外務委員会

1970-09-10 衆議院 全152発言

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会議録情報#0
昭和四十五年九月十日(木曜日)
    正午開議
 出席委員
   委員長 田中 榮一君
   理事 青木 正久君 理事 坂本三十次君
   理事 田中 六助君 理事 山田 久就君
   理事 戸叶 里子君 理事 大久保直彦君
   理事 曽祢  益君
      石井  一君    野田 武夫君
      福田 篤泰君    豊  永光君
      堂森 芳夫君    松本 七郎君
      樋上 新一君    正木 良明君
      松本 善明君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
 委員外の出席者
        外務政務次官  竹内 黎一君
        外務省アメリカ
        局長      東郷 文彦君
        外務省条約局長 井川 克一君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月二十一日
 辞任         補欠選任
  加藤 清二君     中谷 鉄也君
同日
 辞任         補欠選任
  中谷 鉄也君     加藤 清二君
八月二十日
 辞任         補欠選任
  加藤 清二君     松平 忠久君
同日
 辞任         補欠選任
  松平 忠久君     加藤 清二君
九月十日
 辞任         補欠選任
  中川 嘉美君     正木 良明君
同日
 辞任         補欠選任
  正木 良明君     中川 嘉美君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
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田中榮一#1
○田中委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田久就君。
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山田久就#2
○山田(久)委員 本日は、最近公表されました米国上院外交委員会、いわゆるサイミントン分科委員会の聴聞の議事録に関しまして、その取り上げ方その他等にも関連いたしまして、いろいろな憶測等が出ておりますけれども、あの証言の背景、性格、そういうものを見てみますると、誤解の点が非常に多いということがはっきりしているんじゃないかというふうに考えられまするけれども、いろんな誤った憶測が行なわれている点は非常に遺憾だと思います。政府におかれてもすでにこれを解明するためのいろいろな努力をやっておられるようでございまするけれども、事の重要性にかんがみまして、本委員会を通じて国民にあらためて正しい理解を持ってもらうという必要があると考えられまするので、あらためて二、三の点について政府の所見を外務大臣にお伺いいたしたいと思うのでございます。
 まず第一の問題でございまするけれども、それは共同声明が台湾、沖繩の問題に言及しておるということに関連いたしまして、今回の証言で、何か日米の安保条約の問題について、日米間に異なる解釈が存在しているんじゃないかというようなことをいっておる、あるいはまた実質的に安保条約というものが変質、拡大されたのじゃないかというようなことがいわれています。あるいはまたこれは沖繩の代償でそういうことになったのじゃないかというような意見も行なわれておるようでございます。私、改定安保条約を自分で担当いたしました経緯等にかんがみまして、全くこれは誤解である、こう思う。全般といたしまして、安保条約というものは武力攻撃がなければ発動しない。これは極東の平和と安全に関する米国の行動についても同じことで、そのワク内に限るという意味では私は一つも違っていないというふうに見ておるのでございまするけれども、この点についてあらためて外務大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
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愛知揆一#3
○愛知国務大臣 まず第一に、サイミントン小委員会の議事録が公表された機会に、あらためて、お尋ねのような問題につきまして、政府としての見解を申し上げる機会ができたことをわれわれとしてはむしろ歓迎しているようなわけでございます。
 そこで、いまの御質問のお答えでございますけれども、沖繩返還という問題を中心にして、昨年十一月日米首脳会談が行なわれました。その両国の合意されたことは共同声明に明確であり、またそれ以外の取りきめというようなものは一切ございませんことは御承知のとおりでございます。この共同声明は安保条約がそのまま変更なしに沖繩に適用されるということが一つの大きな眼目になっているくらいでございますから、安保条約そのものの性格が変わったとかあるいは変質したとか、あるいは沖繩返還の代償に何か変わった約束をさせられたのではないかというようなことは全然ございませんで、十年前の改定されました安保条約の文言そのとおり、またその当時からの政府の見解というものそのとおり、これが沖繩返還にいわゆる本土並みで適用される。その中で沖繩の返還が実現されるわけでございますから、変質とかあるいは代償とかいうものは全然ございません。
