予算委員会第三分科会

1982-02-27 衆議院 全301発言

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会議録情報#0
昭和五十七年二月二十七日(土曜日)
    午前九時三十分開議
 出席分科員
   主 査 海部 俊樹君
      亀井 善之君   小宮山重四郎君
      藤本 孝雄君    池端 清一君
      加藤 万吉君    野坂 浩賢君
      草川 昭三君    吉浦 忠治君
      青山  丘君    木下敬之助君
      瀬崎 博義君
   兼務 稲葉 誠一君 兼務 岡田 利春君
   兼務 有島 重武君 兼務 薮仲 義彦君
   兼務 安藤  巖君 兼務 金子 満広君
   兼務 栗田  翠君 兼務 阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 森下 元晴君
        自 治 大 臣 世耕 政隆君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議室長兼内閣総
        理大臣官房審議
        室長      石川  周君
        厚生大臣官房会
        計課長     坂本 龍彦君
        厚生省公衆衛生
        局長      三浦 大助君
        厚生省医務局長 大谷 藤郎君
        厚生省薬務局長 持永 和見君
        厚生省社会局長 金田 一郎君
        厚生省児童家庭
        局長      幸田 正孝君
        厚生省保険局長 大和田 潔君
        厚生省年金局長 山口新一郎君
        自治大臣官房長 石原 信雄君
        自治大臣官房審
        議官      小林 悦夫君
        自治大臣官房会
        計課長     沢田 秀男君
        自治省行政局長 砂子田 隆君
        自治省行政局公
        務員部長    大嶋  孝君
        自治省行政局選
        挙部長     大林 勝臣君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        自治省税務局長 関根 則之君
        消防庁長官   石見 隆三君
 分科員外の出席者
        北海道開発庁計
        画官      宇山喜代人君
        防衛庁経理局工
        務課長     及川 康男君
        大蔵省主計局主
        計官      八木橋惇夫君
        大蔵省主計局主
        計官      篠沢 恭助君
        文部省初等中等
        教育局高等学校
        教育課長    中島 章夫君
        厚生省保険局歯
        科医療管理官  山本  治君
        社会保険庁長官
        官房審議官   新津 博典君
        労働省労政局労
        働法規課長   齋藤 邦彦君
        労働省職業訓練
        局管理課長   菊田  顯君
        建設省住宅局住
        環境整備室長  中田  亨君
        自治省財政局指
        導課長     木村  仁君
    —————————————
分科員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  大原  亨君     加藤 万吉君
  草川 昭三君     吉浦 忠治君
  木下敬之助君     竹本 孫一君
  瀬崎 博義君     小沢 和秋君
同日
 辞任         補欠選任
  加藤 万吉君     池端 清一君
  吉浦 忠治君     斎藤  実君
  竹本 孫一君     青山  丘君
  小沢 和秋君     藤田 スミ君
同日
 辞任         補欠選任
  池端 清一君     大原  亨君
  斎藤  実君     草川 昭三君
  青山  丘君     木下敬之助君
  藤田 スミ君     岩佐 恵美君
同日
 辞任         補欠選任
  岩佐 恵美君     村上  弘君
同日
 辞任         補欠選任
  村上  弘君     三浦  久君
同日
 辞任         補欠選任
  三浦  久君     中島 武敏君
同日
 辞任         補欠選任
  中島 武敏君     瀬崎 博義君
同日
 第一分科員稲葉誠一君、第二分科員有島重武君、
 阿部昭吾君、第四分科員岡田利春君、第五分科
 員薮仲義彦君、安藤巌君、金子満広君及び栗田
 翠君が本分科兼務となった。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和五十七年度一般会計予算
 昭和五十七年度特別会計予算
 昭和五十七年度政府関係機関予算(厚生省及び
 自治省所管)
     ————◇—————
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海部俊樹#1
○海部主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算及び昭和五十七年度政府関係機関予算中自治省所管について政府から説明を聴取いたします。世耕自治大臣。
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世耕政隆#2
○世耕国務大臣 昭和五十七年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一に、一般会計予算でありますが、歳入は千九百万円、歳出は九兆七千八百五十五億一千九百万円を計上いたしております。
