予算委員会第三分科会

1981-04-01 参議院 全162発言

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会議録情報#0
昭和五十六年四月一日(水曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   分科担当委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     片山 甚市君
     桑名 義治君     鶴岡  洋君
     下田 京子君     立木  洋君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     山田  譲君    目黒今朝次郎君
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  出席者は左のとおり。
    主 査         宮田  輝君
    副主査         増岡 康治君
    分科担当委員
                梶原  清君
                鈴木 省吾君
                谷川 寛三君
                片山 甚市君
               目黒今朝次郎君
                鶴岡  洋君
                立木  洋君
                前島英三郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
   政府委員
       外務省経済局次
       長        羽澄 光彦君
       農林水産大臣官
       房長       渡邊 五郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     矢崎 市朗君
       農林水産大臣官
       房予算課長    京谷 昭夫君
       農林水産省経済
       局長       松浦  昭君
       農林水産省構造
       改善局長     杉山 克己君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省畜産
       局長       森実 孝郎君
       農林水産技術会
       議事務局長    川嶋 良一君
       食糧庁長官    松本 作衞君
       林野庁長官    須藤 徹男君
       水産庁長官    今村 宣夫君
       労働省労働基準
       局長       吉本  実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       労働省労働基準
       局補償課長    林  茂喜君
       労働省労働基準
       局安全衛生部労
       働衛生課長    林部  弘君
       自治省税務局固
       定資産税課長   渡辺  功君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和五十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和五十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和五十六年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
    —————————————
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宮田輝#1
○主査(宮田輝君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。
 まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 昨三月三十一日、松本英一君、桑名義治君及び下田京子君が分科担当委員を辞任され、その補欠として片山甚市君、鶴岡洋君及び立木洋君が分科担当委員に選任されました。
 また本日、山田譲君が分科担当委員を辞任され、その補欠として目黒今朝次郎君が分科担当委員に選任されました。
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宮田輝#2
○主査(宮田輝君) 昭和五十六年度総予算中、農林水産省所管を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。片山甚市君。
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片山甚市#3
○片山甚市君 私は、まず長崎の南部総合開発に関してお尋ねしたいと思います。
 これは、昭和二十八年以来の懸案事項でありますが、すでに多額な補償金も支払っておりまして、月日がたってまいりましたが、まだ結論が出ないようであります。特に、大蔵省の御意見によると、今回で引き延ばしは終わりだから、昭和五十七年度の予算の見積もりをするまでの間に提案をしてもらいたい、こう言っておるようでありますが、このいわゆる諌早の湾を締め切る作業についての進渉状況について御説明を願いたいと思います。
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杉山克己#4
