大蔵委員会

1996-05-07 参議院 全162発言

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会議録情報#0
平成八年五月七日(火曜日)
   午後一時開会
    —————————————
   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     伊藤 基隆君     峰崎 直樹君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山虎之助君
    理 事
                石川  弘君
                楢崎 泰昌君
                牛嶋  正君
                直嶋 正行君
                梶原 敬義君
    委 員
               大河原太一郎君
                金田 勝年君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                須藤良太郎君
                西田 吉宏君
                猪熊 重二君
                海野 義孝君
                白浜 一良君
                益田 洋介君
                渡辺 孝男君
                峰崎 直樹君
                吉岡 吉典君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  久保  亘君
   政府委員
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       尾原 榮夫君
       大蔵省主計局次
       長        伏屋 和彦君
       大蔵省理財局長  田波 耕治君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       大蔵省銀行局保
       険部長      福田  誠君
       大蔵省国際金融
       局長       榊原 英資君
       国税庁課税部長  内野 正昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       大蔵大臣官房会
       計課長      妹尾喜三郎君
       厚生省社会・援
       護局地域福祉課
       長        堀之内 敬君
       運輸省自動車交
       通局保障課長   中村 達朗君
       会計検査院事務
       総局第一局大蔵
       検査課長     石野 秀世君
   参考人
       国民金融公庫総
       裁        尾崎  護君
       日本開発銀行総
       裁        吉野 良彦君
       日本輸出入銀行
       総裁       保田  博君
       日本銀行理事   山口  泰君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成八年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成八年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成八年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及
 び日本輸出入銀行)
    —————————————
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片山虎之助#1
○委員長(片山虎之助君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十六日、伊藤基隆君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。
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片山虎之助#2
○委員長(片山虎之助君) 去る五月一日、予算委員会から、本日午後の半日間、平成八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。
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片山虎之助#3
○委員長(片山虎之助君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、参考人として国民金融公庫総裁尾崎護君、日本開発銀行総裁吉野良彦君、日本輸出入銀行総裁保田博君及び日本銀行理事山口泰君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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片山虎之助#4
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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片山虎之助#5
○委員長(片山虎之助君) それでは、委嘱されました予算について大蔵大臣から説明を聴取いたします。久保大蔵大臣。
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久保亘#6
