経済産業委員会
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会
会議録情報#0
令和六年三月二十七日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 岡本 三成君
理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 隼人君
理事 松本 洋平君 理事 山下 貴司君
理事 荒井 優君 理事 山岡 達丸君
理事 守島 正君 理事 中野 洋昌君
井原 巧君 石井 拓君
大岡 敏孝君 加藤 竜祥君
金子 容三君 神田 憲次君
木村 次郎君 国光あやの君
鈴木 淳司君 関 芳弘君
冨樫 博之君 中川 貴元君
福田 達夫君 細田 健一君
堀井 学君 宮内 秀樹君
宗清 皇一君 山際大志郎君
山口 晋君 山本 左近君
吉田 真次君 和田 義明君
若林 健太君 大島 敦君
落合 貴之君 小山 展弘君
重徳 和彦君 田嶋 要君
山崎 誠君 市村浩一郎君
小野 泰輔君 山本 剛正君
吉田 宣弘君 笠井 亮君
鈴木 義弘君
…………………………………
経済産業大臣 齋藤 健君
経済産業大臣政務官 石井 拓君
経済産業大臣政務官 吉田 宣弘君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 林 孝浩君
政府参考人
(経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官) 辻本 圭助君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 小林 出君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浦田 秀行君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 西村 秀隆君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 殿木 文明君
政府参考人
(経済産業省産業技術環境局長) 畠山陽二郎君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官) 村瀬 佳史君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 井上 博雄君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 定光 裕樹君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 堀上 勝君
参考人
(公益財団法人深田地質研究所顧問)
(京都大学名誉教授) 松岡 俊文君
参考人
(日本労働組合総連合会総合政策推進局総合局長) 冨田 珠代君
参考人
(日本CCS調査株式会社代表取締役社長) 中島 俊朗君
参考人
(公益財団法人地球環境産業技術研究機構専務理事) 本庄 孝志君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
―――――――――――――
委員の異動
三月二十七日
辞任 補欠選任
国光あやの君 金子 容三君
山際大志郎君 木村 次郎君
同日
辞任 補欠選任
金子 容三君 山本 左近君
木村 次郎君 山口 晋君
同日
辞任 補欠選任
山口 晋君 山際大志郎君
山本 左近君 国光あやの君
―――――――――――――
三月二十七日
岸田政権の新原発推進政策の撤回に関する請願(笠井亮君紹介)(第七一八号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
連合審査会開会申入れに関する件
政府参考人出頭要求に関する件
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(内閣提出第一六号)
二酸化炭素の貯留事業に関する法律案(内閣提出第一七号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 岡本 三成君
理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 隼人君
理事 松本 洋平君 理事 山下 貴司君
理事 荒井 優君 理事 山岡 達丸君
理事 守島 正君 理事 中野 洋昌君
井原 巧君 石井 拓君
大岡 敏孝君 加藤 竜祥君
金子 容三君 神田 憲次君
木村 次郎君 国光あやの君
鈴木 淳司君 関 芳弘君
冨樫 博之君 中川 貴元君
福田 達夫君 細田 健一君
堀井 学君 宮内 秀樹君
宗清 皇一君 山際大志郎君
山口 晋君 山本 左近君
吉田 真次君 和田 義明君
若林 健太君 大島 敦君
落合 貴之君 小山 展弘君
重徳 和彦君 田嶋 要君
山崎 誠君 市村浩一郎君
小野 泰輔君 山本 剛正君
吉田 宣弘君 笠井 亮君
鈴木 義弘君
…………………………………
経済産業大臣 齋藤 健君
経済産業大臣政務官 石井 拓君
経済産業大臣政務官 吉田 宣弘君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 林 孝浩君
政府参考人
(経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官) 辻本 圭助君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 小林 出君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浦田 秀行君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 西村 秀隆君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 殿木 文明君
政府参考人
(経済産業省産業技術環境局長) 畠山陽二郎君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官) 村瀬 佳史君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 井上 博雄君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 定光 裕樹君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 堀上 勝君
参考人
(公益財団法人深田地質研究所顧問)
(京都大学名誉教授) 松岡 俊文君
参考人
(日本労働組合総連合会総合政策推進局総合局長) 冨田 珠代君
参考人
(日本CCS調査株式会社代表取締役社長) 中島 俊朗君
参考人
(公益財団法人地球環境産業技術研究機構専務理事) 本庄 孝志君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
―――――――――――――
委員の異動
三月二十七日
辞任 補欠選任
国光あやの君 金子 容三君
山際大志郎君 木村 次郎君
同日
辞任 補欠選任
金子 容三君 山本 左近君
木村 次郎君 山口 晋君
同日
辞任 補欠選任
山口 晋君 山際大志郎君
山本 左近君 国光あやの君
―――――――――――――
三月二十七日
岸田政権の新原発推進政策の撤回に関する請願(笠井亮君紹介)(第七一八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会申入れに関する件
政府参考人出頭要求に関する件
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(内閣提出第一六号)
二酸化炭素の貯留事業に関する法律案(内閣提出第一七号)
――――◇―――――
岡
岡本三成#1
○岡本委員長 これより会議を開きます。
この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。
内閣委員会において審査中の内閣提出、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案及び経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案の両案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。
内閣委員会において審査中の内閣提出、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案及び経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案の両案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
岡
岡本三成#2
○岡本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、連合審査会の開会日時等につきましては、内閣委員長と協議の上決定いたしますので、御了承願います。
――――◇―――――
この発言だけを見る →なお、連合審査会の開会日時等につきましては、内閣委員長と協議の上決定いたしますので、御了承願います。
――――◇―――――
岡
岡本三成#3
○岡本委員長 次に、内閣提出、二酸化炭素の貯留事業に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、公益財団法人深田地質研究所顧問、京都大学名誉教授松岡俊文さん、日本労働組合総連合会総合政策推進局総合局長冨田珠代さん、日本CCS調査株式会社代表取締役社長中島俊朗さん、公益財団法人地球環境産業技術研究機構専務理事本庄孝志さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。各参考人の皆様方におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず松岡参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、本案審査のため、参考人として、公益財団法人深田地質研究所顧問、京都大学名誉教授松岡俊文さん、日本労働組合総連合会総合政策推進局総合局長冨田珠代さん、日本CCS調査株式会社代表取締役社長中島俊朗さん、公益財団法人地球環境産業技術研究機構専務理事本庄孝志さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。各参考人の皆様方におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず松岡参考人にお願いいたします。
松
松岡俊文#4
○松岡参考人 松岡でございます。よろしくお願いいたします。
地球温暖化対策といたしまして、今日はCCSの関連の議題でございますが、CO2の排出量を削減する方法として主に三つの方法が知られています。
一つ目は省エネルギーです。二つ目は再生可能エネルギーの利用拡大、そして三つ目が、化石燃料の使用後に発生するCO2を大気中に放出せずに地下深くに貯留する技術です。この技術はCCSと呼ばれ、大量のCO2を直接的に削減できる有望な方法です。昨年十二月に開催されたCOP28でも、CCSは温暖化対策の選択肢の一つとして取り上げられました。
このCCS技術は、CO2の大規模排出源においてCO2を回収し、貯留地点まで輸送し、そこで地下約千メートル以上の深い場所に貯留する技術全体を指すものです。この技術が世界的に認識されたのは、二〇〇五年にIPCCからCCSに関する特別報告書が出版されました。この中でCCSの具体的な成果例を示して詳しく解説された、これがきっかけであったというふうに思っています。
このIPCCの報告書で紹介された代表的な事例が、実は、ノルウェーの石油会社が一九九六年から北海で始めたスライプナー・プロジェクトです。このプロジェクトは、天然ガスの採掘に伴って出てくるCO2を年間約百万トン回収し、地下約千メートルの砂岩層に貯留しています。現在まで、既に約三千万トン近くのCO2が安全に貯留され、事業は順調に継続中でございます。
CCSを実現するには、CO2の回収、輸送、貯留という三つの段階で様々な技術が必要とされます。
まず、CO2の回収に関しましては、アミン法と呼ばれる化学的な手法が主流ですが、これに関しては、三菱重工はこの分野で世界トップクラスの技術力を誇り、世界市場の約七〇%を占めています。
CO2の輸送に関しては、パイプラインと船舶の二つの方法がありますが、アメリカでは既に全長八千キロを超えるCO2パイプラインネットワークが稼働しています。一方、CO2の船舶輸送に関しては、まだ技術開発の段階にありますが、日本ではNEDOの研究プロジェクトが遂行中でございます。
CO2を地下に貯留する技術は、意外に長い歴史を持っております。一九七〇年代初めから、アメリカの石油会社は、生産が減退した油田に対してCO2を圧入して原油の回収率を高めるというCO2―EORという攻法を実用化してきました。現在では、これはCCUSの技術として広く認識されるようになっています。
さて、このCCS技術を用いて、IEAは、二〇五〇年時点で年間三十六億トンから七十二億トンの削減を期待しています。これは世界の排出量の一〇%から二〇%に当たる量です。では、この量は現実的に実行可能な量であるかというのが問題になってきます。これに関しては、世界のCCS関係者は、世界が協力すれば十分この量を貯留できるというふうに考えております。
仮に一か所で百万トンのCO2を圧入すると、三十六億トンの貯留には実は三千六百か所の圧入サイトが必要になります。一方、米国のメキシコ湾では、石油生産のためのプラットフォームは約四千か所あるというふうに言われています。そのため、石油の生産の代わりにCO2を始めれば、単純計算では十分貯留できると言えます。さらに、CCSの実施場所として期待されているノルウェー沖の北海、中東地域、アジア圏では、インドネシア、マレーシア、さらにオーストラリアなど、CCSの有力候補です。このように、IEAの目標値は技術論的に見れば十分達成可能な数字というふうに思われます。
一方、国内ですけれども、現在約十一億トン程度のCO2が排出されております。経産省は、二〇五〇年時点でCCS量の目標値の目安として一・二億トンから二・四億トンを定めました。このため、国内のCCSの適地と考えられる場所に対して最新の地下探査手法を利用して調査が行われています。その結果、現在までに調査された場所では貯留可能量として約百六十億トンが推定されています。
また、ここで注意が必要なんですが、この百六十億トンという数字は、日本中をくまなく調査した結果出てきた数字ではありません。まだ調査されていない地域は数多く残っており、今後とも調査が必要であるというふうに思います。その結果、この数字はもっと大きな数字になると考えられます。
このように、国内においても、二〇五〇年断面で年間一・二億トンから二・四億トンのCCSを実施しようと思えば、貯留可能地域は存在しているというふうに言えると思います。
次に、CCS事業の形態について一言意見を述べたいと思います。
CCSの各々の要素技術は長い歴史を持っていますが、これらの技術を統合して、全体として一つの巨大なバリューチェーンをつくり上げるという意味では、今議論されているCCSは新しい技術体系と言ってよいでしょう。
さらに、注目したいのは、現在、世界のCCSは新しい局面に入ってきたというふうに私は考えております。今までの技術開発のステージから、CCSが一つの新しい産業として成長していく、そういうステージに移りつつあります。世界で七十億トンものCO2を地下に貯留する事業は、自立した新しい産業に育て上げる必要があります。このため、各国は、その枠組みと同時に、産業の育成のために力を尽くしているというのが現状です。
例えば、国際標準化機構、ISOではCCSに対して国際規格の作成を進めてきており、既に幾つかの規格が発行されています。さらに、欧米各国はCCS事業を進めるための法体系と技術基準などの整備を着々と進めています。我が国においても、今回の法案は、日本におけるCCSの産業化にとっては非常に重要なファーストステップというふうに考えております。
一方、CCSは、コストが製品価格に反映されないという外部不経済です。これに対して、各国はいろいろな政策を駆使して、CCS産業の育成を進めております。
有名なのは、アメリカの連邦政府がインフレ抑制法の中で採用している四十五Qと呼ばれる税額控除です。これは大変有名な政策です。この内容は、補助金政策であり、CCSを行うとCO2一トンに対して八十五ドルの税額控除が与えられます。
一方、ヨーロッパでは、多くの国がカーボンプライシングを導入して、CCSの、排出に規制をかける政策を採用しています。しかしながら、CCSを事業として立ち上げるには初期投資が大きいため、資本調達など問題があり、規制のみではCCS産業は育ちません。
ノルウェー政府は、石油会社三社、シェルとトタールとエクイノールという石油会社ですが、この三社が立ち上げたノーザンライツJVと呼ばれるCCS事業会社に対して多額の補助金をつけて、事業を立ち上げました。このCCS会社は、排出企業からCO2を受け取り、輸送、貯留を請け負う新しいビジネススタイルです。各国は、CCS産業を育てるため、補助金やカーボンプライシングなどの政策を駆使しているのが現状だと思われます。
我が国において、今後どのような産業育成の政策が取られるか分かりませんが、世界のCCSの産業化に乗り遅れることは大変よくないことであるというふうに考えております。世界的に見たときに、我が国のポジションですが、日本でも世界に対して十分に競争力を持った企業群が成長し、国内産業として確立され、将来は世界に展開可能だというふうに考えています。
日本は地質的に油田が少ないため、石油産業は大きな産業ではありません。しかしながら、CCS産業は、簡単に言えば、CO2の排出量が多く、地質学的には貯留適地となる堆積盆が存在し、技術力があれば事業を進められる事業形態です。
先ほども言いましたが、三菱重工に代表されるように、エンジニアリング部門では世界に高い評価を受けています。また、輸送に使われるCO2特殊船などの造船技術力も高く、石油産業の技術者もそれなりに有しておりまして、貯留事業を十分できるというふうに考えています。
