法務委員会

2025-05-29 参議院 全143発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和七年五月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     永井  学君     山東 昭子君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     福岡 資麿君     中西 祐介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若松 謙維君
    理 事
                古庄 玄知君
                渡辺 猛之君
                田島麻衣子君
                矢倉 克夫君
                川合 孝典君
    委 員
                小川 克巳君
                岡田 直樹君
                片山さつき君
                山東 昭子君
                中西 祐介君
                森 まさこ君
                山崎 正昭君
                打越さく良君
                福島みずほ君
                谷合 正明君
                嘉田由紀子君
                仁比 聡平君
                鈴木 宗男君
   国務大臣
       法務大臣     鈴木 馨祐君
   副大臣
       法務副大臣    高村 正大君
       外務副大臣    宮路 拓馬君
       厚生労働副大臣  鰐淵 洋子君
       防衛副大臣    本田 太郎君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  神田 潤一君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   平城 文啓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        武蔵 誠憲君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      石川 泰三君
       金融庁総合政策
       局参事官     若原 幸雄君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   松井 信憲君
       法務省民事局長  竹内  努君
       法務省刑事局長  森本  宏君
       法務省保護局長  押切 久遠君
       外務省大臣官房
       参事官      門脇 仁一君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    岡本 利久君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    田中 仁志君
       防衛省大臣官房
       審議官      井上 主勇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案(閣法第四三号)(衆議院送付)
○譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(閣法第四四号)(衆議院送付)
    ─────────────
この発言だけを見る →
若松謙維#1
○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動につきまして御報告いたします。
 昨日までに、永井学君が委員を辞任され、その補欠として山東昭子君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
若松謙維#2
○委員長(若松謙維君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長竹内努君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
若松謙維#3
○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
若松謙維#4
○委員長(若松謙維君) 譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#5
○渡辺猛之君 おはようございます。自由民主党の渡辺猛之でございます。
 久しぶりに法務委員会に所属をさせていただきました。前回、法務委員会で質問をさせていただいたのが二〇二一年でしたので、四年ぶりにこの法務委員会で質問立たせていただきます。オリンピックに臨むアスリートのような気持ちで質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、法案につきまして幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。まずは、立法の必要性と基本的なスタンスについてお尋ねをいたします。
