総務委員会

2023-05-16 衆議院 全159発言

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会議録情報#0
令和五年五月十六日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 浮島 智子君
   理事 あかま二郎君 理事 斎藤 洋明君
   理事 武村 展英君 理事 鳩山 二郎君
   理事 石川 香織君 理事 奥野総一郎君
   理事 守島  正君 理事 中川 康洋君
      井林 辰憲君    井原  巧君
      金子 恭之君    川崎ひでと君
      国光あやの君    小森 卓郎君
      國場幸之助君    佐々木 紀君
      坂井  学君    塩崎 彰久君
      島尻安伊子君    杉田 水脈君
      田所 嘉徳君    冨樫 博之君
      中川 貴元君    西野 太亮君
      長谷川淳二君    古川 直季君
      松本  尚君    務台 俊介君
      保岡 宏武君    渡辺 孝一君
      おおつき紅葉君    岡本あき子君
      神谷  裕君    重徳 和彦君
      道下 大樹君    湯原 俊二君
      伊東 信久君    市村浩一郎君
      中司  宏君    輿水 恵一君
      西岡 秀子君    宮本 岳志君
      吉川  赳君
    …………………………………
   総務大臣         松本 剛明君
   総務副大臣        柘植 芳文君
   総務大臣政務官      国光あやの君
   総務大臣政務官      中川 貴元君
   総務大臣政務官      長谷川淳二君
   政府参考人
   (デジタル庁審議官)   内山 博之君
   政府参考人
   (総務省大臣官房長)   今川 拓郎君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局長)            小笠原陽一君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長)            竹村 晃一君
   参考人
   (日本放送協会会長)   稲葉 延雄君
   参考人
   (日本放送協会理事)   根本 拓也君
   総務委員会専門員     阿部 哲也君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十六日
 辞任         補欠選任
  金子 恭之君     國場幸之助君
  西野 太亮君     松本  尚君
  古川 直季君     塩崎 彰久君
  渡辺 孝一君     冨樫 博之君
同日
 辞任         補欠選任
  國場幸之助君     金子 恭之君
  塩崎 彰久君     古川 直季君
  冨樫 博之君     渡辺 孝一君
  松本  尚君     西野 太亮君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法及び電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)
     ――――◇―――――
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浮島智子#1
○浮島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、放送法及び電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会会長稲葉延雄君及び日本放送協会理事根本拓也君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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浮島智子#2
○浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人としてデジタル庁審議官内山博之君、総務省大臣官房長今川拓郎君、自治行政局長吉川浩民君、情報流通行政局長小笠原陽一君及び総合通信基盤局長竹村晃一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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浮島智子#3
○浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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浮島智子#4
○浮島委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。保岡宏武君。
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保岡宏武#5
○保岡委員 ありがとうございます。自由民主党、鹿児島の保岡宏武です。
