外務委員会
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会
会議録情報#0
平成十四年十二月六日(金曜日)
午前九時一分開議
出席委員
委員長 池田 元久君
理事 今村 雅弘君 理事 嘉数 知賢君
理事 河野 太郎君 理事 水野 賢一君
理事 首藤 信彦君 理事 中川 正春君
理事 上田 勇君
伊藤 公介君 植竹 繁雄君
高村 正彦君 下地 幹郎君
新藤 義孝君 谷田 武彦君
土屋 品子君 松宮 勲君
宮澤 洋一君 伊藤 英成君
金子善次郎君 桑原 豊君
前田 雄吉君 吉田 公一君
丸谷 佳織君 土田 龍司君
松本 善明君 東門美津子君
小池百合子君 鹿野 道彦君
柿澤 弘治君
…………………………………
外務大臣政務官 新藤 義孝君
外務大臣政務官 土屋 品子君
参考人
(財団法人国際開発センタ
ーエネルギー・環境室長) 畑中 美樹君
参考人
(防衛大学校総合安全保障
研究科教授) 立山 良司君
参考人
(軍事評論家) 江畑 謙介君
外務委員会専門員 辻本 甫君
—————————————
委員の異動
十二月六日
辞任 補欠選任
中本 太衛君 谷田 武彦君
藤島 正之君 土田 龍司君
松浪健四郎君 小池百合子君
同日
辞任 補欠選任
谷田 武彦君 中本 太衛君
土田 龍司君 藤島 正之君
小池百合子君 松浪健四郎君
同日
理事藤島正之君同日委員辞任につき、その補欠として藤島正之君が理事に当選した。
—————————————
十二月六日
アメリカのイラク攻撃反対に関する請願(大島令子君紹介)(第九六六号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国際情勢に関する件(イラク・中東問題)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時一分開議
出席委員
委員長 池田 元久君
理事 今村 雅弘君 理事 嘉数 知賢君
理事 河野 太郎君 理事 水野 賢一君
理事 首藤 信彦君 理事 中川 正春君
理事 上田 勇君
伊藤 公介君 植竹 繁雄君
高村 正彦君 下地 幹郎君
新藤 義孝君 谷田 武彦君
土屋 品子君 松宮 勲君
宮澤 洋一君 伊藤 英成君
金子善次郎君 桑原 豊君
前田 雄吉君 吉田 公一君
丸谷 佳織君 土田 龍司君
松本 善明君 東門美津子君
小池百合子君 鹿野 道彦君
柿澤 弘治君
…………………………………
外務大臣政務官 新藤 義孝君
外務大臣政務官 土屋 品子君
参考人
(財団法人国際開発センタ
ーエネルギー・環境室長) 畑中 美樹君
参考人
(防衛大学校総合安全保障
研究科教授) 立山 良司君
参考人
(軍事評論家) 江畑 謙介君
外務委員会専門員 辻本 甫君
—————————————
委員の異動
十二月六日
辞任 補欠選任
中本 太衛君 谷田 武彦君
藤島 正之君 土田 龍司君
松浪健四郎君 小池百合子君
同日
辞任 補欠選任
谷田 武彦君 中本 太衛君
土田 龍司君 藤島 正之君
小池百合子君 松浪健四郎君
同日
理事藤島正之君同日委員辞任につき、その補欠として藤島正之君が理事に当選した。
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十二月六日
アメリカのイラク攻撃反対に関する請願(大島令子君紹介)(第九六六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
国際情勢に関する件(イラク・中東問題)
————◇—————
池
池田元久#1
○池田委員長 これより会議を開きます。
国際情勢に関する件、特にイラク・中東問題について調査を進めます。
本日は、本件調査のため、参考人として、財団法人国際開発センターエネルギー・環境室長畑中美樹氏、防衛大学校総合安全保障研究科教授立山良司氏、軍事評論家江畑謙介氏、以上の三名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにしております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、畑中参考人、立山参考人、江畑参考人の順序で、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。
それでは、畑中参考人にお願いをいたします。
この発言だけを見る →国際情勢に関する件、特にイラク・中東問題について調査を進めます。
本日は、本件調査のため、参考人として、財団法人国際開発センターエネルギー・環境室長畑中美樹氏、防衛大学校総合安全保障研究科教授立山良司氏、軍事評論家江畑謙介氏、以上の三名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにしております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、畑中参考人、立山参考人、江畑参考人の順序で、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。
それでは、畑中参考人にお願いをいたします。
畑
畑中美樹#2
○畑中参考人 御紹介いただきました畑中でございます。
本日は、私の方では、イラクの石油の生産、開発の動向を国際石油情勢との関係でお話しさせていただきます。よろしくお願いいたします。
私は、主に四点、最近の石油価格の動向、イラクの石油生産停止時の影響、過去十年余りのイラクの石油生産量の推移、イラクの新規石油開発の動きについて御説明をさせていただきまして、最後に若干、我が国への影響あるいはインプリケーションについて述べたいと思います。
まず、最近の石油価格の動向でございますが、石油輸出国機構、OPECは、指標として、OPECの六カ国とメキシコの合計七カ国の代表的な原油で構成されますOPECバスケット価格というものを目標としてつくっておりまして、これが一バレル当たり二十二ドルから二十八ドルの範囲におさまることを目標としております。
お手元に配付をさせていただきました資料の一ページをごらんいただきますと、過去数年間のこのOPECバスケット価格の推移が出ております。
この動向を簡単に振り返ってみますと、一九九七年に十八・六八ドルでありましたものが、九八年には十二・二八ドルに低下し、その後、九九年十七・四七ドル、二〇〇〇年二十七・六〇ドル、二〇〇一年二十三・一二ドル、そして二〇〇二年は、これまでのところおおよそ二十四ドル弱と、年ごとに変動しております。ただし、二〇〇〇年以降は、需要の増加とOPEC自身による生産量の削減の結果、OPECの目標とする範囲におさまっております。
次に、二ページ目で、この一年のOPECバスケット価格の推移を見てみたいと思います。
昨年の十一月からことしの二月にかけまして、OPECバスケット価格は、おおよそ十七ドル台から十八ドル台で推移しておりました。それがその後、三月から六月までは、イスラエルとパレスチナ情勢の緊迫化もありまして上昇いたしまして、二十二ドルから二十五ドルの範囲での変動となりました。さらにその後は、イラクをめぐる情勢を背景としまして一段の上昇となりまして、七月、八月の二十五ドル台を経まして、九月、十月は二十七ドル台にまで上がりました。十一月になりますと、御承知のように、国連の安全保障理事会でのイラクに対する大量破壊兵器の査察を求める決議一四四一号が採択されたことを受けまして、若干下がっておりまして、二十四ドル台へとなっております。
しかし、査察の行方が判然としていないこともありまして、石油価格の先行きにも不透明感が増しているのが現状でございます。
次に、イラクの石油生産が停止した場合の影響についてお話をさせていただきたいと思います。
この十月から十二月の世界の石油の需給バランスというものを国際エネルギー機関、IEAの資料をもとに考えてみますと、お手元の資料ですと三ページになりますけれども、仮にOPECが十月と同様の生産を続けることができるとすれば、この第四・四半期、十—十二月にはプラス五十三万バレル・パー・デー、つまり一日当たり五十三万バレルの余剰となります。
その状況下で、仮にイラクの石油生産が停止した場合ですけれども、石油の需給バランスは、その右にありますように、一日当たり百九十二万バレルの不足となります。ただし、その場合でも、OPECは現在、一日当たり大体三百二十万バレル強ぐらいの余剰生産能力を持っておりますので、その六〇%を稼働させれば需給は均衡いたします。
同様に考えますと、来年の第一・四半期、一—三月はOPECが余剰生産能力の約四分の一ほどを稼働させれば需給は均衡いたしますし、さらに、来年の四—六月、第二・四半期は不需要期となりますので、イラクの生産が停止した状態でも、一日当たり七十万バレル弱の余剰となるというふうに予想されます。
したがいまして、仮にイラクの石油の生産が何らかの事情によって停止しましても、OPECが余剰生産能力を稼働させれば石油の不足にはならないということになります。
ただ、例外がございます。
資料の三の一番右にございますように、OPECの余剰生産能力のほぼ半分がサウジアラビアという国に集中しております。したがいまして、何らかの理由でサウジアラビアが余剰生産能力を活用できない事態があった場合には、時期にもよりますけれども、サウジアラビア以外の諸国が余剰生産能力を稼働させても不足分を充足できない、そういう事態はあり得るかと思います。
ただ、もっとも、その場合でも、三ページの下の方に付記してございますけれども、日米欧等のOECD諸国全体でことしの九月末時点で約十二億五千万バレルの政府備蓄がございますので、これを放出すれば、世界全体としては石油不足は回避できることになると思います。
次に、第三点でございますけれども、過去十年余りのイラクの石油生産量の推移について若干御説明させていただきます。
お手元の資料四ページになります。
イラクで現在のサダム・フセイン大統領が政権の座につきましたのが一九七九年でございますけれども、イラクの石油の生産量は、ちょうどその年が大体三百五十万バレル・パー・デー、一日当たり三百五十万バレルということでピークでございました。
その後は、八〇年九月から八八年八月までのイランとの約八年に及ぶ戦争、その後の九〇年八月の湾岸危機、そして九一年一月から三月までの湾岸戦争、さらにそれ以降今日まで続く国連の経済制裁によりまして、生産量は大きく上下変動してきました。
ただし、過去三年ほどは一日当たり約二百五十万バレルの生産量となっています。そうはいいましても、この間、石油関連設備の老朽化がありますものですから、生産能力は次第に落ちてきております。なお、ことしにつきましては、これまでのところ一日当たり約二百三十万バレルの生産量にとどまっております。
第四点として、イラクの新規の石油開発の動きについて御説明をさせていただきたいと思います。
お手元の資料で五ページ目から七ページ目がその資料になりますけれども、イラクの現在の石油資源の確認埋蔵量ですが、これは約一千百二十億バレルと、サウジアラビアに次ぎまして世界第二位でございます。このほかに、さらに潜在埋蔵量ということで二千二百億バレルがあると言われております。
このように、イラクにつきましては、石油の資源埋蔵量は大きいのですけれども、これまで外国企業による大規模な開発は行われてまいりませんでした。このため、イラクには現在、約七十四もの発見された油田があるのですけれども、この中で本格的に生産に移行しているのはわずか十五油田にすぎません。
資料七ページにございますように、一番上でございますが、確認埋蔵量が百八十億バレルと見られる、大変大規模なウエスト・クルナ、さらに、それを上回るような規模があると言われておるマジュヌーンその他、未開発の巨大油田がメジロ押しの状況でございます。