我が国の石油産業が世界に比べて小さいからCCS産業は国内では育たないと考えるのは、大きな間違いであろうと思っております。CCS産業の育成で重要なのは、多種多様で大量のCO2の排出国であること、さらに技術力と巨大なバリューチェーンをまとめるアグリゲーターの存在であると思われます。特にアグリゲーター役としては、日本独特の業態である総合商社が持っているノウハウと新規産業をつくり上げる発想力は大変貴重であるというふうに感じています。
以上のような背景の下で、我が国においてもCCSの技術開発を目的に実証試験が二か所で行われました。新潟県長岡市の岩野原で一万トンの貯留が行われ、北海道苫小牧市において三十万トンの実証試験が行われました。その結果、多くの科学的な知見が得られております。これらの中で特筆する必要があると思われるのは、リスク管理に関する知見です。
CCSは今まで経験のない事業であるため、リスクに対する議論が必要になります。この問題を考えるには、まず地下の貯留層の状態をできるだけ正確に把握する必要があります。このため、石油業界で広く使われている三次元反射地震探査と呼ばれる手法を適用します。この手法を用いて、地下数千メートルまでの地下構造の可視化が可能になります。
まず、この方法で、貯留層に適した地下構造を見つけると同時に、断層の場所も特定します。断層は貯留したCO2の漏えいの経路になるリスクがあると考えられるため、貯留サイトを選ぶときには慎重に進める必要があります。ただし、油田の場合には、貯留層に断層が存在する油田は数多く存在しており、断層の存在が直接的にCO2の漏えいのパスになるとは簡単には言い切れません。
次に、取得された情報を基に地下の地質モデルを作ります。このモデルを使って、圧入したCO2が将来どのように移動するかのシミュレーションができます。圧入開始から数十年、さらに圧入が終わってから数百年後までの状況を予測し、最も安全で安心できる場所を貯留サイトとして選びます。
さらに、CCS事業で特徴的なことは、貯留層サイトで常時モニタリングが実施されていることです。これは、地下にあるCO2の場所を把握して、管理しているということです。万一シミュレーション予測と観測されたCO2の分布が一致しないときは、地質モデルの修正が行われ、修正されたモデルを基に次の予測が行われます。このように、CO2は、圧入する前、圧入中、圧入後においても、次はどこに地下で移動するか、事前に把握され、管理されているというふうに言うことができます。
また、圧入されたCO2の広がりは、実は思ったほど広くありません。苫小牧のときは、三十万トンですが、その広がりは一キロ程度です。また、スライプナー・プロジェクトでは、千二百万トン圧入した時点でのCO2の広がりは、一キロ掛ける三キロ程度でした。
これらの苫小牧での実証試験の知見は、貯留層サイトの選択に重要な情報となっています。つまり、圧入後のCO2の広がりをきちんと予測できるということは、断層がCO2の漏えいのリスクの要因と考えられるのであれば、どの程度距離を離せばよいかといった情報を提供してくれるからです。
一方、北海道苫小牧でのCO2実証試験において、胆振東部地震が起きた際にCO2圧入との関連性が指摘されるという出来事がありました。後ほど説明があるかもしれませんが、これを受けて、地震学者を含む専門家による詳しい調査が行われた結果、CO2の圧入によって貯留層の圧力は増加します、しかし、この地震が起きた震央での影響は、地球潮汐による圧力変化のざっと千分の一程度であるという結論が出されました。これは、胆振東部地震はCO2の貯留が誘発した地震ではないという結論です。このように、地震はCCS事業にとってしっかりと取り組むべき課題であります。
最終的には、この地震はCCS事業に関して重要な知見を提供してくれています。CCSに関するISOの規定においても、貯留場所の選定において、地下の力学的な性状と断層に関する影響は十分注意するように記載されております。
このように、事業を進める上で考えられるリスクに対して、常時モニタリングを通してリスクを正しくマネジメントするという基本姿勢の下で、我が国においても世界に誇れる技術革新が進んでいるというふうに考えています。
最後に、これもCCSに特有な作業として、社会的受容性と呼ばれる問題があります。
CCSの事業の実施には、三つのライセンス、許可を取る必要があるというふうに言われる場合があります。それは、最初は政策的許可、これは、開始予定の事業は政府が進めている政策に合致しているかどうか。次に法規制の許可、これは、CCS事業に対する各種の法律を正しく守って実施されているかどうか。さらに、三番目に社会からの許可、これは、事業を進める上で、関連する全てのステークホルダー、特にサイト周辺の住民からの賛成が得られているかどうかということです。特に最後の、サイト周辺の住民の賛成が得られないと、CCS事業を着手することは困難です。
苫小牧の実証試験は、都市部近くでCCSが実証された世界でも大変珍しい例で、住民への情報公開の在り方など、多くの教訓を残しました。これは、貯留事業の担い手となる我が国の石油、天然ガス鉱業には地元の理解を得ながら進めるという文化が根づいているためというふうにも考えられます。
現在、日本でもCCS事業に関する法整備が始まっていますが、CCSが温暖化対策の切り札となり、将来の有望産業に成長していくために、技術的な課題の克服とともに、社会の信頼を得ながら一歩一歩進めていくことが肝要であるというふうに考えます。日本が着実にCCS技術を育て、地球環境の解決と経済発展の両立に貢献できる日が訪れることを期待しております。
最後に、一つだけコメントさせてもらえるならば、将来のCCS産業の育成には、新しい観点からの人材教育が必要というふうに思われます。政府としても力を注いでいただければありがたいと願っております。
以上で、私からの説明を終わります。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →地球温暖化対策といたしまして、今日はCCSの関連の議題でございますが、CO2の排出量を削減する方法として主に三つの方法が知られています。
一つ目は省エネルギーです。二つ目は再生可能エネルギーの利用拡大、そして三つ目が、化石燃料の使用後に発生するCO2を大気中に放出せずに地下深くに貯留する技術です。この技術はCCSと呼ばれ、大量のCO2を直接的に削減できる有望な方法です。昨年十二月に開催されたCOP28でも、CCSは温暖化対策の選択肢の一つとして取り上げられました。
このCCS技術は、CO2の大規模排出源においてCO2を回収し、貯留地点まで輸送し、そこで地下約千メートル以上の深い場所に貯留する技術全体を指すものです。この技術が世界的に認識されたのは、二〇〇五年にIPCCからCCSに関する特別報告書が出版されました。この中でCCSの具体的な成果例を示して詳しく解説された、これがきっかけであったというふうに思っています。
このIPCCの報告書で紹介された代表的な事例が、実は、ノルウェーの石油会社が一九九六年から北海で始めたスライプナー・プロジェクトです。このプロジェクトは、天然ガスの採掘に伴って出てくるCO2を年間約百万トン回収し、地下約千メートルの砂岩層に貯留しています。現在まで、既に約三千万トン近くのCO2が安全に貯留され、事業は順調に継続中でございます。
CCSを実現するには、CO2の回収、輸送、貯留という三つの段階で様々な技術が必要とされます。
まず、CO2の回収に関しましては、アミン法と呼ばれる化学的な手法が主流ですが、これに関しては、三菱重工はこの分野で世界トップクラスの技術力を誇り、世界市場の約七〇%を占めています。
CO2の輸送に関しては、パイプラインと船舶の二つの方法がありますが、アメリカでは既に全長八千キロを超えるCO2パイプラインネットワークが稼働しています。一方、CO2の船舶輸送に関しては、まだ技術開発の段階にありますが、日本ではNEDOの研究プロジェクトが遂行中でございます。
CO2を地下に貯留する技術は、意外に長い歴史を持っております。一九七〇年代初めから、アメリカの石油会社は、生産が減退した油田に対してCO2を圧入して原油の回収率を高めるというCO2―EORという攻法を実用化してきました。現在では、これはCCUSの技術として広く認識されるようになっています。
さて、このCCS技術を用いて、IEAは、二〇五〇年時点で年間三十六億トンから七十二億トンの削減を期待しています。これは世界の排出量の一〇%から二〇%に当たる量です。では、この量は現実的に実行可能な量であるかというのが問題になってきます。これに関しては、世界のCCS関係者は、世界が協力すれば十分この量を貯留できるというふうに考えております。
仮に一か所で百万トンのCO2を圧入すると、三十六億トンの貯留には実は三千六百か所の圧入サイトが必要になります。一方、米国のメキシコ湾では、石油生産のためのプラットフォームは約四千か所あるというふうに言われています。そのため、石油の生産の代わりにCO2を始めれば、単純計算では十分貯留できると言えます。さらに、CCSの実施場所として期待されているノルウェー沖の北海、中東地域、アジア圏では、インドネシア、マレーシア、さらにオーストラリアなど、CCSの有力候補です。このように、IEAの目標値は技術論的に見れば十分達成可能な数字というふうに思われます。
一方、国内ですけれども、現在約十一億トン程度のCO2が排出されております。経産省は、二〇五〇年時点でCCS量の目標値の目安として一・二億トンから二・四億トンを定めました。このため、国内のCCSの適地と考えられる場所に対して最新の地下探査手法を利用して調査が行われています。その結果、現在までに調査された場所では貯留可能量として約百六十億トンが推定されています。
また、ここで注意が必要なんですが、この百六十億トンという数字は、日本中をくまなく調査した結果出てきた数字ではありません。まだ調査されていない地域は数多く残っており、今後とも調査が必要であるというふうに思います。その結果、この数字はもっと大きな数字になると考えられます。
このように、国内においても、二〇五〇年断面で年間一・二億トンから二・四億トンのCCSを実施しようと思えば、貯留可能地域は存在しているというふうに言えると思います。
次に、CCS事業の形態について一言意見を述べたいと思います。
CCSの各々の要素技術は長い歴史を持っていますが、これらの技術を統合して、全体として一つの巨大なバリューチェーンをつくり上げるという意味では、今議論されているCCSは新しい技術体系と言ってよいでしょう。
さらに、注目したいのは、現在、世界のCCSは新しい局面に入ってきたというふうに私は考えております。今までの技術開発のステージから、CCSが一つの新しい産業として成長していく、そういうステージに移りつつあります。世界で七十億トンものCO2を地下に貯留する事業は、自立した新しい産業に育て上げる必要があります。このため、各国は、その枠組みと同時に、産業の育成のために力を尽くしているというのが現状です。
例えば、国際標準化機構、ISOではCCSに対して国際規格の作成を進めてきており、既に幾つかの規格が発行されています。さらに、欧米各国はCCS事業を進めるための法体系と技術基準などの整備を着々と進めています。我が国においても、今回の法案は、日本におけるCCSの産業化にとっては非常に重要なファーストステップというふうに考えております。
一方、CCSは、コストが製品価格に反映されないという外部不経済です。これに対して、各国はいろいろな政策を駆使して、CCS産業の育成を進めております。
有名なのは、アメリカの連邦政府がインフレ抑制法の中で採用している四十五Qと呼ばれる税額控除です。これは大変有名な政策です。この内容は、補助金政策であり、CCSを行うとCO2一トンに対して八十五ドルの税額控除が与えられます。
一方、ヨーロッパでは、多くの国がカーボンプライシングを導入して、CCSの、排出に規制をかける政策を採用しています。しかしながら、CCSを事業として立ち上げるには初期投資が大きいため、資本調達など問題があり、規制のみではCCS産業は育ちません。
ノルウェー政府は、石油会社三社、シェルとトタールとエクイノールという石油会社ですが、この三社が立ち上げたノーザンライツJVと呼ばれるCCS事業会社に対して多額の補助金をつけて、事業を立ち上げました。このCCS会社は、排出企業からCO2を受け取り、輸送、貯留を請け負う新しいビジネススタイルです。各国は、CCS産業を育てるため、補助金やカーボンプライシングなどの政策を駆使しているのが現状だと思われます。
我が国において、今後どのような産業育成の政策が取られるか分かりませんが、世界のCCSの産業化に乗り遅れることは大変よくないことであるというふうに考えております。世界的に見たときに、我が国のポジションですが、日本でも世界に対して十分に競争力を持った企業群が成長し、国内産業として確立され、将来は世界に展開可能だというふうに考えています。
日本は地質的に油田が少ないため、石油産業は大きな産業ではありません。しかしながら、CCS産業は、簡単に言えば、CO2の排出量が多く、地質学的には貯留適地となる堆積盆が存在し、技術力があれば事業を進められる事業形態です。
先ほども言いましたが、三菱重工に代表されるように、エンジニアリング部門では世界に高い評価を受けています。また、輸送に使われるCO2特殊船などの造船技術力も高く、石油産業の技術者もそれなりに有しておりまして、貯留事業を十分できるというふうに考えています。
我が国の石油産業が世界に比べて小さいからCCS産業は国内では育たないと考えるのは、大きな間違いであろうと思っております。CCS産業の育成で重要なのは、多種多様で大量のCO2の排出国であること、さらに技術力と巨大なバリューチェーンをまとめるアグリゲーターの存在であると思われます。特にアグリゲーター役としては、日本独特の業態である総合商社が持っているノウハウと新規産業をつくり上げる発想力は大変貴重であるというふうに感じています。
以上のような背景の下で、我が国においてもCCSの技術開発を目的に実証試験が二か所で行われました。新潟県長岡市の岩野原で一万トンの貯留が行われ、北海道苫小牧市において三十万トンの実証試験が行われました。その結果、多くの科学的な知見が得られております。これらの中で特筆する必要があると思われるのは、リスク管理に関する知見です。
CCSは今まで経験のない事業であるため、リスクに対する議論が必要になります。この問題を考えるには、まず地下の貯留層の状態をできるだけ正確に把握する必要があります。このため、石油業界で広く使われている三次元反射地震探査と呼ばれる手法を適用します。この手法を用いて、地下数千メートルまでの地下構造の可視化が可能になります。
まず、この方法で、貯留層に適した地下構造を見つけると同時に、断層の場所も特定します。断層は貯留したCO2の漏えいの経路になるリスクがあると考えられるため、貯留サイトを選ぶときには慎重に進める必要があります。ただし、油田の場合には、貯留層に断層が存在する油田は数多く存在しており、断層の存在が直接的にCO2の漏えいのパスになるとは簡単には言い切れません。
次に、取得された情報を基に地下の地質モデルを作ります。このモデルを使って、圧入したCO2が将来どのように移動するかのシミュレーションができます。圧入開始から数十年、さらに圧入が終わってから数百年後までの状況を予測し、最も安全で安心できる場所を貯留サイトとして選びます。
さらに、CCS事業で特徴的なことは、貯留層サイトで常時モニタリングが実施されていることです。これは、地下にあるCO2の場所を把握して、管理しているということです。万一シミュレーション予測と観測されたCO2の分布が一致しないときは、地質モデルの修正が行われ、修正されたモデルを基に次の予測が行われます。このように、CO2は、圧入する前、圧入中、圧入後においても、次はどこに地下で移動するか、事前に把握され、管理されているというふうに言うことができます。
また、圧入されたCO2の広がりは、実は思ったほど広くありません。苫小牧のときは、三十万トンですが、その広がりは一キロ程度です。また、スライプナー・プロジェクトでは、千二百万トン圧入した時点でのCO2の広がりは、一キロ掛ける三キロ程度でした。
これらの苫小牧での実証試験の知見は、貯留層サイトの選択に重要な情報となっています。つまり、圧入後のCO2の広がりをきちんと予測できるということは、断層がCO2の漏えいのリスクの要因と考えられるのであれば、どの程度距離を離せばよいかといった情報を提供してくれるからです。
一方、北海道苫小牧でのCO2実証試験において、胆振東部地震が起きた際にCO2圧入との関連性が指摘されるという出来事がありました。後ほど説明があるかもしれませんが、これを受けて、地震学者を含む専門家による詳しい調査が行われた結果、CO2の圧入によって貯留層の圧力は増加します、しかし、この地震が起きた震央での影響は、地球潮汐による圧力変化のざっと千分の一程度であるという結論が出されました。これは、胆振東部地震はCO2の貯留が誘発した地震ではないという結論です。このように、地震はCCS事業にとってしっかりと取り組むべき課題であります。
最終的には、この地震はCCS事業に関して重要な知見を提供してくれています。CCSに関するISOの規定においても、貯留場所の選定において、地下の力学的な性状と断層に関する影響は十分注意するように記載されております。
このように、事業を進める上で考えられるリスクに対して、常時モニタリングを通してリスクを正しくマネジメントするという基本姿勢の下で、我が国においても世界に誇れる技術革新が進んでいるというふうに考えています。
最後に、これもCCSに特有な作業として、社会的受容性と呼ばれる問題があります。
CCSの事業の実施には、三つのライセンス、許可を取る必要があるというふうに言われる場合があります。それは、最初は政策的許可、これは、開始予定の事業は政府が進めている政策に合致しているかどうか。次に法規制の許可、これは、CCS事業に対する各種の法律を正しく守って実施されているかどうか。さらに、三番目に社会からの許可、これは、事業を進める上で、関連する全てのステークホルダー、特にサイト周辺の住民からの賛成が得られているかどうかということです。特に最後の、サイト周辺の住民の賛成が得られないと、CCS事業を着手することは困難です。
苫小牧の実証試験は、都市部近くでCCSが実証された世界でも大変珍しい例で、住民への情報公開の在り方など、多くの教訓を残しました。これは、貯留事業の担い手となる我が国の石油、天然ガス鉱業には地元の理解を得ながら進めるという文化が根づいているためというふうにも考えられます。
現在、日本でもCCS事業に関する法整備が始まっていますが、CCSが温暖化対策の切り札となり、将来の有望産業に成長していくために、技術的な課題の克服とともに、社会の信頼を得ながら一歩一歩進めていくことが肝要であるというふうに考えます。日本が着実にCCS技術を育て、地球環境の解決と経済発展の両立に貢献できる日が訪れることを期待しております。