 歳出予算額は、前年度の予算額八兆九千七十三億九百万円と比較し、八千七百八十二億一千万円の増額となっております。
 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省九兆七千六百四十七億九千二百万円、消防庁二百七億二千七百万円となっております。
 以下、主要な事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。
 よろしくお願いを申し上げます。
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海部俊樹#3
○海部主査 この際、お諮りいたします。
 自治省所管関係予算の重点項目については、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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海部俊樹#4
○海部主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    —————————————
    〔世耕国務大臣の説明を省略した部分〕
 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。
 最初に、自治本省につきまして御説明を申し上げます。
 まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、九兆二千三百九億二千百万円を計上いたしております。
 これは、昭和五十七年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額九兆二千四百五十一億二千万円から昭和五十五年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れられた額百四十一億九千九百万円を控除した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 次に、借入金等の利子の財源の繰り入れに必要な経費でありますが、四千五十六億百万円を計上いたしております。
 これは、地方交付税交付金に係る借入金及び一時借入金の利子の支払い財源を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、百九十九億五千万円を計上いたしております。
 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し助成交付金を交付するためのものであります。
 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十二億円を計上いたしております。
 これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し調整交付金を交付するためのものであります。
 次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として、五百十七億三百万円を計上いたしております。
 これは、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するためのものであります。
 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として百三十二億三千三百万円を計上いたしております。
 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。
 次に、地方公営交通事業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、十八億一千万円を計上いたしております。
 これは、地方公営交通事業の再建を促進するため、再建事業を経営する地方公共団体が起こした再建債について利子補給金を交付するためのものであります。
 次に、再建地方都市バス事業の車両更新費の補助に必要な経費でありますが、十億八千七百万円を計上いたしております。
 これは、財政再建を行う地方都市バス事業を経営する地方公共団体に対する当該事業の車両更新費の補助に必要な経費であります。
 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、百七十五億円を計上いたしております。
 これは、昭和四十六年度末における公営地下高速鉄道事業債に係る支払い利子に相当するものとして発行を認める企業債の利子相当額について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。
 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、百十八億六千六百万円を計上いたしております。
 これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に係る貸付利率の引き下げのための補給金を同公庫に交付するためのものであります。
 なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費七億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。
 次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、十一億八千二百万円を計上いたしております。
 これは、田園都市構想に即し、地域社会の総合的な振興を図るため、広域市町村圏等における田園都市中核施設の整備計画の策定に対する補助及び当該施設の整備に対する助成交付金の交付に必要な経費であります。
 次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、十億八百万円を計上いたしております。
