決算委員会

1978-10-16 参議院 全388発言

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会議録情報#0
昭和五十三年十月十六日(月曜日)
   午前十時三分開会
    —————————————
   委員の異動
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     片山 甚市君     小野  明君
     安武 洋子君     橋本  敦君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺田 熊雄君
    理 事
                楠  正俊君
                坂元 親男君
                野口 忠夫君
                田代富士男君
    委 員
                伊江 朝雄君
                石本  茂君
                岩上 二郎君
                岩崎 純三君
                北  修二君
                世耕 政隆君
                永野 嚴雄君
                藤川 一秋君
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
                小野  明君
                丸谷 金保君
                吉田 正雄君
                和泉 照雄君
                沓脱タケ子君
                橋本  敦君
                喜屋武眞榮君
                野末 陳平君
                秦   豊君
   国務大臣
       農林水産大臣   中川 一郎君
   政府委員
       経済企画庁物価
       局審議官     戸田 博愛君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        名本 公洲君
       農林水産政務次
       官        初村滝一郎君
       農林水産大臣官
       房長       松本 作衛君
       農林水産大臣官
       房審議官     佐々木富二君
       農林水産省構造
       改善局長     大場 敏彦君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省畜産
       局長       杉山 克己君
       農林水産省食品
       流通局長     犬伏 孝治君
       食糧庁長官    澤邊  守君
       水産庁長官    森  整治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    宮脇 磊介君
       通商産業省貿易
       局輸入課長    村岡 茂生君
       通商産業省産業
       政策局商政課長  矢橋 有彦君
       会計検査院事務
       総局次長     柴崎 敏郎君
       会計検査院事務
       総局第四局長   岡峯佐一郎君
       会計検査院事務
       総局第五局長   東島 駿治君
       日本専売公社総
       裁        泉 美之松君
       日本専売公社原
       料本部部長    竹山 賢治君
   参考人
       農林漁業金融公
       庫総裁      中野 和仁君
       日本中央競馬会
       常務理事     小沼  勇君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和五十年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十
 年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、昭和五十年度政府
 関係機関決算書(第八十回国会内閣提出)(継
 続案件)
○昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第八十回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第八十回国会内閣提出)(継続案件)
○継続審査及び継続調査要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
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寺田熊雄#1
