公職選挙法改正に関する調査特別委員会

1982-08-04 衆議院 全320発言

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会議録情報#0
昭和五十七年八月四日(水曜日)
    午前十一時七分開議
 出席委員
   委員長 久野 忠治君
   理事 片岡 清一君 理事 小泉純一郎君
   理事 塩崎  潤君 理事 住  栄作君
   理事 佐藤 観樹君 理事 堀  昌雄君
   理事 石田幸四郎君 理事 中井  洽君
      上村千一郎君    大西 正男君
      後藤田正晴君    瀬戸山三男君
      田名部匡省君    竹中 修一君
      浜田卓二郎君    粟山  明君
      中村  茂君    山本 幸一君
      渡辺 三郎君    坂井 弘一君
      岡田 正勝君    安藤  巖君
      小杉  隆君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 世耕 政隆君
 出席政府委員
        自治省行政局長
        自治省行政局選
        挙部長事務取扱 大林 勝臣君
 委員外の出席者
        参議院議員   金丸 三郎君
        参議院議員   降矢 敬義君
        参議院議員   松浦  功君
        参議院法制局第
        二部長     三宅 将夫君
        参議院法制局第
        二部第一課長  播磨 益夫君
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   森広 英一君
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  岩田  脩君
        特別委員会第二
        調査室長    秋山陽一郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(参議院提
 出、第九十五回国会参法第一号)
     ————◇—————
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久野忠治#1
○久野委員長 これより会議を開きます。
 参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井弘一君。
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坂井弘一#2
○坂井委員 提案されております拘束名簿式比例代表制の問題点につきまして、お尋ねをしてまいりたいと思います。
 今回の案を見まして、地方区と全国区、この二つで構成されます参議院の制度が、全国区が独走してしまった。そこで、選挙制度全体をながめますと、小選挙区制あり中選挙区制あり大選挙区制あり、かつ個人選挙、そして政党選挙、こういう混在しておるといいますか、きわめてでたらめな制度になってしまった、私は一言で申しましてそう言わざるを得ないわけでございます。
 加えて、公職選挙法自体が個人選挙を本位にして今日まで運用されてまいりましたし、また公選法の仕組みが個人本位、個人選挙本位になっておる。そこで、個人本位と政党本位、この二つの選挙の調整というものが公選法上なされなければならない。しかし、これが未調整のままで提案をされてきておる。その組み立てが、そういう意味でも前段申しましたとおりきわめてでたらめな感じになっておる。これは感じだけではありませんで、実は憲法上きわめて容認しがたい問題が具体的にございます。したがって、私はその所在につきましてここで明らかにしてまいりたい、こう思います。
 そこで、その前提としてお伺いしたいわけでございますが、一体政党とは何ぞや、政党の定義につきましてここで改めてひとつお示しをいただきたいと思います。
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金丸三郎#3
○金丸参議院議員 政党の定義というお尋ねでございますが、先生方もよく御承知のように、政党と申しますものは、一定の政策、政治綱領を掲げ、その実現を期する政治家の集団である、このように申してよろしいのではなかろうかと思います。
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坂井弘一#4
○坂井委員 それでは、今回政党要件として三つお挙げになりました。衆議院議員、参議院議員五人以上所属しているもの、これが政党要件の第一でございます。この規定を設けました根拠になったものは何でしょうか。
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松浦功#5
○松浦参議院議員 お答え申し上げます。
