外務委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十九年四月四日(水曜日)
午前十時二十一分開議
出席委員
委員長 中島源太郎君
理事 石川 要三君 理事 野上 徹君
理事 浜田卓二郎君 理事 山下 元利君
理事 高沢 寅男君 理事 土井たか子君
理事 古川 雅司君 理事 河村 勝君
奥田 幹生君 鍵田忠三郎君
鯨岡 兵輔君 佐藤 一郎君
仲村 正治君 西山敬次郎君
野中 広務君 町村 信孝君
岡田 春夫君 小林 進君
玉城 栄一君 渡部 一郎君
木下敬之助君 岡崎万寿秀君
瀬長亀次郎君
出席国務大臣
外 務 大 臣 安倍晋太郎君
出席政府委員
外務政務次官 北川 石松君
外務大臣官房審
議官 山下新太郎君
外務大臣官房外
務参事官 斉藤 邦彦君
外務大臣官房領
事移住部長 谷田 正躬君
外務省アジア局
長 橋本 恕君
外務省経済局次
長 恩田 宗君
外務省国際連合
局長 山田 中正君
外務省情報文化
局長 三宅 和助君
委員外の出席者
防衛庁防衛局防
衛課長 藤井 一夫君
防衛庁人事教育
局人事第一課長 村田 直昭君
外務大臣官房審
議官 川村 知也君
外務大臣官房外
務参事官 瀬崎 克己君
大蔵省主税局国
際租税課長 瀧川 哲男君
国税庁調査査察
部調査課長 木下 信親君
運輸省航空局管
理部国際課長 向山 秀昭君
外務委員会調査
室長 高橋 文雄君
―――――――――――――
委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
江藤 隆美君 園田 直君
四月二日
委員園田直君が死去された。
同月四日
辞任 補欠選任
宮澤 喜一君 奥田 幹生君
同日
辞任 補欠選任
奥田 幹生君 宮澤 喜一君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和
国政府との間の協定の締結について承認を求め
るの件(条約第三号)
航空業務に関する日本国政府とスリ・ランカ民
主社会主義共和国政府との間の協定の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第四号)
千九百八十三年の国際熱帯木材協定の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第七号)
出版物の国際交換に関する条約の締結について
承認を求めるの件(条約第九号)
国家間における公の出版物及び政府の文書の交
換に関する条約の締結について承認を求めるの
件(条約第一〇号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時二十一分開議
出席委員
委員長 中島源太郎君
理事 石川 要三君 理事 野上 徹君
理事 浜田卓二郎君 理事 山下 元利君
理事 高沢 寅男君 理事 土井たか子君
理事 古川 雅司君 理事 河村 勝君
奥田 幹生君 鍵田忠三郎君
鯨岡 兵輔君 佐藤 一郎君
仲村 正治君 西山敬次郎君
野中 広務君 町村 信孝君
岡田 春夫君 小林 進君
玉城 栄一君 渡部 一郎君
木下敬之助君 岡崎万寿秀君
瀬長亀次郎君
出席国務大臣
外 務 大 臣 安倍晋太郎君
出席政府委員
外務政務次官 北川 石松君
外務大臣官房審
議官 山下新太郎君
外務大臣官房外
務参事官 斉藤 邦彦君
外務大臣官房領
事移住部長 谷田 正躬君
外務省アジア局
長 橋本 恕君
外務省経済局次
長 恩田 宗君
外務省国際連合
局長 山田 中正君
外務省情報文化
局長 三宅 和助君
委員外の出席者
防衛庁防衛局防
衛課長 藤井 一夫君
防衛庁人事教育
局人事第一課長 村田 直昭君
外務大臣官房審
議官 川村 知也君
外務大臣官房外
務参事官 瀬崎 克己君
大蔵省主税局国
際租税課長 瀧川 哲男君
国税庁調査査察
部調査課長 木下 信親君
運輸省航空局管
理部国際課長 向山 秀昭君
外務委員会調査
室長 高橋 文雄君
―――――――――――――
委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
江藤 隆美君 園田 直君
四月二日
委員園田直君が死去された。
同月四日
辞任 補欠選任
宮澤 喜一君 奥田 幹生君
同日
辞任 補欠選任
奥田 幹生君 宮澤 喜一君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和
国政府との間の協定の締結について承認を求め
るの件(条約第三号)
航空業務に関する日本国政府とスリ・ランカ民
主社会主義共和国政府との間の協定の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第四号)
千九百八十三年の国際熱帯木材協定の締結につ
いて承認を求めるの件(条約第七号)
出版物の国際交換に関する条約の締結について
承認を求めるの件(条約第九号)
国家間における公の出版物及び政府の文書の交
換に関する条約の締結について承認を求めるの
件(条約第一〇号)
――――◇―――――
中
中島源太郎#1
○中島委員長 これより会議を開きます。
この際、御報告申し上げます。
本委員会の委員でありました園田直君が、去る二日、逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。
ここに、謹んで委員各位とともに哀悼の意を表し、御冥福を祈るため、黙祷をささげたいと存じます。
御起立願います。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
この発言だけを見る →この際、御報告申し上げます。
本委員会の委員でありました園田直君が、去る二日、逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。
ここに、謹んで委員各位とともに哀悼の意を表し、御冥福を祈るため、黙祷をささげたいと存じます。
御起立願います。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
中
中
中島源太郎#3
○中島委員長 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国政府とスリ・ランカ民主社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野上徹君。
この発言だけを見る →これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野上徹君。
野
野上徹#4
○野上委員 ただいまも委員長から報告ございましたように、本委員会の委員でありまして、そしてかつては外務大臣をやり、日中関係に大きな功績を残されました園田先生のきょうは葬儀がとり行われる日でございます。園田先生の御冥福を念じつつ、自由民主党を代表いたしまして本租税協定に関する、そしてまたスリランカの航空協定に関する質疑に入らしていただきます。
まず、日中租税協定でございますけれども、御承知のように日本と中国との経済交流というものは、過去十一年余り日中の国交が回復して以来非常な伸びを見せているわけでございます。その貿易額に至りましては、この十一年余りで約四倍、百億ドルという大変な伸びを示しているわけでございますが、まさにこの中国の対外開放政策がこの租税協定によって本格的な幕あけの時代を迎える、このように受けとめたいと思うわけでございます。
そこでまず、この協定に関しましては、昨年の九月に第三回の日中閣僚会議で安倍外務大臣と呉学謙外交部長との間に署名が交わされたわけでございますけれども、私といたしましては、この租税協定、やや遅過ぎた嫌いがあるんじゃないかなという感もあるのでございますが、ようやく締結の署名が交わされたということでありますが、この間の経緯につきまして簡単に御説明を願いたいと思います。
この発言だけを見る →まず、日中租税協定でございますけれども、御承知のように日本と中国との経済交流というものは、過去十一年余り日中の国交が回復して以来非常な伸びを見せているわけでございます。その貿易額に至りましては、この十一年余りで約四倍、百億ドルという大変な伸びを示しているわけでございますが、まさにこの中国の対外開放政策がこの租税協定によって本格的な幕あけの時代を迎える、このように受けとめたいと思うわけでございます。
