法務委員会

2000-04-04 衆議院 全123発言

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会議録情報#0
平成十二年四月四日(火曜日)
    午前九時五十五分開議
 出席委員
   委員長 武部  勤君
   理事 笹川  堯君 理事 杉浦 正健君
   理事 与謝野 馨君 理事 横内 正明君
   理事 北村 哲男君 理事 日野 市朗君
   理事 倉田 栄喜君 理事 西村 眞悟君
      太田 誠一君    奥野 誠亮君
      金田 英行君    熊谷 市雄君
      古賀  誠君    左藤  恵君
      菅  義偉君    藤井 孝男君
      宮島 大典君    保岡 興治君
      山本 公一君    山本 有二君
      渡辺 喜美君    坂上 富男君
      前原 誠司君    漆原 良夫君
      安倍 基雄君    木島日出夫君
      保坂 展人君
    …………………………………
   法務大臣         臼井日出男君
   法務政務次官       山本 有二君
   最高裁判所事務総局民事局
   長
   兼最高裁判所事務総局行政
   局長           千葉 勝美君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    細川  清君
   政府参考人
   (建設大臣官房審議官)  三沢  真君
   法務委員会専門員     井上 隆久君
    —————————————
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  加藤 紘一君     宮島 大典君
  園田 博之君     山本 公一君
  枝野 幸男君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  宮島 大典君     加藤 紘一君
  山本 公一君     園田 博之君
  前原 誠司君     枝野 幸男君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 商業登記法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)(参議院送付)

    午前九時五十五分開議
     ————◇—————
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武部勤#1
○武部委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、商業登記法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。臼井法務大臣。
    —————————————
 商業登記法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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臼井日出男#2
○臼井国務大臣 商業登記法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、最近における高度情報化社会の進展にかんがみ、電子計算機により処理された情報を電気通信回線により伝達して行ういわゆる電子取引等を確実かつ円滑に行うことができるようにするため、登記官においてこれらの情報の作成者を確認する方法の証明を行う電子認証制度並びに公証人において電子計算機等を用いて電磁的記録の認証及び確定日付の付与の事務を行う電子公証制度を創設するとの目的から、商業登記法、公証人法及び民法施行法の一部を改正しようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。
 第一に、商業登記法の改正につきましては、登記所に印鑑を提出した法人代表者等について、その者が電磁的記録の作成者を示す措置を講じたことを確認するために必要な事項等を登記官が証明する制度を創設することとしております。
 また、法務大臣の指定する登記所間においては、印鑑を提出した登記所以外の登記所に対しても、印鑑証明書の交付を請求することができることとしております。
 第二に、公証人法の改正につきましては、公証人が電磁的記録について認証を行うとともに、認証を受けた電磁的記録を保存し、その内容に関する証明等を行う制度を創設することとしております。
 第三に、民法施行法の改正につきましては、公証人が電磁的記録について確定日付の付与を行うとともに、確定日付を付与した電磁的記録を保存し、その内容に関する証明等を行う制度を創設することとしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
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武部勤#3