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山田久就#4
○山田(久)委員 そういうふうに解するのが正しいように私も考えております。いろいろジョンソン国務次官の発言があるようでございまするけれども、事実、事柄は、これは国連軍という関係ではありまするけれども、しかし、吉田・アチソン交換公文の中ではすでにその実態というものが明らかにされているとも言えるわけなんで、私は、この点については国民もよく納得するように、今後ともひとつ政府の御努力を切望してやまない次第でございます。
 次の問題でございまするけれども、沖繩返還の時期、これは七二年内に返還を予定されるということでございまするけれども、そのときまだベトナムの戦争が終わっておらない、共同声明の願望に反してそういうことであったようなとき、いわゆる協議の結果七二年というこれが延びるということがあるんじゃないか、そういうような延びるかもしれないというようなことを証言が示唆しているように思われるが、この点はどうであるか。こういう点についていろいろな憶測が出ていることは御承知のとおりでございます。私どもの見るところによりますると、七二年返還、共同声明の中にはこれを目標といたしまして、とにかく具体的な協定の締結、その協議を開始するんだ、しかも目標達成のために促進するようにやるんだということがあります。協定を締結するということになれば、むろんこれは国会の議を経なければならぬというような問題もいろいろ伴ってまいりまするから、これは純理論的にいえば、まだ国会の議決を経ないうちにやるんだと、こういうことをいえば、日本の場合でも何だというような議論が起こってくる余地は、理論上はあるかということになると思う。しかしながら、実際の問題がそのようにいくかどうかは、今日までに、その後協議が具体的にどのような進捗状況を示しているかということが、つまり大統領の決意がその線に沿い、また両首脳部の決意がその線に沿って行われているかどうかということを示していくむしろあかしであるということになるんじゃないかと思う。その意味においてこの協議の進捗状況がその後どのようなことになっているか。この点についてひとつ政府のほうからお話を承りたい、こう思うので、ひとつ御説明いただきたいと思います。
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愛知揆一#5
○愛知国務大臣 共同声明の第六項の中に、御承知のように、日米両政府は、立法府の必要な支持を得て具体的な取りきめが締結されることを条件に一九七二年中に沖繩の復帰を達成するよう、この協議を促進すべきことに合意した。とありますとおりでございまして、日本政府といたしましては、返還協定ができますれば当然国会の御承認を必要といたします。それから、アメリカ側のほうはどういうふうにいたしますか、これはアメリカのほうの考え方によるわけでございますが、そういう点を頭に入れて立法府の必要な支持を得て云々ということが書かれてあるわけでございます。同時に、いまお話しのとおり、その後どういう進捗状況かということでございますが、返還の協定あるいはそれに関連して細部にわたる協議というようなことは、私の見ておりますところは順調に話が運んでおりますので、一九七二年のなるべくすみやかな時期に双方の必要な手続が完了いたしまして返還が実現するということを達成すべく、鋭意両国政府間におきまして精力的な努力が続けられておる次第でございます。
 なお、国会の協力を得て、沖繩の県民の国政参加ということも具体的に、近い時期に選挙が行なわれるということになりましたことなども、返還についてはどんどん具体的な、進行しているということを明白に裏づけているものではないだろうか、かように考えておる次第でございます。
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山田久就#6
○山田(久)委員 ジョンソン国務次官は、ここにいう協議というのは、むろんいわゆる安保条約による協議とは違う協議だということを言っておるが、それに関連して、そのためにその時期に新しい協定を必要とするんじゃないか、そういうことが関連しているんじゃないかというようなそういう議論も行なわれているようでございます。いまのお話伺いますると、きわめて順調に行なわれているということでございますから、問題はないのかとも思いますけれども、念のために特別な、いわゆる共同声明の中における取りきめという以外、取りきめの協議に入ると一般的にいっておるそれ以外に特別なものがいま予想されるというような状況はないんじゃないか、こう思っておりまするが、念のためその点ひとつ所見を承っておきたいと思います。
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愛知揆一#7
