科学技術委員会

1991-03-07 衆議院 全264発言

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会議録情報#0
平成三年三月七日(木曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 中馬 弘毅君
   理事 佐田玄一郎君 理事 渡海紀三朗君
   理事 光武  顕君 理事 村井  仁君
   理事 山本 有二君 理事 関  晴正君
   理事 辻  一彦君 理事 近江巳記夫君
      河野 洋平君    塚原 俊平君
      羽田  孜君    森  英介君
      渡瀬 憲明君    大畠 章宏君
      山内  弘君    吉田 正雄君
      長田 武士君    金子 満広君
      吉井 英勝君    川端 達夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      山東 昭子君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     平野 拓也君
        科学技術庁長官
        官房審議官   石田 寛人君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  須田 忠義君
        科学技術庁科学
        技術振興局長  林  昭彦君
        科学技術庁原子
        力局長     山本 貞一君
        科学技術庁原子
        力安全局長   村上 健一君
        科学技術庁原子
        力安全局次長  長田 英機君
 委員外の出席者
        原子力安全委員
        会委員長    内田 秀雄君
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課放射性廃
        棄物規制室長  伊集院宗昭君
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全調査室長  鈴木 治夫君
        資源エネルギー
        庁長官官房企画
        調査課長    梅村 美明君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全審
        査課長     森  信昭君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     倉重 有幸君
        科学技術委員会
        調査室長    松尾 光芳君
    ─────────────
委員の異動
三月四日
 辞任         補欠選任
  金子 満広君     小沢 和秋君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 和秋君     金子 満広君
同月七日
 辞任         補欠選任
  佐藤 観樹君     吉田 正雄君
  森井 忠良君     山内  弘君
  金子 満広君     吉井 英勝君
  永末 英一君     川端 達夫君
同日
 辞任         補欠選任
  山内  弘君     森井 忠良君
  吉田 正雄君     佐藤 観樹君
  吉井 英勝君     金子 満広君
  川端 達夫君     永末 英一君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ────◇─────
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中馬弘毅#1
○中馬委員長 これより会議を開きます。
 この際、さきの理事会の協議に基づいて行われました関西電力株式会社美浜発電所視察につきまして、その概要を私から御報告申し上げます。
 本年二月九日に起きた美浜発電所二号炉の事故を重視いたしまして、去る三月四日に同事故の実情を現地で調査するとともに、関係地方自治体から要望等を聴取いたしました。
 当日の参加委員は、私のほか、渡海紀三朗君、光武顕君、村井仁君、山本有二君、関晴正君、辻一彦君、近江巳記夫君、小沢和秋君、永末英一君の十名でありますが、現地におきまして山本拓議員が参加されました。
 私どもは、まず、美浜発電所に赴き、会社側から、今回の事故の経過、運転員のとった措置、放射能の外部への影響、事故後の会社側の対応、特に二月十九日に通商産業省から受けた指示事項に対する実施状況、事故原因究明の実施状況等について説明を聴取した後、二号炉の中央制御室における事故当時の監視盤での操作状況、復水器等の二次系設備、放水口及び放射線監視のモニタリングポストを視察いたしました。
 また、視察後、各委員から会社側への質疑を行いましたが、その主な内容は、異常時における関係地方自治体への通報のおくれの原因と今後の対策、通商産業省から指示を受けた「二次冷却水水質に有意な変化が認められた場合に原子炉を停止する措置を講ずること」を実施する際の有意な変化の判断方法、原子炉圧力容器の中性子照射による脆化の可能性等であります。
 引き続き、美浜町中央公民館において、地元自治体から福井県副知事、美浜町長、美浜町議会議長等関係者の出席を得て、今回の事故に対する地元の意見、要望を聴取いたしました。
 福井県からは、速やかな原因調査、定期検査のあり方、加圧水型軽水炉の安全性についての再確認、防災訓練のあり方について要望がありました。
 また、美浜町からは、原子力に対する信頼性を維持するため、事故原因の徹底的な究明と、美浜一、三号炉の健全性についての再確認の要望がありました。
 各委員からの質疑の主な内容は、関係自治体への通報のおくれ、隣接市町村への通報体制、住民参加の防災訓練等についてでありました。
 以上であります。
     ────◇─────
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中馬弘毅#2
○中馬委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。光武顕君。
