厚生委員会

2000-04-19 衆議院 全198発言

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会議録情報#0
平成十二年四月十九日(水曜日)
    午前九時三十三分開議
 出席委員
   委員長 江口 一雄君
   理事 安倍 晋三君 理事 衛藤 晟一君
   理事 木村 義雄君 理事 田中眞紀子君
   理事 金田 誠一君 理事 山本 孝史君
   理事 福島  豊君 理事 児玉 健次君
      伊吹 文明君    石崎  岳君
      稲葉 大和君    遠藤 利明君
      大村 秀章君    鴨下 一郎君
      鈴木 俊一君    砂田 圭佑君
      田中 和徳君    田村 憲久君
      戸井田 徹君    根本  匠君
      桧田  仁君    堀之内久男君
      松本  純君    宮島 大典君
      山下 徳夫君    家西  悟君
      石毛えい子君    鍵田 節哉君
      五島 正規君    土肥 隆一君
      古川 元久君    遠藤 和良君
      大野由利子君    並木 正芳君
      瀬古由起子君    岡島 正之君
      吉田 幸弘君    武山百合子君
      中川 智子君    笹木 竜三君
    …………………………………
   厚生大臣         丹羽 雄哉君
   厚生政務次官       大野由利子君
   政府参考人
   (内閣法制局第四部長)  山本 庸幸君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    細川  清君
   政府参考人
   (大蔵大臣官房審議官)  福田  進君
   政府参考人
   (大蔵省主計局次長)   藤井 秀人君
   政府参考人
   (国税庁課税部長)    河上 信彦君
   政府参考人
   (文部大臣官房総務審議官
   )            本間 政雄君
   政府参考人
   (厚生省児童家庭局長)  真野  章君
   厚生委員会専門員     杉谷 正秀君
    —————————————
委員の異動
四月十九日
 辞任         補欠選任
  田中 和徳君     稲葉 大和君
  中桐 伸五君     鍵田 節哉君
  小沢 辰男君     並木 正芳君
同日
 辞任         補欠選任
  稲葉 大和君     田中 和徳君
  鍵田 節哉君     中桐 伸五君
  並木 正芳君     小沢 辰男君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)


    午前九時三十三分開議
     ————◇—————
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江口一雄#1
○江口委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第四部長山本庸幸君、法務省民事局長細川清君、大蔵大臣官房審議官福田進君、大蔵省主計局次長藤井秀人君、国税庁課税部長河上信彦君、文部大臣官房総務審議官本間政雄君及び厚生省児童家庭局長真野章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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江口一雄#2
○江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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江口一雄#3
○江口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五島正規君。
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五島正規#4
○五島委員 民主党の五島でございます。
 この児童手当法の改正法案の議論をする前に、大臣にお伺いしたいことがございます。
 先日、またまた東海大学の附属病院の小児科におきまして医療事故が発生いたしました。この間、大学病院を含みます大病院において医療事故が繰り返し発生しているわけでございます。
 この医療事故、医療過誤というよりも医療事故でございますが、この医療事故の特徴というのは幾つかあると思います。一つは、いずれも大病院で起こっている、すなわち、相対的にマンパワーもきちっと配置されている大病院で起こっていること。もう一つは、事故の原因がいわゆる単純ミスというものを原因として、その結果非常に重篤な結果を招いていること。三番目に、患者は必ずしも極めて緊迫した重症の状態にあったということではない。この三つでございます。