 本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 総務委員会では一年ぶりの質疑となります。十五分と限られた時間ですので、早速質問に移らせていただきます。
 今回の放送法及び電波法の一部改正は、デジタル時代において放送事業が持続的に維持発展していくための選択肢を増やすための改正と理解をしております。後ほど政府にはこの点をお伺いしたいと思いますが、まずは、その前提でNHKに質問をいたします。
 国民の中には、NHKは全く見ないという方もいるかもしれませんし、一方、NHKしか見ないという方もいらっしゃるかというふうに思います。かくいう私も、地元のニュースと情報番組、スポーツ実況以外はNHKしか見ない、NHK派の人間でございます。また、最近では、ほとんどリアルタイムでテレビを見ない私にとって、ネットで見られるNHKプラスも大変重宝をしております。加えて、妻からは、ふだん家にいないあなたに代わって歌のお兄さんやお姉さんが一緒に子育てをしてくれたんだというふうによく嫌みを言われますが、そんなお母さん方も世の中には多いのではないかというふうに思います。
 何が言いたいかといいますと、NHKには、大河ドラマや朝ドラ、教育番組、ドキュメンタリーなど多くの優良なコンテンツがあり、過去放送分も含めて、これらを生かしたサブスクや番組企画の権利販売など、コンテンツビジネスの展開を世界規模で考えてほしいと常々思っているということでございます。
 ネットと放送の融合はNHKの課題かと思いますが、例えば、今後、このようなコンテンツビジネスの収入を原資として、人口減少における将来の受信料収入の減少分を補ったり、あるいは国民の皆様からいただく受信料の値下げに充てたりすることなども考えられるかというふうに思います。
 今回の法案とは直接関係はありませんが、せっかく稲葉会長がお越しでございますので、デジタル時代のNHKの戦略、展望、また世界戦略など、どのようにお考えなのか、お聞かせ願えたらありがたく存じます。よろしくお願いいたします。
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稲葉延雄#6
○稲葉参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、放送番組を始めNHKのコンテンツを多角的に活用することは、視聴者の要望に応え、NHKの放送事業の成果を広く社会に還元していくためにも必要であるというふうに考えてございます。
 現在、放送法に基づき、子会社などを通じて、番組DVDや関連する書籍の発行、あるいは外部の放送事業者や配信事業者へのコンテンツの提供、さらにはイベントの実施などに取り組んでございます。
 ここ数年は、コロナ禍の影響もございまして、そうした事業から上がる副次収入というのは減少傾向にございますが、今後は、NHKが保有する過去の番組や映像といったような資産、いわゆるアーカイブスでございますけれども、これらを積極的に活用してサービスの提供を強化し、NHKのコンテンツをより多くの人々に知っていただきたいというふうに、現在考えてございます。
 そういうことで、この事業活動から得られました副次収入は増えていくものと考えてございますが、それがまた視聴者の負担の抑制、あるいはNHKの財政に貢献するというふうに考えてございます。
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保岡宏武#7
○保岡委員 ありがとうございます。
 実は、私、今日は大島つむぎのネクタイを着けてきているんですが、今年は地元奄美が日本に復帰をして七十周年になります。また、NHKの総合、教育放送が放送を開始してちょうど七十年にも当たる年でございます。そして、実は当時の郵政政務次官が私の祖父でございまして、この総務委員会で質問させていただくということが非常に不思議な御縁を感じております。
 これからもまた、国民のために、そして日本の文化や情報を広く世界に発信をしていただきますように、NHKの活動を心から応援をしていきたいというふうに思いますので、どうか頑張っていただきたいというふうに思います。
 さて、本題に入ります。
 先ほども申し上げましたが、今回の放送法及び電波法の一部改正は、端的に言うと、デジタル時代において放送事業が持続的に維持発展をしていくための選択肢を増やす改正だと私は理解をしております。
 今回の改正の背景、趣旨などを改めて政府にお示しいただきたいと思います。
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小笠原陽一#8
○小笠原政府参考人 本法案の前提となる放送の役割ということから御説明いたしますが、電波は有限希少な資源であり、国民共有の財産であることから、通信に用いられる場合も含めて、電波の利用者は、電波法の規定に基づき、公共性が求められます。
 加えまして、放送につきましては、放送法の規定に基づき、言論報道機関としての社会的影響力を踏まえた放送ならではの公共的な役割を果たすことも求められます。
 具体的に申し上げますが、放送は、災害情報、地域情報などの公共性の高い情報をあまねく伝えるとともに、「報道は事実をまげないですること。」等の番組準則という規範にのっとって、いわば質の担保された情報を提供することにより、公共的な役割を担ってきたところです。
 我が国では、公共放送と民間放送が切磋琢磨する二元体制の下、放送の公共的な役割として、あまねく受信できるように責務が課されることで、多元的な主体による多様な放送が確保されているところでございます。