そこでまず、この協定に関しましては、昨年の九月に第三回の日中閣僚会議で安倍外務大臣と呉学謙外交部長との間に署名が交わされたわけでございますけれども、私といたしましては、この租税協定、やや遅過ぎた嫌いがあるんじゃないかなという感もあるのでございますが、ようやく締結の署名が交わされたということでありますが、この間の経緯につきまして簡単に御説明を願いたいと思います。
瀬
瀬崎克己#5
○瀬崎説明員 お答えさしていただきます。
日中間の経済交流につきましては、国交正常化以前から民間レベルでいろいろ貿易があったわけでございますけれども、中国側は一九七九年以降対外開放政策を追求してまいったわけでございます。その関連で一九八〇年、昭和五十五年に中国は個人所得税法、合弁企業に関連いたします税法等整備いたしました。それ以前には課税の問題はなかったわけでございます。また、日本の企業の進出も余りなかったという実情もございまして租税協定の必要性はなかったわけでございます。他方、中国におきまして税法が整備いたされまして、日本の民間企業の進出に対してもいろいろ呼びかけがある、こういうような状況を踏まえまして二重課税を防止するという必要性が出てまいりまして、一九八○年の日中閣僚会議の際にこの必要性を日本側が強調いたしましたところ、租税協定、それから今まだ交渉中でございますけれども投資保護協定につきまして早期に交渉を開始するという合意が成立いたしました。その後五回の交渉を経まして租税協定が署名に至りまして、これが中国側が外国と締結いたしました最初の租税協定でございます。そういう意味で非常に画期的な意義があるというふうに私どもは位置づけておるわけでございます。これから民間の経済交流、特に先方が期待しております企業の進出等についてこたえていくためには企業進出のための基盤と申しますか環境整備が必要なわけでございまして、その一環でこの租税協定の必要性が日中双方で認識された、こういうことで協定妥結に至ったわけでございます。
この発言だけを見る →日中間の経済交流につきましては、国交正常化以前から民間レベルでいろいろ貿易があったわけでございますけれども、中国側は一九七九年以降対外開放政策を追求してまいったわけでございます。その関連で一九八〇年、昭和五十五年に中国は個人所得税法、合弁企業に関連いたします税法等整備いたしました。それ以前には課税の問題はなかったわけでございます。また、日本の企業の進出も余りなかったという実情もございまして租税協定の必要性はなかったわけでございます。他方、中国におきまして税法が整備いたされまして、日本の民間企業の進出に対してもいろいろ呼びかけがある、こういうような状況を踏まえまして二重課税を防止するという必要性が出てまいりまして、一九八○年の日中閣僚会議の際にこの必要性を日本側が強調いたしましたところ、租税協定、それから今まだ交渉中でございますけれども投資保護協定につきまして早期に交渉を開始するという合意が成立いたしました。その後五回の交渉を経まして租税協定が署名に至りまして、これが中国側が外国と締結いたしました最初の租税協定でございます。そういう意味で非常に画期的な意義があるというふうに私どもは位置づけておるわけでございます。これから民間の経済交流、特に先方が期待しております企業の進出等についてこたえていくためには企業進出のための基盤と申しますか環境整備が必要なわけでございまして、その一環でこの租税協定の必要性が日中双方で認識された、こういうことで協定妥結に至ったわけでございます。
野
野上徹#6
○野上委員 いわゆる四つの近代化建設ということでいよいよこの対外開放政策が中国にとって非常に必要になってきた、こういうことで本協定締結の必要性が出てきたと思うわけでございますが、これまでの日本の民間企業の中国進出の状況と貿易の状況などの実態を聞かしていただきたいわけですが、私の調べたところによりますと、日本の合弁企業はわずか六件しかない。それに比べて、これは日中経済協会の調べでございますけれども、香港あたりは六十八件、一億二千六百万ドル、米国は十八件、八千五百万ドルといったふうに日本の六件、二千四百万ドルをはるかに上回る進出がされているわけでありますが、これまで日本の民間ベースの企業合弁が停滞ぎみであったという理由はどこにあるのでしょうか。
この発言だけを見る →瀬
瀬崎克己#7
○瀬崎説明員 最初に先生の御質問なさいました日中の貿易の現状等について若干御説明させていただきますと、一九八三年の貿易総額は百億ドルでございます。中国の総貿易額は四百億ドルでございますので大体二五%ということでございまして、日本から見ますとこの百億ドルというのは日本の総貿易額の三・七%ということでそれほど大きな位置づけではないわけでございますが、とにかく中国側から見ますと対外貿易の四分の一が日本との貿易ということで、非常に重要な貿易であるということが言えるはずでございます。そうして、中国側から見まして、輸出では香港に次ぎまして日本が第二位、それから輸入では日本が第一位を占める、こういう状況になっております。
それから企業進出でございますが、先ほど先生おっしゃいましたとおり合弁企業が六件、それから一〇〇%出資の子会社が一件ということでかなり少ないわけでございまして、今回の中曽根総理の訪中の際にも、先方側から日本は貿易パートナーとしては第一位だけれどもどうも資本進出の面では少ないからもっと大いに進出していただきたいということがあったわけでございます。他方、これに対しまして我が方からは投資環境の整備がやはり必要だということを強調したわけでございますが、今先生がおっしゃいましたとおり、企業進出の数が非常に少ないというのは実態でございまして、これについては、やはり投資の環境が整備されるということが基本になるわけでございます。
中国側は一九七九年以降四つの近代化ということを前提といたしまして紀元二〇〇〇年には一九八〇年の農工業生産の四倍にするということを前提にいろいろな諸策を進めているわけでございますが、経済特区をつくったりあるいは合弁企業の法律を整備したり、いろいろ努力はしているわけでございまして、その一環で今回の日中租税協定も締結されたということでございますが、他方、日本の企業から見ますと、例えば経済特区というような企業誘致のためのいろいろな誘致策をとっているわけでございますけれども、中国の中にこういった経済特区につきましてもかなり批判的な意見があるということで、果たしてこういった中国側の企業誘致策というものが定着するかどうかということについて不安があったと思われるわけでございます。
しかし、この近代化路線を追求する中国の政策というのはかなり堅実な進展を示しておりまして、その証左といたしまして、最近では経済特区に対する企業進出の数も非常にふえている。あるいは特許法を制定いたしましたり、その他もろもろの法律を制定しているわけでございますが、こういうことで徐々に企業の不安というものも解消しつつあるやに見受けられるわけでございます。
企業の方でも例えば合弁企業が現在百八十八件進出しているわけでございますけれども、そのうちの百件は一九八三年に進出したということでございまして、最近では外国企業の中国に対する目というのが徐々に変わりつつあるということかと思います。
他方、いま一つ日本の企業にとりまして若干問題となっておりますのは、経済特区にせよあるいは企業誘致にいたしましても、中国側としてはどちらかと申しますと輸出振興に重点を置いているわけでございまして、日本の企業から見ますと、中国の十億の人口を相手といたしました中国市場の中に参入するということで、若干目的の点でずれがあるということでございます。
他方、この点につきましても、中国側といたしましては非常に改善の方策をとっておりまして、例えば日本が進出しておりますある電機メーカーの製品でございますけれども、最近のお話をお聞きしますと、テレビジョンの五五%を中国市場に売ることを認めたり、テープレコーダーの一五%を中国市場の中に売ることを認めるというようなことでございまして、徐々に日本側あるいは外国の進出している企業の問題点ということについても中国側が理解しているということでございます。
したがいまして、今までのところは確かに日本の企業の進出の数、実態というものはそれほど中国側の期待にこたえてなかったという面もございますが、今後恐らく締結交渉が進展するであろうと期待されております投資保護条約あるいは中国側の法体系が整備されるにつれまして、日本の企業進出の可能性というのはさらに開けてくるのではないか、このように私どもは考えているわけでございます。