○政府委員(杉山克己君) 長崎南部総合開発事業、略して南総、南総と称しておりますが、この事業は先生いま申されましたように、戦後間もないころから構想されておったわけでございます。幾多の変遷ございましたが、現在の事業は四十五年に調査を開始いたしまして、四十八年から実施設計に入っているところのものでございます。この時点からでもかなり時間は経過いたしております。ただ、地元といたしましては、大部分の関係者の同意も得ており、長崎県も強い意欲を持ってこれを実施したいということでございますが、現在なお一部の漁業者の反対もございまして、それらの意見を取りまとめつつあるところでございます。
 それから、予算の関係でございますが、補償につきましては、これは漁業権者との間で一応の仮合意といいますか、調印がなされておりますけれども、実際にまだ事業取りかかっておりませんので、補償の額の一応の算定はなされておりますものの、支払いには至っておりません。
 それから、毎年調査、それから一部の事業実施の経費が計上されているところでございますが、現在までのところ、本格的な着工にかかっておりませんので、それらの経費は過去数年にわたって繰り越し、繰り越しということで、実際には使われないでまいっておるわけでございます。五十六年度予算の編成に当たりまして、いつまでもこのような状況ではぐあいが悪いということで、財政当局ともいろいろ調整いたしまして、五十六年度のしかるべき時期までには、必ず地元の同意も取りまとめて、事業実施のめどをはっきりつける。じんぜん毎年同じように繰り越しというようなことのないように、きちんと措置をするということで合意がされているわけでございます。地元といいますか、長崎県初め関係者も十分そのことはよく承知しておりますので、残された期間に関係各方面の同意を得て、さらに積極的に意欲を持ってこの事業に取り組みたいという意向でございます。私どももその地元の取りまとめを見守りながら、これを積極的に推進するという考え方でおるところでございます。
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片山甚市#5
○片山甚市君 ただいま御説明ありましたように、この開発事業は昭和二十八年以来かかっております。と同時に、今日食糧の自給、食糧の安全保障という立場から言えば、農地、農用地、この確保は日本の国にとっては欠くことはできない。しかし、大変なお金がかかる問題でありますから、行政改革の今日の段階では、地元の住民の合意を得られないまま強硬に作業にかかるわけにまいらないことは言うまでもありません。そういう意味で九州農政局を中心にして努力をされておるようでありますが、関係方面の同意を得た上で円満にひとつ努力をしてもらいたいということを希望申し上げておきます。
 さて、私から大臣に対してお聞きしたいのですが、わが国の農政が直面している重大な課題について、本予算委員会を通じましてもしばしば提起されております。昨年十月末、農政審議会が答申した「八〇年代農政の基本方向」の中でも、いわゆる食糧安保を農政の重要な柱に立てておるのでありますが、鈴木内閣の総合安保構想は、大増税を国民に強いる一方、きな臭い軍備増強の強化路線を突っ走っている印象が強いのでありますが、食糧安全保障の重要性について大臣から御所見を賜りたい。特に亀岡大臣は福島県の出身で、その道については人後に落ちないと思いますから、きっぱりとお答え願いたいのですが、いかがですか。
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亀岡高夫#6
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、食糧自給力強化に関しましては、昨年の国会で衆参両院において自給力強化の決議をちょうだいしたわけでございます。両院がこのような決議をして政府に農政の重要さを認識させなければならないというあの当時の事情、私も議員の一人としてこの決議に参加をさしていただき、また現在農林水産大臣として職務を執行さしていただいております立場からかんがみますと、よくぞこの決議はしていただいた、こういうふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、当時、昨年の四月、五月、日本に対する各国からの農林水産物資の輸入が年々増加をいたしてきております。その輸入農産物の圧力と申していいのかどうかわかりませんけれども、国内の農民諸君の立場が年々困難さを増してくる。これらの相関関係にメスを入れなければ日本農政は確立できないということで、あの決議がなされたものと私は承知いたしております。したがいまして、あの決議に沿うためには、就任以来どうしても農政審議会の結論を一日も早く出してもらいたい、そういうことをいたしまして、農政審議会から、基本方向と十年後に対する需要と生産の長期見通しというものを答申を受けたわけでございます。これらの答申を踏まえまして、過剰なものから不足しているものへ需要の動向に応じた農業生産の再編成を図ることが大事であると考えまして、そうして国会の御決議の趣旨に沿わなければならない、こういう姿勢で取り組んでおる次第でございます。
 具体的に申し上げますれば、需要面では、本来わが国の気候風土に適した基本食糧を中心とした日本型食生活というものを基本にして、そして生産体制を固めていく。生産面では、もちろん国内で生産可能な農産物は極力これを国内で生産をいたしましてその努力を加えてまいりますとともに、昭和六十五年度を目標にいたしまして先ほど申し上げた需要と生産の長期見通しを閣議決定をいたしたわけでございます。そうして、今後の十年間における展望を明らかにし、これを基本にして具体的な行政としての取り進め方をやってまいろう、こういうふうにしたわけでございます。