 大臣は、このような単純ミスによって非常に重大な事故が大病院で繰り返し発生している原因についてどのようにお考えになっているのか、またその再発防止についてどのように指導されるおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
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丹羽雄哉#5
○丹羽国務大臣 最近相次いでおります医療事故によりまして、国民の医療に対する信頼は今大きく揺らいでおり、我々は、この状況というものを謙虚に、そして真摯に受けとめまして、医療の安全性の確保、向上と、信頼性の回復のために一丸となって取り組んでいくことが求められておると考えています。
 医療事故を防止するには、委員からも御指摘がございました、確かに最近の傾向として、大病院で職員も大勢いて、そして単純ミスだ、こういうことでございますので、まず、職員の一人一人が、患者のとうとい命を預かっているという意識を常に忘れずに、安全に十分に配慮して医療に従事していただくことが何よりも大切である、こういう考え方に立つものでございます。
 そして、昨日も夜ちょっとテレビでやっておりましたけれども、高度に複雑化した現代医療におきまして、このような職員の個人の努力に依存した取り組みのみでは限界がある、こういうことでございまして、たとえ個人がミスを犯しましても事故に発展しないような組織的な取り組みを進めていくことが何よりも大切なことだと考えておるような次第でございます。
 私といたしましては、医療事故が相次ぐ背景といたしまして、このような職員の意識や組織的な取り組みが欠けているのではないかと考えておりまして、この三月の二十二日でございますが、医療関係団体の方々にお集まりをいただきまして、私自身から直接、積極的に取り組んでいただくように働きかけをお願い申し上げました。
 さらに、厚生省といたしましては、医薬品の容器などにつきまして、医療ミスを起こしにくいものに改めるシステムを構築するとともに、国立病院であるとか療養所向けの具体的な事故防止マニュアルを作成することにいたしております。
 いずれにいたしましても、これらの成果を幅広く医療機関に周知徹底してまいりたいと思いますが、繰り返し申し上げて恐縮でございますけれども、すべての病院とは申しませんけれども、病院全体でこういう医療事故に対する危機意識といいますか、安全確保に対する認識がやや希薄なのではないか、このように考えているような次第でございます。
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五島正規#6
○五島委員 こういう事故が起こるたびに各病院の責任者の方々がミスの根絶のためにいろいろおっしゃっておられますが、その中身というのは、今後このような事故が起こらないために、例えば注射針であったり点滴の袋であったり、そういうふうなものを色別で分けていくとかいうふうな、より作業に混乱が起こらないような形で整理していくことによってシステム化をし、それで事故の再発を避けようというふうな方向でお話しになっています。私は、こうした医療に対する発想の方向性に実は問題があるのではないかというふうに思っています。
 こうした大きな病院でなぜこのような単純ミスが繰り返されているのかということを考えてみますと、結局、医療の現場が、例えばコンピューター等が入りましてオーダリングシステム等が導入されてくる、そうでなくても、いわゆる伝票化作業の中において医療が進んでいく、個々の医療スタッフがその中において一技術者としてしか患者の治療を行わなくなってきている、そこのところに最大の原因があるのではないか。看護婦さんが本当に一人一人の患者さんに対する担当制をきちっと持って全責任を持っていく、主治医がその患者に対して初めから終わりまで責任を持っていくという、医療としての当たり前の機能が失われ、そして個々の作業が伝票化され、分断化され、それをオーダリングシステム等々によってつないでいくというやり方で医療が行われつつある。それが進んでいる大病院においてこういう事故が起こっているのではないか。
 そういう意味においては、今後の医療のありように対して、厚生省も、結局、そういう作業別に作業人員の分散化ということについて一定指導してこられたわけですが、そのことを見直さなければならない時期に来ているのではないか。きちっとトータルに医療と看護を与えていく、その当たり前のことが前提となる医療を進めていかない限り、こうした問題は防げないのではないか。横浜市立大学の例なんかにおいては、まさに手術する人と主治医とが完全に分断されるというとんでもないことから起こってきた事故だろうというふうに思います。
 そうしたありようについて、厚生省として、看護の体制、医療の体制について内部的に再検討されるお考えはないかどうか、お伺いしておきたいと思います。
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丹羽雄哉#7
