本会議
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会
会議録情報#0
昭和三十八年六月五日(水曜日)
午前十一時四分開議
—————————————
議事日程 第二十三号
昭和三十八年六月五日
午前十一時開議
第一 日本電信電話公社経営委員
会委員の任命に関する件
第二 中央社会保険医療協議会委
員の任命に関する件
第三 緊急質問の件
第四 河川法案(趣旨説明)
第五 建築基準法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
第六 開拓者資金融通法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
第七 海運業の再建整備に関する
臨時措置法案(内閣提出、衆議
院送付)
第八 外航船舶建造融資利子補給
及び損失補償法及び日本開発銀
行に関する外航船舶建造融資利
子補給臨時措置法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第九 石炭鉱害賠償担保等臨時措
置法案(内閣提出、衆議院送付)
第一〇 臨時石炭鉱害復旧法の一
部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
第一一 地方財政法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第一二 大蔵省設置法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
第一三 日本原子力船開発事業団
法案(内閣提出、衆議院送付)
第一四 中小企業投資育成株式会
社法案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————
○本日の会議に付した案付
一、請暇の件
一、日程第一 日本電信電話公社経
営委員会委員の任命に関する件
一、日程第二 中央社会保険医療協
議会委員の任命に関する件
一、日程第三 緊急質問の件
一、日程第五 建築基準法の一部を
改正する法律案
一、日程第六 開拓者資金融通法の
一部を改正する法律案
一、日程第七 海運業の再建整備に
関する臨時措置法案
一、日程第八 外航船舶建造融資利
子補給及び損失補償法及び日本開
発銀行に関する外航船舶建造融資
利子補給臨時措置法の一部を改正
する法律案
一、日程第九 石炭鉱害賠償担保等
臨時措置法案
一、日程第十 臨時石炭鉱害復旧法
の一部を改正する法律案
一、日程第十一 地方財政法の一部
を改正する法律案
一、日程第十二 大蔵省設置法の一
部を改正する法律案
一、日程第十三 日本原子力船開発
事業団法案
一、日程第十四 中小企業投資育成
株式会社法案
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この発言だけを見る →午前十一時四分開議
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議事日程 第二十三号
昭和三十八年六月五日
午前十一時開議
第一 日本電信電話公社経営委員
会委員の任命に関する件
第二 中央社会保険医療協議会委
員の任命に関する件
第三 緊急質問の件
第四 河川法案(趣旨説明)
第五 建築基準法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
第六 開拓者資金融通法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
第七 海運業の再建整備に関する
臨時措置法案(内閣提出、衆議
院送付)
第八 外航船舶建造融資利子補給
及び損失補償法及び日本開発銀
行に関する外航船舶建造融資利
子補給臨時措置法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第九 石炭鉱害賠償担保等臨時措
置法案(内閣提出、衆議院送付)
第一〇 臨時石炭鉱害復旧法の一
部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
第一一 地方財政法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
第一二 大蔵省設置法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
第一三 日本原子力船開発事業団
法案(内閣提出、衆議院送付)
第一四 中小企業投資育成株式会
社法案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案付
一、請暇の件
一、日程第一 日本電信電話公社経
営委員会委員の任命に関する件
一、日程第二 中央社会保険医療協
議会委員の任命に関する件
一、日程第三 緊急質問の件
一、日程第五 建築基準法の一部を
改正する法律案
一、日程第六 開拓者資金融通法の
一部を改正する法律案
一、日程第七 海運業の再建整備に
関する臨時措置法案
一、日程第八 外航船舶建造融資利
子補給及び損失補償法及び日本開
発銀行に関する外航船舶建造融資
利子補給臨時措置法の一部を改正
する法律案
一、日程第九 石炭鉱害賠償担保等
臨時措置法案
一、日程第十 臨時石炭鉱害復旧法
の一部を改正する法律案
一、日程第十一 地方財政法の一部
を改正する法律案
一、日程第十二 大蔵省設置法の一
部を改正する法律案
一、日程第十三 日本原子力船開発
事業団法案
一、日程第十四 中小企業投資育成
株式会社法案
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重
重
重政庸徳#2
○副議長(重政庸徳君) これより本日の会議を開きます。
この際、お諮りいたします。青田源太郎君から海外旅行のため十五日間、谷村貞治君から病気のため十六日間、請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、お諮りいたします。青田源太郎君から海外旅行のため十五日間、谷村貞治君から病気のため十六日間、請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
重
重
重政庸徳#4
○副議長(重政庸徳君) 日程第一、日本電信電話公社経営委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
内閣から、日本電信電話公社法第十二条第一項の規定により、芦原義重君、高田元三郎君を日本電信電話公社経営委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、日本電信電話公社法第十二条第一項の規定により、芦原義重君、高田元三郎君を日本電信電話公社経営委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重政庸徳#6
○副議長(重政庸徳君) 日程第二、中央社会保険医療協議会委員の任命に関する件を議題といたします。
内閣から、社会保険審議会及び社会保険医療協議会法第十五条第五項の規定により、有澤廣巳君、磯部喜一君、寺尾琢磨君、三好重夫君を中央社会保険医療協議会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →内閣から、社会保険審議会及び社会保険医療協議会法第十五条第五項の規定により、有澤廣巳君、磯部喜一君、寺尾琢磨君、三好重夫君を中央社会保険医療協議会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重政庸徳#8
○副議長(重政庸徳君) 日程第三、緊急質問の件、
安田敏雄君から、日米加漁業交渉に関する緊急質問が提出されております。安田君の緊急質問を行なうことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →安田敏雄君から、日米加漁業交渉に関する緊急質問が提出されております。安田君の緊急質問を行なうことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
重
安
安田敏雄#10
○安田敏雄君 私は、日本社会党を代表して、来たる六月十一日をもって有効期間を満了する日米加漁業条約について、政府の所信をただすものであります。