○委員長(寺田熊雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十月十三日、片山甚市君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として小野明君及び橋本敦君が選任されました。
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寺田熊雄#2
○委員長(寺田熊雄君) 次に、昭和五十年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、農林省と、それに関係する農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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寺田熊雄#3
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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寺田熊雄#4
○委員長(寺田熊雄君) 質疑通告のない中野農林漁業金融公庫総裁は退席していただいて結構です。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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吉田正雄#5
○吉田正雄君 当初に農林水産大臣にお聞きをいたしたいと思いますが、まず最初に、食管制度の堅持について農林水産大臣の考えをお尋ねいたしたいと思うのです。
 御承知のように、食管制度は、政府によるたび重なる食管制度の根幹の堅持なる言明にもかかわらず、まず一つとして、四十四年からの自主流通米制度の実施による政府を通さない流通が生じ、国による一元的直接管理が実質的に崩れたこと、二つとして、自主流通米の消費者米価の自由価格及び四十七年四月からの物価統制令の適用除外による政府米についても自由価格であるとしたことによる消費者米価の自由化、三つ目として、四十六年からの買い入れ制限による全量買い入れ制度の崩壊と予約限度超過米の発生により、食管制度の根幹はすでに失われているのではないかというふうに思われるわけです。さらに、こうした政府の政策に誘発された大量のやみ米の流通、無登録米販売店による米の小売、異常に高い消費者米価、あるいはうその多い混米された小売米、実質的に全く機能していない購入通帳とか購入券等々によって、米の流通には相当の混乱が見られておることは大臣も御承知のとおりです。
 そこで大臣にお聞きをいたしたいのですが、まず、大臣は食管制度の根幹堅持をしばしば言明しておいでになりますけれども、現在はどう考えておいでになりますか。そして、その見解は今後とも変わらないのかどうかですね、お尋ねをいたしたいと思うのです。
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中川一郎#6
○国務大臣(中川一郎君) 食管につきましてはいろいろ議論もあるところでございますが、私としては食管制度は守っていきたいと。主食であります米を長期的に国民に安定的に配給するということはきわめて大事である、こういう観点からでございます。ただ、食管の中でも、いま御指摘ありましたように流通面等は消費者対策等現実に即した対応が必要であるということは言えるのではないか。そういう意味で、流通面についてはかなり弾力的にはなっておりますが、生産、集荷等については食管の基本は守っていきたい。そのために生産調整その他いろいろの施策を講じているところであり、基本的には守っていきたい、こういう姿勢でございます。
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吉田正雄#7
○吉田正雄君 その大臣の言明は従来の方針を変えないということであるのですけれども、ただ私が心配いたしますのは、最近の新聞等のマスコミでは、盛んに今年産米の豊作や米の在庫増から食管制度の改革をキャンペーンしているように思われるのですね。豊作は自然的要因であって逆に不作の年だって出てくるわけです。したがってまた、古米在庫というのは政府の需給計画と見通しの誤りであるというふうに私ども思っているわけですね。さらに、米以外作物の対策に手を抜いてきた、そういうこともここに原因しているのではないか。したがって、大臣としては、いま食管制度の根幹は堅持をしていくということをおっしゃっておるわけですけれども、一番農家が、農家なり、あるいは消費者にとっても、この食管制度というものが安い消費者米価というものを保障してきたという点で非常に生活にとって重要な点であるわけですね。第一点の質問で、変える考えはないという答弁でありますので、その点はそういうふうに確認をしていきたいと思うのです。
 そこで、いま流通問題が出ましたけれども、私は、現行食管制度というものは堅持をしていくということになるならば、やみ米の流通というのはこれはやっぱり厳に取り締まるべきではないかと思うのですが、この点はどうですか。
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中川一郎#8