○丹羽国務大臣 医療事故を防止するための方策といたしましては、医薬品の容器や医療用具、こういうものの形状などを事故を起こしにくいものに改善していく方策という面と、今、五島委員が御指摘のような人間のミス、いわゆるヒューマンファクターに対する方策が考えられておりまして、この両面からこの問題に取り組んでいくことが必要ではないか、こう考えているような次第でございます。
 御指摘のとおり、いわゆる人的なミスに起因する事故を予防する取り組みということが今まさに求められておるわけでございまして、先ほども申し上げさせていただきましたけれども、個人の努力に依存した取り組みだけでは限界がございますので、たとえ個人がミスを犯したとしても事故に発展させないような組織的な取り組みをあわせて進めていくことが何よりも大切なことだ、このように考えております。
 組織的な取り組みの例といたしましては、職員に、日常業務の中で冷やりとしたりはっとしたような事例を自発的に報告してもらったり、それから病院内に潜在する事故発生のリスクを把握してもらって、そして安全管理委員会の場において具体的な改善策を検討し、その改善策を職員研修やマニュアルなどの作成によって職員に徹底する、こういった取り組みが考えられるのではないかと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、昨日ニュースを見ておりまして、この問題が取り上げられておりました。大阪の病院でリスクマネジャーという方を何人か置いて、こういった事例を逐一報告を受けて、その中でどうやってこういうものを防いでいくかということであって、まさに、冷やりとしたりはっとしたりするのはかなりの回数に上るんだということをきのうのテレビの中で報告いたしておりましたけれども、こういった問題についてやはり真摯に病院側が受けとめていくことが何よりも大切なのではないか。
 そういう中で、余りにも患者さんが多いとか、そういうこともあるのかもしれませんけれども、そういった問題だけで片づけられる問題ではございませんので、こういった問題について、要するに初歩的なミスによる事故、あるいは安全確保に対して、病院全体が本腰を入れてさらに取り組んでいただくよう、お願いを申し上げるところでございます。
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五島正規#8
○五島委員 どうも最近の大病院は、医療といういやしの専門家よりも個々の技術家を養成して、作業の連係によって医療を行っていこうということで、本来の看護なり、医療、医師といったそれぞれに付随する専門性というところが非常に軽減されて、技術を伝票システムあるいはコンピューターシステムでつないでいけばいいというふうなところに偏り過ぎた結果ではないかというふうに考えております。そうしたことについてぜひ検討を加える必要があるのではないかということを申し上げて、次の質問に移ります。
 今回の児童手当の一部改正案でございますが、この改正案につきましては、これは言うまでもなく三つのことが特徴になっております。一つは、この改正が少子化対策の一環であるというふうにおっしゃっていること。いま一つは、年少扶養控除を廃止して小学校入学まで児童手当を支給するということ。そして三つ目には、満三歳までは従来どおり雇用主の負担を中心とした手当の支給を行い、満三歳以上義務教育就学前までは公費で給付する。この三つが今回の改正案の中核であるというふうに思います。
 そこで、それぞれについて質問をさせていただきたいわけでございます。
 まず、なぜ年少扶養控除のみを廃止してわずかの給付を小学校入学前まで支給することになったのか。この結果、新たに給付を受けるのは三百万人の子供を持つ家族であるのに対して、千九百万人の子供を持つ世帯では年少扶養控除がなくなり、差し引き約千六百二十万人の子供を持つ世帯では増税となります。三百万人の子供を持つ家庭においては若干給付がふえるということで、増税ではなくて一定の利益が得られるわけですが、しかし一方では、千六百二十万人の子供を持つ世帯においては、そのことによって増税となっていく。なぜ年少扶養控除のみを廃止してこのような形にするようになったのか、まず大臣及び当時の自自公の中でこれを積極的に進められたと言われております公明党出身の政務次官にお伺いしたいと思います。
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大野由利子#9
○大野(由)政務次官 まず、今回、年少扶養控除が、全額じゃなくて割り増し加算のみが廃止になっている、こういうことでございます。扶養控除と児童手当は、ともに子育ての経済的な負担の軽減をしよう、こういう観点から見れば共通ではございますが、もともと制度の位置づけから見れば違っておりまして、扶養控除は高額所得者にとりましてはより大きい効果がありますが、非課税世帯には効果がありません。一方、児童手当は、定額で低所得者に必ず給付をされるというより大きい効果がある、こういうメリットがございます。