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光武顕#3
○光武委員 本日、私は、さきの第百二十回国会における科学技術庁長官所信表明を受けまして、まず第一点、科学技術政策一般について、それから第二点といたしまして、今委員長からお話がありました今回の美浜発電所第二号炉の事故について、お尋ねをしたいと思うのであります。
 戦後、瓦れきの中から立ち上がった日本が世界の奇跡ともいわれる経済の繁栄を続けまして、そして今日経済的には世界の第一等国になったということについては異論のないところであろうと存じます。これは何よりも日本人の知的水準の高さ、それに勤勉さ等々によるものであると思うの
でありますが、しかし、経済の発展を支えた一番大きな柱は、何と申しましても科学技術振興にあったということもまた異論のないことだと思うのであります。
 この点に関しましては、政府も民間も本当にゼロであるという状況から出発をいたしまして、懸命な努力を払いまして、そして今や科学技術というものの水準は世界の一等国の仲間入りをしたということ、私はそう思うのでありますけれども、こうした科学技術の振興も、歴史的に戦後を振り返ってみますと、かつてデュポンのナイロン製造技術の導入を初めとして科学技術の応用ということが華々しく展開されたわけであります。そして、それは今日もやはり日本の主流となっているのでありますが、その中で、一方では基礎研究ただ乗り論と申しまして、どうも日本はこすっからい、他の国々の基礎的な研究を、特許費を安く払って、そしてそれを応用して大金持ちになったといったような批判も実はよく聞くわけであります。
 そういう中で、今日政府も非常に努力をされまして、確かに一時そういう評価があったにもかかわらず、今日では基礎的な研究に対しましても日本が徐々に世界に追いついてきたということは、私は否定できないと思います。これは政府の努力のたまものでありますし、また民間も同じように基礎的研究に力を入れた結果であると思うのでありますが、この基礎的研究というのは、何と申しましても世界が、それぞれが共有する財産であり、公共財的な性格を持つものでありまして、これから世界の中で科学技術一等国として君臨するためには、この基礎的研究といったことに重点を置いてやっていかなければならない。その点に関しましては、まだ我が国の政策の重点がここにあるようには思えません。
 そこで、先般大臣から所信表明があったわけでありますが、創造的・基礎的研究の推進をすることは確かにそうであると思いますが、具体的にはどういう方策を考えておられるのか、振興局長にまずお尋ねをしたいと思うのであります。
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林昭彦#4
○林(昭)政府委員 先生御指摘のとおり、今後二十一世紀に向かってより豊かな社会を築き上げていくということのためにも、また国際的に日本が国力に見合った貢献を果たしていくためにも、我が国の創造的・基礎的な研究の推進が不可欠であるというふうに認識をしているところでございます。
 このために、私ども科学技術庁におきましては、これまで、新技術事業団によります創造科学技術推進制度でございますとか、あるいは理化学研究所におけるフロンティア研究システムの展開でございますとか、さらには科学技術振興調整費を活用いたしまして、国立の研究機関の研究活動を活性化いたします重点基礎研究及び省際基礎研究、また国際的な施策といたしましては、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムを実施する、さらには創造性豊かな若い人材を育てるということを目的といたしております基礎科学特別研究員制度及び科学技術特別研究員制度といったような基礎的研究の推進のための諸施策を推進しておるところでございます。
 また、平成三年度の予算案におきましては、先ほど申し上げましたような施策の拡充を図るとともに、新たに独創的な発想を持つすぐれた研究者を厳選してそういう個人の自由な研究を実施させるための独創的個人研究育成制度、これは私ども「さきがけ研究21」というようなニックネームをつけているわけでございますが、こういった制度を創設するための経費を計上しております。
 また、国立研究機関におきます創造的な活力を涵養するために必要ないわゆる人当研究費というものを、前年度に引き続きまして各省庁統一いたしまして単価アップを図るということのための経費も計上をしております。今後とも、我が国の創造的・基礎的研究の強化のために一層努力をしてまいりたいと考えております。
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光武顕#5
○光武委員 創造的・基礎的研究の具体的な方策については今お話がありました。その中で、局長は、国際的に貢献をするというお話が一節の中にあったわけであります。
 確かに科学技術については、今や一等国になったとはいえ、これは我が国だけの財産ではなくて、広く世界に貢献をしていかなければならないと思うわけです。我々の身近な問題を取り上げましても、つい最近、例えばフロンガスによるオゾン層の破壊、あるいは炭酸ガスがふえ続けることによって地球全体の温度が高くなっていくであろう。これは科学的にいまだきちっと証明されたわけではないのでありますが、つまりそういった問題に取り組むということは、実は我が国一国の科学技術の振興のみならず世界と共同歩調をとると申しますか、世界に対する貢献がなければならないわけであります。
 そこで、今お話がありました国際貢献という一節、これをもう少し、今後科学技術分野においてどのような国際貢献策が考えられるのか、その点を振興局長から再度お願いしたいと思います。
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林昭彦#6
○林(昭)政府委員 御指摘のとおり国際社会において果たすべき我が国の役割というのは増大をしておりますので、これに対応いたしまして、私どももいろいろな国際協力の施策を講じているわけでございます。
 我が国は二国間で科学技術協力協定を多数の国と結んでおりますし、また多国間のいろいろな科学技術の協定にも参加をしておりまして、こういった協定の枠組みのもとで幅広い協力を実施しております。
