいこの行政サービスの格差などが広がっております。こうした問題は、もちろん小選挙区、衆議院ですね、市町村の集まりを単位とする選挙区の先生方にも衆議院でも大いに議論していただくんですが、やはり参議院としてこうした問題について、県選出の議員を唯一擁する、それが全国比例の先生方と協働してこの地方の問題を取り組んでいく、そうしたことが一つの機能。
もう一つは、これ参議院議員としての実感なんですけれども、我々が作っている、国会で作っている法律のほとんど全ては県や市町村に実施をしてもらうことになります。そうすると、やはりどうしても県単位の行政の、法律、国会で作った法律を住民サービスに届ける自治体の機能、役割といったもの、例えば行政計画にPDCAサイクルあるいはロジックモデルというようなものを近年投入する、まあ私も自分自身の立法で医療法の世界にロジックモデルを投入したりいろんなことをやっているんですが、そうした行政の在り方、地方の行政の在り方を横断的に見て機能化あらしめるあるいは高めていく、そうしたようなことを議論するのも参議院の役割。
最後、一つ、災害対策でございますが、全県に及ぶような災害のときに、国の役割、自衛隊の出動を調整するですとか、私、そういうのはやはり参議院議員でなければなかなかできない。であれば、そういう参議院議員が集まってこの災害対策の在り方について国会でしっかりと委員会で議論して法律を改正したりあるいは必要な行政の取組を行う。
このようなこの三つの観点などをそれぞれ両参考人、参議院が担うべき機能としてどのようにお考えになりますでしょうか。また、それと合区の廃止の関係についてお願いをいたします。
新
新井誠#22
○参考人(新井誠君) ありがとうございました。
お話の件、私も非常に重要だなと思っております。都道府県枠で選ばれているというふうなことはその参議院議員の都道府県選挙区からの人たちだけだというふうな、これは非常に説得力あるのかなと思うところでございます。
他方で、先ほど上田参考人がおっしゃったように、衆議院もですね、また地域、まあ県単位ではないかもしれませんが、より小さい選挙区内から選ばれていて、また地域の選出というふうなことに非常に大きな意味を持っているかなと思うところなんですが、ただ、私が思うには、別に全国民代表であるというふうなこの性質を崩さないままに、やはり参議院がより積極的にその都道府県制というふうなものの担い手としての役割を自ら全国民代表という枠に、出ない範囲でつくっていくというふうなことはとても意味があることではないかなと思っているところでございます。
憲法の規定というのは比較的抽象的なところもあったりして、その解釈を歴史的な解釈に委ねられているところはありますが、実はそのままでも、各国において実は実際に上院がやっている役割をそのまま変えていくというふうなことというのは見られたりするわけですから、まあやはりそれは積極的な役割を果たすんだというふうなことが求められているというか、それを是非やっていただくというふうなことが重要になるのではないかなと私は思っております。
以上です。
この発言だけを見る →お話の件、私も非常に重要だなと思っております。都道府県枠で選ばれているというふうなことはその参議院議員の都道府県選挙区からの人たちだけだというふうな、これは非常に説得力あるのかなと思うところでございます。
他方で、先ほど上田参考人がおっしゃったように、衆議院もですね、また地域、まあ県単位ではないかもしれませんが、より小さい選挙区内から選ばれていて、また地域の選出というふうなことに非常に大きな意味を持っているかなと思うところなんですが、ただ、私が思うには、別に全国民代表であるというふうなこの性質を崩さないままに、やはり参議院がより積極的にその都道府県制というふうなものの担い手としての役割を自ら全国民代表という枠に、出ない範囲でつくっていくというふうなことはとても意味があることではないかなと思っているところでございます。
憲法の規定というのは比較的抽象的なところもあったりして、その解釈を歴史的な解釈に委ねられているところはありますが、実はそのままでも、各国において実は実際に上院がやっている役割をそのまま変えていくというふうなことというのは見られたりするわけですから、まあやはりそれは積極的な役割を果たすんだというふうなことが求められているというか、それを是非やっていただくというふうなことが重要になるのではないかなと私は思っております。
以上です。
上
上田健介#23
○参考人(上田健介君) 三点全てにちょっとお答えはできないんですけれども、最後の災害対策の関係で申し上げれば、この二年間の例えばコロナの対応というのは、法制上の仕組みもあって、都道府県の権限が非常に重要であるということになっております。
例えば、参議院の役割、都道府県との結び付きということなのであれば、例えばこの間のコロナ対策の都道府県の取組に対して、行政監視というか、国も含めてその結び付きとかその連携はどうだったのかとか、そういうことについて検証をなさるだとか、そういうことは参議院が都道府県代表だとおっしゃるんだったら一つ考えられるのかなというふうに思います。
