外務委員会

2001-09-18 衆議院 全282発言

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会議録情報#0
平成十三年九月十八日(火曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 土肥 隆一君
   理事 河野 太郎君 理事 下村 博文君
   理事 鈴木 宗男君 理事 米田 建三君
   理事 安住  淳君 理事 桑原  豊君
   理事 上田  勇君
      池田 行彦君    大野 松茂君
      小島 敏男君    高村 正彦君
      桜田 義孝君    下地 幹郎君
      中本 太衛君    原田 義昭君
      宮澤 洋一君    望月 義夫君
      伊藤 英成君    木下  厚君
      首藤 信彦君    中野 寛成君
      細野 豪志君    前田 雄吉君
      丸谷 佳織君    藤島 正之君
      山口 富男君    東門美津子君
      柿澤 弘治君
    …………………………………
   外務大臣         田中眞紀子君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   外務副大臣        植竹 繁雄君
   防衛庁長官政務官     平沢 勝栄君
   外務大臣政務官      丸谷 佳織君
   外務大臣政務官      小島 敏男君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  村田 保史君
   政府参考人
   (警察庁警備局長)    漆間  巌君
   政府参考人
   (防衛庁防衛局長)    首藤 新悟君
   政府参考人
   (防衛庁運用局長)    北原 巖男君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  中尾  巧君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   小町 恭士君
   政府参考人
   (外務省大臣官房領事移住
   部長)          小野 正昭君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長
   )            谷内正太郎君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            重家 俊範君
   外務委員会専門員     辻本  甫君
    —————————————
委員の異動
九月十八日
 辞任         補欠選任
  虎島 和夫君     大野 松茂君
  土田 龍司君     藤島 正之君
同日
 辞任         補欠選任
  大野 松茂君     虎島 和夫君
  藤島 正之君     土田 龍司君
同日
 理事土田龍司君同日委員辞任につき、その補欠として土田龍司君が理事に当選した。
    —————————————
八月九日
 一、千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の譲許表第三十八表(日本国の譲許表)の修正及び訂正に関する二千年十一月二十七日に作成された確認書の締結について承認を求めるの件(第百五十一回国会条約第四号)
 二、投資の促進及び保護に関する日本国とモンゴル国との間の協定の締結について承認を求めるの件(第百五十一回国会条約第五号)
 三、投資の促進及び保護に関する日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(第百五十一回国会条約第六号)
 四、国際情勢に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件
 米国における連続テロ事件に関する件

     ————◇—————
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土肥隆一#1
○土肥委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、一言申し上げます。
 このたび、米国において発生した連続テロ事件では、多数の方々のとうとい命が奪われ、今もなお数千名が行方不明のままとなっております。
 ここに、犠牲となられました方々に対し、衷心より哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。——黙祷をお願いします。
    〔総員起立、黙祷〕
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土肥隆一#2
○土肥委員長 黙祷を終わります。御着席ください。
     ————◇—————
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土肥隆一#3
○土肥委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として、委員米田建三君の質疑に際し、内閣官房内閣審議官村田保史君、警察庁警備局長漆間巌君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君及び法務省入国管理局長中尾巧君の出席を、委員木下厚君及び藤島正之君の質疑に際し、外務省大臣官房長小町恭士君の出席を、また委員山口富男君の質疑に際し、外務省大臣官房領事移住部長小野正昭君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君及び外務省中東アフリカ局長重家俊範君の出席を求め、それぞれ説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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土肥隆一#4
