運輸委員会

2000-04-04 衆議院 全155発言

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会議録情報#0
平成十二年四月四日(火曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 仲村 正治君
   理事 石破  茂君 理事 実川 幸夫君
   理事 菅  義偉君 理事 森田 健作君
   理事 高木 義明君 理事 玉置 一弥君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 江崎 鐵磨君
      小里 貞利君    木村 隆秀君
      久野統一郎君    栗原 裕康君
      坂本 剛二君    中馬 弘毅君
      中野 正志君    望月 義夫君
     吉田六左エ門君    渡辺 具能君
      奥田  建君    今田 保典君
      永井 英慈君    前原 誠司君
      遠藤 乙彦君    岩浅 嘉仁君
      寺前  巖君    平賀 高成君
    …………………………………
   運輸政務次官       中馬 弘毅君
   参考人
   (近畿大学理工学部教授(
   土木工学))       三星 昭宏君
   参考人
   (救急ヘリ病院ネットワー
   ク理事)         清水 喜由君
   参考人
   (東洋大学工学部建築学科
   助教授)         高橋 儀平君
   参考人
   (静岡大学教育学部教授) 馬居 政幸君
   参考人
   (社会福祉法人日本身体障
   害者団体連合会会長)   松尾  栄君
   参考人
   (社会福祉法人日本盲人福
   祉委員会理事長)     村谷 昌弘君
   参考人
   (駅にエレベーターを!福
   祉の街づくり条例を!大阪
   府民の会事務局長)    尾上 浩二君
   参考人
   (リーガル・アドボカシー
   )
   (障害を持つ人の権利代表
   理事)          川内 美彦君
   運輸委員会専門員     長尾 正和君
    —————————————
三月三十一日
 道路運送法改正に当たり安全・信頼のタクシー実現に関する請願(北沢清功君紹介)(第一一六六号)
 同(知久馬二三子君紹介)(第一一六七号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案(内閣提出第三四号)
 高齢者、障害者等の移動の自由を確保するための法律案(玉置一弥君外二名提出、衆法第三号)

    午前九時三十一分開議
     ————◇—————
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仲村正治#1
○仲村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案及び玉置一弥君外二名提出、高齢者、障害者等の移動の自由を確保するための法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人から意見を聴取いたしたいと存じます。
 本日、午前、御出席の参考人は、近畿大学理工学部教授(土木工学)三星昭宏君、救急ヘリ病院ネットワーク理事清水喜由君、東洋大学工学部建築学科助教授高橋儀平君、静岡大学教育学部教授馬居政幸君、以上四名の方々でございます。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 三星参考人、清水参考人、高橋参考人、馬居参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままお願いをいたします。
 それでは、三星参考人にお願いいたします。
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三星昭宏#2
○三星参考人 ただいま御紹介にあずかりました近畿大学の理工学部土木工学科、三星と申します。
 総理の大変な中、早くよくおなりになっていただきたいと思っております。
 今回の法案に関して何か意見を申し述べよということでございますので、十分程度、私は、専門である土木計画学、都市工学、交通計画の立場から意見を申させていただきたいと思います。
 なお、私のきょう用意しました資料は、文章化してはありませんが、一枚物で、三星昭宏の名前が左上に書いてある、右に丸の書いてある図表がありますが、それでございますので、それに沿ってお話しさせていただきたいと思います。
 我々が生活していく中で、住宅であるとか建物であるとかといったものの重要性もさることながら、その間の移動というものが大変大事な要素になってまいります。移動ができなければ、我々は日常生活から社会活動、経済活動ができないわけでございまして、これは健常者も障害者もひとしく同じことでございます。
 しかし、その中で、何らかの身体的理由により移動が制約されている方々が、いかに社会生活、経済生活等で困難をきわめておられるかについては、また後ほど、この後の参考人等のお話で出ると思いますが、その移動確保は極めて重要な課題になっているわけでございます。
 この国会へ私初めて参りますけれども、公共交通を利用するときに、身体的な困難のない方にとっては何でもないわけでございますけれども、少しでも障害が出てまいりますと極めて厳しい環境下にございます。そのために、社会的には多くの人材の活力を逃し、あるいはその方々が通常の生活をなさる権利を侵害しているとすれば、やはり国の責務としてそれを改善していかなければならないというふうに思うわけでございます。
 そういった観点から、用意しました資料に沿って少しお話しさせていただきますと、まず、高齢者、障害者の移動性確保の視点の第一が理念とか意義でありますが、私は次の五点を挙げております。
 第一は、ノーマライゼーションの流れでございます。
 これは、すべての人が、障害のある方もない方もひとしく生活を送れるということで、基本的な考え方としては、参加平等、機会平等、さらに障害のある方々の自立支援、ここで申し上げます障害というのは高齢者も含めておきますが、ということでありまして、このノーマライゼーションの流れに関しましては、今さら私がつけ加えることもないと思います。
 二番に関しましては、何といっても、未曾有の高齢率の我が日本社会の中で、活力ある高齢社会づくりをしていかなければならないという課題でございます。
 三番目に、そもそも、社会基盤をとにかくつくればよいという時代から、それが社会の中でこなれ、すべての人が使え、さらによりよいものにつくりかえていくというシステムに我が社会は新しくつくり直さなければならない時代に入っております。そういう観点も大変大事かと思います。
 それから、国際都市の要件。これは後で少しまた触れますけれども、欧米の国際都市の要件としても、このバリアフリーというものが必要条件にもなってきております。
 それから五番目ですが、これが先ほどの三番の話とダブりますけれども、今後の社会基盤整備の方向性に大変大きな影響を与える内容だと考えております。
 次に、二番目の、高齢者、身障者と交通に関しまして、どういう場面でそれが問題になるのかということをざっと述べておきますと、まず公共交通機関であります。
 この内容は、電車、バス、路面電車、それから新交通システム、タクシー、この際タクシーをここで含めておきますけれども、公共交通機関。この公共交通機関のバリアフリーというのがこの対策のまず基本になってくるわけであります。
