予算委員会第八分科会

2024-02-27 衆議院 全367発言

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会議録情報#0
本分科会は令和六年二月二十二日(木曜日)委員会において、設置することに決した。
二月二十六日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      石破  茂君    今村 雅弘君
      島尻安伊子君    石川 香織君
      林  佑美君    佐藤 英道君
二月二十六日
 佐藤英道君が委員長の指名で、主査に選任された。
令和六年二月二十七日(火曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
   主査 佐藤 英道君
      五十嵐 清君    石破  茂君
      今村 雅弘君    島尻安伊子君
      高木  啓君    伊藤 俊輔君
      石川 香織君    田嶋  要君
      堤 かなめ君    緑川 貴士君
      林  佑美君
   兼務 上田 英俊君 兼務 加藤 竜祥君
   兼務 山口  晋君 兼務 荒井  優君
   兼務 大島  敦君 兼務 山田 勝彦君
   兼務 伊佐 進一君 兼務 中野 洋昌君
   兼務 緒方林太郎君
    …………………………………
   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君
   内閣府副大臣       古賀  篤君
   国土交通副大臣      國場幸之助君
   国土交通副大臣      堂故  茂君
   文部科学大臣政務官    安江 伸夫君
   厚生労働大臣政務官    塩崎 彰久君
   国土交通大臣政務官    石橋林太郎君
   国土交通大臣政務官    こやり隆史君
   国土交通大臣政務官    尾崎 正直君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  笠尾 卓朗君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 上村  昇君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        中村 広樹君
   政府参考人
   (内閣府総合海洋政策推進事務局次長)       筒井 智紀君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 小林  豊君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局参事官)            太田原和房君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局参事官)            若原 幸雄君
   政府参考人
   (消費者庁消費者法制総括官)           黒木 理恵君
   政府参考人
   (消防庁国民保護・防災部長)           小谷  敦君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       浅野 敦行君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           永井 雅規君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           鳥井 陽一君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            松尾 浩則君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局整備部長)         緒方 和之君
   政府参考人
   (林野庁次長)      小坂善太郎君
   政府参考人
   (水産庁漁港漁場整備部長)            田中 郁也君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁次長) 松山 泰浩君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 寺田 吉道君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房公共交通政策審議官)     石原  大君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房技術審議官)         林  正道君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        秋月聡二郎君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長)            長橋 和久君
   政府参考人
   (国土交通省国土政策局長)            黒田 昌義君
   政府参考人
   (国土交通省不動産・建設経済局長)        塩見 英之君
   政府参考人
   (国土交通省都市局長)  天河 宏文君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        廣瀬 昌由君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  丹羽 克彦君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  石坂  聡君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  村田 茂樹君
   政府参考人
   (国土交通省物流・自動車局長)          鶴田 浩久君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  海谷 厚志君
   政府参考人
   (国土交通省港湾局長)  稲田 雅裕君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  平岡 成哲君
   政府参考人