○土肥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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土肥隆一#5
○土肥委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米田建三君。
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米田建三#6
○米田委員 質疑に入る前に、まずは、今回の米国におけるテロ多発事件で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表すると同時に、また、被害に遭われたすべての方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 まず、私は、質疑の冒頭で、今回の事件の本質が一体何であったのかということをしっかり我々は確認をしなければならないだろうというふうに思います。
 私は、この今回の事件の被害者は単に米国だけではない、発生現場は米国でありますが、実は我が日本国民も、また我が日本国の企業も、あるいはさらに世界の諸国の国民も被害者であったわけであります。そして、世界経済にも大変大きな打撃を与えました。いわば、国際社会全体を敵としたテロ攻撃である、そんなふうに理解をすべきだというふうに私は思います。
 一部、ある野党議員の方が、御自分のホームページで、今回のテロだってアメリカの外交政策の失敗なのでは、ざまー見ろって思っている国だってきっとある云々という、そんな非常識な記事を御自分のホームページに掲載された方もおられるようでありますが、しかし、私は、ほとんど大多数の我が国民も、まさにブッシュ米大統領が言われたように、いわば二十一世紀の新しい形の戦争である、そんな認識をお持ちに違いないというふうに思っているわけであります。
 無論、災害対策の次元ではありません。あるいはまた、単に邦人保護対策の次元で考えて済む問題でもありません。二十人以上の邦人が巻き込まれた、みずからに対する攻撃でもあったというふうに認識をすべきだと私は考えるわけであります。
 したがいまして、アメリカが一体何を要請してくるのかとか、あるいはそれに対してどんな協力、支援をするかという他人事ではなく、まず基本的に、そういう次元ではなくて、我が国自身の問題として何をなすべきか考えていかねばならないというふうに思いますが、この基本的な部分についての政府の認識を問いたいと思います。外務大臣、お願いいたします。
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田中眞紀子#7
○田中国務大臣 米田委員のお尋ねに答弁をさせていただきます前に、まず、今回の同時多発テロの犠牲者となられました方々や被害者の皆様に対しまして、改めて哀悼の意とお見舞いを申し上げたく存じます。
 そして、今のお尋ねでございますけれども、総理も再三、るる国会等でもそれから記者会見でも御発言なさっていることでございますけれども、こうした、現在わかっておりますだけでも三十七カ国以上の国の方々が人命を奪われておりまして、これは極めて卑劣で許しがたい暴挙でありまして、私どもが日ごろ信奉しております自由な社会あるいは民主主義の理念に基づく社会というものに対する挑戦でありますから、断固としてこれを許すわけにはいかないというものが基本的な認識でございます。
 そして、日本はアメリカを強く支持し、そして支援と協力を惜しまない決意でありますが、他の国々と一緒に、二度とこうしたことが起きないように努力をしていきたい、かように考えております。
 ただ、できることにつきましては、もう先生御案内のとおり、我が国の憲法の範囲内においてぎりぎりできることをいたしたいということでございます。
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米田建三#8
○米田委員 NATOは、十二日に開いた大使級の理事会で、一九四九年の設立以来初めて第五条の発動、すなわち集団的自衛権を米国からの要請があれば発動するということで合意をしたわけであります。
 西の同盟NATOは、言ってみれば態勢が完了した。では、東の同盟国である我が国として、これからどういう対応をしていくのか。明確かつ十分な対応をとらないと、私は、日米同盟は大きく揺らぐことになるだろう、まさに日米同盟の真価が問われているというふうに考えます。
 湾岸戦争のときを思い返してみますと、多額の財政支援を我が国は行いました。にもかかわらず、余り感謝はされなかった。この轍を踏んではならないと私は思うわけであります。
 また、湾岸戦争と比較した場合に、クウェートに対するイラクの侵攻という、それが事案の基本的な出発点でありましたけれども、今回はまさに同盟国アメリカの中枢部が攻撃をされたわけであります。
 聞くところによりますと、最近の財政事情からしても、米国側が必ずしも財政支援を求めてはいないとも伝えられております。そういう状況の中で、私は、我が国は湾岸戦争のときとは違った対応を、やはり真剣に何ができるのかを考えなければならないというふうに思っておりますが、改めて政府の基本的認識を問いたいと思います。安倍官房副長官。
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安倍晋三#9
○安倍内閣官房副長官 今回のテロは、ただいま外務大臣が答弁をされましたように、多数の人命、邦人を含むわけでありますが、一瞬にして奪うという許しがたい卑劣な暴挙でございました。
 既に小泉総理が述べておられましたように、我が国は、国際テロリズムと戦う米国を同盟国として強く支持し、必要な支援と協力を惜しまない、そういう決意であるわけでございます。
 今後の対応でございますが、米国政府がいかなる行動をとるか明らかでない現段階におきまして具体的なことを申し上げますのは困難でございますが、政府といたしましては、憲法の範囲内でできる限りのことを行っていきたい、こう考えているところでございます。
