国民生活・経済及び地方に関する調査会

2024-04-17 参議院 全83発言

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会議録情報#0
令和六年四月十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     舩後 靖彦君     木村 英子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         福山 哲郎君
    理 事
                清水 真人君
                長峯  誠君
                田名部匡代君
                下野 六太君
                中条きよし君
                舟山 康江君
                山添  拓君
    委 員
                白坂 亜紀君
                田中 昌史君
                堂故  茂君
                友納 理緒君
                長谷川英晴君
                星  北斗君
                山本 啓介君
                山本佐知子君
                和田 政宗君
                若林 洋平君
                柴  愼一君
                森屋  隆君
                竹内 真二君
                三浦 信祐君
                高木かおり君
                木村 英子君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        村田 和彦君
   参考人
       特定非営利活動
       法人インフォメ
       ーションギャッ
       プバスター理事
       長        伊藤 芳浩君
         伊藤参考人手
         話通訳    小松 智美君
         伊藤参考人手
         話通訳    森本 行雄君
       DPI日本会議
       事務局長     佐藤  聡君
       京都大学名誉教
       授
       富山大学特別研
       究教授      中川  大君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
 (「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構
 築」のうち、社会経済、地方及び国民生活に必
 要な施策(障がい者・ユニバーサルデザイン・
 地域交通への対応)について)
    ─────────────
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福山哲郎#1
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。
 手話の方、ゆっくりの方がいいですよね。ごめんなさい、失礼いたしました。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、舩後靖彦君が委員を辞任され、その補欠として木村英子君が選任されました。
    ─────────────
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福山哲郎#2
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。
 本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活に必要な施策」に関し、「障がい者・ユニバーサルデザイン・地域交通への対応」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター理事長伊藤芳浩君、DPI日本会議事務局長佐藤聡君及び京都大学名誉教授・富山大学特別研究教授中川大君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、伊藤参考人、佐藤参考人、中川参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございますが、伊藤参考人におかれましては御起立いただいても結構でございます。
 それでは、まず伊藤参考人からお願いいたします。伊藤参考人。
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伊藤芳浩#3
○参考人(伊藤芳浩君)(手話通訳) 特別非営利活動法人インフォメーションギャップバスターの伊藤と申します。よろしくお願いいたします。(資料映写)
 私たちの団体は十四年前に設立いたしました。社会にある情報バリア、コミュニケーションバリアをなくすための様々な活動を進めてきております。
 本日は、三つのことについてお話をしたいと思います。一つ目は、聴覚障害者について、二つ目が、聴覚障害者にとってなくてはならない情報保障について、三つ目は、情報保障がなくて起こる各場面での情報格差についてお話をいたします。
 聴覚障害者は、聞こえない、聞こえにくいという直接的な障害だけではなく、見た目には分からない情報障害という二次的な障害も抱えています。これが非常に不便で困難な状況を生んでいます。この問題について詳しくお話をいたします。
 聴覚障害者の現状概観についてです。
 日本では、身体障害者手帳を持っている聴覚・言語障害者は約三十四万人。これは日本の人口の約〇・二八%になります。その中で、手話を使用している人の数は約八万から九万と言われています。
 その一方で、難聴者は日本の人口の約一〇%というデータもあります。先ほどの数字と比べて多い数字が出ています。この数字は難聴あるいは恐らく難聴だと思っている人の数です。
 ちなみに、身体障害者手帳の場合は両耳が共に七十デシベル以上という基準がありますが、これは、WHOが定義している難聴の基準、四十デシベル以上に比べますと厳しい基準となっています。このため、多くの方が福祉による支援が受けられていないという状況があります。
 また、家族、例えばCODA、コーダ、SODA、ソーダなどを含めると、かなりの人が聴覚障害に関わっている状況があります。CODAとは聞こえない親を持つ聞こえる子供のことです。そして、SODAとは聞こえない兄弟姉妹がいる聞こえる兄弟のことです。
 このような聴覚障害者は、情報に対するアクセス格差、すなわち情報バリアが存在します。そして、社会的立場が不利になるということになります。特に、手話使用者は加えて言語的なマイノリティーという立場がありますので、社会的立場がより不利になっています。言語的マイノリティーという言葉、聞き慣れないと思います。実は、日本手話は日本語とは違う文法体系を持つ別の言語ということなので、少数言語を使用する人たちという意味で言語的マイノリティーという言い方をしています。
 繰り返しになりますが、聴覚障害者がぶつかっているバリアは、聞こえないということよりも情報へのアクセスのバリアの方が大きいのです。それに加えて、コミュニケーションの取りづらさが情報格差を生む原因となっています。
 では、なぜコミュニケーションが取りづらいかというと、聴覚障害者は、手話、筆談、テキスト入力、音声、口話など、多様なコミュニケーション手段を使用しています。聴覚障害者のニーズは多岐にわたっています。それぞれのニーズに応じた対応が必要です。これがコミュニケーションを取りづらくする一因でもあります。
 また、周囲との言語の違いをカバーする通訳の確保、育成が課題となっています。そして、どのぐらい聞こえるのか、また必要とする補聴器や人工内耳などの聴覚補償機器が多様であります。ですから、それぞれのニーズに合ったサポートが必要になります。
 聞こえる人と聞こえない人では環境認識に違いがあります。聴覚障害者は視覚を主に使って環境を認識します。そのため、目に見える範囲で限られた情報しか得られず、情報の取捨選択の余地がありません。聞こえる人なら、音声を通して目に見えない情報を得て、かつ情報の取捨選択ができています。こういった情報格差は一生続きます。それが積み重なっていき、所得、健康、生活などの様々な不公正を、不公平を生み出しています。
 六ページに入ります。
 聴覚障害者に対する理解と支援、これがとても大切だと考えています。聴覚障害者は、自助だけでは解決困難で、周囲の皆さんの協力が不可欠です。本人が気が付かない情報の漏れを周囲が能動的に理解し、支援する姿勢が求められます。また、コミュニケーションは双方の歩み寄りを必要とします。そういった健康的な、失礼しました、建設的な対話がとても大切となっています。
 続いて、七ページです。
 聴覚障害に必要な支援として情報保障が挙げられます。
 八ページです。
 情報保障とは、全ての人が公平に情報を受け取れるようにすることです。聴覚障害者の場合は、手話通訳、文字通訳、そして要約筆記などの方法で実施しています。情報保障は、合理的配慮として、各企業、団体、そして機関などで提供されるべきサービスです。
 課題が二つあります。一つ目は、支援者、特に手話通訳の高齢化が課題です。二つ目は、報酬に地域差があります。そして、英語など他言語の音声通訳者との報酬の違いが大きくあります。
 続いて、九ページです。
 情報保障がカバーする情報格差についてです。
 十ページを御覧ください。
 労働、生活に必要な情報が公平に伝わらず、格差が生じています。
 参考までに、二〇二二年に国連障害者権利委員会から出された情報アクセスに関する勧告が三つありました。一つ目は、メディアに関して法的に拘束力のある情報アクセシビリティー確保のための基準策定、二つ目に、コミュニケーション手段の開発、推進のための予算の確保、そして三つ目に、日本手話の公用語化と手話通訳の訓練、確保があります。
 それを踏まえて、二つ要望がございます。一つ目に、公共調達の要件に情報アクセシビリティー対応を必須化してほしいということ、二つ目に、情報アクセシビリティー法のより実効的な施策を当事者団体と協議の上で推進していただきたいです。
