法務委員会

1962-12-20 参議院 全413発言

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会議録情報#0
昭和三十七年十二月二十日(木曜日)
   午前十一時二十五分開会
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  委員の異動
 十二月二十日
  辞任      補欠選任
   重宗 雄三君  丸茂 重貞君
   大谷 贇雄君  山木 利壽君
   鈴木 万平君  川野 三暁君
   手島  栄君  井川 伊平君
   田中 啓一君  鹿島 俊雄君
   吉武 恵市君  徳永 正利君
   山口 垂彦君  柳岡 秋夫君
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 出席者は左の通り。
   委員長     鳥畠徳次郎君
   理事
           後藤 義隆君
           松野 孝一君
           亀田 得治君
           和泉  覚君
   委員
           沢田 一精君
           杉浦 武雄君
           稲葉 誠一君
           柳岡 秋夫君
           山高しげり君
           岩間 正男君
  国務大臣
   法 務 大 臣 中垣 國男君
  政府委員
   警察庁警備局長 三輪 良雄君
   法務政務次官  野本 品吉君
   法務大臣官房司
   法法制調査部長 津田  実君
   法務省刑事局長 竹内 寿平君
  最高裁判所長官代理者
   最高裁判所事務
   総局総務局長  桑原 正憲君
   最高裁判所事務
   総局人事局長  守田  直君
  専門局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  説明員
   警察庁警備局外
   事課長     土田 国保君
   法務省民事局長 平賀 健太君
   法務省入国管理
   局長      小川清四郎君
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  本日の会議に付した案件
○検察官の俸給等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○裁判官の報酬等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○検察及び裁判の運営等に関する調
 査
 (外国人登録及び出入国管理に関す
 る件)
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鳥畠徳次郎#1
○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。この際、委員の異動について御報告を申し上げます。
 本日、重宗雄三君、大谷贇雄君が辞任され、その補欠として丸茂重貞君、山本利壽君がそれぞれ選任されました。
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鳥畠徳次郎#2
○委員長(鳥畠徳次郎君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
 両案につきましては、去る十二月十三日提案理由の説明を聴取いたしておりますので、質疑を行ないたいと存じます。質疑のおありの方は順次御発言を願いたいと思います。
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稲葉誠一#3
○稲葉誠一君 きょう出席をしておる方はどなたですか、ちょっと……。
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鳥畠徳次郎#4
○委員長(鳥畠徳次郎君) きょうは、法務大臣、法務政務次官、司法法制調査部長、それに、今もうすぐ見えられるのは、守田最高裁人事局長、それと宮崎人事局給与課長、これだけ御出席の予定であります。
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稲葉誠一#5
○稲葉誠一君 法務大臣にお尋ねするわけですが、実はこれは最初にちょっと変な質問で恐縮なんですが、報酬、それから俸給、給与、この三つの言葉があるわけですけれども、これはどういうふうに違うのでしょうか。
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中垣國男#6
○国務大臣(中垣國男君) 調査部長から答弁をさせます。
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津田実#7
○政府委員(津田実君) 御承知のように、憲法におきましては、裁判官につきまして報酬という用語を用いております。したがいまして、裁判官のそれに関する法律は、裁判官の報酬等に関する法律という言葉を用いられておるわけです。それから検察官につきましては、御承知のように俸給という言葉を用いております。それから一般職の報酬につきましては、給与に関する法律ということになっております。その全部の性質と申しますものは、いずれにいたしましても給与でございまして、裁判官の報酬等に関する法律第一条におきまして「裁判官の受ける報酬その他の給与については、この法律の定めるところによる。」という規定がございますが、したがいまして、報酬は給与の一種であるというふうに考えておるわけであります。俸給につきましても同様でございますので、ただ、憲法が報酬という言葉を用いておるから、それを受けて報酬という言葉を使っているというふうに考えます。
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鳥畠徳次郎#8