この漁業条約は、一九五三年すなわち昭和二十八年六月十二日の効力発生以来、来たる六月十一日をもって、十年間に及ぶ有効期間を満了するものでありますが、広大な北太平洋のサケ、マス、オヒョウ等の漁場から一方的に日本漁業を締め出したばかりでなく、その影響は、李承晩によって李ラインを正当化するために利用せられたり、日ソ漁業交渉に際してわが国の立場を弱めるなど、わが国の漁業に、はかり知れない打撃と損失をもたらしたことは、いなめないところであり、世界にもまれな不平等条約であるといわなければなりません。
このような不合理な条約を当時の日本政府が受諾せざるを得なかったことは、被占領国として、日本漁業がマッカーサー・ラインの狭いワクの中に閉じ込められていたことと、漁業に関する吉田書簡の約束があったからであり、言うまでもなく、講和条約の前提条件としてダレス特使から要請されたもので、わが国が占領治下に置かれたとき調印されたという事情によるものであります。当時の状況としてはやむを得なかったと思いますが、自来、国際情勢の変遷の中で、この条約をめぐる諸条件の変化は、日本漁業にとって、この条約は種々の不合理をかもし出していることであります。まず、この条約の基礎となっております自発的抑止の原則が、資源保護の科学的原則であると、うたっていながら、その内容は、実は資源配分に関する政治的な方式であり、わが国の漁獲を禁止するために考えられたトリックにすぎないことが明らかとなって、一九五八年の国際海洋会議において厳正な批判を浴びた経過もあります。そこで、わが党におきましては、期間満了を前にいたしまして、昨年八月十一日付、河上委員長の名をもって、池田総理に対して申入書を提出した次第であります。
簡単にその当時の申し出の内容を紹介いたしますと、
(一) この条約第十一条の規定に基き、期間満了後、本条約を終了せしむべき旨の通告を政府は行なうこと。
(二) 平等互恵、資源保存、紛争防止等の原則にのっとった新しい条約を結ぶこと。
(三) 今後の国際漁業に対する、わが国の基本方針の策定を行なうこと。
以上の申入書は、国際漁業のあり方からいたしましても、わが国漁業の発展のためにも、まことに時機を得た正しいものと私は確信いたしておりますが、この申入書に対する総理の所信のほどをまずもってお伺いいたします。
次に、質問の第一点は、この条約を廃棄終了させ、新条約を締結することに方針を置くのか、それとも、きわめてつじつまは合わないことでありますが、消極的に改正をはかっていくのか、総理の基本的な方針をお示しが願いたいと思います。条約第十一条によれば、「この条約は、十年間の効力を存続し、その後は、一締約国が他の締約国に対してこの条約を終了させる意思を通告する日から、一年間効力を存続する。」と規定されておりまして、この条約を廃棄して新条約を作るか、それともそのまま存続させるかの、二つの道しかないことになっております。しかも終了させる意思を通告しなければ、さらに引き続き十カ年間効力を持つものと解されておりまして、いわゆる改正はできないことになっているのであります。そこで総理にお尋ねいたしますが、来たる六日から、すなわち明日からワシントンで開かれる日米加漁業条約締結会議で、正式にこの条約の廃棄を通告するように、日本代表に対して、総理、あなたが指示を与えたかどうかをお聞きいたします。聞くところによれば、政府は三国間に無条約状態が生れることは、何としても避けなければならないということと、あるいは先方のアメリカ、カナダの国民感情を刺激しないようにとの理由づけをして、廃棄通告をしないで、改正交渉を進めたいと言っているそうでありますが、もしそれが可能なりとすれば、一体どこに法的な根拠を求められているのか明らかにされたいのであります。
質問の第二は、この条約は日本漁業にとって片手落ちで不合理なものでありますから、わが党は廃棄終了することを主張しておりますが、農林大臣及び外務大臣の御所見を以下の問題についてお伺いいたします。
それは条約の不平等性であります。条約は前文において、各締約国は、自由且つ平等の立場に立って、資源の保存を促進する義務を負うべきことを建前とすることを規定しておりますが、その実質は、似て非なる資源保護の原則なるものをわが国に押しつけ、反面、米加両国に対しては、資源保存のワク内という制限を一応付してはいるが、実質的には資源を最大限に利用することを許していることであります。現実に日本漁業を西経百七十五度以東の広大な漁場から締め出している一方的な取りきめは、本来、平等対等たるべき国際条約のあり方にそむくものであり、どのような理由をつけようといたしましても、不平等条約以外の何ものでもないのであります。かかる実情に対する外相の見解をお聞かせ願いたいと思います。
次に、条約の最大の矛盾は、自発的抑止の原則なるものの上に組み立てられている、この条約の非科学性であります。自発的抑止の原則についてのアメリカの主張を、サケ・マスの場合にあてはめてみましょう。アメリカ産のサケ・マスに対する米加両国の漁獲量は、すでに最大限漁獲量、つまり満限に達しているから、それ以上漁獲すれば資源が枯渇するので、この条約の発効前二十五年間に漁獲を行なっていない日本は、自発的に漁獲を遠慮せよということになっております。このアメリカの一方的な主張は、絶対に承服しかねる幾つかの問題が生ずるのは、当然なことであります。
その第一は、資源論の面であやまちを犯していることであります。漁獲だけが魚族の数量変動を生ずる要因であるとの独断は、資源の変動に深い関係を持つ自然的な条件を無視していることであります。現実に冷水塊による魚族の大量斃死の場合を見ても明らかなことであります。
第二に、漁獲量のみが資源の変動をもたらす唯一の要因であるとの独断を認めるとすれば、当該魚族をどれだけ漁獲すれば、最大の持続的生産であり、資源の利用が満限に達するかいなかは、長期にわたる研究によって初めて結論されるものでありますが、これを一方的に満限に達していると称して、日本漁業を締め出す口実に使っていることは、まことに不合理もはなはだしいと言わなければなりません。また、たとえ自発的の抑止が資源保存に有効であるといたしましても、実質的に漁獲を行なっていなかった国、具体的には日本に対してのみ不当にそれを要求することの結果は、アメリカまたはカナダ両国に漁業の独占権を与えることになり、日本は公海から何らの補償なしに締め出されることになります。不公正であるばかりでなく、公海自由の原則にそむくことになります。この点、農相の所見をお示し願いたいと思います。
質問の第三点は、日本漁民といたしまして承服できないことは、従来実質的漁獲を行なっていないからということの理由で、日本漁業を締め出したことであります。かつてわが国は、この水域を価値なきものとして放棄したわけでは毛頭ないのであります。歴史に徴しましても、昭和十二年のころ、アラスカのブリストル湾に試験操業を行なった際、当時のアメリカから、「たとえ公海で漁獲いたしたにせよ、アラスカのサケは、アメリカ領土内で生まれ、資源保存政策によってアメリカ国民が育成したものであるから、日本が漁獲をすることは、国際信義に反する侵略行為である」と非難されました。当時は日華事変の勃発とも関連いたしまして、米国の対日感情を悪化させることをおそれて、やむなく当時の日本政府は、権利をそのままに、放棄することなく、試験操業のみ中止したものであります。いわば涙をのんで漁獲を中止せざるを得なかった経過があります。しかるに、この条約締結にあたり、これを逆に利用いたしまして、日本漁業を締め出す口実に使うとは、日本に対する二重の干渉であり、断じて納得できないところであります。
結論すれば、日米加漁業条約の基本的理論である自発的抑止の原則は、日本漁業を北太平洋水域から締め出すための不合理な政治的分配の方式にすぎないのでありますが、この点、外相の考え方をお伺いいたします。
だからこそ、この原則なるものは、一九五五年海洋生産物資源保存に関するローマ国際会議や一九五八年ジュネーブでの国際海洋会議で、米加代表が懸命の努力を払ってその科学性と正当性を認めさせようとしたにもかかわらず、逆に、国際的な厳正な批判の前に、アメリカの当時のヘリントン首席代表みずから、「抑止の原則は、本質的には科学的な原則ではないことに同意する」と言わざるを得なかった次第でございます。自発的抑止の原則は、条約締結の当時より、日本の漁業者によってもその不当性が叫ばれて参り、以上述べましたように、国際的にもその矛盾が確認された以上、今日新しい時点に立って漁業交渉を行なうにあたり、米加両国がどのように強い主張をしようとも、公海の自由、資源保存の立場に立って、平等対等の新条約を結ぶことは、日本の外交上重要課題であります。また不平等条約を解消する絶好の機会でもあります。総理は、米加両国の不当の要求を断固として拒否し、わが国の正しい主張を認めさせる努力を払う決意を持っているのかどうかを、お聞きしたいと思うのであります。