 具体的な施策の重要なものといたしましては、まず、さっきもちょっと触れましたヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進でございます。これは我が国が大部分の必要資金を拠出をいたしまして、全世界の研究者を対象に生体機能の解明を図る研究の助成をしているわけでございます。また、新技術事業団によります国際研究交流促進事業というものも推進をしております。これによりまして、外国からよく指摘をされております研究者の受け入れが日本は十分でないというようなものにこたえて、外国の研究者を円滑に受け入れるためのフェローシップ事業でございますとか、我が国の科学技術情報をもっと提供してもらいたいというような要請にこたえる情報提供事業、あるいは国際共同研究事業といったものを実施しております。
 また、ただいま先生御指摘の地球環境問題に対処するために、人工衛星等による地球観測技術の開発あるいは地球規模での諸現象の解明、研究といったようなことも推進をしております。さらに、宇宙の面での国際協力といたしまして宇宙ステーション計画に積極的に参加をしております。
 それから原子力の分野におきましても、先進国との間ではいわゆるITER計画、核融合炉の開発計画へ主体的、積極的に参加をしておりますし、放射性廃棄物の処理処分等の分野における協力も実施をしております。また、原子力の分野では開発途上国との人材交流とか研究協力といったようなことも推進をしておるわけでございます。
 なお、国際貢献の今後のあり方ということにつきましては、ことしの一月に科学技術会議に報告され、了承されました科学技術会議の中の国際問題懇談会の報告書、「科学技術のグローバル化に向けて」という標題でございましたが、ここにおいて基本的な国際貢献の指針を示していただいております。私どもとしては、これを基礎に各種の施策の充実拡充を図ってまいる所存でございます。
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光武顕#7
○光武委員 今振興局長から二点、基礎的研究の振興、それから国際貢献のための施策、こういったようなことについていろいろお話を伺ったわけであります。いずれも政府が今日科学技術振興の重要性を認識をして、そのために多大の努力を払っておられる、そのことには心から敬意を表するわけであります。
 しかしながら、こうした科学技術振興というものはどんなに力を入れても入れ過ぎるということはないのでありまして、特に軍事大国という意思を放棄した我が国にとりまして、例えばある経済
学者などは二十一世紀は日本の時代といったようなことも言われますが、その一番基本になるのは、日本の持つ科学技術のすばらしさにある。これは一刻も停滞をすることは許されないのでありまして、そうした意味では、これから二十一世紀をにらみまして十年間、さらに一層の努力の積み上げが必要であると私は思うのであります。そうした意味で、これから二十一世紀を見据えた確固たる科学技術政策、こういうことが本来政府になければならぬと思うのでありますが、そうした課題にどう取り組んでいくのか、ひとつ御意見を聞かせていただきたいと思います。
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須田忠義#8
○須田政府委員 現在政府が行っている各省庁科学技術政策というのは、今から六年前、昭和五十九年の科学技術会議の基本答申、我々は十一号答申と呼んでおりますが、それに基づく政策大綱の閣議決定、それに基づいて行っておるところであります。
 ただし、先生御指摘のとおりそこからもう六年経過いたしまして、その間、日本の国際社会における責任の増大、それから先生先ほどおっしゃいました地球規模のフロンガス、温暖化問題、地球規模で解決されていかなければならぬいろいろな課題、世界内外の科学技術を取り巻く情勢が非常に大きく変化しております。したがって、こういう認識のもとに、我々、昨年六月、科学技術会議に今後二十一世紀を見据えた科学技術政策の基本方向というものを実は諮問し、それ以来科学技術会議で今鋭意審議を重ねているところでございます。
 したがいまして、二十一世紀の姿を描きながら、今後十年間どういうことを重点に、どういう理念のもとにこれを推進していくかというのを科学技術会議の総合計画部会で鋭意審議し、ことしの年末にも答申をいただくということで作業を進めてまいっております。こういう答申等に先生のような御意見を十分踏まえて進めてまいりたい、こう思っております。
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光武顕#9
○光武委員 今、二十一世紀に向かっていろいろの施策を講じているというお話がありました。ひとつこの点に関しては気を緩めることなく科学技術政策の振興を図っていただきたいということをお願いするわけであります。
 一方で、今日までのこの科学技術振興については、政府はそれなりに努力はしてまいったと私は思うのでありますが、他の国々と比べますと総体的に政府の果たす役割、具体的に申しますと金の問題でありますが、予算等については、他国に比べるとなお劣っているのではないかという印象を持つのであります。
 それは、一つには、例えば今日研究費の総額は平成元年では約十二兆円、絶対額で申しますとアメリカに次いで二位でありますし、それはそれなりに大変な額が投じられているわけですね。ところが、その政府の負担する割合というものを見ておりますと、先進国に比べて特に低いわけであります。例えば、研究者一人当たりの研究費は先進国の三分の二ぐらいである、あるいは基礎研究の研究費の割合は西ドイツあるいはフランスに比べて六〇%ぐらいということで、科学技術の振興がどちらかというと応用の面、特に産業の面で生かされてはいるけれども、実際に政府がそのことを負担している割合というものは、科学技術の振興という度合いから比べますと低過ぎるという感じがいたしますし、さらに基礎研究費の割合が低いということは、これはやはり私は政府の責任だと思うのですね。
 どうしても企業というのは、利益を追求するということからいきますと基礎的研究費、最近はそうではなくなったと思うのでありますけれども、これまでの過程では確かにそういうものに金を投じることは少なかった。したがって、本来は公共財的な性格を有するこの基礎的研究というものについては、政府が責任を持ってその費用を背負っていくという姿勢がなければならない、こう思うわけなんであります。