○国務大臣(久保亘君) 平成八年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は七十五兆一千四十九億二千四百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十一兆三千四百五十億円、雑収入は二兆三千四百八十二億百万円、公債金は二十一兆二百九十億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は十九兆百一億七千九百万円となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れは一千七百十五億四千百万円、国債費は十六兆三千七百五十一億九千七百万円、政府出資は三千九百二十八億円、緊急金融安定化資金は六千八百五十億円、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも三百三十一億三千三百万円となっております。
 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 国民金融公庫におきましては、収入四千五百五十二億三千四百万円、支出四千八百九億三百万円、差し引き二百五十六億六千九百万円の支出超過となっております。
 このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。
 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 なお、時間の関係もございますので、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願い申し上げます。
  よろしく御審議のほどをお願いいたします。
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片山虎之助#7
○委員長(片山虎之助君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、お手元に配付いたしております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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片山虎之助#8
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいたいと存じます。
  これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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楢崎泰昌#9
○楢崎泰昌君 政府関係機関の総裁方、私は質問を三機関についてはしませんので、私の時間内はどうぞ御退席をいただいて結構でございます。
 平成八年度の大蔵省関係予算の中で一番大きな特色というのは、公債費が当初予算から二十一兆円出ていることにあるというぐあいに思います。また、いわゆる国債費でございますけれども、これが非常に大きな金額に膨れ上がってきているということが最大の特徴でございまして、まさに財政危機が迫ってきたなという足音をひたひたと感ずるわけでございます。
 そこで、平成八年度の国債費及びその利払い費あるいは償還費をどのように平成八年度予算で計上されているか、概略をお話し願いたいと思います。
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田波耕治#10
○政府委員(田波耕治君) 平成八年度予算の一般会計国債費の総額は十六兆三千七百五十二億円でございます。そのうち債務償還費が四兆五千四百五十億円でございますが、御質問の国債利子等は十兆七千二百十四億となっておるところでございます。
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楢崎泰昌#11
○楢崎泰昌君 私は先ほど平成八年度の最大の特徴はというぐあいに申し上げましたけれども、その中でも、特に新規債の中で赤字特例債、これが大幅に計上されていること、それから国債費がかつてない最高の十六兆円が計上されたこと、これは財政当局としては非常に強く意識をせにゃならぬところであるというぐあいに思っています。さらに申し上げれば、利払い費が十兆円を超えたということですね。これも大変なことであるし、去年の利払い費に比べても五千億増加している。要するに、現在二百二十兆の国債があり、今年度末には二百四十兆の国債になる、そして毎年五千億ないし六千億の利払い費がふえていっている、そのような財政事情にあるということが一番の問題点であるというぐあいに思っているわけです。
 これを国債発行額とそれから国債費と比べて、従来、積極財政というのでしょうか、経済の伸展のために国債費を余計に出すという方向で経済の加速、促進をねらっていたのがこの国債費であるというぐあいに思うんですけれども、その差額がだんだん接近をしてきていることですね。
 すなわち、国債の発行額もふえているけれども、同時に国債費がどんどん膨れ上がってきている。現在の平成八年度を見ますと、二十一兆円の国債発行に対して国債費が十六兆ですから、約五兆円弱の積極財政というんでしょうか、財政としては経済に対する促進効果を持っているというぐあいに思われるんですが、実のことを言うと、これから消費税についての議論が行われます。あれは地方消費税を含んでおりますので、国税としては二兆円程度になると思います。それから、ことしは臨時特例で所得税の減税を二兆円程度しております。これは法制上によれば両方とも来年度は増税になっていくわけです。財政構造において同じならば、二兆円と二兆円、すなわち四兆円が国債発行額から減っていくということになります。
 そうなってくると、十六兆円の国債発行で来年度は約十七兆円弱の国債費が必要になってくると。すなわち、財政の構造として逆の効果になっていくというふうに思われ、これはどういうぐあいに考えるんだろうか。
 結局、旧来の借金を返還するための利払い費、並びにそのうちの一部を支払うための償還費、それが新規国債費を上回っている事態に平成九年度はなってくるはずだなと。そういう財政構造になっているのかなと。自転車操業もいいところであるということが、もちろん国債費よりも現在は国債発行額の方が多いわけですからもっと悪い事態であることは間違いないんですけれども、財政構造の悪化がひしひしとこの数字にあらわれてきていると思いますけれども、この点についての御感想を大蔵大臣からお伺いできればと思います。
