文教委員会

1997-05-29 参議院 全146発言

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会議録情報#0
平成九年五月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
  五月二十八日
    辞任         補欠選任
     木暮 山人君     林 久美子君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         清水嘉与子君
    理 事
                小野 清子君
                鹿熊 安正君
                石田 美栄君
    委 員
                井上  裕君
                釜本 邦茂君
                田沢 智治君
                馳   浩君
                菅川 健二君
                林 久美子君
                山下 栄一君
                山本 正和君
                本岡 昭次君
                阿部 幸代君
                江本 孟紀君
                堂本 暁子君
                長谷川道郎君
   国務大臣
       文 部 大 臣  小杉  隆君
   政府委員
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省教育助成
       局長       小林 敬治君
       文部省高等教育
       局長       雨宮  忠君
       文部省学術国際
       局長       林田 英樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青柳  徹君
   説明員
       労働省労働基準
       局監督課長    青木  豊君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○大学の教員等の任期に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    —————————————
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清水嘉与子#1
○委員長(清水嘉与子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、木暮山人さんが委員を辞任され、その補欠として林久美子さんが選任されました。
    —————————————
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清水嘉与子#2
○委員長(清水嘉与子君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 大学の教員等の任期に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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清水嘉与子#3
○委員長(清水嘉与子君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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清水嘉与子#4
○委員長(清水嘉与子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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清水嘉与子#5
○委員長(清水嘉与子君) 大学の教員等の任期に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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馳浩#6
○馳浩君 おはようございます。自由民主党の馳浩と申します。よろしくお願いいたします。
 大学教員に任期制を導入しようという法案についてではありますが、我々国会議員も六年間という任期のもとに仕事をしておるわけでありまして、任期が終わって再任というか再選されなかったときのことを考えますと大変寂しい気もいたしますが、気を取り直して質問に入りたいと思います。
 さて、二十一世紀の日本というのは科学技術創造立国というものを求めておるわけでありまして、そういう観点から翻って今現在を見れば、まだまだ日本は科学技術模倣立国で、そういう意味でも各大学における基礎研究の充実、教育研究の活性化、人事の流動化といったものは必要不可欠な問題であると認識してはおりますが、今回とられます任期制だけでは、十分な教育研究の活性化や人事の流動化、現在問題になっております各大学の人事の派閥といった問題でありますとか、そういった問題に対応していくのはなかなか難しいのではないかという観点から、この任期制のほかにももちろん教育研究に対する環境の整備も進めていかなければいけないと思うのですが、この任期制の意義も踏まえまして、まず大臣からの御所見を伺いたいと思います。
