予算委員会

1973-02-03 衆議院 全275発言

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会議録情報#0
昭和四十八年二月三日(土曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 根本龍太郎君
   理事 足立 篤郎君 理事 小澤 太郎君
   理事 小沢 辰男君 理事 田澤 吉郎君
   理事 湊  徹郎君 理事 阪上安太郎君
   理事 谷口善太郎君 理事 山田 太郎君
      荒木萬壽夫君    伊能繁次郎君
      臼井 莊一君    大野 市郎君
      北澤 直吉君    倉成  正君
      黒金 泰美君    小平 久雄君
      近藤 鉄雄君    田中 龍夫君
      塚原 俊郎君    戸井田三郎君
      灘尾 弘吉君    野田 卯一君
      野原 正勝君    福田  一君
      保利  茂君    細田 吉藏君
      前田 正男君    松浦周太郎君
      松野 頼三君    村田敬次郎君
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      大原  亨君    北山 愛郎君
      小林  進君    田中 武夫君
      中澤 茂一君    楢崎弥之助君
      細谷 治嘉君    安井 吉典君
      津金 佑近君    東中 光雄君
      松本 善明君    岡本 富夫君
      安里積千代君    小平  忠君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  田中 角榮君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 三木 武夫君
        法 務 大 臣 田中伊三次君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 愛知 揆一君
        文 部 大 臣 奥野 誠亮君
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
        農 林 大 臣 櫻内 義雄君
        通商産業大臣  中曽根康弘君
        運 輸 大 臣 新谷寅三郎君
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
        労 働 大 臣 加藤常太郎君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長
        北海道開発庁長
        官       江崎 真澄君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖繩開発庁長
        官)      坪川 信三君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      福田 赳夫君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 増原 恵吉君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      小坂善太郎君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      前田佳都男君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議室長     亘理  彰君
        内閣法制局長官 吉國 一郎君
        内閣法制局第一
        部長      角田礼次郎君
        警察庁長官官房
        長       丸山  昮君
        警察庁警備局長 山本 鎮彦君
        防衛庁参事官  長坂  強君
        防衛庁長官官房
        長       田代 一正君
        防衛庁防衛局長 久保 卓也君
        防衛施設庁長官 高松 敬治君
        防衛施設庁施設
        部長      平井 啓一君
        経済企画庁調整
        局長      新田 庚一君
        経済企画庁国民
        生活局長    小島 英敏君
        経済企画庁総合
        開発局長    下河辺 淳君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        公安調査庁長官 川井 英良君
        外務省アジア局
        長       吉田 健三君
        外務省アメリカ
        局長      大河原良雄君
        外務省条約局長 高島 益郎君
        大蔵省主計局長 相澤 英之君
        大蔵省主税局長 高木 文雄君
        大蔵省関税局長 大蔵 公雄君
