本会議
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会
会議録情報#0
令和五年十月二十六日(木曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第四号
令和五年十月二十六日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一
一、新議員の紹介
─────・─────
この発言だけを見る →午前十時一分開議
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○議事日程 第四号
令和五年十月二十六日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一
一、新議員の紹介
─────・─────
尾
尾辻秀久#1
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。山口那津男君。
〔山口那津男君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。山口那津男君。
〔山口那津男君登壇、拍手〕
山
山口那津男#2
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。
私は、公明党を代表し、岸田総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
岸田政権が発足して二年がたちました。この間、ロシアによるウクライナ侵略、エネルギーや食料を含めた経済安全保障問題など、我が国を取り巻く情勢は厳しさを増しています。
緊迫するイスラエル・パレスチナ情勢については、政府は関係国と連携しつつ、事態の拡散を防ぎ、収束に向けて尽力するとともに、邦人保護や人道支援に全力で取り組む必要があります。
一方、国内においても、人口減少や少子高齢化、激甚化する自然災害など、我が国の持続性を揺るがす危機に直面しています。
特に、今日の急激な物価高に応ずる対策は待ったなしです。今こそ物価高から国民生活を守るとともに、持続的な賃上げの実現に向け、あらゆる政策を総動員し、危機を克服しなければなりません。そのためにも、政府は、総合経済対策について、実施できる施策は可及的速やかに実施しつつ、裏付けとなる今年度補正予算を早期に提出すべきです。
総理は、税収の増収分の一部を公正かつ適正に還元すると表明されました。成長の成果は国民の努力の結果です。今の世代を含め世代間の公平な配分が望まれます。
賃上げの流れが国民に幅広く波及し、物価高に追い付くまで、苦しむ家計への直接支援が必要です。所得税減税など、思い切った家計支援や低所得世帯への支援、また燃油、光熱費補助の継続など、国民が成果を実感できる還元策の実施が求められています。
同時に、この危機を未来の成長へつなげる攻めの姿勢が肝要であり、子育て支援や地域活性化、GX、DX投資等に向け、大胆に施策を打つべきです。
これらを踏まえ、公明党は先般、生活現場の視点に立って政府に提言を提出させていただきました。
以下、提言を踏まえ、質問させていただきます。
初めに、物価高騰、賃上げ、持続可能な経済成長に向けた取組について伺います。
原材料価格の高騰などにより、九月時点で二十五か月連続で物価が高騰し、国民生活や事業者などに多大な影響が及んでいます。
公明党が強く推進してきた重点支援地方交付金は、各自治体の判断で、地域の実情に合わせ、きめ細かな対策が可能であり、物価高騰に苦しむ生活者や事業者等への支援策として大変有効です。
例えば、地方では利用が多いLPガスに対する負担軽減策や、買物等のキャッシュレス決済によるポイント還元策、学校の給食費や教材費等の値上げへの支援策を実施する自治体も数多くあり、家庭の負担軽減につながり、非常に助かると喜びの声が届いています。
しかし、長引く物価高騰はまだ出口が見えておらず、国民が賃上げの効果を実感するまで、生活者や事業者を守り抜く有効な支援策の継続が不可欠です。特に、家計への影響が大きい低所得世帯や低所得の子育て世帯に対し、給付措置の速やかな実施を強く求めます。
生活困窮者や中小事業者等に十分な支援を実施し、加えて、低所得世帯や子育て世帯へ給付措置を行うため、重点支援地方交付金を大幅に積み増すべきと考えますが、総理の見解を求めます。
物価高を克服し、成長型経済への転換のためには、賃上げの勢いを持続的なものとし、家計が実感できる所得向上を実現しなければなりません。そのためには、中小企業が価格転嫁しやすい環境づくりや、生産性向上、資金繰りに向けた着実かつ継続的な支援が必要です。
そこで、公明党は、中小・小規模事業者の賃上げを強力に後押しする中小企業等の賃上げ応援トータルプランを取りまとめ、政府に提言しました。
同プランは、価格転嫁、生産性向上、資金繰り支援の三つの柱、二十の具体策で構成しています。
第一に、価格転嫁について、特に、中小企業の価格転嫁への支援はまだまだ不十分です。中小企業が価格転嫁しやすい環境整備に向けた一層の取組が重要です。
具体的には、エネルギーや原材料のみならず、労務費も含めた価格転嫁を推進するための指針を政府に作成していただきたい。これにより、下請が発注者に対し賃上げ分を含めた価格交渉の後押しにつながることが期待されます。さらに、フォローアップに取り組み、結果を公表すべきです。
また、国や地方自治体等の官公需においても、労務費を含めたコストを実勢価格に適切に反映し、年度途中でも契約金額の変更に対応できる柔軟性が必要です。
その他、製品やサービスの最低価格を取り決める団体協約の活用や、建設業やトラック運送業の賃上げ、金型の代金や保管料の支払の適正化に向けた取組等も強化すべきです。
第二の生産性向上は、最低賃金引上げへの対応や人手不足に直面する中小企業にとって喫緊の課題です。
そのため、政府は様々な補助制度を用意していますが、小規模な事業者からは、補助金を申請しようにも計画書が作れないといった声を耳にします。賃上げ、生産性向上のための各種補助金の更なる上乗せとともに、商工会、商工会議所などに申請書の作成をサポートする体制も整えていただきたい。
あわせて、公明党の提案で導入が決まった、いわゆる年収の壁を乗り越えるための新たな助成金について、まずは、雇う側と働く側双方に対し、分かりやすく丁寧に周知をお願いしたい。その上で、希望者が利用できるよう、十分な予算額の確保を求めます。
第三の資金繰り支援では、賃上げに取り組む中小企業に対する低利な政策金融の実施、経営者保証に依存しない融資慣行の確立のほか、約束手形の現金化までの期間短縮の推進を求めています。
さらに、今年度で期限が到来する賃上げ促進税制については長期延長するとともに、赤字でも賃上げに取り組む企業を対象に、控除し切れなかった金額を翌年度以降に繰越しを認める措置を創設すべきです。
こういった取組を総合的、継続的に推進、フォローしていく司令塔となる組織若しくは関係省庁が連携した会議体の設置を提案します。
以上、物価上昇に負けない持続的な賃上げ、所得向上の実現に向け、政府一丸となって取り組んでいただきたいと思いますが、総理の見解を求めます。
GX脱炭素推進法に基づき、経済競争力を高められる分野への投資戦略の策定に向けた議論が進んでいます。サプライチェーン全体のGXの取組がより一層求められる中で、この事業環境の変化に中小企業がどう対応できるかが課題であり、その第一歩が省エネの取組です。
その対策として、昨年度の補正予算には、省エネ補助金などの支援策の集中実施が盛り込まれました。補助金を活用して高効率の空調や照明などを導入しエネルギーコスト低減を実現した中小企業などの好事例を横展開し、省エネの診断から省エネ性能の高い設備への転換と更新の計画や支援までを一体的に行うなど、支援の強化に取り組むことが重要です。
小規模企業のカーボンニュートラル、先進的な省エネ投資支援の強化について、総理の見解を求めます。
今月、インボイス制度が施行されました。課税事業者の九七%、免税事業者の百十一万者が登録申請し、おおむね円滑にスタートできたと評価しています。免税事業者とこれまでどおり取引を継続し、取引価格の引下げも行わない、こう表明する業界の動きも広がり、多くの免税事業者は落ち着いて対応しています。
一方、業界特有の事情なども相まって、今後の取引に不安を抱える方々や申告に関する質問も増えるものと思われます。個々の事業者それぞれの不安に適切に応えられる個別相談体制の充実を是非ともお願いしたい。
その上で、インボイスの意義は、売手が買手に正確な税額を伝え、適正な取引や公平な税負担を確保することです。いわゆる買いたたきを是正し、下請企業の適正な転嫁につながることが期待されます。
さらに、公明党の主張で導入された二割特例によって、三年間は消費税額の二割を納税すればよく、税額計算も容易です。
来年三月の確定申告を目指し、こうした点も周知しながら、インボイスへの不安払拭と定着に向けた着実な取組をお願いしたいと思います。総理の見解を伺います。
経済成長のためには、地域が魅力を生かして持続的に成長していくことが不可欠です。
第一に、観光の活性化です。
国内外の観光需要が回復し、観光地にかつてのにぎわいが戻ってきています。しかし、先日、公明党は宿泊業の皆様から、コロナ禍によって減少した従業員数が戻り切っておらず、人手不足が深刻化しているとの切実な声を伺いました。外国人材の積極的な活用やスマートチェックイン機などの設備投資への支援など、早急に対策を講じる必要があります。
同時に、高付加価値化や金融支援を進めるとともに、施設の省エネ化やデジタル化などの生産性向上を図り、魅力ある観光業に向け成長を後押しすべきです。
一方、旅行者が観光地に過度に集中することで弊害が起きる、いわゆるオーバーツーリズムへの対応も急務です。観光客受入れの環境整備への支援やごみのポイ捨て対策などが求められます。
観光産業は裾野が広く、地方の成長の実現のためにはその活性化が必要です。国土交通大臣の答弁を求めます。
第二に、魅力ある農林水産業の構築です。
私は、先日、北海道岩見沢市を訪れ、自動走行トラクターを遠隔操作して農作業を行うなど、先進的なスマート農業の取組を視察しました。こうした技術が人手不足や重労働など数多くの問題を解決し、農林水産業を希望あふれるものにすると実感しました。
食料安全保障の確立なども含め、多くの課題に直面する今こそ、持続可能な農林水産業を構築するため、スマート化やグリーン化への投資など、生産性や付加価値を飛躍的に高める取組を強力に支援するとともに、適正な価格転嫁対策など、所得拡大に向けた施策を拡充することが急務です。
また、足下では、肥料や飼料、燃油等の価格が依然として高い水準にあります。国際相場の動向等を注視しつつ、価格高騰対策やセーフティーネット制度の着実な実施など、生産コストの負担軽減や所得の確保に必要な対策を機動的に実行する必要があります。
農林漁業者の所得の確保や拡大への取組について、総理の答弁を求めます。
子育て、教育について伺います。
急激な物価高騰にあって、国民生活を守るために忘れてはならないのは、子供たちの教育を支えることです。
来年度から、給付型奨学金と授業料減免を行う修学支援新制度の対象が、多子世帯や理工農系の中間層へと拡大されます。これにとどまらず、経済的な理由で学びを諦めることがない社会を構築し、安心感を持って子育てができるよう、二〇三〇年代までに大学等の無償化を実現すべきです。
無償化への次の一歩を踏み出し、まずは入学金や教材購入、転居費用などで特に経済的負担が大きい大学や専門学校等の一年生の前期分の授業料を無償化してはどうでしょうか。
大学等の高等教育の無償化について総理に伺います。
文部科学省の調査では、令和四年度の不登校の小中学生は前年度より約五万四千人増え、約二十九万九千人と過去最多になりました。そのうち四割に当たる約十一万四千人は、学校内外で相談、支援につながっていません。
これは緊急事態であり、本年三月に文科省が発表した不登校対策、いわゆるCOCOLOプランに基づいた令和六年度からの取組を前倒しし、速やかに実行しなければなりません。
まず、どこにもつながれていない子供たちとその保護者が支援につながるために、情報発信の強化や、教育支援センター側から働きかけて支援をするアウトリーチの強化、オンライン体制の整備に早急に取り組む必要があります。
次に、自分のクラスに入りづらいときの居場所になる、自分のペースで学習ができるスペシャルサポートルームについては、不登校の未然防止と学びの確保に効果が見られており、全小中学校への配置を急がなければなりません。
さらに、不登校やいじめにつながる不安や悩みの前兆を早期発見、早期対応するため、児童生徒の一人一台端末に相談アプリを入れるなど、子供が相談をしやすい仕組みをつくることも大切です。
不登校を始め全ての子供たちの多様性が尊重され、多様な学びができ、何度でもやり直しながら強みや得意を見付け、伸ばしていく公教育への転換に本格的に取り組むときが来たのではないでしょうか。
不登校の児童生徒の支援について、総理に伺います。
我が国では単身世帯が三割を超えており、二〇四〇年には四割に上ると推計されています。性別、年齢を問わず、独身、単身世帯のいわゆるお一人様が安心して暮らせる社会の構築が不可欠です。公明党は、若者やお一人様の不安の声に寄り添い、応援します。
例えば、こども未来戦略方針では、三つの基本理念の第一に若い世代の所得を増やすことが掲げられていますが、結婚する意思の有無にかかわらず、希望を持って将来の展望を描けるように、若者の所得向上に最優先で取り組むべきです。
また、結婚支援に限らず、孤独・孤立対策も含め、誰もが参加できる多様な出会い、交流機会の創出など地方自治体による取組への後押しや、身寄りのない高齢者に対する身元保証、住まいの確保、生活支援など、現場の実態、課題を把握した上で対策を強化することが重要です。
若者やお一人様を応援する政策の充実に向けて、総理の見解を伺います。
医療・介護制度の改革について伺います。
高齢化の進展により、医療と介護双方のサービスを必要とする高齢者の増加が見込まれます。こうしたニーズに対応できる医療・介護提供体制を構築するため、年末に控えた診療報酬、介護報酬の同時改定は極めて重要です。
同時改定に当たっては、高齢者が在宅でも医療機関や高齢者施設でも必要なケアが得られるよう、関係機関の連携や医療DXを進め、地域包括ケアシステムの深化、推進を図っていただきたい。
一方で、これらのサービスを提供する人材確保や働き方改革も喫緊の課題です。
医師については、来年四月から時間外労働の上限規制が適用されることから、働き方改革に向けた継続的な取組が求められています。介護については、他業種へ人材が流出する事態も起きており、更なる処遇改善により人材流出を食い止めるとともに、担い手の裾野を広げる取組も強化する必要があります。同時に、介護報酬の処遇改善に関する加算制度を一本化するなど、業務負担の軽減も図るべきです。
医療・介護現場で働く人にとってもサービスの利用者にとっても安心できる医療・介護制度の構築に向け、総理の決意を伺います。
外交について質問します。
公明党は、これまで、ウクライナ避難民を多く受け入れている国に調査団を派遣し、現地で暮らす避難民のニーズや受入れ国が抱える課題などをまとめ、政府に要望しました。また、党の議員ネットワークを生かして、日本での受入れ支援にも全力で取り組んでいます。
先日、私も、国連地雷対策サービス部、すなわちUNMASのアイリーン・コーン部長と会談し、地雷除去に向けた支援について意見交換をしました。
今般の総合経済対策にも支援に向けた施策がしっかりと盛り込まれることが重要です。引き続き、G7を始めとする国際社会と連携し、一刻も早い停戦の実現とウクライナや影響を受けている人々に寄り添った人道、復旧復興支援に全力を尽くしていただきたい。
今後のウクライナ支援について、総理の答弁を求めます。
本年五月のG7広島サミットで、各国首脳が原爆資料館を訪問し、被爆者の証言に耳を傾けたことは、核廃絶に向けた大きな前進であり、その実現を訴えてきた公明党としても高く評価いたします。
昨年の核禁条約第一回締約国会議に、NATO加盟国のドイツやノルウェーなどがオブザーバーとして参加しました。日本も、橋渡しの立場からすれば、非核兵器国である締約国との意思疎通の機会を持つ意味や、被爆者に対する医療や生活支援の面など、様々な経験を役立たせることが十分可能であると考えます。来月末に開催される第二回締約国会議にオブザーバー参加し、日本の役割を追求する姿勢が大切ではないでしょうか。
総理は、先月、国連総会に併せて、ニューヨークで、核兵器の原料となる物質の生産を禁じ、増やさないことなどを目的とした条約である核兵器用核分裂性物質生産禁止条約、いわゆるFMCTの早期交渉開始を訴えられました。NPT体制を維持強化するとともに、現実的で実践的な取組の強化が必要と考えます。
日本のオブザーバー参加と今後の核軍縮への具体的な取組について、総理の答弁を求めます。
日本とASEANは友好協力の歩みを進めて今年で五十周年の節目を迎えます。更なる友好関係の強化と連結性の強化により地域の安定を確保するため、先般、公明党は、フィリピン、インドネシア、ベトナムを訪問しました。各国の政治リーダーと様々な観点から率直に意見交換をし、友好関係を深めるとともに、各国からは日本のこれまでのインフラ整備への支援に感謝の声が寄せられ、引き続き支援を求める声が相次ぎました。
また、三か国いずれも特定技能制度や技能実習制度などを利用して多くの若者が日本で働いていることを踏まえ、より高い技術を確実に身に付け、帰国後はその技術を生かして起業するなど、キャリアアップできる環境の重要性を共有しました。日本語を話せる人材が各国に増えることで日本企業も投資のハードルが低くなり、新たな雇用が生まれる好循環が期待されます。
先月、ASEAN関連首脳会議が行われ、十二月には日・ASEAN特別首脳会議が東京で開催されます。こうした機会を生かし、今後、多くの分野でASEANと協力関係を強化していただきたいと思います。
日・ASEAN関係の深化に向け、どのような取組を進められるのか、総理の答弁を求めます。
ASEAN訪問では、私自身が立ち上げから関与した、アジア諸国から幹部候補職員を日本に招き、高度な研修と人的ネットワークの構築を目指す海上保安政策プログラムの卒業生たちが自国に戻り、活躍している現場も見ることができました。海上交通路の安全確保のため、各国の海上保安機関との更なる連携強化の必要性を実感しました。
また、我が国周辺海域の情勢が一層厳しさを増す中、有事における海上保安庁と自衛隊の連携協力を図ることが必要です。その際、海上保安庁法第二十五条の趣旨にのっとり、両者は本質的に機能や役割が異なっていることを踏まえた上で統制要領に基づく運用を確立しなければなりません。
海上保安庁の法執行機関としての機能を踏まえた平時の国際貢献の在り方と有事における自衛隊との役割分担の在り方について、総理の見解を伺います。
本年の梅雨前線による大雨や相次ぐ台風の影響により、全国各地で多くの被害が生じました。
被災した地域の一部では、いまだに道路や鉄道などが復旧に至っていません。必要な予算を確保するとともに、一日も早い復旧に取り組んでいただきたい。福岡県では、今回の災害で災害拠点病院が浸水し医療機器が水没するなど、甚大な被害を受けました。公明党議員が現場に急行し被害状況を調査するとともに、国会でも迅速な支援の重要性を訴えました。
激甚化、頻発化する風水害に備え、災害拠点病院や避難所などに浸水の危険性がないか点検し安全対策を講ずるなど、地域の防災の在り方を不断に見直していく必要があります。
災害復旧及び防災・減災対策について、総理の答弁を伺います。
マイナ保険証を通じた医療のデジタル化は、正確なデータに基づく診療や薬の処方が可能となるなど、国民一人一人に質の高い適切な医療を提供できるようになります。
一方、今回のマイナンバー制度におけるひも付けの誤りなど一連の問題事案により、国民の間に不安が広がりました。
健康保険証の廃止については、国民の不安払拭が大前提です。医療機関や国民の声をよく聞きながら再発防止策を徹底し、国民が安心してマイナ保険証を活用しメリットを享受できるよう、実効的な仕組みづくりを求めたい。
様々な事情によりマイナ保険証を持つことができない方への対応も重要です。公明党の主張により、保険証の代わりとなる資格確認書を本人の申請を待たずプッシュ型で交付することも決定しています。
正しい情報を丁寧に周知し、全ての国民が安心して保険診療を受けられるように、着実に取組を進めていただきたいと思います。総理の答弁を求めます。
結びに一言申し上げます。
総理は、所信表明で変化の流れをつかみ取ると繰り返し、大きな時代の変化の流れをつかみ取り、個々の国民の力に変えると述べました。
国の力と表現せず、個々の国民の力と言及されたことは、公明党の考えと軌を一にします。国民の個々の力が付くことが国の力にもなります。
今日の大きな転換期に当たり、変化を国民一人一人の力へ結び付けていく、これこそが今日の政治の重要な役割であると考えます。
公明党はこの点を踏まえ、大衆とともにの立党精神を胸に、これからも生活者の目線で改革を進めてまいります。
そして、今私たちが直面する危機の克服に全力で取り組み、日本の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、公明党を代表し、岸田総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
岸田政権が発足して二年がたちました。この間、ロシアによるウクライナ侵略、エネルギーや食料を含めた経済安全保障問題など、我が国を取り巻く情勢は厳しさを増しています。
緊迫するイスラエル・パレスチナ情勢については、政府は関係国と連携しつつ、事態の拡散を防ぎ、収束に向けて尽力するとともに、邦人保護や人道支援に全力で取り組む必要があります。
一方、国内においても、人口減少や少子高齢化、激甚化する自然災害など、我が国の持続性を揺るがす危機に直面しています。
特に、今日の急激な物価高に応ずる対策は待ったなしです。今こそ物価高から国民生活を守るとともに、持続的な賃上げの実現に向け、あらゆる政策を総動員し、危機を克服しなければなりません。そのためにも、政府は、総合経済対策について、実施できる施策は可及的速やかに実施しつつ、裏付けとなる今年度補正予算を早期に提出すべきです。
総理は、税収の増収分の一部を公正かつ適正に還元すると表明されました。成長の成果は国民の努力の結果です。今の世代を含め世代間の公平な配分が望まれます。
賃上げの流れが国民に幅広く波及し、物価高に追い付くまで、苦しむ家計への直接支援が必要です。所得税減税など、思い切った家計支援や低所得世帯への支援、また燃油、光熱費補助の継続など、国民が成果を実感できる還元策の実施が求められています。
同時に、この危機を未来の成長へつなげる攻めの姿勢が肝要であり、子育て支援や地域活性化、GX、DX投資等に向け、大胆に施策を打つべきです。
これらを踏まえ、公明党は先般、生活現場の視点に立って政府に提言を提出させていただきました。
以下、提言を踏まえ、質問させていただきます。
初めに、物価高騰、賃上げ、持続可能な経済成長に向けた取組について伺います。
原材料価格の高騰などにより、九月時点で二十五か月連続で物価が高騰し、国民生活や事業者などに多大な影響が及んでいます。
公明党が強く推進してきた重点支援地方交付金は、各自治体の判断で、地域の実情に合わせ、きめ細かな対策が可能であり、物価高騰に苦しむ生活者や事業者等への支援策として大変有効です。
例えば、地方では利用が多いLPガスに対する負担軽減策や、買物等のキャッシュレス決済によるポイント還元策、学校の給食費や教材費等の値上げへの支援策を実施する自治体も数多くあり、家庭の負担軽減につながり、非常に助かると喜びの声が届いています。
しかし、長引く物価高騰はまだ出口が見えておらず、国民が賃上げの効果を実感するまで、生活者や事業者を守り抜く有効な支援策の継続が不可欠です。特に、家計への影響が大きい低所得世帯や低所得の子育て世帯に対し、給付措置の速やかな実施を強く求めます。
生活困窮者や中小事業者等に十分な支援を実施し、加えて、低所得世帯や子育て世帯へ給付措置を行うため、重点支援地方交付金を大幅に積み増すべきと考えますが、総理の見解を求めます。
物価高を克服し、成長型経済への転換のためには、賃上げの勢いを持続的なものとし、家計が実感できる所得向上を実現しなければなりません。そのためには、中小企業が価格転嫁しやすい環境づくりや、生産性向上、資金繰りに向けた着実かつ継続的な支援が必要です。
そこで、公明党は、中小・小規模事業者の賃上げを強力に後押しする中小企業等の賃上げ応援トータルプランを取りまとめ、政府に提言しました。
同プランは、価格転嫁、生産性向上、資金繰り支援の三つの柱、二十の具体策で構成しています。
第一に、価格転嫁について、特に、中小企業の価格転嫁への支援はまだまだ不十分です。中小企業が価格転嫁しやすい環境整備に向けた一層の取組が重要です。
具体的には、エネルギーや原材料のみならず、労務費も含めた価格転嫁を推進するための指針を政府に作成していただきたい。これにより、下請が発注者に対し賃上げ分を含めた価格交渉の後押しにつながることが期待されます。さらに、フォローアップに取り組み、結果を公表すべきです。
また、国や地方自治体等の官公需においても、労務費を含めたコストを実勢価格に適切に反映し、年度途中でも契約金額の変更に対応できる柔軟性が必要です。
その他、製品やサービスの最低価格を取り決める団体協約の活用や、建設業やトラック運送業の賃上げ、金型の代金や保管料の支払の適正化に向けた取組等も強化すべきです。
第二の生産性向上は、最低賃金引上げへの対応や人手不足に直面する中小企業にとって喫緊の課題です。
そのため、政府は様々な補助制度を用意していますが、小規模な事業者からは、補助金を申請しようにも計画書が作れないといった声を耳にします。賃上げ、生産性向上のための各種補助金の更なる上乗せとともに、商工会、商工会議所などに申請書の作成をサポートする体制も整えていただきたい。
あわせて、公明党の提案で導入が決まった、いわゆる年収の壁を乗り越えるための新たな助成金について、まずは、雇う側と働く側双方に対し、分かりやすく丁寧に周知をお願いしたい。その上で、希望者が利用できるよう、十分な予算額の確保を求めます。
第三の資金繰り支援では、賃上げに取り組む中小企業に対する低利な政策金融の実施、経営者保証に依存しない融資慣行の確立のほか、約束手形の現金化までの期間短縮の推進を求めています。
さらに、今年度で期限が到来する賃上げ促進税制については長期延長するとともに、赤字でも賃上げに取り組む企業を対象に、控除し切れなかった金額を翌年度以降に繰越しを認める措置を創設すべきです。
こういった取組を総合的、継続的に推進、フォローしていく司令塔となる組織若しくは関係省庁が連携した会議体の設置を提案します。
以上、物価上昇に負けない持続的な賃上げ、所得向上の実現に向け、政府一丸となって取り組んでいただきたいと思いますが、総理の見解を求めます。
GX脱炭素推進法に基づき、経済競争力を高められる分野への投資戦略の策定に向けた議論が進んでいます。サプライチェーン全体のGXの取組がより一層求められる中で、この事業環境の変化に中小企業がどう対応できるかが課題であり、その第一歩が省エネの取組です。
その対策として、昨年度の補正予算には、省エネ補助金などの支援策の集中実施が盛り込まれました。補助金を活用して高効率の空調や照明などを導入しエネルギーコスト低減を実現した中小企業などの好事例を横展開し、省エネの診断から省エネ性能の高い設備への転換と更新の計画や支援までを一体的に行うなど、支援の強化に取り組むことが重要です。
小規模企業のカーボンニュートラル、先進的な省エネ投資支援の強化について、総理の見解を求めます。
今月、インボイス制度が施行されました。課税事業者の九七%、免税事業者の百十一万者が登録申請し、おおむね円滑にスタートできたと評価しています。免税事業者とこれまでどおり取引を継続し、取引価格の引下げも行わない、こう表明する業界の動きも広がり、多くの免税事業者は落ち着いて対応しています。
一方、業界特有の事情なども相まって、今後の取引に不安を抱える方々や申告に関する質問も増えるものと思われます。個々の事業者それぞれの不安に適切に応えられる個別相談体制の充実を是非ともお願いしたい。
その上で、インボイスの意義は、売手が買手に正確な税額を伝え、適正な取引や公平な税負担を確保することです。いわゆる買いたたきを是正し、下請企業の適正な転嫁につながることが期待されます。
さらに、公明党の主張で導入された二割特例によって、三年間は消費税額の二割を納税すればよく、税額計算も容易です。
来年三月の確定申告を目指し、こうした点も周知しながら、インボイスへの不安払拭と定着に向けた着実な取組をお願いしたいと思います。総理の見解を伺います。
経済成長のためには、地域が魅力を生かして持続的に成長していくことが不可欠です。
第一に、観光の活性化です。
国内外の観光需要が回復し、観光地にかつてのにぎわいが戻ってきています。しかし、先日、公明党は宿泊業の皆様から、コロナ禍によって減少した従業員数が戻り切っておらず、人手不足が深刻化しているとの切実な声を伺いました。外国人材の積極的な活用やスマートチェックイン機などの設備投資への支援など、早急に対策を講じる必要があります。
同時に、高付加価値化や金融支援を進めるとともに、施設の省エネ化やデジタル化などの生産性向上を図り、魅力ある観光業に向け成長を後押しすべきです。
一方、旅行者が観光地に過度に集中することで弊害が起きる、いわゆるオーバーツーリズムへの対応も急務です。観光客受入れの環境整備への支援やごみのポイ捨て対策などが求められます。
観光産業は裾野が広く、地方の成長の実現のためにはその活性化が必要です。国土交通大臣の答弁を求めます。
第二に、魅力ある農林水産業の構築です。
私は、先日、北海道岩見沢市を訪れ、自動走行トラクターを遠隔操作して農作業を行うなど、先進的なスマート農業の取組を視察しました。こうした技術が人手不足や重労働など数多くの問題を解決し、農林水産業を希望あふれるものにすると実感しました。
食料安全保障の確立なども含め、多くの課題に直面する今こそ、持続可能な農林水産業を構築するため、スマート化やグリーン化への投資など、生産性や付加価値を飛躍的に高める取組を強力に支援するとともに、適正な価格転嫁対策など、所得拡大に向けた施策を拡充することが急務です。
また、足下では、肥料や飼料、燃油等の価格が依然として高い水準にあります。国際相場の動向等を注視しつつ、価格高騰対策やセーフティーネット制度の着実な実施など、生産コストの負担軽減や所得の確保に必要な対策を機動的に実行する必要があります。
農林漁業者の所得の確保や拡大への取組について、総理の答弁を求めます。
子育て、教育について伺います。
急激な物価高騰にあって、国民生活を守るために忘れてはならないのは、子供たちの教育を支えることです。
来年度から、給付型奨学金と授業料減免を行う修学支援新制度の対象が、多子世帯や理工農系の中間層へと拡大されます。これにとどまらず、経済的な理由で学びを諦めることがない社会を構築し、安心感を持って子育てができるよう、二〇三〇年代までに大学等の無償化を実現すべきです。
無償化への次の一歩を踏み出し、まずは入学金や教材購入、転居費用などで特に経済的負担が大きい大学や専門学校等の一年生の前期分の授業料を無償化してはどうでしょうか。
大学等の高等教育の無償化について総理に伺います。
文部科学省の調査では、令和四年度の不登校の小中学生は前年度より約五万四千人増え、約二十九万九千人と過去最多になりました。そのうち四割に当たる約十一万四千人は、学校内外で相談、支援につながっていません。
これは緊急事態であり、本年三月に文科省が発表した不登校対策、いわゆるCOCOLOプランに基づいた令和六年度からの取組を前倒しし、速やかに実行しなければなりません。
まず、どこにもつながれていない子供たちとその保護者が支援につながるために、情報発信の強化や、教育支援センター側から働きかけて支援をするアウトリーチの強化、オンライン体制の整備に早急に取り組む必要があります。
次に、自分のクラスに入りづらいときの居場所になる、自分のペースで学習ができるスペシャルサポートルームについては、不登校の未然防止と学びの確保に効果が見られており、全小中学校への配置を急がなければなりません。
さらに、不登校やいじめにつながる不安や悩みの前兆を早期発見、早期対応するため、児童生徒の一人一台端末に相談アプリを入れるなど、子供が相談をしやすい仕組みをつくることも大切です。
不登校を始め全ての子供たちの多様性が尊重され、多様な学びができ、何度でもやり直しながら強みや得意を見付け、伸ばしていく公教育への転換に本格的に取り組むときが来たのではないでしょうか。
不登校の児童生徒の支援について、総理に伺います。
我が国では単身世帯が三割を超えており、二〇四〇年には四割に上ると推計されています。性別、年齢を問わず、独身、単身世帯のいわゆるお一人様が安心して暮らせる社会の構築が不可欠です。公明党は、若者やお一人様の不安の声に寄り添い、応援します。
例えば、こども未来戦略方針では、三つの基本理念の第一に若い世代の所得を増やすことが掲げられていますが、結婚する意思の有無にかかわらず、希望を持って将来の展望を描けるように、若者の所得向上に最優先で取り組むべきです。
また、結婚支援に限らず、孤独・孤立対策も含め、誰もが参加できる多様な出会い、交流機会の創出など地方自治体による取組への後押しや、身寄りのない高齢者に対する身元保証、住まいの確保、生活支援など、現場の実態、課題を把握した上で対策を強化することが重要です。
若者やお一人様を応援する政策の充実に向けて、総理の見解を伺います。
医療・介護制度の改革について伺います。
高齢化の進展により、医療と介護双方のサービスを必要とする高齢者の増加が見込まれます。こうしたニーズに対応できる医療・介護提供体制を構築するため、年末に控えた診療報酬、介護報酬の同時改定は極めて重要です。
同時改定に当たっては、高齢者が在宅でも医療機関や高齢者施設でも必要なケアが得られるよう、関係機関の連携や医療DXを進め、地域包括ケアシステムの深化、推進を図っていただきたい。
一方で、これらのサービスを提供する人材確保や働き方改革も喫緊の課題です。
医師については、来年四月から時間外労働の上限規制が適用されることから、働き方改革に向けた継続的な取組が求められています。介護については、他業種へ人材が流出する事態も起きており、更なる処遇改善により人材流出を食い止めるとともに、担い手の裾野を広げる取組も強化する必要があります。同時に、介護報酬の処遇改善に関する加算制度を一本化するなど、業務負担の軽減も図るべきです。
医療・介護現場で働く人にとってもサービスの利用者にとっても安心できる医療・介護制度の構築に向け、総理の決意を伺います。
外交について質問します。
公明党は、これまで、ウクライナ避難民を多く受け入れている国に調査団を派遣し、現地で暮らす避難民のニーズや受入れ国が抱える課題などをまとめ、政府に要望しました。また、党の議員ネットワークを生かして、日本での受入れ支援にも全力で取り組んでいます。
先日、私も、国連地雷対策サービス部、すなわちUNMASのアイリーン・コーン部長と会談し、地雷除去に向けた支援について意見交換をしました。
今般の総合経済対策にも支援に向けた施策がしっかりと盛り込まれることが重要です。引き続き、G7を始めとする国際社会と連携し、一刻も早い停戦の実現とウクライナや影響を受けている人々に寄り添った人道、復旧復興支援に全力を尽くしていただきたい。
今後のウクライナ支援について、総理の答弁を求めます。
本年五月のG7広島サミットで、各国首脳が原爆資料館を訪問し、被爆者の証言に耳を傾けたことは、核廃絶に向けた大きな前進であり、その実現を訴えてきた公明党としても高く評価いたします。
昨年の核禁条約第一回締約国会議に、NATO加盟国のドイツやノルウェーなどがオブザーバーとして参加しました。日本も、橋渡しの立場からすれば、非核兵器国である締約国との意思疎通の機会を持つ意味や、被爆者に対する医療や生活支援の面など、様々な経験を役立たせることが十分可能であると考えます。来月末に開催される第二回締約国会議にオブザーバー参加し、日本の役割を追求する姿勢が大切ではないでしょうか。
総理は、先月、国連総会に併せて、ニューヨークで、核兵器の原料となる物質の生産を禁じ、増やさないことなどを目的とした条約である核兵器用核分裂性物質生産禁止条約、いわゆるFMCTの早期交渉開始を訴えられました。NPT体制を維持強化するとともに、現実的で実践的な取組の強化が必要と考えます。
日本のオブザーバー参加と今後の核軍縮への具体的な取組について、総理の答弁を求めます。
日本とASEANは友好協力の歩みを進めて今年で五十周年の節目を迎えます。更なる友好関係の強化と連結性の強化により地域の安定を確保するため、先般、公明党は、フィリピン、インドネシア、ベトナムを訪問しました。各国の政治リーダーと様々な観点から率直に意見交換をし、友好関係を深めるとともに、各国からは日本のこれまでのインフラ整備への支援に感謝の声が寄せられ、引き続き支援を求める声が相次ぎました。
また、三か国いずれも特定技能制度や技能実習制度などを利用して多くの若者が日本で働いていることを踏まえ、より高い技術を確実に身に付け、帰国後はその技術を生かして起業するなど、キャリアアップできる環境の重要性を共有しました。日本語を話せる人材が各国に増えることで日本企業も投資のハードルが低くなり、新たな雇用が生まれる好循環が期待されます。
先月、ASEAN関連首脳会議が行われ、十二月には日・ASEAN特別首脳会議が東京で開催されます。こうした機会を生かし、今後、多くの分野でASEANと協力関係を強化していただきたいと思います。
日・ASEAN関係の深化に向け、どのような取組を進められるのか、総理の答弁を求めます。
ASEAN訪問では、私自身が立ち上げから関与した、アジア諸国から幹部候補職員を日本に招き、高度な研修と人的ネットワークの構築を目指す海上保安政策プログラムの卒業生たちが自国に戻り、活躍している現場も見ることができました。海上交通路の安全確保のため、各国の海上保安機関との更なる連携強化の必要性を実感しました。
また、我が国周辺海域の情勢が一層厳しさを増す中、有事における海上保安庁と自衛隊の連携協力を図ることが必要です。その際、海上保安庁法第二十五条の趣旨にのっとり、両者は本質的に機能や役割が異なっていることを踏まえた上で統制要領に基づく運用を確立しなければなりません。
海上保安庁の法執行機関としての機能を踏まえた平時の国際貢献の在り方と有事における自衛隊との役割分担の在り方について、総理の見解を伺います。
本年の梅雨前線による大雨や相次ぐ台風の影響により、全国各地で多くの被害が生じました。
被災した地域の一部では、いまだに道路や鉄道などが復旧に至っていません。必要な予算を確保するとともに、一日も早い復旧に取り組んでいただきたい。福岡県では、今回の災害で災害拠点病院が浸水し医療機器が水没するなど、甚大な被害を受けました。公明党議員が現場に急行し被害状況を調査するとともに、国会でも迅速な支援の重要性を訴えました。
激甚化、頻発化する風水害に備え、災害拠点病院や避難所などに浸水の危険性がないか点検し安全対策を講ずるなど、地域の防災の在り方を不断に見直していく必要があります。
災害復旧及び防災・減災対策について、総理の答弁を伺います。
マイナ保険証を通じた医療のデジタル化は、正確なデータに基づく診療や薬の処方が可能となるなど、国民一人一人に質の高い適切な医療を提供できるようになります。
一方、今回のマイナンバー制度におけるひも付けの誤りなど一連の問題事案により、国民の間に不安が広がりました。
健康保険証の廃止については、国民の不安払拭が大前提です。医療機関や国民の声をよく聞きながら再発防止策を徹底し、国民が安心してマイナ保険証を活用しメリットを享受できるよう、実効的な仕組みづくりを求めたい。
様々な事情によりマイナ保険証を持つことができない方への対応も重要です。公明党の主張により、保険証の代わりとなる資格確認書を本人の申請を待たずプッシュ型で交付することも決定しています。
正しい情報を丁寧に周知し、全ての国民が安心して保険診療を受けられるように、着実に取組を進めていただきたいと思います。総理の答弁を求めます。
結びに一言申し上げます。
総理は、所信表明で変化の流れをつかみ取ると繰り返し、大きな時代の変化の流れをつかみ取り、個々の国民の力に変えると述べました。
国の力と表現せず、個々の国民の力と言及されたことは、公明党の考えと軌を一にします。国民の個々の力が付くことが国の力にもなります。
今日の大きな転換期に当たり、変化を国民一人一人の力へ結び付けていく、これこそが今日の政治の重要な役割であると考えます。
公明党はこの点を踏まえ、大衆とともにの立党精神を胸に、これからも生活者の目線で改革を進めてまいります。
そして、今私たちが直面する危機の克服に全力で取り組み、日本の未来を切り開いていくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#3
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山口那津男議員の御質問にお答えいたします。
重点支援地方交付金の積み増しについてお尋ねがありました。
物価高の影響を受け厳しい状況にある生活者、事業者の方々をしっかりと支えるため、政府はこれまで、重点支援地方交付金を措置し、生活困窮者や子育て世帯、中小企業への支援を含め、地域の実情に応じた取組を支援してきました。今回の経済対策においても同交付金を追加し、引き続き支援をします。
また、多くの自治体では、この夏以降、一世帯当たり三万円を目安に低所得者世帯への支援を開始してきました。重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠についても、今回の経済対策において追加的に拡大いたします。
引き続き、同交付金を始め重層的な対策を講じることによって、物価高から国民生活と事業活動を守り抜いてまいります。
中小企業の賃上げ支援についてお尋ねがありました。
持続的で構造的な賃上げ実現に向けて、中小企業への支援が重要です。いただいた提言も踏まえ、価格転嫁対策、生産性向上支援、資金繰り支援に取り組んでまいります。
価格転嫁対策としては、年二回の価格交渉促進月間における発注企業の価格交渉、価格転嫁の状況についての公表や、賃上げ費用の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を年内に策定することとしています。
また、売上げ拡大や生産性向上など、経営者の挑戦を後押しするための支援を着実に進めるとともに、今後取りまとめる新たな経済対策において省人化、省力化投資の支援措置を強化してまいります。その際、御提言も踏まえ、商工会、商工会議所など、地域の中小企業支援機関が小規模事業者の申請書の作成を支援する体制、これを引き続き整備いたします。
さらに、資金繰り支援として、賃上げに取り組む中小企業に対する低利融資の検討を進めるとともに、御提言いただいた経営者保証の提供を選択できる信用保証制度の年度内創設に向けた準備を進めてまいります。
中小企業庁を司令塔に、関係省庁一丸となってこうした政策を着実に進め、中小企業における持続的な賃上げ、所得向上を実現してまいります。
中小企業におけるカーボンニュートラルや省エネの取組についてお尋ねがありました。
カーボンニュートラルの実現に向けて、中小企業も含め、社会全体のGXを進めていくことが重要です。
中小企業の省エネ促進に当たって、専門家による省エネ診断や省エネ設備への更新に対し支援を行っていますが、その際、御指摘のように省エネ診断を参考とした設備導入を優遇するなど、一貫した支援を行うこととしています。また、設備導入のこの好事例について、事例集の公表や民間への講演等を通じた横展開を図っており、引き続き取組を充実させてまいります。
こうした中小企業の省エネ取組を更に後押ししていくこととしており、今後取りまとめる経済対策で必要な施策を盛り込んでまいります。
インボイスについてお尋ねがありました。
インボイス制度の開始により、制度に対する御不安や御懸念を抱かれる方もいらっしゃると思います。そのような不安等に対しては引き続き適切に相談に応じていくとともに、来年の確定申告に向けては、税負担や事務負担を軽減する二割特例等をしっかりと周知した上で、事業者からの相談に対し適切にお受けする体制を整備してまいります。