 今回の児童手当の拡充は、こうした両制度の違いを踏まえまして、財政、税制を通じて少子化対策の重点化を図ろうとしているものでございます。現下の厳しい経済財政の状況の中で児童手当の拡充を行うのであれば、将来世代に負担を回すような特例公債の増発によるのではなくて、具体的な財源を確保した上で実施すべきであり、ぜひとも御理解をいただかなければいけないものと考えております。
 また、厚生省といたしましては、総合的な少子化対策全体の中で、今回拡充した子育て支援基金の活用、小中学生を対象とした事業の拡充など、今回税負担増となる方々に対しましても十分な配慮を行っていくこととしております。
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丹羽雄哉#10
○丹羽国務大臣 ただいま総括政務次官からお答えを申し上げたわけでございますが、今回の児童手当の拡充に当たりましては、与党協議の場におきまして、まず扶養控除と児童手当というものを財源的には一体的に考えていこうではないか、こういうことからスタートしたわけでございます。そういう中において、先般来御議論が出ておりますような年少扶養控除の割り増し部分、要するに十万円の部分を取り払う、そういう中においてこのような結果になったわけでございます。
 なお、総合的な少子化対策の中で、今回拡充いたしました子育て支援基金の活用であるとか、あるいは小中学生を対象とした事業の拡充など、今回税負担増となる方々に対しても十分に配慮を行ってきておるわけでございます。
 いろいろな議論があったというふうに聞いておりますけれども、まずそういったような前提があって、そして、どちらかというと所得のない方に対して手厚くしていこうではないか、こういうような基本的な考え方でこのような結果が出てきたと承っておるような次第でございます。
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五島正規#11
○五島委員 所得のない人に対して手厚くやっているというわけではなくて、これは、現在までの満三歳未満の児童手当と同じように、サラリーマン世帯においては七百十二万円の年収までは、満三歳から就学前の子供を持つところに対して給付するという内容になっています。その結果、年少扶養控除が廃止される。もちろん金額的には少ないんですが、年少扶養控除の廃止ということによって、それなりに利益を受けていた人たちが千六百二十万人ほど結果的に増税になる。
 しかも大きな問題は、扶養控除を廃止して現金給付に充てていこうというお考えについては、私ども必ずしも反対いたしません。しかし、年少扶養控除という非常に限られた範囲の枠の中でやっていって、結果的に、五千円、一万円、それを三歳から六歳までというふうな幅の狭いところに集中してしまって、広範なところは増税になっている。この仕組みがなぜそうなったのかということをお伺いしたいわけでございます。
 例えば、一般控除全体を廃止して、もっと大きくやるというやり方もあるでしょう。また、きのうの参考人の御意見の中にも、年金制度と一体として運営したらどうだという御意見もありました。私は、我が国の児童手当というものは、諸外国に比べても給付の期間が圧倒的に短いし、金額も圧倒的に少ないという状況を考える場合に、これを抜本的に変えていくということについては賛成です。しかしながら、今回の改正というのは、なぜこういう不公平感だけが残って、そして極めて限られたものになったのかということについて疑問に思います。その点について再度御答弁を求めたいと思いますが、時間の関係がございますので、あわせてもう一問お伺いしておきます。
 満三歳未満の子供を持つ家庭に対して、サラリーマン世帯で年収四百八十万円まではその七割を事業主が負担する、七百十二万二千円までは全額を事業主が負担するというこの制度をそのまま残して、今回は、満三歳以上から義務教育就学前まで、七百十二万二千円までのサラリーマン世帯に対しては全額公費で負担をする、これはなぜそうなったのか。特に、三歳から六歳の子供のところに事業主の負担がなくて全額公費を入れたということの意味はどうなのか。仮に満六歳まで児童手当をこの額の中で導入するにしても、全体として事業主の負担と公費負担がきちっと案分されるような形になぜならなかったのか。
 事業主負担の上に公費負担が三年間上乗せされるというのは、いかにもいびつでございますし、私は、予算委員会で、竹に木を接いだと申し上げました。今でもそのような感じが否めません。なぜ、満三歳までは事業主の負担が中心であり、三歳から就学前までは税で負担することが必要なのか、この点についてお伺いしたいと思います。
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丹羽雄哉#12
○丹羽国務大臣 まず、委員の最初の御質問でございます。この問題については、委員が御紹介を申し上げたようなさまざまな御意見があるということも、私は十分に承知をいたしております。