○委員長(鳥畠徳次郎君) 稲葉君にちょっと申し上げます。ただいま最高裁の桑原総務局長、守田人事局長が出席せられました。
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稲葉誠一#9
○稲葉誠一君 大臣にお尋ねするのですけれども、日本の憲法の中に裁判官優位の原則というのがあるわけでしょうか。その点どうでしょうか。
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中垣國男#10
○国務大臣(中垣國男君) 憲法上相応の処置をとらなければならないという規定があるわけですから、優位の原則があると思います。
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稲葉誠一#11
○稲葉誠一君 ちょっとはっきりしなかったのですが、憲法で相応な何ですか、ちょっとはっきりしなかったのですが、相当な報酬を受けるというのは七十九条と八十条でしょう。
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中垣國男#12
○国務大臣(中垣國男君) そうですね。
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稲葉誠一#13
○稲葉誠一君 ちょっと今大臣の言われたのと違いませんか。
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中垣國男#14
○国務大臣(中垣國男君) 裁判官に対しまして特に相当な報酬という言葉が使われておる以上は、やはり裁判官の報酬についてのこれは優位な待避をするというそういう措置のための条文であると、こういうふうに私は解釈をいたしております。
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稲葉誠一#15
○稲葉誠一君 そうすると、裁判官の優位の原則が日本の憲法に規定されておるというその根拠はどこにあったのでしょうか。それから裁判官優位の原則が当初できたときとその後の変化はどうなっておるのでしょうか。法務大臣にまずお尋ねをして、同じ問題について最高裁にお尋ねをしたいと思うのです。
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鳥畠徳次郎#16
○委員長(鳥畠徳次郎君) ただいま最高裁の宮崎給与課長がお出ましになりました。
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中垣國男#17
○国務大臣(中垣國男君) 裁判官の報酬というものに対して、これに相応する報酬を払わなければならぬということになっておるのでございますから、これは私は特別に裁判官の報酬に憲法で触れておるということそのこと自体がやはり非常に優位性と申しますか、そういうものを保障しておると思うのです。
 それから当初の考え方と何か変わったことがあるかというお尋ねでございます。これは別に変わってはいないと思います。
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稲葉誠一#18
○稲葉誠一君 最高裁の方の御答弁の前に法務大臣にちょっとお尋ねしておきたいのですけれども、裁判官優位の原則があるというのは、そうすると、何に対して裁判官優位の原則があるというふうにお考えなんでしょうか。それからまた、そういうような原則がある理由はどういうところにあるのでしょうか。これをお尋ねしておきたいと思います。
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中垣國男#19
○国務大臣(中垣國男君) 裁判官の報酬の優位性というのは、私はこれは一般の国家公務員を対象とした場合に言えることだろうと思います。
 それから、なぜそのような優位性を規定したかということでありますが、これは日本国の憲法が司法の独立を保障しておるのでありますし、規定しておるのでありますし、そういうことから当然のこととしてとられておるだろうと思います。
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稲葉誠一#20
○稲葉誠一君 大臣、この問題について率直に言いますとあまり御勉強なさっておらないようにお伺いするわけです。裁判官が一般の公務員に対してそれ以上大きな報酬を受けるというか、そういう地位を保障されるということが裁判官優位の原則の姿なんでしょうか。
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中垣國男#21
○国務大臣(中垣國男君) それは、裁判官の持っておる重要な職務に対する保障だろうと私は思います。
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稲葉誠一#22
○稲葉誠一君 それは一般の公務員に対する関係ももちろんありますけれども、むしろ検察官との対比において裁判官が報酬その他の面で優位でなければならないというのが近代憲法の原則なんじゃないでしょうか。そこのところはどうでしょうか。
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中垣國男#23
○国務大臣(中垣國男君) 私は、そういうことは必ずしもそうじゃないと思いますが……。
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稲葉誠一#24
○稲葉誠一君 それじゃ最高裁の方にお伺いしますけれども、裁判官優位の原則が憲法に規定されている理由、それが一体だれに対して優位でなければならないのか、それからまた、その原則がずっと今まで貫徹をされているかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
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守田直#25