次に、質問の第四点は、新条約を締結する場合必要なことは、長期の発展計画を策定することについて、であります。今日わが国土における著しい臨海工業の発展に伴い、漁業は沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へというように、その操業が迫られているとき、国際漁業の解決は重大な課題となって参ります。したがって、少なくとも十カ年間ぐらいの長期にわたるわが国の漁業を、どのような方向で、どのくらいの規模で発展させようとしているかの基本的路線をつかんでおくことであると考えます。今回の漁業交渉に限らず、すべての国際条約を結ぶ場合でも、相手次第でよくもなり悪くもなるということでは、あまりにも自主性がないことを暴露するものであります。由来、政府の水産行政は計画性に欠け、場当たりな行政だとの批判もありますが、日本漁業の長期発展計画を策定し、それに基づいた水産行政を前進せしめる意思があるかどうか、農林大臣の考えをお聞かせ願いたいと思います。
質問の第五は、日米加漁業条約は、締約国を縛るだけで、第三国に対する何らの拘束力を持っていないことであります。この条約を締結した当時はそれでもよかったかもしれませんが、今日となってはきわめて不十分であります。たとえば、最近のソ連漁業の進出はめざましく、条約水域にトロール漁業がオヒョウを公然と漁獲しておりまして、日本だけが漁獲を抑止する意義が全くなくなってきたわけであります。条約は何らこれを規制をする方法を持っていないのであります。資源を各国が平等に保護し、平等に利用する立場からいたしまして、同一水域で全く何の拘束も受けずに自由に操業する国もあれば、完全に締め出されて漁獲ができない国が存在することは、国際正義に反するものであります。総理は、今回の交渉に際して、条約に参加していない第三国を規制するため、いかなる方法をとられるのかを明らかにされたいのであります。
また、サケ、マスについては、その習性の特異性に基づいて、沖合と沿岸を包括し、統一的な資源の管理と増殖を行なうようすべきであると思いますが、農相の御意見をお示し願いたいと思います。この点、代表団は心得ているのかどうかをあわせてお尋ねいたします。
最後に申し上げたいことは、外交交渉についてであります。特に対米外交交渉となりますと、政府は常にたいへんみえばって、りっぱそうなことを言いますし、あるいは美しい表現で誇張いたしますが、実際は常に弱腰であり、その結果は追随交渉に終わり、従属的仕組みに帰することになってしまいます。したがって、国民の中からも、戦敗国だからしようがないというあきらめの声も聞かれますが、まことに情けないことであります。しかし、これは、裏を返して見ますると、政府の自主性のない外交交渉をあざけっているやの一面の風刺でもあります。日米加漁業条約が不平等であることは、国民も政府も異論のないところでありましょう。この際、かつてない蛮勇をふるい起こすの決意を持って国民の期待に沿ってほしいことを総理に要望いたしまして、私の質問を終わる次第であります。拍手
〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →この漁業条約は、一九五三年すなわち昭和二十八年六月十二日の効力発生以来、来たる六月十一日をもって、十年間に及ぶ有効期間を満了するものでありますが、広大な北太平洋のサケ、マス、オヒョウ等の漁場から一方的に日本漁業を締め出したばかりでなく、その影響は、李承晩によって李ラインを正当化するために利用せられたり、日ソ漁業交渉に際してわが国の立場を弱めるなど、わが国の漁業に、はかり知れない打撃と損失をもたらしたことは、いなめないところであり、世界にもまれな不平等条約であるといわなければなりません。
このような不合理な条約を当時の日本政府が受諾せざるを得なかったことは、被占領国として、日本漁業がマッカーサー・ラインの狭いワクの中に閉じ込められていたことと、漁業に関する吉田書簡の約束があったからであり、言うまでもなく、講和条約の前提条件としてダレス特使から要請されたもので、わが国が占領治下に置かれたとき調印されたという事情によるものであります。当時の状況としてはやむを得なかったと思いますが、自来、国際情勢の変遷の中で、この条約をめぐる諸条件の変化は、日本漁業にとって、この条約は種々の不合理をかもし出していることであります。まず、この条約の基礎となっております自発的抑止の原則が、資源保護の科学的原則であると、うたっていながら、その内容は、実は資源配分に関する政治的な方式であり、わが国の漁獲を禁止するために考えられたトリックにすぎないことが明らかとなって、一九五八年の国際海洋会議において厳正な批判を浴びた経過もあります。そこで、わが党におきましては、期間満了を前にいたしまして、昨年八月十一日付、河上委員長の名をもって、池田総理に対して申入書を提出した次第であります。
簡単にその当時の申し出の内容を紹介いたしますと、
(一) この条約第十一条の規定に基き、期間満了後、本条約を終了せしむべき旨の通告を政府は行なうこと。
(二) 平等互恵、資源保存、紛争防止等の原則にのっとった新しい条約を結ぶこと。
(三) 今後の国際漁業に対する、わが国の基本方針の策定を行なうこと。
以上の申入書は、国際漁業のあり方からいたしましても、わが国漁業の発展のためにも、まことに時機を得た正しいものと私は確信いたしておりますが、この申入書に対する総理の所信のほどをまずもってお伺いいたします。
次に、質問の第一点は、この条約を廃棄終了させ、新条約を締結することに方針を置くのか、それとも、きわめてつじつまは合わないことでありますが、消極的に改正をはかっていくのか、総理の基本的な方針をお示しが願いたいと思います。条約第十一条によれば、「この条約は、十年間の効力を存続し、その後は、一締約国が他の締約国に対してこの条約を終了させる意思を通告する日から、一年間効力を存続する。」と規定されておりまして、この条約を廃棄して新条約を作るか、それともそのまま存続させるかの、二つの道しかないことになっております。しかも終了させる意思を通告しなければ、さらに引き続き十カ年間効力を持つものと解されておりまして、いわゆる改正はできないことになっているのであります。そこで総理にお尋ねいたしますが、来たる六日から、すなわち明日からワシントンで開かれる日米加漁業条約締結会議で、正式にこの条約の廃棄を通告するように、日本代表に対して、総理、あなたが指示を与えたかどうかをお聞きいたします。聞くところによれば、政府は三国間に無条約状態が生れることは、何としても避けなければならないということと、あるいは先方のアメリカ、カナダの国民感情を刺激しないようにとの理由づけをして、廃棄通告をしないで、改正交渉を進めたいと言っているそうでありますが、もしそれが可能なりとすれば、一体どこに法的な根拠を求められているのか明らかにされたいのであります。
質問の第二は、この条約は日本漁業にとって片手落ちで不合理なものでありますから、わが党は廃棄終了することを主張しておりますが、農林大臣及び外務大臣の御所見を以下の問題についてお伺いいたします。
それは条約の不平等性であります。条約は前文において、各締約国は、自由且つ平等の立場に立って、資源の保存を促進する義務を負うべきことを建前とすることを規定しておりますが、その実質は、似て非なる資源保護の原則なるものをわが国に押しつけ、反面、米加両国に対しては、資源保存のワク内という制限を一応付してはいるが、実質的には資源を最大限に利用することを許していることであります。現実に日本漁業を西経百七十五度以東の広大な漁場から締め出している一方的な取りきめは、本来、平等対等たるべき国際条約のあり方にそむくものであり、どのような理由をつけようといたしましても、不平等条約以外の何ものでもないのであります。かかる実情に対する外相の見解をお聞かせ願いたいと思います。