   (観光庁次長)      加藤  進君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 前田 光哉君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房施設監) 扇谷  治君
   参考人
   (独立行政法人都市再生機構理事)         武井佐代里君
   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君
   予算委員会専門員     齋藤 育子君
    ―――――――――――――
分科員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  石破  茂君     高木  啓君
  今村 雅弘君     西野 太亮君
  石川 香織君     堤 かなめ君
  林  佑美君     堀場 幸子君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  啓君     五十嵐 清君
  西野 太亮君     今村 雅弘君
  堤 かなめ君     田嶋  要君
  堀場 幸子君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  五十嵐 清君     国光あやの君
  田嶋  要君     緑川 貴士君
  前原 誠司君     早坂  敦君
同日
 辞任         補欠選任
  国光あやの君     石破  茂君
  緑川 貴士君     伊藤 俊輔君
  早坂  敦君     市村浩一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 俊輔君     石川 香織君
  市村浩一郎君     赤木 正幸君
同日
 辞任         補欠選任
  赤木 正幸君     林  佑美君
同日
 第一分科員荒井優君、第三分科員加藤竜祥君、第四分科員中野洋昌君、第五分科員上田英俊君、山口晋君、緒方林太郎君、第七分科員大島敦君、山田勝彦君及び伊佐進一君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 令和六年度一般会計予算
 令和六年度特別会計予算
 令和六年度政府関係機関予算
 (国土交通省所管)
     ――――◇―――――
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佐藤英道#1
○佐藤主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。
 本分科会は、国土交通省所管について審査を行うことになっております。
 令和六年度一般会計予算、令和六年度特別会計予算及び令和六年度政府関係機関予算中国土交通省所管について、政府から説明を聴取いたします。斉藤国土交通大臣。
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斉藤鉄夫#2
○斉藤(鉄)国務大臣 国土交通省関係の令和六年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算の国費総額は、五兆九千五百三十七億円です。
 また、復興庁の東日本大震災復興特別会計に一括計上されている国土交通省関係予算の国費総額は、四百六十三億円です。このほか、自動車安全特別会計及び財政投融資特別会計に所要の予算を計上しております。
 北海道、離島及び奄美群島に係る公共事業予算につきましては、他省関係予算も含め、国土交通省予算に所要額を一括計上しております。
 財政投融資計画には、二兆七百八十九億円を計上しております。
 次に、令和六年度予算の基本的な考え方を御説明申し上げます。
 我が国は、気候変動に伴う豪雨や大雪等の自然災害の激甚化、頻発化や新型コロナウイルス感染症対策の経験を踏まえた持続可能かつレジリエントな経済社会の構築、世界的な物価高騰や諸外国における金融引締め、地政学的な不確実性等による経済の下振れリスクへの対応、急速に進行する人口減少、少子高齢化への対応等、時代の転換点とも言える構造的な課題に直面しています。こうした状況に対応し、国民の命と暮らしを守り抜くとともに、構造的賃上げの実現、GX、DXの推進、デジタル田園都市国家構想の実現等による新しい資本主義の加速、こども・子育て政策の抜本的強化や経済安全保障の推進、そして国土の将来ビジョンである新たな国土形成計画に基づく新時代に地域力をつなぐ国土の実現を図ることが急務となっています。
 こうした認識の下、令和六年度予算では、国民の安全、安心の確保、持続的な経済成長の実現及び個性を生かした地域づくりと分散型国づくりを三本柱として、令和五年度補正予算と併せて、切れ目なく取組を進めてまいります。
 この際、公共事業を的確に推進するため、資材価格の高騰等を踏まえて、必要な事業量を確保するとともに、新担い手三法も踏まえ、施工時期等の平準化や適正価格、工期での契約、必要な変更契約等による適切な価格転嫁等を進めてまいります。
 また、令和六年能登半島地震からの復旧復興に全力を尽くしてまいります。
 以上、国土交通省関係令和六年度予算の概要を御説明申し上げました。
 時間の関係もございますので、詳細な説明は省略いたしますが、主査におかれましては、お手元の印刷物の内容を会議録に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
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佐藤英道#3
○佐藤主査 この際、お諮りいたします。
 ただいま斉藤国土交通大臣から申出がありましたとおり、国土交通省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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佐藤英道#4
○佐藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔予算概要説明は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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佐藤英道#5