 この一番の公共交通機関とセットとして、二番のターミナル、交通結節点ですけれども、このターミナルのバリアフリーが必要になってまいります。この二つがセットにならないと使えないわけでありまして、鉄道駅やバスターミナル、バス停等が大事になってまいります。
 通常、我々は、この一、二をあわせて、ここには書いておりませんが、メーンストリームと呼んでおります。これはアメリカの方の英語で申し上げておりますが、ヨーロッパではオーディナリー・トランスポートといいます。基本となる公共交通、これをバリアフリーにしていくことが最も重要でございます。
 それにあわせて、三番の道路空間のバリアフリーの話が出てまいります。
 これには二種類ありまして、高齢者や障害者が歩行者として道路を歩くときのバリアフリー、もう一つの問題は、ドライバーとして運転なさる場面、この二つが出てまいります。特にこれからの高齢社会で、今急速に中年以下に免許の保有率が高くなっておりますが、それが持ち上がってまいりますので、ドライバーとしてのバリアフリーというものもこれから重要になってまいります。これは余り知られていないところでございます。それから道路、駅前広場、こういった道路空間全体のことであります。
 あと、その他に関しましては、公園、緑地あるいは地下街、都心部といったところがあります。
 先ほど私はメーンストリームを一番と申し上げましたけれども、それに対する対置概念としまして、高齢者、身障者に特化した乗り物として、これは余り日本で知られていないので議員先生方もひょっとして耳なれない言葉かと思いますけれども、欧米では大半の都市で普及しておりますスペシャル・トランスポートというものがあります。これは高齢者や障害者に特化した乗り物として積極的に足を確保していこうということでございまして、日本では東京圏、この首都圏は割に進んでおります。今、東京都でも百団体を超えております。大阪でも急速に進んでおりますけれども、この辺は今後の課題として入ってまいります。
 このような場面で、お手元の三番に計画論があります。計画論では、ニーズ論について少し補足しておきます。
 まず、ニーズに関しましては、高齢者、身障者の自立と活力ということが第一番になりますけれども、この施策には、高齢者、身障者に限らず、幅広い国民のニーズがあるということを申し上げておきます。この幅広いというときに二種類ありまして、二番は直接的ニーズということでございます。三番は介護者への支援ということがあります。
 これは右に表を用意してまいりましたけれども、何らかの身体上の交通困難がある方が私の調査では二五%に達しております。これは市民全体の二五%でございます。この調査は私どもの同僚の研究者たちが追試してくれまして、それを見ても、同じような結果を出しております。東京圏でも同じ調査をやっておりますけれども、やはり二割から三割の交通困難者が出ておりまして、今やこの施策は単なるマイノリティーというだけではなくて国民多数の施策であって、今回用意されております法案の受益者は非常に多いということをあえて申し上げておきます。
 あと、時間の関係で計画論については省略させていただきますけれども、特に今回の法案との関係でいえば、計画論、設計論では、何といっても、これまでそれぞれのところでおやりになっている施策を総合的、効率的に推進していくという点で、面的、総合的システムというものが今求められております。
 さらに、ユニバーサルデザインという言葉があります。詳細はここでは省略いたしますけれども、この高齢者、身障者の施策がユニバーサルデザインにおける戦略となっていくという点でも非常に大事な意味を持っております。
 あと、計画や設計要素では、ここに挙げましたにように、大きく分けますと、空間、ゆとり、それから身体条件への適合性、ここには快適性も含めておきます。あと情報性、安全性、こういった面から改善を図っていかなければなりません。
 それから、評価論が非常におくれております。
 それから、維持・管理・運営論、これは省略しておきます。
 七番について少し補足します。行政、財源それから国民の合意形成の問題であります。
 何といっても、この施策というのは、行政が連携して行わなければ十分な効果を発揮することができません。その意味でも、今回の法律は二案ともまことに時宜に合ったよい法案と考えております。
 また、国、地方の役割についても明らかにしていかなければなりません。
 それから、クロスセクターベネフィットについて一言補足しておきますと、経済的な面から見ても、今介護保険制度がスタートしておりますけれども、それに対する支援でもあり、また、一つの施策がもたらす便益あるいは費用の節約というものに非常にかかわってまいります。したがって、こういったことを国としてきちんと考えていくことは、高齢者、障害者施策だけにとどまらず、経済の観点からも大事なものを含んでおります。
 さらに、これから税金がまた投入されてまいります。国民的な合意形成を図っていくことが大変大事であります。この国民合意については、私もタックスペイヤーとして申し上げるというだけでなく、これらの施策が、単に物づくりだけではなくて、国民一人一人が障害をお持ちの方に対する手助けをし支援する、この習慣をつけていくという質の高い社会をつくっていく、つまり、ハードだけではなくてソフトも大変大事だということを合意形成の中に含めておきたいと思います。
 諸外国の動きについては飛ばしますが、これも一言補足しておきますと、私が一九八七年、八年にイギリスの交通省でプロジェクトに参加いたしまして、一年余り研究しておりましたが、その時期に既にイギリスでは、ナショナルトラベルサーベイといいまして、全国交通調査の中で十一ページにわたる高齢者、障害者調査を入れております。今パーソントリップ調査を我が国でも全国的に準備しておりますけれども、私も関西の方ではそのことに関して意見を申し上げております。
 最後に、今回の法案に関しまして、今申しました視点を全部考えてみますと、必要な点を義務化し、これらの施策を総合的に促進していく、またそれを国の法律としていくという点で、非常にすばらしいものと考えております。両案とも非常によいものと思います。特に、これらの案をこの時期お出しになった各省、特に連携されて出されたという点で、私、大変敬意を払っておきます。それから、民主党さんの案に関しましても、非常によく御勉強されているというふうに考えております。
 また、面的、総合的整備がこれからのポイントであるということがちゃんと入っておりますし、各省庁連携が入っております。また責務も明確にしております。また、これらに関しまして市民参加、当事者参加の道を開いておりますので、非常によい法案が準備されているものと考えております。
 以上でございます。拍手
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仲村正治#3
○仲村委員長 ありがとうございました。
 次に、清水参考人にお願いいたします。
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清水喜由#4
○清水参考人 救急ヘリ病院ネットワークの清水でございます。このたび、この委員会に呼んでいただきましてありがとうございます。
 私も二年半前に脳出血で後遺障害を残しまして、今、右側が障害で余り動かないという状況でございます。今も一生懸命リハビリを続けているのですが、一昨日からの小渕首相の話を聞きまして、自分を思い出すとともに、周りから意識がないように見られても、御本人は一生懸命頑張っていると思いますので、ぜひ早くまたこの国会や政府へ復帰していただきたいと思います。
