外務委員会

1993-05-11 衆議院 全297発言

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会議録情報#0
平成五年五月十一日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 伊藤 公介君
   理事 小里 貞利君 理事 狩野  勝君
   理事 古賀 一成君 理事 鈴木 宗男君
   理事 長勢 甚遠君 理事 上原 康助君
   理事 土井たか子君 理事 遠藤 乙彦君
      奥田 敬和君    坂本三十次君
      中山 正暉君    細田 博之君
      松浦  昭君    宮里 松正君
      井上 一成君    川島  實君
      高沢 寅男君    藤田 高敏君
      鍛冶  清君    古堅 実吉君
      柳田  稔君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 武藤 嘉文君
 出席政府委員
        外務大臣官房外
        務参事官    小池 寛治君
        外務省アジア局 池田  維君
        長
        外務省欧亜局長 野村 一成君
        外務省条約局長 丹波  實君
        外務省国際連合
        局長      澁谷 治彦君
 委員外の出席者
        内閣官房内閣内
        政審議室内閣審
        議官      小島比登志君
        内閣総理大臣官
        房参事官    坂本 幸一君
        内閣総理大臣官
        房参事官    成田 一郎君
        国際平和協力本
        部事務局参事官 川口  雄君
        警察庁刑事局保
        安部少年課長  今井 大助君
        防衛庁防衛局運
        用課長     野津 研二君
        法務省民事局第
        二課長     小池 信行君
        法務省民事局第
        五課長     下田 文男君
        法務省民事局参
        事官      岡光 民雄君
        法務省入国管理
        局参事官    坂中 英徳君
        外務大臣官房審
        議官      小西 正樹君
        文部省初等中等
        教育局高等学校
        課長      富岡 賢治君
        文部省学術国際
        局国際企画課長 行田  博君
        厚生省保健医療
        局精神保健課長 廣瀬  省君
        厚生省児童家庭
        局企画課長   宮島  彰君
        厚生省保険局国
        民健康保険課長 石本 宏昭君
        郵政省放送行政
        局第二業務課長 上田 誠也君
        外務委員会調査
        室長      黒河内久美君
    —————————————
委員の異動
五月十一日
 辞任         補欠選任
  東  祥三君     鍛冶  清君
  和田 一仁君     柳田  稔君
同日
 辞任         補欠選任
  柳田  稔君     和田 一仁君
同日
 理事東祥三君同日理事辞任につき、その補欠と
 して遠藤乙彦君が理事に当選した。
    —————————————
五月十一日
 子どもの権利条約批准に関する請願(沖田正人
君紹介)(第二〇一七号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 児童の権利に関する条約の締結について承認を
 求めるの件(第百二十三回国会条約第九号)
     ————◇—————
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伊藤公介#1
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、御報告いたします。
 去る四日、カンボジアにおいて、我が国から、国連平和維持活動のため、文民警察官として派遣された岡山県警警視高田晴行君が、職務中、何者かによる襲撃のため不慮の死を遂げました。まことに痛惜の念にたえません。
 ここに同君の死を悼み、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。——黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
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伊藤公介#2
○伊藤委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ————◇—————
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伊藤公介#3
○伊藤委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事東祥三君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤公介#4
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤公介#5
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に遠藤乙彦君を指名いたします。
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伊藤公介#6