最後に、一つだけコメントさせてもらえるならば、将来のCCS産業の育成には、新しい観点からの人材教育が必要というふうに思われます。政府としても力を注いでいただければありがたいと願っております。
以上で、私からの説明を終わります。どうもありがとうございました。拍手
岡
冨
冨田珠代#6
○冨田参考人 皆様、おはようございます。
ただいま御紹介をいただきました連合総合政策推進局長の冨田でございます。
この度は、このような場で連合の意見陳述の機会をいただきましたこと、まずもって御礼を申し上げたいと存じます。
連合は、七百万人の働く者から成る労働組合の全国組織です。本日は、カーボンニュートラルの実現に向けて日々努力を続けている働く者、生活者の立場から意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
まず初めに、本案に対する基本的な態度を申し述べます。
今やカーボンニュートラルの実現は世界共通の重要課題でありますが、我が国におけるGXの推進は、産業、企業、地域経済、国民生活に大きな変化をもたらすものであり、特に二酸化炭素を多く排出する産業の仲間からは期待と不安の声が寄せられております。
諸外国と比してエネルギー資源に乏しい我が国において、カーボンニュートラルを達成するには、あらゆる手段を総動員する必要があり、CCS事業の環境整備や一括審議される低炭素水素等の活用推進は必然であると考えております。
また、CCSや水素を事業として展開する際は、労働者や地域住民の安全確保が不可欠ですが、今回のCCS事業法案には、審議会での連合の意見も踏まえ、充実した保安規制が盛り込まれたことなどから、連合は、法案の速やかな成立を求めたいと存じます。
次に、CCS事業の運用上の課題について、五点申し述べます。
一点目は、公正な移行の実現についてです。
先ほども申し上げましたが、CCSに限らず、GXの推進は、産業構造、地域経済、労働者への影響が大きいことから、分野横断的な課題を深掘りする省庁横断的な体制と、政労使の社会対話の場を設置をし、複数のシナリオの下、必要な対策を検討する必要があります。
今回のCCS事業でいえば、事業の安定と持続的成長を担保するには、中長期的に新たな技術を開発し、技術伝承のための人材を確保していくことが重要であり、新たな事業で生み出される雇用を、グリーンでディーセントな付加価値の高い雇用としていく必要があります。
同時に、CCS事業は、一定の貯留が終わると事業を廃止することがあらかじめ組み込まれておりますので、事業廃止による雇用や地域経済への影響を想定をし、対策を打っておく必要がございます。
特に、雇用については、失業なき労働移動が大前提ですが、労働者に対しては、企業内の異動で対応するのか、それとも、新たな技術の教育訓練を行って別の産業に移動するのか、その場合、訓練中の住居や生活保障をどうするかなど、重層的なセーフティーネットを構築をしていく必要があります。
公正な移行を実現するには、雇用と経済対策を同時に推進することが最も重要であり、労働組合を含む地域の関係当事者が参加する社会対話の場を設置をし、事業廃止による影響と対策について、複数のシナリオを検討し、ロードマップを作成するとともに、必要な予算措置を講じておくことが重要です。二十年後、三十年後のことだからと後回しにせず、事業計画にあらかじめ織り込んでおくことが肝要であると考えます。
二点目は、貯留施設の立地地域の関係者との丁寧なプロセスを踏むことについてです。
CCS事業の安定と成長は、事業所で働く者の労働安全や立地地域住民の安全確保を大前提に、地元関係者との利害調整や環境保全を万全に行い、地域社会に受け入れられてこそ可能となりますが、多くの国民は、CCSという言葉になじみがないですし、二酸化炭素が漏えいをすると、窒息や爆発といった事故リスクがあることも余り知られておりません。
そのため、貯留施設の候補地選定の段階から、地元住民や事業者などの関係者に情報を提供し、当事者の意見を聞く機会を設けるなど、丁寧なプロセスを踏んで進めることが重要です。
この点で申し上げますと、CCS事業法案では、経済産業大臣が事業者に貯留事業などを許可するときは、都道府県知事と協議しなければならないなどの規定が置かれています。しかし、地元関係者などの利害関係人が意見を述べることができるのは、貯留事業などの許可に関する公告に限られており、地元へのきめ細やかな情報提供や、公告以外に関して意見を聞く機会については何ら定めがありません。
苫小牧における実証試験では、地元への情報提供や意見集約がきめ細やかに行われたと承知をしており、こうした好事例を参考に、丁寧なプロセスの在り方についても議論を深めていただきたいと考えます。
三点目は、二酸化炭素を海外に輸出した際の現地の労働者の安全確保についてです。
政府は分離・回収した二酸化炭素を海外に輸出して貯留することも視野に入れていると承知をしてございます。国内外にかかわらず、労働安全は何よりも優先されるものですので、二酸化炭素の輸出は、現地の貯留技術と労働安全が万全に確保されている場合に限って認めるとしていただきたいと存じます。
この点について、審議会の取りまとめには、二酸化炭素の輸出に当たり、日本政府が事業者に対し、輸出先の貯留事業者に対する環境、労働安全などに関する法令遵守の状況を確認するよう指導する旨が盛り込まれました。
政府には事業者への指導を徹底していただきたいと存じますが、大事なのは、この点が十分に担保されることです。そのため、政府や事業者の間で協力覚書を締結する際には、現地の労働者の労働安全確保を項目に盛り込むなど、現地労働者の安全確保策についても審議を深めていただきたいと存じます。
四点目は、二酸化炭素の圧入時と事業終了後の長期貯留における管理業務などの確実な実施についてです。
貯留事業においては、二酸化炭素の貯蔵状況の監視などの管理業務が事業者に義務づけられます。また、それらの管理業務は、貯留事業が終了し、貯蔵の状況が安定するまでの一定期間が経過したら、JOGMECに移管することとされております。
管理業務やJOGMECへの移管の在り方は、事業を安定的かつ適正に運営する観点はもとより、安全確保の観点からも重要なポイントです。詳細は今後の検討に委ねられますが、在り方を具体的に詰めていく際は、安全確保を大前提に、科学的根拠に基づいて検討し、適切な規定を設けていただきたいと存じます。
五点目は、事業者の賠償責任についてです。
CCS事業によって事故などの損害が生じたときには、被害者への賠償責任が果たされなければなりません。
幸いなことに、これまでにCCS事業による国内の重大事故はありませんが、仮に重大事故が発生した場合、事業者に十分な賠償能力がないと、事業破綻に追い込まれ、被害者への十分な賠償や、当該企業で働く者の雇用が維持できなくなることが懸念をされます。
賠償責任については、鉱業法に倣って保険加入を操業許可の条件とするとのことですが、CCS事業での事故対応や損害賠償の知見、経験がない中で、保険による対応だけで十分であるか否かは更なる検討が必要です。被害者や労働者を守るためにも、国が事業者の賠償責任をサポートする仕組みなども整えていただきたいと考えてございます。
最後に、カーボンニュートラルの達成に向けては一刻の猶予もございません。今ほど申し上げた課題について審議を深めていただき、適切な事業展開と安全確保の道筋をつけていただいた上で、CCS事業法案と一括審議される水素社会推進法案の早期成立を図り、官民一丸となった取組を推進していただくことをお願いを申し上げ、連合からの意見陳述とさせていただきます。
御清聴どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →ただいま御紹介をいただきました連合総合政策推進局長の冨田でございます。
この度は、このような場で連合の意見陳述の機会をいただきましたこと、まずもって御礼を申し上げたいと存じます。
連合は、七百万人の働く者から成る労働組合の全国組織です。本日は、カーボンニュートラルの実現に向けて日々努力を続けている働く者、生活者の立場から意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
まず初めに、本案に対する基本的な態度を申し述べます。
今やカーボンニュートラルの実現は世界共通の重要課題でありますが、我が国におけるGXの推進は、産業、企業、地域経済、国民生活に大きな変化をもたらすものであり、特に二酸化炭素を多く排出する産業の仲間からは期待と不安の声が寄せられております。
諸外国と比してエネルギー資源に乏しい我が国において、カーボンニュートラルを達成するには、あらゆる手段を総動員する必要があり、CCS事業の環境整備や一括審議される低炭素水素等の活用推進は必然であると考えております。
また、CCSや水素を事業として展開する際は、労働者や地域住民の安全確保が不可欠ですが、今回のCCS事業法案には、審議会での連合の意見も踏まえ、充実した保安規制が盛り込まれたことなどから、連合は、法案の速やかな成立を求めたいと存じます。
次に、CCS事業の運用上の課題について、五点申し述べます。
一点目は、公正な移行の実現についてです。
先ほども申し上げましたが、CCSに限らず、GXの推進は、産業構造、地域経済、労働者への影響が大きいことから、分野横断的な課題を深掘りする省庁横断的な体制と、政労使の社会対話の場を設置をし、複数のシナリオの下、必要な対策を検討する必要があります。
今回のCCS事業でいえば、事業の安定と持続的成長を担保するには、中長期的に新たな技術を開発し、技術伝承のための人材を確保していくことが重要であり、新たな事業で生み出される雇用を、グリーンでディーセントな付加価値の高い雇用としていく必要があります。
同時に、CCS事業は、一定の貯留が終わると事業を廃止することがあらかじめ組み込まれておりますので、事業廃止による雇用や地域経済への影響を想定をし、対策を打っておく必要がございます。
特に、雇用については、失業なき労働移動が大前提ですが、労働者に対しては、企業内の異動で対応するのか、それとも、新たな技術の教育訓練を行って別の産業に移動するのか、その場合、訓練中の住居や生活保障をどうするかなど、重層的なセーフティーネットを構築をしていく必要があります。
公正な移行を実現するには、雇用と経済対策を同時に推進することが最も重要であり、労働組合を含む地域の関係当事者が参加する社会対話の場を設置をし、事業廃止による影響と対策について、複数のシナリオを検討し、ロードマップを作成するとともに、必要な予算措置を講じておくことが重要です。二十年後、三十年後のことだからと後回しにせず、事業計画にあらかじめ織り込んでおくことが肝要であると考えます。
二点目は、貯留施設の立地地域の関係者との丁寧なプロセスを踏むことについてです。
CCS事業の安定と成長は、事業所で働く者の労働安全や立地地域住民の安全確保を大前提に、地元関係者との利害調整や環境保全を万全に行い、地域社会に受け入れられてこそ可能となりますが、多くの国民は、CCSという言葉になじみがないですし、二酸化炭素が漏えいをすると、窒息や爆発といった事故リスクがあることも余り知られておりません。
そのため、貯留施設の候補地選定の段階から、地元住民や事業者などの関係者に情報を提供し、当事者の意見を聞く機会を設けるなど、丁寧なプロセスを踏んで進めることが重要です。
この点で申し上げますと、CCS事業法案では、経済産業大臣が事業者に貯留事業などを許可するときは、都道府県知事と協議しなければならないなどの規定が置かれています。しかし、地元関係者などの利害関係人が意見を述べることができるのは、貯留事業などの許可に関する公告に限られており、地元へのきめ細やかな情報提供や、公告以外に関して意見を聞く機会については何ら定めがありません。
苫小牧における実証試験では、地元への情報提供や意見集約がきめ細やかに行われたと承知をしており、こうした好事例を参考に、丁寧なプロセスの在り方についても議論を深めていただきたいと考えます。
三点目は、二酸化炭素を海外に輸出した際の現地の労働者の安全確保についてです。
政府は分離・回収した二酸化炭素を海外に輸出して貯留することも視野に入れていると承知をしてございます。国内外にかかわらず、労働安全は何よりも優先されるものですので、二酸化炭素の輸出は、現地の貯留技術と労働安全が万全に確保されている場合に限って認めるとしていただきたいと存じます。
この点について、審議会の取りまとめには、二酸化炭素の輸出に当たり、日本政府が事業者に対し、輸出先の貯留事業者に対する環境、労働安全などに関する法令遵守の状況を確認するよう指導する旨が盛り込まれました。
政府には事業者への指導を徹底していただきたいと存じますが、大事なのは、この点が十分に担保されることです。そのため、政府や事業者の間で協力覚書を締結する際には、現地の労働者の労働安全確保を項目に盛り込むなど、現地労働者の安全確保策についても審議を深めていただきたいと存じます。
四点目は、二酸化炭素の圧入時と事業終了後の長期貯留における管理業務などの確実な実施についてです。
貯留事業においては、二酸化炭素の貯蔵状況の監視などの管理業務が事業者に義務づけられます。また、それらの管理業務は、貯留事業が終了し、貯蔵の状況が安定するまでの一定期間が経過したら、JOGMECに移管することとされております。
管理業務やJOGMECへの移管の在り方は、事業を安定的かつ適正に運営する観点はもとより、安全確保の観点からも重要なポイントです。詳細は今後の検討に委ねられますが、在り方を具体的に詰めていく際は、安全確保を大前提に、科学的根拠に基づいて検討し、適切な規定を設けていただきたいと存じます。
五点目は、事業者の賠償責任についてです。
CCS事業によって事故などの損害が生じたときには、被害者への賠償責任が果たされなければなりません。
幸いなことに、これまでにCCS事業による国内の重大事故はありませんが、仮に重大事故が発生した場合、事業者に十分な賠償能力がないと、事業破綻に追い込まれ、被害者への十分な賠償や、当該企業で働く者の雇用が維持できなくなることが懸念をされます。
賠償責任については、鉱業法に倣って保険加入を操業許可の条件とするとのことですが、CCS事業での事故対応や損害賠償の知見、経験がない中で、保険による対応だけで十分であるか否かは更なる検討が必要です。被害者や労働者を守るためにも、国が事業者の賠償責任をサポートする仕組みなども整えていただきたいと考えてございます。
最後に、カーボンニュートラルの達成に向けては一刻の猶予もございません。今ほど申し上げた課題について審議を深めていただき、適切な事業展開と安全確保の道筋をつけていただいた上で、CCS事業法案と一括審議される水素社会推進法案の早期成立を図り、官民一丸となった取組を推進していただくことをお願いを申し上げ、連合からの意見陳述とさせていただきます。
御清聴どうもありがとうございました。拍手
岡
中
中島俊朗#8
○中島参考人 本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。中島でございます。
私からは、弊社が行ってきた実証事業の概要の御説明を差し上げまして、その後に、本法案に関する若干の意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
お手元に資料をお配りさせていただいておりますので、そちらを御覧いただきたいと思います。
一枚めくっていただきまして、二ページ目を御覧ください。
日本CCS調査株式会社は、二〇〇八年、G8の洞爺湖サミットでCCSの必要性が確認されたことに呼応して設立をされております。日本のエネルギー関連企業、電力会社、都市ガス、石油精製、石油、天然ガス開発、プラントエンジニアリング会社、総合商社さんなど、三十三社の民間企業の御出資をいただいております。
弊社は、苫小牧CCUS大規模実証のほかに、貯留適地の調査、液化CO2の船舶輸送実証等を国等からの委託を受けて実施をしております。こうした取組は、二〇一五年のCOP21におけるパリ合意、これが成立する大分前から、地道に十六年間取組を行ってまいっております。
三ページを御覧ください。
記載をしております四点、すなわち、分離・回収から貯留までの一貫システムとしての実証、安心、安全なシステム開発、情報公開と社会的受容性の醸成、技術習得と実用化などを目的として本事業を開始しております。
記載にはございませんけれども、二〇一二年から二〇一五年度まで約四年間を準備期間といたしまして、設備の設計、建設、坑井の掘削作業などを行い、二〇一六年四月からCO2の圧入を開始し、二〇一九年十一月に予定しました三十万トンの貯留を達成し、稼働を休止しております。二〇一九年十一月以降は、現在まで、圧入したCO2のモニタリング、あるいは設備の保全等を継続して実施してございます。
四ページを御覧ください。
図にお示ししてありますとおり、本実証では、隣接する製油所内の水素製造装置のオフガスの一部を受け取り、そこからCO2を分離・回収し、地下に貯留しております。
五ページを御覧ください。地下の地質構造と圧入坑井の関係をお示ししております。
分離・回収されたCO2は、海底からの深度約一千から三千メートルに存在する貯留層にCO2を圧入しておりますけれども、貯留層の上部には液体や気体を通さない緻密な遮蔽層が存在しており、一旦地下に貯留したCO2が再び海中や地上に漏出するリスクは極めて小さいと評価してございます。
六ページを御覧ください。実証設備の位置関係をお示しした写真でございます。
実証センターや圧入地点が、人口約十七万人の苫小牧市街地のごく近傍に位置することが見て取れるかと存じます。しかしながら、観測井や海底地震計の設置など、しっかりとしたモニタリング体制を構築し、あるいは情報公開を徹底したことによりまして、また、積極的かつ地道な広報活動を実施したことにもよりまして、地元市民の皆様や関係者の御理解を得ながら円滑に作業を実施することができました。このような点は、海外の研究機関等から、地元理解の醸成の好事例として高い評価を得ております。
七ページを御覧ください。
圧入期間中であった二〇一八年九月に、北海道胆振東部地震が発生いたしました。本実証試験センターは震度五弱を観測いたしましたが、CO2の地下からの漏出等は確認されず、地震や地層の専門家による検討によって、地震の発生原因としても、また、発生した地震による貯留層や坑井への影響についても、いずれについても因果関係がないことを確認しております。
八ページを御覧ください。
ページの下の方に記載がございますが、本実証は海洋汚染防止法の適用を受けて実施をいたしましたものの、同法には地下の地質構造の利用に関する権利義務の関係あるいは技術基準についての規定がございませんでしたので、坑井掘削及び貯留等の作業は、経済産業省さんのガイドラインに従い、鉱業法、鉱山保安法に準拠して実施をいたしております。今後、民間事業者によるCCSを推進するためには、海域、陸域を包括した一元的な法律の整備が必須であると考えております。