 続いて、情報格差の具体的な内容についてお話しします。
 まずは、情報保障がカバーする情報格差についてです。
 高等教育機関における情報保障の現状についてです。
 多くの大学などに聴覚障害学生が在籍しており、情報保障としては主に三つの方法がなされています。一つ目に、ノートテークといって、聞こえない学生の隣に聞こえる方が座って講師の話の内容などをノートに書き写すという方法になります。そして二つ目、パソコンテーク、こちらも同様に、パソコンを使って話している内容をタイピングするという方法になります。そして三つ目は、手話通訳、こちらは一割から二割の学校で実施されているという状況になっています。
 聴覚障害学生は情報保障を合理的配慮として大学などに要望してはいるのですが、実現にはギャップがあります。いずれの手段も一〇〇%には達しておらず、改善の余地があります。
 次に、初等中等教育機関における情報保障の現状についてです。
 保護者からは、情報保障の不足が学びの上での情報量の格差を生んでいるために、学業成績への悪影響が懸念されるというお話を伺っております。また、本人のニーズ、例えば言語、コミュニケーション手段、聴力などに応じた情報保障に地域格差があり、地域の学校では学びづらいという現状があります。
 情報保障は地域によって大きな差があり、都道府県ごとに対応が分かれているという状況があります。地域の教育委員会が本人又は保護者からの要望に応じて情報保障について検討を進めているというケースが多いのですが、理解不足や財政的な理由などで十分になされておりません。小学校においては、手話通訳が一割、ノートテーク、字幕が二割しか付いておらず、不十分な状況となっています。
 また、教員の場合、特別支援教育の免許を有し、聴覚障害に関する知識を持っているという場合を除き、補聴器や人工内耳など補装具の、補装具など、また手話などのコミュニケーションに関する専門的な知識が不足しているために、実際に着任してから勉強を始めても間に合わなかったり、また、異動で教員が入れ替わったりするなどの理由で十分なサポートを提供できていないという状況があります。そのために、全教員に対して、聴覚障害の理解を深めるための教育課程を設ける必要があります。
 また、本人は、本来勉学に専念すべきところ、情報保障を求めるための心理的な負担が生じ、メンタルヘルスへの影響も起きています。こういった負担を生じさせないために、情報保障に詳しい方を各自治体にて登用するなどの対策が必要になります。教育分野を専門とするノートテーカー又は手話通訳などの育成や支援体制の強化も必要です。
 続いて、労働面の情報格差です。
 聴覚障害者の労働市場における位置としては、聞こえる人と比べて平均給与が六七%と低い状況となっています。また、ほかの障害と比べても低いことが分かっています。要因としては、仕事に必要な情報が入ってこない、周りの人とのコミュニケーションがうまくいかなくてリーダーシップを発揮するなどの活躍ができないことが挙げられます。
 また、キャリアアップの機会も不平等です。聴覚障害者の昇進経験割合は一六・一%と、他の障害者に比べて低くなっています。特に、肢体障害者の半分となっています。情報コミュニケーションのバリアがあることで、キャリアアップの機会が不平等になってしまいます。
 給料も低く、キャリアアップもできないということから、聴覚障害者の多くは転職を余儀なくされています。転職経験率は四〇・六%と高く、障害者全体の平均を上回っている状況となっています。理由としては、賃金、労働条件、職場の人間関係などが挙げられています。コミュニケーションが困難で情報が得られにくく、孤立しやすく、職場定着率が悪くなり、勤続年数が低いということにつながっています。
 続いて、二十ページです。
 こういった格差を超えるための取組として、三つ挙げられます。
 まず一つ目に、職場における合理的配慮の長期的支援です。設備的な支援は最初だけの対応でもよいのですが、手話通訳などの情報保障は永続的な支援が必要となります。障害者介助等助成金の対象期間は十年間となっており、延長が求められます。
 二つ目に、お互いの理解を促進するためのワークショップや音声認識アプリなどコミュニケーション支援ツールの導入支援が必要です。
 三つ目に、活躍の場を増やすためにも、教育と職業訓練における情報保障の支援が必要です。
 二十一ページ、災害時の情報格差についてお話しします。
 東日本大震災では、障害者の死亡率は全体の死亡率の約二倍となっていました。さらに、聴覚障害者においては約二・五倍と高い数字を記録しました。
 高い数字を記録した主な理由としては、避難情報の伝達が困難で、逃げ遅れる可能性が高かったことが挙げられます。また、避難できたとしても、避難所での情報伝達も音声アナウンスが主で、支援物資等の情報が得にくいという状況がありました。また、計画停電などの生活情報が十分に伝わらないという状況もありました。さらに、情報収集や家族や友人との連絡にも困難を伴い、心理的負担が増大していました。
 二十四ページです。
 最近起きた能登半島地震で、新たな課題として二つが挙げられています。
 一つ目に、災害に強い通信インフラの整備が必要です。電話リレーサービス又は遠隔手話通訳サービスは、いずれもインターネットを経由しており、通信インフラが命綱となっています。また、高齢者はICT活用が不得手な方もいらっしゃいますので、これをサポートする体制も必要です。
 二つ目に、避難所でのコミュニケーションのしづらさから、避難所へ行きたがらない聴覚障害者もいました。コミュニケーションのしづらさを解消するために、同じ聴覚障害者が一つの場所に集まり情報保障を十分にする、例えば手話通訳者が常駐するなどの福祉避難所の検討が必要です。
 これらを当事者とともに改善策を検討していく必要があります。
 続いて、生活面の情報格差についてです。二十六ページ。
 字幕放送は、NHKや民放キー局ではほぼ一〇〇%達成、ローカル局でも徐々に増えてきている状況です。地域や分野、それぞれで広がりを見せています。しかし、複数人が同時に会話を行う生放送番組などは目標の対象外となっており、この分野においても字幕付与を進めていく必要があります。
 また、手話放送においては、現状、全体的に横ばい状況であり、更なる普及と改善が必要です。字幕付きCMに関しては、二〇二二年四月から二〇二三年四月にかけて、一・二%から一六・九%に急増しています。大幅な改善は見られておりますが、更なる普及が必要となります。
 また、劇場の情報バリアフリーの状況については、ごく一部の劇場で字幕対応をしているのみという状況で、更なるバリアフリー化が必要です。
 また、美術館、博物館では、手話による解説やツアーなど、先進的な事例が幾つか見られています。また、コンサート分野での手話通訳の配置、交通機関での字幕対応、コンビニでもコミュニケーションボードの設置、また病院での手話通訳の配置など、ごく一部で先進的な事例が見られていますが、より一層の普及が必要となっています。
 以上で発表は終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
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福山哲郎#4
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
 次に、佐藤参考人、お願いいたします。佐藤参考人。
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佐藤聡#5
○参考人(佐藤聡君) 皆さん、こんにちは。DPI日本会議の事務局長、佐藤聡と申します。
 本日は、すばらしい機会をつくっていただきまして、誠にありがとうございます。私は、今日の日を本当に楽しみにやってまいりました。
 今日は、パワーポイントを用意しました。お手元にも資料を配付していただきましたので、日本のユニバーサルデザイン、バリアフリーの現状の課題ということでお話をさせていただきます。(資料映写)
 私は今年で五十七なんですけれども、元々障害はなかったんですが、九歳のときにけがをしまして、車椅子に乗っております。そこから、普通の小学校は、当時、車椅子だと入れてもらえませんでしたので、特別支援学校に四年間いて、それから、ラッキーなことに、新潟なんですけれども、地元の中学の校長先生が受け入れてくれて、それは本当に珍しくて、新潟で私だけだったと思いますけれども、普通の学校に行けることができて、そのおかげで高校も行って、大学は関西の方に行きました。十年前から今のDPIに移って活動をしております。
 DPIは障害当事者の団体で、一九八一年に国際的な組織ができたんですけれども、日本は八六年にできました。九十一の全国の障害者団体が加盟してくれて、一緒に活動しております。
 今日は、三つお話しします。まず一つ目が、今の日本のユニバーサルデザイン、バリアフリーの状況ですね。二つ目が、進展していないものはどういったものかというところ。三つ目が、全体を通してのまとめになります。
 まず一つ目です。最初にクイズなんです。クイズと言っておきながら、皆さんのお手元に答えが書いてあるんですけれども、一九九〇年、今から三十四年前ですけれども、東京は四百七十四駅があったんですね。エレベーターが普通に付いていて自由に乗り降りできる、そういうバリアフリー化された駅はどのぐらいあると思いますか。
 これ、いつも講演するときに聞くんですけど、大体多くは一〇%ぐらいというふうに答える方が多いですね。答えはゼロなんですね。一駅もなかったんですね。正確に言いますと、荷物用のエレベーターというのがあって、駅員さんに頼むと、それを使わせてもらったりとか、あるいは車椅子対応のエスカレーターというのがあったりとか、階段昇降機とか、そういったものもありましたけれども、多くは何もありませんので、駅員さんとか通行人の人にお願いして抱えてもらうという形で乗っていました。
 これがその頃の写真なんですけれども、駅に行くということはもう階段が必ずありますので、通行人の人にお願いして車椅子をこうやって抱えてもらうというのが当たり前の時代だったんですね。この頃、駅に電車を乗りに行くと、駅員さんにもういつも言われたんですね。何で車椅子で来るんだと、もうこんな混んでいるときに車椅子で来ちゃ駄目でしょうと、あんた一人かと、介助者も連れずに一人で来ているのかと、乗ってもいいけど手伝わないよということをもう毎回言われたんですね。