また、免税事業者の不当な取引排除や価格引下げに対しては、公正取引委員会を始め政府を挙げて取引環境の整備に取り組んでおり、引き続きこうした対応を的確かつ厳正に実施してまいります。
引き続き、政府一丸となって、制度の施行状況等をフォローアップするとともに、事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。
農林漁業者の所得の確保、拡大についてお尋ねがありました。
農林漁業に携わる方々が夢と希望を持って活動していくためには、安心して働ける所得が確保される環境が重要です。
このため、議員御指摘のスマート技術の開発、実用化等による生産性の向上や、環境に優しい農業の実践等による付加価値の向上に向けた取組を促進してまいります。
加えて、今後更に重要性を増すのが拡大する海外の食市場の獲得です。高品質な我が国農林水産物の輸出増加に向けた取組を後押ししてまいります。
また、現下の状況に鑑み、肥料や飼料、燃油等の価格高騰対策を着実に実施していくとともに、適正な価格形成に向けた国民理解の醸成と具体的な仕組みづくり、進めてまいります。
これらを通じて、農林漁業者の所得が確保、拡大され、我が国において農林漁業が魅力ある営みとして持続的に発展していくよう取り組んでまいります。
高等教育の無償化についてお尋ねがありました。
高等教育の無償化については、低所得世帯を対象に授業料等の減免と給付型奨学金の支給を併せて実施してきたところであり、さらに、令和六年度から、負担軽減の必要性の高い多子世帯や理工農系の学生等の中間層へ対象を拡大することとしています。
そして、これに加えて、多子世帯の学生等に対する授業料等減免について、執行状況や財源等を踏まえつつ、対象年収の拡大を含め、更なる支援拡充を検討し、年末までに具体化を進めてまいります。
不登校対策についてお尋ねがありました。
先日公表された調査結果では小中学校の不登校児童生徒数が過去最多になるなど、極めて憂慮すべき状況です。
このため、先般の不登校対策等に関する合同会議の場において、緊急的に対処すべきものについて経済対策にも盛り込むよう、私から文部科学大臣に指示を行いました。具体的には、校内の教育支援センターの設置促進や、子供一人一人のICT端末を活用した心の健康観察の推進、スクールカウンセラー等の配置充実等について速やかに実行してまいります。政府としては、不登校に関する対策を強化し、子供の安全、安心確保に万全を期してまいります。
若者やお一人様を応援する政策についてお尋ねがありました。
若者への支援については、雇用の安定を図り、経済的基盤を確保することで、将来にわたる展望を描けるようにすることが重要であると考えており、ハローワークでの安定就労に向けた就職支援、公的職業訓練を通じた能力開発支援等を行っているところです。こうした取組に加えて、三位一体の労働市場改革などの生産性を引き上げる構造的な改革を進めることで、若者も含めた持続的な賃上げを実現してまいります。
また、御指摘のお一人様への対応についても、こうした雇用施策を含め、性別、年齢を問わず、孤独、孤立に悩む方々に必要な支援が行き届くよう、引き続き政府一丸となって取り組んでまいります。
医療・介護制度と同時改定についてお尋ねがありました。
令和六年度は、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の報酬の同時改定が行われる大きな節目の年に当たります。御指摘のように、医療、介護の提供体制や人材確保、働き方改革といった観点は重要であり、同時改定においては、今般の経済対策における物価高騰や賃金上昇への対応を踏まえつつ、それに加えて、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者、利用者負担、保険料負担への影響も踏まえ、患者、利用者が必要なサービスを受けられるよう、必要な対応を行ってまいります。
今後のウクライナ支援についてお尋ねがありました。
ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、G7を始めとする国際社会と緊密に連携しながら、ウクライナ支援を強力に推し進めていく必要があります。
日本はこれまで、ウクライナ関連支援として総額約七十六億ドルの協力を表明し、実施をしてきています。また、ウクライナの中長期的な復旧復興に向け、我が国の知見や経験を生かしつつ、地雷対策、瓦れき除去や電力等の基礎インフラ整備を含む生活再建など、引き続き日本ならではのきめ細かい支援を実施してまいります。また、ウクライナの復旧復興のためには、民間企業関係者の関与も不可欠です。この点、来年初めに開催予定の日ウクライナ経済復興推進会議なども通じながら、官民一体となった対ウクライナ支援を力強く推進していく考えです。
核兵器禁止条約第二回締約国会合へのオブザーバー参加及び今後の核軍縮への具体的な取組についてお尋ねがありました。
核軍縮をめぐる情勢が一層厳しいものになっている今こそ、核兵器のない世界の実現に向けて現実的で実践的な取組を着実に進めていかなければなりません。
こうした思いから、私は、昨年、NPT運用検討会議に出席をし、ヒロシマ・アクション・プランを提唱しました。また、本年五月のG7広島サミットでは、核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書となるG7首脳広島ビジョンを発出しました。本年九月の国連総会の機会には、FMCTハイレベル記念行事を主催し、FMCTの早期交渉開始に向けた国際社会の関心を改めて喚起するとともに、核兵器のない世界に向けた関係国の決意を改めて示すことができました。
そして、御指摘の核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておらず、いまだその出口に至る道筋は立っていない、これが現状です。我が国は、唯一の戦争被爆国として核兵器国を関与させる努力をしなければなりません。
本年十二月八日及び九日には、核兵器国と非核兵器国の双方からの出席を得て、それぞれの国の立場を超えて自由闊達な議論を行う、核兵器のない世界に向けた国際賢人会議の第三回会合を長崎において開催することとしました。諸般の事情が許せば私自身も出席すべく、調整を行っているところです。
日・ASEAN関係の深化に向けた取組についてお尋ねがありました。
ASEANは日本にとっての伝統的なパートナーであり、良好な日・ASEAN関係は日本の平和、繁栄のために不可欠です。また、ASEANは、世界の成長センターであるとともに地政学的要衝に位置をしており、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの実現に向けた要です。
ASEANが掲げるインド太平洋に関するASEANアウトルック、AOIPは、FOIPと本質的な原則を共有しており、手を携えて、海洋協力、連結性、SDGs、経済等で具体的な協力を進めていきます。
本年十二月に東京で開催する特別首脳会議では、過去五十年の交流を通じて培った信頼関係を将来につなぐべく、新たな協力のビジョンを打ち出し、幅広い具体的協力の実施計画を発表し、日・ASEAN関係の一層の強化に向けた次世代の方向性を示したいと考えています。
海上保安庁による平時の国際貢献や有事における自衛隊との役割分担の在り方についてお尋ねがありました。
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、海上保安庁では、法の支配に基づく海洋秩序を維持するため、御指摘の海上保安政策プログラムを含め、諸外国への能力向上支援や各国海上保安機関等との連携協力を進めています。
今後とも、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、しっかりとリーダーシップを発揮してまいります。
また、有事における海上保安庁と自衛隊との役割分担については、本年四月に策定された統制要領に基づき、海上保安庁は、非軍事的性格を保ちつつ、国民保護措置や海上における人命の保護等を実施することとしており、今後も両機関の連携協力を不断に強化してまいります。
災害復旧及び防災・減災対策についてお尋ねがありました。
まず、六月以降の相次ぐ大雨や台風でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
災害からの復旧については、政府としても、被害を受けた道路、病院等に係る災害復旧事業による支援を行っているほか、梅雨前線豪雨等による災害を激甚災害に指定するなどしているところであります。
また、浸水想定区域に所在する災害拠点病院については来年四月から止水板の設置等による浸水対策を講ずることとしており、必要な支援を行っているほか、指定避難所についても浸水対策を含めた防災機能の強化を支援しているところです。
このほか、今回の経済対策では、国土強靱化、防災・減災など国民の安全、安心の確保を柱としているところであり、引き続き、災害復旧及び防災・減災対策に総合的に取り組んでまいります。
そして、健康保険証の廃止についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、マイナ保険証には、患者本人の健康、医療に関するデータに基づいたより良い医療の提供が可能となるなどの多くのメリットがあり、我が国の医療DXを進める上で基盤となる仕組みです。
現行の健康保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提であり、マイナ保険証への移行期においても全ての国民が安心して保険診療を受けられるよう、当分の間、マイナ保険証を保有していない方全てに資格確認書を申請によらず交付をいたします。
政府としては、ひも付けの総点検とその後の修正作業を着実に進めるとともに、マイナ保険証のメリットを実感していただけるよう、利用促進に向けた取組を積極的に行ってまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →重点支援地方交付金の積み増しについてお尋ねがありました。
物価高の影響を受け厳しい状況にある生活者、事業者の方々をしっかりと支えるため、政府はこれまで、重点支援地方交付金を措置し、生活困窮者や子育て世帯、中小企業への支援を含め、地域の実情に応じた取組を支援してきました。今回の経済対策においても同交付金を追加し、引き続き支援をします。
また、多くの自治体では、この夏以降、一世帯当たり三万円を目安に低所得者世帯への支援を開始してきました。重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠についても、今回の経済対策において追加的に拡大いたします。
引き続き、同交付金を始め重層的な対策を講じることによって、物価高から国民生活と事業活動を守り抜いてまいります。
中小企業の賃上げ支援についてお尋ねがありました。
持続的で構造的な賃上げ実現に向けて、中小企業への支援が重要です。いただいた提言も踏まえ、価格転嫁対策、生産性向上支援、資金繰り支援に取り組んでまいります。
価格転嫁対策としては、年二回の価格交渉促進月間における発注企業の価格交渉、価格転嫁の状況についての公表や、賃上げ費用の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を年内に策定することとしています。
また、売上げ拡大や生産性向上など、経営者の挑戦を後押しするための支援を着実に進めるとともに、今後取りまとめる新たな経済対策において省人化、省力化投資の支援措置を強化してまいります。その際、御提言も踏まえ、商工会、商工会議所など、地域の中小企業支援機関が小規模事業者の申請書の作成を支援する体制、これを引き続き整備いたします。
さらに、資金繰り支援として、賃上げに取り組む中小企業に対する低利融資の検討を進めるとともに、御提言いただいた経営者保証の提供を選択できる信用保証制度の年度内創設に向けた準備を進めてまいります。
中小企業庁を司令塔に、関係省庁一丸となってこうした政策を着実に進め、中小企業における持続的な賃上げ、所得向上を実現してまいります。
中小企業におけるカーボンニュートラルや省エネの取組についてお尋ねがありました。
カーボンニュートラルの実現に向けて、中小企業も含め、社会全体のGXを進めていくことが重要です。
中小企業の省エネ促進に当たって、専門家による省エネ診断や省エネ設備への更新に対し支援を行っていますが、その際、御指摘のように省エネ診断を参考とした設備導入を優遇するなど、一貫した支援を行うこととしています。また、設備導入のこの好事例について、事例集の公表や民間への講演等を通じた横展開を図っており、引き続き取組を充実させてまいります。
こうした中小企業の省エネ取組を更に後押ししていくこととしており、今後取りまとめる経済対策で必要な施策を盛り込んでまいります。
インボイスについてお尋ねがありました。
インボイス制度の開始により、制度に対する御不安や御懸念を抱かれる方もいらっしゃると思います。そのような不安等に対しては引き続き適切に相談に応じていくとともに、来年の確定申告に向けては、税負担や事務負担を軽減する二割特例等をしっかりと周知した上で、事業者からの相談に対し適切にお受けする体制を整備してまいります。
また、免税事業者の不当な取引排除や価格引下げに対しては、公正取引委員会を始め政府を挙げて取引環境の整備に取り組んでおり、引き続きこうした対応を的確かつ厳正に実施してまいります。
引き続き、政府一丸となって、制度の施行状況等をフォローアップするとともに、事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。
農林漁業者の所得の確保、拡大についてお尋ねがありました。
農林漁業に携わる方々が夢と希望を持って活動していくためには、安心して働ける所得が確保される環境が重要です。
このため、議員御指摘のスマート技術の開発、実用化等による生産性の向上や、環境に優しい農業の実践等による付加価値の向上に向けた取組を促進してまいります。
加えて、今後更に重要性を増すのが拡大する海外の食市場の獲得です。高品質な我が国農林水産物の輸出増加に向けた取組を後押ししてまいります。
また、現下の状況に鑑み、肥料や飼料、燃油等の価格高騰対策を着実に実施していくとともに、適正な価格形成に向けた国民理解の醸成と具体的な仕組みづくり、進めてまいります。
これらを通じて、農林漁業者の所得が確保、拡大され、我が国において農林漁業が魅力ある営みとして持続的に発展していくよう取り組んでまいります。
高等教育の無償化についてお尋ねがありました。
高等教育の無償化については、低所得世帯を対象に授業料等の減免と給付型奨学金の支給を併せて実施してきたところであり、さらに、令和六年度から、負担軽減の必要性の高い多子世帯や理工農系の学生等の中間層へ対象を拡大することとしています。
そして、これに加えて、多子世帯の学生等に対する授業料等減免について、執行状況や財源等を踏まえつつ、対象年収の拡大を含め、更なる支援拡充を検討し、年末までに具体化を進めてまいります。
不登校対策についてお尋ねがありました。
先日公表された調査結果では小中学校の不登校児童生徒数が過去最多になるなど、極めて憂慮すべき状況です。
このため、先般の不登校対策等に関する合同会議の場において、緊急的に対処すべきものについて経済対策にも盛り込むよう、私から文部科学大臣に指示を行いました。具体的には、校内の教育支援センターの設置促進や、子供一人一人のICT端末を活用した心の健康観察の推進、スクールカウンセラー等の配置充実等について速やかに実行してまいります。政府としては、不登校に関する対策を強化し、子供の安全、安心確保に万全を期してまいります。
若者やお一人様を応援する政策についてお尋ねがありました。
若者への支援については、雇用の安定を図り、経済的基盤を確保することで、将来にわたる展望を描けるようにすることが重要であると考えており、ハローワークでの安定就労に向けた就職支援、公的職業訓練を通じた能力開発支援等を行っているところです。こうした取組に加えて、三位一体の労働市場改革などの生産性を引き上げる構造的な改革を進めることで、若者も含めた持続的な賃上げを実現してまいります。
また、御指摘のお一人様への対応についても、こうした雇用施策を含め、性別、年齢を問わず、孤独、孤立に悩む方々に必要な支援が行き届くよう、引き続き政府一丸となって取り組んでまいります。
医療・介護制度と同時改定についてお尋ねがありました。
令和六年度は、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の報酬の同時改定が行われる大きな節目の年に当たります。御指摘のように、医療、介護の提供体制や人材確保、働き方改革といった観点は重要であり、同時改定においては、今般の経済対策における物価高騰や賃金上昇への対応を踏まえつつ、それに加えて、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者、利用者負担、保険料負担への影響も踏まえ、患者、利用者が必要なサービスを受けられるよう、必要な対応を行ってまいります。
今後のウクライナ支援についてお尋ねがありました。
ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、G7を始めとする国際社会と緊密に連携しながら、ウクライナ支援を強力に推し進めていく必要があります。
日本はこれまで、ウクライナ関連支援として総額約七十六億ドルの協力を表明し、実施をしてきています。また、ウクライナの中長期的な復旧復興に向け、我が国の知見や経験を生かしつつ、地雷対策、瓦れき除去や電力等の基礎インフラ整備を含む生活再建など、引き続き日本ならではのきめ細かい支援を実施してまいります。また、ウクライナの復旧復興のためには、民間企業関係者の関与も不可欠です。この点、来年初めに開催予定の日ウクライナ経済復興推進会議なども通じながら、官民一体となった対ウクライナ支援を力強く推進していく考えです。
核兵器禁止条約第二回締約国会合へのオブザーバー参加及び今後の核軍縮への具体的な取組についてお尋ねがありました。
核軍縮をめぐる情勢が一層厳しいものになっている今こそ、核兵器のない世界の実現に向けて現実的で実践的な取組を着実に進めていかなければなりません。
こうした思いから、私は、昨年、NPT運用検討会議に出席をし、ヒロシマ・アクション・プランを提唱しました。また、本年五月のG7広島サミットでは、核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書となるG7首脳広島ビジョンを発出しました。本年九月の国連総会の機会には、FMCTハイレベル記念行事を主催し、FMCTの早期交渉開始に向けた国際社会の関心を改めて喚起するとともに、核兵器のない世界に向けた関係国の決意を改めて示すことができました。
そして、御指摘の核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておらず、いまだその出口に至る道筋は立っていない、これが現状です。我が国は、唯一の戦争被爆国として核兵器国を関与させる努力をしなければなりません。
本年十二月八日及び九日には、核兵器国と非核兵器国の双方からの出席を得て、それぞれの国の立場を超えて自由闊達な議論を行う、核兵器のない世界に向けた国際賢人会議の第三回会合を長崎において開催することとしました。諸般の事情が許せば私自身も出席すべく、調整を行っているところです。
日・ASEAN関係の深化に向けた取組についてお尋ねがありました。
ASEANは日本にとっての伝統的なパートナーであり、良好な日・ASEAN関係は日本の平和、繁栄のために不可欠です。また、ASEANは、世界の成長センターであるとともに地政学的要衝に位置をしており、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの実現に向けた要です。
ASEANが掲げるインド太平洋に関するASEANアウトルック、AOIPは、FOIPと本質的な原則を共有しており、手を携えて、海洋協力、連結性、SDGs、経済等で具体的な協力を進めていきます。
本年十二月に東京で開催する特別首脳会議では、過去五十年の交流を通じて培った信頼関係を将来につなぐべく、新たな協力のビジョンを打ち出し、幅広い具体的協力の実施計画を発表し、日・ASEAN関係の一層の強化に向けた次世代の方向性を示したいと考えています。
海上保安庁による平時の国際貢献や有事における自衛隊との役割分担の在り方についてお尋ねがありました。
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、海上保安庁では、法の支配に基づく海洋秩序を維持するため、御指摘の海上保安政策プログラムを含め、諸外国への能力向上支援や各国海上保安機関等との連携協力を進めています。
今後とも、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、しっかりとリーダーシップを発揮してまいります。
また、有事における海上保安庁と自衛隊との役割分担については、本年四月に策定された統制要領に基づき、海上保安庁は、非軍事的性格を保ちつつ、国民保護措置や海上における人命の保護等を実施することとしており、今後も両機関の連携協力を不断に強化してまいります。
災害復旧及び防災・減災対策についてお尋ねがありました。
まず、六月以降の相次ぐ大雨や台風でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
災害からの復旧については、政府としても、被害を受けた道路、病院等に係る災害復旧事業による支援を行っているほか、梅雨前線豪雨等による災害を激甚災害に指定するなどしているところであります。
また、浸水想定区域に所在する災害拠点病院については来年四月から止水板の設置等による浸水対策を講ずることとしており、必要な支援を行っているほか、指定避難所についても浸水対策を含めた防災機能の強化を支援しているところです。
このほか、今回の経済対策では、国土強靱化、防災・減災など国民の安全、安心の確保を柱としているところであり、引き続き、災害復旧及び防災・減災対策に総合的に取り組んでまいります。
そして、健康保険証の廃止についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、マイナ保険証には、患者本人の健康、医療に関するデータに基づいたより良い医療の提供が可能となるなどの多くのメリットがあり、我が国の医療DXを進める上で基盤となる仕組みです。
現行の健康保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提であり、マイナ保険証への移行期においても全ての国民が安心して保険診療を受けられるよう、当分の間、マイナ保険証を保有していない方全てに資格確認書を申請によらず交付をいたします。
政府としては、ひも付けの総点検とその後の修正作業を着実に進めるとともに、マイナ保険証のメリットを実感していただけるよう、利用促進に向けた取組を積極的に行ってまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
斉
斉藤鉄夫#4
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 山口那津男議員から、観光の活性化についてお尋ねがありました。
直近の訪日外国人旅行者数や日本人延べ宿泊者数がコロナ前の水準におおむね回復するなど、足下の観光需要は確実に回復しています。
一方、コロナ禍により極めて大きな影響を受けた観光産業では、人手不足が深刻化するとともに、一部の地域においては過度の混雑やマナー違反によるいわゆるオーバーツーリズムの懸念等が生じていると認識しております。
これらの課題に対応するため、国土交通省としては、宿泊施設における省力化に資する設備投資支援や外国人材の採用活動支援など、総合的な人手不足対策を実施しております。
また、DX化による生産性向上や省エネ化への支援、さらには関係省庁との連携による金融支援などにより宿泊産業を支えてまいります。
さらに、岸田総理の御指示の下、関係省庁とも連携して、先日、十月十八日取りまとめられたオーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージに基づきまして、観光客の輸送における受入れ環境の整備、需要の適切な管理、マナー違反行為の防止、抑制等に取り組んでまいります。
また、持続可能な観光立国を実現するためには、地方部の観光地の魅力向上等を通じて、都市部を中心とした一部地域への偏在傾向を是正することも重要です。地方の観光地、観光産業の高付加価値化や各地域における特別なコンテンツの創出等により、観光地、観光産業の稼ぐ力を回復、強化し、地方への誘客を促進する、このことで観光による地域活性化に向けてしっかりと取り組んでまいります。拍手
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この発言だけを見る →直近の訪日外国人旅行者数や日本人延べ宿泊者数がコロナ前の水準におおむね回復するなど、足下の観光需要は確実に回復しています。
一方、コロナ禍により極めて大きな影響を受けた観光産業では、人手不足が深刻化するとともに、一部の地域においては過度の混雑やマナー違反によるいわゆるオーバーツーリズムの懸念等が生じていると認識しております。
これらの課題に対応するため、国土交通省としては、宿泊施設における省力化に資する設備投資支援や外国人材の採用活動支援など、総合的な人手不足対策を実施しております。
また、DX化による生産性向上や省エネ化への支援、さらには関係省庁との連携による金融支援などにより宿泊産業を支えてまいります。
さらに、岸田総理の御指示の下、関係省庁とも連携して、先日、十月十八日取りまとめられたオーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージに基づきまして、観光客の輸送における受入れ環境の整備、需要の適切な管理、マナー違反行為の防止、抑制等に取り組んでまいります。
また、持続可能な観光立国を実現するためには、地方部の観光地の魅力向上等を通じて、都市部を中心とした一部地域への偏在傾向を是正することも重要です。地方の観光地、観光産業の高付加価値化や各地域における特別なコンテンツの創出等により、観光地、観光産業の稼ぐ力を回復、強化し、地方への誘客を促進する、このことで観光による地域活性化に向けてしっかりと取り組んでまいります。拍手
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尾
浅
浅田均#6
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
私は、会派を代表して総理に質問いたします。
今、多くの国民の皆さんにとって一番心配なのは、物価は上がるのに賃金、収入が増えない、賃金、収入が増えないから生活が苦しくなるということではないでしょうか。この問題を解決するには、賃金を上げる等して可処分所得を増やすか、物価を下げるか、あるいはそのいずれも実現する政策が必要です。
私は、以下の循環、つまり、一、賃金が上がるから、物価が上がっても消費が減らない、二、物価が上がっても消費が減らないから、価格転嫁ができる、三、価格転嫁できるから、物価が上がり、GDPが増える、四、GDPが増えるから、賃金を上げることができる、こういう四つのステージから成る循環をつくり出すことが必要であるという観点から質問を始めます。
まず、賃上げと価格転嫁について質問します。
岸田総理は、地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げの実現を表明しています。今春の春闘では平均三・五八%の賃上げを実現できたと胸を張っていますが、組合のない企業も含めた中小企業は二%程度にとどまっているという数字もあり、まだまだ賃上げが隅々まで波及しているとは言えない状況です。総理はこの状況をどのように認識しておられますか。お答えください。
総理は賃上げ税制を強化するための減税措置を表明しましたが、賃上げを企業の自主性に委ねるだけのスキームに持続性はなく、やはり必要なのは、いかにして経済を成長させるかです。
経済は、コスト上昇分を価格に転嫁し、物価が上がることにより成長します。経済学の公準の一つと言ってもいいでしょう。
ところが、帝国データバンクが七月に実施した調査では、価格転嫁率は四三・六%、つまり、コストが百円上昇した場合に、四十三・六円しか販売価格に反映できていないのが実態です。全く価格転嫁できない企業もいまだに一二・九%を占めています。これでは経済は成長しません。
総理は、持続的な賃上げが可能となるよう、賃上げ費用の転嫁対策を強力に進めると表明されましたが、意味がよく分かりません。分かるような御説明をお願いします。また、従来の取組に加え、具体的にどんな対策を講じるのでしょうか。価格転嫁に関する具体策なしに賃上げを唱えても空念仏です。総理の認識をお尋ねします。
次に、物価を下げる観点からの質問です。
足下の急激な物価高から国民生活を守るための対策は急務です。
これまで政府が実施しているスキームは、主として供給側の特定の事業者、団体に補助金を投入するという手法ですが、我が党は一貫して最終消費者への直接の支援、集めて配るのではなく、そもそも集めないことにより最終消費者の可処分所得を直接向上させるべきと主張しています。
ガソリン高騰に対する激変緩和措置事業を来年春まで継続すると表明されましたが、今後も引き続き補助金を投入するのであれば、リットル二十五・一円分の当分の間税率を廃止し、その上で百七十五円程度まで補助金を投入するスキームに変えても要する費用は同じだと思いますが、まずは財源総額の多寡についてお答えください。その上で、最終消費者の可処分所得を直接向上させることが可能な当分の間税率の廃止をなぜ行わないのか、行えないのか、理由を明確にお答えください。
岸田総理は所信の冒頭、変化の流れを絶対に逃がさない、つかみ取ると発言されました。しかし、変化を認識できない者に、変化の流れをつかみ取ることなどできようはずもありません。
変化が起き始めたのは十年以上も前のことです。二〇〇七年にiPhoneが登場し、スマホが急速に普及してから、それまでにはなかった新たなサービス、新たなビジネスが可能になりました。その一つがライドシェアです。
我が党がずっと主張してきたライドシェア導入について、総理は所信表明演説で、ライドシェアの課題に取り組むと極めて微妙な表現をされました。地域交通の担い手不足、インバウンド回帰による観光地等での移動手段の不足といった問題を解決するために、個人タクシー運転手の年齢上限を七十五歳から八十歳に引き上げるとか、外国人労働者にも広げるといったタクシー業界を守るための信じられないような対応ではなく、新たなサービスとしてのライドシェア導入にかじを切るという宣言と理解してよいのか、まずは総理の見解をお伺いします。
多くの国では、ライドシェアを合法化するか否かは決着済みで、今や当たり前のサービスです。
昔から近所の人や友人を車に乗せることはありましたが、ここにイノベーションが生まれたのは二〇〇七年、iPhoneが登場し、スマホが急速に普及してからのことです。スマホアプリで今お客さんを乗せられる自家用車ドライバーと今車で移動したいお客さんを瞬時にマッチングできるようになり、同時にドライバーの評価もアプリで瞬時に蓄積できるようになりました。
こうして、昔からのお隣さんレベルを超えて大規模なシェアが実現可能になりました。シェアリングエコノミーの誕生です。重要なのは、このイノベーションがもたらした経済的意味合いです。使わなければ遊休資産である自家用車と、使わなければ潜在的な労働力にすぎなかったドライバーが、新たなゲームのルール下で付加価値、すなわちGDPを新たに生み出しました。
これまで変化を認識できずライドシェアを封印してきたという事実が、まさに我が国の三十年に及ぶ経済停滞の原因を象徴的に示しています。総理はどのような御認識ですか、お答えください。
このライドシェアも、抵抗なく広がったわけではありません。我が国と同様、大抵の国にはタクシー規制があります。許認可を得た事業者しか運営できず、特別な免許を有するドライバーしかお客さんを乗せられません。
ライドシェアも、当初は多くの国で違法とされました。しかし、そうした国は、新たに生まれた革新的ビジネスを単に解禁するのではなく、安全性確保や犯罪対策等の一定のルールを設けて合法化に踏み切りました。ドライバーの犯罪歴チェック、定期的な車両点検、事故に備えた保険加入など、多くの国で義務付けられています。
これに対し、新たなビジネスを一切否定してきたのが日本です。ライドシェアに限らず、日本はこうしたイノベーションに目を閉じ、成長の芽を摘んできました。変化の流れをつかみ取れなかった結果として、諸外国に比べ成長スピードが低下し、国民の暮らしは徐々に貧しくなってきました。
ライドシェア導入は、総理が所信表明で述べた新しいフロンティアやイノベーションへの取組、スタートアップへの支援強化を推進するために解決すべき課題に取り組むと表明したという認識でよいか、答弁を求めます。
検討に当たっては、ライドシェア事業者の責務の明確化、ライドシェア事業者の許可制、新規事業者の参入促進、外国人労働者や高齢者の参入は慎重に検討の四点が最低限不可欠であると考えますが、総理の見解をお示しください。
成長戦略の本丸は規制の緩和、撤廃です。
岸田総理は、九月二十一日、企業経営者や金融関係者らで構成するニューヨーク経済クラブでの講演で、突然、資産運用特区構想を打ち出しました。所信表明演説にはこの特区構想のことが触れられていませんが、総理の資産運用特区構想に変わりはないのか、まずはお尋ねします。
我が党は、特区制度を活用して、税制見直しや多言語対応、在留資格の緩和を推進し、国内に新たな国際金融都市、市場を創設するという、まさに今回総理が打ち出した内容をマニフェストに明記し、二年前の通常国会では国際金融拠点特別区域整備推進法案を提出しています。
我が党が政権を担う大阪府では、先日二十日、大阪市内に新たに進出した海外の金融関連事業者に対し法人地方税を最大十年間控除する制度などを定めた条例案が可決され、また、大阪市でも、九月に対象事業に法人市民税を全額控除する内容などを含む条例案が可決されました。同時に、吉村知事は、総理が表明した資産運用特区へも立候補したい考えを示しました。
昨年十一月の衆議院本会議で、我が党議員の質問に対し、鈴木金融担当大臣は、我が国が国際金融センターとしての地位を確立するためには、国内の特定地域に施策を限定するのではなく、我が国自体がビジネスを行う場として魅力的な国家となることが重要と考えていると答弁されました。僅か一年の間で何をもって政府は考えを変えたのか、あるいは我が党の提案を今回思い切って採用するという英断をされた結果なのか、総理の認識をお尋ねします。
消費税や所得税の減税となると、実質的に国民に還元されるのは来年度に入ってからでしょう。総理は、還元措置の具体化に向けて、所得税減税の検討を与党に指示したと発表しましたが、足下の物価高に対する対策で求められるスピード感についてどのような認識をお持ちですか、お答えください。
我が党は、こうしたスピード感、即効性の観点からも、観点も含め、社会保険料の減免を中心とする提言を行っておりますので、関連して質問いたします。
政府による経済対策は、これまで事業者等への補助金、非課税世帯への現金給付が中心で、資産を持つ年金受給者にも給付が行われる一方、本当に支援が必要な中間層や子育て世帯に恩恵が行き渡らない非効率的なものにとどまってきました。我が党はかねてより、減税や社会保険料の減免という、集めて配るのではなく、そもそも集めない経済対策を提言してきましたが、政府は減税について、低所得者層に効果がない、時間が掛かるなどを理由に一貫して否定的でした。
確かに減税には一定のリードタイムが必要なことは確かですから、消費税や所得税減税は来年度当初予算策定段階で緊急対策として断行する準備を今から始める一方、まずは低所得者層に対して極めて効果的である社会保険料の減免を実施すればよいのではないですか。社会保険料の減免は、現役世代の可処分所得を確実に増やすことから、賃上げの方向性とも一致し、景気浮揚策としても最適解であると考えます。
国民に直接還元するには、給付金、消費税減税、所得税減税、社会保険料減免といった方策があります。我が党は、短期の緊急経済対策として、社会保障制度改革や将来世代への徹底投資といった、あるべき中長期的な政策方針にも通底する施策として社会保険料の減免を中心とする提言を行っていますが、総理は、経済対策を取りまとめるに当たり、今述べた四つ各々を採用した場合のメリット、デメリットをどのように認識して国民への還元方針を具体的に決定するのか、我が党の提言についての受け止めと併せてお答えください。
次に、社会保障制度改革に関連して質問いたします。
長期的な給付水準を試算する五年に一度の財政検証が来年の夏に公表されますが、今秋から厚労省の審議会で議論が本格化します。マクロ経済スライドを適用する場合のセーフティーネットの構築が急がれると認識していますが、無年金者への対応、現在の失業手当制度の問題点や課題を含めて、最低生活保障、最低所得保障制度の在り方、必要性について、総理の認識をお伺いします。
デジタル歳入庁について質問します。
我が党は、創設時より、保険料納付と納税を一体的に行う歳入庁の創設による徴税機能の適正化、公正化を訴えてきました。総理は、過去に例のないような大胆な取組に踏み込む決意、アナログを前提とした行財政の仕組みを全面的に改革するデジタル行財政改革を起動するとおっしゃいましたが、DX、デジタルトランスフォーメーションの進展により、今や、物理的な歳入庁を創設しなくても、e―Taxシステムを拡張することによりスムーズに移行できるデジタル歳入庁を創設することこそがデジタル行財政改革の本丸と考えますが、総理の見解をお聞かせください。
デジタル歳入庁が実現すれば、国税では当たり前のように行っている税額控除のような手法を、DX化を通じて社会保険料分野でも実施することが可能になります。政府は相変わらず、取組を行った企業に対して補助金を投入するスキームである年収の壁・支援強化パッケージを進めようとしていますが、これもプログラムを変更するだけで済む話です。例えば、百六万円の壁を超えた分だけに社会保険料を適用するとすれば、百六万円の壁は解消されます。こうした手法をデジタル歳入庁の中で行っていくことについて、総理の見解をお伺いします。
政府、日銀は、これまでデフレ経済からの脱却を目標に異次元の金融緩和を続けてきました。成長しない経済の原因を物価に求め、物価目標が安定的に二%になるまで緩和を続けるというのが政府、日銀共通の方針です。
これまで政府は、三十年続いてきたデフレ経済と言ってきましたが、今回の所信表明演説では、三十年来続いてきたコストカット経済という表現に変わりました。経済に関する総理の認識自体が変わったのか、御説明願います。
賃金が上がらないのは物価が上がらないからです。国民の期待インフレ率が低く、企業は商品の価格を上げられないので、賃金を上げると経営が成り立ちません。消費者も価格が据置きでないと生活が成り立ちません。だから、賃金も価格も上げられないという状態が続いてきました。
デフレ下での対応を全面的に否定するのは、これまでの政府の方針、政策を否定しているように聞こえますが、総理の見解をお伺いします。
現在の状況は、名目賃金が上がらない中で物価が上昇していることから実質賃金が下がっているということであり、総理が物価高対策を講じているのに日銀が金融緩和を継続するのは国としての経済政策の統一性がないとの意見もありますが、総理の見解をお聞かせください。
総理は、今回の経済対策の第三の柱として、成長力の強化、高度化に資する国内投資促進を掲げました。
昨今のGDPギャップを鑑みれば、需要喚起のみならず、供給力強化を視野に対策を打ち出していくことには賛成です。総理は、半導体や脱炭素のように安全保障に関係する大型投資を始め供給力強化に資する施策に支援措置を集中すると述べましたが、供給力強化を政府が特定の分野に限定して主導するやり方は、これまで経産省が推進してきた各種事業での残念な結果をほうふつとさせます。
例えば、GX、グリーントランスフォーメーション投資を促進するというのであれば、GXリーグへの参加を任意とするのではなく、政府が明確に期限を切って企業の参加を義務付ける方針を示し、その条件下で民間事業者の競争を促す仕組みを整えるべきではないでしょうか。
大切なのは、政府が事業を特定して各種税制措置などの支援を行うのではなく、参入障壁を可能な限り低くするために規制緩和を大胆に実施し、競争環境を整えた上で供給側が自由に競争を行うことを促進することに重きを置くべきと考えますが、総理の認識をお伺いします。
総理はまた、物価高対策として重点支援地方交付金の枠組みを追加的に拡大すると表明しました。
これまで、感染症対策及び地方創生対策として国から地方公共団体に交付される新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、特に幅広い使途が認められた地方単独事業分については問題のある使い方が散見されたほか、基金の積み増しにつながったとの指摘もあります。
今回のようにターゲットがはっきりしている経済対策における需要喚起については、地方自治体経由ではなく、例えばバウチャー制度やクーポン制度といった使途を明確にした上で国民に直接給付を行うことで、最終消費者が多様な中から自由に選択できる仕組みをつくっていくことが肝要なのではないでしょうか。
国民自身の選択肢を広げることにより需要喚起という考えについて、総理の見解をお尋ねいたします。
次に、外交、防衛について質問いたします。
日本維新の会は、ウクライナへの支援として、身を切る改革の一環で党所属国会議員の歳費の一部を積み立てた資金から約一・五億円を使い、本年三月に新古品のピックアップトラック二十台や缶詰類を提供しました。そのピックアップトラックは、東部戦線千五百キロの範囲でそれぞれが約百キロの幅を受け持ち、機動的に移動しながら、防衛のためにドローン攻撃の電波を攪乱する役割を果たしており、その性能にふさわしい形で活躍していると聞いております。
一方、岸田総理が広島サミットでゼレンスキー大統領に百台送ると約束した自衛隊車両は、聞くところによりますと、八月に二台、十二月に十五台、来年一月以降に四十五台、四月以降に四十台という信じられないスピード感で提供され、しかも、全て言わば廃車寸前の中古車といった有様です。まさに現政権の平和ぼけを示す好事例かと思いますが、総理の認識をお伺いいたします。
今国会の最重要テーマは経済対策ですが、もう一つ重要なテーマがあります。憲法改正です。
岸田総理は、これまで何度も、自身の総裁任期中での憲法改正のための国民投票実施を明言されてきました。任期とは来秋までの任期だということも明言されています。来秋までの国民投票実現に向けて、今国会で求められるゴール、成果物を総理はどのようにお考えなのか、お伺いします。
衆議院では毎週憲法審査会が開催され、緊急事態条項についてほぼ論点が出そろっていますが、参議院においては開催頻度も少なく、しかも、議論の内容が国会議員の身分に関わる合区に関する事項ばかりが優先されています。憲法改正の発議に当たっては、両院それぞれの本会議で三分の二以上の賛成で可決する必要があります。
総理はこの参議院の審議状況をどのように認識されていますか。これまで以上に積極的な議論が行われることを心から期待しますと言うだけでは、自身の公約の成否を野党に委ねてしまうことになりますが、それでもよいとお考えですか。自民党総裁としてリーダーシップを発揮すべきではないですか。お答えください。
自民党の党是である憲法改正の国民投票を国民に約束した来秋までに実現できなかった場合、当然、総理は責任を取って次期総裁選に出馬することはないと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
総理は、百年後に、この国会が変革への大きなうねりを生み出した、そのように後世から評価されるよう、共に挑戦しようと呼びかけました。しかし、過去に例のないような大胆な取組の具体的なメニューが全くなく、どれも肝腎要の本丸から逃げていることを国民は見透かしています。これでは支持率が低迷するのも当然です。