 譲渡担保法案は、取引の法的安定性や法律関係の予見可能性を高めようとするものであると説明をされております。しかしながら、譲渡担保自体は最近になって使われ始めたものではなくて、長い歴史があって、明文化の必要性というのは昔から言われてまいりました。
 そこで、まずお尋ねいたしますが、そもそも譲渡担保はいつ頃から利用されているのか、また、これまで立法してこなかったのはなぜかという点についてお聞かせ願います。
この発言だけを見る →
竹内努#6
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 譲渡担保契約は、裁判例を確認する限り、少なくとも百年以上前から利用されてきたと承知をしております。もっとも、企業の資金調達におきましては、従来、不動産や保証が担保として多く用いられており、譲渡担保についても不動産を目的とするものが多くございました。
 不動産を目的とする譲渡担保につきましては、積み重ねられた判例法理の下で一様の実務が確立してきたことから、立法によって法律関係を明確化する実務上の必要性はそれほど高くなかったところでございます。そのような事情から、譲渡担保の法律関係について、これまで立法作業は行われてこなかったものと考えられます。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#7
○渡辺猛之君 御説明いただきましたように、長らく明文化の、明文の規定がない中で利用をされてきたということですけれども、じゃ、それでは、今回あえてこれを立法化しようとする理由について御説明をお願いします。
この発言だけを見る →
竹内努#8
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 近時、不動産担保や個人保証に過度に依存しない資金調達方法を促進する必要性が高まっております。そのような資金調達方法といたしまして、機械設備、在庫商品等の動産や売掛債権等の債権を担保とすることが考えられるところでありまして、実務におきましても、このような動産や債権が担保として活発に活用されるようになってまいりました。
 ただ、このような譲渡担保につきましては、判例法理で動かされてきたため、法律関係の予見可能性ですとか法的安定性に欠ける等の問題が生じております。そこで、このようなことを向上させる観点から、譲渡担保法案を立案したものでございます。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#9
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 続いて、神田政務官にお尋ねをいたします。
 今回、不動産担保や個人保証に依存しない資金調達を促進し、資金調達手法を多様化することを目的とするということでございますが、担保を使いやすいものにするためには、担保権者の権限を強化すべきだという考えがあります。その一方で、担保権者の権限ばかりが強化されると、設定者の利益が害される面もあるのではないかという心配も一方であります。
 そこでお尋ねいたしますが、今回の立法は担保権者の権限を強化するというスタンスに立っているのか、今回の立法の基本的なスタンスと、また、立案に際してどのような関係者の意見を考慮したのか、お聞かせを願います。
この発言だけを見る →
神田潤一#10
○大臣政務官(神田潤一君) お答えいたします。
 譲渡担保法案の立案に当たりましては、担保権者と設定者との利益や、担保権者と労働債権者等の一般債権者との利益のバランスを適切に図ることを重視しております。このため、担保権者の権限を一方的に強化するという考え方には立っておりません。担保権者の権限を一方的に強化するということではなく、法律関係の予見可能性や取引の法的安定性を高めることにより、譲渡担保権等を使いやすいものとすることができると考えております。
 法制審議会担保法制部会には、民事法の研究者や法律実務家に加えまして、貸し手や主な借り手と想定される中小企業のほか一般債権者の視点などを反映させるため、金融機関や中小企業団体、労働組合の関係者にも委員や幹事として参加していただいております。また、必要に応じまして、金融実務家、中小企業の法務担当者等からも参考人として意見を聴取しております。
 このほか、担保法制の見直しに関する中間試案につきましてはパブリックコメントの手続が実施され、その結果も踏まえまして、同部会で調査審議が重ねられてまいりました。
 以上のとおり、譲渡担保法案は、様々な立場の関係者の多くの意見を議論を通じて集約したり聴取するなどした上で立案したものでございます。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#11
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 先ほども御答弁をいただきましたけれども、譲渡担保契約というのは古くから利用されていて、今回規定を整備しようとしている動産や債権を目的とする譲渡担保権も既に利用はされています。
 譲渡担保法は、既存の譲渡担保契約にも適用されるのでしょうか。現在の判例法理を明文化するにすぎない部分は特に問題ないと思いますけれども、本法案の成立によりルールが変更される部分については、これが既存の譲渡担保契約に適用されることで混乱が生じないようにする必要があると考えますが、どのような対応がされているのか、お聞かせを願います。
この発言だけを見る →