 扶養控除かあるいは児童手当か、これは性格は違うものでございますが、扶養控除といった場合には、当然のことながら非課税世帯には効果がないわけでございます。そういう中において、私どもは、それよりも、子供さんがいて非課税世帯の方により手厚く差し上げる方が好ましいのではないか、こういうようなことからこのような選択を行ったと承っておりますし、私どもも、それを受けてこのような法案を出させていただいたわけでありまして、あくまでも低所得者に対する重点化という観点からこのような措置をとらせていただいたような次第でございます。
 それから、第二点の事業主の拠出金の制度でございますが、もともと、児童手当制度は従業員に対する福利厚生的なものから恐らくスタートしたのではないか、このように私なりに考えておるわけでございます。こういう点から導入されまして、現在の児童手当制度は十一年度千八百億円である、それから、千八百億円のおよそ三分の二が事業主の拠出金になっている、こういうことでございます。私といたしましては、少子化対策の重要な柱で、国と地方がもっと責任を負うべきだ、これは常々、私は昨年来申し上げていたわけでございます。
 そういう中で、少子化対策の充実というものが大変重要で緊急な課題として持ち上がってきておるわけでございまして、今回の児童手当の拡充については、確かに委員が御指摘のような面があることは紛れもない事実でございますけれども、要は、この児童手当の拡充を図るためにどうするかということでございまして、非常に厳しい財政状況の中で、率直に申し上げて、これ以上ふやすということについて事業主の御理解がいただけなかった、こういうような経緯もございます。
 そこで、いわゆる所要財源が確保できる範囲内で措置を講ずるということで、先ほど来申し上げておるような、要するに、扶養控除の範囲の中で支給対象年齢の延長に必要な財源は全額公費で行ったということで、確かに、先生がおっしゃった三歳までの部分と六歳までの部分のような問題があるわけでございます。当然これは今後の検討課題として残るもの、このように認識しておりますが、要は、これだけこの問題が大きくクローズアップされている中において、とにかくこれまでは三歳未満だったのを就学前まで延ばすということが先決だろう、こういう認識に立ってこのような措置をとらせていただいた次第でございます。
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五島正規#13
○五島委員 先ほどもお話がございましたし、私も申し上げておりますように、控除を廃止してこうした社会保障給付に充てていくというのは、一つの考え方であり、私も決して反対ではございません。
 ただ、そうであるならば、こうした不公平な結果が出るようなやり方よりも、現在、年少扶養控除十万円上乗せされております、もとの控除を含めますと四十八万円、この四十八万円の控除全体を廃止して、それで例えば児童手当を全面的に見直していくということであるならば、もう少し制度上もきちっとしたものができるだろうと思うわけですが、そこのところには手をつけずに、結果的に十万円だけでやっていく。
 そして、大臣もお認めになったように、非常に不格好な制度になっている。多くの国民は、この制度を見た場合に、どうも選挙が終わればこの手当も一年ぐらいでなくなるのじゃないか、そうなった場合に、結局扶養控除の十万円だけが減ってしまって、トータルとしては増税にしかならないのではないかというふうな不安を訴えておられる方も少なくございません。
 そういうふうな不安があると言われた場合、私もまた確かに、事業主がこういうふうに負担するにしても、なぜ、事業主の負担をそれぞれ半分ずつにして、そして六歳までを、現在の七〇%のところを三五%、一〇〇%のところを五〇%にしてでもうまく制度として一貫性をとれなかったのかというふうに当然思うわけですね。そうした、非常に不安を強めるだけの児童手当法の改正案になっているというふうに思うわけでございます。
 また、財源的に、現在のところ年少扶養控除の廃止というこの十万円のところしか財源として捻出することが困難であるという経過の中で、とりあえずこのように決まった。私が言うように四十八万じゃない、三十八万は他のところとの関係もあって残さざるを得ない、だから十万だけでやったのだというふうにおっしゃるのであれば、では、その十万円、すなわち約二千億ですが、二千億の財源をもって、どのような形で子育て支援に使えるのかという検討をされてもしかるべきではなかったのかというふうに思います。
 例えば、年少扶養控除の廃止だけを前提とするなら、その財源でもって保育料を引き下げていくとか、あるいは子供の医療費の保険給付を九〇%にするなど、そうした現物給付の改善で少子化対策としてより効果的なものはないか、そういうふうなものの検討がされるべきだったと思うのですが、そうしたことについての検討はされたのでしょうか。
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丹羽雄哉#14
○丹羽国務大臣 先ほど来答弁を申し上げておるわけでございますが、今回の児童手当の拡充に当たりましては、年少扶養控除の十万円の加算の問題について、これがまず先に出てきたことは紛れもない事実でございます。そういうような税制改正の中でこのような拡充策をとるということでございまして、初めに児童手当の拡充ありき。