○佐藤主査 以上をもちまして国土交通省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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佐藤英道#6
○佐藤主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。加藤竜祥君。
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加藤竜祥#7
○加藤(竜)分科員 おはようございます。長崎二区選出の加藤竜祥でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、先日まで、斉藤大臣の下、国土交通大臣政務官を務めさせていただきました。約四か月の期間でしたが、大臣始め国土交通省の皆様お一人お一人が、日夜、国土を守り、国民の生命と安心、安全な暮らしを支えるために最大限御尽力くださっている姿を拝見し、大変貴重な時間でございました。この場をおかりしまして敬意と感謝を申し上げます。
 限られた時間でございますので、早速質問に入ります。
 まずは、条件不利地の公共事業の評価、採択基準についてお伺いをいたします。
 新年早々、恐ろしい自然災害が発生をいたしました。能登半島地震において亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様方にも心からお見舞いを申し上げます。
 今回の震災により、いわゆる重要インフラと言われる道路や港湾、そして空港が、命をつなぐ重要なものであることが再認識をされました。被災当初は、孤立集落の被災者には支援物資が渡らずに、適切な医療も受けられず、被害状況の全容把握にも大変時間がかかりました。自治体、自衛隊、そして建設業者の皆様方の懸命な御努力のおかげで緊急輸送路を確保いたしましたが、道路が防災上脆弱であったことが今回の被災地支援の大きな壁となったのは明らかでございます。
 多くの半島、離島地域は、急峻な地形の海岸線に沿った古い周回国道が一本あるのみの状況であり、災害時には緊急輸送路の確保が困難となる可能性があります。私の地元長崎県は、半島や離島といったいわゆる条件不利地が、面積で県全体の七三・二%、人口では三三・三%を占めておりますので、半島、離島地域の防災・減災対策の強化を進めるとともに、条件不利地の公共工事の評価の在り方を考え直さなければならないと痛感をいたしました。
 平成二十一年からの民主党政権のときには公共事業費が大きく削られ、平成二十三年度の公共事業費は、当初と補正合わせて五・三兆円です。ピークであった平成十年度が約十五兆円であったことからすれば、約三分の一になりました。現在では、国土強靱化五か年加速化対策もあり、少しずつ予算を積み増しておりますが、当初と補正合わせて八兆円強、確保されているにすぎません。この限られた予算の中で、日本全国に必要な公共事業に優先順位をつけ、取捨選択されているのが現状です。
 限られた予算の中から事業を採択するに当たって、ある程度の基準により線引きが必要なのは理解ができます。公共事業を採択する基準の一つとして、BバイCというのがございます。この基準によれば、費用対効果を見て、整備する費用に対して効果が低いと採択されません。例えば、道路を造るに当たり、利用者が少ないから意味がないと切り捨てられる傾向も見受けられます。しかし、私は、この基準にこだわり、重きを置き過ぎることは大きな誤りであると考えております。
 半島、離島地域は人口減少が著しく、費用対効果の基準で公共事業を評価するならば、いつまでも事業が採択されません。条件不利地域の特性を生かし、事前防災の観点からも公共事業を評価しなくてはならないという声が多数上がっております。
 具体的には、離島、半島などの条件不利地域で、火山や活断層があり、地震発生のリスクが将来にわたって高い地域では、防災面を重視すべきであると思います。さらに、そういった地域では、国防や食料供給などの観点からも事前防災対策が極めて重要であります。見方を変え、人口に重きを置き過ぎず、現在の費用対効果に表れない価値を再認識する必要があるんだろうと思います。
 地方にとっては、その道路があるからこそ、住民の命が守られると同時に、産業が成り立ちます。地方に道路があるからこそ、都市部に新鮮な農産物が届き、都市部の皆様方の生活を支えることができます。都市での生活を支えている地方の住民の生活の安全を確保することは、国民全体の利益となることは明らかであります。
 そこで、条件不利地の公共事業、特に道路事業の評価、採択に当たって、費用対効果の面ではなく、地理的条件、活断層の有無等、事前防災の観点を重視するべきではないのか。この点について、国土交通省の御所見をお伺いいたします。
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尾崎正直#8
○尾崎大臣政務官 お答えをいたします。
 御指摘のとおり、道路事業につきましては、ネットワークとしてつながることによりまして、移動時間短縮だけではなくて、災害時における避難や救命救急、復旧活動を支えるなど、防災面の効果など多様な効果が期待されるところだと、そのように認識をいたしております。
 このような多様な効果について、いわゆるBバイCで評価する手法が確立していない、そういうものもあるわけでございまして、このBバイC以外の手法と併せて、総合的に評価をしていくということが重要である、そのように考えているところです。
 こうしたことから、例えば防災面の効果につきましては、東日本大震災以降、道路を整備することによる災害時の地域の孤立や迂回が解消する度合いを計測する手法を導入するなどして、評価手法を充実してきたところではあります。
 御指摘のとおり、半島、離島部などの条件不利地の厳しさというのは、私も同じ条件不利地の出身でありますから、よく理解をいたしておるつもりでございます。ネットワークの多重性など、防災機能の効果を評価、現行でもいたしているところでありますけれども、今後とも、地域の実情に応じた道路の多様な効果を適切に評価できますように、評価手法の充実に努めていかなければならない、そのように認識をいたしているところでございます。
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加藤竜祥#9
○加藤(竜)分科員 ありがとうございました。引き続き、地方の思いを理解していただきながら、施策の推進を図っていただきたいと思います。