 そして、近年、放送を取り巻く環境が変化する中、放送の視聴者や広告収入が減少し、放送事業者の経営状況は以前にも増して厳しく、放送事業者の経営基盤を強化することが課題となっております。
 また、デジタル時代において、インターネット上で膨大な情報が行き交い、フェイクニュース、誤情報などの問題も顕在化する中、放送のメディアとしての重要性が増しております。
 さらに、コンテンツ分野は、我が国の成長を牽引する将来可能性ある分野として、また日本のソフトパワー等にも決定的な役割を果たすものとして期待されており、このため、ローカル局を含む日本全体の放送番組の制作人材とその制作能力の維持強化に取り組むことが重要と考えております。
 以上の状況の中で、放送の公共的な役割を果たし続けていただくため、本法案において、経営基盤を強化するために、経営の選択肢を拡大する制度を整備することとしております。
 このような放送事業者の経営基盤を強化し、放送分野全体の番組制作能力を高めることは、地域発の情報発信を通じ、政府の重要課題である地方創生にもつながるものというふうに認識しております。
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保岡宏武#9
○保岡委員 経営基盤の強化ということで、中継局設備の共同利用や、複数の放送対象地域における放送番組の同一化、基幹放送事業者の業務体制確保に係る規定の整備など、三つの点が私はポイントだというふうに事前にお伺いをしております。
 質問時間が限られておりますので、私は、中継局設備の共同利用について中心的に伺いたいというふうに思います。
 今回の改正では、NHKが民放事業者と中継局設備を共同利用することができるようになります。そもそも、国民の皆様からいただく受信料で賄われるNHKの設備などを、営業活動で利益を得ている民間事業者が一緒に共同で利用するということを、なかなか国民の皆さんに理解を得られるのかという懸念も残っておりますが、その点においてどのようにお考えになるのか、お示しいただけますでしょうか。
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国光あやの#10
○国光大臣政務官 保岡委員の御質問にお答えをいたします。
 御指摘のとおり、本法案は、国民そして視聴者の理解を得ることが非常に重要だと考えております。受信料は、御指摘のとおり、NHKの業務運営を支えるためのものとして、国民や視聴者の皆様に御負担をお願いをしております。他方、放送法におきましては、NHKに対しまして、民放が地域においてあまねく受信をできるようにするという努力義務を果たすために講じる措置に協力する努力義務を課しております。NHKが果たすべき役割として位置づけられているところでございます。
 したがいまして、NHKは民放との中継局の共同利用に貢献することができると考えまして、本法案におきましては、その共同利用を可能とする制度を整備するものでございます。また、共同利用はNHK自体の業務運営の効率化にもつながるものと考えております。
 NHKにおきましては、放送法にのっとりまして、その業務に支障のない範囲において協力を行うとともに、視聴者・国民の理解を得られるようにしっかりと説明責任を果たしていきたいと考えております。
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保岡宏武#11
○保岡委員 ありがとうございました。
 丁寧に説明を尽くしていただきたいと思いますと同時に、この法案が通った暁には、運用面におきましても国民の皆さんから疑念を抱かれることがないように、NHKの側にも強くお願いしてまいりたいというふうに思います。
 また、この共同利用に関しては民放側の視点もございます。御存じのように、テレビの広告費はインターネットに抜かれ、コロナ禍、円安など、不況が進展する中で、特に地方の民放は、広告収入が落ち込む一方で、人件費、インフラ整備費が高騰し、経営を圧迫しております。
 今回の改正で、民放にとって設備投資低減の新たな選択肢が増えるということはよいことだというふうには思いますが、一方、これが強制や義務化されることがないかということが、民放の側からは懸念もあるように聞いております。この点に関して、政府の見解をお示しください。
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小笠原陽一#12
○小笠原政府参考人 現在、放送事業者は、その放送対象地域にあまねく放送番組を届けるため、自ら多くの中継局を設置されておりますが、放送を取り巻く環境が大きく変化する中、放送の視聴者数が減少し、放送事業者の経営状況は以前にも増して厳しく、放送事業を行うための固定費用の削減が課題となっているところでございます。
 これを踏まえ、本改正法案は、中継局の共同利用を強制するものではなく、経営の選択肢として、希望される放送事業者において中継局の共同利用を可能とする制度整備を行うものでございます。
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保岡宏武#13
○保岡委員 ありがとうございます。
 今お答えをいただいたことであれば、これは経営判断の選択肢の一つであるということは十分理解をできました。
