国土総合開発特別委員会

1957-04-03 衆議院 全65発言

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会議録情報#0
昭和三十二年四月三日(水曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長 五十嵐吉藏君
   理事 川村善八郎君 理事 志賀健次郎君
   理事 鈴木周次郎君 理事 薄田 美朝君
   理事 竹谷源太郎君 理事 渡辺 惣蔵君
      愛知 揆一君    伊藤 郷一君
      篠田 弘作君    田中 正巳君
      松澤 雄藏君    林  唯義君
      廣川 弘禪君    小平  忠君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 石井光次郎君
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
 出席政府委員
        北海道開発政務
        次官      中山 榮一君
        北海道開発庁次
        長       田上 辰雄君
        経済企画政務次
        官       井村 徳二君
        総理府事務官
        (経済企画庁開
        発部長)    植田 俊雄君
        大蔵事務官
        (主計局次長) 宮川新一郎君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (銀行局特別金
        融課長)    磯江 重泰君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 北海道開発公庫法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六五号)
    ―――――――――――――
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五十嵐吉藏#1
○五十嵐委員長 これより会議を開きます。
 北海道開発公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。小平忠君。
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小平忠#2
○小平(忠)委員 北海道開発公庫法の一部を改正する法律案につきまして、石井大臣にお伺いいたしたいと思いますが、この公庫法の一部を改正する法律案の内容につきましてお伺いする前に、きわめて重要なるこれに関連する問題について、若干質問をいたしたいと思います。実は、昨日本委員会に岸総理の出席を求めて、岸総理の所信の一端を承わったわけでありますが、その中の、本年度から実施さるべき北海道総合開発第二次五カ年計画の問題であります。昨日私がこの点につきまして総理に御指摘申し上げ、総理は、第二次五カ年計画についてはすみやかに閣議の決定を見るようにいたしたい、ということを答弁されているわけでありますが、実は第一次五カ年計画の経緯を振り返ってみまするときに、これは昨日も御指摘申し上げましたように、いろいろ批判があります。しかし批判は批判としても、五カ年の経緯なり実績に徴しまして、北海道開発審議会におきましても、第二次五カ年計画は開発庁長官の諮問にこたえて慎重に検討し、実は長官にその五カ年計画についての答申をいたしておるわけであります。従って、いまだに閣議の決定を見ないことは、むしろ怠慢ではなかろうか、すみやかにやるべきものを何をしているのであるか、と私は申し上げたいのであります。実は昨日の総理の言明もありますから、石井大臣が担当の大臣としてその職におられる立場から、この第二次五カ年計画についての今後の考え方、所信を承わりたいと思います。
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石井光次郎#3
○石井国務大臣 昨日総理からお答えいたしましたように、私もこの第二次五カ年計画はすみやかに閣議の決定という線に持っていきたいと考えております。御承知のように、第一次五カ年計画は閣議次定になっていないのでございます。はなはだ残念なことでありましたが、そういうようなことで、第一次は終ったのであります。第二次五カ年計画は、過去の五カ年の間にもいろいろ問題がありまして、予定通りいかなかったものもありますが、この五カ年の経過を参考にして、反省いたしまして、こしらえ上げ、今後どうあるべきかということをお示ししたのが、この第二次五カ年計画でありまして、これは予算が伴い得れば、必ずやその通りの成果を上げ得るものだと私ども確信していいような線が出ていると思います。この第二次五カ年計画について、政府が全体として責任を感じながら、ものを運んでいくように、私はなるべく早くこの問題を閣議の決定の運びに持っていきたいと思っております。ただ経済五カ年計画とこれとのにらみ合せもあるのでありまして、経済五カ年計画は昨年策定をいたしたのでありますが、これには、あるいは鉱工業の生産の面におきまして、すでに五カ年の最後にでき上るものというの議録第九号が、もうすでに超過しているような問題等もあって、それらの改訂もしたいという経企長官のお考えもあるようであります。これらともにらみ合せてという問題がそこにあったのでございますけれども、改めるときはまた改めるととにいたしまして、なるべく早い機会にこれが閣議の決定を得るように、努力いたしたいと思っております。