次に、条約の最大の矛盾は、自発的抑止の原則なるものの上に組み立てられている、この条約の非科学性であります。自発的抑止の原則についてのアメリカの主張を、サケ・マスの場合にあてはめてみましょう。アメリカ産のサケ・マスに対する米加両国の漁獲量は、すでに最大限漁獲量、つまり満限に達しているから、それ以上漁獲すれば資源が枯渇するので、この条約の発効前二十五年間に漁獲を行なっていない日本は、自発的に漁獲を遠慮せよということになっております。このアメリカの一方的な主張は、絶対に承服しかねる幾つかの問題が生ずるのは、当然なことであります。
その第一は、資源論の面であやまちを犯していることであります。漁獲だけが魚族の数量変動を生ずる要因であるとの独断は、資源の変動に深い関係を持つ自然的な条件を無視していることであります。現実に冷水塊による魚族の大量斃死の場合を見ても明らかなことであります。
第二に、漁獲量のみが資源の変動をもたらす唯一の要因であるとの独断を認めるとすれば、当該魚族をどれだけ漁獲すれば、最大の持続的生産であり、資源の利用が満限に達するかいなかは、長期にわたる研究によって初めて結論されるものでありますが、これを一方的に満限に達していると称して、日本漁業を締め出す口実に使っていることは、まことに不合理もはなはだしいと言わなければなりません。また、たとえ自発的の抑止が資源保存に有効であるといたしましても、実質的に漁獲を行なっていなかった国、具体的には日本に対してのみ不当にそれを要求することの結果は、アメリカまたはカナダ両国に漁業の独占権を与えることになり、日本は公海から何らの補償なしに締め出されることになります。不公正であるばかりでなく、公海自由の原則にそむくことになります。この点、農相の所見をお示し願いたいと思います。
質問の第三点は、日本漁民といたしまして承服できないことは、従来実質的漁獲を行なっていないからということの理由で、日本漁業を締め出したことであります。かつてわが国は、この水域を価値なきものとして放棄したわけでは毛頭ないのであります。歴史に徴しましても、昭和十二年のころ、アラスカのブリストル湾に試験操業を行なった際、当時のアメリカから、「たとえ公海で漁獲いたしたにせよ、アラスカのサケは、アメリカ領土内で生まれ、資源保存政策によってアメリカ国民が育成したものであるから、日本が漁獲をすることは、国際信義に反する侵略行為である」と非難されました。当時は日華事変の勃発とも関連いたしまして、米国の対日感情を悪化させることをおそれて、やむなく当時の日本政府は、権利をそのままに、放棄することなく、試験操業のみ中止したものであります。いわば涙をのんで漁獲を中止せざるを得なかった経過があります。しかるに、この条約締結にあたり、これを逆に利用いたしまして、日本漁業を締め出す口実に使うとは、日本に対する二重の干渉であり、断じて納得できないところであります。
結論すれば、日米加漁業条約の基本的理論である自発的抑止の原則は、日本漁業を北太平洋水域から締め出すための不合理な政治的分配の方式にすぎないのでありますが、この点、外相の考え方をお伺いいたします。
だからこそ、この原則なるものは、一九五五年海洋生産物資源保存に関するローマ国際会議や一九五八年ジュネーブでの国際海洋会議で、米加代表が懸命の努力を払ってその科学性と正当性を認めさせようとしたにもかかわらず、逆に、国際的な厳正な批判の前に、アメリカの当時のヘリントン首席代表みずから、「抑止の原則は、本質的には科学的な原則ではないことに同意する」と言わざるを得なかった次第でございます。自発的抑止の原則は、条約締結の当時より、日本の漁業者によってもその不当性が叫ばれて参り、以上述べましたように、国際的にもその矛盾が確認された以上、今日新しい時点に立って漁業交渉を行なうにあたり、米加両国がどのように強い主張をしようとも、公海の自由、資源保存の立場に立って、平等対等の新条約を結ぶことは、日本の外交上重要課題であります。また不平等条約を解消する絶好の機会でもあります。総理は、米加両国の不当の要求を断固として拒否し、わが国の正しい主張を認めさせる努力を払う決意を持っているのかどうかを、お聞きしたいと思うのであります。
次に、質問の第四点は、新条約を締結する場合必要なことは、長期の発展計画を策定することについて、であります。今日わが国土における著しい臨海工業の発展に伴い、漁業は沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へというように、その操業が迫られているとき、国際漁業の解決は重大な課題となって参ります。したがって、少なくとも十カ年間ぐらいの長期にわたるわが国の漁業を、どのような方向で、どのくらいの規模で発展させようとしているかの基本的路線をつかんでおくことであると考えます。今回の漁業交渉に限らず、すべての国際条約を結ぶ場合でも、相手次第でよくもなり悪くもなるということでは、あまりにも自主性がないことを暴露するものであります。由来、政府の水産行政は計画性に欠け、場当たりな行政だとの批判もありますが、日本漁業の長期発展計画を策定し、それに基づいた水産行政を前進せしめる意思があるかどうか、農林大臣の考えをお聞かせ願いたいと思います。
質問の第五は、日米加漁業条約は、締約国を縛るだけで、第三国に対する何らの拘束力を持っていないことであります。この条約を締結した当時はそれでもよかったかもしれませんが、今日となってはきわめて不十分であります。たとえば、最近のソ連漁業の進出はめざましく、条約水域にトロール漁業がオヒョウを公然と漁獲しておりまして、日本だけが漁獲を抑止する意義が全くなくなってきたわけであります。条約は何らこれを規制をする方法を持っていないのであります。資源を各国が平等に保護し、平等に利用する立場からいたしまして、同一水域で全く何の拘束も受けずに自由に操業する国もあれば、完全に締め出されて漁獲ができない国が存在することは、国際正義に反するものであります。総理は、今回の交渉に際して、条約に参加していない第三国を規制するため、いかなる方法をとられるのかを明らかにされたいのであります。
また、サケ、マスについては、その習性の特異性に基づいて、沖合と沿岸を包括し、統一的な資源の管理と増殖を行なうようすべきであると思いますが、農相の御意見をお示し願いたいと思います。この点、代表団は心得ているのかどうかをあわせてお尋ねいたします。
最後に申し上げたいことは、外交交渉についてであります。特に対米外交交渉となりますと、政府は常にたいへんみえばって、りっぱそうなことを言いますし、あるいは美しい表現で誇張いたしますが、実際は常に弱腰であり、その結果は追随交渉に終わり、従属的仕組みに帰することになってしまいます。したがって、国民の中からも、戦敗国だからしようがないというあきらめの声も聞かれますが、まことに情けないことであります。しかし、これは、裏を返して見ますると、政府の自主性のない外交交渉をあざけっているやの一面の風刺でもあります。日米加漁業条約が不平等であることは、国民も政府も異論のないところでありましょう。この際、かつてない蛮勇をふるい起こすの決意を持って国民の期待に沿ってほしいことを総理に要望いたしまして、私の質問を終わる次第であります。拍手
〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
池
池田勇人#11
○国務大臣(池田勇人君) 漁業問題は、最近、国際間における重要な問題としてクローズ・アップしてきたのでございます。ことに、世界における第一の漁獲量を確保しておる日本といたしましては、しかもまた、世界各地におきまして漁撈に従事しておりますわが国民といたしましては、この問題につきましては非常な関心を持っておるのであります。したがいまして、私はこの機会に、日米加漁業条約の改定のみならず、国際漁業問題に対するわが政府の基本方針を申し上げてお答えといたしたいと思います。
すなわち、われわれは、海洋自由の原則と魚族保護ということを前提といたしまして、科学的基礎に基づいて、平等の立場で漁業の合理的発展をはかるよう、各国と交渉する考えでございます。したがいまして、私は、日米加漁業条約におきまするいわゆる抑止方式の原則は、このたび改めまして、ほんとうに、ただいま申し上げましたような基本方針のもとに、日米加三国で協議を重ね、そうして妥結点に持っていきたいと考えておるのであります。
しこうして、この条約を破棄するかどうかということは、交渉の結果によるいわゆるテクニックの問題でございますので、私は今交渉の結果についてどうこういうことを言明することは差し控えたいと思います。