 米国を初めとする関係国との協力につきましては、米軍等に対する後方支援活動等につきまして、与党とも協議も十分に行いながら検討をしていきたい、こう考えております。
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米田建三#10
○米田委員 私は、アメリカがこれから何を要請してくるのかということを待つのではなくて、冒頭申し上げたとおり、実はこれは我が国自身への攻撃でもあったというふうに理解をするならば、今こそ内外に向けて、我が国がこういう事案に対して、これからもあり得るかもしれないわけでありますから、どういうスタンスとどういう備えをきちんとするのかということを示すべきときが来ているというふうに思うわけでありまして、その点を重ねて強調しておきたいと思います。
 さて、よく日米同盟、日米同盟と言われるわけでありますが、日米同盟の現状が一体どういうものなのかということをまず振り返ってみたいわけでありますが、私は、これは極めて片務的かつ限定的なものに今日とどまっているのではないかというふうに思っております。日米安保条約自体がしかりでありまして、米国の一方的な対日防衛義務をうたったものでございますし、さらにはまた、その範囲は極東の範囲というふうに限定をされている。
 では、周辺事態安全確保法はどうなのか、こういうことになりますと、周辺事態安全確保法そのものが、日米安保条約の効果的な運用に寄与する、これが目的に掲げられていることからして、やはり極東の範囲ということになるだろうと。
 それからまた、周辺事態安全確保法の内容でございますが、集団的自衛権の行使を容認しないという今日の我が国政府のスタンスからして、後方支援につきましても、武力行使の一体化と解される後方支援はできないことになっているわけであります。「我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」とうたっているにもかかわらず、実はそういう枠がはめられているわけであります。例えば、武器弾薬の輸送はできない、戦闘発進中の航空機に対する燃料補給もできない。すべてが、集団的自衛権を行使できないというこの論理を前提にしているものですから、そういう限定的なものになっているわけであります。
 総理は、報復措置を含めて、米国を支持する姿勢を表明されました。今次のテロにかかわる米軍の行動に対する、では諸外国並みの支援ができるのかといえば、今申し上げたとおり、諸外国並みの支援をするための枠組みが今日我が国にはありません。パウエル国務長官の記者会見の際に、たくさんの米国への支援を表明した国の名前を挙げましたが、残念ながら、私の知る限りでは、その際、我が日本の名前は挙げられませんでした。
 では、我が国がこれから何をなし得るのか、こういうことでありますが、テロリズムの根絶は、実は我が国自身のためでもあるわけでありますから、その点を踏まえて、私は、より具体的な我が国の姿勢を明らかにしなければならないときが来ているというふうに思います。
 恐らく多国籍軍の編成というふうな事態になると思いますけれども、私はその際に、最低限、武力行使との一体化を避けている現行レベルの周辺事態安全確保法、この現行レベルの周辺事態安全確保法並みの後方支援、これだけでも多国籍軍に対して可能にする緊急立法が必要ではないのかというふうに思います。そのためには、臨時国会を前倒ししてでも、今申し上げた緊急立法を考えるべきだというふうに思いますが、外務大臣並びに安倍官房副長官の見解を伺います。
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田中眞紀子#11
○田中国務大臣 米田委員のかねてからの御持論は十二分に承知をいたしておりますが、いずれにいたしましても、現在はまだアメリカ政府がどのような行動をとるかということは明らかじゃございませんので、今コメントすることはできませんけれども、テロ活動に対して自衛権の行使が可能かどうかということについてもいろいろ考えなきゃいけませんし、それから今、立法ということもおっしゃいましたけれども、それらも含めまして、あらゆる意味で、どういうことができるか、憲法の範囲内で何が可能であるかということについて今鋭意検討中でございます。
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安倍晋三#12
○安倍内閣官房副長官 ただいま外務大臣からお答えをいたしましたように、現段階では、米軍がいかなる手段をとるかということがはっきりしていないわけでございまして、推測で申し上げることは差し控えさせていただきたい、こう思うわけでございます。
 しかし、このたびの事態は、確かに米田委員御指摘のとおり、まさに民主主義と自由に対する挑戦でございまして、私ども自体が当事者意識を持つということは極めて重要であろう、こう考えております。そして、我が国は米国との関係におきまして同盟国であるわけでございますから、同盟国としての責任というのはそれなりに考えていかなければいけない、このように思うわけでございますが、今後、推移を見ながら、いかなる協力が可能かということは既に検討を始めております。
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米田建三#13
○米田委員 同じ質問でありますが、平沢防衛政務官はどうお考えですか。
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平沢勝栄#14
○平沢長官政務官 今米田委員からお話がありましたとおり、今回の事件というのは、私は、これはアメリカに対して行われたものというふうには考えておりません。もうこれは民主主義に対する挑戦というか、全世界、全人類に対する挑戦ということで考えておりまして、そのために、もちろん日本というのは憲法の制約があるわけでございますけれども、その憲法下で、同盟国たるアメリカ、あるいは多国籍軍が編成された場合にそれに対して日本が何ができるか、これについて私たちは真剣に考えていかないと、国際社会の中で取り残されることになるんではないかなということで考えております。
