経済産業委員会
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会
会議録情報#0
令和五年四月十四日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 竹内 譲君
理事 井原 巧君 理事 岩田 和親君
理事 関 芳弘君 理事 細田 健一君
理事 落合 貴之君 理事 山崎 誠君
理事 小野 泰輔君 理事 中野 洋昌君
石井 拓君 石川 昭政君
今枝宗一郎君 上杉謙太郎君
大岡 敏孝君 加藤 竜祥君
上川 陽子君 熊田 裕通君
小森 卓郎君 國場幸之助君
佐々木 紀君 塩崎 彰久君
鈴木 淳司君 土田 慎君
冨樫 博之君 長坂 康正君
深澤 陽一君 堀井 学君
牧島かれん君 松本 洋平君
宗清 皇一君 山際大志郎君
山口 晋君 山下 貴司君
菅 直人君 田嶋 要君
馬場 雄基君 森田 俊和君
山岡 達丸君 足立 康史君
遠藤 良太君 前川 清成君
中川 宏昌君 鈴木 義弘君
笠井 亮君
…………………………………
参考人
(公益財団法人原子力安全研究協会理事) 山口 彰君
参考人
(国際環境NGO FoEJapan事務局長) 満田 夏花君
参考人
(一橋大学名誉教授)
(武蔵野大学経営学部特任教授) 山内 弘隆君
参考人
(龍谷大学政策学部教授) 大島 堅一君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
稲田 朋美君 大岡 敏孝君
今枝宗一郎君 加藤 竜祥君
上川 陽子君 深澤 陽一君
福田 達夫君 塩崎 彰久君
松本 洋平君 熊田 裕通君
大島 敦君 森田 俊和君
同日
辞任 補欠選任
大岡 敏孝君 上杉謙太郎君
加藤 竜祥君 今枝宗一郎君
熊田 裕通君 松本 洋平君
塩崎 彰久君 山口 晋君
深澤 陽一君 上川 陽子君
森田 俊和君 大島 敦君
同日
辞任 補欠選任
上杉謙太郎君 稲田 朋美君
山口 晋君 福田 達夫君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 竹内 譲君
理事 井原 巧君 理事 岩田 和親君
理事 関 芳弘君 理事 細田 健一君
理事 落合 貴之君 理事 山崎 誠君
理事 小野 泰輔君 理事 中野 洋昌君
石井 拓君 石川 昭政君
今枝宗一郎君 上杉謙太郎君
大岡 敏孝君 加藤 竜祥君
上川 陽子君 熊田 裕通君
小森 卓郎君 國場幸之助君
佐々木 紀君 塩崎 彰久君
鈴木 淳司君 土田 慎君
冨樫 博之君 長坂 康正君
深澤 陽一君 堀井 学君
牧島かれん君 松本 洋平君
宗清 皇一君 山際大志郎君
山口 晋君 山下 貴司君
菅 直人君 田嶋 要君
馬場 雄基君 森田 俊和君
山岡 達丸君 足立 康史君
遠藤 良太君 前川 清成君
中川 宏昌君 鈴木 義弘君
笠井 亮君
…………………………………
参考人
(公益財団法人原子力安全研究協会理事) 山口 彰君
参考人
(国際環境NGO FoEJapan事務局長) 満田 夏花君
参考人
(一橋大学名誉教授)
(武蔵野大学経営学部特任教授) 山内 弘隆君
参考人
(龍谷大学政策学部教授) 大島 堅一君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
稲田 朋美君 大岡 敏孝君
今枝宗一郎君 加藤 竜祥君
上川 陽子君 深澤 陽一君
福田 達夫君 塩崎 彰久君
松本 洋平君 熊田 裕通君
大島 敦君 森田 俊和君
同日
辞任 補欠選任
大岡 敏孝君 上杉謙太郎君
加藤 竜祥君 今枝宗一郎君
熊田 裕通君 松本 洋平君
塩崎 彰久君 山口 晋君
深澤 陽一君 上川 陽子君
森田 俊和君 大島 敦君
同日
辞任 補欠選任
上杉謙太郎君 稲田 朋美君
山口 晋君 福田 達夫君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
――――◇―――――
竹
竹内譲#1
○竹内委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、公益財団法人原子力安全研究協会理事山口彰君、国際環境NGO FoEJapan事務局長満田夏花君、一橋大学名誉教授、武蔵野大学経営学部特任教授山内弘隆君、龍谷大学政策学部教授大島堅一君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず山口参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、公益財団法人原子力安全研究協会理事山口彰君、国際環境NGO FoEJapan事務局長満田夏花君、一橋大学名誉教授、武蔵野大学経営学部特任教授山内弘隆君、龍谷大学政策学部教授大島堅一君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず山口参考人にお願いいたします。
山
山口彰#2
○山口参考人 皆様、おはようございます。ただいま御紹介いただきました原子力安全研究協会の山口でございます。
本法案につきまして、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、お手元の資料で、意見のポイントにつきまして、資料冒頭の囲みボックスで整理いたしました。四点ございまして、第一に、本法案は、何よりも安全を優先した原子力利用を求めるものである、安全最優先を明記したもの。それから二点目、脱炭素社会の実現に貢献するべく基本的な施策を述べたものである。そして三点目、持続的なエネルギー確立が実現できること。そして最後に、電気事業の安定性と予見性、これを確保するものであり、これは、ひいてはエネルギー、電力の安定供給につながるものであると考えてございます。
これから陳述します意見は、資料に示します次の項目、現状認識に基づくものでございます。まず、エネルギー政策とは、安価なエネルギー、電力を、全ての国民、全ての産業界、ここに安定に供給する、これが目標でありまして、また原点でございます。脱炭素社会の実現は、化石燃料中心の産業、社会構造を大転換することであり、それは極めてハードルが高いと言わざるを得ません。また、エネルギー政策喫緊の重要課題、これは、足下のエネルギー危機の克服、それからエネルギー政策の遅滞、こういったものの解消、これが最優先課題である。
以上の三点の現状認識に基づき、以下、意見を述べさせていただきます。
まず、お手元の資料の三ページの図を御覧ください。
こちらに世界の一次エネルギーのシェアを、一八五〇年から二一〇〇年、そこまで二百五十年間の時間軸で描いてございます。出典は、マルケッティという方の一九七七年の有名な論文でございます。彼は、生き物が生存競争で争っていく、生存競争を行う、それと同じ考え方を用いてエネルギーのシェアを考察しました。この図の中で、黒い実線が、木材、石炭、石油、ガス、原子力といったエネルギー源のシェアを示しております。その黒い実線の周辺に細い線が描いてあるのが御覧になれると思います。これは一九七〇年までの実データでありまして、彼のモデルがこの実データをきちんとフォローできている、予測できているということを指摘しているところでございます。
この図を見ますと、石炭がまきを超えたのは一八八〇年、そして一九三〇年代に最大のシェア七〇%を占めてございます。石油が石炭を超えたのは一九六〇年、そして一九七〇年代に最大四九%のシェアを占めてございます。このように、一九七〇年までは、潤沢で低廉で安定なエネルギー、これを求めて新しいエネルギーが開発されますと、それが主役を取って代わる、そういう構図でございました。
この図に一九六五年から現在までのデータを私の方で追記してございまして、それが色のついた太い線で描いてあるものでございます。この図を見ますと、一九七〇年代以降、データはモデルの線から乖離してございます。ほとんどのエネルギーが横ばいの傾向になっている。その中で、原子力と再生可能エネルギーがそれぞれ、一九七〇年代、それから二〇〇〇年代から伸びている、活用され始めたということが分かります。こうして、その時代で最も潤沢、低廉、安定なエネルギーを選択するという時代、七〇年以前でございますが、それから、エネルギー源を多様化する、あらゆるエネルギーをうまく組み合わせて使っていく、そういう時代へと転換したのだということでございます。
もう一点、この図中の右の方に、現在のエネルギーミックスの数字が書いてございます。化石エネルギーが上から石油、石炭、天然ガス、これを合計すると八四%、そして脱炭素エネルギー、水力、再エネ、原子力、これが一六%です。なお、日本もこの世界の合計と同じ八四%、一六%という数字になってございます。
今般、GX実現に向けて基本方針が決定されたわけですが、この化石エネルギー八四%、脱炭素エネルギー一六%、これは日本も世界も共通なわけですが、それを逆転させるということを目標としてしっかり掲げないといけません。
では、そのために何が必要でしょうか。GX実現のポイントは、省エネ、再エネ、原子力、この三つです。また、GX実現に取り得る電源のオプション、これは三種類と考えます。まず、再エネと長時間の蓄エネルギー技術の組合せ、そして二番目に火力と炭素回収、貯留技術の組合せ、三番目に原子力、そういうことになります。エネルギー危機の克服とエネルギー政策の遅滞解消のため、あらゆるエネルギーの選択肢を追求するという基本方針、これはぶれてはならないと考えます。
さて、一ページに戻っていただきまして、次に、原子力基本法についてでございます。
原子力基本法の公布は一九五五年。その目的は、将来のエネルギー資源の確保であるとされました。基本方針としては、平和利用、自主、民主、公開の原則、安全確保、それが述べてあります。
今回、原子力基本法の改正で最も重要な点の一つは、基本方針に、原子力の事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力を求めたということ、また、国の責務として、平和利用は安全性の確保を前提とするとしたことであると考えます。
福島第一原子力発電所の事故を防げなかったことの反省と事故から学んだ教訓を生かして、そして、安全最優先を基本方針に明記し、それを前提として基本的施策を遂行される、そういう内容でございまして、私としては評価してございます。これが、資料冒頭の囲みボックスの一点目、安全最優先というのがポイントであると申し上げた点でございます。
さて、エネルギー基本政策は、エネルギー政策基本法に基づき、エネルギー需給に関する施策を求めてございます。これが施行されたのは二〇〇二年六月。その目的は、地域及び地球の環境の保全、それから経済社会の持続的発展としてございます。
この度の原子力基本法改正では、その目的として、エネルギー資源の確保と並び、地球温暖化の防止ということが加えられたわけでございます。また、第二条として、国の責務は、非化石エネルギーの利用促進、エネルギー供給に係る自律性の向上に資するといたしました。
エネルギー政策基本法と平仄を合わせ、エネルギー資源の確保と脱炭素を原子力基本法の骨格としたわけで、GXの実現、これを牽引する役割を担うというものと期待してございます。資料冒頭のボックスの二点目、これがカーボンニュートラルという点です。
さて、資料の二ページ目、原子力の持続的活用というところを御覧ください。
ここ数年、日本の電力需給体制、これが脆弱化してございます。二〇二二年三月には電力需給逼迫警報が出され、この先は計画停電に行かざるを得ない、そういう状況にあるわけでございます。こうした毎年のように経験する電力不足、これは日本が、既に述べましたように、化石エネルギーと脱炭素エネルギーの比率、これは世界平均と同じ八四%が化石エネルギーに依存しているわけでございまして、脱炭素のベースロード電源、二〇二二年のエネルギー白書によりますと、原子力が世界全体では四・三%なわけですが、日本は一・八%という数字でございます。すなわち、この脱炭素電源一六%の中でも原子力の占める割合がこのように低いこと、これが、非化石エネルギー利用促進と自律的なエネルギー需給構造の構築が喫緊の課題であると申し上げる理由でございます。原子力は、他のエネルギー源や技術と相まって、エネルギー政策の自己決定力を高める持続的なエネルギー源と位置づける必要があると考えてございます。
GXの基本方針では、原子力は、安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けて、脱炭素のベースロード電源として重要な役割を担うと位置づけられました。GX脱炭素電源法では、原子力発電に係る高度の技術維持確保、人材育成確保、産業基盤の維持強化、研究開発成果の円滑な実用化、安定な事業環境の整備、そしてバックエンド事業の着実な実施、こういった点が記されてございます。
エネルギー政策は国家百年の計だと考えてございます。新しいエネルギーが登場して普及するには、五十年、百年という期間がかかります。十年程度以内で結果を出すべき比較的短期的な政策だけでなく、中長期的な展望を見据えなければなりません。単一エネルギーに過度に依存することのリスクを認識して、長期的な視点を忘れないようにしなければなりません。原子力の基本的施策は、発電からバックエンドに至る、いわゆる核燃料サイクルに取り組む重要性、それによって持続的なエネルギーシステムの実現に貢献することを述べてございます。これが、冒頭ボックスの三点目、持続性ある社会ということでございます。
さて、足下のエネルギー危機、需給逼迫に対処するため、既設の原子力発電所を安全に活用することが不可欠です。既存の軽水炉を六十年間運転するとしても、二〇四〇年からは毎年一ギガワット程度、百万キロワットの発電所一基ずつの割合で設備容量は低減していきます。
資料四ページ、こちらを御覧ください。
世界では四百四十基、この資料とちょっと違ってございますが、IAEAのデータベースが一昨日改定されまして、これが現在の数字でございます。そのうち運転中は四百二十三基ということになってございます。それで、営業運転中の四百二十三基と四百四十基の差は、実はサスペンデッドという新しいカテゴリーがつくられてございまして、日本の安全審査中あるいは未申請の原子力発電所がここに分類されました。
原子力発電所の年齢構成を見ますと、四百四十基のうち五十歳以上は二十七基、四十歳以上は百十四基という実績でございます。下の図は設備容量を合計したものを年齢ごとに整理したものであり、上の図は年齢ごとに設備利用率を描いたものでございます。上の図から、四十年を超えたプラントで、いろいろトラブルが生じて設備利用率が低下するというような傾向は見られません。特定の運転期間を定める合理的な根拠はないというのは、世界的にも共通の技術的な認識でございます。この図はそのことを端的に示していると考えてございます。
また、この図から、米国の原子力発電所の平均年齢は四十三歳、それに対して日本は三十一歳です。今後、各国で運転経験が蓄積されています、そういうものをしっかり共有して、エビデンスを踏まえて、利用の在り方を今後とも見詰めていくということが大切であると考えます。
原子炉等規制法では、長期施設管理計画を定め、劣化評価を行うということで、三十年時点から十年以内で厳格に審査を行うということがうたわれてございます。安全確保を前提とするという、これを満足する制度であるというふうに評価してございます。
先ほど、IAEAデータベースにサスペンデッドというカテゴリーが新設されたということを申し上げました。それほどに、原子力発電所がこれだけ長期間停止しているということは、国際的に見ても例外的な状況にあるわけでございます。電気事業法において、延長する運転期間が二十年を超える場合、条件付で停止期間を考慮する、それを認めるという方針は、規制委員会による劣化の管理がしっかり行われること、事業者の安全確保への取組がちゃんとできること、そして海外の運転実績、こういう点から見ても適切であり、合理的であると考えてございます。
原子力基本法が定める事業者の責務、安全を不断に見直し、安全向上の体制を強化し、防災の体制を充実強化する、そのためには適切なリソース配分をすることも可能となってくると考えます。したがって、事業予見性を高めるものにつながるわけですし、それがひいては安全の向上にもつながるものだと考えてございます。これが、ボックスにある四点目でございますエネルギー安定供給です。
以上の意見を述べさせていただきましたが、最後に、脱炭素社会の実現と経済安全保障の両立という大目標を私たちは掲げているわけでございます。エビデンスベースで、今後とも、得られる知見を反映しつつ、原子力の価値を実現することを期待して、意見陳述、終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本法案につきまして、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、お手元の資料で、意見のポイントにつきまして、資料冒頭の囲みボックスで整理いたしました。四点ございまして、第一に、本法案は、何よりも安全を優先した原子力利用を求めるものである、安全最優先を明記したもの。それから二点目、脱炭素社会の実現に貢献するべく基本的な施策を述べたものである。そして三点目、持続的なエネルギー確立が実現できること。そして最後に、電気事業の安定性と予見性、これを確保するものであり、これは、ひいてはエネルギー、電力の安定供給につながるものであると考えてございます。
これから陳述します意見は、資料に示します次の項目、現状認識に基づくものでございます。まず、エネルギー政策とは、安価なエネルギー、電力を、全ての国民、全ての産業界、ここに安定に供給する、これが目標でありまして、また原点でございます。脱炭素社会の実現は、化石燃料中心の産業、社会構造を大転換することであり、それは極めてハードルが高いと言わざるを得ません。また、エネルギー政策喫緊の重要課題、これは、足下のエネルギー危機の克服、それからエネルギー政策の遅滞、こういったものの解消、これが最優先課題である。
以上の三点の現状認識に基づき、以下、意見を述べさせていただきます。
まず、お手元の資料の三ページの図を御覧ください。
こちらに世界の一次エネルギーのシェアを、一八五〇年から二一〇〇年、そこまで二百五十年間の時間軸で描いてございます。出典は、マルケッティという方の一九七七年の有名な論文でございます。彼は、生き物が生存競争で争っていく、生存競争を行う、それと同じ考え方を用いてエネルギーのシェアを考察しました。この図の中で、黒い実線が、木材、石炭、石油、ガス、原子力といったエネルギー源のシェアを示しております。その黒い実線の周辺に細い線が描いてあるのが御覧になれると思います。これは一九七〇年までの実データでありまして、彼のモデルがこの実データをきちんとフォローできている、予測できているということを指摘しているところでございます。
この図を見ますと、石炭がまきを超えたのは一八八〇年、そして一九三〇年代に最大のシェア七〇%を占めてございます。石油が石炭を超えたのは一九六〇年、そして一九七〇年代に最大四九%のシェアを占めてございます。このように、一九七〇年までは、潤沢で低廉で安定なエネルギー、これを求めて新しいエネルギーが開発されますと、それが主役を取って代わる、そういう構図でございました。
この図に一九六五年から現在までのデータを私の方で追記してございまして、それが色のついた太い線で描いてあるものでございます。この図を見ますと、一九七〇年代以降、データはモデルの線から乖離してございます。ほとんどのエネルギーが横ばいの傾向になっている。その中で、原子力と再生可能エネルギーがそれぞれ、一九七〇年代、それから二〇〇〇年代から伸びている、活用され始めたということが分かります。こうして、その時代で最も潤沢、低廉、安定なエネルギーを選択するという時代、七〇年以前でございますが、それから、エネルギー源を多様化する、あらゆるエネルギーをうまく組み合わせて使っていく、そういう時代へと転換したのだということでございます。