ただ、前から少しこれも疑問なのは、今の話に重ねて申し上げれば、都道府県の一番代表者って誰ですかと聞かれたら、やっぱり知事をぱっと連想するんですね。これは私だけかもしれませんが、もしかするとそういう方多いんじゃないかと思います。
そうであれば、やはり参議院が、いや、参議院議員というのは都道府県を代表しているんですよということであれば、知事とのすみ分けというか、その関係というか、そこら辺も何というか、意識をされて考えられたらよいんじゃないかなというふうに考えます。
以上です。
この発言だけを見る →例えば、参議院の役割、都道府県との結び付きということなのであれば、例えばこの間のコロナ対策の都道府県の取組に対して、行政監視というか、国も含めてその結び付きとかその連携はどうだったのかとか、そういうことについて検証をなさるだとか、そういうことは参議院が都道府県代表だとおっしゃるんだったら一つ考えられるのかなというふうに思います。
ただ、前から少しこれも疑問なのは、今の話に重ねて申し上げれば、都道府県の一番代表者って誰ですかと聞かれたら、やっぱり知事をぱっと連想するんですね。これは私だけかもしれませんが、もしかするとそういう方多いんじゃないかと思います。
そうであれば、やはり参議院が、いや、参議院議員というのは都道府県を代表しているんですよということであれば、知事とのすみ分けというか、その関係というか、そこら辺も何というか、意識をされて考えられたらよいんじゃないかなというふうに考えます。
以上です。
小
中
西
西田実仁#26
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今日は、両先生、大変にお忙しいところ、ありがとうございました。
まず、新井参考人にお聞きしたいと思います。
レジュメにございますように、平成二十四年判決、二十六年判決と、平成二十九年判決、令和二年判決をお比べになられて、合区導入に関する最高裁判決が揺り戻し、あるいは先生の言葉で言えば釈明というふうに言われています。
しかし、私は、釈明というよりも、その平成二十九年、令和二年最高裁の判決では、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えずと言いつつ、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいてということを言っている、調和ということを言っているんであって、決して揺り戻しということではないんじゃないか。
そして、先生にお聞きしたいのは、この令和二年の最高裁判決で言及されている、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大せずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることの必要性、これについてどのように説明をされるんでしょうか。
この発言だけを見る →今日は、両先生、大変にお忙しいところ、ありがとうございました。
まず、新井参考人にお聞きしたいと思います。
レジュメにございますように、平成二十四年判決、二十六年判決と、平成二十九年判決、令和二年判決をお比べになられて、合区導入に関する最高裁判決が揺り戻し、あるいは先生の言葉で言えば釈明というふうに言われています。
しかし、私は、釈明というよりも、その平成二十九年、令和二年最高裁の判決では、都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとは言えずと言いつつ、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいてということを言っている、調和ということを言っているんであって、決して揺り戻しということではないんじゃないか。
そして、先生にお聞きしたいのは、この令和二年の最高裁判決で言及されている、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大せずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることの必要性、これについてどのように説明をされるんでしょうか。
新
新井誠#27
○参考人(新井誠君) ありがとうございます。非常に重要な御指摘かと思います。
私自身は、実はこの両判決の分析の仕方については、今おっしゃるような分析をされる方々も憲法学者の中でも多いかなと思っております。他方で、私は、やはりそれでもなお温度差が大分あるかなというふうに思っているところでございます。
すなわち、平成二十四年、二十六年は、やはりそういうふうな国民の声があろうとは、まあ思ってはいなかったということはないんでしょうが、合区したって大丈夫だろうというふうなことで、えいとやったような気がします。