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小杉隆#7
○国務大臣(小杉隆君) これはあくまでも大学の教育や研究の活性化を図るための方策の一つということで、数々の大学の活性化の方策の中のワン・オブ・ゼムである、こういう位置づけをしております。
 本来、教員の流動性を高めることによって多様な人材を交流して大学の教員相互に学問的な刺激を与える、そのことによって教員の教育研究能力が向上し教育研究が活性化をする、こういうことをねらっているわけでございます。
 また、異分野、違った分野の研究者や異なる経験、発想を有する者との出会いが学問的な関心や豊かな着想力を生むということで、そういった趣旨でこのたびの法案を提出した、こういうことでございます。
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馳浩#8
○馳浩君 今の基本的な質問に関連しての質問ではありますが、今回のこの任期制は強制ではなくて選択制ということであります。いわば学問の自由、大学の自治に配慮してのことだと思いますが、それでは私は問題があると思っております。
 選択制の結果、ごく一部の大学、学部での導入にとどまった場合に、よほどのよい条件、例えばそのポストがより高い収入が得られるとか、あるいは移った大学によりよい研究設備が充実しておるとか、そういったインフラ整備がない限りには、身分の不安定な任期ポストに優秀な先生がどんどんついてくるとはなかなか考えられません。そして、肝心のこの条件というところでありますが、今般の財政難の折には多くは期待できないのではないかと思います。今現在のままでは、給料に関しましても総じて一律でありますし、国公立大学の研究施設の老朽化はなかなか改善されておりません。そう考えますと、このままでは任期制の導入はごく一部にとどまり、任期制導入に伴う人材交流、ひいては教育研究の活性化はなかなか実現不可能となるのではないかと思います。
 さらに、今現在紳士協定として任期制を導入している百一校の大学も、紳士協定で認められた再任を拒否された教員の居座りの自由をこの法案では認めない趣旨であることからも、任期制の法制化に移行しないのが相当数に上るのではないかと考えられます。
 そこで問題となりますのは、教育研究の活性化政策全体の中での任期制の位置づけでありまして、文部省はこの任期制を活性化策のあくまでも一つの方策としか考えず、大学側に活性化策の有力な選択肢を提供するにとどめる基本方針なのか。あるいは、活性化策の中核と考えていわゆる財政誘導して、半ば強制的にもこの任期制の導入を果たそうとするお考えなのか、お答えを願います。
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雨宮忠#9
○政府委員(雨宮忠君) ただいまお尋ねの、大学教育研究の活性化対策ということの中での今回の法案の位置づけについてのお尋ねでございます。
 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、教育研究の活性化対策と申しますものの中には、今先生が御指摘のような教育研究条件の改善の問題もありましょうし、処遇の改善の問題もありましょうし、さまざまな問題があるわけでございます。また、教員の流動性の確保ということに限定いたしましても、必ずしも今回の法案のねらっております任期制だけが流動化のすべてであるというようにも考えておらないわけでございまして、大学審議会の昨年秋の答申の中におきましても、例えば採用の仕組みの改善、公募制の活用を大いに進めるとか、あるいは学外の専門家の積極的な登用を進めるでありますとか、あるいは教育研究組織自体を非常に弾力的にしたらどうかとか、さまざまな提言も行い、また現実にも進められているものがあるわけでございます。
 したがいまして、私ども今回の法案の位置づけといたしましては、それらの今までやってきた努力、これはこれとして引き続いてやってもらわなきゃならないというように考えてもおりますけれども、しかし、法制度上の任期制、すなわち大学の方として任期を付した任用というものが今までの法制度上認められておらなかったことに着目した場合に、その道を開くということがやはり教員の流動性という分野におきましての有力な手だてとなるものではなかろうかというような考えのもとに今回の法案を出させていただいた次第でございます。
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馳浩#10
○馳浩君 もとより私は任期制の導入については賛成派の人間でありまして、今回の法案の中身では手ぬるいのではないか、むしろ積極的にこの任期制を採用していくべきではないかという考えであります。
 でなければ、一般の産業社会ととりわけ基礎研究に携わる大学の中といったものが乖離してしまってはいけないわけで、より一層の人材の流動とともに若手の登用、あるいは巷間言われるところの、親分と言われる大学教授が人事やあるいは予算についての権限を持って大学を私物化するような、そういったいわゆる本来望まれている教育研究の大学の状態と違う方向の現状を変えていくためにも、私はこの任期制というものを活性化のためにもよりよく利用していくべきだと思っております。
 ただし、今回この任期制を導入すれば異動を伴ってくるわけでありまして、この異動に伴うマイナス面の解消、あるいは逆にプラス面としてのインセンティブの付与を図らなければ人材の流動性の向上は実現しないであろうと考えます。