 中には差別的なことも言われますから、そうしたら、もう言い返さないといけませんから、もう電車に乗るということは駅員とけんかしに行くという、そういうことでした。私は全然けんかしたくないので、ああ、今日、電車乗らなあかんという日は、もう朝から気が重かったわけですね。本当に気合を入れないと駅には行けない。もう非常に駅が怖いところでしたね。
 じゃ、今どういう状況かといいますと、国交省が毎年データを出してくれるんですけれども、昨年の三月時点で東京は七百五十九駅がありまして、どのぐらいバリアフリー化されたか、九三・九%ですね。もうほとんどの駅にエレベーターあります。もうエレベーターない駅を探すのが難しいぐらいですね。大阪は八三・七、愛知県は七五という形で、都市部はどんどん良くなっています。
 何でこういうふうに都市部どんどん良くなってきたかという、その僅か三十四年で、全くどこも行けなかった、車椅子乗ったらどこも行けなかった町が今やどこでも行ける町に変わったんですね。何で劇的にこんな変わったかというと、大きく言うと三つあります。
 一つは、バリアフリー法を作っていただいたことです。二〇〇〇年に交通バリアフリー法を作っていただいて、二〇〇六年に改正されて今のバリアフリー法になったんですけれども、一日の乗降客五千人以上の駅を十年間の目標数値を定めてバリアフリー化していこうという、そういう政策をやっていただきました。これでもう格段に整備が進んでいったんですね。
 ちょっと法律の流れを見ますと、二〇〇〇年がバリアフリー法ですけれども、その前に大阪と兵庫県で福祉のまちづくり条例というのができて、ここで初めて公共交通機関のバリアフリー整備というのが言われるようになったんですね。そこから、オリパラの前に、二〇一八年と二〇年、二回バリアフリー法を改正していただいて、これでまた更に進展いたしました。
 この三十数年で何でこんなに良くなったかという二点目は、補助制度ですね。これは、バリアフリー化をする、エレベーターを付けたりホームドアを付ける、そういった補助金を国がつくってくださって、国が三分の一、地方公共団体が三分の一、事業者は三分の一の負担で整備できる、そういう仕組みをつくっていただいた。これがとても推進力になったというふうに思います。
 三点目ですけれども、近年整備が更に良くなっているんですけど、これは東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックですね、このときに、日本全体をユニバーサルな社会にしよう、バリアフリーを高めていこうという機運を高めていただいて、それでいろんな制度、バリアフリー法を二回改正しましたし、基準は細かく定められているんですけれども、それも物すごいたくさん見直したんですね。それによって大きく良くなりました。
 ちょっと特徴的なのは新幹線と特急ですね。今までは、新幹線、東海道新幹線は千三百二十三席あったんですけれども、車椅子席は一、二席しかなかったんですね。ですので、例えば車椅子、三人ぐらい友達で旅行に行こうとしたら、全員別々の新幹線に乗って行くんですよ。一緒に旅を楽しむということはできない。もう現地集合、現地解散なんですね。それが基準を見直していただいて、千一席以上は六席、五百から千席の車両は四席、五百席未満は三席というふうに変えてもらいました。これは特急も同じ基準です。
 これがN七〇〇Sの車椅子スペースです。六席、まあ物すごく広いんですけれども、これがJR東海さんが造ってくださって、みんなで乗りに行ったんですけど、そのとき、もう本当にここに入ってうれしかったですね。今まではもう一席しか二席しかなくて、しかも自動ドアですよね、新幹線は。そうすると、そこで、ぎりぎりのところに車椅子スペースがあるんで、私がこうやって本とか読もうとして動くと、反応してドアが開いちゃうんですね。そうして、夏とかは、せっかく冷房が効いているのに、うるさくなったりするんで、ドアが開かないように、もう動かないように動かないようにじっとしている、そういうところだったのが、もう今ではそれもちゃんと車椅子席にいたら反応しないようにセンサーも変えていただいて、六席で、もう車椅子の人六人でも一緒に旅行ができるような、そういうすばらしい車両になりました。
 これは北陸・上越新幹線のE七系ですね。こちらは九百席ぐらいかな、の車両ですので四席というふうになっています。こういうふうに今まで車椅子で向かい合ってしゃべるということはできなかったんですけれども、そういうのができるようなレイアウトになりました。
 これは特急です。一番最初に新しい基準で作ってくれたのはJR東海さんで、HC八五系という、特急「ひだ」と「南紀」という車両で導入されました。
 これは東武ですね。スペーシアXという、去年から走り出したんですけど、こちらも三席作っていただきました。
 こういうふうにバリアフリーが進展したんですけれども、もう一つ大事なのは、オリパラのときに当事者参画という意識がすごく高まったんですね。
 例えば、国立競技場なんですけれども、これを造るときに、元々のガイドラインもすばらしくいいものを、世界の基準を踏まえたものを作ったんですけれども、プラス、いろんな障害者とか高齢者、子育てのグループの人が一緒に入って、ユニバーサルデザインワークショップというのをやったんですね。ここで、これがとっても良かったんです。
 基本設計の段階から守秘義務契約を結んで、設計の人がちゃんと出てきてくれて、図面も見せてもらって、それでみんなで、ここをこうしてほしいとか、これを盛り込んでほしいということを言って、それで設計の人がちゃんとそれを応えて、議論をして造っていくということができました。毎回三時間ぐらいやったんですけど、これ全部で二十一回やりました。とっても大変だったんですけれども、すばらしいのができました。日本でようやく世界の基準を満たしたスタジアムというのができたんですね。
 車椅子席が五百席あります、国際的には〇・五%以上というのが標準的な基準なんですけれども。様々な工夫がされています。これが一階の、車椅子が入ったらぐるっとこのフィールドを囲んで一周、車椅子席になっています。こういうふうに視界が物すごくいいんですね。これ、車椅子の人が国立競技場に行くと、みんな感動したと言います。すごく見やすいということを言ってくれます。前の手すりをちゃんと遮らないようにしたりとか、いろんな工夫がしています。
 あと、精神障害とか発達障害の人は人混みだと疲れてしまうんですね。少し気持ちを落ち着けさせるようにカームダウン・クールダウン室というものも作りました。あとは、子育てをしている車椅子ユーザーの女性がいて、子供のおむつ交換、車椅子でできるものがほとんどないんだという話をして、じゃ、それは是非入れましょうということでこれを入れてもらいました。あとは、トイレ、バリアフリートイレもたくさんあるんですけれども、LGBTQの方も使えるようにジェンダーフリートイレというものも作ったり、あとは補助犬用のトイレというものも作りました。
 こういうふうに国立競技場はとっても良くなったんですけども、この良くなったポイントが三つあるんですね。
 一つは、まず、ユニバーサルデザインで設計するということを入札の要件に入れていたんですね。二つ目が、東京オリパラのときの施設整備のバリアフリーガイドラインを東京二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインというんですけど、これ、世界基準で作ったので日本のバリアフリーよりずっといい基準だったんですけれども、これを守って造った。そして、いろんな障害者が意見を言う、そういう仕組みをつくる。この三つを入札の要件に入れたということです。
 次は、進展していないものなんですけれども、これは建物です。
 今写真ありますけれども、よくあるお店、飲食店なんですけれども、よく見るとこれ、入口の手前のところに段差がありますね、十センチぐらいある。これがあるともう電動車椅子は入れません。お店の中にもこういうふうに中に段差があるところはよくありますね。さらに、これ見ていただくと、椅子が全部固定なんですね。車椅子が入れるスペースは一つもないです。ですから、このお店になったらもう絶対入れないわけなんですね。
 こういうふうに、日本のお店、小規模店舗というのは、バリアフリーなお店はほとんど増えていないです。新築で今建てられても、ほとんどバリアフリー化されたものは増えてこないという状況です。ですから、私たち友達三人ぐらいで御飯食べに行こうといったら、もう入れるお店探すのは至難の業ですね。ほとんどありません。何を食べたいかでは選べなくて、入れるお店で私たちは選んでいるんですね。
 アメリカに行ったときに驚いたんですけれども、アメリカってどのお店でも入れるんですよ、車椅子で。入口でメニューを見て、あっ、シーフードでおいしそうだなと思ったら、そこに入れるんですね。もう驚きました。あっ、食べたいものでお店選んでいいんだなと思ったんですよ。あっ、人間ってこんなに自由に生きれるんだというのにアメリカに行って初めて気が付きました。そのぐらい衝撃でした。それは、アメリカではADAという法律があって、それで障害者が利用できないお店は差別ですよということで、ちゃんと人権を保障しているんですね。
 日本の場合は、小規模のお店のバリアフリーの義務基準というのがないんですね。そのため、全然増えてこないという状況があります。ですから、最低限の義務基準というのを是非今後作っていただきたい。そういうふうにしたら、十年、二十年後は、鉄道と同じように、もっといい社会に変わっていくというふうに思います。
 あとは、国立競技場のスタジアムが良くなったという話をしたんですけれども、ほかは余り良くなくて、例えば、これはサントリーホール、とっても有名なホールですけれども、車椅子席はどこにあるかといいますと、この写真でいうと両サイド、右と左に少し、二階にちょっとだけなんですね。こういう感じです。左側に私がいますけれども、壁際なんですね。壁際だから、音も余り良くないんですね。期待して行ったけど、何か余り良くないなという感じでした。介助者の席もないですね。隣に並べないという、そういう造りです。