 続きまして、半島振興法の改正についてお伺いをいたします。
 公共事業の評価だけではなく、今後の法改正に向けても、条件不利地の住民の暮らしを守る観点が必要です。例えば、半島振興法は令和七年三月三十一日に期限を迎えます。半島振興法は、産業基盤や生活環境の整備等について、他の地域と比較して低位にある半島地域の住民の生活向上、国土の均衡ある発展を実現する観点から、昭和六十年に制定をされました。十年ごとに半島地域の状況を見直し、地域産業の振興による雇用機会の創出のため、財政、金融、税制等、様々な側面からの支援措置が講じられております。半島周遊道路の整備への国の支援も努力義務として法に記載されております。
 しかし、現行法では、半島地域の暮らしの安全や防災についての観点が不足していると思います。半島地域での住民の暮らしの安全性が確保されていなければ、半島振興法の本来の目的である半島地域の振興は達成できません。半島地域の振興のためには、住民の暮らしの安全性が担保されていることが大前提でありますから、災害に強いインフラ整備等の大事さを加筆、変更することを検討する必要があろうかと思います。道路整備についても、災害に強い規格の道路整備を法令上義務づけるような条文に変えることも検討しなくてはならないと思います。
 半島振興法の改正に臨むに当たりまして、能登半島地震の教訓を生かし、国土強靱化や防災の観点を改正に取り入れ、半島地域に暮らす住民の暮らしを守るため、実効性の高い法律にすべきであると思いますが、所管省庁としての御所見をお伺いいたします。
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黒田昌義#10
○黒田政府参考人 お答えいたします。
 能登半島を含みます半島地域は、三方を海に囲まれまして、平地に恵まれないなど、地理的条件に不利性を抱えており、特に災害時には交通や情報の途絶の危険性が高く、風水害や大規模地震に伴う津波の被害も懸念されております。
 今回の地震では、地震の揺れや津波による被害に加えまして、山がちな半島の先という特性からくる、インフラの大規模な損壊、代替ルートの少なさ、これによりますライフラインの寸断、途絶など、甚大な被害が生じているところでございます。
 改めまして、半島地域におきます安全、安心な暮らしを実現するため、防災機能を強化するための交通基盤整備、加えて、全国を上回る人口減少、高齢化を踏まえた生活環境の整備の必要性、認識しているところでございます。
 委員御指摘のとおり、半島振興法につきましては令和七年三月三十一日に法期限を迎えますけれども、制定及び改正につきましては、これまで議員立法により措置されてきていると認識をしております。
 国土交通省といたしましても、現在、国土審議会におきまして議論を重ねているところでございます。委員御指摘の点も踏まえまして、引き続きしっかりと検討を進めてまいります。
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加藤竜祥#11
○加藤(竜)分科員 ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、ジェットフォイル船の更新への財政支援についてお伺いをいたします。
 条件不利地の防災面を考えてみましたときに、離島地域において防災上の観点から重要視されるのが、海の国道こと高速船の運航の確保でございます。
 ジェットフォイル船は、本土と離島を結ぶ高速交通機関として、離島住民が日常的に利用し、かつ、救急搬送への対応など地元医療を支えております。長崎県では五島、対馬、壱岐と本土との航路にジェットフォイル船とフェリー船が就航しておりますが、県内航路の全利用者に占めるジェットフォイル船利用者の割合は六三%であり、島民に限ると六七・六%と更に高く、離島住民にとってまさに生活を支える足となっております。また、年間を通じて安定航行が可能であり、観光やビジネスにより交流人口の拡大に大きく寄与しております。
 しかし、一九九〇年に導入したジェットフォイル船は、導入以来三十年以上が経過し、老朽化が進行しているため、将来を見据えた更新の計画が不可欠でございます。
 一九九〇年当時、船価が二十五億円だったことに対して、昨今の物価高騰や建造費の高騰により、現在、更新に必要な価格は七十億円を超えていると言われております。新型コロナにより利用者の大幅な減少の影響を大きく受けた航路事業者単独での更新は困難な状況になっております。自治体にも財政的な余裕はなく、支援に踏み切れない状況です。
 一方で、新たな建造計画の見通しがなければ、部品供給網と建造体制の維持が困難となり、更新に係る新たな支援制度を早急に創設することが急務です。
 現在、国と自治体と事業者が七対二対一で十五年間共有し、事業者が十五年間国と県に対して利用料を支払いながら費用を償還する船舶共有建造制度がありますが、国境離島の国家的役割や、離島にとってジェットフォイルが離島住民の暮らしを支えており、また交流人口の増加に不可欠なことを鑑みれば、ジェットフォイル船更新への特別な支援が必要なのは明らかです。
 一昨年施行された改正離島振興法十二条には、高速安定航行が可能な船舶などの更新に対する支援を配慮規定として明記されておりますが、具体的にどのような支援をできるかについて議論の余地を残しております。
 離島の生活維持、離島振興のため、ジェットフォイル船更新に対する国の支援が必要と考えますが、国交省の所見をお聞かせください。
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海谷厚志#12
○海谷政府参考人 お答え申し上げます。
 ジェットフォイルにつきましては、高速性、乗り心地、あるいは就航率に優れまして、離島の住民の生活や地域経済の活性化に大変重要な役割を果たしております。また、その一方で、現在国内で就航するジェットフォイルの平均船齢は、御指摘のとおり三十年を超えております。後継船の建造の必要性が高まりつつあるものと認識しております。
 こうした中、国土交通省におきましては、御指摘の離島振興法改正の趣旨も踏まえまして、ジェットフォイルの更新に向けて、関係自治体、旅客船事業者や造船事業者と、費用負担の在り方でございますとか更新スケジュールなどについて意見交換を重ねるとともに、後継船を建造した場合の効果を分析するための調査を進めているところでございます。
 国土交通省といたしましては、このような取組の結果を踏まえながら、関係自治体とも緊密に連携しつつ、後継船の建造が円滑に進むよう努めてまいりたい、このように考えてございます。