我が党は、総理に直接提言した緊急経済対策において、我が国が解決しなければならない中長期的な社会課題の解決に向けた国民的な議論を惹起する意味も込めて、社会保険料減免を中心とした提言を行いました。
政府は、今までどおり改革の本丸から目をそらし、これからも制度維持、微修正という態度を続けています。これに対し、我が党は、現在取りまとめている政権構想の基となる成長戦略、新・日本大改革プランをプランBとして掲げ、改革を競い合う新しい政治を実践していくことを国民の皆様にお約束し、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、会派を代表して総理に質問いたします。
今、多くの国民の皆さんにとって一番心配なのは、物価は上がるのに賃金、収入が増えない、賃金、収入が増えないから生活が苦しくなるということではないでしょうか。この問題を解決するには、賃金を上げる等して可処分所得を増やすか、物価を下げるか、あるいはそのいずれも実現する政策が必要です。
私は、以下の循環、つまり、一、賃金が上がるから、物価が上がっても消費が減らない、二、物価が上がっても消費が減らないから、価格転嫁ができる、三、価格転嫁できるから、物価が上がり、GDPが増える、四、GDPが増えるから、賃金を上げることができる、こういう四つのステージから成る循環をつくり出すことが必要であるという観点から質問を始めます。
まず、賃上げと価格転嫁について質問します。
岸田総理は、地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げの実現を表明しています。今春の春闘では平均三・五八%の賃上げを実現できたと胸を張っていますが、組合のない企業も含めた中小企業は二%程度にとどまっているという数字もあり、まだまだ賃上げが隅々まで波及しているとは言えない状況です。総理はこの状況をどのように認識しておられますか。お答えください。
総理は賃上げ税制を強化するための減税措置を表明しましたが、賃上げを企業の自主性に委ねるだけのスキームに持続性はなく、やはり必要なのは、いかにして経済を成長させるかです。
経済は、コスト上昇分を価格に転嫁し、物価が上がることにより成長します。経済学の公準の一つと言ってもいいでしょう。
ところが、帝国データバンクが七月に実施した調査では、価格転嫁率は四三・六%、つまり、コストが百円上昇した場合に、四十三・六円しか販売価格に反映できていないのが実態です。全く価格転嫁できない企業もいまだに一二・九%を占めています。これでは経済は成長しません。
総理は、持続的な賃上げが可能となるよう、賃上げ費用の転嫁対策を強力に進めると表明されましたが、意味がよく分かりません。分かるような御説明をお願いします。また、従来の取組に加え、具体的にどんな対策を講じるのでしょうか。価格転嫁に関する具体策なしに賃上げを唱えても空念仏です。総理の認識をお尋ねします。
次に、物価を下げる観点からの質問です。
足下の急激な物価高から国民生活を守るための対策は急務です。
これまで政府が実施しているスキームは、主として供給側の特定の事業者、団体に補助金を投入するという手法ですが、我が党は一貫して最終消費者への直接の支援、集めて配るのではなく、そもそも集めないことにより最終消費者の可処分所得を直接向上させるべきと主張しています。
ガソリン高騰に対する激変緩和措置事業を来年春まで継続すると表明されましたが、今後も引き続き補助金を投入するのであれば、リットル二十五・一円分の当分の間税率を廃止し、その上で百七十五円程度まで補助金を投入するスキームに変えても要する費用は同じだと思いますが、まずは財源総額の多寡についてお答えください。その上で、最終消費者の可処分所得を直接向上させることが可能な当分の間税率の廃止をなぜ行わないのか、行えないのか、理由を明確にお答えください。
岸田総理は所信の冒頭、変化の流れを絶対に逃がさない、つかみ取ると発言されました。しかし、変化を認識できない者に、変化の流れをつかみ取ることなどできようはずもありません。
変化が起き始めたのは十年以上も前のことです。二〇〇七年にiPhoneが登場し、スマホが急速に普及してから、それまでにはなかった新たなサービス、新たなビジネスが可能になりました。その一つがライドシェアです。
我が党がずっと主張してきたライドシェア導入について、総理は所信表明演説で、ライドシェアの課題に取り組むと極めて微妙な表現をされました。地域交通の担い手不足、インバウンド回帰による観光地等での移動手段の不足といった問題を解決するために、個人タクシー運転手の年齢上限を七十五歳から八十歳に引き上げるとか、外国人労働者にも広げるといったタクシー業界を守るための信じられないような対応ではなく、新たなサービスとしてのライドシェア導入にかじを切るという宣言と理解してよいのか、まずは総理の見解をお伺いします。
多くの国では、ライドシェアを合法化するか否かは決着済みで、今や当たり前のサービスです。
昔から近所の人や友人を車に乗せることはありましたが、ここにイノベーションが生まれたのは二〇〇七年、iPhoneが登場し、スマホが急速に普及してからのことです。スマホアプリで今お客さんを乗せられる自家用車ドライバーと今車で移動したいお客さんを瞬時にマッチングできるようになり、同時にドライバーの評価もアプリで瞬時に蓄積できるようになりました。
こうして、昔からのお隣さんレベルを超えて大規模なシェアが実現可能になりました。シェアリングエコノミーの誕生です。重要なのは、このイノベーションがもたらした経済的意味合いです。使わなければ遊休資産である自家用車と、使わなければ潜在的な労働力にすぎなかったドライバーが、新たなゲームのルール下で付加価値、すなわちGDPを新たに生み出しました。
これまで変化を認識できずライドシェアを封印してきたという事実が、まさに我が国の三十年に及ぶ経済停滞の原因を象徴的に示しています。総理はどのような御認識ですか、お答えください。
このライドシェアも、抵抗なく広がったわけではありません。我が国と同様、大抵の国にはタクシー規制があります。許認可を得た事業者しか運営できず、特別な免許を有するドライバーしかお客さんを乗せられません。
ライドシェアも、当初は多くの国で違法とされました。しかし、そうした国は、新たに生まれた革新的ビジネスを単に解禁するのではなく、安全性確保や犯罪対策等の一定のルールを設けて合法化に踏み切りました。ドライバーの犯罪歴チェック、定期的な車両点検、事故に備えた保険加入など、多くの国で義務付けられています。
これに対し、新たなビジネスを一切否定してきたのが日本です。ライドシェアに限らず、日本はこうしたイノベーションに目を閉じ、成長の芽を摘んできました。変化の流れをつかみ取れなかった結果として、諸外国に比べ成長スピードが低下し、国民の暮らしは徐々に貧しくなってきました。
ライドシェア導入は、総理が所信表明で述べた新しいフロンティアやイノベーションへの取組、スタートアップへの支援強化を推進するために解決すべき課題に取り組むと表明したという認識でよいか、答弁を求めます。
検討に当たっては、ライドシェア事業者の責務の明確化、ライドシェア事業者の許可制、新規事業者の参入促進、外国人労働者や高齢者の参入は慎重に検討の四点が最低限不可欠であると考えますが、総理の見解をお示しください。
成長戦略の本丸は規制の緩和、撤廃です。
岸田総理は、九月二十一日、企業経営者や金融関係者らで構成するニューヨーク経済クラブでの講演で、突然、資産運用特区構想を打ち出しました。所信表明演説にはこの特区構想のことが触れられていませんが、総理の資産運用特区構想に変わりはないのか、まずはお尋ねします。
我が党は、特区制度を活用して、税制見直しや多言語対応、在留資格の緩和を推進し、国内に新たな国際金融都市、市場を創設するという、まさに今回総理が打ち出した内容をマニフェストに明記し、二年前の通常国会では国際金融拠点特別区域整備推進法案を提出しています。
我が党が政権を担う大阪府では、先日二十日、大阪市内に新たに進出した海外の金融関連事業者に対し法人地方税を最大十年間控除する制度などを定めた条例案が可決され、また、大阪市でも、九月に対象事業に法人市民税を全額控除する内容などを含む条例案が可決されました。同時に、吉村知事は、総理が表明した資産運用特区へも立候補したい考えを示しました。
昨年十一月の衆議院本会議で、我が党議員の質問に対し、鈴木金融担当大臣は、我が国が国際金融センターとしての地位を確立するためには、国内の特定地域に施策を限定するのではなく、我が国自体がビジネスを行う場として魅力的な国家となることが重要と考えていると答弁されました。僅か一年の間で何をもって政府は考えを変えたのか、あるいは我が党の提案を今回思い切って採用するという英断をされた結果なのか、総理の認識をお尋ねします。
消費税や所得税の減税となると、実質的に国民に還元されるのは来年度に入ってからでしょう。総理は、還元措置の具体化に向けて、所得税減税の検討を与党に指示したと発表しましたが、足下の物価高に対する対策で求められるスピード感についてどのような認識をお持ちですか、お答えください。
我が党は、こうしたスピード感、即効性の観点からも、観点も含め、社会保険料の減免を中心とする提言を行っておりますので、関連して質問いたします。
政府による経済対策は、これまで事業者等への補助金、非課税世帯への現金給付が中心で、資産を持つ年金受給者にも給付が行われる一方、本当に支援が必要な中間層や子育て世帯に恩恵が行き渡らない非効率的なものにとどまってきました。我が党はかねてより、減税や社会保険料の減免という、集めて配るのではなく、そもそも集めない経済対策を提言してきましたが、政府は減税について、低所得者層に効果がない、時間が掛かるなどを理由に一貫して否定的でした。
確かに減税には一定のリードタイムが必要なことは確かですから、消費税や所得税減税は来年度当初予算策定段階で緊急対策として断行する準備を今から始める一方、まずは低所得者層に対して極めて効果的である社会保険料の減免を実施すればよいのではないですか。社会保険料の減免は、現役世代の可処分所得を確実に増やすことから、賃上げの方向性とも一致し、景気浮揚策としても最適解であると考えます。
国民に直接還元するには、給付金、消費税減税、所得税減税、社会保険料減免といった方策があります。我が党は、短期の緊急経済対策として、社会保障制度改革や将来世代への徹底投資といった、あるべき中長期的な政策方針にも通底する施策として社会保険料の減免を中心とする提言を行っていますが、総理は、経済対策を取りまとめるに当たり、今述べた四つ各々を採用した場合のメリット、デメリットをどのように認識して国民への還元方針を具体的に決定するのか、我が党の提言についての受け止めと併せてお答えください。
次に、社会保障制度改革に関連して質問いたします。
長期的な給付水準を試算する五年に一度の財政検証が来年の夏に公表されますが、今秋から厚労省の審議会で議論が本格化します。マクロ経済スライドを適用する場合のセーフティーネットの構築が急がれると認識していますが、無年金者への対応、現在の失業手当制度の問題点や課題を含めて、最低生活保障、最低所得保障制度の在り方、必要性について、総理の認識をお伺いします。
デジタル歳入庁について質問します。
我が党は、創設時より、保険料納付と納税を一体的に行う歳入庁の創設による徴税機能の適正化、公正化を訴えてきました。総理は、過去に例のないような大胆な取組に踏み込む決意、アナログを前提とした行財政の仕組みを全面的に改革するデジタル行財政改革を起動するとおっしゃいましたが、DX、デジタルトランスフォーメーションの進展により、今や、物理的な歳入庁を創設しなくても、e―Taxシステムを拡張することによりスムーズに移行できるデジタル歳入庁を創設することこそがデジタル行財政改革の本丸と考えますが、総理の見解をお聞かせください。
デジタル歳入庁が実現すれば、国税では当たり前のように行っている税額控除のような手法を、DX化を通じて社会保険料分野でも実施することが可能になります。政府は相変わらず、取組を行った企業に対して補助金を投入するスキームである年収の壁・支援強化パッケージを進めようとしていますが、これもプログラムを変更するだけで済む話です。例えば、百六万円の壁を超えた分だけに社会保険料を適用するとすれば、百六万円の壁は解消されます。こうした手法をデジタル歳入庁の中で行っていくことについて、総理の見解をお伺いします。
政府、日銀は、これまでデフレ経済からの脱却を目標に異次元の金融緩和を続けてきました。成長しない経済の原因を物価に求め、物価目標が安定的に二%になるまで緩和を続けるというのが政府、日銀共通の方針です。
これまで政府は、三十年続いてきたデフレ経済と言ってきましたが、今回の所信表明演説では、三十年来続いてきたコストカット経済という表現に変わりました。経済に関する総理の認識自体が変わったのか、御説明願います。
賃金が上がらないのは物価が上がらないからです。国民の期待インフレ率が低く、企業は商品の価格を上げられないので、賃金を上げると経営が成り立ちません。消費者も価格が据置きでないと生活が成り立ちません。だから、賃金も価格も上げられないという状態が続いてきました。
デフレ下での対応を全面的に否定するのは、これまでの政府の方針、政策を否定しているように聞こえますが、総理の見解をお伺いします。
現在の状況は、名目賃金が上がらない中で物価が上昇していることから実質賃金が下がっているということであり、総理が物価高対策を講じているのに日銀が金融緩和を継続するのは国としての経済政策の統一性がないとの意見もありますが、総理の見解をお聞かせください。
総理は、今回の経済対策の第三の柱として、成長力の強化、高度化に資する国内投資促進を掲げました。
昨今のGDPギャップを鑑みれば、需要喚起のみならず、供給力強化を視野に対策を打ち出していくことには賛成です。総理は、半導体や脱炭素のように安全保障に関係する大型投資を始め供給力強化に資する施策に支援措置を集中すると述べましたが、供給力強化を政府が特定の分野に限定して主導するやり方は、これまで経産省が推進してきた各種事業での残念な結果をほうふつとさせます。
例えば、GX、グリーントランスフォーメーション投資を促進するというのであれば、GXリーグへの参加を任意とするのではなく、政府が明確に期限を切って企業の参加を義務付ける方針を示し、その条件下で民間事業者の競争を促す仕組みを整えるべきではないでしょうか。
大切なのは、政府が事業を特定して各種税制措置などの支援を行うのではなく、参入障壁を可能な限り低くするために規制緩和を大胆に実施し、競争環境を整えた上で供給側が自由に競争を行うことを促進することに重きを置くべきと考えますが、総理の認識をお伺いします。
総理はまた、物価高対策として重点支援地方交付金の枠組みを追加的に拡大すると表明しました。
これまで、感染症対策及び地方創生対策として国から地方公共団体に交付される新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、特に幅広い使途が認められた地方単独事業分については問題のある使い方が散見されたほか、基金の積み増しにつながったとの指摘もあります。
今回のようにターゲットがはっきりしている経済対策における需要喚起については、地方自治体経由ではなく、例えばバウチャー制度やクーポン制度といった使途を明確にした上で国民に直接給付を行うことで、最終消費者が多様な中から自由に選択できる仕組みをつくっていくことが肝要なのではないでしょうか。
国民自身の選択肢を広げることにより需要喚起という考えについて、総理の見解をお尋ねいたします。
次に、外交、防衛について質問いたします。
日本維新の会は、ウクライナへの支援として、身を切る改革の一環で党所属国会議員の歳費の一部を積み立てた資金から約一・五億円を使い、本年三月に新古品のピックアップトラック二十台や缶詰類を提供しました。そのピックアップトラックは、東部戦線千五百キロの範囲でそれぞれが約百キロの幅を受け持ち、機動的に移動しながら、防衛のためにドローン攻撃の電波を攪乱する役割を果たしており、その性能にふさわしい形で活躍していると聞いております。
一方、岸田総理が広島サミットでゼレンスキー大統領に百台送ると約束した自衛隊車両は、聞くところによりますと、八月に二台、十二月に十五台、来年一月以降に四十五台、四月以降に四十台という信じられないスピード感で提供され、しかも、全て言わば廃車寸前の中古車といった有様です。まさに現政権の平和ぼけを示す好事例かと思いますが、総理の認識をお伺いいたします。
今国会の最重要テーマは経済対策ですが、もう一つ重要なテーマがあります。憲法改正です。
岸田総理は、これまで何度も、自身の総裁任期中での憲法改正のための国民投票実施を明言されてきました。任期とは来秋までの任期だということも明言されています。来秋までの国民投票実現に向けて、今国会で求められるゴール、成果物を総理はどのようにお考えなのか、お伺いします。
衆議院では毎週憲法審査会が開催され、緊急事態条項についてほぼ論点が出そろっていますが、参議院においては開催頻度も少なく、しかも、議論の内容が国会議員の身分に関わる合区に関する事項ばかりが優先されています。憲法改正の発議に当たっては、両院それぞれの本会議で三分の二以上の賛成で可決する必要があります。
総理はこの参議院の審議状況をどのように認識されていますか。これまで以上に積極的な議論が行われることを心から期待しますと言うだけでは、自身の公約の成否を野党に委ねてしまうことになりますが、それでもよいとお考えですか。自民党総裁としてリーダーシップを発揮すべきではないですか。お答えください。
自民党の党是である憲法改正の国民投票を国民に約束した来秋までに実現できなかった場合、当然、総理は責任を取って次期総裁選に出馬することはないと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
総理は、百年後に、この国会が変革への大きなうねりを生み出した、そのように後世から評価されるよう、共に挑戦しようと呼びかけました。しかし、過去に例のないような大胆な取組の具体的なメニューが全くなく、どれも肝腎要の本丸から逃げていることを国民は見透かしています。これでは支持率が低迷するのも当然です。
我が党は、総理に直接提言した緊急経済対策において、我が国が解決しなければならない中長期的な社会課題の解決に向けた国民的な議論を惹起する意味も込めて、社会保険料減免を中心とした提言を行いました。
政府は、今までどおり改革の本丸から目をそらし、これからも制度維持、微修正という態度を続けています。これに対し、我が党は、現在取りまとめている政権構想の基となる成長戦略、新・日本大改革プランをプランBとして掲げ、改革を競い合う新しい政治を実践していくことを国民の皆様にお約束し、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#7
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浅田均議員の御質問にお答えいたします。
中小企業の賃上げの現状認識と価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
今年の連合集計の春闘の賃上げ率は、全体で三・五八%、中小企業においては三・二三%と両者の間に差はあるものの、三十年ぶりの高水準であったと承知をしています。また、従業員規模の小さな中小企業を対象とした厚生労働省の調査でも、賃上げ率は二・一%と二十六年ぶりの水準となっています。これを更に引き上げていかなければならないと考えています。
いずれにせよ、持続的で構造的な賃上げの実現に向けては、賃上げのうねりを中小企業や地方にしっかりと広げていくことが重要であり、中小企業の生産性向上支援や賃上げ費用の価格転嫁対策等を進めてまいります。
具体的に、具体的な価格転嫁対策としては、年二回の価格交渉促進月間における発注企業の価格交渉、価格転嫁の状況についての公表や、下請Gメンによる価格転嫁に関する調査、パートナーシップ構築宣言の推進による元請、下請企業における機運醸成などを着実に進めるほか、賃上げ費用の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を年内に策定することとしています。こうした取組を通じて、中小企業の賃上げをしっかりと後押ししてまいります。
激変緩和事業と揮発油税等の当分の間税率の関係についてお尋ねがありました。
燃料油の激変緩和事業では、現在、全国平均でリッター百七十五円をガソリン価格の実質的な上限とすべく補助金を支給しているところです。当該事業について、御指摘のように、揮発油税等の当分の間税率を廃止した上で、その税率相当分の補助金を減額するとした場合、それらの財源総額は基本的には変わらないと考えています。
ただし、揮発油税等については、平成二十一年に道路特定財源は廃止されましたが、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえて、それまでの税率が維持され、当分の間税率とされたものと承知をしています。こういった状況は現在も変わりはなく、特に気候変動が社会課題となる中、こうした税制上の取扱いを変更することは考えておりません。
ライドシェアの導入に向けた決意についてお尋ねがありました。
人口減少の下でも、これまで以上に質の高い公共サービスを提供し、利用者起点で社会変革を実現していくため、御指摘のタクシー不足に対応する緊急措置にとどまらず、デジタル行財政改革会議の下で議論を開始したところであります。
ライドシェアは、各国の事情によって状況は様々ですが、多くの国でデジタル技術を活用しながら自家用車の有償利用を進めています。
日本では、これまでかなり限定された地域と厳しい条件で自家用車の有償利用を認めてきましたが、地域交通の担い手不足あるいは移動の足の不足といった深刻な社会課題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組み、早急に方向性を出してまいります。
ライドシェア導入の目的と論点についてのお尋ねもありましたが、ライドシェアにつきましては、デジタル行財政改革会議の立ち上げに際し、河野デジタル大臣と関係大臣に対し、不便解消に向けた地域の自家用車ドライバーの活用、さらには自動運転の事業化などの検討を加速するよう指示したところであり、これらの取組は、新しいフロンティア、イノベーション、そしてスタートアップにつながるものであると考えています。
先日、十六日ですが、デジタル行財政改革会議の下の課題発掘対話において、ライドシェアの安全確保の課題も含め議論が行われたところであり、今後、規制改革推進会議の地域産業活性化ワーキング・グループでも、論点あるいは目的を含め議論、進めてまいります。
そして、資産運用特区についてお尋ねがありました。
政府としては、家計の資産、家計の資金が投資に向かい、その恩恵が家計に還元されることで、更なる投資や消費につながるという好循環を実現してまいります。その一環として、資産運用立国を目指し、国内外の優れた資産運用会社や人材が日本に集まり競い合うことで、より良い商品やサービスが家計に提供されるとともに、国内投資が活性化される環境に向けて、国内外からの資産運用業への新規参入を促進してまいります。
このため、意欲のある自治体と連携して、ビジネス環境と生活環境を重点的に整備する資産運用特区、これを創設してまいります。
所信表明演説では、経済活動の基盤である金融市場の変革に取り組み、資産運用業の改革を進めてまいりますと申し上げたわけでありますが、この考え方に基づいて、資産運用特区を重要施策として進めてまいりたいと考えています。
そして、物価高対策のスピード感、国民への具体的な還元方針と、いただいた提言についてお尋ねがありました。
物価高に対して、政府はこれまで、ガソリン、電気・都市ガス料金の激変緩和措置、低所得世帯への給付金、そして地方自治体が地域の実情に応じてきめ細かく支援できる重点支援地方交付金、これらを重層的な対策として機動的に講じてきました。引き続き、物価高に最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々への支援など、スピード感を持って対応してまいります。その上で、国民への還元については、本日夕方、政府与党政策懇談会を開催し、与党税制調査会に検討を指示するなど、早急に具体化を図ってまいります。
そして、その際、減税や社会保険料減免は、一旦いただいた税負担や社会保険料負担をお返しするという意味で還元という概念になじみやすく分かりやすい一方、給付金については必ずしもそうではないと考えています。
ただし、消費税については、急速な高齢化等に伴い、社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置付けられており、その税率を引き下げることは適当でないということ、また、社会保険料減免については、給付と負担の対応の関係をゆがめるなど、それぞれの社会保険制度に与える影響が大きく、保険者の実務上の負担など課題も多いこと、これらを留意する必要があると考えています。
御党の提言については、政策の手法について異なるところはありますが、物価高から国民生活を守るという思いは同じであると考えています。いただいた提言も参考にさせていただきながら、物価高から国民生活を守り、我が国経済を新しい経済ステージに移行させるために効果的な施策、積み上げてまいります。
最低生活保障、最低所得保障制度の必要性についてお尋ねがありました。
我が国の社会保障制度は、人生における様々なリスクに対し、本人と事業主が保険料を拠出することで備える社会保険方式を基本としています。こうした理念に照らせば、御指摘の最低生活保障、最低所得保障制度については慎重な検討が必要であると考えています。また、その制度の導入には、年金、雇用保険を含む既存の制度との関係をどう整理するかなど、乗り越えるべき大きな課題があるとも認識をしています。
政府としては、最後のセーフティーネットである生活保護制度なども含めたきめ細かな対応を基本としつつ、能力に応じて皆が支え合い、必要な保障がバランスよく提供される全世代型社会保障の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
そして、デジタル歳入庁の創設についてお尋ねがありました。
御提案は、税と社会保険について共通のシステムで運用するということだと思いますが、現状においても、例えば、国民の利便性向上として、マイナポータルを通じた税、年金等に関するオンラインでのワンストップサービスの提供など、デジタルの力を活用して必要な連携を進めてきているところであり、今後もデジタル改革は進めてまいります。
年収の壁に関しては、例えば、御指摘の一定以上の報酬に対してのみ社会保険料を賦課するということにつきましては、賦課範囲の減少が制度に及ぼす影響が大きいため慎重な検討が必要だと考えており、壁を意識せず働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに取り組んできたところです。
その上で、若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から、当面の対応策として年収の壁・支援強化パッケージ、これ速やかに実行してまいります。
これまでの経済への認識や物価高対策と金融政策の関係についてお尋ねがありました。
一九九〇年代のバブル崩壊以降、長引くデフレを背景に、企業はコストカット最優先の対応を続け、その結果、消費と投資が停滞し、デフレを脱却できないという悪循環が生じてきました。こうした日本経済に対する認識は変わりはありません。
そして、二〇一〇年代以降、アベノミクスは、デフレでない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。一人当たり平均の実質賃金は伸び悩んだと認識しておりますが、これまでの政府の方針、政策、これを全面的に否定しているものではありません。
これまでの成果の上に立ちながら、しっかりと成長を実現した上で、成長の果実を国民に分配することで所得の向上につなげていく、こうした新しい資本主義の二年間の取組が、三十年ぶりの三・五八%の賃上げ、過去最大規模の名目百兆円の設備投資、五十兆円ものGDPギャップの解消の進展などにつながったと認識をしています。
こうして、三十年ぶりに新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスがめぐってきました。このチャンスをつかみ取り、低物価、低賃金、低所得のコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資が牽引する成長型経済への変革、これを実現してまいります。
また、日銀の金融政策は、賃金上昇を伴う形で持続的、安定的な物価安定目標の実現を目指すものであり、このエネルギー、食料品等の物価高騰の影響にきめ細かく対応しようとする政府の累次の物価高対策と矛盾するものではないと考えております。
産業の供給力強化と規制改革についてお尋ねがありました。
コストカット型経済からの完全脱却に向け、供給力の強化を図り生産性を引き上げていくためには、言うまでもなく規制、制度の徹底した改革も必要です。新しい資本主義の下では、気候変動などの社会課題を成長のエンジンに転化するとしており、デジタル行財政改革の下、市場環境の整備も含め、あらゆる分野において規制、制度の徹底した改革、これを進めてまいります。
なお、御指摘のGXリーグについては、企業が自主的に排出量取引を行う枠組みとして今年度より試行的に開始をしましたが、既に日本の排出量の四割以上を占める企業が参加をしています。二〇二六年度の排出量取引制度の本格稼働に向けて、企業の参加率、更に向上させて競争的環境、これを整えてまいります。
経済対策における需要喚起策についてお尋ねがありました。
物価高に直面している生活者、事業者の方々を支援するに当たっては、物価高の影響の現れ方やニーズが地域により様々であることを踏まえれば、自治体を通じたきめ細かな支援を講ずることが有効であると考えています。このため、昨年九月に創設した重点支援地方交付金を活用して、自治体を通じた支援を実施しています。
その際、消費者がそれぞれのニーズに応じた商品、サービスを購入できるようにして、選択肢を提供することで需要を喚起すること、これは重要であると認識をしています。重点支援地方交付金の奨励事業メニューにおいて、プレミアム商品券や地域で活用できるマイナポイント等を発行する取組などを示しているところです。
引き続き、地方自治体が地域の実情に応じた需要喚起策を講じられるよう、今般の経済対策において重点支援地方交付金を追加することとしており、これらの交付金が効果的に活用されるよう努めてまいります。
ウクライナ支援のスピード感についてお尋ねがありました。
御指摘の案件については、この御指摘の案件以前の支援として、我が国はロシアのウクライナ侵攻直後の昨年三月から、自衛隊が保有する防弾チョッキ、ヘルメット、化学防護衣、ドローン、あるいは車両等の装備品をウクライナの要請に応じて既に提供してまいりました。また、同じく要請に応じ、ピックアップトラック、クレーン付きトラック、ホイールローダーも既に数十台供与しています。
その上で、御指摘の案件については、ゼレンスキー大統領からの要請を踏まえ、自衛隊が現在使用中の高機動車やトラック等を必要な整備等を行った上で順次提供をしており、百台の発送についても今年度中に発送ができるように加速をさせているところであります。
今後とも、ウクライナのニーズに沿った、寄り添った支援、迅速に実施してまいります。
そして、憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正は先送りできない重要な課題です。内閣総理大臣の立場からは、憲法改正について、議論の進め方等について直接具体的に申し上げることは控えなければならないと考えておりますが、憲法改正は最終的には国民の皆様による御判断が必要であり、国会の発議に向けた手続を進めるためにも、条文案の具体化等、国会においてこれまで以上に積極的な議論が行われること、心から期待をしております。
また、自民党総裁としてあえて申し上げれば、総裁任期中に憲法改正を実現したいという思いはいささかも変わりはありません。国会での議論に資するよう、党内の議論を加速させるなど憲法改正の課題に責任を持って取り組む決意です。今はそのことしか考えてはおりません。拍手
この発言だけを見る →中小企業の賃上げの現状認識と価格転嫁対策についてお尋ねがありました。
今年の連合集計の春闘の賃上げ率は、全体で三・五八%、中小企業においては三・二三%と両者の間に差はあるものの、三十年ぶりの高水準であったと承知をしています。また、従業員規模の小さな中小企業を対象とした厚生労働省の調査でも、賃上げ率は二・一%と二十六年ぶりの水準となっています。これを更に引き上げていかなければならないと考えています。
いずれにせよ、持続的で構造的な賃上げの実現に向けては、賃上げのうねりを中小企業や地方にしっかりと広げていくことが重要であり、中小企業の生産性向上支援や賃上げ費用の価格転嫁対策等を進めてまいります。
具体的に、具体的な価格転嫁対策としては、年二回の価格交渉促進月間における発注企業の価格交渉、価格転嫁の状況についての公表や、下請Gメンによる価格転嫁に関する調査、パートナーシップ構築宣言の推進による元請、下請企業における機運醸成などを着実に進めるほか、賃上げ費用の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を年内に策定することとしています。こうした取組を通じて、中小企業の賃上げをしっかりと後押ししてまいります。
激変緩和事業と揮発油税等の当分の間税率の関係についてお尋ねがありました。
燃料油の激変緩和事業では、現在、全国平均でリッター百七十五円をガソリン価格の実質的な上限とすべく補助金を支給しているところです。当該事業について、御指摘のように、揮発油税等の当分の間税率を廃止した上で、その税率相当分の補助金を減額するとした場合、それらの財源総額は基本的には変わらないと考えています。
ただし、揮発油税等については、平成二十一年に道路特定財源は廃止されましたが、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえて、それまでの税率が維持され、当分の間税率とされたものと承知をしています。こういった状況は現在も変わりはなく、特に気候変動が社会課題となる中、こうした税制上の取扱いを変更することは考えておりません。
ライドシェアの導入に向けた決意についてお尋ねがありました。
人口減少の下でも、これまで以上に質の高い公共サービスを提供し、利用者起点で社会変革を実現していくため、御指摘のタクシー不足に対応する緊急措置にとどまらず、デジタル行財政改革会議の下で議論を開始したところであります。
ライドシェアは、各国の事情によって状況は様々ですが、多くの国でデジタル技術を活用しながら自家用車の有償利用を進めています。
日本では、これまでかなり限定された地域と厳しい条件で自家用車の有償利用を認めてきましたが、地域交通の担い手不足あるいは移動の足の不足といった深刻な社会課題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組み、早急に方向性を出してまいります。
ライドシェア導入の目的と論点についてのお尋ねもありましたが、ライドシェアにつきましては、デジタル行財政改革会議の立ち上げに際し、河野デジタル大臣と関係大臣に対し、不便解消に向けた地域の自家用車ドライバーの活用、さらには自動運転の事業化などの検討を加速するよう指示したところであり、これらの取組は、新しいフロンティア、イノベーション、そしてスタートアップにつながるものであると考えています。
先日、十六日ですが、デジタル行財政改革会議の下の課題発掘対話において、ライドシェアの安全確保の課題も含め議論が行われたところであり、今後、規制改革推進会議の地域産業活性化ワーキング・グループでも、論点あるいは目的を含め議論、進めてまいります。
そして、資産運用特区についてお尋ねがありました。
政府としては、家計の資産、家計の資金が投資に向かい、その恩恵が家計に還元されることで、更なる投資や消費につながるという好循環を実現してまいります。その一環として、資産運用立国を目指し、国内外の優れた資産運用会社や人材が日本に集まり競い合うことで、より良い商品やサービスが家計に提供されるとともに、国内投資が活性化される環境に向けて、国内外からの資産運用業への新規参入を促進してまいります。
このため、意欲のある自治体と連携して、ビジネス環境と生活環境を重点的に整備する資産運用特区、これを創設してまいります。
所信表明演説では、経済活動の基盤である金融市場の変革に取り組み、資産運用業の改革を進めてまいりますと申し上げたわけでありますが、この考え方に基づいて、資産運用特区を重要施策として進めてまいりたいと考えています。
そして、物価高対策のスピード感、国民への具体的な還元方針と、いただいた提言についてお尋ねがありました。
物価高に対して、政府はこれまで、ガソリン、電気・都市ガス料金の激変緩和措置、低所得世帯への給付金、そして地方自治体が地域の実情に応じてきめ細かく支援できる重点支援地方交付金、これらを重層的な対策として機動的に講じてきました。引き続き、物価高に最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々への支援など、スピード感を持って対応してまいります。その上で、国民への還元については、本日夕方、政府与党政策懇談会を開催し、与党税制調査会に検討を指示するなど、早急に具体化を図ってまいります。
そして、その際、減税や社会保険料減免は、一旦いただいた税負担や社会保険料負担をお返しするという意味で還元という概念になじみやすく分かりやすい一方、給付金については必ずしもそうではないと考えています。
ただし、消費税については、急速な高齢化等に伴い、社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置付けられており、その税率を引き下げることは適当でないということ、また、社会保険料減免については、給付と負担の対応の関係をゆがめるなど、それぞれの社会保険制度に与える影響が大きく、保険者の実務上の負担など課題も多いこと、これらを留意する必要があると考えています。
御党の提言については、政策の手法について異なるところはありますが、物価高から国民生活を守るという思いは同じであると考えています。いただいた提言も参考にさせていただきながら、物価高から国民生活を守り、我が国経済を新しい経済ステージに移行させるために効果的な施策、積み上げてまいります。
最低生活保障、最低所得保障制度の必要性についてお尋ねがありました。
我が国の社会保障制度は、人生における様々なリスクに対し、本人と事業主が保険料を拠出することで備える社会保険方式を基本としています。こうした理念に照らせば、御指摘の最低生活保障、最低所得保障制度については慎重な検討が必要であると考えています。また、その制度の導入には、年金、雇用保険を含む既存の制度との関係をどう整理するかなど、乗り越えるべき大きな課題があるとも認識をしています。
政府としては、最後のセーフティーネットである生活保護制度なども含めたきめ細かな対応を基本としつつ、能力に応じて皆が支え合い、必要な保障がバランスよく提供される全世代型社会保障の構築に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
そして、デジタル歳入庁の創設についてお尋ねがありました。
御提案は、税と社会保険について共通のシステムで運用するということだと思いますが、現状においても、例えば、国民の利便性向上として、マイナポータルを通じた税、年金等に関するオンラインでのワンストップサービスの提供など、デジタルの力を活用して必要な連携を進めてきているところであり、今後もデジタル改革は進めてまいります。
年収の壁に関しては、例えば、御指摘の一定以上の報酬に対してのみ社会保険料を賦課するということにつきましては、賦課範囲の減少が制度に及ぼす影響が大きいため慎重な検討が必要だと考えており、壁を意識せず働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに取り組んできたところです。
その上で、若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から、当面の対応策として年収の壁・支援強化パッケージ、これ速やかに実行してまいります。
これまでの経済への認識や物価高対策と金融政策の関係についてお尋ねがありました。
一九九〇年代のバブル崩壊以降、長引くデフレを背景に、企業はコストカット最優先の対応を続け、その結果、消費と投資が停滞し、デフレを脱却できないという悪循環が生じてきました。こうした日本経済に対する認識は変わりはありません。
そして、二〇一〇年代以降、アベノミクスは、デフレでない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながりました。一人当たり平均の実質賃金は伸び悩んだと認識しておりますが、これまでの政府の方針、政策、これを全面的に否定しているものではありません。
これまでの成果の上に立ちながら、しっかりと成長を実現した上で、成長の果実を国民に分配することで所得の向上につなげていく、こうした新しい資本主義の二年間の取組が、三十年ぶりの三・五八%の賃上げ、過去最大規模の名目百兆円の設備投資、五十兆円ものGDPギャップの解消の進展などにつながったと認識をしています。
こうして、三十年ぶりに新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスがめぐってきました。このチャンスをつかみ取り、低物価、低賃金、低所得のコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資が牽引する成長型経済への変革、これを実現してまいります。
また、日銀の金融政策は、賃金上昇を伴う形で持続的、安定的な物価安定目標の実現を目指すものであり、このエネルギー、食料品等の物価高騰の影響にきめ細かく対応しようとする政府の累次の物価高対策と矛盾するものではないと考えております。
産業の供給力強化と規制改革についてお尋ねがありました。
コストカット型経済からの完全脱却に向け、供給力の強化を図り生産性を引き上げていくためには、言うまでもなく規制、制度の徹底した改革も必要です。新しい資本主義の下では、気候変動などの社会課題を成長のエンジンに転化するとしており、デジタル行財政改革の下、市場環境の整備も含め、あらゆる分野において規制、制度の徹底した改革、これを進めてまいります。
なお、御指摘のGXリーグについては、企業が自主的に排出量取引を行う枠組みとして今年度より試行的に開始をしましたが、既に日本の排出量の四割以上を占める企業が参加をしています。二〇二六年度の排出量取引制度の本格稼働に向けて、企業の参加率、更に向上させて競争的環境、これを整えてまいります。
経済対策における需要喚起策についてお尋ねがありました。
物価高に直面している生活者、事業者の方々を支援するに当たっては、物価高の影響の現れ方やニーズが地域により様々であることを踏まえれば、自治体を通じたきめ細かな支援を講ずることが有効であると考えています。このため、昨年九月に創設した重点支援地方交付金を活用して、自治体を通じた支援を実施しています。
その際、消費者がそれぞれのニーズに応じた商品、サービスを購入できるようにして、選択肢を提供することで需要を喚起すること、これは重要であると認識をしています。重点支援地方交付金の奨励事業メニューにおいて、プレミアム商品券や地域で活用できるマイナポイント等を発行する取組などを示しているところです。
引き続き、地方自治体が地域の実情に応じた需要喚起策を講じられるよう、今般の経済対策において重点支援地方交付金を追加することとしており、これらの交付金が効果的に活用されるよう努めてまいります。
ウクライナ支援のスピード感についてお尋ねがありました。
御指摘の案件については、この御指摘の案件以前の支援として、我が国はロシアのウクライナ侵攻直後の昨年三月から、自衛隊が保有する防弾チョッキ、ヘルメット、化学防護衣、ドローン、あるいは車両等の装備品をウクライナの要請に応じて既に提供してまいりました。また、同じく要請に応じ、ピックアップトラック、クレーン付きトラック、ホイールローダーも既に数十台供与しています。