○武部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    —————————————
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武部勤#4
○武部委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長細川清君、建設大臣官房審議官三沢真君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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武部勤#5
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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武部勤#6
○武部委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所千葉民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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武部勤#7
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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武部勤#8
○武部委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
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坂上富男#9
○坂上委員 坂上でございます。
 まず初めに、不動産登記関係についてお聞きをいたしたいと思います。
 先般、民事局長が御答弁なさいましたもとになっております報告書の写しをいただきまして、拝見いたしました。私は、この報告書は、甚だしい詭弁があり、事実誤認があるということを指摘し、反省を求めたいと思っております。
 まず一つは、最高裁判所にお出かけをいただいておりますので早速聞きますが、代議士秘書が口ききした菱和ハウスから代議士に献金三十六万円、パーティー券三十万円が支出されている、それが政治資金報告書に書かれておる、こういうようなことで、この菱和ハウスとこの代議士はこのように政治献金を受けるような相当親密な関係にあるというようなことがここに報道されておるわけでございます。事実だろうと思うのでございます。
 そして、この献金とパーティー券の代金分を、問題が起きましたものですから、これを返還しようということで破産管財人に返済を申し出たそうでございますが、破産管財人もこの処置に困りまして、今ごろ返すと言われても、受け取っていいのか悪いのか検討する必要がある、こう言っておるわけでございます。
 正当にいただいて、何ら違法性がないものを受け取ったならば、返還するということもおかしなことなのでございますが、やはり何かあるんだかどうかということもわかりませんけれども、裁判所の立場といたしましては、こういう場合の処置はどういうふうに対応されているのか、まず最高裁にお聞きをしたい、こう思っています。
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千葉勝美#10
○千葉最高裁判所長官代理者 係属中の個別事件のことでございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思いますし、また、全国的に同種の事例も承知しているわけではございません。
 ただ、一般論として申し上げますと、金銭の返済を受ける、この返済の趣旨とか、それから事案の内容などによりまして、この返済金が破産財団を構成するものというふうに解することができるのであれば、これは破産債権者に対する弁済原資になるということになるわけでございます。
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坂上富男#11
○坂上委員 もう答弁は要りませんが、違法の金が出ておったのなら、当然返還請求権があるから、これは破産財団を構成するんだろうと思うのです。その辺がポイントなんだという御答弁のようでございますが、ひとつ、これからの的確な処置を期待したい、こう思っております。
 その次に、今度は建設省でございます。これは住宅金融公庫に関連する質問でございます。