 これはオリパラの会場になった東京体育館、改修前の二〇一七年の状態なんですけど、これ是非皆さん見ていただきたいのは、普通は、こうやってコート、バレーボールやっていますけど、ちゃんとこういうふうに見えるんですね。でも、車椅子の席から見るとどうなるかというと、見えないんですよ。何かここにある。これ何かといいますと、手すりなんですね。車椅子の目の高さに手すりがある。それでもう全然見えなくなっちゃっているんですね。これ、本人に聞けば、車椅子に聞けば、もう見えないというのは分かるんですけど、全くそういうことをやってこなかった。
 これは千葉マリンスタジアムですけど、ここも同じように、場所はすごくいいんですよ、バックネットにあってよく見えるんですけれども、バッターが何も見えないという、こういう状態です。こういうのがたくさんあって、東京ドームも同じ感じなんですね。
 これはサイトラインといいまして、前の人が立ち上がっても車椅子で見えるように高低差を付けなさいという、これが国際的なルールで、国立競技場もこれを守って造ったので、とってもよく見えるようになっています。ただ、これはまだ、今、義務基準にはなっていないので、席はあっても、盛り上がってみんな立っちゃうと何も見えないという状況になっております。
 最後、まとめなんですけれども、公共交通機関は本当にどんどん良くなっているんですが、建物はほとんど進展していないという状態です。それは、飲食店とか小規模の店舗もそうですし、賃貸住宅も、引っ越ししようと思って家を探すのが本当に大変なんです。今、サイトでバリアフリーというのをチェックして選べるんですけれども、選んでみると、写真があって、見ると玄関に階段があるんですね。もう全然バリアフリーじゃないんです。よく分からずにそういうチェックをしているんだと思いますね。そういうふうに、いろんな建物関係が今、日本では大きく遅れているという状況です。
 あとは、ちょっと見ていただきたいのは鉄道なんですけれども、電車に乗るときにホームに段差と隙間がありますので、駅員さんに呼んであのスロープを持ってきてもらって乗っているんですけれども、実はもうアジアのほとんどの都市は段差を解消しているんです。日本でも、これは丸ノ内線、この国会議事堂前の駅の丸ノ内線ですけど、ここをよく見ていただくと、二か所だけなんですけれども、ホームが少しかさ上げしてあるんですね。スロープになって、ここであれば駅員さん呼ばなくても自分で乗り降りできます。
 これはソウルの地下鉄です。去年の夏に行ったんですけれども、ちょっと分かりにくいんですけど、こういうふうに横から見るとほぼ段差なし、隙間も数センチですから、駅員さん呼ばなくても自由に乗り降りできる。駅員さん呼ぶのは、有り難いんですけれども、待たないといけないんですね。降りる駅まで連絡が付いて、駅員の配置が整わないと降りれない。だから、乗るのにもう何本も待たなければいけない。それが、段差解消することでこういった問題なくなる。
 これは台北の地下鉄です。こちらももう段差なくて、車椅子でちゃんと乗り降りできる。これが今やもう国際的な標準になっていて、日本も段差三センチ、隙間七センチという目安を作ってもらったんですけども、これがまだ進展していないというところが大きな課題だと思います。
 たくさんしゃべって時間になってしまいましたけれども、あとはデータ的なものを付けております。リフト付きのバスとか、いろんな車両も開発されていますので、是非これを普及を進めていっていただきたいというふうに思っています。
 課題は、都市部は良くなったんですけれども、地方のバリアフリーが進んでいない。都市部は九十数%なんですけれども、三千人未満の駅でいうとバリアフリー化が二五・五というふうにとっても遅れている、そういう状況です。
 では、時間になりましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
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福山哲郎#6
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
 次に、中川参考人にお願いいたします。中川参考人。
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中川大#7
○参考人(中川大君) 中川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 こういった機会を与えていただきまして、感謝いたします。私の方からは、地域交通に関してお話をさせていただくということでございます。(資料映写)
 テーマですけれども、地域交通は公共サービスというテーマを付けさせていただきました。これは一見当たり前のように思えますし、今の佐藤参考人のお話をお伺いをしていましても、こういった公共交通が公共サービスであるということは、これ当たり前のこととして多くの皆さんが合意できることなのではないかというふうに思います。
 これは世界的には常識になっていまして、地域交通というのは公共サービスであるというのが、これが世界の標準的な政策でありますけども、実は日本だけがそれとは違う発想で公共交通が運営されていますので、そのことについて、そのことによってどういう課題が生じているのか、またこれからどういうことが考えられるのか、そういったようなことについてお話をさせていただこうというふうに思っております。
 早速中身に入らせていただきたいというふうに思います。
 現在、日本では、コロナの影響を受けて、公共交通は極めて大変だという議論がされています。特に、地方においてはこういう議論がずっとされているわけです。
 しかしながら、例えばヨーロッパを始めとする世界の多くの国では、コロナに動じることなく、これからは公共交通こそ大事だと、公共交通の時代だというぐらい公共交通を重視して、公共交通にはこれから大きな投資をしていこうという、こういうようなふうに考えている方が多いというふうになっています。
 例えば、これはEUがコロナの真っただ中である二〇二一年に発表した新しい交通施策の、交通計画のプランですけれども、この中でも、カーボンニュートラルに向けて鉄道整備を加速することを改めて表明をしているということで、ヨーロッパ中の全都市圏において公共交通を中心とした計画を策定していくということなども表明されています。
 日本が後ろ向きの議論をしている中で、EUを始めとする世界の多くの国は公共交通に対して前向きな議論をしているという、この違いがどこから生じているのかというと、これはもうはっきりしていまして、そのことに対する基本的な考え方の違いであるということが言えます。
 日本の場合、公共交通は基本的には交通事業者の営利事業であるというふうに考えられているわけです。ですので、民間事業ですので、目指しているのは採算の最大化、とりわけ地方においては経費の最小化を目指しているというのが実情になってしまっているということで、こういうことでは便利になっていきませんし、利用者が減ってしまってまた赤字が大きくなるという、こういうマイナスのスパイラルが各地で発生しているという状況になっています。
 しかしながら、世界の標準的な考え方は、これは、公共交通は公共サービスであるから公共がしっかり責任を持ってサービスを提供していくという、こういう考え方に基づいているわけでして、公共サービスですから、目的とするのは収益の最大化ではなくて社会全体の利益であるという、これは、例えば環境ですとか、教育ですとか、健康ですとか、先ほどからもお話しになっておられますように、バリアフリーですとか、ユニバーサルデザインだとか、こういった福祉の関係のことなども含めて、そういった社会全体の利益を最大化するというのが目標になっているという、こういうことになっています。その結果として、利便性が向上していっていますし、お客さんも増えていっているという状況になっているわけです。
 日本のように独立採算で便利な公共サービスが提供される、できると思っている国はほとんどありませんでして、実際、日本においても東京都市圏ではそれなりのサービス水準が提供できていますけれども、世界中で採算を取りながら便利な公共交通サービスが提供できているのは東京都市圏ぐらいだろうと言われていまして、ロンドンもパリもニューヨークも公共交通は採算を取れておりません。であるにもかかわらず、日本中、東京都市圏でしか成立しないような、そういう発想で交通政策が行われてきたということによって日本の公共交通のサービス水準は極めて遅れてしまいました。
 どれだけ遅れているのかということをこの後お話をさせていただこうと思いますが、これは今話題になっています中国地方の芸備線という、広島県内の部分をここに地図に表していますけれども、同じ山合いの路線を走っているスイスの、沿線に大きな都市がない路線を比較したものですので、地図で見ていただければどちらも大きな町がない路線だということが分かると思いますが、その中でも、大都市広島に直結されている芸備線の方がむしろ鉄道としてのポテンシャルは大きいとも言える、そういう状況にあるわけですが、この二つの路線のダイヤを比べてみたものが次のページでございます。
 左側は、公共サービスとして利便性を向上させてきたスイスの路線です。この三十年間の間にどんどん便利になっていっていまして、山合いを走る、人口の非常に少ないところを走っている路線ですけれども、一時間に四便確保されているという状況ですが、日本の場合はむしろ不便になってきているという、こういう状況でして、スイスの路線の場合はこの間に約一・五倍に利用者数は増えていますけれども、日本の場合は激減しているという、こういう状況でございます。便利にしたところは増えているし、便利にしなかったところは減っているという当たり前の結果が生じているということでございます。
 さらに、その先の人口が更に小さいところのダイヤを見ますと、これも更にはっきりします。左側のスイスの路線は一時間に一本ずつ確保されていまして、これは公共サービスとしての最低限のサービス水準を確保する方針で運営されているということがはっきり見て取れるわけですが、日本の路線の場合は右端のようなダイヤになっています。このダイヤですけれども、皆さんでしたらこのダイヤの路線を利用しようという気におなりになりますでしょうか。これ、例えば東京のど真ん中を走っている路線だとしても、朝七時四十七分の次が午後一時という、こういうダイヤでは、これ仮に国会議事堂前駅のダイヤであったとしても、ほぼ見向きもされないというふうに思われます。