 個人的な考えも含めまして、ちょっと私の意見を述べさせていただきたい、こう思いますので、よろしくお願いします。
 今回のこのバリアフリー法案ですが、実際上、運輸省、建設省、警察庁、自治省と四つの省庁が連携して出したというすばらしい法案ができました。またそれと、民主党さんも、やり方その他についていろいろ違いはあるのですが、やはり障害だけじゃなく、高齢者の公共交通機関というものを見据えたいい法案を出していただいたと思います。私そこで意見を述べるということは、非常に幸せなことだと思っております。
 今からお話しするのですが、約十年前、アメリカに行ったころ、ちょうどADA法が通るころでございました。そのときにアメリカは少し不景気から戻るのかなという時期だったものですから、私も、今、日本の国会がこういう御審議をなさるということで、いよいよ日本も新しい考え方で景気を回復して、そういう意味では今のアメリカ以上にすばらしい国になるのではないかと手前勝手に思っております。
 今回の法案についてですが、バリアフリーをお願いするという点では全く異論はございません。このバリアフリー化の法案を通すために、いろいろなものがありますが、一番重要な点を申させていただくと、障害者というのは非常に種類が多いものですから、いろいろな方がいらっしゃいます。私の体は普通どおりですが、感覚がないとか、いろいろなことで内容が違うものですから、一点挙げさせていただきます。
 スペシャル・トランスポートの関係なんですが、これを行おうとしても、今、日本の中でどういったものがスペシャル・トランスポート・サービスにふさわしいものか、これはまだ確定できるものではございません。なぜかといいますと、私の体は、乗用車は乗れるんですがワンボックスワゴンには乗れないという不思議な体になっております。これは、運動感覚が右側がないために、ワンボックスカーで少し揺られますとそのまま転げてしまうというようなおかしい現象になります。
 このように、実は一番申し上げたいことは、障害というのは、言葉は同じなんですが出てくる状態が全く違うということでございまして、できることならば、ある程度、何%かの障害者を運べるようなバリアフリー法案を今回のように構築なさって、その上で、もう少しいろいろなものが出てきますので、その中からもっとすばらしい法案に変えていかれてはいかがか、そういうふうに私は思っております。
 それから、地方との問題なんですが、私も北海道生まれなものですからあれなんですが、現在は地方も財政的に大変な時代を迎えております。その中で、国が主導でやるべきなのか、地方も一緒にやるべきなのか。それ以前に、地方という環境が違う場所で皆さんがアイデアを出し合って、いいバリアフリーの法案と体制をつくっていただきたい、こういうふうに私は思っております。
 心のバリアフリーというお話は、今、若い乙武君、僕も二度ほどお会いしたんですが、その方から出ておりますが、一般の方からも心のバリアフリーというお話が出ております。ただ、先ほど言ったADA法などからいいますと、基本的には、あちらは人種差別という考え方をベースにしてつくっております。ただ、日本の場合、民主党さんも政府案も、やはり人間を信じるというか性善説に立っております。そういう意味でいきますと、こういう性善説に立ったもの、これを教育しながら定着させることが必要じゃないか、そういう感じがいたしております。
 私も今、昨年の十二月末に認めていただきましたNPO法人の救急ヘリ病院ネットワークというものをつくっておるんですが、ここでは、いよいよ去年からヘリを飛ばしたりいろいろ訓練を続けております。
 実は、救急ヘリの元祖はドイツでございます。ドイツでは四十年前から救急ヘリを飛ばしておりまして、この救急ヘリに日本のいろいろな委員会、またいろいろな団体が見学に行って、四十年たったころにもまだ日本は救急ヘリができていなかったというような笑い話を、ドイツのバイエルン州で私も健常なころ聞かされました。
 それと同じように、やはり交通バリアフリー法案もできるだけ早く、できるだけ皆さんの合意の中でつくっていただいて、いろいろな試行錯誤をして、いい法案を、また高齢者社会に対応できるようないい体制をつくっていただきたいと思います。
 つたないお話でございましたが、これで私の発言を終了させていただきます。拍手
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仲村正治#5
○仲村委員長 ありがとうございました。
 次に、高橋参考人にお願いいたします。
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高橋儀平#6
○高橋参考人 ただいま御紹介いただきました東洋大学建築学科に勤務しております高橋です。どうぞよろしくお願いいたします。
 時間がありませんので、端的に、参考人としての意見を申し述べたいというふうに思います。
 今回の二つの法案につきましては、私たち、これらの研究にかかわってきた者からしますと、大変大きな時代の節目に差しかかっているということを痛感しております。ですので、この法案がしっかりと国民の立場に立って審議されることをまず希望したいというふうに思います。
 そこで、きょうの私の意見でありますけれども、全部で六点ほど簡単に紹介をさせていただきたいと思います。
 お手元に資料を用意していないのでありますけれども、まず一点は、今回のバリアフリー法案が、国民のだれもが利用できるような、市民のアクセシビリティーに関して問題を提起しているかどうかということです。
 これは、私も福祉のまちづくり条例ですとかハートビル法の設計標準等にかかわってきた経験から申し上げますと、例えば都市計画、あるいは区画整理、地区計画、道路計画、障害者計画、ゴールドプランといったようなもののそれぞれの部分に、バリアフリーですとかあるいはアクセスのことについて書かれていますけれども、それがまず横につながっていないということですね。
 今回の二つの法案を見ますと、その点については、私の意見から申し上げますと、もう少し市町村の責務が果たせるような法案にすべきだというふうに考えておりますけれども、その点について十分審議をしていただきたいということがあります。
 それから二点目ですけれども、既存の駅舎あるいは交通機関、駅前広場、交通空間の整備についてであります。
 これは、ハートビル法、建築物の円滑な利用を促進する法律でありますけれども、ハートビル法の中では既存の建築物に触れることができませんでした。この理由につきましては、私が考えるところによりますと、恐らく、建築物が民間の建築物を中心として対応せざるを得ない、一方、公共交通機関あるいは交通バリアフリーといったようなものは公共性の極めて高いものであるということですね。なおかつ、交通機関が市民の生活、足に直結する部分。建築物であれば、場合によっては、これはよくないことでありますけれども、その建物を利用しないでほかのものを利用するということがあり得るかもしれませんけれども、交通機関についてはそういうことができないわけですね。これについて議論を重ねてお願いしたいというふうに思います。
 それから、先ほども町づくりのところでお話を申し上げましたけれども、鉄道事業者と地方公共団体、市町村との関係であります。