 民事局長の報告書によりますと、仮差し押さえの登記が不動産についておると、抹消してもこれがついておると、どうも融資の上で大変不利益を受ける、こういうことだから、法務省法務局に相談をして何とかこれを抹消する工夫をした、こういう事案でございますが、建設省の住宅金融公庫とされましては、登記は仮差し押さえを受けた、しかしこれは正当な弁済によって抹消された、あるいは和解が成立してもう仮差しの必要がないというような場合、取り下げによって抹消される場合があるわけでございますが、そういうふうな記載がありますと、やはり融資を受けるのに差し支えがあるのでございますか。こういうものはいっぱいあるわけでございますが、どんなような対応をしているんですか。
 私はそんなことはないと思っています。そういうことはないと思っておりますので、今後のことにもかかわる、ほかのことにもかかわるものだから質問をするんですが、どうも法務省の法務局の方に、事実と違うことを、そういうふうなことを言って申し立てて、法務省の法務局の方から協力をさせたのじゃなかろうか、こういう疑いを持っておるがゆえに、建設省に融資に対する態度としての基準をひとつお聞きする、こういうわけでございます。
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三沢真#12
○三沢政府参考人 登記簿の記載事項に仮差し押さえの抹消の記載がある場合に公庫融資を受けることができないのかというお尋ねでございます。
 これにつきましては、公庫と住宅を買われる方との間で、いわゆる融資契約、公庫の方では金銭消費貸借抵当権設定契約と呼んでおりますが、その契約を締結するときまでに抹消登記がなされれば公庫融資はできるということでございます。
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坂上富男#13
○坂上委員 それは当たり前だね。仮差しになっておって、そしてその仮差し押さえが抹消された。抹消されておる事実をとらえて不利益な取り扱いを受けるようでは、これは困ることでございます。まずその前段で結構でございます。
 最高裁と建設省、結構でございます。ありがとうございました。
 さて、そこで、今度は局長にお聞きをいたしますが、局長のこの報告書によりますと、登記官が誤って仮差し押さえ登記をしたような場合はないわけではない、登記を抹消しても不動産の所有者に多大な迷惑をかけるので、七十六条を類推適用して移記をする場合がある、こういうような報告書のようでございます。
 まず一つ聞きたいのは、本件の場合、誤って仮差し押さえ登記がなされた場合ではない、こう私は思っているんですが、いかがですか。そこで、このいわゆる新登記簿を作成するに当たりまして、東京と野田の出張所との間だけの相談なのか、これについては千葉本局ともだれかがかかわっていたのか、これも一つまず御答弁をいただきたいと思います。
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細川清#14
○細川政府参考人 まず第一点目の御質問でございますが、菱和不動産からの説明は、仮差し押さえの登記については、整理回収銀行との間で話がついており、これは本来登記されるべきものではなかったが、整理回収銀行の担当者の手違いで登記されたものであるなどの事情があるので、過去の経緯自体がわからなくなるように職権で登記簿から削除することはできないかというものでありました。
 それで、その点につきましては、野田出張所の登記官は、先ほどの菱和ハウスの説明について、整理回収銀行の担当者に電話で確認しておりますが、一年前のことであり、電話をした整理回収銀行の担当者の氏名等は確認することができませんでした。したがいまして、そのところは最終的には事実が確定できないということになりますが、私どもとしては、担当者が確認したということは信用できるというふうに考えております。
 それから、野田出張所が千葉の本局に相談したかどうかということでございますが、これについては後で千葉の法務局の首席登記官に相談しているというふうに聞いております。
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坂上富男#15
○坂上委員 そうしますと、東京法務局、千葉の法務局の担当者、そして野田の出張所、関係者三人が中心的にこういうことになったわけです。
 そこで、今、私は申請書を持ってきました。裁判所の出した仮差し押さえが間違っていたと。登記嘱託書を見ると、裁判所は的確に仮差し押さえ命令を発付いたしまして、決定正本を出して、そして登記嘱託をしているわけであります。
 しかも、この物件に対しましては、私の方は、いわゆる整理回収銀行から、きのう照会をいたしましたら、間違いなく債務があって、この物件について仮差しをしたことは間違いありません、こういう答弁を文書でもっていただいております。一月二十日、仮差し押さえ申し立て、そして決定、登記、そして和解の申し立てが二十七日にあって、二十八日に公正証書をつくって、そして二十九日に仮差し押さえを取り下げをしたのだ、しかしながら、売却済みの九戸があったものだから保存登記抹消にさせてもらいたいのだ、したがって承諾書をいただきたい、こういう経過があったのだそうでございます。