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小平忠#4
○小平(忠)委員 昨日の総理の言明に引き続きまして、担当大臣である石井大臣のただいまの明確なる所見を承わりまして、どうぞ一つ当委員会における御答弁を、すみやかに私は実行に移していただきたい、こう思うのであります。そこで、そのような構想で本年度かり向われるのでありますが、実は北海心の開発につきまして、世上いろいろの問題をかもしておるわけでありますか、その第一は、例の産業計画会議の勧告であります。またその内容を参考にして、北大の中谷教授の四月号の文春でありますかに掲載されました中谷論文、これらによりまして、北海道の旭民はもちろんのこと、多くの国民が、北海道の開発とはそんなでたらめなもりであったか、政府はむだ金をつぎ込んだのか、というような見方が非常に少いのであります。この点に関しまして、石井大臣どのようにお考えでありますか、この際所見を承わっておきたいと思うわけであります。
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石井光次郎#5
○石井国務大臣 産業計画会議の勧告、またこれを土台にいたしました中谷論文というものも、われわれ参考にいたしまして、反省していくべきものもたくさんあると思うのでありますが、大きな筋におきまして、八百億の金を投じながら、それがゼロになったというようなこと等は、これは全然おかしなものと思うのでありまして、そんなものでないと思っております。投じたものをもっと有益な方面に使うべきであったとかいうような見方は、さまざまありましょうが、投じたものそのものは有益に使われて、そうして第二次五カ年計画の出発の基を作ってくれたものと思っておるのであります。第一次五カ年計画の上に第二次五カ年計画が乗って、北海道の開発というものが実際に行われるものでありまして、それらにつきまして国民の誤解を解くためには、同じような雑誌等に、その各問題点をつかまえまして、これに対してわれわれの方の見解をだれかの手によって発表しようというわけで、準備をいたさせております。
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小平忠#6
○小平(忠)委員 ちょっと明確を欠く嵐があったのでありますが、そうしますと、例の産業計画会議なり、中谷論文の内容については、それは中には傾聴に値する点もあるけれども、しかし全般的に見れば、あの考え方、主張というものは正しくない、また非常に誤まった見方があるのだ、このように解釈してよろしゅうございますか。
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石井光次郎#7
○石井国務大臣 その通りに思っております。間違っておる点も相当あるように思います。たとえて申し上げますと、統計の点等におきましても、少しく違っておるのじゃないかと思うようなものがあります。
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小平忠#8
○小平(忠)委員 具体的な内容につきましては、これは省略いたしますが、そのように謙虚に出られるなら、私もあえて追究はいたしません。問題は、やはり中谷論文の中にも非常にいいことを書いておるのです。同時に産業計画会議の中にも、私はヒントをつかんでおるところもあると思うのです。特に私は一つの例を申し上げますならば、第一次五カ年計画の当初に着工いたしました、北海道総合開発の最初の総合開発の多目的ダムとして、幾春別ダムは、洪水調整、灌漑、それから飲料水、それから電源、鉱工業用水等、五つの多目的のダムであります。このダムが、ようやく第一次五カ年計画の最終年度である三十一年度に完成をいたしまして、実は過ぐる三月の一日に湛水を始めました。ところが、このダムは、建設省所管で実は継続事業費として予算がつけられ、一応ダムの完成を見たわけであります。これに六十数億の金がかかっておる。ところが、ここに一つ御指摘申し上げたいのは、せっかく膨大な国家予算を投じて水をためた。三月の雪解け水をためますと、一応満水になります。その水を有効に使えるかどうかというところに問題がある。そのせっかく貯水をした水を、石狩川にただ放流をしなければならないという面があるのであります。というのは、ダムの建設と並行しまして、下流の灌漑用水、すなわち農業用水としての事業が並行して進んでない。ようやく三十二年度にその下流でありまする一万二千町歩の補水と、約五千町歩に及ぶ新規開田、食糧増産をしなければならない、そのためにこの水を使うということになったのですが、ようやく三・十二年度において約二億余の予算がつけられて、その水を使うための灌漑施設をやるという段階でありますから、実際に幾春別のダムの水を使って、それを灌漑水として実際に使うには、まだあと三年、四年、五年後のことになる。