 しかし、これが将来に対して赤字公債を残すようなことは何のための児童手当かということになるんじゃないか、こういうような議論もございまして、それではそういう枠の中でやろうじゃないか、こういうことでこのような措置をとらせていただいたような次第でございます。
 お尋ねの、例えば今委員が御指摘のような医療費の給付率をもっと引き上げたらどうかとか、こういうような問題の方がより効果的ではないかということでありますが、私どもはあくまでも、先ほどから申し上げておりますように、児童手当の拡充という観点からこの議論を進めさせていただいているわけでございまして、したがいまして、今委員が御指摘のようなことは議論の過程で言及されておらないような次第でございます。
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五島正規#15
○五島委員 あくまで児童手当という現金給付と控除という形での支援との間の有効性ということで検討されたということであるとすれば、やはりこの控除によって得られるメリットよりも現金給付によって得られるメリットの方が大きなものにしていかなければいけない。
 現実問題として、私も、税による所得の再分配という機能を考えるとするならば、控除を廃止して児童手当をふやしていくということは、一つの方法であると先ほどから申し上げています。ただ、実際上それをするについて、年少扶養の十万円に限定してしまった結果として、利益を得られる家庭が三百万人、そして不利益に結果的になる家庭が千六百二十万というとんでもない結果になってしまう。しかも、それが子育ての支援であるというふうにおっしゃると、これは本当に子育ての支援なんだろうか。
 子育ての支援というふうに考えて現金給付をふやしていくとするならば、四十八万全体を廃止してその財源でやった方が、まだ現金給付の問題としても子育て支援になるだろう。あるいは、子育て支援の問題は現金給付だけでない。この扶養控除を財源とした範囲の中でしかできないとするならば、子育て支援ということが先行するのであれば、それはもっと現物給付の方にこれを傾斜させた対策もあっただろう。
 大臣は否定されたわけでございますが、例えば、小児固有の疾患の多い小学校の四年生まで医療費を保険で九割給付するということにすれば、それに必要な保険給付の増は総額で約千七百数十億円です。この改善によって各自治体が行っている小児医療対策費が軽減できますし、それによって保育料の軽減もできるわけでございまして、こうした形での施策の方がまだ少子化対策の一環として意味があるのではないか。
 あるいは、昨日も出ておりましたが、もっと食い込んで、四十八万全体の控除を廃止して現金給付に持っていく、あるいは現金給付といわゆる奨学金制度の拡充という形に持っていく等々、そういうやり方というのがある。
 その辺をきちっと見えるようにされないままに、こうした非常にいびつな形で、不利益をこうむる人が圧倒的に多い制度について、この方が少子化対策の一環として意味があるとおっしゃるのであれば、どういう点において、少子化対策というこの法案の第一義に掲げられている観点に照らし合わせて効果があるとお答えになるのか。大臣あるいはこれを進められた政務次官の御答弁を願いたいと思います。
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丹羽雄哉#16
○丹羽国務大臣 委員が御指摘のような、いわゆる年少扶養控除を例えばすべて廃止をして、そしてすべて児童手当にしろというような意見が一部にあるということも、十分に私も承知をいたしております。
 しかし、この扶養控除の持つ性格というものをどう見るかということは、これは年少扶養控除だけでなく、一般の扶養控除、それから老人扶養控除、さまざまな扶養控除があると思いますが、これは私見でございますけれども、やはりその辺のところをきちんと十分に議論して整理しなければならないということは当然のことではないかな、こう思っておるような次第でございます。
 先ほどから申し上げておりますように、これは私はちょっと見解を異にするものでございますけれども、例えば小児医療につきましては、それぞれの市町村で確かに上乗せはしておるわけでございます。私は、そういうような立場をとるものではございませんけれども、そういうような御意見があるということも十分承知しておりますけれども、そうなると、児童手当の方の財源は、もうこの際やめろというふうになるのかな、こういうふうにさっきからずっと、親愛なる五島委員の御主張でございますが、お聞きしておりまして、それで果たしてその辺のところをどうやって国民の皆さん方に御説明申し上げるのかなということが非常に難しいことかなと思っております。