        大蔵省理財局長 橋口  收君
        大蔵省銀行局長 吉田太郎一君
        大蔵省国際金融
        局長      林  大造君
        文部省大学学術
        局長      木田  宏君
        厚生省医務局長 滝沢  正君
        厚生省社会局長 加藤 威二君
        厚生省児童家庭
        局長      穴山 徳夫君
        厚生省保険局長 北川 力夫君
        厚生省年金局長 横田 陽吉君
        厚生省援護局長 高木  玄君
        社会保険庁医療
        保険部長    江間 時彦君
        農林大臣官房長 三善 信二君
        農林大臣官房予
        算課長     渡邉 文雄君
        農林省農林経済
        局長      内村 良英君
        農林省農蚕園芸
        局長      伊藤 俊三君
        農林省食品流通
        局長      池田 正範君
        食糧庁長官   中野 和仁君
        林野庁長官   福田 省一君
        水産庁長官   荒勝  巖君
        通商産業省通商
        局長      小松勇五郎君
        通商産業省企業
        局長      山下 英明君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    外山  弘君
        通商産業省公益
        事業局長    井上  保君
        運輸省鉄道監督
        局長      秋富 公正君
        労働大臣官房長 藤繩 正勝君
        労働省労政局長 石黒 拓爾君
        労働省労働基準
        局長      渡邊 健二君
        労働省職業安定
        局長      道正 邦彦君
        建設政務次官  松野 幸泰君
        建設大臣官房長 大津留 温君
        建設省計画局長 高橋 弘篤君
        建設省都市局長 吉田 泰夫君
        建設省道路局長 菊池 三男君
        自治省行政局長 林  忠雄君
        自治省財政局長 鎌田 要人君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       磯崎  叡君
        参  考  人
        (日本銀行総
        裁)      佐々木 直君
        参  考  人
        (東京大学学
        長)      加藤 一郎君
        予算委員会調査
        室長      野路 武敏君
    ―――――――――――――委員の異動
二月三日
 辞任         補欠選任
  赤澤 正道君     戸井田三郎君
  正示啓次郎君     村田敬次郎君
  瀬戸山三男君     近藤 鉄雄君
  中島 武敏君     松本 善明君
  不破 哲三君     東中 光雄君
  正木 良明君     矢野 絢也君
同日
 辞任         補欠選任
  近藤 鉄雄君     瀬戸山三男君
  戸井田三郎君     赤澤 正道君
  村田敬次郎君     正示啓次郎君
  東中 光雄君     不破 哲三君
  松本 善明君     中島 武敏君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十八年度一般会計予算
 昭和四十八年度特別会計予算
 昭和四十八年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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根本龍太郎#1
○根本委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算及び昭和四十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行ないます。小平忠君。
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小平忠#2
○小平(忠)委員 私は、民社党を代表いたしまして、四十八年度の予算並びに関係いたしまする重要問題につきまして、総理並びに関係閣僚に若干の質問をいたしたいと思うのであります。
 平和時における防衛力の限界につきまして、一昨日以来、各党の代表がそれぞれ総理並びに防衛庁長官を中心にただしておるのでありますが、この質疑を通じて国民は、何か政府の答弁がきわめてあいまいでありますから、不安と動揺を激化しておるような感じがいたします。そこで私は、予定いたしておりまする質問に先立ちまして、まず、この問題について解明する意味で、総理並びに関係閣僚にお尋ねをしたいと思うのであります。
