法務委員会

2023-11-09 参議院 全344発言

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会議録情報#0
令和五年十一月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     井上 義行君     世耕 弘成君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     松川 るい君
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     赤松  健君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        佐々木さやか君
    理 事
                古庄 玄知君
                和田 政宗君
                牧山ひろえ君
                伊藤 孝江君
                川合 孝典君
    委 員
                赤松  健君
                岡田 直樹君
                山東 昭子君
                田中 昌史君
                福岡 資麿君
                松川 るい君
                森 まさこ君
                山崎 正昭君
                石川 大我君
                福島みずほ君
                石川 博崇君
                清水 貴之君
                仁比 聡平君
                鈴木 宗男君
   国務大臣
       法務大臣     小泉 龍司君
   副大臣
       法務副大臣    門山 宏哲君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中野 英幸君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   小野寺真也君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   馬渡 直史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        久保田正志君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       長        楠  芳伸君
       警察庁長官官房
       審議官      江口 有隣君
       こども家庭庁長
       官官房審議官   野村 知司君
       法務省大臣官房
       長        佐藤  淳君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       上原  龍君
       法務省大臣官房
       審議官      柴田 紀子君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   坂本 三郎君
       法務省民事局長  竹内  努君
       法務省刑事局長  松下 裕子君
       法務省矯正局長  花村 博文君
       法務省人権擁護
       局長       鎌田 隆志君
       出入国在留管理
       庁次長      丸山 秀治君
       公安調査庁次長  田野尻 猛君
       外務省大臣官房
       審議官      石瀬 素行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (再犯防止対策に関する件)
 (前法務副大臣の辞任経緯に関する件)
 (本邦で出生したこどもの在留特別許可に係る
 対応方針に関する件)
 (同性婚に関する件)
 (人権擁護に関する件)
 (オンラインによる接見に関する件)
 (裁判記録の保存に関する件)
 (難民認定制度に関する件)
 (再審請求審における証拠開示に関する件)
    ─────────────
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佐々木さやか#1
○委員長(佐々木さやか君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、井上義行さんが委員を辞任され、その補欠として松川るいさんが選任されました。
    ─────────────
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佐々木さやか#2
○委員長(佐々木さやか君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房長楠芳伸さん外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐々木さやか#3