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米田建三#15
○米田委員 私は少なくとも、周辺事態安全確保法で規定をした、武力行使との一体化とみなされない、そのレベルの後方支援はできるという緊急立法を行うべきであるということを強く改めて主張をしておきたいというふうに思います。
 次に、私は本来は、このガイドラインに関連する各法規に盛られた後方支援、これを上回る本格的な後方支援を可能にするためにも、また将来の我が国の安全保障体制強化のためにも、私は実は、集団的自衛権を容認すべきだというふうに考えている一人でございます。
 この集団的自衛権については、我が国は、集団的自衛権は有しているけれども、憲法解釈上、行使はできないんだというスタンスであります。しかし、サンフランシスコ講和条約においても、また我が国が何の留保条件もつけずに加盟をした国連憲章においても、加盟国は個別的自衛権と同時に集団的自衛権を有するということが明記されているわけでありまして、あくまでも政府の解釈、見解として、今日まで、持ってはいるけれども使えないという論理で一貫をしてまいりました。しかしながら、私は今、今日の世界を見て、一国のみでみずからの身を守ることが非常に困難な時代に入ってきているというふうに思います。
 そういう中で、いわばみずからのパートナーとしっかり連携をしながら互いにみずからを防衛する、これはもう当たり前のことでもありますし、実は、今日ある日米安保条約そのものが、片務的ではありますが、あれは集団的自衛権の概念を前提にしている条約でもあるわけであります。
 つまり、自衛の、個別的自衛権と集団的自衛権というものを分離することはできない、これはいわば自衛権の補完的概念として集団的自衛権というものがあるというふうに私は理解をしているわけでありまして、憲法改正が必要だという意見もありますが、これについては政府の解釈でこれまでそう来たわけでありますから、政府解釈の変更で集団的自衛権の容認は十分可能だというふうに私は考えております。
 もちろん、NATOが約半世紀ぶりに初めて発動したように、集団的自衛権を容認したからといって、いつでもどこでも、一一〇番や一一九番じゃありませんし、すっ飛んでいくという話じゃないわけでありまして、いつどこで何をするかということは、あくまでも主権国家の最終的判断というものがあるわけでありますから、集団的自衛権という言葉を述べるだけであたかもまがまがしいものであるような反応を示す方もいまだに大勢おられますが、私は、そんなものではない。集団的自衛権というものは本来今述べたような性格のものでありますから、これを政府の解釈で変更をすれば、今日の一体何をなすべきかというふうな悩ましい議論も必要がなくなるわけでございまして、集団的自衛権の議論というものもこれから大いに議会でも活発化すべきだと私は思います。
 政府の中でもこれはやはり真剣に取り組んでもらいたいと思いますが、安倍官房副長官、いかがですか。
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安倍晋三#16
○安倍内閣官房副長官 ただいま米田委員御指摘がございました。米田委員は私自身の個人的な従来からの主張はよく御存じだと思いますが、きょうは政府の一員として答えさせていただきたい、こういうふうに思います。
 我が国が固有の権利として集団的自衛権を持っているということは当然でございまして、国際法的にもこれは認められているわけでございます。国連憲章の五十一条においても、また先ほど御指摘がございましたように、日米安全保障条約の前文には、両国が集団的自衛権を保持しているということを確認しているわけでございます。
 しかしながら、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため、必要最小限の範囲にとどまるべきものであると解しておりまして、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えてきてまいりました。憲法は我が国の法秩序の根幹でございまして、五十年余にわたる国会での議論の積み重ねもございまして、その解釈の変更には十分に慎重でなければならないと考えております。
 しかしながら、他方、憲法に関する問題について、世の中の変化もございます、世界情勢の大きな変化もあるわけでございまして、小泉総理も就任の際、問題意識につきまして記者会見で述べられたわけでございますが、この集団的自衛権の問題について、さまざまな角度から研究をしてもいいのではないか、このように考えております。
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米田建三#17
○米田委員 次に、我が国自身の危機管理体制の充実強化に関連しまして、何点かお尋ねをしたいと思います。
 まず、我が国自体にいわゆるテロリストの潜伏の可能性があるのかどうか、また警戒態勢はどうなっておるのか、さらに入国管理体制の充実強化が必要だと思われますが、以上の諸点につきまして、警察庁また法務省の見解を伺います。
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漆間巌#18
○漆間政府参考人 我が国におけるテロの可能性の話でございますが、少なくともイスラム過激派の拠点が我が国にあるという情報はつかんでおりません。ただ、イスラム過激勢力が日本国内に潜入し、どこかにいるかどうか、この辺については今調査を続けているところであります。したがいまして、そういう勢力がもしいれば、日本国内においてもテロが行われる可能性はあるというふうに認識しております。
 それから、全体的なテロ活動に対する警戒でございますけれども、基本的には、警察庁の方から都道府県警察に指示いたしまして、テロの関連情報の入手と、それから今当面、米国関連施設、これに対する警戒が必要だと考えておりますので、その部分についての警戒態勢の強化をしております。現在、警視庁を初め全国警察で、米国大使館、総領事館、その他の米国関連施設等約百五十カ所を含む約三百五十カ所に対する警戒を強化するとともに、基本的に、空港管理者、航空会社と協力して、ハイジャック防止対策を徹底しておるところであります。