 いろいろと比較の仕方があるのでありますが、例えば研究開発投資というものがGNPに対しまして欧米諸国が一%、それに対して日本は〇・五%であるというような比較もあります。今日アメリカが経済的に非常に疲弊し切って、そして財政も赤字であります。したがって、財政赤字を削減するということで、例えば九二年度の予算は全体として二・六%ぐらいしかふやせない、非常に厳しい予算になっているわけですが、その中におきまして研究開発費はアメリカの場合一三%増、まことに大きい伸びでありまして、それは経済が衰退することに対し、やはり基礎的な研究をもっと盛んにしなければならないというアメリカの国家の意思のあらわれであると私は思うのですね。
 そういう意味におきまして、今、我が国を振り返ってみますときに、確かに御努力は評価いたしますものの、しかし、こうした思い切った政策をとらなければ、二十一世紀は日本の時代ということにはならないと私は思うのであります。日本でも特にODAあたりは最近急速に予算が伸びてまいりました。それには一つの目標を立て、きちっとその目標に向かって前進しているわけでありますが、こうした科学技術予算も抜本的にその額をふやしていくということでなければならぬと思うのであります。
 そうした意味におきまして、これは特に大臣にそうした問題に関しまして決意のほどをひとつお伺いしたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
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山東昭子#10
○山東国務大臣 光武先生のおっしゃるとおり、我が国は応用術にたけている国であると評価されてきたわけでございますけれども、これだけの大国になった以上、これからはやはり創造性豊かな科学技術の振興ということが非常に重要なポイントになってくるのではないかと思います。
 従来から、大変厳しい財政状況の中、科学技術関係予算につきましては一生懸命その充実に努力をしてきたところでございますけれども、政府といたしましては、昭和六十一年三月に閣議決定されました科学技術政策大綱に基づきまして、基礎研究の強化、そして科学技術面での国際貢献など、これを基本方針といたしまして、その一層の推進を図ってまいりたいと思っております。
 しかし、先生おっしゃるとおり先立つものはお金でございまして、その予算の拡充につきましては今後とも最大限の努力を払ってまいる所存でございます。よろしくどうぞ先生の御支援もお願いを申し上げます。
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光武顕#11
○光武委員 ただいま大臣から決意のほどを伺って、非常に共感するところがあるのでありますが、我々もひとつこの問題に関しては真剣に取り組んで、名実ともに二十一世紀は日本の時代だという、そういった時代を築き上げたいものだと思いますし、そのために、先ほど来何回も申し上げましたように、その柱となるのはまさしく科学技術の振興である、その確信を私は持っておりまして、どうかひとつ今後も科学技術庁挙げましての御努力を心から期待したいと思うのであります。
 科学技術政策一般については質問を以上にとどめまして、次に、今回の美浜発電所の事故についてお尋ねをしたいと思います。
 先般私どもも現場に調査に行きまして、先ほど来委員長から御報告があったとおりでありますけれども、この問題に関しては、それ以外にもこれまでいろいろと報告を受けております。きょうは、まず質問する前に、今日まで判明している状況について要点を整理してまず御報告をいただきたいと思います。
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倉重有幸#12
○倉重説明員 お答えいたします。
 美浜発電所二号機の件でございますけれども、二月九日午後一時四十分に復水器空気抽出器ガスモニター、復水器の空気抽出器から大気に放出される系統がございますが、その途中につけてありますモニターでの警報が実は発生したわけでございます。その後、手動によりまして出力を降下させるという操作をしていましたところ、同午後一時五十分に加圧器圧力低という信号が出まして原子炉が自動停止、さらにECCSが作動ということになったわけでございます。
 現在、原因究明のための必要な調査を実施して
いるところでございまして、詳細については今後の調査を待つ必要があると考えておりますが、損傷しました伝熱管一本をファイバースコープなどで観察したところでございますが、その当該伝熱管は破断しておりまして、上下に分離している状態にあるということが判明いたしました。その後、二月の十五日から二十八日にかけまして当該伝熱管の抜管作業を実施しまして、現在その損傷部分の確認作業を行っているところでございます。
 今回の事象でございますけれども、全体的に見てどうなのかということでございますが、今回の事象によりまして敷地周辺に設置してあります放射線監視装置の指示値は通常と変化がないということで、環境への放射能の影響は認められなかったと考えております。また、非常用炉心冷却装置、ECCSと言っておりますが、これが設計上期待されたとおり作動し、プラントは安全な状態で停止しているということでございます。
 しかしながら、ECCSが実作動する、過去には誤作動ということがございますけれども、実作動に至ったということは我が国においてこれまで例がないということでございまして、徹底した原因究明を要する重大な事象だと通産省では認識しております。
 このような観点から原子力発電技術顧問会、私ども通産省の中で原子力安全行政の際に専門的に知見を得るために、八十人以上の先生、研究者等のそういう知見を得ながらやっているわけでございますが、その顧問会の中に調査特別委員会を設置しましてその原因究明等を進めているわけでございまして、今後その調査特別委員会の意見を踏まえながら、引き続き原因の究明、再発防止対策の確立に努めていきたい、このように考えております。
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光武顕#13