 私も区画整理事業にかかわった経験から申し上げますと、政府案の中でも出ておりますが、保留地を策定する、それから区画整理事業の中では、一定の範囲の中において鉄道事業者に対して言及できない部分があります。この部分は、現在の我が国の市町村の動きからいいますと、鉄道事業者に対してはどうしても遠慮がちな発言になってしまう。市民の立場からしますと、もう少し事業者に対して、駅前広場の整備あるいは駅舎といったようなものをきちんと整備してほしいんですけれども、なかなか市町村の立場から言えない。
 先ほど申し上げましたように、総合的な交通計画、交通バリアフリー計画を策定するこの法案においては、やはり市町村に対する責務並びに一定の権限を与えるということをさらに進めていただけないかというふうに思っております。
 それからもう一点は、交通安全対策であります。
 これは、今回の政府案で警察庁も共同提案になっておりますけれども、例えば道路の交差点を見ますと、時代背景とともに、歩行者、あるいは歩行者と車の共存といったようなものが話題になっておりますけれども、横断歩道、歩道橋も含めまして、そういったようなものを改めて振り返りますと、まだまだ歩行者の立場にはなっていない、つまり人の立場には立っていない、物、車ということなんですね。これにつきましては、横断歩道の構造のあり方、これからの基本指針、そして整備基準にも関与すると思いますけれども、そういった視点での議論が必要かというふうに思います。
 特に、少し細かいことになりますけれども、歩道橋をつくりますと下の横断歩道が取り払われてしまう。もしあれば、エレベーターをつける必要は全くないわけですね。そこを歩けばいいわけです。モラル、自動車を運転している人たちが基本的な交通ルールを守っていただければ、必ずしもエスカレーター、エレベーターをつけなくても、下をそのままフラットで歩くのが最短経路で最短時間で歩行することができるわけです。
 それから次に、駅舎のアクセシビリティー、利用しやすさの問題です。
 現在、バリアフリー、あるいは市民に向けた対応として、エスカレーターの整備が各事業所で進められているところです。
 私も、例えば、車いすに乗っている障害を持っている人と、通常の区間でわずか五分程度の駅舎の間を一時間かけて、駅に上がるためのエスカレーター、そしてホームにおりるためのエスカレーター、それからもう一つ下車駅というような経験をしたこともあります。やはり、交通の移動、交通の自由を提言するとすれば、エレベーターは欠かせないものであります。
 それから、ホームと車両の段差であります。これにつきましても、法案策定以後の整備基準の中で審議されると思いますけれども、例えば、普通鉄道構造規則、これは昭和六十二年の運輸省令でありますけれども、第百九十二条第二項の一においては、乗降口が有効幅六百六十ミリ以上、最低限ということで今進められているわけですね。それからもう一つ、同条の第二項の四では、車両床面はホームより高くしなければならない。ホームは通常一メートル十センチでありますけれども、高くするということでありましてフラットにならないわけですね。仮に、この交通バリアフリー法によって自宅から駅まで、プラットホームまではスムーズに行けたとしても、さて、車両までは上がれない。そこで人手がかかってしまうということになります。
 ですから、交通バリアフリー法ということですので、自宅から車両まで、もちろん下車する、そして目的地までということになりますけれども、そこの範囲をぜひ忘れないでいただきたいというふうに思います。
 そして、車両等の交通機関でありますけれども、これは福祉のまちづくり条例、そしてハートビル法でもそうですけれども、聴覚障害を持つ人たちへの整備、対策のおくれが指摘されているところです。特に、六〇%以上の人たちが、六十歳以上ないし六十五歳以上の新しい障害を持つ人たちがたくさん生まれています。その人たちは、今までの手話ですとかあるいは点字ですとか、そういったようなことは判読できないわけですね。これからますます高齢化社会で多くなると思います。ぜひ、中途の聴覚障害あるいは視覚障害の方々も対象に入れたような施策を進めていただきたいというふうに思っております。
 それから、残された時間につきまして、この二つのバリアフリー法案について、論点についてだけ指摘したいというふうに思います。
 まず一つですけれども、それぞれの法案の中でパブリックコメントが用意されておりますけれども、私の立場、今までの経験からしますと、単に意見参画でよいのかというようなことがあります。これは、市町村の責務を問うとき、市町村がどういう立場で鉄道事業者あるいは交通事業者に対して意見が言えるかということになります。できるだけ、事業計画あるいは基本方針の策定におきましては、障害のある人あるいは高齢な方、そして子供といったようなさまざまな市民に対して門戸を開いて意見を聴取する、そういう基本方針の策定にしていただければというふうに思います。
 それから、先ほど来申し上げておりますハートビル法あるいは福祉のまちづくり条例といった既存の法律との連携であります。この法律を契機にしまして、それまでにできているバリアフリー関係の法律との連携を一層強くする、そういう方針案を確立していただきたいというふうに思います。
 それから、例えば都市部、地方都市、地方の中核都市、そして山間部によって、交通状況の整備が違います。これについても、できるだけその後の整備方針あるいは基準等の中で審議をしていただければというふうに思います。
 そして、最後になりますけれども、これからのバリアフリー法の中でも、二つの中に書かれております。さまざまなバリア、厚生省も含めまして国の方では四つのバリアがあるというふうに指摘されておりますけれども、国民の責務です。今回の法案のバックグラウンドの中にも、交通結節点の前の放置自転車等たくさんのものがあります。これにつきまして、罰則がいいのかどうかというのはさまざまな意見があるところでありますけれども、必ずしも罰則になくても段階的な整備が図れる、そういう強力な責務をそれぞれの事業者に与えていただきたい。
 そして、政府案では、見直しについて十年、そして民主党案では五年というふうに定めが盛り込まれているところでありますけれども、現在の世の中の情勢のいかんによりまして、かなりハイスピードでさまざまな公共交通整備が開発されていくと思いますし、進んでいくと思います。できれば比較的短い時間でこの法案の基本方針の見直しができるような、法案そのものというよりも基本方針そして整備基準等の見直しができるような体制に進めていただければというふうに思います。
 以上で発言を終わります。拍手
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仲村正治#7
○仲村委員長 ありがとうございました。
 次に、馬居参考人にお願いいたします。
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馬居政幸#8
○馬居参考人 静岡大学の馬居でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、今お話しされた三人の参考人の先生方とは異なりまして、教育社会学を専攻する者でありまして、主に学校教育とか生涯学習の境目においてどうさまざまな学習を進めていくかという観点から、これまで、中学校の公民の教科書をつくる過程で、バリアフリーの問題とか、あるいはとりわけ高齢化社会に対して何を準備しなきゃならないのか、とりわけ中高校生にどのような学習が必要なのかということを、機会があって参考資料をつくる編集をしたり、あるいは社会学ですのでさまざまな社会調査を行ってきたわけなんです。
