公害対策並びに環境保全特別委員会

1974-03-08 衆議院 全272発言

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会議録情報#0
昭和四十九年三月八日(金曜日)
   午前十時五十一分開議
 出席委員
  委員長 角屋堅次郎君
   理事 坂本三十次君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 渡部 恒三君
   理事 島本 虎三君 理事 土井たか子君
   理事 木下 元二君
      田中  覚君    戸井田三郎君
      八田 貞義君    岩垂寿喜男君
      小林 信一君    佐野 憲治君
      馬場  昇君    吉田 法晴君
      米原  昶君    岡本 富夫君
      坂口  力君    折小野良一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 三木 武夫君
 出席政府委員
        環境政務次官  藤本 孝雄君
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁長官官房
        審議官     橋本 道夫君
        環境庁企画調整
        局長      城戸 謙次君
        環境庁自然保護
        局長      江間 時彦君
        環境庁大気保全
        局長      春日  斉君
        環境庁水質保全
        局長      森  整治君
        通商産業省立地
        公害局長    林 信太郎君
        運輸省港湾局長 竹内 良夫君
 委員外の出席者
        衆議院法制局第
        四部第二課長  斎藤 一郎君
        経済企画庁長官
        官房参事官   仲田 嘉夫君
        環境庁企画調整
        局損害賠償保障
        制度準備室長  杉田 昌久君
        環境庁大気保全
        局企画課長   山崎  圭君
        環境庁水質保全
        局水質規制課長 太田 耕二君
        大蔵省主計局主
        計官      藤仲 貞一君
        国税庁直税部所
        得税課長    水口  昭君
        文部省体育局学
        校保健課長   波多江 明君
        水産庁漁政部長 増満 二郎君
        日本国有鉄道環
        境推進本部事務
        局長      坂  芳雄君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    —————————————
委員の異動
三月八日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     吉田 法晴君
  佐野 憲治君     馬場  昇君
同日
 辞任         補欠選任
  馬場  昇君     佐野 憲治君
  吉田 法晴君     岩垂寿喜男君
    —————————————
三月六日
 公害紛争処理法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第七二号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第三五号)
 公害対策並びに環境保全に関する件(大気汚染
 及び水質汚濁対策等)
     ————◇—————
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角屋堅次郎#1
○角屋委員長 これより会議を開きます。
 委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。
 公害対策並びに環境保全に関する件、特に新幹線騒音問題の実情調査のため、議長に対し、委員派遣の承認を申請したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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角屋堅次郎#2
○角屋委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、委員派遣の人選、日時、派遣地等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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角屋堅次郎#3
○角屋委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
     ————◇—————
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角屋堅次郎#4
○角屋委員長 内閣提出の公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので順次これを許します。岡本富夫君。