ところが、その後の反発というふうなものが余りにも大きかったというふうなこと、またあるいは、実はこれは憲法改正派の議論までも誘発したというふうなこともあるわけで、最高裁自身はそれ自体を、やはり私は釈明というよりもそれは弁明ぐらいな感じではないかなと。私は、実はこれは、国会は、合区を入れて、一応その解消して、対話を成立したと思っているかもしれぬ、対話が成立したかもと思うかもしれませんが、一部の国民との間では対話が失敗したと私は考えているところでございます。
他方で、投票価値の平等との調和、これは重要だというふうなことはもちろん強くあるかなと思います。ただ、私は、これはもう従来私自身は考えているところですが、とても重要な価値ではあるけれども、そこからこぼれ落ちる利益を拾うというふうなことを考える余地はないのか、実はそれが私は憲法解釈として認められているんではないかというふうに思うところでございます。
投票価値の平等が全く重要ではないというふうなことは全く思っていなくて、とても重要な価値ではあるんだけれども、そこからこぼれ落ちるもの、その中で国民が参加させてもらえていないんじゃないかという感情をもし出してしまうとなれば、そこを拾う別の方法を何か考えなければいけないんではないかということを思っているところでございます。
済みません、長くなりましたけど。
この発言だけを見る →私自身は、実はこの両判決の分析の仕方については、今おっしゃるような分析をされる方々も憲法学者の中でも多いかなと思っております。他方で、私は、やはりそれでもなお温度差が大分あるかなというふうに思っているところでございます。
すなわち、平成二十四年、二十六年は、やはりそういうふうな国民の声があろうとは、まあ思ってはいなかったということはないんでしょうが、合区したって大丈夫だろうというふうなことで、えいとやったような気がします。
ところが、その後の反発というふうなものが余りにも大きかったというふうなこと、またあるいは、実はこれは憲法改正派の議論までも誘発したというふうなこともあるわけで、最高裁自身はそれ自体を、やはり私は釈明というよりもそれは弁明ぐらいな感じではないかなと。私は、実はこれは、国会は、合区を入れて、一応その解消して、対話を成立したと思っているかもしれぬ、対話が成立したかもと思うかもしれませんが、一部の国民との間では対話が失敗したと私は考えているところでございます。
他方で、投票価値の平等との調和、これは重要だというふうなことはもちろん強くあるかなと思います。ただ、私は、これはもう従来私自身は考えているところですが、とても重要な価値ではあるけれども、そこからこぼれ落ちる利益を拾うというふうなことを考える余地はないのか、実はそれが私は憲法解釈として認められているんではないかというふうに思うところでございます。
投票価値の平等が全く重要ではないというふうなことは全く思っていなくて、とても重要な価値ではあるんだけれども、そこからこぼれ落ちるもの、その中で国民が参加させてもらえていないんじゃないかという感情をもし出してしまうとなれば、そこを拾う別の方法を何か考えなければいけないんではないかということを思っているところでございます。
済みません、長くなりましたけど。
西
西田実仁#28
○西田実仁君 今度は、上田先生にお聞きしたいと思います。
今の新井先生の御指摘も、我々もその感情の面はよく理解できます。したがって、特定の地域だけが合区されることについては否定的に捉えていますが、むしろ一方で、投票価値の要請から考えればブロック制ということが望ましいという具体的な提案をしているわけであります。
そこで、上田先生の事前にいただいた資料には、国会議員から様々な提案がなされているということで二つ挙げられておりまして、一つは都道府県の選挙区を認める憲法改正、もう一つはブロック制であると。
これらの提案は、いずれも参議院の役割や権限に触れていないといって、セットだということをおっしゃっていらっしゃるんでしょうけど、一応説明させていただきますと、ブロック制については投票価値の要請を求めていくものでありますので、その権限を縮小する理由がそもそもないんです。むしろ衆議院と同じ、今の参議院の立場を取ればいいわけですので、そのブロック制について説明がないというのはちょっと変な話だと、まず御指摘させていただきたいと思います。
その上で、憲法を変えずとも地方として位置付ければという今日のお話で、bが進むべき方向ではないかと、要は立法に関してやや権限を参議院は縮小させて、しかし投票価値の平等の要請はその分小さくなりますので、都道府県単位の選出の議員がいわゆる合区は解消できると、こういう理屈だと思います。
しかし、もちろん釈迦に説法ですが、憲法には参議院の緊急集会という、上下両院ある国では非常に珍しい制度を日本国憲法は持っているわけでありまして、その役割というのは参議院の基本的かつ重要な権能であると私は思っておりますし、もっと言えば参議院の存在意義の一つとして位置付けられているというふうに捉えているんです。しかし、それは、どう考えても、憲法を変えないといっても、縮小するんであれば緊急集会なんかとてもじゃないけどできないんじゃないんですかということをお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →今の新井先生の御指摘も、我々もその感情の面はよく理解できます。したがって、特定の地域だけが合区されることについては否定的に捉えていますが、むしろ一方で、投票価値の要請から考えればブロック制ということが望ましいという具体的な提案をしているわけであります。