この中で一番目の、今申し上げましたウエスト・クルナの開発は、ルクオイルというロシアの企業を初めとするロシア勢と契約が既に行われておりますし、その下のマジュヌーンですとか、あるいは、いま少し下に行きますと、ナハル・ウマルというのがございますが、このあたりはフランスのトタール・フィナ・エルフという会社が押さえております。このほか、中国勢ですとかマレーシア勢などもイラクとの交渉を行ってきております。
これらの諸国の中で最大手は、申すまでもなくロシアとフランスでございます。両国は、イラクに対しまして、石油の利権のみならず、過去の武器輸出に関連した巨額の債権も保有しております。未回収代金は、ロシアが、これは判然としませんが、大体七十から九十億ドルぐらい、フランスが約四十五億ドルぐらいではないかと言われております。
各国は一様に、こうした石油の権益ですとか債権の今後の行方を懸念しているところでございます。
最後に、我が国への影響、インプリケーションということでございますけれども、振り返ってみますと、九一年一月に始まりました湾岸戦争のときですが、開戦と同時に石油価格は低下をいたしまして、しかも、その後の数週間では、結局、約五〇%下落いたしました。
今回についてでございますが、先行きどうなるかわかりませんけれども、中東の経済・石油専門誌は、仮に軍事攻撃に至ったとしても油価については湾岸戦争時と同様の事態が再び起きるというふうに見ております。また、ワシントンにございます石油の専門会社も、来年、二〇〇三年には、石油価格については下方、つまり下がる方への圧力が働くというふうに見ております。
さらに、このワシントンの石油専門の企業は、今後数年間という期間で見ますと、イラクの輸出量が最低でも今より一日当たり百万バレル増加しますし、仮に安定した親西側の政権がイラクに樹立されるとすれば、イラクの石油生産量は、現在二百三十とか二百五十万バレル・パー・デーなんですけれども、これが約倍増の一日当たり五百万バレル超へと著しく増加するというふうに分析しておりまして、いずれにしましても、今後数年間で見た場合には石油価格は下落する可能性が高いというふうに予測しております。
なお、第一次石油危機が石油武器の発動によって引き起こされたということで、アラブの産油国が再び石油を武器として使用するのではないかという懸念の声も聞かれますけれども、この秋ロンドンを訪問したベネズエラのチャベス大統領は、石油というのが民生用、特に暖房、発電、運輸等に使われている、そういう戦略的資源であるということにかんがみて、OPECとしてこれを政治的武器として使用すべきではないという考えをはっきりと述べております。
また、むしろ、サウジアラビアを初めとします湾岸の産油国は、不測の事態に備える意味で、この秋に増産をしまして、ひそかに備蓄を行っているような状況でございます。
したがいまして、我が国としましては、我が国に石油備蓄が十分にあることを周知徹底することで国民の不安をなくするとともに、不測の事態に備えまして、石油不足の発生を未然に防ぐための備蓄の放出体制の点検を改めて行っていくことが肝要ではないかと思います。
以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、私の方では、イラクの石油の生産、開発の動向を国際石油情勢との関係でお話しさせていただきます。よろしくお願いいたします。
私は、主に四点、最近の石油価格の動向、イラクの石油生産停止時の影響、過去十年余りのイラクの石油生産量の推移、イラクの新規石油開発の動きについて御説明をさせていただきまして、最後に若干、我が国への影響あるいはインプリケーションについて述べたいと思います。
まず、最近の石油価格の動向でございますが、石油輸出国機構、OPECは、指標として、OPECの六カ国とメキシコの合計七カ国の代表的な原油で構成されますOPECバスケット価格というものを目標としてつくっておりまして、これが一バレル当たり二十二ドルから二十八ドルの範囲におさまることを目標としております。
お手元に配付をさせていただきました資料の一ページをごらんいただきますと、過去数年間のこのOPECバスケット価格の推移が出ております。
この動向を簡単に振り返ってみますと、一九九七年に十八・六八ドルでありましたものが、九八年には十二・二八ドルに低下し、その後、九九年十七・四七ドル、二〇〇〇年二十七・六〇ドル、二〇〇一年二十三・一二ドル、そして二〇〇二年は、これまでのところおおよそ二十四ドル弱と、年ごとに変動しております。ただし、二〇〇〇年以降は、需要の増加とOPEC自身による生産量の削減の結果、OPECの目標とする範囲におさまっております。
次に、二ページ目で、この一年のOPECバスケット価格の推移を見てみたいと思います。
昨年の十一月からことしの二月にかけまして、OPECバスケット価格は、おおよそ十七ドル台から十八ドル台で推移しておりました。それがその後、三月から六月までは、イスラエルとパレスチナ情勢の緊迫化もありまして上昇いたしまして、二十二ドルから二十五ドルの範囲での変動となりました。さらにその後は、イラクをめぐる情勢を背景としまして一段の上昇となりまして、七月、八月の二十五ドル台を経まして、九月、十月は二十七ドル台にまで上がりました。十一月になりますと、御承知のように、国連の安全保障理事会でのイラクに対する大量破壊兵器の査察を求める決議一四四一号が採択されたことを受けまして、若干下がっておりまして、二十四ドル台へとなっております。
しかし、査察の行方が判然としていないこともありまして、石油価格の先行きにも不透明感が増しているのが現状でございます。
次に、イラクの石油生産が停止した場合の影響についてお話をさせていただきたいと思います。
この十月から十二月の世界の石油の需給バランスというものを国際エネルギー機関、IEAの資料をもとに考えてみますと、お手元の資料ですと三ページになりますけれども、仮にOPECが十月と同様の生産を続けることができるとすれば、この第四・四半期、十—十二月にはプラス五十三万バレル・パー・デー、つまり一日当たり五十三万バレルの余剰となります。
その状況下で、仮にイラクの石油生産が停止した場合ですけれども、石油の需給バランスは、その右にありますように、一日当たり百九十二万バレルの不足となります。ただし、その場合でも、OPECは現在、一日当たり大体三百二十万バレル強ぐらいの余剰生産能力を持っておりますので、その六〇%を稼働させれば需給は均衡いたします。
同様に考えますと、来年の第一・四半期、一—三月はOPECが余剰生産能力の約四分の一ほどを稼働させれば需給は均衡いたしますし、さらに、来年の四—六月、第二・四半期は不需要期となりますので、イラクの生産が停止した状態でも、一日当たり七十万バレル弱の余剰となるというふうに予想されます。
したがいまして、仮にイラクの石油の生産が何らかの事情によって停止しましても、OPECが余剰生産能力を稼働させれば石油の不足にはならないということになります。
ただ、例外がございます。
資料の三の一番右にございますように、OPECの余剰生産能力のほぼ半分がサウジアラビアという国に集中しております。したがいまして、何らかの理由でサウジアラビアが余剰生産能力を活用できない事態があった場合には、時期にもよりますけれども、サウジアラビア以外の諸国が余剰生産能力を稼働させても不足分を充足できない、そういう事態はあり得るかと思います。
ただ、もっとも、その場合でも、三ページの下の方に付記してございますけれども、日米欧等のOECD諸国全体でことしの九月末時点で約十二億五千万バレルの政府備蓄がございますので、これを放出すれば、世界全体としては石油不足は回避できることになると思います。
次に、第三点でございますけれども、過去十年余りのイラクの石油生産量の推移について若干御説明させていただきます。
お手元の資料四ページになります。
イラクで現在のサダム・フセイン大統領が政権の座につきましたのが一九七九年でございますけれども、イラクの石油の生産量は、ちょうどその年が大体三百五十万バレル・パー・デー、一日当たり三百五十万バレルということでピークでございました。
その後は、八〇年九月から八八年八月までのイランとの約八年に及ぶ戦争、その後の九〇年八月の湾岸危機、そして九一年一月から三月までの湾岸戦争、さらにそれ以降今日まで続く国連の経済制裁によりまして、生産量は大きく上下変動してきました。
ただし、過去三年ほどは一日当たり約二百五十万バレルの生産量となっています。そうはいいましても、この間、石油関連設備の老朽化がありますものですから、生産能力は次第に落ちてきております。なお、ことしにつきましては、これまでのところ一日当たり約二百三十万バレルの生産量にとどまっております。
第四点として、イラクの新規の石油開発の動きについて御説明をさせていただきたいと思います。
お手元の資料で五ページ目から七ページ目がその資料になりますけれども、イラクの現在の石油資源の確認埋蔵量ですが、これは約一千百二十億バレルと、サウジアラビアに次ぎまして世界第二位でございます。このほかに、さらに潜在埋蔵量ということで二千二百億バレルがあると言われております。
このように、イラクにつきましては、石油の資源埋蔵量は大きいのですけれども、これまで外国企業による大規模な開発は行われてまいりませんでした。このため、イラクには現在、約七十四もの発見された油田があるのですけれども、この中で本格的に生産に移行しているのはわずか十五油田にすぎません。
資料七ページにございますように、一番上でございますが、確認埋蔵量が百八十億バレルと見られる、大変大規模なウエスト・クルナ、さらに、それを上回るような規模があると言われておるマジュヌーンその他、未開発の巨大油田がメジロ押しの状況でございます。
この中で一番目の、今申し上げましたウエスト・クルナの開発は、ルクオイルというロシアの企業を初めとするロシア勢と契約が既に行われておりますし、その下のマジュヌーンですとか、あるいは、いま少し下に行きますと、ナハル・ウマルというのがございますが、このあたりはフランスのトタール・フィナ・エルフという会社が押さえております。このほか、中国勢ですとかマレーシア勢などもイラクとの交渉を行ってきております。
これらの諸国の中で最大手は、申すまでもなくロシアとフランスでございます。両国は、イラクに対しまして、石油の利権のみならず、過去の武器輸出に関連した巨額の債権も保有しております。未回収代金は、ロシアが、これは判然としませんが、大体七十から九十億ドルぐらい、フランスが約四十五億ドルぐらいではないかと言われております。
各国は一様に、こうした石油の権益ですとか債権の今後の行方を懸念しているところでございます。
最後に、我が国への影響、インプリケーションということでございますけれども、振り返ってみますと、九一年一月に始まりました湾岸戦争のときですが、開戦と同時に石油価格は低下をいたしまして、しかも、その後の数週間では、結局、約五〇%下落いたしました。
今回についてでございますが、先行きどうなるかわかりませんけれども、中東の経済・石油専門誌は、仮に軍事攻撃に至ったとしても油価については湾岸戦争時と同様の事態が再び起きるというふうに見ております。また、ワシントンにございます石油の専門会社も、来年、二〇〇三年には、石油価格については下方、つまり下がる方への圧力が働くというふうに見ております。
さらに、このワシントンの石油専門の企業は、今後数年間という期間で見ますと、イラクの輸出量が最低でも今より一日当たり百万バレル増加しますし、仮に安定した親西側の政権がイラクに樹立されるとすれば、イラクの石油生産量は、現在二百三十とか二百五十万バレル・パー・デーなんですけれども、これが約倍増の一日当たり五百万バレル超へと著しく増加するというふうに分析しておりまして、いずれにしましても、今後数年間で見た場合には石油価格は下落する可能性が高いというふうに予測しております。
なお、第一次石油危機が石油武器の発動によって引き起こされたということで、アラブの産油国が再び石油を武器として使用するのではないかという懸念の声も聞かれますけれども、この秋ロンドンを訪問したベネズエラのチャベス大統領は、石油というのが民生用、特に暖房、発電、運輸等に使われている、そういう戦略的資源であるということにかんがみて、OPECとしてこれを政治的武器として使用すべきではないという考えをはっきりと述べております。