○伊藤委員長 児童の権利に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。狩野勝君。
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狩野勝#7
○狩野委員 自由民主党の狩野勝でございます。
 きょうは、条約の審議の日でございますけれども、急を要しますので、冒頭二点、カンボジア問題について質問をさせていただきたいと思います。
 去る四日、カンボジアの西北部、タイ国境近くで、日本人文民警察官高田晴行警視が虐殺された痛ましい事件について、私どもはまことに悲しみにたえません。死亡した故高田警視の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に心から哀悼の意を表したいと思います。
 今、政府も村田自治大臣をカンボジアに派遣し、努力されているところでございますが、私は次の二点について御質問をいたしたいと思います。
 まず第一点は、カンボジアにおいては、制憲議会選挙を二週間後に控えて、永続的平和を実現するため、重要な局面に至っておるわけであります。他方、ポル・ポト派は選挙への不参加を表明し、六日の北京での四派会合も欠席するなど独自の路線をとっております。
 ガリ事務総長は制憲議会選挙を予定どおり行う旨述べておりますが、かかる状況のもとで選挙は実施できるのかどうか。また、選挙後のカンボジアは安定するのか。カンボジア情勢の見通しに関する政府の見解をまずお伺いいたしたいと思います。
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武藤嘉文#8
○武藤国務大臣 先般の高田警視の痛ましい死亡事件というのは、今おっしゃるとおりで、何者かによって、しかも、カンボジアの和平のために努力していたその高田警視が、何者かはわかりませんけれども、少なくとも考えられるのはカンボジアの国民によって殺害される、まことに義憤の念を禁じ得ませんし、本当に悲しい気持ちでいっぱいでございます。心から御冥福をお祈りしたいと思うのでございます。
 いずれにしても、選挙が行われるかということでございますけれども、このような事件が時たま起きていることは事実でございますが、しかし、全面的な戦争に至っているわけではございませんし、我々は、パリ和平協定の基本的な枠組みというのは維持されておると判断をいたしております。
 そういう観点からまいりまして、できるだけ今後ともUNTACともよく協議をしながら進めていかなければなりませんけれども、やはりカンボジアの大多数の国民は、何とか一日も早く平和な民主的な国家を再建したい、こういう気持ちでいることだけは間違いないわけでございます。選挙登録も五百万人近い方が登録されておるわけでございまして、そういうことを踏まえれば、やはりなるべく安定した環境の中で選挙が行われるように日本としても協力していきたい、ぜひ選挙はやるべきである。
 この間、私どもの今川大使それからアジア局長もシアヌーク殿下にもお会いし、その点についてはシアヌーク殿下も同じ考え方であるようでございますし、また、シアヌーク殿下が招集をされました北京における会議においてもその点は確認をされておるわけでございますから、選挙は予定どおり行われる、そして日本もそれを支持していきたい、こう考えております。
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狩野勝#9
○狩野委員 今大臣がお話しのように、この制憲議会選挙はまさに自由民主主義カンボジア樹立への国際共同作業であり、UNTAC幹部からも、日本は本当によくやっているという声も聞くわけでございますけれども、このような事件を引き起こした犯人に対しましては、本当に私どもも激しい憤りを禁じ得ないわけでございます。
 それと同時に、故高田警視は、若い命をカンボジアにおける和平の実現のためにささげられたのであり、我々としては故人の崇高な御遺志に敬意を表するとともに、引き続き確固たる態度でカンボジア和平を求めるUNTACの活動を支持していく、こういう考えに立つべきだと思います。
 しかしながら、一部では、今回の事件につき、犯行のあり方からしてUNTACを組織的、計画的にねらったものであり、国際平和協力法に言うところの停戦合意等の五原則は崩れたのではないか、こういう見方もあるようでありますし、中には、撤退すべきであるという声さえあるわけでございます。ここで、政府の考え方を再度確認をいたしたいと思います。
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武藤嘉文#10
○武藤国務大臣 今回の不幸な出来事につきましては、現在UNTACが調査中でございまして、計画的、組織的なポル・ポト派の犯行であるかどうかもはっきりいたしていないのが現状でございます。
 いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたが、やはりパリ和平協定の基本的な枠組みは依然として維持されておる、ポル・ポト派もパリ和平協定は遵守する、こう言っておるわけでございますし、そういう面からいけば、私は日本のいわゆる五原則が崩れたという判断はいたしておりません。
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狩野勝#11
○狩野委員 あしたには村田自治大臣も帰国されるわけでございますが、現地情勢をひとつよく分析をされまして、日本人だけの安全性というのではなくして、参加文民警察官のすべての安全のもとでカンボジアの和平が実現するよう全力を尽くされますことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 児童の権利条約についてでございますけれども、この児童の権利に関する条約の草案については、一九七八年の第三十三回国連総会以来十年間にわたる検討が行われた結果、一九八九年、すなわち平成元年度の第四十四回国連総会において無投票で採択をされております。