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加藤竜祥#13
○加藤(竜)分科員 ありがとうございました。
 離島の皆様方の命、そして産業、暮らしを守るのがジェットフォイルの役割でございますので、引き続き前向きな御支援のほどをよろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、観光業の地域と一体となった高付加価値化事業についてお伺いをいたします。
 私の地元は、日本で初めての国立公園や、世界遺産、有明海、橘湾、対馬、壱岐といった風光明媚な海、また、雲仙、小浜といった全国的な知名度の高い温泉にも恵まれております。さらに、伝統文化や、海の幸、山の幸も豊かにあり、世界に誇れる観光資源がございます。
 また、観光業は、宿泊、飲食、航空、鉄道、小売、一次産業などにも影響が及ぶ大変裾野が広い産業であり、地方創生の鍵となっておりますが、コロナ禍により地方の観光業が疲弊した状況であり、この観光資源をいかに磨き上げていくのかが地域の大きな課題でございます。
 こういった観光地の問題を観光庁が把握され、地域計画の構築、磨き上げ及び宿泊、観光施設の改修、廃屋の撤去、面的DXなど、地域、産業の稼ぐ力を回復、強化するための取組を支援していただいている高付加価値化事業は、地方において大変好評でございます。
 地域が一体となって地域の観光資源の価値を高め、地域をブランディングし、団体旅行から個人旅行への転換、ワーケーション等の新たな旅のスタイルの普及など、旧来の観光地が対応し切れなかったニーズをつかみ、柔軟に時代に合った観光事業へと変えていくには、国の強い支援が大きな励みになっております。
 また、円安の影響もありインバウンドが戻りつつある中、少子高齢化の影響により伸び悩んでいる国内需要を補うべく、大きなチャンスだと考えております。積極的に訪日客を取り込み、日本の観光資源を訪日客に再発見してもらう形で、持続的な高付加価値化に取り組んでいくことも重要であると思います。さらに、訪日客に地方での観光資源を知ってもらえば、地方に人の流れを更に誘導していくことも可能となります。それは、地方経済活性化にもつながり、日本経済全体への好影響も期待できます。
 観光業から地方創生を成し遂げるためには、いまだ道半ばであると思います。日本のすばらしい観光資源を更に磨き上げ、持続可能な観光地域づくりに向けて、観光庁はどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いをいたします。
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加藤進#14
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、国内外の観光需要は急速に回復し、多くの観光地がにぎわいを取り戻しているところでございます。
 一方で、インバウンドの宿泊先は三大都市圏に全体の七割が集中するなど、都市部を中心とした一部地域への偏在傾向が見られるところでありまして、地方部への誘客をより一層強力に推進することが必要だと考えております。
 また、コロナ禍により極めて大きな影響を受けた観光地、観光産業は、稼ぐ力を回復、さらには強化する必要があります。そのためには、観光地、観光産業の高付加価値化を強力に推進することが重要だと考えております。
 そのため、観光庁といたしましては、宿泊施設を核とした面的な取組を支援する観光地、観光産業の再生、高付加価値化事業や、各地域における特別なコンテンツの創出による地方の観光地の魅力向上などに取り組んでいるところでございます。
 これらの取組により、観光地、観光産業の稼ぐ力の回復、強化を図り、収益力を高めるとともに、地方への誘客を促進することで、持続可能な観光の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
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加藤竜祥#15
○加藤(竜)分科員 ありがとうございました。
 地方の端々まで観光客が行き渡るような施策を、引き続きどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 最後に、港湾整備についてお伺いをいたします。
 日本の最西端に位置し、離島、半島を多く有する本県、長崎県においては、港湾が地域の拠点となり、人流、物流を支え、発展をいたしております。活力ある地域を創出するためには、地域の基幹産業としっかりと連携をして、新たな雇用や経済を支える港湾の整備促進が必要です。また、離島にとっては、本土とのつながり、物流の拠点である港湾の防災機能の強化が大変大事になってまいります。
 そこで、国土交通省として、離島や地方港湾の果たす役割と昨今の自然災害の状況等を鑑みて、今後の整備方針についての御所見をお伺いいたします。
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稲田雅裕#16
○稲田政府参考人 今般の能登半島地震を見ても明らかなとおり、地理的制約の厳しい離島、半島におきましては、災害時に港湾機能が停止した場合、人命救助活動や緊急物資輸送に支障を来すおそれがあり、港湾の果たす役割は大きなものであると認識をしてございます。
 このため、地理的制約の厳しい離島、半島におきましても、住民の避難ルートの確保及び緊急物資輸送等の観点から、既存ストックを最大限活用しつつ、耐震強化岸壁を適正に配備すべきであると考えてございます。
 例えば、長崎県の壱岐、対馬地域でございますけれども、壱岐の郷ノ浦港、そして対馬の厳原港で耐震強化岸壁を整備済みでございますし、現在、対馬の比田勝港でも整備を進めているところでございます。
 国土交通省といたしましては、離島、半島における岸壁の耐震化など、港湾における必要な防災・減災対策、そして地域の経済基盤の整備をしっかり推進してまいりたいと考えております。
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加藤竜祥#17
○加藤(竜)分科員 ありがとうございました。