また、むしろ、サウジアラビアを初めとします湾岸の産油国は、不測の事態に備える意味で、この秋に増産をしまして、ひそかに備蓄を行っているような状況でございます。
したがいまして、我が国としましては、我が国に石油備蓄が十分にあることを周知徹底することで国民の不安をなくするとともに、不測の事態に備えまして、石油不足の発生を未然に防ぐための備蓄の放出体制の点検を改めて行っていくことが肝要ではないかと思います。
以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
池
立
立山良司#4
○立山参考人 立山でございます。
私は、中東・イラク情勢をこの限られた時間ですべて概説するというよりは、むしろ、政策的な観点を含めた日本の課題について、四点、お話をいたしたいと思います。
一つは、イラク問題に対する国際的な協調体制を維持することの重要性、二番目は、もし対イラク攻撃が行われた場合の日本の対応について考えるべき基本的な課題、三番目は中東和平問題への対処、四番目は、やや中長期的な視点を含めたユーラシア大陸における地域的な安全保障体制の構築への取り組みでございます。
まず最初に、イラク問題に対します国際的な協調体制の維持という点でございますけれども、現在行われているイラクでの査察は、御承知のとおり、十一月八日に成立いたしました国連安全保障理事会決議千四百四十一号に基づいております。この決議は、シリアを含む十五カ国の満場一致で採択されたものであり、大量破壊兵器の保有疑惑に関する明確で一致したメッセージをイラクや世界に伝えるものとなったわけでございます。このような国際的な協調体制の確立は、イラクの大量破壊兵器保有問題に対する脅威認識を国際社会が共有しているということを示すものであり、さらに、査察を含む国際社会の対処が国際的な合意に基づくものであるとの確固とした正当性を与えるものになっております。
加えて、このイラク問題の本質の一つは、我が国にとっても非常に重要な問題であります大量破壊兵器やミサイル技術の拡散という問題にどう対処するかという点にあり、この問題に対する国際社会の統一的な取り組みを示すものとなっております。
もちろん、決議に盛り込まれたイラクの「さらなる重大な違反」があった場合にどのように対応するかについては立場が異なっており、米国は、場合によっては新たな決議なしにでもイラクに対する軍事作戦に踏み切るとの立場を明らかにしております。しかし、もし新しい決議がなしにアメリカが軍事行動に踏み切れば、現在形成されている国際的な協調体制に重大な亀裂が生じ、十分な正当性を欠いたまま恣意的に大国が戦争を始めたという議論が起き、戦後の秩序形成は大きく阻害される可能性があります。特に、アラブ・イスラム世界では反米感情がさらに高まり、テロの増加など国際社会の不安定化をむしろ増大する結果になりかねません。
その意味で、我が国といたしましては、現時点におきましても、米国への働きかけを含め、安保理決議千四百四十一号の成立で示された国際的な協調体制をできるだけ維持するといった外交的な働きかけを最大限に行う必要があると考えております。
二番目に、では実際にもしイラクに対する攻撃が行われた場合について意見を述べさせていただきます。
もちろん、イラク攻撃が行われた場合、我が国の対応も、武力行使を容認する新しい安保理決議が成立するか否かによって大きく異なってまいります。
ただ、いずれの場合におきましても、一たん戦争となれば現在のサダム・フセイン体制が崩壊することはほぼ確実であり、このことは、イラクの将来にはもちろん、ペルシャ湾の安全保障環境や中東和平問題、さらにイスラム世界に大きなインパクトをもたらします。それゆえ、新たな安保理決議があるなしにかかわらず、もしイラクに対する軍事行動ということになれば、我が国としては、これを座視したり、あるいは単に反対を唱えるだけでなく、より積極的な対応が求められると考えます。
まず、新たな安保理決議に基づいて軍事行動が行われるとなれば、我が国としては法的に可能な最大限の共同行動をとるべきかと考えます。さきにも申し上げましたように、国際協調体制の重要性を強く主張する以上、国際的な合意に基づいた武力による脅威の除去という行動に対し、可能な限りの協力をすることは論理的な帰結であります。その意味で、もし現行法で不十分であるとするならば、特別立法も視野に入れる必要があるかと考えます。
他方、新たな安保理決議なしで、もし軍事行動が行われた場合、我が国の対応は極めて難しいものになります。申し上げるまでもなく、米国への反発を強める中東・イスラム世界との関係をできるだけ良好に保つ一方で、対米関係も重視しなければなりません。その意味では、中東・イスラム世界との関係維持か対米協調かという二者択一ではなく、そのいずれも一定程度満足させる必要があるわけでございます。
そのためには、まずできるだけ目立たない形や方法で米国に対する協力を推進する一方で、人道的な観点を軸に、イラクや周辺諸国に戦争がもたらす惨禍を少しでも緩和する取り組みを行うべきかと考えます。特に後者に関しましては、短期的にイラク国民に対するさまざまな救援活動を行う、あるいは周辺諸国における難民問題への対応などが考えられるかと思います。
より留意しなければならない問題は、決議なしで対イラク攻撃がもし行われた場合であっても、現在形成されている国際的な協調体制をできる限り維持する必要があるということでございます。もちろん、国際社会の中で意見の食い違いや対立がある程度表面化することは回避できませんが、深刻な対立や足並みの乱れが起きれば、イラクを含む中東地域、さらに世界における戦後の秩序形成に大きな悪影響を及ぼします。それゆえ、日本としては、決議なしで戦争になった場合でありましても、国際的な協調体制をできるだけ維持するための外交的な働きかけを主要国や関係国に行う必要があるかと考えます。
三番目に、中東和平プロセスに関して意見を申し上げます。
中東和平プロセスは、イラク問題と並行してますます重大な事態となっており、二つの問題が再び結びつくことが強く懸念されております。加えて、中東和平問題の帰趨に関しましてはイスラム世界全体が注目しているところであります。それゆえ、中東和平プロセスへの取り組みが一層大きな意味を持っていることは申し上げるまでもございません。
我が国は、およそ十年間にわたりパレスチナに対する多くの支援を行い、また、中東和平交渉でも一定の役割を果たしてまいりました。しかし、和平交渉が停滞し、暴力の連鎖が続く中で、我が国の取り組みはすっかり影を潜めております。もちろん、中東和平プロセスの推進に決定的な役割を果たし得るのは米国だけであり、EUや日本の役割は限られています。しかし、それにしても、中東和平プロセスにおける現在の日本の姿はますます目立たないものになっております。
例えば、現在、イスラエルとパレスチナの双方は、相互の不信感から、非公式な接触すらほとんどできないような状態が続いております。それゆえ、日本といたしましては、双方の対話促進のための枠組みを提供するといった努力、さらに、中東和平問題に関して、現在、各国は特使による外交活動を活発に行っております。その意味でも、我が国は中東和平問題に専門的に取り組む特使を任命し、関係各国との協調を図る、そうしたことで我が国の姿が中東で少しでも目に見えるようなものにすることが必要かと考えます。
最後に、中東から中央アジアにかけての地域的な安全保障システムのことについて意見を申し上げます。
従来、中東と中央アジア及びコーカサス地域は別々の地域とされていました。しかし、ソ連の崩壊以降、時に大中東あるいはメガ中東、グレーターミドルイーストといった表現で呼ばれるように、この三つの地域は有機的な一つの広大な地域を形成しつつあります。アフガニスタンの問題は、中央アジアと中東、さらに南アジアが政治的、軍事的に密接に連動していることを示しました。今後のイラク問題の展開も、この大中東、メガ中東地域の一体化をさらに促進すると思われます。
一方、このメガ中東、大中東において、米国の軍事的プレゼンスがますます増大しております。米国は、一九八〇年代まではペルシャ湾における軍事的なプレゼンスをほとんど有しておりませんでしたが、湾岸戦争を契機に、現在見られるような軍事的プレゼンスを確立いたしました。また、昨年の同時多発テロ事件以降のいわゆるテロとの闘いの中で、米国は中央アジアやコーカサス地域にも米軍を派遣し、軍事的なプレゼンスを確保しつつあります。さらに、イラク情勢の今後の展開の中で、ペルシャ湾から中央アジアにかけての米国の軍事的なプレゼンスはますます増大するものと考えられます。
こうした米国のユーラシア大陸中央部への進出は、米国とロシア、米国と中国との関係にも極めて深くかかわるものであり、日本にとっても重大な関心を持たざるを得ません。こうした視点を踏まえまして、やや中長期的な課題ではありますが、我が国としては幾つかの視点を設定しておく必要があるかと思います。
特に、この地域は地域紛争やテロが多発しており、かつ核保有国ないし保有を疑われている国が集中しているにもかかわらず、地域的な安全保障を協議する議論の場はほとんどございません。もちろん、これだけ広大な地域であり、諸問題が錯綜している中で、地域的な安全保障の協議システムを構築するための議論を進めることは容易なことではございません。しかし、ユーラシア大陸の中央部を核とするメガ中東、大中東の安定は我が国にとって非常に重要な課題でございます。イラク問題、中東和平問題への対応と並んで、中長期的な視点からメガ中東地域における地域的な安全保障の協議体制の構築の試みに我が国が先鞭をつける必要があるかと考えます。
以上で私の意見を終わらせていただきます。拍手
この発言だけを見る →私は、中東・イラク情勢をこの限られた時間ですべて概説するというよりは、むしろ、政策的な観点を含めた日本の課題について、四点、お話をいたしたいと思います。
一つは、イラク問題に対する国際的な協調体制を維持することの重要性、二番目は、もし対イラク攻撃が行われた場合の日本の対応について考えるべき基本的な課題、三番目は中東和平問題への対処、四番目は、やや中長期的な視点を含めたユーラシア大陸における地域的な安全保障体制の構築への取り組みでございます。
まず最初に、イラク問題に対します国際的な協調体制の維持という点でございますけれども、現在行われているイラクでの査察は、御承知のとおり、十一月八日に成立いたしました国連安全保障理事会決議千四百四十一号に基づいております。この決議は、シリアを含む十五カ国の満場一致で採択されたものであり、大量破壊兵器の保有疑惑に関する明確で一致したメッセージをイラクや世界に伝えるものとなったわけでございます。このような国際的な協調体制の確立は、イラクの大量破壊兵器保有問題に対する脅威認識を国際社会が共有しているということを示すものであり、さらに、査察を含む国際社会の対処が国際的な合意に基づくものであるとの確固とした正当性を与えるものになっております。
加えて、このイラク問題の本質の一つは、我が国にとっても非常に重要な問題であります大量破壊兵器やミサイル技術の拡散という問題にどう対処するかという点にあり、この問題に対する国際社会の統一的な取り組みを示すものとなっております。
もちろん、決議に盛り込まれたイラクの「さらなる重大な違反」があった場合にどのように対応するかについては立場が異なっており、米国は、場合によっては新たな決議なしにでもイラクに対する軍事作戦に踏み切るとの立場を明らかにしております。しかし、もし新しい決議がなしにアメリカが軍事行動に踏み切れば、現在形成されている国際的な協調体制に重大な亀裂が生じ、十分な正当性を欠いたまま恣意的に大国が戦争を始めたという議論が起き、戦後の秩序形成は大きく阻害される可能性があります。特に、アラブ・イスラム世界では反米感情がさらに高まり、テロの増加など国際社会の不安定化をむしろ増大する結果になりかねません。