 そこで、今局長の御答弁を聞きますと、いわゆるこの菱和関係、あるいは秘書の方から、間違って仮差し押さえを受けたので、仮に間違っておって抹消したとしても、これはもうとんでもない迷惑な話だから何とかしてくれ、こういうことだそうでございます。
 こんなでたらめありません。そうだとするならば、公正証書原本不実記載じゃないですか。これはとんでもないことだ。はっきり戸籍と書いてあります、はっきり登記簿と書いてあります、原本不実記載罪というのについては。これは、私は法務省から取り寄せていただいたのだ。決定正本に基づいてきちっと登記してあるんだ。何にも間違いがない。裁判所の命令と、単なる代議士の秘書の言葉、菱和ハウスの言葉を、法務省は何でそんなに信憑力を持ってうのみにしたのですか。これがわかりません。もう一遍答えてください。
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細川清#16
○細川政府参考人 菱和ハウスの担当者が法務局の担当者に申しましたのは、整理回収銀行とは話がついていたのだけれども、整理回収銀行の手違いで仮差し押さえが申請され、そのまま嘱託されたということでありまして、裁判所からの申請が誤っているということは全くございません。
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坂上富男#17
○坂上委員 どうも局長らしからざる答弁だと私は思っていますが、裁判所の決定は間違っていない、そして、話がついたので、抹消すべきものを抹消しないで載ったものだから仕方がない、抹消しただけのことなんだ、こういう答弁のようですね。
 しかし、間違ってなんて裁判所は決定を出さぬだろうし、間違って法務局が受理することはないんじゃないですか。それを、まあ失礼な話ですが、問題のあるような人が何とかしてくれと言ってきて、法務省は簡単に受けたということに非常に問題がある。これはやはり国会議員の圧力だったんじゃなかろうかと私は今の答弁を聞きながら思っております。これ自体、大変な問題じゃないでしょうか。
 局長、そういうふうな間違っていたなどというようなことを軽々に素人が言って、受けられるのでございますか。答弁してください。
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細川清#18
○細川政府参考人 菱和ハウスの担当者が当時言ったことは、要するに、本来は仮差し押さえの申請をしないでということで話がついていたはずなのに申請がされてしまった、それで、その申請自体は正しいわけですからそのまま嘱託されたということだ、そう言っているわけで、裁判所や法務局が間違ったと言っているわけではないのでございます。
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坂上富男#19
○坂上委員 これをひとつごらんになってください。菱和ハウスのいわゆる経過説明書。きのう、銀行の方から私のところに持ってきたのですよ。
 これを見たらはっきりと、間違いではないんだと。和解の申し出が二十七日なんだ、それで和解が成立したのが二十八日なんだ、そこで二十九日に仮差し押さえの取り下げをしたんだと。しかしながら、この取り下げだけだと信用に影響するものだから、もとの保存登記を抹消してくれ、利害関係人だから抹消の同意書をいただきたい、こういうことで、二月三日にいわゆる同意書というものを日付の欄を白紙にして渡したというのですよ。それを二十八日の日付を入れて二月三日以降に法務省に出した、こういうことなんですよ。
 これもまた見てみますと、承諾書はこういうふうに書いてありますよ。私は持ってきた。二十八日という字は入れてあるんです。それで、この承諾書をもとにして菱和の保存登記を抹消し、同意があるから利害関係人も影響なしということにしてこれも抹消して、そして新しい所有者に移したわけであります。
 これがいいか悪いかは別として、こういう登記は結構行われていることも私は知っております。知っておりますから、そうだとするならば、代議士秘書が言っていたように、話がついていたんだ、載せるべきものでないのが載ったんだなどというようなことは全くでたらめです。これは整理回収銀行の私への回答書です。これを見てもはっきりと、二月三日にしか承諾書を渡していないんです。それまでずっと登記手続が行われているのです。どうぞ、ごらんになりますか。とんでもないことです。指摘だけしておきます。
 さてそこで、もう結論が出たようなものでありますから申し上げませんが、登記法の七十六条第四項というのは一体何と書いてあるかといいますと、書くことがいっぱいあって大変不便になったというような場合に新しい登記簿を編成するということになっておるわけでございます。
 そこで、これを見てくださいよ。いいですか。この問題のは余白が一ページあるのです。一と三分の一分の余白があるのです。こういう余白のある場合は全部埋まってから新しいものをつくらなければならぬというのが七十六条の解釈じゃないですか。それをこんなに余白を残して、いわゆる類推解釈だとか特別事情があると。特別事情なんか何にもないじゃないですか、今の話を聞いてみても。本当にとんでもない。七十六条の類推解釈、特別事情、どういう特別事情がありますか。今言ったようなことが特別事情ですか。そうだとするならばこれは法務省の責任だ。それはもう本当にでたらめですよ。