○光武委員 今回美浜発電所二号炉のいわゆる蒸気発生器細管の破断ということに端を発した一連の事象は、一番大きな問題は、何と申しましても原子力発電所に対します信頼性が大きく損なわれた、先般私どもが調査に行って現地の皆さんのお話を聞いた中でもそれが出てくるわけであります。
 細かい技術的なことは後ほどお尋ねいたしますけれども、専門家から見た所見はともかく、一般国民それから地域住民に与えた不安感、不信感というものは非常に大きいわけでありまして、安全性という立場からこうした問題を、今の倉重安全管理課長の答弁をあわせ聞きまして、大臣はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
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山東昭子#14
○山東国務大臣 原子力の開発利用に当たりましては、とにかく安全確保に万全を期すことが大前提でございます。そして、最近の世論調査におきましても国民の六五%が原発の必要性というものを認めている中で、今回美浜のような事故が起きましたことは、私は非常に残念なことだと思っております。
 現在、通産省並びに原子力安全委員会におきましてそれぞれ調査委員会を設けられまして、事故の原因の徹底究明をしているところのようでございますけれども、やはりそれにあわせまして、私どもも今後このような事故が再発しないように最大限の努力をしていかなければならないと考えておる次第でございます。
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光武顕#15
○光武委員 少し細部にわたってお尋ねいたします。
 まず、加圧器逃し弁というのが実際に開こうとして開けなかった。これは二つあるのですが、その二つとも開かなかったという報告があります。これは七カ月前ですか、定期検査が行われているわけでございまして、その定期検査があったときにそのふぐあいが発見されなかったか、ないしはそのことについて本当に通産省としては、きちんとそこのところの調査と申しますか検査がなされていたのか、まずそのことをお尋ねしたいと思います。
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倉重有幸#16
○倉重説明員 お答えいたします。
 加圧器逃し弁の件でございますけれども、これにつきましては、当該炉、先生おっしゃるように二つございます。事故の過程におきまして本来作動すべきものでございますが、それが作動しなかったということも事実でございます。
 これにつきましては、この当該逃し弁、二つございますが、前回の定期検査で、これは昨年の四月五日から七月二十五日までの間の定期検査の中で機能検査等必要な検査をしておりまして、実際にその際には問題がないということで私ども報告を受けております。しかし、今回なぜそれが作動しなかったのかということについては私ども重大な認識を持っておりまして、そういう面で徹底した原因の究明をしていきたい、このように考えております。
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光武顕#17
○光武委員 実はここが一番問題になるところなのですね。定期検査をやるということは、その定期検査を行うことによってすべての機器は健全であるという判断を下すわけです。その判断のもとにこれから一年間運転をしても結構ですよ、こういう話になるわけですね。しかも、この加圧器逃し弁というのは、一たん運転を開始したらその中途で開いたり閉じたりという操作が現実にはできない、そしていよいよ一連の事象が起きたときに、それを必要とするときに初めて健全性が確かめられる。こういう機器というものについてはよほど丹念に、入念に検査が行われなければならないと思いますし、今のお話を聞いているとそれを行ったということなのです。
 問題は、そうだとして、それじゃどうして起こるのか。しかも、いってみれば途中でそれの検査もできないということであるとするならば、ほかの機器もまたそうであるのではないかという疑問がまた出てくるわけですね。ここが一番難しいところでありまして、実際にこういうことになりますと、検査ということに対して、これは後ほど出てきます破断の問題でも一緒でありますけれども、いってみれば検査の限界というものが感じられるし、そこに信頼性が失われるということになると、これまた不安の種になるわけですね。そういった問題に対してはどう対応するわけなのですか。
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倉重有幸#18
○倉重説明員 お答えいたします。
 加圧器逃し弁、先生おっしゃるように運転中にそれを動かしたりすることはなかなかできかねる状況にございます。運転中に吹かしますと、そこから蒸気が漏れまして一次冷却材が流出するという状況になりかねませんし、また弁がきちっともとに戻るかどうかという面がございますので、そういう面ではそれぞれの機器におきましてその検査の限界といいますか、特に運転中につきましてその健全性を確認するかどうかという面では限界のあることは御指摘のとおりでございますが、可能な限り運転中にも点検をするということでやっております。
 今回この事象にかんがみまして、特に加圧器逃し弁が二個とも作動しなかったということで、ほかのプラントにつきましても至急点検するようにということでございまして、運転中のプラントにつきましてはできる範囲内できちっと確認するようにということで指示しまして、その報告を受けましたところ異常がないという報告を受けているわけでございますが、しかしなぜ二つとも作動しなかったかということで、それは原因のいかんにもよろうかと思いますが、その検査のあり方とかチェックの仕方等々につきましては今後も少し前広に検討していきたい、このように考えております。
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光武顕#19
○光武委員 私は、加圧器逃し弁が二つとも作動しなかったということはやはり重大なことだと受けとめなければならないと思うのですね。