もう一点、この図中の右の方に、現在のエネルギーミックスの数字が書いてございます。化石エネルギーが上から石油、石炭、天然ガス、これを合計すると八四%、そして脱炭素エネルギー、水力、再エネ、原子力、これが一六%です。なお、日本もこの世界の合計と同じ八四%、一六%という数字になってございます。
今般、GX実現に向けて基本方針が決定されたわけですが、この化石エネルギー八四%、脱炭素エネルギー一六%、これは日本も世界も共通なわけですが、それを逆転させるということを目標としてしっかり掲げないといけません。
では、そのために何が必要でしょうか。GX実現のポイントは、省エネ、再エネ、原子力、この三つです。また、GX実現に取り得る電源のオプション、これは三種類と考えます。まず、再エネと長時間の蓄エネルギー技術の組合せ、そして二番目に火力と炭素回収、貯留技術の組合せ、三番目に原子力、そういうことになります。エネルギー危機の克服とエネルギー政策の遅滞解消のため、あらゆるエネルギーの選択肢を追求するという基本方針、これはぶれてはならないと考えます。
さて、一ページに戻っていただきまして、次に、原子力基本法についてでございます。
原子力基本法の公布は一九五五年。その目的は、将来のエネルギー資源の確保であるとされました。基本方針としては、平和利用、自主、民主、公開の原則、安全確保、それが述べてあります。
今回、原子力基本法の改正で最も重要な点の一つは、基本方針に、原子力の事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力を求めたということ、また、国の責務として、平和利用は安全性の確保を前提とするとしたことであると考えます。
福島第一原子力発電所の事故を防げなかったことの反省と事故から学んだ教訓を生かして、そして、安全最優先を基本方針に明記し、それを前提として基本的施策を遂行される、そういう内容でございまして、私としては評価してございます。これが、資料冒頭の囲みボックスの一点目、安全最優先というのがポイントであると申し上げた点でございます。
さて、エネルギー基本政策は、エネルギー政策基本法に基づき、エネルギー需給に関する施策を求めてございます。これが施行されたのは二〇〇二年六月。その目的は、地域及び地球の環境の保全、それから経済社会の持続的発展としてございます。
この度の原子力基本法改正では、その目的として、エネルギー資源の確保と並び、地球温暖化の防止ということが加えられたわけでございます。また、第二条として、国の責務は、非化石エネルギーの利用促進、エネルギー供給に係る自律性の向上に資するといたしました。
エネルギー政策基本法と平仄を合わせ、エネルギー資源の確保と脱炭素を原子力基本法の骨格としたわけで、GXの実現、これを牽引する役割を担うというものと期待してございます。資料冒頭のボックスの二点目、これがカーボンニュートラルという点です。
さて、資料の二ページ目、原子力の持続的活用というところを御覧ください。
ここ数年、日本の電力需給体制、これが脆弱化してございます。二〇二二年三月には電力需給逼迫警報が出され、この先は計画停電に行かざるを得ない、そういう状況にあるわけでございます。こうした毎年のように経験する電力不足、これは日本が、既に述べましたように、化石エネルギーと脱炭素エネルギーの比率、これは世界平均と同じ八四%が化石エネルギーに依存しているわけでございまして、脱炭素のベースロード電源、二〇二二年のエネルギー白書によりますと、原子力が世界全体では四・三%なわけですが、日本は一・八%という数字でございます。すなわち、この脱炭素電源一六%の中でも原子力の占める割合がこのように低いこと、これが、非化石エネルギー利用促進と自律的なエネルギー需給構造の構築が喫緊の課題であると申し上げる理由でございます。原子力は、他のエネルギー源や技術と相まって、エネルギー政策の自己決定力を高める持続的なエネルギー源と位置づける必要があると考えてございます。
GXの基本方針では、原子力は、安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けて、脱炭素のベースロード電源として重要な役割を担うと位置づけられました。GX脱炭素電源法では、原子力発電に係る高度の技術維持確保、人材育成確保、産業基盤の維持強化、研究開発成果の円滑な実用化、安定な事業環境の整備、そしてバックエンド事業の着実な実施、こういった点が記されてございます。
エネルギー政策は国家百年の計だと考えてございます。新しいエネルギーが登場して普及するには、五十年、百年という期間がかかります。十年程度以内で結果を出すべき比較的短期的な政策だけでなく、中長期的な展望を見据えなければなりません。単一エネルギーに過度に依存することのリスクを認識して、長期的な視点を忘れないようにしなければなりません。原子力の基本的施策は、発電からバックエンドに至る、いわゆる核燃料サイクルに取り組む重要性、それによって持続的なエネルギーシステムの実現に貢献することを述べてございます。これが、冒頭ボックスの三点目、持続性ある社会ということでございます。
さて、足下のエネルギー危機、需給逼迫に対処するため、既設の原子力発電所を安全に活用することが不可欠です。既存の軽水炉を六十年間運転するとしても、二〇四〇年からは毎年一ギガワット程度、百万キロワットの発電所一基ずつの割合で設備容量は低減していきます。
資料四ページ、こちらを御覧ください。
世界では四百四十基、この資料とちょっと違ってございますが、IAEAのデータベースが一昨日改定されまして、これが現在の数字でございます。そのうち運転中は四百二十三基ということになってございます。それで、営業運転中の四百二十三基と四百四十基の差は、実はサスペンデッドという新しいカテゴリーがつくられてございまして、日本の安全審査中あるいは未申請の原子力発電所がここに分類されました。
原子力発電所の年齢構成を見ますと、四百四十基のうち五十歳以上は二十七基、四十歳以上は百十四基という実績でございます。下の図は設備容量を合計したものを年齢ごとに整理したものであり、上の図は年齢ごとに設備利用率を描いたものでございます。上の図から、四十年を超えたプラントで、いろいろトラブルが生じて設備利用率が低下するというような傾向は見られません。特定の運転期間を定める合理的な根拠はないというのは、世界的にも共通の技術的な認識でございます。この図はそのことを端的に示していると考えてございます。
また、この図から、米国の原子力発電所の平均年齢は四十三歳、それに対して日本は三十一歳です。今後、各国で運転経験が蓄積されています、そういうものをしっかり共有して、エビデンスを踏まえて、利用の在り方を今後とも見詰めていくということが大切であると考えます。
原子炉等規制法では、長期施設管理計画を定め、劣化評価を行うということで、三十年時点から十年以内で厳格に審査を行うということがうたわれてございます。安全確保を前提とするという、これを満足する制度であるというふうに評価してございます。
先ほど、IAEAデータベースにサスペンデッドというカテゴリーが新設されたということを申し上げました。それほどに、原子力発電所がこれだけ長期間停止しているということは、国際的に見ても例外的な状況にあるわけでございます。電気事業法において、延長する運転期間が二十年を超える場合、条件付で停止期間を考慮する、それを認めるという方針は、規制委員会による劣化の管理がしっかり行われること、事業者の安全確保への取組がちゃんとできること、そして海外の運転実績、こういう点から見ても適切であり、合理的であると考えてございます。
原子力基本法が定める事業者の責務、安全を不断に見直し、安全向上の体制を強化し、防災の体制を充実強化する、そのためには適切なリソース配分をすることも可能となってくると考えます。したがって、事業予見性を高めるものにつながるわけですし、それがひいては安全の向上にもつながるものだと考えてございます。これが、ボックスにある四点目でございますエネルギー安定供給です。
以上の意見を述べさせていただきましたが、最後に、脱炭素社会の実現と経済安全保障の両立という大目標を私たちは掲げているわけでございます。エビデンスベースで、今後とも、得られる知見を反映しつつ、原子力の価値を実現することを期待して、意見陳述、終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
竹
満
満田夏花#4
○満田参考人 皆さん、おはようございます。FoEJapanの満田と申します。
本日は、このような場にお呼びいただきまして、ありがとうございます。
FoEJapanは、気候変動や森林保全、エネルギー政策などに取り組む国際的な環境NGOです。三・一一の後は、福島原発事故の被害者の支援に取り組んできました。例えば、福島の親子が自然の中で伸び伸びと遊べるような、そういった保養の場を提供するような、福島ぽかぽかプロジェクトというんですが、そういったことに取り組んでまいりました。
それでは、GX脱炭素電源法案について意見を述べさせていただきます。
まず申し上げたいのは、福島原発事故は終わっていないということです。事故原因の解明も完全には終わっていません。
多くの人々がふるさとを失いました。なりわいや人とのつながり、四季折々の自然を分かち合う、そうした喜びを失いました。私の友人、知人、親戚も、断腸の思いで避難を強いられました。今もふるさとに帰れない人が多くいます。原発事故は終わっていないのです。
原発事故はまた、日本全国の電力供給に影響をもたらしました。皆さんも御記憶のことと思います。当時、街の明かりは消え、計画停電が実施されました。つまり、電力供給の不安定化を招いたということを忘れてはならないと思います。
原発事故に関する国及び東電の責任は曖昧にされたままです。原子力損害賠償法に基づく賠償措置額、千二百億円ですが、これは据え置かれたままです。賠償、廃炉、除染などの費用は、政府試算で二十一・五兆円にも上っています。東電は賠償を支払い切れないため、国は原子力損害賠償廃炉支援機構をつくり、それを通じて多くの公的資金、私たちの電気料金、そして将来世代からのお金を東電に回す、そういった仕組みをつくりました。万が一、次なる事故が起こったときに、原子力事業者だけでは賠償金を賄えず、国による手厚い支援が行われ、そのツケは再び国民及び将来世代に回されるということが繰り返されます。
さて、事故当時、福島第一原発一号炉は、運転開始後四十年の高経年化技術評価による検査に合格したばかりでした。高線量が続き、立ち入れない場所が多いので、高経年化というものが事故の進展にどのような影響を与えたのかは今もって不明なままです。最近、ようやくカメラが入って、原子炉を支えるペデスタル部、土台部ですね、ここでコンクリートが溶けてなくなり、鉄骨がむき出しになっていることが分かりました。大変危険な状況だと思います。私たちは、まだ原発事故に対して人知が及ばない部分があることを謙虚に認識すべきだと考えています。
ここで、是非皆さんにお願いしたいことがあります。国会主催で、福島での公聴会を実施してほしいのです。福島原発事故に対する真摯な反省に立つのであれば、国会主催で、福島で、たくさんの人たちの声、原発事故によってそれまでの生活を失った人たちの声を是非お聞きください。国会主催の公聴会の前例もあると思います。是非御検討いただければと思います。
第二に指摘したいのが、プロセスに関する問題です。
GX基本方針については、案が固まってから、年末年始に一か月のパブリックコメントが行われ、三千九百六十六件の意見が寄せられました。その内容について、GX実行会議など公式な場では検討されていません。
また、今年一月から三月にかけて、全国六か所で経済産業省による説明、意見交換会が開催されました。参加者からは、原発推進政策、とりわけ運転期間の延長に関して、批判や疑問の声が上がりました。参加者からは、出された意見をきちんとGX基本方針に反映してほしいと述べた、そう言った方も多かったんです。しかし、経産省は、ここで出された意見はGX基本方針には反映しませんと言い切りました。このように、国民の声が反映されていないことは大きな問題だと思っています。
また、国会審議のやり方も、今回のように束ね法案として一括して提案されているのは問題ではないでしょうか。
原子力基本法のように原子力の根幹に関わる大きな改定や、今までの運転期間の規制の在り方を覆すような多岐にわたる論点がある中、これを束ね法案としてしまっては、丁寧な個別の審議を尽くすことができません。是非、個別の審議を行っていただければと思います。今からでも遅くありません。是非、国民参加の下で、開かれた議論を丁寧に行っていただきたいと思います。
第三に、原子力基本法の改定について述べたいと思います。
今回の改定は、国の責務を詳細に書き込みました。国の責務と書いてありますが、内容を見てみると、これは国による原子力事業の支援です。国民の理解の促進、地域振興、人材育成、産業基盤の維持及び事業環境整備などを含んでいます。これは、以下の観点から問題と考えています。
エネルギーの安定供給やエネルギー部門における脱炭素化は、原子力のみならず総合的に考慮すべきです。現行のエネルギー政策基本法で十分に対応できるのではないでしょうか。
また、例えば再エネ特措法において、ここまで詳細に国による支援が書かれていません。お手元の資料の二ページ目に、再エネ特措法との比較した表を掲載させていただきました。著しいアンバランスが生じていることはお分かりいただけると思います。原子力のみを特別扱いしているのではないでしょうか。
本来、原子力事業者が自らの責任で実施すべき内容を、国が肩代わりすることになるのではないでしょうか。結果的に、原子力事業者を過度に保護する内容になっており、市場原理をゆがめ、公平性に欠くと思います。
また、原発がエネルギー安定供給、自律性の向上に資するかは疑問です。例えば、大規模集中電源である原発の事故やトラブルは、電力供給に広範な影響を与えます。これは、現に福島第一原発事故が示しているとおりです。また、ウラン燃料は一〇〇%輸入に依存しています。つまり、国産エネルギーではありません。国際情勢の不安定化とは無縁ではないのです。
第四に、原子炉等規制法の運転期間の上限に関する現行規定を削除することの問題点について述べたいと思います。
二〇一二年当時、運転期間上限に関する定めは、明らかに規制の一環として原子炉等規制法に盛り込まれました。このことは、今国会において岸田首相が答弁しているとおりです。
二〇一二年六月二十六日付の内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室の資料によれば、原子力安全規制の三本柱として、一、重大事故対策の強化、二、バックフィット制度、三番目として四十年運転規制の導入が挙げられています。この三つは福島原発事故の教訓を踏まえたものです。
その後、運転期間の上限を撤廃する理由となる新たな事象が生じたわけではありません。すなわち、原子炉等規制法からこれを削除する立法事実はないのです。
政府は、運転期間の上限は利用側の政策として整理したと説明されています。根拠として、原子力規制委員会の令和二年七月二十九日の文書、運転期間延長認可の審査と長期運転期間中の発電用原子炉施設の経年劣化の関係に関する見解を挙げています。しかし、当該文書の趣旨は、運転期間から長期停止期間を除外することに否定的な見解をまとめたものであり、策定過程において、運転期間の上限の撤廃の可否について、原子力規制委員会の委員の中で議論が行われたものではありません。これは、原子力規制委員会の石渡委員も御指摘なさっていることです。根拠とするには不適切です。
運転期間の上限に関する規定を原子炉等規制法から電気事業法に移すことに伴い、原発の運転期間の延長をする認可権限は、原子力規制委員会から経済産業大臣に移管されます。認可に当たっての基準も、劣化評価に基づく安全規制から、利用上の観点に移ります。すなわち、電力の安定供給を確保することに資するか、事業者が業務実施体制を有しているかなどです。
政府は、原子炉等規制法に三十年を超える原発の劣化評価を規定することにより、規制は強化されるとしています。しかし、従来から、原子炉等規制法に基づく規則で、三十年超えの原発に対する十年ごとの劣化評価というのは、高経年化技術評価として行われてきました。今回これを法律に格上げすることになりますが、基本的には従来の制度の延長線上で、新しい制度というわけではありません。つまり、今回の改定は、原子力規制委員会の権限を縮小し、規制を緩和するものとなります。
第五に、運転停止期間の除外は合理性がありません。
電気事業法の改正案で、延長申請の際、一、関連法令の制定、変更に対応するため、二、行政処分、三、行政指導、四、裁判所による仮処分命令、五、その他事業者が予見し難い事由によって運転停止を行っていた期間については運転期間に上積みできることとしています。
運転停止が事業者にとってたとえ予見し難い事由に起因するものであったとしても、当然のことながら経年劣化は進行します。
また、利用側の観点に立ったとしても、運転延長を認めるか否かの判断基準は、その時点及び将来における電力需給状況であり、過去における運転停止の事情はこれとは関係ありません。上記の停止期間を運転期間に上積みできるという合理的な理由はありません。
ここに挙げられている運転停止事由については、運転停止を命令するか要請するべき社会的あるいは法令上の要請があり、法律に基づく権限に基づいて、それぞれの行政機関や司法により判断されたものです。運転停止の必要がなかったと経済産業省が認定することは適切ではありません。
以上の理由により、私は、GX脱炭素電源法案を今国会で承認することは、福島原発事故の教訓をないがしろにし、国民の安全を脅かし、未来世代に大きな負担を負わせると考えています。将来にわたって大きな禍根を残すと言えるでしょう。
是非、皆さん、慎重な御審議をお願いいたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような場にお呼びいただきまして、ありがとうございます。
FoEJapanは、気候変動や森林保全、エネルギー政策などに取り組む国際的な環境NGOです。三・一一の後は、福島原発事故の被害者の支援に取り組んできました。例えば、福島の親子が自然の中で伸び伸びと遊べるような、そういった保養の場を提供するような、福島ぽかぽかプロジェクトというんですが、そういったことに取り組んでまいりました。
それでは、GX脱炭素電源法案について意見を述べさせていただきます。
まず申し上げたいのは、福島原発事故は終わっていないということです。事故原因の解明も完全には終わっていません。
多くの人々がふるさとを失いました。なりわいや人とのつながり、四季折々の自然を分かち合う、そうした喜びを失いました。私の友人、知人、親戚も、断腸の思いで避難を強いられました。今もふるさとに帰れない人が多くいます。原発事故は終わっていないのです。
原発事故はまた、日本全国の電力供給に影響をもたらしました。皆さんも御記憶のことと思います。当時、街の明かりは消え、計画停電が実施されました。つまり、電力供給の不安定化を招いたということを忘れてはならないと思います。
原発事故に関する国及び東電の責任は曖昧にされたままです。原子力損害賠償法に基づく賠償措置額、千二百億円ですが、これは据え置かれたままです。賠償、廃炉、除染などの費用は、政府試算で二十一・五兆円にも上っています。東電は賠償を支払い切れないため、国は原子力損害賠償廃炉支援機構をつくり、それを通じて多くの公的資金、私たちの電気料金、そして将来世代からのお金を東電に回す、そういった仕組みをつくりました。万が一、次なる事故が起こったときに、原子力事業者だけでは賠償金を賄えず、国による手厚い支援が行われ、そのツケは再び国民及び将来世代に回されるということが繰り返されます。
さて、事故当時、福島第一原発一号炉は、運転開始後四十年の高経年化技術評価による検査に合格したばかりでした。高線量が続き、立ち入れない場所が多いので、高経年化というものが事故の進展にどのような影響を与えたのかは今もって不明なままです。最近、ようやくカメラが入って、原子炉を支えるペデスタル部、土台部ですね、ここでコンクリートが溶けてなくなり、鉄骨がむき出しになっていることが分かりました。大変危険な状況だと思います。私たちは、まだ原発事故に対して人知が及ばない部分があることを謙虚に認識すべきだと考えています。