 児童の権利条約の発端というか根源は、一九二四年の児童の権利に関するジュネーブ宣言までさかのぼると言われていますが、このジュネーブ宣言は、第一次世界大戦で被害を受けたヨーロッパの子供たちを緊急に救済、保護することを主たる目的として児童の保護の原則をつくったと言われておるわけであります。
 そして、今なお発展途上国では何千万人の子供たちが飢えに苦しむ劣悪な環境下での生活をしている中で、この児童に関する条約は、先進国、開発途上国の別を問わず、困難な状況に置かれた児童の人権の尊重、保護の促進を目指した普遍的内容を持つものであると考えます。したがって、この条約の締結に対する関心も高いと思いますが、締結することの意義について、また、各国の締結状況につきまして外務大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
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武藤嘉文#12
○武藤国務大臣 この条約は、今御指摘のとおり、児童の権利に関しての基本的なことを決めておるわけでございます。例えば、生命に関する固有の権利あるいは思想の自由、社会保障についての権利あるいは教育についての権利、このように基本的なことが決められておるわけでございまして、このような権利がいわゆる差別もなしに尊重され及び確保されるように、締約国がすべての適当な立法措置、行政措置その他の措置を講ずることを定めております。
 この条約の締結国は既に百三十四カ国に及んでいるわけでございまして、またこの条約については、一九九〇年の子供のための世界サミットの宣言及び行動計画、さらには国連における諸決議でも要請されておりまして、今や世界的な関心事になっておるわけでございまして、我が国といたしましても、ぜひともこのような条約は一日も早く締結をすべきことであるというふうに考えてお願いをいたしておるわけでございます。
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狩野勝#13
○狩野委員 この条約は、本文だけでも五十四条から成り、児童の人権と保護について広範に規定をいたしております。
 そこで、一部には、この条約が批准されれば国内の法律や制度を大きく変える必要があるのではないか、こんな意見も聞かれるわけでありますが、他方、我が国においては、児童を含む国民の人権は、憲法を初めとする現行国内法制で幅広く保障されているものと考えられますが、この条約と国内法との関係について外務省にお伺いをいたします。
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小西正樹#14
○小西説明員 お答え申し上げます。
 この条約の締結につきましては、政府部内で鋭意検討を重ねてきました。その結果、その目的といたしますところは、基本的人権の尊重の理念に基づいている我が国の憲法と軌を一にするものであり、またこの条約上の権利につきましては、その内容の多くが我が国も既に一九七九年、昭和五十四年に締結しております国際人権規約に規定されておりまして、憲法を初めとする現行の国内法制で既に保障されているということから、政府としては、本件条約の実施のためには現行国内法令の改正または新たな国内立法措置を必要としていないというふうに考えております。
 ただ、本件条約におきます自由を奪われた児童の成人からの分離ということにつきましての規定、これは条約の三十七条(c)というところに規定がございますが、これに関しましては、その内容にかんがみまして、所要の留保をつけましてこの条約を締結することを考えております。
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狩野勝#15
○狩野委員 この条約は、従来子供が管理の対象とされ、権利の主体として認められてこなかった点を改め、新しい子供観に立って子供の権利保障をしようとするものであるから、この条約の名称を子どもの権利条約とすべきであるとの主張があります。
 しかし、この条約は、我が国の憲法や我が国が締約国となっている国際人権規約において規定されている権利を児童についてより詳細かつ具体的に規定したものだと私は思います。すなわち、従来児童が権利の主体たり得なかったという議論は誇張であり、またこの条約は、これまでの児童の人権の保障をさらに充実するものとして重要であることは言うまでもないとしても、子供観の転換なるものを伴うものではありません。
 したがって、この条約の訳し方でございますが、チャイルドの訳し方を変えるべきであるとの指摘はそもそも前提を欠いておりますし、いずれにせよ、チャイルドの訳し方によって保障される権利の内容が変わるものではないことは明らかではないかと思います。
 これまで国際児童年とか国際児童基金というように、チャイルドが一般に児童という言葉であらわされていることからも、この名称は児童が適していると考えておりますが、この名称につきまして、あえて大臣の御見解をひとつ確認しておきたいと思います。
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武藤嘉文#16
○武藤国務大臣 細かい従来の国内法などにつきましての具体的な事例については事務当局から答弁をさせますけれども、いわゆるチャイルドの訳を子供と訳すべきではないかということでございますが、後ほど事務当局から説明がありますように、従来の国内法との関連においても、私どもは児童という名称の方が適当であるというふうに考えております。ぜひ児童という名称でお願いを申し上げたいと思っております。
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小西正樹#17
○小西説明員 追加的に御説明させていただきたいと思います。