 そこで、まず異動に伴うマイナス面に関する質問をさせていただきます。
 任期制の関連で異動する場合には、とりわけ理工系の先生に当てはまりますが、実験設備の輸送費は国または大学が負担すべきものと考えますが、いかがでしょうか。これが第一点目の質問です。
 さらに、その先生のスタッフである院生も移動するのが通常であります。そのためには移動先の大学院の編入試験を受けて合格しなければなりません。問題はその先でありまして、編入試験の検定料の支払いはやむを得ないとして、合格した後に再度入学金を支払わせるのはおかしいと思います。院生は総じて苦学生が多く、先生が立てかえる場合も間々あります。同じ国立大学問同士の移動であるならばせめて入学金の免除をするべきと思いますが、いかがでしょうか。この二点についてお答えをお願いします。
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雨宮忠#11
○政府委員(雨宮忠君) 理工系の教員が他大学に異動するという場合に、それまで当該教員が使用していた実験設備を異動先の大学に移して持っていくということに関するお尋ねでございます。
 実験設備自体、当該教員が使っていたばかりではなくて、多分学生も使っていたわけでございましょうし、ちょっと雑駁な表現で恐縮でございますが、それを根こそぎ担いで持っていくということがどの程度適切なのかどうかというのはあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、物品管理上の問題といたしましては、必要な場合以外は認められていないということでございまして、必要な場合とは、物品の効率的な使用のため、こういう限定が物品管理法上ついているわけでございます。この場合には、物品管理法上の概念といたしまして管理がえという手続があるわけでございまして、移転を行いたい両大学問で協議を行いまして、学長の承認を得た上で移転することができる、その際の輸送費については国が負担すべきものだ、こういうことでございます。具体例としましては、前の先生が使っていて、次の先生はほとんど使わないというようなものが多分該当するのではなかろうかと思いますが、制度的にはそういうことになっておるわけでございます。
 国立大学から公私立大学に物品を移転することにつきましては、財政法の規定によりまして、国の財産を「適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」ということになっておるわけでございますので、制度上難しいものがあるのではなかろうかというように考えております。現在の物品管理法上はそういうことでございます。
 今先生のお尋ねのいわゆるインセンティブという観点からいたしますと、行った先にやはりそれなりの設備が整っておらなきゃ何にもならないだろうということはまことにごもっともなところでございまして、文部省といたしまして今年度の予算に、十分とは言えないわけでございますが、教員流動化促進経費というのを計上いたしまして、例えば民間の研究機関から教授や助教授として採用したという場合に、その受け入れ先の大学の研究環境の整備のために必要な経費を支給するというような努力もいたしておるところでございます。
 それから、二番目のお尋ねの院生の点でございます。
 これまた、異動する先生が強制的にその指導下にある大学院学生を連れていくということが一体受け入れられるものなのかどうかというのは一つあるわけでございますが、あえて申しますと、大学院学生の自主的な判断で、ぜひ引き続き当該先生の指導を受けたい、籍を変わっても、大学を変わってでも行きたいというようなことはないわけではなかろうと思うわけでございます。そういう場合でのお尋ねであろうかと思うわけでございます。
 基本的に国立大学の入学料につきましては入学許可の際に徴収するわけでございまして、その学生が当該大学の学生としての地位を取得することについて徴収する、こういう建前になっておるわけでございます。したがいまして、国立大学の学生が他の国立大学に動くということの場合につきましては、取り扱いといたしましては、改めて転入先の大学で入学料を徴収する、こういう扱いになっておるところでございます。
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馳浩#12
○馳浩君 私は二点ぐらい要望したいと思います。
 研究スタッフがその教授とともに移動するというのは、院生の自主的な判断というふうに今おっしゃられたと思うんですけれども、研究チームとして教授が異動する限りは、その薫陶を受けている院生が移って一緒に勉強するというのは、自主的な判断というよりもこれはいたし方のないところで、学問の世界では私は当然のことだと思うんです。その点について、これからこういう任期制を導入していこうとするならば、文部省としてもあるいは移動を受ける大学にしても、優先的にそういった学生を受け入れやすい基盤整備をしてほしいというふうな要請をむしろ私はしたいと思います。
 これは人間だけじゃなくて、最初に申し上げた設備のことでも、細かい陳情で申しわけないかもしれませんが、理工系の場合には設備を持っていく、ところが、移った大学が電源設備工事をしなければその研究設備を受け入れることができないといった場合に、電源増設工事にしたところでだれがその工事代を払うのかといったときには、これは科研費の中から出るわけでもあるまいし、その大学の管理費の中から出さざるを得ないわけでありますから、そういった点の配慮というものを積極的にしていただかなければ、この任期制を導入した上での本当の意味での人事の交流化というのはなされないのではないかという観点から、この二点の御要望を申し上げたいと思います。