 でありますから、局長さんの方からもう一遍これは調査すべきです。そんな特別事情などありやしないんだから。こんなようなことが、我々がだれでも頼みに行ったらみんなそういうふうにしてくれるのだったら、新しい登記簿を編成してくれれば、それはそれで非常に結構ですよ。代議士の秘書が言ったからこれは許したのでしょう。しかも、東京法務局だ、千葉本局だ、それから野田の出張所だ。この三人。どうも証人喚問しないといかぬね、本当に。私はこんなことまでしたくなかったのですが。
 私が言ったようなことが事実なんです。これはもう私は確信を持って申し上げる。したがって、これはもうちょっと局長の方から再調査をぜひ要求したいと思いますが、どうですか。
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細川清#20
○細川政府参考人 本件は不動産登記法七十六条四項の典型的な事例に当たらないことは、坂上先生御指摘のとおりでございます。
 それで、今回の事件を契機としまして私どもが急いで聞き取り調査した結果を申しますと、現時点でこれが類推適用された事例が幾つかあるわけでございます。
 例えば、他人の不動産に誤って仮差し押さえの登記や破産の登記をしたため誤記を理由としてその登記を抹消したが、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。登記の抹消請求訴訟の提起があり、裁判所の嘱託により予告登記がされたが、原告の敗訴判決が確定して予告登記が抹消されたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。あるいは、破産手続等における否認の登記がされたが、破産取り消し等により否認の登記が抹消されたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。あるいは、第三者によって偽造印鑑証明書等を使用して所有権移転登記等の登記がされたものについて、無効の判決がされた登記が抹消されたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。さらには、登記簿を部外者により改ざんされたものについて正当な是正措置がされたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があったというような場合でございます。
 したがいまして、この七十六条が、この文理以外の場合にどのように類推適用されていたかというものは、これは現場の判断に任されておりましたので明らかでないところがありますので、この点についてはもう少し事実を明らかにしまして、きちんとした対応ができるようにいたしたいと思っているわけでございます。
 それからさらに、この具体的な問題につきましては、先ほど来申し上げておるところでございますが、要するに菱和ハウスから、差し押さえの嘱託自体は適法にされているけれども、差し押さえの前の段階で話し合いがついているからそういうことはされるべきものではなかったのだという申し出がありまして、当時の野田出張所の登記官は、菱和ハウスの担当者から整理回収銀行の担当者の名前と電話番号を聞いてその確認を行ったところ、整理回収銀行の担当者から菱和ハウスの説明と同趣旨の回答があった、そういうことで、それを信用して行ったわけです。
 その点について、今は、一年前のことですから担当者がわかりませんので最終的に判断はできませんが、その点の事実の確認が足りなかったのではないかということであれば、それはそういう御指摘を受けてもやむを得ないものだと思っております。しかし、こういった現下の事情のもとでは、登記の処理を急がせていたという事情のもとでは、一概に担当の登記官を責めることは酷ではないかなというのが私どもの正直な実感でございます。
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坂上富男#21
○坂上委員 現場の登記官のことを私は言っているんじゃないのですよ。東京法務局から、千葉の本局から、それに言われて野田の担当官がこういうことをせざるを得なかったのですよ。言わなければ、これは最初は拒否したんだもの。とんでもございませんよ、こう言ったのだ。ちゃんとあなたの報告書に書いてあるのだ。それを何だかんだと言って、国会議員といえども私人じゃないですか。いいですか。ちゃんとはっきりここに書いてある。野田はこれを拒否した、できない旨断った、こう言っているのですよ。できないのを断ったにもかかわらず、何でもう一遍やり直したのですか。
 しかも、あなたの報告書によると、二十九日ごろまた野田出張所を訪れて、東京法務局の担当官の説明内容を伝えたものだから、その趣旨を確認して、同意書が直ちに提出された——同意書を提出したのは二月三日だというのですよ。間違いない。これを見てごらんなさい。二月三日だ。ここに書いてある。この報告書、間違いだというのは、私はこのことを言うのです。