 私の地元の鹿児島では、奄美地方など離島を多く抱えていることもあり、従来から、民放四局が、中継局の建設、保守、更新を共同で行うなど、共同利用に関して先取りをする形で進めております。そのような中で、多くの中継局が更新時期を迎えて、地元奄美の中継局更新は大きな負担になっていることも事実です。過去には、奄振の活用、デジタル移行期には国の補助などもあったというふうに伺っております。
 デジタル時代とはいえ、まだまだテレビやラジオの果たす役割は大きいことは事実で、地元からも、県内全域に良質な番組、とりわけ防災など緊急情報を広くあまねく伝えるためにも公的な補助が欲しいという要望も上がってきております。また、ブロードバンドなどによる小規模中継局の代替も検討されているとも聞いております。
 最後に、大臣に、全国の離島の放送や小規模中継局維持などを含めた、デジタル時代において放送事業が持続的に維持発展していくための中長期的な展望について、政治家としてのお考えを伺えますでしょうか。よろしくお願いいたします。
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松本剛明#14
○松本国務大臣 御質問いただき、ありがとうございます。
 現在、放送事業者は、その放送対象地域にあまねく放送番組を届けるため、自ら多くの中継局を設置しており、放送を取り巻く環境が大きく変化する中、こうした放送事業を行うための固定費用の負担が課題となっているところでございまして、委員の御地元にも離島を抱えておられるローカル局があろうかというふうに思いますが、このようなところでは特に大きな課題となっていると認識をしております。
 このような状況において、放送事業者が各地域においてその重要な役割を果たし続けるため、経営形態の合理化を含め、経営基盤を強化することが大切で、本改正法案はそのための選択肢として、中継局の共同利用、異なる対象地域における放送番組の同一化等を可能とする制度整備を行うものであるところ、委員からも御指摘をいただいたとおりでございます。
 この中継局の共同利用に関しては、有識者検討会の取りまとめでは、「具体的な選択肢となるよう、総務省も適切に関与しつつ、NHK及び民間放送事業者をはじめとした関係者間で具体的な検討・協議を進めていくべきである。」とされておりまして、この取りまとめも踏まえ、総務省としても、地上テレビジョン放送のデジタル化の際の事例も参考に、NHK、民放、総務省による検討の場を設けるなど、それぞれの役割分担も含めたコンセンサスの形成に向けて、必要な後押しをしてまいりたいと考えております。
 ローカル局は、放送法による放送の公共性を担保する仕組みの下、地域情報を始めとした国民生活及び経済活動に欠かせない情報の基盤としての機能を果たして、貢献をしてきていただいたと認識をしておりまして、ローカル局には、各地域においてその重要な役割を果たし続けていただくことが重要でございます。
 総務省としても、そのための後押しを引き続きしっかりと進めてまいりたいと考えており、その際には、離島を始め、条件不利地域にもしっかりと配慮してまいりたいと考えております。
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保岡宏武#15
○保岡委員 松本大臣、ありがとうございます。
 離島にも政府の目をしっかりと向けていただきたい。特に、今年は奄美が本土復帰をして七十年の節目の年でもございます。奄振法延長の年でもございますので、総務省としても格段の御支援を賜りますように、よろしくお願いをいたします。
 最後に、情報通信インフラ強化に関する党の提言が取りまとめられました。私もその議論の場に参加をさせていただきました。放送設備、情報通信インフラは、現代のデジタル社会を支える最重要なインフラでもございます。この設備維持管理を政府には万全に行っていただきたいという思いを申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。
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浮島智子#16
○浮島委員長 次に、輿水恵一君。
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輿
輿水恵一#17
○輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。
 本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、早速でございますが、放送法及び電波法の一部を改正する法律案につきまして、質問をさせていただきます。
 初めに、ただいまもございましたけれども、中継局の共同利用について質問をさせていただきます。
 現在、全ての特定地上基幹放送局、いわゆる地上テレビ局は、番組の制作と併せて、その番組を放送するための本局、親局、中継局等の放送設備の保有と運用並びに維持管理を一貫して行っております。
 今日まで、中継局につきましては、NHK及び民間放送事業者において、可能な限り共同建設を行うなど、効率的な整備が進められてきましたけれども、今後は、設備の更新に加え、維持管理等に必要な人材の確保も困難となっていくことが考えられます。