 つまり、議論されていることは、採算性が大変だという議論されていますけど、その前にやはり乗れるようなサービス水準を提供できていない、サービス水準がもう圧倒的に停滞している、あるいは後退しているという、ここが日本の公共交通の大きな問題点だというふうに言えるかと思います。
 ヨーロッパなどと比べますと、日本の公共交通、これ鉄道で比べていますけれども、鉄道の輸送人キロの伸びはもう圧倒的に少ないということで、昔は日本はかなり多かったんですが、どんどんとほかが便利にしていっている中で低迷しているという状況になっています。
 ですが、日本の中でも便利にしていっているところはしっかりと結果を残していまして、これは、富山県のJR富山港線というJRの路線だったのを二〇〇六年に富山市が引き取りまして、富山ライトレールということで再整備をしたものです。下に両社のダイヤの違いを書いていますけれども、これ、先ほどのスイスの路線と同じように大きく利便性を向上させていまして、運行本数を三倍以上に引き上げているわけです。その結果として輸送密度は一・七倍に上がっているという、こういう結果をしっかりと残していまして、やはり便利にすれば増えていくということは立証されているわけです。
 これは時間帯別の利用者数ですけれども、お昼間は四倍以上に増えているということで、非常に大きな成果がもたらされているわけです。しかし、ここで既にお気付きになった方もおられるかもしれませんが、運行本数は三倍以上に引き上げていますが、輸送密度は一・七三倍ですので、日本流の考え方でいえば、運行本数三倍以上にしたのに輸送密度たった一・七三倍でいいんですかと、それで採算は改善されているんですかという、これが日本流の発想になっていまして、ですので、日本流の発想でいくと、こういったことは民間企業としてはリスクが大き過ぎてできないということで、富山ライトレール以外にこれだけの利便性向上を行ったところはほとんどないという、そういう状況になっているということです。
 これは富山市が行った事業ですので、採算が問題ではないということで富山市が市民に対して説明をしているのは次のページ、このようなことで、これ、左上、先ほどの同じページですけれども、昼間のお客さんは四倍になっていますと言っていますが、これによって採算が良くなりましたという話をしているのではなくて、昼間お客さんが四倍になったことによって高齢者が町に出てくるようになったと、健康増進につながっていて医療費を抑える効果があるとか、あるいは町が元気になる効果があるとか、そういったようなものこそ鉄道の効果であるというふうに説明をしているわけです。
 さらに、そういった数字にならないようなものであっても、沿線の多くの人たちが住みやすさが向上したとか沿線のイメージが向上したとか、こういったようなことこそ重要であるというふうに思えることこそ、公共交通に投資する価値であるということを説明をしているわけです。
 ほかにもしっかりと便利にしてきたところは上がっていまして、これは、今度は富山県全体ですけれども、富山県全体でも、コロナの直撃を受けた年には下がっていますけれども、それ以外の年は一貫して増加をしていまして、これも富山ライトレールだけではなくて、例えばJRの高山線とか城端線という路線も地元の自治体が費用負担をして増便をしております。あいの風とやま鉄道という第三セクター鉄道も増便をしています。こういった形で、便利にしていっているということによってお客さんは増えていっているという、そういう結果を残しています。
 それ以外にも、これは福井県のえちぜん鉄道、それから茨城県のひたちなか海浜鉄道の例なども挙げていますけれども、いずれも便利にしていっています。これも、自治体が協力をすることによって、便利にしていっていることによってお客さんは増えていっているという、しっかりとした結果が残っていっているということです。
 次のグラフは輸送密度四千人以下の全てのJR路線と民鉄、三セク路線についてのデータを整理したものですが、左側が運行本数を表しているもので、左側の図の横軸が輸送密度で縦軸が運行本数なのですが、同じ輸送密度で比べますと民鉄、三セクの方がJRよりも二倍ぐらいの運行本数を走らせているということで、これは、やはり多くの民鉄、三セクは、自治体と何らかの形で連携をすることによって地域に対してもたらす利便性を確保していこうということで運行本数が多い状況になっているというふうに言えるわけですが、右側がそれに対応しまして利用者の数がどう推移してきたかということを表したものですけれども、民鉄、三セクは全体として上がっていますが、JRは大きく減少をしています。この辺りも、便利にしたところは上がっていっているけれども、便利になっていかなかったところは下がってきているという、これ当然の結果が生まれてきているということが言えると思います。
 バスにつきましても同じようなことが言えまして、これは京都市交通局の市バスの事例ですけれども、かつては累積赤字が非常に大きいものですから、赤字が大きいから便数を減らしましょうということを進めてきまして、しかしながら、便数を減らすとまたお客さんが少なくなっていくというマイナスのスパイラルに陥ってきたんですけれども、おおむね二十年ぐらい前に方針を転換しまして、利便性を逆に向上させるという、そういう方針に転換したときからお客さんが増え始めまして、その後、累積赤字を解消しまして、コロナの前には利益剰余金を九十億以上持つような、それぐらいまで回復してきているということで、これもやはり利便性をしっかり確保してきたということによって採算も良くなってきているという事例が見られます。
 ここまでのまとめですけれども、このように、やはり公共交通を民間に任せていたところはどんどん利用者も少なくなっていっているんですけれども、自治体などがしっかりと政策の中に組み込んでいるところは伸びていっているということが分かります。そういったことから、一番最初にお話をしましたように、地域交通は公共サービスであると考えて、自治体などがしっかりとした公共サービスを提供していくようになれば、日本の公共交通も大きく前進する方向に向かう可能性があるということが分かるかと思います。
 次が、これが今年の二月に策定しました富山県の地域交通戦略ですけれども、この中にやはり政策転換の芽生えが見られます。この戦略の中にはっきりと、地域交通サービスはその地域の活力、魅力に直結する公共サービスであるというふうに明記をしたわけです。そのことによって、実際に何をするかというと、これまでは事業者への側面支援という形では支援してきたけれども、そうではなくて、自らの地域に対する投資、参画ということで、その方向に向けてかじを切ろうと、そういうことを宣言したということでございます。これまでは、事業者さんを助けてあげますよというような視点で政策が展開されてきたわけですけれども、それではどんどんとマイナスの方向になっていったけれども、これからは自分たちの政策として便利にしていくという方向にかじを切ろうということに決めたということでございます。
 この方向に向けて県内でも様々な議論がされまして、戦略会議の中では、利便性を高め幸福度を向上させていきましょうとか、採算だけを重視せずという、この新聞記事の見出しだけ見ていただければというふうに思いますけれども、県議会の中でも特別委員会の中などで、公共交通、利便性重視に賛同しますという、こういったようなことを議会の皆さんからも御提案をいただいたということで、これらを受けて、先ほどのように公共サービスとしてかじを切ろうということを決めたという、そういう結果ができたということでございます。この具体的な事例がJRの、富山県内のJR路線についてももう既に新しい計画として始まっていますので、それをこの後少しお話をします。
 その前に、JRのローカル線については、今各地で大変課題になっておりますので少し触れておきたいと思いますけれども、これはこれで大変大きな問題ですので、これを、これについて詳しくお話をする時間は本日はございませんけれども、概略をお話ししますと、ここに書いておりますグラフは、横軸に輸送密度を取りまして、縦軸に営業キロ当たりの営業損益を取っております。かなり多くの議論では、輸送密度が小さいから赤字が大きいというふうに言われて、それが普通のように言われていますけれども、実はこのグラフを見ますと、全くそうではないということが分かるというふうに思います。同じ輸送密度であっても、営業赤字の額は大分違うということが分かります。とりわけ黄色の三角の民鉄、三セクと黒丸のJRでは明らかに違うということが分かります。
 ここから言えますのは、現在発表されているJRの赤字額であっても、何らかの形でこの民鉄、三セクのような運営方式に変えていけば大きな収支改善効果が生まれる可能性が十分あるということが分かるわけです。
 次のページにその考え方について書いておりますけれども、今のように収支改善効果も期待できますし、元々、民鉄、三セクの方が便利な路線にしていっていますので、便利にすることによって、お客さんを改めて減少を食い止めていくというような、そういう新しい政策に変わっていけば大きな可能性があるというふうなことが言えると思います。一番下の行に書いておりますように、工夫をすることによって、地域にとってもJRにとってもプラスになる方法があり得るというふうに考えております。
 これが富山県で今始めていますJRの城端線、氷見線の経営移管というものに実際に反映されているわけですけれども、この路線はJRから地元の第三セクター鉄道に経営移管することが昨年末に決まりました。これは、地域が責任を持って利便性を向上させるということでして、こういう形で新しい路線としてよみがえるということに踏み切っているわけで、これも富山県全体として側面支援から自らの投資、参画にかじを切ったということの具体的な結果であるというふうに言えるかと思います。
 この計画に対しまして、国のコメントとしては、先進、意欲的な計画であるというような評価をされていたり、あるいはJRの側からも、これまでにはない仕組みと取組でリーディングケースと考えているというような形で、やはり地域も喜んでいるし、JRにとってもプラスになっているという、こういう結果があり得るということを示しているかというふうに思います。
 この後、町づくりのことについても書いております。交通と町づくりについては非常に大きな関係がありますので、町づくりの中で公共交通が大変重要だということを書いております。