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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佐々木さやか#4
○委員長(佐々木さやか君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古庄玄知#5
○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄玄知です。
 火曜日に大臣の方から所信を表明していただきました。ありがとうございます。今日は、それに関連して何点かお尋ねしたいと思います。
 まず、再犯防止及び刑務所内処遇に関連してお尋ねいたします。
 先般、大臣からお話がありましたとおり、再犯者数は減少はしておりますけれども、刑法犯で検挙された者の約半数が再犯者という状況が続いております。私も実務をやっておりまして、実際に二課の事件、公職選挙法違反とか、あるいは贈収賄、こういうのは初心者なんですけれども、そうじゃなくて窃盗、強盗、強姦、それから覚醒剤、こういうのはもう大半が前科何犯というのが常でした。
 再犯をする要因とすれば、たくさんあると思うんですね。出てきても働く場所がない、住む家がない、それから手に職がない、それから社会から偏見で見られる、まあそれが働く場所がないとか住む家がないとか、そういうのにつながっていると思うんですけれども、そういうことでまた犯罪を繰り返して刑務所に入ってしまうと、そういう悪循環の繰り返しだと思うのですけれども、その再犯を防止するために、犯罪をした人たちが様々な支援を適切に受けることができるように社会での受入れ体制を構築する必要があると考えますが、この点について法務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
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小泉龍司#6
○国務大臣(小泉龍司君) ありがとうございます。
 所信の冒頭で私からも申し上げましたように、再犯者数は絶対数は減っている、だけれども、刑法犯で検挙される人の半分は再犯者というこの比率は変わらないのです。これ、非常に、第一次再犯防止推進計画を五年間やってきても数字が動かないということを非常に私は問題だと思うし、また、そこに施策のまだまだ余地があるというふうに考えまして、今様々な検討を行っているところでもございます。
 第二次再犯防止推進計画がスタートしておりますけれども、その中で何が本当に効いてくるのか。そして、この再犯者というのは、矯正施設、我々の目の前にいるわけです。初犯を犯す人というのは社会のどこかにいて、これ触れないんですけど、再犯者はすぐ近くにいるんです。その再犯者をもしゼロにできれば、日本の犯罪、犯罪数は二分の一になるわけで、総理が言われる、より安全で安心な社会がつくれる。目の前に大きな目標として、これをしっかり法務省も捉える必要があるというふうにまず思っております。
 その上で、どうすればいいのか。先生おっしゃるように、社会全体でケアする。地域社会、社会に戻っていってもらいたい、刑務所ではなくて社会に戻っていってもらいたいということでありますので、社会全体でケアしていく必要があるというのも事実でございます。
 私も、数少ない視察の中から、そういったところも選びまして幾つか現場を見てまいりましたけれども、現場では様々な知恵が働いています。国だけではなくて、地方公共団体あるいは民間の協力者あるいは福祉関係の方々、医療関係の方々、現場では緊密に連携取れているところもありますが、これが全国展開にまだ及んでいないということも大変大きな問題だというふうに思っております。
 先生の問題意識と深く共有させていただいている問題意識を持っているということを申し上げたいと思います。
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古庄玄知#7
○古庄玄知君 犯罪には被害者がどうしてもいるわけで、で、簡単な事件じゃなくて、例えば殺人事件なんかの場合に、一家の大黒柱が殺されてしまったと、そういう案件もあるわけで、その被害者の心情あるいは被害者が現在置かれた窮状ですね、そういうのを刑事施設の中においてそれをどのように反映させて改善指導しているのか、その辺りについて法務当局の方にお尋ねしたいと思います。
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花村博文#8
○政府参考人(花村博文君) お答えします。
 刑事施設における改善指導は二つに分けられ、受刑者に対し、規則正しい生活習慣、健全な考え方の付与、生活設計や社会復帰への心構えを持たせることなどを目的とした一般改善指導と、特定の事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し、その事情の改善に資するよう特に配慮して行う特別改善指導がございます。
 現在、特別改善指導としては、薬物依存離脱指導、暴力団離脱指導、性犯罪再犯防止指導、被害者の視点を取り入れた教育、交通安全指導、就労支援指導の六種類の指導を実施しているところ、いずれも受刑者の個々の特性を踏まえながら効果的な実施に努めているところです。