九ページを御覧ください。
ここまで御説明いたしましたとおり、苫小牧での四つの実証目的はしっかりと達成できたものと認識しております。
ただし、苫小牧実証から得られた社会実装に向けた課題として、大きく四点、コストの低減、輸送手段の確立、貯留適地の確保、事業環境の整備の四点がございます。
このうち、コスト削減については特に分離・回収における技術開発が期待されること、輸送手段、貯留適地調査につきましては次ページ以降で御説明する取組が行われていること、そして、事業環境整備につきましては、まさに本法案により法整備が行われようとしており、加えまして、CCSを事業として行える経済的な枠組みの整備が必要であろうと認識してございます。
十ページを御覧ください。適地調査に関する御説明でございます。
二〇〇五年から一二年頃に行われましたRITEさんなどによる概査を受けて、弊社は、二〇一四年から今年度までにかけまして、日本周辺のCO2貯留ポテンシャル調査を実施いたしました。その結果、十一地点、百六十億トンのポテンシャルが存在すると推定しております。
未調査の地域も残されておりますことから、日本全体の年間排出量約十一億トンのうち、仮に一億トンを毎年貯留し続けるといたしましても、国内にはまだ相当の貯留キャパシティーが存在する可能性がございます。
十一ページを御覧ください。
大規模な排出源集積地域の近傍に貯留適地が見つからない場合、CO2の長距離輸送手段が必要となりますため、液化CO2船舶輸送実証を受託させていただきまして、現在、必要な設備の建設等を進めているところでございます。
本実証の一環として、CO2タンクの大型化を目指し、世界初となる低温、低圧状態での運用が可能なCO2輸送船「えくすくぅる」号も建造され、竣工しております。新年度より本格的な実証運用を開始する予定でございます。
十二ページを御覧ください。最後に、まとめと若干の意見でございます。
カーボンニュートラルと我が国のエネルギー安定供給、安全保障を両立するためには、CCSの活用を図ることが不可欠であると認識しております。
海外においてもCCSへの取組は加速をしており、我が国での実績を積み上げて、海外に伍して社会実装を進めるためには、我が国の石油、天然ガス鉱業者等の貯留事業参入を促進するべく、早期の法整備が必須であると考えております。
本法案は、技術的親和性の高い石油、天然ガス鉱業のプラクティス、これには地域の理解や環境対応等も含まれますが、これら及び苫小牧実証等から得られた知見が適切に反映されているものと認識してございます。
一方で、事業の予見性を高めるためには、モニタリングを含め、国際標準と比べて過度なコスト負担にならないような留意が必要であると考えております。
加えまして、本法案成立後の課題といたしまして、二〇三〇年までの貯留開始を実現するためには、最終投資意思決定を行う必要の生じる二〇二六年頃までに、貯留事業等を成立させる経済的枠組みを早急に立ち上げていただき、国による全面的な支援措置をまとめていただくことが極めて重要であると考えております。
また、当社が地質等の有識者の御指導の下で進めてきた貯留適地調査により、十一地点で百六十億トンが推定されておりますが、引き続き、更なる調査を進める必要がございます。
また、更なるコストダウンに向けて、研究開発等を促進することも必要と考えております。
私からは以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私からは、弊社が行ってきた実証事業の概要の御説明を差し上げまして、その後に、本法案に関する若干の意見を申し述べさせていただきたいと存じます。
お手元に資料をお配りさせていただいておりますので、そちらを御覧いただきたいと思います。
一枚めくっていただきまして、二ページ目を御覧ください。
日本CCS調査株式会社は、二〇〇八年、G8の洞爺湖サミットでCCSの必要性が確認されたことに呼応して設立をされております。日本のエネルギー関連企業、電力会社、都市ガス、石油精製、石油、天然ガス開発、プラントエンジニアリング会社、総合商社さんなど、三十三社の民間企業の御出資をいただいております。
弊社は、苫小牧CCUS大規模実証のほかに、貯留適地の調査、液化CO2の船舶輸送実証等を国等からの委託を受けて実施をしております。こうした取組は、二〇一五年のCOP21におけるパリ合意、これが成立する大分前から、地道に十六年間取組を行ってまいっております。
三ページを御覧ください。
記載をしております四点、すなわち、分離・回収から貯留までの一貫システムとしての実証、安心、安全なシステム開発、情報公開と社会的受容性の醸成、技術習得と実用化などを目的として本事業を開始しております。
記載にはございませんけれども、二〇一二年から二〇一五年度まで約四年間を準備期間といたしまして、設備の設計、建設、坑井の掘削作業などを行い、二〇一六年四月からCO2の圧入を開始し、二〇一九年十一月に予定しました三十万トンの貯留を達成し、稼働を休止しております。二〇一九年十一月以降は、現在まで、圧入したCO2のモニタリング、あるいは設備の保全等を継続して実施してございます。
四ページを御覧ください。
図にお示ししてありますとおり、本実証では、隣接する製油所内の水素製造装置のオフガスの一部を受け取り、そこからCO2を分離・回収し、地下に貯留しております。
五ページを御覧ください。地下の地質構造と圧入坑井の関係をお示ししております。
分離・回収されたCO2は、海底からの深度約一千から三千メートルに存在する貯留層にCO2を圧入しておりますけれども、貯留層の上部には液体や気体を通さない緻密な遮蔽層が存在しており、一旦地下に貯留したCO2が再び海中や地上に漏出するリスクは極めて小さいと評価してございます。
六ページを御覧ください。実証設備の位置関係をお示しした写真でございます。
実証センターや圧入地点が、人口約十七万人の苫小牧市街地のごく近傍に位置することが見て取れるかと存じます。しかしながら、観測井や海底地震計の設置など、しっかりとしたモニタリング体制を構築し、あるいは情報公開を徹底したことによりまして、また、積極的かつ地道な広報活動を実施したことにもよりまして、地元市民の皆様や関係者の御理解を得ながら円滑に作業を実施することができました。このような点は、海外の研究機関等から、地元理解の醸成の好事例として高い評価を得ております。
七ページを御覧ください。
圧入期間中であった二〇一八年九月に、北海道胆振東部地震が発生いたしました。本実証試験センターは震度五弱を観測いたしましたが、CO2の地下からの漏出等は確認されず、地震や地層の専門家による検討によって、地震の発生原因としても、また、発生した地震による貯留層や坑井への影響についても、いずれについても因果関係がないことを確認しております。
八ページを御覧ください。
ページの下の方に記載がございますが、本実証は海洋汚染防止法の適用を受けて実施をいたしましたものの、同法には地下の地質構造の利用に関する権利義務の関係あるいは技術基準についての規定がございませんでしたので、坑井掘削及び貯留等の作業は、経済産業省さんのガイドラインに従い、鉱業法、鉱山保安法に準拠して実施をいたしております。今後、民間事業者によるCCSを推進するためには、海域、陸域を包括した一元的な法律の整備が必須であると考えております。
九ページを御覧ください。
ここまで御説明いたしましたとおり、苫小牧での四つの実証目的はしっかりと達成できたものと認識しております。
ただし、苫小牧実証から得られた社会実装に向けた課題として、大きく四点、コストの低減、輸送手段の確立、貯留適地の確保、事業環境の整備の四点がございます。
このうち、コスト削減については特に分離・回収における技術開発が期待されること、輸送手段、貯留適地調査につきましては次ページ以降で御説明する取組が行われていること、そして、事業環境整備につきましては、まさに本法案により法整備が行われようとしており、加えまして、CCSを事業として行える経済的な枠組みの整備が必要であろうと認識してございます。
十ページを御覧ください。適地調査に関する御説明でございます。
二〇〇五年から一二年頃に行われましたRITEさんなどによる概査を受けて、弊社は、二〇一四年から今年度までにかけまして、日本周辺のCO2貯留ポテンシャル調査を実施いたしました。その結果、十一地点、百六十億トンのポテンシャルが存在すると推定しております。
未調査の地域も残されておりますことから、日本全体の年間排出量約十一億トンのうち、仮に一億トンを毎年貯留し続けるといたしましても、国内にはまだ相当の貯留キャパシティーが存在する可能性がございます。
十一ページを御覧ください。
大規模な排出源集積地域の近傍に貯留適地が見つからない場合、CO2の長距離輸送手段が必要となりますため、液化CO2船舶輸送実証を受託させていただきまして、現在、必要な設備の建設等を進めているところでございます。
本実証の一環として、CO2タンクの大型化を目指し、世界初となる低温、低圧状態での運用が可能なCO2輸送船「えくすくぅる」号も建造され、竣工しております。新年度より本格的な実証運用を開始する予定でございます。
十二ページを御覧ください。最後に、まとめと若干の意見でございます。
カーボンニュートラルと我が国のエネルギー安定供給、安全保障を両立するためには、CCSの活用を図ることが不可欠であると認識しております。
海外においてもCCSへの取組は加速をしており、我が国での実績を積み上げて、海外に伍して社会実装を進めるためには、我が国の石油、天然ガス鉱業者等の貯留事業参入を促進するべく、早期の法整備が必須であると考えております。
本法案は、技術的親和性の高い石油、天然ガス鉱業のプラクティス、これには地域の理解や環境対応等も含まれますが、これら及び苫小牧実証等から得られた知見が適切に反映されているものと認識してございます。
一方で、事業の予見性を高めるためには、モニタリングを含め、国際標準と比べて過度なコスト負担にならないような留意が必要であると考えております。
加えまして、本法案成立後の課題といたしまして、二〇三〇年までの貯留開始を実現するためには、最終投資意思決定を行う必要の生じる二〇二六年頃までに、貯留事業等を成立させる経済的枠組みを早急に立ち上げていただき、国による全面的な支援措置をまとめていただくことが極めて重要であると考えております。
また、当社が地質等の有識者の御指導の下で進めてきた貯留適地調査により、十一地点で百六十億トンが推定されておりますが、引き続き、更なる調査を進める必要がございます。
また、更なるコストダウンに向けて、研究開発等を促進することも必要と考えております。
私からは以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
岡
本
本庄孝志#10
○本庄参考人 公益財団法人地球環境産業技術研究機構、略称でRITEというふうに呼んでいただいておりますが、本庄でございます。
今日は、衆議院経済産業委員会におきまして、私どもRITEが長年研究開発しておりましたCCSについての考察を説明させていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
二ページを御覧いただきたいと思います。本日は、CCSの位置づけを始め、四点についてかいつまんで御説明させていただきたいと思います。
まず、三ページを御覧ください。本論に入る前に、ごく簡単にRITEの御紹介をさせていただきたいと思います。
私どもRITEは、一九九〇年に設立されました研究機関でございまして、地球温暖化防止の研究開発がメインの仕事でございます。特に、CCS技術、バイオリファイナリー技術といった研究開発に加えまして、温室効果ガス削減の将来目標を定めるシナリオ分析、この事業を三本柱として行っております。場所としては、京都府木津川市にございます、けいはんな学研都市に立地しております。現在百八十四名のスタッフがおりますが、そのうちの約半分がCCS関連の業務に従事しておりまして、そういう意味では、CCSについての知見は日本の機関の中でもかなり上を行っているのではないかと自負しております。
四ページをお願いいたします。まず、CCSの位置づけをざっと簡単に御紹介させていただきます。
国際エネルギー機関、IEAがつくりました持続可能なシナリオを掲げさせていただいております。二〇七〇年までにいろいろな技術を導入することによってCO2を削減しようというふうな見込みでございますが、IEAのシナリオでは、ここに書いてございますとおり、下のところに赤でございますが、全体削減量の一五%をCCUSで対応できる、二〇七〇年の断面で年間六十九億トン、これを実現しようということで、それだけの効果が期待されております。
次に、五ページを御覧ください。
昨年十一月にアラブ首長国連邦で開始されましたいわゆるCOP28、ここで、いわゆるグローバルストックテイク、パリ協定に基づいて各国が自主的に削減する削減目標を積み上げた、将来どうなるかということをみんなで評価をするという評価会が行われました。
その中でまとまったのが、この真ん中に赤字で書かせておりますけれども、ゼロ排出、低排出技術の加速、炭素回収、利用、貯留、CCUS、こういったことに世界全体で取り組みましょうということが強くうたわれておりまして、そういう意味で、このCOPの決定において化石燃料からの移行に言及したのは初めてですが、原子力やCCUSについてきちっと記載していただいたということは注目に値するのではないかというふうに思っておる次第でございます。
次に、六ページをお願いいたします。日本国内でのCCSの位置づけでございます。政府の目標として二〇五〇年カーボンニュートラルというものがうたわれておりますが、それを達成するための技術の積み上げをポンチ絵で記載させていただいております。
当然、省エネとかあるいはエネルギー需要の低減によって温室効果ガスの削減を図る、これが一番でございます。上の緑のところでございます。さらに、原子力、国内再生可能エネルギーの導入で一次エネルギー供給量を下げる、足らないところは海外から、再生エネルギーを活用したグリーン水素、グリーンアンモニアを輸入する、また、海外のCO2の貯留層の利用ということで、いわゆるブルー水素、ブルーアンモニアを輸入する、そういったことで国内の一次エネルギー供給量からの脱炭素化が図れるわけでございますが、下に書いてありますとおり、そうはいっても、やはり化石燃料はある程度使わざるを得ないだろうと。
その場合、CCSつきの化石燃料あるいはCCSなしの化石燃料の使用というのがございます。CCSつきの化石燃料は、右側に行きまして、国内で貯留する、場合によっては海外のCO2の貯留層を利用するということもありますが、CCSの、化石燃料につきましては、いわゆるオフセット、要するに、バイオマス発電によるBECCS、それから大気からのCO2の直接回収、DACでございます、そういったものによってオフセットをするということが必要になってまいります。
いずれにしましても、BECCS、DACCS、CCSつき化石燃料につきましては、どこかに貯留をしなければならない。国内に貯留をするか、あるいは海外の貯留層を活用する、要するに海外にCO2を輸出する、こういったことによってカーボンニュートラルが達成できるだろうというのが私どもがつくっておりますシナリオでございます。
次に、七ページを御覧ください。
そのCCSというのはどれぐらいのコストがかかるのですか、これはよく聞かれます。結論から言いますと、CO2の回収量、それから、どれだけ運ぶのか、どれだけ貯留をするのか、また貯留する場所も陸域なのか海域なのかによって、いろいろバラエティーに富んだ結果が出ます。
代表的な例で申し上げますと、足下で見ますと、パイプラインで国内に運んで陸上から入れる、これが一番安くて、CO2一トン当たり一万二千八百円と見ております。また、船舶輸送で、海上で比較的長距離を運んだ場合には二万二百円ということで、大体、今の足下のコストとして、CO2一トン当たり一万二千八百円から二万二百円というふうなのが私どもの試算でございます。
これをどう評価するかということでございます。カーボンプライシングとの関係で判断するのがいいのかなということで、次の八ページでございますが、カーボンプライシング、ちょっと日本国内ではきちっとしたものが見当たりませんので、一番使われておりますヨーロッパ、EU―ETSでのカーボンプライシングと比較してまいりました。
第一フェーズ、第二フェーズ、第三フェーズ、ずっと低迷しておりましたが、二〇二一年の第四フェーズからこのカーボンプライシング、EU―ETSのプライスが上がっておりまして、二〇二三年にはCO2一トン当たり百ユーロ。したがいまして、これは日本円に換算しますと一万五千円ぐらいになるんでしょうか。そうしますと、先ほど申し上げました今の足下の断面の日本国内のCCSコスト一万二千八百円から二万二百円と、まあまあ、どっこいどっこいといいますか、かなり近づきつつあるのではないかなと思います。さはさりながら、これを更に研究開発によってコストを下げなければならないということは必要だと思います。
続きまして、RITEの取組について御紹介させていただきます。九ページを御覧ください。
私ども、二〇〇〇年から基礎研究を始めております。後ほど触れますけれども、新潟県の長岡で、国内で初めての実証試験を開始しております。二〇一一年から基盤技術開発、安全に貯留をする、また経済的に貯留をするという基盤技術開発をしております。その成果を基に、二〇一六年から実用化、実用化というのは大体国際標準で年間百万トンのCO2の貯留をするということでございますので、そういった目標に向かって実用化に向けた研究開発に取り組みましたが、私どもRITEだけではなかなか難しいということで、二〇一六年に、右下にございますが、二酸化炭素地中貯留技術研究組合、これは、現在は民間企業九社と産総研さんとRITE、十一社でございますけれども、こういった民間企業の知見、あるいは、もちろんサイトも活用しながらの研究開発に取り組んでおりまして、二〇二四年度、今度の四月から新たな第三ステージの研究に移行するところでございます。
具体的に御紹介いたします。次の十ページを御覧ください。
二〇〇三年から二〇〇五年に、国内初でCO2貯留の実証試験をRITEが行っております。CO2の総圧入量が一万四百トンでございます。ここに写真で描いてありますような装置を使って、地下千メートルぐらいの圧入井にCO2を一日四十トンから六十トンくらいの量で貯留しております。圧入井の横に観測井というのを掘りまして、この井戸をうまく活用して地下のモニタリングをずっと継続しております。