○愛知国務大臣 このジョンソン証言といいますか、質疑応答の中でも、ただいま読み上げました共同声明の第六項の、立法府の支持を得て云々のところの説明のくだりが、この問題についての中身であったように承知いたしておるわけでございまして、その他おくれる可能性というようなことは全然考えておりませんし、またこの証言は一月に御承知のように行なわれたわけでございまして、その後の返還準備、話し合いというようなものがその後どんどん進捗しているということは先ほど申し上げたとおりでございます。
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山田久就#8
○山田(久)委員 次に聴聞会の証言に関連いたしまして、返還の、いわゆる核に関する問題でございまするが、返還時の点は問題ないとして、つまり返還後の核の持ち込み、こういう点について多少微妙な発言が行なわれているが、これは重大な核問題についての意見の食い違いがそこにあるのじゃないか、こういうような議論が出ているようでございます。この点についてひとつ大臣の所見を承りたいのでございまするけれども、私の承知しておる限りにおきましてはいわゆる大原則である本土並みということになりますると、いわゆる核の持ち込みというものは事前協議の対象になるということでございまして、少なくともこの核については日本政府の方針というものに反したことをやらないという米国の、これは安保条約のときからのわれわれに対するアシュアランスというものからいって、その後においても懸念や疑惑、そういうことの余地はないものというふうに考えておりまするけれども、いろいろ国民の非常に重要な関心を持っておる点でもございまするので、この点あらためてひとつ政府の御見解をただしたいと思います。
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愛知揆一#9
○愛知国務大臣 お話しのとおりこのジョンソンの証言や応答を見ましても、核に限らず事前協議の問題については一九六〇年一月十九日の岸・アイク共同声明を特に強調しておるということは御承知のとおりでございまして、これは事前協議にかかる事項について米国政府は日本政府の意思に反して行動する意図のないというのがこのときの共同声明の内容でございますけれども、それを踏まえて事前協議についての説明をいたしておるように私読んでおるわけでございます。
 その次に、核兵器の問題については、これは二つの角度からお答えを申し上げたほうがいいと思いますが、安保条約の核についての双方の合意の点でこれは事前協議の対象になるし、これはもうはっきりした事実でございます。そしてそれに対して日本政府といたしましては国民の核に対する国民的な考え方に立脚した日本政府の核に対する意図というものが、かねがねアメリカ側にははっきり反映しておるところでございます。これを沖繩返還にあたりまして特に沖繩は本土並みで核抜きで返還されなければならないという日本政府の意図がここに反映をいたしまして、御承知のような共同声明の第八項の文言になっておるわけでございます。これを法理的にいえば条約上、交換公文上、核の持ち込みが禁止されている、あるいはできないことになっているということではございませんことも御承知のとおりですが、事前協議の対象に明確にかかる。沖繩の場合についても同様である。そしてそれに対して持ち込みを許さないという核に対する日本政府の態度というものに、アメリカ大統領としても十分の理解をしておるという趣旨が盛り込まれておるわけでございますから、これがいわゆる核抜きの趣旨でございます。なおこれもまた具体的事実の問題でありますが、この共同声明が発表されましてからすぐ――その直後と言ってもよろしいと思いますが、その時期に沖繩のメースB核兵器が撤去されたということも公の事実でございますことも御承知のとおりでございます。
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山田久就#10
○山田(久)委員 次に、条約の期限の問題でございますが、このたび安保条約の自動継続が行なわれることになったのでございますけれども、この自動継続に特にあらためて期限を付すというようなことはなく、条約の規定によりまして、そのまま自動継続したという措置が行なわれたことは御承知のとおりであります。にもかかわらず、これに関して、無期限に自動継続されたという――ことばじりといってはあれですけれども、それに関連して、安保条約の第十条の変更を意味するような発言ではないかというような批判も行なわれているようであります。特にとりたてて言うほどのことではないと思いますけれども、全くそういう趣旨のものではないとは思いますけれども、念のために政府の見解をちょっとお尋ねいたしておきたいと思います。
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愛知揆一#11
○愛知国務大臣 共同声明の第五項に「安保条約を堅持するとの両国政府の意図を明らかにした。」こういうふうに書かれてあるわけでありますが、この意味は、両国政府とも現状においては安保条約の第十条に定める条約の廃棄権を行使する意図がないということ、条約を引き続き存続せしめる意向であるということについて合意された、こういうわけでございまして、サイミントン委員会における米政府側の態度というものもこの見解と全く同じである、かように存じております。この点はまた、さらに補足いたしますと、六月の二十二日に十年の固定期間を終えた際に、日本政府は引き続きこの条約を堅持することを明らかにした声明を出しておりますし、それからたまたま滞米中でありました私に、ロジャース国務長官も同趣旨のアメリカ政府の態度を明らかにして、文書によってその態度を明らかにしたことも御承知のとおりと思います。