 また、具体的施策といたしましては、輸入の依存度の高い小麦、大豆等を含めまして米や野菜や果実、畜産物など、国内で生産可能なものは、これはもう当然国内生産で賄うこととして、需要の動向に応じた農業生産の再編成をやっぱりやらなければならない、こういうことで昨年国会でおつくりいただいた農用地利用増進法を中心にした農地法、農業委員会法の改正案を中心にいたしまして規模拡大の努力を図りますとともに、農業技術を向上させまして品種改良等を早急に進め、その普及を図ってまいる。さらに優良農地や水資源、これを確保することはもう何といっても農業を進展せしめる基本でありますので、これらを実施してまいりますとともに、生産基盤の整備は、ただいま先生からも御指摘のあったように、相取り進めてまいらなければならないわけでありますので、これらを強力に進めてまいりたい。と同時に、やはり農村の地域社会の連帯感というものを大事にしてまいりませんと、真の生産力の増進というような目的は達成できない。特に農地の賃貸等をめぐっての円滑なる実施ということになりますと、どうしてもやはり地域社会の連帯感を増進するような農政を進めてまいらなければならない。こういう立場から、農村の整備、推進を進めるといったような考え方を中心にして、今後わが国農業の将来に明るい展望が持てるようにしてまいりたい。
 同時に、やはり先ほども触れました外国からの農産物の輸入につきましては、相手国とも十分話し合った上で、そうして適正輸入量とでも申しますか、日本の農業、農民諸君に本当に首つりをさせるというような事態にならぬような、やはり日本農民諸君にもある程度の納得を得てもらえるような量に限定をしていく、それを相手の国に十分理解してもらう、こういう努力をしていかなければならぬということで、実は擬装乳製品等につきましても、今回ニュージーランドあるいはEC等にそういう体制で事務当局も各省協力して努力をした結果、ある程度の話し合いに達したと、こういうこともございますので、これからもそのような姿勢でやってまいりたいと、こう考えておる次第であります。
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片山甚市#7
○片山甚市君 いま大臣からるる御説明がございましたが、決議の中にありますように、「先進諸国に較べ著しく低位にある我が国の食糧自給力の向上をはかり、国民食糧を安定的に供給することは、将に国政上の基本的且つ緊急の課題である。」と述べられております。そこで、いま大臣からも申されましたように、農業をやっていくためにはどうしても農地が必要ですが、杉山構造改善局長のお答えによると、全国の農地が毎年約八万五千ヘクタール程度宅地になっておるようであります。こういう件についてもどういうお考えなのか、これは御所見を賜りたいと思いますが、特にいま御説明がありましたように、わが国の食糧の自給率は、昭和五十四年度では穀物自給率は三四%しかないという御説明でありますが、政府の昭和六十五年長期見通しではこれをさらに三〇%にするということでありますが、食糧安全保障を口にするからには、自国における自給体制の確立ということが大原則だと思うんですが、そのためにいま申されたように幾つかの問題がありましょうが、もう一度この三〇%になる理由について御説明を賜りたいと思います。
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杉山克己#8
○政府委員(杉山克己君) 一番初めに、農地の改廃の状況についてお話がありましたので申し上げます。
 恐らくある新聞の記事によられたのかと思います。私もそれを拝見しましたが、構造改善局長が年々八万五千ヘクタールの農地が改廃されているというように書いてございますが、全くの誤報でございます。実態は、最近の状況を申し上げますというと、五十三年が五百四十九万六千ヘクタール、それが五十四年になりますと五百四十七万四千ヘクタールというようなことで、二万ヘクタール程度の年々の減少がございます。その理由といたしましては改廃があり造成があるということでございますが、改廃はこの時点でも五万ヘクタール程度になっておりまして、最近の動向としては、むしろこれは最近の経済情勢を反映しているのでございましょうか、やや減少するきみにある。これからはむしろ私どもはできるだけ改廃が小範囲にとどまることを期待しながら、同時に造成をできるだけ図っていくということで優良農用地の確保、できれば増加ということを図ってまいりたいというように考えているところでございます。
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渡邊五郎#9
○政府委員(渡邊五郎君) 自給率の点についてお答えいたします。
 今般、長期自給見通しを立てました際の自給率の考え方でございますが、大臣からも御答弁申し上げましたように、自給力決議等を踏まえまして、農林水産省としては第一義的に重要な農産物の自給率を高めてまいりたい、そうした意味で国民生活に直結し、かつ国内で生産可能な農産物を供給いたしたい。こういう観点から特に小麦、大豆、飼料作物というような作物については、それぞれ意欲的に自給力を高めてまいりたい。いわばこれらのものについてはかつて相当の生産を上げ得た実績等も有しております。そうした国内で生産可能な農産物をできるだけ高めたいということで、小麦につきましては六%から一九%へ、食用の大豆につきましては三一%を六一%、あるいは飼料作物につきましては約六割増しというようなふうにいたしたわけでございます。