 平和時の防衛力の限界につきましては、一昨日防衛庁が示しましたその見解によりますと、陸上十八万人、海上約二十五万トンないし約二十八万トン、航空機八百機であります。これは一応の量を示されたのでありますが、これに対して総理は、国際情勢に大きな変化がない限りこの案を守ることが、必要かつ妥当と考える旨言明されました。
 この案は、さきに決定されました四次防に比べまして、陸は同じでありますけれども、海上は三万六千トンないし六万六千トンの増強であり、航空は三十機の増強となっておるのであります。これは結局、政府が四次防に次いで新たな計画があり得ると理解してよいのか、まず防衛庁長官にお尋ねしたいと思います。
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増原恵吉#3
○増原国務大臣 御承知のように、四次防は、昭和四十七年度を初年度といたしまする五カ年の防衛力整備計画でございます。このたびお示しをいたしました平和時の防衛力の限界、私どもは防衛力のめどとも申しておりますが、この限界は、何年間という期限のないものでございます。したがいまして、これは四次防とは内容、性格の異なる、あるいは防衛力整備についての見方の異なる分野のものでございます。
 なお、御発言のありました陸は、十八万で大体同じでございます。海は、四ないし五護衛隊群と申し上げておるのでありますが、これはなお引き続き研究をどうしても要するという形において、四ないし五という数字を申し上げました。四護衛隊群が、四次防で二護衛隊群いわゆる近代化整備をされまして、それが約二十一万四千トンばかりになるわけでございますが、あとのものが整備をされますと、四護衛隊群で二十五万トンになる、そういうふうな意味合いでございまして、四次防は四十七年度を起点とする五年間の明確な防衛力整備計画である。平和時の防衛力の限界は、何年間ということを考えないで、平和時というものが続く限りそういうものを限界、めどとして防衛力の整備を考えていくというものでございます。
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小平忠#4
○小平(忠)委員 ですから、四次防が一応五年間に限られておるから、四次防が終わった後においての平和時における防衛力の限界を防衛庁が示したのであるから、それをはみ出る分については、新たな計画が考えられますかどうかということを伺っているのです。
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増原恵吉#5
○増原国務大臣 平和時の防衛力の限界なるものは、総理からもたびたび申されたように、平和時というものを前提としての防衛力の整備を考えておるわけでありまして、これは防衛力整備計画というものではございません。防衛力整備計画は、現在ありますものは第四次防衛力整備計画だけでございます。
 第四次防衛力整備計画が終わりました時期にどうするかは、昨日も申し上げましたように、どういう形でやりまするか、いままでのように四次、今度は五次というふうにするかどうかは、ただいま、あらためて十分研究をすべきものとして、そういう問題としての取り上げ方をいたしておるわけでございます。
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小平忠#6
○小平(忠)委員 そうすると、ことばをかえれば、四次防の後に五次防、六次防、そういう整備計画を持つ持たないは別として、逆にいえば、この防衛計画というものが、平時である限り、一昨日示した防衛庁の案のあのいわゆる限界よりも越えることはないと理解してよろしいのですか。
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増原恵吉#7
○増原国務大臣 仰せのとおりでございまして、平和時という前提が続く限りはあの限界を、あのめどを越えることはないというつもりで策定したものが、一昨日の四次防の限界でございます。
 したがいまして、四次防が終わりましたあと、防衛力整備計画を立てまする場合には、さらにまたあらためて整備計画としての計画を立て、それぞれの必要とする機関にかけ、特に年々の予算において御審議をいただいてきめるというものでございまして、平和時の続く限り、申し上げましたものが限界であり、めどである、こういうことでございます。
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小平忠#8
○小平(忠)委員 総理にお伺いしますが、そうしますと、一昨日の防衛庁が示した案を、総理は守ることが必要かつ妥当だと考えられた。したがって、いま防衛庁長官が指摘したとおり、平和時におきましては、すべてこの防衛庁の計画を、限度を越えるということはない、このように理解してよろしいのですね。
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田中角榮#9
○田中内閣総理大臣 私が防衛庁に依頼をして、防衛庁が、非常にむずかしい問題ではございますが、一定の条件のもとに考えられる平和時の防衛力の限界なるものに対して試算をしたり、勉強してみましょうということであの答案が出たわけでございます。私は専門家ではありませんが、あの答案そのものは、専門家が一つの条件を前提として想定をした結論であることは事実だと思います。