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山田久就#12
○山田(久)委員 このたびの沖繩についての両首脳の合意というのは、平時において領土の変更を実際に実現するという、歴史的にも画期的なことでありますから――むろんこれにはいろいろな重要な問題が関連しているのは当然だと思う。したがって、この返還の時期、方式というようなことについては、それぞれの利害関係――利害という立場から、おそらくアメリカの中においてもいろいろな議論があったというふうに私は存じておる次第でありまして、このことはこういう問題の重要性から見まして、立場をかえて見れば、そう楽な外交的な取引じゃないということはわかることではないかと思うのです。ことに北方領土の問題などと対比してみれば、そういう点も了解されるんじゃないか。にもかかわらず七二年返還ということに踏み切ったという大統領の政治的決定ということについては、われわれとしてもこれに対して敬意を払うべきではないか、こう思います。とにかく一〇〇%、どこからも文句のっけようがないというようなものでなければやらないんだ、こういうことなのか、それともやはり大統領の政治的決定を信頼して七二年返還というこの大事業が実現する道を選ぶかという政治的な選択の問題なんだ、こういう点を国民によく理解してもらうことがその大本において非常に大事なことだと考える次第であります。その点におきまして今後その大筋の点においての理解、これを国民が十分得て、今後の円満な返還の実現ということに障害を来たさないよう今後とも政府の一段の努力を望んでやまない次第でございます。念のためこの点についての決意、そういうものの考え方についての政府の御所見と決意をあわせて承っておきたい、こう思う次第であります。
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愛知揆一#13
○愛知国務大臣 御質問のようにアメリカの中にいろいろの議論があることはその当時からよくわかります。またいろいろの角度から、たとえば沖繩の返還を欲せざる問題であると考えておるアメリカの人もあることは想像にかたくないところでございますが、これをただいまお話しのようにニクソン大統領の決断によって返還を決定し、かつ日本の国民の悲願であります一九七二年中に、そうして核抜き本土並みということでこの返還を決意し、日本側と合意したということについては、その背景あるいはその意味するところを十分に日本側としてもわきまえていかなければなるまいと考えております。
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山田久就#14
○山田(久)委員 円満な協定の締結を目標としての協議が、関係者の一段の御尽力によりまして所期の結果が得られますように一段と今後の努力を切望して私の質問を終わらしていただきたいと思います。
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田中榮一#15
○田中委員長 戸叶里子君。
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戸叶里子#16
○戸叶委員 私はいま同僚の自民党の議員から御質問がございましたジョンソン証言についての質問をしたいと思いますが、それに先立ちまして伺いたいことは、先ごろから問題になっております尖閣列島の問題であります。あの尖閣列島は日本の領土である。沖繩に付属するものであるということを政府も考えていらっしゃるようでございますが、これに対してどういう態度を持っていられるかを念のためにまず伺いたいと思います。
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愛知揆一#17
○愛知国務大臣 尖閣列島につきましては、この尖閣諸島の領有権問題と東シナ海の大陸だな問題と二つあるわけでございますが、政府といたしましては、これは本来全く異なる性質の問題であると考えております。すなわち尖閣諸島の領有権問題につきましては、いかなる政府とも交渉とか何とかを持つべき筋合いのものではない、領土権としては、これは明確に領土権を日本側が持っている、こういう立場をとっておる次第でございます。これは沖繩問題にも関連いたしますけれども、現在米国政府が沖繩に施政権を持っておりますが、その施政権の根拠となっておりまする布告、布令等におきましても尖閣諸島は明確に施政権の範囲内にある。こういうことから見ましても一点の疑う余地もない。日本国の領有権のあるものである。したがって、この領有権問題についてどこの国とも交渉するというべき筋合いのものではない、こういうように考えております。