その間ブランクになる。これは電源には使えるけれども、肝心な農業用水としては使えないということは、総合開発の一環として、多目的ダムとしてやっておりますその事業の予算のつけ方が、ダムは建設省所管である、農業灌漑用水は農林省所管であるという形において、総合的に、並行的にいってないところに問題があるわけであります。これは総合開発として進める場合に、今後もこういうような轍を踏んではいけない。同時に、せっかく膨大な国家予算を投じてそのダム建設を終ったならば、その水を全面的に有効に使えるようにするためには、やはり下流の灌漑施設――現に産業計画会議なり、あるいは中谷論文によって、一つも食糧増産の実は上っていないじゃないかと指摘されたが、それは食糧増産なり人口収容の問題は、予算を投じたから、すぐ翌年から現われるものではありません。しかし一日も早く効果あらしめるためには、やはりおくれたけれども、下流の灌漑施設の予算を重点的につけて、総花的でなく、手をつけたやつは重点的に一日でも早く完成するという施策が必要であると考えるのであります。この点についていかがにお考えでございますか。
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石井光次郎#9
○石井国務大臣 小平君の仰せの通りだと思うております。そういう方向に進むように努力いたします。
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小平忠#10
○小平(忠)委員 そこで、この際お伺いをいたしたいのでありますが、実はただいまの問題は一つの例にしかすぎません。北海道の総合開発は非常に広範囲にわたりまして、特に未開発資源の開発という点においては、さらに根釧や天北の開発が進められておるわけであります。同時に、石狩流域におきましては、例の士別の開発、美唄地区の開発等が具体的に進められております。例の夕張川水系でも、夕張川ダムの建設に本年度から着工する。そこで堰堤の本工事に入るような段階にきております。こういうように、非常に重大な任務を帯びて北海道の開発が進められておる際に、御承知のように東北の開発の問題が、本年度からは関係三法の国会上程ともなり、現にその審議に入っておる。こういう段階で、とかく国家予算というものには限度があるし、さらにいろいろ見方がありまして、やはり東北の問題を進めるということになれば、北海道のがおろそかになるという、その見方はやはり生まれてくるわけです。私は俗にいう、そんなものは心配要らぬとか、おろそかにならぬというような問題ではなくて、必ず国家予算には限度がありますし、手を広げれば、どこかが手薄になる。ならぬといっても、それは一応限度がありますから。こういう観点に立って、私は実は川村さんが北海道開発庁長官になられた際に、川村さん自身実はお気の毒だった。というのは、やはり北海道の担当の長官の立場になりますと、それは与えられた任務でありますから、北海道の開発を思い切ってやるという態度に出て、予算編成の際も、やはり大蔵大臣にぶっつかって予算を打ちとるということを積極的にやる。そうすれば、やはり川村さんの場合には、岩手県から出ておられる議員として、北海道のことばかりやっておると、何だ、お前はさっぱり地元のことは考えないで一東北の問題をどうするのだということを言われる懸念が生まれてくる。だから、私はそういう点において、組閣の場合もそんな配慮がなかったのかと思う。一体北海道の長官というものは、きのう実は渡邊君からも指摘されたのだが、過去六年間に十三人の大臣がかわっておる。そういう便法的な形で北海道の開発ができるのか。第一次五カ年計画で、これは全く開発の端緒をつけたにすぎない。私は第二次五カ年計画に本腰を入れてやるためには、これは大へんなことである。そういう問題が山積いたしております際に、これは担当大臣として東北の問題と――これから東北の公庫の問題に入りますが、関連するきわめて重要な点であります。私は単なるおざなりの答弁でなくて、あなたの確固たる所信をまず承わりたい。
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石井光次郎#11
○石井国務大臣 北海道の開発、続いて東北の開発と次々に出てくれば、前の方がだんだん水うめされるように薄まっていって、力がなくなっていくんじゃないかという懸念は、一応当然起るべき問題ではないかと思います。しかし北海道開発ということが、非常に日本の国の経済の発展の上においても、また総合的にいろいろな面から見ました日本の全体のあり方、人口問題その他の問題までも含めまして、どんなに重要であるかということが、もうこれは党のいかんを問わず、一致した意見として取り上げられたのが北海道の開発問題でございます。これがわずかにまだ五カ年、そうしてこれから第二期計画に入りますると、初めてこれがだんだん値打を出してこよう、またさらにそれを土台として第三回目というようなことになりますれば、初めて北海道というものが非常に光った存在になるんじゃないかという熱意を持ってかかったこの北海道の開発でございます。