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岡本富夫#5
○岡本委員 公害健康被害補償法、この質疑にあたりまして、この補償法は公害健康被害補償をするところの指定地域、これをきめるわけでありますけれども、第二種地域について、これは水のほうの健康被害、現在水俣湾沿岸地域、それから阿賀野川流域地域、それから神通川流域地域、宮崎県の土呂久地域、こういうようになっておりますが、ここで一つ抜けておる。それはけさの新聞にも報道されておりますけれども、長崎県の対馬厳原、ここの東邦亜鉛の会社のこの川の流域ですね。
 これは実は昭和三十九年に岡山大学の小林教授が参りまして、そしていろいろ調査をして、そういった問題を分析をしてきた。あと萩野博士、これはイタイイタイ病の有名な富山県の開業医でありますけれども、この方も参りました。
 そこで、わが党でも実は四十三年から当地に参りまして、何べんか政府にも要求をいたしたことがあります。政府のほうでも、御承知のように当時は厚生省でありましたけれども、日本公衆衛生協会への委託によってイタイイタイ病の研究班の重松班長が行っておる。そうして悲しいことには、イタイイタイ病はないんだというような結果に終わって、指定地域になってない。したがって、あの地域の方々は、病気になった方、中にはそのレントゲンを持って帰って、きちっと萩野博士のところでは、これはイタイイタイ病だという症状も出ておるわけですが、ところが、そういうのを無視してイタイイタイ病の研究班の重松班長は調査も不十分であったのか、指定地域にできないような報告になっておる。これについて元幹部からこういった内部告発が出ておるわけでありますが、これについて、長官は現在の御心境としてどういうふうに考えていらっしゃるか、ひとつお聞きしたいと思います。
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三木武夫#6
○三木国務大臣 私どもも、きょう朝日新聞ですか報道された東邦亜鉛の対馬の事件は言語道断な事件だと思います、あれが事実ならば。よごれてない上流の土砂を下流へ持ってきて、そうしてごまかしたというようなことは、これは許されない行為でありますから、環境庁としても、さっそく事態を究明して 必要があれば再調査もいたす考えでございます。あそこの健康調査はすでにやったわけでありますが、イタイイタイ病の患者はなかったというような報告でありましたけれども、いま言ったようなあそこの事態というものが、会社ぐるみで事態を隠蔽するような作業が行なわれたという、どうもそういう点で不安がありますから、真相を究明し、さらにきょう報道されたようなことが事実でありますならば、近く再調査もいたしたいと考えております。
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岡本富夫#7
○岡本委員 再調査すると言うてしまえばふそれまでなんですけれども、当時の研究班あるいはまたこれは環境庁ができる前で厚生省でありますけれども、政府の姿勢として非常に企業寄りであったのではないか。たとえば調査にしましても、いつ幾日参りますから、そういうようなことだから、前の日に、あるいはこれを見ますと相当前から川さらえをしたり、あるいは土をかえたり、いろいろやっているわけですね。ですから、抜き打ち調査でなければならない。
 そこで、そういった徹夜で川底を洗ったり、これはここだけじゃないのです。実は私どもが富山あるいはまたあれは群馬県でしたか安中、あそこへ参りましても、行くといえば前の日に全部掃除しているのですね。掃除する前のやつをとらないと、掃除してからのやつはもう何にもならない、こういうことをつくづくいままで何べんか調査の間で感じたことがありました。したがって、抜き打ちに調査をしていかなければならない。カドミのこうした汚染というものはここだけでありません。全国に相当カドミの汚染米が出ておるわけですが、これを一つの機会として全国のそういった地域全部のもう一ぺん再調査を必要とするのではないかというふうに考えられるのですが、長官の御意見をお伺いしたい。
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三木武夫#8
○三木国務大臣 私は、きょうの記事を見まして、公害問題に対してああいうごまかしをほかの鉱業所においてもやっておるということは信じられないのです。ああいう例というものは、まことにめずらしい例であって、企業家の社会的責任というものに対する自覚というのは、あのことが事実なら何もないわけです。ごまかして通ればよい。これは許されない行為で、これが全企業の態度だとは私は考えないわけでございます。したがって、いままでのいろいろな調査が対馬の東邦亜鉛のようなものだとは私は考えていないわけでございます。
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岡本富夫#9