なお、今後の漁業問題あるいは第三国の問題につきましては、先ほど申し上げました国際漁業に対する基本方針で御了解願いたいと思います。拍手
〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →すなわち、われわれは、海洋自由の原則と魚族保護ということを前提といたしまして、科学的基礎に基づいて、平等の立場で漁業の合理的発展をはかるよう、各国と交渉する考えでございます。したがいまして、私は、日米加漁業条約におきまするいわゆる抑止方式の原則は、このたび改めまして、ほんとうに、ただいま申し上げましたような基本方針のもとに、日米加三国で協議を重ね、そうして妥結点に持っていきたいと考えておるのであります。
しこうして、この条約を破棄するかどうかということは、交渉の結果によるいわゆるテクニックの問題でございますので、私は今交渉の結果についてどうこういうことを言明することは差し控えたいと思います。
なお、今後の漁業問題あるいは第三国の問題につきましては、先ほど申し上げました国際漁業に対する基本方針で御了解願いたいと思います。拍手
〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
大
大平正芳#12
○国務大臣(大平正芳君) 自発的抑止の原則を骨子といたしまする現行条約が、安田さんが御指摘になるように、不平等なものでないかという御批判があることは承知いたしております。御指摘のとおり、この自発的抑止の原則は、原則上も問題であるばかりでなく、その十カ年にわたる運用の経緯を見ましても、いろいろ不合理なところがありますことは、御案内のとおりでございます。また、一九五八年の海洋会議のことも、御指摘がありましたとおりでございまして、私どもといたしましては、そういう事実を踏まえた上で、今回の交渉にあたって、ただいま総理が言明されたような方針によってその改定を求めるべく、最善の努力を尽くして参りたいと決意いたしておる次第でございます。拍手
〔国務大臣重政誠之君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →〔国務大臣重政誠之君登壇、拍手〕
重
重政誠之#13
○国務大臣(重政誠之君) 日米加漁業条約の抑止方式につきましては、原則上も運用上も、御指摘のとおりに問題があるのであります。先ほど総理から御答弁がありましたとおりに、海洋自由の原則にのっとりまして、資源の保護とその資源の関係各国の平等の利用という立場に立ちまして、交渉をいたしたいと考えておるのであります。
ただいま直ちにこの条約破棄の通告をするかどうかということは、交渉中のことでもありますし、交渉の段階においてこれは十分考えていきたい。今これを申し上げる時期ではないと考えるのであります。
さらに、水産の行政についての長期発展計画を立てるべきではないかという御質問でありまするが、ただいま問題になっておりますのは公海の漁場でありまして、御承知のとおりに、ここ数年わが国の公海における漁業というものは、七つの海においてことごとく操業いたしておるというような事情でございます。したがって、国際間の条約の問題等が起こってくるのでございまして、これは計画というよりか、もうできるだけ漁獲を進めていきたい、こういう考えを持っておるのであります。あるいは漁業の方法の改善でありますとか、あるいは関係各国との条約を締結いたしまして、友好裏に日本漁業が発展をいたし、その成果をおさめるように進めて参っておる次第であります。
それから第三の御質問は、あるいは私が御質問の趣旨を取り違えておるかもわかりませんが、沖合い漁業と沿岸の漁業と総合的に考えるべきではないかという御質問でありますが、今回の日米加の、主としてサケ、マスでありますが、この問題につきましても、これは公海の問題でございます。沿岸はそれぞれカナダ、アメリカの考えるべきことであるわけでありますが、資源の保護の問題につきましては、アメリカ、カナダにおきましても、それぞれその河川に孵化場を設けまして、大いに魚族の繁殖のために努力はいたしておるのでありますが、その沿岸漁業にわれわれが文句を言い、かれこれ言うことは、もちろんできないことであります。公海漁業につきましては、ただいま問題になっておりますように、これは平等利用の原則と資源保護の原則に立脚いたしまして、三国が十分に交渉をいたして参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。拍手
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この発言だけを見る →ただいま直ちにこの条約破棄の通告をするかどうかということは、交渉中のことでもありますし、交渉の段階においてこれは十分考えていきたい。今これを申し上げる時期ではないと考えるのであります。
さらに、水産の行政についての長期発展計画を立てるべきではないかという御質問でありまするが、ただいま問題になっておりますのは公海の漁場でありまして、御承知のとおりに、ここ数年わが国の公海における漁業というものは、七つの海においてことごとく操業いたしておるというような事情でございます。したがって、国際間の条約の問題等が起こってくるのでございまして、これは計画というよりか、もうできるだけ漁獲を進めていきたい、こういう考えを持っておるのであります。あるいは漁業の方法の改善でありますとか、あるいは関係各国との条約を締結いたしまして、友好裏に日本漁業が発展をいたし、その成果をおさめるように進めて参っておる次第であります。
それから第三の御質問は、あるいは私が御質問の趣旨を取り違えておるかもわかりませんが、沖合い漁業と沿岸の漁業と総合的に考えるべきではないかという御質問でありますが、今回の日米加の、主としてサケ、マスでありますが、この問題につきましても、これは公海の問題でございます。沿岸はそれぞれカナダ、アメリカの考えるべきことであるわけでありますが、資源の保護の問題につきましては、アメリカ、カナダにおきましても、それぞれその河川に孵化場を設けまして、大いに魚族の繁殖のために努力はいたしておるのでありますが、その沿岸漁業にわれわれが文句を言い、かれこれ言うことは、もちろんできないことであります。公海漁業につきましては、ただいま問題になっておりますように、これは平等利用の原則と資源保護の原則に立脚いたしまして、三国が十分に交渉をいたして参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。拍手
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重
重
重
重政庸徳#16
○副議長(重政庸徳君) 日程第五、建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。建設委員長木村禧八郎君。
〔木村禧八郎君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、委員長の報告を求めます。建設委員長木村禧八郎君。
〔木村禧八郎君登壇、拍手〕
木
木村禧八郎#17
○木村禧八郎君 ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、最近における都市の発展並びに建築技術の進歩に伴い、適正な建築物の規模を確保するため、現行法の高さの制限にかえ、容積地区の制度を設けて、土地の合理的かつ効率的な利用をはかり、もって健全な都市を育成しようとするのが目的であるとしております。
すなわち、現行建築物の高さの制限は、住居地域内では二十メートル、住居地域外におきましては三十一メートルでありますが、この制度を廃し、新たに、土地の性格に応じて、都市計画施設といたしまして、一種から十種までの容積地区を設け、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を規制することによって、都市施設と建築物との均衡をはかろうとするものであります。
また、道路の幅員と高さとの関係についても、高さの制限を緩和するとともに、隣地における採光を確保するため、建築物の一定の高さをこえる部分につきまして所要の制限を行なうことといたしております。