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久保亘#12
○国務大臣(久保亘君) 御指摘の状況にございますことは、私どもも我が国の財政の危機的な状況と見ているのでございます。
 昨年の十一月十四日に前大蔵大臣が我が国の財政事情の容易ならざる事態について国民の皆様方の御理解を求めたところでありますが、これは一般には財政危機宣言と呼ばれてまいりました。これを一般の企業の場合で考えますならば、単なる危機的状況というものを通り越しているのが我が国の財政の現状であろうと思っております。さればこそ、武村さんも最近お書きになりましたものの中で、財政危機宣言と言われているけれども、実際は破綻宣言と言ってもいい状況なんだよということを言われております。
 私どもは、この深刻な事態を考えながら、どのようにして財政再建を行うか、その目標と具体的な再建策について今各局において十分検討を願うとともに、大蔵省全体として財政再建の方策を検討するように指示をいたしているところでございます。
 また、国会における皆様方の十分な御論議もいただきました上で、平成九年度の予算編成が財政再建の初年度を意味するものとなるようにやらなければならない非常に窮迫した事態であると考えております。
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楢崎泰昌#13
○楢崎泰昌君 大蔵大臣の今述べられた今日の財政についての認識はそのとおりだというぐあいに思います。問題は、実行が一体できるのかねと。平成八年度の予算を見ましても、財政削減をしなけりゃならぬ、どこにも聖域はないんだというような御談話がございましたけれども、一向に財政縮減についての具体的な、ああこうだなというようなしるしが見えないところが問題であるというぐあいに思います。いずれにしても、今大蔵大臣の述べられたようなお覚悟を財政当局は十分お持ちになってこれからの財政運営に励んでいただきたいというぐあいに思っております。
 さて、今日、国債費が十六兆円になった、利払い費が十兆円になったということでありますけれども、実はこれは低金利に支えられてもっとどんどんふえていかなきゃいけない、ふえていかなきゃいかぬというのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、普通でいえばふえていく要素を十分持った国債額の累増であるわけであります。
 現在、政府は低金利の政策をとっておられますけれども、国債費をふやさないために低金利政策をとっているとは思いません。国民経済全体についての活性化のために低金利の政策をとっていると思いますが、現在の国債の利払いの利率というのはどれくらいになっているんでしょうか。利率でございます。
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田波耕治#14
○政府委員(田波耕治君) 八年度の予算について申し上げますと、例えば十年債の金利は、八年度発行分については三・六%ということで積算をしておるところでございます。
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楢崎泰昌#15
○楢崎泰昌君 随分安い国債の金利であるわけですね。従来は一〇%近くの国債が発行されたこともあります。それに比べると非常に安い金利で今借りておりますから、それほど利払い費の痛みを直接的には感じていないんだと思っていますが、この低金利政策そのものは経済の活性化のためにやっているんだというぐあいに認識をしておりますけれども、具体的にはこれはメリットとデメリットが大変錯綜している政策だと思います。
 まず最初に、この低金利政策は経済の活性化のために一体どのような考え方でやっているのか、それがどのような経路で国民経済によい影響を与えているのか、その部分について御説明を願いたいと思います。
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武藤敏郎#16
○政府委員(武藤敏郎君) 低金利政策の我が国経済に与えるよい影響につきましては、いろいろなことが考えられますけれども、大きく申し上げれば二点に大別されるかと思います。
 まず第一点は、企業におきまして金利の支払いが減少いたしますので、当然、収益が好転する。これは設備投資を増加させたり、あるいは雇用の増加といったようなものをもたらしまして、ひいては消費に好影響を与えるであろうというふうに考えられます。
 もう一つ、家計におきましては、確かに受取利子収入が減少するという問題がありますけれども、一方でやはり家計の負債の利払いを減少させるということから、例えば住宅投資を増加させるといったようなことが考えられまして、こういう大きな流れを通じて国民生活に好ましい影響を与えるものというふうに理解しております。
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楢崎泰昌#17
○楢崎泰昌君 今、メリットの方の話を伺いましたけれども、デメリットについてはどのようにお考えですか。
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武藤敏郎#18
○政府委員(武藤敏郎君) デメリットといたしましては、今ちょっと触れましたが、一つは家計の利子所得の減少ということでございます。これは、家計も借入者としての家計もございますのでネットで考える必要があろうかと思いますけれども、そういうことがあろうかと思います。
 そのほか、これはちょっと別の観点になりますけれども、年金財政でありますとか、あるいはその資金を運用しております経済主体の運用状況が収益の低下ということにつながっていく、あるいは財政にも利子所得の減少に伴う税収の減ということがございますので、そういうデメリットがあるというふうに考えております。