この発言だけを見る →それから企業進出でございますが、先ほど先生おっしゃいましたとおり合弁企業が六件、それから一〇〇%出資の子会社が一件ということでかなり少ないわけでございまして、今回の中曽根総理の訪中の際にも、先方側から日本は貿易パートナーとしては第一位だけれどもどうも資本進出の面では少ないからもっと大いに進出していただきたいということがあったわけでございます。他方、これに対しまして我が方からは投資環境の整備がやはり必要だということを強調したわけでございますが、今先生がおっしゃいましたとおり、企業進出の数が非常に少ないというのは実態でございまして、これについては、やはり投資の環境が整備されるということが基本になるわけでございます。
中国側は一九七九年以降四つの近代化ということを前提といたしまして紀元二〇〇〇年には一九八〇年の農工業生産の四倍にするということを前提にいろいろな諸策を進めているわけでございますが、経済特区をつくったりあるいは合弁企業の法律を整備したり、いろいろ努力はしているわけでございまして、その一環で今回の日中租税協定も締結されたということでございますが、他方、日本の企業から見ますと、例えば経済特区というような企業誘致のためのいろいろな誘致策をとっているわけでございますけれども、中国の中にこういった経済特区につきましてもかなり批判的な意見があるということで、果たしてこういった中国側の企業誘致策というものが定着するかどうかということについて不安があったと思われるわけでございます。
しかし、この近代化路線を追求する中国の政策というのはかなり堅実な進展を示しておりまして、その証左といたしまして、最近では経済特区に対する企業進出の数も非常にふえている。あるいは特許法を制定いたしましたり、その他もろもろの法律を制定しているわけでございますが、こういうことで徐々に企業の不安というものも解消しつつあるやに見受けられるわけでございます。
企業の方でも例えば合弁企業が現在百八十八件進出しているわけでございますけれども、そのうちの百件は一九八三年に進出したということでございまして、最近では外国企業の中国に対する目というのが徐々に変わりつつあるということかと思います。
他方、いま一つ日本の企業にとりまして若干問題となっておりますのは、経済特区にせよあるいは企業誘致にいたしましても、中国側としてはどちらかと申しますと輸出振興に重点を置いているわけでございまして、日本の企業から見ますと、中国の十億の人口を相手といたしました中国市場の中に参入するということで、若干目的の点でずれがあるということでございます。
他方、この点につきましても、中国側といたしましては非常に改善の方策をとっておりまして、例えば日本が進出しておりますある電機メーカーの製品でございますけれども、最近のお話をお聞きしますと、テレビジョンの五五%を中国市場に売ることを認めたり、テープレコーダーの一五%を中国市場の中に売ることを認めるというようなことでございまして、徐々に日本側あるいは外国の進出している企業の問題点ということについても中国側が理解しているということでございます。
したがいまして、今までのところは確かに日本の企業の進出の数、実態というものはそれほど中国側の期待にこたえてなかったという面もございますが、今後恐らく締結交渉が進展するであろうと期待されております投資保護条約あるいは中国側の法体系が整備されるにつれまして、日本の企業進出の可能性というのはさらに開けてくるのではないか、このように私どもは考えているわけでございます。
野
野上徹#8
○野上委員 確かに貿易の方は二五%ということで相当なものでありますけれども、投資面で七%というのはいかにも低いように感じるわけであります。
ところで、ただいまお話にありましたように、これから大いに資本進出の面で日本の企業が進出をしていくには環境整備ということをこれから中国は本当にやっていかなければならない、そういう時代だと思いますが、ただいまお話にありました経済特区の問題あるいは投資保護協定の問題、そのほか、つい先般特許法ができたわけでございますけれども、この投資保護協定とはどんなもので、いつごろこれは締結される見通しがあるのか。そしてまた、ただいま挙げましたもののほかに経済法規の整備という点ではどういうことを中国に日本側から要求していこうとされているのか、そこら辺について聞かせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →ところで、ただいまお話にありましたように、これから大いに資本進出の面で日本の企業が進出をしていくには環境整備ということをこれから中国は本当にやっていかなければならない、そういう時代だと思いますが、ただいまお話にありました経済特区の問題あるいは投資保護協定の問題、そのほか、つい先般特許法ができたわけでございますけれども、この投資保護協定とはどんなもので、いつごろこれは締結される見通しがあるのか。そしてまた、ただいま挙げましたもののほかに経済法規の整備という点ではどういうことを中国に日本側から要求していこうとされているのか、そこら辺について聞かせていただきたいと思います。
瀬
瀬崎克己#9
○瀬崎説明員 先ほど御説明させていただきましたとおり、投資保護条約につきましても、一九八〇年の第一回日中閣僚会議の際に日本側から提起いたしまして、先方政府としても早期締結を目途に交渉を早期に開始するということについて合意いたしまして、その後五回にわたりまして事務的なレベルでこの条約の協定交渉をやっているわけでございます。
先般、中曽根総理が中国を訪問されました際にも、先方側から日本の民間企業の進出につきましていろいろ要望がございまして、それに対しまして総理の方から、企業が進出するにはやはり安定した投資環境を整備するということが非常に重要である、その一環で投資保護協定についてもできるだけ早い機会に締結する必要があるのだということを強調されましたのに対しまして、先方としても、この点については非常に理解するので、できるだけ早期に投資保護協定についても交渉が妥結する方向で努力したい、このような意思を表明しております。
この協定の内容につきましては、現在交渉中でございますので、先方の立場もございますから、私どもの方としてはできれば差し控えさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。
それから、現在の中国のいろいろな法律の整備でございますが、外国企業の進出を誘致するための必要な法律といたしまして、合弁企業所得税法、個人所得税法、外国企業所得税法、経済契約法、商標法、合弁企業法、それから合弁企業実施細則、労働組合法、環境保護法、特許法等が制定されておりまして、例えば特許法については今年三月に成立したわけでございますが、一年後に発効するということでございます。
それから、日本側といたしましては、投資環境整備の一環といたしまして投資保護協定についての要望はいたしましたが、それとあわせまして工業所有権の保護に関するパリ条約の加入につきましても先方に要望いたしまして、これにつきましては中国政府首脳の方から、日本側の要望については十分留意する、このような発言がございました。
以上でございます。
この発言だけを見る →先般、中曽根総理が中国を訪問されました際にも、先方側から日本の民間企業の進出につきましていろいろ要望がございまして、それに対しまして総理の方から、企業が進出するにはやはり安定した投資環境を整備するということが非常に重要である、その一環で投資保護協定についてもできるだけ早い機会に締結する必要があるのだということを強調されましたのに対しまして、先方としても、この点については非常に理解するので、できるだけ早期に投資保護協定についても交渉が妥結する方向で努力したい、このような意思を表明しております。
この協定の内容につきましては、現在交渉中でございますので、先方の立場もございますから、私どもの方としてはできれば差し控えさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。