 それから東シナ海の大陸だな問題につきましては、七月十八日に国民政府に対しまして公式に、国民政府によるいかなる一方的な権利の主張も国際法上わが国との間の大陸だなの境界を確定するものとして有効なものではないという旨を申し入れております。さらに九月三日、国民政府に対しまして、この大陸だな問題について話し合いが必要ならば話し合いをしてもよいということは申し入れてございます。
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戸叶里子#18
○戸叶委員 私どもが知る範囲内の日本の歴史について尖閣島をたどってみましても、日本の領有であることははっきりしているわけで、いま大臣も自信をもって、この領有権は日本にある、こういうことをおっしゃっておられるので、それでまあ私も安心をいたしました。
 そこで、いまの大陸だなの問題でございますが、聞くところによりますと、もうすでに大陸だなにある鉱区に中国の国民政府が開発することを許して、そしてガルフ石油会社というのがその開発に手をつけているというようなことも聞いておりますけれども、この点につきましてもはっきりと日本では交渉をされましたかどうでしょうか、この点も伺っておきたい。それができ上がってからのトラブルというものはたいへんにうるさくなると思いますので、いまのうちにはっきりさせておくべき必要があると思いますが、この点をお伺いしたいと思います。
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愛知揆一#19
○愛知国務大臣 ただいま申しましたように、九月三日にこの大陸だな問題については何か話し合うということが適当ならばこちらもそれに応ずる用意はあるということを申し入れましたのに対しまして、原則的に話し合いをしてみたいという趣旨の国民政府側の態度でございまするので、準備を整えまして、必要ならば話し合いに入ってもよいと考えております。
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戸叶里子#20
○戸叶委員 それでは話し合いに入った場合には、いま私が申し上げましたような形で、中国が許しているような石油資源の開発、こういうようなことは禁じるようにというような態度で日本はお臨みになるのかどうか。この点の話し合いの内容はどういうふうな態度でお臨みになるのかをまず伺いたいと思います。
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愛知揆一#21
○愛知国務大臣 まず伝えられるような事実関係について、いままでの経過等がもしあるならば、それらの事実を究明することを徹底していたしたいと考えております。
 それからいまのお尋ねに対しましては、ただいまのところ具体的な話し合いというものはまだ始めてもおりません。ですからこまかい点についてまだ申し上げるだけの準備はございませんけれども、十分に日本としての国益の上に立ちまして、日本の国益が十分守られるように努力をいたしたいと考えております。
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戸叶里子#22
○戸叶委員 もう一点だけ伺いますが、聞くところによりますと、台湾政府の旗をあそこに立てたというようなことは聞いているわけでございますけれども、しかも無人島なら無主物の領有ということの立場から旗を立てているのか、それともまた何か自分たちの領土であるというような考え方から旗を立てているのかということで、私どもも了解に苦しむわけでございますが、先ほどの大臣の御答弁では、これは明らかに日本のものであるということでございますから、その点は中国が旗を立てているのは領土権の主張ではなくて、ただ軽い気持ちで立てているのだろうというぐらいに日本政府も判断をしていらっしゃるのではないかと思いますけれども、それほどシビアに考えなくてもいいかどうか、この国旗を立てるということに対してどういうふうに私ども受け取っていいかということを伺いたいと思います。
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愛知揆一#23
○愛知国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、尖閣島の領有権の問題と大陸だなの問題は異質の問題であると考え、かつ尖閣島の領有権は何ら疑いの余地もない日本側のものであるというたてまえに立っております。したがいまして、実は台湾の新聞の報ずるところによりますと、九月二日に台湾のある新聞記者が尖閣諸島の魚釣島に国民政府の国旗を立てたということが伝えられました。政府といたしましては直ちにその事実関係の究明を急いでおりますし、国民政府に対しましては非友好的な措置であることを指摘いたしまして、もし事実ならば至急善処するように申し入れをいたしました。なお一方、先ほども申し上げましたような事情もございますので、米国側に対しましても、しかるべき措置をとるように要望をいたしました。
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戸叶里子#24