○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、米の流れについては、政府の配給米ともう一つは自主流通ルート、これは政府のもとに行われている一定のルールに従うものでございます。そのほかにやみがあると言われておりますが、その点についてはわれわれ認めているわけではありませんで、大量そして悪質なものについては、先般四十七年、丸紅のああいうときにはああいう措置を講ずる等、やはり不正なものは不正なものとして摘発もし監督もしていくと、こういう姿勢でございます。
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吉田正雄#9
○吉田正雄君 やみ米の流通については厳に取り締まっていくということで、これは当然だと思うんですが、そこで私は、今後食管制度の根幹については堅持をしていくんだということなんですけれども、しかし、実態として流通面からこれが実質的になしくずしにされていくという心配もあるわけです。聞くところによりますと、米の配給制度の改革案と言ったらいいんでしょうか、そういうものを政府は検討しておるというふうに聞いておるんです。あるいはまだ事務当局内部の検討で大臣のところまで上がっていないかもわからないんですが、大臣はそういうこと御承知なんでしょうか、あるいはそんなことはまだ検討していないということなんでしょうか。検討しておるとしたらどういう内容なのか、お聞かせ願いたいと思います。
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中川一郎#10
○国務大臣(中川一郎君) 先ほどもお話がありましたように、異常な米の過剰、在庫、食管の赤字、農政予算がもう組めないんじゃないかというぐらい混乱してございます。これは決して米の需給の見通しの誤りだけではなくして、今日の、最近の消費の減退、一方、価格面からかどうか、異常な生産意欲ということで、政府がいかに努力しても、需給のバランスをとろうとしても、そういった政府ではどうにもならない動きがあることも事実でございます。
 そこで、消費の拡大というようなことが今日最大の課題であるというところから、消費者米価も据え置くというような、赤字財政で本当に困っておるんでございますが、そういう措置を講ずると同時に、流通面においては消費拡大に対する努力が少ないんでないか、基本的には。配給という、言ってみれば親方日の丸的な、消費拡大については、ほかの商品に比べて努力が足りないということを基本的に私は考えております。そこで、もっとわれわれも努力するが、配給業者においても消費拡大について努力をする、若干の競争原理を入れていく。競争原理がなくて親方日の丸的なことをやっているもんだからふえないという一面もあるであろう。われわれも努力するが、生産者も努力し、流通過程も努力する仕組みというものを考えてみるべきだということで、私みずからが事務当局にそういうことを検討してくれとお願いをいたしておるところでございます。その検討につきましては、私も報告を受けておりますが、事務当局から内容については御報告いたさせます。
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吉田正雄#11
○吉田正雄君 大臣の消費拡大に積極的に取り組むというのは、これは当然なことなんですよ。ただ、消費拡大に取り組むということと、流通機構、制度、これを改めるということはまた別なことなんですね、これは。そこを混同してもらっちゃ困ると思うんですよ。たとえば、いま親方日の丸では困るんで競争原理というものを導入したいということをおっしゃったところを見ると、たとえば販売店の資格条件を緩和をしていくとか、もっと率直に言うならば、農協に小売店を認めるかわりに、逆に言うならば、小売店と言ったらいいんでしょうか、そういう問屋に逆に集荷というものを認めさせる、いわゆる相互乗り入れというふうな、こういうことは消費拡大とは直接関係のないことなんですよ。それを混同されちゃ困るんで、もしそういう考え方なり、そういう方向で変えていこうということになると、これは実質的に食管制度というものを流通面から崩していく、食管制度の根幹を破壊をしていくということに私はつながると思うんですね。まさか大臣はそんなことを考えておいでになるんじゃないと思うんですが、そのところがどうもはっきりしないんで、これ非常に心配な点ですので、もうちょっとそこのところをはっきりしていただきたい。
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澤邊守#12
○政府委員(澤邊守君) 基本的な考えにつきましては大臣からお答えしたとおりでございますが、私どもは流通の改善につきまして、消費拡大ということを一つの目標にした改善をしていきたいというふうに思っております。その場合、現行法との関係で御心配をされているのではないかというふうに思いますが、私どもとしては現行法の範囲内においてやる。したがいまして、現在法律に基づきまして販売業者の登録をいたしております。小売業者も、卸売業者も。そういう制度をやめてしまうとかというようなことまでは考えておるわけではございませんので、競争的な市場原理を導入すると言いましても、現在の法律の範囲内、制度の範囲内において行うということを考えておるわけでございます。