その上で、御指摘の案件については、ゼレンスキー大統領からの要請を踏まえ、自衛隊が現在使用中の高機動車やトラック等を必要な整備等を行った上で順次提供をしており、百台の発送についても今年度中に発送ができるように加速をさせているところであります。
今後とも、ウクライナのニーズに沿った、寄り添った支援、迅速に実施してまいります。
そして、憲法改正についてお尋ねがありました。
憲法改正は先送りできない重要な課題です。内閣総理大臣の立場からは、憲法改正について、議論の進め方等について直接具体的に申し上げることは控えなければならないと考えておりますが、憲法改正は最終的には国民の皆様による御判断が必要であり、国会の発議に向けた手続を進めるためにも、条文案の具体化等、国会においてこれまで以上に積極的な議論が行われること、心から期待をしております。
また、自民党総裁としてあえて申し上げれば、総裁任期中に憲法改正を実現したいという思いはいささかも変わりはありません。国会での議論に資するよう、党内の議論を加速させるなど憲法改正の課題に責任を持って取り組む決意です。今はそのことしか考えてはおりません。拍手
尾
長
大
大塚耕平#10
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
会派を代表し、総理の所信表明演説に関して、総理に質問させていただきます。
冒頭、国際紛争による子供を含む多くの犠牲者に哀悼の意を表します。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの紛争が一刻も早く停戦に至るよう、長く外務大臣も務められた岸田総理には、日本として何ができるのかを熟慮いただき、戦略的に行動していただくことを期待します。
総理は所信の中で、人間の尊厳という最も根源的な価値を中心に据え、世界を分断、対立ではなく協調に導くとの日本の立場を強く打ち出していきますと述べました。ウクライナ、中東問題に対して今後どのように対処する方針か、伺います。また、所信に登場する岸田外交という表現の意味するところ及び意図についても併せてお伺いいたします。
所信の最初は、経済、経済、経済と、経済を三回繰り返す項目名になっています。経済を動かす主体は家計と企業です。家計と企業に具体的かつ的確な政策が講じられなければ、経済、経済、経済という呪文の効果も現れません。
総理は、総合経済対策策定を表明した九月二十五日の記者会見で、経済状況は改善しつつあると述べました。どのようなデータ及び状況を指して経済状況は改善しつつあると考えているのか、今後の議論の前提として総理の御認識をお伺いいたします。
GDP需給ギャップがプラスに転じていることを勘案すると、今後編成される補正予算案の規模は何を基準として決定するのか、現時点での総理の所見をお伺いします。
補正予算の前提となる総合経済対策が十一月二日に閣議決定されると報道されていますが、今週月曜日に国民民主党の提案は既に総理に提出させていただきました。
生活減税四本柱として、第一にブラケットクリープ対策としての所得税減税、第二にトリガー条項発動及び当分の間税率、すなわち暫定税率廃止によるガソリン減税を含む燃料費高騰対策、第三に消費税五%減税による単一税率化とインボイス中止、第四に投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制導入等による法人税減税案をお示ししました。
ブラケットクリープ対策は、賃上げ、所得増加によって適用税率が上がり、税負担が増える勤労者、家計の負担軽減策です。総理は、期限付所得減税の検討を指示したと報道されていますが、ブラケットクリープ対策を講じる方針か否か、お伺いいたします。
ガソリン暫定税率の廃止法案を開会日に提出しました。総理は所信において、変化の流れをつかみ取る、その一丁目一番地は経済、先送りせず、必ず答えを出すと述べました。その決意が本気であれば、半世紀前の戦後復興期に道路建設のために必要という理由で創設された暫定税率、自動車重課税、二重課税をもういいかげんにやめませんか。総理に、トリガー条項凍結解除、暫定税率廃止に関する決意をお伺いいたします。
次に、消費税減税についてです。
十月からインボイス制度がスタートし、納税義務者である事業者は事務負担及びコスト増加に直面しています。消費税減税とインボイス中止について、総理の認識をお伺いいたします。
インボイスに関連して、国際的な経済覇権の観点からお伺いします。
日本経済が絶頂期を迎えた一九八〇年代以降、プラザ合意、BIS規制導入、国際会計基準導入が行われました。当時の日本経済の強さの要因であった円安、オーバーローン、ストック経営に対する欧米諸国からのカウンターであり、結果的に貿易黒字とバブル経済で得た日本の資産力は破壊されました。当時の政財官学、各界のリーダーはそのことに気付かず、日本経済は一九九〇年代以降の失われた三十年にいざなわれました。
そこで、お伺いいたします。
今回のインボイス制度導入の背景では、取引資金決済の電子処理を実現するため、電子インボイスについて、欧州ルーツの国際規格Peppolの採用が前提となっています。Peppolの採用によって今後の日本経済の慣行や税制にどのような影響が生じ得るか、現時点での総理の所見をお伺いします。
失われた三十年の間に、総理が所信で述べたコストカット型経済が定着しました。今年一月二十七日、通常国会の代表質問において、日本の経営者の思考や企業戦略をスリム化、コストダウン至上主義等の悪弊、呪縛から解放するためにどのような政策を考えているかと質問させていただきました。
今回の所信では、総理は、コストカット型経済からの完全脱却に向けて、思い切った供給力の強化を三年程度の変革期間を視野に入れて、集中的に講じていきますと述べました。共通認識に立っていただけたものと思います。
その具体的な方策として寄与し得るのが、国民民主党が提案している第四のハイパー償却税制です。
先端分野、戦略分野に関して、今や国家間の産業政策競争の時代です。設備投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制を導入すべきと考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
所信では、半導体の供給力強化に言及しています。今年の夏、日本のラピダスとベルギーのimecの提携に関する調査のため渡欧し、EU代表部担当官等と意見交換してきました。アライアンスが成立するのは、相手にもメリットがあるからです。今回の提携でimec側にどのようなメリットがあると考えているのか、総理の認識を伺います。
所信では、AI、自動運転、宇宙への取組にも言及しています。通信、測位及び画像衛星、AIの三つは、現代国家にとって重要な技術インフラ三要素です。三要素に自動車や家電製品等が接続され、兵器がつながれればLAWSになります。三要素を外国に依存するようでは、産業も経済も防衛も安全保障は成り立ちません。
三要素のうち通信に関し、現在NTT法を含む関連法制見直しが議論されているようです。見直し議論や関係各社の主張が安全保障上の観点から懸念がないか、総理の認識を伺います。
以上の諸減税の財源があるか否かも焦点です。
経済を動かす主体は、家計と企業です。家計と企業に具体的かつ的確な対策を打たなければ、経済、経済、経済という呪文の効果も現れないと申し上げました。
経済という概念的な存在、特にマクロ経済に対する対策だけで何とかなるような印象を与えた異次元の金融緩和は十一年目に入り、壮大な社会実験は袋小路に入っています。
この間、自国通貨を発行する国の国債発行は無限大とするMMT、現代貨幣理論が登場した一方、伝統的理論派は古色蒼然たる財政健全化論を展開し続けています。
国民民主党は、異次元緩和による財政ファイナンスが極まった中で、現実的な政策的工夫を明示しています。日銀保有国債を一部永久国債化して財源確保を図る一方、日銀保有のETF、REIT等を計画的に売却し、成長戦略と出口戦略を両立させるとともに、確保した財源を人材育成、技術開発、産業支援、防衛強化等の喫緊の課題に充当するという工夫です。本件について、通常国会に続いて総理の所見をお伺いします。
家計も企業も人が動かします。産業も技術も人が生み出します。国民民主党が人づくりこそ国づくりを政策の柱としているゆえんです。
新卒初任給を上げなければ、全体の賃金も上がりません。初任給引上げや、修士、博士号取得者、技術者、研究者の処遇に関する総理の所見、今後の政策的誘導についてお伺いします。
技術等の進歩や変化が加速する中、現役層のリスキリングも重要です。
リスキリング政策に熱心なスウェーデンでは、イルケスヘーグスコーランという職業訓練校が有効に機能しています。二年間のフルタイム教育を基本とし、座学と企業研修を組み合わせた実践的内容です。私が調査に行った二〇一七年当時、全国に約二百三十校、約五万人が通い、平均年齢三十二歳と聞きました。約六割は民間企業が運営し、残りの過半数は市町村等の公立です。学費は無料。失業している場合は、リスキリングに取り組むことを条件に失業時給与の八〇%まで給付され、生活費を補うために教育ローンも利用できます。つまり、所得水準を落とさずに二年間リスキリングに取り組めます。
こうした制度の導入も含め、リスキリングに関する総理の方針を伺います。
人材育成の前提として必要なのは、子供を産み育てやすい社会です。
国民民主党は、今回の提案の子育て・人材育成四本柱の中で、関連施策の所得制限撤廃、年少扶養控除復活等をお示しし、所得制限撤廃法案は国会初日に再提出しました。子育て支援、教育に関する国、自治体の関連諸施策において所得制限を撤廃すること及び年少扶養控除復活に関する総理の所見をお伺いします。
政府も児童手当の所得制限を撤廃しましたが、第三子以降の給付金三万円は、第一子、第二子が高校を卒業すると引き下げられると聞きました。そのような扱いとした考え方を総理にお伺いします。
異次元の少子化対策は、年収の壁問題も取り上げ、労働時間延長や賃上げに取り組む企業に必要費用を補助する等の支援策を講じたことは一歩前進です。
所信では、百六万円の壁に近づく可能性のある全ての方が壁を乗り越えられるようにするために十分な予算上の対応を確保しますと述べています。
百六万円の壁では、従業員百一人以上の企業で月収八万八千円、年収換算約百六万を超え、週二十時間以上勤務等の条件を満たすと、第三号被保険者は年十六万円程度の保険料負担が発生します。壁越え前の手取りを確保するためには、収入を百二十五万円程度に引き上げることが必要です。
今月から始まった対策では、壁越えの従業員一人当たり三年間で最大五十万円を助成しますが、従業員ではなく企業に支給する仕組みになっています。企業によって活用方法が異なる上、既に保険料を負担している従業員と新たに壁越えする従業員との公平性が課題です。公平な賃上げを目指す企業は不足分の資金負担が生じるため、そもそも壁越えを奨励しないという声も聞きます。
そこで、この差額約十九万円を企業側に減税や損金算入を認め、百六万円の次は給料が百二十五万円になる仕組みを導入してはどうでしょうか。そうであれば、働くことを選択する人が増えると思います。総理の所見をお伺いします。
もう一つの壁である百三十万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養を外れ、年金と医療の社会保険料負担が発生します。百三十万円には残業代等も含むため、勤労者実態調査では約六割の人が就業調整の理由として百三十万円の壁を挙げています。
今回の対策では、百三十万円を超えても、人手不足のための一時的勤務であることを事業主が証明すれば、扶養対象は維持されます。どのようなケースが一時的と判断されるのか、基準についての考え方を総理にお伺いします。
今回の対策は、二〇二五年抜本改正までの時限措置と聞いています。抜本改正の方向性及び十八日に公表された技能実習制度の抜本見直し素案との関係について、総理の所見をお伺いします。
総理は九月二十五日記者会見や所信において、成長の成果である税収増の還元、国民への還元と述べていますが、今回減税が実現する場合、それはインフレ課税分の戻しというべきではないでしょうか。総理の認識をお伺いします。
政府、日銀は二%の物価目標を共有していますが、二%物価上昇が五年間続けば一〇・四%、十年間で二一・九%となります。債務者はその分債務が減少し、債権者はその分資産を失います。
今年七月の中長期の経済財政に関する試算では、二〇二二年度の公債等残高の対名目GDP比が二一三・五%となった後、十年後の二〇三二年度は一七〇・七%まで低下しています。一般会計税収は一・三一倍となることを想定しています。まさしくインフレ課税であります。
日本経済の最大の債務者は国であり、債権者は預貯金等を有する国民です。インフレ課税によって国は債務が軽減され、国民は資産を失います。
国民にとって、インフレ率を上回る賃金上昇率を持続的に実現できなければインフレ課税を免れられません。インフレ率よりも高い賃上げ率を持続的に実現するための方策として具体的にどのようなことをお考えなのか、総理の所見をお伺いします。
マクロ経済スライドが課されている年金生活者もインフレ課税の影響が大きく、高齢者層が主な顧客である産業分野も影響を受けます。年金生活者対策及びそうした産業分野への対策について、総理の所見をお伺いします。
減税に加えて、直接給付も政策の選択肢となります。国民民主党は、地方創生臨時交付金を含む地方への各種交付金による直接給付も提案しています。総理の所見をお伺いします。
六月に閣議決定された骨太の方針では、家計金融資産を開放し、資産運用立国実現によって現預金偏重の家計金融資産を投資に振り向けると記されています。
所信でも、金融資本市場の変革に取り組むと述べ、資産運用業とアセットオーナーシップ改革をうたっていますが、これらに関して二点付言いたします。
第一に、家計金融資産の九五%以上は円建てです。円安傾向の中で、資産運用を企図して外貨資産に投資する家計にとって、円安は資産形成にはプラスです。国民が総理の資産運用立国方針を聞いて外貨資産に運用する一方で、政府、日銀がドル売り円買い介入する事態は論理矛盾です。骨太の方針はこの点がそしゃくされていません。
第二は、成長と資産運用の因果関係です。
骨太の方針は、現預金偏重の家計金融資産の開放が持続的成長に貢献するという論理で組み立てられています。逆に言えば、家計金融資産が開放されなかったため、持続的成長が損なわれてきたということを主張しています。しかし、家計が現預金偏重になっている背景には日本経済の期待成長率が低いことが影響しており、現預金偏重は低成長の原因ではなく結果と言えます。
現預金を原資にした銀行の国債投資は、低成長の結果として資金余剰部門となった家計や企業から、資金不足部門である政府へ資金を融通する循環構造です。つまり、骨太の方針の内容が実現するときには、政府が国債消化に窮し、金利が急騰する事態を迎えるということです。
骨太の方針、中長期経済財政試算及び所信が相互に整合的であるか否か、総理の所見をお伺いします。
最後に、所信で言及している認知症治療薬、レカネマブについて伺います。
米国での販売価格は患者一人につき年間二・六五万ドル、約三百五十万円です。今後、日本で公的保険対象になる場合、患者の自己負担は高額療養費制度の上限があるため、七十歳以上の一般所得者、年収百五十六万から三百七十万円程度で、年十四万四千円と想定されます。認知症患者数は二〇二五年で約六百七十五万人、有病率一八・五%と推計されています。
認知症対策が進むことは良いことですが、現役層にこれ以上の負担を課すことは避けるべきです。認知症施策及びレカネマブに関する総理の所見をお伺いします。
経済、経済、経済と三回繰り返したのは、かつて英国ブレア首相が教育、教育、教育と述べた有名な演説を意識した工夫かと拝察します。経済の重要性には同意しますが、マクロ経済政策だけで何とかしようとする失敗を繰り返すことなく、技術を生み出し、経済を動かしている人、つまり国民に直接届ける政策が重要です。
日本の未来は人、人、人、全ては人に懸かっていること、人づくりこそ国づくりと申し上げ、国民民主党を代表しての質問といたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表し、総理の所信表明演説に関して、総理に質問させていただきます。
冒頭、国際紛争による子供を含む多くの犠牲者に哀悼の意を表します。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの紛争が一刻も早く停戦に至るよう、長く外務大臣も務められた岸田総理には、日本として何ができるのかを熟慮いただき、戦略的に行動していただくことを期待します。
総理は所信の中で、人間の尊厳という最も根源的な価値を中心に据え、世界を分断、対立ではなく協調に導くとの日本の立場を強く打ち出していきますと述べました。ウクライナ、中東問題に対して今後どのように対処する方針か、伺います。また、所信に登場する岸田外交という表現の意味するところ及び意図についても併せてお伺いいたします。
所信の最初は、経済、経済、経済と、経済を三回繰り返す項目名になっています。経済を動かす主体は家計と企業です。家計と企業に具体的かつ的確な政策が講じられなければ、経済、経済、経済という呪文の効果も現れません。
総理は、総合経済対策策定を表明した九月二十五日の記者会見で、経済状況は改善しつつあると述べました。どのようなデータ及び状況を指して経済状況は改善しつつあると考えているのか、今後の議論の前提として総理の御認識をお伺いいたします。
GDP需給ギャップがプラスに転じていることを勘案すると、今後編成される補正予算案の規模は何を基準として決定するのか、現時点での総理の所見をお伺いします。
補正予算の前提となる総合経済対策が十一月二日に閣議決定されると報道されていますが、今週月曜日に国民民主党の提案は既に総理に提出させていただきました。
生活減税四本柱として、第一にブラケットクリープ対策としての所得税減税、第二にトリガー条項発動及び当分の間税率、すなわち暫定税率廃止によるガソリン減税を含む燃料費高騰対策、第三に消費税五%減税による単一税率化とインボイス中止、第四に投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制導入等による法人税減税案をお示ししました。
ブラケットクリープ対策は、賃上げ、所得増加によって適用税率が上がり、税負担が増える勤労者、家計の負担軽減策です。総理は、期限付所得減税の検討を指示したと報道されていますが、ブラケットクリープ対策を講じる方針か否か、お伺いいたします。
ガソリン暫定税率の廃止法案を開会日に提出しました。総理は所信において、変化の流れをつかみ取る、その一丁目一番地は経済、先送りせず、必ず答えを出すと述べました。その決意が本気であれば、半世紀前の戦後復興期に道路建設のために必要という理由で創設された暫定税率、自動車重課税、二重課税をもういいかげんにやめませんか。総理に、トリガー条項凍結解除、暫定税率廃止に関する決意をお伺いいたします。
次に、消費税減税についてです。
十月からインボイス制度がスタートし、納税義務者である事業者は事務負担及びコスト増加に直面しています。消費税減税とインボイス中止について、総理の認識をお伺いいたします。
インボイスに関連して、国際的な経済覇権の観点からお伺いします。
日本経済が絶頂期を迎えた一九八〇年代以降、プラザ合意、BIS規制導入、国際会計基準導入が行われました。当時の日本経済の強さの要因であった円安、オーバーローン、ストック経営に対する欧米諸国からのカウンターであり、結果的に貿易黒字とバブル経済で得た日本の資産力は破壊されました。当時の政財官学、各界のリーダーはそのことに気付かず、日本経済は一九九〇年代以降の失われた三十年にいざなわれました。
そこで、お伺いいたします。
今回のインボイス制度導入の背景では、取引資金決済の電子処理を実現するため、電子インボイスについて、欧州ルーツの国際規格Peppolの採用が前提となっています。Peppolの採用によって今後の日本経済の慣行や税制にどのような影響が生じ得るか、現時点での総理の所見をお伺いします。
失われた三十年の間に、総理が所信で述べたコストカット型経済が定着しました。今年一月二十七日、通常国会の代表質問において、日本の経営者の思考や企業戦略をスリム化、コストダウン至上主義等の悪弊、呪縛から解放するためにどのような政策を考えているかと質問させていただきました。
今回の所信では、総理は、コストカット型経済からの完全脱却に向けて、思い切った供給力の強化を三年程度の変革期間を視野に入れて、集中的に講じていきますと述べました。共通認識に立っていただけたものと思います。
その具体的な方策として寄与し得るのが、国民民主党が提案している第四のハイパー償却税制です。
先端分野、戦略分野に関して、今や国家間の産業政策競争の時代です。設備投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制を導入すべきと考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
所信では、半導体の供給力強化に言及しています。今年の夏、日本のラピダスとベルギーのimecの提携に関する調査のため渡欧し、EU代表部担当官等と意見交換してきました。アライアンスが成立するのは、相手にもメリットがあるからです。今回の提携でimec側にどのようなメリットがあると考えているのか、総理の認識を伺います。
所信では、AI、自動運転、宇宙への取組にも言及しています。通信、測位及び画像衛星、AIの三つは、現代国家にとって重要な技術インフラ三要素です。三要素に自動車や家電製品等が接続され、兵器がつながれればLAWSになります。三要素を外国に依存するようでは、産業も経済も防衛も安全保障は成り立ちません。
三要素のうち通信に関し、現在NTT法を含む関連法制見直しが議論されているようです。見直し議論や関係各社の主張が安全保障上の観点から懸念がないか、総理の認識を伺います。
以上の諸減税の財源があるか否かも焦点です。
経済を動かす主体は、家計と企業です。家計と企業に具体的かつ的確な対策を打たなければ、経済、経済、経済という呪文の効果も現れないと申し上げました。
経済という概念的な存在、特にマクロ経済に対する対策だけで何とかなるような印象を与えた異次元の金融緩和は十一年目に入り、壮大な社会実験は袋小路に入っています。
この間、自国通貨を発行する国の国債発行は無限大とするMMT、現代貨幣理論が登場した一方、伝統的理論派は古色蒼然たる財政健全化論を展開し続けています。
国民民主党は、異次元緩和による財政ファイナンスが極まった中で、現実的な政策的工夫を明示しています。日銀保有国債を一部永久国債化して財源確保を図る一方、日銀保有のETF、REIT等を計画的に売却し、成長戦略と出口戦略を両立させるとともに、確保した財源を人材育成、技術開発、産業支援、防衛強化等の喫緊の課題に充当するという工夫です。本件について、通常国会に続いて総理の所見をお伺いします。
家計も企業も人が動かします。産業も技術も人が生み出します。国民民主党が人づくりこそ国づくりを政策の柱としているゆえんです。
新卒初任給を上げなければ、全体の賃金も上がりません。初任給引上げや、修士、博士号取得者、技術者、研究者の処遇に関する総理の所見、今後の政策的誘導についてお伺いします。
技術等の進歩や変化が加速する中、現役層のリスキリングも重要です。
リスキリング政策に熱心なスウェーデンでは、イルケスヘーグスコーランという職業訓練校が有効に機能しています。二年間のフルタイム教育を基本とし、座学と企業研修を組み合わせた実践的内容です。私が調査に行った二〇一七年当時、全国に約二百三十校、約五万人が通い、平均年齢三十二歳と聞きました。約六割は民間企業が運営し、残りの過半数は市町村等の公立です。学費は無料。失業している場合は、リスキリングに取り組むことを条件に失業時給与の八〇%まで給付され、生活費を補うために教育ローンも利用できます。つまり、所得水準を落とさずに二年間リスキリングに取り組めます。
こうした制度の導入も含め、リスキリングに関する総理の方針を伺います。
人材育成の前提として必要なのは、子供を産み育てやすい社会です。
国民民主党は、今回の提案の子育て・人材育成四本柱の中で、関連施策の所得制限撤廃、年少扶養控除復活等をお示しし、所得制限撤廃法案は国会初日に再提出しました。子育て支援、教育に関する国、自治体の関連諸施策において所得制限を撤廃すること及び年少扶養控除復活に関する総理の所見をお伺いします。
政府も児童手当の所得制限を撤廃しましたが、第三子以降の給付金三万円は、第一子、第二子が高校を卒業すると引き下げられると聞きました。そのような扱いとした考え方を総理にお伺いします。
異次元の少子化対策は、年収の壁問題も取り上げ、労働時間延長や賃上げに取り組む企業に必要費用を補助する等の支援策を講じたことは一歩前進です。
所信では、百六万円の壁に近づく可能性のある全ての方が壁を乗り越えられるようにするために十分な予算上の対応を確保しますと述べています。
百六万円の壁では、従業員百一人以上の企業で月収八万八千円、年収換算約百六万を超え、週二十時間以上勤務等の条件を満たすと、第三号被保険者は年十六万円程度の保険料負担が発生します。壁越え前の手取りを確保するためには、収入を百二十五万円程度に引き上げることが必要です。
今月から始まった対策では、壁越えの従業員一人当たり三年間で最大五十万円を助成しますが、従業員ではなく企業に支給する仕組みになっています。企業によって活用方法が異なる上、既に保険料を負担している従業員と新たに壁越えする従業員との公平性が課題です。公平な賃上げを目指す企業は不足分の資金負担が生じるため、そもそも壁越えを奨励しないという声も聞きます。
そこで、この差額約十九万円を企業側に減税や損金算入を認め、百六万円の次は給料が百二十五万円になる仕組みを導入してはどうでしょうか。そうであれば、働くことを選択する人が増えると思います。総理の所見をお伺いします。
もう一つの壁である百三十万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養を外れ、年金と医療の社会保険料負担が発生します。百三十万円には残業代等も含むため、勤労者実態調査では約六割の人が就業調整の理由として百三十万円の壁を挙げています。
今回の対策では、百三十万円を超えても、人手不足のための一時的勤務であることを事業主が証明すれば、扶養対象は維持されます。どのようなケースが一時的と判断されるのか、基準についての考え方を総理にお伺いします。
今回の対策は、二〇二五年抜本改正までの時限措置と聞いています。抜本改正の方向性及び十八日に公表された技能実習制度の抜本見直し素案との関係について、総理の所見をお伺いします。
総理は九月二十五日記者会見や所信において、成長の成果である税収増の還元、国民への還元と述べていますが、今回減税が実現する場合、それはインフレ課税分の戻しというべきではないでしょうか。総理の認識をお伺いします。
政府、日銀は二%の物価目標を共有していますが、二%物価上昇が五年間続けば一〇・四%、十年間で二一・九%となります。債務者はその分債務が減少し、債権者はその分資産を失います。
今年七月の中長期の経済財政に関する試算では、二〇二二年度の公債等残高の対名目GDP比が二一三・五%となった後、十年後の二〇三二年度は一七〇・七%まで低下しています。一般会計税収は一・三一倍となることを想定しています。まさしくインフレ課税であります。
日本経済の最大の債務者は国であり、債権者は預貯金等を有する国民です。インフレ課税によって国は債務が軽減され、国民は資産を失います。
国民にとって、インフレ率を上回る賃金上昇率を持続的に実現できなければインフレ課税を免れられません。インフレ率よりも高い賃上げ率を持続的に実現するための方策として具体的にどのようなことをお考えなのか、総理の所見をお伺いします。
マクロ経済スライドが課されている年金生活者もインフレ課税の影響が大きく、高齢者層が主な顧客である産業分野も影響を受けます。年金生活者対策及びそうした産業分野への対策について、総理の所見をお伺いします。
減税に加えて、直接給付も政策の選択肢となります。国民民主党は、地方創生臨時交付金を含む地方への各種交付金による直接給付も提案しています。総理の所見をお伺いします。
六月に閣議決定された骨太の方針では、家計金融資産を開放し、資産運用立国実現によって現預金偏重の家計金融資産を投資に振り向けると記されています。
所信でも、金融資本市場の変革に取り組むと述べ、資産運用業とアセットオーナーシップ改革をうたっていますが、これらに関して二点付言いたします。
第一に、家計金融資産の九五%以上は円建てです。円安傾向の中で、資産運用を企図して外貨資産に投資する家計にとって、円安は資産形成にはプラスです。国民が総理の資産運用立国方針を聞いて外貨資産に運用する一方で、政府、日銀がドル売り円買い介入する事態は論理矛盾です。骨太の方針はこの点がそしゃくされていません。
第二は、成長と資産運用の因果関係です。
骨太の方針は、現預金偏重の家計金融資産の開放が持続的成長に貢献するという論理で組み立てられています。逆に言えば、家計金融資産が開放されなかったため、持続的成長が損なわれてきたということを主張しています。しかし、家計が現預金偏重になっている背景には日本経済の期待成長率が低いことが影響しており、現預金偏重は低成長の原因ではなく結果と言えます。
現預金を原資にした銀行の国債投資は、低成長の結果として資金余剰部門となった家計や企業から、資金不足部門である政府へ資金を融通する循環構造です。つまり、骨太の方針の内容が実現するときには、政府が国債消化に窮し、金利が急騰する事態を迎えるということです。
骨太の方針、中長期経済財政試算及び所信が相互に整合的であるか否か、総理の所見をお伺いします。
最後に、所信で言及している認知症治療薬、レカネマブについて伺います。
米国での販売価格は患者一人につき年間二・六五万ドル、約三百五十万円です。今後、日本で公的保険対象になる場合、患者の自己負担は高額療養費制度の上限があるため、七十歳以上の一般所得者、年収百五十六万から三百七十万円程度で、年十四万四千円と想定されます。認知症患者数は二〇二五年で約六百七十五万人、有病率一八・五%と推計されています。
認知症対策が進むことは良いことですが、現役層にこれ以上の負担を課すことは避けるべきです。認知症施策及びレカネマブに関する総理の所見をお伺いします。
経済、経済、経済と三回繰り返したのは、かつて英国ブレア首相が教育、教育、教育と述べた有名な演説を意識した工夫かと拝察します。経済の重要性には同意しますが、マクロ経済政策だけで何とかしようとする失敗を繰り返すことなく、技術を生み出し、経済を動かしている人、つまり国民に直接届ける政策が重要です。
日本の未来は人、人、人、全ては人に懸かっていること、人づくりこそ国づくりと申し上げ、国民民主党を代表しての質問といたします。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#11
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
ロシアによるウクライナ侵略、イスラエル・パレスチナ情勢への対処方針及び岸田外交の意味についてお尋ねがありました。
ウクライナ情勢について、我が国は、一刻も早くロシアの侵略を止めるため、G7議長国として国際社会と緊密に連携しつつ、対ロ制裁とウクライナ支援を引き続き強力に推進していきます。
イスラエル・パレスチナ情勢については、我が国は、ハマス等のテロ攻撃を断固として非難した上で、イスラエル及びパレスチナを含む関係国や関係者等との間で意思疎通を行い、在留邦人の安全確保に万全を期しながら、事態の早期鎮静化や人質の即時解放、一般市民の安全確保、人道状況の改善などに向けた外交努力を続けていきます。
政権発足時、私は、岸田外交の在り方について、まず一つは我が国の平和と安全、さらには二つ目として、普遍的価値を守り抜き、そして三つ目として、地球規模の課題に向き合って国際社会を主導し、その上で自由で開かれたインド太平洋を強力に推進するとの方針、これを打ち出しました。
その後、国際社会が複合的な危機に直面し、分断を深めつつある中で、人間の尊厳を中心に据えた考えを打ち出し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化を強く世界に訴えています。
こういった基本方針の下、同盟国、同志国との連携を推進しつつ、グローバルサウスと呼ばれる国々を含む国際社会の幅広い支持と関与を得ながら、世界の安定と繁栄に向けた積極的な外交を展開していきます。
経済状況の認識と補正予算の規模、そしてブラケットクリープ対策についてお尋ねがありました。
経済状況については、春闘における賃上げは三十年ぶりの高水準である三・五八%、設備投資は過去最大規模の名目百兆円を超える見込みとなり、株価は三十年ぶりの水準に達しています。こうしたデータを踏まえると、コロナ禍での苦しかった三年間を乗り越え、経済状況は改善しつつあると考えています。加えて、御指摘のとおり、GDPギャップの解消も進みつつあります。
こうした中、今回の総合経済対策は、需要を単に埋め合わせる対策ではなく、日本経済の供給力を強化し、中期的なインフレ圧力に強い経済体質をつくるとともに、将来の成長に資する分野を厳選して対応してまいります。
経済対策に伴う補正予算の規模はこうした政策の積み上げの結果であり、国民生活に高い効果のある具体的な政策を積み上げてまいります。
所得税のブラケットクリープ対策は、構造的賃上げが持続する局面においては検討課題となり得ますが、我が国経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では、賃金上昇を物価高に、賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。
ブラケットクリープ対策を考える段階ではなく、むしろデフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担を緩和することこそ必要であると考えます。
そして、揮発油税等のトリガー条項と当分の間税率についてお尋ねがありました。
エネルギー価格高騰から国民生活やなりわいを守らなければならないという思い、これは全く共有をいたしますが、トリガー条項の凍結解除については、灯油や重油などが支援の対象外となるほか、ガソリンの買い控えや、その反動による流通の混乱が生じる可能性があるなどの課題があるとも承知をしています。このため、燃料油価格対策として、燃料油価格の激変緩和措置を今般策定する経済対策において来年春まで継続することとしております。
揮発油税等については、平成二十一年に暫定税率を前提とした道路特定財源を廃止いたしましたが、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえ、それまでの税率が維持され、当分の間税率とされたものであると承知をしています。
こうした状況は現在も変わりはなく、特に気候変動が社会課題となる中、こうした税制上の取扱いを変更することは考えておりません。
消費税減税とインボイス制度についてお尋ねがありました。
消費税については、急速な高齢化に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置付けられており、その税率を引き下げることは考えてはおりません。
また、インボイス制度は、複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを中止することは考えておりません。
さらに、電子インボイスについては、国際標準仕様のPeppolをベースとすることで、事業者は、受発注から記帳、入金消し込みまでの一連のバックオフィス業務の自動処理やデジタル完結が可能となり、税務申告も含め、手入力による事務負担やミスの軽減、こうしたものが期待されるものであると考えています。
引き続き、官民連携の上、取引全体のデジタル化の実現に向けて必要な取組、進めてまいります。
そして、ハイパー償却税制の導入とラピダス及びimecの提携についてお尋ねがありました。
御指摘のハイパー償却税制は、取得額以上の特別償却を認める制度であると承知をしておりますが、減収に見合うだけの有効性があるかという点を踏まえて慎重な検討が必要であると考えています。
政府としては、戦略分野について、初期投資だけでなく投資全体の予見可能性を向上させる過去に例のない投資減税を始め抜本的な供給力強化のための措置を講じていきます。
そして、御指摘のimecはオープンイノベーション型の研究を重視しており、世界中の半導体関連企業と連携していると認識しておりますが、ラピダス社との連携を通じて、imecとしても、現在、世界で数社しか取り組んでいない次世代半導体の研究開発に携わることができる、こうしたメリットがあるものだと考えております。
今般の研究対策に、失礼、経済対策においても、半導体を始めとする戦略分野における投資促進に向け、先行して取り組むべき施策、これを盛り込んでまいりたいと思います。
そして、通信分野の安全保障上の懸念についてお尋ねがありました。
通信サービスの提供は、安心、安全な国民生活や円滑な経済活動の根幹であり、安全保障上も重要な社会インフラであると認識をしています。
現在、総務省の情報通信審議会等において、市場環境の変化に対応したNTT法を含む通信政策の在り方について議論が行われていますが、その中でも安全保障の確保、これは重要な論点の一つとなっており、そのような観点もしっかり踏まえながら検討を進めていくべきであると考えます。
そして、日銀が保有する国債等を財源として活用することについてお尋ねがありました。
日銀が保有する国債やETF等は、日銀が物価安定目標を実現するための金融政策の一環として保有しているものであると承知をしています。したがって、ETFの売却を含め、その取扱いについては、金融政策の一環として日銀において検討されるべき事柄であり、政府としてコメントすることは控えるべきであると考えます。
いずれにせよ、政府としては、喫緊の課題に対応するに当たっては、これに対応した安定的な財源を確保するなど、引き続き責任ある経済財政運営に努めてまいります。
そして、初任給の引上げや研究者等の処遇についてお尋ねがありました。
賃上げは、言うまでもなく岸田政権の最重要課題であり、成長と分配の好循環が回っていく、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる、こうした経済を目指していきたいと思います。
賃上げを目指す上で、新卒者の給与、この引上げも重要である、このように認識をしています。このため、三位一体の労働市場改革を進めるとともに、若者が希望に応じた就職ができるよう、きめ細かな就職支援なども進めてまいります。
また、優れた研究者等を育成、確保する上で処遇改善は重要であり、博士課程学生への経済的支援、あるいはキャリアパス整備の充実、国立大学における人事給与マネジメント改革の実施状況に応じた運営費交付金の配分、こうした取組を行っており、博士号取得者等の社会での活躍を更に促進できるよう、産学官連携で取組を進めていくべきであると考えています。
そして、リスキリング政策に関する方針についてお尋ねがありました。
我が国においては、これまでも公的職業訓練を始めとする職業訓練の充実に取り組んでまいりました。
その上で、岸田政権においては、三位一体の労働市場改革を進める中でリスキリングによる能力向上支援を拡充することとしており、デジタル分野を中心とする公的職業訓練の充実に取り組んでいるほか、リスキリングに取り組む個人への直接支援である教育訓練給付を拡充する、さらには教育訓練中の生活を支えるための給付、また融資制度の創設についての検討、こうした取組を進めてまいります。
そして、子育て、教育施策の所得制限撤廃についてお尋ねがありました。
子育て、教育施策に関する各制度において所得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じてそれぞれ判断がなされるものと考えております。
そして、年少扶養控除については、政府として、本年六月に策定したこども未来戦略方針に基づき、当面の集中的な取組である加速化プランを進め、我が国の子供一人当たりの家族関係支出をOECDトップのスウェーデンに達する水準とすることを予定しています。このように、主として歳出面での取組で、前例のない規模で子ども・子育て政策の強化を図っております。そうした取組を進めている中でありますので、かつて子ども手当の創設に合わせて廃止された年少扶養控除の復活は、検討課題としてはおりません。
他方、加速化プランにおいては、児童手当について、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化の一環として、第三子以降の支給額を三万円とすることとしております。
そして、お尋ねがありましたこの多子のカウント方法については、そのカウント方法も含めて、制度の詳細については、これから、拡充の趣旨も踏まえつつ、引き続き検討を行うということにしております。よって、そのカウント方法について、現段階で具体的な制度設計、固まっているものではないということを申し上げます。
そして、年収の壁についてお尋ねがありました。
年収の壁については、今般、若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から、当面の対応策として、年収の壁・支援強化パッケージを取りまとめたところです。
具体的には、百六万円の壁については、企業による継続的な賃上げの取組を後押しする観点から、労働者の手取り収入が減少しないよう賃上げ等を行った事業主に対して、労働者一人当たり最大五十万円の助成を行うこととしております。
そして、税制上の配慮、御提案をいただきました。御提案いただきました税制上の配慮、お聞きしている限り、この企業に対しての措置ということにおいては変わりはないのではないかと思います。その上で、その具体的な制度設計について、もう少しこれをお伺いしないとその実効性について評価することは難しいと感じたところでもあります。
そして、百三十万円の壁については、事業主の証明により被扶養者認定を円滑化するものでありますが、その要件の一時的な収入変動には、収入が増加した状態の固定化が見込まれない、あるいは繁忙期に労働時間を延ばす、こういった場合が該当すると考えております。
そして、その上で、引き続き、被用者保険の更なる適用拡大などの制度の見直しに取り組んでまいります。次期年金制度改正に向けて社会保障審議会年金部会において議論を開始しており、今後も、関係者の意見を伺いながら丁寧に議論をしてまいります。
なお、この制度の見直し議論は、これまで、十月十八日に公表された技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の最終報告書のたたき台とは特段の関係なく進めてきているところであります。
そして、国民への還元の位置付けについてお尋ねがありました。
今般、国民への還元に当たっては、過去二年のコロナ禍における税収の増収分の一部を分かりやすい形で国民に還元したいと考えております。
この税収の変動には様々な要因が影響を与えますが、この過去二年間の税収増の要因をインフレに求めるということについては限界があるのではないかと思います。よって、そのインフレ課税分の戻しとの指摘は当たらないと思っております。
そして、賃上げやインフレ対策についてお尋ねがありました。
賃上げは岸田政権の最重要課題であり、成長と分配の好循環が回っていく、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる経済、これを目指してまいります。賃上げ税制の減税措置の強化などの措置を講ずるとともに、三位一体の労働市場改革、中小企業の省力化投資など、生産性を引き上げる構造的な改革や賃上げ費用の価格転嫁対策等を進め、今年の春闘で見られた賃上げの流れを持続させていきたいと考えます。
そして、我が国の経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。デフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担の緩和、これを図ってまいりたいと思います。