 私どもは、先ほど申し上げましたように、今回は児童手当の拡充という観点から、年少扶養控除あるいはそのほかの扶養控除を含めて、どうあるべきかという観点から出発したものでございます。ですから、繰り返して恐縮でございますけれども、私は、いわゆる年少の医療費の給付を国がそこまで負担をするという考え方には決してくみするものではございませんけれども、もしそういう議論があるとすれば、別なところで議論をするべき筋のものではないか、このように考えています。
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大野由利子#17
○大野(由)政務次官 委員が今、小児医療の問題、そして保育料の問題について御指摘がございました。
 その重要性につきましては私も同じく共感を覚えるものでございますが、今既に地方自治体で、県で、小児医療の無料化もしくは軽減化をやっている状況でございます。その財源を保育料の軽減に向けるべきだという委員の御指摘かと思いますが、その場合は、働くお母さんで保育園を利用していらっしゃる家庭にとりましては大変恩恵を受けるわけでございますが、保育所を使わない家庭にとっては恩恵を受けることができない。そういう意味で、今回、子育てというものを親任せにするのではなくて大きく社会で支え合っていこうということで、児童手当はその大きな柱の一つとしてスタートした制度である、少子化対策として十分意義があることではないか、このように思っております。
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五島正規#18
○五島委員 政務次官は、保育料の軽減をしても、保育園を利用する人にとってはメリットがあるが、保育園を使っていない、例えば幼稚園その他に行っている人についてはメリットがないとおっしゃったのですが、そこまでおっしゃるなら、なぜ三百万人の子供に対してだけはメリットがあるが千六百二十万人の子供にメリットのないような制度をおつくりになるのか、私にはわけがわかりません。
 また、大臣のお考えはお考えとして、現在多くの各自治体が何らかの小児医療の軽減の措置をとっておられる、これを保険給付九割にすることによって、各自治体のそうした独自の財源というものは軽減されて、それによって、保育料に限らずに、少子化対策に対する自治体としての財源になるのじゃないかという指摘でございまして、そこのところは、大臣とまた別の機会にでも議論をしたいと思っております。
 時間も参りましたし、何となく意見がかみ合わないままで、なぜこんな法案が出てくるのかな、本当に与党の皆さんはこんなものを自信を持っておやりになるのかな。おっしゃっていることを一つずつ聞いてみますと、こうした社会保障給付の問題について、保育園に行っている人とそうでない方の格差まで問題にされるのであれば、なぜこんなに、三百万と千六百二十万という大きな格差があるものをこのような形でやられるのか。
 そして、扶養控除全体と言って、老齢扶養控除とか配偶者控除のことを言っておりません。しかし、四十八万のうち外出しの十万だけを対象にするならば、その財源的な大きさからいって、より効果的な方法があるのではないかと言っているわけでございまして、むしろ財源的に言うならば、四十八万全体を使って現金給付をやる方が、おっしゃっておられる趣旨はより明快になるのではないかということで申し上げたわけでございます。
 恐らく、御答弁いただいても同じようなことでございますでしょうから御答弁は要りませんが、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
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江口一雄#19
○江口委員長 古川元久君。
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古川元久#20
○古川委員 民主党の古川でございます。
 本日は、児童手当の改正案についての御質問をさせていただく前に、きょうの新聞に「介護サービス NPOに課税」、こういう記事が載っておったのですけれども、この点についてひとつ御質問をさせていただきたいと思います。
 実は、私のところに、日曜日に、政府がNPOの介護保険事業へ課税を決定した、これに対してNPO団体として抗議の声を上げよう、そんなEメールがやってきました。きょうの新聞にも、近く大蔵省は国税庁を通じて通達を出すということになっておりますけれども、これは事実ですか。
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福田進#21
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
 近々、今先生御指摘のような通達を出すというふうに聞いております。
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古川元久#22