 政党法のない現在におきまして、私どもは政党本位の選挙というものを考えます際に政党らしい政党というものがどうしても要件となるのではなかろうか、こういう考え方で現行法との対比を考えまして、政治資金規正法の規定におきまする所属国会議員五人、これを要件として引っ張ってきた、こういうことでございます。
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坂井弘一#6
○坂井委員 さらに念を押してお尋ねしたいと思います。確認をいたしたいと思いますが、政治資金規正法第三条二項三号、ここで言いますところの政党、これを引用いたしまして、衆議院議員、参議院議員五人以上所属、つまり今回の改正案によりますと、第八十六条の二、一項、「当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」この条項は政治資金規正法第三条二項三号を引用した、こういうことでございましょうか。
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松浦功#7
○松浦参議院議員 現行法規との関連を考えて、ただいま御指摘のような部分を引用した、こういうふうにお答え申し上げます。
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坂井弘一#8
○坂井委員 それで、私の問題提起の前提としてお尋ねをいたします。
 現行政治資金規正法上で言う、つまりいま申しました第三条二項三号に示されております衆議院議員、参議院議員五人以上、この衆議院、参議院五人以上の衆議院が解散されまして、衆議院議員としての資格のない人が含まれました場合、政治資金規正法上で言う衆議院議員、参議院議員五人以上所属している政党ということになりますか、それとも政党ではないということになりますか。いかがでしょう。
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大林勝臣#9
○大林政府委員 現在、政治資金規正法では仰せのような三つの要件を政党の資格としてつくっておるわけでありますが、御質問の五人以上の国会議員が所属するという一つの要件について、たとえば解散ということがございますとその時点で身分を失う。身分を失えば五人未満になりますから、その時点から政治資金規正法上は政党ではないではないか、こういう御趣旨であろうと思いますが、政治資金規正法の趣旨から申しますと、要するに政党の定義というものはなかなかつけがたい。つけがたいわけではありますけれども、結局本来の政党というものは、やはり少なくとも国会の選挙に参加するあるいは国会活動に参加する、これが一番大きな要素であろうと私ども考えております。そのほか真剣さであるとか継続性であるとか、いろいろな要件はありましょうけれども、いろいろ諸外国の政党要件を見ましても、最終的には国会の選挙に参加するあるいは国会活動に参加するというのが政党の要素としては一番ウエートの高い要素であると思います。そういう趣旨から五人という腰だめをつくってはおりますけれども、少なくとも五人ぐらいの国会活動を示す団体というのは政党として認定すべきであろう。ただその場合に、御質問のように急に解散というような思いもかけない事態が出ましたときには、結局五人未満になりましてもそれは何も政党のせいではございません。したがって、制度的な激変ということによってその瞬間に政党資格を持っておったものが急に政党資格がなくなるというのもいかがか。したがって、政治資金規正法の取り扱いの上では、選挙期間中五人未満になっておりましても、要するに政治資金の総量規制の問題については、次の選挙でどうなるかわかりませんけれども、少なくとも選挙期間中については五人未満ということになっておりましても政党資格は認定する解釈、取り扱いをいたしております。
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坂井弘一#10
○坂井委員 私はこの問題で実は突っ込んだ議論をするつもりはないのですが、ただいま大林選挙部長まあ五人ぐらいということでのお話しでございます。これまた、ぐらいということでも公選法上はずいぶん問題になってくると思うのですが、それはそれといたしましても、いまのような御見解は、政治資金規正法が制定されまして今日までずっといろいろな過程、変遷があるわけでございますけれども、いまお示しになりました見解は、最初の時点から一貫した御見解ですか。
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大林勝臣#11
○大林政府委員 最初制定をされまして以来、そういう事態が出たらどう考えるべきかという勉強はしておりまして、結局現在の段階ではそういう結論を持っております。
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坂井弘一#12