 さらに、その次のページには、地方都市の活性化においても公共交通が非常に大きな役割を果たしているということで、こちらも、人と公共交通を中心とした町づくりというのが地方都市の活性化には必須であるというようなことが世界の常識になっているということで、これは多くの人が書籍その他に書いておりますので、こういったようなことを参考にしていただいたらというふうに思います。
 最後のページになりますけれども、まとめといたしまして、結局、採算性政策を続けてきたことによって利便性はどんどんと低下をして利用者離れというマイナスのスパイラルに陥ってきまして、それが地方の都市の衰退にも直結をしてきたということで、元々の一番最初の考え方である公共交通に対する基本的な政策、これを公共サービスだということを位置付けることによって大きく発想を転換する、そして流れを転換するという、その方向に向けてかじを切るときに来ているのではないかということを最後に書かせていただいております。
 時間になりましたようですので、ここで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
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福山哲郎#8
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言は着席のままで結構でございますが、伊藤参考人におかれましては御起立いただいても結構でございます。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十二分以内となるように御協力をお願いいたします。
 また、質疑者におかれましては、本日は手話通訳をやられていますので、ふだんよりかは少しゆっくりめに質疑をお願いできればというふうに思います。
 これより一巡目の質疑を行います。
 質疑のある方は挙手を願います。
 星北斗君。
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星北斗#9
○星北斗君 ありがとうございます。自由民主党の星北斗でございます。
 本日は、三人の参考人の皆さんのお話聞かせていただきまして、非常に感銘を受けました。
 余計なことは言わずに質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、伊藤芳浩さんにお伺いしたいと思います。
 先ほど、教育における合理的配慮のことの御説明がありました。ノートテーク、あるいはパソコンテーク、手話通訳などということですけれども、これの具体的にそれで十分なのかという疑問と、それから、地方によって、あるいは学校によって違いがあるというのが現実だというふうに聞こえましたし、私もそう感じています。
 この都道府県格差、あるいは自治体の格差があるという実態をどのように捉え、またこの格差の解消をするとすればどんな手だてがあるのか、御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
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福山哲郎#10
○会長(福山哲郎君) 伊藤参考人、できれば挙手をお願いいたします。
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伊藤芳浩#11
○参考人(伊藤芳浩君)(手話通訳) 失礼いたしました。お答えいたします。
 地域についての情報保障の必要性につきましては、認識の差が結構大きく違っています。情報保障の充実の試みがあるんですけれども、地域によって教育への予算であるとかの違い、特に地方自治体の場合は財源状況によってその情報保障の必要性、投資にやっぱり制約があるということもありまして、そして都市部の方に比べて地方の場合の方が、例えば手話通訳者であるとかノートテークをする担当者、専門人材が少ないため、そういったサービスを提供することがやはり限界が生じています。
 その対策としましては、人材面では、やはり教育委員会の中に情報保障についての具体的な情報を持つ人材の配置であるとか、あるいはその組織の中に手話通訳やノートテーカーなどの専門的な技術を持つ人を育成するためのそういった対策、あるいは遠隔的な手話通訳、遠隔手話通訳サービスですね、そういったこと、方法にとらわれないそういったサービスを積極的に活用する必要があるかと思っています。
 やはり、財政的な面でいうと、国からの補助金、助成金、そういったものの活用をして、地域ごとに教育体制を整備していくということ、その充実するためのやっぱり必要性があるかというふうに考えております。
 お答えしました。以上でよろしいでしょうか。
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星北斗#12
○星北斗君 ありがとうございました。非常に参考になります。やはり、認識の差と、あるいは予算の差ということがあるのだろうというふうに思いました。
 次に、佐藤聡さんにお伺いしたいと思います。
 これもやはりお話をお伺いして、最後にお話ございましたけれども、やはり東京とそれ以外の都市、特に地方都市、あるいはもっと中山間地になればなおさらだと思いますけれども、やはりその格差というのが大きいなということを感じています。
 私も地元と東京の間を行き来しながら、様々な意味でこの違いをいつも感じているところですけれども、この発生の要因、基準を作って全国にという発想ももちろん大事だと思いますけど、今起きているこの発生の原因ですね、その格差の発生の原因、そして今取り得る解消の方法というものについてアイデアがあれば、是非ともお伺いさせていただきたいと思います。
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佐藤聡#13
○参考人(佐藤聡君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
 地方と都市部の格差、物すごくあります。それは、政策によって利用者が多い駅を中心にやってきたというところで、お金がなかなか地方には回らなかったということもあると思います。
 実際に駅でいうと、三千人以上の利用されている駅って全国で三千四百ぐらいなんですけど、三千人未満は六千ぐらいあるんですね。ですから、そっちの方が多いわけですけれども、昨年からですかね、鉄道駅バリアフリー料金制度というのがスタートしました。これは都市部の鉄道事業者が運賃を十円値上げして、そのお金でバリアフリー整備をするというものです。これによって、地方の公共交通機関にもよりお金が回るようになりました。というのは、従来都市部の事業者に国が補助を出していた分が出さなくてよくなりますので、それを地方に回すという仕組みがより手厚く地方にできるようになっています。
 ですから、これが私は、どのぐらい有効なのかなというのはまだ出てきておりませんけれども、すごく期待をしているところです。
 どこにいても同じように移動するということはやっぱり社会参加の基本的なものですので、是非それを進めてほしい。そのためにはやっぱり、今、事業者だけに負担を強いてやっている中ではやっぱり限界がある。やっぱり国とか行政が一緒になって負担をして整備をしていくということが必要なんじゃないかというふうに思っています。
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星北斗#14
○星北斗君 ありがとうございます。
 今、基準が必要だと、あるいは国を挙げてというお話もございました。これもしっかりと考えていかなければいけない問題だというふうに感じました。
 続きまして、中川大さんにお伺いしたいと思います。
 富山県富山市の取組、これ非常に私も注目をしておりました。新幹線の駅を降りてすぐに何とかレールという路面電車に乗り継げる、こういう環境を実現した、多分我が国初の都市ではないかなというふうに思いますし、我が地元も新幹線がありますが、そこから、例えば地下、下に下りて云々ということになりますとまだまだと思いますし、さらにバス路線はどんどん減っていくというまさに負の方のスパイラルにいるんではないかというふうには思います。
 この富山県富山市、これはかなりの負担をしている。そして、その負担を前提にといいますか、改革のためにはこの負担が必要なんだというようなことで意識を変えたということの御説明でしたけれども、やはりその地方行政、あるいは地方都市に住む私としても、どういうきっかけで、あるいはどんなそのステークホルダーがどんな活動をしたのか、これが富山をどんなふうに変えていったのかというストーリーがいま一つ理解できない。多くの都市が今コンパクトシティーを目指すんだと、車がなくてもいい社会を目指すんだと掛け声は掛けますが、やはり赤字路線のバスに一定額の補助金を出すと、あとは頑張れという姿勢は、どうやら多くの都市では実現していないように思います。
 この富山の取組だけでも結構ですし、あるいは次の幾つかの取組について、そのきっかけとなったこと、またそれをドライブさせたものが何だったのか、具体的に教えていただければ有り難いと思います。
 以上です。
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中川大#15
○参考人(中川大君) ありがとうございます。お答えします。
 その前に一つ、先ほどの地方の鉄道のバリアフリーのことについての佐藤参考人への御質問がありました。
 公共交通の側から見たときの一つのコメントをさせていただければと思いますが、大都市部の鉄道に関して、十円上乗せすることによってそれが貴重な財源になっているということで、これは非常にいい制度だというふうに思いますけれども、より、その公共交通というのは公共サービスだという、そういう考え方に立てば、公共交通に障害者の方に乗っていただくために負担をすべきなのは、ほかの公共交通を利用している利用者だけが負担するべきなのではなくて、自動車を利用している人とか、公共交通を利用しない人もひとしくやはり負担していくというのが公平な負担の仕方であるというふうに思いますので、そういう形で、ほかの交通機関を利用している人たちもやはり平等に負担をしていくというような政策も考えていただいてもいいのではないかというふうに思います。