 次に移ります。
 今回の任期制の導入に当たりまして大変私も反対の陳情あるいは陳情書の郵送をいただきまして、これは感謝しております。その中でちょっと私も理解できない御指摘がありましたのでお伺いいたします。
 現在既に教授職にある人にはそれ以上の昇任はないので、任期制は適用されないという認識で反対をするという陳情の文面がありました。
 そこで二点質問いたします。
 現在教授職にある先生でも、例えば同じ大学の中で学科再編などの組織がえで配置がえが生じる場合に、その配置がえ先の教授職ポストに任期制がついているのならば、制度上はこの教授には任期制が適用されることになると思いますが、いかがでしょうか。
 二点目は、同じ現在教授職にありまして、Aの大学に所属しておってBの大学に移る、そのBの大学に任期制が付されている場合には、やはりAの大学では任期制が採用されていなくてもBの大学に移った場合にはその教授には任期制が新たに採用されると考えてよろしいのですね。この二点確認を申し上げます。
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雨宮忠#13
○政府委員(雨宮忠君) 今回の法案におきましては、国公立大学の教員につきまして任用に際して任期を定めることができるというようにしておるところでございまして、この場合の任用には採用や昇任だけでなく転任や配置がえも含まれるということでございます。
 したがいまして、配置がえによりまして教授がポストを異動する場合に、異動先の教授ポストに任期が付されているということでありますれば、異動前に任期がついていなかった教授であっても任期を定めることができるということでございます。
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馳浩#14
○馳浩君 次の質問に移ります。
 法律案の第二条四号の部分について質問させていただきます。
 ちょっと読ませていただきます。任期についてです。
 国家公務員としての教員等若しくは地方公務員
 としての教員の任用に際して、又は学校法人と
 教員との労働契約において定められた期間で
 あって、国家公務員である教員等にあっては当
 該教員等が就いていた職若しくは他の国家公務
 員の職に、地方公務員である教員にあっては当
 該教員が就いていた職若しくは同一の地方公共
 団体の他の職に引き続き任用される場合又は同
 一の学校法人との間で引き続き労働契約が締結
 される場合を除き、当該期間の満了により退職
 することとなるものをいう。というふうに、ちょっと法律の文言というのは時としてわかりづらいのでありますが、ここの部分の意味について質問をさせていただきます。
 今読み上げました条文の部分は、対象となる教員があくまでも任期制のあるポストについていて、その任期期間が満了していることを前提として引き続き任用される場合を定めたものなのでしょうか。
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雨宮忠#15
○政府委員(雨宮忠君) 第二条の第四号で、この法律案におきます「任期」という言葉の定義をいたしておるわけでございます。
 今先生御指摘のように、当該定義におきまして、教員がついていた職に引き続き任用されるということでございますが、これにつきましては、任期満了となった教員が再びその任期つきの職に任用されることを意味しておるわけでございまして、いわゆる再任の場合であるということでございます。
 また、他の国家公務員の職、または同一の地方公共団体の他の職に引き続き任用されるということの意味合いでございますが、任期満了となった教員が当該任期つきの教員の職から他の職へ任用されると。任用というのは、御案内のように昇任、降任、転任、配置がえを含むわけでございますが、任用されることを意味するということでございます。したがいまして、引き続き任用される場合とは、任期を定めて任用された教員につきまして、任期の期間が満了していることを前提に規定したものだということでございます。
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馳浩#16
○馳浩君 そこで、「引き続き任用される」の意味には同じポストに再任される場合も含んでおりますが、原則が退職とある以上、再任にはおのずと限界があると思いますが、いかがでしょうか。
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雨宮忠#17
○政府委員(雨宮忠君) 再任の可否につきましての実際の運用は各大学にゆだねられているところでございます。
 規則で、どのポストが任期つきのポストであるのかどうか、それからその場合の任期の長さはどうであるとか、あるいは再任を許すのか許さないのかというようなことどもについてはそれぞれの大学で決めていただく事柄でございまして、そういう意味合いにおきまして、再任の可否におきましての運用は各大学にゆだねられているわけでございますが、教員の流動性向上による教育研究の活性化という本法案の趣旨がございます。また、第四条の第一項各号で規定されている任期を定めることのできる場合ということから考えますと、やはり適切な運用がなされる必要がございまして、今先生御指摘のように、再任を許すということがあるからといって、ただそれを無制限に繰り返していくということでありましたらば、何のための任期制かということにもなるわけでございます。したがって、再任ということは認められるにしても、おのずとそれには限度があるであろうというように考えておるわけでございます。