 工学的に申しますと、これが働かなくても、いってみれば多重防護という思想によって別なシャワーが働くということによって、連続して次から次へと好ましからざる事象が起きるとは私は思ってはおりませんけれども、しかし二つながらに動かないなどということになりますと、これは一般的に申しますと、よくわかった皆さん方にとっては、いやいやこれは働かなくてもこういうものがあるんだよ、だから大丈夫だよということ
は言えても、定期検査の信頼性を失わせる、そしてそのことはまたひょっとしたらという気持ちを持たせるわけでありますから、ひとつこの点については非常に大きな責任があるということを受けとめて、今後定期検査等については厳重にひとつやっていただきたいということを要望いたします。
 それから報告書によりますと、十二時四十分に現場の運転員が異常を感知した、こういうことなんですね。その後の対応に問題がなかったのか。と申しますのは、十二時四十分にそのことがありまして、第一回目のサンプリングを行っているわけですね。ところが、そのサンプリングを行ってその結果がわかったのがたしか一時四十分ではなかったでしょうか。それで、一時四十五分に二度目のサンプリングを実施しようという指令を出しているわけですね。
 私は先般調査に行ってよくわかったのでありますが、あのサンプリングをする場所と、実際に運転員と申しますか、その人との場所が離れていて、慌ててだっと下っていってそれをやるにしたって結構時間はかかるし、確かに結果がわかるまで一時間ぐらいかかったということについてはあの現場を見ればそうだと思うのですが、実際にはもう四十五分になりますと警報が、かなり高い警報が発しられておりますし、さらにそれから数分後には、今度はもう既にカウントとしましては十万倍以上の警報が発せられているわけです。つまり、二度目のサンプリングというのは、いってみれば泥棒を捕まえて縄をなうようなもので、実際にはやっている間にどんどん事柄は進行してしまっているわけですね。
 ですから、私は今回の処置について、二回目のサンプリングをやる暇がなくて手動でもって制御棒をおろしていった、そのことは現場の判断としては正しかったと思うのですが、実際にマニュアルとしては関西電力ではそのような形になっているわけなんですか。例えばサンプリングを一回やった、そうすると、二回やらなければ実際には制御棒を作動させるとかそんなことはやらない、そんなふうになっているわけですか。
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倉重有幸#20
○倉重説明員 お答えいたします。
 事実関係でございますけれども、まず先生おっしゃいますように十二時四十分ごろに、Rの19という蒸気発生器のブローダウン水のモニターでございますが、その指示値が若干上昇しているということを発見いたしまして、サンプリングを実施する、そういうことになったわけでございます。一時に実施し、その結果が出たのが一時二十分でございます。一回目のサンプリングでははっきりしないということで再度サンプリングを依頼しまして、再サンプリングを十三時四十五分に実施しているという状況でございまして、まだ二回目の結果が出る以前の状況で先生おっしゃるように警報が出て、今回の原子炉が急速停止、ECCSの作動という状況になったわけでございます。
 それで、このときの運転員の対応について問題はないかという御指摘でございますが、過去我が国で蒸気発生器の損傷という事例が幾つかございます。その事象でございますが、いずれも今回のような破断というような事象ではなくて、いずれもリークでございます。現在までの調べでは十三件ございまして、当該美浜の二号機でも実は三件リークというのはございました。その蒸気発生器の損傷の特徴といいますのは、時間的な余裕といいますか時間的な変化が非常に緩やかなものでございまして、いずれもこれまでの事例は非常に緩やかに推移しておりまして、急速に進展するというものではなかったわけでございまして、当然今回の事象が発生したときに運転員は、これも微少なリークであろうという判断のもとに対応していったわけでございます。
 それで、関西電力の運転マニュアルがあるわけでございますが、その中には、復水器空気抽出器ガスモニターRの15、それから蒸気発生器ブローダウン水モニターRの19というのがありますが、その指示値に変化があれば、当然その制御員が、担当員が当直課長に報告をする。その報告を受けまして当直課長がRの15とか19の指示値が上昇傾向、あるいは原因不明の不規則な動作をした時点から担当課と連絡をとりながら原因の究明に努めるということでございまして、担当課には、先ほどサンプリングを依頼するというそういう担当課がございまして、放射線管理課ということになるわけでございますが、そこで実施をするということでございまして、マニュアル上は、原因の究明に努めている最中に実は今回の事象が起きたというものでございます。
 では、一回目の結果が出た時点で停止操作等をすればよいではないかという御議論もあるわけでございますが、マニュアルとして明確にしておりませんけれども、これまでの関西電力の所内のルールでは、サンプルは二回ぐらいやるというのをルールとしているというふうに聞いております。
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光武顕#21
○光武委員 サンプリングでは二回ということになっていたのですが、それでも警報装置が高い値を示したということから現場でそれなりの対応をしたということであります。
 私はこういった問題については、過去にもそうであったのですが、破断という現象がなかったがゆえに初めての経験である。そこで、今までのマニュアルとして、例えば二回サンプリングをするということが、実際には破断の場合には役に立たない。そういうことから、やはり今までの経験と違った新しい事象が起きるということを予定して、そしてそれはそれなりにマニュアルをきちんとすべきであるというふうに思うわけですね。それはひとつ関係当局の方できちんと整理をしてやっていただきたいと思うわけであります。
 次に、いわゆる細管破断についてであります。