 引き続き、港湾の整備と暮らし、そして生命、産業を守るために、しっかりと御支援のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 今回は、条件不利地における課題を中心に質疑をさせていただきました。国民の安心、安全な暮らしを支えるとともに、地方創生の鍵ともなるのが国土交通行政であると私自身も確信をいたしているところでございます。どうか、国土交通省の皆様におかれましては、引き続き地方の声に耳を傾けていただくことを切にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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佐藤英道#18
○佐藤主査 これにて加藤竜祥君の質疑は終了いたしました。
 次に、林佑美君。
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林佑美#19
○林(佑)分科員 日本維新の会・教育の無償を実現する会の林佑美です。
 今日は、質問の機会を与えてくださり、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず、国土強靱化対策についてお伺いいたします。
 近年、全国各地で大規模な災害が発生していますが、今年は、年明けとともに能登半島地震が発生し、大変大きな被害が発生いたしました。今回の地震では、土砂崩れや陥没で道路が寸断され、救助や復旧、支援にも大きな足かせとなっております。
 今回の災害で再認識いたしましたのは、半島における道路の重要性です。災害から速やかに復旧復興するためには、道路ネットワークの機能を強化しておくことが必要不可欠です。その一つとして、高規格道路のミッシングリンクを早期に解消する必要があると考えます。
 私の地元になります紀伊半島には、高規格道路である近畿自動車道紀勢線があります。現在、道路整備が進められておりますが、いまだミッシングリンクの解消には至っておりません。半島における道路の寸断は、国民の命に直結いたします。災害直後から、避難、救助を始め、物資供給等の応急活動を行う緊急車両の通行を確保するための緊急輸送道路は、命の道として一刻も早く確保していかなければなりません。そのためには、必要な予算を確保し、一日でも早くミッシングリンクの解消を図る必要があります。
 紀伊半島における高規格道路のミッシングリンクの早期解消に向けた見通しをお伺いいたします。
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丹羽克彦#20
○丹羽政府参考人 お答え申し上げます。
 委員から御指摘のありました紀伊半島の高規格道路であります近畿自動車道紀勢線につきましては、南海トラフ巨大地震など大規模災害への備えとして、大変重要な道路であるというふうに認識をいたしております。
 全長三百三十五キロのうち、これまで約八割が開通いたしまして、ミッシングリンクとして残る区間につきましても、全ての区間で事業を現在進めているところでございます。このうち、新宮紀宝道路につきましては令和六年秋頃の開通に向けて、また、すさみ串本道路につきましては令和七年春頃の開通に向けて、それぞれ工事を進めているところでございます。
 その他の事業中区間も含め、引き続き地域の皆様の御協力をいただきながら、一日も早いミッシングリンクの解消を目指して整備を進めてまいりたいと考えております。
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林佑美#21
○林(佑)分科員 ありがとうございました。
 八割のミッシングリンクが解消されているということで、あと、残りの二割も事業化しているということで、早期の全線開通が待たれるところであります。
 ミッシングリンクの解消は、従来では行き来が不便だった地域が直接結ばれることになりますので、産業の集積や観光地へのアクセス、観光周遊ルートの形成など、新たな発展がもたらされ、地域経済の強化や地域の自立支援につながります。
 また、地震や台風などの自然災害が多い日本において速やかな復旧復興をするためには、耐災害性を備えた幹線道路ネットワーク機能の強化が必要です。被災地への人流、物流を途絶えさせることなく確保し、人命や経済の損失を最小化するためにも、暫定二車線区間の四車線化も視野に入れて進めていただきたいと思います。
 次の質問に参ります。
 大規模地震の発生が懸念されている南海トラフ地震は、今後三十年以内に発生する確率が七〇%から八〇%とされており、切迫性が高まっているところであります。また、最悪の場合、経済被害額が、直接被害、間接被害、合わせて約二百十兆円と想定されております。
 政府において、国土強靱化基本計画に加えて、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、及び、これに続く、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策による国土強靱化の取組等により、南海トラフ地震対策等が進められております。
 そして、五か年加速化計画後については、昨年の通常国会で改正された国土強靱化基本法により、国土強靱化基本計画に基づく施策の実施に関する国土強靱化実施中期計画を策定し、同計画に計画期間、実施すべき施策の内容及び目標を定めるとともに、施策の進捗状況、財政状況等を踏まえ、推進が特に必要となる施策の内容及びその事業の規模を定めることとなっています。
 そこで、今後の南海トラフ地震対策についても、現在検討が進められている国土強靱化実施中期計画に盛り込み、関連予算を十分に確保する必要があると考えますが、国土交通省の御見解を伺います。
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笠尾卓朗#22
○笠尾政府参考人 お答えいたします。
 自然災害が激甚化、頻発化し、また、南海トラフ地震などの大規模災害のおそれが切迫する中、国民の生命財産を守り、災害の被害に遭う方を一人でも減らすことは、我々の使命であると考えております。
 このため、委員からもお話ございましたが、政府におきましては、五か年加速化対策を着実に推進するとともに、昨年七月には新たな国土強靱化基本計画を策定し、国土強靱化の取組を積極的に、計画的に進めているところでございます。