御提案の地方への交付金による直接的な支援としては、物価高対策のための重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠があり、多くの自治体でこの夏以降、一世帯当たり三万円を目安に支援を開始してきました。物価高に最も切実に苦しむ高齢者を含めた低所得者の方々の不安に配慮し、寄り添った対応を図るべく、この枠組みを追加的に拡大し、経済対策に盛り込んでまいります。また、物価高で苦しむ事業者のなりわいを守る観点から、今申し上げた低所得者世帯支援枠以外の重点支援地方交付金についても追加をいたします。
そして、資産運用立国に関する骨太の方針と所信表明演説の整合性についてお尋ねがありました。
我が国の家計金融資産の半分以上は現預金が占める中、金融資本市場の変革に取り組むことで、貯蓄から投資へのシフトを促し、我が国経済の成長と国民の資産取得の増加につなげていくことは重要であると考えています。
そして、貯蓄から投資へ為替政策との関係について、貯蓄から投資へと為替政策との関係については、為替相場の過度な変動に対しその安定を図るための為替介入と、貯蓄から投資へということは異なる政策目的であり、両者は矛盾する関係にはないと考えています。なお、この資産運用立国に向けた取組は、国内金融商品の充実など国内投資を促進する取組もあり、外貨資産への投資のみを促進するものではないと考えています。
そして、国債の消化との関係については、安全資産である国債は金融機関にとってリスク管理上引き続き極めて重要な運用対象であり、そして、家計が投資を行う際にも、分散投資を行う対象として国債は重要であると考えています。こうしたことを踏まえますと、貯蓄から投資へのシフトが直ちに国債の安定消化に支障を来すものではないと考えています。
そして、これらを踏まえれば、骨太の方針等と所信表明演説の内容は整合しているものであると考えており、貯蓄から投資へのシフトを通じた成長と分配の好循環の実現に向けて取り組んでまいります。
そして、アルツハイマー病の新薬であるレカネマブ及び認知症対策についてお尋ねがありました。
アルツハイマー病の新薬であるレカネマブについては、現在、高額医薬品として、中央社会保険医療協議会において、通常の薬価算定の手続に先立って薬価算定方法の議論を行っています。イノベーションの評価や医療保険財政に与える影響等を踏まえつつ、これ適切に対応してまいりたいと考えます。
そして、認知症対策については、認知症治療の新時代を踏まえた早期発見、検査・医療サービス等が提供をされる体制整備、また治療薬の研究開発を更に進めるとともに、認知症の方が尊厳と希望を持って暮らすことができる社会の実現に向けて、認知症の方や御家族等の意向を十分に踏まえつつ、総合的に認知症施策、推進してまいりたいと考えております。拍手
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ウクライナ情勢について、我が国は、一刻も早くロシアの侵略を止めるため、G7議長国として国際社会と緊密に連携しつつ、対ロ制裁とウクライナ支援を引き続き強力に推進していきます。
イスラエル・パレスチナ情勢については、我が国は、ハマス等のテロ攻撃を断固として非難した上で、イスラエル及びパレスチナを含む関係国や関係者等との間で意思疎通を行い、在留邦人の安全確保に万全を期しながら、事態の早期鎮静化や人質の即時解放、一般市民の安全確保、人道状況の改善などに向けた外交努力を続けていきます。
政権発足時、私は、岸田外交の在り方について、まず一つは我が国の平和と安全、さらには二つ目として、普遍的価値を守り抜き、そして三つ目として、地球規模の課題に向き合って国際社会を主導し、その上で自由で開かれたインド太平洋を強力に推進するとの方針、これを打ち出しました。
その後、国際社会が複合的な危機に直面し、分断を深めつつある中で、人間の尊厳を中心に据えた考えを打ち出し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化を強く世界に訴えています。
こういった基本方針の下、同盟国、同志国との連携を推進しつつ、グローバルサウスと呼ばれる国々を含む国際社会の幅広い支持と関与を得ながら、世界の安定と繁栄に向けた積極的な外交を展開していきます。
経済状況の認識と補正予算の規模、そしてブラケットクリープ対策についてお尋ねがありました。
経済状況については、春闘における賃上げは三十年ぶりの高水準である三・五八%、設備投資は過去最大規模の名目百兆円を超える見込みとなり、株価は三十年ぶりの水準に達しています。こうしたデータを踏まえると、コロナ禍での苦しかった三年間を乗り越え、経済状況は改善しつつあると考えています。加えて、御指摘のとおり、GDPギャップの解消も進みつつあります。
こうした中、今回の総合経済対策は、需要を単に埋め合わせる対策ではなく、日本経済の供給力を強化し、中期的なインフレ圧力に強い経済体質をつくるとともに、将来の成長に資する分野を厳選して対応してまいります。
経済対策に伴う補正予算の規模はこうした政策の積み上げの結果であり、国民生活に高い効果のある具体的な政策を積み上げてまいります。
所得税のブラケットクリープ対策は、構造的賃上げが持続する局面においては検討課題となり得ますが、我が国経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では、賃金上昇を物価高に、賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。
ブラケットクリープ対策を考える段階ではなく、むしろデフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担を緩和することこそ必要であると考えます。
そして、揮発油税等のトリガー条項と当分の間税率についてお尋ねがありました。
エネルギー価格高騰から国民生活やなりわいを守らなければならないという思い、これは全く共有をいたしますが、トリガー条項の凍結解除については、灯油や重油などが支援の対象外となるほか、ガソリンの買い控えや、その反動による流通の混乱が生じる可能性があるなどの課題があるとも承知をしています。このため、燃料油価格対策として、燃料油価格の激変緩和措置を今般策定する経済対策において来年春まで継続することとしております。
揮発油税等については、平成二十一年に暫定税率を前提とした道路特定財源を廃止いたしましたが、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえ、それまでの税率が維持され、当分の間税率とされたものであると承知をしています。
こうした状況は現在も変わりはなく、特に気候変動が社会課題となる中、こうした税制上の取扱いを変更することは考えておりません。
消費税減税とインボイス制度についてお尋ねがありました。
消費税については、急速な高齢化に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置付けられており、その税率を引き下げることは考えてはおりません。
また、インボイス制度は、複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを中止することは考えておりません。
さらに、電子インボイスについては、国際標準仕様のPeppolをベースとすることで、事業者は、受発注から記帳、入金消し込みまでの一連のバックオフィス業務の自動処理やデジタル完結が可能となり、税務申告も含め、手入力による事務負担やミスの軽減、こうしたものが期待されるものであると考えています。
引き続き、官民連携の上、取引全体のデジタル化の実現に向けて必要な取組、進めてまいります。
そして、ハイパー償却税制の導入とラピダス及びimecの提携についてお尋ねがありました。
御指摘のハイパー償却税制は、取得額以上の特別償却を認める制度であると承知をしておりますが、減収に見合うだけの有効性があるかという点を踏まえて慎重な検討が必要であると考えています。
政府としては、戦略分野について、初期投資だけでなく投資全体の予見可能性を向上させる過去に例のない投資減税を始め抜本的な供給力強化のための措置を講じていきます。
そして、御指摘のimecはオープンイノベーション型の研究を重視しており、世界中の半導体関連企業と連携していると認識しておりますが、ラピダス社との連携を通じて、imecとしても、現在、世界で数社しか取り組んでいない次世代半導体の研究開発に携わることができる、こうしたメリットがあるものだと考えております。
今般の研究対策に、失礼、経済対策においても、半導体を始めとする戦略分野における投資促進に向け、先行して取り組むべき施策、これを盛り込んでまいりたいと思います。
そして、通信分野の安全保障上の懸念についてお尋ねがありました。
通信サービスの提供は、安心、安全な国民生活や円滑な経済活動の根幹であり、安全保障上も重要な社会インフラであると認識をしています。
現在、総務省の情報通信審議会等において、市場環境の変化に対応したNTT法を含む通信政策の在り方について議論が行われていますが、その中でも安全保障の確保、これは重要な論点の一つとなっており、そのような観点もしっかり踏まえながら検討を進めていくべきであると考えます。
そして、日銀が保有する国債等を財源として活用することについてお尋ねがありました。
日銀が保有する国債やETF等は、日銀が物価安定目標を実現するための金融政策の一環として保有しているものであると承知をしています。したがって、ETFの売却を含め、その取扱いについては、金融政策の一環として日銀において検討されるべき事柄であり、政府としてコメントすることは控えるべきであると考えます。
いずれにせよ、政府としては、喫緊の課題に対応するに当たっては、これに対応した安定的な財源を確保するなど、引き続き責任ある経済財政運営に努めてまいります。
そして、初任給の引上げや研究者等の処遇についてお尋ねがありました。
賃上げは、言うまでもなく岸田政権の最重要課題であり、成長と分配の好循環が回っていく、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる、こうした経済を目指していきたいと思います。
賃上げを目指す上で、新卒者の給与、この引上げも重要である、このように認識をしています。このため、三位一体の労働市場改革を進めるとともに、若者が希望に応じた就職ができるよう、きめ細かな就職支援なども進めてまいります。
また、優れた研究者等を育成、確保する上で処遇改善は重要であり、博士課程学生への経済的支援、あるいはキャリアパス整備の充実、国立大学における人事給与マネジメント改革の実施状況に応じた運営費交付金の配分、こうした取組を行っており、博士号取得者等の社会での活躍を更に促進できるよう、産学官連携で取組を進めていくべきであると考えています。
そして、リスキリング政策に関する方針についてお尋ねがありました。
我が国においては、これまでも公的職業訓練を始めとする職業訓練の充実に取り組んでまいりました。
その上で、岸田政権においては、三位一体の労働市場改革を進める中でリスキリングによる能力向上支援を拡充することとしており、デジタル分野を中心とする公的職業訓練の充実に取り組んでいるほか、リスキリングに取り組む個人への直接支援である教育訓練給付を拡充する、さらには教育訓練中の生活を支えるための給付、また融資制度の創設についての検討、こうした取組を進めてまいります。
そして、子育て、教育施策の所得制限撤廃についてお尋ねがありました。
子育て、教育施策に関する各制度において所得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じてそれぞれ判断がなされるものと考えております。
そして、年少扶養控除については、政府として、本年六月に策定したこども未来戦略方針に基づき、当面の集中的な取組である加速化プランを進め、我が国の子供一人当たりの家族関係支出をOECDトップのスウェーデンに達する水準とすることを予定しています。このように、主として歳出面での取組で、前例のない規模で子ども・子育て政策の強化を図っております。そうした取組を進めている中でありますので、かつて子ども手当の創設に合わせて廃止された年少扶養控除の復活は、検討課題としてはおりません。
他方、加速化プランにおいては、児童手当について、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化の一環として、第三子以降の支給額を三万円とすることとしております。
そして、お尋ねがありましたこの多子のカウント方法については、そのカウント方法も含めて、制度の詳細については、これから、拡充の趣旨も踏まえつつ、引き続き検討を行うということにしております。よって、そのカウント方法について、現段階で具体的な制度設計、固まっているものではないということを申し上げます。
そして、年収の壁についてお尋ねがありました。
年収の壁については、今般、若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から、当面の対応策として、年収の壁・支援強化パッケージを取りまとめたところです。
具体的には、百六万円の壁については、企業による継続的な賃上げの取組を後押しする観点から、労働者の手取り収入が減少しないよう賃上げ等を行った事業主に対して、労働者一人当たり最大五十万円の助成を行うこととしております。
そして、税制上の配慮、御提案をいただきました。御提案いただきました税制上の配慮、お聞きしている限り、この企業に対しての措置ということにおいては変わりはないのではないかと思います。その上で、その具体的な制度設計について、もう少しこれをお伺いしないとその実効性について評価することは難しいと感じたところでもあります。
そして、百三十万円の壁については、事業主の証明により被扶養者認定を円滑化するものでありますが、その要件の一時的な収入変動には、収入が増加した状態の固定化が見込まれない、あるいは繁忙期に労働時間を延ばす、こういった場合が該当すると考えております。
そして、その上で、引き続き、被用者保険の更なる適用拡大などの制度の見直しに取り組んでまいります。次期年金制度改正に向けて社会保障審議会年金部会において議論を開始しており、今後も、関係者の意見を伺いながら丁寧に議論をしてまいります。
なお、この制度の見直し議論は、これまで、十月十八日に公表された技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の最終報告書のたたき台とは特段の関係なく進めてきているところであります。
そして、国民への還元の位置付けについてお尋ねがありました。
今般、国民への還元に当たっては、過去二年のコロナ禍における税収の増収分の一部を分かりやすい形で国民に還元したいと考えております。
この税収の変動には様々な要因が影響を与えますが、この過去二年間の税収増の要因をインフレに求めるということについては限界があるのではないかと思います。よって、そのインフレ課税分の戻しとの指摘は当たらないと思っております。
そして、賃上げやインフレ対策についてお尋ねがありました。
賃上げは岸田政権の最重要課題であり、成長と分配の好循環が回っていく、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる経済、これを目指してまいります。賃上げ税制の減税措置の強化などの措置を講ずるとともに、三位一体の労働市場改革、中小企業の省力化投資など、生産性を引き上げる構造的な改革や賃上げ費用の価格転嫁対策等を進め、今年の春闘で見られた賃上げの流れを持続させていきたいと考えます。
そして、我が国の経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。デフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担の緩和、これを図ってまいりたいと思います。
御提案の地方への交付金による直接的な支援としては、物価高対策のための重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠があり、多くの自治体でこの夏以降、一世帯当たり三万円を目安に支援を開始してきました。物価高に最も切実に苦しむ高齢者を含めた低所得者の方々の不安に配慮し、寄り添った対応を図るべく、この枠組みを追加的に拡大し、経済対策に盛り込んでまいります。また、物価高で苦しむ事業者のなりわいを守る観点から、今申し上げた低所得者世帯支援枠以外の重点支援地方交付金についても追加をいたします。
そして、資産運用立国に関する骨太の方針と所信表明演説の整合性についてお尋ねがありました。
我が国の家計金融資産の半分以上は現預金が占める中、金融資本市場の変革に取り組むことで、貯蓄から投資へのシフトを促し、我が国経済の成長と国民の資産取得の増加につなげていくことは重要であると考えています。
そして、貯蓄から投資へ為替政策との関係について、貯蓄から投資へと為替政策との関係については、為替相場の過度な変動に対しその安定を図るための為替介入と、貯蓄から投資へということは異なる政策目的であり、両者は矛盾する関係にはないと考えています。なお、この資産運用立国に向けた取組は、国内金融商品の充実など国内投資を促進する取組もあり、外貨資産への投資のみを促進するものではないと考えています。
そして、国債の消化との関係については、安全資産である国債は金融機関にとってリスク管理上引き続き極めて重要な運用対象であり、そして、家計が投資を行う際にも、分散投資を行う対象として国債は重要であると考えています。こうしたことを踏まえますと、貯蓄から投資へのシフトが直ちに国債の安定消化に支障を来すものではないと考えています。
そして、これらを踏まえれば、骨太の方針等と所信表明演説の内容は整合しているものであると考えており、貯蓄から投資へのシフトを通じた成長と分配の好循環の実現に向けて取り組んでまいります。
そして、アルツハイマー病の新薬であるレカネマブ及び認知症対策についてお尋ねがありました。
アルツハイマー病の新薬であるレカネマブについては、現在、高額医薬品として、中央社会保険医療協議会において、通常の薬価算定の手続に先立って薬価算定方法の議論を行っています。イノベーションの評価や医療保険財政に与える影響等を踏まえつつ、これ適切に対応してまいりたいと考えます。
そして、認知症対策については、認知症治療の新時代を踏まえた早期発見、検査・医療サービス等が提供をされる体制整備、また治療薬の研究開発を更に進めるとともに、認知症の方が尊厳と希望を持って暮らすことができる社会の実現に向けて、認知症の方や御家族等の意向を十分に踏まえつつ、総合的に認知症施策、推進してまいりたいと考えております。拍手
─────────────
長
小
小池晃#13
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
会派を代表して、岸田文雄総理に質問します。
総理は所信表明で、カイサン、いや、経済、経済、経済と連呼し、コストカット型経済の三十年ぶりの変革を果たすと大見えを切りました。しかし、コストカットのために非正規ワーカーを増やし、先進国で唯一、賃金が上がらない国にしたのは誰か。大企業減税を繰り返し、その穴埋めに消費税を立て続けに増税したのは誰か。どれもこれも自民党が財界言いなりにやってきたことです。必要なのは、反省、反省、そして転換ではありませんか。
経済対策の第一のポイントは供給力の強化ですが、具体策は専ら大企業向け減税です。しかし、これでは大企業の内部留保が五百兆円を超えて積み上がる一方、三十年にわたり働く人の賃金が上がらないというゆがみをますますひどくするだけです。内部留保を賃上げや設備投資に還流させる、具体的で実効性ある施策こそ必要ではありませんか。
我が党は、経済再生プランで、大企業の内部留保に時限的に課税し、五年間で十兆円程度の税収を中小企業支援に回し、最低賃金を、総理が言うような二〇三〇年代半ばではなく、速やかに時給千五百円に引き上げることを提案しています。
総理は二重課税に当たるから慎重にと言いますが、法律上、二重課税の定義はありません。禁止されてもいません。財界が二重課税だと反対するから手を出せないのですか。お答えください。
男女賃金格差の是正も急務です。
昨年から始まった男女別の賃金公表制度の結果、日本経団連役員企業の女性の賃金は男性の四から八割と軒並み低く、企業規模が大きくなるほど男女格差が大きいことも判明しています。大企業は、コース別採用や全国転勤等を要件とした雇用管理、派遣、非正規化など様々な形で安上がりの労働力として女性差別を続け、女性の低賃金構造を温存してきました。
男女賃金格差の公表は一歩前進ですが、同一価値労働同一賃金の原則を徹底し、女性の低賃金をなくし、男女賃金格差を是正すべきではありませんか。答弁を求めます。
自公政権は女性活躍を掲げてきました。しかし、その結果は非正規雇用の増大でした。なぜ女性が非正規雇用の七割を占めているのか、なぜ男性より賃金が低いのか、総理にはその原因が男性には長時間労働、女性には家事、育児、介護という性別役割分業を前提とした雇用慣行にあるという認識はありますか。
日本共産党は、非正規ワーカーの待遇改善と賃上げのために非正規ワーカー待遇改善法を提案しています。フリーランスやギグワーカーを含め、非正規ワーカーに焦点を当てた待遇改善に踏み出すことは、ジェンダー平等を推し進め、男性も含む全ての人に人間らしい働き方、生き方を広げることにつながります。
総理、この課題に政府を挙げて取り組むべきではありませんか。
総理は、経済対策の第二のポイントとして、国民への還元を挙げています。しかし、期限付の所得税減税は場当たり的な対応にすぎません。しかも、減税の後には大軍拡のための増税が狙われています。一年限りの減税の直後に恒久的な増税などというのは、国民を愚弄するものではありませんか。
国民に還元するなら、何といっても消費税の減税です。消費税減税は確実に消費に結び付きます。家計支援になるのはもちろん、景気対策、とりわけ中小企業支援になります。
政府は、消費税は社会保障の財源だと言いながら、導入以来三十四年間の消費税収五百九兆円に対して、法人三税の税収は三百十七兆円減り、所得税と住民税は二百八十九兆円減りました。結局、大企業や富裕層減税の穴埋めになっただけではありませんか。
十月から始まったインボイス制度で、課税業者になった小規模事業者やフリーランスには年間十五万円もの負担が加わり、一か月分の収入が消えると悲鳴が上がっています。これは税率引上げを伴わない大増税です。政府が激変緩和措置などを打ち出してからも反対の声は広がり、ストップインボイスのネット署名は五十六万を超えました。総理はどう受け止めていらっしゃいますか。地域を支える業者の仕事や、文化芸術に取り組む人たちの夢が税制によって潰されることなど、あってはならないのではありませんか。
総理は、複数税率の下で適正な課税を行うためとインボイス実施を正当化しますが、複数税率になってから四年間、インボイスなしで対応できています。重大な支障があったというなら具体的にお示しいただきたい。政府が反対の声に耳を貸さずインボイス制度に固執するのは、今後更なる消費税増税を行うための地ならしだからではありませんか。
消費税は廃止を目指し、五%に緊急減税し、複数税率をやめてインボイス制度は廃止すべきです。お答えください。
マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証は、利便性の向上どころか手間が増大し、トラブル続出です。マイナ保険証の登録件数は増えていますが、利用率は低下する一方で、八月は僅か四・七%でした。利用率が減り続けている原因は一体どこにあるのですか。国民がマイナ保険証を信頼していないことの表れではありませんか。
全国保険医団体連合会の調査では、回答があった七千七十の医療機関のうち、八七・八%が来年秋以降も健康保険証の存続を求めています。総理に聞く力が残されているのであれば、現場の声に応えるべきではありませんか。答弁を求めます。
政府は、来年度の介護保険改定に向け、現行では一割負担となっている人の利用料を二倍にすることなどを検討しています。物価高騰と年金の目減りにあえぐ高齢者に、医療費に続く負担増の追い打ちを掛けようというのですか。
政府は、これらを現役世代の負担軽減のためと説明していますが、介護を必要とする高齢者が負担増によってサービスの利用を減らしたり断念したりすれば、そのしわ寄せは介護離職などで現役世代にのしかかります。総理にはそうした認識がありますか。
厚生労働大臣が、来年度の報酬改定による介護職の賃上げについて、月六千円程度が妥当と発言したことが介護関係者の驚きと失望を呼んでいます。厚労省の統計でも、介護職の平均給与は全産業平均より月七万円も低くなっており、月六千円では一桁足りないという声が上がるのは当然ではありませんか。介護人材の確保と定着のためには、抜本的な処遇改善策が必要ではありませんか。お答えください。
持続可能な経済社会にする上で、食料の自給は最重要課題です。しかし、日本の農業は深刻な危機に直面をしています。低い米価に苦しむ米農家、搾れば搾るほど赤字になる酪農家。豪雨災害、豪雨被害、夏の猛暑、干ばつ、高温障害が追い打ちを掛け、生産者は悲鳴を上げています。
今、政府に求められているのは、懸命に頑張っている生産者を離農に追い込まないような緊急支援ではないか。答弁を求めます。
コロナ危機に加えて、ロシアによるウクライナ侵略で、世界の農産物需給は不安定化し、食料危機が現実的になっています。ところが、我が国の食料自給率はカロリーベースで三八%、六割もの食料を外国に依存しています。しかも、この十年間で農業者は三割減少し、東京都に匹敵する面積の農地が失われました。危機的な状況ではありませんか。
食料・農業・農村基本法は、食料自給率の向上、国内生産の増大を掲げていますが、今まで食料自給率目標を一度も達成したことがなく、その検証も分析もされていません。自給率の目標達成を政府の責務にすべきではありませんか。答弁を求めます。
大阪・関西万博は、工事が遅れ、建設費用も膨れ上がっていますが、総理はオールジャパンで進めると述べています。しかし、日本国際博覧会協会は、遅れ解消に向けて、来年四月からの建設労働者の時間外労働の上限規制を万博工事だけ適用除外するよう政府に要請したといいます。法律を守れば建設ができない、労働者の命を犠牲にしなければならない、こんな事業は既に破綻しているのではありませんか。
会場建設費用は二千三百五十億円と当初見積りの二倍近くに膨らみ、これで収まるかどうかも分かりません。国民の身を切るような事業に理解が得られると思いますか。お答えください。
そもそも、建設工事の遅れと費用の上振れの原因は、軟弱地盤と土壌汚染の夢洲での開催に固執したことにあります。その狙いは、夢洲カジノ計画の推進です。莫大な費用が掛かり、カジノ業者だけでは到底不可能なインフラ整備を、国策である万博を口実に公費で進めるためにほかなりません。
命と安全が守られず、多大な負担を国民に押し付ける大阪・関西万博は中止し、カジノ計画はきっぱり断念すべきです。答弁を求めます。
政府が統一協会への解散命令を裁判所に請求したのは、被害者の声が動かした結果です。二つのことを求めます。
一つは、財産保全のための特別な法律制定に向けた与野党協議です。被害者を泣き寝入りさせてはなりません。統一協会の持つ財産を海外に流出させず、急いで保全しなければなりません。総理は各党の動きを注視すると言いますが、それでいいのか。党派を超えて実現する先頭に立つべきではありませんか。
いま一つは、統一協会と自民党との癒着の全体像を解明することです。文部科学大臣は遅くとも昭和五十五年頃から被害があったと述べています。ならば、癒着の実態も過去に遡って徹底調査するべきではありませんか。お答えください。
来年度概算要求における軍事費は、米軍再編経費を加えると八兆円です。三十年近く五兆円前後で推移してきたものが、岸田政権発足後、僅か二年で二・五兆円もの増加です。二・五兆円あれば一体何ができるか。義務教育の給食費を無償化し、高校授業料の完全無償化をし、大学入学金を廃止し、大学学費を半分にすることができます。税金の使い方が完全に間違っているんじゃないでしょうか。
イージスシステム搭載艦は、昨年、安保三文書を決定したときには、今後五年間で四千億円と説明していたのに、今年度二千二百億円、来年度三千八百億円、合計六千億円を既に盛り込んでいます。一年もたたないうちになぜ二千億円も上回ることになったのか。GDP二%という総額ありきの大軍拡で、完全にたがが外れているのではありませんか。暮らしも平和も財政も危機にさらす大軍拡は中止すべきです。答弁を求めます。
今、沖縄では、敵基地攻撃可能な長射程ミサイルの配備によって、再び戦場にされることへの不安と怒りが広がっています。
今月十四日から行われている日米共同訓練では、沖縄県の二度にわたる自粛要請を無視して、陸上自衛隊のオスプレイが初めて新石垣空港に降り立ち、負傷兵を後方に輸送する訓練が行われました。まさに沖縄が戦場になることを想定した訓練ではありませんか。
玉城デニー知事は、六月、敵基地攻撃を可能とする装備の県内配備を行わないよう政府に要請をいたしました。沖縄への配備はもちろん、敵基地攻撃能力の保有そのものをやめるべきではありませんか。
政府は、辺野古新基地建設のための設計変更を知事に代わって政府自ら承認するための代執行訴訟を提起しました。強権的なやり方を絶対に認めるわけにはまいりません。
沖縄の米軍基地は、米軍占領下、国際法にも違反して、住民の土地を一方的に奪って造られたものであります。その下で、沖縄県民は、米軍機の墜落や昼夜を分かたぬ爆音、環境汚染、米軍関係者が引き起こす事件、事故に苦しめられてきました。沖縄県民が辺野古新基地建設に一貫して反対の意思を示してきたのは、それはこうした歴史を無視し、新たな基地を押し付け、将来にわたって固定化するものだと言わなければなりません。
政府の計画自体に根本的な問題があるにもかかわらず、それを受け入れないからといって、国が強権を発動し、知事の権限を取り上げて基地建設を強行することなど、決してやってはならないことではありませんか。
県民は、三度の県知事選挙や県民投票などで新基地建設反対の意思を明確に示してまいりました。県民の民意を正面から受け止め、普天間基地の即時運用停止、閉鎖、撤去、辺野古新基地建設の断念を決断すべきであります。総理の答弁を求めます。
イスラエル・ガザ紛争による人道危機が深刻です。
日本政府は、無差別攻撃を行ったハマスを非難する、もちろんです。しかし、それだけではなく、イスラエルが今ガザ地区を封鎖し、水も食料も断ち切り、住民を、子供たちを大量に殺りくしていることをなぜ厳しく批判しないのですか。最悪の人道危機をもたらす大規模侵攻を中止させるべきではありませんか。
政府は、イスラエル、パレスチナ双方に外交関係を持ってきました。こういう優位性を生かして停戦に向けた交渉を促すべきであります。答弁を求めます。
日本国憲法の前文は、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と平和的生存権を定めています。そして、憲法九条は、一切の戦争と武力の行使、武力による威嚇を放棄し、他国に先駆けて戦力の不保持、交戦権の否認を規定し、国際社会での積極的な軍縮推進を憲法上の責務として我が国に課しております。今こそ、この憲法の理念に基づく平和外交の出番ではありませんか。お答えいただきたいと思います。
日本共産党は、憲法を変えるのではなく、実現することこそ、今の日本政治の最優先課題であると考えております。そのことを強く訴えて、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、岸田文雄総理に質問します。
総理は所信表明で、カイサン、いや、経済、経済、経済と連呼し、コストカット型経済の三十年ぶりの変革を果たすと大見えを切りました。しかし、コストカットのために非正規ワーカーを増やし、先進国で唯一、賃金が上がらない国にしたのは誰か。大企業減税を繰り返し、その穴埋めに消費税を立て続けに増税したのは誰か。どれもこれも自民党が財界言いなりにやってきたことです。必要なのは、反省、反省、そして転換ではありませんか。
経済対策の第一のポイントは供給力の強化ですが、具体策は専ら大企業向け減税です。しかし、これでは大企業の内部留保が五百兆円を超えて積み上がる一方、三十年にわたり働く人の賃金が上がらないというゆがみをますますひどくするだけです。内部留保を賃上げや設備投資に還流させる、具体的で実効性ある施策こそ必要ではありませんか。
我が党は、経済再生プランで、大企業の内部留保に時限的に課税し、五年間で十兆円程度の税収を中小企業支援に回し、最低賃金を、総理が言うような二〇三〇年代半ばではなく、速やかに時給千五百円に引き上げることを提案しています。
総理は二重課税に当たるから慎重にと言いますが、法律上、二重課税の定義はありません。禁止されてもいません。財界が二重課税だと反対するから手を出せないのですか。お答えください。
男女賃金格差の是正も急務です。
昨年から始まった男女別の賃金公表制度の結果、日本経団連役員企業の女性の賃金は男性の四から八割と軒並み低く、企業規模が大きくなるほど男女格差が大きいことも判明しています。大企業は、コース別採用や全国転勤等を要件とした雇用管理、派遣、非正規化など様々な形で安上がりの労働力として女性差別を続け、女性の低賃金構造を温存してきました。
男女賃金格差の公表は一歩前進ですが、同一価値労働同一賃金の原則を徹底し、女性の低賃金をなくし、男女賃金格差を是正すべきではありませんか。答弁を求めます。
自公政権は女性活躍を掲げてきました。しかし、その結果は非正規雇用の増大でした。なぜ女性が非正規雇用の七割を占めているのか、なぜ男性より賃金が低いのか、総理にはその原因が男性には長時間労働、女性には家事、育児、介護という性別役割分業を前提とした雇用慣行にあるという認識はありますか。
日本共産党は、非正規ワーカーの待遇改善と賃上げのために非正規ワーカー待遇改善法を提案しています。フリーランスやギグワーカーを含め、非正規ワーカーに焦点を当てた待遇改善に踏み出すことは、ジェンダー平等を推し進め、男性も含む全ての人に人間らしい働き方、生き方を広げることにつながります。
総理、この課題に政府を挙げて取り組むべきではありませんか。
総理は、経済対策の第二のポイントとして、国民への還元を挙げています。しかし、期限付の所得税減税は場当たり的な対応にすぎません。しかも、減税の後には大軍拡のための増税が狙われています。一年限りの減税の直後に恒久的な増税などというのは、国民を愚弄するものではありませんか。
国民に還元するなら、何といっても消費税の減税です。消費税減税は確実に消費に結び付きます。家計支援になるのはもちろん、景気対策、とりわけ中小企業支援になります。
政府は、消費税は社会保障の財源だと言いながら、導入以来三十四年間の消費税収五百九兆円に対して、法人三税の税収は三百十七兆円減り、所得税と住民税は二百八十九兆円減りました。結局、大企業や富裕層減税の穴埋めになっただけではありませんか。
十月から始まったインボイス制度で、課税業者になった小規模事業者やフリーランスには年間十五万円もの負担が加わり、一か月分の収入が消えると悲鳴が上がっています。これは税率引上げを伴わない大増税です。政府が激変緩和措置などを打ち出してからも反対の声は広がり、ストップインボイスのネット署名は五十六万を超えました。総理はどう受け止めていらっしゃいますか。地域を支える業者の仕事や、文化芸術に取り組む人たちの夢が税制によって潰されることなど、あってはならないのではありませんか。
総理は、複数税率の下で適正な課税を行うためとインボイス実施を正当化しますが、複数税率になってから四年間、インボイスなしで対応できています。重大な支障があったというなら具体的にお示しいただきたい。政府が反対の声に耳を貸さずインボイス制度に固執するのは、今後更なる消費税増税を行うための地ならしだからではありませんか。
消費税は廃止を目指し、五%に緊急減税し、複数税率をやめてインボイス制度は廃止すべきです。お答えください。
マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証は、利便性の向上どころか手間が増大し、トラブル続出です。マイナ保険証の登録件数は増えていますが、利用率は低下する一方で、八月は僅か四・七%でした。利用率が減り続けている原因は一体どこにあるのですか。国民がマイナ保険証を信頼していないことの表れではありませんか。
全国保険医団体連合会の調査では、回答があった七千七十の医療機関のうち、八七・八%が来年秋以降も健康保険証の存続を求めています。総理に聞く力が残されているのであれば、現場の声に応えるべきではありませんか。答弁を求めます。
政府は、来年度の介護保険改定に向け、現行では一割負担となっている人の利用料を二倍にすることなどを検討しています。物価高騰と年金の目減りにあえぐ高齢者に、医療費に続く負担増の追い打ちを掛けようというのですか。
政府は、これらを現役世代の負担軽減のためと説明していますが、介護を必要とする高齢者が負担増によってサービスの利用を減らしたり断念したりすれば、そのしわ寄せは介護離職などで現役世代にのしかかります。総理にはそうした認識がありますか。
厚生労働大臣が、来年度の報酬改定による介護職の賃上げについて、月六千円程度が妥当と発言したことが介護関係者の驚きと失望を呼んでいます。厚労省の統計でも、介護職の平均給与は全産業平均より月七万円も低くなっており、月六千円では一桁足りないという声が上がるのは当然ではありませんか。介護人材の確保と定着のためには、抜本的な処遇改善策が必要ではありませんか。お答えください。
持続可能な経済社会にする上で、食料の自給は最重要課題です。しかし、日本の農業は深刻な危機に直面をしています。低い米価に苦しむ米農家、搾れば搾るほど赤字になる酪農家。豪雨災害、豪雨被害、夏の猛暑、干ばつ、高温障害が追い打ちを掛け、生産者は悲鳴を上げています。
今、政府に求められているのは、懸命に頑張っている生産者を離農に追い込まないような緊急支援ではないか。答弁を求めます。
コロナ危機に加えて、ロシアによるウクライナ侵略で、世界の農産物需給は不安定化し、食料危機が現実的になっています。ところが、我が国の食料自給率はカロリーベースで三八%、六割もの食料を外国に依存しています。しかも、この十年間で農業者は三割減少し、東京都に匹敵する面積の農地が失われました。危機的な状況ではありませんか。
食料・農業・農村基本法は、食料自給率の向上、国内生産の増大を掲げていますが、今まで食料自給率目標を一度も達成したことがなく、その検証も分析もされていません。自給率の目標達成を政府の責務にすべきではありませんか。答弁を求めます。
大阪・関西万博は、工事が遅れ、建設費用も膨れ上がっていますが、総理はオールジャパンで進めると述べています。しかし、日本国際博覧会協会は、遅れ解消に向けて、来年四月からの建設労働者の時間外労働の上限規制を万博工事だけ適用除外するよう政府に要請したといいます。法律を守れば建設ができない、労働者の命を犠牲にしなければならない、こんな事業は既に破綻しているのではありませんか。
会場建設費用は二千三百五十億円と当初見積りの二倍近くに膨らみ、これで収まるかどうかも分かりません。国民の身を切るような事業に理解が得られると思いますか。お答えください。
そもそも、建設工事の遅れと費用の上振れの原因は、軟弱地盤と土壌汚染の夢洲での開催に固執したことにあります。その狙いは、夢洲カジノ計画の推進です。莫大な費用が掛かり、カジノ業者だけでは到底不可能なインフラ整備を、国策である万博を口実に公費で進めるためにほかなりません。
命と安全が守られず、多大な負担を国民に押し付ける大阪・関西万博は中止し、カジノ計画はきっぱり断念すべきです。答弁を求めます。
政府が統一協会への解散命令を裁判所に請求したのは、被害者の声が動かした結果です。二つのことを求めます。
一つは、財産保全のための特別な法律制定に向けた与野党協議です。被害者を泣き寝入りさせてはなりません。統一協会の持つ財産を海外に流出させず、急いで保全しなければなりません。総理は各党の動きを注視すると言いますが、それでいいのか。党派を超えて実現する先頭に立つべきではありませんか。
いま一つは、統一協会と自民党との癒着の全体像を解明することです。文部科学大臣は遅くとも昭和五十五年頃から被害があったと述べています。ならば、癒着の実態も過去に遡って徹底調査するべきではありませんか。お答えください。
来年度概算要求における軍事費は、米軍再編経費を加えると八兆円です。三十年近く五兆円前後で推移してきたものが、岸田政権発足後、僅か二年で二・五兆円もの増加です。二・五兆円あれば一体何ができるか。義務教育の給食費を無償化し、高校授業料の完全無償化をし、大学入学金を廃止し、大学学費を半分にすることができます。税金の使い方が完全に間違っているんじゃないでしょうか。
イージスシステム搭載艦は、昨年、安保三文書を決定したときには、今後五年間で四千億円と説明していたのに、今年度二千二百億円、来年度三千八百億円、合計六千億円を既に盛り込んでいます。一年もたたないうちになぜ二千億円も上回ることになったのか。GDP二%という総額ありきの大軍拡で、完全にたがが外れているのではありませんか。暮らしも平和も財政も危機にさらす大軍拡は中止すべきです。答弁を求めます。
今、沖縄では、敵基地攻撃可能な長射程ミサイルの配備によって、再び戦場にされることへの不安と怒りが広がっています。
今月十四日から行われている日米共同訓練では、沖縄県の二度にわたる自粛要請を無視して、陸上自衛隊のオスプレイが初めて新石垣空港に降り立ち、負傷兵を後方に輸送する訓練が行われました。まさに沖縄が戦場になることを想定した訓練ではありませんか。
玉城デニー知事は、六月、敵基地攻撃を可能とする装備の県内配備を行わないよう政府に要請をいたしました。沖縄への配備はもちろん、敵基地攻撃能力の保有そのものをやめるべきではありませんか。
政府は、辺野古新基地建設のための設計変更を知事に代わって政府自ら承認するための代執行訴訟を提起しました。強権的なやり方を絶対に認めるわけにはまいりません。
沖縄の米軍基地は、米軍占領下、国際法にも違反して、住民の土地を一方的に奪って造られたものであります。その下で、沖縄県民は、米軍機の墜落や昼夜を分かたぬ爆音、環境汚染、米軍関係者が引き起こす事件、事故に苦しめられてきました。沖縄県民が辺野古新基地建設に一貫して反対の意思を示してきたのは、それはこうした歴史を無視し、新たな基地を押し付け、将来にわたって固定化するものだと言わなければなりません。
政府の計画自体に根本的な問題があるにもかかわらず、それを受け入れないからといって、国が強権を発動し、知事の権限を取り上げて基地建設を強行することなど、決してやってはならないことではありませんか。
県民は、三度の県知事選挙や県民投票などで新基地建設反対の意思を明確に示してまいりました。県民の民意を正面から受け止め、普天間基地の即時運用停止、閉鎖、撤去、辺野古新基地建設の断念を決断すべきであります。総理の答弁を求めます。
イスラエル・ガザ紛争による人道危機が深刻です。
日本政府は、無差別攻撃を行ったハマスを非難する、もちろんです。しかし、それだけではなく、イスラエルが今ガザ地区を封鎖し、水も食料も断ち切り、住民を、子供たちを大量に殺りくしていることをなぜ厳しく批判しないのですか。最悪の人道危機をもたらす大規模侵攻を中止させるべきではありませんか。
政府は、イスラエル、パレスチナ双方に外交関係を持ってきました。こういう優位性を生かして停戦に向けた交渉を促すべきであります。答弁を求めます。
日本国憲法の前文は、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と平和的生存権を定めています。そして、憲法九条は、一切の戦争と武力の行使、武力による威嚇を放棄し、他国に先駆けて戦力の不保持、交戦権の否認を規定し、国際社会での積極的な軍縮推進を憲法上の責務として我が国に課しております。今こそ、この憲法の理念に基づく平和外交の出番ではありませんか。お答えいただきたいと思います。
日本共産党は、憲法を変えるのではなく、実現することこそ、今の日本政治の最優先課題であると考えております。そのことを強く訴えて、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#14
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小池晃議員の御質問にお答えいたします。
これまでの経済の振り返りや反省の必要性についてお尋ねがありました。