その状況が次の十一ページでございます。十一ページを御覧ください。
坑井間弾性波トモグラフィーという技術を継続して実施しておりまして、二つの坑井の中に弾性波を飛ばすことによってその地下にあるCO2をモニターしております。この図にありますとおり、赤の中の緑の部分が、これがCO2でございます。二〇〇四年の中越地震の前に取った図、それから、圧入を終了してから五年九か月後の図ということでございますが、見ていただいて分かりますとおり、ほとんどCO2の移動が確認されていない。逆に言いますと、安定的にその場にとどまっているということが確認されております。
話が相前後して申し訳ございませんが、実は、CO2圧入を開始した翌年の二〇〇四年に中越地震がございました。このサイトも震度六強が揺れて大変だったりというふうに聞いておりますが、新潟県の御指導もあって操業はすぐ止めました。その後、CO2の漏えいが全く確認されなかったということもありまして、一か月半後に圧入を再開し、二〇〇五年にCO2の圧入を無事終了いたしました。やれやれと思っておりましたら、その翌々年に中越沖地震というのがまた起きまして、このときも、大変揺れましたけれども、CO2の漏えいは確認されておりません。さらに、その後もモニタリングをずっと続けておりまして、CO2の挙動についてはちゃんと安全にとどまっているということが確認されましたので、二〇二一年にモニタリングを終了して、圧入井も閉鎖しております。
このモニタリングでございますが、次の十二ページを御覧いただきたいと思います、新しい技術に我々はチャレンジしております。
CO2の圧入坑井と観測坑井、それぞれに光ファイバーケーブルをはわせまして、二種類の波長の光信号を送って、その波長の違いによって、何かイベントがあったときに戻ってくる時間が違うということで、どこでどんなイベントが起きているのかというのが分かる。具体的には、CO2の分布状態ですとか、それから地下の地層のひずみの状況、あるいは地下の温度変化、こういったものがリアルタイムでどこで何が起きているかというのが分かるという新しい技術をRITEが開発しております。
その技術については海外からも注目を浴びておりまして、次の十三ページを御覧いただきたいと思いますが、アメリカと豪州の研究機関から一緒にやろうよというお誘いがございました。
アメリカでは、ノースダコタ州のCCSプロジェクトサイトに光ファイバー観測システムを置いて、もう既にここでは三十万トンのCO2の圧入が行われておりますが、私どもの光ファイバー計測技術でCO2の挙動等を解析しております。また、右側の図は豪州でございますけれども、これもオーストラリアの方から共同研究の申出がありまして、ここはむしろチャレンジングで、断層の安定性評価をやりたいということで、断層に穴を掘って光ファイバーケーブルを垂らすことによってその断層についての評価を行おうということで、今、オーストラリアのパースの近郊で行っているところでございます。
続きまして、ちょっと観点が変わりまして、次のページを御覧いただきたいと思います。私どものこれまで培ってきたCCSについての成果を、二〇二五年、来年の大阪・関西万博で実証プラントを動かすことによって内外の皆さんに見ていただこうという試みでございます。
この図面にありますとおり、会場の右下、バックヤードの場所でございますけれども、RITE実証プラントを置く。何を置くかといいますと、次のページ、十五ページを御覧いただきたいと思いますが、実証プラントのイメージ、これは昨年の七月に博覧会協会さんの記者発表のときに使った資料でございますけれども、この実証プラントの中核になりますのは、この紙の左の上の方にございます、ダイレクト・エア・キャプチャーと英語で書いておりますが、大気からの二酸化炭素の直接回収装置でございます。要するに、博覧会会場の中の大気のCO2を回収する。
その回収したCO2をどうするのかというのが右に書いてございますけれども、まず、地中に貯留しましょう、ちょっと博覧会の会場の中には直接貯留できないので、ローリーで貯留サイトまで運んで、そこで地中貯留をするという計画がございます。それから、二つ目には、アスファルト舗装材に使って、会場の建設に使っていただくということ。それから、三番目は、これは、私どもではなくて、私どものサイトの隣にございますメタネーション施設、CO2と水素によってメタンガスを合成して作るメタネーションでございますが、大阪ガスさんがそれを動かされるということで、私どものダイレクト・エア・キャプチャーで回収したCO2もそのメタネーションに使っていただく。そこで作られたメタンガスは、パイプラインで、会場の中の迎賓館、RITE実証プラントの横、三百メートルぐらいのところにございますけれども、そこの迎賓館の厨房に持っていって、内外のVIP様のための料理を作るという構想でございます。
こういったことによって、日本の優れた環境技術を万博の場を使って内外の方にアピールしようという計画でございます。
続きまして、CCSの国際的動向を御説明させていただきたいと思います。十六ページを御覧いただきたいと思います。
これはグローバルCCSインスティテュートが昨年発表したものでございますが、昨年の段階で、稼働中のCCSプロジェクトが四十一、建設段階二十六、開発段階三百二十五ということで、開発段階がかなり増えて、プロジェクト総数でも前の年に比べて一〇二%増、ほぼ倍増しているということで、世界的にCCSが動き出したということでございます。日本も先進的CCS事業が昨年の七月に採択されたということもありまして、緑がいっぱい増えているというところでございます。
こういった世界のCCSプロジェクトを後押しするために、諸外国では早い段階からCCSの法制を導入しております。十七ページを御覧いただきたいと思います。
EU、英国、ノルウェー、豪州、アメリカ。大体二〇〇八年ぐらい、これは先ほど中島社長が御説明されておりましたが、二〇〇八年の北海道洞爺湖サミットで、G7でCCSをやろうじゃないかという合意があって、それを受けて各国が一生懸命法制の準備をしたということで、日本でも、今回、CCS事業法が導入されるということで、やっと諸外国と足並みがそろったなという感じがした次第でございます。
もう一つ、技術的に国際的に協力をしましょうというのが十八ページでございます。
国際標準、ISOを作ろうということで、ISOのTC265というコミッティーをつくりまして、その中に六つのワーキンググループ、回収、輸送、貯留等々でございますけれども、その六つの分野での標準化を進めているところでございます。既に十三の規格文書を発行済みで、八つの規格文書を現在審議中でございます。
国際標準化によって、やはりCCSの社会実装が進む、それから安全に運用される、経済的にもCCSができやすい、また、こういった国際標準に従って行うということで社会的受容性も得やすいということだと思います。
私どもRITEは、僭越でございますけれども、国内審議団体として、日本としての意見を取りまとめる役割が課されているところでございます。
十九ページを御覧いただきたいと思います。最後に、CCSについての私から見た今後の期待でございます。
まず第一が、今回御審議いただいておりますCCS事業法の整備によって、日本のCCS事業がいよいよ本格的に展開されるということでございます。それから、もう既に政府では政府支援が行われておりますけれども、さらに、先進的CCS事業の後の本格的な事業に対する支援の検討、また、コスト削減のために、分離・回収、地中貯留、そういった分野での研究開発を更に進めていただくということと、それから、CDR、カーボン・ダイオキサイド・リムーバル、要するに二酸化炭素除去という、先ほど御説明いたしましたダイレクト・エア・キャプチャーのような技術でございますが、こういった技術、もう欧米では本格的に研究が進んでおりますので、日本でも本格研究に是非着手していただきたいということでございます。
また、経産省の目標では、二〇三〇年までに年間六百万トンから千二百万トン、二〇五〇年までに年間一・二億トンから二・四億トンのCO2貯留という目標を掲げられておりますけれども、それを達成するためには、いろいろな施設の整備が必要、またインフラの整備も必要になっております。これは、逆に言い換えますと、そういう施設整備を行うということで、大きな経済波及効果、さらには雇用効果が日本全体にもたらされるのではないかと思います。
そういった観点から見ますと、そういったことを実施するいわゆるサポーティングインダストリーというのは、ちょっと用語は悪いかも分かりませんが、CCS事業を底から支える産業も育てていかなければならないと思いますし、何といっても人材の育成、確保、これが一番大事なことだと思います。私どもRITEも、微力ではありますけれども、人材の育成に御協力できればと思う次第でございます。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
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二ページを御覧いただきたいと思います。本日は、CCSの位置づけを始め、四点についてかいつまんで御説明させていただきたいと思います。
まず、三ページを御覧ください。本論に入る前に、ごく簡単にRITEの御紹介をさせていただきたいと思います。
私どもRITEは、一九九〇年に設立されました研究機関でございまして、地球温暖化防止の研究開発がメインの仕事でございます。特に、CCS技術、バイオリファイナリー技術といった研究開発に加えまして、温室効果ガス削減の将来目標を定めるシナリオ分析、この事業を三本柱として行っております。場所としては、京都府木津川市にございます、けいはんな学研都市に立地しております。現在百八十四名のスタッフがおりますが、そのうちの約半分がCCS関連の業務に従事しておりまして、そういう意味では、CCSについての知見は日本の機関の中でもかなり上を行っているのではないかと自負しております。
四ページをお願いいたします。まず、CCSの位置づけをざっと簡単に御紹介させていただきます。
国際エネルギー機関、IEAがつくりました持続可能なシナリオを掲げさせていただいております。二〇七〇年までにいろいろな技術を導入することによってCO2を削減しようというふうな見込みでございますが、IEAのシナリオでは、ここに書いてございますとおり、下のところに赤でございますが、全体削減量の一五%をCCUSで対応できる、二〇七〇年の断面で年間六十九億トン、これを実現しようということで、それだけの効果が期待されております。
次に、五ページを御覧ください。
昨年十一月にアラブ首長国連邦で開始されましたいわゆるCOP28、ここで、いわゆるグローバルストックテイク、パリ協定に基づいて各国が自主的に削減する削減目標を積み上げた、将来どうなるかということをみんなで評価をするという評価会が行われました。
その中でまとまったのが、この真ん中に赤字で書かせておりますけれども、ゼロ排出、低排出技術の加速、炭素回収、利用、貯留、CCUS、こういったことに世界全体で取り組みましょうということが強くうたわれておりまして、そういう意味で、このCOPの決定において化石燃料からの移行に言及したのは初めてですが、原子力やCCUSについてきちっと記載していただいたということは注目に値するのではないかというふうに思っておる次第でございます。
次に、六ページをお願いいたします。日本国内でのCCSの位置づけでございます。政府の目標として二〇五〇年カーボンニュートラルというものがうたわれておりますが、それを達成するための技術の積み上げをポンチ絵で記載させていただいております。
当然、省エネとかあるいはエネルギー需要の低減によって温室効果ガスの削減を図る、これが一番でございます。上の緑のところでございます。さらに、原子力、国内再生可能エネルギーの導入で一次エネルギー供給量を下げる、足らないところは海外から、再生エネルギーを活用したグリーン水素、グリーンアンモニアを輸入する、また、海外のCO2の貯留層の利用ということで、いわゆるブルー水素、ブルーアンモニアを輸入する、そういったことで国内の一次エネルギー供給量からの脱炭素化が図れるわけでございますが、下に書いてありますとおり、そうはいっても、やはり化石燃料はある程度使わざるを得ないだろうと。
その場合、CCSつきの化石燃料あるいはCCSなしの化石燃料の使用というのがございます。CCSつきの化石燃料は、右側に行きまして、国内で貯留する、場合によっては海外のCO2の貯留層を利用するということもありますが、CCSの、化石燃料につきましては、いわゆるオフセット、要するに、バイオマス発電によるBECCS、それから大気からのCO2の直接回収、DACでございます、そういったものによってオフセットをするということが必要になってまいります。
いずれにしましても、BECCS、DACCS、CCSつき化石燃料につきましては、どこかに貯留をしなければならない。国内に貯留をするか、あるいは海外の貯留層を活用する、要するに海外にCO2を輸出する、こういったことによってカーボンニュートラルが達成できるだろうというのが私どもがつくっておりますシナリオでございます。
次に、七ページを御覧ください。
そのCCSというのはどれぐらいのコストがかかるのですか、これはよく聞かれます。結論から言いますと、CO2の回収量、それから、どれだけ運ぶのか、どれだけ貯留をするのか、また貯留する場所も陸域なのか海域なのかによって、いろいろバラエティーに富んだ結果が出ます。
代表的な例で申し上げますと、足下で見ますと、パイプラインで国内に運んで陸上から入れる、これが一番安くて、CO2一トン当たり一万二千八百円と見ております。また、船舶輸送で、海上で比較的長距離を運んだ場合には二万二百円ということで、大体、今の足下のコストとして、CO2一トン当たり一万二千八百円から二万二百円というふうなのが私どもの試算でございます。
これをどう評価するかということでございます。カーボンプライシングとの関係で判断するのがいいのかなということで、次の八ページでございますが、カーボンプライシング、ちょっと日本国内ではきちっとしたものが見当たりませんので、一番使われておりますヨーロッパ、EU―ETSでのカーボンプライシングと比較してまいりました。
第一フェーズ、第二フェーズ、第三フェーズ、ずっと低迷しておりましたが、二〇二一年の第四フェーズからこのカーボンプライシング、EU―ETSのプライスが上がっておりまして、二〇二三年にはCO2一トン当たり百ユーロ。したがいまして、これは日本円に換算しますと一万五千円ぐらいになるんでしょうか。そうしますと、先ほど申し上げました今の足下の断面の日本国内のCCSコスト一万二千八百円から二万二百円と、まあまあ、どっこいどっこいといいますか、かなり近づきつつあるのではないかなと思います。さはさりながら、これを更に研究開発によってコストを下げなければならないということは必要だと思います。
続きまして、RITEの取組について御紹介させていただきます。九ページを御覧ください。
私ども、二〇〇〇年から基礎研究を始めております。後ほど触れますけれども、新潟県の長岡で、国内で初めての実証試験を開始しております。二〇一一年から基盤技術開発、安全に貯留をする、また経済的に貯留をするという基盤技術開発をしております。その成果を基に、二〇一六年から実用化、実用化というのは大体国際標準で年間百万トンのCO2の貯留をするということでございますので、そういった目標に向かって実用化に向けた研究開発に取り組みましたが、私どもRITEだけではなかなか難しいということで、二〇一六年に、右下にございますが、二酸化炭素地中貯留技術研究組合、これは、現在は民間企業九社と産総研さんとRITE、十一社でございますけれども、こういった民間企業の知見、あるいは、もちろんサイトも活用しながらの研究開発に取り組んでおりまして、二〇二四年度、今度の四月から新たな第三ステージの研究に移行するところでございます。
具体的に御紹介いたします。次の十ページを御覧ください。
二〇〇三年から二〇〇五年に、国内初でCO2貯留の実証試験をRITEが行っております。CO2の総圧入量が一万四百トンでございます。ここに写真で描いてありますような装置を使って、地下千メートルぐらいの圧入井にCO2を一日四十トンから六十トンくらいの量で貯留しております。圧入井の横に観測井というのを掘りまして、この井戸をうまく活用して地下のモニタリングをずっと継続しております。
その状況が次の十一ページでございます。十一ページを御覧ください。
坑井間弾性波トモグラフィーという技術を継続して実施しておりまして、二つの坑井の中に弾性波を飛ばすことによってその地下にあるCO2をモニターしております。この図にありますとおり、赤の中の緑の部分が、これがCO2でございます。二〇〇四年の中越地震の前に取った図、それから、圧入を終了してから五年九か月後の図ということでございますが、見ていただいて分かりますとおり、ほとんどCO2の移動が確認されていない。逆に言いますと、安定的にその場にとどまっているということが確認されております。
話が相前後して申し訳ございませんが、実は、CO2圧入を開始した翌年の二〇〇四年に中越地震がございました。このサイトも震度六強が揺れて大変だったりというふうに聞いておりますが、新潟県の御指導もあって操業はすぐ止めました。その後、CO2の漏えいが全く確認されなかったということもありまして、一か月半後に圧入を再開し、二〇〇五年にCO2の圧入を無事終了いたしました。やれやれと思っておりましたら、その翌々年に中越沖地震というのがまた起きまして、このときも、大変揺れましたけれども、CO2の漏えいは確認されておりません。さらに、その後もモニタリングをずっと続けておりまして、CO2の挙動についてはちゃんと安全にとどまっているということが確認されましたので、二〇二一年にモニタリングを終了して、圧入井も閉鎖しております。
このモニタリングでございますが、次の十二ページを御覧いただきたいと思います、新しい技術に我々はチャレンジしております。
CO2の圧入坑井と観測坑井、それぞれに光ファイバーケーブルをはわせまして、二種類の波長の光信号を送って、その波長の違いによって、何かイベントがあったときに戻ってくる時間が違うということで、どこでどんなイベントが起きているのかというのが分かる。具体的には、CO2の分布状態ですとか、それから地下の地層のひずみの状況、あるいは地下の温度変化、こういったものがリアルタイムでどこで何が起きているかというのが分かるという新しい技術をRITEが開発しております。
その技術については海外からも注目を浴びておりまして、次の十三ページを御覧いただきたいと思いますが、アメリカと豪州の研究機関から一緒にやろうよというお誘いがございました。