本委員会における質疑のおもなる点は、地区指定の方法と現行用途地域制の制限との関係、建築物の容積算定の方法、街路、広場、公園等の適用緩和措置と都市計画との関連、また建築物の高層化による防災施設並びに経済性、その他、電波障害との関係などについてでございます。なお、本案の重要性にかんがみ、参考人より意見を聴取するなど、慎重な審議が重ねられたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて質疑を終了、討論に入り、日本社会党を代表して田中委員から、「本案は一歩前進ではあるが、技術的に検討を要すべき点もあり、超高層建築物について経済的な点から問題がある。よって、政令等においてこの点十分留意し、遺憾なきを期せられたい。」等の発言がございました。また、民主社会党を代表いたしまして田上委員からも賛成の発言がありました。かくて討論を終わり、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告を申し上げます。拍手
この発言だけを見る →本案は、最近における都市の発展並びに建築技術の進歩に伴い、適正な建築物の規模を確保するため、現行法の高さの制限にかえ、容積地区の制度を設けて、土地の合理的かつ効率的な利用をはかり、もって健全な都市を育成しようとするのが目的であるとしております。
すなわち、現行建築物の高さの制限は、住居地域内では二十メートル、住居地域外におきましては三十一メートルでありますが、この制度を廃し、新たに、土地の性格に応じて、都市計画施設といたしまして、一種から十種までの容積地区を設け、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を規制することによって、都市施設と建築物との均衡をはかろうとするものであります。
また、道路の幅員と高さとの関係についても、高さの制限を緩和するとともに、隣地における採光を確保するため、建築物の一定の高さをこえる部分につきまして所要の制限を行なうことといたしております。
本委員会における質疑のおもなる点は、地区指定の方法と現行用途地域制の制限との関係、建築物の容積算定の方法、街路、広場、公園等の適用緩和措置と都市計画との関連、また建築物の高層化による防災施設並びに経済性、その他、電波障害との関係などについてでございます。なお、本案の重要性にかんがみ、参考人より意見を聴取するなど、慎重な審議が重ねられたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて質疑を終了、討論に入り、日本社会党を代表して田中委員から、「本案は一歩前進ではあるが、技術的に検討を要すべき点もあり、超高層建築物について経済的な点から問題がある。よって、政令等においてこの点十分留意し、遺憾なきを期せられたい。」等の発言がございました。また、民主社会党を代表いたしまして田上委員からも賛成の発言がありました。かくて討論を終わり、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告を申し上げます。拍手
重
重
重
重政庸徳#20
○副議長(重政庸徳君) 日程第六、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長櫻井志郎君。
〔櫻井志郎君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長櫻井志郎君。
〔櫻井志郎君登壇、拍手〕
櫻
櫻井志郎#21
○櫻井志郎君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
この法律案は、既入植者の営農の振興に資するため提案され、政府の原案では、国からこれらの入植者に貸し付ける営農資金について、その利率を年五分に引き下げ、償還期間を据置期間六年以内を含めて二十一年以内に改めようとするものであります。
委員会におきましては、開拓政策の成果と開拓営農の現況、開拓営農振興審議会の答申と政府の方針、この法律案の意義と効果、農業構造改善事業と開拓事業との関連、開拓金融及びこれが金利等の条件、開拓者の旧債とその整理、不振開拓者の離農、開墾建設工事の状況等が問題になりました。
質疑を終わり、討論に入り、日本社会党を代表して渡辺委員は、一昨年十一月審議会の答申にもかかわらず政府の開拓政策は不備であると批判し、今回の措置も微温的であるとして、利率を年三分六厘三毛とする修正案を提出され、自由民主党を代表して仲原委員から、開拓営農の現況にかんがみ利率を年四分に引き下げる修正案を提出され、公明会の北條委員は、法案のすみやかなる成立のため、仲原委員提出の修正を加えることに賛成され、第二院クラブの森委員は、将来の改善を期待して仲原委員提出の修正案に賛成され、民主社会党の高山委員は、開拓政策の改善のため渡辺委員提出の修正案に賛成されました。
次いで、国会法第五十七条の三により、内閣の意見がただされ、大谷農林政務次官から、原案どおり成立を希望するが、利率を年四分に引き下げる修正案が成立した場合には、院議を尊重する所存である等の趣旨が述べられ、仲原委員提出の修正案及び内閣の意見をめぐって質疑応答が行なわれ、続いて順次採決の結果、渡辺委員提出の修正案は多数をもって否決され、仲原委員提出の修正案及び修正部分を除く原案は多数をもって可決されました。よって本案は、年利を四分とするよう修正議決すべきものと決定した次第であります。
次いで、仲原委員が代表し、自由民主党、公明会及び第二院クラブの共同をもって、開拓政策の刷新、特に、当面、旧債の整理、開拓金融の円滑と金利の引き下げ、開墾建設工事の促進、第三類農家の離農の円滑と生計の確保措置及び農林金融の制度と機構の整備について、政府の善処を求める趣旨の附帯決議案が提案され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定され、これに対し、政府側から、検討して努力したい旨の発言がありました。
右御報告申し上げます。拍手
この発言だけを見る →この法律案は、既入植者の営農の振興に資するため提案され、政府の原案では、国からこれらの入植者に貸し付ける営農資金について、その利率を年五分に引き下げ、償還期間を据置期間六年以内を含めて二十一年以内に改めようとするものであります。
委員会におきましては、開拓政策の成果と開拓営農の現況、開拓営農振興審議会の答申と政府の方針、この法律案の意義と効果、農業構造改善事業と開拓事業との関連、開拓金融及びこれが金利等の条件、開拓者の旧債とその整理、不振開拓者の離農、開墾建設工事の状況等が問題になりました。
質疑を終わり、討論に入り、日本社会党を代表して渡辺委員は、一昨年十一月審議会の答申にもかかわらず政府の開拓政策は不備であると批判し、今回の措置も微温的であるとして、利率を年三分六厘三毛とする修正案を提出され、自由民主党を代表して仲原委員から、開拓営農の現況にかんがみ利率を年四分に引き下げる修正案を提出され、公明会の北條委員は、法案のすみやかなる成立のため、仲原委員提出の修正を加えることに賛成され、第二院クラブの森委員は、将来の改善を期待して仲原委員提出の修正案に賛成され、民主社会党の高山委員は、開拓政策の改善のため渡辺委員提出の修正案に賛成されました。
次いで、国会法第五十七条の三により、内閣の意見がただされ、大谷農林政務次官から、原案どおり成立を希望するが、利率を年四分に引き下げる修正案が成立した場合には、院議を尊重する所存である等の趣旨が述べられ、仲原委員提出の修正案及び内閣の意見をめぐって質疑応答が行なわれ、続いて順次採決の結果、渡辺委員提出の修正案は多数をもって否決され、仲原委員提出の修正案及び修正部分を除く原案は多数をもって可決されました。よって本案は、年利を四分とするよう修正議決すべきものと決定した次第であります。
次いで、仲原委員が代表し、自由民主党、公明会及び第二院クラブの共同をもって、開拓政策の刷新、特に、当面、旧債の整理、開拓金融の円滑と金利の引き下げ、開墾建設工事の促進、第三類農家の離農の円滑と生計の確保措置及び農林金融の制度と機構の整備について、政府の善処を求める趣旨の附帯決議案が提案され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定され、これに対し、政府側から、検討して努力したい旨の発言がありました。
右御報告申し上げます。拍手
重
重政庸徳#22
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
重
重
重政庸徳#24
○副議長(重政庸徳君) 日程第七、海運業の再建整備に関する臨時措置法案、