我が国経済は、一九九〇年代のバブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景にコストカット型経済が続いてきました。この間、アジア通貨危機、不良債権問題、ITバブルの崩壊、リーマン・ショックなど様々な外生的危機や困難に見舞われ、消費と投資の停滞を招きました。
こうした中、アベノミクスの成果の上に立ちながら新しい資本主義の取組を進めることで、三十年ぶりの三・五八%の賃上げ、過去最大規模の名目百兆円の設備投資、五十兆円ものGDPギャップの解消など、明るい兆しが現れ始めていると認識をしています。
三十年ぶりに巡ってきた新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスをつかみ取り、低物価、低賃金、低成長のコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資が牽引する成長型経済への変革を実現してまいります。
内部留保の還流についてお尋ねがありました。
コストカット経済の下で投資や賃金までが抑制されてきた中で、結果として、大企業を中心とした高水準の企業収益を背景に内部留保が増加しています。
新しい資本主義実現のためには、企業がこうした収益を現預金として保有するのではなく、成長のために賃上げ、人への投資、設備投資などの形で未来に向けてしっかり活用していくようになることが重要であると考えています。そして、そのための兆しが見えてきていると感じています。
賃上げ税制の強化、三位一体の労働市場改革など、生産性を引き上げる構造的な改革を加え、改革に加え、戦略物資について投資全体の予見可能性を向上させる過去の、過去に例のない投資減税、また特許などの所得に関する新たな減税制度、また人手不足に苦しむ中堅・中小企業の省力化投資に対する補助制度などにより、抜本的な供給力強化を実現し、持続的で構造的な賃上げにつなげてまいります。
そして、内部留保への課税についてお尋ねがありました。
企業の内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘があることから慎重な検討が必要であると考えています。そして、他方で、企業の抱える現預金を人への投資や設備投資などに活用いただくこと、これは重要であり、政府としては、これまで賃上げ促進税制や研究開発税制等を通じて、賃上げや投資に向けた企業の積極的な取組を後押ししてまいりました。
引き続き、あらゆる政策により、こうした未来への投資、促してまいります。
男女間の賃金格差についてお尋ねがありました。
男女、失礼、女性活躍は我が国の経済社会の持続的発展に不可欠であり、新しい資本主義の中核にも、女性活躍と所得向上、これを位置付けています。このため、男女間賃金格差の情報公開や同一労働同一賃金の遵守徹底等に取り組み、女性の所得の向上や男女間賃金格差の是正を図ってまいります。
また、性別役割分担意識は男女間賃金格差が解消されない要因の一つであり、長時間労働の是正や男女共に仕事と育児、介護を両立しやすい職場環境の整備を進めてまいります。
そして、非正規雇用労働者の処遇改善についてお尋ねがありました。
非正規雇用労働者の処遇改善や賃上げを図っていくことは重要な課題であると考えます。このため、最低賃金の引上げや賃上げしやすい環境整備に取り組むとともに、同一労働同一賃金の遵守徹底を図ってまいります。
また、希望する方が正社員として働くことができるよう、正社員化に取り組む事業主への支援を講ずるとともに、フリーランスの方が安心して働ける環境整備に取り組んでいきます。
こうした取組を通じて、男女問わず全ての方が多様な働き方を選択でき、生きがいを持って働くことができる社会づくりに取り組んでまいります。
そして、防衛力強化の財源と消費税についてお尋ねがありました。
防衛力強化に係る財源確保のための税制措置のうち、所得税については現下の家計の負担増にならないような仕組みとしているほか、全法人の九四%を対象外とするなど手厚い配慮をした上で法人税への付加税や、特殊な嗜好品であり一定の税収が確保できる物資としての性格に着目したたばこ税の引上げ、これらが予定されています。その実施時期については、昨年末に閣議決定した令和九年度に向けて複数年掛けて段階的に実施するとの枠組みの下、行財政改革を含めた財源調達の見通しに加え、景気や賃上げの動向及びこれらに対する政府の対応を踏まえて判断していくこととしております。
いずれにしても、我が国経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。デフレ脱却を確実なものにする一時的な措置として国民の可処分所得を直接に下支えし、物価高による国民の負担を緩和していく必要があると考えています。
なお、各税目の税収については、それぞれ制度の改正や経済情勢の要因などにより変動しており、また消費税は社会保障の財源となっていることから、消費税が大企業や富裕層減税の穴埋めになったという御指摘は当たらないと考えています。
インボイス制度と消費税減税についてお尋ねがありました。
インボイス制度の延期、中止を求める署名については、中小・小規模事業者の方が抱かれている不安や御懸念の表れであると受け止めており、引き続き事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。
インボイス制度導入前の四年間では、例えば、八%対象の食料品と一〇%対象の酒を仕入れた事業者が全て一〇%対象として税額控除をしたことによって納税額が低くなっていたという事例が複数例把握されていると承知をしています。インボイス制度は、将来の更なる消費税率引上げを見据えて導入するものではなく、こうした事例を防止するために必要な制度として導入したものであり、これを廃止することは考えておりません。
また、消費税については、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置付けられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
マイナ保険証等についてお尋ねがありました。
マイナ保険証利用率の減少の原因については、ひも付け誤り等により国民の皆様が不安を感じられたことや、マイナ保険証のメリットが国民の皆様に十分浸透していないことなどがあると考えています。
このため、国民の皆様の不安払拭のための措置を着実に進めるとともに、マイナ保険証のメリットを実感いただけるよう、利用促進に向けた取組を積極的に行ってまいります。
その上で、現行の健康保険証の廃止は国民の不安払拭のための措置が完了することを大前提との方針にのっとって、ひも付けの総点検とその後の修正作業の状況も見定めた上で、更なる期間が必要と判断された場合には必要な対応を行ってまいります。
そして、介護保険についてお尋ねがありました。
高齢化と人口減少という大きな社会の変化を迎えている中、介護保険制度が全ての世代にとって安心なものとなるよう、サービスの質を確保しつつ制度の持続可能性を維持すること、これは重要な課題です。
介護保険における利用者負担の在り方等については、骨太の方針二〇二三において年末までに結論を得ることとしており、利用者が必要なサービスを受けられるよう丁寧に議論、進めてまいります。
また、介護職員の賃上げについては、岸田政権は公定価格の見直しを掲げ、これまで累次の処遇改善を講じてきております。引き続き、ICT機器の活用による生産性向上の取組、経営の協働化等を通じた職場環境の改善、これらに加えて、次期改定に向けても、必要な処遇改善の水準の検討と併せて、高齢化等による事業者の収益の増加等が処遇改善に構造的につながる仕組み、これを構築してまいります。
離農を防ぐ支援と食料自給率についてお尋ねがありました。
近年、我が国の農業経営については、肥料、飼料等の価格高騰や度重なる自然災害の発生など、厳しい環境に直面してきたものと認識をしています。
このため、収入保険等の経営安定対策に加えて、肥料、飼料等の価格高騰対策を機動的に実施するほか、迅速な災害復旧に努めるなど、営農環境の改善、安定に取り組んできたところです。
さらに、先日策定した食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージにおいて、水田における麦、大豆等の畑作物等への転換支援や飼料の供給強化に向けた耕畜連携への支援など、早急に取り組むべき施策を取りまとめたところであり、これらを今般の経済対策に盛り込んで速やかに実行に移してまいります。
また、食料自給率については、需要に応じた農業生産の実現など、農業生産と食料消費に関する様々な課題に関し、政府だけではなく、生産者や食品事業者など関係者が一体となって取り組むことによって解決していくことを目指し、これが実現した場合に達成可能な水準を目標として示しているものであります。
食料安全保障上のリスクが高まる中、担い手の育成確保や、農地の確保と有効利用、海外依存度の高い小麦、大豆、飼料等の国内生産の拡大などによって、官民連携して自給率目標の達成に向けて取り組んでまいります。
そして、大阪・関西万博の工事の遅れについてお尋ねがありました。
万博の工事の遅れについては、ドバイ万博の一年延期に伴う参加国側の設計等の遅れや、日本国内の施工事業者の需給逼迫といった事情で生じたものであり、参加国への個別伴走支援や施工環境の改善といった対策により対応する予定と承知をしております。建設工事を時間外労働の上限規制の適用対象外にするといった要請を受けて政府として検討しているという事実はありません。
また、会場費、建設費の増額については、西村経産大臣と自見万博担当大臣が大阪府知事、大阪市長、経済界代表とともに博覧会協会から必要額について説明を聴取したところと承知をしています。現在、両大臣を中心に、その内容について適切なものとなっているか必要な精査を行っているところであり、しっかり確認した上で大阪府、大阪市、経済界とも対応を協議いたします。
いずれにせよ、国民の理解が得られるよう、政府を挙げて取り組んでまいります。
なお、IR整備は万博とは別のプロジェクトであり、これ引き続きIR整備法等に基づき適正に対応してまいります。
そして、旧統一教会による被害の救済のための財産保全や過去の統一教会との関係の調査についてお尋ねがありました。
政府としては、旧統一教会の資産状況を注視しつつ、速やかに被害者の救済が図られるよう、現行法上のあらゆる制度を活用し、被害者救済のために最大限取り組んでまいります。
その上で、議員立法の法案や被害者救済の実効性確保について与野党各党において様々な動きがあると承知をしており、こうした動きに注視してまいります。
また、自民党においては、既に各議員それぞれが旧統一教会との過去の関係を八項目に分けて詳細に点検、報告するとともに、新たな接点が判明した場合にはその都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないということを徹底する、このことを方針としているところであります。大切なことは、未来に向かって関係を絶つということであり、引き続きこの方針を徹底してまいります。
イージスシステム搭載艦の経費及び防衛体制の強化に係る経費についてお尋ねがありました。
イージスシステム搭載艦は、我が国を弾道ミサイルの脅威から防護するために必要であり、その二隻の取得経費については、昨年末時点での積算に対し、その後の設計の進捗、為替レートの変動、物価上昇などにより経費の上昇につながったと承知をしています。引き続き、装備品全般の取得経費の低減に向けた努力を継続してまいります。
また、我が国の防衛体制の強化に係る経費については、戦後最も複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守るため必要となる防衛費の規模を積み上げ、そして導き出したものであります。このような経費を基に防衛力の抜本的強化を速やかに実現し、国民の命と平和な暮らし、そして我が国を断固として守り抜いてまいります。
沖縄における日米共同訓練、反撃能力の保有、普天間飛行場の辺野古移設及び代執行訴訟についてお尋ねがありました。
今月、新石垣空港において日米共同訓練を実施し、事態対処や国民保護、災害対処における衛生機能や輸送能力の向上を図りました。本訓練は、特定の地域における事態の発生を念頭に置いたものではありません。反撃能力については、相手からの武力攻撃そのものを抑止するものであり、万一相手からミサイルが発射される際にも、反撃能力により相手からの更なる武力攻撃を防ぎ、国民の命と平和な暮らしを守り抜く、こうしたものです。
その上で、反撃能力としても活用し得るスタンドオフミサイルの配備先については、現時点では決まっておりません。
普天間飛行場の辺野古移設については、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると思っています。辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づき、着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えています。
その上で、御指摘の代執行訴訟については、既に最高裁判所において変更承認申請に関する司法の最終判断が示されており、直ちに承認処分が行われるべきであるため、国土交通大臣において必要な対応をしたものであると認識をしております。
いずれにせよ、今後とも、様々な機会を通じて地元の皆様への丁寧な説明を行いながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、そして基地負担の軽減を図るため、全力で取り組んでいきます。
現下のイスラエル・パレスチナ情勢における我が国の対応についてお尋ねがありました。
我が国は、ハマス等のテロ攻撃を断固として非難した上で、人質の即時解放、一般市民の安全確保、全ての当事者が国際法を踏まえて行動すること、事態の早期鎮静化、これを一貫して求めてきています。
イスラエルに対しても、上川外務大臣からコーヘン・イスラエル外相に対し事態の早期鎮静化を働きかけたほか、十月十六日には辻外務副大臣が、二十五日には堀井外務副大臣が、それぞれ駐日イスラエル大使に対し、一般市民の保護の重要性、国際人道法に則した対応、人道支援活動を可能とする環境の確保等の協力を要請いたしました。
また、パレスチナとの間でも、上川外務大臣がマーリキー外務・移民庁長官との電話会談やカイロにおけるアッバース大統領との意見交換において引き続き事態の早期鎮静化に向けて取り組んでいくことを確認するなど、これまで様々なやり取りを行ってまいりました。
日本としては、こうした関係を生かして、引き続き、刻々と動く現地情勢に応じつつ、イスラエル及びパレスチナを含む関係国や関係者等との間で意思疎通を行い、在留邦人の安全確保に万全を期しながら、事態の早期鎮静化や人道状況の改善に向けた外交努力を積極的に続けてまいります。
そして、平和外交についてお尋ねがありました。
我が国は、憲法九条及び前文に示されている平和主義の理念の下、平和国家として、戦後八十年近くにわたって国際社会の平和や繁栄に貢献してきました。この取組は高く評価されています。
今なお続くロシアのウクライナ侵略などにより、国際秩序の根幹が揺るぎ、世界が歴史の転換点にある中で、今後ともこうした平和国家としての取組を続けていきたいと考えております。拍手
─────────────
この発言だけを見る →これまでの経済の振り返りや反省の必要性についてお尋ねがありました。
我が国経済は、一九九〇年代のバブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景にコストカット型経済が続いてきました。この間、アジア通貨危機、不良債権問題、ITバブルの崩壊、リーマン・ショックなど様々な外生的危機や困難に見舞われ、消費と投資の停滞を招きました。
こうした中、アベノミクスの成果の上に立ちながら新しい資本主義の取組を進めることで、三十年ぶりの三・五八%の賃上げ、過去最大規模の名目百兆円の設備投資、五十兆円ものGDPギャップの解消など、明るい兆しが現れ始めていると認識をしています。
三十年ぶりに巡ってきた新たな経済ステージに移行できる大きなチャンスをつかみ取り、低物価、低賃金、低成長のコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資が牽引する成長型経済への変革を実現してまいります。
内部留保の還流についてお尋ねがありました。
コストカット経済の下で投資や賃金までが抑制されてきた中で、結果として、大企業を中心とした高水準の企業収益を背景に内部留保が増加しています。
新しい資本主義実現のためには、企業がこうした収益を現預金として保有するのではなく、成長のために賃上げ、人への投資、設備投資などの形で未来に向けてしっかり活用していくようになることが重要であると考えています。そして、そのための兆しが見えてきていると感じています。
賃上げ税制の強化、三位一体の労働市場改革など、生産性を引き上げる構造的な改革を加え、改革に加え、戦略物資について投資全体の予見可能性を向上させる過去の、過去に例のない投資減税、また特許などの所得に関する新たな減税制度、また人手不足に苦しむ中堅・中小企業の省力化投資に対する補助制度などにより、抜本的な供給力強化を実現し、持続的で構造的な賃上げにつなげてまいります。
そして、内部留保への課税についてお尋ねがありました。
企業の内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘があることから慎重な検討が必要であると考えています。そして、他方で、企業の抱える現預金を人への投資や設備投資などに活用いただくこと、これは重要であり、政府としては、これまで賃上げ促進税制や研究開発税制等を通じて、賃上げや投資に向けた企業の積極的な取組を後押ししてまいりました。
引き続き、あらゆる政策により、こうした未来への投資、促してまいります。
男女間の賃金格差についてお尋ねがありました。
男女、失礼、女性活躍は我が国の経済社会の持続的発展に不可欠であり、新しい資本主義の中核にも、女性活躍と所得向上、これを位置付けています。このため、男女間賃金格差の情報公開や同一労働同一賃金の遵守徹底等に取り組み、女性の所得の向上や男女間賃金格差の是正を図ってまいります。
また、性別役割分担意識は男女間賃金格差が解消されない要因の一つであり、長時間労働の是正や男女共に仕事と育児、介護を両立しやすい職場環境の整備を進めてまいります。
そして、非正規雇用労働者の処遇改善についてお尋ねがありました。
非正規雇用労働者の処遇改善や賃上げを図っていくことは重要な課題であると考えます。このため、最低賃金の引上げや賃上げしやすい環境整備に取り組むとともに、同一労働同一賃金の遵守徹底を図ってまいります。
また、希望する方が正社員として働くことができるよう、正社員化に取り組む事業主への支援を講ずるとともに、フリーランスの方が安心して働ける環境整備に取り組んでいきます。
こうした取組を通じて、男女問わず全ての方が多様な働き方を選択でき、生きがいを持って働くことができる社会づくりに取り組んでまいります。
そして、防衛力強化の財源と消費税についてお尋ねがありました。
防衛力強化に係る財源確保のための税制措置のうち、所得税については現下の家計の負担増にならないような仕組みとしているほか、全法人の九四%を対象外とするなど手厚い配慮をした上で法人税への付加税や、特殊な嗜好品であり一定の税収が確保できる物資としての性格に着目したたばこ税の引上げ、これらが予定されています。その実施時期については、昨年末に閣議決定した令和九年度に向けて複数年掛けて段階的に実施するとの枠組みの下、行財政改革を含めた財源調達の見通しに加え、景気や賃上げの動向及びこれらに対する政府の対応を踏まえて判断していくこととしております。
いずれにしても、我が国経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。デフレ脱却を確実なものにする一時的な措置として国民の可処分所得を直接に下支えし、物価高による国民の負担を緩和していく必要があると考えています。
なお、各税目の税収については、それぞれ制度の改正や経済情勢の要因などにより変動しており、また消費税は社会保障の財源となっていることから、消費税が大企業や富裕層減税の穴埋めになったという御指摘は当たらないと考えています。
インボイス制度と消費税減税についてお尋ねがありました。
インボイス制度の延期、中止を求める署名については、中小・小規模事業者の方が抱かれている不安や御懸念の表れであると受け止めており、引き続き事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。
インボイス制度導入前の四年間では、例えば、八%対象の食料品と一〇%対象の酒を仕入れた事業者が全て一〇%対象として税額控除をしたことによって納税額が低くなっていたという事例が複数例把握されていると承知をしています。インボイス制度は、将来の更なる消費税率引上げを見据えて導入するものではなく、こうした事例を防止するために必要な制度として導入したものであり、これを廃止することは考えておりません。
また、消費税については、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置付けられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
マイナ保険証等についてお尋ねがありました。
マイナ保険証利用率の減少の原因については、ひも付け誤り等により国民の皆様が不安を感じられたことや、マイナ保険証のメリットが国民の皆様に十分浸透していないことなどがあると考えています。
このため、国民の皆様の不安払拭のための措置を着実に進めるとともに、マイナ保険証のメリットを実感いただけるよう、利用促進に向けた取組を積極的に行ってまいります。
その上で、現行の健康保険証の廃止は国民の不安払拭のための措置が完了することを大前提との方針にのっとって、ひも付けの総点検とその後の修正作業の状況も見定めた上で、更なる期間が必要と判断された場合には必要な対応を行ってまいります。
そして、介護保険についてお尋ねがありました。
高齢化と人口減少という大きな社会の変化を迎えている中、介護保険制度が全ての世代にとって安心なものとなるよう、サービスの質を確保しつつ制度の持続可能性を維持すること、これは重要な課題です。
介護保険における利用者負担の在り方等については、骨太の方針二〇二三において年末までに結論を得ることとしており、利用者が必要なサービスを受けられるよう丁寧に議論、進めてまいります。
また、介護職員の賃上げについては、岸田政権は公定価格の見直しを掲げ、これまで累次の処遇改善を講じてきております。引き続き、ICT機器の活用による生産性向上の取組、経営の協働化等を通じた職場環境の改善、これらに加えて、次期改定に向けても、必要な処遇改善の水準の検討と併せて、高齢化等による事業者の収益の増加等が処遇改善に構造的につながる仕組み、これを構築してまいります。
離農を防ぐ支援と食料自給率についてお尋ねがありました。
近年、我が国の農業経営については、肥料、飼料等の価格高騰や度重なる自然災害の発生など、厳しい環境に直面してきたものと認識をしています。
このため、収入保険等の経営安定対策に加えて、肥料、飼料等の価格高騰対策を機動的に実施するほか、迅速な災害復旧に努めるなど、営農環境の改善、安定に取り組んできたところです。
さらに、先日策定した食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージにおいて、水田における麦、大豆等の畑作物等への転換支援や飼料の供給強化に向けた耕畜連携への支援など、早急に取り組むべき施策を取りまとめたところであり、これらを今般の経済対策に盛り込んで速やかに実行に移してまいります。
また、食料自給率については、需要に応じた農業生産の実現など、農業生産と食料消費に関する様々な課題に関し、政府だけではなく、生産者や食品事業者など関係者が一体となって取り組むことによって解決していくことを目指し、これが実現した場合に達成可能な水準を目標として示しているものであります。
食料安全保障上のリスクが高まる中、担い手の育成確保や、農地の確保と有効利用、海外依存度の高い小麦、大豆、飼料等の国内生産の拡大などによって、官民連携して自給率目標の達成に向けて取り組んでまいります。
そして、大阪・関西万博の工事の遅れについてお尋ねがありました。
万博の工事の遅れについては、ドバイ万博の一年延期に伴う参加国側の設計等の遅れや、日本国内の施工事業者の需給逼迫といった事情で生じたものであり、参加国への個別伴走支援や施工環境の改善といった対策により対応する予定と承知をしております。建設工事を時間外労働の上限規制の適用対象外にするといった要請を受けて政府として検討しているという事実はありません。
また、会場費、建設費の増額については、西村経産大臣と自見万博担当大臣が大阪府知事、大阪市長、経済界代表とともに博覧会協会から必要額について説明を聴取したところと承知をしています。現在、両大臣を中心に、その内容について適切なものとなっているか必要な精査を行っているところであり、しっかり確認した上で大阪府、大阪市、経済界とも対応を協議いたします。
いずれにせよ、国民の理解が得られるよう、政府を挙げて取り組んでまいります。
なお、IR整備は万博とは別のプロジェクトであり、これ引き続きIR整備法等に基づき適正に対応してまいります。
そして、旧統一教会による被害の救済のための財産保全や過去の統一教会との関係の調査についてお尋ねがありました。
政府としては、旧統一教会の資産状況を注視しつつ、速やかに被害者の救済が図られるよう、現行法上のあらゆる制度を活用し、被害者救済のために最大限取り組んでまいります。
その上で、議員立法の法案や被害者救済の実効性確保について与野党各党において様々な動きがあると承知をしており、こうした動きに注視してまいります。
また、自民党においては、既に各議員それぞれが旧統一教会との過去の関係を八項目に分けて詳細に点検、報告するとともに、新たな接点が判明した場合にはその都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないということを徹底する、このことを方針としているところであります。大切なことは、未来に向かって関係を絶つということであり、引き続きこの方針を徹底してまいります。
イージスシステム搭載艦の経費及び防衛体制の強化に係る経費についてお尋ねがありました。
イージスシステム搭載艦は、我が国を弾道ミサイルの脅威から防護するために必要であり、その二隻の取得経費については、昨年末時点での積算に対し、その後の設計の進捗、為替レートの変動、物価上昇などにより経費の上昇につながったと承知をしています。引き続き、装備品全般の取得経費の低減に向けた努力を継続してまいります。
また、我が国の防衛体制の強化に係る経費については、戦後最も複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守るため必要となる防衛費の規模を積み上げ、そして導き出したものであります。このような経費を基に防衛力の抜本的強化を速やかに実現し、国民の命と平和な暮らし、そして我が国を断固として守り抜いてまいります。
沖縄における日米共同訓練、反撃能力の保有、普天間飛行場の辺野古移設及び代執行訴訟についてお尋ねがありました。
今月、新石垣空港において日米共同訓練を実施し、事態対処や国民保護、災害対処における衛生機能や輸送能力の向上を図りました。本訓練は、特定の地域における事態の発生を念頭に置いたものではありません。反撃能力については、相手からの武力攻撃そのものを抑止するものであり、万一相手からミサイルが発射される際にも、反撃能力により相手からの更なる武力攻撃を防ぎ、国民の命と平和な暮らしを守り抜く、こうしたものです。
その上で、反撃能力としても活用し得るスタンドオフミサイルの配備先については、現時点では決まっておりません。
普天間飛行場の辺野古移設については、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると思っています。辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づき、着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えています。
その上で、御指摘の代執行訴訟については、既に最高裁判所において変更承認申請に関する司法の最終判断が示されており、直ちに承認処分が行われるべきであるため、国土交通大臣において必要な対応をしたものであると認識をしております。
いずれにせよ、今後とも、様々な機会を通じて地元の皆様への丁寧な説明を行いながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、そして基地負担の軽減を図るため、全力で取り組んでいきます。
現下のイスラエル・パレスチナ情勢における我が国の対応についてお尋ねがありました。
我が国は、ハマス等のテロ攻撃を断固として非難した上で、人質の即時解放、一般市民の安全確保、全ての当事者が国際法を踏まえて行動すること、事態の早期鎮静化、これを一貫して求めてきています。
イスラエルに対しても、上川外務大臣からコーヘン・イスラエル外相に対し事態の早期鎮静化を働きかけたほか、十月十六日には辻外務副大臣が、二十五日には堀井外務副大臣が、それぞれ駐日イスラエル大使に対し、一般市民の保護の重要性、国際人道法に則した対応、人道支援活動を可能とする環境の確保等の協力を要請いたしました。
また、パレスチナとの間でも、上川外務大臣がマーリキー外務・移民庁長官との電話会談やカイロにおけるアッバース大統領との意見交換において引き続き事態の早期鎮静化に向けて取り組んでいくことを確認するなど、これまで様々なやり取りを行ってまいりました。
日本としては、こうした関係を生かして、引き続き、刻々と動く現地情勢に応じつつ、イスラエル及びパレスチナを含む関係国や関係者等との間で意思疎通を行い、在留邦人の安全確保に万全を期しながら、事態の早期鎮静化や人道状況の改善に向けた外交努力を積極的に続けてまいります。
そして、平和外交についてお尋ねがありました。
我が国は、憲法九条及び前文に示されている平和主義の理念の下、平和国家として、戦後八十年近くにわたって国際社会の平和や繁栄に貢献してきました。この取組は高く評価されています。
今なお続くロシアのウクライナ侵略などにより、国際秩序の根幹が揺るぎ、世界が歴史の転換点にある中で、今後ともこうした平和国家としての取組を続けていきたいと考えております。拍手
─────────────
長
古
古賀之士#16
○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士です。
岸田文雄総理の所信表明に対し、会派を代表して、総理に質問いたします。
まず、総理にお聞きします。
昨夜、山田太郎文部科学大臣政務官兼復興大臣政務官が辞任されました。施策目標に青少年健全育成を掲げる文科大臣政務官が突然の辞任に至ったことは大変残念であります。
昨日、我が会派の田名部幹事長が岸田内閣における副大臣、政務官の人事等についてお尋ねした際、答弁の中に総理は、本人の人格、識見を踏まえ、適材適所の考え方で行っているとおっしゃいました。適材適所であると評したばかりの政務官の一人が早々に辞任したことに総理の任命責任は重いと考えますが、この点について御説明を願います。
冬は長い、生活はつらい、パンは高い。ヴェルディ作曲のオペラ、「ドン・カルロ」の一節です。舞台は十六世紀のスペイン。五百年前の話ですが、この一節はまるで今の二十一世紀の庶民の声のようです。
多くの国民は、一円でも安い店を探して歩き回っています。毎日毎日、一円のために靴底をすり減らしているのです。スーパーで安くなる時刻を待って、自分が食べたいと思う品に割引のシールが貼られる瞬間を待っています。
東京で自炊している私も、このことが今に始まったことではないということは理解をしております。ただ、物価高の実感は政府が発表される数%ではありません。卵はかつて物価の優等生とも言われましたが、地元福岡のスーパーでは十個入り一パック三百円以上が普通です。サンマのかば焼きの缶詰は、百円前後で買えたものが、普通に三百円ぐらいします。物価高の実感は数%ではなく、物によっては二倍以上です。
インボイス制度についてお聞きします。
このインボイス制度をめぐっては、そもそも、税のスペシャリストである税理士会の皆様が反対を唱えた経緯を御存じと思います。今、中堅、中小、零細、個人事業主などに今月にインボイスを導入する必要はあるのでしょうか。
事務的な負担に加え、実質的な増税となり得るインボイス制度。総理は所信表明で、国民の消費や投資状況は力強さに欠ける状況、足下の賃上げが物価上昇に追い付いていませんと述べていらっしゃいます。
岸田総理はなぜこのタイミングでインボイス制度を行うのか、見解をお聞かせください。
総理が所信表明で強調されていた、結果を示してきました、お示ししてきましたということについてお尋ねいたします。
お示ししたとおっしゃる結果とは何でしょうか。本来は、政策を行ったことで社会経済のどこがどの程度変わったのかを示すアウトカム、これが結果として認識されるのがごくごく一般的です。
例えば、少子化対策で言えば、少子化対策に予算を講じるアウトプットによって、出生率が五年間で一・三から一・六に向上しましたというようなアウトカムという具体的な時間と数字が公表されて初めて結果と言えるのではないでしょうか。
しかし、残念ながら政府のやっていることは予算を講じたというアウトプットにとどまっています。異次元の予算を配ります、講じましたとおっしゃっていますが、それはアウトプットしたというだけです。
私たちが知りたいのは、お金を配れば世の中がどう変わるかです。そこがはっきり分からないまま、異次元の予算を講じたことで満足してしまい、決算重視の参議院としても、何より国民の皆様がどういう世の中をイメージしてよいのでしょうか、対応に困っていると思います。ばらまきに終わらないためにも、よりアウトカムを意識する必要があるのではないでしょうか。
岸田総理にお尋ねします。
少なくとも、所信表明で述べられている政策の全てについて、どんな世の中に変わるのか、いつまでにどう変わるのか、スケジュール、規模を御説明ください。それが、少なくとも政府・与党の重大な役割と考えます。
供給力の強化についてお尋ねします。
総理の所信表明にある供給力の強化は、ほぼ、第二次産業、製造業をターゲットにした政策イメージに見えます。
一方、現在の日本経済の多くの割合であるサービス業は、どうやって供給力を強化するのでしょうか。また、サービス業分野で省力化投資の効果は限定的な分野も少なくないでしょう。その方法や政策をお示しください。
サービス業は、人手不足からまず賃上げをせざるを得ないのに、そこに価格転嫁できないから、皆さん困っているのです。
日本商工会議所の調査では、賃金を引き上げる主な理由で価格転嫁が行えたことはおよそ一割にとどまり、原資の確保に課題を抱えながら賃上げ傾向が継続とされています。つまり、賃上げ、価格転嫁、利益向上、更なる賃上げという望ましい環境、循環が生じていないのです。こういうデータが、まさに今月、現在進行形として日本商工会議所が発表しているのです。
総理の供給力の強化は、特に中小のサービス業には当たらないと考えます。所信表明のままでよいのか、総理の答弁を求めます。
特に、サービス業では、価格転嫁には当然質の高い人材の確保が必要です。人手不足倒産が続出しているのは、価格転嫁が十分でないことが大きな要因です。先日のNHKでも、多層下請構造の産業では、下請、孫請、更にその先の零細、個人事業主まで賃金が行き渡らないと伝えていました。
ただ、岸田総理は、いわゆるBツーB、中堅・中小企業における企業間取引条件の適正化は、総裁選に立候補された際、車座で直接当事者から話を伺うなど、公約だったはずです。その視点が今回の所信表明には欠けております。
事実、先日、あるテレビ番組で、ラーメン業界には千円の壁があると特集していました。
かつて豚骨ラーメンを作った経験から申し上げると、ラーメンのスープ、特に豚骨スープは、骨割りから完成まで、最低でも十時間を超える長時間の強い火力など、エネルギーコストが掛かります。当然、火力の調整や豚骨スープが途中で焦げないように巨大なずんどうを独自の道具で骨を混ぜることにも経験や労力が必要です。
そこに見えない価格の壁があれば、経営は苦しくなって当たり前です。ラーメン店は、一杯売って手元に残るのは二百円とも言われています。
東京商工リサーチによれば、コロナ禍で倒産が相次いだ二〇二〇年のペースを上回り、前年同期に比べ、実に三・五倍の倒産件数となっています。豚骨ラーメン発祥の私の地元、福岡県でもラーメン店の倒産が増えています。即効性のある給付も検討、実行すべきと考えます。総理の見解を求めます。
岸田内閣の重点政策について伺います。
若者の経済、暮らしについてお尋ねです。
〔副議長退席、議長着席〕
所信表明の中で、特に二十歳代への政策が抜け落ちていませんか。多様な生き方を尊重している我が党は、二十歳代にも選択肢の多い自由な人生を歩んでもらいたい。そのための中長期の対策は、ほかの世代の皆様にも大きな影響を与える極めて重要な課題です。
そこで、総理も、そして議場の皆様も、昔のことで実感がなかなか湧かないかもしれませんが、二十歳代のリアルな人生を思い起こしてください。
親、保護者の年収が国民平均の四百万円台であるなら、仮に子供が大学進学を希望し卒業できたとしても、学費負担は相当厳しいはずです。
学費の数百万円は、保護者、親か子供自身が借金として背負うのが前提となります。もはや、子供への仕送り額はどんどん減っていって、一部の裕福な世帯の子供以外は、大学入学後にアルバイトに専念し過ぎて学業がおろそかになる、社畜ならぬバ畜という言葉さえあります。これでは本人が何のために大学に行っているのか分かりませんし、何とか卒業できたとしても、すぐに就職してお金を稼がなければなりません。この状況で、結婚願望があったとしてもかなえることができるでしょうか。
二十歳代では、それまでの保護者の影響から離れていきながら自立の道を歩んでいきます。私たちは多様な生き方を尊重していますが、世間では、いわゆるいい高校からいい大学、いい企業という昔ながらの価値観がいまだに変わっておりません。二十歳代のうちに新しい会社を起こしたり、地域に貢献したり、親孝行したり、若いうちにしかできないことを自由に、夢中に取り組んでほしいのです。
これは本人だけの問題だけではありません。親、保護者の世代や、おじいちゃま、おばあちゃま、祖父母の世代も、子供さんやお孫さんの将来が気掛かりで仕方がないのではないでしょうか。
二十歳代は、単線型ライフスタイル社会から、もっと多様な価値観が生かされる複線型のライフスタイルが当たり前の社会になれば、一度や二度の失敗をしても何度もやり直しが利くと思いますし、そのことが三十歳代以降にも影響を及ぼすことが期待されます。
総理が希望の大学になかなか入学できなかったと伺っております。総理は、その後も頑張られて総理大臣にまでなられたのですが、一般の方々にとって、必ずしもうまくいくものでもないでしょう。
もちろん、大学進学が全てではありません。中卒、高卒から一度就職して、子育てしながら、改めて希望すれば大学に通うという選択肢があってもよいと思います。総理が提唱されるリカレント教育は、まさにこうした若者の将来の支えになってもらいたいものです。
二十歳代の経済や暮らしに対する不安を取り除くには、二十歳代の賃金の大幅な上昇などの若者向けの経済支援策が必要です。
例えば、賃金の大幅上昇以外でいえば、二十歳代には、家賃を一部、自治体によっては全額補助して、生活基盤を公的に支えることも考えられます。また、リカレント教育を受講したい人には、その費用を全額公費負担にすれば、キャリアアップを目指す人には朗報になるでしょう。
やり直しができるチャンスをしっかりと国がサポートしていくことに対して、岸田総理のお考えを伺います。
広島県は、製造業を中心に大量の外国人が働いています。振り返ってみれば、移民として全国で最も多い十一万人が海外に渡ったのが広島県出身者です。ちなみに、私のふるさと福岡県は第五位です。日本から海外へ移民された方々がどんな苦労をされてきたのか、長年の外務大臣の御経験からも重々存じていらっしゃるはずです。
つまり、日本に来る外国人も多くの苦労をされているのです。例えば、スーパーでは開店を前に朝から並ぶ外国人の姿があることを御存じでしょうか。前の日の売れ残りや、賞味期限が迫った品を求めるためです。そんな外国人との共生を私たちは提案しています。
なぜか今回の所信表明では触れられなかったようですが、外国人労働者の受入れ拡大は、現在進められている重要な政策です。実際に、配偶者や子供を帯同することができる特定技能二号を拡充しました。日本人並みの労働の自由があり、配偶者や子供の呼び寄せもできる永住者も着実に増加しています。
これにより、働く者だけが短期間滞在して帰国する回転ドア型の外国人労働力から、長期にわたって滞在する外国人が増加するのは間違いありません。もはや、外国人労働者が日本で長く暮らすがスタンダードになりつつあります。その結果、配偶者や子供も含めて日本社会に溶け込んでもらう共生社会を実現しなければならないのです。
私たちは、特に日本育ちの外国人は日本にとって極めて有力なサポーターになり得る存在であり、その教育は極めて重要と思っています。しかし、日系の外国人が多いあるエリアでは義務教育に就学できていない子供が大量に指摘されるなど、大きな課題となっています。
対策として、まずは義務教育を受けるための基本的な日本語の習得支援。その際は、外国語を話せる教師の育成というマンパワーだけではなく、簡単な日本語教育のためのスマホアプリの活用も考えられますが、岸田総理はどのようにお考えですか。
さらに、多様化する外国人と地域社会を結び付けるために、JICAなど海外での生活経験のある日本人の活用など、これまで以上に共生社会実現に向けた対策の拡充が必要ではないでしょうか。
これらを地域社会が全て担うのは、さすがに厳し過ぎます。外国人を労働力としてだけではなく、住民として、日本人と共生できる社会が実現できるよう、総理の積極的な答弁を求めます。
所信表明で触れられていない地方創生で大事な転職なき移住について伺います。
まち・ひと・しごと創生法の第一章第一条には、この法律は、我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めを掛けるとともに、東京への人口の過度の集中を是正しとなっています。総理の目玉政策であるデジタル田園都市国家構想は、まち・ひと・しごと創生のバージョンアップ版です。今回の所信表明では、一丁目一番地だった東京一極集中の是正に言及がないのはどうしてでしょうか。お答え願います。
デジタル田園都市国家構想でキーワードの一つは、転職なき移住です。地方にいながら大都市圏の仕事をリモートワークで行うということで、東京一極集中是正に資するものです。転職なき移住は、地方に移住する方に副業や兼業で地方で活躍してもらえれば、総理が所信表明で挙げられているオーバーツーリズム、農業のスマート化、グリーン化といった地域経済の様々な課題解決にも寄与できます。さらに、総理が推進するデジタル田園都市国家構想は地方でのデジタル人材の不足が大きな課題ですが、リモートワークに適しているIT人材の地方分散にも資するものです。もちろん、子育て世帯にとってリモートワークによる転職なき移住は非常に有力なツールとなるでしょう。
私たちは、転職なき移住の更なる促進を提案いたします。現状は、コロナ禍の最悪の状況に比べリモートワークは徐々に縮小しているにもかかわらず、転職なき移住を定着促進するための国の施策は、残念ながら、表彰制度とかガイドライン作成とか情報提供にとどまっております。転職なき移住を定着促進するために、もっと思い切った制度を創設してはどうでしょうか。総理の前向きなお考えを期待して、答弁を求めます。
結びに、二十世紀は戦争の世紀と言われています。二十世紀は、世界大戦を終えた後半になって二十世紀らしい繁栄や成長を遂げてきました。様々な困難にある二十一世紀ですが、私たちが幼い頃思い描いてきた二十一世紀らしい日は必ず来ると信じて、代表質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →岸田文雄総理の所信表明に対し、会派を代表して、総理に質問いたします。