○岡本委員 長官は少し考え方が甘いのじゃないかと思います。なぜかならば、現在ですと相当物価の問題から——物価の問題でもああして予算委員会に参考人に呼んでも、年がいったから思い出さぬとか、ああいった逃げ方をするのです。この四十二年、三年、四年、五年、あるいは環境庁ができる前というのは、企業はなるべく隠そうという姿勢が濃厚だったのです。たとえばそこにおる橋本審議官なんかも、安中の東邦亜鉛に行ったって、初め入れてくれなかったんです。厚生省の役人ですよ。こういうことです。
 ですから昔を思い出しますと、非常にやかましくいって今日まできたわけですから、ましてこの補償法ができまして、現在第二種地域は四カ所ですが、被害を受けておる人たちがだいぶいると思います。まだ指の曲がったのやいろいろあるのですから、これは全国をもう一ぺん点検をして、補償法ができたのですから、これに含めて救済をしていくというふうにすべきだと私は思うのですが、これは大気汚染、一種のほうも同じですけれども、その点についてもう一度……。
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三木武夫#10
○三木国務大臣 この法律は公害病患者の補償をしようというわけですから、そういう必要な場所があれば四カ所に限ることはないわけですから、できるだけ救済の対象として地域を拡大していくということが立法の精神である、こういうふうに考えておるわけでございます。
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岡本富夫#11
○岡本委員 広く救済をしていくというのですから、それには調査が必要だし、指定地域にしなければいけない。ということですから、全国のいままでの被害地域に対しては再調査が必要だ。これは論を待たないところでございます。
 そこで委員長、実はこの問題の究明を明らかにしなければならぬと思いますので、当委員会に東邦亜鉛の社長、できれば当時の所長ですか、まあ最高責任者で社長。それから長崎県が調査をしておるのですが、長崎県もこれはだまされておるわけですから、長崎県の衛生部長さん、それから、この当時調査をいたしました岡山大学の小林教授、それから公衆衛生協会の委託のイタイイタイ病研究班の班長である重松班長、それから当時の患者を見つけました萩野博士、これだけを当委員会に、最初参考人でけっこうですから呼んでいただいて、皆さんからもっと質疑をしていただいて、そして究明をしていただく、私はこういうふうにお取り計らいをお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
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角屋堅次郎#12
○角屋委員長 ただいま岡本委員からのお申し出の点については、後刻理事会で協議をいたすことにいたしたいと存じます。
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岡本富夫#13
○岡本委員 次に、補償法案の改正にあたりまして、汚染負荷量賦課金、この徴収方法でありますけれども、環境庁から御説明を聞きますと、賦課金の算定方法、全国一律の場合、SO2の全国の総排出量、こういうものに、いろいろと計算をして重油の中の含有量とか、こういうものをかけるという非常に簡単なあれになっていますけれども、この算定方法について、ひとつ簡単に御説明を願いたい。
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橋本道夫#14
○橋本(道)政府委員 汚染負荷量賦課金の算定方法についての御質問でございますが、法律にございますように、政令で特定いたします健康被害に影響のある汚染物質の放出の総量に応じて賦課金をかけるという形になっております。この点につきましては、四十八年度の調査で現在調査をいたしておるところでございますが、どれだけの硫黄酸化物を毎年放出をするか、あるいはどれだけの窒素酸化物を毎年放出するかということにつきましては、これは排出係数を用いまして全国的なマクロのベースとしては両方の計算ができます。そういうことになりますので、硫黄酸化物の総量と窒素酸化物の総量と、その中におきましての汚染源別の配分というものは、マクロにおいては算出することができるわけでございます。
 ただ、その全体の総量を中心といたしまして、この汚染負荷量賦課金をかける——所要額の総額に対して割り振るわけでございますが、これを個別の企業に割り振るという場合になりますと、現在排出源におきまして、どれだけ放出をしておるかという実際の実測体制ということになりますと、SO2のほうは、これは相当な高度のものがそろっておりますので、これは可能でございますが、発生源におきます窒素酸化物につきましての実測体制というのは、これはまだ現在不完全でございます。そういうことで、マクロの計算としては窒素酸化物、SO2、両方の総排出量を出しますが、ミクロとして、一つずつの企業に割り当てるという場合に、まず当初の年度は、出発のときにはSO2の排出量に応じて負荷量を計算していく、そのような形をとることにいたしております。
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岡本富夫#15