アメリカでは、ノースダコタ州のCCSプロジェクトサイトに光ファイバー観測システムを置いて、もう既にここでは三十万トンのCO2の圧入が行われておりますが、私どもの光ファイバー計測技術でCO2の挙動等を解析しております。また、右側の図は豪州でございますけれども、これもオーストラリアの方から共同研究の申出がありまして、ここはむしろチャレンジングで、断層の安定性評価をやりたいということで、断層に穴を掘って光ファイバーケーブルを垂らすことによってその断層についての評価を行おうということで、今、オーストラリアのパースの近郊で行っているところでございます。
続きまして、ちょっと観点が変わりまして、次のページを御覧いただきたいと思います。私どものこれまで培ってきたCCSについての成果を、二〇二五年、来年の大阪・関西万博で実証プラントを動かすことによって内外の皆さんに見ていただこうという試みでございます。
この図面にありますとおり、会場の右下、バックヤードの場所でございますけれども、RITE実証プラントを置く。何を置くかといいますと、次のページ、十五ページを御覧いただきたいと思いますが、実証プラントのイメージ、これは昨年の七月に博覧会協会さんの記者発表のときに使った資料でございますけれども、この実証プラントの中核になりますのは、この紙の左の上の方にございます、ダイレクト・エア・キャプチャーと英語で書いておりますが、大気からの二酸化炭素の直接回収装置でございます。要するに、博覧会会場の中の大気のCO2を回収する。
その回収したCO2をどうするのかというのが右に書いてございますけれども、まず、地中に貯留しましょう、ちょっと博覧会の会場の中には直接貯留できないので、ローリーで貯留サイトまで運んで、そこで地中貯留をするという計画がございます。それから、二つ目には、アスファルト舗装材に使って、会場の建設に使っていただくということ。それから、三番目は、これは、私どもではなくて、私どものサイトの隣にございますメタネーション施設、CO2と水素によってメタンガスを合成して作るメタネーションでございますが、大阪ガスさんがそれを動かされるということで、私どものダイレクト・エア・キャプチャーで回収したCO2もそのメタネーションに使っていただく。そこで作られたメタンガスは、パイプラインで、会場の中の迎賓館、RITE実証プラントの横、三百メートルぐらいのところにございますけれども、そこの迎賓館の厨房に持っていって、内外のVIP様のための料理を作るという構想でございます。
こういったことによって、日本の優れた環境技術を万博の場を使って内外の方にアピールしようという計画でございます。
続きまして、CCSの国際的動向を御説明させていただきたいと思います。十六ページを御覧いただきたいと思います。
これはグローバルCCSインスティテュートが昨年発表したものでございますが、昨年の段階で、稼働中のCCSプロジェクトが四十一、建設段階二十六、開発段階三百二十五ということで、開発段階がかなり増えて、プロジェクト総数でも前の年に比べて一〇二%増、ほぼ倍増しているということで、世界的にCCSが動き出したということでございます。日本も先進的CCS事業が昨年の七月に採択されたということもありまして、緑がいっぱい増えているというところでございます。
こういった世界のCCSプロジェクトを後押しするために、諸外国では早い段階からCCSの法制を導入しております。十七ページを御覧いただきたいと思います。
EU、英国、ノルウェー、豪州、アメリカ。大体二〇〇八年ぐらい、これは先ほど中島社長が御説明されておりましたが、二〇〇八年の北海道洞爺湖サミットで、G7でCCSをやろうじゃないかという合意があって、それを受けて各国が一生懸命法制の準備をしたということで、日本でも、今回、CCS事業法が導入されるということで、やっと諸外国と足並みがそろったなという感じがした次第でございます。
もう一つ、技術的に国際的に協力をしましょうというのが十八ページでございます。
国際標準、ISOを作ろうということで、ISOのTC265というコミッティーをつくりまして、その中に六つのワーキンググループ、回収、輸送、貯留等々でございますけれども、その六つの分野での標準化を進めているところでございます。既に十三の規格文書を発行済みで、八つの規格文書を現在審議中でございます。
国際標準化によって、やはりCCSの社会実装が進む、それから安全に運用される、経済的にもCCSができやすい、また、こういった国際標準に従って行うということで社会的受容性も得やすいということだと思います。
私どもRITEは、僭越でございますけれども、国内審議団体として、日本としての意見を取りまとめる役割が課されているところでございます。
十九ページを御覧いただきたいと思います。最後に、CCSについての私から見た今後の期待でございます。
まず第一が、今回御審議いただいておりますCCS事業法の整備によって、日本のCCS事業がいよいよ本格的に展開されるということでございます。それから、もう既に政府では政府支援が行われておりますけれども、さらに、先進的CCS事業の後の本格的な事業に対する支援の検討、また、コスト削減のために、分離・回収、地中貯留、そういった分野での研究開発を更に進めていただくということと、それから、CDR、カーボン・ダイオキサイド・リムーバル、要するに二酸化炭素除去という、先ほど御説明いたしましたダイレクト・エア・キャプチャーのような技術でございますが、こういった技術、もう欧米では本格的に研究が進んでおりますので、日本でも本格研究に是非着手していただきたいということでございます。
また、経産省の目標では、二〇三〇年までに年間六百万トンから千二百万トン、二〇五〇年までに年間一・二億トンから二・四億トンのCO2貯留という目標を掲げられておりますけれども、それを達成するためには、いろいろな施設の整備が必要、またインフラの整備も必要になっております。これは、逆に言い換えますと、そういう施設整備を行うということで、大きな経済波及効果、さらには雇用効果が日本全体にもたらされるのではないかと思います。
そういった観点から見ますと、そういったことを実施するいわゆるサポーティングインダストリーというのは、ちょっと用語は悪いかも分かりませんが、CCS事業を底から支える産業も育てていかなければならないと思いますし、何といっても人材の育成、確保、これが一番大事なことだと思います。私どもRITEも、微力ではありますけれども、人材の育成に御協力できればと思う次第でございます。
どうも御清聴ありがとうございました。拍手
岡
岡
和
和田義明#13
○和田(義)委員 おはようございます。自由民主党の和田義明でございます。
今日は、四名の参考人の先生方にお越しをいただきました。先ほど来大変貴重な御知見、そして法案に対する御意見を賜りました。御多忙のところお越しをいただきまして、心から感謝を申し上げます。
CCS法案、大変期待の大きいものでありまして、二〇三〇年までに民間業者さんがCCSの事業を開始するための事業環境を整備するというようなことで、それを政府としてもしっかりと応援しなければいけないというところがミッションであります。地球の環境を守り、そして同時に産業も育成するというすばらしい取組であり、私も大きな期待を持って応援させていただきたいと思っております。
化石燃料のCO2の排出削減、これに極めて有効であるということ、温暖化緩和策、また脱炭素とエネルギー安全保障、これを両立できるということは極めて重要だと思っております。エネルギーソースをしっかりと分散させなければ、やはり国民にエネルギーを安定供給できないというふうに思いますし、私は選挙区が北海道でありますけれども、冬にエネルギーが断たれるということを胆振東部地震のときに、本当に数日ではあったんですけれども、強い恐怖感を持って体験をいたしました。やはり安定供給を確実にするということ、ここは極めて重要だと思っておりますので、石油そして天然ガス、こういったものをできるだけ減らす必要はあるものの、やはりCCSという新たな技術を使って、これらも含めたエネルギーソースの分散、安定供給、こういったことが実現できるということは大変すばらしいことだと思っております。
苫小牧のCCSの実証実験、実は私の選挙区はお隣の千歳からスタートしまして、今日苫小牧の選挙区の堀井先生もお越しでございますけれども、身近なところでこういった実証実験が行われている、特に苫東厚真の火力発電所のところで行われているということは、極めて意義が大きいと思っております。北海道も火力発電所がメインでありまして、今は泊の原子力発電所が止まっている状況でありますので、やはり火力発電所の環境対策をどうするかというのは、これは喫緊の課題でございます。
それに加えまして、苫小牧の隣の千歳市という町に先端半導体の工場のラピダス、これが目下建設中であります。二〇二五年には試作が開始され、そして二〇二七年には量産が開始されますけれども、この半導体がグリーン半導体と言えるかどうかということは、この先端半導体、政府がもう本当に力を入れて推進しているプロジェクトでありますけれども、この国策プロジェクトが本当に浮沈を懸けているところでありまして、何としてもやはりグリーン半導体であり続けなければならないというふうなところは、これは最大の課題の一つであります。
泊の原発の再稼働が二〇二七年の前半ないし半ばというふうに言われておりますので、本当に量産開始のタイミングとぎりぎりでありますけれども、その後、この半導体の工場というのは、第二工場、第三工場、今、最大第四工場まで造るかもしれないという構想もある中、最大、北海道の電力の一〇%ぐらいを消費する可能性があるというふうにも言われております。
そういった中、このCCSの存在というのは極めて大きいので、本当に政府挙げて推進しなければいけないというふうに思っておりますが、その一方で、私は、家族が阪神・淡路大震災の被災者でもありまして、地震というものに非常に強い心配を抱いておりますし、特に、二〇一八年、胆振東部地震があったとき、まさに苫小牧のCCSの実証実験中だったというふうなことでございました。
そこで一点、中島先生に確認をさせていただきたいんですけれども、モニタリングをして、CO2の漏れがないように確認をされているというふうなことでございました。本庄先生からも、長岡のところでしっかりと確認をされているということでございますけれども、金属等々で密閉されている状況ではない、地層でのみ遮蔽をしているという状況下で、縦から漏れない、じゃ、横から漏れないのかというふうな、本当に基本的な心配をしちゃうわけでございますけれども、これが漏れない、安心であるというところの背景について、少し御開陳をいただけたら大変ありがたいと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →今日は、四名の参考人の先生方にお越しをいただきました。先ほど来大変貴重な御知見、そして法案に対する御意見を賜りました。御多忙のところお越しをいただきまして、心から感謝を申し上げます。
CCS法案、大変期待の大きいものでありまして、二〇三〇年までに民間業者さんがCCSの事業を開始するための事業環境を整備するというようなことで、それを政府としてもしっかりと応援しなければいけないというところがミッションであります。地球の環境を守り、そして同時に産業も育成するというすばらしい取組であり、私も大きな期待を持って応援させていただきたいと思っております。
化石燃料のCO2の排出削減、これに極めて有効であるということ、温暖化緩和策、また脱炭素とエネルギー安全保障、これを両立できるということは極めて重要だと思っております。エネルギーソースをしっかりと分散させなければ、やはり国民にエネルギーを安定供給できないというふうに思いますし、私は選挙区が北海道でありますけれども、冬にエネルギーが断たれるということを胆振東部地震のときに、本当に数日ではあったんですけれども、強い恐怖感を持って体験をいたしました。やはり安定供給を確実にするということ、ここは極めて重要だと思っておりますので、石油そして天然ガス、こういったものをできるだけ減らす必要はあるものの、やはりCCSという新たな技術を使って、これらも含めたエネルギーソースの分散、安定供給、こういったことが実現できるということは大変すばらしいことだと思っております。
苫小牧のCCSの実証実験、実は私の選挙区はお隣の千歳からスタートしまして、今日苫小牧の選挙区の堀井先生もお越しでございますけれども、身近なところでこういった実証実験が行われている、特に苫東厚真の火力発電所のところで行われているということは、極めて意義が大きいと思っております。北海道も火力発電所がメインでありまして、今は泊の原子力発電所が止まっている状況でありますので、やはり火力発電所の環境対策をどうするかというのは、これは喫緊の課題でございます。
それに加えまして、苫小牧の隣の千歳市という町に先端半導体の工場のラピダス、これが目下建設中であります。二〇二五年には試作が開始され、そして二〇二七年には量産が開始されますけれども、この半導体がグリーン半導体と言えるかどうかということは、この先端半導体、政府がもう本当に力を入れて推進しているプロジェクトでありますけれども、この国策プロジェクトが本当に浮沈を懸けているところでありまして、何としてもやはりグリーン半導体であり続けなければならないというふうなところは、これは最大の課題の一つであります。
泊の原発の再稼働が二〇二七年の前半ないし半ばというふうに言われておりますので、本当に量産開始のタイミングとぎりぎりでありますけれども、その後、この半導体の工場というのは、第二工場、第三工場、今、最大第四工場まで造るかもしれないという構想もある中、最大、北海道の電力の一〇%ぐらいを消費する可能性があるというふうにも言われております。
そういった中、このCCSの存在というのは極めて大きいので、本当に政府挙げて推進しなければいけないというふうに思っておりますが、その一方で、私は、家族が阪神・淡路大震災の被災者でもありまして、地震というものに非常に強い心配を抱いておりますし、特に、二〇一八年、胆振東部地震があったとき、まさに苫小牧のCCSの実証実験中だったというふうなことでございました。
そこで一点、中島先生に確認をさせていただきたいんですけれども、モニタリングをして、CO2の漏れがないように確認をされているというふうなことでございました。本庄先生からも、長岡のところでしっかりと確認をされているということでございますけれども、金属等々で密閉されている状況ではない、地層でのみ遮蔽をしているという状況下で、縦から漏れない、じゃ、横から漏れないのかというふうな、本当に基本的な心配をしちゃうわけでございますけれども、これが漏れない、安心であるというところの背景について、少し御開陳をいただけたら大変ありがたいと思います。よろしくお願いします。
中
中島俊朗#14
○中島参考人 お答え申し上げます。
まず、サイトを選定する際に、地層の状況を十分に調査をした上で、それがまさに貯留適地であるかどうかということを確認して、貯留作業を開始することにいたしております。苫小牧の実証でも、実際に、試掘井といいますか調査井を掘削した上で、遮蔽層の能力ですね、遮蔽能力が十分であるということも技術的に確認をした上で貯留を開始したということが一点ございます。
それから、その上で、貯留層の中でどの程度CO2が広がっていくのかということは、あらかじめシミュレーションを行いまして、松岡参考人から少しお話がございましたけれども、想定をしております。圧入をしている期間中も段階的に弾性波探査というのを繰り返し行っておりまして、そうすると、地下の貯留層の中にCO2がどのぐらいの広がりを持って貯留されているかというのが可視化できる技術がございますので、そういった技術と事前に行ったシミュレーションとの整合性といいますか、合致しているかどうかを確認しながら実施をしてまいっております。
今、この苫小牧実証におきましても、これまでの間、繰り返し弾性波探査を含めて地下の貯留状況を確認しておりますけれども、その広がり方というのは、おおむね事前にやったシミュレーションとも合致しておりますし、その範囲内の中でとどまっているということを見ておりますので、胆振東部地震を経験した後も、その点については大きな変化は起こっていないということを確認しております。
それから、地下の状況につきましては、観測井も含めて地下の温度や圧力を観測をしておりまして、まさに地震が発生した直前直後も含めまして、地下の温度、圧力に異常がないということも確認をしております。
そういった点から、この苫小牧の実証においては、地震の専門家も含めた専門家、有識者の皆さんから、地震の発生源となったのではないかということについての因果関係も否定されておりますし、それから、大きな地震が発生したことによって、貯留地点の地下であったり井戸であったりが破壊されたり異常が生じていないということについても確認をされてございます。
一般論として申し上げますと、日本国内にも油ガス田というのは、海外の大産油国とは違いますけれども、存在をしておりまして、新潟や北海道苫小牧にも油ガス田が存在しておりますが、そうしたところは、相当長期間にわたってずっとそこに安定的に油ガスが貯留され続けているわけでございますので、一般論としては、地下、大きな深度、千メートルから三千メートルという深度でございますので、ここに大地震が与えたときに何か油ガス田が破壊されたということは、海外でもそういう事例は私は寡聞にして聞いておりませんので、そういう意味でも安心できるのではないかと考えている次第でございます。
以上、お答え申し上げました。
この発言だけを見る →まず、サイトを選定する際に、地層の状況を十分に調査をした上で、それがまさに貯留適地であるかどうかということを確認して、貯留作業を開始することにいたしております。苫小牧の実証でも、実際に、試掘井といいますか調査井を掘削した上で、遮蔽層の能力ですね、遮蔽能力が十分であるということも技術的に確認をした上で貯留を開始したということが一点ございます。
それから、その上で、貯留層の中でどの程度CO2が広がっていくのかということは、あらかじめシミュレーションを行いまして、松岡参考人から少しお話がございましたけれども、想定をしております。圧入をしている期間中も段階的に弾性波探査というのを繰り返し行っておりまして、そうすると、地下の貯留層の中にCO2がどのぐらいの広がりを持って貯留されているかというのが可視化できる技術がございますので、そういった技術と事前に行ったシミュレーションとの整合性といいますか、合致しているかどうかを確認しながら実施をしてまいっております。
今、この苫小牧実証におきましても、これまでの間、繰り返し弾性波探査を含めて地下の貯留状況を確認しておりますけれども、その広がり方というのは、おおむね事前にやったシミュレーションとも合致しておりますし、その範囲内の中でとどまっているということを見ておりますので、胆振東部地震を経験した後も、その点については大きな変化は起こっていないということを確認しております。