 直ちに提出されたというのは、二十九日に提出されたというのでしょう。二十九日なんて提出していないのですよ。渡したのは二月三日だというのですよ。したがって、こんな類推適用で特別事情があるなんて、これはとんでもないことです。民事局長らしからない報告書であり、答弁だと私は聞いております。これはもう一遍やり直ししてもらわなければいかぬと思っておりますが、いかがですか。私は大声でやぼを言っていると思われますか。
 私は、まさに全部資料を調べて、そして法務省の方も完全に私に協力をいただきまして、同意書から申請書から登記簿謄本から全部いただいた上で、私もいわゆる法律家の端くれといたしまして調査をした結果、こんなものは特別事情に当たらない。しかも、一私人の申し立てを承認して、担当官が拒否し、そして東京法務局、千葉の本局から言われてやむなく、仕方がなく野田の担当官がやった行為なんであって、これはもうとんでもない。
 私は、一番この責任のあるのは、東京の法務局と千葉の本局の担当者の、どういう話をしたかというその話の内容をひとつ明示をしていただかなければ、これはできないと思っております。明らかに人をなめた答弁としか言いようがないと私は思っている。
 こんなの類推適用されるような条文でありません、事態でもありません。二月三日にしか同意書が渡っていないのだ。それが何でそんなに早々と登記ができたか、これも私はわかりません。もう一遍調査をしていただきたい、こう思っております。
 大臣、小渕総理が大変な事態で、回復はお祈りはいたしておりますが、説によりますと、あるいは総辞職という事態があるそうでございます。しかしまた、そのまま留任というようなお話も聞いておりまして、せっかく御指導いただいておる大臣とお別れするのはいささか、そういうことはないだろうとは思いますが、あるいはまかり間違えますときょうの質問で最後になったらちょっと残念でございますので、ぜひ、今言ったように、この間から言っているように、人は戸籍、物は登記ということを私たちは長い間信頼してきたのです。この信頼が揺らぐような状況で、果たしてこれでいいのだろうかということを私は実は思うわけであります。
 そこで、大臣の答弁の前に、いかがでございましょうか、局長。これだけ白紙があるのに、間違っていたから白紙は承知の上で新しい登記簿を編さんしたんだ、こういうふうになるのか、あるいは、この問題はやはりきちっとすべきなんだというふうな御理解に立たれるのか。やはり特別事情を採択して白紙のまま新しいものをつくった、こういう答弁になるんでしょうか。私は、登記簿謄本をとってびっくりしたわけです。私は、下段の部分、三分の一部分だけが余白かと思ったら、とってみたらそうでないのですね。全部なんですね。一ページ三分の一が余白なのでございます。
 まず、この点の違法性はどうですか、特別事情は別として。
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細川清#22
○細川政府参考人 不動産登記制度のもとにおきましては、種々の場合に移記する場合がございます。例えば、登記用紙が大変古くなった、あるいは事後的に損耗している、あるいはもともと用紙が粗悪だったという場合には新しい登記用紙に移記しますが、その場合には、余白の有無にかかわらず新しい用紙に移記して、現に効力を有することだけを移記するという扱いになっております。したがいまして、不動産登記法上は、余白があるかどうかにかかわらず、移記すべきときは移記するということになるわけでございます。
 それから、先ほどの御質問でございますが、ちょっとつけ加えさせていただきたいのは、当初野田の出張所の相談内容は、仮差し押さえ登記の記載そのものを最初からなかったかのように処理してほしいというものなので、それはできませんと野田の出張所が断ったわけです。これに対して、東京法務局では、一般的な相談で、答えとしては、あくまで一般論として考え得る処理の方法として、七十六条の類推適用の余地がある旨を説明したということでございます。
 それで、先ほど申しましたように、その点については野田の出張所でさらに検討しまして、整理回収銀行に問い合わせまでをしたわけですが、最終的には、先ほど申しましたように、その点の事実関係の確認が十分にできていなかったということについて御指摘であれば、これはおしかりは甘んじて受けなければならないのではないかと思っておりますけれども、当該の事情のもとにおいて、担当の人たち、関係した人たちを責めるのは、私としては忍びないというふうに考えているところでございます。
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坂上富男#23
○坂上委員 担当者はちっとも責めていないんですよ。上の連中に問題があったんじゃないか、私はこう言っているのです。これは回収銀行からきのう二度にわたっていただいた文書なんですよ。これを見ても、二月三日にしか渡していないのですよ。特別事情があるはずないじゃないですか、これだけでも。