 これは、選挙人の政治常識の向上を図り、選挙をきれいにする国民運動及び政治倫理化運動を推進するために要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。
 以上が自治本省についてであります。
 次に、消防庁について御説明申し上げます。
 まず、大震火災対策に必要な経費として四十六億二千万円を計上いたしております。
 これは、震災等大規模災害に備えるための消防防災無線通信施設及び耐震性貯水槽、コミュニティ防災センターなど震災対策のだめの諸施設の充実を図るとともに、防災知識の啓発及び消防防災対策調査を推進するために必要な経費であります。
 次に、消防施設等整備費補助に必要な経費として百四十五億六百万円を計上いたしております。
 これは、市町村の消防力の充実強化を図るため、消防車、防火水槽など消防に関する施設及び装備の充実と高度化を地域の実情に応じて重点的に整備するとともに、石油コンビナート等における防災対策の推進を図るために必要な経費であります。
 第二に、特別会計予算につきまして御説明を申し上げます。
 自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管の交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は十八兆二千四億八千百万円となっております。
 歳入は、地方交付税交付金及び借入金等利子の財源に充てるための一般会計かちの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。
 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。
 以上、昭和五十七年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
    —————————————
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海部俊樹#5
○海部主査 以上をもちまして自治省所管についての説明は終わりました。
    —————————————
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海部俊樹#6
○海部主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りたいと思います。
 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田利春君。
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岡田利春#7
○岡田(利)分科員 きょうは、俗に言うウタリ対策の問題についてお尋ねいたしたいと思うのです。自治省の分科会の審議でこの問題を提起することはどうかと思うのですけれども、現在まで、ウタリ対策の問題は各省全般にまたがっておる問題であり、また、地方住民の問題でありますので、そういう意味できょう、自治省の分科会で御質問をさしていただくわけです。
 まず冒頭に、わが国は単一大和民族によって構成をされている、こう言われておるわけであります。しかし、日本における先住民の問題としては古くからアイヌ人の問題が取り上げられて、かつては旧土人法によって保護もされてきたという経過があるわけです。ですから、現在、日本列島の中で先住民の問題として、このアイヌ人以外にわが国の先住民問題というものがあるかないかという点について、まず第一点お伺いをしておきたいと思います。
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世耕政隆#8
○世耕国務大臣 私、勉強不足でございまして、わが国にウタリ以前の民族がおったかどうかというのは余り詳しくないのですが、九州では——いろいろあんまり言うと差し支えがあるし、ちょっと私も自信を持ってお答えすることはできませんが、多分、大和民族かどうかわからないけれども、原住民がいたというふうな記憶を持っておりますが、確かではございません。
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岡田利春#9
○岡田(利)分科員 北海道の場合には、わが国が支配するようになってからきわめて新しい歴史なわけです。近代国家として開拓使を置いて以来まだ一世紀ちょっとより時間を経過いたしていないわけです。もちろんアイヌ民族の問題は、東北アイヌの問題あるいはまた八戸アイヌが北海道にも居住したことがあるというような経過もありますから、一番新しい先住民問題としてはやはりアイヌ人問題にしぼられてくるのではないかと私は思うわけです。したがって、そういう意味で考えますと、アイヌ人は先住人であると同時に、アイヌ民族として、民族の持つ生活、文化というものをわれわれは認めてまいらなければならないのではないかと思うわけです。したがって、今日ウタリ対策という表現でとらえられておりますけれども、北海道でいま、別にウタリと言わなくても、アイヌ人と堂々と言っても問題はないのであります。したがって、そのように考えてまいりますと、やはりウタリ対策すなわちアイヌ人は民族の問題だ。したがって、その民族の持つ生活、文化というものについてもわれわれは先住民として尊敬の念をもってこれを保護し、その民族の文化を継承させてやらなければならない、こういう点についてはどういうお考えを持っておるか、承っておきたいと思うのです。
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世耕政隆#10
○世耕国務大臣 先生おっしゃられるように、多分松前藩のころ、あの北海道へ派遣がありまして、それからずっといわゆるアイヌの方々がだんだん圧迫されるような形で、それから明治以後に統合されて日本国籍に入ってこられたというふうに聞いております。