その意味で、我が国といたしましては、現時点におきましても、米国への働きかけを含め、安保理決議千四百四十一号の成立で示された国際的な協調体制をできるだけ維持するといった外交的な働きかけを最大限に行う必要があると考えております。
二番目に、では実際にもしイラクに対する攻撃が行われた場合について意見を述べさせていただきます。
もちろん、イラク攻撃が行われた場合、我が国の対応も、武力行使を容認する新しい安保理決議が成立するか否かによって大きく異なってまいります。
ただ、いずれの場合におきましても、一たん戦争となれば現在のサダム・フセイン体制が崩壊することはほぼ確実であり、このことは、イラクの将来にはもちろん、ペルシャ湾の安全保障環境や中東和平問題、さらにイスラム世界に大きなインパクトをもたらします。それゆえ、新たな安保理決議があるなしにかかわらず、もしイラクに対する軍事行動ということになれば、我が国としては、これを座視したり、あるいは単に反対を唱えるだけでなく、より積極的な対応が求められると考えます。
まず、新たな安保理決議に基づいて軍事行動が行われるとなれば、我が国としては法的に可能な最大限の共同行動をとるべきかと考えます。さきにも申し上げましたように、国際協調体制の重要性を強く主張する以上、国際的な合意に基づいた武力による脅威の除去という行動に対し、可能な限りの協力をすることは論理的な帰結であります。その意味で、もし現行法で不十分であるとするならば、特別立法も視野に入れる必要があるかと考えます。
他方、新たな安保理決議なしで、もし軍事行動が行われた場合、我が国の対応は極めて難しいものになります。申し上げるまでもなく、米国への反発を強める中東・イスラム世界との関係をできるだけ良好に保つ一方で、対米関係も重視しなければなりません。その意味では、中東・イスラム世界との関係維持か対米協調かという二者択一ではなく、そのいずれも一定程度満足させる必要があるわけでございます。
そのためには、まずできるだけ目立たない形や方法で米国に対する協力を推進する一方で、人道的な観点を軸に、イラクや周辺諸国に戦争がもたらす惨禍を少しでも緩和する取り組みを行うべきかと考えます。特に後者に関しましては、短期的にイラク国民に対するさまざまな救援活動を行う、あるいは周辺諸国における難民問題への対応などが考えられるかと思います。
より留意しなければならない問題は、決議なしで対イラク攻撃がもし行われた場合であっても、現在形成されている国際的な協調体制をできる限り維持する必要があるということでございます。もちろん、国際社会の中で意見の食い違いや対立がある程度表面化することは回避できませんが、深刻な対立や足並みの乱れが起きれば、イラクを含む中東地域、さらに世界における戦後の秩序形成に大きな悪影響を及ぼします。それゆえ、日本としては、決議なしで戦争になった場合でありましても、国際的な協調体制をできるだけ維持するための外交的な働きかけを主要国や関係国に行う必要があるかと考えます。
三番目に、中東和平プロセスに関して意見を申し上げます。
中東和平プロセスは、イラク問題と並行してますます重大な事態となっており、二つの問題が再び結びつくことが強く懸念されております。加えて、中東和平問題の帰趨に関しましてはイスラム世界全体が注目しているところであります。それゆえ、中東和平プロセスへの取り組みが一層大きな意味を持っていることは申し上げるまでもございません。
我が国は、およそ十年間にわたりパレスチナに対する多くの支援を行い、また、中東和平交渉でも一定の役割を果たしてまいりました。しかし、和平交渉が停滞し、暴力の連鎖が続く中で、我が国の取り組みはすっかり影を潜めております。もちろん、中東和平プロセスの推進に決定的な役割を果たし得るのは米国だけであり、EUや日本の役割は限られています。しかし、それにしても、中東和平プロセスにおける現在の日本の姿はますます目立たないものになっております。
例えば、現在、イスラエルとパレスチナの双方は、相互の不信感から、非公式な接触すらほとんどできないような状態が続いております。それゆえ、日本といたしましては、双方の対話促進のための枠組みを提供するといった努力、さらに、中東和平問題に関して、現在、各国は特使による外交活動を活発に行っております。その意味でも、我が国は中東和平問題に専門的に取り組む特使を任命し、関係各国との協調を図る、そうしたことで我が国の姿が中東で少しでも目に見えるようなものにすることが必要かと考えます。
最後に、中東から中央アジアにかけての地域的な安全保障システムのことについて意見を申し上げます。
従来、中東と中央アジア及びコーカサス地域は別々の地域とされていました。しかし、ソ連の崩壊以降、時に大中東あるいはメガ中東、グレーターミドルイーストといった表現で呼ばれるように、この三つの地域は有機的な一つの広大な地域を形成しつつあります。アフガニスタンの問題は、中央アジアと中東、さらに南アジアが政治的、軍事的に密接に連動していることを示しました。今後のイラク問題の展開も、この大中東、メガ中東地域の一体化をさらに促進すると思われます。
一方、このメガ中東、大中東において、米国の軍事的プレゼンスがますます増大しております。米国は、一九八〇年代まではペルシャ湾における軍事的なプレゼンスをほとんど有しておりませんでしたが、湾岸戦争を契機に、現在見られるような軍事的プレゼンスを確立いたしました。また、昨年の同時多発テロ事件以降のいわゆるテロとの闘いの中で、米国は中央アジアやコーカサス地域にも米軍を派遣し、軍事的なプレゼンスを確保しつつあります。さらに、イラク情勢の今後の展開の中で、ペルシャ湾から中央アジアにかけての米国の軍事的なプレゼンスはますます増大するものと考えられます。
こうした米国のユーラシア大陸中央部への進出は、米国とロシア、米国と中国との関係にも極めて深くかかわるものであり、日本にとっても重大な関心を持たざるを得ません。こうした視点を踏まえまして、やや中長期的な課題ではありますが、我が国としては幾つかの視点を設定しておく必要があるかと思います。
特に、この地域は地域紛争やテロが多発しており、かつ核保有国ないし保有を疑われている国が集中しているにもかかわらず、地域的な安全保障を協議する議論の場はほとんどございません。もちろん、これだけ広大な地域であり、諸問題が錯綜している中で、地域的な安全保障の協議システムを構築するための議論を進めることは容易なことではございません。しかし、ユーラシア大陸の中央部を核とするメガ中東、大中東の安定は我が国にとって非常に重要な課題でございます。イラク問題、中東和平問題への対応と並んで、中長期的な視点からメガ中東地域における地域的な安全保障の協議体制の構築の試みに我が国が先鞭をつける必要があるかと考えます。
以上で私の意見を終わらせていただきます。拍手
池
江
江畑謙介#6
○江畑参考人 江畑でございます。
お手元にレジュメ及び資料がございますけれども、事務局のお手を煩わせて、なるべく説明を簡単にするために、書いてあることとそれに関する図や何かはみんなお手元につけてあります。例えば、イラクの主要戦力及びイラク軍の戦力評価、それからイラク攻撃に要するだろうと思われる戦力の見積もり及び、このレジュメにはありませんけれども、後ろの真ん中の方の表に所要経費の見積もり、これはアメリカの議会予算局が出したものがありますので、それはそちらで御参考までに見てください。
私は、限られた時間の中ですので、「日本の選択肢」というレジュメ、二ページ目の最後の四について、個人的な意見も含めた上で簡単に御説明させていただきたいと思います。
まず、日本の選択肢、どういうものがあり得るかと考える前の前提条件といたしまして、大量破壊兵器拡散防止というのは日本の国是でございます。イラクのサダム・フセイン政権が、少なくとも湾岸戦争までは大量破壊兵器、核、生物、化学兵器の保有に非常に努力してきたということは明確でございますし、その後、九八年十二月以後、国連の調査団が入っておりませんので、どうなっているかわからないという非常に不安定な状況にある。
明日かと思いますが、国連決議千四百四十一に示されました、イラク側からのこの大量破壊兵器開発及びその運搬手段に関する報告書というものを提出されるという話でございますけれども、現在のところ一切そんなものは持っていないということを言っておりますので、多分この点で非常にもめるだろうと思います。
二番目の条件といたしまして、日本は石油供給の八七%、実際はもうちょっと今は多くて九割近いかと思いますが、中東に依存しております。したがって、中東が安定してくれるということは、石油資源というと何やらとってくるというような穏やかなるものはありますけれども、いずれにしろ、日本だけではなく世界にとって中東の石油供給は、先ほど畑中参考人もおっしゃっていましたけれども、世界の経済にとって極めて重要なところです。言うまでもないことですけれども、イラクはサウジアラビアに次いで世界第二位の石油埋蔵量がある。ここが安定してくれないと困る、ここというのは中東地域が。
サダム・フセイン政権が現在のままで存続して、そこが安定し得るという具体的な、つまり軍事力を伴わないで課題が解決できるような方式が日本からあるいはほかの世界から提示できるんだったら構わないんですが、よろしいことなんですが、それができないとなると選択肢は非常に限られるだろうと思います。
それから三番目として、これはオープンには言っておりませんけれども、フセイン政権が倒れた以後、あるいはポスト・イラクというのはアメリカが中心の世界になる。中心でいいとか悪いとかそういう意味ではなくて、やはり世界の主導権をアメリカがかなり大きな力で握ることは間違いないだろうと思います。それをユニタリズムと称して反発するのは個々の自由なんですが、ただ反発しているだけでは変わらないだろうと思います。アメリカは絶対的に強いですから、軍事力、もちろんその前にある経済力、技術力をもって。
そうすると、逆にこれにはじき出されますと我々は何の関与もできなくなる。むしろ、英語で言うとアクティブ・エンゲージメントと言いますけれども、積極的にアメリカに、協力という言い方をすると何かおかしいかもしれませんけれども、関与していくことによって、その発言権や行動力をある程度、日本や世界にとって不利にならないように制御できる可能性があるというふうに思います。
そこで、具体的な日本の現実的選択肢に何があるかということを申し上げますが、私は外交方面の専門家ではございませんので、その点については省略させていただきます。それに、もう既に高村元外相を初めとして日本はイラク周辺諸国に使節を送り、いろいろそういう点では外交的努力をしておりますから、今は申し上げません。軍事的な面での選択肢に関して申し上げます。
お手元の資料の一番最後に、これは図示したものですけれども、三つの分類に分けたものがございます。
一番左は現在の延長。既にこれは行われておりますし、また一番下の海上自衛隊輸送艦による物資輸送も、このほど政府の方で、一回限りではありますけれども、アフガニスタンに駐留する施設部隊に対する物資輸送ということで決まりました。
二番目は、テロに対する闘いを行っている米軍の代替的活動として、インド洋におけるプレゼンス、活動をより強化する。例えば海上自衛隊のP3C洋上哨戒機を派遣するとか、あるいは航空自衛隊が持っているE767という早期警戒管制機を派遣する。これは、恐らく基地としてはディエゴガルシア以外に考えられないだろうと思います。ここへ行くのは、いわゆる兵たん輸送、ロジスティックが大変になりますけれども、それはやってやれないことではない。
それともう一つは、より一歩進んだ形の、これは象徴的になりますけれども、政府は一応決めましたが、一番下のイージス護衛艦を含めて、より多くの艦艇を派遣するということが、アメリカのテロとの闘いにおけるインド洋のパトロールの負担を軽減するという形で実施できるだろうと思います。
そして三番目は、新しい形になりますけれども、二つほど考えられるかと思います。