ここで、是非皆さんにお願いしたいことがあります。国会主催で、福島での公聴会を実施してほしいのです。福島原発事故に対する真摯な反省に立つのであれば、国会主催で、福島で、たくさんの人たちの声、原発事故によってそれまでの生活を失った人たちの声を是非お聞きください。国会主催の公聴会の前例もあると思います。是非御検討いただければと思います。
第二に指摘したいのが、プロセスに関する問題です。
GX基本方針については、案が固まってから、年末年始に一か月のパブリックコメントが行われ、三千九百六十六件の意見が寄せられました。その内容について、GX実行会議など公式な場では検討されていません。
また、今年一月から三月にかけて、全国六か所で経済産業省による説明、意見交換会が開催されました。参加者からは、原発推進政策、とりわけ運転期間の延長に関して、批判や疑問の声が上がりました。参加者からは、出された意見をきちんとGX基本方針に反映してほしいと述べた、そう言った方も多かったんです。しかし、経産省は、ここで出された意見はGX基本方針には反映しませんと言い切りました。このように、国民の声が反映されていないことは大きな問題だと思っています。
また、国会審議のやり方も、今回のように束ね法案として一括して提案されているのは問題ではないでしょうか。
原子力基本法のように原子力の根幹に関わる大きな改定や、今までの運転期間の規制の在り方を覆すような多岐にわたる論点がある中、これを束ね法案としてしまっては、丁寧な個別の審議を尽くすことができません。是非、個別の審議を行っていただければと思います。今からでも遅くありません。是非、国民参加の下で、開かれた議論を丁寧に行っていただきたいと思います。
第三に、原子力基本法の改定について述べたいと思います。
今回の改定は、国の責務を詳細に書き込みました。国の責務と書いてありますが、内容を見てみると、これは国による原子力事業の支援です。国民の理解の促進、地域振興、人材育成、産業基盤の維持及び事業環境整備などを含んでいます。これは、以下の観点から問題と考えています。
エネルギーの安定供給やエネルギー部門における脱炭素化は、原子力のみならず総合的に考慮すべきです。現行のエネルギー政策基本法で十分に対応できるのではないでしょうか。
また、例えば再エネ特措法において、ここまで詳細に国による支援が書かれていません。お手元の資料の二ページ目に、再エネ特措法との比較した表を掲載させていただきました。著しいアンバランスが生じていることはお分かりいただけると思います。原子力のみを特別扱いしているのではないでしょうか。
本来、原子力事業者が自らの責任で実施すべき内容を、国が肩代わりすることになるのではないでしょうか。結果的に、原子力事業者を過度に保護する内容になっており、市場原理をゆがめ、公平性に欠くと思います。
また、原発がエネルギー安定供給、自律性の向上に資するかは疑問です。例えば、大規模集中電源である原発の事故やトラブルは、電力供給に広範な影響を与えます。これは、現に福島第一原発事故が示しているとおりです。また、ウラン燃料は一〇〇%輸入に依存しています。つまり、国産エネルギーではありません。国際情勢の不安定化とは無縁ではないのです。
第四に、原子炉等規制法の運転期間の上限に関する現行規定を削除することの問題点について述べたいと思います。
二〇一二年当時、運転期間上限に関する定めは、明らかに規制の一環として原子炉等規制法に盛り込まれました。このことは、今国会において岸田首相が答弁しているとおりです。
二〇一二年六月二十六日付の内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室の資料によれば、原子力安全規制の三本柱として、一、重大事故対策の強化、二、バックフィット制度、三番目として四十年運転規制の導入が挙げられています。この三つは福島原発事故の教訓を踏まえたものです。
その後、運転期間の上限を撤廃する理由となる新たな事象が生じたわけではありません。すなわち、原子炉等規制法からこれを削除する立法事実はないのです。
政府は、運転期間の上限は利用側の政策として整理したと説明されています。根拠として、原子力規制委員会の令和二年七月二十九日の文書、運転期間延長認可の審査と長期運転期間中の発電用原子炉施設の経年劣化の関係に関する見解を挙げています。しかし、当該文書の趣旨は、運転期間から長期停止期間を除外することに否定的な見解をまとめたものであり、策定過程において、運転期間の上限の撤廃の可否について、原子力規制委員会の委員の中で議論が行われたものではありません。これは、原子力規制委員会の石渡委員も御指摘なさっていることです。根拠とするには不適切です。
運転期間の上限に関する規定を原子炉等規制法から電気事業法に移すことに伴い、原発の運転期間の延長をする認可権限は、原子力規制委員会から経済産業大臣に移管されます。認可に当たっての基準も、劣化評価に基づく安全規制から、利用上の観点に移ります。すなわち、電力の安定供給を確保することに資するか、事業者が業務実施体制を有しているかなどです。
政府は、原子炉等規制法に三十年を超える原発の劣化評価を規定することにより、規制は強化されるとしています。しかし、従来から、原子炉等規制法に基づく規則で、三十年超えの原発に対する十年ごとの劣化評価というのは、高経年化技術評価として行われてきました。今回これを法律に格上げすることになりますが、基本的には従来の制度の延長線上で、新しい制度というわけではありません。つまり、今回の改定は、原子力規制委員会の権限を縮小し、規制を緩和するものとなります。
第五に、運転停止期間の除外は合理性がありません。
電気事業法の改正案で、延長申請の際、一、関連法令の制定、変更に対応するため、二、行政処分、三、行政指導、四、裁判所による仮処分命令、五、その他事業者が予見し難い事由によって運転停止を行っていた期間については運転期間に上積みできることとしています。
運転停止が事業者にとってたとえ予見し難い事由に起因するものであったとしても、当然のことながら経年劣化は進行します。
また、利用側の観点に立ったとしても、運転延長を認めるか否かの判断基準は、その時点及び将来における電力需給状況であり、過去における運転停止の事情はこれとは関係ありません。上記の停止期間を運転期間に上積みできるという合理的な理由はありません。
ここに挙げられている運転停止事由については、運転停止を命令するか要請するべき社会的あるいは法令上の要請があり、法律に基づく権限に基づいて、それぞれの行政機関や司法により判断されたものです。運転停止の必要がなかったと経済産業省が認定することは適切ではありません。
以上の理由により、私は、GX脱炭素電源法案を今国会で承認することは、福島原発事故の教訓をないがしろにし、国民の安全を脅かし、未来世代に大きな負担を負わせると考えています。将来にわたって大きな禍根を残すと言えるでしょう。
是非、皆さん、慎重な御審議をお願いいたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
竹
山
山内弘隆#6
○山内参考人 山内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。日頃からエネルギーあるいはこういった事業環境を研究する者にとって、こういう陳述の機会を与えていただいたことは大変幸せに思っております。
まず、お手元の資料を御覧いただきたいんですけれども、一ページ目の下の部分、そこにJ・S・ミルの引用を掲載しております。これは一八四八年ですから二百年近く前ですけれども、私、経済学が専門でございまして、その経済学からこういった分野をどう見るかということについて、自分の研究分野といいますか対象を皆さんにお分かりいただくために書いております。
ミルの「経済学原理」の中の一部に、当時のロンドンのいわゆる公益事業、水道とかあるいはガス事業というのがあったんですけれども、これについての記述がございまして、当時、こういうガスとか水道とかというのはロンドンの市内に数多く存在した。ところが、ミルが言うには、こういったことで数多く存在するよりも一つにまとめた方が効率的じゃないか、こういうようなことを言ったわけであります。まあ、非常に分かりやすい議論ではなくて、これは我々の分野では自然独占、こういうふうな言い方をするわけですけれども、その自然独占ということから公益事業の研究というのは始まっているところがございます。
そういった前提ですので、一ページめくっていただいて、次のページの下を御覧いただきたいんですけれども、こういった公益事業の自然独占性ということから始まって、二十世紀それから二十一世紀になって大きく事業のやり方を変えてきたというのが、これは世界全体のトレンドということであります。
我が国におきましては、電力システム改革、あるいは、エネルギーシステムということで、ガスも含んでシステム改革をするということで、そういった自然独占の状況から、競争をここに導入する。逆に、ミルとは反対の方向で、競争を導入して、そこで競争を進めることによって効率化あるいはイノベーション、こういうものが生まれるんだ、こういう議論があって、それが実施されたのが特に二十一世紀になってから、日本の場合ですと、ということだと思います。二〇一四年に電力システム改革が法的には完了した、こういうことになるわけであります。
それで、今日ここで申し上げたいのは、私の研究分野からいうと、こういったシステム改革というのは、これは間違っていたとは思いませんけれども、一つの転換期を迎えているのではないか、こういうふうなことを皆さんに申し上げたいということであります。
二枚目の、これはスライドの四、そこのところに電力供給の特性と安定供給というふうに書いてあります。言わずもがなでありますけれども、日本で電力を安定的に供給することの重要性、これは国民的な価値ということだというふうに思っております。この安定性というのは、容量の問題もありますし、それから、国際的なリスク、経済安全保障も含めて、安全を含めて安定供給をしていく、こういう姿勢を考えるということだと思います。
そこで、二十一世紀になって、システム改革を進めて、競争が進んで、いろいろ効率化が進んだわけではありますけれども、大きなポイントとして、そこにありますように、需要が変動するリスクとか、あるいは供給変動のリスクというものを、マーケットだけでは耐え切れない、こういう状況が生じているのではないかというふうに考えております。
今回、特に、国際情勢から、ウクライナ問題から世界的エネルギー価格の高騰ということがあり、これによって、昨日も東京電力の料金値上げについて議論があったところでありますけれども、こういった大きな変動が起きてくる、こういうようなことがあるということであります。特に、これに加えて、もちろん、今回の法律の主眼でありますけれども、脱炭素、長期的にこれを進めていかなければならない、こういうようなことからしますと、将来に向かっての不確実性に加えて、マーケットでどういうふうにそれを処理していくか、こういうことが問われているのが現代であるというふうに思っております。
それで、先ほど申し上げましたように、マーケットだけでは耐え切れないところを、今、少し軌道修正する時期に来ているというのが私の主張でございまして、例えば、具体的な例で挙げた方が分かりやすいと思います、そこに長期脱炭素電源オークションというのがありますけれども、御承知のように、これは、長期的に見て脱炭素しなければいけないということで、その電源の投資を促すような仕組みをつくったということであります。二十年間ぐらい固定費の大宗の部分を何らかの形で償還すること、保障することによって、新しい電源を導入するということであります。
さっき、マーケットの限界と言いましたけれども、我々、経済の目からすると、マーケットというのは、やはり短期的な視点というのが基本であります。十年先、二十年先、硬い言葉で言うと、異時点間の資源配分効率と書いてありますけれども、要するに、今の時点から見たときと、十年先、二十年先にどうなるべきかということ、これは、政府目標で脱炭素と言ったとしても、それぞれの事業者がどう行動するかという面においてはかなりリスクがあって、なかなかそれを実現することが難しいというのが実態だと思います。要するに、マーケットだけでは二十年先、十年先の資源配分を適正化できない、こういうことであります。
こういったときに、そこに補整をするという意味で、何らかの形の介入、介入といいますか支援をしていく、こういうようなことの必要性がある、これが長期脱炭素電源オークションという形になっているわけであります。
ここに競争がないかというと、そんなことはなくて、イン・ザ・マーケット、フォー・ザ・マーケットと書いてありますけれども、コンペティションというのは、まずは参入するときに、オークションですから、それぞれの電源について、オークションで安いものを選ぶ、革新的なものを選ぶ、効果的なものを選ぶ、そういうコンペティションがある。それから、脱炭素の場合には、作ったところで、これはまた卸売市場にその電源を出していく、こういうことでありますから、そこでもまた競争がある。こういうことでありますので、いろいろな意味で競争は使うんですけれども、リスクの部分を公的な負担として取ってあげる、こんなようなことが重要ではないかなというふうに思っています。
そこで、もう一つ、変動に対する対応ということでいうと、まさに、我々が求めている再生可能エネルギーの変動性、これについてどう対応していくのかという問題があります。
これには幾つかの手法があって、それで対応していくわけですけれども、それはもう皆さん御承知のとおりでありますけれども、一つは、ストレージでためておいて、いつでも使えるようにする、こういうやり方。もう一つは、広域的に運用することによって、それによって変動リスクを除去する、こういうやり方。それからもう一つは、もちろん、需要側をコントロールすること、デマンドレスポンスとかいろいろなやり方、これによってこれを制御するというやり方があるわけであります。
そのために、今回の法律で書かれた、次のページをお願いしますけれども、ここから少し法律の内容について具体的にお話ししたいと思いますけれども、系統整備について、これを進めましょうということ。マスタープランを作って、それに従って、具体的にやるのは電気事業者さんあるいはそれに関係する事業者さんということになるわけですけれども、系統整備を進めるということが提案されているわけであります。
私は、これは非常にすばらしいことだというふうに思っております。簡単に言ってしまうと、道路を造るということに近いわけでありまして、道路を造っていろいろなところの流通を促進する、それによって経済全体を浮揚する、こういうようなことが行われるということであります。
それで、実は私は、PFIとかPPPという分野の仕事を随分実際に今行わせていただいているんですけれども、電気の道路をどう整備するかというときに、官民協調型、パブリック・プライベート・パートナーシップ、こういうものを使ってそれを整備したらいいんじゃないかということを考えておりましたところ、今回の法案で実現されているのがそういった内容になるというふうに思っております。
六ページのスライドは、これはお役所の方が作られた、今回の再エネ導入の環境整備ということで、特に連系線とか系統を整備するときに、かなり大きなやはり投資になる。
次のページを開いていただくと、マスタープランが下の方にありますけれども、例えば、これは今まであったような系統の問題もあるし、それから連系線の問題もあるんですけれども、大規模に、例えば北海道の再生可能を東京に持ってくるというときに、ここはよく議論されているように、海底に直流送電線を引いて、それで持ってくるというような提案がある。これが一兆、二兆というようなことで言われるわけでありますけれども、民間企業で一兆、二兆というのは、これは大変な投資でありまして、そういったところのリスクを取ってやる、これによって道路を造ろうというのが、ここで言うPPP的な発想に基づくインフラ整備だというふうに思っております。
それで、そこには、財源的に言うと、先にある程度一定の、事業期間中にも、建設工事の段階にもお金を交付する、あるいは貸し付ける、こういう形で資金を提供してあげて、それで、運用になった、供用になった後はそれを料金で回収していく、こういうシステムだというふうに思っています。
それで、次のページ、ちょっと御覧になったかもしれませんけれども、スライドの七というのは、実はこれは、私、二十年ぐらい前に教科書に書いたものなんです。
昔、この当時はまだ道路公団というのがございまして、道路公団が有料道路を整備する、そういうとき、どうしたかというと、そこに書いてありますように、Aの部分、これは建設費、これに相当するものを、借入れもあるんですけれども、基本的に政府のお金を入れて、それでその建設を行う。その後、収入が入ってくる、それから維持管理費もありますけれども。
要するに、AとCというところを、長期にわたって、最初の基本ですと、三十年間の償還期間、こういう形でBの収入と合わせる、こういうことをしてきた。基本的にはこれと同じような仕組みで送電線を整備したらどうかということでありまして、その意味では、こういったインフラ整備の官民協調型、これが望ましいのではないかということであります。
五ページにありますように、さっき見ていただきましたけれども、いろいろな系統整備の提案があります。これは、マスタープランをまず作りましょうということであります。マスタープランを作る重要性というのは、ある程度将来を見通して、こうなるということを示すことによって、電源の立地の促進とか開発の促進、これが成るわけで、マスタープランを作るということです。
ただ、やみくもに造ると国民負担だけが増える、こういうことになるわけでありますので、レジュメの方にありますけれども、BバイCとか費用対効果、これをきちっと見定めながらこれを進めていくということが必要ではないかなというふうに思っております。
それから、今回の法律で太陽光パネルの更新とか増設に対して支援をするということでありまして、ある意味では、現状で認定を受けて、それで事業をしていくところ、それが少し毀損したとか、一部ですね、それから、更にそれに増設するということもあり得るわけでありますけれども、こういったものというのは非常に重要なこれからの再生可能エネルギーの供給源になろうかというふうに思っています。
そのために、今回、その部分を認めようということでありますが、注意すべきは、新しい増えた部分の買取り価格は、買取りとか、あるいはFIPでもそうですけれども、支援部分というのは現在のシステムのやり方。ですから、例えば、昔、一番古いのは四十円でやっていましたけれども、四十円、三十円と下がっていって、今支援の価格は随分下がりましたけれども、増設部分というのはその安い支援のやり方でありますので、こういった増設というのは、非常に安い価格で再生可能エネルギーを増やすということであります。
昨今、さっきもちょっと言いましたけれども、御承知のとおりでありまして、エネルギー価格の高騰を受けて、電力の発電単価というのが上がって、それで、今回、七社が値上げ申請しているわけですけれども、そういうふうに変動していく高い価格と比べると、再生可能エネルギーは、確かに変動もあって、それから利用率も一〇〇%というわけにはいかないんですけれども、ただ、かなり競争的な、十分匹敵し得るような価格で電気が提供できるようになってきたということでありますので、これを生かさない手はないというふうに思うわけであります。
ちょっと余談になりますけれども、御承知のように、今、日本の最大の期待といいますか、洋上風力というのがございますけれども、洋上風力の今第二ラウンドを、公募をして第二ラウンドをやっています。第一ラウンドで商社が中心になって提案した案件というのは、今の卸売価格よりも全く安い価格の電力の価格で発電する、こういうことになっているわけであります。