 そこで、消費拡大とその流通改善なり競争原理の導入というのはどういう関係かという点について私どもの考えを申し上げますと、やはり小売の問題が一番大事だと思いますけれども、現在、米の販売は店舗の数も、あるいは新規参入というものも非常に限定されております。これは現在の仕組みがそうなっておると、法律に基づく政令以下の運用でそのような運用をしておると、その辺がやはり他の競合食品、たとえばパンであり、めん類というものと直接主食として競合する面があるわけですが、これらの他の業種と比べますと、店舗は他の業種はもちろん自由に幾らでもふやし得るということで、競争しながら販売努力をしているわけでございますが、米の場合は、ただいま申し上げましたように、登録店の制度が非常に厳格に運用されているといいますか、弾力性がないために、店舗はふやせない、あるいは新たに参入できないというような面がございますので、これを無原則、自由にするというところまで考えているわけでございませんけれども、現在の登録制度の範囲内において、その辺を弾力化することによって、競争によって販売努力をする、それによって消費の拡大につながっていくというようなことを考えておるわけでございます。重点はもちろん小売段階でございますけれども、小売段階でそのような考えを実施してまいりますと、当然卸段階あるいは集荷段階にまで影響が出てくる面がございますので、それら各段階を通じていまのような基本的な考えの範囲内において検討しておるところでございます。
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吉田正雄#13
○吉田正雄君 現行法内において、ということなんですけれども、よく下位の法令が上位の憲法なり法律というものを、規則の面とか、そういう面で空洞化をしていくということがよくあるんですよね。そういう点で、私はいまの答弁、まさにそのとおり運用で拡大をしていくというふうなことで、最終的には無原則的にと言ったらいいんでしょうか、私が指摘をしたとおり、食管法の根幹を崩していくようなそういう運用というものはこれはやるべきじゃないと思うんですが、そんなことはないんでしょうね。ずばり言ってください。解説は要らないですよ。
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澤邊守#14
○政府委員(澤邊守君) そのようなことはございません。先ほど申し上げたとおり、現行制度の範囲内でやるということでございます。
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吉田正雄#15
○吉田正雄君 その次に大臣にお尋ねをしたいんですが、古米在庫の処理をどのようにお考えになっているのか。これも大分新聞論調等をにぎわしているんですけれども、御承知のように、本年も豊作であるというふうなことで古米在庫が累増していることは確かです。しかし、全国の農民の政府の指示する生産調整数量を涙ぐましい努力で消化をしておるわけですし、最終的なまだまとまった数字を聞いておりませんからわかりませんが、私は新潟県ですが、生産減反調整には反対だと言っている新潟県ですら、いまや目標を一割もオーバーをするという達成率になっているんですね。そういう努力をしておるんですけれども、ところが一方で、生産者米価が五十二年の場合にはわずか四%、五十三年産米においては据え置くという、物価上昇にも追いつかないそういう生産者米価で、実質的に農民の生活というのは切り下げを余儀なくされているわけですよね。つまり、政府の要請に全面的に協力をしながら、なおかつ、実際に報われているところというのは少ないわけですね。しかも、農家からするならば、この古米の累増というのはこれは農家の責任じゃないわけですよ。政府の方針に従ってやってきてなおかつそうなっているんですから、先ほども申し上げましたように、この余剰米については、これは政府の責任で当然処理をすべきものなんですね。
 そこでお聞きをしたいんですけれども、私が心配なのは、この古米在庫の処理についてまだ方針が決まっていないんじゃないかと、五十四年度予算の要求の中を見ても、どうもその辺がはっきりしてないということがあるわけです。方針が決まらない理由というのは何なのか。
 それから、まさかと思うんですけれども、在庫の過剰宣伝をすることによって食管制度廃止の世論づくりというものを意図的に行っているんではないかと、これは勘ぐりであれば幸いなんですが、そんなことはないと思うんですけれども。いま言ったように、処理の方針が決まっていないと思うんですけれども——決まっていたら聞かしてください。きのうあたり決まっているかもわかりませんが、決まっておらなかったらその理由と、いま言った心配の世論づくりではないかという点について、まずお聞かせ願いたいと思うんです。
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中川一郎#16