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馳浩#18
○馳浩君 ここは、今現在その職にある方々にとっては非常に微妙な問題であると思いますので、重ねて御質問を申し上げます。
 やっぱり再任される限界の回数であるのではないかなと。つまり、二回までは再任は許されるのか、五、六回は大丈夫なのかという点でありまして、この再任の限界というのは一律に論ずることはできないと思います。といいますのは、そもそも任期制のあるポストの任期期間が長いか短いかで大きく左右されるからでありまして、さらにはそのポストの職種にも影響されるでありましょう。
 しかし、そうはいっても、何回も何回も再任される事例が多くなれば、明らかにこの法の趣旨に反すると考えます。再任回数を任期期間をベースに明らかにしなければ、法律が必ず持つべき予測可能性あるいは法的安定性に反するのではないかと考えます。大学側に再任回数につき自由裁量を与えたのではないのであるとすればなおのことであると思いますが、文部省としては、いま一度御答弁いただきたいんですけれども、そういった事例が出てきたとしたならばどのような対処をしていくおつもりなのでしょうか。
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雨宮忠#19
○政府委員(雨宮忠君) 一人の教員につきまして何回まで再任を認めることが適当かどうかということでございますが、これは任期の長さ自体をどう設定するかということにもかかわることでもございますし、また分野によりましても、あるいはその職の性格ということにもよって異なるものがあろうかと思うわけでございます。
 したがいまして、あらかじめ、一般的に再任の回数が何回までとか、あるいは再任の結果、当該任期が何年までということを一律に私どもの方で決めてしまうということは必ずしも適当なことではないと思うわけでございまして、それぞれの大学において、今回の法案の趣旨や目的を踏まえまして適切に判断していただくべき事柄であろうかと思うわけでございます。
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馳浩#20
○馳浩君 適切に判断していただく事柄でありますが、事任期制に関しては非常に微妙な問題でもありますので、これについては私は法案成立後も関心を払っていきたいと思います。
 次の質問に移ります。法の第三条について質問いたします。
 ここで言う大学管理機関とは、国公立大学については「評議会の議に基づき学長」という意味と思いますが、問題は、「評議会の議に基づき」の意味でありまして、この意味は、任期に関する規則の内容すべて評議会の承認を得ていることを意味するのか、あるいはこの規則の内容について評議会の一任を学長が取りつけておればそれで事足りるという意味か、お教えください。
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雨宮忠#21
○政府委員(雨宮忠君) 今回の法案におきまして「評議会の議に基づき」としておりますのは、任期制を導入するに当たりまして、それぞれの大学におきまして任期制が必要であるか否かは全学的な見地から評議会において十分検討されるべき事柄であるということでございまして、学長といたしましては、教員の任期に関する規則の内容を定めるに当たりまして、当該大学の評議会の決議に拘束されるというように考えるわけでございます。
 したがいまして、教員の任期に関する規則の内容につきまして、今お尋ねの評議会の一任を学長が取りつけておくことで足りる、一切学長に任せてくれ、あるいは評議会の方も学長に任せて結構だというような扱いということは、全学的な見地から任期制の導入云々について審議、決定するという評議会の位置づけあるいは立法の趣旨ということからいたしまして適切ではなかろうというように考えておるわけでございます。
 なお、現在、教特法上、評議会の議に基づき学長が行うこととされている事項といたしまして、例えば学長、部局長の任期を定めることでありますとか、あるいは教員の停年を定めることでありますとか、教員の選考基準の制定というような事柄が教特法上書かれてあるわけでございますが、これらにつきまして、各大学におきましてはそれぞれ評議会において審議、決定が行われておるわけでございまして、国立大学のうちでこれらの事項について学長に一任というような運用を行っておるところは、私どもとして聞いておらないところでございます。
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馳浩#22
○馳浩君 わかりました。
 では次、第三条の二項で規則変更権を大学に認めておりますが、この変更権について二つ質問いたします。
 時間的に、いつでも一定の手続さえ踏めば変更は可能なのでしょうか。二番目に、内容的な変更の限界はないのでしょうか。
 以上二点をお聞きします。
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雨宮忠#23