○古川委員 今回の介護サービス事業に対して、これを収益事業と判定して課税をするという中で、社会福祉法人などは法人税法上非課税になっているから、これは課税対象とはしない。しかし、同じように介護保険の指定業者としてちゃんと指定を受けたNPO法人であっても、これは課税を受けるということのようなのでありますが、社会福祉法人も指定を受けたNPO法人も、ともに非営利で本来事業としてこうした介護事業を行うという点では同じであって、これを法人税法上の取り扱いで異なるような取り扱いをする合理的な理由はないと思うのですけれども、これはどうしてですか。
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福田進#23
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
 介護保険法におきまして、保険給付の対象とされております介護サービス事業につきましては、現時点で想定されております事業内容等から見て、法人税法施行令に定められておりますいわゆる医療保健業、物品貸付業、物品販売業または請負業に該当すると考えられること等から、原則といたしましてこういう事業を行います営利法人、それから農協、生協、NPO法人、社会福祉法人につきましては、基本的には課税されることになっております。御指摘のNPO法人を含めまして、公益法人等が営む介護保険のサービス業は、原則として、医療保健業も含めまして収益事業に該当し、法人税が課されることになっております。
 なお、御指摘の医療保健業につきましては、これは実は昭和三十二年に収益事業とされたものでございますが、その際、社会福祉法人につきましては、社会福祉という一般的に公益性が高いと認識されている事業を営むことを目的として設立される法人であり、適正な運営を確保する観点から、法律上、設立、管理、監督に関し厳格な内容の規定が設けられておりまして、社会福祉事業を行うに必要な資産を備えなければならないとされておりますこと、また、生活困難者に対しましては無料または低額な料金での診療事業や老人保健施設を利用させる事業を行うことが法制度上予定されている法人であること等も踏まえまして、社会福祉法人が営む医療保健業につきましては、例外的に収益事業から除外されているということでございます。
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古川元久#24
○古川委員 要は、法律で社会福祉法人だけ除外されているからそこだけ除いたということですね。それ以上法律に書いてないからという、ある、ない、それだけで区別した、それだけですね、理由は。
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福田進#25
○福田政府参考人 法律上、社会福祉法人につきましては、今申し上げましたような特別な位置づけがなされているということで、その位置づけにのっとって、例外的に収益事業から除外したということでございます。
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古川元久#26
○古川委員 大臣、今の大蔵省の答弁で、これで厚生省はいいんですか。
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丹羽雄哉#27
○丹羽国務大臣 前の委員会でもたしか私申し上げたと思いますが、石毛委員の質問に対してだと思います、私どもといたしましては、NPO法人につきましては、介護サービスの重要な担い手であると期待をいたしておるわけでございますし、活動しやすい環境づくりに向けて努力をしていく、こういう基本的な考え方に立つものでございます。
 法人税の今後の取り扱いにつきましては、介護保険の事業主体となる、今委員から御指摘がありました社会福祉法人は非課税であって、医療法人であるとか営利法人、それからNPOが課税、こういうことの仕分けが審議官から説明があったわけでございますけれども、それぞれの法人の性格や規制のあり方などを含めてさまざまな観点から検討していかなければならない、こういうことでございますが、私は、これはあくまでも、十分にそういった点を勘案して、今後の検討課題として位置づけて、NPO法人がより活動しやすいような環境づくりを目指していくことが厚生省の立場だ、このように考えているような次第であります。
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古川元久#28
○古川委員 要は、これは見直しを求める、大蔵省に対してこれを非課税にしてくれというふうに厚生省から働きかけるということと理解してよろしいですね。
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丹羽雄哉#29
○丹羽国務大臣 今後の、つまり十三年度以降のことになると思いますけれども、私どもとしては、そういった問題を指摘しながら、まだ正式に決めておるわけではございませんけれども、一つの要望事項として当然検討していかなければならない問題だ、こう認識をいたしておるような次第でございます。
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