それから、ちょっと時間があれですので少し簡単にいきますけれども、次に、事業規律の問題というのがある。
これは、私も実は、調達価格等算定委員会というのをお手伝いしていた時期もございます。今は違いますけれども。実際に再エネを入れていくと、いろいろな不具合とか地域、周辺との摩擦、あつれきというのがあるわけでありまして、それについてはきちっと対応しよう、こういうことでありまして、ある意味ではクオリティーをちゃんと確保した上で量を増やしていく、このために必要だということで、十ページのところに少しそれについて書いてあるところでございます。
さて、時間でございますので、最終的に私の結論的なことを申し上げると、私の立場としては、やはりこういった再生可能エネルギー、これを大量に日本に導入する、それが、第六次エネルギー基本計画でもありますように、三六から三八ぐらいまで非化石を増やそうと言っていることであるとすれば、これをどう増やしていくかというところが持続的な脱炭素戦略ということになると思います。
それで、これは声を大にして言いたいんですけれども、これはエネルギー業界だけでやっていても恐らく達成できないんですね。いろいろな分野とカップリングをしてそれを達成するということ、政府としてはそういうことを主導していっていただきたいというのが、まず一つ私が申し上げたいこと。
もう一つは、国を見ていると、実は私は財政制度等審議会の、国有財産というのをいろいろ議論する場にいるんですけれども、例えば行政財産で目的外使用みたいなものというのは極めて厳しかったんですけれども、だんだんと規制が緩んで、あるいは、もっと国有財産を利用しよう、こういうような立場の今議論をしていますけれども、でも、こういった脱炭素について、それをどう利用するかなんということについては、まだまだ開発の余地があるといいますか、議論の余地がある。ここは、国全体でこういう脱炭素を進めるというのであれば、そういった財産を使っていくというのが一つ重要なことだと思っています。
皆さんに参考資料としておつけしたのは、成田空港。成田空港は、実は私、成田の出身でございまして、それでこれに非常に関心を持ってやっておりまして。
成田空港というのは、御承知のとおり、いろいろ問題もある、騒音の問題もあるわけですけれども、非常に広大な土地をお持ちでいらっしゃるということでありまして、そこに新しい電力会社をつくって、基本的には、太陽光でありますけれども、将来的には百八十メガぐらいの発電所を造って、成田空港の電気をそれで賄おうと。
それだけではなくて、恐らくこれは余っちゃうので、一つは、それを使って、今話題になっているSAFなどございますけれども、航空機に対する脱炭素燃料、これを作る。水素を作ってそれに持っていくという手もあるし、それからもう一つ、地元としては非常に重要だと思っていますのは、実は成田というのは地域電力会社というのを周辺市町でつくっているんですけれども、そこと連携してこの電気を地域に流す、こういうようなこともあるわけであります。
それで、百八十メガというと十八万キロワットでありまして、本当に小さい火力発電所ぐらいのものであります。もちろん、設備利用率が違いますから、それを全部、常時発電するというわけじゃないんだけれども、非常に重要な電源になる。こういう施設、要するに、国の資産を使いながら長期的な脱炭素の電源を入れていくという、まだまだ余地があるというふうに思っていまして、これは国全体の対応としてそれをお願いしたい。それこそ本当にGXの真骨頂ではないかなというふうに思うわけであります。
そのほかにも、ちょっと書いてありますけれども、例えば鉄道を使うとかいうこともそうですし、それから、こういう運輸分野だけではなくて営農の発電というのもあるわけでありまして、こういった、要するに範囲の経済とか書いてありますけれども、いろいろなことを組み合わせながら脱炭素を進めていく、この姿勢が非常に重要ではないかなというふうに思っております。
ただ、このときに重要なのは、最初に申し上げたように、やはり電気というのは、全体をコントロールする、そういった、すり合わせという言葉を書きましたけれども、個別の企業が提供するものをちゃんと効率的にすり合わせて、そして安定的に供給する、これが大事でありまして、その意味では、その点での公的主体のイニシアティブ、そういうものが必要だというふうに思っております。
そういった観点からすると、今回の法案というのは、再エネ関係のところでいうと非常に重要な法案であるというふうに考える、これを私の結論として、陳述を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →まず、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。日頃からエネルギーあるいはこういった事業環境を研究する者にとって、こういう陳述の機会を与えていただいたことは大変幸せに思っております。
まず、お手元の資料を御覧いただきたいんですけれども、一ページ目の下の部分、そこにJ・S・ミルの引用を掲載しております。これは一八四八年ですから二百年近く前ですけれども、私、経済学が専門でございまして、その経済学からこういった分野をどう見るかということについて、自分の研究分野といいますか対象を皆さんにお分かりいただくために書いております。
ミルの「経済学原理」の中の一部に、当時のロンドンのいわゆる公益事業、水道とかあるいはガス事業というのがあったんですけれども、これについての記述がございまして、当時、こういうガスとか水道とかというのはロンドンの市内に数多く存在した。ところが、ミルが言うには、こういったことで数多く存在するよりも一つにまとめた方が効率的じゃないか、こういうようなことを言ったわけであります。まあ、非常に分かりやすい議論ではなくて、これは我々の分野では自然独占、こういうふうな言い方をするわけですけれども、その自然独占ということから公益事業の研究というのは始まっているところがございます。
そういった前提ですので、一ページめくっていただいて、次のページの下を御覧いただきたいんですけれども、こういった公益事業の自然独占性ということから始まって、二十世紀それから二十一世紀になって大きく事業のやり方を変えてきたというのが、これは世界全体のトレンドということであります。
我が国におきましては、電力システム改革、あるいは、エネルギーシステムということで、ガスも含んでシステム改革をするということで、そういった自然独占の状況から、競争をここに導入する。逆に、ミルとは反対の方向で、競争を導入して、そこで競争を進めることによって効率化あるいはイノベーション、こういうものが生まれるんだ、こういう議論があって、それが実施されたのが特に二十一世紀になってから、日本の場合ですと、ということだと思います。二〇一四年に電力システム改革が法的には完了した、こういうことになるわけであります。
それで、今日ここで申し上げたいのは、私の研究分野からいうと、こういったシステム改革というのは、これは間違っていたとは思いませんけれども、一つの転換期を迎えているのではないか、こういうふうなことを皆さんに申し上げたいということであります。
二枚目の、これはスライドの四、そこのところに電力供給の特性と安定供給というふうに書いてあります。言わずもがなでありますけれども、日本で電力を安定的に供給することの重要性、これは国民的な価値ということだというふうに思っております。この安定性というのは、容量の問題もありますし、それから、国際的なリスク、経済安全保障も含めて、安全を含めて安定供給をしていく、こういう姿勢を考えるということだと思います。
そこで、二十一世紀になって、システム改革を進めて、競争が進んで、いろいろ効率化が進んだわけではありますけれども、大きなポイントとして、そこにありますように、需要が変動するリスクとか、あるいは供給変動のリスクというものを、マーケットだけでは耐え切れない、こういう状況が生じているのではないかというふうに考えております。
今回、特に、国際情勢から、ウクライナ問題から世界的エネルギー価格の高騰ということがあり、これによって、昨日も東京電力の料金値上げについて議論があったところでありますけれども、こういった大きな変動が起きてくる、こういうようなことがあるということであります。特に、これに加えて、もちろん、今回の法律の主眼でありますけれども、脱炭素、長期的にこれを進めていかなければならない、こういうようなことからしますと、将来に向かっての不確実性に加えて、マーケットでどういうふうにそれを処理していくか、こういうことが問われているのが現代であるというふうに思っております。
それで、先ほど申し上げましたように、マーケットだけでは耐え切れないところを、今、少し軌道修正する時期に来ているというのが私の主張でございまして、例えば、具体的な例で挙げた方が分かりやすいと思います、そこに長期脱炭素電源オークションというのがありますけれども、御承知のように、これは、長期的に見て脱炭素しなければいけないということで、その電源の投資を促すような仕組みをつくったということであります。二十年間ぐらい固定費の大宗の部分を何らかの形で償還すること、保障することによって、新しい電源を導入するということであります。
さっき、マーケットの限界と言いましたけれども、我々、経済の目からすると、マーケットというのは、やはり短期的な視点というのが基本であります。十年先、二十年先、硬い言葉で言うと、異時点間の資源配分効率と書いてありますけれども、要するに、今の時点から見たときと、十年先、二十年先にどうなるべきかということ、これは、政府目標で脱炭素と言ったとしても、それぞれの事業者がどう行動するかという面においてはかなりリスクがあって、なかなかそれを実現することが難しいというのが実態だと思います。要するに、マーケットだけでは二十年先、十年先の資源配分を適正化できない、こういうことであります。
こういったときに、そこに補整をするという意味で、何らかの形の介入、介入といいますか支援をしていく、こういうようなことの必要性がある、これが長期脱炭素電源オークションという形になっているわけであります。
ここに競争がないかというと、そんなことはなくて、イン・ザ・マーケット、フォー・ザ・マーケットと書いてありますけれども、コンペティションというのは、まずは参入するときに、オークションですから、それぞれの電源について、オークションで安いものを選ぶ、革新的なものを選ぶ、効果的なものを選ぶ、そういうコンペティションがある。それから、脱炭素の場合には、作ったところで、これはまた卸売市場にその電源を出していく、こういうことでありますから、そこでもまた競争がある。こういうことでありますので、いろいろな意味で競争は使うんですけれども、リスクの部分を公的な負担として取ってあげる、こんなようなことが重要ではないかなというふうに思っています。
そこで、もう一つ、変動に対する対応ということでいうと、まさに、我々が求めている再生可能エネルギーの変動性、これについてどう対応していくのかという問題があります。
これには幾つかの手法があって、それで対応していくわけですけれども、それはもう皆さん御承知のとおりでありますけれども、一つは、ストレージでためておいて、いつでも使えるようにする、こういうやり方。もう一つは、広域的に運用することによって、それによって変動リスクを除去する、こういうやり方。それからもう一つは、もちろん、需要側をコントロールすること、デマンドレスポンスとかいろいろなやり方、これによってこれを制御するというやり方があるわけであります。
そのために、今回の法律で書かれた、次のページをお願いしますけれども、ここから少し法律の内容について具体的にお話ししたいと思いますけれども、系統整備について、これを進めましょうということ。マスタープランを作って、それに従って、具体的にやるのは電気事業者さんあるいはそれに関係する事業者さんということになるわけですけれども、系統整備を進めるということが提案されているわけであります。
私は、これは非常にすばらしいことだというふうに思っております。簡単に言ってしまうと、道路を造るということに近いわけでありまして、道路を造っていろいろなところの流通を促進する、それによって経済全体を浮揚する、こういうようなことが行われるということであります。
それで、実は私は、PFIとかPPPという分野の仕事を随分実際に今行わせていただいているんですけれども、電気の道路をどう整備するかというときに、官民協調型、パブリック・プライベート・パートナーシップ、こういうものを使ってそれを整備したらいいんじゃないかということを考えておりましたところ、今回の法案で実現されているのがそういった内容になるというふうに思っております。
六ページのスライドは、これはお役所の方が作られた、今回の再エネ導入の環境整備ということで、特に連系線とか系統を整備するときに、かなり大きなやはり投資になる。
次のページを開いていただくと、マスタープランが下の方にありますけれども、例えば、これは今まであったような系統の問題もあるし、それから連系線の問題もあるんですけれども、大規模に、例えば北海道の再生可能を東京に持ってくるというときに、ここはよく議論されているように、海底に直流送電線を引いて、それで持ってくるというような提案がある。これが一兆、二兆というようなことで言われるわけでありますけれども、民間企業で一兆、二兆というのは、これは大変な投資でありまして、そういったところのリスクを取ってやる、これによって道路を造ろうというのが、ここで言うPPP的な発想に基づくインフラ整備だというふうに思っております。
それで、そこには、財源的に言うと、先にある程度一定の、事業期間中にも、建設工事の段階にもお金を交付する、あるいは貸し付ける、こういう形で資金を提供してあげて、それで、運用になった、供用になった後はそれを料金で回収していく、こういうシステムだというふうに思っています。
それで、次のページ、ちょっと御覧になったかもしれませんけれども、スライドの七というのは、実はこれは、私、二十年ぐらい前に教科書に書いたものなんです。
昔、この当時はまだ道路公団というのがございまして、道路公団が有料道路を整備する、そういうとき、どうしたかというと、そこに書いてありますように、Aの部分、これは建設費、これに相当するものを、借入れもあるんですけれども、基本的に政府のお金を入れて、それでその建設を行う。その後、収入が入ってくる、それから維持管理費もありますけれども。
要するに、AとCというところを、長期にわたって、最初の基本ですと、三十年間の償還期間、こういう形でBの収入と合わせる、こういうことをしてきた。基本的にはこれと同じような仕組みで送電線を整備したらどうかということでありまして、その意味では、こういったインフラ整備の官民協調型、これが望ましいのではないかということであります。
五ページにありますように、さっき見ていただきましたけれども、いろいろな系統整備の提案があります。これは、マスタープランをまず作りましょうということであります。マスタープランを作る重要性というのは、ある程度将来を見通して、こうなるということを示すことによって、電源の立地の促進とか開発の促進、これが成るわけで、マスタープランを作るということです。
ただ、やみくもに造ると国民負担だけが増える、こういうことになるわけでありますので、レジュメの方にありますけれども、BバイCとか費用対効果、これをきちっと見定めながらこれを進めていくということが必要ではないかなというふうに思っております。
それから、今回の法律で太陽光パネルの更新とか増設に対して支援をするということでありまして、ある意味では、現状で認定を受けて、それで事業をしていくところ、それが少し毀損したとか、一部ですね、それから、更にそれに増設するということもあり得るわけでありますけれども、こういったものというのは非常に重要なこれからの再生可能エネルギーの供給源になろうかというふうに思っています。
そのために、今回、その部分を認めようということでありますが、注意すべきは、新しい増えた部分の買取り価格は、買取りとか、あるいはFIPでもそうですけれども、支援部分というのは現在のシステムのやり方。ですから、例えば、昔、一番古いのは四十円でやっていましたけれども、四十円、三十円と下がっていって、今支援の価格は随分下がりましたけれども、増設部分というのはその安い支援のやり方でありますので、こういった増設というのは、非常に安い価格で再生可能エネルギーを増やすということであります。
昨今、さっきもちょっと言いましたけれども、御承知のとおりでありまして、エネルギー価格の高騰を受けて、電力の発電単価というのが上がって、それで、今回、七社が値上げ申請しているわけですけれども、そういうふうに変動していく高い価格と比べると、再生可能エネルギーは、確かに変動もあって、それから利用率も一〇〇%というわけにはいかないんですけれども、ただ、かなり競争的な、十分匹敵し得るような価格で電気が提供できるようになってきたということでありますので、これを生かさない手はないというふうに思うわけであります。
ちょっと余談になりますけれども、御承知のように、今、日本の最大の期待といいますか、洋上風力というのがございますけれども、洋上風力の今第二ラウンドを、公募をして第二ラウンドをやっています。第一ラウンドで商社が中心になって提案した案件というのは、今の卸売価格よりも全く安い価格の電力の価格で発電する、こういうことになっているわけであります。
それから、ちょっと時間があれですので少し簡単にいきますけれども、次に、事業規律の問題というのがある。
これは、私も実は、調達価格等算定委員会というのをお手伝いしていた時期もございます。今は違いますけれども。実際に再エネを入れていくと、いろいろな不具合とか地域、周辺との摩擦、あつれきというのがあるわけでありまして、それについてはきちっと対応しよう、こういうことでありまして、ある意味ではクオリティーをちゃんと確保した上で量を増やしていく、このために必要だということで、十ページのところに少しそれについて書いてあるところでございます。
さて、時間でございますので、最終的に私の結論的なことを申し上げると、私の立場としては、やはりこういった再生可能エネルギー、これを大量に日本に導入する、それが、第六次エネルギー基本計画でもありますように、三六から三八ぐらいまで非化石を増やそうと言っていることであるとすれば、これをどう増やしていくかというところが持続的な脱炭素戦略ということになると思います。
それで、これは声を大にして言いたいんですけれども、これはエネルギー業界だけでやっていても恐らく達成できないんですね。いろいろな分野とカップリングをしてそれを達成するということ、政府としてはそういうことを主導していっていただきたいというのが、まず一つ私が申し上げたいこと。
もう一つは、国を見ていると、実は私は財政制度等審議会の、国有財産というのをいろいろ議論する場にいるんですけれども、例えば行政財産で目的外使用みたいなものというのは極めて厳しかったんですけれども、だんだんと規制が緩んで、あるいは、もっと国有財産を利用しよう、こういうような立場の今議論をしていますけれども、でも、こういった脱炭素について、それをどう利用するかなんということについては、まだまだ開発の余地があるといいますか、議論の余地がある。ここは、国全体でこういう脱炭素を進めるというのであれば、そういった財産を使っていくというのが一つ重要なことだと思っています。
皆さんに参考資料としておつけしたのは、成田空港。成田空港は、実は私、成田の出身でございまして、それでこれに非常に関心を持ってやっておりまして。
成田空港というのは、御承知のとおり、いろいろ問題もある、騒音の問題もあるわけですけれども、非常に広大な土地をお持ちでいらっしゃるということでありまして、そこに新しい電力会社をつくって、基本的には、太陽光でありますけれども、将来的には百八十メガぐらいの発電所を造って、成田空港の電気をそれで賄おうと。