 そのようなことにいたしまして、これらの作物についての意欲的な自給率の向上を考えておるわけでございますが、問題は穀物の自給率の点でございます。御承知のように穀物の自給率自体は、主食であります米麦の国内生産と、これらの増産は当然するわけでございますが、飼料穀物とされますトウモロコシ、マイロの類でございまして、豚肉、鶏肉等の畜産物需要の今後の増大に見合いますこれらの飼料穀物の供給につきましては、やはり国内資源の制約と収益性の面からわが国でこれに対抗し得る生産を確保することができません。全体の消費生活面その他を全般的に考慮するならば、やはり飼料穀物は当分は輸入に依存せざるを得ない状況がございます。そうした意味から大体二割程度飼料穀物の増加がございます。これらのトウモロコシ、マイロ等の輸入によりまして総合いたしました飼料自給率が低下するということがございます。そうした意味でこの問題も重要な問題でございまして、先ほど申しました大豆、麦、飼料作物の自給率をまず高めることが第一でございますが、なお今後の飼料穀物をどのように自給してまいるかというのが次の課題として私ども考えておるわけでございます。
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片山甚市#10
○片山甚市君 そういたしますと、いま御説明になりました輸入食糧については一わが国では約二千万トンに及んでいると聞いていますが、それは間違いありませんか。先ほどマスコミの、新聞によると八万五千ヘクタール、こう書いてありますのを全くけた違いの二万ヘクタールと、こうなりますから、もう一度輸入食糧の総数二千万トンに及んでおると聞いておるのですが、それは間違いありませんか。しかもそれはアメリカからの輸入が七〇%を占めておると言われています。一口で言ってわが国の命はアメリカにゆだねておると言っても過言でないと思います。不幸にして局地戦争や港湾ストなど思わぬ障害が起こって輸入が半減した場合はどうなるのか、政府は試算をしたことがあるかどうか、まずお聞きします。
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松浦昭#11
○政府委員(松浦昭君) ただいまお尋ねの穀類に関する日本の輸入量でございますが、ただいま先生おっしゃいました、約二千万トンとおっしゃいましたけれども、その数字はほぼ当たっております。
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渡邊五郎#12
○政府委員(渡邊五郎君) 輸入食糧が変化した場合の状況につきまして、計算したことがあるかというお尋ねでございますが、この件につきましては農政審議会におきまして、審議の過程におきまして私どもも一つの試算をいたしまして、現状の耕地面積おおよそ五百五十万ヘクタールでございますが、こうした状況で輸入の食糧が二分の一あるいは三分の一程度削減された場合を想定いたしますと、やはりそれに応じたカロリー水準といたしましては現在約二千五百カロリーと言われておりますが、それぞれ二千三百カロリーなり二千四百カロリー程度まで落とさざるを得ない。それに見合いまして耕地の利用率、端的に申しますと、水田の裏作等を相当大きく広げなければならない、あるいは畑作につきましては熱量効率の高いカンショ、バレイショヘの転換、畜産につきましても豚、鶏を中心にしまして減少は避けられなくなりますが、飼料用の大麦、裸麦の裏作の導入等、各般の営農的な面での対応は考えなければならない、こういった点も検討をいたしましたが、これらの問題についてはかなり前提が多いものでございます。また、耕地を六百万ヘクタール台にまで上げれば相当程度の自給度に達するわけでございますが、こうした方法論についてなお農政審議会におきましては検討を要すべき課題というふうな御指摘も賜っておりまして、そこで先般来省内にこの問題についての検討グループを結成いたしまして、目下こうした問題への積極的な取り組みにかかっておる段階でございます。
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片山甚市#13
○片山甚市君 そうすると、穀物の自給率が六十年に向かって低下する理由は何でしょうか。
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渡邊五郎#14
○政府委員(渡邊五郎君) 先ほどお答えいたしたところでございますが、トウモロコシ、コウリャンといったこの種の穀物と、もう一つは小麦のような麦類がございますが、私ども長期見通しにおきましては、小麦についてはこの長期見通し、十年後におきましては輸入量を減ずるという方向で小麦の増産なりを図っておりますが、飼料穀物でございますトウモロコシ、コウリャンにつきましては、これからの食生活の見通しを、日本型の食生活に移行いたすようにいたしましても、なお豚肉の消費なりあるいは鶏肉の消費なりは約四割程度ナショナル・ベースでは増加するだろう、こういうふうに見込まれます。できるだけこうした飼料穀物、雑穀類の節減に努めましても千六百万トンから千九百五十万トン程度、約二割程度の増加は避けられない。したがいまして、主食はほぼ国内の主食であります米麦については相当の高い自給率を保ち得ましても、これらの飼料穀物の二割程度の増加によりまして、全体の自給率が三〇%になる、穀物自給率が三〇%になる、こういうことでございます。