 なお、今後情勢の変化がありましたら、それに応じて、我々の方も情報収集の強化と警備の強化をしてまいりたいと思っています。
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中尾巧#19
○中尾政府参考人 お答え申し上げます。
 入管局といたしましては、今回の事件発生直後から、厳格な入国審査体制あるいは出国審査体制のさらなる徹底を全国に指示したところでございます。特にテロリスト関係につきましては、いわゆる偽変造旅券を所持して入国する可能性も高いわけでございますので、より一層強力な偽変造対策の一環といたしまして、偽造文書の発見に取り組むように、全国にあわせて指示したところでございます。
 先ほどお話しいただきました出入国管理体制につきましても、一層の整備に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
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米田建三#20
○米田委員 私は、我が国自身のテロ、ゲリラ対応の法整備が急務だというふうに考えているわけであります。一国において発生した事態が全世界に影響を与える時代でございます。その意味では、我が国における危機管理対応の体制の整備というものは、実はひとえに我が国のためのみではなく、もはや国際責任である、国際社会に対する責任であるというふうに考えるわけであります。
 警察力のみでは対応できないテロ、ゲリラ等の事案の場合、今日の枠組みでは、防衛出動あるいは治安出動という重い規定をクリアしなければ自衛隊は行動を起こせない。しかしながら、そこには当然タイムラグが発生する。ここに重要な問題があるわけでありまして、今日、例えば米軍基地警備の問題というものが議論され始めたようでありますが、ほかにも重要施設はたくさんある。例えば原発はどうなのか、さらには皇居はどうなのか、あるいは総理官邸はどうなのか、こういうことを考えたときに、防衛出動や治安出動を発令するような事態、そういうことで想定をしてまいった事態とは違う、テロやゲリラによる突発的な、しかも瞬時にして大きな被害をもたらすような事案というものが考えられる時代になっているわけであります。
 私はかつて私案を発表させていただいたこともありますが、本来は自衛隊に、特定施設のみではなく、もうちょっと包括的な領域警備の任務と権限を付与するべきだというふうに考えております。現在、領域警備にかかわる自衛隊法改正案の臨時国会提出が検討されていると聞いております。その骨子を、簡単で結構ですから、まず述べていただきたいと思います。
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北原巖男#21
○北原政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、防衛庁で考えております三点、いずれも自衛隊法の改正でございます。
 一点目は、十一年の三月に発生いたしました能登半島沖不審船事案のような、不審船を停船させるための武器使用についてでございます。
 現行法上、海上警備行動時に認められております警察官職務執行法によります武器使用によりましては、人に危害を与えた場合に違法性が阻却されません。このため、不審船を停船させるための射撃が事実上困難でございます。したがいまして、一定の要件に該当する船舶を停船させるために行う武器使用につきまして、人に危害を与えたとしても違法性が阻却されるように措置いたしまして、不審船を確実に停船させる、このための射撃ができるようにする、これが一点でございます。(米田委員「治安出動規定の改正を考えているんでしょう」と呼ぶ)それも考えています。(米田委員「それを早く、時間がないから」と呼ぶ)済みません。
 あと二つございまして、もう一つは、武装工作員などに対しまして、自衛隊が、先生御指摘のように、治安出動により対処する場合の武器使用についてでございます。
 現行法上、鎮圧のための武器使用は、いわゆる多衆集合しての暴行、脅迫の鎮圧には適用されますけれども、例えば多衆集合ではなく少数であっても、例えば小銃あるいは機関銃等銃武装して暴行、脅迫を行う者、これに対しても適用するようにしたいと思っております。
 もう一つは、これは今度は治安出動が下令される前の自衛隊の対応でございます。
 現行法では、治安出動が下令されない限りは、情報収集を行う自衛官が不測の事態に遭遇いたしましても自己防護のための権限がございませんけれども、治安出動が下令される前の事態、緊迫時に情報の収集を行う自衛官につきまして、自己防護のための武器使用ができるようにするというものでございます。
 それから、先ほど米田先生御指摘になりましたけれども、今申しましたものとは別に、我が国に所在いたします米軍が使用する施設・区域などの重要施設、これの警備のあり方などにつきましても、これまで想定されることがなかった事態がこうして現実に生起しているわけでございますので、そうしたこと等も踏まえまして、また、アメリカのニーズですとかさらには自衛隊の能力、あるいは警察との役割分担なども考慮いたしまして、法的な措置も含めて検討すべき問題である、そんなように考えております。
 以上であります。
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米田建三#22
○米田委員 治安出動規定の一部改正を考えていると。特に大事なのは、私は、発令される以前の警戒監視活動中にも武器を携行できるという点だろうと思いますが、しかし問題は、あくまでもこれは自己防護のための武器使用なんですね。制圧行動まではとれない。しかし、某国ミサイルは約六分で我が国に到達します。あるいは、某国ミサイルだけではなく、某国戦闘機が今次のアメリカのテロ事件のように我が国重要施設にもし突入せんとするときに、撃墜が直ちにできるのかというと、これはできない。防衛出動命令、治安出動命令も、そんな数分、数十秒で総理が決断できるわけはない、国会の承認なんてとっている時間もない、一体どうするのかという問題が出てくるわけであります。