 富山ライトレールの件ですけれども、これ、富山ライトレールだけではなくて、やはり県全体で、あるいは発想そのものを変えていこうということがあると思います。
 そこで、富山の場合は、前の富山市長を始めとして、もう十五年ぐらい前から、やはり公共交通というのは町のための装置として重要なものなんだから、それを便利にしていくということは将来の町にとって大変大きな価値があるという、こういうことを繰り返し述べられてきておられまして、そのことはやっぱりもっともだなというふうに感じる人たちが徐々に増えてきたということじゃないかと思います。その中で、富山市は、ぶれずにその政策をやり続けてきたことによって、多くの人たちが何かいい町になってきたねというふうに感じられるようになってきたというようなことで、実績も残ってきたということと相まってかなり皆さんに理解されてきたのではないかというふうに思います。
 そういったようなことが富山県全体にも波及するというか、そういうような考え方が伝わることによって、今回、JRの城端線、氷見線、これは富山県の西部を走っている路線ですけれども、そういったようなものもやはりみんなの力でもって便利にしていこうという、そういう新しい方向に変わってきたということで、そういったような形での相乗効果というのもあったのではないかなというふうに思っております。
 以上でございます。
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星北斗#16
○星北斗君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、これで私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
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福山哲郎#17
○会長(福山哲郎君) 森屋隆君。
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森屋隆#18
○森屋隆君 立憲民主・社民の森屋隆でございます。御説明ありがとうございました。
 私は、地域交通について中川参考人にお聞きをしたいと思います。本当にいい説明ありがとうございました。
 地域公共交通活性化再生法が昨年改正されて、再構築協議会もスタートして、大分良くはなりつつあるのかなとちょっと思っているんですけれども、でも何点かまだまだ乗り越えなきゃいけない点があるかと思っています。そういったところについてちょっとお聞きをしたいと思います。
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福山哲郎#19
○会長(福山哲郎君) 森屋さん、ちょっとゆっくり。
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森屋隆#20
○森屋隆君 あっ、お聞きをしたいと思います。
 二〇二〇年の豪雨で被害を受けた、例えば肥薩線ですよね。ここは、国と県とJR九州さんとで上下分離が合意されて、復旧していこうということになったと思います。しかしながら、その復旧の費用は二百三十五億円ほど掛かるというふうに聞いていますし、先ほど富山の話もありました、少し廃線に追い込まれそうだったこの氷見線と城端線ですかね、ここはやっぱり富山県と四市が合意をして、三セクでやっていこうということだと思います。これもJR西日本さんは百五十億円ほど拠出しながらやっていこうということだと思います。
 また、四月からですが、これ滋賀県ですけれども、また上下分離で近江鉄道さんやりますよね。ここは導入から十年間で、聞くと、費用が百五十八億円掛かって、国からの交付金は四十二億円で、県や自治体が百十六億円ほど掛かるというふうに聞いています。
 岡山の、先ほどあった芸備線は、これ再構築協議会で協議が始まりましたけれども、結果的にまだまだ不透明な、どういうふうになるか分からないと。そして、岡山と姫路を結ぶ姫新線ですか、これは行政がJRさんの株を買って、物言う株主じゃないですけど、廃線にさせないぞと、こんなことがあるそうです。
 あと、最後になりますけど、大井川鉄道も二年前にこれ台風でやられて、今一部不通でして、復旧には二十三億円ほど掛かるらしいですけれども、県の方にこの鉄道軌道整備法のスキームがないということで復旧に対するめどが立たないのと、やはり鉄道会社もなかなか赤字なものですから、そのスキームを使うのに二分の一、企業が出す二分の一がなかなか出せないということで、クラウドファンディングなんかでも頑張っているんですけれども、なかなかその解決には至っていません。
 結果的には、考え方は再構築協議会なんかでもあるんですけれども、こういったお金が出し切れないということが私一つ問題だと思っていまして、国がもう少し本当に踏み込んだ形になってほしいのが一つと、そしてもう一つあるのは、要は税金、公金を投入して再構築していくんですけれども、地方議会の中で、これ現実の話なんですけれども、そこで働いている人の源泉徴収、年収が高いんじゃないかというような話があったり、当時それを提示してくれなんということがあったりとか、結果的には、今回春闘が大分上がったりもしましたけれども、働いている人の賃金が上がらないような状況があって、そのために大量退職をしています。結果的には、再構築していこうかと思うんですけれども、人が離れていっていると、こんなことかと思います。
 そして、バスの関係も少し。今回、大分減便がありますけれども、先ほど先生の方から京都の話もありましたけれども、京都でも、一部は成功していると思うんですけれども、不採算路線は民間に安く出しているんですね。管理の受委託で出していました。民間の方はこれ大変な状況になっていましたし、二〇一八年の大阪ですね、大阪市交通も民間にして大分お給料がすごい下がったということで、大量退職をしています。
 そういった税金を入れることによってもう少し国が頑張っていただきたいのと、そして、入れたことによって、やはりなかなかこの日本の中では働いている人への圧力が掛かっている。この辺についてちょっと御所見があれば伺いたいと思います。
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中川大#21
○参考人(中川大君) 御質問ありがとうございました。
 まず、例えば災害から復旧するときの鉄道、あるいは災害がない段階でも鉄道を維持していくときに関する経費のことについて、かなり多額であるというような御指摘もあったわけですけれども、まずやはり、これは私の今日の発表の中でもお話をさせていただきましたように、日本の場合は、その経費とその後に入ってくる収入を比べているのが日本の比べ方なんですが、そうではなくて、収入と比べるのではなくて、そのことによって地域にもたらされている効果の全体を比べなければいけないはずでして、ですので、鉄道が持っている地域全体にもたらす効果をしっかりと把握をすれば、その何十億というお金が値打ちのあるお金だという計算ができるはずでして、先ほど例に挙げましたえちぜん鉄道なども行政がお金を出して支えているわけですけれども、これは支える価値があるのかどうかということを費用便益分析と呼ばれる手法を使ったりして、その結果、これは行政で支えていく価値があるということで存続をさせておられるわけです。
 まずは、鉄道だけがお金と収入の比較になっていますけれども、ほかの公共サービスは全て効果とお金の比較がされているはずです。図書館にしても公園にしても一般道路にしても、それらは全て公共サービスなわけですから、それに税金をつぎ込む価値があるかどうかという判断をしているのは収入と比べているのではないわけですので、まずは、鉄道もそれと同じように、収入と比べるのではなくて、社会的な効果と比べる考え方に立つべきだというふうに思いますので、そのことについてお話をさせていただきました。
 その上で比較をしていきますと、国もそうですし自治体もそうですし、できるだけ税金を投入できた方がいいわけですが、現在のところ、やはり公共交通に対して投入している金額というのは極めて小さいということで、国の予算の中でもほとんど、もう一%なんて全然全く行かないレベルで非常に小さいわけですし、それから、先ほどの御質問の中にもありましたけれども、富山市がどれぐらいの金額を投入しているのかということもありました。それはちょっとお答えできなかったですけれども、富山市は常々、〇・五%、一般会計予算の〇・五%をつぎ込んできているというふうに言っておられまして、それだけをつぎ込めば十分かなりいい政策を打つことができるし、それは自治体にとって出せない金額ではないというふうに主張して言っておられます。そういったようなことが標準になってくると、鉄道に投資をするのは価値があることだというふうに納税者の皆さんも思ってもらえるのではないかというふうに思います。
 それから、労働者に対するお話ですけれども、これも私、例えばスイスから来たスイスの事業者の人に、コロナによって日本では働いてくださる人が少なくなっているんですが、それについてはどうですかという質問をしたことがあるんですけれども、そのときの答えは、やはりむしろコロナのときの方が運転手さんなどがたくさん集まってきてくれたということだったんですが、それはなぜかというと、やはり公共サービスとしてしっかりと公共が支えている産業であるということで、そういうときほどしっかりと労働者の皆さんが集まってきてくれているんだという話をしておられました。
 今のように、産業としてこれから何か衰退していくんじゃないかなというふうに思われてしまうと、労働者の方もなかなか来ていただけないということになるのではないかというふうに思いますので、その辺りはやはり前向きな政策が出ていけば大分変わってくるのではないかなというふうに思います。
 以上でございます。
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森屋隆#22
○森屋隆君 ありがとうございます。
 私も、公共交通のこの多面的価値というんですかね、クロスセクター効果、本当にそれをもっともっと広げていきたいなと、こんなふうに思っています。ありがとうございます。
 次に、佐藤参考人にお伺いしたいと思います。