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片山甚市#15
○片山甚市君 いま農水省の方からは国民一人当たりの供給カロリーは二千三百カロリー程度だとおっしゃっておりますが、私の方が見た資料によると、輸入の食糧がストップした場合は、国民一人当たりの供給カロリーは千六百カロリー程度でありますから、労働ができないような状態になる。非常に国民の生命に対する飢餓線上にあると考えておるのです。見解の相違、また資料のとり方の相違があるとすれば後でお答え願いたいと思うんですが。世界貿易に占める日本の食糧の輸入シェアはどういうことになっていますか。
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松浦昭#16
○政府委員(松浦昭君) 国連の機関でございますところのFAOの統計をもとにして御説明を申し上げますが、一九七九年におきましての世界の農産物の総輸入額でございますけれども、これは二千百九十八億ドルでございます。このうち日本の輸入額が百六十一億ドルでございますので、シェアは七・三%ということになっております。なお、これを主要な品目別について見てみますと、わが国でなかなか、国内で生産がむずかしいという穀類等を中心にいたしまして、この輸入の比率が大きいわけでございまして、穀物について申しますと、世界の輸入額が総体で三百四十九億ドル、日本の輸入額は三十五億ドルでございますので、シェアは一〇%でございます。大豆につきましては世界が七十五億ドル、日本が十三億ドルで、シェアが一七・三%。それから粗糖でございますが、世界が九十七億ドル、日本が七億ドルでございまして、シェアが七・二%。かようなぐあいになっております。
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片山甚市#17
○片山甚市君 このように世界第一の輸入シェアを持っておる日本の国ということは、言葉を変えて言えば食糧の安全保障が十分行われておらないということであります。そういうことから、先ほども申しましたように国際情勢が変化する、各国の状況が変わってくるということを検討されましたときに、日本、わが国の食糧自給の現状については、国民の好みでなくて、むしろ世界の食糧を買いあさって日本が何とか生きておるというような状態は克服されるべきだと思いますが、大臣いかがでしょうか。
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亀岡高夫#18
○国務大臣(亀岡高夫君) 不時の出来事等がありました際には、食糧、農林水産物資を相当輸入に頼らざるを得ない日本の現状を見るとき、いま先生のような心配を持つのは、先生ばかりじゃなくて私どももその考え方を一にするわけでございます。したがいまして、できるだけ国際平和を維持する努力をいたさなければなりませんし、平和のもとであれば戦後三十数年の間実施してまいりましたこういう情勢も維持して、実行していくことができるわけでありますが、不時の出来事等がありますとどうするかという問題は私としても常に頭を悩ましておるところでございます。したがいまして、できるだけ安定的に供給できるような態勢を輸入面においても考えて実施をしておるわけでありますけれども、それよりもさらに国内でできる物は国内で自給をすると、そういう意味においてこの甘味資源と申しますか、砂糖、てん菜糖等の増産等も年々実施をされておりまするし、やはり何といってもこの飼料穀物が一番大宗を占めておるわけでございます。したがいまして、アメリカという安定した供給国家があるわけでありますけれども、やはりこれらをあるいは南半球に求めたり東南アジアに求めたりというような努力を今後積み重ねていく必要があると、こういうことでいろいろと検討をし努力をし、計画をして実施をいたしておるところでございます。タイがトウモロコシ以下日本の技術協力によって相当大きく進んでおるわけでありますが、日本には直接そのタイのトウモロコシは来ておりませんとしても、やはり国際食糧需給関係の中に非常に大きな貢献をすると、間接的には日本の飼料確保に好影響としてあらわれてくると、そういうような立場を今後インドネシアあるいはフィリピン等でもやりたいとこう言っておりますので、日本の農産物と競合しない面でもありますので、そういう面にも力を入れてまいりたいと、こう思います。
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片山甚市#19
○片山甚市君 飼料穀物全体で言えば、先ほども御説明のように世界貿易量の約一二・一%を買っておるし、それは世界第一でありますが、中でもトウモロコシなど粗粒穀物、大豆は世界貿易量の約二〇%でこれも第一位だということで、説明が農林水産省の資料であります。
 そこで、不測の事態に備えるためにということで、結局輸入食糧の備蓄基地の確保あるいは輸入ルートの確保のため、どこかの国と戦争をしてでも手助けをしてもらう、また軍備拡張をするというようなことでは、総合安保の実態はならぬと思いますが、いかがでしょう。
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亀岡高夫#20
○国務大臣(亀岡高夫君) わが国は、総理からもたびたび申し上げてありますとおり、平和国家としてどこの国とも平和関係を結び、そして信頼関係を結んで、その上に国づくりを進めてきておることは御承知のとおりでございます。したがいまして、今後も平和国家として国家的に果たさなければならない責務を十分果たしながら、農政面においても貿易面においても、日本の農業と競合するようなことなしで、外国の農産物を供給してもらえるようなやはり体制をつくり上げていくということが、私の努めであろうということで努力をいたしているところでございます。