○政府委員(雨宮忠君) 任期を定めたポストの新たな設置でありますとか、あるいは任期の長さを変更するのでありますとか、あるいは再任の取り扱いの変更などを行うときには任期に関する規則を変更することが必要でございまして、一定の手続を踏むことによりまして規則の内容を変更することは可能であります。
 ただ、例えば、既に三年の任期ということで現に任期つきのポストに教員がおる場合に、途中で五年に改めるんだとかというようなことはいかがかというようなことでございますし、逆に、五年と定めておって三年と変更するということも、これはおかしなことでございます。
 そういうようなことはございますけれども、いずれにしましても規則の変更ということは可能でございまして、それぞれの変更される規則の内容につきましては、当該大学の教育研究上の必要性やらあるいは立法の趣旨に照らしまして、それぞれの大学で適切に判断していただくということでございます。
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馳浩#24
○馳浩君 私が心配しておったのは、例えば五年という任期で採用されて、ところがその人が三年のときに大学側が、五年という任期だったけれども、じゃ十年にするというふうにすれば実質上再任が認められてしまうわけでありまして、そういった変更が可能なのかどうかということをお聞きしたがったんでありますが、今の御答弁によりますと、そういったことは認められないという姿勢だと思いますので、その点、どこまで変更の内容に限界があるのかといったことも、今後各大学においてのいろんな事例が出てくると思いますので、想定した対応をお願いしたいと思います。
 次の質問に移ります。
 今度は、第三条の第三項、規則についてですが、記載事項は文部省令で定めることになっておりますが、記載すべき事項についてできる限り明らかにしてください。
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雨宮忠#25
○政府委員(雨宮忠君) 記載すべき事項を定める文部省令におきましては、任期制を導入する教育研究組織、それから教員の職、任期の長さ、再任の取り扱い等を規則に記載するよう定めることを考えておるところでございます。
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馳浩#26
○馳浩君 その程度だと最低限のものだと思いますが、それ以上については各大学の裁量に任せて規則を定めてもよいと理解してよろしいのでしょうか。
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雨宮忠#27
○政府委員(雨宮忠君) 今お答え申し上げたような事柄さえ規則に記載するならば、こういうような条件のもとで任期が付されているなということが明らかになる、骨格は明らかになるというふうに考えているところでございますけれども、もちろん、それぞれの大学で必要に応じてその他の事項についてもつけ加えて規定するということを否定するものではございません。
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馳浩#28
○馳浩君 次に、第四条についての質問に移ります。
 任期制の対象となるポストは三種類に分けております。いわゆる流動型、研究助手型、プロジェクト対応型、これは第四条の第一項一号、二号、三号で分類されておりますけれども、第一号の流動型についてですが、確かに前段の方では「先端的、学際的又は総合的な教育研究」と規定されて限定的と言えますが、その後段において「多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職」となっているだけで、必ずしも限定的なものとはなっておりません。
 そもそも、今日の大学の教員自体が多様な人材の確保が必要なわけでありまして、条文でその必要性が特に求められると規定しても、判断する人によってその判断はまちまちであります。したがって、極端な話、その大学の教員ポストすべてが任期制の対象になる場合も出てくると考えますが、そうとらえてよろしいのでしょうか。
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雨宮忠#29
○政府委員(雨宮忠君) 若干微妙なお尋ねでございます。
 と申しますのは、その一号で書いておりますことの判断を百人が百人とも同じように判断をするかというようなことになってまいりますと、それは必ずしもそうでもなかろうというように思っておるわけでございます。しからば、これは無限定なのかということになってまいりますと、一号に書いてございますように、いわゆる当該教育研究組織で行われる教育研究分野や方法の特性から、組織構成員に任期を付しまして、時間の経過とともに一定数入れかわることによりまして常に多様な知識、経験等を有する人材を確保し、教育研究を推進していくことが必要な教育研究組織の職に任期をつけられるというものでございます。
 したがいまして、ここにあえて「先端的、学際的又は総合的な教育研究であること」という一つの例示も書いたわけでございます。また、一号の後段のところに書いてございますように、「多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき。」というような表現もしているわけでございまして、私どもといたしましては、これらの表現全体をとりまして、やはり限定的な書きぶりにしてあるというように考えておるところでございます。
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