 現在、すでにもう日本人になっておりますので、日本人としての扱いになっておって、ただ、過去のいろいろな歴史的ないきさつからいきましてどうしても生活水準その他の面でいろいろ格差が出てきておる。これはいろいろな平等の立場から、それに対して温かい格差是正、国民的課題の一つとしてやはり生活環境、生産基盤の整備を進めていくように国の責任においてなさなければならない、そういうふうな考えからウタリ対策が実施されているものと考えております。
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岡田利春#11
○岡田(利)分科員 北海道に限って結構ですが、先住アイヌ人は最盛期でどの程度居住したという御判断をお持ちか、これはウタリ対策の担当の窓口である開発庁の方からでもお答え願いたい。
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宇山喜代人#12
○宇山説明員 アイヌの人たちの最盛期の人口ということにつきまして、北海道在住のウタリの過去の人口の推移につきましては、資料等に制約がございまして正確な把握が非常にむずかしいのでございますが、過去、昭和九年に北海道庁が取りまとめた資料によりますと、明治五年には一万五千二百七十五人という数でございます。大正五年には一万八千六百七十四人、昭和五年に至りましては一万五千七百三人という数が数えられているという記録がございます。なお、参考までに最近の数字でございますが、昭和五十四年の十月に北海道が実施した調査によりますと、二万四千百六十人ということになっております。
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岡田利春#13
○岡田(利)分科員 考古学者とかアイヌ民族の研究者の意見などを総合いたしますと、鎌倉時代から北海道アイヌとの交流があったわけですが、最盛期には大体三万四千人前後ではないか、こういう説も実はあるわけであります。しかも狩獲民族でありますから、その分布はシカとサケの分布に大体比例をする、そういう分布状態であるということが実は述べられておるわけです。
 そこで、本土においては同和対策の法律の改正、延長問題等が今日またあるわけでありますけれども、同和対策とこのウタリ対策の相違点というものがあると私は思うのです。したがって、同和対策とウタリ対策の相違点は一体何なのか、この点ひとつ伺っておきたいと思うわけです。
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世耕政隆#14
○世耕国務大臣 同和対策とウタリ対策はおっしゃるように非常に似ておりまして、つまり個人に対していろいろな政策がなされるのではなくて、地域単位でいろいろな施策が行われているという点が非常に似ているわけでございます。その一番基本になるのは生活環境の改善と社会福祉の充実、教育の充実、そういった点を中心にいろいろな施策がなされている、この点が非常によく似ていると思います。
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岡田利春#15
○岡田(利)分科員 同和対策とウタリ対策の内容を比較検討してまいりますと、それぞれ各省にまたがっておって、文部省、労働省あるいはまた住宅問題では建設省と、それぞれウタリ及び同和対策の予算が計上されておりますが、しかし政策の相違点というのがあるわけですね。たとえば補助率等を見ますと、同和対策が優遇されておってウタリ対策の方は補助率が低い。問題は、同和対策とウタリ対策というものをどう認識をするか、それによって政策の視点というものは変わってこなければならないと私は思うのです。
 歴史的な経緯から考えますと、特にアイヌ人は固有の文化も持っておるわけでありますが、そういう意味ではオーストラリアへ参りましてもアボリジニーの先住民族がおりますし、またニュージーランドへ参りましてもマオリの先住民族がおる。そしてその国家は、いずれも少数民族であり先住民族であるという観点でそれなりの積極的な保護政策をとっておるのが通例であります。いわば先住民族の問題で政策的にぴしっと視点の定まっていないのはどうもアメリカと日本ではないか、こう国際的によく言われておるわけであります。
 ニュージーランドやオーストラリアの歴史と北海道の開発の歴史はそう違いがないわけでありますから、私は同和対策を越えろとは言わないけれども、少なくとも同和対策の水準、そういう視点でこのアイヌ人対策をやる、保護をするということはきわめて当然ではないか、こう思うのですけれども、同和対策とウタリ対策でどうして対策の方向が違うのか。これは各省に分かれておりまして、文部省のたとえば奨学金の問題についても補助率は違いますし、労働省の関係においてもそうだと思うのですが、それぞれどういう視点でこの違いが出てくるのか、お答え願いたいと思うのです。
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中島章夫#16
○中島説明員 文部省といたしましても、ウタリ協会の方からの御要望もございまして、現在二分の一でございますが、これを三分の二にしていただくように毎年の予算要求に際しましては要望をしておるわけでございます。予算面で今日まで充実をしてきておりませんが、今後とも各省連絡協議会の場等を通じまして、ウタリ協会とも連絡をとりながら一層検討してまいりたい、こう思うわけでございます。
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菊田顯#17
○菊田説明員 労働省の補助率も文部省と同じように、毎年の予算要求の際には同和と並べての予算要求ということで改善に努力をしているところでございますが、引き続き努力をしてまいります。
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中田亨#18