竹内努#12
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 譲渡担保法案は、基本的に判例法理を明文化するものでございますので、施行日前に締結された譲渡担保契約についても原則として譲渡担保法の規定を適用することとしております。他方、施行日前に締結された譲渡担保契約等の当事者は、その契約に譲渡担保法の規定が適用されることは予測をしていませんので、当事者の期待を害するおそれもございます。
 そこで、このような不都合が生ずる場合には、個別に経過措置を設けまして、譲渡担保法の適用を排除することとしております。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#13
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 今まで御説明をいただいたように、譲渡担保というのは判例法理はあるものの、長らく法律のない中で行われてきて、様々な面でそれぞれが独自の解釈をして運用をしてきたところも相当あったんじゃないかなと考えられます。これを明文化して、さらに一部ルールを合理化して変更するとすれば、やはりその影響は大きいと考えられます。
 そこで、やっぱり法案の内容をしっかりと周知をしていくことが大変重要と考えられますけれども、この点について大臣の御所見をお尋ねいたします。
この発言だけを見る →
鈴木馨祐#14
○国務大臣(鈴木馨祐君) まさに今回こうした形で法案化をしたということでありまして、非常にこれかなり広い範囲に影響が出てくる、そういったものだろうと思います。
 特に、貸し手となる金融機関等であったりとか、あるいは借り手となることが予想される中小企業の皆様方、さらには登記業務、ここにも影響しますので登記業務に関わる司法書士の方々、こういった方々に対して必要なそうした情報提供、周知をしっかりとしていく、このことは私どもとしても極めて大事だと思っております。
 そうした中で、具体的に申し上げますと、譲渡担保法の概要あるいは動産・債権譲渡登記制度の変更点について分かりやすくまとめて、私どものウェブサイト、ホームページの方に掲載をするであるとか、あるいはパンフレットを作成をする、さらには、やはり業界団体、これも大事になってまいりますので、そうした業界団体の皆様方にも御協力をいただいて説明会を開催していく、そういった対応ということを想定をしているところであります。
 きちんとした法案の周知、これを徹底してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#15
○渡辺猛之君 大臣、御答弁いただいたように、しっかりと周知を徹底していただきたいと思います。
 法案についての質問、以上にさせていただきまして、続きまして、本法務委員会でも多くの委員の皆さんが御質問をされておりますいわゆる袴田事件に関連して幾つかお尋ねをさせていただきます。
 委員会答弁の中で、大臣、何度も謝罪をされておりますけれども、袴田さんに対しては、長期間にわたり法的な地位が不安定な状況が続いたということは大変申し訳ないと、こう謝罪をされているところであります。
 この法的な地位が不安定な状況というのは具体的にどういう状態を指しているのか、まず、大臣の御認識をお聞かせください。
この発言だけを見る →
鈴木馨祐#16
○国務大臣(鈴木馨祐君) この法的な地位が不安定な状況に置いてしまうこととなった、そのことでおわびを申し上げております。
 その点で、やはりその言葉ということで申し上げた方がいいかなと思いますが、この検事総長談話等でも使われている表現でありますけれども、このことについては、まさに再審請求審における静岡地裁の再審開始決定以降、即時抗告審で東京高裁がその決定を取り消し、さらに、その後、特別抗告審で最高裁がその決定を取り消して東京高裁に差戻しをし、差戻し後の東京高裁において即時抗告が棄却をされるなどをしたことで、袴田さんにおかれましては、確定判決を受けた者としての立場、これが維持をされるのか否かということが累次の司法判断の中で揺らぐということになったという状況がございました。そういった中で、長期間にわたりまして非常に不安定な状況に置かれていた、そういった状況であると私どもも認識をしております。
 まさに、逮捕から五十八年以上、死刑判決の確定からですと四十三年と、極めて長い、余りにも長い年月ということを、命を奪われるそういった刑罰、この刑罰であります死刑を宣告をされた者という状況で過ごされたということ、まさにそうした中で、死刑判決の行く末、これがどうなるのか、まさにその死刑を宣告をされた者という法的な立場が解消されるのかという不安を、まさにこの長期間、人生の大半の期間にわたってそういったことを感じ続けながら過ごされてきた、まさにそうした過酷さということは私どもとしても察するに余りある状況だと思っております。
 そうした中で、袴田さんに対して、こうした、そうした日々を長く過ごされた、本当に長い期間、人生の大半の期間を過ごされたということで、私どもといたしましても大変申し訳なく、これは法務大臣としてもでありますけれども、大変申し訳なく思っているということで、その趣旨で申し上げてきたところであります。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#17
○渡辺猛之君 必要なのは、私、想像力が必要だと思います。