○坂井委員 要するに、これは委員長、お聞きしておいていただきたい。私が公選法上問題提起、これから指摘をいたしますが、こういうことがありますよということで、先ほど言いました公選法八十六条の二の一項一号、衆議院議員、参議院議員あわせて五人以上を有するというのが政党要件の第一である。これの出発点、引用はどこかといいますと、政治資金規正法の第三条二項三号、ここから引用したのだということですね。実は解散になった場合一体どういうことに見るのか。衆議院議員という資格、身分をすでに失ったそういう段階でどういうことになるのだろうかというところで、引用されました政治資金規正法上の政党、衆参国会議員五名、これは衆議院が解散の時点では衆議院議員の身分ありと見るのか、あるいはなしとするのかという点についてお尋ねをいたしてまいりましたところ、いまの段階で、いま大林選挙部長がお答えいただいたような見解がなされた、こういうことである。これは実は政令においてもこの辺のところは全くきちんといたしておりません。したがって、そういう詰めのない、詰めのないと申しますか、その身分をどう見るかということについてはっきりした判断、見解、そういうものがないままに今回の公選法上の政党要件に引用されてきておる。ここに実は大きな問題が所在するわけでございます。その問題点とは何かということにつきましてお尋ねを進めてまいりたいと思います。
 その前に、改正法第八十六条の三で「政党その他の政治団体は、参議院議員の任期満了の日前九十日に当たる日から七日を経過する日までの間に、」「政党その他の政治団体の名称及び」略称を中央選挙管理会に届け出する、こういうことになっております。政党要件である国会議員が五人おりまして、実はその中に衆議院議員が含まれておる。参議院議員三名、衆議院議員二名と仮に仮定いたしましょう。衆議院が解散されました。解散によりまして憲法四十五条によりまして衆議院議員の任期は終了いたしまして、議員の身分がなくなる。つまり衆議院議員でなくなる。これは憲法上自明のことでございます。つまり、この時点におきましては参議院議員三名しかいない。こういう段階で、すでに九十日前の届けの時点では参議院議員に三名、現職の衆議院議員二名、政党要件を満足いたしまして政党の名称及び略称の届け出を済ませておりました。その後におきまして衆議院が解散になった。衆議院議員はなくなりました。参議院議員三名であります。この場合、届け出されました政党の名称及び略称は有効ということに見るのでしょうね、これは念のために。もし有効とするならば、それを有効とする根拠は政令等にゆだねるということになるのでしょうか。
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降矢敬義#13
○降矢(敬義)参議院議員 ただいまの衆議院の解散の場合に五人の衆議院の数の計算はどうするか、そういうことを私たちも議論いたしまして、八十六条の二の第十二項にそれに関する規定を置いたわけでありまして、いま御指摘の五人に関する「衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」まさに先生が御指摘のような解散の事態になったときに衆議院議員でなくなりますので、そこでそういう事態を予想して、数の算定についての「必要な事項は、政令で定める。」こういう規定を置いたわけであります。したがいまして、いまの五人というときの解散の衆議院議員の数の算定は、この政令でいわば特例を考えるという根拠をわざわざ置いたわけでございます。
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坂井弘一#14
○坂井委員 さて、問題は、今回の参議院比例代表選出議員の選挙で、名簿による立候補の届け出の際に、政党要件であります国会議員が五人、これは先ほどの例を引用いたしまして参議院議員三名、衆議院議員二名、あわせて五人といたしましょう。ところが衆議院が解散をされました。したがって、衆議院議員としての資格がなくなった。言うなれば前衆議院議員であります。そういう人を含めて、参議院議員三名、あわせて五名であるということで名簿による立候補の届け出はできますか、できませんか。解散した、そこで衆議院議員の資格はございません。そういう人を含めて五名として立候補届け出することは私はできないと思う。要件を満たしていないと思いますけれども、いかがでしょうか。
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降矢敬義#15
○降矢(敬義)参議院議員 いまの政令でその点を明確にするために十二項という規定を設けたわけでございまして、数の算定に関しその他必要な事項ということでありますので、いま御指摘のような点は、衆議院が解散になって衆議院議員はいない、そういう事態の中で政党を数える場合の根拠をわざわざ、そういう問題があるとわれわれは議論して考えましたので、政令でその点を明確にさせていただきたい、こういうことで十二項を置いたわけであります。
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坂井弘一#16