まず第一番は、ホルムズ海峡封鎖に備えて海上自衛隊の掃海艇部隊を前進配備しておく。配備といっても、これをどこに置くかは難しいところですが、例えばバーレーンに置いたときに、バーレーンというのは軍事攻撃が始まったときに戦闘行動地域に入るのか否かというような問題もありますし、パキスタンあたりですと政情不安で、またパキスタンが受け入れるかというような問題もあります。
ありますが、お手元の資料の一番最後から二枚目及び三枚目を見ていただければ、三枚目のところは中東に石油を依存しているということですし、二枚目のところはペルシャ湾から日本に至るタンカー航路です。ホルムズ海峡に仮に機雷が敷設されますと、大変な影響が日本だけではなく世界に生じる。
これはイラクがやるかどうかはわかりません。ただ、イラクに対する軍事攻撃が行われると、いわゆる一種の洋上におけるテロ行動という形で何者かが機雷を敷設する可能性もある。そうなった場合にこれを排除するというのは国際的に非常に重要なことになりまして、日本は既にその実績がある。多分、派遣するためには新しく法律が必要になるかもしれませんが、日本は世界の中でもかなり数多くの掃海艇を持っておりますから、やはりそれを前進配備しておく。
これは、使わないで済むんだったら、それにこしたことはないんです。ただ、決まってから行くんだったら、片道でも三週間近くかかりますから、この種の船ですと。そういう時間的なあれを考えるなら、一応前方に配備しておくことによってプレゼンス的な、ビジブルな、目に見える形での日本の貢献ということが証明できるのではないか。
三番目は、これは日本の法的なものになじむかどうかはわかりませんが、もうかなり米軍自身が米本土から湾岸地域に物資を運んでおります。運んでおりますけれども、なおかつ軍事的行動が行われるということが決まり、しかもそれが再び国連の安保理事会で決議されるような場合において、日本は、米軍ないしは米軍だけでなくていいんですけれども、そこに軍事的な参加を行う各国の物資輸送の船をチャーターするという形で貢献できるのではないかと思います。
つまり、これは単に金を払うというだけではなくて、日本が金を出して、大体今こういうコンテナ船というのは、ほとんどの場合には便宜置籍船ですから、いわゆるどこかの国に属するという特定のあれは、例えばパナマ、リベリアとかそういうところですので、チャーターすることは簡単ですし、ただその料金を支払いするということで、単に現金を払うのではなくて、物資輸送という形で貢献できるのではないかと思います。
最後に、結局日本は何らかの形で実質的に動いていかない限りは、この後のアメリカの絶対的な力を背景とした一種のユニタリズム的なものに何ら、下手をすると、入れてもらえないと日本の存亡にかかわるというか、日本国民が非常に苦しい思いをすると思います。そういう点では、選択肢として今現実的に考えられるのは、アメリカと日米安保条約をもとにしてやっていくしかないわけですから、そこにおいてむしろ積極的に日本が、もちろんできる範囲で関与すればいい。十一月の末に出ました対外関係タスクフォースでも、似たようなことが結論として書かれておりますが、私も個人的には同意見であります。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →お手元にレジュメ及び資料がございますけれども、事務局のお手を煩わせて、なるべく説明を簡単にするために、書いてあることとそれに関する図や何かはみんなお手元につけてあります。例えば、イラクの主要戦力及びイラク軍の戦力評価、それからイラク攻撃に要するだろうと思われる戦力の見積もり及び、このレジュメにはありませんけれども、後ろの真ん中の方の表に所要経費の見積もり、これはアメリカの議会予算局が出したものがありますので、それはそちらで御参考までに見てください。
私は、限られた時間の中ですので、「日本の選択肢」というレジュメ、二ページ目の最後の四について、個人的な意見も含めた上で簡単に御説明させていただきたいと思います。
まず、日本の選択肢、どういうものがあり得るかと考える前の前提条件といたしまして、大量破壊兵器拡散防止というのは日本の国是でございます。イラクのサダム・フセイン政権が、少なくとも湾岸戦争までは大量破壊兵器、核、生物、化学兵器の保有に非常に努力してきたということは明確でございますし、その後、九八年十二月以後、国連の調査団が入っておりませんので、どうなっているかわからないという非常に不安定な状況にある。
明日かと思いますが、国連決議千四百四十一に示されました、イラク側からのこの大量破壊兵器開発及びその運搬手段に関する報告書というものを提出されるという話でございますけれども、現在のところ一切そんなものは持っていないということを言っておりますので、多分この点で非常にもめるだろうと思います。
二番目の条件といたしまして、日本は石油供給の八七%、実際はもうちょっと今は多くて九割近いかと思いますが、中東に依存しております。したがって、中東が安定してくれるということは、石油資源というと何やらとってくるというような穏やかなるものはありますけれども、いずれにしろ、日本だけではなく世界にとって中東の石油供給は、先ほど畑中参考人もおっしゃっていましたけれども、世界の経済にとって極めて重要なところです。言うまでもないことですけれども、イラクはサウジアラビアに次いで世界第二位の石油埋蔵量がある。ここが安定してくれないと困る、ここというのは中東地域が。
サダム・フセイン政権が現在のままで存続して、そこが安定し得るという具体的な、つまり軍事力を伴わないで課題が解決できるような方式が日本からあるいはほかの世界から提示できるんだったら構わないんですが、よろしいことなんですが、それができないとなると選択肢は非常に限られるだろうと思います。
それから三番目として、これはオープンには言っておりませんけれども、フセイン政権が倒れた以後、あるいはポスト・イラクというのはアメリカが中心の世界になる。中心でいいとか悪いとかそういう意味ではなくて、やはり世界の主導権をアメリカがかなり大きな力で握ることは間違いないだろうと思います。それをユニタリズムと称して反発するのは個々の自由なんですが、ただ反発しているだけでは変わらないだろうと思います。アメリカは絶対的に強いですから、軍事力、もちろんその前にある経済力、技術力をもって。
そうすると、逆にこれにはじき出されますと我々は何の関与もできなくなる。むしろ、英語で言うとアクティブ・エンゲージメントと言いますけれども、積極的にアメリカに、協力という言い方をすると何かおかしいかもしれませんけれども、関与していくことによって、その発言権や行動力をある程度、日本や世界にとって不利にならないように制御できる可能性があるというふうに思います。
そこで、具体的な日本の現実的選択肢に何があるかということを申し上げますが、私は外交方面の専門家ではございませんので、その点については省略させていただきます。それに、もう既に高村元外相を初めとして日本はイラク周辺諸国に使節を送り、いろいろそういう点では外交的努力をしておりますから、今は申し上げません。軍事的な面での選択肢に関して申し上げます。
お手元の資料の一番最後に、これは図示したものですけれども、三つの分類に分けたものがございます。
一番左は現在の延長。既にこれは行われておりますし、また一番下の海上自衛隊輸送艦による物資輸送も、このほど政府の方で、一回限りではありますけれども、アフガニスタンに駐留する施設部隊に対する物資輸送ということで決まりました。
二番目は、テロに対する闘いを行っている米軍の代替的活動として、インド洋におけるプレゼンス、活動をより強化する。例えば海上自衛隊のP3C洋上哨戒機を派遣するとか、あるいは航空自衛隊が持っているE767という早期警戒管制機を派遣する。これは、恐らく基地としてはディエゴガルシア以外に考えられないだろうと思います。ここへ行くのは、いわゆる兵たん輸送、ロジスティックが大変になりますけれども、それはやってやれないことではない。
それともう一つは、より一歩進んだ形の、これは象徴的になりますけれども、政府は一応決めましたが、一番下のイージス護衛艦を含めて、より多くの艦艇を派遣するということが、アメリカのテロとの闘いにおけるインド洋のパトロールの負担を軽減するという形で実施できるだろうと思います。
そして三番目は、新しい形になりますけれども、二つほど考えられるかと思います。
まず第一番は、ホルムズ海峡封鎖に備えて海上自衛隊の掃海艇部隊を前進配備しておく。配備といっても、これをどこに置くかは難しいところですが、例えばバーレーンに置いたときに、バーレーンというのは軍事攻撃が始まったときに戦闘行動地域に入るのか否かというような問題もありますし、パキスタンあたりですと政情不安で、またパキスタンが受け入れるかというような問題もあります。
ありますが、お手元の資料の一番最後から二枚目及び三枚目を見ていただければ、三枚目のところは中東に石油を依存しているということですし、二枚目のところはペルシャ湾から日本に至るタンカー航路です。ホルムズ海峡に仮に機雷が敷設されますと、大変な影響が日本だけではなく世界に生じる。
これはイラクがやるかどうかはわかりません。ただ、イラクに対する軍事攻撃が行われると、いわゆる一種の洋上におけるテロ行動という形で何者かが機雷を敷設する可能性もある。そうなった場合にこれを排除するというのは国際的に非常に重要なことになりまして、日本は既にその実績がある。多分、派遣するためには新しく法律が必要になるかもしれませんが、日本は世界の中でもかなり数多くの掃海艇を持っておりますから、やはりそれを前進配備しておく。
これは、使わないで済むんだったら、それにこしたことはないんです。ただ、決まってから行くんだったら、片道でも三週間近くかかりますから、この種の船ですと。そういう時間的なあれを考えるなら、一応前方に配備しておくことによってプレゼンス的な、ビジブルな、目に見える形での日本の貢献ということが証明できるのではないか。
三番目は、これは日本の法的なものになじむかどうかはわかりませんが、もうかなり米軍自身が米本土から湾岸地域に物資を運んでおります。運んでおりますけれども、なおかつ軍事的行動が行われるということが決まり、しかもそれが再び国連の安保理事会で決議されるような場合において、日本は、米軍ないしは米軍だけでなくていいんですけれども、そこに軍事的な参加を行う各国の物資輸送の船をチャーターするという形で貢献できるのではないかと思います。
つまり、これは単に金を払うというだけではなくて、日本が金を出して、大体今こういうコンテナ船というのは、ほとんどの場合には便宜置籍船ですから、いわゆるどこかの国に属するという特定のあれは、例えばパナマ、リベリアとかそういうところですので、チャーターすることは簡単ですし、ただその料金を支払いするということで、単に現金を払うのではなくて、物資輸送という形で貢献できるのではないかと思います。
最後に、結局日本は何らかの形で実質的に動いていかない限りは、この後のアメリカの絶対的な力を背景とした一種のユニタリズム的なものに何ら、下手をすると、入れてもらえないと日本の存亡にかかわるというか、日本国民が非常に苦しい思いをすると思います。そういう点では、選択肢として今現実的に考えられるのは、アメリカと日米安保条約をもとにしてやっていくしかないわけですから、そこにおいてむしろ積極的に日本が、もちろんできる範囲で関与すればいい。十一月の末に出ました対外関係タスクフォースでも、似たようなことが結論として書かれておりますが、私も個人的には同意見であります。
どうもありがとうございました。拍手
池
池
河
河野太郎#9
○河野(太)委員 自由民主党の河野太郎でございます。
三人の参考人の皆様、本日はお忙しい中、まことにありがとうございます。
まず、立山参考人にお伺いをしたいと思うんですが、中東和平へのプロセスの中で日本が全く影を潜めている、日本が全く見えない、まさにそのとおりなんだろうと思います。