 ここから先は一般論で結構です。もしも自分が、もう何の罪も犯していないのに逮捕されて、裁判で有罪となって、で、一切自由を奪われると。何も悪いことしていないのにですね。やっぱり、想像力を働かせてみてください。自分が受けた判決は死刑です。もう明日には死刑執行の宣告を受けるかもしれない。何も悪いことをしていないのに、明日には私の命は奪われるかもしれないという、その恐怖。大臣、もし、もし大臣御自身がそのような立場になったら、どうお感じになられますか。
この発言だけを見る →
鈴木馨祐#18
○国務大臣(鈴木馨祐君) ほかの委員の皆様方との質疑においても答弁させていただいておりますけれども、まさにこの場、法務大臣として立たせていただいておりますので、そういった意味で、個人のそういった所感ということで述べるということは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、まさに一般論ということで申し上げますが、やはり私としては、犯人でない人を処罰をするということ、これはあってはならない、決してあってはならない、これは、私、法務大臣としての立場でこれは繰り返し申し上げているところであります。その理由ということ、犯人でない人をなぜ処罰してはいけないのかという理由、ここについて法務大臣としてどう考えているのか、そのことについて述べるということで是非御理解をいただきたいと思います。
 そうした中で一般論として申し上げる中でありますけれども、やはり犯人でない人に対して死刑判決が言い渡され、これは確定をした場合でありますが、公判において主張してきたことが真実であるにもかかわらず、受け入れられずに処罰をされるということとなった、そういったことに対する理不尽さ、これは当然感じることであろうと思いますし、いつ刑が執行されるか分からない不安にさいなまれるなど極限的な精神状況の中で日々を送ることとなる、これは容易に想像されるところであります。
 もとより、言い渡された刑がこの死刑以外ということであってもそこは同様ということであろうと思いますけれども、このように犯人でない人を処罰をするということ、これは、いわれない理由によって人生を一変させるということでもあります。まさに、そうした耐え難い日々を送るということを余儀なくさせることになるということであって、まさにそういった意味で、私は、そういった犯人でない人を処罰するようなことがあっては決してならない、そういったことを申し上げているところでございます。
この発言だけを見る →
渡辺猛之#19
○渡辺猛之君 ある事件が起こって、そこに被害者が存在するということ、被害者が存在したら、警察や検察というのは加害者という悪を必ず見付け出すという固い決意で日夜御努力をいただいているものと思います。その多分根底にあるのは、もう私は、揺らぎない正義感があるからこそ、検察、警察の皆さん方は頑張っていただいていると信じています。
 ただ、人間である以上、やはり、常に一〇〇%正しいということはあり得ないという考えを頭のどこか片隅にはやっぱり置いていてほしいなと思います。頭の中心に置くわけにはいきません。頭の中心にはやっぱり圧倒的正義感を置きつつ、しかし、頭のどこかに少しだけ、本当にこの人が犯人なのかというもう一人の冷静な自分を持っていてほしいと願います。それを忘れてしまったら、正義を貫いているはずの検察や警察が、時には無実の人を罪に陥れる加害者になってしまう可能性があるということを忘れないでほしいと思います。これからも、正しい検察の活躍を期待して、正しい正義を貫いていただきたいと思います。
 以上で終わります。
この発言だけを見る →
福島みずほ#20
○福島みずほ君 立憲・社民・無所属の、社民党、福島みずほです。
 譲渡担保について、労働債権の特別な保護の必要性について、法務省及び厚生労働省の見解を求めます。
この発言だけを見る →
竹内努#21
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 労働債権は、労働者の生活の原資でありますので、その保護を図ることは重要な課題であると考えております。
 これまでも、労働債権については、民法において債務者の総財産を目的とする一般の先取特権を付与した上、破産手続においても、その一部を財団債権とするなどの一定の優先的な地位を与える法整備がされてきたところでございます。
 その上で、譲渡担保法案では、一般債権者の弁済原資を確保するという観点から、いわゆる組入れ制度を設けることとしております。
この発言だけを見る →
福島みずほ#22
○福島みずほ君 担保権全体と労働債権との優先順位について、審議会等で具体的な検討はなされておりません。改めて、これはやるべきではないか。
 今答弁がありましたとおり、組み入れるというふうになっておりますけれども、倒産法制における労働債権の優先性の課題について、実態調査の結果を明らかにした上で、早急に検討に着手することを明言していただきたい。いかがですか。
この発言だけを見る →
竹内努#23
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 担保法制部会におきましては、労働債権者の利益と担保権者との利益を適切に調整するという必要があることは問題意識として共有をされておったところでございまして、ただ、主題が担保取引を対象としていたものでございますので、議論としては、雇用関係の先取特権を含む一般先取特権を一定の範囲で譲渡担保権に優先させるという考え方について議論が行われてきたものでございます。結局のところ、担保取引の安定性を害するというおそれがあること等の課題があって採用されませんでしたが、組入れ制度を設けるということとしたものでございます。