それから、現在の中国のいろいろな法律の整備でございますが、外国企業の進出を誘致するための必要な法律といたしまして、合弁企業所得税法、個人所得税法、外国企業所得税法、経済契約法、商標法、合弁企業法、それから合弁企業実施細則、労働組合法、環境保護法、特許法等が制定されておりまして、例えば特許法については今年三月に成立したわけでございますが、一年後に発効するということでございます。
それから、日本側といたしましては、投資環境整備の一環といたしまして投資保護協定についての要望はいたしましたが、それとあわせまして工業所有権の保護に関するパリ条約の加入につきましても先方に要望いたしまして、これにつきましては中国政府首脳の方から、日本側の要望については十分留意する、このような発言がございました。
以上でございます。
野
野上徹#10
○野上委員 経済特区について伺います。
現在、本日もそうでありましょうが、この経済特区に関する会議が中国で開かれているやに聞いておるわけですが、これまでの経済特区をさらに数をふやして、沿海諸都市にふやしていくという趨勢にあると聞いておりますけれども、具体的にどういう都市がこれからその特区になっていこうとしているのか、その辺についての一番新しい情報を聞かせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →現在、本日もそうでありましょうが、この経済特区に関する会議が中国で開かれているやに聞いておるわけですが、これまでの経済特区をさらに数をふやして、沿海諸都市にふやしていくという趨勢にあると聞いておりますけれども、具体的にどういう都市がこれからその特区になっていこうとしているのか、その辺についての一番新しい情報を聞かせていただきたいと思います。
瀬
瀬崎克己#11
○瀬崎説明員 中国の経済特区につきましては、一九七九年にこういった外国企業を誘致するような特別な区域をつくろうということで中国側がいろいろ準備いたしまして、福建省、広東省に現在では四つございます。すなわち、深セン、珠海、スワトウ、アモイ、この四つの地域がいわゆる経済特区といたしましていろいろ環境整備等が進められているわけでございますが、最近、中国側といたしましては、外国企業を誘致するためにやはりこのような経済特区をいろいろもう少し考える必要があるのではないかということで、今回中曽根総理が訪中されました際にも経済特区のような地域あるいは経済特区の政策を拡大するということを向こうが示唆しておりまして、これが経済特区そのものの新設につながるのか、あるいは経済特区でとられております優遇措置をいろいろな都市でとるのかという点につきましては若干不明確な点があるわけでございますが、いずれにせよ現在経済特区でとられている優遇策をほかの都市に拡大しようという動きが中国内にあるわけでございます。
具体的な動きといたしましては、三月二十六日から中国におきまして、大連、青島、寧波、温州、海南島、深セン、珠海、スワトウ、アモイ、北海の市長さんクラスの責任者が集まりまして経済特区の問題点をいろいろ討議しているようでございます。私が先ほど申しましたように、経済特区そのものの新設につながるのか、あるいは政策的に経済特区の優遇措置をこのような都市に導入することになるのか、まだ結果は明らかではございませんけれども、この十都市の市長さんクラスの責任者が集まっているというところから見ますと、恐らくこの十都市に、既存のものにつきましては経済特区の拡張、あるいは新しいところにつきましては特区の政策を導入する、このような動きになるのではないかと見られるわけでございます。
この発言だけを見る →具体的な動きといたしましては、三月二十六日から中国におきまして、大連、青島、寧波、温州、海南島、深セン、珠海、スワトウ、アモイ、北海の市長さんクラスの責任者が集まりまして経済特区の問題点をいろいろ討議しているようでございます。私が先ほど申しましたように、経済特区そのものの新設につながるのか、あるいは政策的に経済特区の優遇措置をこのような都市に導入することになるのか、まだ結果は明らかではございませんけれども、この十都市の市長さんクラスの責任者が集まっているというところから見ますと、恐らくこの十都市に、既存のものにつきましては経済特区の拡張、あるいは新しいところにつきましては特区の政策を導入する、このような動きになるのではないかと見られるわけでございます。
野
野上徹#12
○野上委員 中国にとっては外国と結ぶ租税協定としてはこれが第一号だ、こういうことでありますが、日本はこうした条約を何カ国ぐらいとやっているか。それともう一つ、中国の場合にはOECDのモデル条約案というものに沿ったものにする、こういうことでありますが、一方、発展途上国に対しては国連モデル条約案というものに沿ってやるという場合もあるわけであります。このOECDモデル条約案と国連モデル条約案の相違はどこにあるのか、そしてどういう国に対してどっちの条約案に沿ってやるのか、その辺を御説明願いたいと思います。
この発言だけを見る →斉
斉藤邦彦#13
○斉藤(邦)政府委員 最初にお尋ねの点でございますが、日本は今まで三十四カ国と租税条約を絡んでおりますので、これが三十五番目の租税条約ないし租税協定ということになります。
この条約がOECDモデル条約または国連モデル条約とどういう関係にあるかという点でございますが、我が国といたしましては、基本的には今度の中国との租税協定もOECDモデル条約のパターンに沿いまして作成したものでございますが、中国は開発途上国でございますので、この点を考慮に入れまして国連モデル条約の内容も取り入れております。
OECDモデル条約と申しますのは、これは主としてOECD加盟諸国間で租税条約を結ぶとき、できるだけこういうような内容で結ぶことを目指すべきだという考えからつくられておりますので、基本的に経済発展段階がそれほど異ならない国同士の間の租税協定ということを目指しているわけでございます。これに対しまして、国連モデル条約の方は、先進国と開発途上国との間で租税協定を締ぶときのモデルとしてつくられたものでございます。したがいまして、租税協定は、もちろん規定の内容が双務的な書き方になるわけでございますけれども、先進国と開発途上国との間におきましては、資本の流れもそれから企業の進出もどうしても実態上は一方的なものになるわけでございます。それを考慮いたしまして、国連モデル条約におきましては源泉地国での課税を広く認める形とするために恒久的施設の範囲をより広く認めるとか、あるいは投資所得の制限税率を明記していない、こういうような特徴があるわけでございます。
今度の日中租税条約、租税協定におきましては先ほど申し上げましたような考慮から、基本的にはOECDモデル条約のラインに沿いつつも、中国が開発途上国であるということを考慮いたしまして、恒久的施設の範囲をより広く認めているというような点におきまして国連モデル条約、それから日本が今まで発展途上国との間でつくりました協定、この考えをある程度取り入れてつくってございます。
この発言だけを見る →この条約がOECDモデル条約または国連モデル条約とどういう関係にあるかという点でございますが、我が国といたしましては、基本的には今度の中国との租税協定もOECDモデル条約のパターンに沿いまして作成したものでございますが、中国は開発途上国でございますので、この点を考慮に入れまして国連モデル条約の内容も取り入れております。
OECDモデル条約と申しますのは、これは主としてOECD加盟諸国間で租税条約を結ぶとき、できるだけこういうような内容で結ぶことを目指すべきだという考えからつくられておりますので、基本的に経済発展段階がそれほど異ならない国同士の間の租税協定ということを目指しているわけでございます。これに対しまして、国連モデル条約の方は、先進国と開発途上国との間で租税協定を締ぶときのモデルとしてつくられたものでございます。したがいまして、租税協定は、もちろん規定の内容が双務的な書き方になるわけでございますけれども、先進国と開発途上国との間におきましては、資本の流れもそれから企業の進出もどうしても実態上は一方的なものになるわけでございます。それを考慮いたしまして、国連モデル条約におきましては源泉地国での課税を広く認める形とするために恒久的施設の範囲をより広く認めるとか、あるいは投資所得の制限税率を明記していない、こういうような特徴があるわけでございます。