 したがって、私は、治安出動や防衛出動発令の迅速化を含め、領域警備に係る体制整備の突っ込んだ検討を我が国は急ぐべきだというふうに考えておりますが、安倍官房副長官また平沢防衛政務官、お二人の御意見を伺いたいと思います。
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安倍晋三#23
○安倍内閣官房副長官 領域警備全般ということについて、まだ私ども検討の途中でございますが、今運用局長から申し上げました最後の点でございますが、米軍の施設を初め重要施設の警備強化を自衛隊が行うことができる、それが可能になる法整備等も考えていきたい、こう考えているところでございます。
 ただいま米田委員がおっしゃった問題意識でございますが、いわゆる治安出動の下令は、まさに警察力で対応ができない、つまり、もう既に相当の損害がある、またはそうなってしまった段階で出ていくのではなくて、それを未然に防ぐ、また防がなければいけないというのが問題意識でございまして、そのための法整備を検討していきたい、このように考えておりますし、先ほど与党三党から三幹事長案が示されたわけでございますので、それも踏まえて政府内におきましても至急検討していきたい、こう考えております。
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平沢勝栄#24
○平沢長官政務官 治安出動とか防衛出動というのは、閣議決定の後、総理大臣が命令を下すわけですけれども、その過程で、一分一秒を争うわけですけれども、時間を食ってしまうわけでございまして、この点については、今後もっと迅速にできないかどうかを私は検討する必要があるだろうと思います。
 そして、治安出動あるいは防衛出動の下令前の段階で、今、例えば重要防護施設等の警備は自衛隊が一切出れないわけでございますけれども、例えば、今米田委員からお話がありましたように、原発とかいろいろな重要施設があるわけですから、今警察は、国内の治安出動とか防衛出動発令前の警備、警戒はすべて警察の責任であるということを言っていますけれども、今、時代が大きく変わったんです。そして、テロの質も中身も変わってきたわけですから、これはもう警察とか何かということじゃなくて、日本トータルとしてこういった問題にどう考えていくかということをこれから私たちは真剣に検討していかなければならぬのじゃないかなということで考えております。
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米田建三#25
○米田委員 以上、時間が参りましたので、質問を終わります。
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土肥隆一#26
○土肥委員長 次に、下村博文君。
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下村博文#27
○下村委員 私は、ODAの問題について取り上げたいというふうに思います。
 我が国の歳入が五十兆近くの中で、ODAに対しては約一兆円がことし投入をされている、来年は一割削減がされるという状況の中で、このODAのあり方について抜本的に見直しをしていこう、今こういう状況でございます。その中で、国会で、本委員会でも何度か同僚委員が取り上げられておりましたが、ソンドゥ・ミリウ水力発電、全部で九回取り上げられた。また、文書質問も四回取り上げられたということで、マスコミ等でも報じられておりますし、大変に注目をされている。このソンドゥ・ミリウ水力発電が実際今どういう状況になっているのかということを、この委員会として公式に派遣団を出し、視察をしよう、こういう状況の中で、理事五人で今月の二日から四日までケニアに行ってまいりました。
 このソンドゥ・ミリウ水力発電については、改めて我々視察したメンバーが、国会議員の方々あるいはNGO、一般の方々を対象に報告会を今月の二十七日に行うという状況でもございますけれども、改めてこの委員会で、この視察に行った結果をとらえて大臣にお話を伺いたいと思いますが、その前に、我々がケニアのソンドゥ・ミリウに行ってまいりました簡単な視察の概況について御報告を申し上げたいというふうに思います。
 これは、もう既に十六年前から、ケニアの大変に我が国に対する期待、一番大きな期待として、ケニア国内においてまだ電力状況が一〇%もいっていないということで、ぜひ電気開発を最大限ケニアはやりたいということの中で、既に約七十億円の円借款のもとに、これはほかの委員がダムという言い方をされていましたが、実際はダムではありませんで、これは水流式の、山にトンネルを掘ってそこに水を流して、そして山の上から水を落とすことによって水力発電を行う、こういう発電でございますけれども、この工事が第一期が進んでいたわけでありますが、地元のNGOがインターネット等を通じて我が国のNGOの皆さん、そして国会議員の方にもそういう情報が行ったということで、国会で九回にもわたって質問をされた、こういう案件でございます。
 この地元における環境悪化の問題とか、それから、ケニアの債務負担能力があるのかどうか、この事業が適切であるということのほかに、ケニアの債務負担能力があれば、第二次円借款をすることによってさらに百億追加で我が国が出すということに対する問題点、それから、この第二次の、フェーズツーの入札手続が不透明ではないか、あるいは政治家の関与があるのではないか、あるいは地元の大使の政治的な関与もあるのではないか、あるいは工事中におけるNGO関係者における銃撃とか住民への暴力等々、あるいは記者の逮捕も含めまして、人権問題があるのではないかというようなことが我が国の国会で質問されたわけでございます。