 そのことが縁となって、この一月から二月にかけて、大田区で、歩いて暮らせる街づくりという、市民の方々、ボランティアの方々が、自分で車いすでバリアフリーの可能性、あるいはその障害となるものをいろいろ調べてみたいので手伝ってくれないかという話をいただきまして、今まで自分が子供たちを対象に、あるいは一般の方たちを対象に考えていたさまざまな課題というのが、実態はどうなっているのかを知りたいということもありまして、参加させていただきました。
 したがって、バリアフリーに関するハードの部分については文字どおり素人でございますけれども、現場、すなわち実際に車いす等を用いて道を歩いたらどのような問題があるのかというところから今回の法案を私なりに読ませていただいて、そのいい点と課題等についてお話しさせていただきたいと思います。
 一応私自身は、これから述べるような理由で政府案を支持する立場から述べさせていただきたいんですけれども、今言いましたように、調査につきましては、大田区にある二十五カ所の高齢者のための施設に行く主要ルートを対象に、車いすやシルバーカーによる通行を妨げるさまざまな障害の有無や程度についての調査でありました。この結果から、ベターな選択として今回の案については賛成をしたいと思っているんですけれども、私なりにその理由を簡単に述べさせていただきます。
 レジュメを用意させていただきました。そこに、本当に簡単に三つ、主体の明確化、対象の明確化、実施過程の明確化ということで書かせていただいたんですけれども、要するに、基本方針は国が決定をして、具体的な整備は市町村が基本計画に基づいて重点整備地区を決定し、公共交通事業者、道路管理者、都道府県公安委員会と一体となって進めていく。これらについては今参考人の先生方からお話ありましたとおりですけれども、それを国が財政的に支援をして、さらに、事業を円滑かつ着実に進めるための法人を指定し明確にする。そしてそこで、情報の収集、整理、提供、あるいは事業実施への助言、指導、資金の支給や調査研究に努める、こういうふうな文言が書かれております。
 このような法そのものについての理解については、私は正直言って素人でございますけれども、ただ、調査をした結果さまざまな課題を考えたときに、少なくとも、だれが行うのか、どういう対象を行うのか、あるいはそれをどういうプロセスで行うのか、あるいはそれをどういう形で管理していくのかということについては、政府案は明確に規定されていますので、この部分に関しては、少なくとも確実にバリアフリー化は進んでいくであろうという意味で、先ほどからも先生方のお話にありましたけれども、画期的な法案だと思います。
 ただ、私なりに思うんですけれども、対象が明確、方法が明確、主体が明確ということは、逆に言うと、それ以外のことは果たして実施されるのかという部分で、実施されない部分もまた明確ということになるんだと思います。
 したがって、その代表が、駅の新設の旅客施設、車両については義務、既設は努力義務というふうな規定にあると思うのです。バリアフリー化を完全に実施するということを考えれば、本法律案は不十分な部分があることは否めないと思います。しかし、たとえ部分的であっても、その範囲を明確にしたということ自体は非常にすばらしいことで、支持したいと思います。
 というのは、大田区での調査結果が示す現実は予想以上の厳しさがあるというふうに私は思いました。具体的にはこれから紹介しますけれども、レジュメの二枚目の方に表をまとめておきました。これは交通機関ですけれども、その前提となる車いすやシルバーカーによる通行を妨げる障害を問題にする前に、バリアフリー化自体を阻む道路の状況があるという現実を私は指摘せざるを得ません。
 それは、今回調査したルートは全部で一万五千二百八メートルあるわけなのですけれども、その中の道路が、実際には坂道、橋、交差点などを除くと、平たんな道は一万三千二十メートルで、総距離の八五・八%です。その平たんな道の中で、歩道がある道は五千五百六十五メートルで総距離の三六・六%です。さらに、車いすが回転可能とされる百五十センチ以上の幅を持った歩道は二千八百四十八メートル、全体の一八・七%です。これは歩道をつくっていないとか、予算の都合で幅の狭い歩道にしているとかというのではなくて、車が通行する幅を確保するとこれだけしか歩道として使用できる道幅がないということであります。
 道路のバリアフリー化の第一条件は歩道の整備ということになると私は思っております。しかし、これを実際に進めていくとなりますと、今回の大田での調査の対象となった道路では一八・七%しかないということになります。あとの道路は車いすの通行に適さない狭い歩道か、ただ道路線上に白線を引いただけで、あるいはそれすらもないというわけです。このような状況のもとでいかに歩道をバリアフリー化したとしても、車の通行条件を変えない限り、車いすは車道を通行するしかないということになると思います。
 もちろん、大田区においても幹線道路を中心に幅広い歩道が整備された道はあります。他方、今回調査対象になった高齢者の施設は、幹線沿いではなくて、高齢者が居住する地域に近接する条件のもとで設置されていますので、歩道を完備した幹線道路が調査対象に入りにくいという事情もありました。しかし、このような施設の設置条件自体は大田区の施設だけではないと思います。高齢者の方が利用しやすければしやすいほど、自分の身近な生活空間の範囲の中にあると思います。
 この問題を解決するためには、道路幅を広げるか、一方通行を代表に、車の通行条件を変える必要があります。しかし、そのことは住民の生活を変えることもまた必要になってきます。これは、私も実際に地方の計画にさまざまな形でかかわりまして、単に行政が法によって指導しただけで済むような問題ではないと思います。
 それが、先ほどバリアフリー化以前の問題があるという理由なのですが、さらに、障害の問題についても同じような問題を指摘することができると思います。
 レジュメの(2)に「住民の便利さや快適さに応える公共事業の蓄積としてのバリア」として示した部分ですけれども、細かくデータをいただきましたが、それを詳細に説明する時間はありませんので、簡単に要点のみ述べさせていただきますと、障害となる事物は大きく二つに分けられます。
 一つは、道路上の設置物とか凹凸とか段差とか傾斜を形成する障害物です。例えば電柱、標識、植え込み、マンホールなど、いずれも公的な事業に伴う障害であります。道路破損など整備不良によるものがありますが、それらはどちらかというと、住民の生活を豊かにするために、住民の要求に応じて道路や歩道を整備した結果生じた障害も少なくありません。
 もう一つは、より住民の生活とかかわるもので、私ども移動可能障壁という言葉をつけたのですけれども、要するに道の上に置いてあるさまざまな障害物であります。自転車や商品を代表に、道を利用する人のマナーにかかわる障害です。このことを象徴するのが、そこに枠で囲っておきましたけれども、商店街のみの調査地域を取り上げて、その障害となる問題がある箇所や、あるいは通行が不能になってしまう箇所の割合なのです。全体の平均では七・八四メートル、これも非常に大きいのですけれども、七・八四メートルに一カ所に対して、商店街は六・三メートルに一カ所です。あるいは通行不可能な場所、要するに、車いすが道路に出なければならない場所というのが、全体が二十三・五八メートルに一カ所に対して、商店街は十八・八五メートルに一カ所です。