今度の日中租税条約、租税協定におきましては先ほど申し上げましたような考慮から、基本的にはOECDモデル条約のラインに沿いつつも、中国が開発途上国であるということを考慮いたしまして、恒久的施設の範囲をより広く認めているというような点におきまして国連モデル条約、それから日本が今まで発展途上国との間でつくりました協定、この考えをある程度取り入れてつくってございます。
野
野上徹#14
○野上委員 この前もらいました提案理由の説明では、OECDモデル条約案というものだけ前面に出ておりましたので。確かに広大な資源と市場がある国ではありますけれども、事経済管理その他に関してはあくまでも中国は発展途上国だ、こういうふうに私も受けとめますし、昨年来日されました胡耀邦さんあたりもそういうふうに言っているわけですが、そこら辺でどうして国連モデル条約案の方に沿わなかったのかな、こういう疑問が実はあったわけであります。そうすると、これは結局今のお話ですと、両方を折衷してつくった、こういうふうに受けとめてよろしいですか。
この発言だけを見る →斉
野
野上徹#16
○野上委員 さてそこで、先ほどから申しておりますように、これが中国の対外的な租税協定の第一号であるという点で大変高く評価しているわけでありますが、今アメリカが中国と米中租税協定、これが仮調印されたと聞いているわけですけれども、アメリカの方に先を越されてしまうというような見通しはどうですか。
この発言だけを見る →瀬
瀬崎克己#17
○瀬崎説明員 米中租税協定につきましては、去る三月二十一日リーガン財務長官が訪中した際に仮署名されているようでございます。この協定の内容につきましては、私どもの方から中国側に照会したわけでございますが、現在まだ仮署名の段階でございますので外部には明らかにできないということでございますが、おおむね日中租税協定に似たものである、ただしアメリカの法律制度との相違を踏まえまして、日本とは若干違っているけれども、それはアメリカの法律制度と日本の法律制度との違いを反映したものであって、基本的には日中租税条約と類似のものである、このような説明を受けているわけでございます。
他方、この協定につきましては三月二十一日に仮署名されたわけでございますが、今月下旬に予定されておりますレーガン大統領の中国訪問の際に正式に署名されるやに聞き及んでいるわけでございます。他方、発効の手続につきましては日中租税条約の場合と同様でございまして、アメリカ議会の承認を得た後に発効するわけでございます。したがいまして、現在我が方の国会で御審議いただいているわけでございますが、日本側の国会審議の状況と、四月二十六日以降正式に調印されますこの条約のアメリカ議会における審議の状況、どちらの方で早く御審議いただくかということになるわけでございますが、とにかく日中租税条約なるものが中国側が最初に締結した租税条約であるということでございますので、先方といたしましても日中租税条約ができるだけ早期に発効することを期待しているやに聞き及んでいるわけでございます。
この発言だけを見る →他方、この協定につきましては三月二十一日に仮署名されたわけでございますが、今月下旬に予定されておりますレーガン大統領の中国訪問の際に正式に署名されるやに聞き及んでいるわけでございます。他方、発効の手続につきましては日中租税条約の場合と同様でございまして、アメリカ議会の承認を得た後に発効するわけでございます。したがいまして、現在我が方の国会で御審議いただいているわけでございますが、日本側の国会審議の状況と、四月二十六日以降正式に調印されますこの条約のアメリカ議会における審議の状況、どちらの方で早く御審議いただくかということになるわけでございますが、とにかく日中租税条約なるものが中国側が最初に締結した租税条約であるということでございますので、先方といたしましても日中租税条約ができるだけ早期に発効することを期待しているやに聞き及んでいるわけでございます。
野
野上徹#18
○野上委員 せっかく交わすこの協定でありますし、お隣の中国と日本とはこれから長期かつ安定的にもっともっと友好を深め、さらに経済交流も進めていかなければならぬ、こういう状況にある中で、せっかくなら第一号に日本がなってほしいな、こういうふうに思うわけですが、この国会でこれが承認されると、すぐ発効して一号になるというわけであるならば、一日も早くこれを承認させてもらいたいな、こういうふうに思うわけですが、そこら辺、これを承認すれば自動的に発効になるわけですか。
この発言だけを見る →斉
斉藤邦彦#19
○斉藤(邦)政府委員 この協定の発効手続は、二十九条に書いてございますけれども、日中双方におきまして効力発生のための必要とされる手続が完了したことを通知する外交上の公文が交換された日から三十日目に発効することになっております。したがいまして、我が国におきましては、国会の御承認をいただいた後内閣の決定をいただきまして、この旨の公文を交換し得る体制になった後、早くて三十日後に発効するということになります。
この発言だけを見る →野
野上徹#20
○野上委員 さて、この協定が発効し、いろいろな環境整備がなされていく、中国は現在百億ドルの貿易額を将来は四百億ドル、五百億ドルに持っていきたいんだ、こういうことでありますが、そうなってまいりますと、ここでちょっと懸念されるのは、確かに中国は大きな市場を持っておりまして、日本にとっても将来性のある市場でありますからそういうふうな日本の企業進出というものは大変な伸びを見せるかと思います。そうなってまいりますと、今アメリカとの間に貿易摩擦というようなことが起きているわけでありますけれども、そこら辺まで心配するのは杞憂かもしれませんが、そうした膨れ上がっていくであろう日中の貿易に対しまして政府側はどのような予測を立てておられるか。貿易摩擦というものは起きてからやってもなかなか取り返すのに時間がかかるわけですので、そこら辺をどのように考えているのか聞かせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →瀬
瀬崎克己#21
○瀬崎説明員 日中間の貿易でございますが、中国側の指導者の予測によりますと、現在の百億ドルの貿易の規模を一九九〇年には二百億ドル、二〇〇〇年には四百億ドル、こういうような希望的観測を述べているわけでございます。日本と中国との貿易の構造を見ますと、どちらかと申しますとこれは補完的な関係にある。要するに日本側から鉄鋼製品であるとか機械類が出てまいりまして、中国側からは鉱物資源、すなわち石油と石炭が中心でございますが、これが輸入のほぼ半分、五〇%ないし六〇%を占めているわけでございます。こういった貿易構造は恐らく今後も長期的に変わらないと思いますし、また、民間が締結しております長期的な資源輸入の協定を見ましても、恐らく相当な規模で今後日本の輸入需要というのは伸び続けるのではないか、かように期待されますので、現在アメリカとの間あるいはヨーロッパとの間にございますような貿易摩擦というのは当面予測されないところでございます。
他方、日本と中国との間にはいわゆる日中四原則というものがございまして、平等互恵を中心といたしました精神規定というものが政府の関係を律する上でのガイドラインであるのみならず、日本の民間の方々についても十分理解されているところでございまして、企業進出等につきましても混乱がないというふうに予測しているわけでございます。
この発言だけを見る →他方、日本と中国との間にはいわゆる日中四原則というものがございまして、平等互恵を中心といたしました精神規定というものが政府の関係を律する上でのガイドラインであるのみならず、日本の民間の方々についても十分理解されているところでございまして、企業進出等につきましても混乱がないというふうに予測しているわけでございます。
野
野上徹#22
○野上委員 それから四つの近代化、工業、農業、防衛、科学技術、こういうことでありますが、確かに工業、農業、科学技術というのはまあ結構なのですけれども、防衛となりますとやはり神経質にならざるを得ない面もあるわけであります。その点について、これから日本の企業がどんとん進出していくといった場合に、この武器関連の企業となりますと、広い意味での武器といいますといろいろ不明瞭になってくるわけでありますが、そういった企業の進出についてのチェックというものはどうなるのでしょうか。
この発言だけを見る →瀬
瀬崎克己#23