 この条約は、先ほど先生も御指摘になられましたように、児童が持っている権利について規定しておりますけれども、児童の養育、発達についての父母等の責任等についても規定しておりまして、この点は、憲法や国際人権規約においてとられてきた考え方と軌を一にするものでございます。
 この条約の名称でございますけれども、政府といたしましては、我が国がこれまで締結した条約の訳語の例及び国内法令における用語との整合性、こういったことを考慮に入れまして、御指摘のとおり、チャイルドの訳として児童というのが最も適切であるというふうに判断いたしまして児童ということに決定したわけでございまして、子供に改めるということは考えておりません。
 その理由をもう少し具体的に申し上げますれば、我が国が現在まで締結した条約においては、チャイルドという英語の言葉が、親子関係における子という意味に限定されるときには子という訳が用いられているわけでございます。また、必ずしもこのような観点に着目しないで、一般的に低年齢層の者を指す場合には児童という訳語が用いられるのが通例となっておるわけでございます。
 他方、我が国の国内法令におきましても、児童の定義が必ずしも統一されているわけではございませんけれども、広く児童という言葉が、用語が法令用語として用いられているということでございます。このような点を勘案いたしまして、私どもはチャイルドを児童というふうに訳したわけでございます。
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狩野勝#18
○狩野委員 次に、学校現場への影響について伺いたいと思います。
 児童の健やかで健全な成長を願い日々努力しておられる学校教育現場の先生方の間にも大変懸念される問題点が多々あるわけでございますが、表現の自由、思想、良心の自由、結社、集会の自由など条約に規定されている種々の権利は、さきに申しましたとおり、既に我が国では憲法や国際人権規約により普遍的に保障されているのであり、条約が批准されたとしても我が国の教育制度や基本的なあり方に変革が求められるものではないと私は思います。
 そういう観点から数点、時間が余りありませんけれども、ひとつ個々に質問をしたいと思いますが、まず一つは、第十二条の意見表明の権利と学校運営との関係についてでございますが、カリキュラムの編成や校則の決定などについて児童の意見を聞く必要があるとの見解が一部にありますけれども、これら学校運営の重要事項について、児童と相談してその意向を優先せねばならないとすれば、責任を持った学校運営は不可能であり、それらは学校の判断において決定せねばならないと思うが、文部省はこの点についてどう考えておるのか、お伺いいたします。
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富岡賢治#19
○富岡説明員 条約の第十二条の一項には、児童につきまして自己の意見を表明する権利を規定しているわけでございますが、同条は、児童の意見を年齢等に応じまして相応に考慮することを求めるものでございまして、児童の意見を無制限に認めよというものではないものでございます。したがいまして、例えば校則とかあるいは学校のカリキュラムにつきまして児童の意向を優先するということまで求めるものではなくて、それは学校の責任と判断におきまして決定されるものだというふうに考えておるわけでございます。
 また、十二条の二項でございますが、一定の行政上の手続につきまして児童が聴取される機会が与えられる旨規定しているわけでございますが、これは、個々の児童に直接影響を及ぼすような行政上の手続におきまして意見の聴取の機会を与えられる旨の規定でございます。したがいまして、個々の児童を直接対象としたということではない、例えば、学校のカリキュラムの編成、校則の決定等につきましては、条約上の義務ということとして、児童の意見を聞く機会を設けなければならないわけではないというふうに考えているところでございます。
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狩野勝#20
○狩野委員 今ちょっと触れられたわけですけれども、自由権の保障の規定、今お話しのように校則による児童の行動の制約との関係ですが、これは我が国では、憲法や国際人権規約により児童にも既に保障されていると思いますが、この中で、校則等による児童生徒の行動の指導に大幅な変革を求められるとの見解が一部にあるわけであります。
 教育の場である学校が生徒の人格のよりよき発達を目指していくため、何らかの校則とか決まりが当然必要であり規制しなければならないと思いますけれども、この点、あえてもう一度お伺いしたいと思います。
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富岡賢治#21
○富岡説明員 校則は、先生御案内のとおり、児童生徒が健全な学校生活を営みまして、またよりよく成長、発展していくための指針としての役割を持つものでありまして、教育指導上大切なものでございます。
 学校におきましては、その学校の教育目的を達成するため、必要な合理的範囲内であれば校則等によりまして児童生徒の行動等に一定の制約を課すことができることとなっておるわけでございまして、このような基本的考え方は、条約が批准されましても変更されるものではないと考えているところであります。
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狩野勝#22
○狩野委員 あえて細かく質問いたしますけれども、これはなかなかその内容等が正しく解釈されませんと、現場では大変混乱をすると思うわけでございます。第十四条にありますが、例えば思想、良心の自由、国旗・国歌の指導との関係でございますが、学習指導要領に基づく学校における国旗・国歌の指導が第十四条の趣旨に反するとの見解が一部にあるわけであります。国旗・国歌の指導は、児童が国民として必要な基礎的、基本的な事項を身につけるために行われているものであり、決して児童の思想、良心の自由の保障に抵触するものではないと思いますが、文部省の見解をお伺いいたしたいと思います。