 大臣、今言ったような問題点があるのでございますが、最高の責任者としてどのようなお考えでございますか。もっと綿密な調査をして報告させていただきたい。本日、私は参考人申請しません、証人申請しませんので、もう少し報告をきちっとしていただきまして、私の持ってきたものはすべてのきちっとした資料でございまして、これで裁判やったら私は必ず勝つと思っております、国会だから四の五のになっていますけれども、大臣としてはきちっと御答弁いただいて、この次の質問にひとつ備えさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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臼井日出男#24
○臼井国務大臣 いろいろと委員の御質疑を聞かせていただいた次第でございます。また、あらかじめ局長の方から本件についての具体的な説明の文書がお手元に行っているということも、ただいま御質問の中でお話をしていただきました。
 また、事前に私ども伺っている際に、従来から私が聞いておりましたこと以外に、かなり詳しい点についてもさらに調査をした旨報告を受けておりまして、その点につきましては、きょうは、委員の方から御質問がございませんでしたので省略をさせていただいている部分もかなりあるようにも思います。
 また、今委員御指摘をいただきましたように、整理回収銀行の方から三日の日に同意書を出したものをどうして早い時期になったのかという御指摘もございました。これは大変重要な御指摘であろうかと思いますし、またしかし、なぜ日付が空欄のものを、書きかえられるような状態のものを整理回収銀行で出したのかという点も、また真意を確かめてみるようなことも必要であろうかと思っておりまして、なお御質疑の点の中で御理解をいただけない点につきましては、今後ともさらに検討をしていく必要があろうかと思っております。
 なお、先ほど来御質疑をいただいております本件の不動産登記法第七十六条の規定の類推適用につきましては、現在、私どもに具体的な運用基準というものはございません。登記官の個々の判断によっている点に問題があったようにも考えますので、この点につきましては、全国統一的な運用が確保されるように今後検討をする必要がある、このように考えている次第でございます。
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坂上富男#25
○坂上委員 ぜひ、御調査の上にきちっとした御答弁をいただきたいと思います。
 きょうは商業登記法に関する質問でございます。四項目に分けてお聞きをいたします。
 まず一つは、全く私よくわかりませんが、公開かぎ暗号方式だそうでございます。そこで、公開かぎというのはどういうものか、秘密かぎというのはどういうものか、ちょっと私わかりかねているんですが、御説明をいただきたいと思います。
 それから、登記法十二条の二第一項の規定による公開かぎの証明はどのような方法によって行われるのか。
 それから、第一項ただし書きによって、代表権に制限があるものについては法務省令で定めるところにより電子証明書を発行しないこととした、こういうことでありますが、その理由をお聞きしたいと思います。代表権に制限がある場合については、その旨を明示した電子証明書を発行することとしなかったのはなぜなんだろうか。
 まず、この三点について御答弁いただきたいと思います。
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細川清#26
○細川政府参考人 公開かぎと秘密かぎでございますが、これはいわゆる公開かぎ暗号方式という電子署名のやり方でございます。
 これは、電子的な情報をコンピューターにより暗号処理する方法であり、通信文を暗号文に変換する際に用いるかぎ、すなわち一定の数値でございますが、これと暗号文を通信文に復元、解読するために必要なかぎとが異なるというものでございます。この二つのかぎは、一方のかぎがわかっても、それから他方のかぎを割り出すことはできないという性質があるため、一方のかぎは公開しておくことができます。この公開することができるかぎを公開かぎ、他方の他人に知られないように管理するべきかぎを秘密かぎと呼んでいるわけでございます。
 それで、この署名する場合の具体的な手順でございますが、あらかじめ専用ソフトで自分専用のかぎの組み合わせを用意します。一方のかぎは秘密かぎといたしまして他人が知らないように厳重に管理し、他方のかぎは公開かぎとして商業登記所に届けておく。自己の公開かぎについて認証機関から電子証明書をもらいます。これは、登記官が作成した電子証明書、公開かぎがその中に入っている証明書でございます。そして、例えば契約書等の通信文を作成して、これを自己の秘密かぎによって暗号化する。そして、通信文、暗号文、電子証明書を相手方に送る。相手方は、必要に応じて、送られてきた電子証明書が間違いないものかどうかをインターネットを介して登記所に確認をし、その上で、送信されてきた暗号文を電子証明書中に格納されている公開かぎによって復元して、それが本来の通信文と一致するかどうかということを確認するわけでございます。これが一致すれば、暗号文について、送信者しか知らない秘密かぎによって暗号化したものであることが確認できますので、これによって、通信文は送信者が作成したものであり、内容も改ざんされていないということがわかるということでございます。