まず、総理にお聞きします。
昨夜、山田太郎文部科学大臣政務官兼復興大臣政務官が辞任されました。施策目標に青少年健全育成を掲げる文科大臣政務官が突然の辞任に至ったことは大変残念であります。
昨日、我が会派の田名部幹事長が岸田内閣における副大臣、政務官の人事等についてお尋ねした際、答弁の中に総理は、本人の人格、識見を踏まえ、適材適所の考え方で行っているとおっしゃいました。適材適所であると評したばかりの政務官の一人が早々に辞任したことに総理の任命責任は重いと考えますが、この点について御説明を願います。
冬は長い、生活はつらい、パンは高い。ヴェルディ作曲のオペラ、「ドン・カルロ」の一節です。舞台は十六世紀のスペイン。五百年前の話ですが、この一節はまるで今の二十一世紀の庶民の声のようです。
多くの国民は、一円でも安い店を探して歩き回っています。毎日毎日、一円のために靴底をすり減らしているのです。スーパーで安くなる時刻を待って、自分が食べたいと思う品に割引のシールが貼られる瞬間を待っています。
東京で自炊している私も、このことが今に始まったことではないということは理解をしております。ただ、物価高の実感は政府が発表される数%ではありません。卵はかつて物価の優等生とも言われましたが、地元福岡のスーパーでは十個入り一パック三百円以上が普通です。サンマのかば焼きの缶詰は、百円前後で買えたものが、普通に三百円ぐらいします。物価高の実感は数%ではなく、物によっては二倍以上です。
インボイス制度についてお聞きします。
このインボイス制度をめぐっては、そもそも、税のスペシャリストである税理士会の皆様が反対を唱えた経緯を御存じと思います。今、中堅、中小、零細、個人事業主などに今月にインボイスを導入する必要はあるのでしょうか。
事務的な負担に加え、実質的な増税となり得るインボイス制度。総理は所信表明で、国民の消費や投資状況は力強さに欠ける状況、足下の賃上げが物価上昇に追い付いていませんと述べていらっしゃいます。
岸田総理はなぜこのタイミングでインボイス制度を行うのか、見解をお聞かせください。
総理が所信表明で強調されていた、結果を示してきました、お示ししてきましたということについてお尋ねいたします。
お示ししたとおっしゃる結果とは何でしょうか。本来は、政策を行ったことで社会経済のどこがどの程度変わったのかを示すアウトカム、これが結果として認識されるのがごくごく一般的です。
例えば、少子化対策で言えば、少子化対策に予算を講じるアウトプットによって、出生率が五年間で一・三から一・六に向上しましたというようなアウトカムという具体的な時間と数字が公表されて初めて結果と言えるのではないでしょうか。
しかし、残念ながら政府のやっていることは予算を講じたというアウトプットにとどまっています。異次元の予算を配ります、講じましたとおっしゃっていますが、それはアウトプットしたというだけです。
私たちが知りたいのは、お金を配れば世の中がどう変わるかです。そこがはっきり分からないまま、異次元の予算を講じたことで満足してしまい、決算重視の参議院としても、何より国民の皆様がどういう世の中をイメージしてよいのでしょうか、対応に困っていると思います。ばらまきに終わらないためにも、よりアウトカムを意識する必要があるのではないでしょうか。
岸田総理にお尋ねします。
少なくとも、所信表明で述べられている政策の全てについて、どんな世の中に変わるのか、いつまでにどう変わるのか、スケジュール、規模を御説明ください。それが、少なくとも政府・与党の重大な役割と考えます。
供給力の強化についてお尋ねします。
総理の所信表明にある供給力の強化は、ほぼ、第二次産業、製造業をターゲットにした政策イメージに見えます。
一方、現在の日本経済の多くの割合であるサービス業は、どうやって供給力を強化するのでしょうか。また、サービス業分野で省力化投資の効果は限定的な分野も少なくないでしょう。その方法や政策をお示しください。
サービス業は、人手不足からまず賃上げをせざるを得ないのに、そこに価格転嫁できないから、皆さん困っているのです。
日本商工会議所の調査では、賃金を引き上げる主な理由で価格転嫁が行えたことはおよそ一割にとどまり、原資の確保に課題を抱えながら賃上げ傾向が継続とされています。つまり、賃上げ、価格転嫁、利益向上、更なる賃上げという望ましい環境、循環が生じていないのです。こういうデータが、まさに今月、現在進行形として日本商工会議所が発表しているのです。
総理の供給力の強化は、特に中小のサービス業には当たらないと考えます。所信表明のままでよいのか、総理の答弁を求めます。
特に、サービス業では、価格転嫁には当然質の高い人材の確保が必要です。人手不足倒産が続出しているのは、価格転嫁が十分でないことが大きな要因です。先日のNHKでも、多層下請構造の産業では、下請、孫請、更にその先の零細、個人事業主まで賃金が行き渡らないと伝えていました。
ただ、岸田総理は、いわゆるBツーB、中堅・中小企業における企業間取引条件の適正化は、総裁選に立候補された際、車座で直接当事者から話を伺うなど、公約だったはずです。その視点が今回の所信表明には欠けております。
事実、先日、あるテレビ番組で、ラーメン業界には千円の壁があると特集していました。
かつて豚骨ラーメンを作った経験から申し上げると、ラーメンのスープ、特に豚骨スープは、骨割りから完成まで、最低でも十時間を超える長時間の強い火力など、エネルギーコストが掛かります。当然、火力の調整や豚骨スープが途中で焦げないように巨大なずんどうを独自の道具で骨を混ぜることにも経験や労力が必要です。
そこに見えない価格の壁があれば、経営は苦しくなって当たり前です。ラーメン店は、一杯売って手元に残るのは二百円とも言われています。
東京商工リサーチによれば、コロナ禍で倒産が相次いだ二〇二〇年のペースを上回り、前年同期に比べ、実に三・五倍の倒産件数となっています。豚骨ラーメン発祥の私の地元、福岡県でもラーメン店の倒産が増えています。即効性のある給付も検討、実行すべきと考えます。総理の見解を求めます。
岸田内閣の重点政策について伺います。
若者の経済、暮らしについてお尋ねです。
〔副議長退席、議長着席〕
所信表明の中で、特に二十歳代への政策が抜け落ちていませんか。多様な生き方を尊重している我が党は、二十歳代にも選択肢の多い自由な人生を歩んでもらいたい。そのための中長期の対策は、ほかの世代の皆様にも大きな影響を与える極めて重要な課題です。
そこで、総理も、そして議場の皆様も、昔のことで実感がなかなか湧かないかもしれませんが、二十歳代のリアルな人生を思い起こしてください。
親、保護者の年収が国民平均の四百万円台であるなら、仮に子供が大学進学を希望し卒業できたとしても、学費負担は相当厳しいはずです。
学費の数百万円は、保護者、親か子供自身が借金として背負うのが前提となります。もはや、子供への仕送り額はどんどん減っていって、一部の裕福な世帯の子供以外は、大学入学後にアルバイトに専念し過ぎて学業がおろそかになる、社畜ならぬバ畜という言葉さえあります。これでは本人が何のために大学に行っているのか分かりませんし、何とか卒業できたとしても、すぐに就職してお金を稼がなければなりません。この状況で、結婚願望があったとしてもかなえることができるでしょうか。
二十歳代では、それまでの保護者の影響から離れていきながら自立の道を歩んでいきます。私たちは多様な生き方を尊重していますが、世間では、いわゆるいい高校からいい大学、いい企業という昔ながらの価値観がいまだに変わっておりません。二十歳代のうちに新しい会社を起こしたり、地域に貢献したり、親孝行したり、若いうちにしかできないことを自由に、夢中に取り組んでほしいのです。
これは本人だけの問題だけではありません。親、保護者の世代や、おじいちゃま、おばあちゃま、祖父母の世代も、子供さんやお孫さんの将来が気掛かりで仕方がないのではないでしょうか。
二十歳代は、単線型ライフスタイル社会から、もっと多様な価値観が生かされる複線型のライフスタイルが当たり前の社会になれば、一度や二度の失敗をしても何度もやり直しが利くと思いますし、そのことが三十歳代以降にも影響を及ぼすことが期待されます。
総理が希望の大学になかなか入学できなかったと伺っております。総理は、その後も頑張られて総理大臣にまでなられたのですが、一般の方々にとって、必ずしもうまくいくものでもないでしょう。
もちろん、大学進学が全てではありません。中卒、高卒から一度就職して、子育てしながら、改めて希望すれば大学に通うという選択肢があってもよいと思います。総理が提唱されるリカレント教育は、まさにこうした若者の将来の支えになってもらいたいものです。
二十歳代の経済や暮らしに対する不安を取り除くには、二十歳代の賃金の大幅な上昇などの若者向けの経済支援策が必要です。
例えば、賃金の大幅上昇以外でいえば、二十歳代には、家賃を一部、自治体によっては全額補助して、生活基盤を公的に支えることも考えられます。また、リカレント教育を受講したい人には、その費用を全額公費負担にすれば、キャリアアップを目指す人には朗報になるでしょう。
やり直しができるチャンスをしっかりと国がサポートしていくことに対して、岸田総理のお考えを伺います。
広島県は、製造業を中心に大量の外国人が働いています。振り返ってみれば、移民として全国で最も多い十一万人が海外に渡ったのが広島県出身者です。ちなみに、私のふるさと福岡県は第五位です。日本から海外へ移民された方々がどんな苦労をされてきたのか、長年の外務大臣の御経験からも重々存じていらっしゃるはずです。
つまり、日本に来る外国人も多くの苦労をされているのです。例えば、スーパーでは開店を前に朝から並ぶ外国人の姿があることを御存じでしょうか。前の日の売れ残りや、賞味期限が迫った品を求めるためです。そんな外国人との共生を私たちは提案しています。
なぜか今回の所信表明では触れられなかったようですが、外国人労働者の受入れ拡大は、現在進められている重要な政策です。実際に、配偶者や子供を帯同することができる特定技能二号を拡充しました。日本人並みの労働の自由があり、配偶者や子供の呼び寄せもできる永住者も着実に増加しています。
これにより、働く者だけが短期間滞在して帰国する回転ドア型の外国人労働力から、長期にわたって滞在する外国人が増加するのは間違いありません。もはや、外国人労働者が日本で長く暮らすがスタンダードになりつつあります。その結果、配偶者や子供も含めて日本社会に溶け込んでもらう共生社会を実現しなければならないのです。
私たちは、特に日本育ちの外国人は日本にとって極めて有力なサポーターになり得る存在であり、その教育は極めて重要と思っています。しかし、日系の外国人が多いあるエリアでは義務教育に就学できていない子供が大量に指摘されるなど、大きな課題となっています。
対策として、まずは義務教育を受けるための基本的な日本語の習得支援。その際は、外国語を話せる教師の育成というマンパワーだけではなく、簡単な日本語教育のためのスマホアプリの活用も考えられますが、岸田総理はどのようにお考えですか。
さらに、多様化する外国人と地域社会を結び付けるために、JICAなど海外での生活経験のある日本人の活用など、これまで以上に共生社会実現に向けた対策の拡充が必要ではないでしょうか。
これらを地域社会が全て担うのは、さすがに厳し過ぎます。外国人を労働力としてだけではなく、住民として、日本人と共生できる社会が実現できるよう、総理の積極的な答弁を求めます。
所信表明で触れられていない地方創生で大事な転職なき移住について伺います。
まち・ひと・しごと創生法の第一章第一条には、この法律は、我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めを掛けるとともに、東京への人口の過度の集中を是正しとなっています。総理の目玉政策であるデジタル田園都市国家構想は、まち・ひと・しごと創生のバージョンアップ版です。今回の所信表明では、一丁目一番地だった東京一極集中の是正に言及がないのはどうしてでしょうか。お答え願います。
デジタル田園都市国家構想でキーワードの一つは、転職なき移住です。地方にいながら大都市圏の仕事をリモートワークで行うということで、東京一極集中是正に資するものです。転職なき移住は、地方に移住する方に副業や兼業で地方で活躍してもらえれば、総理が所信表明で挙げられているオーバーツーリズム、農業のスマート化、グリーン化といった地域経済の様々な課題解決にも寄与できます。さらに、総理が推進するデジタル田園都市国家構想は地方でのデジタル人材の不足が大きな課題ですが、リモートワークに適しているIT人材の地方分散にも資するものです。もちろん、子育て世帯にとってリモートワークによる転職なき移住は非常に有力なツールとなるでしょう。
私たちは、転職なき移住の更なる促進を提案いたします。現状は、コロナ禍の最悪の状況に比べリモートワークは徐々に縮小しているにもかかわらず、転職なき移住を定着促進するための国の施策は、残念ながら、表彰制度とかガイドライン作成とか情報提供にとどまっております。転職なき移住を定着促進するために、もっと思い切った制度を創設してはどうでしょうか。総理の前向きなお考えを期待して、答弁を求めます。
結びに、二十世紀は戦争の世紀と言われています。二十世紀は、世界大戦を終えた後半になって二十世紀らしい繁栄や成長を遂げてきました。様々な困難にある二十一世紀ですが、私たちが幼い頃思い描いてきた二十一世紀らしい日は必ず来ると信じて、代表質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#17
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 古賀之士議員の御質問にお答えいたします。
まず、山田文部科学大臣政務官兼復興大臣政務官の任命責任についてお尋ねがありました。
山田政務官については、昨日、盛山文部科学大臣に対し大臣政務官の職を辞したい旨の申出があったことから、内閣としてこれを承認し、後任に本田顕子参議院議員を充てることを本日決定いたしました。
このような事態に至ったことは誠に遺憾であります。私自身、任命責任を重く受け止めております。私自身、先頭に立ち、内閣として緊張感を持って、先送りできない課題に全力で取り組み、国民の信頼回復に努めてまいります。
インボイス制度についてお尋ねがありました。
インボイス制度については、軽減税率の導入が決まった際、その導入から更に四年間の準備期間を経た上で開始する旨が法律で定められており、この法律の規定に基づいて本年十月から開始されたものです。
政府としては、これまでも、その円滑な導入と定着に向け、税制上の特例措置や各種補助金など、事業者の立場に立って様々な支援を行ってきたところです。引き続き、政府一丸となって、制度の施行状況等をフォローアップするとともに、事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。
所信表明演説の、結果をお示ししてきたとの発言についてお尋ねがありました。
政権発足から二年、何十年に一度と言われる事案が次々と直面する中で、単に議論するだけではなくして、政治の役割として、決断し、結果を出すことを重視してきました。
具体的には、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえ、昨年末に防衛力の抜本的強化のための新たな三文書、閣議決定をし、戦後の安全保障政策を大きく転換いたしました。
また、ロシアによるウクライナ侵略により生じた世界的なエネルギー価格高騰を踏まえ、国による二十兆円規模の大胆な投資を呼び水とした百五十兆円規模のGX投資や、成長志向型カーボンプライシング構想の実現を含むGX実現に向けた基本方針を閣議決定し、エネルギー政策を転換いたしました。
また、若年人口が急減する二〇三〇年代に入るまでが少子化傾向反転のラストチャンスであることを踏まえ、前例のない規模で政策強化を図ったこども未来戦略方針を閣議決定し、当面の集中的な取組を進め、我が国の子供一人当たりの家族関係支出をOECDトップのスウェーデンに達する水準といたします。
このように、時代の変化をつかみ取り、大きな政治的な決断をしてきたことを念頭に、結果をお示ししてきたと演説をいたしました。
個別の政策の具体化に当たっては、可能な限り、目指すべき将来像、スケジュール等を国民に分かりやすく発信をしてまいります。
サービス業の供給力強化についてお尋ねがありました。
人手不足に悩むサービス業だからこそ供給力の強化が重要であり、省人化、省力化投資を始めDXの推進、AIの活用、新しいスキルに対応したリスキリングなどを通じた生産性の向上、これが有効であると考えています。あわせて、賃上げ費用等の価格転嫁の実現が重要であり、政府としてしっかりと支援をしてまいります。
また、ラーメン店などの飲食サービス業を含めた中小・小規模事業者がこうした取組に挑戦することをきめ細かくサポートする相談窓口の体制などの充実に努めてまいります。
それと併せて、こうした供給力の強化の取組が効果を上げるまでの間、エネルギー価格の激変緩和措置や重点支援地方交付金を通じたきめ細やかな支援、また事業者のニーズに合わせた柔軟な資金繰り支援、こうした対策を講じてまいります。
二十歳代の若者向けの支援策についてお尋ねがありました。
若者への支援については、雇用の安定を図り経済的基盤を確保することで将来にわたる展望を描けるようにすることが重要であると考えています。リカレント教育を始めとする学び直しについては、無料の公的職業訓練や教育訓練給付などの施策によって支援をしてまいります。そして、こうした取組に加えて、三位一体の労働市場改革などの生産性を引き上げる構造的な改革を進めることで、若者も含めた持続的な賃上げを実現してまいりたいと考えています。
外国人との共生社会の実現についてお尋ねがありました。
昨年六月、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ、決定をいたしました。これに基づき、具体的には、学校において母語が話せる支援員の配置や翻訳システムなどのICTの活用など、日本語指導に取り組む自治体への支援、また国内外の多文化共生に精通した国際協力推進員等の活動推進、こうした取組など、日本語教育の取組や共生社会の基盤整備を含め、外国人との共生社会の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。
そして、地方創生についてお尋ねがありました。
地方創生については、地方から成長を目指すデジタル田園都市国家構想の下、地方移住や企業の地方移転の推進、デジ田交付金を活用した地方創生に資するリモートワークや転職なき移住の推進など、こうした取組を進めてきました。
こうした取組を更に加速し、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を実現することで東京圏への過度な一極集中の是正を図っていくことが重要なこと、これは言うまでもありません。
このため、観光や農林水産業の振興、また、地域におけるデジタル人材の育成、地域交通の維持確保、そして、御指摘の転職なき移住などの取組、これを更に加速するべく、今後取りまとめる経済対策においても、必要な施策、盛り込むこととしております。
地方こそ日本の宝、底力であるとの強い思いを地方創生を進めることによってしっかりと示していきたいと考えております。拍手
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この発言だけを見る →まず、山田文部科学大臣政務官兼復興大臣政務官の任命責任についてお尋ねがありました。
山田政務官については、昨日、盛山文部科学大臣に対し大臣政務官の職を辞したい旨の申出があったことから、内閣としてこれを承認し、後任に本田顕子参議院議員を充てることを本日決定いたしました。
このような事態に至ったことは誠に遺憾であります。私自身、任命責任を重く受け止めております。私自身、先頭に立ち、内閣として緊張感を持って、先送りできない課題に全力で取り組み、国民の信頼回復に努めてまいります。
インボイス制度についてお尋ねがありました。
インボイス制度については、軽減税率の導入が決まった際、その導入から更に四年間の準備期間を経た上で開始する旨が法律で定められており、この法律の規定に基づいて本年十月から開始されたものです。
政府としては、これまでも、その円滑な導入と定着に向け、税制上の特例措置や各種補助金など、事業者の立場に立って様々な支援を行ってきたところです。引き続き、政府一丸となって、制度の施行状況等をフォローアップするとともに、事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。
所信表明演説の、結果をお示ししてきたとの発言についてお尋ねがありました。
政権発足から二年、何十年に一度と言われる事案が次々と直面する中で、単に議論するだけではなくして、政治の役割として、決断し、結果を出すことを重視してきました。
具体的には、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえ、昨年末に防衛力の抜本的強化のための新たな三文書、閣議決定をし、戦後の安全保障政策を大きく転換いたしました。
また、ロシアによるウクライナ侵略により生じた世界的なエネルギー価格高騰を踏まえ、国による二十兆円規模の大胆な投資を呼び水とした百五十兆円規模のGX投資や、成長志向型カーボンプライシング構想の実現を含むGX実現に向けた基本方針を閣議決定し、エネルギー政策を転換いたしました。
また、若年人口が急減する二〇三〇年代に入るまでが少子化傾向反転のラストチャンスであることを踏まえ、前例のない規模で政策強化を図ったこども未来戦略方針を閣議決定し、当面の集中的な取組を進め、我が国の子供一人当たりの家族関係支出をOECDトップのスウェーデンに達する水準といたします。
このように、時代の変化をつかみ取り、大きな政治的な決断をしてきたことを念頭に、結果をお示ししてきたと演説をいたしました。
個別の政策の具体化に当たっては、可能な限り、目指すべき将来像、スケジュール等を国民に分かりやすく発信をしてまいります。
サービス業の供給力強化についてお尋ねがありました。
人手不足に悩むサービス業だからこそ供給力の強化が重要であり、省人化、省力化投資を始めDXの推進、AIの活用、新しいスキルに対応したリスキリングなどを通じた生産性の向上、これが有効であると考えています。あわせて、賃上げ費用等の価格転嫁の実現が重要であり、政府としてしっかりと支援をしてまいります。
また、ラーメン店などの飲食サービス業を含めた中小・小規模事業者がこうした取組に挑戦することをきめ細かくサポートする相談窓口の体制などの充実に努めてまいります。
それと併せて、こうした供給力の強化の取組が効果を上げるまでの間、エネルギー価格の激変緩和措置や重点支援地方交付金を通じたきめ細やかな支援、また事業者のニーズに合わせた柔軟な資金繰り支援、こうした対策を講じてまいります。
二十歳代の若者向けの支援策についてお尋ねがありました。
若者への支援については、雇用の安定を図り経済的基盤を確保することで将来にわたる展望を描けるようにすることが重要であると考えています。リカレント教育を始めとする学び直しについては、無料の公的職業訓練や教育訓練給付などの施策によって支援をしてまいります。そして、こうした取組に加えて、三位一体の労働市場改革などの生産性を引き上げる構造的な改革を進めることで、若者も含めた持続的な賃上げを実現してまいりたいと考えています。
外国人との共生社会の実現についてお尋ねがありました。
昨年六月、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ、決定をいたしました。これに基づき、具体的には、学校において母語が話せる支援員の配置や翻訳システムなどのICTの活用など、日本語指導に取り組む自治体への支援、また国内外の多文化共生に精通した国際協力推進員等の活動推進、こうした取組など、日本語教育の取組や共生社会の基盤整備を含め、外国人との共生社会の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。
そして、地方創生についてお尋ねがありました。
地方創生については、地方から成長を目指すデジタル田園都市国家構想の下、地方移住や企業の地方移転の推進、デジ田交付金を活用した地方創生に資するリモートワークや転職なき移住の推進など、こうした取組を進めてきました。
こうした取組を更に加速し、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を実現することで東京圏への過度な一極集中の是正を図っていくことが重要なこと、これは言うまでもありません。
このため、観光や農林水産業の振興、また、地域におけるデジタル人材の育成、地域交通の維持確保、そして、御指摘の転職なき移住などの取組、これを更に加速するべく、今後取りまとめる経済対策においても、必要な施策、盛り込むこととしております。
地方こそ日本の宝、底力であるとの強い思いを地方創生を進めることによってしっかりと示していきたいと考えております。拍手
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尾
牧
牧野たかお#19
○牧野たかお君 自由民主党の牧野たかおです。
私は、会派を代表して、岸田総理大臣の所信表明演説について質問をいたします。
ロシアのウクライナへの侵略戦争の長期化に加えて、ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃後の中東地域の情勢の緊迫化など、世界情勢は極めて不安定になっております。
国の最大の責務として日本の国民の命を守り抜くためには、迅速かつ臨機応変な対応が必要ですが、そのためには、あらゆる事態に対処できるよう、平時からしっかりと法整備や環境整備を進めていくことが必要です。
自然災害も同じことが言えます。そこで、国民の命と暮らしを守り抜くという観点から、防災政策について質問をしてまいります。
地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した。今年の国連総会で、グテーレス事務総長は地球沸騰という衝撃的な言葉を使い、危機感を訴えました。その言葉のとおり、近年、世界は異常な高温が招いた災害に襲われ、多くの貴重な生命や生活が失われております。
我が国でも、今年五月から八月にかけての大雨や台風六号、七号の襲来などにより、各地で大きな被害が発生しました。熱中症による国内の緊急搬送数は、八月までで過去最多の平成三十年に次ぐ八万二千人余りとなり、命を落とした方もおられました。
国民の皆様の生命と安全な暮らしを守り抜くことは政府最大の責務であります。抜本的に気候変動対策の加速化を図ることはもちろん、毎年のように我が国を襲う自然災害から命と生活、そしてなりわいをしっかり守り抜くという覚悟と実行が政府に求められていると思います。
そこで、まず、地球沸騰時代における国土強靱化の在り方をどう考えているのか、岸田総理にお伺いいたします。
地球温暖化により、経験のない雨量が一度に、しかも長時間にわたって降る傾向が強まっております。
直近の水害の被害額は五年間の平均で一兆三百二十億円となり、その前の五年間の平均の二・七倍となっております。また、下水道や水路の排水能力を超える豪雨で低い場所に雨がたまって起きる内水氾濫による被害額は全体の三割に達しております。こうしたことから、河川の堤防が決壊して浸水する外水氾濫のみならず、内水氾濫に備えた対策もしっかりと講じていく必要があります。
ソフト面では、浸水想定区域の不断の見直しとハザードマップの更新、そしてハード面では、下水道の雨水の排水能力の増強や、私が国土交通副大臣のときに提案した地方自治体への排水ポンプ車の配備の促進といった対策の加速化が不可欠です。
総理は、昨年、この本会議の場で、国民の生命と財産を守り、災害の被害に遭う方を一人でも減らすため、ハード、ソフト一体となった治水対策を効果的に推進していくと約束されましたが、内水氾濫に対してどのように実効性の高い対策を講じていくお考えでしょうか、伺います。
また、都道府県が管理する一級河川の指定区間や二級河川と市区町村が管理する準用河川は、河川法における河川全体のおよそ九割になりますが、ここ二十年間では、毎年、国管理の河川よりも地方管理の河川での水害の被害額の方が高くなっております。この背景には、国管理の河川に比べて、県や市町村管理の河川は予算の制約が多く、整備水準が低いことにあります。
そこで、地方が管理する河川なども河道掘削や堤防整備などの事業を集中的、計画的に推進できるよう、財政支援を交付金事業から補助金事業に移していくべきだと思いますが、総理にお考えを伺います。
令和元年の房総半島台風では、電柱の損壊などによる大規模な停電が長期にわたり発生しました。また、おととし静岡県の牧之原市で起きたような竜巻による電柱の倒壊も毎年のように起きています。
災害時の停電は、復旧作業への遅れに加え、生活や経済活動にも影響を与えます。電柱や鉄塔は、秒速四十メートルの風圧の荷重にも耐えられる基準に沿って設計されておりますが、現在は、自然災害への強靱性を高めるために、鉄塔については、特殊な地形により発生する突風も考慮することになりました。
しかし、地球沸騰化の時代の中で、凶暴化する自然災害に備えて、無電柱化を図ることが望ましいと思います。電柱倒壊による停電の被害や景観を考えれば、無電柱化の意義は高くなっております。
ただ、無電柱化は、地下に埋める従来の方式ですと、一メートル当たり五十万円から百万円ほどの整備費用が掛かると言われております。加えて、近年、全般的に工事費用が上昇しており、よりコストの低い方法で進めていくことが重要です。
そこで、山の斜面の擁壁部あるいは沿道の側面などに管路を併設する方法など、いわゆる地上配線などのコスト縮減に向けた取組により、無電柱化をどう進めていくお考えなのか、斉藤国土交通大臣にお尋ねいたします。
今年六月、台風二号や梅雨前線による大雨により、東京―名古屋間で新幹線は半日以上運休し、多数の利用客が足止めされました。東海道新幹線は、一日当たり三十六万人、年間一億三千万人を運ぶ高速の大量交通手段です。世界有数のメガロポリスを支える新幹線の代替交通手段の確保は、我が国の国土の構造上、極めて重要な課題です。
このため、東京と大阪の間を六十分余りで結ぶリニア中央新幹線の早期開通が待たれます。確かに、リニア中央新幹線は、JRという民間企業の事業ですが、国土強靱化や地方創生といった高い公共性のある事業でもあります。
今月、リニア新幹線の建設工事で初のトンネルが貫通しましたが、静岡工区は、大井川の水資源への影響や、南アルプスの環境保全をめぐる県とJR東海の主張がかみ合わず、いまだ工事着工の見通しが見えません。先週金曜日に、リニア中央新幹線開通に伴う東海道新幹線の利便性向上の調査結果を国土交通省が公表したことは、静岡県にも大きなメリットをもたらすことを示したと思いますが、まだ先行きは見えておりません。
そこで、リニア中央新幹線の建設の工事が進むよう、課題の解決と、リニアと新幹線を一体とした地方創生に向けて、国として大きく動き出すときだと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
次に、当面の経済対策と中長期的な経済政策について質問してまいります。
ロシアによるウクライナ侵略などを背景に、エネルギー価格は大きく跳ね上がり、主要国では国民生活の防衛のために価格高騰の抑制策を講じました。
我が国でも、ガソリン代は昨年一月から、そして電気・ガス代は今年一月から激変緩和策を開始し、G7主要国が終了した後も継続しております。これらの激変緩和策は、価格自体を直接下げることから即効性がありますし、輸送コストの低下などにより物価全体の極端な高騰を抑えていると思います。
今年九月に激変緩和策を継続、拡充したことで十月のガソリン価格は二か月ぶりに百七十円台に下がっておりますが、緩和策がなければガソリン価格は二百円を超えており、しかも、中東の紛争によって原油価格の先行きは不透明感を増しております。このため、この先のガソリン代や電気・ガス代への激変緩和策を考えるには、今後の価格動向や国民各層への影響の度合いを十分に踏まえる必要があります。
ガソリン代、電気・ガス代、そして食料などの支出が収入に占める割合を見ると、所得の最も低い層では収入の半分近くにも達しますが、所得の最も高い層は一〇%にすぎません。また、地方圏は、大都市圏と比べますと、マイカーを利用せざるを得ない面があり、一世帯当たりのガソリンの支出額は、人口五万人未満の市町村では大都市の二・六倍にもなります。
そこで、現在の対策の迅速性を評価した上で、生活困窮世帯や自家用車に頼らざるを得ない地域で暮らす方々への直接的な支援の強化など、今後の緩和策の在り方をどのようにお考えでしょうか、総理にお伺いいたします。
戦後、我が国が高度経済成長を成し遂げ、世界有数の経済大国になったのは、教育水準の高い分厚い中間層を形成し、自律的な経済成長と安定した雇用を長い間維持できたからです。
今の日本の全世帯を五等分し、真ん中の三つの層の合計を中間層とすると、その割合は五七%と、G7の国の中で最も高くなっております。しかし、残念ながら、三十代後半から四十代前半の所得分布における真ん中の値は低下傾向にあり、ゆとりを実感できていません。
やはり、消費拡大や自律的な経済成長へと結び付けていくには、分厚い中間層が形成される政策を進めていくことが必要です。
その一つとして、中間層の方々が物価上昇に負けない手取り収入を実感できるまで所得税率や控除を見直すことも一つの考えです。同時に、一定以下の配当所得に対しては、現行二〇%の源泉分離課税の税率を下げる一方で、一定以上の配当所得の課税は段階的に上げることも考えてはどうでしょうか。
中間層の所得が上昇し、消費や投資が活性化すれば、企業活動はより活発になります。そして、結果的にあらゆる層に成長の恩恵が浸透していきます。
総理のおっしゃる成長型経済への変革のための中長期の方策として、中間層以下の所得の底上げについて総理のお考えを伺います。
大企業と異なり、中小企業・小規模事業者の従業員一人が生産によって生み出す価値、いわゆる一人当たりの実質付加価値は、二〇〇〇年代前半以降ほとんど伸びておりません。この状況を変えるには、アナログ業務のデジタル化やペーパーレス化、それに加えて、業務のプロセスの見直しに取り組み、定着化する必要があります。
しかし、それぞれの企業の実態から乖離した計画書やデジタル機器の取りあえずの導入といった画一的な取組への支援では、中小企業や小規模事業者の真のデジタル化を実現することはできません。中小企業と小規模事業者の経営者や従業員がしっかりとIT化を理解し、事業所の中でデジタル化が当たり前になるまで不安や悩みに寄り添う伴走型の支援であることが大切です。
そこで、今後、策定される総合経済対策を含めて、中小・小規模事業者の生産性の向上とその定着に向けて、より実効性のある支援策をどのように展開していくのか、総理にお伺いいたします。
日本の家計金融資産は二千兆円を超えていますが、その半分以上が現金と預金であり、株式や投資信託はおよそ一四%にすぎません。一方、米国は株式、投資信託が五〇%以上で、資産形成に積極的な運用となっております。この差が家計金融資産の拡大率の違いの要因となっていることから、中間所得層の家計金融資産の拡大に向けては、NISAなどの更なる拡充や、株式や金融商品に安心して投資できる環境の整備が大切です。
しかし、最近、ある銀行は、手数料を稼ぐために、顧客の投資経験や知識を十分に確認することもなく、複雑な仕組みで元本割れのリスクのある金融商品を売り、金融庁から業務改善命令を受けています。このようなことが続けば、総理のおっしゃる資産運用立国の実現は難しいと思います。
そこで、資産運用が健全な形で根付くために投資政策と投資家保護をどう進めていくべきか、総理のお考えを伺います。
続いて、食料安全保障の観点から伺ってまいります。
世界各地で相次ぐ異常な高温や熱波、そして大雨は、干ばつや水害を引き起こし、農作物の生産に大きな影響を与えており、今年、国内でも各地で農作物に異変が起きております。
しかも、地球温暖化に加えて、ロシアによるウクライナ侵略といった暴挙が発生すると、食料供給の不安定化は更に拡大しかねません。ましてや、カロリーベースで三八%の食料自給率の低い我が国では、ほかの国々より一層致命的な問題になります。
厳しさを増す安全保障環境を踏まえながら、地球沸騰時代における生産環境の変化と自然災害の激甚化といった深刻な問題を直視した上で、まずは我が国の食料の確保をどう考えていらっしゃるのか、総理に伺います。
原材料やエネルギーの高騰などにより、農林水産事業者もコストの転嫁に苦しんでおります。
昨年末に行われた生産段階の価格転嫁の状況に関する調査では、五五%が転嫁できていないと回答しております。この背景には、農林水産物の価格が売手と買手の需給のバランスによって決まる要素が多く、生産者は生産資材などの高騰分を簡単に転嫁できないという事情があります。
このような状況が続けば農林水産事業者は生産活動から離れざるを得なくなり、我が国の食料安全保障が崩壊しかねません。
国内の食料の供給を守るには、消費者や食品産業、外食、小売業界などの理解を得ながら、農林水産事業者が生産活動を継続できる適正な利潤を確保していくことが不可欠だと思いますが、総理のお考えを伺います。
少子化問題同様、これから数年が我が国の農林水産業の行く末を決める重要な時期となります。
農林水産事業者の高齢化や担い手不足、そして、利益が出ないことからの耕作放棄地の増加といった生産基盤の弱体化や、農作物に不可欠なリンや尿素の特定の国への依存などの課題が山積しております。この厳しい状況の中で、国民に食料を供給し続けることができる農林水産業をどのようにして残していけばいいのでしょうか。
国と国民を守り抜くという観点から、政府を挙げて議論を進め、二十年後、三十年後を見据えた上で、持続可能な基盤を持った農林水産業を実現する将来のビジョンを示すことが極めて大切だと思います。総理の覚悟を伺います。
今月五日、二回目のALPS処理水の海洋放出が計画どおり始まりました。本年七月、国際原子力機関、IAEAは、処理水の海洋放出について、計画の安全性を検証した結果、国際的な安全基準に合致すると公表しています。先月十一日に終了した第一回の放出も、モニタリングの結果から安全性は確認されています。
六十二種類の放射性物質を除去する設備であるALPSは、全く問題のないレベルまで放射性物質を取り除きます。ただ、水素と兄弟元素であるトリチウムは、水の分子を構成するため、普通の水と分離されずにそのまま残りますが、その放射能は極めて弱く、海洋放出が世界的に認められております。米国の科学専門誌も、先頃、世界中の原子力施設でトリチウムを含む排水を海洋放出するのが一般的な慣行とする論文を掲載しました。
実際、福島第一原発から放出される処理水に含まれるトリチウムは年間二十二兆ベクレルで、中国の秦山第三原発の年間二百十八兆ベクレルや陽江原発の年間百十二兆ベクレルよりかなり少ない量です。それにもかかわらず、中国やロシア、北朝鮮は、いわれなき反論を繰り返しております。
我が国は、あらゆる機会に海洋放出の安全性を科学的に世界に説明してきましたが、今後さらに、国を挙げて、中国などに科学的根拠に基づく対応を求めていくべきです。総理のお考えを伺います。
また、中国やロシアによる水産物の輸入停止措置の即時撤廃を求めるとともに、水産業者らが被る損害の軽減への万全の措置が大切だと思いますが、この点についても総理のお考えを伺います。
最後に、地方の再生、そして再生からの地方創生の実現について伺っていきます。
人口減少が進むと、相対的に住民一人に係る行政コストの負担が重くなる傾向にあり、地方財政の困窮の度合いが強まります。しかも、高齢化に伴う社会福祉サービスの需要の増加や、更新時期を迎えたインフラへの対応などの負担も大きくなります。ですから、これから市町村の行政コストの効率化と縮減が不可欠だと思います。
しかし、我が国の地方自治体は、社会的、歴史的、文化的に一体感が強く、住民の間に根付いています。コスト縮減の観点だけで再編を急いで決めることは困難だと思います。
まずは、デジタル化などによる行政の効率化の加速が大切です。既に政府は、対面の講習やフロッピーディスクなどの記録媒体の提出などのデジタル化の妨げとなる規制を見直した場合、およそ二兆九千億円のコスト削減の効果が見込まれて、二十五万人相当の人手不足の解消につながると分析しています。
今回のデジタル行財政改革でも、マイナンバーの利用促進を土台として、交通や防災など七つの分野での改革、あるいは国と地方のデジタル基盤の統一化、共通化などが加速されるものと期待していますが、マイナンバー制度やマイナンバーカードの普及などによって、更にどのように地方自治体の行政コストの軽減と効率化を進めていくおつもりなのか、総理に伺います。
東京都は、食料自給率が〇・四九%以下、自前の発電量も〇・七%弱であり、他の道府県から支えが不可欠でありますが、地方から東京への人口流入は止まりません。大都市圏への人口移動は、大学進学や卒業後の就職が大きなきっかけです。仮に、求める仕事の選択が地方にあれば、大都市圏の一極集中と人口偏在の流れは変わるはずです。
台湾の半導体メーカーであるTSMCが工場建設を進めている熊本県菊陽町は、元々半導体関連の企業の立地が盛んでありましたが、令和二年の国勢調査人口は、前回からおよそ二千四百人増え、五・七%も伸びています。一人当たりの所得も県平均を上回っています。静岡県で最も人口が増えている袋井市は、大手企業の誘致に成功し、その豊かな財政を生かして子育て環境の充実を図っています。やはり、地方創生には、働く場があり、そこから経済の循環が巻き起こることが大切です。
そこで、交通物流網の整備を図りながら、各産業の地方立地を進めることで働く場の創出を図るべきだと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
人口減少やマイカーへのシフトによる長期的な利用者の落ち込み、さらには、コロナ禍の直撃により、地域交通は大変厳しい状況に直面しております。
本年、ローカル鉄道については、事業者や自治体の要請を受け、国が再構築協議会を設置し、地域に適した交通手段を話し合い、鉄道からバスなどへ転換する場合でも財政支援をする仕組みができました。
ただ、乗り合いバスも、人手不足で運転手の確保が難しく、厳しい状況にあります。このため、乗り合いバスの便数の減少あるいは路線の廃止が増えており、通勤や通学、それに通院が著しく不便になったという声が各地で出ております。
このままでは、地域から鉄道もバスもなくなり、移動の自由が制限されて、生活が成り立たなくなり、地域の人口流出や地域の消滅に直結しかねません。
乗り合いバスはもちろん、住民の足である地方鉄道の路線についても、民間や沿線自治体任せではなく、地方の意見をしっかりと国政に反映させ、国の責任で取り組む必要があると考えます。この点を総理にお伺いいたします。
環境の変化が加速度的に増す時代にあっては、企業は、多様な能力や特性を最大限に生かすことが生き残りの条件です。
同様に、我が国の持続的な発展を実現するためには、全国各地が持つ多様性を生かしていくことが極めて重要です。もし、人口減少などにより地方の活力が失われ、多様性が喪失するようなことがあれば、日本の可能性は縮小していくだけです。多様な地方があってこそ、我が国の未来は輝いていくと思います。
このような考えで、地方創生を実現し、日本の持続的発展を成し遂げるべきではないでしょうか。最後に、この点について、総理にお考えをお伺いいたします。
今、多くの人たちが国内外の厳しい現実に直面し、未来への希望を失いつつあります。総理は、所信表明演説の最後に、明日は今日より良くなると信じられる時代を実現すると述べられました。この言葉こそ、今、政治に一番求められていることだと思います。
岸田総理の力強いリーダーシップを心から御期待申し上げ、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、会派を代表して、岸田総理大臣の所信表明演説について質問をいたします。
ロシアのウクライナへの侵略戦争の長期化に加えて、ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃後の中東地域の情勢の緊迫化など、世界情勢は極めて不安定になっております。