それから、地下の状況につきましては、観測井も含めて地下の温度や圧力を観測をしておりまして、まさに地震が発生した直前直後も含めまして、地下の温度、圧力に異常がないということも確認をしております。
そういった点から、この苫小牧の実証においては、地震の専門家も含めた専門家、有識者の皆さんから、地震の発生源となったのではないかということについての因果関係も否定されておりますし、それから、大きな地震が発生したことによって、貯留地点の地下であったり井戸であったりが破壊されたり異常が生じていないということについても確認をされてございます。
一般論として申し上げますと、日本国内にも油ガス田というのは、海外の大産油国とは違いますけれども、存在をしておりまして、新潟や北海道苫小牧にも油ガス田が存在しておりますが、そうしたところは、相当長期間にわたってずっとそこに安定的に油ガスが貯留され続けているわけでございますので、一般論としては、地下、大きな深度、千メートルから三千メートルという深度でございますので、ここに大地震が与えたときに何か油ガス田が破壊されたということは、海外でもそういう事例は私は寡聞にして聞いておりませんので、そういう意味でも安心できるのではないかと考えている次第でございます。
以上、お答え申し上げました。
和
和田義明#15
○和田(義)委員 誠にありがとうございました。
確かに、油田等々はしっかりと、何百年、何千年と油をしっかりと貯留しているというようなことでございますので、非常に分かりやすい御説明をありがとうございました。
その一方で、人工的に液化されたCO2、これを圧入するというようなことでありまして、新たなものを、自然でないものを入れるというようなことがあるわけでございますけれども、仮に、例えば地震でどこかしらにクラック等々ができて、それでこれが大気中ないし水に漏れた場合なんですけれども、これを速やかに止める方策というのはあるのかというところが一点と、あともう一つは、例えば仮にその近隣に人間が住んでいた場合の影響、その可能性について御開陳をいただければと思います。
この発言だけを見る →確かに、油田等々はしっかりと、何百年、何千年と油をしっかりと貯留しているというようなことでございますので、非常に分かりやすい御説明をありがとうございました。
その一方で、人工的に液化されたCO2、これを圧入するというようなことでありまして、新たなものを、自然でないものを入れるというようなことがあるわけでございますけれども、仮に、例えば地震でどこかしらにクラック等々ができて、それでこれが大気中ないし水に漏れた場合なんですけれども、これを速やかに止める方策というのはあるのかというところが一点と、あともう一つは、例えば仮にその近隣に人間が住んでいた場合の影響、その可能性について御開陳をいただければと思います。
中
中島俊朗#16
○中島参考人 お答え申し上げます。
まず、苫小牧の実証の事例におきましては、圧入井もそうですし、周辺に観測井、それから御紹介した海底に地震計を設置をするなどいたしまして、圧入中に地層が破壊された場合には振動が生じますので、そういった人為的な原因による振動が生じていないかということをずっと観測してまいりました。幸いにして、この苫小牧実証の期間中には、そういった微小振動を観測することはございませんでした。
基本的には、シェールガスの開発や何かがアメリカで行われていますけれども、あれは人為的に、わざと地層を破壊することによって、油やガスが採取しやすくなるということをやっておりますけれども、逆に、CCSの場合には、いかに地層にダメージを与えずに効率よく貯留していくかということに留意しておりますので、まず、それが生じないため、あるいは振動が生じたことを観測できるような措置を講じているということでございます。したがいまして、もし遮蔽層にそういった亀裂なり遮蔽層の破壊が疑われる場合には、直ちにその時点で圧入を停止するという措置が講じられることになると理解をしております。
そうした上でも、漏えいする、漏出するリスクというのは、一番リスクが高いのは、圧入している坑井自身を伝わって地上にCO2が出てくる場合でございまして、これにつきましては、坑井に対して何らかのアクション、石油、ガスの場合でも地下から逆流してきた場合にそれを措置する技術というのはございますので、そういったものを講じることによって、坑井からの漏えいは止めることができるであろうと思っております。
それから、地層を伝って出てくる場合でございますけれども、松岡参考人の御説明にもありましたが、例えば断層を伝って漏出する可能性ということは完全に否定することはできませんけれども、地下千メートルを超える深度であると、相当の地層圧で、断層のところであってもぱっくり口が開いているわけではなく、ぎゅっと押し詰まった状況でございますので、苫小牧の実証をする際にも、もし想定しないところに非常に大きな断層が仮にあると仮定をして、そこからどのぐらい漏出が起こるかというシミュレーションもしましたけれども、極めて少量しか出てこない、そういったシミュレーションも行っております。
したがって、地下千メートルに一旦埋めたものが別のところから、それを伝って再び大量に一気に漏出するというリスクは極めて低いのではないかと考えているところでございます。また、そういった極めて一気、短時間に大量に漏出することがなければ、仮に大気中に出てきた場合でも大気に希釈されますので、健康等に被害を及ぼす可能性というのは、絶対にないということはなかなか申し上げられないんですけれども、やはりそのリスク、可能性ということは相当程度低いのではないかというふうに考えているところでございます。
以上、お答え申し上げました。
この発言だけを見る →まず、苫小牧の実証の事例におきましては、圧入井もそうですし、周辺に観測井、それから御紹介した海底に地震計を設置をするなどいたしまして、圧入中に地層が破壊された場合には振動が生じますので、そういった人為的な原因による振動が生じていないかということをずっと観測してまいりました。幸いにして、この苫小牧実証の期間中には、そういった微小振動を観測することはございませんでした。
基本的には、シェールガスの開発や何かがアメリカで行われていますけれども、あれは人為的に、わざと地層を破壊することによって、油やガスが採取しやすくなるということをやっておりますけれども、逆に、CCSの場合には、いかに地層にダメージを与えずに効率よく貯留していくかということに留意しておりますので、まず、それが生じないため、あるいは振動が生じたことを観測できるような措置を講じているということでございます。したがいまして、もし遮蔽層にそういった亀裂なり遮蔽層の破壊が疑われる場合には、直ちにその時点で圧入を停止するという措置が講じられることになると理解をしております。
そうした上でも、漏えいする、漏出するリスクというのは、一番リスクが高いのは、圧入している坑井自身を伝わって地上にCO2が出てくる場合でございまして、これにつきましては、坑井に対して何らかのアクション、石油、ガスの場合でも地下から逆流してきた場合にそれを措置する技術というのはございますので、そういったものを講じることによって、坑井からの漏えいは止めることができるであろうと思っております。
それから、地層を伝って出てくる場合でございますけれども、松岡参考人の御説明にもありましたが、例えば断層を伝って漏出する可能性ということは完全に否定することはできませんけれども、地下千メートルを超える深度であると、相当の地層圧で、断層のところであってもぱっくり口が開いているわけではなく、ぎゅっと押し詰まった状況でございますので、苫小牧の実証をする際にも、もし想定しないところに非常に大きな断層が仮にあると仮定をして、そこからどのぐらい漏出が起こるかというシミュレーションもしましたけれども、極めて少量しか出てこない、そういったシミュレーションも行っております。
したがって、地下千メートルに一旦埋めたものが別のところから、それを伝って再び大量に一気に漏出するというリスクは極めて低いのではないかと考えているところでございます。また、そういった極めて一気、短時間に大量に漏出することがなければ、仮に大気中に出てきた場合でも大気に希釈されますので、健康等に被害を及ぼす可能性というのは、絶対にないということはなかなか申し上げられないんですけれども、やはりそのリスク、可能性ということは相当程度低いのではないかというふうに考えているところでございます。
以上、お答え申し上げました。
和
和田義明#17
○和田(義)委員 どうもありがとうございました。
続きまして、松岡先生にお伺いしたいと思います。
現時点までで、貯留可能地を十の地点、確認され、そして百六十億トンのCO2が貯留できるというようなことでチェックをされているということですけれども、これが日本の排出するCO2の七十年相当というようなことでありまして、かなりの量が貯留できる可能性が、この十地点でもってしてももう既にあるというようなことでございました。
その上で、今後こういう地点をこれから調べていって開発をするというふうなことが期待されるわけでございますけれども、同時に、CO2船で外国にもこれを持っていくというような話もございました。国内で貯留した方が、例えば燃料をたいて船で海外に持っていくというよりもいいのかな、環境にもいいのかなというようにも思いますし、トータルのCO2の排出量とかを考えても、その方がいいのかなと思うんですけれども、この点についての御意見を先生からいただけませんでしょうか。
この発言だけを見る →続きまして、松岡先生にお伺いしたいと思います。
現時点までで、貯留可能地を十の地点、確認され、そして百六十億トンのCO2が貯留できるというようなことでチェックをされているということですけれども、これが日本の排出するCO2の七十年相当というようなことでありまして、かなりの量が貯留できる可能性が、この十地点でもってしてももう既にあるというようなことでございました。
その上で、今後こういう地点をこれから調べていって開発をするというふうなことが期待されるわけでございますけれども、同時に、CO2船で外国にもこれを持っていくというような話もございました。国内で貯留した方が、例えば燃料をたいて船で海外に持っていくというよりもいいのかな、環境にもいいのかなというようにも思いますし、トータルのCO2の排出量とかを考えても、その方がいいのかなと思うんですけれども、この点についての御意見を先生からいただけませんでしょうか。
松
松岡俊文#18
○松岡参考人 御質問ありがとうございます。
まず、百六十億トンという数字ですけれども、これについては、先ほども御説明ありましたけれども、将来増えていくだろうというふうに考えております。
海外にCO2を持っていって圧入するというストーリーが考えられています。これは、もちろんそういう手法も重要でありますが、私の意見としては、まず国内でしっかり技術をつくり上げるというステージを取った後で、どうしても時間的な制約で、すぐに足りないというような状況になったときには、当然のことながら、海外に持っていくというアイデアは重要であろうというふうに思います。
ただ、そのときに、基本的には、やはりコストというのがどうなるかというのが、その判断の一つの鍵になるのではないかというふうに考えております。簡単ですけれども。
この発言だけを見る →まず、百六十億トンという数字ですけれども、これについては、先ほども御説明ありましたけれども、将来増えていくだろうというふうに考えております。
海外にCO2を持っていって圧入するというストーリーが考えられています。これは、もちろんそういう手法も重要でありますが、私の意見としては、まず国内でしっかり技術をつくり上げるというステージを取った後で、どうしても時間的な制約で、すぐに足りないというような状況になったときには、当然のことながら、海外に持っていくというアイデアは重要であろうというふうに思います。
ただ、そのときに、基本的には、やはりコストというのがどうなるかというのが、その判断の一つの鍵になるのではないかというふうに考えております。簡単ですけれども。
和
和田義明#19
○和田(義)委員 ありがとうございました。
きっちりと産業化をして、コスト競争力もつけて、そして日本の強みにしていく、このことが大変重要だというふうなことを勉強させていただきました。
貴重な御意見、どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →きっちりと産業化をして、コスト競争力もつけて、そして日本の強みにしていく、このことが大変重要だというふうなことを勉強させていただきました。
貴重な御意見、どうもありがとうございました。
岡
中
中野洋昌#21
○中野(洋)委員 公明党の中野洋昌でございます。
今日は、松岡参考人、また冨田参考人、中島参考人、そして本庄参考人、四名の皆様、それぞれのお立場から、このCCSの事業法案につきましての、CCSをめぐる様々な歴史であるとか、あるいは技術的な状況であるとか、いろいろな御知見をいただきまして、本当に参考になると思っております。改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。
今回、経済産業委員会で議論をしておりますのは、一つ水素社会の推進法案とCCS事業法という、カーボンニュートラルに向けての二つ重要な法案を今一括審議ということでやっておるわけであります。
カーボンニュートラルを実現をしていく、あるいはこうした脱炭素、気候危機に対応していく、こういうことはかなり社会的にも、それは必要だということで非常に理解が今進んでいる状況だとは思うんですけれども、その中でのCCSの位置づけがどうなのかということについては、まだ、正直、なかなか皆さん、CCSが、そもそも技術的な、先ほども地震の関係とかの御質問もありましたけれども、やはり安全性あるいは技術的にどんな状況にあるのかとか、あるいはそもそも何のためにやっていくのかであるとか、そういう必要性のところも含めて、これからしっかりとやはりそういうことを我々も説明しながら、CCSを事業化をしていく、推進をしていくということをしないといけないのかなというふうに個人的には思っております。
冒頭、松岡参考人とあと本庄参考人にお伺いをしたい、改めてというか、冒頭の非常に基本的なところではあるんですけれども。
そういう意味では、国民の皆様にとってまだ余りなじみがないCCSという事業でありますけれども、しかし、先ほど来のお話を伺っても、元々の歴史はかなり長い間あるというか、ノルウェーですとか、あるいは石油の採掘に伴ってそういうことをやってきたようなこともございますし、他方で、CCSの事業としての開発というのは近年急速に加速しているというか、そういう状況にもあるのかなというふうにも思っております。
そういう意味では、CCSをめぐる、今まさにそういうことがどんどん加速しているというふうな国際的な情勢や、あるいはそういう必要性でありますとか、その中で、今まさにこの事業法というものを作る必要性、そういう意味では、ひょっとしたらもっと早くやるべきであったという御意見もあるかもしれませんけれども、そういう、CCSをめぐる国際情勢の変化や、必要性がどう増えてきたか、あるいは、今まさにこの法案を作る意義というものをちょっと改めて参考人のお二人からお話をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →今日は、松岡参考人、また冨田参考人、中島参考人、そして本庄参考人、四名の皆様、それぞれのお立場から、このCCSの事業法案につきましての、CCSをめぐる様々な歴史であるとか、あるいは技術的な状況であるとか、いろいろな御知見をいただきまして、本当に参考になると思っております。改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。
今回、経済産業委員会で議論をしておりますのは、一つ水素社会の推進法案とCCS事業法という、カーボンニュートラルに向けての二つ重要な法案を今一括審議ということでやっておるわけであります。
カーボンニュートラルを実現をしていく、あるいはこうした脱炭素、気候危機に対応していく、こういうことはかなり社会的にも、それは必要だということで非常に理解が今進んでいる状況だとは思うんですけれども、その中でのCCSの位置づけがどうなのかということについては、まだ、正直、なかなか皆さん、CCSが、そもそも技術的な、先ほども地震の関係とかの御質問もありましたけれども、やはり安全性あるいは技術的にどんな状況にあるのかとか、あるいはそもそも何のためにやっていくのかであるとか、そういう必要性のところも含めて、これからしっかりとやはりそういうことを我々も説明しながら、CCSを事業化をしていく、推進をしていくということをしないといけないのかなというふうに個人的には思っております。
冒頭、松岡参考人とあと本庄参考人にお伺いをしたい、改めてというか、冒頭の非常に基本的なところではあるんですけれども。
そういう意味では、国民の皆様にとってまだ余りなじみがないCCSという事業でありますけれども、しかし、先ほど来のお話を伺っても、元々の歴史はかなり長い間あるというか、ノルウェーですとか、あるいは石油の採掘に伴ってそういうことをやってきたようなこともございますし、他方で、CCSの事業としての開発というのは近年急速に加速しているというか、そういう状況にもあるのかなというふうにも思っております。
そういう意味では、CCSをめぐる、今まさにそういうことがどんどん加速しているというふうな国際的な情勢や、あるいはそういう必要性でありますとか、その中で、今まさにこの事業法というものを作る必要性、そういう意味では、ひょっとしたらもっと早くやるべきであったという御意見もあるかもしれませんけれども、そういう、CCSをめぐる国際情勢の変化や、必要性がどう増えてきたか、あるいは、今まさにこの法案を作る意義というものをちょっと改めて参考人のお二人からお話をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
松
松岡俊文#22
○松岡参考人 お答えしたいと思います。
御指摘いただいたとおり、CCSに関しては長い歴史がありまして、その間いろいろな変遷がありました。ブームが幾つかありました。その中で、ブームがやはり途切れるといいますか、山の時代と谷の時代がありまして、現在、非常に一気に加速しています。
その原因ですけれども、まず、非常に重要な原因は、外部不経済であるというこの問題をいかに解決するかということが各国なかなか手をつけられなかったということだと考えています。