○岡本委員 そこで、賦課金の各企業に対してのかけ方について、書籍を見ますと、重油の平均含有S分、これを一・五%とかいう説明を聞いたわけです。それから賦課料率、これは十円、パー立方メートルですか、いろいろ計算を、大体のことを聞いたわけですが、すでに東京都あるいはまた大阪府ではSO2の含有量、これについて一七・六%、それからNOx、これが三・五五、それからばいじん、〇・一三から〇・五六、こういうようなこまかい分析が出ておるわけですね。石炭の場合とか、あるいはまた灯油の場合、軽油の場合、それぞれみんな違うわけですよ。そうでなければ、ただ一律にぱっとやるということでは非常に不公平になるのではないか。同時にまた、それならばC重油といいますか、要するにA重油より安いほうを使ったほうが得だ、同じパーセントで分けられますからね。
 これは計算については非常にむずかしかろうと思いますが、やはり公平を期する意味におきまして、こういったこまかい計算をその企業その企業によってしなければならない、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
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杉田昌久#16
○杉田説明員 御説明申し上げます。
 ただいまの御指摘の点につきましては、理論的には先生のおっしゃるような各種のこまかい施設ごとのそれぞれに応じたデータでやるのが理想的でございますけれども、現在やられております段階では、たとえば御指摘の東京都の排出計数につきましても、これはあくまで平均的な数値として用いられておりますので、各個別の施設につきましては、またそれぞれ違っているということで、そういったマクロ的な計数を使うというのは必ずしも適当ではないという事情がございます。したがいまして、現在のところではある程度割り切った簡単な方法でやらざるを得ないというふうなことで考えております。
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岡本富夫#17
○岡本委員 簡単な方法と言いますけれども、この賦課金については通産省令によると——ほんとうは環境庁、要するに総理府令だけでいいのですけれども、通産省まで入っているわけですが、そのためにいろいろと中で使っている原料についての調査が必要だというわけで、こういうふうにしているんじゃないかというふうに私は考えたわけですけれども、あまり簡単にやるということは、まあ事務の繁雑もありますけれども、徴収の不公平ということを来たすんではないか、こういうふうに考えます。その点についてもう一度。
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杉田昌久#18
○杉田説明員 現段階で可能な限り得られるデータ、たとえば重油について硫黄分の含有量が違えば、それに応じたような硫黄酸化物がそれぞれ違う排出量になりますので、そういったところをできるだけ現実的に可能な範囲内で公平を期するように計算方式を検討してまいりたい、かように考えております。
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岡本富夫#19
○岡本委員 全部政令委任になっておるのですね。この前のこの補償法案でも五十ぐらい政令委任。今度も大事なところはほとんど政令委任。ですから、法案をこうしていろいろと検討し、あるいはまた審議するにあたりましても、政令委任というのがあんまり多過ぎる。少し前は、法律は政令にゆだねる場合はほとんど、どういうことがこうなって、こうなるんだという確たる答弁ができるような政令の立て方だったですね。このごろのは、もう法案ができてから、あと政令委任ですから、どうなるかわからないというのが非常に多い。これは公害国会からこういうふうに政令委任が非常に多くなった。そういうふうに政府の法律の立て方が変わってきたわけですね。
 これは今後長官、副総理として全体の法律について、もっと明らかに審議できるような法律の立て方にしていただきたい、これを私は要求するのですが、ついでですから、いかがでしょうか。
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三木武夫#20
○三木国務大臣 お説のとおりだと思います。あまり政令にゆだねる事項が多いということは、法律のていさいとして好ましいことではないと思いますが、この健康被害補償法もできるだけ早くこれを実施したいということで、各省間で未調整の問題もあったわけです。そういうことで多少の時間が要ったということで、こういう方法をとったのですけれども、これはいい例だとは思っておらないわけであります。今後できる限り政令にゆだねる事項を少なくするように努力をすべきであると考えております。
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岡本富夫#21
○岡本委員 次に移動発生源、すなわち自動車の重量税、ことしは相当上がって千九百九十億ですか、約二千億近い。だのに、この公害補償に回すところの金額は約八億円と聞いているのです。あとの自動車重量税は道路の整備だとかそういうものに使うのだそうですが、そこでこの自動車が社会的にいろいろ損失を与える、道路なんかを整備しなければならぬ、それと公害に寄与した、これの率というのは、どういうように計算したのか。これをちょっとお聞かせ願いたい。