 また、昨年六月の国土強靱化基本法の改正により、国土強靱化実施中期計画が法定化され、中長期的な施策と事業規模の見通しを持って進めていく法的な枠組みが措置されたところでございます。五か年加速化対策後も、切れ目なく国土強靱化の取組が進められるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 国土強靱化実施中期計画の策定に向けては、施策の実施状況の評価を行うなど、必要な検討をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
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林佑美#23
○林(佑)分科員 ありがとうございました。
 南海トラフ地震は、おおむね百年から百五十年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。前回の南海トラフ地震が発生してから約八十年が経過した現在では、大地震発生の可能性が非常に高まっています。国民の命を守ることを最優先に、ハード、ソフト両面で防災・減災対策を万全なものにするためにも、必要となる施策の内容、事業規模等をしっかりと定め、引き続き、予算の確保と地震対策の遂行をお願いいたします。
 次の質問に参ります。
 和歌山県は、その大部分が海に面しており、予想されている南海トラフ地震の震源域から近いという事情があります。そのため、津波が発生した場合、到達するまでの時間が短くなり、例えば、那智勝浦町の一部の地区では、津波到達まで三分程度との想定がされています。
 和歌山県は、平成二十年に「津波から「逃げ切る!」支援対策プログラム」を策定し、以降、揺れたら逃げるを啓発するとともに、これまで様々な地震、津波対策を実施してきました。
 同プログラムに基づき、津波避難タワー等の避難施設の整備が進められてきており、県内の津波避難困難地域は減少しつつありますが、国としても、こうした地域への整備支援を積極的に行うことが、まさに地域の防災力の向上につながるのではないでしょうか。
 そこで、津波避難タワー等の避難施設への財政支援の在り方について、国土交通省の見解をお伺いいたします。
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天河宏文#24
○天河政府参考人 お答えいたします。
 津波避難タワーなどの津波避難施設の整備につきましては、その施設が災害対策基本法に基づきます指定緊急避難場所に指定されるなどの条件を満たす場合に、防災・安全交付金により支援を行ってきております。
 特に、和歌山県の沿岸部など、南海トラフ地震対策特別措置法等に基づきます特別強化地域に指定されております市町村におきましては、同法に基づきます津波避難対策緊急事業計画に位置づけられました津波避難施設などの整備に対しまして、国庫補助率を三分の二にかさ上げをして支援をしているところでございます。
 国土交通省といたしましては、津波による被害を軽減し、地域の防災力をより一層向上する一環として、津波避難タワーなどの津波避難施設の整備に対しまして、今後とも積極的に支援してまいります。
 以上でございます。
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林佑美#25
○林(佑)分科員 ありがとうございました。
 地震発生から津波が押し寄せる時間が早いと予想されている地域は、比較的、津波避難対策緊急事業計画が策定されていますが、そうでない地域でも、車の渋滞による移動制限なども考えられるため、命を守る行動として、津波避難タワーは必要であると考えております。自治体とも連携して、しっかりと整備を進めていただきたいと思います。
 また、避難設備の維持管理については予算措置がされていないと承知しておりますので、いつあるか分からない地震への備えのためには、是非、今後検討いただきたいと思います。
 次は、地域における鉄道ネットワークの維持についてお伺いいたします。
 JR東海を除くJR各社は、利用者が基準より少ない赤字ローカル線の経営状況を開示しています。ローカル線の経営改善や利用促進の協議を進めるためにも情報開示は必要なことと考えますが、情報開示は、一日当たりの輸送密度二千人未満の利用者が少ない線区における、利用が少ない区間の収支や営業係数、そして輸送密度という内容となっています。そして、このJRの公表を契機に、赤字解消に向けた利用促進策の議論が行われたりすることも多いと思います。
 ただ、このような協議が行われる場合でも、今述べたJRの情報開示が議論の発端となるため、利用者減少や収支の悪さといったことが焦点となることが多いのかと思います。
 利用者の多寡や、その結果としての収支採算性は、鉄道の持つ大量輸送という特性に根差した問題だと考えます。しかし、その一方で、これ以外の鉄道の特性、例えば環境負荷が少ないとか、広域な移動を容易にするといった側面は、今まで余り重視されてこなかったのではないかという思いがあります。
 言うまでもなく、鉄道は環境特性に優れた交通機関です。例えば、国土交通省のホームページにもありますが、二〇二一年度の輸送量当たりの二酸化炭素排出量は、自家用車は鉄道の五・三倍、バスは鉄道の三・六倍となっております。
 また、鉄道の影響や価値は広く行き渡るもので、例えば紀勢線は、世界遺産である熊野古道への全国からのアクセス等、広域的な地域振興等にも効果を有しているものと思います。鉄道の持つ、利用の多寡だけではない、カーボンニュートラルに資する面や、広域的な活動に資する面にも、もう少し目を向けるべきだと思っております。
 政府においては、環境に優しい鉄道という移動手段の更なる利用促進を行うことや、全国各地で協議されている利用促進の取組についても、もっと様々な面から検討が可能となるよう、鉄道の持つ環境や広域的な効果についてのデータの積極的な提供をお願いしたいと考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。
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斉藤鉄夫#26
○斉藤(鉄)国務大臣 今、林委員おっしゃるとおり、鉄道は、大量輸送機関として、環境に優しいという特性を有しておりまして、旅客鉄道の輸送量当たりのCO2排出量は自家用乗用車の約八分の一となるなど、運輸分野のカーボンニュートラル化にも大きな貢献をしているところでございます。
 他方で、一部のローカル鉄道におきましては、人口減少や少子化、マイカー利用の普及、ライフスタイルの変化などによりまして、輸送人員が大幅に減少し、大量輸送機関としての鉄道特性が十分に発揮できていない状況が見られております。