 すべてを、全部見ることはできませんでしたが、少なくともこのプロジェクトにおける目的とか意義とか、環境、社会面での問題点、それから、ケニアの債務返済能力があるかどうかということについて、我々は精力的に、反対をしているNGOの代表の方々にもお会いしましたし、またモイ大統領等初め関係閣僚の方々にもお会いをしましたし、また、現地に出向きまして、現地の工事現場の方々あるいは住民の方々と幅広く、大勢の方々から意見を聴取したというのがこの視察の実態であります。
 地元のケニアのデーリー・ネーションという新聞が、我々の視察に対して、当初この日本の議員団は、待機していたケニア代表団を残したまま、日本語のできる事業技術者の同行のもと独自に事業地を訪問することを決めるなど緊張感漂う場面もあった、電力公社職員によると、日本の議員団は最大限独立しての調査を希望し、キスム空港到着時にはプロジェクトの車両に乗ることさえ拒否し、独自でチャーターした車で事業地を視察したというふうに報道されておりますように、かなり我々としては客観的な立場からきちっとソンドゥ・ミリウ水力発電の状況について把握をしてきたつもりでございます。
 この中で、日本において、明らかに間違った情報の中で国会質問をされているという例が実はたくさんあったということを言わざるを得ないことがございます。幾つもそういう例はあるわけでありますけれども、例えば象徴的な例として、金額の問題ですけれども、小学校二つの建設費が四億二千万もかかっているのは異常ではないか、何らかの汚職とかあるいは不正等が行われているのではないか、これについてきちっと調べろ、こういう質問をされた、あるいは質問主意書を出された議員の方もおられました。
 実際、調べてみますと、小学校二校、それから中学校一校、また教会、そしてそれを含めて周辺の土地整備等、合わせて二億五千七百万が使われていたということで、我が国の状況等考えて、また現場の物価から考えて、決して高い額ではなかった。
 その中で、例えば小学校では一つ九百万を超える始業ベルが使われている、これも同じような趣旨で問題ではないかということが委員会で取り上げられていましたが、実は、九百万のベルではなくて、九百ケニア・シリングのベルだった。九百ケニア・シリングというのは、日本円にして千四百円なんです。この千四百円のベルをそこの責任者が寄贈を学校にしたということが、どういうわけか九百万を超える始業ベルとなった。
 事ほどさように、このような間違った形で我が国に対して情報が入っている部分があるのではないかということが現地に行ってわかった。
 それから、これはポイントだと思いますが、河川維持流量です。この発電所ができることによって、今申し上げましたように、ダムではないわけですから、トンネルに水を引いて、そのトンネルから水を流すことによって電気を出す、その導水路の方の水をソンドゥ川から転流すると水が減ってしまう。特に、ケニアにおいては、乾季、雨季がはっきりしております。乾季においてこの発電所の取水堰から水をとることによって、下流における生態系に影響し、それは、例えば下流には滝があるんですが、滝が枯渇するとか、あるいは周辺の森林が影響されるとか、あらゆる生態系への影響があるのではないかということも取り上げられておりましたが、実際は、もちろんその後の地元の方々との協議の上でもあるかというふうに思いますが、一定のソンドゥ川の水については確保するということで、乾季において一定以下になればこの発電所の水はとらないということで、これはちょっと日本においても考えられないぐらいですね。ですから、その期間は発電所が停止するということを前提としてつくられているということで、大変に民主的なシステムで考えられているのではないかということがわかったということであります。
 それから、なぜそのような、ある意味では誤解されあるいは間違った情報が我が国のNGOを通じて来ているのかということは、現地のNGOの方々、特に、反対をしているNGOの方々にお会いしたわけですけれども、その反対をしているNGOの方々、コピヨ元議員、それから気候・ネットワーク・アフリカのアクム女史等々、五、六人の方々にお会いしたわけですけれども、お二人の元国会議員がこのNGO、ソンドゥ・ミリウの代表者になっているんですが、この反対派のNGOの元国会議員というのは、この国も小選挙区制でございまして、落選した議員が、地元のケニアの人たちの言い方をそのまま申し上げれば、来年に選挙があるんですが、来年の選挙のために自分の政治運動としてこのソンドゥ・ミリウの反対運動をNGOをつくって、やっている。事実、そういう方々にお会いしたということでございます。
 ですから、そういう政治的な思惑の中でそのままNGOの方々の意見を聞くと、逆に我々が利用される、誤解される。こういう状況が実はケニアのNGOの中にあって、我が国のNGOとはその辺の性格が異なっているということも、現地で実際にそういう方々に会って感じたことでございます。
 しかし、そういう反対をしているNGOの方々を含めまして、これはモイ大統領から地元の人たちも、我々が行ったときには、これは組織化されたとはとても思えませんが、地元住民の方々が、とにかく日本から国会議員が来たのは初めてだと。そもそも外務委員会としてケニアどころかアフリカ地域に視察に行ったのは初めてのことであったわけでありますけれども、ぜひこの第二次借款、このソンドゥ・ミリウ水力発電が継続できるようにぜひしてくれという住民の方々の熱烈な要請といいますか要望といいますか、それを受けた中での視察であったということについて御報告を申し上げたいと思います。
 しかし、そういう状況があるにもかかわらずストップをして、そして一年半ぐらいたって、そして我が国でも国会で再三取り上げられて問題になっているそのプロジェクトが、ことしの一月の二十四日に住民対話集会というのを開きまして、これは、その事業がストップしているということで、関係の方々に集まってもらう、この事業の現状報告と、それから地元住民、NGO等々の方々から意見、要望、不満を聴取することを目的として開催をし、そしてその結果、この事業のために住民代表、それから有識者、NGOから成る技術委員会というのを設置をしたんですね。この技術委員会を通して、ソンドゥ・ミリウの事業については地元の方々の意見を反映しながら進めていこうということで、この技術委員会には先ほど申し上げました反対派のNGOの方々も入りまして、そして、この技術委員会を雇用と経済活動問題担当小委員会、それから補償と移住問題担当小委員会、環境問題担当小委員会、安全と健康問題担当小委員会という委員会をつくって、住民対話集会を行っているという状況でございます。