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城戸謙次#22
○城戸政府委員 私どもいま自動車重量税引き当てで八億円を一般会計からの予算として、この健康被害補償に充てるということは、これはあくまでこの法律によります健康被害者の補償に要する経費でございます。
 先生いま御指摘の、自動車がどういうぐあいに社会的費用をもたらしているか、これは環境汚染もありましょうし、あるいは交通事故等もあるわけでございまして、この問題につきましては、いまの健康被害補償の問題と別個に、今後具体的にどういう社会的費用がかかっているかということを詰めてまいらなければならぬ、こう思っているわけでございます。
 私ども、こういう環境汚染に伴う社会的費用の試算としましては、四十七年度の公害白書で一応全体の環境汚染に関する社会的費用を、四十五年度でございますが、国民一人当たり約一万五千円と推算しております。しかしこれはごく一つの試算でございまして、そのほかにも現在いろいろ経済企画庁その他で検討されている数字があるわけでございまして、ただ、いま先生御指摘のような自動車ということになりますと、今後もう少し詰めていかなければならぬ、こう思っております。もちろんこの社会的費用いかんということが、今後交通を総合的にどういうぐあいに体系化するのが一番合理的かということを考えてまいります上での一つの大きなファクターになろうと私ども考えております。
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岡本富夫#23
○岡本委員 この中公審の答申が出たといいますか、その当時は環境庁のほうでは大体百億以上自動車重量税から取るというような考えだったと思うのです。それが八億に減ってしまった。これでは非常に後退をしてしまったのではないか。そこらの根拠について、どうなったのか。百億から八億になってしまったというのは、あまりにも考え方がおかしいと私は思うのですが、それについてひとつ……。
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城戸謙次#24
○城戸政府委員 私どもの百億という数字は公式に言ってまいったわけではございませんで、ただいろいろな段階でいろいろな人の試算としてそういう数字があるいは上がってきたんじゃないかと思っております。私どもとしましては、来年度具体的に地域指定等をどの程度行なっていくか、そういうような具体的な問題と関連しまして、現在持っていますいろいろな資料から全体の費用をはじきまして、大体その二割が移動発生源にかかる負担分だということで計算しているわけでございます。
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岡本富夫#25
○岡本委員 企業が八割、固定発生源が八割、それから移動発生源が二割、この根拠もずいぶん私は薄弱ではないかと思うのですけれども、一応の目安としてそうだろうと思うのですけれども、私のいま言っているのは、大体最初の目安は百億というか、百五億円というんですか、それが八億に減ってしまった。どうなったかといいますと、それが結局は福祉事業といいますか、公害保健福祉事業の事業費が縮小されてしまったことになるんです。したがって、環境庁長官が水俣へ行きまして、水俣の患者の皆さんにリハビリテーションセンターをつくるとかお約束をされたのに、いまだにできてない。なぜできないかと申しますと、地方財政にあまりにも負担をかけ過ぎる。
 私はこういったところから予算を取って、そして、せっかく長官が向こうへ行って約束をされたんですから、国費でほとんどやってあげる、あとの経費については地方自治体に事務費なんかもまかせなければしかたがないと思いますけれども、百億という当初の呼び声が八億に減ってしまった、そのためにこうしてできないのではないか。大蔵当局も最初百億ぐらいの予算は大体覚悟しておったわけですから、その点について、こういうところにしわ寄せがきてしまっている。それが政治不信に大きくつながる。長官は、私はうそを言いませんと、この前も言っておられたように思うのですけれども、この点について、私はそこにしわ寄せがきたと思うのすが、その点、答弁をお願いします。
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三木武夫#26
○三木国務大臣 水俣のことを御指摘になりましたけれども、研究治療センターは金がなくてできなかったのではないんですよ。それは、それをつくるについて専門家の意見を徴さなければなりませんから、むしろ金よりも人間なんですね。ああいう研究所というのは、建物だけができてもだめですからね。だから、熊本大学などの協力も得なければならぬし、研究者を中心とした人間の問題が金よりも大きな問題で、その人間がそこの研究所に集まってくるためには、どういう性格でどういう研究所をつくるかということが大問題であるわけです。だから今日までも、できればこの会計年度に話をまとめたい、そして四十九年度の予算に計上して実現したいと思ったのが延びたのは、そういうところにあるのです。金よりも人間の問題である。それでいまも検討委員会を続けて結論をできるだけ早く出して実現をさしたいということで、金がなくておくれておるのではないということは、ひとつ御了解を願いたいのでございます。