 次に、被害者等の心情等を考慮した矯正処遇の実施につきましては、本年十二月一日から、被害者等の心情等の聴取・伝達制度の運用が新たに開始されることとなります。矯正処遇は個々の受刑者ごとに処遇要領を策定の上実施しているところ、被害者等の心情等につきましては、聴取した心情等を含め、処遇要領上の達成すべき矯正処遇の目標に被害者等の心情等の理解や被害弁償に関する内容等を盛り込むこととしております。
 特にその必要性が認められる者につきまして、入所後早期から出所まで、受刑期間全体を通じて被害者の視点を取り入れた教育を継続的に実施するとともに、職員との対話を通して受刑者の更生への動機付けを高めることにも取り組むなどし、これまで以上に受刑者が自身の責任を自覚し、被害者等に対する慰謝の念を深めるよう働きかけてまいりたいと考えております。
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古庄玄知#9
○古庄玄知君 先ほどまでの質問とも関連するんですけれども、受刑者が出所後、仕事で生計を立てていくために役立つスキルや資格を習得する職業訓練というのは、再犯防止の観点あるいは社会の雇用ニーズに応じて引き続き実施していく必要があると考えますけれども、この点について法務当局の見解をお尋ねします。
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花村博文#10
○政府参考人(花村博文君) お答えします。
 受刑者が釈放後速やかに就職できるよう、在所中から就労に必要なスキルや資格を身に付けさせることは、その再犯を防止する上で極めて重要なことであり、そのため、刑事施設で実施している職業訓練の種目や内容が社会の雇用ニーズに応じたものであることが必要であることは、委員御指摘のとおりでございます。
 多くの刑事施設におきまして、建設機械科、介護福祉科、情報処理技術科など多種多様な種目の職業訓練を実施しているところ、毎年、訓練を実施している刑事施設に協力雇用主や関係機関等を招いて就労支援検討会を実施し、充実すべき訓練内容や今後新たに導入すべき訓練種目などについて御意見をいただく機会を設けているほか、有効求人倍率などを参考にしつつ、職業訓練が雇用ニーズに応じたものとなるよう、継続的にその拡充や内容の見直しを図っているところです。
 今後も、協力雇用主のニーズの的確な把握に努め、雇用ニーズに応じた職業訓練が実施できるよう、その充実に取り組んでまいりたいと考えております。
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古庄玄知#11
○古庄玄知君 令和七年六月までに拘禁刑というのが導入されるというふうに決まっております。これは、従来あった懲役刑と禁錮刑を一本化した刑だというふうに聞いておりますけれども、この導入に向けて現在どのような検討あるいは準備がされているのか、法務大臣にお伺いいたします。
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小泉龍司#12
○国務大臣(小泉龍司君) 御指摘のように、拘禁刑は、令和四年六月に成立しました刑法等の一部を改正する法律案により、法律により創設されました。令和七年六月一日に導入される予定でございます。
 これまでの懲役刑は作業の実施というのが必須条件、前提でございましたけれども、拘禁刑の導入後はより柔軟に、そうした制約が柔軟に、制約はありますけれども、柔軟に運用していこうということでございまして、個々の受刑者の特性に応じて、職業訓練を含む作業と指導あるいは教育、こういったものを組み合わせた処遇を実施することが可能になります。より効果的な改善更生を図るということを旨として柔軟に対応していくという形になります。
 こうした拘禁刑の導入の趣旨を踏まえ、受刑者の特性に応じた作業と指導の内容や改善更生に資するユニットですね、集団編成の在り方などについて、今部内で鋭意検討を深めているところでございます。それに当たる職員の意識の持ち方、意識改革も含めて鋭意取り組んでいるところでございます。全体としてその目的が達せられるように全力を尽くしたいと思っております。
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古庄玄知#13
○古庄玄知君 ありがとうございました。
 次の質問に行かせていただきます。
 前にも一度この法務委員会でお尋ねしたんで重複する部分もあるかと思うんですけれども、令和三年二月に、私の地元の大分で、ある事故、事件が起きました。これは、十九歳の少年が真っすぐな道路を夜間百九十四キロという猛スピードでぶっ飛ばしていたんですね。そうしたら、対向、向こうから来た車が右折しようと思ったら、それにぶつかって、はね飛ばされて、その対向車に乗っていた五十一歳の男性が亡くなってしまったと、こういう痛ましい事故なんですけれども。
 この交通事故の場合に、自動車運転処罰法という法律があって、第二条に危険運転致死罪というのが規定されています。その第二条二項に、制御困難な高速度で致死に至らした場合は、二十年以下の懲役かな、そういうふうになっています。最高が二十年。ところが、制御困難な高速度に該当せずに、該当しない場合は、普通の過失運転致死罪ということで七年以下の懲役ということになって、三倍開きがあるんですね。