○坂井委員 要するに、八十六条の二の一項一号で「当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」これは明らかに現職の参議院議員であり衆議院議員である。参議院議員、衆議院議員の身分、資格、これを有する人五名をもって政党とする。しかるに、もし解散というような事態に相なったならば、衆議院議員はその資格を失ってしまう。そういう人が加わった五名というのは、これははなはだ困る。しかしながら、それでもなおかつ有効にしようというわけで、八十六条の二の第十二項におきまして、「第一項第一号に規定する衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」つまり政令にゆだねた、こういうことでございますか。念のために。
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降矢敬義#17
○降矢(敬義)参議院議員 そのとおりでございます。
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坂井弘一#18
○坂井委員 なぜ法律で書かないのですか。なぜ公選法という法律の中で条項を起こしてそのことをきちんと書かないのですか。いいですか。少なくとも参議院の選挙制度の根幹にかかわる重要な政党要件ですよ。その政党要件は、衆議院議員、参議院議員、それぞれあわせて五名をもって政党とするという要件、一つ枠がはめられた。このことについても実は議論があるのですが、そういう一つの枠。明らかに現在衆議院議員であり参議院議員である、現職国会議員であるという立場において第一号は書かれているはずなんですね。しかし、解散等の事態を想定いたしますと、とりわけ前回のダブル選挙、このようなことを想定いたしますと、衆議院の解散ということになった場合には、せっかく届け出の段階では衆議院議員であったけれども、その後解散になった、そしていよいよ公示になった、名簿を届け出る、その段階ではもう衆議院議員ではない、そういう人をそれであってもなおかつ衆議院議員とみなすのだ、言うなればみなし規定を十二のこの「政令で定める。」政令というところに置いた、こういうことでしょう。そこのところをもう一回はっきりとお答えをいただきたい。
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降矢敬義#19
○降矢(敬義)参議院議員 われわれは、何回も御説明しておりますとおり、政党らしい政党というものを考えて、その根拠に政治資金規正法にある政党のところを引用させていただきました。原則は法律できちっと書いたわけでありますけれども、いま御指摘のような事態については、衆議院議員の数の算定ということをきちっと政令の各事項の中に書きまして、そしてそのところは特別の例外の場合でありますので政令に委任したわけでございます。
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坂井弘一#20
○坂井委員 さて、そこのところなんですよ。いま言いました改正案八十六条の二の十二項では、「第一項第一号に規定する衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」数の算定をしましょう。「その他同項の規定の適用について必要な事項」、その他の必要な事項として、「その他」の解釈の中に、解散によって衆議院議員でなくなった人、それも衆議院議員にみなそうという規定を政令にゆだねてしまう。こんな粗っぽい話がありますか。そうであればなぜここに法律でそう書かないのですか。解散の時点においても、仮に衆議院議員の身分を失っておったとしても、それはここでいう政党要件五名の中の資格のある人とみなすという条項をどうして法律で書けないのですか。これは法律で書けないのでしょう。つまり、金丸先生しばしば引用されますとおり、憲法四十七条で、選挙の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める、こう明定されております。本来ならば法律で書かなければいかぬ。それははっきりここに法律で書くべき事項なんですよ。書くべき事項であるにもかかわらずなぜ書けないのか。これは理由があるのです。憲法上また書けないのでしょう。別の憲法から。それはもし後で議論あれば私に……。
 この問題については、私は私なりに徹底して調査研究いたしました。したがって申し上げてまいりますけれども、つまりいま申し上げますことは当然法律として書くべきことである。それは何か。憲法四十七条におきましても、選挙の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定めるとはっきり書かれております。はっきり書かれておるとするならば、公選法、この法律の中にきちんと書くべきです。政令にゆだねる、政令で定める。選挙のそういう方法ですよ。少なくとも選挙に関して、政党要件五名を満足させる資格のある人であるのかないのか。現職の衆議院議員であれば、これはもう何ら文句の言うことはございません。ただ解散になったときに、憲法四十五条で身分を失ってしまう。それでは困る、それを何とか救おう、数の中に数えようということで、これを政令にゆだねようとするのでしょう。制度の根幹にかかわる重要な政党要件を法律で書きなさいと憲法四十七条では言われながら、あえて法律で書かないで、どうしてそんな大事なことを政令にゆだねるのですか。お答えください。