幾つか、例えば中東和平特使の任命、あるいはイスラエル、パレスチナの対話の枠組みをつくったらどうか、いろいろ御提案をいただきましたが、例えばその対話促進の枠組み、日本としてどういうことをやったらいいのか、もう少し具体的にお話を伺わせていたたければまことに幸いでございます。
この発言だけを見る →三人の参考人の皆様、本日はお忙しい中、まことにありがとうございます。
まず、立山参考人にお伺いをしたいと思うんですが、中東和平へのプロセスの中で日本が全く影を潜めている、日本が全く見えない、まさにそのとおりなんだろうと思います。
幾つか、例えば中東和平特使の任命、あるいはイスラエル、パレスチナの対話の枠組みをつくったらどうか、いろいろ御提案をいただきましたが、例えばその対話促進の枠組み、日本としてどういうことをやったらいいのか、もう少し具体的にお話を伺わせていたたければまことに幸いでございます。
立
立山良司#10
○立山参考人 対話促進の枠組み、今、日本政府、特に外務省の中ではトラック2という枠組み、つまり、政府関係者でもなく、ビジネス界でもない、イスラエル、パレスチナ、双方から学者なんかを呼んでさまざまな問題を議論してもらうということは進めているようでございますけれども、これも随分話が出てからまだ実現していないという状況でございます。
できる限りそういった対話を、私はビジネス界を含めてでもよろしいのではないかと思うんですけれども、さまざまな層のイスラエル、パレスチナ関係者を日本に呼ぶなり、どこかに集めて議論をしていただくということが大事かと思っております。
この発言だけを見る →できる限りそういった対話を、私はビジネス界を含めてでもよろしいのではないかと思うんですけれども、さまざまな層のイスラエル、パレスチナ関係者を日本に呼ぶなり、どこかに集めて議論をしていただくということが大事かと思っております。
河
河野太郎#11
○河野(太)委員 日本の外務省は、例えばパレスチナの旅券を認めた、世界の中で恐らく最後から何番目という国だったんだろうと思います。あるいは対パレスチナのODAなどを見ておりますと、この十年でかなりの金額の削減があるようでございますが、立山参考人の目から見て、なぜ日本の外務省は中東問題、特にパレスチナ和平の問題について腰が引けているか。立山さんの方からごらんになって、外務省の腰が引けている理由というのが何かあるのでしょうか。
この発言だけを見る →立
立山良司#12
○立山参考人 さまざまな理由があるかと思いますけれども、例えばパレスチナ旅券をついせんだってやっと認めたということでございますけれども、これはやはり法的な解釈が日本は極めて厳しい体制をとっているということに起因しているのだろうと思います。それはそれで一つの考え方かと思いますが、ただ他方で、今おっしゃられましたように、対パレスチナのODAがこの二年ほどで大幅に減少していることは事実でございます。
一つの要因といたしましては、実際に現地が極めて不安定な状況になっており、暴力的な対立が続いているということで、ODAを出しても、例えば学校建設等ができないということがございます。
しかし、その一方で、危険なところには日本のODA関係者が行けない、行ってはいけないというような形になっておりますゆえに、和平ムードが進んで現地の状況がよければ、日本も姿を見せてさまざまな支援活動を行う、しかし、和平交渉が停滞をし、現地の情勢が極めて緊迫する、あるいは暴力的な対立が続くということになると、日本は日本人の安全ということをまず第一に考えて、すべてとは言わないまでも、多くを引き揚げてしまう。その結果、和平交渉の一番肝心な、対立しているときにこそ深くかかわっていかなければならないにもかかわらず、対立しているときに引き揚げてしまう。そういった姿勢が、中東和平プロセスを推進する場合の、日本の腰が引けた、あるいは影が見えないというような対応の背景にあるかと思います。
この発言だけを見る →一つの要因といたしましては、実際に現地が極めて不安定な状況になっており、暴力的な対立が続いているということで、ODAを出しても、例えば学校建設等ができないということがございます。
しかし、その一方で、危険なところには日本のODA関係者が行けない、行ってはいけないというような形になっておりますゆえに、和平ムードが進んで現地の状況がよければ、日本も姿を見せてさまざまな支援活動を行う、しかし、和平交渉が停滞をし、現地の情勢が極めて緊迫する、あるいは暴力的な対立が続くということになると、日本は日本人の安全ということをまず第一に考えて、すべてとは言わないまでも、多くを引き揚げてしまう。その結果、和平交渉の一番肝心な、対立しているときにこそ深くかかわっていかなければならないにもかかわらず、対立しているときに引き揚げてしまう。そういった姿勢が、中東和平プロセスを推進する場合の、日本の腰が引けた、あるいは影が見えないというような対応の背景にあるかと思います。
河
河野太郎#13
○河野(太)委員 アフガニスタンのときも、一番最初に逃げたのが外務省とJICAだった、最初に行ったのがNGOだったという話を現地で私も伺ったことがございます。パレスチナの方からも、今が一番大変なときなのになぜ日本は来ないのか、そのようなお話を伺ったこともあります。少し気をつけてこの問題には対処していかなければいけないんだろうと思います。
中近東の方々と話をすると、日本は別に、イスラエルにもパレスチナにも極端に近いということもなく、宗教的にも日本はそんなに関係がない、あるいは歴史的に見ても、植民地を中近東に持っていたという歴史もない、あるいは、欧米あるいはロシアと違って、中近東に武器を輸出してもうけているわけでもない。そういう意味で、非常に中立的な立場で、日本は中近東に来やすいのではないか、なぜもっと来ないのかというような声をよく聞くのですが、逆に、だからこそ中近東と日本のかかわりが薄くなってしまうのかな。
中近東の、例えば言葉の問題一つとってみても、まず言葉がわからないというような問題も多々あるんだろうというふうに思いますが、私も、例えば中東和平特使というようなものを常設で任命して、大使がころころかわる中、少し中近東を落ちついて見てくれる、そういう人間が必要なんだろうと思います。
例えば、立山さんの目から見て、中東和平特使、こういう人がいいのではないか、いらっしゃったら、少し具体的な名前をおっしゃっていただければと思います。
この発言だけを見る →中近東の方々と話をすると、日本は別に、イスラエルにもパレスチナにも極端に近いということもなく、宗教的にも日本はそんなに関係がない、あるいは歴史的に見ても、植民地を中近東に持っていたという歴史もない、あるいは、欧米あるいはロシアと違って、中近東に武器を輸出してもうけているわけでもない。そういう意味で、非常に中立的な立場で、日本は中近東に来やすいのではないか、なぜもっと来ないのかというような声をよく聞くのですが、逆に、だからこそ中近東と日本のかかわりが薄くなってしまうのかな。
中近東の、例えば言葉の問題一つとってみても、まず言葉がわからないというような問題も多々あるんだろうというふうに思いますが、私も、例えば中東和平特使というようなものを常設で任命して、大使がころころかわる中、少し中近東を落ちついて見てくれる、そういう人間が必要なんだろうと思います。
例えば、立山さんの目から見て、中東和平特使、こういう人がいいのではないか、いらっしゃったら、少し具体的な名前をおっしゃっていただければと思います。
立
立山良司#14
○立山参考人 お答えいたします。
東南アジアと日本とのかかわりを見てみますと、これはちょっと表現があれかと思いますけれども、公的関係から極端な場合には暴力団までが、さまざまな層で関係がある。他方、中近東と日本との関係というのは、公的な関係と一部商社、石油会社の関係に極めて限られているということで、やはりどうしても日本の関心が薄い。今おっしゃられましたような言語の問題を含めて、関心が薄いということがあるかと思います。
それで、特使の件ですけれども、なぜ特使が必要なのかということ。一つは、やはり中東和平問題は極めてテクニカルな用語を使う。例えば、三十年前の決議にこう書いてあるとか五十年前のイギリスの宣言でこうなっているとかという議論を含めて、場合によっては聖書にこういう言葉が書いてあるがという議論までする中で、どうやって和平を進めていこうかということですから、なかなか日本の普通の外交官の方、かなり知識を持っていらっしゃったとしても、ある種の村社会といいますかグループを形成されている国際的な小さなグループの中にすぐに入っていけないということがあるわけでございますので、長期的な視点から特使を任命するということが必要かと思うんです。
ただ、私が今ここで、どなたか具体的な名前ということではございませんけれども、今申し上げましたように、やはり中東に対する歴史的、宗教的な見識及び中東和平問題のさまざまな過去の経緯についてかなり把握をしている方が任命されれば、それが最も効果的な方法になるのではないかと考えます。
この発言だけを見る →東南アジアと日本とのかかわりを見てみますと、これはちょっと表現があれかと思いますけれども、公的関係から極端な場合には暴力団までが、さまざまな層で関係がある。他方、中近東と日本との関係というのは、公的な関係と一部商社、石油会社の関係に極めて限られているということで、やはりどうしても日本の関心が薄い。今おっしゃられましたような言語の問題を含めて、関心が薄いということがあるかと思います。
それで、特使の件ですけれども、なぜ特使が必要なのかということ。一つは、やはり中東和平問題は極めてテクニカルな用語を使う。例えば、三十年前の決議にこう書いてあるとか五十年前のイギリスの宣言でこうなっているとかという議論を含めて、場合によっては聖書にこういう言葉が書いてあるがという議論までする中で、どうやって和平を進めていこうかということですから、なかなか日本の普通の外交官の方、かなり知識を持っていらっしゃったとしても、ある種の村社会といいますかグループを形成されている国際的な小さなグループの中にすぐに入っていけないということがあるわけでございますので、長期的な視点から特使を任命するということが必要かと思うんです。
ただ、私が今ここで、どなたか具体的な名前ということではございませんけれども、今申し上げましたように、やはり中東に対する歴史的、宗教的な見識及び中東和平問題のさまざまな過去の経緯についてかなり把握をしている方が任命されれば、それが最も効果的な方法になるのではないかと考えます。
河
河野太郎#15
○河野(太)委員 ありがとうございます。
畑中参考人にお伺いをしたいと思いますが、例えばイラクの生産が停止したときに、OPECに余剰生産力がある、あるいはOECDの政府備蓄を取り崩せばその分はカバーできるというお話でございますが、例えばイラクの生産が停止をしたといってから備蓄が現実に放出されるまで、あるいはサウジアラビアを含めたOPECが余剰生産力を利用して足らない分を埋める、このためのリードタイムというのは物理的にどれぐらいかかるものなのでしょうか。
この発言だけを見る →畑中参考人にお伺いをしたいと思いますが、例えばイラクの生産が停止したときに、OPECに余剰生産力がある、あるいはOECDの政府備蓄を取り崩せばその分はカバーできるというお話でございますが、例えばイラクの生産が停止をしたといってから備蓄が現実に放出されるまで、あるいはサウジアラビアを含めたOPECが余剰生産力を利用して足らない分を埋める、このためのリードタイムというのは物理的にどれぐらいかかるものなのでしょうか。
畑
畑中美樹#16
○畑中参考人 備蓄の放出につきましては、国によって差異はあると思いますけれども、恐らく一カ月前後の時間じゃないかと思います。
それから、産油国における余剰生産能力の増加につきましては、前回の湾岸戦争のときを振り返ってみますと、サウジアラビアが最大生産能力まで引き上げるまでに約九十日かかっております。ただ短期的には、約一カ月あれば一日当たり百万バレルの生産の回復というのは可能でございますので、あと、洋上にフローで流れている分もありますので、それを考えますと、恐らく一カ月ぐらいの間の若干の緊張状態というのはあるかもしれませんけれども、それ以後は過不足はないようになるんじゃないかというふうに思います。