 本改正では、地上テレビ放送を行う地上基幹放送局について、諸外国の制度及び設備運用の事例も参考に、更なる効率化を図る観点から、中継局の保有、運用、維持管理を担うハード事業者の設立により、中継局等の共同利用を進めようとするものでございます。
 ここで、中継局の共同利用に当たっては、NHKと民間放送局の連携が想定されることから、本改正においては、NHKも、自らの設備だけではなく、子会社であるハード会社の設備を用いることを可能とすることも盛り込まれております。
 中継局の共同利用は、放送事業者の中継局の運用、維持管理を効率化していく上で必要なものであると思いますが、他方で、その事業の継続性が確保される必要性もあります。そこで、共同利用会社の設立の際、放送事業の継続性を担保する観点からどのような措置を講ずるのか、お考えをお聞かせください。
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小笠原陽一#18
○小笠原政府参考人 お尋ねの中継局の共同利用会社についてでございますが、これは、電波法の規定に基づきまして、中継局の免許人ということが想定をされます。その免許の審査において、免許期間における事業の継続性を確保する観点から、その申請の際、事業計画や事業別収支見積りを提出いただくということになろうかと思います。
 こうした規定に基づきまして、総務省といたしましては、共同事業会社の設立に当たり、その業務継続性が担保されるよう、しっかりと対応してまいります。
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輿
輿水恵一#19
○輿水委員 どうもありがとうございます。
 この共同利用会社は、今後、NHKや民放で具体的な検討を行っていくこととなると思います。
 そこで、共同利用会社の設立に向けて、NHKとしてどのような視点を持ってどのように取り組んでいくお考えなのか、お聞かせ願えますでしょうか。
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根本拓也#20
○根本参考人 お答えいたします。
 地域の放送ネットワークインフラにつきましては、総務省の有識者会議で、若者を中心としたテレビ離れや放送の広告市場の縮小などの環境変化により、コスト負担の軽減が課題として指摘されております。
 こうした課題を踏まえまして、NHKでは、地域の皆様にNHKと民間放送事業者の放送を将来にわたって届け続けていくために、改正放送法で定められた民間放送事業者への協力努力義務への拠出などに繰越金から六百億円を充てることを、修正した経営計画に盛り込んでおります。
 地域の放送ネットワークインフラの維持管理のコストや保守管理の人材確保が課題となる中、民間放送事業者と連携協力して設備維持のコストの抑制に取り組む必要があると考えております。具体策につきましては、次期中期経営計画の期間内に検討することとしております。
 総務省の有識者会議で放送事業者の経営の選択肢として提示された、共同利用型モデルの推進やマスター設備の効率化、それに、小規模中継局などのブロードバンドなどによる代替も踏まえて、今後、民間放送事業者と意見交換をしながら、経済合理性にも配慮し、持続可能な仕組みを検討してまいりたいと思っております。
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輿
輿水恵一#21
○輿水委員 ありがとうございます。
 是非、適切な推進をよろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、マスター設備の技術革新と運用についてお伺いを申し上げます。
 各地上テレビ局、放送事業者が作成した番組は、マスター設備から放送のタイミングに合わせて送出し、親局並びに中継局等から放送されていますが、このマスター設備の更新も、放送事業者にとって大きな負担となることが想定されています。
 放送におけるマスター設備はテレビ局の心臓部と言われる大変に重要なものでありますが、このマスター設備は、放送が始まった当初に比べると様々な点で技術革新が進んでいると思います。
 そこで、特に着目すべき点についてお聞かせ願えますでしょうか。よろしくお願いいたします。
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小笠原陽一#22
○小笠原政府参考人 お尋ねのマスター設備に関してでございますが、近年のICTの動向として注目しておりますのは、柔軟な機能拡張あるいは効率的なリソース共有を実現するクラウドが各分野で積極的に活用されていることでございます。
 放送分野においても、クラウド化によりまして、番組制作から送出までクラウド上で一貫して行うことによる業務フローの短縮、簡略化、あるいは設備の設置場所に依存しない運用体制の構築、自社設備から外部リソース利用への転換による設備投資の負担軽減などの業務効率化や利便性向上、コスト削減等の実現が期待されており、御指摘のマスター設備につきましても、クラウドを活用したシステムの開発が進められるものというふうに考えております。
 総務省としても、その技術動向を注視するとともに、必要な環境整備に取り組んでまいります。
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輿
輿水恵一#23
○輿水委員 どうもありがとうございます。