○国務大臣(中川一郎君) まず古米の処理方針でございますが、現実はことしの出来秋で五百三十万トンございます。そしてことしの出来秋では千百七十万トンか生産されれば一番——一番というか、需要に見合った数量であると、それに見合った生産ができるようにということで百七十万トンの生産調整、三十九万一千町歩の減反といいますか、転換をお願いしたわけでございます。現実は面積において全国的に一一%の増の達成率となっております。全国平均で。新潟県が一〇%。ところが、出来秋の米の状況はどうなのかというと、千百七十万トン期待しておったというか、予定しておりましたものが千二百五、六十万トンになったと。そうすれば八十万トン前後のものがよけいとれることになったと。そうすれば、ことし五百三十万トンのものに来年の秋八十万トン前後足しますから六百万トンの過剰米になる、こういうのが現実でございます。
 そこで、農家の皆さんにとっては大変なことでございましょうが、何か余ったことが政府の全部責任だとお考えになるところに私はちょっと問題があるんじゃないかと。やはり生産は消費のあるところに生産をするという一義的なところでなければなりませんし、生産調整が農家の努力だけによってやったと言われても困るんで、恐らく世界で類例のない生産調整協力費というものを反四万円から七万円というものを差し上げて、ほかの作物をつくったのと同じような収入が得られるように、それは個々のものについては増減、得損はありますけれども、全体的な計算からいけばまずまず米をつくったのと同じだけの収入が得られるようにということで二千数百億円の一般会計からの投入を図ってやっておるわけでございますし、米価は据え置いたと言いますが、私どもは米価は据え置いたとは思っておりません。すなわち生産調整に協力してくれた方には、昨年と同じような計算によって上がるであろう率を、米価そのものではありませんけれども、農家の収入になるように手当てをいたしておりますし、またその分だけをさらに生産調整に協力してくれた面積について対応する。生産調整に協力をしなかった農家は確かに据え置かれたかもしれませんが、生産調整に協力をされた農家にはしかるべき米価は差し上げておると、こういう基本的考え方でございます。
 そこで、本来ならば食管の仕組みというのは、国民に配給するに必要な米を責任持てばいいという仕組みでございます。したがって、限度数量というものだけを責任持てば一応法律上の責任は果たせるわけでございます。したがって、ことし五百三十万トン余っておりますから、あと三百万トンほど買えば結構だと、それ以外はどうぞ御自由にと、こう言えば言えないわけでもないとは思いますが、五百三十万トンは、これはそのうち必要な備蓄米は別として、それ以外はこれは余剰米対策で処分をして、そして単年度でもって需給のバランスをとろうということにしておるわけでございます。
 ところが、来年になれば六百万トン過剰米が出てくるといいますか、繰り越し米が出てくる。そのうち今度は備蓄米を何ぼにするかという問題が出てまいります。われわれとしては五、六十万トンもあればいいんじゃないかと。昭和四十五、六年のころは六十万トンもあればいいということだったんですが、その後過剰傾向になってきて百万トン、百五十万トンになってきたときに、これは国会においてもあるいは農業の皆さん方からも、備蓄米五、六十万というのは足りないんだと、二百万トンぐらいは必要だという、特に石油ショックもありましたもんですから、二百万トンぐらい持って何が悪いかということになってまいりまして、二百万トンが適正備蓄米の量であるということになったわけでございます。
 ところが、二百万トンを配給いたしてまいりますと、古米を配給するとはどういうわけだ、この消費拡大のときに二百万トンもの、何カ月分も古い米をやるなんというばかなことをしているから米が伸びないんであるということで、備蓄せよといった時期には備蓄でもってムードが沸いてくるし、余ってきたときには、備蓄米なんということを言った人もさらりと忘れて新米だけ配給しろという議論に変わっていくという、非常にわれわれとしても、世論や農民の皆さんの意向も聞かなければなりませんし、議会筋の意向も聞かなければいかぬ。
 さてどうするか、来年六百万トンのうち備蓄はということになると、私はもうこの際やはり備蓄というものはそんなに要らないのじゃないか——要らないのじゃないかと言ったって、それが五十万トンなのか百万トンなのか二百万トンなのか、ことし本当は二百万トンほど古米を配給していかなければ備蓄対策はできないんでありますが、できるだけひとついい米を配給米に回す。異常な消費減退でございますから消費拡大政策のためにやらざるを得ない。
 かくて、来年六百万トンのうち備蓄米に何ぼ回し、そして余剰米が何ぼになり、それをどう処分していくかということになると、これが大変な財政負担になるわけでございます。恐らく一兆円を上回る財政負担、昭和四十五、六年ごろの財政負担以上の負担になることだけはもう間違いがない。