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降矢敬義#21
○降矢(敬義)参議院議員 先ほど申し上げましたとおり、原則は法律で書きましたけれども、具体的な事項について例外という事態を想定して政令で書いたのでありまして、決して私たちはそれが法律に違反するというようなことは考えておりません。
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坂井弘一#22
○坂井委員 もっと端的な例を申しましょう。八十六条の二の一項一号、何回も繰り返しますが、いわゆる政党要件、「当該政党その他の政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」となっておりますから、衆議院議員五人、これで満足ですな。解散になりました。国会議員ゼロです。一人もおりません。そうしたらこの条項は一体どうなるんですか。一人もいなくなりますよ。衆議院議員五人でいいでしょう。解散になりましたよ。解散になれば憲法に従って衆議院議員の身分はなくなりますよ。前は衆議院議員だったんですよ。いまは国会議員でないんです。ゼロですよ。一人もいない。一人もいないんだったらならば、何も第一号に、ここに書かれている「衆議院議員又は参議院議員を併せて五人以上有すること。」何の意味もなくなるじゃありませんか。明らかにここで想定したのは、これは現職の衆議院議員であり参議院議員でしょう。理の当然ですよ。しかしあなた方おっしゃるように、それでは解散したときに困るからというわけで、それを政令にゆだねようとするんですよ。政令でゆだねるというようなことはしなさんな。ちゃんと憲法で、法律で書きなさいと書いてあるんですから、どうしてここに法律で書かないんですかと言うんです。これは修正してくださいよ。法律で書いてくださいよ。大事な議員の身分に関することであります。資格に関することであります。
 同時に、そのことはまた立場を変えて言うならば、これは選挙する側からしても重要なかかわりあいのある問題であります。国民の権利、利益、これにかかわる事項だと思います。重大な参政権ということを考えますと、国民のそうした権利あるいは利益にかかわる事項を安易に政令にゆだねるというようなことは、断じて私は容認できない。憲法におきましても明確に法律で書きなさいと書いてある。これはきちんと書いてもらいたい。
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三宅将夫#23
○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。
 ただいま先生がおっしゃいましたのは解散についてでございますけれども、参議院議員についても、参議院議員の通常選挙が例外的には参議院議員の任期満了の後に行われる場合がございます。そういう場合は、この五人の、要件と申しますのは、名簿を選挙長に提出いたします時点においてでございますので、その時点では参議院議員はやはりゼロだということになります。
 そういうように、先生のおっしゃいます解散のような場合、それから参議院議員の任期満了後に通常選挙が行われますような場合のような例外的な場合でございますので、これを一々法律に書かないで政令に委任することは、普通こういう例外的な事項は政令に委任する、これは差し支えないものかと思います。憲法四十七条で選挙に関する事項は法律で定めると書いてございますけれども、こういう例外的な事項については政令に委任することは憲法の容認するところである、このように考えるわけでございます。
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坂井弘一#24