 このような、大量輸送機関としての鉄道の特性が生かされていない路線につきましては、鉄道事業者や地方公共団体など、地域の関係者が十分に議論を行いまして、地域や利用者にとって最適な形で、交通手段の維持、確保を図ることが重要です。そのときの議論として、採算性だけでなく、いろいろな側面から議論することが必要だ、これはもう林委員おっしゃるとおりだと思います。
 国土交通省としても、昨年、地域交通法を改正するなど、ローカル鉄道の再構築に向けた制度面、予算面の仕組みを整えたところでありまして、現在、複数の地域において、ローカル鉄道の再構築の検討が進められております。廃線ありきでの議論にはなっておりません。
 鉄道が環境に優しいという特性を発揮するためには、大量輸送機関として多くの方に利用していただくことが必要であり、引き続き、一つでも多くのローカル鉄道において再構築の取組が進むよう、全力で取り組んでまいりたいと思っております。
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林佑美#27
○林(佑)分科員 ありがとうございました。
 鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会の提言により、自治体又は鉄道事業者からの要請に基づき、国が再構築協議会を設置する枠組みを創設しておりますが、鉄道の維持が前提ではないことが地域住民にも大きな不安を抱かせることになっていると思っております。昨今の高齢者の運転事故の多発などが報道されていますが、地域の安心、安全の交通手段を公共交通機関に切り替えていく必要性も感じておりますので、どうぞその辺をよろしくお願いいたします。
 先ほど、JR各社の赤字ローカル線の情報開示について述べました。
 私の地元和歌山県でいえば、昨年十一月にJR西日本が公表した二〇二〇年から二〇二二年度の平均数字では、紀勢線の新宮―白浜間では、三年間の平均の収入が三・九億円、一方で平均の費用は三十二・四億円であり、収入では費用の約一二%しか賄うことができず、百円稼ぐために八百三十円以上かかるとされています。輸送密度も、二〇二二年は一日当たり七百九十三人と、JR西日本が大量輸送という鉄道の特性が発揮していないとして経営状況の開示の基準としている一日二千人を大きく下回り、国土交通省が地域公共交通活性化再生法の再構築協議会の対象とする、早急な改善が求められる区間として例示した一日千人という基準も下回っています。
 このような数字だけを見ると、紀勢線はかなり営業成績が悪い路線のように思えます。しかし、この数字は紀勢線の一部の区間の状況を切り出したものであり、紀勢本線の新宮から和歌山市間の輸送密度では一日四千人近くの利用があります。このように、一部の区間を、恣意的に設定不採算の問題を提起することは、当該沿線地域に対して、将来の交通への不安をあおるものではないかと大変懸念しております。
 先ほど、鉄道の効果は広域的に及ぶことを申し上げましたが、そのような鉄道の性格を考えるならば、路線の一部の区間だけの数字を取り出して利用状況や収支性を判断することは果たしてふさわしいと言えるのか、疑問であります。
 もちろん、JRにも、一般に開示できる情報と開示できない情報があるということは承知しております。しかし、少なくても鉄道存廃の議論につながりかねない収支採算性に関しては、沿線自治体等の関係者限定でも構わないので、もっと詳細な情報、例えば今申し上げた路線全体の収支や営業費用の内訳等を明らかにさせる制度を創設する必要があると考えております。
 そのような制度があって初めて収支採算性の詳細な分析や具体的な改善策の協議が可能となると思うのですが、JRの情報開示の在り方や詳細な情報を開示させる仕組みの創設について、国土交通省の考えを伺います。
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村田茂樹#28
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、複数の地域におきまして、ローカル鉄道の再構築に向けた検討が進められているところですが、鉄道事業者が対象線区に関する利用状況や経営状況を積極的に情報公開していくことは、地域にとってあるべき公共交通の姿を考えていく上で、また、関係者の合意形成を図っていく上でも重要であると考えております。
 一方で、鉄道事業者がどの範囲で路線別収支を公表すべきかにつきましては、各社の事情に応じて、地域との対話の過程で鉄道事業者が適切に判断していくべき事柄と考えております。
 いずれにいたしましても、関係者による公共交通の再構築に関する協議が行われる場合には、協議が円滑に進むよう、国土交通省としても適切に関与してまいりますとともに、JR各社に対しては必要な情報公開を求めてまいります。
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林佑美#29
○林(佑)分科員 ありがとうございました。
 鉄道は全国で公平に安定して確保されるべきユニバーサルサービスであり、国から重要なインフラを引き継いだ鉄道事業者は、不採算路線を含めて事業全体で採算を確保し、全ネットワークを維持する方向で事業を行う責任があると思っております。是非、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど、鉄道の効果は広域に及ぶことを述べましたが、これは、鉄道が全国津々浦々までつながっており、ネットワークとして機能していることが前提である必要があると考えております。
 しかし、最近では、新幹線開業に伴い、並行在来線となった路線が県ごとに第三セクターに分割され、譲渡されたり、経営状況が芳しくない地方路線が廃線の危機に直面する等、このままでは地方の鉄道ネットワークの維持がおぼつかなくなる状態になっています。歴史的にも鉄道とともに発展した我が国においては、国土強靱化や国土の均衡ある発展などの観点からも、現在の鉄道ネットワークは維持するべきものであると考えます。
 鉄道ネットワークの根幹となっている路線や国策上重要な路線については、経営状況が芳しくなくなった場合の維持について、沿線自治体と鉄道事業者の協議に委ねるのではなく、例えば、そのような路線を上下分離して下の部分を国が受け持つ等、国として積極的に維持に関与する姿勢を明確にすべきだと思いますが、国土交通大臣の見解を伺います。
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