この発言だけを見る →それから、産油国における余剰生産能力の増加につきましては、前回の湾岸戦争のときを振り返ってみますと、サウジアラビアが最大生産能力まで引き上げるまでに約九十日かかっております。ただ短期的には、約一カ月あれば一日当たり百万バレルの生産の回復というのは可能でございますので、あと、洋上にフローで流れている分もありますので、それを考えますと、恐らく一カ月ぐらいの間の若干の緊張状態というのはあるかもしれませんけれども、それ以後は過不足はないようになるんじゃないかというふうに思います。
河
畑
畑中美樹#18
○畑中参考人 イラクの石油が停止するという状況は、恐らくイラクにおける政治的な状況あるいは軍事的な状況が相当緊迫しているということが前提になると思いますので、そうしたことから考えますと、恐らく現在二十四ドルとか二十五ドルぐらいの価格が三十五ドルぐらいまではね上がるということは、短期的にはあり得るんだろうと思います。
ただ、前回の湾岸戦争のときにも起こりましたように、仮に軍事行動、戦闘行為になった場合に、米軍の圧倒的な優位な軍事展開となりますと、それがわかった時点で、恐らく現在の水準、二十四ドルとか五ドルにすぐ下落するということになろうかと思います。
この発言だけを見る →ただ、前回の湾岸戦争のときにも起こりましたように、仮に軍事行動、戦闘行為になった場合に、米軍の圧倒的な優位な軍事展開となりますと、それがわかった時点で、恐らく現在の水準、二十四ドルとか五ドルにすぐ下落するということになろうかと思います。
河
河野太郎#19
○河野(太)委員 イラクの大きな四つの油田、ウエスト・クルナ、マジュヌーン、これがそれぞれロシア、フランスが権利を持っているということでございますが、今アメリカが言っている政権交代といいますか、政権をすべてそっくりそのままかえてしまおうということが仮に起きたときに、石油界の慣例では、前政権、前体制と結んでいたロシアとフランスの石油利権というんでしょうか、権利はそのまま新政権が引き継ぐと考えていいのか。あるいは、これはもう出たとこ勝負というのが石油界の常識なのか。そのあたりのことをお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →畑
畑中美樹#20
○畑中参考人 まさにそこのところが我々もよくわからないところでございますけれども、ロシア、フランスでも、現在の政権が仮にかわった場合のことを想定いたしまして、現在ロンドン等に反政府組織として認定されているものが六つほどございますが、そこの代表等とこの夏以降接触をしているようでございますので、恐らく、政権がかわった場合においても何らかの形で既存の契約が履行、尊重されるような努力はしているんだろうと思います。
ただ、実際に、仮に政権がかわった場合に現在の契約あるいは約束事がすべて履行されることになるかどうかということについては、疑問が残るのではないかと思います。
この発言だけを見る →ただ、実際に、仮に政権がかわった場合に現在の契約あるいは約束事がすべて履行されることになるかどうかということについては、疑問が残るのではないかと思います。
河
河野太郎#21
○河野(太)委員 ロンドンで開かれようとしているイラクの反体制会議の出席者に対して、日本から石油の問題でアプローチがあったかどうか、畑中参考人の御存じの範囲で教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →畑
畑中美樹#22
○畑中参考人 今回の会議に関して日本からアプローチがあったかどうかということに関しては、私は具体的なことは存じません。
ただ、過去において、我が国が今回のロンドンの会合にも出席するイラクの反政府グループと接触をしたことはございます。
この発言だけを見る →ただ、過去において、我が国が今回のロンドンの会合にも出席するイラクの反政府グループと接触をしたことはございます。
河
河野太郎#23
○河野(太)委員 先ほど、イラクの油田設備はかなり老朽化をしているということでございました。それに対して、フランス、ロシアは多少なりとも投資をこれから、これからはなかなか難しいと思いますが、どれぐらいの技術あるいは金を入れたのか。それに対して、日本がお金を入れて老朽化を何とか新しくしていくということはできると思うんですが、日本の国の中にそういう技術があるのかどうかということを教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →畑
畑中美樹#24
○畑中参考人 まず、石油については、現在の既存の油田の維持補修とそれから今後の新規の開発、この二つに分けられるかと思いますが、後者につきましては、現在の国連の制裁下で開発はできないことになっております。
前者につきましても、国連のオイル・フォー・フードという、食糧と石油の交換の計画の枠組みの中で、石油部品を輸入してもよいということになっておりまして、その契約のもとにおいてロシア、フランス等が部品の供給をしてきております。我が国についても、まず技術的にはそれは可能でありますが、現在のところは、そうしたものの部品の発注は我が国には来ていないというのが現状でございます。
この発言だけを見る →前者につきましても、国連のオイル・フォー・フードという、食糧と石油の交換の計画の枠組みの中で、石油部品を輸入してもよいということになっておりまして、その契約のもとにおいてロシア、フランス等が部品の供給をしてきております。我が国についても、まず技術的にはそれは可能でありますが、現在のところは、そうしたものの部品の発注は我が国には来ていないというのが現状でございます。
河
河野太郎#25
○河野(太)委員 ありがとうございます。
江畑参考人にお伺いをしたいと思いますが、日本政府はイージス艦をインド洋に派遣をするということを決定いたしました。イージス艦と、これまでインド洋に行っていた護衛艦の戦力というんでしょうか能力の違いを少し具体的に、今回のアフガニスタンの後方支援という観点から何が変わってくるのか。例えば冷房がよくきくとかそういうような話もありましたが、そうした話は別として、作戦行動においてイージス艦が行ったということによって何が変わるのか、少し具体的に教えていただきたいと思います。
それと、仮にイラクに対してアメリカが作戦行動を行ったときに、インド洋上にいる日本のイージス艦が、アメリカの対イラク作戦についてどのようなことができるのか、教えていただければ幸いです。
この発言だけを見る →江畑参考人にお伺いをしたいと思いますが、日本政府はイージス艦をインド洋に派遣をするということを決定いたしました。イージス艦と、これまでインド洋に行っていた護衛艦の戦力というんでしょうか能力の違いを少し具体的に、今回のアフガニスタンの後方支援という観点から何が変わってくるのか。例えば冷房がよくきくとかそういうような話もありましたが、そうした話は別として、作戦行動においてイージス艦が行ったということによって何が変わるのか、少し具体的に教えていただきたいと思います。
それと、仮にイラクに対してアメリカが作戦行動を行ったときに、インド洋上にいる日本のイージス艦が、アメリカの対イラク作戦についてどのようなことができるのか、教えていただければ幸いです。
江
江畑謙介#26
○江畑参考人 まず、イージス艦の能力とどのぐらい変わるかという御質問ですけれども、基本的には、現在行っている在来型といいますか、その護衛艦と変わりません。
まず第一に、最近この議論はなくなりましたけれども、去年イージス艦派遣の問題が言われたときに、主に政府及び与党の方から強く主張された情報収集能力、これは正確に言うと、レーダーで得た情報処理能力が高いのであって、別に、ほかの護衛艦が持っていない能力を持っているわけじゃありません。
ただ、あのレーダーは、ちょっと難しい話になりますけれども、普通はレーダーなんというのはぐるぐる回りますが、そういうのでなくて、電子的に四つの、三百六十度の四方向に向いたレーダーを回しますから、普通のレーダーのアンテナですと一分間に十回ぐらい、つまり六秒に一回ぐらいしか全周がわからないのに対して、瞬時に、実際目で見ている限りでは、人間の判断能力でやる限りは、同時に三百六十度を見ているというようなことが可能であります。それから、出力も高いので、大きな、戦闘機ぐらいの大きさのものでしたら四百キロぐらい先、高さにもよりますけれども、探知できる。
それを同時に、同時にというのは事実上同時にという意味で、全くリアルタイムでという本来の意味ではありませんけれども、人間がやる分には能力的にほとんど差がわからないほど同時に多くの目標を追尾して、大体、追尾能力で四百キロ以上、追尾というのは、つまり今Aの一という目標がどこの高度をどの方向に進んでいるかというのは常に見ている、これが追尾ですね。それに対して、ねらう位置に向けて攻撃をかける、ミサイルを誘導する。これは大体どのくらいできるかというと、その能力にもよりますけれども、普通十から二十個、最大規模で二十四個と言われていますけれども、同時に対応できる能力がある。
確かに、この迎撃能力だけで見る場合は、今既にインド洋に派遣されている在来型の護衛艦よりもかなり防空能力は高いです。ただ、先ほど申し上げました情報収集能力という意味でいうならば、単にそのイージス艦がいる半径四百キロ程度の空の内容がわかるというだけで、これは今既にインド洋に派遣されている船と何ら変わりはありません。
それ以上のことをするのであれば、通常、ESM、その中にシギントとかエリントとかという信号情報収集あるいは電波情報収集という特別な装置をつけない限りは、それほど高い能力は得られません。ごく小規模なものは自分の船を守るためには持っていますけれども、それは、ほかの護衛艦と全く同じものです。
あとは、行動が一体化するというのがありましたけれども、国会の質問でもあったかと思いますが、共同交戦能力、コオペレート・エンゲージメント・ケーパビリティー、CECと訳していますけれども、これは自衛隊のイージス艦にはありません。開発したのはアメリカ海軍ですが、アメリカ海軍でも二〇〇一年からようやっと実用化に達した段階で、ことしの秋の時点でアメリカ海軍で十七隻、それから航空機が八機、これしか搭載されておりませんし、アメリカ以外にこの装置を買った国は、イギリスがテスト用に一つだけです。日本は、欲しいとは思うかもしれませんが、今のところ具体的に導入計画もないし、果たして、それを欲しいと言ってもリリースされるかどうかもわかりません。
これは、簡単に言いますと、従来のデータリンク、つまりリンク11とか16とか言っているものですが、今の海上自衛隊の護衛艦は基本的にはリンク11、それからイージス艦は、それをアナログ型からデジタル型にしたリンク16というのを持っている。これは文字情報を交換するんですよ。つまり、レーダーで見つける、そうすると高度が幾つ、方向が幾つ、それから、それに対して、敵味方識別信号だったか敵かわからない、こういう情報がありますね、これを文字情報としてお互いに交換して、それに従ってディスプレーに投影するものです。ですから、昔で言うと、映画なんかにありますけれども、ガラスの板に記入していく、あれと同じことをコンピューターの間で文字と数字の情報だけでやるということですね。これがリンク11と16です。
それに対して、CECというのは、そのレーダーが見ている生の映像、空全体が三百六十度どうなっているか、それをお互いに交換し重ね合わせることができる。ですから、完全にその海域一帯の状況が、それを持っているどの船や飛行機ともすべて共用できます。
ですから、資料を配付いたしましたけれども、文字で、そこの上のレジュメの二ページに書いてあるのが、これがリンク11の送られるデータです。それに対して、後ろの方の、いろいろな写真や何かありますけれども、これがCECの能力だと思っていただければ結構です。