それだけではなくて、恐らくこれは余っちゃうので、一つは、それを使って、今話題になっているSAFなどございますけれども、航空機に対する脱炭素燃料、これを作る。水素を作ってそれに持っていくという手もあるし、それからもう一つ、地元としては非常に重要だと思っていますのは、実は成田というのは地域電力会社というのを周辺市町でつくっているんですけれども、そこと連携してこの電気を地域に流す、こういうようなこともあるわけであります。
それで、百八十メガというと十八万キロワットでありまして、本当に小さい火力発電所ぐらいのものであります。もちろん、設備利用率が違いますから、それを全部、常時発電するというわけじゃないんだけれども、非常に重要な電源になる。こういう施設、要するに、国の資産を使いながら長期的な脱炭素の電源を入れていくという、まだまだ余地があるというふうに思っていまして、これは国全体の対応としてそれをお願いしたい。それこそ本当にGXの真骨頂ではないかなというふうに思うわけであります。
そのほかにも、ちょっと書いてありますけれども、例えば鉄道を使うとかいうこともそうですし、それから、こういう運輸分野だけではなくて営農の発電というのもあるわけでありまして、こういった、要するに範囲の経済とか書いてありますけれども、いろいろなことを組み合わせながら脱炭素を進めていく、この姿勢が非常に重要ではないかなというふうに思っております。
ただ、このときに重要なのは、最初に申し上げたように、やはり電気というのは、全体をコントロールする、そういった、すり合わせという言葉を書きましたけれども、個別の企業が提供するものをちゃんと効率的にすり合わせて、そして安定的に供給する、これが大事でありまして、その意味では、その点での公的主体のイニシアティブ、そういうものが必要だというふうに思っております。
そういった観点からすると、今回の法案というのは、再エネ関係のところでいうと非常に重要な法案であるというふうに考える、これを私の結論として、陳述を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。拍手
竹
大
大島堅一#8
○大島参考人 おはようございます。龍谷大学の大島と申します。
私は、環境経済学を専門にしておりまして、大学院時代から、気候変動問題、原子力問題、また再生可能エネルギーの政策について研究してまいりました。
本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、GX脱炭素電源法に関する御意見を申し上げます。
お手元の資料に従って申し上げたいというふうに思います。
二ページ目を御覧ください。
GX脱炭素電源法は、GX推進法と一体の関係にあると理解します。今回御意見を申し上げますGX脱炭素電源法は、いわゆる束ね法案として政府より提出されました。大変重要な法律が五つ組み合わされたものとなっております。それぞれが重大な論点を含んでいます。内容は極めて複雑で、今ほかの参考人の方からも御指摘があったように、再エネ特措法なども含まれています。こういったものを、束ね法案という形では十分な審議が尽くせないというふうに考えておりまして、非常に残念に思っております。また、広範な影響を及ぼすにもかかわらず、国民理解も進みにくいというふうに考えております。まずは、このような束ね法案とするのは大変不適切であったと言わざるを得ません。
再エネ特措法に関して、再エネ事案に関しては、例えば長崎県の五島列島の宇久島で、いまだに一キロワットアワー当たり四十円で買い取る案件が残っておりまして、四百八十メガワット、四十八万キロワットがこれから建設されるというようなことがあります。これは、電気料金の高騰が問題になる中で、今これをやるのかというような事案が残っているという問題もあります。
ですが、今回、束ね法案ということなので、余りそのことについてはお話しできません。したがって、特に原子力についての論点についてお話ししたいと思います。
三ページ目を御覧ください。
今般の法案は、気候変動対策、電気料金高騰、電力需給逼迫が背景となっております。では、これらが現在の原子力の状況で解決できるのかということが問題になります。
四ページ目を御覧ください。
政府は、二〇三〇年度に二〇一三年比四六%排出削減という目標を掲げています。ところが、これは現段階で、恐らく達成できないというふうに考えます。
第六次エネルギー基本計画には、原子力を二〇から二二%にするという目標が含まれています。
今年三月に、電力広域的運営推進機関、OCCTOが電力供給計画の取りまとめを発表いたしました。これによると、二〇二二年度の場合では、石炭三一%、LNG三六%、石油四%、原子力六%、再エネ二二%でした。これに対し、二〇三二年度の計画ですが、石炭三一%、LNG二九%、二〇二二年度のものとほぼ同じになります。原子力は五%にとどまります。再エネは三〇%に拡大します。原子力は目標に到達できない、大幅に下回るという見込みです。
これからすれば、原子力はまず可能性に低く、これにかけるのは危険です。むしろ、世界的にも需要が大きい省エネ、またビジネス界からも期待が大きい再エネに政府は集中的に取り組むべきだというふうに考えます。
次に、五ページ目を申し上げます。
原子力とCO2排出削減については、国際的にも注目される研究領域です。イギリスのサセックス大学のソバクール氏は国際科学雑誌のネイチャーエナジーに、原発と再エネ、CO2排出削減の関係について論文を発表しております。これによると、これは大ざっぱに申し上げますが、原子力が増えてもCO2排出削減が国レベルではもたらされなかったということが分かっております。一方、再エネを増やした場合はCO2排出削減がもたらされました。また、再エネと原子力にはトレードオフの関係、二律背反の関係があって、原子力発電を増やすと再エネが伸びにくい傾向があるということも分かっています。
したがって、CO2排出削減のためには、原子力も再エネも両方やるということは誤りです。再エネを増加させることこそがCO2排出削減に直結します。
次に、六ページ目を御覧ください。
日本の原子力発電の現状を改めて確認したいと思います。福島原発事故以降、原子力発電は大きく衰退しました。二〇二〇年度の割合は約四%にすぎません。もはや原子力は主力電源でもベースロード電源でもありません。
次に、七ページ目を御覧ください。
これは今後も続くと思われます。この図は私が作りましたが、原子力発電の設備容量をグラフにしたものです。縦軸に原子力発電の設備容量、横軸に年を表しています。仮に二〇三〇年度に原子力の割合を二〇から二二%にしようとすると、このグラフにありますように、大ざっぱに言うと三千万キロワット程度の原発が必要です。
ところが、1の稼働原発を見ていただくと分かりますように、現在稼働している原発は約一千万キロワット程度しかありません。今後、2、3にあるように、運転を四十年、六十年と考えた場合、いずれ寿命に達し、次々に廃炉になっていきます。これは、どのような原発であっても必ず寿命が来ます。それに伴い、4、5のように、原発の容量は次第に減っていきます。運転延長をしたとしても、結局は同じ運命をたどります。これに加えて、実際には規制基準適合性の審査に申請していない原発が多数あります。そのため、申請した原発は現在三千万キロワットもありません。
したがって、どんなにうまくいったとしても二〇三〇年度に原発比率二〇から二二%の目標を到達するということはありません。まさに、原発は衰退しています。その衰退に依存すれば、国家にとって重要な温暖化対策目標を達成できなくなってしまいます。
八ページ、九ページを御覧ください。
これは国の原子力小委員会に昨年資源エネルギー庁が示した資料の一部です。厳しい現実が具体的に示されています。これを見ますと、国内プロジェクトは中断、輸出案件は全て失敗、サプライチェーンは存続危機、さらに、大手企業が原子力事業から撤退、中核サプライヤーは次々に廃業しています。
一方で、ここではお示ししませんが、核燃料サイクルも破綻しています。
これらの事実に鑑みれば、原子力発電事業は衰退産業だと言えます。今後は、福島原発事故の後始末、通常炉の廃炉、放射性廃棄物の処分、また、福島原発事故から発生する膨大な放射性廃棄物、これに対して非常に長い期間、後始末事業を続けていくことが必要です。これが原子力事業の中心的な部分になります。
次に、十ページ目を御覧ください。
電力価格高騰の問題に移ります。電力価格の高騰は、原発とは直接の関係を持ちません。
ちょっと急がせていただきます。済みません。
十一ページ目ですけれども、福島原発事故後の原発に関連するコストについて見てみます。
電力各社の原子力発電費、国費投入額、事故対策費用で、合計およそ三十三兆円が原子力に投じられてきました。あるいは、今後確実に投じられる費用も含めて三十三兆円というふうになっております。三十三兆円を一・二億人の人口で割りますと、一人当たり二十七万円、四人家族で百万円を超えています。
これらは、主に電気料金を通じて国民負担になっています。まさに、原子力発電は電気料金の底上げ要因になっています。別の言葉で言えば、原子力は国民に経済的恩恵をもたらしているのではありません、コスト負担をもたらしているのです。
十二ページ目を御覧ください。
昨年の電力需給逼迫も、実は原発とは基本的に関係ありません。このときの逼迫は、十年に一度の希頻度現象が、電力施設がメンテナンスする時期に重ねて起こったということによって発生しました。原発が動いていても同じことが起こっていたと言えます。また、今冬は対策が取られていましたので、特段電力逼迫は起きませんでした。これも原発とは直接の関係がありません。
以上の観点から、改正案について御意見を申し上げます。
十三ページ目を御覧ください。
原子力基本法改正案についてです。今回、大幅な変更が含まれています。書換えと言ってもいいかもしれません。
十四ページ目です。
まず、目的です。温暖化防止が目的に位置づけられたため、原子力がいわゆる脱炭素電源として今後用いられる可能性があります。効果がほとんど見込めない原子力を温暖化対策に含める必要は特にありません。むしろ、そのことが、先ほど申しましたように、必要な再エネ拡大を妨げる要因にすらなります。
十五ページ目を御覧ください。
基本方針についてです。ここでは、福島原発事故の教訓が踏まえられていません。各種の裁判で被害者側、被害を受けた人たちが提起してきた、国と事業者の福島原発事故発生責任が書かれていません。これを明記すべきです。
十六ページ目です。
法案では、国の責務が新設されています。全体として見れば、原子力発電促進政策を講じること、これを専ら国の責務にしています。
十七ページ目を御覧ください。
福島原発事故が実際に起きました。福島原発事故を踏まえれば、事故が発生したときの国や事業者の責任はどうなるのか、どう責任を取るのか。これについては、法案では全く書かれておりません。安全確保が前提と書かれていますが、事故が発生したときの国、事業者の責任が書かれていない、これは大変な問題です。これでは、対策をすれば大丈夫なのだということの安全神話の上書き、安全神話の再来と言わねばなりません。
十八ページ目を御覧ください。
国の講じる施策に関する部分です。国が講じる施策が非常に詳しく具体的に書かれています。これが特徴です。専ら開発に力点が置かれている、これでは原子力基本法とは呼べません。
十九ページ目を御覧ください。
開発法としての性格が最も表れているのが、原子力基本法第二条の三の三の改正です。ここに書かれているのが条文です。ここでは、電気事業に係る制度の抜本的改革が実施された状況においても原子力事業を安定的に行うことができるよう、国が事業環境整備をすると書かれています。
この事業環境整備という言葉は、私、原子力政策をずっと研究しておりますが、これまで原子力発電の国民的な追加的コストが発生した場合に、追加的な国民負担制度をつくる、このときに使われる、都合よく経済産業省が使ってきた政策用語です。このような政策用語は原子力基本法にふさわしくありません。
二十ページ目を御覧ください。
次は、原発運転延長に関わる電気事業法改正案について述べます。
第一の問題は、安全規制の観点から定められた運転期間に関する権限を経済産業省に移すことです。これは、新たな形で規制のとりこをつくり出すことにつながります。第二の問題点は、バックフィット義務履行のための停止期間や行政指導による自主的な停止期間、仮処分などの司法判断があったときの停止期間、そのほか予見し難い事由による停止期間など、ありとあらゆる非常に幅広い理由で停止期間を運転期間から除外するということになります。
二十一ページ目を御覧ください。
バックフィット義務履行のための停止期間を、一律、運転期間から除外する合理的な理由はありません。これは、法律に従う、義務だからです。
二十二ページ目です。
仮処分についても書かれています。仮処分というものは、行政規制によるものではなくて、私人間の問題解決のために裁判所が判断したものです。これを、幾ら仮処分が取り消されたからといって、行政側が勝手に、必要がなかったとの理由で運転期間から除外することはあり得ません。これは、裁判官の独立を定めた憲法第七十六条に抵触する可能性すらあります。大変問題な条項だと思います。
二十三ページ目です。
行政指導による停止期間についても書かれています。これも、行政指導に従うか従わないかというのは事業者の自主的な判断によります。当然ながら、自主的に停止した以上、自主的停止期間を運転期間から除外することに根拠はありません。
二十四ページ目、申し上げます。
まとめさせていただきます。以上、るる申し上げましたように、原発は、危険なだけでなく、温暖化対策として効果はほとんどなく、コストも高く、時間的に間に合いません。仮にGX脱炭素電源法が成立すれば、原子力法体系は、原子力開発推進法ないしは衰退する原子力を救済する法律に変貌することになります。
具体的な将来は、次のようになると考えます。
第一に、国として、原子力から撤退できなくなります。その結果、原子力発電のための国民負担が一層増加することになります。これによって、原子力事業者には深刻なモラルハザードが生じます。
第二に、原子力事業者、産業が法律上特別視され、優遇され続けます。裏を返せば、原子力事業者以外の事業者との間で著しい不公平が発生します。これは電力自由化が進んでも起きます。そのように書かれています。
第三に、原子力発電に関する問題が深刻化し、ますます解決困難になります。利用側から運転期間が定められるようになるため、安全性軽視が制度化されてしまいます。また、破綻した核燃料サイクルが放置され、国民負担が拡大していきます。放射性廃棄物処分に関連する地域では、要らぬ対立を引き起こすことになります。
今、原子力発電について、このような法律を作ると、建設二十年、運転が四十年から六十年、廃炉に二十年から三十年、およそ百二十年の間、また原子力発電を新設するようなことにつながります。
以上、御意見を申し上げましたが、このような機会をいただきまして、本当に心より感謝申し上げます。どうもありがとうございました。拍手
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本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、GX脱炭素電源法に関する御意見を申し上げます。
お手元の資料に従って申し上げたいというふうに思います。
二ページ目を御覧ください。
GX脱炭素電源法は、GX推進法と一体の関係にあると理解します。今回御意見を申し上げますGX脱炭素電源法は、いわゆる束ね法案として政府より提出されました。大変重要な法律が五つ組み合わされたものとなっております。それぞれが重大な論点を含んでいます。内容は極めて複雑で、今ほかの参考人の方からも御指摘があったように、再エネ特措法なども含まれています。こういったものを、束ね法案という形では十分な審議が尽くせないというふうに考えておりまして、非常に残念に思っております。また、広範な影響を及ぼすにもかかわらず、国民理解も進みにくいというふうに考えております。まずは、このような束ね法案とするのは大変不適切であったと言わざるを得ません。
再エネ特措法に関して、再エネ事案に関しては、例えば長崎県の五島列島の宇久島で、いまだに一キロワットアワー当たり四十円で買い取る案件が残っておりまして、四百八十メガワット、四十八万キロワットがこれから建設されるというようなことがあります。これは、電気料金の高騰が問題になる中で、今これをやるのかというような事案が残っているという問題もあります。
ですが、今回、束ね法案ということなので、余りそのことについてはお話しできません。したがって、特に原子力についての論点についてお話ししたいと思います。
三ページ目を御覧ください。
今般の法案は、気候変動対策、電気料金高騰、電力需給逼迫が背景となっております。では、これらが現在の原子力の状況で解決できるのかということが問題になります。
四ページ目を御覧ください。
政府は、二〇三〇年度に二〇一三年比四六%排出削減という目標を掲げています。ところが、これは現段階で、恐らく達成できないというふうに考えます。
第六次エネルギー基本計画には、原子力を二〇から二二%にするという目標が含まれています。
今年三月に、電力広域的運営推進機関、OCCTOが電力供給計画の取りまとめを発表いたしました。これによると、二〇二二年度の場合では、石炭三一%、LNG三六%、石油四%、原子力六%、再エネ二二%でした。これに対し、二〇三二年度の計画ですが、石炭三一%、LNG二九%、二〇二二年度のものとほぼ同じになります。原子力は五%にとどまります。再エネは三〇%に拡大します。原子力は目標に到達できない、大幅に下回るという見込みです。
これからすれば、原子力はまず可能性に低く、これにかけるのは危険です。むしろ、世界的にも需要が大きい省エネ、またビジネス界からも期待が大きい再エネに政府は集中的に取り組むべきだというふうに考えます。
次に、五ページ目を申し上げます。
原子力とCO2排出削減については、国際的にも注目される研究領域です。イギリスのサセックス大学のソバクール氏は国際科学雑誌のネイチャーエナジーに、原発と再エネ、CO2排出削減の関係について論文を発表しております。これによると、これは大ざっぱに申し上げますが、原子力が増えてもCO2排出削減が国レベルではもたらされなかったということが分かっております。一方、再エネを増やした場合はCO2排出削減がもたらされました。また、再エネと原子力にはトレードオフの関係、二律背反の関係があって、原子力発電を増やすと再エネが伸びにくい傾向があるということも分かっています。
したがって、CO2排出削減のためには、原子力も再エネも両方やるということは誤りです。再エネを増加させることこそがCO2排出削減に直結します。
次に、六ページ目を御覧ください。
日本の原子力発電の現状を改めて確認したいと思います。福島原発事故以降、原子力発電は大きく衰退しました。二〇二〇年度の割合は約四%にすぎません。もはや原子力は主力電源でもベースロード電源でもありません。
次に、七ページ目を御覧ください。
これは今後も続くと思われます。この図は私が作りましたが、原子力発電の設備容量をグラフにしたものです。縦軸に原子力発電の設備容量、横軸に年を表しています。仮に二〇三〇年度に原子力の割合を二〇から二二%にしようとすると、このグラフにありますように、大ざっぱに言うと三千万キロワット程度の原発が必要です。
ところが、1の稼働原発を見ていただくと分かりますように、現在稼働している原発は約一千万キロワット程度しかありません。今後、2、3にあるように、運転を四十年、六十年と考えた場合、いずれ寿命に達し、次々に廃炉になっていきます。これは、どのような原発であっても必ず寿命が来ます。それに伴い、4、5のように、原発の容量は次第に減っていきます。運転延長をしたとしても、結局は同じ運命をたどります。これに加えて、実際には規制基準適合性の審査に申請していない原発が多数あります。そのため、申請した原発は現在三千万キロワットもありません。
したがって、どんなにうまくいったとしても二〇三〇年度に原発比率二〇から二二%の目標を到達するということはありません。まさに、原発は衰退しています。その衰退に依存すれば、国家にとって重要な温暖化対策目標を達成できなくなってしまいます。
八ページ、九ページを御覧ください。