 この住民対話集会等の中での技術委員会で、最近、特にこの七月になってから、ぜひこのプロジェクトは進めてほしい、住民はこの事業の完成を必要としている、本事業によってもたらされる便益はこれに派生して生じている問題をはるかに上回るということがこの技術委員会で報告をされ、また、このNGO等を通じた地域の住民の苦情とか懸念、これについても、正しいものもあれば、しかし、的を得ていないものもあるということで、かなり民主的な技術委員会をつくった中で結論を設けて、ぜひこれを進めるべきであるということを提案をしております。
 また、先ほどの反対をしているNGOの人たちも、この事業そのものについては、ぜひこれはケニアにとって必要なものであるから進めてほしいということであります。ちょっと客観的なうがった見方をすれば、これは我が国に対してもそうですし、またケニア政府に対してもそうですが、反対しているNGOの人たちからすれば、ごね得といってはちょっと言葉は語弊があるかもしれませんけれども、もっといろいろなことを要求することによって資金を引き出すということのために反対をしている部分もかなりあるのではないか。それぐらい、日本でも同じようなプロジェクトはいろいろとあると思うんですが、このプロジェクトが中断したことによってこのような技術委員会をつくって、そして地元の人たちの意見を丁寧に継続をして聞くというようなことはちょっと考えられないことではないかと思います。
 ちなみに、道路をつくって、そして建築資材等を運ぶ中でほこりが出る、粉じんの問題があるということで、これは日本ではちょっと考えられませんが、一、二時間ごとに山の中で、民家がそれほどある地域ではないんですけれども、そういうところにいわゆる水まきをすることによって、数時間ごとにほこりを立てないように立てないようにという配慮をしたり、さらには百メートル置きぐらいに土盛りをつくりまして、車がスピードを出せないようにするというような、日本でもしないような大変な配慮を環境対策としては随分気を使ってされている。逆に日本以上にケニアの方が環境問題についてははるかに先進国で、また、住民の人たちの意見を随分聞いているのではないかというのが我々の感想でございます。
 これをしていると話がこれだけで終わってしまいますので、このあとはまた二十七日の報告会で土肥委員長を中心として詳しく行うと思いますので、ちょっと質問をさせていただきたいと思うんですが。
 一つは、今申し上げましたような技術委員会ですね。これはNGOとか学者とか事業機関等の代表が定期的に参加をしてやっているわけですけれども、こういう委員会がケニアとかそのほかの国において設けられている、そういう前例は実際あるのかどうか、日本ではちょっと聞いたことはないんですが、これについてお聞きしたいと思います。
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植竹繁雄#28
○植竹副大臣 ただいま下村委員のお尋ねの技術委員会のことでございますが、その前に、この十五年以上にわたりましたソンドゥ・ミリウ水力発電計画についてのいろいろな問題がございました。しかし、今回は委員長を初め委員の方々がじかに行って、百聞は一見にしかずということで、いろいろなことを調査され、しかもこれが評価されているということは、本当にこの委員会の派遣ということは意義があったものと思います。
 特に、ODAに関してのいろいろなうわさがございますが、こういう問題も一切、ODAが借款を行う場合に、綿密に計算されたものであるということを裏づけた、そういう意味におきまして、非常に高い評価をされるものだと個人的には思っております。
 さて、今お尋ねの技術委員会のことでございますが、近年、世界的にこの環境、社会問題という意識が高まってまいりましたところでございますが、我が国といたしましては、こういった円借款事業の実施に当たりまして、被援助国の事業実施機関が住民やあるいはNGOから意見を聞くという、公聴会を開催するということはありました、このような例はほかにもありました。しかし、この技術委員会のように、住民あるいはNGO、事業実施機関の代表や有識者の方々が事業実施上の問題について定期的に協議し、あるいは解決策を提言するという枠組みが設けられたことは、近年、他に同様の例があるとは聞いておりません。
 したがって、この委員会の取り組みにつきましては、被援助国の側においていろいろな立場の利害関係者を含む幅広い範囲の人々の参加を得まして、社会、環境問題などの事業実施上の問題に対応するような真剣な姿勢を示すものとして評価に値するものと考えております。
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下村博文#29
○下村委員 ありがとうございます。
 今お答えいただいたように、技術委員会等を設置するということから見ても、一〇〇%とは言えないかもしれませんが、かなり地域住民の苦情、懸念については配慮しているということで、環境問題等については非常に対応しているのではないかというのが私の結論でございます。
 また、政治家の関与の問題でありますが、これは直接わからない部分もありますが、現地の関係の方々との話し合いの中で、特定の政治家の関与はあり得ない、これは大臣も既に答弁されていますが、改めて現地へ行ってそういう認識を持ちました。
 それから、債務負担能力の問題でありますが、これについては、ケニアの債務負担能力について外務省の見解をちょっと確認をしていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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