○戸叶委員 それでは次にジョンソン証言についての質問をしたいと思いますが、この間の参議院の外務委員会での質問を新聞で読んだり、またいま自民党の議員からの質問を伺っておりますと、ジョンソン証言というものは日本の考え方とほとんど変わりがないというような、結論的に一言に言えばそういうふうな表明をされたように私は受け取りました。そこで私自身、この証言を一々よく原文を読んでみなければわからないことでございますけれども、しかしあらわれてきた問題点というものは、私どもが共同声明をここで質問いたしましたときと同じような問題がはっきりとジョンソン証言の中に出てきたように思います。
 そこで私はお伺いしたいと思いますが、今回のこのジョンソンの証言というものは、アメリカの政府の解釈が述べられたものではないか、日本は日本の政府の解釈というものを国会でお述べになった。それと同じようにジョンソン証言というのはアメリカの政府の考え方、理解のしかたというものを委員会ではっきり述べたのだ、こういうふうに理解していいかどうかをまず伺いたいと思います。
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愛知揆一#25
○愛知国務大臣 まず一番の前提に、両国首脳が合意したものは日米共同声明だけでございまして、これ以外に何らのものはございません。ただ、この共同声明についての日本としての解釈、これはこの共同声明発出の直後に外務大臣説明という表題でワシントンにおいて内外に対して私から明らかにいたしておりますことも御承知のとおりでございまして、この私の説明につきましては、いかなる意味におきましても質問とか照会とかいわんや抗議とかいうようなものは全然いまに至るまで受け取っておりません。そのこともあわせて申し上げておきたいと思います。
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戸叶里子#26
○戸叶委員 愛知外務大臣がいま答弁されたことは、日本で外務大臣が答弁されたことです。しかしそのことは何もアメリカのほうからは抗議をもらっておらない、こういうことでございます。
 そこで私がいまお伺いしたいのは、今回のジョンソン証言の中で、どうもふに落ちない点があります。たとえば事前協議の問題、核の持ち込みの問題、台湾、韓国への日本の態度、こういうようなものがどうも私どもにははっきりしない。そこで念のためにもう一度伺いたいことは、共同声明は一つしかない。ほかに何もない。これもよくわかっております。しかしその解釈なりあるいはまた理解のしかたなり、内容のとり方なりというものが違うということはあり得ると思うのです。そこでそういうふうな立場に立ってアメリカでのジョンソン証言となったと思いますけれども、日本の国会での答弁が愛知さんの正式答弁であるように、ジョンソン次官の証言というものはアメリカの考え方である、こういうふうに私どもは理解して間違いないですね。
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愛知揆一#27
○愛知国務大臣 率直に申しますと、日本の政府といたしましては形式その他も十分整えまして、公式の説明も発表いたしておるわけでございますし、それからアメリカの場合におきましては、外交委員会の秘密小委員会におきまして国務次官が担当の次官として、あるいは証言しあるいは質疑に答えておられる。事実そのとおりと申し上げるわけでございます。
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戸叶里子#28
○戸叶委員 そこで私どもが知る範囲内では、いま申し上げましたような核の持ち込みとか事前協議とかそういうふうなものに非常に疑問の点があるわけです。
 そこで私二、三点ここで触れますけれども、私どもが理解に苦しむ点、それは、日本の政府としても、全然だいじょうぶなんだ、日本の考えで押していけばいいのだ、アメリカと考えが違っても、それは日本が日本の政府としての考え方で押していってもいいのだ、そういう自信でもって進んでいらっしゃるのか。それとも私どもがいろいろ不審に思う点、そういう点をもう一度アメリカとの間に指摘された面を話し合う、そして調整をとる、こういうふうな御努力をしていただけるかどうか、この点をまず伺っておきたいと思います。
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愛知揆一#29
○愛知国務大臣 先ほど山田委員の御質疑にもお答えいたしたところでございますけれども、私は総括的に見まして、日本政府の考えておりますことと違っておるところはない、かように読んでおるわけでございますから、たとえば愛知の説明する場合とジョンソン君が説明する場合と、人の話法その他にも若干の違いがあることはこれはいなめないところだと思いますけれども、考え方や基本的なこの共同声明の解釈、これからの運用というようなことについての狂いは私はないと確信をいたしておるわけでございますが、なお非常に大切な問題でございますし、全国民的な、非常に懸念されている問題でございますから、この機会に細部にわたりましていかような観点からもお尋ねをいただきまして、また政府としての見解もできるだけ詳細に御説明申し上げたいと思います。
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