これは国の原子力小委員会に昨年資源エネルギー庁が示した資料の一部です。厳しい現実が具体的に示されています。これを見ますと、国内プロジェクトは中断、輸出案件は全て失敗、サプライチェーンは存続危機、さらに、大手企業が原子力事業から撤退、中核サプライヤーは次々に廃業しています。
一方で、ここではお示ししませんが、核燃料サイクルも破綻しています。
これらの事実に鑑みれば、原子力発電事業は衰退産業だと言えます。今後は、福島原発事故の後始末、通常炉の廃炉、放射性廃棄物の処分、また、福島原発事故から発生する膨大な放射性廃棄物、これに対して非常に長い期間、後始末事業を続けていくことが必要です。これが原子力事業の中心的な部分になります。
次に、十ページ目を御覧ください。
電力価格高騰の問題に移ります。電力価格の高騰は、原発とは直接の関係を持ちません。
ちょっと急がせていただきます。済みません。
十一ページ目ですけれども、福島原発事故後の原発に関連するコストについて見てみます。
電力各社の原子力発電費、国費投入額、事故対策費用で、合計およそ三十三兆円が原子力に投じられてきました。あるいは、今後確実に投じられる費用も含めて三十三兆円というふうになっております。三十三兆円を一・二億人の人口で割りますと、一人当たり二十七万円、四人家族で百万円を超えています。
これらは、主に電気料金を通じて国民負担になっています。まさに、原子力発電は電気料金の底上げ要因になっています。別の言葉で言えば、原子力は国民に経済的恩恵をもたらしているのではありません、コスト負担をもたらしているのです。
十二ページ目を御覧ください。
昨年の電力需給逼迫も、実は原発とは基本的に関係ありません。このときの逼迫は、十年に一度の希頻度現象が、電力施設がメンテナンスする時期に重ねて起こったということによって発生しました。原発が動いていても同じことが起こっていたと言えます。また、今冬は対策が取られていましたので、特段電力逼迫は起きませんでした。これも原発とは直接の関係がありません。
以上の観点から、改正案について御意見を申し上げます。
十三ページ目を御覧ください。
原子力基本法改正案についてです。今回、大幅な変更が含まれています。書換えと言ってもいいかもしれません。
十四ページ目です。
まず、目的です。温暖化防止が目的に位置づけられたため、原子力がいわゆる脱炭素電源として今後用いられる可能性があります。効果がほとんど見込めない原子力を温暖化対策に含める必要は特にありません。むしろ、そのことが、先ほど申しましたように、必要な再エネ拡大を妨げる要因にすらなります。
十五ページ目を御覧ください。
基本方針についてです。ここでは、福島原発事故の教訓が踏まえられていません。各種の裁判で被害者側、被害を受けた人たちが提起してきた、国と事業者の福島原発事故発生責任が書かれていません。これを明記すべきです。
十六ページ目です。
法案では、国の責務が新設されています。全体として見れば、原子力発電促進政策を講じること、これを専ら国の責務にしています。
十七ページ目を御覧ください。
福島原発事故が実際に起きました。福島原発事故を踏まえれば、事故が発生したときの国や事業者の責任はどうなるのか、どう責任を取るのか。これについては、法案では全く書かれておりません。安全確保が前提と書かれていますが、事故が発生したときの国、事業者の責任が書かれていない、これは大変な問題です。これでは、対策をすれば大丈夫なのだということの安全神話の上書き、安全神話の再来と言わねばなりません。
十八ページ目を御覧ください。
国の講じる施策に関する部分です。国が講じる施策が非常に詳しく具体的に書かれています。これが特徴です。専ら開発に力点が置かれている、これでは原子力基本法とは呼べません。
十九ページ目を御覧ください。
開発法としての性格が最も表れているのが、原子力基本法第二条の三の三の改正です。ここに書かれているのが条文です。ここでは、電気事業に係る制度の抜本的改革が実施された状況においても原子力事業を安定的に行うことができるよう、国が事業環境整備をすると書かれています。
この事業環境整備という言葉は、私、原子力政策をずっと研究しておりますが、これまで原子力発電の国民的な追加的コストが発生した場合に、追加的な国民負担制度をつくる、このときに使われる、都合よく経済産業省が使ってきた政策用語です。このような政策用語は原子力基本法にふさわしくありません。
二十ページ目を御覧ください。
次は、原発運転延長に関わる電気事業法改正案について述べます。
第一の問題は、安全規制の観点から定められた運転期間に関する権限を経済産業省に移すことです。これは、新たな形で規制のとりこをつくり出すことにつながります。第二の問題点は、バックフィット義務履行のための停止期間や行政指導による自主的な停止期間、仮処分などの司法判断があったときの停止期間、そのほか予見し難い事由による停止期間など、ありとあらゆる非常に幅広い理由で停止期間を運転期間から除外するということになります。
二十一ページ目を御覧ください。
バックフィット義務履行のための停止期間を、一律、運転期間から除外する合理的な理由はありません。これは、法律に従う、義務だからです。
二十二ページ目です。
仮処分についても書かれています。仮処分というものは、行政規制によるものではなくて、私人間の問題解決のために裁判所が判断したものです。これを、幾ら仮処分が取り消されたからといって、行政側が勝手に、必要がなかったとの理由で運転期間から除外することはあり得ません。これは、裁判官の独立を定めた憲法第七十六条に抵触する可能性すらあります。大変問題な条項だと思います。
二十三ページ目です。
行政指導による停止期間についても書かれています。これも、行政指導に従うか従わないかというのは事業者の自主的な判断によります。当然ながら、自主的に停止した以上、自主的停止期間を運転期間から除外することに根拠はありません。
二十四ページ目、申し上げます。
まとめさせていただきます。以上、るる申し上げましたように、原発は、危険なだけでなく、温暖化対策として効果はほとんどなく、コストも高く、時間的に間に合いません。仮にGX脱炭素電源法が成立すれば、原子力法体系は、原子力開発推進法ないしは衰退する原子力を救済する法律に変貌することになります。
具体的な将来は、次のようになると考えます。
第一に、国として、原子力から撤退できなくなります。その結果、原子力発電のための国民負担が一層増加することになります。これによって、原子力事業者には深刻なモラルハザードが生じます。
第二に、原子力事業者、産業が法律上特別視され、優遇され続けます。裏を返せば、原子力事業者以外の事業者との間で著しい不公平が発生します。これは電力自由化が進んでも起きます。そのように書かれています。
第三に、原子力発電に関する問題が深刻化し、ますます解決困難になります。利用側から運転期間が定められるようになるため、安全性軽視が制度化されてしまいます。また、破綻した核燃料サイクルが放置され、国民負担が拡大していきます。放射性廃棄物処分に関連する地域では、要らぬ対立を引き起こすことになります。
今、原子力発電について、このような法律を作ると、建設二十年、運転が四十年から六十年、廃炉に二十年から三十年、およそ百二十年の間、また原子力発電を新設するようなことにつながります。
以上、御意見を申し上げましたが、このような機会をいただきまして、本当に心より感謝申し上げます。どうもありがとうございました。拍手
竹
竹
國
國場幸之助#11
○國場委員 自由民主党の國場幸之助です。
本日は、貴重な質疑の機会をありがとうございます。
参考人の先生方には、それぞれのお立場から大変高い見識を御披露いただきまして、本当にありがとうございます。
また、質問の機会をいただきました理事の先生方にも感謝を申し上げます。ありがとうございます。
まず、山口彰参考人にお尋ねをしたいと思います。
我が国は、エネルギーの自給率が一一%と極めて低く、化石燃料のほぼ全てを海外から輸入しているという現状を踏まえた上で、安定供給とカーボンニュートラルの実現と経済成長を追求していかなければなりません。
山口先生が御指摘のように、エネルギー政策は国家百年の大計であり、短期、中期、長期の視点と、一つのエネルギーに過度に依存せず、スリーEプラスSを追求するのが基本だと思います。この視点からも、何よりも安全性に最大限配慮した原子力をいかに活用するのかは、国家的な課題でもあります。
今回のGX脱炭素電源法案の最大のポイントの一つは、原子力規制委員会による安全性の確認を大前提として、原発の運転期間の在り方を整理している点でございます。
そこで、問題の核心は、運転期間制度を見直しても安全性は必ず優先されるという担保をどのように確保するのかという点を、国民へ分かりやすい説明責任を果たしていくことだと思います。
海外の事例も踏まえながら、山口先生の御見解をお願いしたいと思います。特に、運転停止期間も含め、経年劣化と安全性を把握し対処する際のポイント、本質とは何なのかという点についても御説明をお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、貴重な質疑の機会をありがとうございます。
参考人の先生方には、それぞれのお立場から大変高い見識を御披露いただきまして、本当にありがとうございます。
また、質問の機会をいただきました理事の先生方にも感謝を申し上げます。ありがとうございます。
まず、山口彰参考人にお尋ねをしたいと思います。
我が国は、エネルギーの自給率が一一%と極めて低く、化石燃料のほぼ全てを海外から輸入しているという現状を踏まえた上で、安定供給とカーボンニュートラルの実現と経済成長を追求していかなければなりません。
山口先生が御指摘のように、エネルギー政策は国家百年の大計であり、短期、中期、長期の視点と、一つのエネルギーに過度に依存せず、スリーEプラスSを追求するのが基本だと思います。この視点からも、何よりも安全性に最大限配慮した原子力をいかに活用するのかは、国家的な課題でもあります。
今回のGX脱炭素電源法案の最大のポイントの一つは、原子力規制委員会による安全性の確認を大前提として、原発の運転期間の在り方を整理している点でございます。
そこで、問題の核心は、運転期間制度を見直しても安全性は必ず優先されるという担保をどのように確保するのかという点を、国民へ分かりやすい説明責任を果たしていくことだと思います。
海外の事例も踏まえながら、山口先生の御見解をお願いしたいと思います。特に、運転停止期間も含め、経年劣化と安全性を把握し対処する際のポイント、本質とは何なのかという点についても御説明をお願いしたいと思います。
山
山口彰#12
○山口参考人 山口でございます。お答えしたいと思います。
まず、運転期間延長に対して、どうやって安全が担保されるかということでございます。
安全の確保につきましては、原子力規制委員会、ここがしっかり責任を持ってやっていただくこと。
それで、今回の法律の中でもしっかり書き込まれたことは、長期施設管理計画、これをちゃんと提出しなさいと。しかも、長期施設管理計画の中に、劣化の評価の方法、劣化の評価の結果、それから劣化の管理、これをしっかり書き込みなさいということが書かれました。これは、三十年の運転のときから十年以内で出していくわけですから、その点で、きちんと劣化の評価それから劣化の管理が行われるということが法律で書き込まれたということは、大変重要なポイントだと思います。
もう一点、原子力事業者の責任、責務というものも書かれました。その中で、安全確保に関してしっかり取り組む、その体制を整備、強化する、そういうことが書き込まれました。ですから、事業者におきましても、そういったことができない限り、この運転期間延長の申請というのはやってはならないということになってございます。
ですから、そういう観点で、もちろん技術的には一方で見ていく、あるいは一方で、この法律として制度的に安全を担保するということが明確化されたものだというふうに理解してございます。
それから、二点目で、少し技術的なお話かと思うんですが、今の状況もそうなんですけれども、海外といろいろ国際会議の場等で議論しておりまして、四十年あるいは長期運転をやったときの問題としては、まず、原子炉容器の中性子照射脆化、格納容器、コンクリート、それから電気、計装品、そういう幾つかの注目すべきところが挙げられてございます。
アメリカは既に四十年を超えて運転している発電所が幾つもありまして、そういうところが国際会議の場で運転経験を出しております。それで、具体的には、取り替えないといけないというようなものは、ダクトのようなもの、それから埋設ケーブルの埋設管のようなもの、そういうものだという運転経験が蓄積されてございます。
そういった国際的な長期運転に伴う安全評価の方法、あるいは着目するべき設備、システム、それから、蓄積されていくそういう劣化の経験、更に加えれば、我が国でもそうなんですが、取り替えられる機器は取り替えることができるという意味で、例えば、よく美浜の三号機の運転期間延長で出されますけれども、原子炉容器のようなものを除いては、多くの設備が取り替えられているという状況でございます。ですから、技術的観点からおきましても、しっかりリスク評価、安全管理ができているものというふうに解釈してございます。
私からは以上になります。
この発言だけを見る →まず、運転期間延長に対して、どうやって安全が担保されるかということでございます。
安全の確保につきましては、原子力規制委員会、ここがしっかり責任を持ってやっていただくこと。
それで、今回の法律の中でもしっかり書き込まれたことは、長期施設管理計画、これをちゃんと提出しなさいと。しかも、長期施設管理計画の中に、劣化の評価の方法、劣化の評価の結果、それから劣化の管理、これをしっかり書き込みなさいということが書かれました。これは、三十年の運転のときから十年以内で出していくわけですから、その点で、きちんと劣化の評価それから劣化の管理が行われるということが法律で書き込まれたということは、大変重要なポイントだと思います。
もう一点、原子力事業者の責任、責務というものも書かれました。その中で、安全確保に関してしっかり取り組む、その体制を整備、強化する、そういうことが書き込まれました。ですから、事業者におきましても、そういったことができない限り、この運転期間延長の申請というのはやってはならないということになってございます。
ですから、そういう観点で、もちろん技術的には一方で見ていく、あるいは一方で、この法律として制度的に安全を担保するということが明確化されたものだというふうに理解してございます。
それから、二点目で、少し技術的なお話かと思うんですが、今の状況もそうなんですけれども、海外といろいろ国際会議の場等で議論しておりまして、四十年あるいは長期運転をやったときの問題としては、まず、原子炉容器の中性子照射脆化、格納容器、コンクリート、それから電気、計装品、そういう幾つかの注目すべきところが挙げられてございます。
アメリカは既に四十年を超えて運転している発電所が幾つもありまして、そういうところが国際会議の場で運転経験を出しております。それで、具体的には、取り替えないといけないというようなものは、ダクトのようなもの、それから埋設ケーブルの埋設管のようなもの、そういうものだという運転経験が蓄積されてございます。
そういった国際的な長期運転に伴う安全評価の方法、あるいは着目するべき設備、システム、それから、蓄積されていくそういう劣化の経験、更に加えれば、我が国でもそうなんですが、取り替えられる機器は取り替えることができるという意味で、例えば、よく美浜の三号機の運転期間延長で出されますけれども、原子炉容器のようなものを除いては、多くの設備が取り替えられているという状況でございます。ですから、技術的観点からおきましても、しっかりリスク評価、安全管理ができているものというふうに解釈してございます。
私からは以上になります。
國
國場幸之助#13
○國場委員 ありがとうございます。
山口先生に改めてまた確認をしたいんですけれども、運転開始三十年を超えて運転する際、十年以内ごとに、高経化の技術評価と劣化状況や劣化予測に関する詳細な記載を求めるまさに長期施設管理計画、先生の今の御答弁にもありましたけれども、その策定というものが今回の一つの特色だと思います。
そしてまた、それを事業者により作成をして提出するということになっていると思うんですが、その際の安全確保の留意点について懸念する声があるのも事実でございますので、その点についてどのようにお考えになるのかというのが一点目。
また、二つ目に、今後、規制委員会が現行制度に比べて高い頻度で厳正に審査を行いますが、この審査を行う体制というものは、また審査の方法というものは、現状でよいのか、何か変化点があるのか、その点についての御見解をお願いします。
この発言だけを見る →山口先生に改めてまた確認をしたいんですけれども、運転開始三十年を超えて運転する際、十年以内ごとに、高経化の技術評価と劣化状況や劣化予測に関する詳細な記載を求めるまさに長期施設管理計画、先生の今の御答弁にもありましたけれども、その策定というものが今回の一つの特色だと思います。
そしてまた、それを事業者により作成をして提出するということになっていると思うんですが、その際の安全確保の留意点について懸念する声があるのも事実でございますので、その点についてどのようにお考えになるのかというのが一点目。
また、二つ目に、今後、規制委員会が現行制度に比べて高い頻度で厳正に審査を行いますが、この審査を行う体制というものは、また審査の方法というものは、現状でよいのか、何か変化点があるのか、その点についての御見解をお願いします。
山
山口彰#14
○山口参考人 山口でございます。お答えしたいと思います。
事業者が長期施設管理計画を出すということに対しての、懸念する点ということであったと思います。
私の考えますところは、今日の資料でも御説明いたしましたけれども、まだ、一番運転期間の長い原子炉では五十余年だったと思います。すなわち、これは何を意味しているかといいますと、原子力発電所を利用してから、今の第二世代と呼ばれる原子力発電所が主流なんですけれども、五十年余りの運転経験を持っている、すなわち、六十年から先の領域というものは現実には明確には言えない、そういう状況にございます。
ですから、今の事業者が安全確保のためのいろいろな取組を行うに当たって気になる点といいますとすれば、今後、蓄積される運転経験をいかにきちんと海外のプラントと共有して、それをフィードバックしていけるか。ですから、必ずしも、六十年の時点で、今どこを注目すべきかということを断定的に言うのは適切ではないと思います。むしろ、これからの国内外の経験をしっかり見て反映していく、その仕組みをきちんと取り込むということが大事だと思ってございます。
それから、二点目で、審査について御質問があったかと思います。
現実に今、六十年、あるいはそれに予見できない運転停止期間をプラスするというところが審議されていて、じゃ、そのときにどういう具体的な形で審議をするのかという点。これは、先ほど申し上げましたのと同じ理由で、今、規制庁、規制委員会が審議中、議論中であると認識してございます。まさにそういう状況で、是非、規制委員会は、国際的な規制情報交換会議というところにも定期的に出席してございますし、そういうところの場で経験を共有する。
申し上げましたように、日本は平均年齢三十一歳に対して米国四十三歳ということで、多くの経験が蓄積されるはずですので、それを審査の中にしっかり生かしつつ、今後、六十年運転が、四十年、今、日本は四十数年のところなんですが、それがもう少し時間がたったときにしっかりそういうものが反映できるような規定、それから内規、あるいはルール、そういったものを議論して作っていく、そういうような審議する場というのは今後必要であろうかと思ってございます。
以上になります。
この発言だけを見る →事業者が長期施設管理計画を出すということに対しての、懸念する点ということであったと思います。