ですから、それができますと、自分が見えていない目標でも、はるか向こうにいる船あるいは飛行機が得たレーダー映像がそのまま自分でも見られますし、また、いろいろな船から来た情報を重ね合わせることもできますから、自分で目標が見えていなくても、そこまで、例えば艦対空ミサイルが届くのであるならば発射できます。ただし、発射するのは自分の艦の判断で、あるいは命令によって判断してやるものであって、全然別の、例えば海上自衛隊の船が仮にCECを持っていて、米軍とそれをつないだとしても、米軍から、撃てというように、遠隔操作的に海上自衛隊の船が発射できるものではありません。
ただ、その画像データの共用及び融合したものが、例えば全然遠くのところにいる早期警戒管制機が得た映像をそのまま重ね合わせることもできますから、それをもって集団的自衛権の乱用になるかどうかというのは議論が分かれるところだ、解釈の分かれるところだと思いますが、少なくとも、現時点においては海上自衛隊の船が持っているのはリンク11ないしは16で、イージス艦は16を持っています。16はどこが違うかというと、先ほど申し上げたようにデジタル型なんで、非常に大量に高速にそのデータの更新ができるというだけで、基本的には11と変わりありません。
二番目の御質問で、これをインド洋に派遣した場合においてどう変わるかということになりますと、少なくともインド洋の周辺で現在海上自衛隊が活動している範囲、例えば北アラビア海あたりまででしたら、今と状況は変わらない。
ただ、もし何か、余り状況としては考えにくいんですけれども、テロリストによる航空攻撃、ほとんどこれは航空攻撃しか対応できませんが、あるいは、イラクが間違ってペルシャ湾あるいはサウジアラビアの上を突っ切って北アラビア海まで出てきて、それが非常に多数である、三十機とか四十機とか、あるいは百機とかいうことであるならば、イージス艦を持っていってそれに対応できて、どの飛行機が今どこにいますというのをデータリンクで知らせることができますから、能力的には高まりますけれども、一機や二機が仮に来たところで、それは今の護衛艦とは変わりありません。
ただし、それだけの能力を持っている、日本が一つの伝家の宝刀的なものを送ってくれたということが政治的に評価されるかどうかということに関しては、これは別物の話です。
居住性がよい、確かにそのとおりです。新しい船ですし、大きな船にもかかわらず三百人程度の人間で済んでいますから、それは間違いないです。
あそこは行ってみればわかるように、甲板の上が八十度とか、そんな問題ではなくて、物すごい暑いことは事実です。それから、非常に細かい砂が来ます。これはもう黄砂以上に細かいもので、パウダーというよりも粘土みたいになっちゃうんですね。甲板なんかに出ても、大変な状況になる。完全に密封していても中に入ってくるというようなのを、アメリカ第七艦隊の作戦報告なんかでいろいろ報告されております。
確かに、あそこに行っている乗員の任務というのは非常に過酷だろうとは思います。それがイージス艦で軽減されるか。ただ、乗員は交代しますから。居住性のいい船であることは間違いありません。
以上です。
この発言だけを見る →まず第一に、最近この議論はなくなりましたけれども、去年イージス艦派遣の問題が言われたときに、主に政府及び与党の方から強く主張された情報収集能力、これは正確に言うと、レーダーで得た情報処理能力が高いのであって、別に、ほかの護衛艦が持っていない能力を持っているわけじゃありません。
ただ、あのレーダーは、ちょっと難しい話になりますけれども、普通はレーダーなんというのはぐるぐる回りますが、そういうのでなくて、電子的に四つの、三百六十度の四方向に向いたレーダーを回しますから、普通のレーダーのアンテナですと一分間に十回ぐらい、つまり六秒に一回ぐらいしか全周がわからないのに対して、瞬時に、実際目で見ている限りでは、人間の判断能力でやる限りは、同時に三百六十度を見ているというようなことが可能であります。それから、出力も高いので、大きな、戦闘機ぐらいの大きさのものでしたら四百キロぐらい先、高さにもよりますけれども、探知できる。
それを同時に、同時にというのは事実上同時にという意味で、全くリアルタイムでという本来の意味ではありませんけれども、人間がやる分には能力的にほとんど差がわからないほど同時に多くの目標を追尾して、大体、追尾能力で四百キロ以上、追尾というのは、つまり今Aの一という目標がどこの高度をどの方向に進んでいるかというのは常に見ている、これが追尾ですね。それに対して、ねらう位置に向けて攻撃をかける、ミサイルを誘導する。これは大体どのくらいできるかというと、その能力にもよりますけれども、普通十から二十個、最大規模で二十四個と言われていますけれども、同時に対応できる能力がある。
確かに、この迎撃能力だけで見る場合は、今既にインド洋に派遣されている在来型の護衛艦よりもかなり防空能力は高いです。ただ、先ほど申し上げました情報収集能力という意味でいうならば、単にそのイージス艦がいる半径四百キロ程度の空の内容がわかるというだけで、これは今既にインド洋に派遣されている船と何ら変わりはありません。
それ以上のことをするのであれば、通常、ESM、その中にシギントとかエリントとかという信号情報収集あるいは電波情報収集という特別な装置をつけない限りは、それほど高い能力は得られません。ごく小規模なものは自分の船を守るためには持っていますけれども、それは、ほかの護衛艦と全く同じものです。
あとは、行動が一体化するというのがありましたけれども、国会の質問でもあったかと思いますが、共同交戦能力、コオペレート・エンゲージメント・ケーパビリティー、CECと訳していますけれども、これは自衛隊のイージス艦にはありません。開発したのはアメリカ海軍ですが、アメリカ海軍でも二〇〇一年からようやっと実用化に達した段階で、ことしの秋の時点でアメリカ海軍で十七隻、それから航空機が八機、これしか搭載されておりませんし、アメリカ以外にこの装置を買った国は、イギリスがテスト用に一つだけです。日本は、欲しいとは思うかもしれませんが、今のところ具体的に導入計画もないし、果たして、それを欲しいと言ってもリリースされるかどうかもわかりません。
これは、簡単に言いますと、従来のデータリンク、つまりリンク11とか16とか言っているものですが、今の海上自衛隊の護衛艦は基本的にはリンク11、それからイージス艦は、それをアナログ型からデジタル型にしたリンク16というのを持っている。これは文字情報を交換するんですよ。つまり、レーダーで見つける、そうすると高度が幾つ、方向が幾つ、それから、それに対して、敵味方識別信号だったか敵かわからない、こういう情報がありますね、これを文字情報としてお互いに交換して、それに従ってディスプレーに投影するものです。ですから、昔で言うと、映画なんかにありますけれども、ガラスの板に記入していく、あれと同じことをコンピューターの間で文字と数字の情報だけでやるということですね。これがリンク11と16です。
それに対して、CECというのは、そのレーダーが見ている生の映像、空全体が三百六十度どうなっているか、それをお互いに交換し重ね合わせることができる。ですから、完全にその海域一帯の状況が、それを持っているどの船や飛行機ともすべて共用できます。
ですから、資料を配付いたしましたけれども、文字で、そこの上のレジュメの二ページに書いてあるのが、これがリンク11の送られるデータです。それに対して、後ろの方の、いろいろな写真や何かありますけれども、これがCECの能力だと思っていただければ結構です。
ですから、それができますと、自分が見えていない目標でも、はるか向こうにいる船あるいは飛行機が得たレーダー映像がそのまま自分でも見られますし、また、いろいろな船から来た情報を重ね合わせることもできますから、自分で目標が見えていなくても、そこまで、例えば艦対空ミサイルが届くのであるならば発射できます。ただし、発射するのは自分の艦の判断で、あるいは命令によって判断してやるものであって、全然別の、例えば海上自衛隊の船が仮にCECを持っていて、米軍とそれをつないだとしても、米軍から、撃てというように、遠隔操作的に海上自衛隊の船が発射できるものではありません。
ただ、その画像データの共用及び融合したものが、例えば全然遠くのところにいる早期警戒管制機が得た映像をそのまま重ね合わせることもできますから、それをもって集団的自衛権の乱用になるかどうかというのは議論が分かれるところだ、解釈の分かれるところだと思いますが、少なくとも、現時点においては海上自衛隊の船が持っているのはリンク11ないしは16で、イージス艦は16を持っています。16はどこが違うかというと、先ほど申し上げたようにデジタル型なんで、非常に大量に高速にそのデータの更新ができるというだけで、基本的には11と変わりありません。
二番目の御質問で、これをインド洋に派遣した場合においてどう変わるかということになりますと、少なくともインド洋の周辺で現在海上自衛隊が活動している範囲、例えば北アラビア海あたりまででしたら、今と状況は変わらない。
ただ、もし何か、余り状況としては考えにくいんですけれども、テロリストによる航空攻撃、ほとんどこれは航空攻撃しか対応できませんが、あるいは、イラクが間違ってペルシャ湾あるいはサウジアラビアの上を突っ切って北アラビア海まで出てきて、それが非常に多数である、三十機とか四十機とか、あるいは百機とかいうことであるならば、イージス艦を持っていってそれに対応できて、どの飛行機が今どこにいますというのをデータリンクで知らせることができますから、能力的には高まりますけれども、一機や二機が仮に来たところで、それは今の護衛艦とは変わりありません。
ただし、それだけの能力を持っている、日本が一つの伝家の宝刀的なものを送ってくれたということが政治的に評価されるかどうかということに関しては、これは別物の話です。
居住性がよい、確かにそのとおりです。新しい船ですし、大きな船にもかかわらず三百人程度の人間で済んでいますから、それは間違いないです。
あそこは行ってみればわかるように、甲板の上が八十度とか、そんな問題ではなくて、物すごい暑いことは事実です。それから、非常に細かい砂が来ます。これはもう黄砂以上に細かいもので、パウダーというよりも粘土みたいになっちゃうんですね。甲板なんかに出ても、大変な状況になる。完全に密封していても中に入ってくるというようなのを、アメリカ第七艦隊の作戦報告なんかでいろいろ報告されております。
確かに、あそこに行っている乗員の任務というのは非常に過酷だろうとは思います。それがイージス艦で軽減されるか。ただ、乗員は交代しますから。居住性のいい船であることは間違いありません。
以上です。
河
池
丸
丸谷佳織#29
○丸谷委員 公明党の丸谷佳織でございます。
三名の参考人の方、どうもありがとうございました。
まず、畑中参考人に質問をさせていただきます。御説明いただいたことから大変多くのことを学ばせていただきましたけれども、現在、アメリカの大手石油会社関係がイラクの反体制派最大組織に接触を開始した旨報じられております。フセイン政権が崩壊後、サウジアラビアに次ぐ世界第二の石油埋蔵量を誇るイラクで本格的な生産というものが開始されるのであれば、世界の原油価格にも大きな影響が出てくるだろうと思われますが、この辺についての参考人の御意見をお伺いします。
この発言だけを見る →三名の参考人の方、どうもありがとうございました。
まず、畑中参考人に質問をさせていただきます。御説明いただいたことから大変多くのことを学ばせていただきましたけれども、現在、アメリカの大手石油会社関係がイラクの反体制派最大組織に接触を開始した旨報じられております。フセイン政権が崩壊後、サウジアラビアに次ぐ世界第二の石油埋蔵量を誇るイラクで本格的な生産というものが開始されるのであれば、世界の原油価格にも大きな影響が出てくるだろうと思われますが、この辺についての参考人の御意見をお伺いします。