○瀬崎説明員 この問題につきましては外務省が直接に所掌する立場ではございませんが、私どもといたしましては日本の企業が進出する際につきまして日本側の規制に際しまして、少なくとも軍事協力につながるような企業進出というものはあり得ないだろうというふうに確信するわけでございます。
なお、日中政府間の経済協力につきましては、この点は非常に明確になっておりまして、一九七九年に大平元首相が訪中された際に日本の経済協力の基本的な姿勢といたしまして、西側諸国との協調、軍事協力は行わず、アジア諸国との均衡を保つ、この三つの基本的な原則が明確になっておりまして、軍事協力につながるような少なくとも政府レベルでの経済協力というのはあり得ないというふうに確信しております。
この発言だけを見る →なお、日中政府間の経済協力につきましては、この点は非常に明確になっておりまして、一九七九年に大平元首相が訪中された際に日本の経済協力の基本的な姿勢といたしまして、西側諸国との協調、軍事協力は行わず、アジア諸国との均衡を保つ、この三つの基本的な原則が明確になっておりまして、軍事協力につながるような少なくとも政府レベルでの経済協力というのはあり得ないというふうに確信しております。
野
野上徹#24
○野上委員 この日中租税協定に関しましては後ほど大臣が見えられましたら、最後に一問質問をすることにいたします。
スリランカとの航空協定でございますけれども、昨年の七月末にスリランカでシンハリ人とタミル人の事件が発生をいたしましたが、このスリランカの国内情勢、これについて少し聞いておきたいと思うわけでございます。
と申しますのは、この航空協定によってこれから日本とスリランカの間の人的な往来、日本人の観光客も非常に増大するでありましょう。そういうところへ行きますと、向こうの国内の安全というものについてやはり相当神経質にならざるを得ない、こういうふうに思うわけでございます。そこで、この人種問題に絡むざわめきが日本とスリランカ間の観光投資面でいかなる影響があると考えておられるのか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
この発言だけを見る →スリランカとの航空協定でございますけれども、昨年の七月末にスリランカでシンハリ人とタミル人の事件が発生をいたしましたが、このスリランカの国内情勢、これについて少し聞いておきたいと思うわけでございます。
と申しますのは、この航空協定によってこれから日本とスリランカの間の人的な往来、日本人の観光客も非常に増大するでありましょう。そういうところへ行きますと、向こうの国内の安全というものについてやはり相当神経質にならざるを得ない、こういうふうに思うわけでございます。そこで、この人種問題に絡むざわめきが日本とスリランカ間の観光投資面でいかなる影響があると考えておられるのか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
瀬
瀬崎克己#25
○瀬崎説明員 スリランカの人口は約千五百万でございます。このうちの七〇%近くがシンハリ人でございまして、他方一七、八%が少数民族のタミル人ということで、このタミル人とシンハリ人の間には長年にわたって確執があったわけでございますが、昭和五十二年以降、このタミル人の少数過激派が各地でかなりテロ的な行為をやっておりまして、銀行を襲撃したりあるいは強盗殺人を行うというようなことで、かなり過激な動きがあったわけでございます。この過激派のタミル人がたまたまセイロン島の北東部に集中しておりますので、分離運動というような動きもございまして、いろいろ政治的に問題があったわけでございますが、不幸にして昨年の七月、たまたまシンハリ人の兵隊さん十三人がタミル人によって殺害されるという事件が起きまして、これを契機といたしまして各地で暴動が起きまして、その際に約四百人近いスリランカの人々が亡くなったわけでございます。こういうような事態を受けまして、政府は非常事態の宣言をいたしまして政情の鎮静化に努めたわけでございますが、幸いにして約一カ月程度でこういった事態が解消されて、現在では政情も安定しているということでございまして、大統領を中心といたしまして、現在全政党間における民族融和のための話し合いというようなものが行われております。最近になりましても、何かシンハリ人の殺害事件が起きたというようなことがございましたけれども、これは大事には至っていないということでございます。
他方、こういった一連の政情不安が特にスリランカが重視しております観光事業にどういう影響を与えたかという点につきましては、八三年の統計数字が必ずしもつまびらかではございませんのではっきりしたことは申し上げられないわけでございますけれども、我々がいろいろ仄聞しておるところによりますと、観光収入がかなり減った、要するに観光客のスリランカ訪問が減ったように聞いております。したがいまして、スリランカとしてはそういった観光収入の減少を防ぐためにも、現在の政情の安定ということを非常に重視しておるわけでございます。
スリランカにつきましては、現在の大統領が中心となっておりまして、政府、同会では多数党を占めておりますし、政情そのものは安定しておるわけでございますが、残念ながらこのような少数民族問題をめぐりまして若干問題があるということでございますけれども、基本的には私どもとしてはスリランカの政情は安定しているというような認識に立っているわけでございます。
この発言だけを見る →他方、こういった一連の政情不安が特にスリランカが重視しております観光事業にどういう影響を与えたかという点につきましては、八三年の統計数字が必ずしもつまびらかではございませんのではっきりしたことは申し上げられないわけでございますけれども、我々がいろいろ仄聞しておるところによりますと、観光収入がかなり減った、要するに観光客のスリランカ訪問が減ったように聞いております。したがいまして、スリランカとしてはそういった観光収入の減少を防ぐためにも、現在の政情の安定ということを非常に重視しておるわけでございます。
スリランカにつきましては、現在の大統領が中心となっておりまして、政府、同会では多数党を占めておりますし、政情そのものは安定しておるわけでございますが、残念ながらこのような少数民族問題をめぐりまして若干問題があるということでございますけれども、基本的には私どもとしてはスリランカの政情は安定しているというような認識に立っているわけでございます。
野
野上徹#26
○野上委員 定刻に大臣がお見えになられましたので、先ほど残しておきました租税協定に関しまして最後の質問をしたいと思います。
安倍外務大臣は、この租税協定に関しましては昨年来大変御努力をされ、署名者として一つの感慨をお持ちになっていると思いますが、本協定が発効した晩には、対中経済交流拡充の面でずばりどんな役割を果たしていくお考えでしょうか。その点について、大臣から御説明を願いたいと思います。
この発言だけを見る →安倍外務大臣は、この租税協定に関しましては昨年来大変御努力をされ、署名者として一つの感慨をお持ちになっていると思いますが、本協定が発効した晩には、対中経済交流拡充の面でずばりどんな役割を果たしていくお考えでしょうか。その点について、大臣から御説明を願いたいと思います。
安
安倍晋太郎#27
○安倍国務大臣 今回ぜひお願いをして、日中租税協定の承認を得たいわけでございます。これは、これからの日中関係の長期にわたる安定を確保していく、さらにまた、中国のいわゆる経済の現代化を促進する意味におきましても、日中双方にとりましても大変重要な意味を持った協定である、私はこういうふうに思っております。
中国に今回参りまして、中国の首脳からいろいろと話を聞きましたし、我々も率直に注文も出したわけでありますが、日中双方において、政府間については、今回も第二次七カ年で四千七百億という膨大な協力をすることになって非常に順調にいっておりますが、ただ、民間の投資という面につきましては、中国の統計によると全体の中で日本の民間投資は六%ぐらいしかしていない。経済協力は世界で最も多くしてもらっている。しかし、民間の方の投資は非常に少ない。これでは本当の日中の安定的な経済関係というものは確立できないし、現代化は、政府の御協力は大変ありがたいのですが、それだけではできないので、これはまた日本の経済のこれからの発展というものにはね返ってくるのでぜひとも民間の関係を強化していきたい。それにはやはり民間の投資をお願いしたいということで、投資の環境あるいはまた投資の条件というものを整備してもらわないと、政府が行けと言ってすぐ民間が出るわけにはいかないわけだから、ぜひともそうした整備をしてもらいたい。そういう意味で、今度の租税協定も、投資環境整備という意味で中国側も努力しまして、今回この運びになったわけでございます。