○中田説明員 建設省のウタリ対策としては住宅関係の貸し付けがあるわけでございますが、これは、北海道の市町村がウタリ住民の方々に住宅関係の貸し付けを行う場合に北海道がその原資の四分の一を補助する、その北海道の補助に対して国が二分の一を補助するという制度でございます。一方、同和対策の場合には、市町村が行います同様な制度の原資の二分の一を国が補助するということで、国が補助する補助率は若干違っておりますが、末端の個人に渡る場合の貸し付けの市町村に対する補助率でまいりますと、いずれも四分の一ということになっております。
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岡田利春#19
○岡田(利)分科員 自治大臣、同和対策とウタリ対策でこのように違うわけですね。しかし、よって来る歴史的な経過を考えますと、まあ同じ日本人でありますから、政府は民族問題とはぴしっと言わぬでしょうけれども、しかく先住民族の問題ですね。それが同和対策の水準に達していないということについて、これは政策の方向性から言って問題があるのではないか。ところが、この連絡の事務局は北海道開発庁ですけれども、各省にまたがっているものですから、なかなからちが明かないといいますか、実はまとまった御意見を求めることができないわけなんですね。しかし私は、自治省がこの点について政策の整合性という面である程度の発言をなしてしかるべきではないか、こう思うのですけれども、御感想はいかがでしょうか。
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世耕政隆#20
○世耕国務大臣 お答えいたします。
 確かにそういう差があります。これはこれからいろいろな協議会を中心にして話し合っていかなければならない点でございますが、こういうふうな形で開きが出てきました一つには、同和関係の場合は関西とか九州、四国というふうに非常に地域が散らばって広い分野にあるということ、それからウタリの場合は北海道のある地区におられる。こういった地域の広さの問題も確かにあるのではないか。それからもう一つ、差別、被差別ということに対する反応といいますか受け取り方ですね、そういうところにかなりいろいろな違いがあるのではないか。そういうことからいろいろな形で現在のような方向に来ているのではないか。先生おっしゃるように、いろいろな歴史的ないきさつから見ますと、これは大いに検討に値する問題だと思います。
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岡田利春#21
○岡田(利)分科員 私は、それぞれ諸外国の先住民問題等の扱い方等を考慮してみますと、自治区を与える、アメリカあたりでもそういう例があって問題が起きておるわけでありますけれども、概してニュージーランドのマオリ人に対する政策、このことが私は一番参考になるのではないかなと思うわけです。オーストラリアの場合には、アボリジニーの場合には居住区を与えているという方式をとっていますけれども、どちらかといえばニュージーランドのマオリ人に対する政策、これが参考になるのではないかなと実は私は思っておるわけであります。そういう意味で、この問題については今後の問題としてぜひ検討していただきたい、私はこう思います。
 この点、自治大臣は国務大臣として、特に同和対策、ウタリ対策、まあ北海道の場合は北海道として一県だといいますけれども、また北海道という単位は何なのかという問題もあるわけですね。十四支庁あって、面積でいえば、これは東北六県プラス新潟の面積、南でいうと九州、四国、山口県プラス沖縄の面積が北海道の面積でありますから、その範囲からいうと非常に広いわけですね。しかも分布の状態も調べてまいりますとそういう状況にあるということでございますので、ぜひその点は国務大臣としても、政策の整合性といいますか、そういう観点で御検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
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世耕政隆#22
○世耕国務大臣 おっしゃることもよくわかりますので、いろいろな点から、いままでその声がなくはなかったのでございますが、いろいろ北海道庁、それから各省にまたがることでもございますので、わが省の方も加わりまして、いろいろ検討しながらやっていきたい、こういう気持ちでおります。
    〔主査退席、亀井(善)主査代理着席〕
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岡田利春#23
○岡田(利)分科員 昭和五十年の七月に東京都の企画調整局調査部で東京在住ウタリ実態調査が行われて、調査報告書が出されておりますことは、これは自治省として御存じでしょうか。
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小林悦夫#24
○小林(悦)政府委員 自治省としては承知いたしておりません。
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岡田利春#25
○岡田(利)分科員 これは非常に時間をかけて実態調査をして、調査の過程の報告の内容もここには含まれておるわけです。なぜ東京都はこういう在住ウタリの実態調査をしたかということは、東京に在住するアイヌ人が、ぜひアイヌ人として北海道のウタリ政策と同じようにわれわれにもひとつ適用できるものは適用してほしい、もし組織が必要であるとするならば関東ウタリ協会というものがすでに結成をされておるわけであります。ですから、同和の場合には確かにそれぞれの地域に、地域指定でありますけれども、同和は法律によって実は指定され、しかも予算が組まれておるわけですね。しかし、ウタリの問題は予算措置で、しかも北海道に限って政策を進めておるという点で、ウタリと同和対策の違いが実はあるわけであります。
 先住民として認める場合には、やはり同和とは違ってその生活文化がある。また、ニュージーランドのような場合には、その地域以外の都市に来ても、たとえば公営住宅とかそういうものに優先的に入居させるとか、あるいはまた就職あるいは進学等についても、その先住民に対して一定の政策を行っておるというのがニュージーランドなどの場合の政策なんですね。