 これについて、当初、検察は、危険運転致死罪は適用が難しいので過失運転致死罪ということで起訴しました。そうすると、七年以下、最高でも七年ということになります。これに怒った遺族が、百九十四キロでぶっ飛ばしておいて、これが制御困難と言えないのかと、制御不能だろうと、なのにもかかわらず、危険運転致死罪を適用せずに過失運転なのかと、ひどいじゃないかということで署名活動をして、二万八千通の署名を集めて検察庁に届けたら、ようやく検察庁が重い腰を上げて、ほんじゃということで危険運転致死罪に訴因変更をしたという案件がございます。
 で、今度、今年の二月ですかね、栃木県の方でも、これ、百六十キロで直進した自動車がオートバイに追突して、オートバイに乗っていた六十三歳の男性が亡くなったという、こういう案件があります。この案件についても、宇都宮の検察庁の方は、危険運転致死罪ではなくて過失運転致死罪ということで起訴しているみたいです。これについても、おかしいんじゃないかということで今署名活動がなされていると、そういう事案があるみたいです。まあ、ほかにもあるかも分かりませんけど、私が把握しているのはその二件です。
 これ、何でこういうことが起きるかというと、やっぱり制御困難な高速度、この制御困難なというのが犯罪の構成要件として非常に明確じゃないんじゃないかなというふうに思っております。
 こういう犯罪の構成要件が明確じゃない場合にどういう影響があるかというと、まず、捜査機関、検察官の方が判断に困るんですね。これ、万が一強気で危険運転致死罪に持っていって起訴して、もし危険運転致死罪に該当しないということになると、裁判所から無罪の判決をもらうと。そうしたらそれは困るんで、じゃ、一個落として過失運転致死罪で起訴しようかと、こういう判断になりがちだと。
 今度、起訴されたとしても、裁判所の方が、危険運転致死罪なのか過失運転致死罪なのか、難しい判断を迫られて困ると。
 それと、今度、弁護側の方としても、その起訴の態様いかんによっては、場合によったら無罪の主張をしなければならない。で、これで勝つのか勝たないのか分からない。
 今度、被疑者側にしても、もう早くはっきりさせてちょうだいよと。いつまでも裁判で引きずられるのは嫌だと。もう自分がやったことは間違いないんだから、それ相応の刑に服す覚悟はあるので早くはっきりしてほしいと、そういう要求は被疑者にもある。
 今度、被害者からしてみると、そういう暴走事件で自分の大事な人が亡くなったのに過失運転とは何事かということで、みんなが困るんですね。
 そういうのはやっぱり犯罪の構成要件が不明確なところに起因するんじゃないかなというふうに私は考えておるんですけれども、この辺、刑事事件における犯罪構成要件の明確化という点について法務大臣としてどのようにお考えなのか、御意見をお伺いしたいと思います。
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小泉龍司#14
○国務大臣(小泉龍司君) 今先生御指摘がありましたのは、刑罰法規における明確性の原則を御指摘されたものだと思います。
 刑罰法規は明確でなければならない、明確に規定されなければならないとするものでありまして、憲法三十一条が保障する罪刑法定主義の内容を成すものと理解されていると承知をしております。
 明確性の原則の趣旨は、仮に罰則の内容が不明確であるとすると、犯罪の内容が事前に法定されていないのと同じこととなり、国民の行動の予測可能性が奪われるといった点、今先生が御指摘されたようなことだと思います、こういった点であり、刑罰法規に関する重要な基本原則であると認識しております。
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古庄玄知#15
○古庄玄知君 それで、今の危険運転致死罪についての法律の構成要件には問題があるんじゃないかということで、実は、自民党におきましても危険運転致死傷の在り方検討PTというのを設置いたしまして、法律改正も視野に入れて議論を行っているところでありますけれども、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
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小泉龍司#16
○国務大臣(小泉龍司君) 自民党の交通安全対策特別委員会において御指摘のプロジェクトチームが設置され、危険運転致死傷罪の在り方について議論が行われておりますことは承知をしております。
 ただ、政党内の御議論でございますので法務大臣としてコメントすることは差し控えますが、法務省においては、危険運転致死傷罪を規定する自動車運転死傷処罰法を所管する立場から、危険運転致死傷罪の在り方について十分な検討を行ってまいりたいと思います。
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古庄玄知#17
○古庄玄知君 ありがとうございました。
 次に、取調べに関してお尋ねしたいと思います。
 捜査機関の取調べについて問題があるのではないかという報道がなされることがあります。取調べの対象者に利益誘導をして、何とかその有利な証言を引き出そうというふうな可能性もあるんじゃないかという指摘がなされることも結構あります。
 検察官としての心得を記載した「検察の理念」というのがありますが、これを見てみますと、こういう記載があるんですね。あたかも常に有罪そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならないとかですね、取調べにおいては、供述の任意性の確保その他必要な配慮をし、真実の供述が得られるように努めるなどとも記載されております。