 そういう意味で、私は、数字的にあれを判断するということは、現在の時点においても、私自身の能力としては困難な問題がございますが、防衛の任務を担当しておる防衛庁の、まあ一つの条件を前提としてのものではありますが、平和時の防衛力の限界として答案を出した以上、これを尊重し、妥当なものと考えてまいりたいということは、先般この席から申し上げたわけでございますから一あの条件のもと、あの試算をしたような条件がずっと続くという平和時において、あの限界を越すようなことはないというふうに理解をしていただいてもいいと思います。
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小平忠#10
○小平(忠)委員 それで、私は総理にこの際明確にお尋ねしたいのでありますが、この問題について、およそ与野党の委員も国民も一種の不安を非常に感じておると私は思うのです。それは一昨日、総理がこの防衛庁案に対しまして、この案を守ることが必要かつ妥当だと考える、こう言明しておいたその翌日、昨日は、野党の質問に答えて、これを政府案とするのか、閣議決定をするのか、国防会議にかけるのか、かけません。そしてこの案を政府案とするのには、自信がないとか、作業を伴うについてはきわめて慎重な態度で臨まなければならないとかというようなことがあなたのことばから出るものですから、国民は非常に不安を感じていると思う。
 そこで、総理にお伺いしますが、私は、この問題は手続論と実質論とこの二面あると思うのです。私は、あえて手続論の問題よりもいわゆる実質論、中身であります。それで、総理が防衛庁の案に対して適切妥当だ、必要かつ妥当だと考えた限り、これは田中内閣の案だと考えることは無理なんですか。
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田中角榮#11
○田中内閣総理大臣 私は、閣議にはかって防衛庁に指示したわけではございません。手続を経てやったわけではありません。私が各省大臣にいろいろな施策に対して、いろいろな案を勉強してみてくれと言うと同じ趣旨にいずるものであるということは、これは理解をしていただきたいのでございます。しかし、専門である防衛庁当局が答案を出したわけでありますから、この答案に対して、答案を求めた当事者である君はどうするかということになれば、私は、専門家の出したものに対しては、尊重し、妥当なものと存じますと、こう答えておるわけでございます。
 大体、国防会議にかけなければならないようなもの、こういうもの、政策として決定をし、国会の審議を仰ぐというような問題に対しては、こういう重要な問題は国防会議にかけ、閣議の決定をし、適法な手続のもとに国会に提案をされる、また法律的措置が行なわれるということでございますが、この平和時における防衛力の限界、防衛力の目標、防衛力のめどというようなものは、私が間々申し上げておりますように、一定の方程式もないし、計算の方法もない。しかし、平和時というものを一定に定義づけて、そして勉強してみましょう、こういうことで答案を出したものでございますから、私は、その答案に対しては、十分妥当なものだと思いますし、尊重いたしてまいりたいということを申し上げておるわけでございます。
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小平忠#12
○小平(忠)委員 昨日から総理、回りくどいことをおっしゃらぬで、私はその結論だけ伺っているのですから。
 総理は国防会議の議長でございますね。したがって、あなたはシビリアンコントロールの最高責任者なんです。そういう立場において防衛庁の案を必要かつ妥当と考えた、妥当と認めた限りは、それをあなたは国防会議にかけるという考えがあるんですか、ないんですか。
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田中角榮#13
○田中内閣総理大臣 国防会議にかけるような案件ではない、こう考えております。
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小平忠#14
○小平(忠)委員 そうすると、平時における防衛力の限界というようなものは、防衛庁設置法の中にある国防会議の付議すべき事項の第一号にある国防の基本じゃないのですね。
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田中角榮#15
○田中内閣総理大臣 新しい装備をつくったり、また予算で五カ年計画をきめたりというような具体的な政策は、これは国防会議の議題とすべきでございます。で、適法な手続をとって国会に提案をしておるわけでございます。しかし、この平和時における防衛力の限界というものは、これは一つの条件を防衛庁が考えて、それでこれが戦時編成とか平時編成とかいうものではなく、平和時というものをどういうふうにしますか、平和時とはこういうものであって、一定に固定しておるんだということであれば別でありますが、そうではなく、国民皆さんから理解を示してもらうための一助にもと、とにかくめんどうなことであっても、平和時ということを一応規定して勉強できないか、防衛庁の立場で平和時というものを仮定して、その上に成り立つ平和時の防衛力の目標、限界というものを勉強してみましょう、こう言って答案が出たもの、これが国防会議の議題になるものである、また、しなければならないものであるということではないわけです。運動方針としてきちんと年間のものとしてきめるということであれば、これはもう当然正式な機関の手続を経なければならない。しかし、今度のものは、平和時というものを想定して、そして防衛庁で勉強してみてくれと言って出たもの、言うなれば私の要請に対する防衛庁の答えであります。これを国防会議にかけて、政府案として正式に決定をするという趣旨のものではないと、こう理解をしております。