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楢崎泰昌#19
○楢崎泰昌君 今申されましたけれども、最初の家計ですね、家計は利子所得が減ってくると。確かに住宅ローン等の負債も減ってくるでしょう。そうするとネットはどっちに働いているんですか。私は消費支出についてはマイナス要因になっているんじゃないかというぐあいに考えていますが、いかがですか。ネットの話をしているんです。数字を言ってください。
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武藤敏郎#20
○政府委員(武藤敏郎君) これはSNA統計で推計することがある程度できるのでございますけれども、それによりますと、一般的には貯蓄といいますか、そちらの方のウエートが大きいために受取利息の減の方が大きく働くというふうに考えられております。
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楢崎泰昌#21
○楢崎泰昌君 具体的にどれくらい、何兆円ぐらいですか。
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武藤敏郎#22
○政府委員(武藤敏郎君) 統計によりますと、個人企業を除いた家計部門の統計でございますけれども、六年度、利子所得が二十三兆円余りございます。一方で利子の支払い、これはローンの利子等でございますけれども、これが十一兆円余りでございます。
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楢崎泰昌#23
○楢崎泰昌君 すなわち、消費支出については、少なくとも個人の可処分所得については十一兆円余りが少なくなっている、それが消費に影響しているというぐあいに考えざるを得ないわけです。
 またさらに、一番大きなところは年金ですね。年金運営というものは大体五・五%を基準にして企業年金会計が運営されているというぐあいに思います。その利子所得が現在五・五%では回らない、せいぜい三%強にしか回らないという状態になっているというぐあいに思います。そのために、企業年金その他は大変な潜在負債を持つ、そればかりじゃなくて破綻に追い込まれる、どうしようかということでいわゆる企業年金が議論されていると思いますが、その点についてはどういうぐあいに御認識になっておられますか。
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伏屋和彦#24
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。
 今先生御質問の年金でございますが、二つに分けまして、一つは公的年金の話でございます。
 先ほど先生からも御指摘がありましたが、公的年金は賃金の上昇に合わせまして年金額を改善するとともに、その実質的な価値が維持されるよう、物価上昇に対応したスライドを行っているわけでございます。
 それで、公的年金の年金財政への影響についてでございますが、年金額が賃金や物価の上昇に応じて引き上げられる仕組みとなっておりますために、年金財政への影響は運用利回りと賃金や物価の上昇率との相対関係、すなわち実質的な利回りで決まってくるものでございます。
 先ほども御指摘ありましたのですが、現在は金利とさらには物価、賃金のいずれもが低水準であるわけでございまして、実質的な利回りは私ども平成六年の財政再計算時に想定していたものとほとんど変化がないわけでございます。実際には、先ほど委員から御指摘がありましたように、預託金利の方は確かに二%程度下がっております。他方、CPIの上昇率の方も、当時想定しておりました水準から上昇率自体が二%程度低い水準にあるわけでございまして、その意味では公的年金財政への影響は現在のところほとんどないと考えておるところでございます。
 いま一つの企業年金の話でございます。
 これは、私がお答えするのが適当かどうかあれでございますが、企業年金の資産運用ということでいいますと、極めて長期間にわたる運用であることとか、市場金利の動向に必ずしも連動しないような株式、不動産、外貨建て資産等を組み込んで運用が行われていることから、現在の低金利政策が企業年金の資産運用に及ぼす影響については必ずしも一概には言えないわけでございますが、今後ともその意味ではやはり長期間であること、かつ安定的な運用が望まれることだと思っております。
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楢崎泰昌#25
○楢崎泰昌君 今御答弁いただきました企業年金についてですね。運用利回りが若干減ってはいるけれども、実は物価スライドを見込むとそんなに大きな影響は出ていないんだ、こういうお話だと思います、公的年金の方は。それは計算上もそうなるかもしれません。しかし、企業年金の方は物価スライドがなく、定額をもって支払うという約束を各会社が従業員に対してなされている。その基金がどんどん減少していっているという事態が起こっているわけです。
 先般、アメリカの証券取引委員会で指摘が行われまして、日本の上場企業の各社には何百億ないしは何千億の積立企業資金の積み立て不足が指摘されている、こういう状態であります。私はこれをどうしろとかこうしろということを今議論するつもりはございませんが、低金利については、確かに先ほども言われたように国民経済を刺激するという大きな効果があると同時に、いろんなところにひずみが出ている。ひずみの方を、どこを基準にしてひずみと言うのかねという問題はあると思いますけれども、少なくとも多くの問題点が指摘をされているわけです。史上初めての公定歩合〇・五%をいつまでも持続するわけには多分いかないんだろうと。少なくとも経済の発展が平常に戻ってくれば当然速やかにとめなければならぬ政策であろうというぐあいに思うんです。