国の最大の責務として日本の国民の命を守り抜くためには、迅速かつ臨機応変な対応が必要ですが、そのためには、あらゆる事態に対処できるよう、平時からしっかりと法整備や環境整備を進めていくことが必要です。
自然災害も同じことが言えます。そこで、国民の命と暮らしを守り抜くという観点から、防災政策について質問をしてまいります。
地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した。今年の国連総会で、グテーレス事務総長は地球沸騰という衝撃的な言葉を使い、危機感を訴えました。その言葉のとおり、近年、世界は異常な高温が招いた災害に襲われ、多くの貴重な生命や生活が失われております。
我が国でも、今年五月から八月にかけての大雨や台風六号、七号の襲来などにより、各地で大きな被害が発生しました。熱中症による国内の緊急搬送数は、八月までで過去最多の平成三十年に次ぐ八万二千人余りとなり、命を落とした方もおられました。
国民の皆様の生命と安全な暮らしを守り抜くことは政府最大の責務であります。抜本的に気候変動対策の加速化を図ることはもちろん、毎年のように我が国を襲う自然災害から命と生活、そしてなりわいをしっかり守り抜くという覚悟と実行が政府に求められていると思います。
そこで、まず、地球沸騰時代における国土強靱化の在り方をどう考えているのか、岸田総理にお伺いいたします。
地球温暖化により、経験のない雨量が一度に、しかも長時間にわたって降る傾向が強まっております。
直近の水害の被害額は五年間の平均で一兆三百二十億円となり、その前の五年間の平均の二・七倍となっております。また、下水道や水路の排水能力を超える豪雨で低い場所に雨がたまって起きる内水氾濫による被害額は全体の三割に達しております。こうしたことから、河川の堤防が決壊して浸水する外水氾濫のみならず、内水氾濫に備えた対策もしっかりと講じていく必要があります。
ソフト面では、浸水想定区域の不断の見直しとハザードマップの更新、そしてハード面では、下水道の雨水の排水能力の増強や、私が国土交通副大臣のときに提案した地方自治体への排水ポンプ車の配備の促進といった対策の加速化が不可欠です。
総理は、昨年、この本会議の場で、国民の生命と財産を守り、災害の被害に遭う方を一人でも減らすため、ハード、ソフト一体となった治水対策を効果的に推進していくと約束されましたが、内水氾濫に対してどのように実効性の高い対策を講じていくお考えでしょうか、伺います。
また、都道府県が管理する一級河川の指定区間や二級河川と市区町村が管理する準用河川は、河川法における河川全体のおよそ九割になりますが、ここ二十年間では、毎年、国管理の河川よりも地方管理の河川での水害の被害額の方が高くなっております。この背景には、国管理の河川に比べて、県や市町村管理の河川は予算の制約が多く、整備水準が低いことにあります。
そこで、地方が管理する河川なども河道掘削や堤防整備などの事業を集中的、計画的に推進できるよう、財政支援を交付金事業から補助金事業に移していくべきだと思いますが、総理にお考えを伺います。
令和元年の房総半島台風では、電柱の損壊などによる大規模な停電が長期にわたり発生しました。また、おととし静岡県の牧之原市で起きたような竜巻による電柱の倒壊も毎年のように起きています。
災害時の停電は、復旧作業への遅れに加え、生活や経済活動にも影響を与えます。電柱や鉄塔は、秒速四十メートルの風圧の荷重にも耐えられる基準に沿って設計されておりますが、現在は、自然災害への強靱性を高めるために、鉄塔については、特殊な地形により発生する突風も考慮することになりました。
しかし、地球沸騰化の時代の中で、凶暴化する自然災害に備えて、無電柱化を図ることが望ましいと思います。電柱倒壊による停電の被害や景観を考えれば、無電柱化の意義は高くなっております。
ただ、無電柱化は、地下に埋める従来の方式ですと、一メートル当たり五十万円から百万円ほどの整備費用が掛かると言われております。加えて、近年、全般的に工事費用が上昇しており、よりコストの低い方法で進めていくことが重要です。
そこで、山の斜面の擁壁部あるいは沿道の側面などに管路を併設する方法など、いわゆる地上配線などのコスト縮減に向けた取組により、無電柱化をどう進めていくお考えなのか、斉藤国土交通大臣にお尋ねいたします。
今年六月、台風二号や梅雨前線による大雨により、東京―名古屋間で新幹線は半日以上運休し、多数の利用客が足止めされました。東海道新幹線は、一日当たり三十六万人、年間一億三千万人を運ぶ高速の大量交通手段です。世界有数のメガロポリスを支える新幹線の代替交通手段の確保は、我が国の国土の構造上、極めて重要な課題です。
このため、東京と大阪の間を六十分余りで結ぶリニア中央新幹線の早期開通が待たれます。確かに、リニア中央新幹線は、JRという民間企業の事業ですが、国土強靱化や地方創生といった高い公共性のある事業でもあります。
今月、リニア新幹線の建設工事で初のトンネルが貫通しましたが、静岡工区は、大井川の水資源への影響や、南アルプスの環境保全をめぐる県とJR東海の主張がかみ合わず、いまだ工事着工の見通しが見えません。先週金曜日に、リニア中央新幹線開通に伴う東海道新幹線の利便性向上の調査結果を国土交通省が公表したことは、静岡県にも大きなメリットをもたらすことを示したと思いますが、まだ先行きは見えておりません。
そこで、リニア中央新幹線の建設の工事が進むよう、課題の解決と、リニアと新幹線を一体とした地方創生に向けて、国として大きく動き出すときだと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
次に、当面の経済対策と中長期的な経済政策について質問してまいります。
ロシアによるウクライナ侵略などを背景に、エネルギー価格は大きく跳ね上がり、主要国では国民生活の防衛のために価格高騰の抑制策を講じました。
我が国でも、ガソリン代は昨年一月から、そして電気・ガス代は今年一月から激変緩和策を開始し、G7主要国が終了した後も継続しております。これらの激変緩和策は、価格自体を直接下げることから即効性がありますし、輸送コストの低下などにより物価全体の極端な高騰を抑えていると思います。
今年九月に激変緩和策を継続、拡充したことで十月のガソリン価格は二か月ぶりに百七十円台に下がっておりますが、緩和策がなければガソリン価格は二百円を超えており、しかも、中東の紛争によって原油価格の先行きは不透明感を増しております。このため、この先のガソリン代や電気・ガス代への激変緩和策を考えるには、今後の価格動向や国民各層への影響の度合いを十分に踏まえる必要があります。
ガソリン代、電気・ガス代、そして食料などの支出が収入に占める割合を見ると、所得の最も低い層では収入の半分近くにも達しますが、所得の最も高い層は一〇%にすぎません。また、地方圏は、大都市圏と比べますと、マイカーを利用せざるを得ない面があり、一世帯当たりのガソリンの支出額は、人口五万人未満の市町村では大都市の二・六倍にもなります。
そこで、現在の対策の迅速性を評価した上で、生活困窮世帯や自家用車に頼らざるを得ない地域で暮らす方々への直接的な支援の強化など、今後の緩和策の在り方をどのようにお考えでしょうか、総理にお伺いいたします。
戦後、我が国が高度経済成長を成し遂げ、世界有数の経済大国になったのは、教育水準の高い分厚い中間層を形成し、自律的な経済成長と安定した雇用を長い間維持できたからです。
今の日本の全世帯を五等分し、真ん中の三つの層の合計を中間層とすると、その割合は五七%と、G7の国の中で最も高くなっております。しかし、残念ながら、三十代後半から四十代前半の所得分布における真ん中の値は低下傾向にあり、ゆとりを実感できていません。
やはり、消費拡大や自律的な経済成長へと結び付けていくには、分厚い中間層が形成される政策を進めていくことが必要です。
その一つとして、中間層の方々が物価上昇に負けない手取り収入を実感できるまで所得税率や控除を見直すことも一つの考えです。同時に、一定以下の配当所得に対しては、現行二〇%の源泉分離課税の税率を下げる一方で、一定以上の配当所得の課税は段階的に上げることも考えてはどうでしょうか。
中間層の所得が上昇し、消費や投資が活性化すれば、企業活動はより活発になります。そして、結果的にあらゆる層に成長の恩恵が浸透していきます。
総理のおっしゃる成長型経済への変革のための中長期の方策として、中間層以下の所得の底上げについて総理のお考えを伺います。
大企業と異なり、中小企業・小規模事業者の従業員一人が生産によって生み出す価値、いわゆる一人当たりの実質付加価値は、二〇〇〇年代前半以降ほとんど伸びておりません。この状況を変えるには、アナログ業務のデジタル化やペーパーレス化、それに加えて、業務のプロセスの見直しに取り組み、定着化する必要があります。
しかし、それぞれの企業の実態から乖離した計画書やデジタル機器の取りあえずの導入といった画一的な取組への支援では、中小企業や小規模事業者の真のデジタル化を実現することはできません。中小企業と小規模事業者の経営者や従業員がしっかりとIT化を理解し、事業所の中でデジタル化が当たり前になるまで不安や悩みに寄り添う伴走型の支援であることが大切です。
そこで、今後、策定される総合経済対策を含めて、中小・小規模事業者の生産性の向上とその定着に向けて、より実効性のある支援策をどのように展開していくのか、総理にお伺いいたします。
日本の家計金融資産は二千兆円を超えていますが、その半分以上が現金と預金であり、株式や投資信託はおよそ一四%にすぎません。一方、米国は株式、投資信託が五〇%以上で、資産形成に積極的な運用となっております。この差が家計金融資産の拡大率の違いの要因となっていることから、中間所得層の家計金融資産の拡大に向けては、NISAなどの更なる拡充や、株式や金融商品に安心して投資できる環境の整備が大切です。
しかし、最近、ある銀行は、手数料を稼ぐために、顧客の投資経験や知識を十分に確認することもなく、複雑な仕組みで元本割れのリスクのある金融商品を売り、金融庁から業務改善命令を受けています。このようなことが続けば、総理のおっしゃる資産運用立国の実現は難しいと思います。
そこで、資産運用が健全な形で根付くために投資政策と投資家保護をどう進めていくべきか、総理のお考えを伺います。
続いて、食料安全保障の観点から伺ってまいります。
世界各地で相次ぐ異常な高温や熱波、そして大雨は、干ばつや水害を引き起こし、農作物の生産に大きな影響を与えており、今年、国内でも各地で農作物に異変が起きております。
しかも、地球温暖化に加えて、ロシアによるウクライナ侵略といった暴挙が発生すると、食料供給の不安定化は更に拡大しかねません。ましてや、カロリーベースで三八%の食料自給率の低い我が国では、ほかの国々より一層致命的な問題になります。
厳しさを増す安全保障環境を踏まえながら、地球沸騰時代における生産環境の変化と自然災害の激甚化といった深刻な問題を直視した上で、まずは我が国の食料の確保をどう考えていらっしゃるのか、総理に伺います。
原材料やエネルギーの高騰などにより、農林水産事業者もコストの転嫁に苦しんでおります。
昨年末に行われた生産段階の価格転嫁の状況に関する調査では、五五%が転嫁できていないと回答しております。この背景には、農林水産物の価格が売手と買手の需給のバランスによって決まる要素が多く、生産者は生産資材などの高騰分を簡単に転嫁できないという事情があります。
このような状況が続けば農林水産事業者は生産活動から離れざるを得なくなり、我が国の食料安全保障が崩壊しかねません。
国内の食料の供給を守るには、消費者や食品産業、外食、小売業界などの理解を得ながら、農林水産事業者が生産活動を継続できる適正な利潤を確保していくことが不可欠だと思いますが、総理のお考えを伺います。
少子化問題同様、これから数年が我が国の農林水産業の行く末を決める重要な時期となります。
農林水産事業者の高齢化や担い手不足、そして、利益が出ないことからの耕作放棄地の増加といった生産基盤の弱体化や、農作物に不可欠なリンや尿素の特定の国への依存などの課題が山積しております。この厳しい状況の中で、国民に食料を供給し続けることができる農林水産業をどのようにして残していけばいいのでしょうか。
国と国民を守り抜くという観点から、政府を挙げて議論を進め、二十年後、三十年後を見据えた上で、持続可能な基盤を持った農林水産業を実現する将来のビジョンを示すことが極めて大切だと思います。総理の覚悟を伺います。
今月五日、二回目のALPS処理水の海洋放出が計画どおり始まりました。本年七月、国際原子力機関、IAEAは、処理水の海洋放出について、計画の安全性を検証した結果、国際的な安全基準に合致すると公表しています。先月十一日に終了した第一回の放出も、モニタリングの結果から安全性は確認されています。
六十二種類の放射性物質を除去する設備であるALPSは、全く問題のないレベルまで放射性物質を取り除きます。ただ、水素と兄弟元素であるトリチウムは、水の分子を構成するため、普通の水と分離されずにそのまま残りますが、その放射能は極めて弱く、海洋放出が世界的に認められております。米国の科学専門誌も、先頃、世界中の原子力施設でトリチウムを含む排水を海洋放出するのが一般的な慣行とする論文を掲載しました。
実際、福島第一原発から放出される処理水に含まれるトリチウムは年間二十二兆ベクレルで、中国の秦山第三原発の年間二百十八兆ベクレルや陽江原発の年間百十二兆ベクレルよりかなり少ない量です。それにもかかわらず、中国やロシア、北朝鮮は、いわれなき反論を繰り返しております。
我が国は、あらゆる機会に海洋放出の安全性を科学的に世界に説明してきましたが、今後さらに、国を挙げて、中国などに科学的根拠に基づく対応を求めていくべきです。総理のお考えを伺います。
また、中国やロシアによる水産物の輸入停止措置の即時撤廃を求めるとともに、水産業者らが被る損害の軽減への万全の措置が大切だと思いますが、この点についても総理のお考えを伺います。
最後に、地方の再生、そして再生からの地方創生の実現について伺っていきます。
人口減少が進むと、相対的に住民一人に係る行政コストの負担が重くなる傾向にあり、地方財政の困窮の度合いが強まります。しかも、高齢化に伴う社会福祉サービスの需要の増加や、更新時期を迎えたインフラへの対応などの負担も大きくなります。ですから、これから市町村の行政コストの効率化と縮減が不可欠だと思います。
しかし、我が国の地方自治体は、社会的、歴史的、文化的に一体感が強く、住民の間に根付いています。コスト縮減の観点だけで再編を急いで決めることは困難だと思います。
まずは、デジタル化などによる行政の効率化の加速が大切です。既に政府は、対面の講習やフロッピーディスクなどの記録媒体の提出などのデジタル化の妨げとなる規制を見直した場合、およそ二兆九千億円のコスト削減の効果が見込まれて、二十五万人相当の人手不足の解消につながると分析しています。
今回のデジタル行財政改革でも、マイナンバーの利用促進を土台として、交通や防災など七つの分野での改革、あるいは国と地方のデジタル基盤の統一化、共通化などが加速されるものと期待していますが、マイナンバー制度やマイナンバーカードの普及などによって、更にどのように地方自治体の行政コストの軽減と効率化を進めていくおつもりなのか、総理に伺います。
東京都は、食料自給率が〇・四九%以下、自前の発電量も〇・七%弱であり、他の道府県から支えが不可欠でありますが、地方から東京への人口流入は止まりません。大都市圏への人口移動は、大学進学や卒業後の就職が大きなきっかけです。仮に、求める仕事の選択が地方にあれば、大都市圏の一極集中と人口偏在の流れは変わるはずです。
台湾の半導体メーカーであるTSMCが工場建設を進めている熊本県菊陽町は、元々半導体関連の企業の立地が盛んでありましたが、令和二年の国勢調査人口は、前回からおよそ二千四百人増え、五・七%も伸びています。一人当たりの所得も県平均を上回っています。静岡県で最も人口が増えている袋井市は、大手企業の誘致に成功し、その豊かな財政を生かして子育て環境の充実を図っています。やはり、地方創生には、働く場があり、そこから経済の循環が巻き起こることが大切です。
そこで、交通物流網の整備を図りながら、各産業の地方立地を進めることで働く場の創出を図るべきだと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
人口減少やマイカーへのシフトによる長期的な利用者の落ち込み、さらには、コロナ禍の直撃により、地域交通は大変厳しい状況に直面しております。
本年、ローカル鉄道については、事業者や自治体の要請を受け、国が再構築協議会を設置し、地域に適した交通手段を話し合い、鉄道からバスなどへ転換する場合でも財政支援をする仕組みができました。
ただ、乗り合いバスも、人手不足で運転手の確保が難しく、厳しい状況にあります。このため、乗り合いバスの便数の減少あるいは路線の廃止が増えており、通勤や通学、それに通院が著しく不便になったという声が各地で出ております。
このままでは、地域から鉄道もバスもなくなり、移動の自由が制限されて、生活が成り立たなくなり、地域の人口流出や地域の消滅に直結しかねません。
乗り合いバスはもちろん、住民の足である地方鉄道の路線についても、民間や沿線自治体任せではなく、地方の意見をしっかりと国政に反映させ、国の責任で取り組む必要があると考えます。この点を総理にお伺いいたします。
環境の変化が加速度的に増す時代にあっては、企業は、多様な能力や特性を最大限に生かすことが生き残りの条件です。
同様に、我が国の持続的な発展を実現するためには、全国各地が持つ多様性を生かしていくことが極めて重要です。もし、人口減少などにより地方の活力が失われ、多様性が喪失するようなことがあれば、日本の可能性は縮小していくだけです。多様な地方があってこそ、我が国の未来は輝いていくと思います。
このような考えで、地方創生を実現し、日本の持続的発展を成し遂げるべきではないでしょうか。最後に、この点について、総理にお考えをお伺いいたします。
今、多くの人たちが国内外の厳しい現実に直面し、未来への希望を失いつつあります。総理は、所信表明演説の最後に、明日は今日より良くなると信じられる時代を実現すると述べられました。この言葉こそ、今、政治に一番求められていることだと思います。
岸田総理の力強いリーダーシップを心から御期待申し上げ、私の質問を終わります。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#20
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 牧野たかお議員の御質問にお答えいたします。
地球沸騰時代における国土強靱化の在り方についてお尋ねがありました。
我が国のみならず、世界各地でこれまで経験したことのない災害が頻発しており、気候変動リスクを前提とした対策を講じていく必要があります。
こうした観点を踏まえ、本年七月に、ハードのみならず、新たにデジタル等の新技術活用や地域力の発揮といったソフトの対応も盛り込んだ新たな国土強靱化基本計画、策定したところです。
この新たな基本計画や、さきの通常国会で改正された国土強靱化基本法に基づき、五か年対策後も、切れ目なく、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に国土強靱化の取組を進め、災害に屈しない国土づくりを進めてまいります。
内水氾濫対策と地方管理河川への財政支援の在り方についてお尋ねがありました。
今年度も、秋田県や福岡県を始め全国各地の中小河川で浸水被害が発生しました。国民の命、財産を守るための浸水対策は喫緊の課題です。
頻発する内水氾濫に対しては、五か年加速化対策も活用し、排水先となる河川の掘削や下水道等の排水能力向上、内水ハザードマップの作成、周知など、ハード、ソフト一体となった流域治水の取組を加速してまいります。
さらに、地方公共団体管理の中小河川の治水対策をより効果的に行うため、大規模放水路の建設などの重点的な取組が必要な事業については、交付金事業から個別補助事業への移行を更に進め、計画的、集中的な整備、これを促進してまいります。
リニア中央新幹線についてお尋ねがありました。
リニア中央新幹線は、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を一つの圏域とする日本中央回廊を形成して日本経済を牽引するとともに、東海道新幹線とのダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図るものであり、国土形成計画及び国土強靱化基本計画等に位置付けられた国家プロジェクトです。開業後六十年目を迎える東海道新幹線の大規模改修を行うためにも、また大雨や地震、火災による運休の影響を最小化するためにも、リニア中央新幹線の一日も早い開業に向けて取り組むことが重要であると考えています。
御指摘の静岡工区については、大井川の水資源及び南アルプスの環境保全に関する国の有識者会議において、対策を講ずることにより課題解決が図られる旨の取りまとめが行われました。さらに、リニアが大阪まで開業されることで、静岡県内の駅における東海道新幹線の停車回数の増加により、沿線地域への経済波及効果と雇用効果が見込まれるとする調査結果を公表しました。
今後とも、関係者に丁寧に説明するとともに、名古屋―大阪間の環境アセスの年内着手を目指すなど、リニアの早期整備に向けた環境を整え、一日も早い開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、丁寧に取り組んでまいります。
エネルギーの激変緩和措置等についてお尋ねがありました。
燃料油の激変緩和事業については、九月に、年内の緊急措置として、全国平均でリッター百七十五円をガソリン価格の実質的な上限とするための補助を拡大しました。この措置を電気・都市ガス料金の激変緩和措置と併せて来年春まで継続することとします。また、国として、地方自治体が御指摘のような地域の実情を踏まえて生活者等をきめ細かく支援するための重点支援地方交付金を措置していますが、経済対策においてこれを追加してまいります。
エネルギーを始めとする物価高から国民生活を守るため、引き続き全力を尽くしてまいります。
中間層以下の所得の底上げについてお尋ねがありました。
岸田内閣では、賃上げの流れの維持拡大を図り、中小企業が賃上げできる環境の整備に取り組んでいるほか、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の徹底等を通じて非正規雇用労働者の処遇改善、促しています。税制面でも、NISAの抜本的拡充、恒久化を行うなど、分厚い中間層の復活に向けた取組を進めてまいりましたが、更に賃上げ税制の強化に取り組みます。
加えて、我が国経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。デフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担の軽減、負担の緩和を図ることを検討してまいります。
中小・小規模事業者の生産性の向上についてお尋ねがありました。
コロナ禍で苦しかった三年間を乗り越え、経済状況は全体として改善しつつありますが、多くの中小企業は、人手不足、エネルギーコストの上昇、物価高等の共通の経営課題に直面しています。
こうした課題を乗り越えるため、売上げ拡大や生産性向上など、経営者の挑戦を後押しするための支援を着実に進めるとともに、今後取りまとめる新たな経済対策において省人化、省力化投資の支援措置を強化してまいります。
資産運用立国に向けた投資政策と投資家保護についてお尋ねがありました。
家計金融資産の半分以上を占める現金、預金が投資に向かい、企業価値向上の恩恵が家計に還元されることで更なる投資や消費につながるという好循環を実現していくためには、御指摘のとおり、適切な金融商品の販売がなされ、家計が安心して投資できる環境を築いていくことが重要です。
こうした観点から、金融商品の販売会社等に対して、顧客の最善の利益を勘案することや金融商品の売買契約の締結前に顧客の知識や経験に応じて契約内容を説明すること、これらを義務付ける法案を今提出しており、これに基づき顧客本位の業務運営を徹底してまいります。同時に、金融経済教育の機会の充実を通じて、国民の金融リテラシーの向上を図ってまいります。
その上で、魅力的な金融商品が家計を始めとする投資家に提供される環境を目指して、資産運用立国に関する政策プランを年内に策定し、資産運用業とアセットオーナーシップの改革、断行してまいります。
我が国における食料の確保についてお尋ねがありました。
気候変動や自然災害の多発、激化による世界的な食料生産の不安定化、世界人口の増加に伴う食料需要の拡大、さらに、ウクライナ情勢を受けたサプライチェーンの混乱等により世界規模の食料危機が生じ、食料や肥料、飼料の多くを輸入に依存する我が国の食料安全保障上のリスクが顕在化しています。
こうした状況を受け、今月十三日に策定した食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージにおいて、小麦、大豆、飼料等の国内生産の拡大や食品原材料の国産切替えに向けた支援など、食料安全保障の強化のために早急に取り組むべき施策を取りまとめました。これらを今般の経済対策に盛り込み、速やかに実行し、実行に移し、国民への食料の安定供給を図るための施策、講じてまいります。
価格転嫁による農林水産事業者の適正な利潤確保についてお尋ねがありました。
燃料、肥料、飼料等の価格が高騰する中、安定的な食料供給を実現していくためには、生産に加え、流通、加工、小売等の各段階を通じた持続可能性を確保していく必要があります。こうしたことから、現在、農林水産省において、これら食料供給を担う各段階の関係者による協議会を設け、適正な価格形成の仕組みを議論しているところです。
今後、この協議会の議論を踏まえつつ、消費者の理解を前提として、農林水産事業者を始め各段階の事業者が食料供給を持続的に行える価格形成の仕組みづくりを進めてまいります。
農林水産業の将来ビジョンについてお尋ねがありました。
我が国の農林水産業は、生産者の減少、高齢化、耕作放棄地の増大等の生産基盤の弱体化、気候変動による生産の不安定化などの課題に直面をしています。
こうした中、人口減少下でも持続可能な食料供給基盤を確保するため、担い手の育成、確保を図りつつ、スマート技術の導入等による生産性の向上と市場拡大に向けた輸出取組等を更に進めることが必要です。
また、食料安全保障の強化の観点から、輸入依存度の高い肥料、飼料等の国内生産の拡大を図るとともに、化学肥料や農薬の使用低減など、環境と調和し、そして持続可能な農林水産業を実現することが重要です。
このような認識の下、農林水産業の持続的発展に向け、長期的視点に立って農政を再構築するべく、食料・農業・農村基本法について、次期通常国会への改正案提出に向けた作業、加速してまいります。
ALPS処理水の海洋放出についてお尋ねがありました。
政府として、ALPS処理水の海洋放出の安全性については国内外に対して透明性高く情報発信を行っており、国際的にも科学的根拠に基づく冷静な対応が広がっていると認識をしています。
一方、一部の国による輸入停止措置は科学的根拠に基づく対応ではなく、あらゆる機会を通じて日本の取組を丁寧に説明し、科学的根拠に基づく対応を求め、措置の即時撤廃、求めていきます。
また、こうした措置から国内水産業を守るため、総額一千七億円の政策パッケージを取りまとめ、国内消費拡大や代替輸出先、販路拡大、国内加工の設備強化支援などに取り組んでいます。今後も、必要に応じて機動的に予算の確保を行うなど、万全の対応を講じてまいります。
マイナンバー制度とマイナンバーカードによる自治体の行政コストの軽減についてお尋ねがありました。
マイナンバーの利用によって、現在、児童手当の申請など、約二千五百の事務において住民票の写しなどの添付書類が省略可能となっています。また、マイナンバーカードの活用によって、引っ越しや子育て、介護に関するオンライン手続やコンビニエンスストアでの証明書の発行が可能となっており、いずれも市区町村窓口への来庁者数の減少による職員の負担軽減や事務処理のデジタル化による効率化を実現しています。
人口減少の下でもこれまで以上に質の高い公共サービスを提供するために、デジタル社会における公的基盤であるマイナンバー制度の利活用を推進し、規制・制度改革等を組み合わせ、利用者起点のデジタル行財政改革に取り組んでまいります。
地方における働く場の創出、地域交通の維持確保など、地方の多様性を生かした地方創生についてお尋ねがありました。
地方から成長を目指すデジタル田園都市国家構想の下、テレワークや移住の推進、企業の更なる地方移転、関係人口の創出、拡大、地方大学、高校の魅力向上や地方大学を核としたイノベーションの創出、スマート農林水産業や観光DXの推進による地方所得の引上げ、デジタル田園都市国家構想交付金による交通物流網の整備支援などの取組を着実に進め、働く場の創出を図ってきました。
さらに、半導体や蓄電池などの戦略産業の投資のほか、観光業や農林水産業の振興、地域におけるデジタル人材の育成などの地方における働く場の確保に向けた取組を更に加速するべく、今後取りまとめる経済対策においても必要な施策を盛り込むこととしております。
また、地域住民の生活や経済活動に不可欠な地域交通は、人口減少等による需要減や運転手等の人手不足により厳しい状況にあります。こうした状況に対し、国においては、デジタルの力も活用し、複数の事業者間、関係者間の連携、協働による地域公共交通のリデザインを進めるため、地域公共交通活性化再生法の改正と予算措置の大幅拡充を行ってきました。特に、ローカル鉄道については、改正法によって、自治体又は鉄道事業者からの要請に基づき、国が再構築協議会を組織し、議論を促進していくことといたしました。
地域交通は、人口減少下であってもデジタルを最大限活用して公共サービスの維持強化を図るデジタル行財政改革の主要分野の一つであり、国として、乗り合いバス、ローカル鉄道を含め、その維持確保に全力を尽くしてまいります。
地方こそ日本の宝、底力であるとの強い思いでこうした取組を総合的に進めることで、全国各地の多様性を生かした地方創生、進めてまいりたいと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →地球沸騰時代における国土強靱化の在り方についてお尋ねがありました。
我が国のみならず、世界各地でこれまで経験したことのない災害が頻発しており、気候変動リスクを前提とした対策を講じていく必要があります。
こうした観点を踏まえ、本年七月に、ハードのみならず、新たにデジタル等の新技術活用や地域力の発揮といったソフトの対応も盛り込んだ新たな国土強靱化基本計画、策定したところです。
この新たな基本計画や、さきの通常国会で改正された国土強靱化基本法に基づき、五か年対策後も、切れ目なく、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に国土強靱化の取組を進め、災害に屈しない国土づくりを進めてまいります。
内水氾濫対策と地方管理河川への財政支援の在り方についてお尋ねがありました。
今年度も、秋田県や福岡県を始め全国各地の中小河川で浸水被害が発生しました。国民の命、財産を守るための浸水対策は喫緊の課題です。
頻発する内水氾濫に対しては、五か年加速化対策も活用し、排水先となる河川の掘削や下水道等の排水能力向上、内水ハザードマップの作成、周知など、ハード、ソフト一体となった流域治水の取組を加速してまいります。
さらに、地方公共団体管理の中小河川の治水対策をより効果的に行うため、大規模放水路の建設などの重点的な取組が必要な事業については、交付金事業から個別補助事業への移行を更に進め、計画的、集中的な整備、これを促進してまいります。
リニア中央新幹線についてお尋ねがありました。
リニア中央新幹線は、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を一つの圏域とする日本中央回廊を形成して日本経済を牽引するとともに、東海道新幹線とのダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図るものであり、国土形成計画及び国土強靱化基本計画等に位置付けられた国家プロジェクトです。開業後六十年目を迎える東海道新幹線の大規模改修を行うためにも、また大雨や地震、火災による運休の影響を最小化するためにも、リニア中央新幹線の一日も早い開業に向けて取り組むことが重要であると考えています。
御指摘の静岡工区については、大井川の水資源及び南アルプスの環境保全に関する国の有識者会議において、対策を講ずることにより課題解決が図られる旨の取りまとめが行われました。さらに、リニアが大阪まで開業されることで、静岡県内の駅における東海道新幹線の停車回数の増加により、沿線地域への経済波及効果と雇用効果が見込まれるとする調査結果を公表しました。
今後とも、関係者に丁寧に説明するとともに、名古屋―大阪間の環境アセスの年内着手を目指すなど、リニアの早期整備に向けた環境を整え、一日も早い開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、丁寧に取り組んでまいります。
エネルギーの激変緩和措置等についてお尋ねがありました。
燃料油の激変緩和事業については、九月に、年内の緊急措置として、全国平均でリッター百七十五円をガソリン価格の実質的な上限とするための補助を拡大しました。この措置を電気・都市ガス料金の激変緩和措置と併せて来年春まで継続することとします。また、国として、地方自治体が御指摘のような地域の実情を踏まえて生活者等をきめ細かく支援するための重点支援地方交付金を措置していますが、経済対策においてこれを追加してまいります。
エネルギーを始めとする物価高から国民生活を守るため、引き続き全力を尽くしてまいります。
中間層以下の所得の底上げについてお尋ねがありました。
岸田内閣では、賃上げの流れの維持拡大を図り、中小企業が賃上げできる環境の整備に取り組んでいるほか、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の徹底等を通じて非正規雇用労働者の処遇改善、促しています。税制面でも、NISAの抜本的拡充、恒久化を行うなど、分厚い中間層の復活に向けた取組を進めてまいりましたが、更に賃上げ税制の強化に取り組みます。
加えて、我が国経済は、三十年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えているとはいえ、現時点では賃金上昇が物価高に追い付いておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。デフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担の軽減、負担の緩和を図ることを検討してまいります。
中小・小規模事業者の生産性の向上についてお尋ねがありました。
コロナ禍で苦しかった三年間を乗り越え、経済状況は全体として改善しつつありますが、多くの中小企業は、人手不足、エネルギーコストの上昇、物価高等の共通の経営課題に直面しています。
こうした課題を乗り越えるため、売上げ拡大や生産性向上など、経営者の挑戦を後押しするための支援を着実に進めるとともに、今後取りまとめる新たな経済対策において省人化、省力化投資の支援措置を強化してまいります。
資産運用立国に向けた投資政策と投資家保護についてお尋ねがありました。
家計金融資産の半分以上を占める現金、預金が投資に向かい、企業価値向上の恩恵が家計に還元されることで更なる投資や消費につながるという好循環を実現していくためには、御指摘のとおり、適切な金融商品の販売がなされ、家計が安心して投資できる環境を築いていくことが重要です。
こうした観点から、金融商品の販売会社等に対して、顧客の最善の利益を勘案することや金融商品の売買契約の締結前に顧客の知識や経験に応じて契約内容を説明すること、これらを義務付ける法案を今提出しており、これに基づき顧客本位の業務運営を徹底してまいります。同時に、金融経済教育の機会の充実を通じて、国民の金融リテラシーの向上を図ってまいります。
その上で、魅力的な金融商品が家計を始めとする投資家に提供される環境を目指して、資産運用立国に関する政策プランを年内に策定し、資産運用業とアセットオーナーシップの改革、断行してまいります。
我が国における食料の確保についてお尋ねがありました。
気候変動や自然災害の多発、激化による世界的な食料生産の不安定化、世界人口の増加に伴う食料需要の拡大、さらに、ウクライナ情勢を受けたサプライチェーンの混乱等により世界規模の食料危機が生じ、食料や肥料、飼料の多くを輸入に依存する我が国の食料安全保障上のリスクが顕在化しています。
こうした状況を受け、今月十三日に策定した食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージにおいて、小麦、大豆、飼料等の国内生産の拡大や食品原材料の国産切替えに向けた支援など、食料安全保障の強化のために早急に取り組むべき施策を取りまとめました。これらを今般の経済対策に盛り込み、速やかに実行し、実行に移し、国民への食料の安定供給を図るための施策、講じてまいります。
価格転嫁による農林水産事業者の適正な利潤確保についてお尋ねがありました。
燃料、肥料、飼料等の価格が高騰する中、安定的な食料供給を実現していくためには、生産に加え、流通、加工、小売等の各段階を通じた持続可能性を確保していく必要があります。こうしたことから、現在、農林水産省において、これら食料供給を担う各段階の関係者による協議会を設け、適正な価格形成の仕組みを議論しているところです。
今後、この協議会の議論を踏まえつつ、消費者の理解を前提として、農林水産事業者を始め各段階の事業者が食料供給を持続的に行える価格形成の仕組みづくりを進めてまいります。
農林水産業の将来ビジョンについてお尋ねがありました。
我が国の農林水産業は、生産者の減少、高齢化、耕作放棄地の増大等の生産基盤の弱体化、気候変動による生産の不安定化などの課題に直面をしています。
こうした中、人口減少下でも持続可能な食料供給基盤を確保するため、担い手の育成、確保を図りつつ、スマート技術の導入等による生産性の向上と市場拡大に向けた輸出取組等を更に進めることが必要です。
また、食料安全保障の強化の観点から、輸入依存度の高い肥料、飼料等の国内生産の拡大を図るとともに、化学肥料や農薬の使用低減など、環境と調和し、そして持続可能な農林水産業を実現することが重要です。
このような認識の下、農林水産業の持続的発展に向け、長期的視点に立って農政を再構築するべく、食料・農業・農村基本法について、次期通常国会への改正案提出に向けた作業、加速してまいります。
ALPS処理水の海洋放出についてお尋ねがありました。
政府として、ALPS処理水の海洋放出の安全性については国内外に対して透明性高く情報発信を行っており、国際的にも科学的根拠に基づく冷静な対応が広がっていると認識をしています。
一方、一部の国による輸入停止措置は科学的根拠に基づく対応ではなく、あらゆる機会を通じて日本の取組を丁寧に説明し、科学的根拠に基づく対応を求め、措置の即時撤廃、求めていきます。
また、こうした措置から国内水産業を守るため、総額一千七億円の政策パッケージを取りまとめ、国内消費拡大や代替輸出先、販路拡大、国内加工の設備強化支援などに取り組んでいます。今後も、必要に応じて機動的に予算の確保を行うなど、万全の対応を講じてまいります。
マイナンバー制度とマイナンバーカードによる自治体の行政コストの軽減についてお尋ねがありました。
マイナンバーの利用によって、現在、児童手当の申請など、約二千五百の事務において住民票の写しなどの添付書類が省略可能となっています。また、マイナンバーカードの活用によって、引っ越しや子育て、介護に関するオンライン手続やコンビニエンスストアでの証明書の発行が可能となっており、いずれも市区町村窓口への来庁者数の減少による職員の負担軽減や事務処理のデジタル化による効率化を実現しています。
人口減少の下でもこれまで以上に質の高い公共サービスを提供するために、デジタル社会における公的基盤であるマイナンバー制度の利活用を推進し、規制・制度改革等を組み合わせ、利用者起点のデジタル行財政改革に取り組んでまいります。
地方における働く場の創出、地域交通の維持確保など、地方の多様性を生かした地方創生についてお尋ねがありました。
地方から成長を目指すデジタル田園都市国家構想の下、テレワークや移住の推進、企業の更なる地方移転、関係人口の創出、拡大、地方大学、高校の魅力向上や地方大学を核としたイノベーションの創出、スマート農林水産業や観光DXの推進による地方所得の引上げ、デジタル田園都市国家構想交付金による交通物流網の整備支援などの取組を着実に進め、働く場の創出を図ってきました。
さらに、半導体や蓄電池などの戦略産業の投資のほか、観光業や農林水産業の振興、地域におけるデジタル人材の育成などの地方における働く場の確保に向けた取組を更に加速するべく、今後取りまとめる経済対策においても必要な施策を盛り込むこととしております。
また、地域住民の生活や経済活動に不可欠な地域交通は、人口減少等による需要減や運転手等の人手不足により厳しい状況にあります。こうした状況に対し、国においては、デジタルの力も活用し、複数の事業者間、関係者間の連携、協働による地域公共交通のリデザインを進めるため、地域公共交通活性化再生法の改正と予算措置の大幅拡充を行ってきました。特に、ローカル鉄道については、改正法によって、自治体又は鉄道事業者からの要請に基づき、国が再構築協議会を組織し、議論を促進していくことといたしました。
地域交通は、人口減少下であってもデジタルを最大限活用して公共サービスの維持強化を図るデジタル行財政改革の主要分野の一つであり、国として、乗り合いバス、ローカル鉄道を含め、その維持確保に全力を尽くしてまいります。
地方こそ日本の宝、底力であるとの強い思いでこうした取組を総合的に進めることで、全国各地の多様性を生かした地方創生、進めてまいりたいと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。拍手
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
斉
斉藤鉄夫#21
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 牧野たかお議員から、無電柱化の推進についてお尋ねがありました。
無電柱化は、防災、安全、円滑な交通確保、景観形成、観光振興を目的に推進している大変重要な施策です。
一方で、コスト等に課題があることから、国土交通省では、限られた予算の中でより効率的に無電柱化を進めるため、管路の直接埋設、電線が入ったパイプを直接道路の下の土に埋めるというものですが、このような手法の普及や埋設する深さの基準の見直しなど、様々な対策を講じているところです。
御指摘の地上配線、その管路を直接地上に固定しておくという方法ですが、現在、実用化に向け、安全性の確保等の観点から検証が進められているところであり、引き続き、このような新たな手法も取り入れながら、無電柱化の推進にしっかりと取り組んでまいります。拍手
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一方で、コスト等に課題があることから、国土交通省では、限られた予算の中でより効率的に無電柱化を進めるため、管路の直接埋設、電線が入ったパイプを直接道路の下の土に埋めるというものですが、このような手法の普及や埋設する深さの基準の見直しなど、様々な対策を講じているところです。
御指摘の地上配線、その管路を直接地上に固定しておくという方法ですが、現在、実用化に向け、安全性の確保等の観点から検証が進められているところであり、引き続き、このような新たな手法も取り入れながら、無電柱化の推進にしっかりと取り組んでまいります。拍手
尾
尾
尾辻秀久#23
○議長(尾辻秀久君) この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
議席第百二十五番、選挙区選出議員、徳島県及び高知県選出、広田一君。
〔広田一君起立、拍手〕
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〔広田一君起立、拍手〕
尾
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