私は、今後の日中関係にこの協定はそれなりに非常な役割を果たしていく、こういうふうに考えておりますし、民間の投資が促進される上においても大変意義深いものであろうと考えるわけであります。鄧小平主任と中曽根総理との会談の際も、特に民間の投資問題が非常に大きな課題になりまして、いろいろと条件整備もするし、同時にまた、中国へ民間が出てきて非常に失敗をするとか、そういうふうなことがあれば遠慮なしに言ってもらいたい、中国は必ずこれは補いをつけます、ぜひとも日本の民間側にそういう説明をしてもらいたい、日本の民間の協力があって初めて中国の現代化は完成できるということを口をきわめて言っておられたわけであります。そういう意味からも今度の租税協定は非常に意味を持った協定であるということで、ぜひとも御承認のほどを早くお願い申し上げたい次第であります。
この発言だけを見る →中国に今回参りまして、中国の首脳からいろいろと話を聞きましたし、我々も率直に注文も出したわけでありますが、日中双方において、政府間については、今回も第二次七カ年で四千七百億という膨大な協力をすることになって非常に順調にいっておりますが、ただ、民間の投資という面につきましては、中国の統計によると全体の中で日本の民間投資は六%ぐらいしかしていない。経済協力は世界で最も多くしてもらっている。しかし、民間の方の投資は非常に少ない。これでは本当の日中の安定的な経済関係というものは確立できないし、現代化は、政府の御協力は大変ありがたいのですが、それだけではできないので、これはまた日本の経済のこれからの発展というものにはね返ってくるのでぜひとも民間の関係を強化していきたい。それにはやはり民間の投資をお願いしたいということで、投資の環境あるいはまた投資の条件というものを整備してもらわないと、政府が行けと言ってすぐ民間が出るわけにはいかないわけだから、ぜひともそうした整備をしてもらいたい。そういう意味で、今度の租税協定も、投資環境整備という意味で中国側も努力しまして、今回この運びになったわけでございます。
私は、今後の日中関係にこの協定はそれなりに非常な役割を果たしていく、こういうふうに考えておりますし、民間の投資が促進される上においても大変意義深いものであろうと考えるわけであります。鄧小平主任と中曽根総理との会談の際も、特に民間の投資問題が非常に大きな課題になりまして、いろいろと条件整備もするし、同時にまた、中国へ民間が出てきて非常に失敗をするとか、そういうふうなことがあれば遠慮なしに言ってもらいたい、中国は必ずこれは補いをつけます、ぜひとも日本の民間側にそういう説明をしてもらいたい、日本の民間の協力があって初めて中国の現代化は完成できるということを口をきわめて言っておられたわけであります。そういう意味からも今度の租税協定は非常に意味を持った協定であるということで、ぜひとも御承認のほどを早くお願い申し上げたい次第であります。
野
野上徹#28
○野上委員 大臣には大変たくさん質問をしたいわけですが、限られた時間でございますので、日中に限ってさせていただきたいと思います。
大臣におかれましては、例えば日米ということになりますと、本日も山村農林大臣が訪米されておられますが、農産物の問題初めVANあるいはソフトウエア、ソフトプログラムあるいは金利、いろいろな面での対米経済パッケージという面で大変な御活躍をされ、また、中東におきましてはイラン、イラクの紛争を初めといたしまして対中東政策に安倍外交の実を上げられているわけでございます。我々から見ておりますと、中曽根外交というよりも今やまさに安倍外交ということで世界が評価をされている、こういうふうに受けとめているわけであります。また、先ごろの訪中は大変大きな成果を上げられてお帰りになられたわけですが、私といたしましては、安倍外交の基本は、もちろん主張すべきは主張し、そして話し合いによって日本の平和外交政策を強力に進めていくんだという基本姿勢は非常によく理解できるわけですが、今回の訪中に関しまして、安倍外交のいわゆる主張すべきを主張する、こういう面におきまして外相会談その他でどのような主張をなされたか、そしてまた、今回の訪中で最も大きな成果は何であったのか、今度の訪中の一連の問題をどのように大臣として評価なさっておられるか、この辺についてお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →大臣におかれましては、例えば日米ということになりますと、本日も山村農林大臣が訪米されておられますが、農産物の問題初めVANあるいはソフトウエア、ソフトプログラムあるいは金利、いろいろな面での対米経済パッケージという面で大変な御活躍をされ、また、中東におきましてはイラン、イラクの紛争を初めといたしまして対中東政策に安倍外交の実を上げられているわけでございます。我々から見ておりますと、中曽根外交というよりも今やまさに安倍外交ということで世界が評価をされている、こういうふうに受けとめているわけであります。また、先ごろの訪中は大変大きな成果を上げられてお帰りになられたわけですが、私といたしましては、安倍外交の基本は、もちろん主張すべきは主張し、そして話し合いによって日本の平和外交政策を強力に進めていくんだという基本姿勢は非常によく理解できるわけですが、今回の訪中に関しまして、安倍外交のいわゆる主張すべきを主張する、こういう面におきまして外相会談その他でどのような主張をなされたか、そしてまた、今回の訪中で最も大きな成果は何であったのか、今度の訪中の一連の問題をどのように大臣として評価なさっておられるか、この辺についてお聞きしたいと思います。
安
安倍晋太郎#29
○安倍国務大臣 今度の中曽根総理の訪中、それに私もついていったわけでありますが、これは大変成果はあったんじゃないかと私は思います。中国側も大変な歓迎でありまして、これは胡耀邦総書記が昨年十一月日本に来た。それに対して日本が至れり尽くせりの歓迎をして、胡耀邦総書記も大変大きな感銘を受けたということで、帰られてから早速日本に見習うべきものは見習おうじゃないかということで、どんどん改革が進められておるようでございます。そしてまた、今回の訪問についても、中国の政府がこれを歓迎するということだけでなくて、党も一緒にやろうということになったわけで、いわゆる政府、党一体となった歓迎ですから大変な盛り上がりを見せたわけです。武漢、いわゆる昔の武漢三鎮なんか行ってみましても、百万以上二百万と言われますから、大変な人出でありまして、中国の人が言っておりましたが、やはりこれは胡耀邦総書記の指示が出た、ですから党が動いておるのですよ、政府だけじゃなくて党が動いておるからこんな歓迎になったのですよ、こういうことを言っておったのであります。それなりに中国が日本に対して大きな期待を抱いておるということであろうと思います。
農業関係は、生産も相当順調に進んで非常に自信を持ってきたわけですが、特に現代化、工業等の発展についてはこれからだ、そしてそれはやはり日本の力をかりる以外にないというのが中国側の考え方で、それがあらゆる会談に、先ほど申し上げましたように日本の投資歓迎といったような形で強く打ち出されたわけでございます。