 したがって、先住民問題で考える場合には、適用できないものを別に適用せよという意味ではありませんけれども、固有に適用できるものについては、私は適用してしかるべきではないか。また、そういう要望がすでに国会にも陳情書として出されていますし、東京ではそういう実態調査が行われておりますし、またアイヌ人の組織も、関東ウタリ協会という組織が形成されているわけですから、そういう意味では一歩進めて、これらについても固有に適用できるものについては適用するという点について検討願いたいと思うのですが、この点いかがでしょうか。
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宇山喜代人#26
○宇山説明員 現在政府におきましては、北海道のウタリ対策につきまして関係各省の連絡会議を設置いたしまして、その窓口として北海道開発庁が各省の緊密な連絡のもとにウタリ対策を実施してございますが、この北海道ウタリ対策は、北海道に居住しているウタリの方々に対するものでございまして、いまも先生御質問ございました、道外に居住する方々にどのような対策を講ずるかということにつきましては、基本的には地方公共団体の主体的な対応を尊重いたしまして、地域の実情に応じて行うことが必要であろうか、こう考えられます。したがって、現在国が協力して行っております北海道のウタリ対策も、このような観点から行っているものでございますので、御理解いただきたいと思います。
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岡田利春#27
○岡田(利)分科員 その実態を把握するということは非常に時間のかかることであり、問題がまだ多いわけであります。私は、そういう意味では、原則はあっても、政策を展開する場合に、具体的な適切な手段、方法がなければならないと思うのですね。したがって、それぞれの自治体に住んでいるアイヌ人が、その自治体に対して、ぜひこういう固有の政策についての適用を受けたい。その自治体は、これはもちろん自治体が大体二分の一補助するわけでありますから、財政負担が伴うわけであります。しかし、財政負担が伴っても、自分の住民である以上、そういう要望について、国の方で政策を認めるならば結構ですということになって上がってきた場合は、私は適用ができるのではないかな、こう思うわけであります。
 しかし、そういう実態がないのに、私は、一般論としてこれをやれ、やるべきだ、こう主張するのではないわけです。したがって、もちろんそういう場合には、アイヌ人はアイヌ人としてその自治体に登録をされるでしょう。しかも、自治体の意思として、それは自分の住民であるから、この点については北海道と同じように、道庁と同じように予算の財政負担をする、そういうように居住者のアイヌ人と自治体が合致をした場合にはその道を開くということがあってもしかるべきではないのか。
 しかも、先ほど述べられておりますように、ウタリ協会の会員も、この政策が進められてから会員登録が多くなってきたわけですね。会員登録をしなければこの政策の対象にならぬものですから、したがって北海道ウタリ協会に登録をするわけです。関東ウタリ協会の場合でも、北海道ウタリ協会との連絡があるわけであります。ですから、その適用をされるアイヌ人と自治体の意思が合致した場合についてはその道を開いていいのではないか。そんなに数が多くないわけであります。先ほど申し上げているように、数については限定されているわけです。しかし、同和とは違った、先住民としての生活文化を持っておるわけであります。それを継承していきたいという熱意が関東においても実はあるわけであります。この点もあわせてひとつ検討していただきたいと思うのですが、自治大臣いかがでしょうか。
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世耕政隆#28
○世耕国務大臣 いまの規則でいきますと、つまりウタリ対策というのは、北海道のウタリの地域に対するいろいろな政策を行うわけで、それが道外へ出た場合の個人のような形の場合に当てはまるものというのは、いまのところたしかないのではないかというふうに思っております。これは同和対策の場合も恐らく同じような適用だと思いますが、これは自治体全般の問題になってくるので、これはよく検討してみなければならないと思うのでございます。やはり道外におられるウタリの方々に対しては、住んでおられるところの関係地方団体、公共団体の今後の対応の仕方を見ながら、必要があれば政府部内でいろいろな角度から検討をしなければならないのではないか、そういうふうに考えております。
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岡田利春#29
○岡田(利)分科員 各省連絡会議があるわけでありまして、私はこの分科会を選んだということは、文化人である自治大臣が一番適切ではないかと思ってこの分科会に実は参ったわけです。したがって、いま私の述べましたように、文化の継承というのは相当長期にかかる問題です、短期な問題じゃないわけです。生活改善ということはある程度一定の目標に達すれば終わるでしょうけれども。そういう意味で、法律が必要なのか、必要でないのか。そしてまた、同和政策とウタリの政策についての整合性の問題というのはどうなのかという問題。それから最後に、いま大臣が述べられたこの問題についても、自治体とアイヌ人との間に、ウタリの会員の間に合意があって、ぜひそういう対策をしてほしいという実態が浮かび上がってきた場合には、その点についても、この三点については、ぜひこれからのウタリ対策の問題として御検討願いたい、こう思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
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