日程第八、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案、
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →日程第八、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案、
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
重
金
金丸冨夫#26
○金丸冨夫君 ただいま議題となりました海運関係二法案について、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
両法案につきましては、去る二月二十七日の本会議におきまして、政府より趣旨説明があり、また、これに対して、日本社会党、第二院クラブ及び民主社会党をそれぞれ代表して、関係議員より、総理大臣並びに関係大臣に対し質疑が行なわれましたので、この際は、簡潔にその内容を申し上げることにいたします。
まず、海運業の再建整備に関する臨時措置法案は、海運企業の内容が極度に悪化し、また、企業間に過当競争の傾向が見られる海運業の現状にかんがみ、将来にわたり、国民経済におけるその使命を遂行し得るよう、海運業の再建整備をはかろうとするものでありまして、
第一に、一定の企業集約を行なうこと、すなわち、合併を条件とし、自社所有船腹五十万重量トン、扱い量を含めて運航船腹百万重量トンを最低基準とする中核企業体となるか、または中核企業体の系列会社あるいは専属会社となること、
第二に、五カ年以内に償却不足を解消することが確実と認められること、
第三に、市中金融機関からも利子の支払い猶予について協力が得られること、
以上の条件を具備するものに対し、開銀の造船融資残高に対する利子の支払いを五カ年間猶予することを骨子とするものであります。
—————————————
次に、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案は、海運業の国際競争力の強化をはかるため、造船融資にかかる利子補給期間を、市中金融機関に対しては七年に、また開銀に対しては十年に、それぞれ延長するとともに、開銀融資に対する船主の金利負担を年四分とするよう利子補給率を引き上げ、また、政府が開銀と利子補給契約を結ぶことができる期間を四年間延長して、昭和四十三年三月三十一日までとしようとするものであります。
委員会の審議におきましては、四月二十五日に政府より提案理由の説明を聴取した後、二法案を一括し、八回にわたって質疑を行ない、特に五月二十一日には、学識経験者、金融業者及び海運企業の労使代表のほか、港湾荷役関係者の意見をも聴取する等、これら二法案の重要性にかんがみ、慎重な審議を重ねました。
その詳細は会議録により御承知願いたいと存じますが、質疑のおもな点を申し上げますと、海運業助成の国民経済的効果、企業集約の目標と二法案の運用方針、企業集約に伴う従業員特に陸上職員の雇用対策、老朽船及び不経済船の処理対策並びにオーナー対策、所得倍増計画における船腹保有目標と今後における計画造船の実施方針、内航海運対策、建造船舶大型化の趨勢に伴う中小造船所対策などのほか、海運業の基盤強化に関連して、港湾整備の促進、港湾運送業の育成と労務者対策など、審議はきわめて広範多岐にわたって行なわれたのであります。
かくて質疑を終え、二法案を一括して討論に入りましたところ、岡委員は日本社会党を代表して反対意見を表明し、また、天埜委員は自由民主党を、浅井委員は公明会を、中村委員は民主社会党を、加賀山委員は第二院クラブを、それぞれ代表して、賛成意見を表明されました。
かくて討論を終え、採決の結果、二法案は、それぞれ多数をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、二法案採決後、綾部運輸大臣より、討論中の各委員の要望意見に対し、(一) 法律の実施にあたっては、実情に即し弾力的運用に努める、(二) 従業員の地位が不当に害されることのないよう努力する、(三) 不経済船、内航船についても適切な措置を考究する旨の所信が披瀝されました。
以上御報告申し上げます。拍手
この発言だけを見る →両法案につきましては、去る二月二十七日の本会議におきまして、政府より趣旨説明があり、また、これに対して、日本社会党、第二院クラブ及び民主社会党をそれぞれ代表して、関係議員より、総理大臣並びに関係大臣に対し質疑が行なわれましたので、この際は、簡潔にその内容を申し上げることにいたします。
まず、海運業の再建整備に関する臨時措置法案は、海運企業の内容が極度に悪化し、また、企業間に過当競争の傾向が見られる海運業の現状にかんがみ、将来にわたり、国民経済におけるその使命を遂行し得るよう、海運業の再建整備をはかろうとするものでありまして、
第一に、一定の企業集約を行なうこと、すなわち、合併を条件とし、自社所有船腹五十万重量トン、扱い量を含めて運航船腹百万重量トンを最低基準とする中核企業体となるか、または中核企業体の系列会社あるいは専属会社となること、
第二に、五カ年以内に償却不足を解消することが確実と認められること、
第三に、市中金融機関からも利子の支払い猶予について協力が得られること、
以上の条件を具備するものに対し、開銀の造船融資残高に対する利子の支払いを五カ年間猶予することを骨子とするものであります。
—————————————
次に、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案は、海運業の国際競争力の強化をはかるため、造船融資にかかる利子補給期間を、市中金融機関に対しては七年に、また開銀に対しては十年に、それぞれ延長するとともに、開銀融資に対する船主の金利負担を年四分とするよう利子補給率を引き上げ、また、政府が開銀と利子補給契約を結ぶことができる期間を四年間延長して、昭和四十三年三月三十一日までとしようとするものであります。
委員会の審議におきましては、四月二十五日に政府より提案理由の説明を聴取した後、二法案を一括し、八回にわたって質疑を行ない、特に五月二十一日には、学識経験者、金融業者及び海運企業の労使代表のほか、港湾荷役関係者の意見をも聴取する等、これら二法案の重要性にかんがみ、慎重な審議を重ねました。
その詳細は会議録により御承知願いたいと存じますが、質疑のおもな点を申し上げますと、海運業助成の国民経済的効果、企業集約の目標と二法案の運用方針、企業集約に伴う従業員特に陸上職員の雇用対策、老朽船及び不経済船の処理対策並びにオーナー対策、所得倍増計画における船腹保有目標と今後における計画造船の実施方針、内航海運対策、建造船舶大型化の趨勢に伴う中小造船所対策などのほか、海運業の基盤強化に関連して、港湾整備の促進、港湾運送業の育成と労務者対策など、審議はきわめて広範多岐にわたって行なわれたのであります。
かくて質疑を終え、二法案を一括して討論に入りましたところ、岡委員は日本社会党を代表して反対意見を表明し、また、天埜委員は自由民主党を、浅井委員は公明会を、中村委員は民主社会党を、加賀山委員は第二院クラブを、それぞれ代表して、賛成意見を表明されました。
かくて討論を終え、採決の結果、二法案は、それぞれ多数をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、二法案採決後、綾部運輸大臣より、討論中の各委員の要望意見に対し、(一) 法律の実施にあたっては、実情に即し弾力的運用に努める、(二) 従業員の地位が不当に害されることのないよう努力する、(三) 不経済船、内航船についても適切な措置を考究する旨の所信が披瀝されました。
以上御報告申し上げます。拍手
重
相
相澤重明#28
○相澤重明君 私は、日本社会党を代表いたし、海運業の再建整備及び外航船舶建造融資利子補給のいわゆる海運二法案に対し、反対の討論を行なわんとするものであります。