 それで、公開かぎの証明はどのような方法で行うかということですが、これは、まず、公開かぎの証明を受けようとする印鑑提出者が自己の電子署名に用いる秘密かぎと公開かぎとを準備して、登記所に公開かぎを届けて証明の請求をする。請求を受けた登記官は、既に届けられている印鑑と照合した上で、公開かぎが印鑑提出者のものであることを証明する電子証明書を発行することになります。この電子証明書は、印鑑提出者の公開かぎのほか、会社の商号、本店所在地、代表者の資格、氏名等の登記事項を証明するものでございます。
 それから、三番目の御質問で、代表権に制限があるものについて法務省令で定めるところにより電子証明書を発行しないことにしている理由はなぜかということでございますが、法人の代表者の制限その他の事項でこの制度の証明に適しないものは、法務省令で定めるものがあるときは電子証明書を発行しないこととしております。
 その理由は、代表者の代表権の制限がある場合には、これは共同代表の定めがある場合が典型なんですが、こういう場合には、電子証明に関する国際標準規格、これは国際電気通信連合、ITUが決めているものでございまして、この標準規格はX.五〇九と呼ばれておりますが、この国際標準規格と、これを前提としてつくられたソフトウエアが対応していないわけでございまして、登記官発行の電子証明書独自の規格を設けると、一般的に用いられているソフトウエアと異なりますので、かえって利用者の混乱を招くおそれがある。そこで、本制度による証明に適さない場合として電子証明書を発行しないものといたしたわけでございます。
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坂上富男#27
○坂上委員 次に、十二条の二の一項二号において電子証明書の有効期間は印鑑提出者が定めることとした理由はどういうわけでしょうか。
 それから、同じく、公開かぎは印鑑提出者が生成して登記所に提出することを予定しておりますが、公開かぎと秘密かぎとの組み合わせはどのようにして生成するのか、お聞かせください。
 それから、第三項の規定により電子証明書に表示される登記事項はどのようなものがあるのか、御答弁ください。
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細川清#28
○細川政府参考人 まず、有効期間の点でございますが、電子証明書の発行を受けた印鑑提出者は、電子証明書の有効期間中、秘密かぎを安全に保管し、秘密かぎを用い、会社を代表して電子署名することが期待されることとなります。そこで、電子証明書の有効期間は、会社が電子取引をしようとする期間、会社の代表者の任期等の事情を踏まえて定める必要があります。そのような判断は会社の代表者御自身がするのが適当でございます。そこで、電子証明書の有効期間は、会社の代表者その他の印鑑提出者が定めることといたしたわけでございます。
 それで、有効期間は、現在のところ、期間の下限は三カ月、上限は二年三カ月として、その三カ月の整数倍の期間を定めなきゃならないというものといたしております。二年三カ月といたしましたのは、会社の取締役の任期が二年でございますので、余裕を持って二年三カ月までといたしたいと思っているところでございます。
 次に、公開かぎと秘密かぎの生成の方法でございます。
 秘密かぎを生成しようとする方は、かぎを生成するための専用ソフトウエアを買ってきまして自己のパソコンにインストールして、簡単な操作をすることによって秘密かぎを公開かぎとともに容易に作成することができます。それで、この専用ソフトは運用開始までに市販される予定でございます。
 さらに、電子証明書に記載される登記事項についてお尋ねでございますが、会社の代表者の電子証明書におきましては、会社の商号、本店の所在地、代表者の資格、氏名を証明する予定でございます。そのほかの法人の電子証明書におきましては、法人の名称、主たる事務所の所在地、代表者の資格、氏名を証明することといたしております。
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坂上富男#29
○坂上委員 次に、電子証明書は日本語で表示されるのかどうか。その際、文字の種類や長さ、文字数でございますが、それに制限があるのかどうか。電子証明書の発行の請求はどのような手続によるのか。それから、電子証明書の発行の請求について、本人確認はどのような方法で行うのか、代理人による請求については代理権の確認はどのような方法で行うのか。御答弁ください。
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