そういう意味で、CO2―EORという、まさにビジネスに直結して外部不経済ではない分野においては、一九七〇年代初頭から使われてきた技術だった。
そういう状況の中で、なぜ今、お金がかかるCCSに着目されているか、その理由について、待ったなしであるという認識が世界中に広がっているということだと思います。
つまり、カーボンプライシングをしてもなかなか全体に下がらない状況もありますし、再生可能エネルギーを、ますますこれから発展していくとは思いますけれども、その発展の仕方に対して、一・五度Cの目標が実現できるかというそのバランスの中で、CCSというのは現在存在している排出源に対して使える技術であるということと、直接的に更に大量に削減できるという、非常にそういう点があるということです。
例えて言うならば、火力発電所から出ている数百万トンのCO2を、じゃどうハンドリングするかと聞かれたら、一番答えとして出てくるのはCCSだろうと。その足かせとなっていた環境を、法的な整備ができてきたということと同時に、いろいろな、アメリカの四十五Qというような税制に対する手当てとか、そういう環境の変化の中で一気に進んできたというふうに私は見ております。
簡単ですけれども、以上でございます。
この発言だけを見る →御指摘いただいたとおり、CCSに関しては長い歴史がありまして、その間いろいろな変遷がありました。ブームが幾つかありました。その中で、ブームがやはり途切れるといいますか、山の時代と谷の時代がありまして、現在、非常に一気に加速しています。
その原因ですけれども、まず、非常に重要な原因は、外部不経済であるというこの問題をいかに解決するかということが各国なかなか手をつけられなかったということだと考えています。
そういう意味で、CO2―EORという、まさにビジネスに直結して外部不経済ではない分野においては、一九七〇年代初頭から使われてきた技術だった。
そういう状況の中で、なぜ今、お金がかかるCCSに着目されているか、その理由について、待ったなしであるという認識が世界中に広がっているということだと思います。
つまり、カーボンプライシングをしてもなかなか全体に下がらない状況もありますし、再生可能エネルギーを、ますますこれから発展していくとは思いますけれども、その発展の仕方に対して、一・五度Cの目標が実現できるかというそのバランスの中で、CCSというのは現在存在している排出源に対して使える技術であるということと、直接的に更に大量に削減できるという、非常にそういう点があるということです。
例えて言うならば、火力発電所から出ている数百万トンのCO2を、じゃどうハンドリングするかと聞かれたら、一番答えとして出てくるのはCCSだろうと。その足かせとなっていた環境を、法的な整備ができてきたということと同時に、いろいろな、アメリカの四十五Qというような税制に対する手当てとか、そういう環境の変化の中で一気に進んできたというふうに私は見ております。
簡単ですけれども、以上でございます。
本
本庄孝志#23
○本庄参考人 お答えいたします。
ただいま松岡先生が説明されたことと若干重複はあろうかとは思いますが、二〇〇八年がまず第一次CCSブームで、北海道洞爺湖サミットでのG7サミットでの宣言、それから各国がどんどんCCS法制を作った。しかし、実際には、事業としてはそれほど国際的にも進展していなかった。
第二次のステージが、二〇一五年にCOPでパリ協定ができて、各国が約束草案を提出する、自主的に削減をしよう、それを五年ごとにグローバルストックテイクのようなレビューでしていこうということで、温室効果ガス削減に待ったなしという状況になりました。
その上さらに、各国がカーボンニュートラルというものをかなり政策的に強く打ち出した。カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーで全てを賄うことはできない、既にある化石燃料施設を使わざるを得ないという意味で、やはりCCSにしっかり取り組まなければならない、そういう世界的なムードにもなってきたということで、二〇二二年ぐらいからまたブームになって、現在ここに至っているということではないかと思います。
当然、その背後には、松岡先生が御説明されたとおり、各国がカーボンプライシング制度を導入する、あるいは税制その他財政上の優遇措置を講ずる、そういう手厚い支援策をやることによって、外部不経済と言われていたCCSのビジネス環境が整ったということでございますので、今回のCCS事業法によって、日本国内でもそういう動きが進むんだと思います。
もう一点、社会的合意といいますか社会受容性の確保については、これは私ども若干不徳の致すところでございますが、そういった地道な活動は我々中立的な研究機関がもっと一生懸命取り組んでこなければならなかったかなと深く反省をしておりますが、その埋め合わせになるかどうかは分かりませんが、大阪・関西万博でCCSの実証プラントを動かすことによって、内外、特に日本国民からの認知度、理解度を高めていきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →ただいま松岡先生が説明されたことと若干重複はあろうかとは思いますが、二〇〇八年がまず第一次CCSブームで、北海道洞爺湖サミットでのG7サミットでの宣言、それから各国がどんどんCCS法制を作った。しかし、実際には、事業としてはそれほど国際的にも進展していなかった。
第二次のステージが、二〇一五年にCOPでパリ協定ができて、各国が約束草案を提出する、自主的に削減をしよう、それを五年ごとにグローバルストックテイクのようなレビューでしていこうということで、温室効果ガス削減に待ったなしという状況になりました。
その上さらに、各国がカーボンニュートラルというものをかなり政策的に強く打ち出した。カーボンニュートラルを実現するためには、再生可能エネルギーで全てを賄うことはできない、既にある化石燃料施設を使わざるを得ないという意味で、やはりCCSにしっかり取り組まなければならない、そういう世界的なムードにもなってきたということで、二〇二二年ぐらいからまたブームになって、現在ここに至っているということではないかと思います。
当然、その背後には、松岡先生が御説明されたとおり、各国がカーボンプライシング制度を導入する、あるいは税制その他財政上の優遇措置を講ずる、そういう手厚い支援策をやることによって、外部不経済と言われていたCCSのビジネス環境が整ったということでございますので、今回のCCS事業法によって、日本国内でもそういう動きが進むんだと思います。
もう一点、社会的合意といいますか社会受容性の確保については、これは私ども若干不徳の致すところでございますが、そういった地道な活動は我々中立的な研究機関がもっと一生懸命取り組んでこなければならなかったかなと深く反省をしておりますが、その埋め合わせになるかどうかは分かりませんが、大阪・関西万博でCCSの実証プラントを動かすことによって、内外、特に日本国民からの認知度、理解度を高めていきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
中
中野洋昌#24
○中野(洋)委員 ありがとうございます。大変よく分かりました。
済みません、ちょっと、本庄参考人にもう一問お伺いしたいのが、私、CCSの技術の開発というか、それを今後どういうところをやっていかないといけないのかというのも少しありまして、実際にやっていく中でコストがどのくらいかかるかという試算も示していただいて、少しその技術開発をめぐる今後の支援の在り方も是非お伺いできればと思うんですけれども。
CCSは、ずっとやってこられ、昔から歴史のある事業ということで、ある程度技術としては確立をしているような、そして、先ほど松岡参考人の方からも、日本もそういう技術はかなり有しているという御指摘もありました。そういうところで、今後またコストを下げていく中で、どういう技術的なブレークスルーがあり得るというか、ある程度大型化してロットを確保していけば下がっていくというふうなものなのか、あるいは、もう少しこういうところの技術開発をしていけば、日本に足りない技術、あるいはもっと世界で競争力が出てくるようなものがあるのか、ちょっと、そういう点についてお伺いをできればと思います。
この発言だけを見る →済みません、ちょっと、本庄参考人にもう一問お伺いしたいのが、私、CCSの技術の開発というか、それを今後どういうところをやっていかないといけないのかというのも少しありまして、実際にやっていく中でコストがどのくらいかかるかという試算も示していただいて、少しその技術開発をめぐる今後の支援の在り方も是非お伺いできればと思うんですけれども。
CCSは、ずっとやってこられ、昔から歴史のある事業ということで、ある程度技術としては確立をしているような、そして、先ほど松岡参考人の方からも、日本もそういう技術はかなり有しているという御指摘もありました。そういうところで、今後またコストを下げていく中で、どういう技術的なブレークスルーがあり得るというか、ある程度大型化してロットを確保していけば下がっていくというふうなものなのか、あるいは、もう少しこういうところの技術開発をしていけば、日本に足りない技術、あるいはもっと世界で競争力が出てくるようなものがあるのか、ちょっと、そういう点についてお伺いをできればと思います。
本
本庄孝志#25
○本庄参考人 お答えいたします。
先ほど、私、資料で、七ページでCCSのコストを御紹介させていただきましたが、足下の断面でのコストが一万二千八百円から二万二百円というふうに申し上げましたが、それを、二〇三〇年、二〇五〇年の削減目標をここに記載させていただいておりますが、一番金額的にも比率的にも削減効果が高いのが分離・回収でございます。まさしく、こういった分離・回収の研究開発をしっかりやることによって、かなりコストが下がるのではないかなというふうに見ております。
具体的に申し上げますと、既に液体吸収技術というものが確立されておりますが、それを大型化することによってコストも下がりますし、また、現在我々も取り組んでおりますけれども、違うやり方、固体にCO2を吸着させてそれを放散させて回収するような固体吸収技術、あるいはCO2だけを選択的に通す膜分離技術、こういったものが実現できますと小規模排出源にも適用できるということで、トータルで見たCCSの分離・回収コストが下がるというふうになると思います。
それから、貯留の部分につきましても研究開発要素はまだまだございまして、何といってもモニタリング技術でございますね、きちっと精度を上げて、安全にCO2があるということをいかに経済的に安くモニタリングできるかという技術を更に磨きをかけていく、この二点が必要かなというふうに思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →先ほど、私、資料で、七ページでCCSのコストを御紹介させていただきましたが、足下の断面でのコストが一万二千八百円から二万二百円というふうに申し上げましたが、それを、二〇三〇年、二〇五〇年の削減目標をここに記載させていただいておりますが、一番金額的にも比率的にも削減効果が高いのが分離・回収でございます。まさしく、こういった分離・回収の研究開発をしっかりやることによって、かなりコストが下がるのではないかなというふうに見ております。
具体的に申し上げますと、既に液体吸収技術というものが確立されておりますが、それを大型化することによってコストも下がりますし、また、現在我々も取り組んでおりますけれども、違うやり方、固体にCO2を吸着させてそれを放散させて回収するような固体吸収技術、あるいはCO2だけを選択的に通す膜分離技術、こういったものが実現できますと小規模排出源にも適用できるということで、トータルで見たCCSの分離・回収コストが下がるというふうになると思います。
それから、貯留の部分につきましても研究開発要素はまだまだございまして、何といってもモニタリング技術でございますね、きちっと精度を上げて、安全にCO2があるということをいかに経済的に安くモニタリングできるかという技術を更に磨きをかけていく、この二点が必要かなというふうに思っております。
以上でございます。
中
中野洋昌#26
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
分離・回収あるいはモニタリングということで、具体的な技術も示していただきまして。しっかりと、やはりこういう、日本がどれだけ技術的に、世界的にこういう技術を磨けるかというのが非常に大事だと思いますので、是非そういう応援もしていきたいと思います。
もう一問、中島参考人にお伺いをしたいのが、先ほどもありました、地震との関係がやはりどうしても、いろいろな御心配の声もあるものでございますので。
よく、地震があったときにCO2が漏れるんじゃないかという御意見は一つあります。先ほど、胆振東部のときにはそういうことはなかったというふうなお話もありました。
もう一つ、地層にCO2を入れていくと、それが地震のそもそも原因になるんじゃないかみたいな、そんな御心配の声もあるとも聞いておりまして、この点について、実際に胆振東部のときにはそうじゃなかったというふうなお話もありましたけれども、またこういうところについて、一般的にどのくらい安全性のそういうところが立証されているのかですとか、もう少し詳しくお伺いできればと思いまして、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →分離・回収あるいはモニタリングということで、具体的な技術も示していただきまして。しっかりと、やはりこういう、日本がどれだけ技術的に、世界的にこういう技術を磨けるかというのが非常に大事だと思いますので、是非そういう応援もしていきたいと思います。
もう一問、中島参考人にお伺いをしたいのが、先ほどもありました、地震との関係がやはりどうしても、いろいろな御心配の声もあるものでございますので。
よく、地震があったときにCO2が漏れるんじゃないかという御意見は一つあります。先ほど、胆振東部のときにはそういうことはなかったというふうなお話もありました。
もう一つ、地層にCO2を入れていくと、それが地震のそもそも原因になるんじゃないかみたいな、そんな御心配の声もあるとも聞いておりまして、この点について、実際に胆振東部のときにはそうじゃなかったというふうなお話もありましたけれども、またこういうところについて、一般的にどのくらい安全性のそういうところが立証されているのかですとか、もう少し詳しくお伺いできればと思いまして、よろしくお願いいたします。
中
中島俊朗#27
○中島参考人 御回答申し上げます。
まず、胆振東部地震のケースにおきましては、具体的には、水平距離それから垂直的な深度、震源との位置関係の分析を専門家の先生にしていただきまして、そこにおいて相当の距離が離れている、これは実際には三十キロメートルほど離れている、それから深度も、貯留地点は一千メートルから三千メートルぐらい、これに対して震源の位置は三万メートルということで、こちらも桁が一桁違うということがございました。したがって、この間の地層の連続性というものがなくて、入れたCO2が震源まで届くということはあり得ないというのが一点あろうかと思います。
それからもう一点は、地下に圧入したときの圧力の変動が震源の方まで伝播をして、それが何らかの影響を及ぼしたのではないかという疑念が出る可能性もあるんですけれども、それについても、この三十万トンを入れたことによる地下の圧力変動、応力の変動の幅というのが、月の運行で生じる潮汐力による地下に与える応力の影響、これの一千分の一ということで、したがって、月の運行によって日々苫小牧の実証のケースではその千倍の応力の変動を受けているということでありますので、これはやはり、圧力の伝播等が地震の発生につながったという可能性もないだろう、こういう御評価であったもの、要約いたしますとそういうことであったと理解しております。
その上で、苫小牧実証のエリアを選定した際もそうですし、今後行われるであろう貯留地の選定においても、地震の震源が集中しているエリアというのはやはり国内でありますので、そういったデータはもう十分に蓄積されておりますので、先ほど私の方から十一地点、百六十億トンと言った、ああいった貯留適地と思われる地点というのは、そういった地震の震源地域からは離れた地点というものをまずは抽出して、適地があると思っておりますし、実際に、最終的にサイトを選定する場合にも、それは、そういった震源地域あるいは大きな断層があるエリアからは距離的に離れたところを選んでいくということで、地震との影響を回避していくということであろうかと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →まず、胆振東部地震のケースにおきましては、具体的には、水平距離それから垂直的な深度、震源との位置関係の分析を専門家の先生にしていただきまして、そこにおいて相当の距離が離れている、これは実際には三十キロメートルほど離れている、それから深度も、貯留地点は一千メートルから三千メートルぐらい、これに対して震源の位置は三万メートルということで、こちらも桁が一桁違うということがございました。したがって、この間の地層の連続性というものがなくて、入れたCO2が震源まで届くということはあり得ないというのが一点あろうかと思います。
それからもう一点は、地下に圧入したときの圧力の変動が震源の方まで伝播をして、それが何らかの影響を及ぼしたのではないかという疑念が出る可能性もあるんですけれども、それについても、この三十万トンを入れたことによる地下の圧力変動、応力の変動の幅というのが、月の運行で生じる潮汐力による地下に与える応力の影響、これの一千分の一ということで、したがって、月の運行によって日々苫小牧の実証のケースではその千倍の応力の変動を受けているということでありますので、これはやはり、圧力の伝播等が地震の発生につながったという可能性もないだろう、こういう御評価であったもの、要約いたしますとそういうことであったと理解しております。
その上で、苫小牧実証のエリアを選定した際もそうですし、今後行われるであろう貯留地の選定においても、地震の震源が集中しているエリアというのはやはり国内でありますので、そういったデータはもう十分に蓄積されておりますので、先ほど私の方から十一地点、百六十億トンと言った、ああいった貯留適地と思われる地点というのは、そういった地震の震源地域からは離れた地点というものをまずは抽出して、適地があると思っておりますし、実際に、最終的にサイトを選定する場合にも、それは、そういった震源地域あるいは大きな断層があるエリアからは距離的に離れたところを選んでいくということで、地震との影響を回避していくということであろうかと思っております。
以上です。
中
岡