 労働債権の優先性の課題についてでございますが、現行法におきましても、倒産手続において一定の優先的な地位が与えられているものと認識はしておりまして、その上で、更に倒産法制全体で労働債権の優先順位を引き上げることにつきましては、まず、その抵当権等の約定担保権を設定する際に、これに優先する債権がどの程度発生するか予測することが困難であって、担保取引の安定性を害するというおそれがあることや、抵当権や質権等の不動産に設定できる担保権と労働債権との関係を全面的に見直すという必要も生じまして、実務に対する重大な影響が生じ得るといった課題がありまして、慎重な検討を要することだと認識をしております。
 もっとも、担保法制部会におきましては、倒産法制における労働債権の優先順位につきまして、倒産手続における債権の優劣関係全般に関わる問題として倒産法制の見直しの中で検討すべきであるとの意見もあったところでございますので、このような意見をしっかりと受け止めて、まずは倒産局面における各債権者の債権の満足の状況等についての実態調査を行うことも検討しておりますので、その結果も踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
福島みずほ#24
○福島みずほ君 今後、是非お願いします。
 倒産した、でも、実際は労働債権なかなか回収できない。租税債権は、大体税金払っていないことも多いので、租税債権などに取られて労働者には来ないんですね。今答弁があったように、早急にお願いいたします。
 破産財団の組入れ義務の実効性を高めるための方策についてですが、手順や書式などを定めることなく実務に委ねるだけで実効性が確保できるのでしょうか。破産財団への組入れ義務の実効性が高まるような措置を講ずる必要があるのではないですか。
この発言だけを見る →
竹内努#25
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 組入れ請求権でございますが、設定者について倒産手続が開始した場合に発生をするものでございます。
 そこで、例えば破産手続においては、いわゆる善管注意義務を負う破産管財人が組入れ請求権も行使することになりますため、実効的な組入れ請求がされるために何らかの手順や書式を定めるという必要性まではないものと考えておりますが、制度の周知、広報にはしっかりと努めてまいりたいというふうに考えておりますのと、実効性が高まるような措置という意味では、譲渡担保法案におきましては、組入れ義務の確実な履行を確保するという観点から、倒産手続の開始までに集合動産譲渡担保権者等の資力が悪化して組入れ義務を履行することができないという事態を防ぐために、設定者及びその債権者は担保権者等に対して相当の担保を請求することができることとしております。
 このような制度の内容も含めまして、十分周知に努めてまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
福島みずほ#26
○福島みずほ君 組入れ義務が履行されない場合の対策について、引き続き検討を続けていく必要性があるのではないですか。
この発言だけを見る →
竹内努#27
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 組入れ請求権でございますが、先ほど申し上げましたように、破産手続におきましては、善管注意義務を負っている破産管財人が行使することになりますため、適切な調査や請求がされると期待することができると考えております。
 そして、この組入れ請求権でございますが、その債務の履行がされないという場合には、その義務の履行を求めて訴えを提起し、必要に応じて強制執行等によってその履行を実現するということになると考えられます。
 このような制度について周知するとともに、運用状況を注視してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
福島みずほ#28
○福島みずほ君 私は、労働債権の組入れ請求権に対する特別な優先権を法案に盛り込むべきだというふうに思います。
 次に、未払賃金立替払制度についてお聞きします。
 二〇〇二年を最後に変更されていない立替払額の上限について、金額への増額を検討すべきではないですか。
この発言だけを見る →
田中仁志#29
○政府参考人(田中仁志君) お答えいたします。
 未払賃金立替払制度は、賃金の支払は本来個々の事業主の責任の範囲に属するものである一方、倒産等によって賃金の支払を受けられない労働者の差し迫った生活を救済する必要性に鑑みまして、労働者からの請求に基づき、未払賃金のうち一定の範囲のものを事業主に代わって政府が弁済する制度でございます。
 このような趣旨に鑑みまして未払賃金の立替払の上限額等を設定しているところではございますが、未払賃金の立替払の対象となった賃金のうち、大部分は現在の上限額に達していないという状況はありますけれども、いずれにいたしましても、企業の倒産時に労働債権が適切に保護されることは重要でありまして、引き続き、制度の適切な運用に努めるとともに、運用実態や社会経済情勢の変化等も踏まえ、必要な検討を行ってまいりたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
← 戻る