私の考えますところは、今日の資料でも御説明いたしましたけれども、まだ、一番運転期間の長い原子炉では五十余年だったと思います。すなわち、これは何を意味しているかといいますと、原子力発電所を利用してから、今の第二世代と呼ばれる原子力発電所が主流なんですけれども、五十年余りの運転経験を持っている、すなわち、六十年から先の領域というものは現実には明確には言えない、そういう状況にございます。
ですから、今の事業者が安全確保のためのいろいろな取組を行うに当たって気になる点といいますとすれば、今後、蓄積される運転経験をいかにきちんと海外のプラントと共有して、それをフィードバックしていけるか。ですから、必ずしも、六十年の時点で、今どこを注目すべきかということを断定的に言うのは適切ではないと思います。むしろ、これからの国内外の経験をしっかり見て反映していく、その仕組みをきちんと取り込むということが大事だと思ってございます。
それから、二点目で、審査について御質問があったかと思います。
現実に今、六十年、あるいはそれに予見できない運転停止期間をプラスするというところが審議されていて、じゃ、そのときにどういう具体的な形で審議をするのかという点。これは、先ほど申し上げましたのと同じ理由で、今、規制庁、規制委員会が審議中、議論中であると認識してございます。まさにそういう状況で、是非、規制委員会は、国際的な規制情報交換会議というところにも定期的に出席してございますし、そういうところの場で経験を共有する。
申し上げましたように、日本は平均年齢三十一歳に対して米国四十三歳ということで、多くの経験が蓄積されるはずですので、それを審査の中にしっかり生かしつつ、今後、六十年運転が、四十年、今、日本は四十数年のところなんですが、それがもう少し時間がたったときにしっかりそういうものが反映できるような規定、それから内規、あるいはルール、そういったものを議論して作っていく、そういうような審議する場というのは今後必要であろうかと思ってございます。
以上になります。
國
國場幸之助#15
○國場委員 ありがとうございました。
続きまして、山内弘隆先生にお尋ねをしたいと思います。
山内先生は、再エネ系統整備の必要性を強調されておりました。今回、第六次基本計画の中でも、二〇三〇年の再生可能エネルギーの割合を三六%から三八%としておりますが、そのためには、再エネ大量導入とレジリエンスの強化のために系統整備が極めて重要でございます。
広域連系系統のマスタープランの実現、風力発電の適地である北海道からの海底直流送電の整備には、どのような課題があり、具体的に加速する取組の際の留意点をお聞きしたいのが一点目の質問であります。
もう一つは、私は沖縄県の出身なんですが、沖縄や離島は、今回の広域連系系統のマスタープランに位置づけられておりません。しかし、二月十日に閣議決定されたGX基本方針では、「電源や系統規模等の制約を有する離島等の地域の実情を踏まえつつ、必要な取組を推進していく。」と記載されております。海洋国家日本には、多くの有人離島があります。離島のGX推進に具体的にどのような取組が必要とお考えでしょうか。教えてください。
この発言だけを見る →続きまして、山内弘隆先生にお尋ねをしたいと思います。
山内先生は、再エネ系統整備の必要性を強調されておりました。今回、第六次基本計画の中でも、二〇三〇年の再生可能エネルギーの割合を三六%から三八%としておりますが、そのためには、再エネ大量導入とレジリエンスの強化のために系統整備が極めて重要でございます。
広域連系系統のマスタープランの実現、風力発電の適地である北海道からの海底直流送電の整備には、どのような課題があり、具体的に加速する取組の際の留意点をお聞きしたいのが一点目の質問であります。
もう一つは、私は沖縄県の出身なんですが、沖縄や離島は、今回の広域連系系統のマスタープランに位置づけられておりません。しかし、二月十日に閣議決定されたGX基本方針では、「電源や系統規模等の制約を有する離島等の地域の実情を踏まえつつ、必要な取組を推進していく。」と記載されております。海洋国家日本には、多くの有人離島があります。離島のGX推進に具体的にどのような取組が必要とお考えでしょうか。教えてください。
山
山内弘隆#16
○山内参考人 御質問ありがとうございます。
まず、大規模な系統整備のポイントですけれども、特に、委員御指摘のような海底直流送電線ということになりますと、やはり海底を使うということの権利関係とか調整問題、これが第一の問題でありますけれども、それについて合意を真摯に推し進めるということだというふうに思います。
それから、事業環境という視点については、私申し上げましたように、いかにリスクを軽減させて、そして長期的に安定的にこれを使わせるような仕組みをつくるかということでありまして、その意味で、繰り返しになりますが、今回、公的な、公的というのはOCCTOの方からのお金ですけれども、これをある程度充てながら進めるということがかなり効果的ではないかなというふうに思います。
更に申し上げると、やはりこれは誰がどういうふうな形でやるかということでございまして、一つは、既存の事業者さんは送配電会社という形で系統をお持ちなわけですね。それと、やはりコーディネートをうまくしなければいけないという面があって、そういったところが主体なのかなとも思いますし、さらには、私、個人的な意見ですけれども、やはりこういったところに新しい技術とか、革新的な事業手法とか、こういったものを持ち込めるような主体というものも、何らかの形で参画していくとか、そういうことが重要ではないかなというふうに思っております。
それから、御質問の二点目の、離島のGX問題でありますけれども、これは言うまでもなく、系統とは隔絶されているということが前提で、もちろん全く隔絶されているわけではないんですけれども、やはり、委員御指摘のように、その地域地域でどういうふうにGXを進めていくか、こういうことだと思います。
具体的に言うと、マイクログリッドとか、そういう形を取りながらその地域で進めるということが現実的な問題ではないかなというふうに思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず、大規模な系統整備のポイントですけれども、特に、委員御指摘のような海底直流送電線ということになりますと、やはり海底を使うということの権利関係とか調整問題、これが第一の問題でありますけれども、それについて合意を真摯に推し進めるということだというふうに思います。
それから、事業環境という視点については、私申し上げましたように、いかにリスクを軽減させて、そして長期的に安定的にこれを使わせるような仕組みをつくるかということでありまして、その意味で、繰り返しになりますが、今回、公的な、公的というのはOCCTOの方からのお金ですけれども、これをある程度充てながら進めるということがかなり効果的ではないかなというふうに思います。
更に申し上げると、やはりこれは誰がどういうふうな形でやるかということでございまして、一つは、既存の事業者さんは送配電会社という形で系統をお持ちなわけですね。それと、やはりコーディネートをうまくしなければいけないという面があって、そういったところが主体なのかなとも思いますし、さらには、私、個人的な意見ですけれども、やはりこういったところに新しい技術とか、革新的な事業手法とか、こういったものを持ち込めるような主体というものも、何らかの形で参画していくとか、そういうことが重要ではないかなというふうに思っております。
それから、御質問の二点目の、離島のGX問題でありますけれども、これは言うまでもなく、系統とは隔絶されているということが前提で、もちろん全く隔絶されているわけではないんですけれども、やはり、委員御指摘のように、その地域地域でどういうふうにGXを進めていくか、こういうことだと思います。
具体的に言うと、マイクログリッドとか、そういう形を取りながらその地域で進めるということが現実的な問題ではないかなというふうに思っております。
以上でございます。
國
國場幸之助#17
○國場委員 山内先生にもう一点お尋ねしたいんですが、先生が、今日の資料にはなかったと思いますけれども、エナジーシフトというインタビュー記事の中に、脱炭素化の火力発電の重要性というものを指摘をされておりました。第六次の計画の中でも、二〇三〇年の化石燃料は四一%となっておりますけれども、エネルギーの安定供給の観点からは、脱炭素型の化石燃料、ゼロエミッションの火力発電の研究開発は追求し続けるべきである、このような趣旨のことを先生がおっしゃっておりました。
確かに、グローバルサウスの多くは化石火力でありまして、ゼロエミッションの化石火力は、国際社会でも、我が国のプレゼンスの向上にも大きく今後つながっていくと思います。
山内先生のお考えでは、脱炭素化を目指す火力発電を今後どのように位置づけていくべきであるのか、この点についてのお考えをお聞かせください。
この発言だけを見る →確かに、グローバルサウスの多くは化石火力でありまして、ゼロエミッションの化石火力は、国際社会でも、我が国のプレゼンスの向上にも大きく今後つながっていくと思います。
山内先生のお考えでは、脱炭素化を目指す火力発電を今後どのように位置づけていくべきであるのか、この点についてのお考えをお聞かせください。
山
山内弘隆#18
○山内参考人 火力電源をこれからどうするかというのは、国内だけでなく、国際的に我が国がいろいろ注目されているところだというふうに思っております。
それで、第六次エネ基の火力電源の分担率といいますか構成比が比較的、諸外国と比べると高いというようなこともありますけれども、やはり火力を使いながら脱炭素していく、そういう必要性は感じるところであります。
といいますのは、やはり、先ほど申しましたように、日本全体の安定供給ということを考えると、急速に火力を廃止するということはなかなか難しいことが一点。
それからもう一つは、やはり火力を使いながら技術革新、イノベーションを起こしていくという必要があります。よく今言われますように、アンモニアの混焼とか、これから始まるわけですけれども、更に行けば、水素をどう使うか、あるいは、そういったミックスとしてそのイノベーションをどう起こしていくかという面において、火力というのが、もちろんカーボンリサイクルという面から一つありますし、それからもう一つは、今、水素のように全くグリーンであれば炭素を出さないというものもありますし、そういったものの技術革新をどう進めるかということがあると思います。
それともう一つは、やはり水素、アンモニアというのは、今、日本の、これから脱炭素の非常に大きな主役になっていく。これを、ちゃんとサプライチェーンをつくる。それを、現実的な形で、日本で使えるような、具体的に言うとコスト水準ですけれども、これを実現していくために最初は支援が必要かも分からないけれども、その中でコストを下げていって主力にする、こういうシナリオ。そのためにも、一定程度、やはり火力の重要性があるのではないかなというふうに思っています。
以上でございます。
この発言だけを見る →それで、第六次エネ基の火力電源の分担率といいますか構成比が比較的、諸外国と比べると高いというようなこともありますけれども、やはり火力を使いながら脱炭素していく、そういう必要性は感じるところであります。
といいますのは、やはり、先ほど申しましたように、日本全体の安定供給ということを考えると、急速に火力を廃止するということはなかなか難しいことが一点。
それからもう一つは、やはり火力を使いながら技術革新、イノベーションを起こしていくという必要があります。よく今言われますように、アンモニアの混焼とか、これから始まるわけですけれども、更に行けば、水素をどう使うか、あるいは、そういったミックスとしてそのイノベーションをどう起こしていくかという面において、火力というのが、もちろんカーボンリサイクルという面から一つありますし、それからもう一つは、今、水素のように全くグリーンであれば炭素を出さないというものもありますし、そういったものの技術革新をどう進めるかということがあると思います。
それともう一つは、やはり水素、アンモニアというのは、今、日本の、これから脱炭素の非常に大きな主役になっていく。これを、ちゃんとサプライチェーンをつくる。それを、現実的な形で、日本で使えるような、具体的に言うとコスト水準ですけれども、これを実現していくために最初は支援が必要かも分からないけれども、その中でコストを下げていって主力にする、こういうシナリオ。そのためにも、一定程度、やはり火力の重要性があるのではないかなというふうに思っています。
以上でございます。
國
竹
中
中野洋昌#21
○中野(洋)委員 公明党の中野洋昌でございます。
今日は、四人の参考人の皆様、山口参考人、また満田参考人、山内参考人、大島参考人の四人の皆様より大変貴重な御意見をいただきましたこと、改めまして感謝申し上げます。ありがとうございます。
今回議論をしておりますGX脱炭素電源法案でございますけれども、やはり日本のエネルギー政策の今まさに大きな転換点ということでもございます。その中で、やはりGXを早く実現をしていくというのが、エネルギー政策としても、そしてまた日本の経済成長という意味でも、非常に重要な論点であるというふうにも思いますし、また他方で、足下のいろいろなエネルギーの、ロシアのウクライナ侵略でございますとか、様々なエネルギー危機、燃料の高騰でありますとか、供給が不安定になっていることでございますとか、様々な危機にも同時に対応を足下ではしていくという視点も踏まえながら、しっかりエネルギーの問題を考えていかないといけないのであろうというふうに思っております。
そういう意味では、今後の方向性として、私自身としては、やはり再エネを主力電源化をするというのをしっかり加速をしていくという中で原発への依存度を下げていくという、今のエネルギー基本計画にもありますけれども、こうした方針をしっかり進めていくということが重要ではあると思いますし、他方で、今回、原子力のところも議論になっております。現下の状況を考えると、安全を最優先をしながらという中で、今ある原子力をどう活用していくかという観点もやはり必要になってくるのではないかというふうに考えているところでございます。
そこで、まず冒頭、山内参考人に再エネの関係でお伺いをしたいと思うんですけれども、再エネをいかに主力電源化させていくのか。その中で、今、政府が目標として掲げております目標についても、これを本当にどれだけ達成ができるのか。また、国際的な情勢も見ますと、これを更に加速化できないかというふうな御意見もあるところでございまして、先ほど山内参考人の方からも、これはエネルギー業界だけでやっていてはやはりちょっと限界があるというふうなお声も、御意見も頂戴をしたところであります。
やはり、経済産業省などと意見交換をしておりましても、再エネの適地がどうしてもだんだん少なくなってきたという議論であるとか、そういう必ずしも地政学的に有利な環境ではないという中で、どうやってこれを進めていくのかということが非常に大事だというふうに思っております。
そういう意味では、最後、お時間も少しなかったと思いますので、成田の事例なども挙げていただきましたけれども、エネルギー業界以外のところも含めてどういうことで加速化していけるのか、あるいは、今ある政府の目標を更に超えるような、そういうポテンシャルがあるというふうな御意見もありますけれども、そうしたことを発揮していくためにはどういう取組が必要なのかということにつきまして、もう少し詳しく先生からお伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →今日は、四人の参考人の皆様、山口参考人、また満田参考人、山内参考人、大島参考人の四人の皆様より大変貴重な御意見をいただきましたこと、改めまして感謝申し上げます。ありがとうございます。
今回議論をしておりますGX脱炭素電源法案でございますけれども、やはり日本のエネルギー政策の今まさに大きな転換点ということでもございます。その中で、やはりGXを早く実現をしていくというのが、エネルギー政策としても、そしてまた日本の経済成長という意味でも、非常に重要な論点であるというふうにも思いますし、また他方で、足下のいろいろなエネルギーの、ロシアのウクライナ侵略でございますとか、様々なエネルギー危機、燃料の高騰でありますとか、供給が不安定になっていることでございますとか、様々な危機にも同時に対応を足下ではしていくという視点も踏まえながら、しっかりエネルギーの問題を考えていかないといけないのであろうというふうに思っております。
そういう意味では、今後の方向性として、私自身としては、やはり再エネを主力電源化をするというのをしっかり加速をしていくという中で原発への依存度を下げていくという、今のエネルギー基本計画にもありますけれども、こうした方針をしっかり進めていくということが重要ではあると思いますし、他方で、今回、原子力のところも議論になっております。現下の状況を考えると、安全を最優先をしながらという中で、今ある原子力をどう活用していくかという観点もやはり必要になってくるのではないかというふうに考えているところでございます。
そこで、まず冒頭、山内参考人に再エネの関係でお伺いをしたいと思うんですけれども、再エネをいかに主力電源化させていくのか。その中で、今、政府が目標として掲げております目標についても、これを本当にどれだけ達成ができるのか。また、国際的な情勢も見ますと、これを更に加速化できないかというふうな御意見もあるところでございまして、先ほど山内参考人の方からも、これはエネルギー業界だけでやっていてはやはりちょっと限界があるというふうなお声も、御意見も頂戴をしたところであります。
やはり、経済産業省などと意見交換をしておりましても、再エネの適地がどうしてもだんだん少なくなってきたという議論であるとか、そういう必ずしも地政学的に有利な環境ではないという中で、どうやってこれを進めていくのかということが非常に大事だというふうに思っております。
そういう意味では、最後、お時間も少しなかったと思いますので、成田の事例なども挙げていただきましたけれども、エネルギー業界以外のところも含めてどういうことで加速化していけるのか、あるいは、今ある政府の目標を更に超えるような、そういうポテンシャルがあるというふうな御意見もありますけれども、そうしたことを発揮していくためにはどういう取組が必要なのかということにつきまして、もう少し詳しく先生からお伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
山
山内弘隆#22
○山内参考人 ありがとうございます。
最後の方に、私、資料で成田空港の事例を出しましたけれども、実はあれは国土交通省でありますけれども、空港、航空における脱炭素化のプロジェクトの一つであります。それで、第六次エネ基を作るときに既にその議論が始まっておりまして、第六次エネ基で三六―三八というあそこの再エネの割合には、空港における脱炭素の促進によってその一部を担う、要するに、それが内数として入っている。そのときは実は成田のその百八十というのはなかったんですけれども、全国に空港が百弱ぐらいありますけれども、国管理、地方管理合わせて、そういったものをいかに使っていくか。これはやはり、空港はかなり面積を要しますし、それから、逆に言うと、周辺に対する迷惑施設という面もあるわけですよね。だから、そういった面でも、空港を使って脱炭素というのは非常に優れたアイデアだというふうに思っております。
同じ並びでいうと、港湾というのもございまして、港湾も今、カーボンニュートラルポートということで、これも国土交通省でございますけれども、それを進めていらっしゃいます。ただ、港湾の場合、空港よりも更に自治体関与というのが多いものですから、そういったところで少し、トータルとして再エネをどう入れるかというところの視点に欠けるのかなというふうに思っておりますけれども、空港と同じぐらいのポテンシャルがあるんじゃないかなというふうに思っていまして、これは六次のエネ基のときの内数には入っていないし、これから進めていくところだというふうに思っています。