日中間の話し合いとしては、二国間の問題だけではなくて、広く国際情勢について話し合いをいたしました。首脳会談そして外相会談において、例えば米ソの問題あるいはまた中ソ関係、中米関係、朝鮮半島に対する議論等あるいはカンボジア問題等、今日、我々の周りに横たわっておるところの重要な国際問題についてはほとんど余すことなく論議をいたしまして、その中では意見の一致するところもありましたし、また対立、並行する点もあったわけでございます。そういう中で、特に外相会談で我々がお互いに確認をし合ったのは、要するにソ連の最近の軍事力増強、特にINF、いわゆるSS20というものが非常な勢いで極東部に増強されておるということでございまして、今も百三十五基あるわけですが、これが私が中国へ行きましたときは百四十四基ということでありましたが、その後の状況では百五十三基までこれが増強される、今こういう実態になっております。このような膨大な軍事力、特に中距離核ミサイルのアジア部における増強というものに対しまして、やはり日本と中国がお互いに情報交換しながら、ともに核軍縮に向かって声を大にして進んでいかなければならぬ、こういう点について話し合って、これは大変意見の一致を見たわけであります。これは実は昨年の国連総会に私が呉学謙外相と会ったときにこの話を持ち出しまして、当時中国は、ソ連のSS20、いわゆるINF交渉についてはほとんど物を言わなかったのですが、私は、これをほうっておいたらアジアが無視されてしまう、どうしてもINF交渉の焦点が西側に移ってしまって、日本がグローバルだとかあるいはアジアを犠牲にしてはならないということを言っても、結局ヨーロッパが交渉の中心になってしまって無視されるおそれがある、それにはやはり日本だけが声を大にして言ったってだめで、中国が大きな声を出すということが、いわばある意味においてはアメリカを牽制しあるいはヨーロッパに対してパンチ、一つの圧力をかける上においても必要だ、こういうふうに思いまして、実は中国側に働きかけたのですが、呉学謙外相がこれに応じてきましたので、その後情報交換を続けて、今回もさらにそれを確認し合ったわけでありました。これは今中断をしておりますけれども、ソ連のSS20というのは中国にとりましては非常な脅威だということをはっきり言っておりまして、そういう意味においては、これからのINF交渉再開における日中間の情報交換、そして核軍縮へ向かって足並みをそろえて進むということは外交面においては大変意味がある、そういうふうに私は確信をいたして、この辺はお互いに進めてまいりたい。
もう一つは、朝鮮半島の問題で、やはり中韓関係を進めるということが必要じゃないか。朝鮮半島の状況緩和については、二者会談、三者会談あるいは四者会談、六者会談といろいろと構想は出ておるわけでございますが、現実問題としてはどの構想も、それでは実現するかというと、すぐ右から左にはそういう可能性はないわけです。しかし日本としては、この半島の緊張を緩和するということは非常に大事なことでありますし、それなりに日本としても努力していかなければならぬ。そういう意味で、環境をよくするという意味での日本のできる役割というのは、中国と韓国とは全然外交関係がないのですから、非政治的な面で中韓の橋渡しをしていくということが、これからの日本の朝鮮半島の状況緩和に対する一つの役割であろう、こういうふうに考えております。実は、ラングーンで亡くなりました李範錫外相が、生きておられるときからこの中韓関係には大変熱心でありまして、私もしばしば要請といいますか要望を聞いたわけでございます。
私は、昨年、日中閣僚会議で中国に行ったときから既に、中韓問題については呉学謙外相に打診をしておったわけでございますが、今回はさらに具体的な、例えば親族の交流とかそういう面で打ち出しまして、非政治的な面、そして人道的な面ではこれに対して中国が応ずるというふうな姿勢がはっきり出ました。これはこれから具体化していくでありましょうが、これからの朝鮮半島の状況を考えますと、中韓が非政治的な面でいろいろと交流を進める、そういう中に日本が立って努力をするということは、今後の朝鮮半島の状況を緩和して、韓国と北朝鮮との話し合いを進めるという意味では何か一つの役割を果たす可能性はあるのじゃないか、これは腰を据えて、非政治的な面に限ってひとつ努力を重ねていきたい、こういうふうに私は思うわけでございます。
主として大きな問題点として私が取り上げたのは、SS20の問題と中韓の交流、こういう問題でございました。
この発言だけを見る →農業関係は、生産も相当順調に進んで非常に自信を持ってきたわけですが、特に現代化、工業等の発展についてはこれからだ、そしてそれはやはり日本の力をかりる以外にないというのが中国側の考え方で、それがあらゆる会談に、先ほど申し上げましたように日本の投資歓迎といったような形で強く打ち出されたわけでございます。
日中間の話し合いとしては、二国間の問題だけではなくて、広く国際情勢について話し合いをいたしました。首脳会談そして外相会談において、例えば米ソの問題あるいはまた中ソ関係、中米関係、朝鮮半島に対する議論等あるいはカンボジア問題等、今日、我々の周りに横たわっておるところの重要な国際問題についてはほとんど余すことなく論議をいたしまして、その中では意見の一致するところもありましたし、また対立、並行する点もあったわけでございます。そういう中で、特に外相会談で我々がお互いに確認をし合ったのは、要するにソ連の最近の軍事力増強、特にINF、いわゆるSS20というものが非常な勢いで極東部に増強されておるということでございまして、今も百三十五基あるわけですが、これが私が中国へ行きましたときは百四十四基ということでありましたが、その後の状況では百五十三基までこれが増強される、今こういう実態になっております。このような膨大な軍事力、特に中距離核ミサイルのアジア部における増強というものに対しまして、やはり日本と中国がお互いに情報交換しながら、ともに核軍縮に向かって声を大にして進んでいかなければならぬ、こういう点について話し合って、これは大変意見の一致を見たわけであります。これは実は昨年の国連総会に私が呉学謙外相と会ったときにこの話を持ち出しまして、当時中国は、ソ連のSS20、いわゆるINF交渉についてはほとんど物を言わなかったのですが、私は、これをほうっておいたらアジアが無視されてしまう、どうしてもINF交渉の焦点が西側に移ってしまって、日本がグローバルだとかあるいはアジアを犠牲にしてはならないということを言っても、結局ヨーロッパが交渉の中心になってしまって無視されるおそれがある、それにはやはり日本だけが声を大にして言ったってだめで、中国が大きな声を出すということが、いわばある意味においてはアメリカを牽制しあるいはヨーロッパに対してパンチ、一つの圧力をかける上においても必要だ、こういうふうに思いまして、実は中国側に働きかけたのですが、呉学謙外相がこれに応じてきましたので、その後情報交換を続けて、今回もさらにそれを確認し合ったわけでありました。これは今中断をしておりますけれども、ソ連のSS20というのは中国にとりましては非常な脅威だということをはっきり言っておりまして、そういう意味においては、これからのINF交渉再開における日中間の情報交換、そして核軍縮へ向かって足並みをそろえて進むということは外交面においては大変意味がある、そういうふうに私は確信をいたして、この辺はお互いに進めてまいりたい。
もう一つは、朝鮮半島の問題で、やはり中韓関係を進めるということが必要じゃないか。朝鮮半島の状況緩和については、二者会談、三者会談あるいは四者会談、六者会談といろいろと構想は出ておるわけでございますが、現実問題としてはどの構想も、それでは実現するかというと、すぐ右から左にはそういう可能性はないわけです。しかし日本としては、この半島の緊張を緩和するということは非常に大事なことでありますし、それなりに日本としても努力していかなければならぬ。そういう意味で、環境をよくするという意味での日本のできる役割というのは、中国と韓国とは全然外交関係がないのですから、非政治的な面で中韓の橋渡しをしていくということが、これからの日本の朝鮮半島の状況緩和に対する一つの役割であろう、こういうふうに考えております。実は、ラングーンで亡くなりました李範錫外相が、生きておられるときからこの中韓関係には大変熱心でありまして、私もしばしば要請といいますか要望を聞いたわけでございます。
私は、昨年、日中閣僚会議で中国に行ったときから既に、中韓問題については呉学謙外相に打診をしておったわけでございますが、今回はさらに具体的な、例えば親族の交流とかそういう面で打ち出しまして、非政治的な面、そして人道的な面ではこれに対して中国が応ずるというふうな姿勢がはっきり出ました。これはこれから具体化していくでありましょうが、これからの朝鮮半島の状況を考えますと、中韓が非政治的な面でいろいろと交流を進める、そういう中に日本が立って努力をするということは、今後の朝鮮半島の状況を緩和して、韓国と北朝鮮との話し合いを進めるという意味では何か一つの役割を果たす可能性はあるのじゃないか、これは腰を据えて、非政治的な面に限ってひとつ努力を重ねていきたい、こういうふうに私は思うわけでございます。
主として大きな問題点として私が取り上げたのは、SS20の問題と中韓の交流、こういう問題でございました。