○最高裁判所長官代理者(守田直君) 裁判官の優位の原則は、これは検察官を含む一般政府職員より優位にあるということを意味しているというふうに考えております。もちろん、職務と責任の問題は、非常に裁判官が一般の政府職員より重い責任と職務を課せられているということにうらはらしているわけでありますが、なお、地位の独立というような保障面をもこの「相当額の報酬」の中に入れられているというふうに考えているわけであります。しからば、それがどういう形で現われているかと申しますと、それがいわゆる報酬の問題になろうかと思います。報酬は、現在におきましても、最高裁判所長官は総理大臣と同等、その他の最高裁判所の判事は国務大臣と同等、高裁長官もそれぞれ検事よりは優位になっております。一般のその他の判事におきましても、検事の俸給表にない特号というのがございまして、わずかに優位を保っている。制度面においては、そういうふうにして現在も優位を保っているということが言えるわけでございます。
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稲葉誠一#26
○稲葉誠一君 ちょっとその問題で最高裁の人事局長さんは遠慮されて言われているんじゃないですか。最初の検察官との対比の中での開きは相当あったわけじゃないですか。それがだんだん検事のほうが上へ上がってきて、差額が詰まってきたんじゃないですか。現在裁判官優位の原則がその面において非常にくずれてきているということが実際問題として言えるんじゃないですか。ちょっと遠慮されているように聞くわけですがね。
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守田直#27
○最高裁判所長官代理者(守田直君) 裁判官の報酬は、御承知のように、昭和二十三年の第二国会において成立いたしました。検察官の俸給も、同時に同国会において成立したわけでございます。その際に、裁判官の職務と責任、検察官の職務と責任ということにつきまして非常に論議を重ねたわけでございます。そうして、成立しました結果は、一段ずつ裁判官が優位になっている、そういう形で裁判官の報酬と検事の俸給とができたわけでございます。その後ずっとその形というものは維持されて今日に至っております。もちろん、ある場合におきましては、検察官と裁判官の俸給を法案の形では同一にしようというような動きがなかったわけではございませんが、国会におきまして、やはり依然として一段階裁判官のほうが報酬面において高くなっているという原則は維持されて今日に至っているわけでございます。
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稲葉誠一#28
○稲葉誠一君 今第二国会の話が出たわけですけれども、最初に、最高裁長官が総理大臣と同じ、最高裁の判事が国務大臣と同じだったわけでしょう。東京高裁の長官と検事総長が同額だったのじゃないのですか、最初に。そうですね。当時、東京高裁の長官が二千四百九十円でしょう。そして、検事総長が二千四百九十円で、同額だったのじゃないですか、一番最初第二国会のとき。それがあとになって、すぐそのあとで検事総長が最高裁の判事、国務大臣と同額というふうな形に、幾分検事のほうが上に上がってきたのじゃないですか。そうでしょう。それは一つの例ですけれども、そういうふうな形を頂点として裁判官と検察官との較差というものがだんだん縮まってきている、こういうことになっているのじゃないですか。そこはどうですか。ちょっとお調べ願いたい。
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守田直#29
○最高裁判所長官代理者(守田直君) ただいま御指摘の点は、一番当初における裁判官の報酬等の応急措置法のことを仰せになっておるかと思いますが、私が先ほど申しましたのは、昭和二十三年七月一日に成立いたしました裁判官の報酬及び検察官の俸給に関する法律、これを申し上げておるわけでございます。その前の応急措置法は、これは私はただいま資料を持っておりませんけれども、応急的な立法でありまして、その後裁判官及び検察官の報酬・俸給につきまして第二国会で相当長い間論議を尽くしたわけでございまして、そして、結局、最高裁判所の判事と検事総長が同額、二万円。それから東京高裁長官の分は検察官にはない。そうして、その他の高裁長官の一万八千円というのは、これは東京高等検察庁の検事長。その他の検事長は一段下の一万七千円というように、やはり一段ずつ裁判官のほうが優位性が保たれて定められておるわけでございます。また、当時は、判事の号俸は一号から五号まででございまして、検事のほうは、この判事の一号に相当する分は、特別の人に限って支給するということで、判事のように一号が確実に俸給表の上に載って定められたというようなことはなかったわけでございます。そういう形で、やはり裁判官の報酬は検事の俸給よりは一段上に優位性を保って規定してあったということが言えると思います。それが、現在におきましては形が少し変わりまして、判事の一号と検事の一号と同じでございますが、判事につきましてはこの一号の上に現在特号というのがございまして、この特号に見合う検事の俸給はない。そういったような状況から、認証官以上の裁判官、検察官におきましては、第二国会以来ずっと同じでありますし、その他の判事につきましては、今申し上げましたように、第二国会におきましては、判事一号に相当するところは検事ではいわゆる特号というものがありまして、わずかな特殊の人に適用されておった俸給があったわけでございますが、今日におきましては、一号の上に特号というものが、判事にできまして、そうして検事のほうには現在ないという形になっておるわけでございます。ですから、まあ多少の入れかわりはございますが、原則としてはやはり優位性を保ちながら今日に至っておるということだけは言い得るかと思います。
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