 ちなみに、低金利政策をとられた結果、先ほど申し上げたように、家計に及ぼす影響は非常に大きいということでありますけれども、同時に、この低金利政策によって一番潤っているのは金融機関であるというぐあいに言われています。金融機関は空前の利益を上げている。すなわち、今三月期の利益はどれだけかわかりませんが、九月期の中間決算で業務純益で約四兆円の利益が上がったというぐあいに報ぜられています。それに対して、お年寄りだけではないと思いますけれども、要するに金利生活をしている方、特にお年寄りですね、そういうような方が銀行に預けても金利生活は全然できないねということが今議論をされているわけですけれども、そういう事態についてどういうぐあいにお考えでしょうか。
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西
西村吉正#26
○政府委員(西村吉正君) 確かに、現在物価は安定しておりますけれども、非常に低金利の状況が続いているということで、例えば金利生活者等の方々にとって非常に厳しい状況であるということは御指摘のとおりかと存じます。
 この低金利状況のもと、老齢福祉年金の受給者等、特に経済的に恵まれない預金者の方々に対しましては、特別の配慮を行うとの観点から福祉定期預金を実施しているところでございます。これは現在四・一五%という相当高い金利を付しているわけでございます。これにつきましては、現在の低金利状況を踏まえまして、先般その受け入れ期間を本年三月以降さらに一年間延長したところでございます。
 また、これとは別に、近時、民間金融機関の中で、個々の経営判断によりまして、年金生活者に配慮いたしました新しい金融商品の取り扱いを開始しているものがふえていると承知をいたしております。例えば銀行で申しますと、今我が国に百四十九の銀行がございますが、そのうち百三十七の銀行におきましてこのような年金受給者向けの金利上乗せ商品を実施していると聞いております。
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楢崎泰昌#27
○楢崎泰昌君 私は、今銀行局長御答弁になりましたけれども、その政策については疑問を持っているんです。福祉預金四・一五%というぐあいに申されましたけれども、大体、今ごろ、金融機関に福祉政策やれといって銀行局は通達を出すんですかね。僕は非常にその点については疑問に思っているんです。一%上乗せしろというんだったらまだわかるけれども、金融機関の調達コストはもっと低いわけですね。それを四・一五の金利を出して福祉政策を金融機関にさせているというのも僕は奇異に感ずるんですが、出発点のときのいろいろいきさつがあったと思います。あえて申し上げませんが、そういうことでちょっと疑問に思うようなところがあります。
 さらに、年金受給者に対して一%の上乗せを御要請になる。これは銀行局が御要請になったんじゃなくて銀行の方で自発的になさったんだというぐあいに理解をいたしますけれども、これもほんのスズメの涙程度で、百万円が限界ですからね。これで考慮したということにはとてもならないというぐあいに思っているんです。
 ところで、金利を決定している、例えば公定歩合を〇・五に決定をしているのは日銀の専管事項であるというぐあいにされています。
 私は、日本銀行法の第一条「目的」を読んでみますと、日本銀行の設立の目的は平たく言えば物価の安定とそれから信用秩序の維持であるというぐあいに思います。日本銀行はその責任を持っていますけれども、同時に、日本経済をどういうぐあいに持っていくか。今、低金利政策と言われています、その政策を一体だれがこしらえているんだと。日銀がこしらえているのか、政府がこしらえているのか。日本経済の運営について国民にリスポンシビリティーを持っているのは政府であるというぐあいに思っているんです。ところが、日本銀行が公定歩合を決定している。さらに、松下総裁は低金利政策を続けるんだと言い、かつG7ではアメリカから低金利政策を続けてくれよと要請を受けている。そんなことをどういうぐあいに理解をしているんでしょうか。
 要するに、現在、責任は一義的に政府にあるのか、日本銀行と政府とはばらばらに物を考えているのかどうなのかということをお伺いしたいと思います。
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武藤敏郎#28
○政府委員(武藤敏郎君) 日本銀行の役割といいますか目的は、ただいま御指摘のとおり、日銀法によりますと通貨の調節、金融の調整及び信用制度の保持育成ということになっておるわけでございます。御指摘のとおり、公定歩合操作あるいは公開市場操作というものは日本銀行の所管事項でございます。ただ一方で、例えば支払い準備率操作等は大蔵大臣の認可に係るというようなことで、政府といたしましても広い意味で金融に関する施策の一部を担っているということでございます。
 中央銀行と政府の経済政策が整合的でなきゃならないというのは御指摘のとおりでございまして、いろんな形で日ごろより日銀と当局間で意見交換を行っておるわけでございまして、政府の経済政策全体として整合的に運営されなきゃならないというふうに考えておる次第でございます。
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楢崎泰昌#29
○楢崎泰昌君 今、世上あるいは政党間において日銀法の改正ということが議論されているように耳にしています。どういう具体的内容なものかは詳細にはわかりませんけれども、日本銀行の独立性の強化というようなことがうたわれているというぐあいに思いますけれども、今御質問を申し上げたように、日本経済の責任は政府にある、しかし金融政策の決定は日銀にある、そして日銀の権限を強めていくということになると、一体どういうぐあいに物を考えればいいんでしょうか。
 私は、この議論がこれから行われていくと思いますけれども、日本銀行の独立性を高めるということと、これは確かにアメリカ等においては強い独立性を持っていることは言うまでもありませんけれども、それと日本国政府の現在の立場とどういうぐあいに関連が出てくるのか、どういうぐあいに物を考えていくのかということを御説明願いたいと思います。
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