 ただいま御説明いただきましたとおり、今後はマスター設備のクラウド化が進められることと思いますけれども、委託によるマスター設備の運用であっても、放送事業者には番組の送出を適切に実行する責任があると思います。
 そこで、放送事故等の発生防止のために、委託先のマスター設備の維持管理や運用面に対して、放送事業者としては具体的にどのような関与が考えられるのか、総務省の見解をお聞かせください。
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小笠原陽一#24
○小笠原政府参考人 御指摘の点、放送事業者がクラウド等の外部事業者が提供する設備、サービスを利用する場合でございますが、この場合でも、放送事業者の責任において安定的な放送を確保する仕組みが重要であるというふうに考えております。
 このような観点から、本改正案では、放送事業者に対しまして、外部事業者を含めた業務管理体制の維持義務を課しまして、その履行を担保する制度を新たに設けることとしております。
 具体的には、放送事業者に対し、外部事業者も含めて、非常時や緊急時であっても業務を確実に実施することができるよう、適切な体制の維持を求めるものでございます。
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輿
輿水恵一#25
○輿水委員 どうもありがとうございます。
 まさに、非常時、緊急時にも適切な取組、管理ができるようによろしくお願いを申し上げます。
 近年、テレビ放送の広告収入というのは低下傾向にあり、特にローカル局の経営が厳しさを増していると伺っております。
 一方で、ローカル局の、地域の魅力を積極的に取材し発信する地域情報番組は、地域コミュニティーを維持向上させる意味からも非常に重要であると思います。
 さらに、近年、台風、集中豪雨等の大規模な災害により大きな被害が発生しており、災害時においても、放送により必要な情報をきめ細かく伝えるなど、ローカル局の果たす役割は大きいと思います。
 今回の改正、ローカル局においても、中継局またマスター設備の共有、また番組の同一化など、適切な効率化を進める中で、事業の継続を期待をしたいと思います。
 次に、マスター設備のクラウド化に当たっては、サイバーセキュリティー対策等、安全性また信頼性の確保が重要と思いますけれども、その環境整備をどのように進めていくのか、総務省のお考えをお聞かせください。
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小笠原陽一#26
○小笠原政府参考人 御指摘のクラウド等による柔軟な機能拡張、あるいは効率的なリソース共有を実現する技術が各分野で活用されておりまして、放送分野におきましても、利便性向上やコスト低減の観点から、マスター設備のクラウド化が進むものと想定しております。
 現在、マスター設備はインターネット等外部ネットワークから隔離されておりますが、クラウド化により外部ネットワークと接続され、設置場所や維持管理等にも変化が生じることから、これらに関する安全、信頼性対策について検討する必要があるというふうに考えております。
 このような状況を踏まえまして、昨年十二月から、情報通信審議会におきまして、マスター設備のIP化、クラウド化等に伴い、新たに措置すべき安全、信頼性対策等の技術的条件を審議いただいているところでございます。
 また、先ほど御答弁いたしましたが、本改正法案において、放送事業者が外部事業者を利用した場合であっても、安定的な放送を確保する観点から、外部事業者との間を含めた業務管理体制の維持義務を新たに設けることとしているところでございます。
 総務省といたしましては、これらの取組を通じまして、放送事業者が経営の選択肢としてマスター設備のクラウド化を選択した場合に、安心、安全かつ円滑に導入できるよう、技術及び運用の両面から、必要な環境整備に取り組んでまいります。
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輿
輿水恵一#27
○輿水委員 どうもありがとうございます。
 まさに、放送事業者の選択肢として、経営を今後しっかり安定させていく意味での、先ほどのいわゆる中継局の共同利用、あるいはマスター設備の共有化とか、さらに、今法案にあります番組の同一化等、様々な選択肢の中で、しかし、ローカル局としての役割をしっかりと果たせるような環境の整備をしっかり進めていただければと思います。
 また、マスター設備のクラウド化ということになりますと、まさに、インターネットというか、そういった形での接続環境も生まれる中で、ただいまのセキュリティー対策ということもしっかりと進めていただければと思います。
 本日は、放送の効率化等について議論してまいりましたが、放送と同じく、国を支える情報通信インフラについての強靱化もまさに必要だと思っております。放送と情報通信は共に国民への情報を迅速かつ的確に伝達するものであり、大変に重要なインフラであると思います。その整備や維持管理については、今後も総務省の方で総合的に判断をしながら適切に進めていただければと思います。
 若干時間が余っておりますけれども、以上で私からの質問とさせていただきます。
 本日は、大変にありがとうございました。
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浮島智子#28