 この「検察の理念」につきましては、検察組織内でどのように周知徹底されているのか、検察当局にお伺いしたいと思います。
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松下裕子#18
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 「検察の理念」には、御指摘のとおり、今御指摘いただいたことのほかにも、被疑者、被告人などの主張に耳を傾け、積極、消極を問わず十分な証拠の収集、把握に努め、冷静かつ多角的にその評価を行うといったことなども記載されておりまして、数々の検察の基本姿勢などが示されております。
 検察当局におきましては、勉強会、研修、日々の業務の決裁を通じた指導など様々な機会を捉えましてこのような「検察の理念」の浸透が図られており、それを踏まえた職務の遂行に努めているものと承知しております。
 今後も、検察の職員一人一人がこのような「検察の理念」を踏まえた職務の執行が、遂行ができているかを常に自らに問いかけ続けるとともに、検察の組織全体がそのような気風を保ち続ける努力をすることが重要であると考えております。
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古庄玄知#19
○古庄玄知君 それで、取調べというのは密室の中で行われるわけですけれども、そこでどういうふうなやり取りがなされたかということを、後で言ったとか言わないとかそういう問題にならないようにするためには録音、録画というのが効果的だと思われるんですけれども、検察当局の方は現在の運用としてどのような場合に録音、録画を実施しているのか、お尋ねいたしたいと思います。
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松下裕子#20
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 検察当局は、法令に基づきまして取調べの録音、録画が義務付けられた事件というものがございますけれども、それ以外の事件でございましても、事案の内容や証拠関係などに照らし、取調べを録音、録画することが必要であると考えられる場合については取調べの録音、録画を実施しているものと承知しております。
 具体的には、知的障害によりコミュニケーション能力に問題がある被疑者に係る事件、また精神の障害等により責任能力の減退、喪失が疑われる被疑者に係る事件については、原則として、逮捕又は勾留中の被疑者の取調べについて録音、録画を実施しておりますほか、逮捕、勾留中の被疑者について、公判請求が見込まれる事件であって、被疑者の取調べを録音、録画することが必要であると考えられる事件、公判請求が見込まれる事件であって、被害者、参考人の取調べを録音、録画することが必要であると考えられる事件の被害者、参考人につきましても、取調べの録音、録画の試行対象事件として積極的に録音、録画を試行することとされているものと承知をしております。
 さらに、これら以外の場合におきましても、捜査、公判の必要がある場合には取調べの録音、録画を行うことがあると承知をしております。
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古庄玄知#21
○古庄玄知君 運用としてそういう運用状況だというのは分かりました。ただ、簡単な事件でも、場合によったら重大な内容を含んでいるかも分からないので、あるいは在宅事件でもそうなんですが、そういう在宅事件を含めた全ての事件において取調べ状況の録音、録画をすべきじゃないかというふうに日弁連なんかが主張しているんですけれども、これに対して検察当局の見解をお願いいたします。
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松下裕子#22
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 一般論として申し上げますと、取調べの録音、録画には、被疑者の供述、まあ被疑者に限らずですけれども、供述人の供述の任意性の的確な立証、判断に資する、取調べの適正な実施に資するなどの有用性が認められるということがございますが、その一方で、取調べの録音、録画によりまして被疑者が十分な供述をしづらくなり、取調べや捜査の機能に支障が生じる場合があるなどの問題点があるものと考えられます。
 したがいまして、在宅事件を含めた全ての事件の取調べの録音、録画を実施するか否かにつきましては、ただいま申し上げました取調べの録音、録画の有用性や取調べ等に与える影響などを考慮しつつ、慎重な検討を行う必要があるものと承知しております。
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古庄玄知#23
○古庄玄知君 ありがとうございました。
 次の質問に行かせてもらいます。
 刑事訴訟法の四百三十五条から四百五十三条までは再審に関する規定がなされております。その中で、四百五十条は、再審開始決定に対して即時抗告することができるというふうに規定がされております。