 ところが一方、予算要求の枠は一三%で抑えられておる。一三%とすれば農林省の予算の枠というのは五千億足らずの増にしかならない。その中から減反で千億だ千五百億だと取られる。水産も大変な時代で、水産にもまとまった金が必要だ。木材関係も大変な時代だからまとまった金が必要だ。そこへ一兆円もの余剰米処理ということになれば、これはもう予算が組めない。農業基盤費から何から全部そっちへ振り向けなければ余剰米の処理ができない。これが外国に輸出いたしましても、最近ベトナムから欲しいというんですが、差し上げたらいいことには間違いないけれども、二百万トン欲しいというんですが、二百万トン差し上げれば何千億という一般会計からの繰り入れがなければできない。ただで差し上げればなおのことと。こういうことで非常にこの余剰米の処理には私ども頭を痛くしてどうにもならぬというぐらいでございますが、しかし、さりとてそうは言っておられない、持っておれば金利、倉敷で莫大な金もかかるということも明らかでございますから、来年度これを一体備蓄米を何ぼにし、それ以外の米をどういう年次でどういうやり方でやるかということを立てなければいかぬ時期に来ている。すべて今後ひとつなるべく早い機会に対処いたしたい、こういうことでございます。
 何かこれをキャンペーンに使っているなんということですが、キャンペーンに使って食管をなくそうというのじゃなくて、過剰米の時代になってくると備蓄米が必要だ必要だ、備蓄米が必要なんだから米価を上げていい、上げていいという、過剰米というものをよそにして米価議論があるということについては、私はキャンペーンではなくても、厳しい情勢というものを、消費者米価を上げなければならぬような生産者米価を上げる時期ではないという、しかし生産意欲はもちろん持つ米価でなければなりませんけれども、そういう点についてはこれは国会の皆さんにもあるいは生産者の皆さんにも、国民の皆さんにもよく御認識をいただきたい。過剰米については国家的事業であり、農村の大問題であって政府だけの仕事ではない、そういうことだけは篤と御認識願いたい、こういう気持ちでございます。
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吉田正雄#17
○吉田正雄君 大臣から大分長々と説明があったんですが、しかし長い説明にもかかわらず、やっぱりさっぱり要領を得ない内容じゃないかと思うんですがね。一貫してないんですよ。生産減反調整を農民に強いてその他の作物に転換をしても、転換をした作物の買い入れ等についての保証が何らない、価格の保証がない、これは後ほど申し上げたいと思うんですが。ですから、一面的に政府が強調をしてその政策に従っても、従った結果についてのまた保証がなされてないということがあるわけなんですね。
 非常にきょうは限られた時間なもんですし、これはまた農林水産委員会でもやるべき問題だと思うんですが、大臣、ここで要望しておきますけれども、農林水産委員会の開催回数というのはきわめて少ないんですよ。この国会でも、参議院の場合にはあす農林大臣が一回しか出席できない。たった一回ですよ。これでもって日本のこの重要な農政の問題を国会で論議するということは、これはまあ時間的に言って不可能なんですね。どうも最近、この委員会を避けてというか、回数を少なくする、大臣の出席はできるだけさせないというふうな何か動きがあるんじゃないかという感じがしてならないんです。これは勘ぐりであってほしいと思うんですけれどもね。
 そういうことで、この場を私は利用してお聞きもしているんですけれども、いま大臣の説明の中で、できるだけ消費拡大の観点から古米というものは余り配給しないで、できるだけ新米というものを配給していきたいというふうなことがちらっとあったんですが、その点はよろしいわけですね、新米の配給割合というものを高めていくと。できるだけ古米、古いものからやっていくなんと言うからますます消費拡大にブレーキがかかるんですから。その点はよろしいわけですね。
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中川一郎#18
○国務大臣(中川一郎君) これも御認識の間違いであって、古いものから配給していこうなんて言ったことはないんです。備蓄というものをやれば、前年産の古米の二百万トンなら二百万トンを先に配給しませんと、古古古米をやろうなんて考えたことはないんです。古米の分をまずやって、そして新米をやって、次の年はまたその新米を備蓄米として古米にやっていかなきゃいかぬということで、政府が古いものからまず食わせるんだなんという姿勢は全くございません。
 それから、新米の混入率は高めようということで最大の努力をいたしております。
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吉田正雄#19
○吉田正雄君 大臣、言い方が変わると非常に受け取る印象というものも違ってくるし、処理の仕方も違ってくると思うんですよ。古古米とは言わないけれども古米からまず食べてもらうんだという、しかしその新米も高めていこうと。私はそうじゃなくて、本当に消費拡大と言うなら、余っていることは事実なんですよ。どこを余すかというなれば、やっぱり古いものを余した方がいいんですよ。次から次へと新しいものを古いものにかえていって、古いものから食べさしていくんではなくて、どうせ余るんなら余るものは古いものを余らして、新しいものを食べさせることによって消費が拡大をしていくんですよ。これは古米と新米では、いわんや古古米と新米では全然味が違うわけですよね。これはもう私から一々大臣に言わなくたって、大臣だってこれはもう本当に専門家でおいでになるわけですから。