 このような公的な道路整備に伴う障害と、あるいは住民の道路使用に伴う障害に共通するのは、バリアフリー化を実際に進めていくためには、今回の法案が示すように、さまざまなハードの部分の改善が必要なのですけれども、私なりに言えば、より重要になるのは、その道を利用する人たちの理解が必要であり、時にはその人たちの生活のあり方を変えることが必要である、そこまで踏み込まないと進まないのではないかと思うのです。
 その意味で、バリアフリー化を進める上で最も重要なのは、そしてそれはバリアフリー化を妨げる課題でもありますけれども、道を利用する人たち自身のバリアフリー化であると考えます。それは心のバリアフリー化ということで先ほどもお話がありましたけれども、言われていることだというふうに理解しています。
 もちろん住民の協力が得られないからといって、それを理由に行政が何もしなくてもよいというわけではありません。住民の意識や生活の変化を待つしかないという意味でもありません。バリアフリー化の事業は私たちの生活のあり方を変えることなしには進めることができない、言いかえれば、障害者にとって、あるいは高齢者にとって有利になるということは、通常の生活をしている者にとってみれば不利な部分がいっぱい出てくる、その部分を承知しながら進めていかなければならない、その理解を得ていかなければならないことをしっかりと踏まえなければならないのではないかと思います。
 その意味で、地域住民の利害を反映しやすい市町村が主体となって、地域の実態に即して基本構想を作成し、重点整備地区を重点的、一体的に進めるこのバリアフリー化の法案は、二重の意味でベターな選択として評価したいと考えております。
 その一つは、地域住民の理解と協力なしにはこの事業を推進することができないということ、そのことを担う主体は市町村行政でなければならないと思うからです。それからもう一つは、特定地域を重点的、一体的に実施するということは、これが一番肝心なところなんですけれども、その地域自体がいわばモデルとなって、バリアフリー化への学習効果を期待することができると思います。言いかえれば、現時点で可能な、主要駅を中心とするバリアフリー化を、ゴールではなく、本法律の目的である急速な高齢化の進展に対応した町づくりのための実行可能なスタートとして位置づけることができる意味で、政府案を評価できると考えます。
 ただし、このことが実質化できるかどうかは、政府案の中に示されております指定法人の事業や、国、地方公共団体及び国民の責務にかかわる部分についての、他省庁との協力を含む、より詳細な検討にかかっていることを指摘させていただいて、意見を終わらせていただきます。
 以上でございます。拍手
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仲村正治#9
○仲村委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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仲村正治#10
○仲村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森田健作君。
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森田健作#11
○森田(健)委員 自由民主党の森田健作でございます。
 諸先生方におかれましては、御多忙の折、当委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
 今るる御意見をいただきまして、これから私が質問することとちょっと重複する部分があるかとは思いますが、それはまたひとつ、かみ砕くように御説明を賜れればと思う次第でございます。
 私は、交通のバリアフリー化につきまして、三星参考人及び清水参考人にお伺いをしたいと思います。どうぞ忌憚なく、ふだん思っていることを思い切りお話ししてくださればと思います。
 まず最初に、我が国の交通のバリアフリー化の状況について両参考人はどのように感じておられるか、これをお伺いしたいなと思います。
 私、感じるところでは、日本国は高齢化社会を迎えまして、社会のバリアフリー化は緊急の課題であると認識しております。中でも、高齢者、障害者等の社会参加には、公共交通機関のバリアフリー化は必要不可欠である、そのように私は認識しているのでございます。
 まず初めに三星参考人、いかがでございましょうか。
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三星昭宏#12
○三星参考人 私の感想を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず現状は到底満足できる状態にないということでございます。
 丁寧に申し上げますと、我が国は非常に進んだ施策もあるんです。例えて申しますと、運輸省のガイドラインというのは、一応、世界レベルを見ておりましても、決してまさるとも劣らないいいものがあります。それから建設の方でも、段差解消であるとか点字ブロックというのは、諸外国の見本になっているんですね。部分的には非常に進んでいて、あるいは新幹線なんかでも、エレベーターは非常によいものがあったりするんですけれども、ばらばらです。つまり、新幹線の駅のエレベーターはあっても、使いにくい、かぎがかかっている、そこまで行けない、あるいは行ったとしても、駅員さんの手をかりて非常に気を使う。つまり、施策に一貫性、総合性がないということが今の最大の課題だと思います。
 それから、もう一つの感想としましては、過去二十年ほどの間で、障害者の方々が随分運動もなされて個別の改善はありますけれども、その過程の中で、やはり我々国民が、先ほども申しましたけれども、目の不自由な方があったらどうやってガイドするのか、車いすの方々がお困りになっていたらすっと手を出すといったヒューマンガイドあるいはヒューマンエード、こういったものが諸外国を見て著しくおくれております。私は、この点も問題だと思います。
 以上、私の感想としてはとりあえず二つ申し上げておきました。そんなことでよろしゅうございますか。
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森田健作#13
○森田(健)委員 清水参考人、お願いいたします。
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清水喜由#14
○清水参考人 まさに先生のおっしゃるとおり、バリアフリーは非常に緊急かつ重要な話なんですが、いかんせん日本の財政事情も大変な状態ですので、一定の制限はあると思います。ただ、しかし、できるだけ早くにいろいろな、お年寄りも含めて、高齢化社会の前にあるものをそろえたいという中では、この法律を通していただいて、すばらしい社会をつくるための第一歩とするということはすばらしいと思います。
 それから、四省庁が一緒に出したという法案、初の例ですが、いよいよこういう交通関係、それから建物関係、それからそれを総合するというようなこと、またそれを地方自治体が応援する、そういう形ができて、大変すばらしい法案だと思っております。
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森田健作#15
○森田(健)委員 今、総合性ということに対して、私、非常に感じるところがございます。