 合理的配慮の関係でちょっと伺いたいと思うんですけれども、私は海外などで今行われているこのライドシェアに反対をしているんですけれども、なぜ反対しているかというと、一つは、このライドシェア、自家用車を活用して行うわけでありますけれども、高齢者の方や妊産婦さん、あるいはもう障害者の方、特に車椅子を利用されている方にこういった合理的配慮、公共交通機関としての使命を果たせないんではないかなと、私はこんなふうに思っています。
 そういった立場から反対をしているんですけれども、車椅子での様々な実体験をお持ちの佐藤参考人から、このライドシェア新法ですよね、ライドシェア新法に対する御意見があれば伺いたいと思います。よろしくお願いをいたします。
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佐藤聡#23
○参考人(佐藤聡君) 御質問いただき、ありがとうございます。
 四月からライドシェア導入されたということで、私たちも海外の状況をちょっと調べました。アメリカでウーバーがすごく普及されて、私が五、六年前に行ったときによく向こうの障害者が、一般の車両を使って乗るものなので、一般の車両はほとんど車椅子乗れませんので、自分たちはずっと排除されているんだと、だから反対運動をしているということをよく聞いていたんですね。
 じゃ、実際にどういう提案をするのかなというのが気になって調べてもらいましたら、事業者、ウーバーだとしたら、そこは必ずバリアフリーの車両を何台か導入して、そのエリアで必ず走らせる。ですから、ライドシェアで一般の車両も走らせているんですけれども、会社としてバリアフリーの車両を導入して、それもそのエリアで走らせる。各エリアで何台走らせるということを決めて、それを必ず守っているということでした。それは一つの方法かなというふうに思いました。
 ライドシェア、いろんな公共交通機関の問題が地域ごとにあって、全面的に私たちが反対するかどうかというのはまだ決めかねているところなんですけれども、方策としてはそういう形で、何らか私たち車椅子も乗れるような仕組みをちゃんと併用してつくっていくということは一つ方法なんじゃないかなと思いました。
 以上です。
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森屋隆#24
○森屋隆君 時間が来たので終わります。ありがとうございました。
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福山哲郎#25
○会長(福山哲郎君) 下野六太君。
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下野六太#26
○下野六太君 まず、伊藤参考人にお尋ねしたいと思います。三点あります。
 一点目が、災害時に情報がなかなか届かないということであるということをお伺いしましたが、私は、災害時に情報をきちんと届かせるためには日常が大事ではないかというふうに感じております。特に、公共交通機関、例えば電車、地下鉄等に乗っている場合に事故等のハプニングが起こった場合、多くの場合は車内アナウンスで知らせると。周りは分かっているけれど、聴覚障害をお持ちの方は何が起こっているのか分からないというようなことが起こっているんではなかろうかと思っておりますが、その点について御意見を伺いたいと思います。これ一点目です。
 二点目は、医療機関を受診する場合、検診等であれば数日前の手話通訳の予約はできると思います。しかし、多くの場合、当日の朝、急に体調が悪くなってしまうというのが私たち人間の常ではなかろうかというふうに思っておりますが、そういった不測の事態、急な体調不良、このような場合の医療機関を受診する場合の手話通訳で、これは非常にお困りになっているのではなかろうかと思っておりますので、その点について伺いたいと思います。
 三点目です。聴覚障害を持っている子供たちの私は進学率がやはり低いのではないだろうかということを懸念しています。特に、参考人の方からは、大学での手話通訳が可能となっている大学が六〇%であるということの報告がありましたが、これは一〇〇%にすべきではないかと私は思っておりまして、加えて、聴覚障害の学校でしっかりと進学率を高める取組をもっとすべきではないかと思っております。
 この三点について、参考人の考えを伺いたいと思います。
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伊藤芳浩#27
○参考人(伊藤芳浩君)(手話通訳) 御質問ありがとうございます。
 まず、一点目の質問にお答えをいたします。
 私、個人的にも、やはり電車に乗った経験上ですね、事故があった場合、やはり情報が入ってこないということがあり、私の場合には、例えばスマホ等を使ってインターネットで検索をして、事故の情報からその情報を収集すると、今何が起こっているのかということを知ることに努める。又は、周りの状況を見て、例えば電車を降りている人がいるのかとか、あるいは駅の外出ているのかとか、そういう状況を見て、見える範囲での情報を集めていますが、どうしても時間差がやはり出てきます。ですから、周りの人の行動、やはりどうしても自分は遅れて行動を取ってしまうということがあります。聞こえる人の場合はうまく逃げられる、例えば時間に遅れずに会社に間に合うということがあったとしても、私の場合はちゅうちょ、うまく行動ができずに遅刻してしまうとか、そういうどうしても差が起きてしまいます。
 ですから、瞬時に文字化するということの非常に大切さがあると思いますし、先ほど紹介しました先行事例ですね、そういったものを、例えば東京の地下鉄では機内放送を文字化するということを試みています。電車内ですね、失礼しました、電車内での音声を瞬時に文字化するということをしていますので、それがもっともっと地域の鉄道にも普及していかなければいけないと、そうしていただければ有り難いなと思っています。
 二点目の質問につきましては、医療ですね、医療機関での手話通訳に関してなんですが、公共の派遣の基準の場合ですね、手話通訳の派遣の基準の場合、どうしても一週間前の予約が必要、できれば一か月前にというふうなことも、事前のという建前になっていますが、実際には病気はいつ起こるか分かりませんよね。ですから、病気が起きた、起きて分かれば予約ができるわけですけど、そういうことはできませんので、一般的には、結果的に自分の力でお医者さんととにかくコミュニケーション、一生懸命筆談等をして、又は、家族の中に手話ができる人がいれば一緒に行ってサポートしてもらうとか、そういった努力をしていますが、やはり病院の中でコミュニケーションの限界はどうしてもあります。十分な情報提供は得られない、ですから結果的に十分な受診ができないということ、悪循環が起きています。
 先ほどの資料を投影した中に先行事例ということで紹介したんですけど、全国の一部の病院なんですけれども、手話通訳者を常駐させているという病院が、今のところでいうとまだ四十二の病院、医療機関に限られています。ですので、全国で八千ぐらいの医療機関、病院があるんですけれども、僅か四十二しかという状況ですので、その理由としては、病院の中では手話通訳の必要性がまだ認識が不足しているということ。というのは、いつそういった耳の聞こえない人が受診するか分からない、そういうことにわざわざ手話通訳を常駐する必要性が分からないという面もあったり、あるいは、もう一つはやっぱり費用、コストの面ですね。コスト面で常駐させるための経済的などうしても限界があると。ということで、病院に常駐させるということが広がっていっていないという現状があります。
 最後の質問にお答えしますが、私たちの団体では、進学率を高めるため、特に小学校、中学校、高等学校での情報保障を十分に進めなければいけないと考えています。いわゆる教育の環境の中で情報がしっかりと伝わるということ、コミュニケーションができるということ、それができていないために学力が身に付いていっていない、進学を目指せない、進学が十分できないという現状がありますので、特に小中高のレベルで情報保障に力を入れる必要があるけれども、残念ながら、先ほどお話ししましたとおり、地域によって情報の格差、情報提供の格差があります。例えば東京みたいに進んでいる例もあれば、逆に進んでいない地方の例もあったりします。それぞれ地域の成功例があるけれども、ほとんどのところが情報が十分にできていないまま、結果的に学力もしっかりと確保できない、十分に力を発揮できないままということが、学力が身に付けないまま義務教育を終了している、高等学校を修了しているということが、例が起きているということがあります。
 以上です。
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下野六太#28
○下野六太君 御丁寧に回答いただきまして、ありがとうございました。
 時間が迫ってきているんですけれども、佐藤参考人に伺いたいんですけど、先ほどの話の中で、美術館、博物館でのバリアフリーについては佐藤参考人はどのように受け止めていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。
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佐藤聡#29
○参考人(佐藤聡君) ありがとうございます。
 公的な美術館なんかは、かなりバリアフリー化もされておりますので入れるところは多いですけれども、民間のもので造ったものなんかは、行ってみると、二階が上がれないとか、一階だけですというところは結構あるというふうに思います。ですので、ちょっと調べないと行きにくいなという気はしますね。
 あとは、人が多いときとかというのはなかなか見るのが大変です。車椅子で、わあっと立って皆さん見られているから、全然見えなくなってしまう。そこを頑張って無理やり入っていくということもあるんですけれども、実際やっぱり、多過ぎるときなんかは、車椅子だとやっぱりちょっと行っても見えないなというふうに思ったりしますね。ですから、少しそういうルートをつくってもらって、見やすいような場所をつくってもらうとか、そういうのも必要なんじゃないかなというふうに思います。
 以上です。
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