それから、私、ちょっと国土交通行政、運輸行政も少し関わっていますので、その関係でいうと、鉄道、これはかなりのポテンシャルがあります。鉄道といっても、鉄道の沿線にパネルを張ってというようなこともないこともないですけれども、それよりも、鉄道を使ってどう地域を脱炭素するのかというのがあります。
今、近畿の方で、鉄道会社が中心になって、町づくりとともに脱炭素というようなことをやっている事例があります。
それから、私、少しお話を伺っているところでは、静岡で、清水港に再エネの大きな発電所を造る。そのエネルギーをどこに持っていくのかというと、あそこに鉄道会社が、静岡鉄道というのがあるんですけれども、これが清水港から静岡市まで行っている。そうすると、静岡市までその再エネを運んできて、官庁関係にピュアな再エネを供給するとか、さらには、鉄道というのが、沿線ですから、今の話、ですから、沿線に再エネを普及させるとかということで、そういうセクターを超えた、カップリングした、そういう供給というのはまだまだあるというふうに思っております。
私は運輸行政がもう一つの専門分野ですので、そういったことを例に挙げますけれども、恐らく、それだけではなくて、営農型というのもありますし、農業とかその他の分野でもある。そういったことを、要するに、経済の言葉で言うと、範囲の経済といいますか、それを使っていくのだろうなというふうに思っています。
それのときに非常に重要なのは、先ほど申し上げましたけれども、やはり国として統一的な政策を取って、企業経営でいうと全社戦略という言葉を使いますけれども、そういった意味では、戦略を取っていくのが重要ではないかなというふうに思っております。
この発言だけを見る →最後の方に、私、資料で成田空港の事例を出しましたけれども、実はあれは国土交通省でありますけれども、空港、航空における脱炭素化のプロジェクトの一つであります。それで、第六次エネ基を作るときに既にその議論が始まっておりまして、第六次エネ基で三六―三八というあそこの再エネの割合には、空港における脱炭素の促進によってその一部を担う、要するに、それが内数として入っている。そのときは実は成田のその百八十というのはなかったんですけれども、全国に空港が百弱ぐらいありますけれども、国管理、地方管理合わせて、そういったものをいかに使っていくか。これはやはり、空港はかなり面積を要しますし、それから、逆に言うと、周辺に対する迷惑施設という面もあるわけですよね。だから、そういった面でも、空港を使って脱炭素というのは非常に優れたアイデアだというふうに思っております。
同じ並びでいうと、港湾というのもございまして、港湾も今、カーボンニュートラルポートということで、これも国土交通省でございますけれども、それを進めていらっしゃいます。ただ、港湾の場合、空港よりも更に自治体関与というのが多いものですから、そういったところで少し、トータルとして再エネをどう入れるかというところの視点に欠けるのかなというふうに思っておりますけれども、空港と同じぐらいのポテンシャルがあるんじゃないかなというふうに思っていまして、これは六次のエネ基のときの内数には入っていないし、これから進めていくところだというふうに思っています。
それから、私、ちょっと国土交通行政、運輸行政も少し関わっていますので、その関係でいうと、鉄道、これはかなりのポテンシャルがあります。鉄道といっても、鉄道の沿線にパネルを張ってというようなこともないこともないですけれども、それよりも、鉄道を使ってどう地域を脱炭素するのかというのがあります。
今、近畿の方で、鉄道会社が中心になって、町づくりとともに脱炭素というようなことをやっている事例があります。
それから、私、少しお話を伺っているところでは、静岡で、清水港に再エネの大きな発電所を造る。そのエネルギーをどこに持っていくのかというと、あそこに鉄道会社が、静岡鉄道というのがあるんですけれども、これが清水港から静岡市まで行っている。そうすると、静岡市までその再エネを運んできて、官庁関係にピュアな再エネを供給するとか、さらには、鉄道というのが、沿線ですから、今の話、ですから、沿線に再エネを普及させるとかということで、そういうセクターを超えた、カップリングした、そういう供給というのはまだまだあるというふうに思っております。
私は運輸行政がもう一つの専門分野ですので、そういったことを例に挙げますけれども、恐らく、それだけではなくて、営農型というのもありますし、農業とかその他の分野でもある。そういったことを、要するに、経済の言葉で言うと、範囲の経済といいますか、それを使っていくのだろうなというふうに思っています。
それのときに非常に重要なのは、先ほど申し上げましたけれども、やはり国として統一的な政策を取って、企業経営でいうと全社戦略という言葉を使いますけれども、そういった意味では、戦略を取っていくのが重要ではないかなというふうに思っております。
中
中野洋昌#23
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
いろいろな事例を挙げていただいて、オール・ジャパンで取り組んでいけばまだまだ加速化していけるというふうなことも非常に感じさせていただきましたし、地域との連携というのも非常に大事だなということを改めて感じております。
もう一つ、他方で、いろいろな事例も御紹介いただいておりますけれども、やはり太陽光などが非常に多いというふうにも思っておりまして、そうすると、どうしても調整力の問題が、太陽光を更に進めていくとなるとどうしても避けて通れないところかなというふうに思っております。
そういう意味では、今回の法案でも、そういう調整力というところも含めた議論もなされているとは思いますけれども、山内先生の方から改めて、例えば系統でありますとか、あるいは蓄電ということもあろうかと思いますけれども、こうした調整力についての、今後、どういうところを加速させていくべきかというところを御所見いただければと思います。
この発言だけを見る →いろいろな事例を挙げていただいて、オール・ジャパンで取り組んでいけばまだまだ加速化していけるというふうなことも非常に感じさせていただきましたし、地域との連携というのも非常に大事だなということを改めて感じております。
もう一つ、他方で、いろいろな事例も御紹介いただいておりますけれども、やはり太陽光などが非常に多いというふうにも思っておりまして、そうすると、どうしても調整力の問題が、太陽光を更に進めていくとなるとどうしても避けて通れないところかなというふうに思っております。
そういう意味では、今回の法案でも、そういう調整力というところも含めた議論もなされているとは思いますけれども、山内先生の方から改めて、例えば系統でありますとか、あるいは蓄電ということもあろうかと思いますけれども、こうした調整力についての、今後、どういうところを加速させていくべきかというところを御所見いただければと思います。
山
山内弘隆#24
○山内参考人 ありがとうございます。
再エネ、調整力をどういうふうに確立していくのかということについて、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ためるとか、あるいは需要を減らすとか、現在でもやっているものがありますけれども、例えば蓄電池に対しては、私、技術的なことは専門ではございませんけれども、やはり、もう少しイノベーションによってコストを下げられないのかとか、そういった点での、GXの本当に支援とかできないのかとか、そういったことを思ったりもします。これは典型的なやり方ですけれども。
あともう一つは、デマンドのレスポンスで、さっき、電気の方も、個別にやっているだけじゃなくて全体をシステマチックに動かさなきゃいけないと申し上げましたけれども、需要の側でも、やはり産業構造をいろいろ勘案しながら、そういったデマンドの方をコントロールしながら変動に対応していく、こういうことがあろうかというふうに思っています。
更に言うと、やはり国全体として、あるいはマクロ全体で需要変動をどうするかというと、結構なコストがかかるということはあるんですけれども、これは積み上げで、今申し上げたように、地域でそれをどういうふうに対応するのかというのは一つあるかと思います。
例えば、ある工場があって、そこにパネルを張って、そこで水素を作る。水素というのは一つの蓄電池みたいなものですから、水素キャリアで、いろいろなところでエネルギー源にまた還元できる、こういうことも思っていて、その水素を使って、例えばある工場なんかですと、メタンを作る、Eメタンを作るとか、そういうような地域的な対応もある。メタンを作ればいつでも使えるということになりますし、それから、さっきも言いましたSAFなんというのも水素を作ることによってできるということで。
申し上げたいのは、ですから、マクロでやるときに技術革新的にどういうふうにコストを下げていくのかということと、それからもう一つは、地域地域で変動を吸収していくようなシステム、これはいろいろなインセンティブが要ると思いますけれども、そういうことで対応するのがいいのではないかなというふうに思っております。
この発言だけを見る →再エネ、調整力をどういうふうに確立していくのかということについて、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ためるとか、あるいは需要を減らすとか、現在でもやっているものがありますけれども、例えば蓄電池に対しては、私、技術的なことは専門ではございませんけれども、やはり、もう少しイノベーションによってコストを下げられないのかとか、そういった点での、GXの本当に支援とかできないのかとか、そういったことを思ったりもします。これは典型的なやり方ですけれども。
あともう一つは、デマンドのレスポンスで、さっき、電気の方も、個別にやっているだけじゃなくて全体をシステマチックに動かさなきゃいけないと申し上げましたけれども、需要の側でも、やはり産業構造をいろいろ勘案しながら、そういったデマンドの方をコントロールしながら変動に対応していく、こういうことがあろうかというふうに思っています。
更に言うと、やはり国全体として、あるいはマクロ全体で需要変動をどうするかというと、結構なコストがかかるということはあるんですけれども、これは積み上げで、今申し上げたように、地域でそれをどういうふうに対応するのかというのは一つあるかと思います。
例えば、ある工場があって、そこにパネルを張って、そこで水素を作る。水素というのは一つの蓄電池みたいなものですから、水素キャリアで、いろいろなところでエネルギー源にまた還元できる、こういうことも思っていて、その水素を使って、例えばある工場なんかですと、メタンを作る、Eメタンを作るとか、そういうような地域的な対応もある。メタンを作ればいつでも使えるということになりますし、それから、さっきも言いましたSAFなんというのも水素を作ることによってできるということで。
申し上げたいのは、ですから、マクロでやるときに技術革新的にどういうふうにコストを下げていくのかということと、それからもう一つは、地域地域で変動を吸収していくようなシステム、これはいろいろなインセンティブが要ると思いますけれども、そういうことで対応するのがいいのではないかなというふうに思っております。
中
中野洋昌#25
○中野(洋)委員 ありがとうございました。大変貴重な御意見をいただきました。
今度は、ちょっと原子力の関係で山口参考人にお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、今回、運転期間の議論がなされております。
山口先生からお出しいただいた資料で、高経年化しているところの原子力の資料についてもいただいております。
その中で、今回、基本的には六十年の、四十年プラス二十年の運転期間というものは維持をしつつも、運転を、他律的な要因で止まっているところについてはカウントから除外をするというふうな仕組みの制度になっております。
先ほどの御説明でも、IAEAの中でも、長期間停止をしているようなものは非常に例外的な取扱いというか、そういう位置づけというかカウントになっているというふうなお話もあったと思うんですけれども、基本的に、規制庁などと議論していると、停止期間の考え方については、コンクリートなどは劣化は進むものの、例えば中性子の照射脆化みたいなことは生じないといったふうな議論もあるんです。
基本的には、停止期間がかなり長期間停止しているのは余り日本以外に例がないというふうには思うんですけれども、この期間の安全性の考え方については、どういうふうに考えていけばいいかというか、どういうふうにそこを判断、評価していけばいいのかというところについて、もし御意見がありましたらお願いいたします。
この発言だけを見る →今度は、ちょっと原子力の関係で山口参考人にお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、今回、運転期間の議論がなされております。
山口先生からお出しいただいた資料で、高経年化しているところの原子力の資料についてもいただいております。
その中で、今回、基本的には六十年の、四十年プラス二十年の運転期間というものは維持をしつつも、運転を、他律的な要因で止まっているところについてはカウントから除外をするというふうな仕組みの制度になっております。
先ほどの御説明でも、IAEAの中でも、長期間停止をしているようなものは非常に例外的な取扱いというか、そういう位置づけというかカウントになっているというふうなお話もあったと思うんですけれども、基本的に、規制庁などと議論していると、停止期間の考え方については、コンクリートなどは劣化は進むものの、例えば中性子の照射脆化みたいなことは生じないといったふうな議論もあるんです。
基本的には、停止期間がかなり長期間停止しているのは余り日本以外に例がないというふうには思うんですけれども、この期間の安全性の考え方については、どういうふうに考えていけばいいかというか、どういうふうにそこを判断、評価していけばいいのかというところについて、もし御意見がありましたらお願いいたします。
山
山口彰#26
○山口参考人 御質問にお答えしたいと思います。
今回の前から、既に日本は震災の後十年ぐらい停止して、その後、九州電力の玄海発電所が最初に稼働したわけですけれども、もうそのときから、長期間運転したプラントをどうするのかという議論はあったかと理解してございます。そのときには、規制庁の中では、長期に停止したプラントの稼働における特別な評価というものをやってございます。ですから、そういうものを配慮した見直しが、検討がなされているということでございます。まず、それが一点目。
それから、長期運転期間中の劣化でございますけれども、今御指摘がありましたように、原子炉圧力容器などにつきましては、運転していなければ中性子の照射脆化がない。一方、コンクリートとか、あとケーブル類、そういったものは劣化はするだろう。そういうものは、別途引っ張り上げまして、特別点検という形で評価をしてございます。
そういう形で、実際に運転中でなくて長期停止していた場合にプラントにどういう影響があるのかというのは、相当程度技術的な議論が進んでいて、それが今の評価に反映されているということでございます。
この発言だけを見る →今回の前から、既に日本は震災の後十年ぐらい停止して、その後、九州電力の玄海発電所が最初に稼働したわけですけれども、もうそのときから、長期間運転したプラントをどうするのかという議論はあったかと理解してございます。そのときには、規制庁の中では、長期に停止したプラントの稼働における特別な評価というものをやってございます。ですから、そういうものを配慮した見直しが、検討がなされているということでございます。まず、それが一点目。
それから、長期運転期間中の劣化でございますけれども、今御指摘がありましたように、原子炉圧力容器などにつきましては、運転していなければ中性子の照射脆化がない。一方、コンクリートとか、あとケーブル類、そういったものは劣化はするだろう。そういうものは、別途引っ張り上げまして、特別点検という形で評価をしてございます。
そういう形で、実際に運転中でなくて長期停止していた場合にプラントにどういう影響があるのかというのは、相当程度技術的な議論が進んでいて、それが今の評価に反映されているということでございます。
中
中野洋昌#27
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
時間もあれですので、最後にちょっと一問だけ、山口先生にもう一つだけお伺いしたいんですけれども。
原子力を進めていく中で、どうしてもバックエンドの問題がなかなか進んでこない、見えてこないというのが、やはりなかなか理解が進まないというところの一つであるかなというふうに思いますので、このバックエンドの推進について、本法案での位置づけの評価と、今後どういうところを取り組んでいくべきかというところについても、最後に一言、御所見いただければと思いますので。
この発言だけを見る →時間もあれですので、最後にちょっと一問だけ、山口先生にもう一つだけお伺いしたいんですけれども。
原子力を進めていく中で、どうしてもバックエンドの問題がなかなか進んでこない、見えてこないというのが、やはりなかなか理解が進まないというところの一つであるかなというふうに思いますので、このバックエンドの推進について、本法案での位置づけの評価と、今後どういうところを取り組んでいくべきかというところについても、最後に一言、御所見いただければと思いますので。
山
山口彰#28
○山口参考人 バックエンドの点についての御質問にお答えしたいと思います。
今回、GXとして、バックエンドプロセスの加速化ということが一つの柱として挙げられたと思います。余り公になかなか議論にのりにくいんですけれども、実は私、これは一番重要なポイントの一つではないかというふうに理解してございます。
その中には、まず、廃止措置ですね。もう既に二十基以上、廃止措置になった炉がある。それを、廃止措置というのはリスクをだんだん下げていくというプロセスですので、いかに効率的に経済的に知見を共有しながらやるか、それが大切になってまいります。それが、今回、法改正の中でしっかりそういう仕組みをつくるということが指摘された点、大変重要だと思います。
あともう一つは、再処理と最終処分です。再処理と最終処分、実は、原子力というものは、核燃料サイクルをやることによって非常に効果が増してくる。世界各国はそういう点を目指しているわけでございまして、今回、再処理の竣工、六ケ所村のですね、それと、最終処分の処分場の選定、あるいは文献調査の点につきましても、国を挙げてNUMOとともに取り組んでいくという点が明確に書かれたという点、これは、原子力を持続的に使っていくという点で大変意義があると思いますし、国の長期にわたるエネルギー政策の中の大きな柱になるものだ、そういうふうに考えてございます。
以上になります。
この発言だけを見る →今回、GXとして、バックエンドプロセスの加速化ということが一つの柱として挙げられたと思います。余り公になかなか議論にのりにくいんですけれども、実は私、これは一番重要なポイントの一つではないかというふうに理解してございます。
その中には、まず、廃止措置ですね。もう既に二十基以上、廃止措置になった炉がある。それを、廃止措置というのはリスクをだんだん下げていくというプロセスですので、いかに効率的に経済的に知見を共有しながらやるか、それが大切になってまいります。それが、今回、法改正の中でしっかりそういう仕組みをつくるということが指摘された点、大変重要だと思います。
あともう一つは、再処理と最終処分です。再処理と最終処分、実は、原子力というものは、核燃料サイクルをやることによって非常に効果が増してくる。世界各国はそういう点を目指しているわけでございまして、今回、再処理の竣工、六ケ所村のですね、それと、最終処分の処分場の選定、あるいは文献調査の点につきましても、国を挙げてNUMOとともに取り組んでいくという点が明確に書かれたという点、これは、原子力を持続的に使っていくという点で大変意義があると思いますし、国の長期にわたるエネルギー政策の中の大きな柱になるものだ、そういうふうに考えてございます。
以上になります。
中