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富岡賢治#23
○富岡説明員 我が国におきましては、長年の慣行によりまして日の丸が国旗、君が代が国歌であるという認識が広く国民の間に定着しているものでございまして、学校教育におきまして、学習指導要領に基づきまして児童生徒が国旗・国歌の意義を理解して、それを尊重する心情と態度を育てるために、入学式や卒業式などで国旗掲揚、国歌斉唱の指導を行うこととしているわけでございます。
 この学習指導要領に基づく指導は、国民として必要な基礎的、基本的な内容を身につけるために行われるものでございまして、児童生徒の思想、信条を制約しようというものではないわけでございます。したがいまして、本条約に反するものではないと考えているところでございます。
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狩野勝#24
○狩野委員 次に、教育情報の提供、第二十八条ですか、教育情報の提供と内申書、指導要録の開示との関係についてでありますが、これは本人への開示が義務づけられるようになるとの見解が一部にあるわけでございますが、これは、児童が自分にふさわしい学校、職業を選ぶためのガイダンス等を提供することを求めた規定であって、そのようなことまで求めているものではないと思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。
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富岡賢治#25
○富岡説明員 御指摘のとおり、条約の第二十八条の第一項(b)でございますが、児童の教育を受ける権利を保障するため、児童が進学や就職に必要な案内やガイダンスを得る機会を保障する規定でございまして、内申書とか指導要録の本人への開示を義務づけるものではないというふうに考えているところでございます。
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狩野勝#26
○狩野委員 幾つか今質問をいたしましたけれども、そのほか、あらゆる点が一部からも指摘されたり、あるいは国内法を改正しようとかいろいろ出ているわけでございますけれども、この条約の内容について学校現場で懸念されているような事柄に関しては、政府がこの条約の趣旨、内容、正しい解釈についてきちんとしたものを示して、学校現場が対応に困らないよう、混乱を生じないよう対処すべきだと思いますが、特に、学校教育現場における文部省の指導というか施策はどのように講じようとしているのか、その見解をお伺いいたしたいと思います。
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富岡賢治#27
○富岡説明員 本条約の第四十二条に、締約国は、適当かつ積極的な方法で条約の内容を広く知らせるべきことが規定されているわけでございます。
 この条約は、教育関係者に限らず広範な分野について規定しておるわけでございますので、条約全体に関する広報につきましては、外務省を中心に政府全体として取り組むべき課題であると承知しているわけでございますが、しかし、この条約の中に教育に関しまして重要な規定が多く盛り込まれているわけでございます。
 これらは学校におきます教育活動等にも深くかかわるものでございますので、条約が批准されました時点で、文部省といたしましても、学校関係者に対します指導通知の発出あるいは広報誌等による広報、いろいろな機会がございますが、外務省とも連携いたしまして、条約の趣旨、内容につきまして積極的に周知を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
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狩野勝#28
○狩野委員 私は、学校の教育現場におきましては、運用といいますか、解釈次第では現場が大変混乱する、そのように憂慮いたしますので、特に文部省のそのような指導といいますか、見解の徹底を一つお願いをいたしたいと思います。
 同時に、最後に、国民一般に対する条約の趣旨の徹底でございます。
 条約の趣旨、政府の正しい解釈について広く知らせることが当然必要と考えますが、政府としてこの条約の規定内容や解釈についてどのような方法で国民に周知するのか。例えば、これは外務省が中心でやるのか、あるいはまた総理府が中心でやるのか。特に、この四十二条では児童に対する広報も規定されており、子供たちを含めて国民の理解のために、政府全体として広報に力を入れるべきだと私は思うわけでございます。
 こういうことを考えますと、政府が全体的な広報をやるのかなと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、第四十二条には特に児童に対するPRというものもあえて明記されておりますので、国民へのPR方につきまして、総理府でしょうか、まず御見解を伺います。
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成田一郎#29
○成田説明員 児童の権利条約につきましては、これまで外務省の御要請によりまして、例えば昨年につきましては「今週の日本」、「フォト」といった政府刊行物を通じて広く広報を実施しております。また、テレビ番組、これは具体的には「タイムアイ」という定時番組でございますが、これに外務省の担当者に御出演をいただき、条約の趣旨を広報してきたところでございます。
 今後ともこの条約につきましては、外務省を初め関係省庁の要請があれば、関係省庁と連絡をとり、適切に対処してまいりたいと思っております。
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