 そういう点で、私は消費拡大の観点からするならば、やっぱり配給米の割合というのは新米の割合を高めるべきではないかと言っているんですよ、従来よりも。そのことを言っているんですよね。
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中川一郎#20
○国務大臣(中川一郎君) それはいいんですが、古米を配給しなかったら備蓄はどうやってやるんですか。備蓄は一切要らないという議論ならばそういう理論はあるし、もうできたものを新しいもの、新しいものと食わしていけばいいですが、備蓄をして安定的にいつも二百万トンなら二百万トンは不自由させないようにしておけば、まず備蓄米から食べて新米を食べさせなければ、新しいものばかり食ってたら古古古古米になってしまって、人間は食えなくなってしまうでしょう、廃棄処分しなきゃならぬでしょう。備蓄をやるとすれば、備蓄分の古米となった備蓄米をまず食べてもらうという仕組みでなければ、備蓄というものは成り立たないんです。あなたの議論だったら、備蓄は要らないからもうこの際は新米だけ食って備蓄の心配はしないでいいというならそういう方法はできますけれども、備蓄をやる以上は、備蓄量だけはまず配給して新米に移らなきゃできないということを申し上げているんです。
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吉田正雄#21
○吉田正雄君 大臣、いまおっしゃっているのは、ちょっと論理的に合わないんですよ、数量の面からも。とれたものと在来の古米の総計が幾ら、本年度これから消費をしていく米は幾ら——いずれにしたって余ることは変わりないんですよ。だから、余るんですけれどもその余る量を少なくする、消費を拡大するにはどういう政策をとったら一番いいのかということを言っているんですよ。私は、選択はどういう選択をするのが最もいいのかということを言っているわけですよ。そういう点で私の、だから物の言い方、順序によって非常に受けとめ方が違ってくる。私はもう、すべて一切新米にして全部という言い方——高めなさいと言っているんですよ、新米の割合を。その点は異存はないんでしょう。
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中川一郎#22
○国務大臣(中川一郎君) ですから、先ほど長いと言われるぐらい、五、六十万トンあればいいというものであったんだが、生産者その他の声が非常に強くて、二百万トンぐらいは必要だというのがもう国会その他を通じての議論の結果として、長い間ここ数年やってきたんです。それをやっておったら悪い悪いと言われるから、それじゃやっぱり新米の混入率を高めなければいかぬかなあ、備蓄米を減らさなければいかぬかなあ、こういうふうに展開せざるを得ないという方向でやっておりますというので、あなた方の言うとおりやっていて怒られる必要は毛頭ないということを申し上げているんです。
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吉田正雄#23
○吉田正雄君 そこだけやっておってもしようがないですから……。
 ところで大臣、こういう事実はどうなんですか。いま古米が余って過剰だと言いながら、一方で海外から米加工品の輸入が拡大をしている。その実態を一体大臣は御承知なのかどうなのか、一体どれだけ量が拡大をされてきているのか。いきなりですから、資料がないかもわかりませんが、しかし、おわかりでしょう。それは規制措置というものを一体講じているのかどうか。一方で余っている余っていると言って生産調整を押しつけていながら、海外からのそういうものが輸入が拡大をしているんですよ、これは。これはどういうことなんですか。
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中川一郎#24
○国務大臣(中川一郎君) それの類似品は、米の加工品というのはあられと承っておりますが、あられは自由化しているものですから、自由化のものは自由化でやっていかなきゃいかぬという、これまた厳しい——さっきの備蓄と新米との関係で、備蓄立てれば新米立たずというのと同じで、自由化立てれば米立たず、米立てれば自由化成り立たずという苦しみの中に対処いたしておるわけで、決して米を見捨てて無策に入れているわけではありません。
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吉田正雄#25
○吉田正雄君 長官、米は一体幾ら輸入していますか。
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澤邊守#26
○政府委員(澤邊守君) 米は原則として輸入をしないということにしておりますが、昨年はモチ米が非常に不作であったということで、加工用を中心としたモチ米の不足ということになりましたので、ことしの始めから四、五月ごろにかけて約六千トン、中国、韓国、アメリカ、タイ等から輸入をいたしました。しかし、考え方といたしましては、原則としては輸入をしないという考え方でやっております。