海運業は、基幹産業として、わが国経済の発展のため重要であることは論を待たないところであり、国際的な視野の中でわが国海運の位置づけを考えるならば、船舶造船、港運事業、労働対策等、海運業及び関連産業全体について前向きの施策を樹立しない限り、国際競争力の培養はおろか、取り残されていくことは、火を見るより明らかであります。今日の海運業の不況をもたらしたものは、歴代保守党の海運政策の貧困そのものにあるのであります。同時にまた、業界自体、十年に一度は戦争があり、戦争があればもうかるのだ、こういう前時代的な感覚や、あるいはまた、景気が悪く、困ってくると、政治力を利用すれば何とかなるという他力本願的、こういうものが、過去におけるところの造船疑獄事件、これはまだ国民に耳新しいことである。こういうことが、いわゆる今日のこの不況をもたらしておるのであります。今日、世界の産業構造の変革から見るならば、いかなる国といえども対外競争力がその国の産業の発展の基本になることは、これはもうみんなよく知っているのであります。ところが、残念ながらわが海運界は、構造的な変化に対する対応した相対的な対策が立てられていないから、これが海運界をして前向きに立ち直らせることができなかった原因になっておるのであります。
第一に、本法案の中で政府が考えている海運界に対する考えは、過去の借金の利子を猶予してやる、あるいは今後の新しい造船に対する利子補給を行ない、海運業の集約化と企業の自立体制確立を期しているのでありますが、保有船五十万トン、用船を合わせて百万トン以上にという骨子でありますが、基準百万トンについても実は数字的な根拠がないのであります。そういうふうなことにかかわらず、政府はそれを必須条件として、これに従わない船主の将来については何ら対策を考えておらぬ。こんな一方的なことはないのであります。船の所有量は海運経営上業務別に適正化をはかるべきである。いやしくもこの法律を通して官僚統制を強化するような、そういうような考え方、あるいは労使の中に強く介入するようなことは、厳に慎まなければならぬのであります。一たんその方途を誤れば収拾のつかない波乱が起きることは、はっきりしているのであります。
第二は、今回の法案では、海運界の意見というよりは、七人委員会という人たちによってこの草案が作られて、その人たちが中心に作ったのであります。金融界、いわゆるこの金融界といわれる銀行屋さんです。銀行が主導権を握るのでありますから、企業の立ち直り、対外競争力の培養強化というよりは、借金を取り上げることに夢中になる。それが主眼となり、国民の血税はいわゆる金融資本家を太らせるだけに終わってしまうおそれがあるのであります。
第三は、今回の集約化により、従業員の過剰をどうするかということについて、その対策というものを全く持っておらないのであります。従業員の不安は取り除かれていないのであります。業界は金融資本の命ずるこの圧迫によって合理化を強行し、合理化は従業員の首切りということに通じていくのであります。働こうと思ったところで職のない多くの人々のいるその中へ、さらに合理化という名によって首切りを行なって、多くの失業者を製造することになっちゃたまりません。政府は、国の宝である働く人々に不安のないように、失業させないという保証を行なうべきであります。
第四は、政府の考える外航船舶を中心のグループ別集約でありますが、内航及び港湾、あるいはオーナー問題、あるいは高船価対策、不経済船対策、こういう重要な根本問題ができておらない、手をつけておらないのであり、数年後の収拾すべからざる混乱を巻き起こすことは決定的であります。
第五は、海運企業基盤強化のため積み取り比率及び収益の増大をはかることが重要なことであります。政府の外交問題として、シップ・アメリカンに代表されるアメリカ海運政策、あるいは新興海運国の台頭等について、十分なる配慮がされておらない。いわゆる先ほどお話がありました対米屈辱のような形ではよくならない。盟外船による定期航路の混乱を防止し、海運の秩序を維持するためには、海上運送法の改正を行なうことが先決であります。わが日本社会党は、このために海上運送法の一部を改正する法律案を提案しているのでありますから、どうか各派の皆さんの御賛同をいただきたい。このような措置が行なわれない限り、海運二法案は全く意味がないのであります。
以上の点をもちまして私の反対討論を終わります。拍手
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この発言だけを見る →海運業は、基幹産業として、わが国経済の発展のため重要であることは論を待たないところであり、国際的な視野の中でわが国海運の位置づけを考えるならば、船舶造船、港運事業、労働対策等、海運業及び関連産業全体について前向きの施策を樹立しない限り、国際競争力の培養はおろか、取り残されていくことは、火を見るより明らかであります。今日の海運業の不況をもたらしたものは、歴代保守党の海運政策の貧困そのものにあるのであります。同時にまた、業界自体、十年に一度は戦争があり、戦争があればもうかるのだ、こういう前時代的な感覚や、あるいはまた、景気が悪く、困ってくると、政治力を利用すれば何とかなるという他力本願的、こういうものが、過去におけるところの造船疑獄事件、これはまだ国民に耳新しいことである。こういうことが、いわゆる今日のこの不況をもたらしておるのであります。今日、世界の産業構造の変革から見るならば、いかなる国といえども対外競争力がその国の産業の発展の基本になることは、これはもうみんなよく知っているのであります。ところが、残念ながらわが海運界は、構造的な変化に対する対応した相対的な対策が立てられていないから、これが海運界をして前向きに立ち直らせることができなかった原因になっておるのであります。
第一に、本法案の中で政府が考えている海運界に対する考えは、過去の借金の利子を猶予してやる、あるいは今後の新しい造船に対する利子補給を行ない、海運業の集約化と企業の自立体制確立を期しているのでありますが、保有船五十万トン、用船を合わせて百万トン以上にという骨子でありますが、基準百万トンについても実は数字的な根拠がないのであります。そういうふうなことにかかわらず、政府はそれを必須条件として、これに従わない船主の将来については何ら対策を考えておらぬ。こんな一方的なことはないのであります。船の所有量は海運経営上業務別に適正化をはかるべきである。いやしくもこの法律を通して官僚統制を強化するような、そういうような考え方、あるいは労使の中に強く介入するようなことは、厳に慎まなければならぬのであります。一たんその方途を誤れば収拾のつかない波乱が起きることは、はっきりしているのであります。
第二は、今回の法案では、海運界の意見というよりは、七人委員会という人たちによってこの草案が作られて、その人たちが中心に作ったのであります。金融界、いわゆるこの金融界といわれる銀行屋さんです。銀行が主導権を握るのでありますから、企業の立ち直り、対外競争力の培養強化というよりは、借金を取り上げることに夢中になる。それが主眼となり、国民の血税はいわゆる金融資本家を太らせるだけに終わってしまうおそれがあるのであります。
第三は、今回の集約化により、従業員の過剰をどうするかということについて、その対策というものを全く持っておらないのであります。従業員の不安は取り除かれていないのであります。業界は金融資本の命ずるこの圧迫によって合理化を強行し、合理化は従業員の首切りということに通じていくのであります。働こうと思ったところで職のない多くの人々のいるその中へ、さらに合理化という名によって首切りを行なって、多くの失業者を製造することになっちゃたまりません。政府は、国の宝である働く人々に不安のないように、失業させないという保証を行なうべきであります。
第四は、政府の考える外航船舶を中心のグループ別集約でありますが、内航及び港湾、あるいはオーナー問題、あるいは高船価対策、不経済船対策、こういう重要な根本問題ができておらない、手をつけておらないのであり、数年後の収拾すべからざる混乱を巻き起こすことは決定的であります。
第五は、海運企業基盤強化のため積み取り比率及び収益の増大をはかることが重要なことであります。政府の外交問題として、シップ・アメリカンに代表されるアメリカ海運政策、あるいは新興海運国の台頭等について、十分なる配慮がされておらない。いわゆる先ほどお話がありました対米屈辱のような形ではよくならない。盟外船による定期航路の混乱を防止し、海運の秩序を維持するためには、海上運送法の改正を行なうことが先決であります。わが日本社会党は、このために海上運送法の一部を改正する法律案を提案しているのでありますから、どうか各派の皆さんの御賛同をいただきたい。このような措置が行なわれない限り、海運二法案は全く意味がないのであります。
以上の点をもちまして私の反対討論を終わります。拍手
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