 自動車のほうは、私は百億円というのは聞いていないのですがね。どこでそういう数字が出たかわからないのですが、今後ああいう基金というものは充実していく必要がありましょうから、徴収のいろいろな問題というものは今後検討すべき問題があると思いますが、百億百億という話ですけれども、私はどういうところから出てきたのか知らぬけれども、その百億を予定しておったのに、いろいろな政府部内の折衝によって八億円に削減された、そういうのは私は事実と違うと思っております。
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岡本富夫#27
○岡本委員 自動車重量税がことしは大体一千億ぐらいだった。来年は上げまして一千九百九十億、約二倍になるわけですよ。しかもそういったたくさんな重量税を一般会計、政府が召し上げて、しかも自動車が、要するに移動発生源がどれだけ人の健康に被害を与えているかということの計算根拠というものがまだはっきりしない、こう思うのです。だから、たとえばちょっと聞いただけでも千九百九十億に対して八億だけが健康被害のほうに回るのだといえば、これは道路優先であって、人命優先ではないじゃないか。これは根拠はないとしましても、こういうことの国民感情というものがやはりあると思うのですね。
 同時にもう一つは、水俣のあの問題は、健康センターですか、これはいまここにいる委員長も御存じのように、この間当委員会にわざわざ向こうの市議会の皆さん方が見えまして、長官にもこうして約束していただいたけれども、どうにもならぬのだ、早くひとつ国でやっていただきたいというような——委員長も御存じだと思うのですね。それには、重量税から出るのが全国で八億ですからね。それから、企業はこれから割り当てるわけですね。これは計算がたいへんなんですよ。そんなことをしているとずいぶんおくれてしまうと思うのです。ですから、重量税から、一般会計からもっと出して、千九百九十億円もあるのですから、それで環境庁に潤沢な予算をつくって、ぱっとやってあげる。そうするとあと、向こうの県知事さんや市長さんあたりが一生懸命に、いろいろな学者あるいはまたそういった治療関係の皆さん方を向こうで何とかめんどうを見て、早く手をつけるということが大事じゃないか。
 そこで、これは意見ですが、一体いつごろ水俣のこの健康センターといいますか、あの明水園みたいなものをもっと充実してやるという、せっかく長官が約束してこられたのですから、大体いつごろだということを当委員会としても向こうに報告をしてあげなければならぬだろうと私は思うのです。その点についてちょっと……。
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城戸謙次#28
○城戸政府委員 ただいま先生御質問の点、若干誤解をいただいている点があるのではないかと思いますので、申し上げたいと思いますが、第一点は、水俣のいまのセンターに関連しまして、かりにこれを公害保健福祉事業でやりますにしましても、これは第二種地域にかかる疾病に相応するものでございますから、当然特定賦課金でまかなわれるものでございます。いま議論になっております法律の一部改正はもっぱら第一種地域にかかる疾病に関連した別法でございまして、別法にかわる二年間の措置でございます。したがいまして、これは水俣の問題とは全く関係がないということが第一点でございます。
 それから先ほど百億というお話がございましたが、百億の話が話題になっていたとしましても、これはもっぱらピーク時においてどうであるかという議論との関係で出たものだと思うわけでございまして、そういう意味で現在の初年度の問題でない。また初年度は、特に九月からということでございますから、期間も非常に短いわけでございまして、ダイレクトにそれを比較していただくということは意味がないのじゃないか。また特にピーク時ということは数年あとでございますから、その間の賃金のアップ等もございますし、この数字をすぐ八億と比べていただくということは、いろいろな点で無理があろうか、こう思うわけでございます。
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岡本富夫#29
○岡本委員 どうも私納得できないのですが、この個条を見ますと、福祉事業ができる、これはしなければならない、こう直さなければいかぬのですけれども、これは都道府県知事と書いていますけれども、水俣の健康センターの場合はこの財源を使わないんだという話ですけれども、いずれにしましても、わざわざ長官が行って向こうでああしてお約束されたのは、いつだったですか、二年前だったと思うのですね。おととしだったと思うのですよ。それをそのままいまだにできずにほうっておくということは、これは政治不信をますます起こす。同時に気の毒だと私は思うのです。まだ潜在患者が相当おる。この人たちを早く認定のできるようにしてくれとも、また言っておりました。ヘドロの状況も、まだそのままになっているというようなこともありました。ですから、私はその点の配慮をまず長官からひとつお聞きしておきたいと思うのですが、答えていただきたいと思います。
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