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片山甚市#21
○片山甚市君 少し質問の問題が多過ぎますから、簡略にお答えをいただくことにして質問をします。
 国連食糧農業機構の西暦「二〇〇〇年の農業展望」の指摘では、栄養不足人口が世界で四億人も出る予定になる。したがって、食糧は現状の五〇%増産しなければならないと訴えておりますが、世界の食糧在庫総量は年々減少していると聞いてますが、経過的に計数をお知らせ願いたいと思います。
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松浦昭#22
○政府委員(松浦昭君) 世界の穀物の在庫量、在庫率でございますが、経過的に申し上げますと、現在の段階はいわゆる八一年見通しでございますが、これが約一四%でございます。七九、八〇穀物年度では一七、七八、七九が一九、七七、七八が一七、七六、七七が一八、その前の年が二年悪うございまして、七五、七六が一四、七四、七五が一四、その前の七三、七四が一五、七二、七三が一三、七一、七二が一七でございまして、最近の在庫率はかなり低下しているということが言えるわけでございます。
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片山甚市#23
○片山甚市君 世界の食糧事情の逼迫の主な原因はどういうことでしょうか。
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松浦昭#24
○政府委員(松浦昭君) 最近、食糧の事情がかなり逼迫してきておるわけでございますが、この要因は、まず一九七九年にソ連の大きな不作がございまして、これによりまして世界の穀物在庫がかなり減少したわけでございます。ところが、二年続きに世界的な穀物の供給の不足がございまして、特に一九八〇年の穀物生産につきましては、いわゆる米国の熱波による飼料穀物等への被害がございましたし、またソ連が前年に引き続きまして不作になりました。さらに中国が不作になる。日本も不作でございましたが、このようなことで世界的な異常気候によりますところの農産物の被害が見られたわけでございます。かようなことが要因かというふうに考えております。
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片山甚市#25
○片山甚市君 私の手元にあります気象庁のデータによると、一九七〇年には東欧の寒冬、七一年にアルゼンチンの豪雨、アマゾンの洪水、七二年にはソ連、インド、西アフリカなどの干ばつ、七三年には西アフリカの干ばつ、七四年には北米の霜の害、西欧の寒波、七五年にはソ連の暖冬、猛暑、七六年には西欧の猛暑と干ばつ、七七年にはアメリカの寒冬、七八年にはアメリカの寒冬と欧州の冷夏、七九年にはアメリカの寒冬とインドシナ半島の干ばつ、八〇年にはアメリカの熱波、東アフリカの干ばつ、日本の国の冷害、こういうことがありますが、異常気象を受けておる今日の状態の中で、農業は自然の気象の状態に非常に大きく作用されるということから、何としても私たちは予測することができないし、それからこれを防ぐことができないような事態も多い中で、農林水産省としては、これからの食糧の、先ほど言いましたように備蓄をもって、一たん事あるときに賄うつもりでおるのかどうか、もう一度お答え願いたい。
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渡邊五郎#26
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。
 備蓄につきましては、現在政府関係の団体等をも含めまして、おおよそ各農産物について主要なもの、米や、食管でございますが、その他大豆あるいは飼料穀物につきまして一、二カ月程度の備蓄を備えておりますが、これらはあくまで短期的な対応というような考え方に立っておりまして、五十六年度要求予算におきましても、これらの若干の積み増しをいたして備えておりますが、なお長期的な観点に立ちますと、やはり需要に合った農業生産になるべきであるということで、先ほども申し上げましたように、小麦、大豆あるいは飼料作物のような国内で生産可能なものはできるだけ生産を高めていくという形で、現在水田利用再編対策等も進めまして、国内の長期的には自給力を高めていくことがまず第一に必要なことだと、このように考えておるわけです。
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片山甚市#27
○片山甚市君 世界の食糧事情はこれから余裕がある時代じゃなくて、大臣、余裕がなくなってくる時代だと思います。それはよろしゅうございますね。
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亀岡高夫#28
○国務大臣(亀岡高夫君) 私どもも中期、長期的には先生と考えを同じくしております。
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片山甚市#29
○片山甚市君 三月中旬に来日されたタンザニア、ニエレレ大統領のわが国に対する率直な要望は何でございましたでしょうか。
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