 ただ、この再審開始決定に対する即時抗告というのは、再審事件を長引かせるんじゃないかということで、様々な意見が出ております。規定上、できると書いているので、しなくてもいいわけですね。更に一歩進んで、しないとかですね、あるいはこれを禁止すべきではないかと、そういうふうな提言もなされておりますけれども、この点についての法務当局の見解をお願いします。
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松下裕子#24
○政府参考人(松下裕子君) 日弁連から御指摘の意見が示されているということは承知をしております。
 検察官が再審開始決定に対して抗告し得るということは、公益の代表者として当然のことであると考えております。再審開始事由は、刑訴法、刑事訴訟法四百三十五条に規定されておりまして、三審制の下で確定した有罪判決に対して再審を開始するためには同条所定の要件が必要とされておりますところ、再審請求審では、その開始事由の存否を裁判所が判断することになりますけれども、検察官の抗告権を排除するということになりますと、裁判所がその判断を誤り、違法、不当な再審開始決定があった場合に、これを是正する余地をなくしてしまうなどの問題点があり、この点につきましては慎重な検討を要するものと考えております。
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古庄玄知#25
○古庄玄知君 ただ、今までの再審事件を見ますと、まあ国には、人、時間、それからお金がありますけれども、再審被告人には、時間もなければ金もなければ人もいないと、そういうもう圧倒的に力の差がありますので、是非それを認識して、認識した上で、この再審法の改正という段階になれば、判断に入れていただきたいというふうに思います。
 次に、もう一つの大きな問題として、再審請求審において証拠開示を制度化すべきではないかという意見が日弁連の方から出ておりますけれども、この点について法務当局の見解をお尋ねいたします。
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松下裕子#26
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 日弁連から御指摘の意見が示されているということは承知をしておりますけれども、再審請求審において証拠開示制度を設けるということにつきましては、かつて法制審議会の部会において議論をなされたことがございます。その際、再審請求審は通常審と手続構造が異なるので、通常審の証拠開示制度を転用することは整合しない、また、再審請求審における証拠開示について一般的なルールを設けることは困難であるといった問題点が部会において指摘されたところでありまして、それらを踏まえて、十分な検討を要すると考えております。
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古庄玄知#27
○古庄玄知君 この再審に関する法律というのは、七十年たつんですけれども、これまで一度も見直されておりません。この見直しについて現在何か動きがあるのか、あるいはこれから検討を行っていくのか、その辺りについて法務大臣の御意見をお尋ねいたしたいと思います。
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小泉龍司#28
○国務大臣(小泉龍司君) 御指摘がありました再審制度の在り方について、様々な御意見があることは承知をしております。
 再審制度の在り方は、確定判決による法的安定性の要請と個々の事件における是正の必要性との調和点をどこに求めるかに関わるものであり、様々な角度から慎重に検討すべきものであると考えております。
 こうした点を踏まえて、法務省では、平成二十八年成立の刑事訴訟法等一部改正法の附則で求められております検討に資するため、令和四年七月から、改正刑法、改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会を開催しており、再審請求審における証拠開示等についても協議が行われているところでございます。
 具体的には、ちょうど昨日開催されました会議において、お尋ねの、御指摘がありました再審請求審における証拠開示について協議が行われ、次回以降も引き続きこの論点について協議が行われることとなったと承知しております。
 こうした協議会における充実した議論がなされるよう、引き続き法務省としても尽力してまいりたいと思います。
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古庄玄知#29
○古庄玄知君 ありがとうございました。
 今度、民事の関係でちょっとお尋ねします。
 現在、年間六十万組が婚姻をして、で、三、ごめんなさい、二十万組が離婚をしていると、そういうのが今の現状だというふうにお伺いしております。そして、若い夫婦の離婚の場合、子供さんがいらっしゃる夫婦の場合、常に問題になるのが、その親権をどうするかという問題が常に問題になるんですけれども、離婚後の子供の養育の在り方について、子供さんの利益の観点から現在どのような検討がなされているのか、法務大臣にお伺いしたいと思います。
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