これを、東北の開発が起ったから、北海道の方もその力を弱めて、東北の方に幾らかのものを分けるというようなこと等があれば、これは両方とも意味がなくなるのであります。東北の発展というものも、そういうふうなことで北海道の上前をちょうだいして、それに幾らか増したものでやっていくというようなことでは、私は東北はやっぱりやれないものだと思います。それで東北の開発というものを取り上げました以上は、北海道の開発はちゃんとやっていって、そうして東北はこれに続いて同じような心持でこれを取り扱っていって、予算の上等におきましては、北海道に累を及ぼさぬ、北海道の開発は開発としてちゃんとやるんだという決心のもとでなければ、これは取り上げられるものではないのでありまして、政府といたしましても、北海道に累を及ぼさず、東北の発展を期するという覚悟を持っておるわけでありますから、私自身といたしましても、北海道に累を及ぼすようなことはなく、できるだけこの方に一そうの力を入れていくという心持でおります。
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小平忠#12
○小平(忠)委員 これは少しお門違いになるかもわかりません、北海道開発庁長官という立場におかれての質問ですから。しかし、あなたは、やはり岸現総理と同格の形において総裁候補にも擬せられた、やはり政府にとっては大者の大臣でございましょうから、私はあえて若干、お門違いかとも思いますけれども、あえて質問申し上げた。というのは、ただいま大臣が北海道の開発に累を及ぼさないで、やはりこれは別個に東北の開発も促進しなければならぬと御答弁されました。しからば、その財源をどこに求められるのか。
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石井光次郎#13
○石井国務大臣 これは今度の予算をごらんになりますと、昨年度とどう違ったかという状態もわかりますように、国の財政は年々発展いたしていくのであります。その発展の過程におきまして、いろいろな事業計画をやっていくのは当然でありますが、東北の問題につきましても、必ずそういうふうな国の発展に伴いまして、予算の措置が当然できるものと私は信じております。
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小平忠#14
○小平(忠)委員 本年度の予算は、実は通過いたしました内容をごらんになればわかりますように、とりわけ画期的な問題というのはないわけです。というのは、まだ東北の開発につきましては、御承知のようにその基本法についての審議に入っている段階で、いよいよ来年度から本格予算を獲得していかなければならぬ。現に関係の議員の方も、一つわれわれもやはり相当の決意を持ってやらねばならぬと考えております。しかし今大臣がおっしゃったように、予算は年々新たな構想でやるのだ、こうおつしゃいましても、もうそんな若干のものでは、とうていおさまりがつかない相当な予算であります。何かのやはり確固たるめどがなければならぬ。ただ若干の寄せ集めで、東北の開発にお茶を濁そうでは済まされないと思う。ですから、やはり何かこれについては一応目標がある。そうでないと、どうしてもあなたが今おっしゃいました北海道開発に累を及ぼさないというわけに参らない。その点いかがでございますか。
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石井光次郎#15
○石井国務大臣 開発庁の例を見ましても、三十一年度と三十二年度と比べますと、約二百億前後の予算のところに、四十三億の増加を示しております。割合にいたしますと、二三%増しているのであります。こういうところから考えましても、東北の問題に非常に哀れっぽい予算でスタートするということなくしてやっていけると思っております。
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小平忠#16
○小平(忠)委員 これはまあ担当の大臣以外のことですから、どうも経企長官がおられれば非常に工合がいいんですけれども、お見えになりませんので、経済企画庁長官がお見えになった機会に、さらに私はお伺いいたすことにいたしまして、次の質問をいたしたいと思います。
 昨日も実は総理に若干お伺いいたしたのでありますが、北海道の総合開発の中で、今日問題になっておるのは、結局、道路と鉄道の関係をどう持っていくか。幸いに道路は、御承知のように画期的な躍進を遂げる目途もつき、三十二年度も大幅に増額されることになったわけです。ところが、一方国鉄に関しましては、御承知のように北海道の国鉄はほとんど赤字線です。あの中で黒字の線というのは、石炭の輸送に重点を置かれるところの幌内線と室蘭線の一部である。あとはもうほとんど赤字線だ。それは当然なんです。御承知のように、人口は稀薄でありますし、利用度も低い、そこへ持ってきて、やはり開発途上にありますから、そういう結果をもたらすのは当然なことであろうと思う。