○浮島委員長 次に、奥野総一郎君。
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奥野総一郎#29
○奥野(総)委員 立憲民主党の奥野総一郎でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 最初に、放送法四条の方のお話をさせていただきたいと思います。
 お手元にお配りをしております、答弁を二つ載せております。
 三月に、大臣に私が御質問させていただいたときに、昭和三十九年の四月の答弁において、政府から、極端な場合には、一つの番組でも、政治的公平性を確保していないと認められる場合があると、この三十九年答弁で言っている、そこから今回は変わっていないんだ、そういう趣旨の答弁があったかと思います。ただ、これをよく読むと、結構、一つの番組について見るということに否定的な答弁なんですね。
 事例は、八時、ゴールデンタイムに、池田総理が突然割って入って、十五分間、ストの問題について政府の説明をした。これを見ると、民放ぶち抜きで、各局全部で枠を使ってやった。ちょっと今では考えられないようなことだったんですね。
 それに対して、当時の社会党側から、政治的公平性に反するんじゃないか、こういう話がありまして、停波の問題なんかも当時から議論はされてはいるんですが、政府側はこれに対しては、むしろ政治的公平性は守られているんだ、こういう答弁をしています。全体で見て、例えば、成田書記長とか太田総評議長が別のところで意見を述べているからいいんだ、その全体を見て言っているというような話もしていますし、ある期間全体を貫く放送番組の編集の考え方としてバランスが取れていればいいんだというようなことも言っているんですね。この時点では、放送番組全体とかそういう言葉は使っていないんですが、今と同じような考え方を述べていて、バランスが取れているんだということを言っています。
 その中で、上の宮川答弁ですけれども、真ん中辺にあったように、ある一つの番組が、極端な場合を除きまして、これが直ちに公安及び善良な風俗を害する、あるいは、これが政治的に不公平なんであるということを判断する、一つの事例につきましてこれを判断するということは、相当慎重にやらなければいけませんし、慎重にやりましたとしても、客観的に正しいという結論を与えることはなかなか難しい問題であろうということ。それから、もう一つ、番組の内容について、いろいろな自由ということを別に考えなければならない、表現の自由とかという意味だと思いますが、個々の番組について、一々これを判断して、常にテレビ番組あるいは放送番組の内容を監視していくというのはできない、こう言っているわけですよ。
 これは、一つの番組について見るのは難しいという答弁なんですね、実は。だから、そうは言っていないんです。
 私、二〇一六年のときに安倍総理ともやりましたけれども、あのときは、一つの番組を見ればいいじゃないですか、こういうトーンだったんですね。見ることはできます、見ればいいじゃないですかと。私は、それに対して、検閲じゃないですか、こういうことを申し上げたんですけれども、そういう答弁だったんです。明らかに違ってきているんですよ、昭和三十九年答弁と現在と。
 じゃ、今のスタンダード答弁って何ですかというと、確かに、この昭和三十九年答弁は今と同じ、そういうふうに捉えれば、個別の番組を見るということについてはよくないんだというトーンで答弁をしていて、じゃ、それについてきちっとまとめたものが、この平成六年三月二十四日の江川答弁。これが多分、従来は、この問題のスタンダード答弁だったと私は認識しているんですよ。
 これは非常にコンパクトにまとまっていて、下の方ですね。政治的に公平であるとは、政治上の諸問題を扱う場合には、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏することなく、いろいろな意見を取り上げ、放送番組全体としてバランスの取れたものでなければならない、こう言っていて、一言も、一つの番組についてという話は触れていないんですよね。
 この答弁というのは、例の椿発言の問題でもめたときですけれども、もし一つの番組を見るというようなことを言ってしまったら、大騒ぎになったと思うんですよ。それこそ停波とか、そういう話につながりかねない大騒ぎになったと思うんです。だから、それを打ち消すために、こういう答弁、全体を見ているんですという答弁をしていると思うんですね。
 これがスタンダードだったとすれば、あるいは昭和三十九年の答弁の取り方にもよるんですが、一つの番組を見るということは、政府は一貫して言っていないんじゃないかと思うんですね。だとすれば、今回の、あれは二〇一五年か、高市答弁というのは、補充と言っていますが、新しい見解をつけ加えたんじゃないですか、違う意味合いをですね。三十九年答弁にしても、平成六年江川答弁にしても、個々の番組を見ることについては非常に消極的な、江川答弁はこれにそもそも触れていないです、触れていないということはやらないということだと思うんですが、話だったものが、個々の番組まで見ていいんだということで、明らかに内容が変わったと思うんですね。
 ちょっと長くなりましたけれども、大臣、この辺りを説明いただければと思います。
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