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吉田正雄#27
○吉田正雄君 ここで時間がありませんから言いませんけれども、私のところへこの前米菓加工業者が来て、輸入米を使っていると言っているんですよ。それは間違いないですよ。だから、一方でそういう実態があってやっているなんて、そんな、話になりませんよ、それは。だから、大臣、どこまで実態を御存じか知りませんが、この点、次の農林水産委員会で聞きますから、よく調べておいてください。
 そこで、大臣にというか、これは事務当局になりますかね。この古米在庫処理について食管特別会計法の改正についてどのようにお考えになっているのか。これは一部新聞でも報道されておりますけれども、ただ問題は、新聞の記事によっては、食管特別会計法の改正、中身はそういうことなんですけれども、この表題のところを見ますと、食管会計そのものを何か変えるというふうにひょっと間違うような表現になっておるんですよ。これは全然違うわけなんでしてね。そういう点で、食管特別会計法の改正というのはこれは食管法そのものではないわけですね。これは従来も何回も改正をされてきているんです。そこのところは混同はないと思うんですが、必要ならば私はやるべきではないかと思っているんですが、その点はどうなんですか。
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澤邊守#28
○政府委員(澤邊守君) いまの問題をちょっとお答えする前に、先ほど私答弁で単位を間違えたかと思いますので、モチ米の輸入は六千トンとあるいは申し上げたかと思いますが、約六万トンの誤まりでございますので、ちょっと訂正させていただきます。
 それからもう一点。あられ、米菓に使っておるのではないかということで御意見ございましたけれども、当然米菓用という意味も含めまして、一般のモチ原料、米菓用も含めまして輸入をしたものでございますから、米菓にも回っておるということは当然その目的で入れたわけでございます。
 そこで、お尋ねの、食管特別会計法の改正を過剰米の特別処理をやるために考えておるのかという御質問でございますが、これは直接には大蔵省所管の、私どもと共管のような形になるわけでございますが、まだ相談をするところまで至っておりません。過剰米の処理につきましては、先ほど大臣がお答えいたしましたように計画的に処理をする——に着手をしなければいけないという段階に来ておりますけれども、その具体的な方法について検討を始めておるところでございまして、まだ成案を得るに至っておりません。大蔵省ともまだ御相談するところまで至っておりません。その場合、前回七百四十万トンの過剰米の処理をいたしました際に、御指摘のように食管特別会計法の附則を改正いたしまして、処理に伴います損失を、当年度補てんをしなくても処分後七カ年間で補てんをすることができるように、損失の繰り延べができるという臨時の措置を講ずるための特別会計法の附則を改正した経緯がございます。これも一つの考えかと思いますけれども、具体的な処理の方法とあわせて検討すべき問題だと思いますけれども、現段階でまだ具体的な処理計画自体、方針自体まだ固まっておりませんので、法律の改正問題をどうするかというところを結論を出しておるわけではございません。
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吉田正雄#29
○吉田正雄君 これは後ほど長官、いまの問題と・関連して食管予算について後で聞きますけれどもね。
 その次に大きな第三点として、大臣、水田利用再編対策についてお聞きしたいと思うんです。
 政府は、実施に当たって第一期三年間の目標数量百七十万トン、三十九万一千ヘクタール、これは固定をすると、変えないということをおっしゃっているわけです。また、米と他の畑作物との価格関係を是正すると言明もされてきておるんですね。これは「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について」、こういうことしの一月二十日の閣議決定があるわけですけれどもね。そういう点から照らしてお聞きをいたしたいと思うんですが、先ほど来、どうも新聞論調ということで、新聞論調でまさか大臣が動かされておるとは思いませんし、逆に裏の方で、新聞や、そういうふうな操作を農林水産省当局がやっているというふうな、これは私の勘ぐりらしいですから、その点はそうじゃないと思いますが、やはりことし豊作であったというふうなことから、生産調整数量を拡大すべきだという、せっかちな、性急な声というものが政府部内にあるというふうに私は聞いているんですよ。こうなりますと朝令暮改ですよ。この間までは三年間これは動かしませんと、こう言っておったのが、ことしは豊作だったからとてもたまらぬということで、これは拡大すべきだという声が部内に非常に強いということなんです。大臣お聞きになってなきゃそれは全く事務当局のことで全然心配ないと思うんですがね。その点どうなんですか。
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