ところが、あの広大なる地域の開発を進めるためには、道路ではだめだ、どうしても鉄道でなければならぬという地域がありまして、新線計画が、古いのは三十年も前から現地の非常な要請となって現われているが、いまだに調査線にも入らない、中にはようやく調査線に入ったけれども、何年もたったが、まだ建設線に入らないという線があります。実はこの点につきましても、本日、建設線についての審議会の小委員会が持たれて、いよいよ具体的な方途に移されるという段階にきております。そういうことを毎年々々繰り返してきたのでありますが、根本的な問題として解決する点というのは、国鉄が独立採算制の上に立って新線計画をしていくという場合においては、広大なる北海道の地域に新線建設ということは、なかなか望まれない。私は、以前からこの点については、北海道の奥地の開発を推進するためには、まず全然人の住んでない地域に鉄道を敷いて、それが開発の端緒になりはしないか、そうならなければ、まず人間を入れても、子供の教育にも、二里も三里も歩かなければ学校に行けない、開拓者が入植したけれども、四里も五里も出なければ、日用品を買うことができないというような状態で、開発できるものじゃない、やはり北海道の基本的な開発は、まず奥地に鉄道を、あるいは道路を、これが前提ではないかということを申し上げてきておる。そういう場合に一国鉄の独立採算制の中にあってはなかなかできないから、北海道の鉄道の建設については、これを国鉄から切り離して、北海道総合開発の一環として、開発庁が、この新線計画についての担当――御承知のように北海道については、建設、農林、運輸等、一本になった現地の局になっておるわけで、この建設については、総合開発の一環として開発局が担当する。そして建設が終ったならば、その運営については、国鉄が全国的視野に立ってやっていくというような方法はいかがなものかということを、前から実は考えておりますが、そういう方法でもとらざる限り、なかなか北海道の新線建設ということは、これはもう百年河清を待つがごとしなんだ。この点は一ついかがでございましょう。
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石井光次郎#17
○石井国務大臣 北海道が非常に広く、かつ冬は雪の多い地帯がたくさんありまして、道路だけでは達し得ない交通の不便なところがあるわけであります。そういう意味等もあり、産業の開発という点から、順次、この鉄道を北海道には、もう少し網の目を広く、ずっとこまかくしていかねばならぬということは、前から、私ども鉄道に関係しております時分から、申しておったわけでありますが、現在の鉄道の状態、今建設中のもの、これは三十線ほど六、七年前に行ったときに始めて、それからかかったものでありまして、それはほかの地帯から見れば、割合に路線は取り上げられたのでありますけれども、そんなものでは、なかなか今お説のようにもの足りないのであります。しかし、これはどうしても鉄道を充実すること、道路網を拡大するということは、北海道開発に欠くべからざる問題でありますので、第二次五カ年計画には、これを入れて考えておるわけでございまして、新線建設の今の状態では、九線のうちすでにもう三線は完成しておる状態でございますが、ただ北海道の鉄道を、独立して建設をやるという問題は、前からよくいろいろこういうふうな話は出るのでございます。ただ建設だけでなく、経営も、要するに北海道の鉄道だけは全然別にして、北海道の会社にするなり、あるいは国が持つなり、道が持つなりというようなこと等についての意見を立てておる人はたくさんあるのでありますが、これは理論としては一応立ちますけれども、実際にこれを実施しようという問題になりますと、なかなか困難な問題がたくさんあって、実は何とかしなくちゃと言いながら、今日に及んでおるのが事実でございます。ただいまお話のような点も一つの問題であり、前に正力長官の時分にも、案が一応出ておるもの等があります。これらの問題は、なお取り上げて研究すべきものだと思っております。
 道路の充実は、当然大きく取り上げられた一つでございますが、これは御承知のように、北海道がああいう寒い地帯のために、りっぱな道路をこしらえるには、内地の費用より、うんとかかるような工事をしなくてはならないというようなこと等もありまして、なかなか遅々たる状態でございますけれども、鉄道と鉄道の間をできるだけ道路によって連絡をつけ、また鉄道が行き得ない所には、さらに多くのいい道路を広げていくということは、第一次五カ年計画のときからその方針であり、これは着々とその実績を上げておるようでございます。
 第二次計画におきましても、当然この道路、鉄道の問題には力を入れていくということだけは変りないわけでございますが――変りないというよりは、一そうそれに力を入れていきたいと思っております。ただ鉄道をわれわれの開発庁で取り上げて建設までやるという問題は、今すぐにその通りやろうというふうにお答えするまでの準備はまだございませんが、とくと考慮をいたすべき問題かと思います。
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小平忠#18