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小平忠#16
○小平(忠)委員 それでは、国防会議にもかけない、政府案とすることも考えていない、何のためにこの案を出したのです。私が劈頭に防衛庁長官に伺ったのは、これは四次防ないし四次防をはみ出るその限度について、新たな防衛整備計画が考えられるかどうかなどについても伺ったのはそこにあるのです。
 それでは総理、あなたが防衛庁のこの案を守ることが必要かつ妥当と考えた。何のためにこの案を出したのです、国会に。何のために出したのですか。
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田中角榮#17
○田中内閣総理大臣 防衛庁から答案が出たら国会でもって報告をするか、いたしますと、こういう前言がございます。そのために、防衛庁長官から答案が出ましたので、それを国会で質問に答えて申し上げたわけでございます。
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小平忠#18
○小平(忠)委員 そうするとこの案なるものは、政府の案でもなければ、結局国防会議にもかけない、私はそこに、あなたのいわゆる一貫性のない方針を国民の前にさらけ出して、不安と動揺を巻き起こしておると思う。防衛庁が防衛庁の案として持つことはいいでしょう。しかし、これを一国の総理が適切妥当と認めたということは、これは政府の考えじゃありませんか。総理、あなたは自由民主党の総裁であると同時に国防会議の議長なんです。最高の責任者なんです。そのあなたが必要かつ妥当と認めた限りにおいては、私は田中内閣のいわゆる基本的な考えだと思うのです。そうでなければ何のためにこれを国会に出したのですか。要求があったから出したと言う。出すからには私は、やはり確固たる決意がなければならぬと思うのです。いかがですか。
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田中角榮#19
○田中内閣総理大臣 政府は、政府が行なう施策、またこれから行なうような施策に対して、主権者である国民に理解を求めるために努力を続けなければならないことは、民主政治の基本的原則だと思います。そのためには、絶えずあらゆる角度から勉強しなければならないことは当然であります。
 そういう意味で、平和時の防衛力の限界というものを防衛庁に研究をしてもらったわけであります。そうしてあまりにも固定した状態なもので研究をしたものでございまして、これは政府案として決定をするようなものではないわけであります。これが国際情勢、日本経済の伸び、財政負担能力、社会福祉等内政問題、そういうものも総合して勘案したものであれば、これは政府で決定をするというようなこともあり得るかもしれませんが、いま防衛庁から答案が出されたものは、仮定が多過ぎて、これを政府案として決定をするというようなものでないことは、理解いただけると思います。
 それが、私のところに出たのはおとといの朝であります。その三十分後には国会で私が答弁をしたのであります。そういう状態において、防衛庁から出されたものをすべて国防会議にかけ、そしてこれを政府案としなければならないということになれば、防衛庁からもっと大きな数字が出ても、それを国防会議の議題にしなければならないということにもなるわけでありまして、まだ、政府がこれを確定するには、もっと広範な立場において勉強を必要といたします。
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小平忠#20
○小平(忠)委員 それでは総理はなぜ一昨日この場で、防衛庁の案を守ることが必要かつ妥当と考えると言明したのですか。
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田中角榮#21
○田中内閣総理大臣 私が要請をし、私が指名をした専門的な立場にある防衛庁長官の苦心の作であることは事実でございます。そういう意味で、この答案を求めた私としては、現段階において妥当なものと認めますと、こう述べたわけでございます。
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小平忠#22
○小平(忠)委員 昨年四次防問題をめぐりて、本委員会が長期にわたってデッドロックに乗り上げた問題も、やはりシビリアンコントロールの問題です。これはその当時佐藤内閣ではありましたけれども、あなたはその佐藤内閣のいわゆる主要な地位にあって、特にそれを力説された一人であります。私は、総理自身がこのシビコン精神を根底から、何かくつがえしているような感じがしますが、いかがですか。