 これは先ほど倉重課長さんからお話がありましたけれども、我が国では初めての事例である、世界では過去にベルギーに一件それからアメリカで七件、計八件あるというふうに伺っておりますけれども、この問題が実は今回の一番大きな焦点になるわけですね。先ほど逃し弁のふぐあいということについて、これが定期検査によって発見されなかった、そしてそれはまた通常運転中にはこれを確かめることができないということなんでありまして、この蒸気発生器の破断ということは、それと比べますとはるかに重大な事故につながる可能性があるということで、今回非常に問題になっているわけなんですね。私はその中で、実はこの間調査に参りましたときに、現地の方々からいろいろお話を伺った中で渡辺副知事さんがこういうことをおっしゃっているわけです。
 今回の事故は我が国では起こり得ないと言われてきた細管の破断だけに、蒸気発生器の細管破断だけに県民は非常なショックを受けている。定期検査のわずか七カ月後に事故が起こったことや事故の通報がなかったことなど、原子力への信頼を大きく傷つけた。別な新聞にも同じ記事が出ておりますから、この発言、間違いなかったと思うんですね。私がお尋ねする最も中心的な課題は実はここにあるわけでして、我が国におきます原子力の設置許可申請については、その内容の中には、蒸気発生器の細管の破断ということは当然ある。当然と申し上げると語弊がありますが、これはあり得ることだということを前提にして、そうした場合に、例えばECCSが働いて最終的な重大事故にはならないといったようなことが一連の申請書の中に書いてありまして、それを安全委員会等で審査をした結果、許可をしているわけです。
 技術的な見地からしますと、そういうことはあり得るということは私どもにはわかるのですが、ところが、先ほどの渡辺副知事のこの発言を見ますと、現地の人はこういうことはあり得ないというふうに受け取っている。あり得ないというふうに受け取っているのにそれが起こったということで非常にショックを受けているというのですね。
 これから原子力の発電所をつくっていく上において一番考えなければならぬのは、実はこういう技術的見地と現場の住民の受け取り方にギャップがある。そして、いつの間にやら、最初のうちはあり得るんだということがあっても、それが薄め
られていって、それを進めるためには、いやいやもうそういうことは起こりませんよ、日本では起こったことはないんですよ、こういう話になって、そして住民に受け取られる。ところが、実際にこういうことが起こりますと、その渡辺副知事さんみたいな発言になるわけです。これは、地域の住民の人の声を代表していると私は思うのですね。そうした問題についてはどのようにお考えになっているのか、ちょっと伺いたいと思います。
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森信昭#22
○森説明員 御説明申し上げます。
 先日、先生方が現地御視察の際に随行させていただきまして、私自身も渡辺副知事の御発言なりを承らせていただきました。
 今先生御指摘のように、私どもの原子炉設置許可申請書上は、今回の事象のような蒸気発生器の伝熱管一本が破断するということについては想定しておりまして、その結果においても、周辺公衆に対しましては、ある基準範囲内で大丈夫であるということを確認しておるわけでございます。
 このようなことにつきましては、実は公開ヒアリング等の場で説明はいたしておるわけでございますけれども、ただ先生御指摘のように、必ずしも地元の方でこれが起こり得るものというふうな理解に立っていたかどうかということについては、渡辺副知事等の御発言にあるような内容だと考えておりますので、私どもといたしましては、これまでの安全審査の考え方の内容等にとどまらず、異常等の拡大防止策等についても、どういう事象が起きた場合にはどういうことになるのかということにつきましても積極的に御説明申し上げまして、今後とも原子力施設の安全性に関する国民の皆様方の御理解を賜るよう努力したいと考えております。
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光武顕#23
○光武委員 この蒸気発生器の細管の、例えばこれまで出てまいりましたひび割れあるいはピンホールということについては非常にそういった事象が多いのでありまして、この原子力安全年報によりましても、平成元年の四月二十七日に九州電力玄海原子力発電所一号機で起こりました「渦電流探傷検査の結果、管板上面直下部及び管支持板部に有意な指示を発見。」こういうふうに載っておりまして、それが平成元年の四月から平成二年の関西電力高浜発電所四号機に至るまで、元年から二年までにかけまして実に九例あるわけです。
 その他の原子力の解説書等を読んでみましても、特にこの加圧水型、いわゆる軽水炉ですね、PWRですが、これについては、この細管の事故と申しますかトラブルが極めて大きい。そこで、それについてかくかくしかじかの事柄を施して、最近はそういったトラブルがないようになっておりますと書いてあるのですね。書いてあるのですが、実際には今までピンホールとかひび割れですから大した印象も受けなかったのですが、今回みたいに破断といったようなことが我が国で初めて起こったということでありまして、どういう検査を行っているのか、そしてその検査というものは実際にどれだけ有用であるのか。ここも、先ほどの実は逃し弁と同じ問題が出てくるわけですね。
 つまり定期検査の場合に、定期検査をやりまして、健全でありますよという報告が出て、例えば渦電流によりますと減肉が二〇%以上あったら発見されるといったようなことが書いてあるわけですが、実際にそういう方法を用いてもこういった事故につながるような原因は発見できなかった。そこが実は問題でありまして、一体どんな検査方法でもってこの場合やったのか。そして、それ以上に今日検査技術水準を上げてそういった事故の前触れとなります原因について究明できるのか、その辺、ひとつまとめて御見解を伺いたいと思うのです。
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倉重有幸#24
○倉重説明員 お答えいたします。
 蒸気発生器についての検査の仕方等に関する御質問かと思いますが、これまで蒸気発生器のトラブル、多いわけでございます。先生御指摘のようにたくさんのトラブルがございますが、その都度それがなぜ起きたのかということを、それぞれ原因を究明し、実は対策をとってきたということでございますが、結果的に見ますと数としては多うございまして、PWRの約半分ぐらいが蒸気発生器の細管に関連するものでございます。