○小平(忠)委員 大臣のただいまの御答弁で理解ができる点があるわけであります。というのは、まさに国鉄の建設にしろ、あるいは運営にしろ、それは簡単なものであります。ただ私は、あの広大な未開発地域を持つ北海道の鉄道の今後の建設については、やはり相当腹をきめてかからないと、調査線になってから何事も考慮されぬというような結果になりますし、国鉄の独立採算制のやり方から見ると、なかなか手が伸びないということだけは、大臣、慎重に今後検討し、また進めてもらいたい、こう思うわけであります。
 そこで、その問題は別としまして、昨日も岸総理に所信を承わっておるわけでありますが、青函隧道の早期完成というものが、どうしても私はこの運輸事業の日本の一つの大きな課題だろうと思います。この点について、きのう岸総理も、調査の結果を拝見し、すみやかにこの実現に持っていくように努力したいということを答弁されましたが、北海道所管の大臣として、この青函隧道についての大臣のお考えは、どのような御構想を持っておられますか。
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石井光次郎#19
○石井国務大臣 これは前から運輸省が強く取り上げておる新線の一つでございますが、私が運輸省におります時分、不幸な事件、洞爺丸事件が起きたことがあります。そのときに、またさらにこの問題が大きく論議されまして、なるべく早くこの青函トンネルを実行に移せるような調査をすべしというようなことで、この調査には相当力を入れたわけでございます。大体の調査は、今小車君のお話のように、できておるように聞くのでございますが、それがどの程度の調査であるか、実行し得るという結論の出るところまでいっておるのかどうか、私その後よく承知いたしておりませんけれども、これは北海道と本土とを結ぶものとして、そして北海道開発ということと、本土との連絡の、何としても一番大事な問題でありまするから、これは予算も相当かかる問題でありましょうが、新規の計画として取り上げる場合に、国鉄はぜひこれを大きな問題として考えてくれということを、私は前から申しておったのでありまして、今もその考えは同じでございます。特に北海道の立場から考えますと、これを実行に移すということが一日も早くなるようにということは、みんなの声であるところであります。私も切にそう思っておりますから、これに努力をいたしたいと思います。
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小平忠#20
○小平(忠)委員 この問題は、近く国会におきましても、党派を越えて、一つ促進の決議案を上程しようという動きが、最近具体化されつつあるのでありまして、その基本調査の結果がどうなっておるかわからぬということでは、主管大臣として――これは主管でないかもしれぬが、北海道開発庁長官として、そういうものが国会において決議になるときに、それでは遺憾だと思うのです。すみやかに基本調査の現状を把握されまして、この促進方について、私は長官の善処を特にお願いいたします。
 次に公庫法の問題でありますが、北海道開発公庫というものが昨年発足しまして、また本年はこの公庫法の一部を改正して、北海道東北開発公庫というようなものにすることについて、一体大臣は賛成でありますか。それとも北海道は北海道でいった方がいい、東北は東北でいった方がいいというお考えでありますか。ほんとうのところを教えて下さい。
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石井光次郎#21
○石井国務大臣 提案いたしました通り、これは北海道東北開発公庫として進んでいき、それが発展することがいいことだと思います。
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小平忠#22
○小平(忠)委員 何でしたら速記をやめて……。実は石井大臣は、この北海道開発公庫というものと東北を一緒にするのは、それは筋が通らぬということの主張者だと漏れ承わっておるのでありますが、率直に申しまして、それでは北海道開発公庫を北海道東北開発公庫に一本にするのであれば、東北の今後の開発を推進していくことになりますと――これは審議会は、別に提案されております促進法によって東北開発審議会でやる。さらにその機構としましても、経済企画庁の中で担当する。あるいは現にここにおいでになる委員の方は、東北開発庁を絶対に設置しなければならぬという強い主張者である。そうなってくると、北海道、東北を一緒にして、審議会も北海道東北開発審議会一本にしていくという問題もだんだん生まれてきます。開発庁も、北海道東北開発庁というようなものが今度は考えられてきます。そういう関係はそれでは将来どうなさるか、全部一本にしていくお考えですか。
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石井光次郎#23