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田中角榮#23
○田中内閣総理大臣 私は、文民統制の実をあげるために全力を傾けてまいるつもりでございまして、御発言のような姿勢は全くございません。
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小平忠#24
○小平(忠)委員 そうすれば、一昨日の朝防衛庁が案を示して、それでこの案についてはまだ検討している、まだ私も見たばかりだから検討中であるというのであるならば、これはあなたが総理大臣として慎重にシビコンの精神を発揮することは、われわれ理解できるのだけれども、二時間や三時間後に、なぜあなたはこの案を守ることが必要かつ妥当だと言明したのですか。そのことが、私はいわゆるシビリアンコントロールの精神をくつがえしていると思うのです。
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田中角榮#25
○田中内閣総理大臣 文民統制の最も大きな力は国会でございます。また、政府の機関の中では閣議であり、国防会議でございます。そういう意味で、これらにかけて正式に決定をするには、これはむずかしい問題でございまして、いま直ちにこれを確定することはできませんし、国防会議の議に付する気持ちもございませんと、こう明確に答えておるわけであります。
 では、答案を求めた私に対してどう思うかということでございますから、私は、それは政府案として決定をしたり、国防会議にかけるに至るものとは思いませんが、私が依頼をし、私が指名をした専門家である防衛庁の案でありますから、妥当なものだと考えますと、こうすなおに答えておるわけでございます。
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小平忠#26
○小平(忠)委員 また答弁が変わってしまったのです。答弁がまた変わっちゃったのです。総理個人とおっしゃるけれども、あなたは総理大臣でしょう。あなたは自由民主党の総裁なんです。国防会議の議長なんです。そうするとあなたは、いまあなた個人の意見を述べたのは、田中内閣に責任を負わぬということですか。政府として責任がないのですか。
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田中角榮#27
○田中内閣総理大臣 私は、閣議の議を経て、所要な手続を踏んで、また、法律が求めるようなものを防衛庁に正式に依頼をしたのではないのであります。四次防の問題等に対して、防衛費が無制限に拡大をされるおそれを抱く人もありますので、これらの国民に対して支持と理解を求めていくためにはあらゆる努力をしなければならない。その一つのものとして、平和時の防衛力の限界というようなものがもし示されれば、それはかっこうな材料であろうと思う。そういう意味で、勉強してほしいと求めたわけでございます。
 でありますから、これを閣議にはかるというようなものでもないし、また国防会議に付してきめるようなものではない。ただ、御質問が、出したものに対して、求めた田中はどう考えておるかということでございますから、妥当なものだと考えております、こういうことであります。私は、個人田中角榮であると同時に内閣総理大臣の職にあることは事実でございますから、少なくとも私があれを守らなければならない。また、妥当なものであるということは、内閣がこれから年次にいろいろな予算をつくってまいりますときなども、あの防衛庁の見解というものは十分考えて、その範囲内でなければならないことは当然である、このように考えております。
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小平忠#28
○小平(忠)委員 私はさっぱりわからないのです。それでは、一体何のためにこの案を国会に出したのですか。それは田中総理個人、個人ということばは絶対にあり得ないでしょう、内閣責任制の観点から見ても。あなたが、この案を守ることが必要かつ妥当と言明された限りは、あなたが総理としての責任を持っている以上、いまのような答弁で国民が納得しますか。私自身もわかりません。
 こういう問題は、このままにしておきますとどこまでも尾を引きます。昨日、本問題について、社会党の中澤委員は総括質問中で、政府の統一ある見解を示されたいということについては、委員長がはかられて、これは理事会で相談いたしますよ。相談されると思います。しかし、扱い方についての相談と基本問題は違うのです。だから、総理のようないまの発言ならば、国会に防衛庁の一試案を示す意味がないと思うのです。そんなものは撤回しなさい。
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田中角榮#29
○田中内閣総理大臣 政府は、議員の発言に答えなければなりません。議員は、政府に対してこの答えを求めたのであります。私はその質問に答えたのであります。
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