そこで、上田先生の事前にいただいた資料には、国会議員から様々な提案がなされているということで二つ挙げられておりまして、一つは都道府県の選挙区を認める憲法改正、もう一つはブロック制であると。
これらの提案は、いずれも参議院の役割や権限に触れていないといって、セットだということをおっしゃっていらっしゃるんでしょうけど、一応説明させていただきますと、ブロック制については投票価値の要請を求めていくものでありますので、その権限を縮小する理由がそもそもないんです。むしろ衆議院と同じ、今の参議院の立場を取ればいいわけですので、そのブロック制について説明がないというのはちょっと変な話だと、まず御指摘させていただきたいと思います。
その上で、憲法を変えずとも地方として位置付ければという今日のお話で、bが進むべき方向ではないかと、要は立法に関してやや権限を参議院は縮小させて、しかし投票価値の平等の要請はその分小さくなりますので、都道府県単位の選出の議員がいわゆる合区は解消できると、こういう理屈だと思います。
しかし、もちろん釈迦に説法ですが、憲法には参議院の緊急集会という、上下両院ある国では非常に珍しい制度を日本国憲法は持っているわけでありまして、その役割というのは参議院の基本的かつ重要な権能であると私は思っておりますし、もっと言えば参議院の存在意義の一つとして位置付けられているというふうに捉えているんです。しかし、それは、どう考えても、憲法を変えないといっても、縮小するんであれば緊急集会なんかとてもじゃないけどできないんじゃないんですかということをお聞きしたいと思います。
上
上田健介#29
○参考人(上田健介君) 緊急集会は確かに参議院にしか認められていない権限、ただ、いわゆる通常時の参議院ではないわけですよね。だから、本当にその通常時の参議院と同じに考えていいかというところはちょっと疑問がございます。
あと、あくまでやっぱり緊急時で、かつ衆議院が存在していないという、その限りで参議院が補充的な役割を果たす。しかも、その決定したことについてはその後きちんとまた議決をし直すということになるわけですから、まあそれはもちろん重要な権限ではございますが、なお、何というか、衆議院が第一院で、参議院はそれを補足するというか補充するというか異なる角度から助けるというか、そういう形で第二院としての参議院の役割ということで説明が付くんじゃないかというふうに考えております。
それからあと、ブロック制についてですが、おっしゃるとおりだと思います。現在の最高裁の判例法理に基づくと、投票価値の平等の要請がかなり強いと、その中で権限を変えないのであれば、やっぱりそれに対応する選挙制度というのはつくらなきゃいけないので、そうすると一つの選択肢としてブロック制というのが出てくるというのは私も思います。
ただ、私が思いますのは、どういう選挙制度にするにしても、やはりそこでどういう代表者を出そうとしてその選挙区制を取るのかというところがやっぱり大事だというふうに考えますので、ただブロック制で権限が、ブロック制で投票価値の平等を保つんだから全く問題ないですねという話にはならないのではないかというふうに思います。
私、別にブロック制自身を否定する趣旨は、つもりは全然ございません。十分に検討に値する案だと思います。
この発言だけを見る →あと、あくまでやっぱり緊急時で、かつ衆議院が存在していないという、その限りで参議院が補充的な役割を果たす。しかも、その決定したことについてはその後きちんとまた議決をし直すということになるわけですから、まあそれはもちろん重要な権限ではございますが、なお、何というか、衆議院が第一院で、参議院はそれを補足するというか補充するというか異なる角度から助けるというか、そういう形で第二院としての参議院の役割ということで説明が付くんじゃないかというふうに考えております。
それからあと、ブロック制についてですが、おっしゃるとおりだと思います。現在の最高裁の判例法理に基づくと、投票価値の平等の要請がかなり強いと、その中で権限を変えないのであれば、やっぱりそれに対応する選挙制度というのはつくらなきゃいけないので、そうすると一つの選択肢としてブロック制というのが出てくるというのは私も思います。
ただ、私が思いますのは、どういう選挙制度にするにしても、やはりそこでどういう代表者を出そうとしてその選挙区制を取るのかというところがやっぱり大事だというふうに考えますので、ただブロック制で権限が、ブロック制で投票価値の平等を保つんだから全く問題ないですねという話にはならないのではないかというふうに思います。
私、別にブロック制自身を否定する趣旨は、つもりは全然ございません。十分に検討に値する案だと思います。