 これはバリアフリーとはまたちょっと違うのでございますが、ちょっと離れるかもしれませんが、私、以前、俳優のころ、盲導犬サーブというドラマをやらせていただきました。目の不自由な主人公でございました。そのときに、要するに、目の不自由なお方が盲導犬を何とか欲しい、そうすると、盲導犬というのは訓練されておりますから、健常者と同じとは申しませんが、非常に健常者に近いように動ける。ところが、ドラマではありますが、実際にあった出来事らしいのでございますが、その盲導犬が亡くなった後、今度、次の盲導犬が来るまで五年、十年とかかるのが現実らしいのでございますね。ですから、最初はいいのでございますが、その後、今度はその目の御不自由な方は非常に困ってしまうということなんです。言うなれば手と足となってくれた盲導犬が次に来るまでに、それだけの期間は、ある意味で、自分が今までは一人でやっていたことを忘れちゃっているところもあるわけですね。そういう意味において、初めだけじゃなくて、言うなれば一貫性、総合性を持って考えていかなければならない、これはまことにそのとおりだな、私はそのように思います。大変恐縮でございます。余談でございます。
 しかし、我が国のバリアフリー政策は、これはしようがないのでございましょう、福祉問題もそうでございますけれども、欧米主要国に比べておくれているというのは、これはまた現実でございます。しかし、これはやはり一日も早く追いついて、そして追い越していかなければならない。ですから、このたび交通バリアフリー法が提案された意義は、私は大変に大きいと感じている次第でございます。
 しかしながら、公共交通機関のバリアフリーを進めるには、大変にお金がかかるものでございます。事業者の投資余力も、また国の財政においても限界があることは確かでございます。ですから、私たちは、その限界の中で、いかに効率的に、いかに現実的に進めていかなければならないか。この現実を踏まえて、私は質問をさせていただきたいなと思うのでございます。
 確かに、すべての交通施設についてバリアフリー化する、実現する、これは理想的でありますよ。全部できるわけですから。しかし、膨大な財政がかかるわけですね。はっきり言って、大変難しいです。全国津々浦々の施設について一律に義務づける、実施するというのは、一見、網羅的で理想的に見えますが、実効性の面で非常に難点があるんではないかな、そのように思う次第でございます。ですから、もちろん、限られた中で現実的に、一歩ずつ、確かに進んでいくということが大事かな、私はそのように思います。
 実現可能な目標をまず設定して、優先順位をつけながら、そしてしっかりと、ぴちっとやっていく、この点、政府案は、新設については義務づけ、既設については努力義務、地方自治体の主導による基本構想に基づく地域の実情を踏まえたバリアフリー化の推進という、バリアフリー化の着実な実現に向けて具体的な仕組みを提案しております。
 両参考人はどのようにお考えでございましょうか。三星参考人、お願いをいたします。
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三星昭宏#16
○三星参考人 おっしゃるとおりだと思います。非常に厳しい経済環境の中で効率的、重点的に施策を進めなければならないという点、賛成でございます。
 ただ、ちょっと申し上げさせていただきたいと思いますのが、全般に、今、社会基盤施設全体が、昭和三十年代あたりからつくってきたものをやり直したり、つくり直したりするものがかなり多いわけでございまして、そういうときを機会に、ユニバーサルデザインの方向で、目的意識的にプランナーやデザイナーが、あるいは行政がきちっと整備していくということをやれば、そんなにお金はかかりません。付加費用はそんなに多くありません。通常ですと一億円以下でできるところが、後からエレベーターをつけようと思えば三億、四億かかっちゃうんですね。そこのところをよくお考えになってやりますならば、何しろ先の長い話でありますから、おっしゃるように、重点的にやっていけばかなりよい国ができると思います。
 その上で、既設については今回努力義務。この努力が、書いただけの、紙の上の努力義務では、これは極めて困るわけでありまして、文字どおりの努力義務ということなんですが、その点で今度の法案で評価できるのは、自治体が中心になって、全体を改善していこう、こういうプランを立てなさいということになっているわけです。その中で、必ず、既設施設に関して、まないたにのせて、それをどうしていくかということを順番にやっていきますので、しかも、今回、鉄道駅と主要な公共的な施設のエリアを重点的にやっていくという点でも、まことに森田先生の御指摘に沿ったよい案になっていると私は思います。
 以上でございます。
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森田健作#17
○森田(健)委員 清水先生、お願いいたします。
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清水喜由#18
○清水参考人 どういうところからこういうバリアフリーを始めるか、これは大変難しい問題ではあると思います。
 ただ、やはりモデルケース的なところをつくり、既存の施設をある程度改善していく、もしくはバリアフリー化することによって、周りが見習うという形だと思います。
 余り総花的にやっても、皆さんがアイデアその他を出し尽くせない前につくられても、障害者にとっても大変迷惑な話、体が不自由なだけではなくて年をとった方にも、物はできたが心が入っていないのではなくて、物はできたが使えなかったというような話になりますので、やはり重点施設を中心に、まずモデルケースをつくってからというのが私の考えでございます。先生の御指摘のとおりだと思います。
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森田健作#19
○森田(健)委員 与えられている時間が少ないものですから、少しはしょって話をさせていただきます。
 政府案では、特定旅客施設を中心とした重点整備地区において一体的なバリアフリー化を推進する仕組みを設けております。これはバリアフリーの観点から大変効果的な考え方だと私には思われますが、両参考人はどのようにお考えでございましょうか。まず、三星参考人からお願いいたします。
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三星昭宏#20
○三星参考人 特に、駅舎、道路、それから交通施設、公安委員会管轄のものを含めて、その三者を一体的に整備していくということは大変大事でございます。政府案は、それが明確になっているという点で私は評価したいわけです。私の経験でも、従来、この三者がばらばらであるということが非常に目につきます。単なる一国民としてだけではなくて、こういう仕事に携わる者として、常にどこを歩いても目につきまして、それを今回、この法案の中で一体的に整備するということの重要性は限りなく大きいものだと考えております。
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森田健作#21
○森田(健)委員 清水参考人、お願いします。
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清水喜由#22
○清水参考人 基本的には、一体整備ということは大変必要なことだと思います。