○坂井委員 せっかく法制局御答弁だけれども、それはきわめて勝手な解釈ですよ。立法府として私はそのような解釈にはとうてい立てませんね。そんなばかな話がありますか。政党本位の選挙にしようとして、これはまさに今度の制度の根幹にかかわる問題ですよ。要するに、政党要件として衆参国会議員五人を有するのだということは、五人ぐらいとかなんとかという話じゃないんです。これは各政党にとりましても団体にとりましてもきわめて大事な、選挙に参加することができるのかできないのか、候補者を立てることができるのかできないのか、有権者の方からしますと、参政権としてそれを行使することができるのかできないのか、国民の権利とか利益とかいうことにもかかわるきわめて重要な問題ですよ。制度の根幹をなす問題なんですね。それを、いまおっしゃるように政令にゆだねることは何ら問題ございませんという御答弁に私は同意をするわけにはいかない。法律で書くべきだと思います。どうして書けないのですか。そんな政令にゆだねるような片々たる問題ですか。そんな認識で法制局、作業されたのですか。私はとうていそうは思わない。仮にそういう認識で法制局が作業をしたのだ、決してこれは憲法上問題はないのだとおっしゃられても、私はそれを素直にああそうですかと言って引き下がるわけには断じていかない。国会議員の身分に関すること、あるいは参議院の選挙制度の根幹をなすべき重要な政党要件、その政党要件について法律で書かなければならないことを政令にゆだねるのだ、それでも問題ございませんというような答弁に対して、さようでございますか、わかりましたと言うわけには断じていきません。納得ができない。
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三宅将夫#25
○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。
 八十六条の二の十二項、御指摘の条文は、「第一項第一号に規定する衆議院議員又は参議院議員の数の算定その他同項の規定の適用について必要な事項は、政令で定める。」こう書いてあるわけでございまして、この具体的な算定の問題は一般的なものじゃなくてきわめて例外的なものでございますので、このような例外的な事項につきましては政令で定めることは許される、このように憲法上何も問題はないと考えておるわけでございます。
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坂井弘一#26
○坂井委員 きわめて例外的と言うが、そんな例外じゃないんですよ。容易に想定される、現実にあり得べきことなんです、解散というようなことは。そうでしょう。そんなことは例外だ、解散によって議員の資格がなくなった、それは例外的なことだから、政令でその場合資格がなくなっても議員とみなすんだということを書けばいい、そんな粗っぽい法制局の見解に対しては私は納得はできない。法律で書いてもらいたい。
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三宅将夫#27
○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。
 この問題は、政党要件の五人の議員にどういう人を、たとえば解散して現に身分を失っている人をカウントするかどうかという問題でございます。政党要件の議員のカウントの問題でございまして、議員の身分を失わせるとか議員の身分に変動を生ぜしめるとかいうことではございませんので、この程度の特定した、ある意味では技術的な事項は政令で書くことは差し支えない、このように考えております。
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坂井弘一#28
○坂井委員 そんなに軽々に考えないでくださいよ、国会議員の身分を、資格を。そんなこと政令で定めていいのですか。内閣の職務、憲法七十三条六号「但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。」これを受けて内閣法第十一条、国家行政組織法第十二条四項、これが設けられておりまして、内閣法第十一条、政令の限界「政令には、法律の委任がなければ、義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない。」ということでもって政令にゆだねましょう、こう言うのでしょうけれども、そんな簡単な問題ですか。政党要件として衆参国会議員五名と決めたことが、解散になって身分を失ってもそれは国会議員とみなすんだというようなことを政令にゆだねるほどに軽々な簡単な問題ですか。いまのお答えはとうてい納得できません。重ねて申しますけれども、法律できちんと書いてください。
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三宅将夫#29
○三宅参議院法制局参事 お答えいたします。
 これは特に議員の身分を失わせるとかそういう問題ではなくて、政党要件を考えます場合に、選挙長に名簿を届け出ます時点におきまして、すでに解散しておりますので衆議院議員としての身分は持ってはおりません。あるいは参議院議員の場合、通常選挙が任期満了後に行われる場合は参議院議員としての身分は持ってはおりませんけれども、参議院議員の身分を、政党要件を設けました趣旨からいいまして、そういうものを除くことは不自然でございますから、政党要件の取り扱い上参議院議員、衆議院議員として取り扱うということでございますから、こういう事項を政令で書くことについては何ら問題ない、このように考えております。
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