○石井国務大臣 北海道は北海道として伸び、東北は東北としてさらに経済の開発ができるようにという意味からいたしまして、今度のいろいろな法案が東北からも出ておるようでございますが、将来はどういうふうになるか、東北の開発庁というものができるかどうか、それはまだ私どもは考えておりませんけれども、そういうふうにしてどんどん、どこも開発々々といって開発庁へいってくれば、みんな道州制になってしまうことになるのでありまして、そこにはおのずから限度があるだろうと思う。そこらに論議の点もあるだろうと思います。しかし東北と北海道の産業の開発という点から見まして、この公庫の問題とからんで考えますと、いろいろな未開発の資源が豊富であるとか、産業の発展の度合いがほかの方面よりもおくれておるというようなこと、またこれがごく近いところでもあり、いろいろな立地条件が似ておるというようなことからいたしまして、ここには公庫を一つにして、そうして両方の経済発展のために資金面のことを考えてあげるということは、今日の場合においては、ちょうどこのくらいなところから出発した方がいいと私は思うております。別々にやって、それほどと申しますか、独立にやるというほどの、まだ金を貸す面、その他におきましても、独立するには余裕があるようでもないので、だんだんとこれが伸びていきまして、資金の面も豊富になり、貸し出しの面も従って豊富になりまして、どうしてもこれは別々にやった方が一つよりも便宜だ、かえって一つである方が妨害になるというようなときがきたならば、そのときはそのときで、また考えなくちゃならぬ問題もあるかと思うのでありますが、今日の場合におきましては、ちょうど今申しました、いろいろな状態が似ておりまするので、二つを一緒にしてやった方が、かえって二つに分けるよりもいいのではないかというのが、私どもの北海道、東北を一緒にする案に賛成しておるところであります。
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小平忠#24
○小平(忠)委員 私の質問に答えておられないように思います。私が伺っておるのは――提案しておるのであるから、この原案に賛成。もちろん提案者ですから当然です。そうであるならば、それでは今別に提案されておりまする審議会、あるいはその官庁、いわゆるその機構上の組織も一本になさるというお考えですかということを伺っておるのです。
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石井光次郎#25
○石井国務大臣 これは北海道開発法によって北海道の開発問題がきまっておるのでありますが、東北の問題につきまして、それじゃ東北を開発するから、そこのいろいろな仕事を盛んにやり、経済の発展を期するからというので、すぐそこに開発庁を設けるということは、少し結論が早過ぎるように思う。私はそういかぬでも、今のままの形で、地方庁を経済企画庁がいろいろ指導していく線でいいと思います。
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小平忠#26
○小平(忠)委員 それは段階がありましょう。ただ問題は、促進法では東北開発審議会は設置せられることになっております。そうしますると、これは実際に金融面、あるいは国の行いますところのいろいろの公共事業等と、もちろん性質は違いまして、重大なる関連を持つものであります。ですから、北海道開発金融の問題と東北の開発金融の問題を一本にした方がいいというのであれば、まずこの開発計画も総合的に一本にしたらいいという意見が必ず生まれる、その点はいかがなんですかと私伺っておるわけです。
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石井光次郎#27
○石井国務大臣 国といたしましては、両方にらみ合せていくものでありますが、一本にすることなく、北海道は北海道だけで開発の計画を立て、東北は東北で開発の計画を立てていく方が、その点におきましては、より親切な行政ができるということを私ども考えておるのであります。金融の面は、そこにでき上りました金融公庫の目的によって、貸し出し先をきめておりますように、こういうふうな仕事、こういうふうな仕事と、きまったものにどんどん貸し出して、そこで産業の発展を期すればいいのでありますから、行政の扱い方とは別でかまわないと考えております。
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小平忠#28
○小平(忠)委員 そうしますと、北海道開発公庫の昨年度の実績は、これは振りかえってみまして、計画通り進んだとお考えになりますか、予期以上の成果を上げたとお考えになりますか。開発公庫の昨年の実績について、大臣のお考えはいかがでありますか。
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石井光次郎#29
○石井国務大臣 昨年度はすべての資金が約八十億で、その半分余りしか貸し出しができておりません。その形だけ見ますると、いかにも仕事が進行しなかったように見えますが、御承知のように、北海道は冬場になりますと、いろいろな建設的な仕事などはできにくい点がありまして、この公庫の出発が昨年六月でありましたために、資金を借りる方は、約束しておいて、実際はこの春から仕事にかかりたいというものが多いのでございます。その八十億の範囲とにらみ合せるような仕事の分量は、話し合いだけはできておったのでありまして、私は決して成績は悪くなかったと思っております。
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