 特に、移動に当たって、段差や階段といった垂直移動、それから先ほどもいろいろなところでお話がありますが、歩道など水平移動の場合にも、放置自転車などにより幅が確保できないなど、いろいろな問題があります。全体が行われるのが一番よろしいのですが、いずれにしても、簡単にそれを全部やるというわけにもいきませんので、どういうふうにやるか。目について、皆さんに、こういうふうにやるべきだというようなモデルからスタートすることが一番いいんじゃないかと私は思います。
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森田健作#23
○森田(健)委員 重点整備地区を中心にしたバリアフリー化、その基本構想は、地方分権、要するに地方自治体がリーダシップを持ってどんどんやっていく、事業者、道路管理者、公安委員会等の関係者と協議しながら作成する。これは今申しましたように、地方分権が叫ばれている中で大変いいことである、言うなれば、地方自治体が、地域の実情を踏まえて、その地域に応じた施策をみずからの主導で策定できる、時代に対応した制度である、私はそのように考えるのでございますが、両参考人にお願いをいたします。まず、三星参考人から。
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三星昭宏#24
○三星参考人 御説のとおりだと思います。
 特に、こういった施策は町をつくりかえていくことでもありますので、その土地の歴史、風土条件に合って、最もその土地の特徴をあらわした、反映した施策が必要かと思います。
 バリアフリーに関しましても、極端に申しますと、福祉施設の周辺では、例えば目の不自由な方の学校の周りでは重点的にそういうのをやるとか、いろいろな特徴がございますので、これは自治体が基本になる仕事でございます。国と自治体としっかりそこのところを分けて、基本は、具体的施策はやはり自治体でやっていく、これはもう大賛成でございます。
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清水喜由#25
○清水参考人 今、三星先生もおっしゃったのですが、私も、地方が、風土、それから社会的条件を組み合わせていろいろな形の新たなものを生み出す要素を持っておると思います。それだけに、全部を同じにするんじゃなくて、地方地方、その都市その都市で特色のあるものをつくっていく、それによって周りの都市もみんな影響を与えられていく、バリアフリーを図るだけでも、よい意味での競争が生まれますので、バリアフリーの本当の意味の実現には大変よいことではないかと思っております。
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森田健作#26
○森田(健)委員 もう時間もありませんので、もっともっとお聞きしたいところがあるのでございますが、締めさせていただきます。
 しかし今、三星参考人、清水参考人のお話を承りまして、やはり政府案で頑張ろう、これがいいんだということを再確認させていただいた次第でございます。それと同時に、私たち健常者も障害者の人たちとともに生きるという社会のバリアフリー、これを私たちは着実に一つ一つぴしっとやっていかなければ、本当の豊かな日本国にならないのではないかなという感じがいたしました。大変貴重な御意見、ありがとうございました。
 終わります。
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仲村正治#27
○仲村委員長 次に、玉置一弥君。
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玉置一弥#28
○玉置委員 きょうは、大変お忙しい中、参考人の皆さん方においでをいただきまして、ありがとうございます。
 私ども、交通バリアフリーが諸外国に比して大変おくれておりますので、何とか進めていかなければいけないということで、数年前からいろいろとやってきたわけでありますが、今まではバリアフリー全体を進めていく基本的な法律がなかった。運輸省の一つの指針の中で、省令という形であるいは通達という形で行われていたということでございまして、予算もなかなかつかなかったわけでありますが、今回、運輸省からもこのバリアフリー法案が出されました。私ども民主党としても、より前向きの姿勢でということで、特に、スペシャル・トランスポートあるいは福祉輸送、そういう面を含めてこれからのバリアフリーをやっていこうということでございまして、ぜひ先生方の御指導をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 また、本日お伺いしました御意見、非常に貴重な、またもっともな意見でございまして、それらについて若干、もうちょっとその先を、考え方としてお聞きをしていきたいというふうに思います。
 基本的には、政府案の方はどちらかといいますと施設整備法案みたいなところがございますし、私どもの方は、権利保障を目的とした、そういう内容にしたつもりでございまして、目的は同じでございますが、到達の第一段階が大分違うような感じがするわけでございます。
 そこで、私どもの目標であります高齢者、障害者の方の社会参加という意味で、先ほど三星先生の方からこの社会参加の必要性にも若干触れられておりましたけれども、このことにつきましては、これからの高齢社会の中で、私ども、究極的には、障害者の職場でのバリアフリーと高齢者雇用という面から考えていって、かなり経済的な面でプラスになるようにという一つの大きな目的、それから、やはり自由に行動できるという生きがいを感じていただくためという大変大きな目的があるわけであります。そういう面で、経済効果も若干触れられていたと思いますが、この社会参加という面でのバリアフリーについて、三星先生の方から御意見をいただきたいと思います。
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三星昭宏#29
○三星参考人 社会参加ということでございますが、一つ二つ例を申し上げます。
 私の知っている例ですが、車いすの方で、非常に優秀な方ですけれども、ある大手のソフト会社に就職が決まりまして、非常に熱心に通っておられました。会社の方も非常に満足されていたんですけれども、やはり三カ月でおやめになりました。理由はたった一つ。会社の方も、本人も行きたいが、御堂筋が通えない。もうこれは当然でございまして、あの朝のとんでもないラッシュの御堂筋はどうしようもないわけであります。その方が一年間お働きになりますと、一名の方だけでも、GDPに対する貢献を考えてみますと、恐らく一千万や二千万の金額じゃないものが出てくるかもしれません。
 そういうことを考えていきますと、社会活性として、単に日常生活だけではなくて、就労という問題が大事になってまいります。
 ちなみに、スペシャル・トランスポートといいますと、歩行のスペシャル・トランスポート、まあサービスライン、説明するとちょっと長くなりますのでそれはやめておきますが、それはピーク対応型で計画しております。ピーク対応型ということは、就労を中心にして、通勤のためにつくっているわけです。
 ただ、我が国の場合に、今現在、スペシャル・トランスポートというのが、社会的にもあるいは行政的にもいわゆる公認されているとは言えない状態にあります。これは私は非常に遺憾なんですけれども、それはやはりこれからの我が社会の中でのこういった福祉的施策の課題だと考えております。
 以上でございます。
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