 では、どのような検査をしているかということでございますが、蒸気発生器一基当たり約三千二百六十本、当該機の場合に三千二百六十本、約三千三百本ぐらいの細管がございます。我が国の場合には毎年一回法律に基づいて定期検査をやらせまして、その一本一本、それから全部につきまして、現在考えられる検査技術の最高のものを使うということでやっております。
 具体的にはECTという渦電流の探傷検査をやっておりまして、これは、細管の中に一次側の方からコイルを流しまして、電磁誘導の原理で細管に何らかの傷とか変形等があればその渦電流が変化する、その変化をつかまえて有意な変化がないかどうかということを判断するわけでございますが、これは非常な、渦電流でございますから微弱な電流でございまして、その検出限界、検出の精度には限界がございます。これまでのところでは、減肉につきましては二〇%程度、それからクラックにつきましては約四〇%程度の、要するに肉厚に対しましてそれ以上のものは検出ができるというそういうデータがあります。そういうことで、検出限界ぎりぎりのところで実は判断しているという状況でございます。
 当該機につきましても、昨年の四月五日から定期検査をやりまして、その細管全数につきましてECTというのですか渦電流探傷検査をやりました。その結果、実は十六本の細管に有意な指示ということで、貫通したものではございませんけれども、細管にわずかなクラックが入っているという信号がございまして、その十六本については施栓をするということをしたわけでございます。
 当該の細管、これは従来余りない完全破断ということでございますので、じゃ、なぜそれが検査で見つからなかったのかということでございまして、今原因を究明中でございまして、その関連で検査の仕方等もし必要があれば当然見直すということも考えていきたい、こういうふうに思っておりますし、またその検出限界等さらに開発が必要であれば、先ほど言いました調査特別委員会の先生の御意見も踏まえながら私ども進めていきたい、このように考えております。
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光武顕#25
○光武委員 今答弁がありましたけれども、なおこの問題はただいまの答弁だけで私は十分納得がいったとは思わないのですが、お話がありましたように、事故の原因究明を行った後、さらに有効な検査技術の確立をひとつ早急に図っていただきたいということを要望いたします。
 ほかに幾つもあるのですが、時間が参りましたので、この間の調査に参りました際に、住民の避難訓練について、やはり渡辺副知事から次のようなことが出ておりますね。どういった事故が起きたときにどういった避難が必要なのかという見解を国が示さない以上、訓練を実施しますとは言えない、まずどんな事故が起きるのかといった想定を国にしてもらいたい。そういう中で、ここには出ていませんでしたけれども、大体事故はないという話だったじゃないか、事故がないのに何で避難訓練をしなきゃならぬのかといったような事柄も実は出てまいりました。
 そこで科学技術庁にお尋ねでありますが、この問題については現在どういう形、つまり今まで実施されたところがあるのか、あるいはこれからどんなふうにして現場に対して答えを示すのか、その点をちょっとお尋ねしたいと思います。
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長田英機#26
○長田政府委員 我が国の原子力発電所につきましては、安全第一でということで規制をやっているわけでございますが、万が一にも放射性物質の大量放出があった場合ということを想定いたしまして、万全の措置を講ずるように防災対策をやっているわけでございます。
 それから、先生今御指摘の自治体の方から要望がございました、国で基準と方針を示すべきではないか、どうやっているのかということでございます。この防災対策につきましては、住民参加の問題を含めまして基本的にどういう形でやるかというのは、その地域の社会的ないろいろな実情、
環境、そういうことを非常に熟知しております実施主体である自治体が判断してやることだと思います。そのような性格の防災訓練につきまして、国が一律にこういうふうにやったらいい、ああいうふうにやったらいいということを決めるということはなかなか難しいわけでございまして、むしろ私どもが地方公共団体の相談に乗りまして、そちらのこともよく考えながら、そのケースに応じて防災訓練をどういうふうにやっていったらいいかという点で、技術面あるいは資金面という面から協力をしていく、そういうふうにやっているわけでございます。
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光武顕#27
○光武委員 最後になります。
 今お話がありましたけれども、地域住民の対策を含めまして、さらにはまた原子力の安全性というものに対する国民の不安がある中で、これは今後よほど引き締めてやらなければ原子力の推進は難しくなると思うのですね。しかしまた一方でエネルギー対策として考えますならば、原子力発電ということの必要性は今後ますますふえてくると思うのであります。
 そこで最後でありますが、この原子力発電所の推進についてどういったお考えを、今日までの一連の事象にかんがみて大臣はお考えになっているのか、そのことを最後にお尋ねして質問を終わりたいと存じます。
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山東昭子#28
○山東国務大臣 原子力は供給安定性にすぐれ、主要なエネルギー源の一つであるということは多くの方々に認識をされているところでございますけれども、しかし何よりも大切なことは、やはり国民の理解と協力というものが不可欠でございます。そのために、安全確保に最大限の努力を今後とも払ってまいります。そして着実にそれを推進してまいりたいと考えております。
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光武顕#29
○光武委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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